筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。...

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筑後川・有明海水共同域を考える市民講座 2017.8.19 国土交通省 九州地方整備局 環境調整官 西 保幸 筑後川(北部九州の水資源)

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Page 1: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

筑後川・有明海水共同域を考える市民講座2017.8.19

国土交通省 九州地方整備局環境調整官 西 保幸

筑後川(北部九州の水資源)

Page 2: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

1.筑後川流域の概要

Page 3: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

31 %

福岡都市圏の自己水源(河川・ダム・地下水 等)

約 42万 m3/日

69 %

筑後川からの導水

約 19 万 m3/日

※ 福岡地区水道企業団リーフレットより

福岡都市圏の水道の1日平均給水量約 61万 m3/日

コップ3杯の水道水うち、1杯分は筑後川の水ということになる。

福岡都市圏の水道水の約1/3を筑後川からの域外導水に依存

3

Page 4: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

筑後川は、流路延長143km、流域面積2,860km2 の九州最大の1級河川です。

その流域は、熊本県、大分県、福岡県、佐賀県の4県にまたがり、その沿川は豊かな自然環境を有し、筑後川と周囲の山々が調和して緑豊かな景観美を造り、下流部は特有の汽水環境を形成しています。また、情緒豊かな河川景観は観光資源としても活かされています。

また、筑後川は北部九州の経済発展のための重要な水源となっています。

流域界

水郷日田の温泉街 豊かな自然環境水辺のオープンスペースを提供

有明海

筑後川流域の概要

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Page 5: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

筑後川の水は、約53,000haにおよ

ぶ灌漑に利用され、九州最大規模の

農業生産を行っています。

■ 筑後川の灌漑区域

下流域

筑後川

現在、筑後川の水は、生活用水として広域的

に供給され、流域内及び福岡都市圏合わせて

約340万人に水道用水を供給しています。

【農業用水】 【上水道用水】

下流域 中流域筑後大堰

有明海

中流域

■上水道の給水区域図

福岡都市圏:約240万人

流域内:約100万人

筑後川の水利用(農業・上水道)

5

Page 6: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

筑後川は豊かな自然環境を有し、水産業が盛んな地域です。上流・中流域では鮎漁が行われ、

筑後大堰から下流域の汽水域ではエツ漁が盛んに営まれています。また、国内最大の干満差を有

する有明海では干潟が形成され、多様な魚介類や海苔養殖は全国的にも有名で、特に海苔生産量

は全国の約3割にも及びます。

■エツ漁

■ 鮎釣り

■ 有明海の海苔養殖

毎年6月の鮎漁の解禁に伴い、多くの人が筑後川に訪れます。

5月~7月にかけて川面に浮かぶ小型の漁船が網を引く情景は筑後川の風物詩となっている。

冬の有明海には、ノリひび(支柱)が規則正しく並び、広大なノリ畑となる。

■鮎つり

「エツ」

■有明海の多様な生き物

筑後川の水利用(水産業)

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筑後川流域地質図

変朽安山岩化凝灰質角礫岩

玄武岩、砂岩、凝灰岩

頁岩、砂岩、凝灰岩

筑紫熔岩(輝石安山岩、角閃安山岩等)

耶馬溪層(輝石安山岩質角礫凝灰岩、角閃安山岩とその凝灰岩質)

新生代新第三紀

沖積層(砂、粘土、礫)

洪積層(砂礫質堆積物)

火山性扇状地~山麓堆積物(岩屑、火山灰)

輝石安山岩(新規熔岩)

山陰系新期火山岩(角閃安山岩)

飯田軽石流(閃雲安山岩)

花牟礼・鹿伏岳火山岩(角閃安山岩)

耶馬溪熔結凝灰岩(角閃安山岩質)

万年山熔岩(黒雲母流紋岩、ガラス質岩)

阿蘇熔結凝灰岩(輝石安山岩質)

山陰系旧期火山岩(角閃安山岩)

新生代古第三紀

筑後変成岩(砂質準片岩、泥質準片岩、緑色準片岩、緑色岩)

宝珠山層群(砂岩、礫岩、頁岩、炭層)

中生代

古生代

花崗岩

凡 例

筑後川流域の地質

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Page 8: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

洪 水 年 出 水 概 要 被 害 状 況

1953

昭和28年

6月26日

(梅雨前線)

