心不全と喘息・copd 鑑別 肺エコー
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Wheeze が聞こえたら
大きく分けて心臓由来か肺由来か考える。
肺由来なら COPD or 喘息であり、 β 2刺激薬の吸入+ステロイドが基本。
しかし心臓由来なら β 2刺激薬とステロイドは有害であり、治療法が異なる!
心不全を疑う病歴
所見の印象 LR+4.4 LR−0.45 心不全の既往 LR+5.8 LR−0.45 MI の既往 LR+3.1 LR−0.69 夜間呼吸苦 LR+2.6 LR-0.70 起座呼吸 LR+2.2 LR-0.65 労作時呼吸苦 LR+1.3 LR-0.48
除外にはやや使えない印象
心不全を疑う身体所見
3音 LR+11 LR-0.88 AJR LR+6.4 LR-0.79 JVD LR+5.1 LR-0.66 Crackles LR+2.8 LR-0.51 下腿浮腫 LR+2.3 LR-o.64除外に使える身体所見はあまりなさそう
COPD, 喘息がある場合は Crackles と下腿浮腫の LR- は 0.39 と 0.41 だが微妙・・ちなみに SBP>150 は LR+1.o, LR-o.99 で無意味
じゃあ胸部 Xp とECGは?
肺静脈うっ血 L R+12 LR-0.48 間質浮腫 LR+12 LR-0.68 心拡大 LR+3.3 LR-0.33
心房細動 LR+3.8 LR-0.79 新たな T 波変化 LR+3.0 LR-0.83 あらゆる異常 LR+2.2 LR-0.64
ECG は除外には使えない。胸部 Xp は除外に使えそうだが、ポータブルでは微妙?
エコーの IVC はやっぱ使えそう
IVC 呼吸性変動が40%以上なら急性心不全は否定的
肺エコーはスゲー使える?
・肺うっ血に対する、前胸部のび漫性 Blineかつ lung sliding 陽性であればLR+19 LR−0.03 というトンデモナイ値
・ COPD ,喘息に対する、 Aline が増強かつ、 lung sliding 陽性かつ PLAPS 陰性ならLR+29 LR-0.11 と同様にスゲー診断特性
肺エコーについて
Bline: 間質の水分貯留を示唆。→ 肺炎、肺水腫、 ARDS など
Aline: 胸膜下の Air を指す。→ 増強すれば 喘息、 COPD
lung sliding :呼吸による胸膜の移動→ 消失していれば気胸( air で見えない)
他に PLAPS (背側の胸水による無気肺)
Bline A line
PLAPS( 背側胸水による無気肺 )
無気肺が実質エコーになっている (LL)
Consolidation( 実質エコーになる )
BLUE protocol( 正診率90 % )
Chest 2008;134:117-125
Step 1 肺はあるのか?
Lung sliding を check
無ければ気胸か癒着
Aline か Bline かで判別。肺があるなら気胸ではない。
Aline + lung point あり⇒気胸Bline⇒ 肺炎など
Step 2 肺のどの部位に何がある?
左右、上下、前側でエコーを当てて
・び漫性に Aline あり⇒正常 , 肺塞栓・び漫性に Aline 増強⇒喘息、 COPD・び漫性に Bline あり⇒肺うっ血 LR+19 LR−0.03
・ Consolidation 、 PLAPS 、 Bline が限局性に ある⇒肺炎
まとめ
Wheeze を聞いたときに、心臓由来かどうかを区別するのは難しい。
心疾患既往、 JVD/AJR 、3音、胸部Xp/ ECG異常は特異的だが、除外には微妙。
肺エコーは有用なので使えるように!!