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100 Corning Life Sciences www.corning.com/lifesciences Corning ® BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステム w サンプル処理数を高めた簡便で再現性あるアッセイです。 w 2496マルチウェルプレートタイプが揃っています。 BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムの利点 BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムは、ガン細胞の浸潤を 阻害する候補化合物スクリーニング向けのユニークで定量性の あるシステムです。24および96マルチウェルタイプが選べ、 様々なタイプのガン細胞の解析や、 IC 50 の解析に最適です。 さらに、このシステムを使用してガン細胞の挙動を左右するメカ ニズムの解析も可能です 1, 2 BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシス テムは、遮光性のフルオロブロック PET メンブレン(ポアサイズ 8.0μm)を使用しており、細胞が生きたままでの測定が簡単に 行えます。このメンブレンには、マトリゲル基底膜マトリックスが 均一にコートされ、ガン細胞の浸潤を解析するための再構成 基底膜の役割を果たしています。 特長 w マトリゲル基底膜マトリックスが均一にコートされた、フルオロ ブロックPET メンブレンを用いた確かな生物活性 w 高い再現性: 平均 Z= 0.724マルチウェル) 平均 Z= 0.6696マルチウェル) w 使いやすさ:ピペッティングの繰り返しや煩雑な操作は必要あり ません。ステップは、細胞播種・インキュベート・染色・測定の みです。 w 高いシグナル/ ノイズ比を有する高感度システム w 96ウェルタイプの導入によるハイスループット化 標準化された再現性の高いアッセイシステム BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムは、抗腫瘍候補化合物の 2次スクリーニングとして行なうセルベースアッセイに最適です。 この独自のシステムは、マニュアルでもロボットでも使用可能で、 ほとんどの蛍光プレートリーダー、ロボット、自動送液装置に適 応します。 品質保証 BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムは、ヒト浸潤性線維肉腫 細胞HT-1080により浸潤性を、また非浸潤性線維芽細胞NIH- 3T3細胞により非浸潤性を確認しています。さらに、すべてのロッ トについて、細菌や真菌の混入がないことを確認しています。 保存条件と安定性 製品は、ドライアイスと共に梱包された状態で輸送されます。製 品を受領後、速やかに-20℃にて保存してください。製品出荷後、 3 ヶ月間は安定です。 *特別注文品です。 ご注文いただいてからお届けするまでにお時間がかかります。 あらかじめご了承ください。 カタログ番号 入数 (ケース) 単価 (円) ケース単価 (円) BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステム(8.0 μmポア) 354165 インサートおよび 24ウェルプレート フタ付き 1 55,600 55,600 354166 インサートおよび 24ウェルプレート フタ付き 5 50,400 252,000 354167 インサートおよび 96ウェルプレート フタ付き 1 75,800 75,800 354168* インサートおよび 96ウェルプレート フタ付き 5 69,220 346,100 平均浸潤率の比較 複数ロットの BioCoat 96 マル チウェル 癌細胞浸潤アッセイシ ステムを用いてアッセイを行な った。浸潤後に Calcein AM で細胞を染色し、Victor2 プレ ートリーダーで測定した。NIH- 3T3 細胞および HT-1080 細胞 の平均浸潤率を比較した。 複数ロットの BioCoat 24 マル チウェル 癌細胞浸潤アッセイシ ステムを用いてアッセイを行な った。浸潤後に Calcein AM で細胞を染色し、 CytoFluor レートリーダーで測定した。 NIH-3T3 細胞および HT-1080 細胞の平均浸潤率を比較した。 参考文献 1. Takada, Y., et al. Journal of Biological Chemistry 280:17203 (2005). 2. Ichikawa, H., et al. Journal of Immunology 174:7383 (2005). ヒント 蛍光プレートリーダーの設定の際は、技術資料TB436 Set-Up Guide- lines and Dimensional Templates for Fluorescence Plate Readers used with FluoroBlok TM Insert Systems and BioCoat Multiwell Insert Cell-Based Assays 」をご参照ください。 関連製品 Fluorescent Dyes ............................................................................. 43

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Page 1: Corning® ™ BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステム...100 80 60 40 20 0 0 0.1 ng/mL 1.0 ng/mL 10 ng/mL BioCoat アンジオジェネシス: 血管内皮細胞浸潤アッセイシステム

