総合型地域スポーツクラブの 本研究 プロジェクトの方針 ... · 2015-01-19 ·...

10
©J. Nakanishi, 2008 1 F.U.E F.U.E 総合型地域スポーツクラブの 総合型地域スポーツクラブの 「地域づくり」支援活動研究プロジェクト 「地域づくり」支援活動研究プロジェクト 研究代表者:保健体育講座 研究代表者:保健体育講座 西 西 junjin@fukuoka junjin@fukuoka - - edu.ac.jp edu.ac.jp 年度計画 年度計画 No.52 No.52 (地域社会が抱える諸課題に関する学際的・実践的な研究) (地域社会が抱える諸課題に関する学際的・実践的な研究) (公開用) (公開用) 国立大学法人 国立大学法人 福岡教育大学 福岡教育大学 研究プロジェクトの内容 研究プロジェクトの内容 本研究プロジェクトの方針 2 2 本研究プロジェクトのスケジュール 本研究プロジェクトのスケジュール 3 3 研究成果の結果紹介 4 4 本研究プロジェクトの目的 1 1 国立大学法人 国立大学法人 福岡教育大学 福岡教育大学 1.本研究プロジェクトの目的 1.本研究プロジェクトの目的 現在,国(文部科学省)が「スポーツ振興基本計 現在,国(文部科学省)が「スポーツ振興基本計 画」(平成 画」(平成 12 12 9 9 13 13 日;平成 日;平成 18 18 9 9 21 21 日改定) 日改定) に基づいて進めている,住民主導型スポーツ振興 に基づいて進めている,住民主導型スポーツ振興 システムとしての総合型地域スポーツクラブの「地 システムとしての総合型地域スポーツクラブの「地 域づくり」の現状と可能性について実証的に検討す 域づくり」の現状と可能性について実証的に検討す ることを目的とする。 ることを目的とする。 総合型地域スポーツクラブの全国展開 総合型地域スポーツクラブの全国展開 到達目標: 到達目標: 2010 2010 年(平成 年(平成 22 22 年)までに,全国の各市区町 年)までに,全国の各市区町 村において少なくともひとつは総合型地域スポーツクラ 村において少なくともひとつは総合型地域スポーツクラ ブを育成する。 ブを育成する。 国立大学法人 国立大学法人 福岡教育大学 福岡教育大学 2.本研究プロジェクトの方針 2.本研究プロジェクトの方針 研究課題B 研究課題B 総合型地域スポーツ 総合型地域スポーツ クラブと学校部活動 クラブと学校部活動 (文化部・運動部)と (文化部・運動部)と の連携・協力体制の の連携・協力体制の あり方に関する研究 あり方に関する研究 研究課題A 研究課題A 「ソーシャル・キャピタ 「ソーシャル・キャピタ (Social Capital) (Social Capital) としての総合型地域 としての総合型地域 スポーツクラブの可 スポーツクラブの可 能性と,クラブ会員の 能性と,クラブ会員の 地域コミュニティ意識 地域コミュニティ意識 の醸成に関する研究 の醸成に関する研究 総合型 総合型 地域スポーツクラブの 地域スポーツクラブの 「地域づくり」支援活動 「地域づくり」支援活動 生涯学習 生涯学習 学校教育 学校教育

Upload: others

Post on 22-May-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 総合型地域スポーツクラブの 本研究 プロジェクトの方針 ... · 2015-01-19 · ©J. Nakanishi, 2008 1 F.U.E 総合型地域スポーツクラブの 「地域づくり」支援活動研究プロジェクト

©J. Nakanishi, 2008 1

F.U.EF.U.E

総合型地域スポーツクラブの総合型地域スポーツクラブの「地域づくり」支援活動研究プロジェクト「地域づくり」支援活動研究プロジェクト

研究代表者:保健体育講座研究代表者:保健体育講座 中中 西西 純純 司司

junjin@[email protected]

年度計画年度計画No.52No.52(地域社会が抱える諸課題に関する学際的・実践的な研究)(地域社会が抱える諸課題に関する学際的・実践的な研究)

<< 研研 究究 成成 果果 報報 告告 (公開用)(公開用) >>

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

[[ 研究プロジェクトの内容研究プロジェクトの内容 ]]