梅雨前線による出水で、25日午後から26日午前まで豪雨に見舞われた。48時間雨量は荒瀬(あらせ)上流域で約 520㎜、瀬ノ下(せのした)上流域で約 470㎜を記録し※1、夜明(よあけ)地点のピーク流量は9,000~10,000m3/s※2と推定

死者147名、家屋損壊約12,800戸、床上浸水約49,200戸、床下浸水約46,300戸※1

うち、朝倉郡内においては、全壊流失217戸、半壊床上浸水2,205戸、床下浸水1,979戸等※3

1980昭和55年8月

(前線)

前線による出水で、28日夕方から30日昼過ぎにかけて集中豪雨となり、瀬ノ下地点水位は警戒水位を超えて5.46mの最高水位を記録※4

床上浸水713戸、床下浸水7,395戸、下流域の内水被害が甚大となり佐賀江川で激特事業が採択※4

1990 平成2年7月

(梅雨前線)

梅雨前線による出水で、津江川の栃野(とちの)で時間雨量54mm、降り始めからの総雨量は514mmを記録※4

床上浸水937戸、床下浸水12,375戸、下流域の内水被害が甚大となり佐賀江川で激特事業が採択※4

1991平成3年9月

(台風)

台風17、19号による記録的な烈風によって上流山間地部で大量の風倒木が発生※4

風倒木面積19,000ha、風倒木本数1,500万本(夜明上流域)※4

※1 社会資本整備審議会河川分科会河川整備方針検討小委員会(第6回)資料3-4

※2 「昭和28年西日本水害調査報告書」土木学会西部支部

※3 「昭和28年6月末の豪雨による九州直轄5河川の水害報告書」建設省九州地方建設局

※4 出水記録

人を乗せたまま流れ出した小森野橋

壊滅的な被害を受けた原鶴温泉街

筑後川流域の洪水被害

8

【昭和28年洪水】 【昭和28年洪水】

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洪 水 年 出 水 概 要 被 害 状 況

2010 平成22年

7月14日

(梅雨前線)

梅雨前線による出水により、日雨量は朝倉気象観測所(気象庁)で 157.5㎜(7/13からの48時間雨量で 306.5㎜、日最大1時間降水量62.0㎜)の大雨を記録し、栄田橋で14日9時10分最高水位3.84mに達し観測史上最大を記録。

床上浸水8戸、床下浸水71戸、公共交通機関(西鉄甘木線、甘木鉄道線)が運休、朝倉市及び大刀洗町において避難勧告が出された※5。

※5 朝倉市、大刀洗町への聞き取りによる、旧甘木市及び大刀洗町における被害状況【平成22年洪水】

川の手前で立ち往生する西鉄電車甘木鉄道橋付近の出水状況 堤防の高さギリギリまで上昇した小石原川と内水で浸水した地区の

排水作業を実施する消防団

小石原川流域の洪水被害

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平成29年7月九州北部豪雨 崩壊箇所

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平成29年7月九州北部豪雨 赤谷川下流の状況

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赤谷川→

H29.7.10撮影(九州地方整備局)

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平成29年7月九州北部豪雨 赤谷川・白木谷川下流の状況

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赤谷川→

白木谷川→

H29.7.7撮影(九州地方整備局)

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平成29年7月九州北部豪雨 赤谷川下流の状況(本川合流点)

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筑後川→

赤谷川→

H29.7.10撮影(九州地方整備局)

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平成29年7月九州北部豪雨 乙石川の崩壊状況

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←乙石川

H29.7.7撮影(九州地方整備局)

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平成29年7月九州北部豪雨 寒水川下流の氾濫状況

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H29.7.8撮影(九州地方整備局)

そうず

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平成29年7月九州北部豪雨 北川上流の崩壊状況

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H29.7.8撮影(九州地方整備局)

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平成29年7月九州北部豪雨 奈良ヶ谷川上流の崩壊状況

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H29.7.8撮影(九州地方整備局)

Page 18: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

平成29年7月九州北部豪雨 大肥川の崩壊状況

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H29.7.8撮影(九州地方整備局)

Page 19: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

平成29年7月九州北部豪雨 宝珠山川の崩壊状況(千代丸地区)

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H29.7.10撮影(九州地方整備局)

Page 20: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

平成29年7月九州北部豪雨 宝珠山川の崩壊状況(岩屋地区)

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H29.7.7撮影(九州地方整備局)

Page 21: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

平成29年7月九州北部豪雨 東峰村宝珠山川(岩屋地区下流)

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Page 22: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

平成29年7月九州北部豪雨 東峰村宝珠山川(岩屋地区下流)