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Corning Life Sciences

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細胞培養・アッセイシステム

Corning® BioCoat™ 癌細胞浸潤アッセイシステムw サンプル処理数を高めた簡便で再現性あるアッセイです。w 24と96マルチウェルプレートタイプが揃っています。

BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムの利点BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムは、ガン細胞の浸潤を阻害する候補化合物スクリーニング向けのユニークで定量性のあるシステムです。24および96マルチウェルタイプが選べ、様々なタイプのガン細胞の解析や、 IC50の解析に最適です。さらに、このシステムを使用してガン細胞の挙動を左右するメカニズムの解析も可能です1, 2。BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムは、遮光性のフルオロブロック PETメンブレン(ポアサイズ8.0µm)を使用しており、細胞が生きたままでの測定が簡単に行えます。このメンブレンには、マトリゲル基底膜マトリックスが均一にコートされ、ガン細胞の浸潤を解析するための再構成基底膜の役割を果たしています。

特長w マトリゲル基底膜マトリックスが均一にコートされた、フルオロブロックPETメンブレンを用いた確かな生物活性

w 高い再現性: 平均 Z’ = 0.7(24マルチウェル) 平均 Z’ = 0.66(96マルチウェル)w 使いやすさ: ピペッティングの繰り返しや煩雑な操作は必要ありません。ステップは、細胞播種・インキュベート・染色・測定のみです。

w 高いシグナル/ノイズ比を有する高感度システムw 96ウェルタイプの導入によるハイスループット化

標準化された再現性の高いアッセイシステムBioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムは、抗腫瘍候補化合物の2次スクリーニングとして行なうセルベースアッセイに最適です。この独自のシステムは、マニュアルでもロボットでも使用可能で、ほとんどの蛍光プレートリーダー、ロボット、自動送液装置に適応します。

品質保証BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステムは、ヒト浸潤性線維肉腫細胞HT-1080により浸潤性を、また非浸潤性線維芽細胞NIH-3T3細胞により非浸潤性を確認しています。さらに、すべてのロットについて、細菌や真菌の混入がないことを確認しています。

保存条件と安定性製品は、ドライアイスと共に梱包された状態で輸送されます。製品を受領後、速やかに-20℃にて保存してください。製品出荷後、3ヶ月間は安定です。

*特別注文品です。 ご注文いただいてからお届けするまでにお時間がかかります。 あらかじめご了承ください。

カタログ番号入数

(ケース)単価(円)

ケース単価(円)

BioCoat 癌細胞浸潤アッセイシステム(8.0 µmポア)354165 インサートおよび

24ウェルプレート フタ付き1 55,600 55,600

354166 インサートおよび24ウェルプレート フタ付き

5 50,400 252,000

354167 インサートおよび96ウェルプレート フタ付き

1 75,800 75,800

354168* インサートおよび96ウェルプレート フタ付き

5 69,220 346,100

平均浸潤率の比較複数ロットの BioCoat 96マルチウェル 癌細胞浸潤アッセイシステムを用いてアッセイを行なった。浸潤後に Calcein AMで細胞を染色し、Victor2プレートリーダーで測定した。NIH-3T3細胞およびHT-1080細胞の平均浸潤率を比較した。

複数ロットの BioCoat 24マルチウェル 癌細胞浸潤アッセイシステムを用いてアッセイを行なった。浸潤後に Calcein AMで細胞を染色し、CytoFluorプレートリーダーで測定した。NIH-3T3細胞およびHT-1080細胞の平均浸潤率を比較した。

参考文献 1. Takada, Y., et al. Journal of Biological Chemistry 280:17203 (2005). 2. Ichikawa, H., et al. Journal of Immunology 174:7383 (2005).

ヒント蛍光プレートリーダーの設定の際は、技術資料TB436「Set-Up Guide-lines and Dimensional Templates for Fluorescence Plate Readers used with FluoroBlokTM Insert Systems and BioCoat Multiwell Insert Cell-Based Assays」をご参照ください。

関連製品Fluorescent Dyes . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 43

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細胞培養・アッセイシステム

Corning® BioCoat™ アンジオジェネシス システム標準法による細胞増殖に比べて血管内皮細胞の収量を30%増加します。5日間で細胞数は6倍増加します。