本研究プロジェクトの方針22

本研究プロジェクトのスケジュール本研究プロジェクトのスケジュール33

研究成果の結果紹介44

本研究プロジェクトの目的11

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

1.本研究プロジェクトの目的1.本研究プロジェクトの目的

�� 現在,国(文部科学省)が「スポーツ振興基本計現在,国(文部科学省)が「スポーツ振興基本計画」(平成画」(平成1212年年99月月1313日;平成日;平成1818年年99月月2121日改定)日改定)

に基づいて進めている,住民主導型スポーツ振興に基づいて進めている,住民主導型スポーツ振興システムとしての総合型地域スポーツクラブの「地システムとしての総合型地域スポーツクラブの「地域づくり」の現状と可能性について実証的に検討す域づくり」の現状と可能性について実証的に検討することを目的とする。ることを目的とする。

�� 総合型地域スポーツクラブの全国展開総合型地域スポーツクラブの全国展開到達目標:到達目標:20102010年(平成年(平成2222年)までに,全国の各市区町年)までに,全国の各市区町

村において少なくともひとつは総合型地域スポーツクラ村において少なくともひとつは総合型地域スポーツクラ

ブを育成する。ブを育成する。

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

2.本研究プロジェクトの方針2.本研究プロジェクトの方針

研究課題B研究課題B

総合型地域スポーツ総合型地域スポーツクラブと学校部活動クラブと学校部活動(文化部・運動部)と(文化部・運動部)との連携・協力体制のの連携・協力体制のあり方に関する研究あり方に関する研究

研究課題A研究課題A

「ソーシャル・キャピタ「ソーシャル・キャピタルル(Social Capital)(Social Capital)」」としての総合型地域としての総合型地域スポーツクラブの可スポーツクラブの可能性と,クラブ会員の能性と,クラブ会員の地域コミュニティ意識地域コミュニティ意識の醸成に関する研究の醸成に関する研究

総合型総合型地域スポーツクラブの地域スポーツクラブの「地域づくり」支援活動「地域づくり」支援活動

生涯学習生涯学習 学校教育学校教育

Page 2: 総合型地域スポーツクラブの 本研究 プロジェクトの方針 ... · 2015-01-19 · ©J. Nakanishi, 2008 1 F.U.E 総合型地域スポーツクラブの 「地域づくり」支援活動研究プロジェクト

©J. Nakanishi, 2008 2

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

平成18年12月~平成20年3月

平成18年12月~平成20年3月

[研究課題B]

①調査票の回収終了

②データ入力と分析

③データ集計と図表作成

④結果の考察

[最終成果報告書[最終成果報告書の完成]の完成]

平成18年10月~11月平成18年10月~11月

[研究課題B]

①調査対象校の選定

②調査票の設計・作成

③調査票の配布(郵送法)

④調査票の回収中

⑤フォローアップレターの

作成済み,郵送予定

3.本研究プロジェクトのスケジュール3.本研究プロジェクトのスケジュール

平成18年4月~10月平成18年4月~10月

[研究課題A]

①調査対象クラブの選定

②調査票の設計・作成

③調査票の配布(手渡法)

④調査票の回収

⑤データ入力と分析

⑥データ集計と図表作成

⑦結果の考察

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

4.研究成果の結果紹介4.研究成果の結果紹介

(1)総合型地域スポーツクラブとは?(1)総合型地域スポーツクラブとは?

総合型地域スポーツクラブとは,総合型地域スポーツクラブとは,身近な生活圏身近な生活圏でである中学校区程度のある中学校区程度の

地域において,地域において,学校体育施設や公共スポーツ施設を拠点としながら学校体育施設や公共スポーツ施設を拠点としながら((地地域の実情に応じて民間スポーツ施設も活用域の実情に応じて民間スポーツ施設も活用),),地域住民が主体的に運営地域住民が主体的に運営し,し,地域住民の誰もが参加できるスポーツクラブの形態である地域住民の誰もが参加できるスポーツクラブの形態である。。アア 複数の種目が用意されている。複数の種目が用意されている。《《多種目多種目》》イイ 子どもから高齢者まで,初心者からトップレベルの競技者まで,子どもから高齢者まで,初心者からトップレベルの競技者まで,地域の誰もが年齢,興味・関心,技術・技能レベルなどに応じ地域の誰もが年齢,興味・関心,技術・技能レベルなどに応じて,いつまでも活動できる。て,いつまでも活動できる。《《多世代・多目標多世代・多目標》》