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Page 23: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

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平成29年7月九州北部豪雨 東峰村宝珠山川(岩屋地区下流)

Page 24: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

筑後川沿川では河川流況の悪化に伴い慢性的な水不足

が生じ、概ね2年に1回の割合で上水道や農業用水の取

水制限等が行われています。特に、夏期の河川流量の枯

渇による渇水被害は頻発し、河川流況の改善が必要と

なっています。

寺内ダム貯水池枯渇状況(1994年)

2005年6月28日(大石堰地点)【毎日新聞 2005年6月28日】

0

50

100

150

200

250

300

350

1989

1990

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

(年)

取水制限日数(日)

上水道

農業用水

筑後川における利水の取水制限日数(1989年~2007年)

慢性的な水不足(渇水の発生状況)

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Page 25: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

水を確保・利用するため、昔から努力と工夫がなされてきた。 → 筑後川中流三堰の例

九州自動車道

国道210号

大分自動車道小郡IC

鳥栖JCT

甘木IC

朝倉IC

杷木IC

小郡市

恵利堰 山田堰

大石堰

山田堰受益地

恵利堰受益地

大石堰受益地

久留米市田主丸

朝倉市

うきは市筑後川

筑後川中流三堰 : 大石堰、山田堰、恵利堰

恵利堰 山田堰 大石堰

水利用における先人達の営み( 筑後川のかんがい事業 )

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山田堰 と 三連水車 → 用水路より地盤の高い田に水を供給(水の力を利用して汲み上げ)

山田堰

取水口

朝倉三連水車

堀川用水路

水利用における先人達の営み( 筑後川のかんがい事業 )

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Page 27: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

水道事業の起源 → 松原水(市設の井戸・飲料水) 1896年(明治29年)

松原水の井戸東公園(福岡市博多区)

松原水を運ぶ荷車

荷車で売り歩かれた松原水

水利用における先人達の営み(福岡市水道の起源 )

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Page 28: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

福岡都市圏の春の風物詩 → シロウオ漁と踊り食い(室見川) 水の恵みがあるからこそ!

伝統的な川の風物詩 ( シロウオ漁 )

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Page 29: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

2.北部九州の水環境特性

Page 30: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

県名 人口 (H27)

熊本県 1,786 千人

宮崎県 1,104 千人

鹿児島県 1,648 千人

合計 4,538 千人

南部九州

※出典 : 総務省統計局HP

県名 人口 (H27)

福岡県 5,102 千人

佐賀県 833 千人

大分県 1,166 千人

長崎県 1,377 千人

合計 8,478 千人

北部九州 福岡都市圏人口:約2,400千人

福岡都市圏の人口は増加傾向にある

九州の北部と南部の人口

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Page 31: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

1,690

1,632 2,484

1,954 2,130

1,686

1,729

2,350

2,036

1,562

1,630

1,118

01,0002,0003,000

3,223

385 8,731

2,315 6,620

4,308

1,390

6,723

3,755

864

7,256

9,781

0 5,000 10,000 15,000

人口1人あたり降水量(m3/年・人)

北海道

東 北

関 東

東 海

北 陸

近 畿

中 国

四 国

北部九州

南部九州

全 国

地域別平均年降水量(mm/年)

※出典:平成24年版 日本の水資源 (福岡市のデータは福岡市道路下水道局の資料より)

福岡市

北部九州は渇水になりやすい地域

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Page 32: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

佐賀県

大分県

熊本県

福岡県

玄界灘

響 灘

周防灘

有明海

筑後川 筑後川 流域面積:2,860 km2

福岡都市圏

福岡都市圏 主な河川(5河川)流域面積合計 : 537.6 km2

那珂川

御笠川

瑞梅寺川

室見川

多々良川

福岡都市圏には大きな流域をもった河川がない

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Page 33: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

1ヶ年

2~3ヶ年

4~7ヶ年

0ヶ年

近年30ヶ年で渇水が発生した年数

(1985~2014年)

※出典:国土交通省 水資源部HP

上水道の「断水」又は「減圧給水」を行った年数(渇水実績)

33

Page 34: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

給水車による配水状況(昭和53年) 給水車による配水状況(昭和53年)

ポリ容器に貯水する家庭(平成6年) 寺内ダム(平成6年)

福岡都市圏における渇水被害状況

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Page 35: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