血管新生とは、元々ある血管から新しい血管が形成されることです。この過程は正常な発育、およびホメオスタシスにおいて不可欠です。しかし、疾患によって血管新生のバランスが崩れ、血管形成が過剰になったり、不十分になったりすることがあります。癌、糖尿病性網膜症、慢性間接リウマチのような疾患には過剰に血管が形成される特徴があります。また、梗塞、冠動脈疾患、慢性的な創傷治療不全は、血管形成が充分に行われなくなり、血流が低下する特徴があります。通常の血流を保つためには、これらの不規則性は血管新生を効率的に抑制、促進する治療法のターゲットとなりえます。

様々な in vitroアッセイは、根本的な血管新生のメカニズムを調べ、治療標的候補分子を同定してきました1, 2。これらのアッセイは、血管内皮細胞の接着、増殖、透過性、遊走、浸潤、チューブ形成、血管安定性の血管新生過程における重要な点に取り組んできました。しかしながら、これらの多くのアッセイは、煩雑で、多くの時間と労力を要し、定量化、標準化するのが難しいとみなされています。

血管新生を研究する効率的なツールの欠如は、血管新生過程の1つ、またはそれ以上の要素を阻害する治療化合物発見の迅速化を妨げていました。BioCoat アンジオジェネシス システムは、血管内皮細胞の遊走、浸潤、チューブ形成で化合物効果の検討を容易に行えるよう開発されました。これらのアッセイには血管新生を左右する分子レベルのメカニズムにおける理解を促進し、血管新生促進・抑制化合物のセルベースアッセイでのルーチン使用を簡便化するという利点があります。

BioCoat アンジオジェネシス システムの利点● 最適化されたシステム

確実な再現性と利便性を得るために標準化されたアッセイを提供● 蛍光遮光メンブレン

- 細胞遊走、浸潤を解析するための独自の定量方法 - 再現性があり、簡便なアッセイ - 手作業による細胞の除去や細胞計数を必要としない● 自動化対応

- 処理能力と生産性の向上 - ほとんどのロボット、液体ハンドリングシステムに対応

関連製品Fluorescent Dyes . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 43

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BioCoat™ アンジオジェネシス: 血管内皮細胞浸潤アッセイシステム簡便で、 再現性のある方法で蛍光測定を使用して血管内皮細胞の浸潤を解析

蛍光プレートリーダーによる浸潤細胞の測定

図1: 蛍光プレートリーダーで、浸潤後の細胞数に応じた蛍光量を測定。フルオロブロック メンブレン上の細胞は下方読み取り型蛍光リーダーによって検出できない。

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TIMP-2Concentration

Perc

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VEGFによるHMVEC細胞の浸潤に対するTIMP-2および1'10' Phenathanthrolineの影響

図2: BioCoat アンジオジェネシス システム: 血管内皮細胞浸潤を用いて、VEGF(4 ng/mL)存在下で、異なる濃度の(左)TIMP-2または(右)1'10'フェナントロリンを入れて、HMVECの浸潤を評価。細胞は、22±1時間浸潤させた。マトリゲル基底膜マトリックスを通過して浸潤した細胞はCalcein AM(4µg/mL)で標識し、その蛍光を検出した。蛍光検出Applied BiosystemsのCytofluor® 4000プレートリーダーを用いて励起波長485 nm、蛍光測定波長530 nmで測定した。データは、平均値±S.D.(n=3)を表している。

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BioCoat アンジオジェネシス: 血管内皮細胞浸潤アッセイシステム

カタログ番号入数

(包装)単価(円)

ケース単価(円)

354141* 24マルチウェル インサートシステム 1 55,600 55,600354142* 24マルチウェル インサートシステム 5 50,400 252,000

血管新生の際に、血管内皮細胞は活性化され、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)を発現し、毛細血管の基底膜を分解して、血管新生誘導物質の方へと遊走します 3-5。BioCoat アンジオジェネシス: 血管内皮細胞浸潤アッセイシステムは、in vitroにおいて、血管新生促進、または抑制する化合物を用いたアッセイを定量的に行えます。BioCoat アンジオジェネシスは、マトリゲル基底膜マトリックスをコーティングした蛍光をブロックするポリエチレンテレフタレート(PET)メンブレン(ポアサイズ 3.0µm、フルオロブロック)とFalcon 24マルチウェル インサートプレート(フタ付きノントリートメント24ウェル レシーバープレート)を組み合わせたシステムです。マトリゲル基底膜マトリックスは、Engelbreth-Holm-Swarm(EHS)腫瘍由来の基底膜抽出物です。このマトリックスは、主にラミニン、コラーゲン IV、エンタクチンと数種類の増殖因子が含まれています。