ウウ 活動の拠点となるスポーツ施設及びクラブハウスがあり,定期活動の拠点となるスポーツ施設及びクラブハウスがあり,定期的・継続的なスポーツ活動を行うことができる。的・継続的なスポーツ活動を行うことができる。《《拠点施設拠点施設》》

エエ 質の高い指導者の下,個々のスポーツニーズに応じたスポーツ質の高い指導者の下,個々のスポーツニーズに応じたスポーツ指導が行われる。指導が行われる。《《専門指導者と一貫指導専門指導者と一貫指導》》

オオ 以上のようなことについて,地域住民が主体的に運営する。以上のようなことについて,地域住民が主体的に運営する。《《自主運営自主運営》》

(文部科学省(文部科学省(2000)(2000)「スポーツ振興基本計画」より)「スポーツ振興基本計画」より)

○○ スポーツ活動だけでなく,できれば文化的活動も準備されている。スポーツ活動だけでなく,できれば文化的活動も準備されている。

《《多文化多文化》》 (「クラブづくりの4つのドア」より)(「クラブづくりの4つのドア」より)

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

日常生活圏域日常生活圏域(中学校区程度~小学校区)(中学校区程度~小学校区)

会員の自主性・自発性を生かす

自 主 運 営

総 会

運 営 委 員 会【 1 - 4 - 1 - 15 】会長 名 副会長 名 理事長 名 理事 名

, , , ,会員代表 スポーツ関係団体 体育指導委員 スポーツ指導者, , ,学校 公民館 住民代表 行政等

専門部会

事 務 局クラブマネジャー

総務部会 事業企画部会 広報・研修部会 指導者部会 危機管理部会

スポーツ事業の企画・運営●スポーツ教室 ●スポーツサークル●研修会 ●健康・体力相談●スポーツ広報 ●イベント・大会 等

地域住民の誰もが多様な目標と楽しみ方で参加

多 世 代多 目 標多 種 目

会員の快適な活動を確保

拠 点 施 設

長期的・計画的な指導を保障

専門指導者の配置

生活スポーツと競技スポーツの共創を保障

一 貫 指 導

会費等による独立採算と自主財源の確保

受益者負担

文化的活動の融合

文 化 複 合

クラブ理念の共有

参加

,子 ど も か ら 高 齢 者 障 害 者 ま で の す べ て の 地 域 住 民

総合型地域スポーツクラブ・モデル総合型地域スポーツクラブ・モデル(中西(中西,2005,2005))

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

[[ (a)(a) 地域スポーツの閉塞状況地域スポーツの閉塞状況::スポーツ振興スポーツ振興上の上の課題課題や問題点]や問題点]

エリートスポーツのコピー:「地域」らしさの不在エリートスポーツのコピー:「地域」らしさの不在⇒⇒ 競争論理を重視した活動競争論理を重視した活動

⇒⇒ 対外試合に向けた活動内容対外試合に向けた活動内容

⇒⇒ 同じ種目,同じ仲間による活動同じ種目,同じ仲間による活動

⇒⇒ チーム型(選手と補欠)の人間関係チーム型(選手と補欠)の人間関係

行政主導型の事業展開:住民の自主性・自立性の不在行政主導型の事業展開:住民の自主性・自立性の不在⇒⇒ 行政依存,他者依存的性格の活動行政依存,他者依存的性格の活動

⇒⇒ 人間関係分節型(性別人間関係分節型(性別・・年齢別年齢別・・技術別)の事業展開技術別)の事業展開

⇒⇒ プログラム中心の事業展開(単発的な活動)プログラム中心の事業展開(単発的な活動)

⇒⇒ 連携のない仕組みづくり(硬直化した組織)連携のない仕組みづくり(硬直化した組織)