■各利水者間で自己貯留水を融通し合う総合運用を実施。なお、不特定及び水道用水向けに松原ダム・下筌ダムの貯留水より緊急放流を実施。

■福岡市で295日間の給水制限を実施。また、取水制限は合計320日間実施され、水道各利水者の最大取水制限率は、福岡地区水道企業団55%、福岡県南広域水道企業団40%、佐賀東部水道企業団40%、福岡市78%、甘木市70%であった。

■筑後川渇水調整連絡会において、計十四次に及ぶ渇水調整が行われた。

0

3,300

6,600

9,900

13,200

16,500

19,800

23,100

26,400

29,700

33,000

6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月6月

H6-7年

H7-8年

H14-15年

H17-18年

平年

33,000千m 3

 60%

調

調

調

調

調

調

調

調

調

調

調

調

調

調

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

90,000

100,000

6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月6月

H6-7年

H7-8年

H14-15年

H17-18年

確保流量

6月11日 10月1日

7月21日

99,400千m 3

治水容量

69,800千

2,300

千m 3

調

調

調

調

調

調

調

調

調

調

調

調

調

調

江川・寺内ダム貯水量比較 松原・下筌ダム貯水量比較

田畑がひび割れし枯渇した稲田平成6年9月2日撮影(水資源機構撮影)

貯水率0.9%まで低下した寺内ダム貯水池平成6年9月20日撮影(水資源機構撮影)

貯水率8.4%まで低下した江川ダムダムサイト平成6年9月20日撮影(水資源機構撮影)

平成6年の渇水対応

35

Page 36: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

渇水時の水利用調整の実態 (平成6年渇水)

H6.8.24朝日新聞夕刊

H6.8.24 毎日新聞 36

Page 37: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

■各利水者間で自己貯留水を融通し合う総合運用を実施。なお、不特定及び水道用水向けに松原ダム・下筌ダムの貯留水より緊急放流を実施。

■給水制限の実施は無かったが、取水制限は合計265日間実施され、水道各利水者の最大取水制限率は、福岡地区水道企業団55%、福岡県南広域水道企業団22%、佐賀東部水道企業団22%であった。

■筑後川渇水調整連絡会において、計八次に及ぶ渇水調整が行われた。

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

90,000

100,000

6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月6月

H6-7年

H7-8年

H14-15年

H17-18年

確保流量

6月11日 10月1日

7月21日

99,400千m 3

治水容量

69,800千

2,300

千m 3

調

調

調

調

調

調

調

調

松原・下筌ダム貯水量比較

貯水率11.3%まで低下した寺内ダム貯水池平成15年2月14日撮影(水資源機構撮影)

0

3,300

6,600

9,900

13,200

16,500

19,800

23,100

26,400

29,700

33,000

6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月6月

H6-7年

H7-8年

H14-15年

H17-18年

平年

33,000千m 3

 60% 第

調

調

調

調

調

調

調

調

江川・寺内ダム貯水量比較

貯水率16.8%まで低下した江川ダムダムサイト平成15年1月21日撮影(水資源機構撮影)

貯水率11.3%まで低下した寺内ダム貯水池平成15年2月14日撮影(水資源機構撮影)

下流側

上流側

平成14年の渇水対応

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Page 38: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

筑後川沿川では慢性的に水不足が生じ、概ね2年に1回の割合で取水制限等が行われている。

筑後川における取水制限実績(平成元年~)

年水道,農業等の

地域 取水制限等期間備考

渇水調整連絡会開催回数代表都市名 期間 日数

平成元年度 農水 朝倉市(旧甘木市)外 7/13~9/28 78日間 両筑平野用水 3

平成2年度 農水 大川市,諸富町外 8/11~8/15、8/28~8/30 8日間 筑後川下流地、筑後川中流地域(隈上川流域) 2

平成4年度 水道 久留米市,福岡市外12/3~12/7,12/15~12/20,12/24~12/28,H5/1/1~H5/1/6,H5/1/17~

H5/2/2158日間 福岡地区水道企業団(45%)、県南広域水道企業団(20%) 4

平成6年度

水道 佐賀市,久留米市,福岡市外 7/8~H7/5/31 320日間福岡市、福岡地区水道企業団(55%)、福岡県南広域水道企業団(40%)、佐賀東部水道企業団(40%)、福岡市(78%)、甘木市(70%)

22工水 甘木市 7/10~H7/5/31 326日間 甘木市(76%)