最適化されたコーティングの過程は、メンブレンのポアを塞ぎ、in vivoの基底膜と同様な機能的バリアとなります。このコーティング処理により、非浸潤細胞は移動を阻止され、浸潤能力のある活性化された血管内皮細胞は移動します。血管新生因子によって活性化されることで、血管内皮細胞がMMP 2とMMP 9を発現します。これらのプロテアーゼは、マトリックスを分解し、細胞がマトリックスのバリアを通って、メンブレンの下側へ浸潤するのを可能にします 3, 4。

従来の in vivo 細胞浸潤アッセイとは異なり、BioCoat アンジオジェネシス システムは、多くの操作(プレートの洗浄、手作業による細胞の除去、細胞計数)無しに、迅速なデータ収集が可能です。フルオロブロック メンブレンは、メンブレンを通過しなかった蛍光標識細胞を効率的にブロックするので、フルオロブロック メンブレンの下側に移動した細胞だけが検出されます。

細胞の蛍光標識は、移動の前でも後でも可能です。フルオロブロック メンブレンは蛍光標識細胞からの蛍光シグナルを 99%以上効率的にブロックします(図 1)。再現性のある本システムは、アッセイ間およびアッセイ内の CV値が 15%以下です。ヒト微小血管内皮細胞(HMVEC)、およびヒト微小血管内皮細胞株(HMEC-1)で適していることが示されています。この製品を使用して、VEGFや bFGFなどの血管新生因子による血管内皮細胞の浸潤が観察できます。また、既知の血管新生阻害物質による血管内皮細胞の浸潤阻害も示されました(図 2)。

品質管理全ロットは細菌および真菌について陰性であることが確認されています。

HMVEC-1細胞(ヒト微小血管内皮細胞株)で、また、非浸潤性能については、非浸潤性線維芽細胞株である 3T3細胞で試験済みです。

保存と安定性-20℃で 3ヶ月間安定

*特別注文品です。 ご注文いただいてからお届けするまでにお時間がかかります。 あらかじめご了承ください。

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BioCoat™ アンジオジェネシス: 血管内皮細胞遊走アッセイシステム定量的、 再現性のある in vitroモデルで、 血管内皮細胞遊走を用いて候補化合物の効果を検討

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Flu

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scen

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nit

s

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VEGF

Fibronectin Coated Inserts

Uncoated Inserts

FBS

図3: BioCoat アンジオジェネシス システム: 血管内皮細胞遊走、およびコーティングされていないフルオロブロック インサート(カタログ番号:351155)を含む 24ウェル マルチウェルプレート(化学誘引物質として FBS 5%、VEGF 10ng/mLを使用)を用いてHUVECの遊走能を比較評価した。22±1時間、細胞を遊走させた。遊走後に細胞を Calcein AM(4 ng/mL)で標識し、その蛍光を検出した。その結果、フィブロネクチンをコーティングしたインサートを使用した場合、VEGF誘導に対して細胞の遊走能に顕著な上昇が見られた。データは、平均値±S.D.(n=3)を表している。

ヒトフィブロネクチンをコーティングしたインサートと コーティングしていないインサートの比較

遊走後のHUVECはメンブレン底部に接着している

図4: Calcein AMで標識したHUVECの遊走能をBioCoat アンジオジェネシス システム: 血管内皮細胞遊走を用いて評価した。HUVECを誘引物質(VEGF)の存在下(右)、非存在下(左)にて一晩インキュベートした。写真はインサートメンブレン底部からの蛍光シグナルを示している。

0

1

2

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4

Control 1 5 10VEGF (ng/mL)

Fold

Incr

ease

Ove

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l(m

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D)

VEGF濃度依存的に誘引されるHUVEC-2の遊走

図5: HUVEC-2細胞のVEGF濃度依存的に誘引される遊走能をBioCoatアンジオジェネシス システム: 血管内皮細胞遊走(96マルチウェル フォーマット)を用いて評価した。細胞は、22時間遊走させた。フィブロネクチンがコートされたフルオロブロック メンブレンを通過した細胞をCalcein AMで標識し、その蛍光を検出した。蛍光検出にはVictor2 プレートリーダー(Perkin Elmer)を用いて励起波長485nmで測定した。データは、平均値±S.D. .(n=4)を表している。