学校部活動も同じ状況で,上記のようなスポーツ環境では人々の学校部活動も同じ状況で,上記のようなスポーツ環境では人々の豊豊かなスポーツライフの形成・維持など望めない可能性がある。かなスポーツライフの形成・維持など望めない可能性がある。

(2)総合型地域スポーツクラブの現代的な意味(2)総合型地域スポーツクラブの現代的な意味

Page 3: 総合型地域スポーツクラブの 本研究 プロジェクトの方針 ... · 2015-01-19 · ©J. Nakanishi, 2008 1 F.U.E 総合型地域スポーツクラブの 「地域づくり」支援活動研究プロジェクト

©J. Nakanishi, 2008 3

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

[[ (b)(b) 地域社会における多様な生活課題地域社会における多様な生活課題や問題点]や問題点]

都市的生活様式によるコミュニティの崩壊都市的生活様式によるコミュニティの崩壊⇒⇒ 人間関係の希薄化,顔の見えない人間関係の増殖人間関係の希薄化,顔の見えない人間関係の増殖

⇒⇒ 地域地域のの教育力,家庭の教育力の低下教育力,家庭の教育力の低下

⇒⇒ 過剰ストレスの増大過剰ストレスの増大

高齢化社会による老齢期への生活不安高齢化社会による老齢期への生活不安⇒⇒ 健康問題・生活不安の偏在化健康問題・生活不安の偏在化

少子化社会による子どもの生活環境の変化少子化社会による子どもの生活環境の変化⇒⇒ 遊び仲間の小規模化,外遊びの減少遊び仲間の小規模化,外遊びの減少

⇒⇒ 学力低下(教育問題),体力・運動能力の低下学力低下(教育問題),体力・運動能力の低下

地方分権化による地方行政の変化地方分権化による地方行政の変化⇒⇒ 行政能力行政能力((人的・物的・財務的人的・物的・財務的))の脆弱化の脆弱化

⇒⇒ 自治体間格差の増大自治体間格差の増大

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

「課題解決型」地域「課題解決型」地域スポーツスポーツクラブクラブとしての意義と役割としての意義と役割

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

総合型地域スポーツクラブへの期待総合型地域スポーツクラブへの期待

豊かな豊かな

スポーツライフの創造スポーツライフの創造(スポーツ振興)(スポーツ振興)

豊かな豊かな

地域コミュニティの再生地域コミュニティの再生(地域振興)(地域振興)

スポーツ参加率の向上スポーツ参加率の向上

健康・体力の増進と健康・体力の増進と医療費の軽減・削減医療費の軽減・削減

高齢者の生き甲斐づくり高齢者の生き甲斐づくり

文化・芸術の振興文化・芸術の振興

青少年の健全育成青少年の健全育成

ボランティア活動の活発化ボランティア活動の活発化

親子・家族の交流促進親子・家族の交流促進

地域教育力の回復地域教育力の回復

住民参加型まちづくり住民参加型まちづくり

スポーツ政策スポーツ政策

健康・医療政策健康・医療政策

教育政策教育政策

コミュニティ政策コミュニティ政策

高齢者福祉高齢者福祉政策政策

生涯学習政策生涯学習政策総総

合合

的的

なな

文文

化化

行行

政政

施施

策策

総合型地域スポーツクラブの2つの目的・課題

波及効果(公益性)波及効果(公益性)

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

(3)総合型地域スポーツクラブの育成状況(3)総合型地域スポーツクラブの育成状況

933933(51.1(51.1%%))⑤⑤未育成市未育成市区区町村数町村数

894894(48.9(48.9%%))④④設置市設置市区区町村数町村数(重複を除く)(重複を除く)

2,2,555555③③合計(合計(①①++②②))

386386市区町村数市区町村数

551551②②創設準備中クラブ数創設準備中クラブ数

631631市区町村数市区町村数

2,0042,004①①創設済みクラブ数創設済みクラブ数

全8全82727小学校区小学校区

827827クラブクラブ

((100100.0%).0%)

(平成1(平成188年年33月)月)

1,81,82727市市区区町村数町村数(合併後)(合併後)

「スポーツクラブ「スポーツクラブ 2121ひょうご」ひょうご」 事事 業業

全全 国国文部科学省調査文部科学省調査データデータ

((20072007年年77月月11日現在)日現在)