農水 甘木市,大川市,諸富町外 7/8~10/31 116日間両筑平野用水(78%)、耳納山麓用水(80%)、筑後川下流地域

平成7年度 水道 佐賀市,久留米市,福岡市外 12/8~H8/4/30 145日間福岡地区水道企業団(50%)、福岡県南広域水道企業団(20%)、佐賀東部水道企業団(20%)

5

平成9年度 農水 久留米市,諸富町外 6/18~6/21 4日間 筑後川下流用水 3

平成11年度水道 佐賀市,久留米市,福岡市外 1/14~6/25 163日間

福岡地区水道企業団(50%)、福岡県南広域水道企業団(15%)、佐賀東部水道企業団 8

農水 久留米市,諸富町外 6/16 1日間 筑後川下流用水

平成12年度 農水 久留米市,諸富町外 6/16 1日間 筑後川下流用水 1

平成13年度 農水 久留米市,諸富町外 6/17~6/18 2日間 筑後川下流用水 1

平成14年度水道 佐賀市,久留米市,福岡市外 8/10~~H15/5/1 265日間

福岡地区水道企業団(55%)、福岡県南広域水道企業団(22%)、佐賀東部水道企業団(22%) 11

農水 甘木市,久留米市,諸富町外 6/14~6/19,7/11~10/10 98日間 両筑平野用水、筑後川下流用水

平成15年度 水道 久留米市,福岡市外 H16/2/10~H16/5/17の内 98日間福岡地区水道企業団(75%)、福岡県南広域水道企業団(10%)

1

平成16年度 農水 久留米市,諸富町外 6/18~6/20 3日間 筑後川下流用水 1

平成17年度水道 久留米市,福岡市外 6/23~7/12,H18/1/13~H18/4/18 116日間

福岡地区水道企業団(20%)、福岡県南広域水道企業団(2%) 7

農水 久留米市,諸富町外 6/16~6/26 11日間 筑後川下流用水平成19年度 水道 久留米市,福岡市外 12/26~H20/4/18 115日間 県南広域水道企業団(2%) 1

平成21年度水道 福岡市外 H22/1/15~H22/1/20 6日間 福岡地区水道企業団(20%)

2農水 久留米市,諸富町外 6/16~6/22 7日間 筑後川下流用水

※参考

昭和53年度

水道 福岡市 5/20~S54/3/24の内 287日間 福岡市

19農水 甘木市外 6/8~6/10,8/4~10/31 92日間 両筑平野用水、筑後川中・下流地域

工水 甘木市 4/23~S54/4/30 373日間 甘木市

※備考の( )内の数値は、最大の取水制限率、自主取水制限率を示す。

渇水が頻発する筑後川

38

Page 39: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

渇水調整の基本的な考え方

・節水啓発活動・自主節水の開始

第一段階

・節水啓発活動・自主節水の強化・水源の統合運用・応援水

第二段階

・節水啓発活動・取水制限の強化・水源の統合運用・応援水・施設の統合運用

第三段階

・節水啓発活動・取水制限の強化・水源の統合運用・応援水・施設の統合運用・緊急避難策

第四段階

渇水調整連絡会の開催

■渇水の進行に伴う渇水調整の流れ(イメージ)

:渇水調整連絡会合意により実施

当事者間の自主調整

渇水調整での合意

河川管理者によるあっせん・調停

調整不能

《調整(合意形成)の流れ》

調整事項 基本的な考え方

自主節水 ・利水者が自主的な取水制限を実施

取水制限・渇水調整連絡会で、自己水源の残容量等を考慮しながら取水制限を設定・各利水者の蛇口レベルが同程度となるように段階的に強化

・比較的余裕のある利水者からの水融通

・水利使用規則に抵触する水融通の場合は渇水調整連絡会合意のもと実施

水源の統合運用・利水者別のダム貯水量を統合し運用・同一目的、同一県内から優先的に統合

施設の統合運用・各ダム容量を統合し運用・回転率の高い施設から効率的に運用

緊急避難策・ダムが枯渇目前など節水だけでは限界な緊急時の場合、関係者調整の上、 デッドウォーターの取水、河川自流の取水等の実施

応援水(利水者間水融通)

39

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3.水資源確保に向けた取り組み

Page 41: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

国土交通大臣は、水資源開発促進法(昭和36年)に基づき、産業の開発又は発展及び都市人口の増加に伴い用水を必要とする地域において、広域的な用水対策を緊急に実施する必要がある場合に、その地域に対する用水の供給を確保するために必要な河川の水系を水資源開発水系として指定し、この指定水系における水資源の総合的な開発及び利用の合理化の基本となる水資源開発基本計画(通称:フルプラン)を策定する。