BioCoat アンジオジェネシス: 血管内皮細胞遊走アッセイシステム

カタログ番号入数(包装)

単価(円)

ケース単価(円)

354143 24マルチウェル インサートシステム 1 53,400 53,400354144* 24マルチウェル インサートシステム 5 48,840 244,200354147 96マルチウェル インサートシステム 1 75,800 75,800354148* 96マルチウェル インサートシステム 5 69,220 346,100

*特別注文品です。 ご注文いただいてからお届けするまでにお時間がかかります。 あらかじめご了承ください。

細胞の遊走(ケモタキシス)は、液性化学走化因子の濃度勾配に対する方向性をもった細胞の動きです。血管新生の間、活性化された血管内皮細胞は基底膜を浸潤し、様々な血管新生促進因子へ向かって遊走します 3。

BioCoat アンジオジェネシス: 血管内皮細胞遊走アッセイシステムは、ヒトフィブロネクチン(図3)を均一にコーティングした、蛍光をブロックするPETメンブレン(ポアサイズ3.0µm、フルオロブロック)とFalcon 24、または96ウェル マルチウェルインサートプレート(フタ付きノントリートメント24、または96ウェル レシーバープレート)を組み合わせたシステムです。メンブレンのポアが塞がれないように、フィブロネクチンは最適のコーティング濃度でコーティング処理をされています。このコーティングにより、血管内皮細胞はメンブレンに接着し、プレートの下部チャンバーに添加されている血管新生促進物質に向かってメンブレンのポアを自由に移動することができます。遊走した細胞の測定は、下方読み取りの蛍光リーダーで、穴を抜けてインサートメンブレン下に接着した細胞の蛍光を定量的に測ります6。細胞の蛍光標識は、遊走前、または遊走後におこなうことができます(図4)。遊走前細胞を標識することにより、細胞の遊走をリアルタイムでアッセイすることができます。遊走後に細胞を標識した系では、HUVEC-2細胞が、VEGF濃度に応じた遊走が起こることを示しました(図5)。同様の結果が、bFGFを化学遊走物質として用いた際も得られています。

さらに、BioCoat アンジオジェネシス: 血管内皮細胞遊走アッセイシステムは、Cellomics HSC ArrayScanと組み合わせ、定量的かつハイスループットな血管内皮細胞遊走アッセイに利用されています7。

品質管理全ロットは細菌および真菌について陰性であることが確認されています。

HUVEC(ヒト臍帯静脈血管内皮細胞)を VEGF(血管内皮細胞成長因子)で誘引して試験済みです。

保存と安定性-20℃で 3ヶ月間安定

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細胞培養・アッセイシステム

BioCoat™ アンジオジェネシス: 血管内皮細胞チューブ形成アッセイシステム抗血管形成物質のスクリーニングに最適化されたシステムを使うことにより、 面倒な作業に時間を取られることなく、 また、 再現性も向上

HUVEC HMVEC HMEC-1

Cell Type

Tota

l Tu

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(p

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)

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8000

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0

CV 7.6% CV 5.1% CV 5.4%

ヒト血管内皮細胞のチューブ形成

図 6: 初代ヒト血管内皮細胞HUVEC、HMVECおよびヒト血管内皮細胞株HMEC-1によるチューブ形成。マトリゲル基底膜マトリックスをコーティングしたプレートに上記の細胞を 20,000個加えた後、18時間インキュベートした。各棒グラフは、ウェル平均値±S.D.(n=32)を表している。

HUVEC-2細胞のチューブ形成の共焦点像図 7: BioCoat アンジオジェネシス システム: 血管内皮細胞チューブ形成を用いて、HUVEC-2細胞(カタログ番号: 354151)の評価を行った。細胞は、Calcein AMで標識した。共焦点像は 4倍のオリンパス製対物レンズを装備したバイオイメージ解析装置で取り込んだ。

0 1 10 20 30 40

Suramin Concentration (M)

Tota

l Tu

be

Len

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(p

ixel

)

0

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16000

スラミンによるHMEC-1細胞株のチューブ形成阻害

図8: 各濃度のスラミンをHMEC-1細胞(40,000個/mL)に添加した。スラミンを含む細胞液50µLを、マトリゲル基底膜マトリックスをコーティングしたウェル(96ウェルプレート)に加えた。プレートは5%CO2 存在下、37℃で18時間インキュベートされ、細胞をCalcein AMで染色した。顕微鏡画像は2×対物レンズを用いて観察し、毛細管の全長はMetaMorph(MDS Analytical Technologies Inc.)を用いて測定した。各棒グラフは、ウェル平均値±S.D.(n=8)を表している。