Page 4: 総合型地域スポーツクラブの 本研究 プロジェクトの方針 ... · 2015-01-19 · ©J. Nakanishi, 2008 1 F.U.E 総合型地域スポーツクラブの 「地域づくり」支援活動研究プロジェクト

©J. Nakanishi, 2008 4

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

(4)実証的調査の結果要約(4)実証的調査の結果要約

�� 研究課題A:「ソーシャル・キャピタル研究」研究課題A:「ソーシャル・キャピタル研究」

①① 調査対象クラブの選定調査対象クラブの選定

a.a. NPONPO法人法人AAクラブ(会員数:クラブ(会員数:567567名)名)b.b. NPONPO法人法人BBクラブ(会員数:クラブ(会員数:471471名)名)

②② 調査票の設計・作成調査票の設計・作成

③③ 調査票の配布調査票の配布

④④ 調査票の回収(回収率を含む)調査票の回収(回収率を含む)

a.a. Web21Web21:: ③③==567567部,部,④④==250250部(部(44.144.1%)%)b.b. カル・スポ:カル・スポ:③③==270270部(無作為抽出),部(無作為抽出),④④==100100部(部(37.037.0%)%)

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

[Aクラブの概要]

[Bクラブの概要]

設設 立:平成立:平成1414年年22月(平成月(平成1616年年33月に月にNPONPO法人格取得)法人格取得)

会員数:567名(小学生会員数:567名(小学生301301名名,,中学生中学生2525名名,,高校生高校生55名名,,成人成人236236名)名)

組織構成:正会員組織構成:正会員1414名名,,クラブ会員クラブ会員457457名名

年年 会会 費費::クラブ会員クラブ会員24002400円円,,一般会員一般会員30003000円円

活動種目数活動種目数::7種目7種目

活動場所活動場所::小中学校体育施設小中学校体育施設,,公共スポーツ施設公共スポーツ施設,,クラブハウスクラブハウス

指導者数指導者数:70:70名名

組織構成:正社員組織構成:正社員3636名名,,クラブ会員クラブ会員531531名名

設設 立:平成立:平成1414年年1010月(平成月(平成1515年年33月に月にNPONPO法人格取得)法人格取得)

会員数:会員数:471471名(小学生名(小学生318318名名,,成人成人153153名)名)

指導者数指導者数:42:42名名年年 会会 費費::正会員正会員30003000円+保険円+保険,,クラブ会員は保険料のみクラブ会員は保険料のみ

活動場所活動場所::小中学校体育施設小中学校体育施設,,公共スポーツ施設公共スポーツ施設,,クラブハウスクラブハウス

活動種目数活動種目数::3535種目種目

調査対象クラブの概要(平成18年7月1日現在)

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

総合型クラブ

研究の枠組み:地域コミュニティ形成の動態的モデル研究の枠組み:地域コミュニティ形成の動態的モデル(中西,(中西,20062006))

結合型結合型SSCC

((bondingbonding))

日常生活圏域(地域コミュニティ)日常生活圏域(地域コミュニティ)

⑤⑤自主的機能組織自主的機能組織

(文化・スポーツサークル、福祉サークル、青年・婦人運動団体、生協、ボランティア団体、PTA、各種住民運動組織など)

橋渡し型橋渡し型SSCC

((bridgingbridging))

運営委員会運営委員会

総務部会 事業企画部会 広報・研修部会 指導者部会

①①行政協力・補完的組織行政協力・補完的組織(体育指導委員会、民生委員協議会、青少年健全育成委員会、消防団など)

②②地縁的・包括的組織地縁的・包括的組織(町内会、自治会など)

③③職能的組織職能的組織(商工会、農協会、地区労働組合、地区医師会など)

④④年代・階層別組織年代・階層別組織(子ども会、青年団、婦人会、老人会、敬老会など)