水資源開発基本計画(フルプラン)の概要

1.水の用途別の需要の見とおし及び供給の目標

2.供給の目標を達成するため必要な施設の建設に関する基本的な事項

3.その他水資源の総合的な開発及び利用の合理化に関する重要事項

水資源開発基本計画について

41

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水資源開発促進法に基づく水資源開発

利根川 ・ 荒川水系

木曽川水系

淀川水系

豊川水系

吉野川水系筑後川水系

現在、水資源開発水系として指定されているのは、利根川、荒川、豊川、木曽川、淀川、吉野川、筑後川の7つの水系であり、この全てにおいて水資源開発基本計画を定めています。(なお、利根川及び荒川に限り、2水系を合わせて1つの水資源開発基本計画として定めています。)

各水資源開発水系においては、それぞれの水資源開発基本計画に基づき、総合的な水資源の開発と利用の合理化を進めています。

42

Page 43: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

筑後川水系水資源開発基本計画(フルプラン)-全体計画図-

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31 %

福岡都市圏の自己水源(河川・ダム・地下水 等)

約 42万 m3/日

69 %

筑後川からの導水

約 19 万 m3/日

※ 福岡地区水道企業団リーフレットより

福岡都市圏の水道の1日平均給水量約 61万 m3/日

コップ3杯の水道水うち、1杯分は筑後川の水ということになる。

福岡都市圏の水道水の約1/3を筑後川からの域外導水に依存

44

Page 45: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

福岡都市圏の筑後川水系への依存度

甘木市上工水

寺内ダム(水機構)

江川ダム(水機構)

松原ダム(国交省)

下筌ダム(国交省)

合所ダム(県)

筑後川

筑後川流域

●福岡市

ダム(完成)

凡 例

上水

農水

下流用水(水機構)

福 岡 県

佐 賀 県

大 分 県

熊 本 県

山神ダム(県)

筑後大堰(水機構)

瀬ノ下

有 明 海

玄 界 灘福岡都市圏の水道の約1/3を筑後川に依存

45

Page 46: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

福岡都市圏の筑後川への依存の実態

瑞梅寺川

室見川

那珂川

多々良川

下筌ダム

松原ダム

筑後川

福岡都市圏

【福岡都市圏】瑞梅寺川: 52.6km2

室 見 川: 99.1km2

那 珂 川:124km2

多々良川:167.9km2

4河川合計流域面積443.6km2

【筑後川】筑後川流域:2,860km2

福岡都市圏内の主要河川の状況

※上記降水量に各施設の集水面積を掛けた値を示す

筑後川水系の河川の状況

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

平成7年

水量

(千

m3)

瑞梅寺川 室見川水系 那珂川水系 多々良川水系

降水量×ダム集水面積

0

100

200

300

400

500

600

700

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

平成7年

降水

量(㎜

瑞梅寺川 室見川水系 那珂川水系 多々良川水系

降水量

※各水系の代表雨量観測所の観測値を示す

0

100

200

300

400

500

600

700

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

平成7年

降水

量(㎜

筑後川 大山ダム 筑後川 合所ダム 筑後川 江川寺内ダム

降水量

※各水系の代表雨量観測所の観測値を示す

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

平成8年

水量

(千

m3)

筑後川・大山ダム 筑後川・合所ダム 筑後川・江川寺内ダム

降水量×ダム集水面積

※上記降水量に各施設の集水面積を掛けた値を示す

46

≪現 状≫

筑後川水系と福岡都市圏の状況としては、流域面積や降水量も違うことから、都市圏と比べると筑後川の方が大きな水源実力である。このため、福岡都市圏としては筑後川水系に依存せざるを得ない状況というのが実態である。

Page 47: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

福岡都市圏における水源依存の現状

宗像地区

筑紫地区西部

糸島地区

下原地区

夫婦石地区

瑞梅寺地区

牛頸浄水場

小石原川(江川ダム)

筑後川(福岡導水)

乙金地区粕屋地区南部

高宮地区

粕屋地区北部

筑紫地区東部福岡市で都市圏水源のみの地区

福岡市で福岡導水に関連する地区

福岡市以外の市町村で福岡導水に関連する地区

多々良地区

福岡市で江川ダムに関連する地区

福岡都市圏で福岡導水に関連するエリアは、福岡市の夫婦石、多々良、下原の各地区とその他の市町となっている。

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Page 48: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