BioCoat アンジオジェネシス: 血管内皮細胞チューブ形成アッセイシステム

カタログ番号入数

(包装)単価(円)

ケース単価(円)

354149 96ウェル 黒色/透明ボトムプレート 1 50,000 50,000354150 96ウェル 黒色/透明ボトムプレート 5 47,600 238,000

血管内皮細胞は、in vitroで毛細血管様の構造や管形成を起こす分化能力があります 8, 9。ラミニン 10 や、コラーゲン 9、フィブリン、マトリゲル基底膜マトリックスなどの細胞外基質を使用して形成されたチューブの切片解析により、細胞に囲まれた管腔の存在が示されました 10。マトリゲル基底膜マトリックス上で血管内皮細胞のチューブ形成を誘導すると、管腔を形成する細胞が、互いに入り込むように結合し複合体を形成します。この現象が、in vivo の毛細血管様構造形成モデルとなります。マトリゲル基底膜マトリックスは、18時間で血管内皮細胞による管腔様構造を誘導するので、抗血管形成物質のハイスループット スクリーニングに使用できます。

BioCoat アンジオジェネシス: 血管内皮細胞チューブ形成アッセイシステムは、in vitro 血管内皮細胞チューブ形成用に特別に処理された Falcon 96ウェル 黒色/透明プレートです。このプレートは、透明底にマトリゲル基底膜マトリックスが均一にコーティングされています。チューブ形成アッセイの再現性を確実にするために、マトリゲル基底膜マトリックスは、チューブ形成能に関するスクリーニングがされており、製造工程において濃度、および容量は最適化されています。またアッセイの性能は、特別に処理された 96ウェル プレートにより向上しました。プレート表面には、均一なコーティングと最小限のメニスカス形成を確実にする特別な処理が施されています。

96ウェルプレートにより、これまで処理能力の低かったアッセイの生産性が向上しました。処理能力は、自動イメージング装置を使用して、最適な顕微鏡画像を取り込み、チューブ形成を高速測定することにより、更に高めることができます。様々なヒト血管内皮細胞がBioCoatアンジオジェネシス:血管内皮細胞チューブ形成アッセイシステムにおいてチューブを形成することが示されています(図 6、7 )13。インテグリン サブユニットα 5β1

11、β112

に対するアンタゴニスト、およびフマギリン 10 のような血管新生インヒビターは血管内皮細胞のチューブ形成を阻害することが知られています。BioCoat アンジオジェネシス システム: 血管内皮細胞チューブ形成を用いた研究において、in vitro におけるチューブ形成はスラミン(図 8)と抗β1インテグリン抗体により阻害されることが示されました。

品質管理全ロットは細菌および真菌について陰性であることが確認されています。

HMVECのチューブ形成を自動画像分析で確認し、その長さを測定して、システムを試験済みです。

保存と安定性-20℃で 3ヶ月間安定

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細胞培養・アッセイシステム

Corning® HUVEC-2 ヒトさい帯静脈血管内皮細胞

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HUVEC-2 ヒトさい帯静脈血管内皮細胞カタログ番号 入数(ケース) ケース単価(円)

354151 HUVEC-2 5x105個/クライオバイアル 53,100

HUVEC-2ヒトさい帯静脈血管内皮細胞はシングルドナー由来で、1継代後の培養終了時に凍結保存しております。HUVEC-2細胞は、血管新生因子であるVEGFやFBSを用いて遊走反応を確認しております。シングルドナー由来の初代HUVEC-2細胞は血管新生(心臓血管、血管、創傷治癒等)と癌研究の in vivoモデルを提供するCorning® BioCoat™ アンジオジェネシスアッセイシステムと組み合わせての使用に適しています。

HUVEC-2細胞の特長w 優れた生存率w ロット間の一貫性w BioCoat アンジオジェネシス: 血管内皮細胞遊走システムを用いてスクリーニング

品質管理w VEGFへの遊走反応性を確認w マイコプラズマ、HIV-1、Hepatitis BおよびC、細菌、真菌が陰性であることを確認

保存と安全性液体窒素の入ったドライシッパーにて輸送。受け取り後、すぐにお手持ちの液体窒素タンクにて保存。