自治・自立性自治・自立性SSCC ①①

信頼関係性信頼関係性

SSCC ③③互酬性規範互酬性規範SSCC ④④SSCC ②②

協働・連帯性協働・連帯性

SSCC ⑤⑤

ネットワークネットワーク

内部志向型で「共益内部志向型で「共益

型」の特徴を持つ型」の特徴を持つ

外部志向型で「公益外部志向型で「公益型」の特徴を持つ型」の特徴を持つ

醸成・蓄積が高まると,「排他的醸成・蓄積が高まると,「排他的組織」になる危険性も高まる組織」になる危険性も高まる

醸成・蓄積が高まると,「開放的組織」醸成・蓄積が高まると,「開放的組織」

になり,地域づくりへの貢献が高まるになり,地域づくりへの貢献が高まる

スポーツ振興上スポーツ振興上の課題共有の課題共有

地域生活の地域生活の課題共有課題共有

会会 員員

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

AAクラブの会員調査の結果クラブの会員調査の結果(一部抜粋)(一部抜粋)

性 別 度数 % 有効%

139 55.6 58.41. 男性

99 39.6 41.62. 女性

238 95.2 100.0合 計

12 4.8N.A.

250 100.0合 計

度数 % 有効%年齢階層

1. 30~34歳 3 1.2 1.2

2. 35~39歳 9 3.6 3.7

3. 40~44歳 12 4.8 4.9

成 4. 45~49歳 12 4.8 4.9

5. 50~54歳 11 4.4 4.5

人 6. 55~59歳 11 4.4 4.5

7. 60~64歳 7 2.8 2.9

8. 65~69歳 5 2.0 2.0

9. 70歳以上 14 5.6 5.7

子 1. 小学1~2年生 13 5.2 5.3

ど 2. 小学3~4年生 46 18.4 18.9

も 3. 小学5~6年生 89 35.6 36.5

4. 中 学 生 12 4.8 4.9

合 計 244 97.6 100.0

N.A. 6 2.4

合 計 250 100.0

Page 5: 総合型地域スポーツクラブの 本研究 プロジェクトの方針 ... · 2015-01-19 · ©J. Nakanishi, 2008 1 F.U.E 総合型地域スポーツクラブの 「地域づくり」支援活動研究プロジェクト

©J. Nakanishi, 2008 5

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

①① 入会前・後における会員の運動・スポーツ実施頻度入会前・後における会員の運動・スポーツ実施頻度

入 会 後

週1日 月に 年に まったく し 合 計運動・スポーツの

以上 1~3日 1~12日 ていない実施頻度

週1日以上 160 1 1 0 162

66.1% .4% .4% .0% 66.9%入

月に1~3日 26 2 0 0 28

10.7% .8% .0% .0% 11.6%会

年に1~12日 9 2 0 0 11

3.7% .8% .0% .0% 4.5%前

まったくしていない 33 3 1 4 41

13.6% 1.2% .4% 1.7% 16.9%

合 計 228 8 2 4 242

94.2% 3.3% .8% 1.7% 100.0%

χ -値=36.817 (d.f.=9, p < .000)2

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

②② 会員の自主運営意識の状況会員の自主運営意識の状況クラブ運営への参加有無

合 計クラブ運営への参加 成人会員 子ども会員

1. あ る 26 45 71

31.0% 28.0% 29.0%

2. な い 58 116 174

69.0% 72.0% 71.0%

合 計 84 161 245

100.0% 100.0% 100.0%

χ -値= .242 (d.f.=1, p < .364)2

成 人 会 員 の ク ラ ブ 運 営 へ の 参 加 状 況 と 参 加 程 度 ( 量 )