● 近年では、ダムによる農業用水、水道用水、工業用水等の安定的な供給を目指し、

江川ダム、寺内ダム等の水資源開発施設を整備してきた。

■ 近年における利水の主な取り組み

筑後川水系における水資源開発施設の整備

年 事業内容

1966(昭和41) 第1次水資源開発基本計画策定

1975(昭和50) 江川ダム完成(両筑平野用水事業)

1978(昭和53) 寺内ダム完成

1985(昭和60) 筑後大堰完成

1986(昭和61) 松原ダム・下筌ダム再開発完成

1993(平成5) 合所ダム完成(耳納山麓用水事業)

2013(平成25) 大山ダム完成

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Page 49: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

■筑後川水系水資源開発事業の変遷等

西暦 年号

主な利水開発の状況

1978

工業用水

農業用水

水資源開発事業の変遷

寺内ダム管理開始(水道用水、農業用水、流水の正常な機能の維持)

1983 昭和58年

1996 平成8年

平成5年1993

1985 昭和60年

江川ダム管理開始(水道用水、工業用水、農業用水)

福岡地域 筑後地域

昭和53年

1975 昭和50年

小石原川ダム建設事業着手

筑後川水系ダム群連携事業実施計画調査着手

大山ダム建設事業着手

松原・下筌ダム再開発事業運用開始(水道用水、流水の正常な機能の維持)

筑後川下流用水通水開始(農業用水)

福岡導水暫定取水開始

筑後大堰管理開始(水道用水)

合所ダム管理開始(水道用水、農業用水)

2009 平成21年

平成13年

佐賀導水事業完了(水道用水、流水の正常な機能の維持)

平成15年2003

2001

平成25年

将来 小石原川ダム(水道用水、流水の正常な機能の維持、異常渇水時の緊急水の補給)ダム群連携(流水の正常な機能の維持)

大山ダム完了予定(水道用水、流水の正常な機能の維持)

備  考佐賀

東部

水道用水 流水の正常な機能の維持

福岡地区水道企業団

福岡県南広域水道企業団

佐賀東部水道企業団

両筑平野用水

耳納山麓用水

福岡市

朝倉市

朝倉市鳥栖市

少   多

開発水量 開発水量開発水量

開発水量

開発容量

開発容量

開発容量

福岡導水により供給開始

少   多

夏場

冬場

筑後川水系における水資源開発施設の整備

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Page 50: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

■下筌ダム(昭和48年完成)*昭和58年再開発事業運用開始

■松原ダム(昭和48年完成)*昭和58年再開発事業運用開始

国土交通省所管

■筑後川下流用水佐賀揚水機場(平成5年完成)

■佐賀導水筑後川機場(平成13年完成)

水資源機構所管

筑後川下流用水佐賀揚水機場

国土交通省所管

佐賀導水筑後川機場

国土交通省所管

完成・運用開始済みのフルプラン施設

50

Page 51: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

■下筌ダム(昭和48年完成)*昭和58年再開発事業運用開始

■ 江川ダム(昭和50年完成)

水資源機構所管 水資源機構所管

■ 寺内ダム(昭和53年完成)

水資源機構所管 福岡県所管

■ 筑後大堰(昭和60年完成) ■ 合所ダム(平成5年完成)

完成・運用開始済みのフルプラン施設

51

Page 52: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

■大山ダム(H25年3月完成)

水資源機構所管

完成・運用開始済みのフルプラン施設

52

Page 53: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

佐賀県

熊本県

福岡県玄界灘

響 灘

周防灘

有明海

江川ダム

寺内ダム

筑後大堰

合所ダム

大山ダム

下筌ダム

福岡導水事業の概要

筑後川

2.5 m

福岡導水導水トンネル

牛頸浄水場

山口調整池

牛頸浄水場

福岡都市圏

筑後川から福岡都市圏に生活用水を供給

53松原ダム

Page 54: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

■ 福岡導水(昭和58年暫定取水開始)

筑後川

水資源機構所管

揚水機場

取水口

宝満川

取水口

筑後川から福岡都市圏に生活用水を供給

54

Page 55: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

甘木市上工水

寺内ダム(水機構)

江川ダム(水機構)

松原ダム(国交省)

下筌ダム(国交省)

合所ダム(県)

筑後川

●福岡市

下流用水(水機構)

福 岡 県

佐 賀 県

大 分 県

熊 本 県

山神ダム(県)

筑後大堰(水機構)

瀬ノ下

有 明 海

玄 界 灘

小石原川ダム(水機構)

大山ダム(水機構)

ダム群連携(国交省)

洪水調節700万m3

新規利水容量630万m3

不特定容量470万m3

大山ダムH25完成済

小石原川ダム

洪水調節 410万m3

新規利水容量 460万m3

不特定容量1,170万m3

渇水対策容量1,870万m3

筑後川本川の流量が豊富な時に、最大2m3/sを

佐田川、小石原川へ導水し、既設ダムに貯留し、渇水時に不特定用水として供給するための事業

ダム群連携佐賀導水(国交省)

今後の水資源開発施設の整備

55

Page 56: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

S52年度

H27年度

363 ㍑/人・日

263 ㍑/人・日

雑用水道普及

節水機器普及

節水意識向上

有効率向上

( 大渇水前 )

福岡市における 1人当たりの 平均給水量

※出典 : 福岡市水道局の資料より

福岡市における節水のとりくみ

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Page 57: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

水資源開発施設の整備による渇水時の効果

■昭和53年、平成6年とも降水量が例年に比べて著しく少なく、住民生活に大きな被害をも

たらした渇水であったが、ダムや堰の水資源開発が進んだことや関係機関の渇水調整により、平成6年は昭和53年より断水時間や給水車の出動台数などは軽減された。

昭和53年渇水 平成6年渇水

福岡管区気象台 1,138mm 891mm

筑後川流域平均 1,322mm 1,055mm

上水道の施設能力 478,000m3/日 704,800m3/日

うち筑後川からの取水 100,000m3/日 233,300m3/日

給水制限日数 287日 295日

一番厳しいときの断水時間 19時間断水 12時間断水

延べ断水時間 4,054時間 2,452時間

給水車の延べ出動台数 13,433台 0

項     目

年雨量

福岡市の

給水車が出動(昭和53年渇水)

干上がった寺内ダム(平成6年渇水)

昭和53年渇水と平成6年渇水の比較

昭和54年~平成6年までに運用を開始した主な水資源開発施設・福岡導水(昭和58年~暫定通水) 最大通水量 2.16m3/s・筑後大堰(昭和60年度~) 0.35m3/s(福岡県、佐賀県)・耳納山麓土地改良事業(平成6年度~) 0.48m3/s 57

Page 58: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

湖底が現れた江川ダム(平成6年)

福岡導水事業の効果について

断水に備え、大型容器に水をためる看護婦(平成6年)

ポリ容器が並べられた中、掃除する小学生(平成6年)

水資源開発施設の整備による渇水時の効果

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Page 59: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

4.今後の取り組み

Page 60: 筑後川(北部九州の水資源)は観光資源としても活かされています。 また、筑後川は北部九州の経済発展 のための要な水源となっています。流域界

■ 筑後川下流部におけるエツ漁 ■ 筑後川中流部の田畑

・都市用水等の特定用水 と 不特定用水は、バランスをとりながら開発するものであるが、筑後川においては、ややバランスを欠いた状況。

・今後のとりくみとして、筑後川における不特定用水(河川環境(魚、水質、その他)の保全や既得利水(農水、工水等)の安定のために必要な水)の確保に努める。

・筑後川においては、エツ漁やアユ釣りなどが盛んであり、また、古くから九州を代表する穀倉地帯を抱える流域であることから、これらの河川環境の保全と既得利水の安定取水のために、不特定用水を確保することが必要。

筑後川における不特定用水の確保

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冬場

夏場

筑後川

筑後川

安定した補給

不安定な補給

利水容量

利水容量

洪水調節容量

・冬場は松原ダム・下筌ダムに水を貯めているため、不特定用水の供給は安定

・夏場は、洪水に備えてダムの水位を下げるため、貯めていた水を出してしまう必要があることから、不特定用水の供給は不安定な状況。

・今後、夏場の不特定用水の確保に努めていく。

夏場の不特定用水が不足

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「水」キャンペーン

200海里の森づくり植樹交流会 筑後川・矢部川河川美化

・福岡都市圏では貴重な水資源の恩恵を受けていることから、水源地域のための基金等に参画するとともに、様々な機会をとらえて水源地域との交流などに取り組んでいます。

・水の恵みを考えるとき、水源地を保全し、その地域を活性化させることは、非常に大切な取り組み。

・引き続き、福岡都市圏を含めた下流域と水源地域の交流をはじめ、流域連携の取り組みにご協力願います。

筑後川流域と流域外(福岡都市圏)の交流

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