度 数 %ク ラ ブ 運 営 へ の 参 加 有 無

ス ポ ー ツ を 「 す る 」 だ け の 会 員 58 69 . 0 %

ス ポ ー ツ を 「 す る ・ さ さ え る 」 会 員 26 31 . 0 %

1 . 意 見 を あ げ る 場 へ の 参 加 8 33 . 3 %

2 . 教 室 ・ イ ベ ン ト の お 手 伝 い 12 50 . 0 %

さ 3 . 大 会 や イ ベ ン ト の 審 判 8 33 . 3 %

さ 4 . 研 修 会 や 講 習 会 の お 世 話 6 25 . 0 %

え 5 . ス ポ ー ツ の 指 導 11 45 . 8 %

る 6 . 教 室 や イ ベ ン ト の 企 画 1 4 . 2 %

項 7 . 広 報 誌 ・ パ ン フ レ ッ ト 等 の 作 成 1 4 . 2 %

0 0 . 0 %目 8 . ホ ー ム ペ ー ジ の 作 成 や 運 営

9 . ク ラ ブ の 会 計 業 務 2 8 . 3 %

1 0 . 運 営 方 針 や 事 業 計 画 の 検 討 1 4 . 2 %

さ さ え る 項 目 の ○ の 数 度 数 %

1 項 目 12 5 0 . 0

2 項 目 4 1 6 . 7

3 項 目 5 2 0 . 8

4 項 目 2 8 . 3

8 項 目 1 4 . 2

合 計 24 100 . 0

注)ささえる項目は複数回答で,N=24(N.A.=2)で除した%である。

子 ど も 会 員 の ク ラ ブ 運 営 へ の 参 加 状 況 と 参 加 程 度 ( 量 )

度 数 %ク ラ ブ 運 営 へ の 参 加 有 無

ス ポ ー ツ を 「 す る 」 だ け の 会 員 11 6 7 2 . 0 %

ス ポ ー ツ を 「 す る ・ さ さ え る 」 会 員 45 28 . 0 %

1 2 . 2 %1 . 教 室 や イ ベ ン ト の ア イ デ ア を 出 す

さ 1 6 35 . 6 %2 . 教 室 や イ ベ ン ト の お 手 伝 い , お 世 話

さ 7 15 . 6 %3 . 大 会 や イ ベ ン ト の し ん ぱ ん

え 29 64 . 4 %4 . 会 場 の 準 備 や 片 づ け

る 1 2 2 6 . 7 %5 . 先 生 ( コ ー チ ) の お 手 伝 い

6 . ク ラ ブ の お 知 ら せ や パ ン フ レ ッ ト項

8 1 7 . 8 %目 な ど の 作 成 や 配 布

さ さ え る 項 目 の ○ の 数 度 数 %

1 項 目 29 6 4 . 4

2 項 目 6 1 3 . 3

3 項 目 7 1 5 . 6

4 項 目 3 6 . 7

合 計 45 1 00 . 0

注)ささえる項目は複数回答で,N=45で除した%である。

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

③③ 会員のクラブ運営への参加・協力度と身体的・精神的・社会的・行動的変化会員のクラブ運営への参加・協力度と身体的・精神的・社会的・行動的変化クラブ 成人会員 子ども会員

N 平均値 t-検定 N 平均値 t-検定4次元12項目 運営参加

t= - .549 n.s. t= .514 n.s身体的変化(2) 参加群 26 4.08 45 4.80

(d.f.=78) (d.f.=158)不参加群 54 4.24 115 4.70

t= .346 n.s. t= 2.403 *身体的変化(4) 参加群 25 4.04 45 4.31

(d.f.=77) (d.f.=158)不参加群 54 3.93 115 3.86

t= .424 n.s. t= .033 n.s.身体的変化(12) 参加群 24 4.04 43 5.02

(d.f.=76) (d.f.=156)不参加群 54 3.89 115 5.02

t= .571 n.s. t= 2.788 **精神的変化(5) 参加群 26 4.46 45 4.62

(d.f.=77) (d.f.=158)不参加群 53 4.28 115 4.06

t= .563 n.s. t= - .192 n.s.精神的変化(7) 参加群 26 4.04 45 4.91

(d.f.=77) (d.f.=158)不参加群 53 3.85 115 4.95

t= .584 n.s. t= .959 n.s.精神的変化(9) 参加群 24 3.83 44 3.95

(d.f.=75) (d.f.=157)不参加群 53 3.64 115 3.74

t= - .361 n.s. t= .671 n.s.社会的変化(1) 参加群 24 3.17 45 4.29

(d.f.=74) (d.f.=157)不参加群 52 3.29 114 4.15

t= 1.655 n.s. t= 2.232 *社会的変化(3) 参加群 26 4.19 45 4.84

(d.f.=78) (d.f.=158)不参加群 54 3.70 115 4.43

t= 2.575 * t= 1.127 n.s.社会的変化(11) 参加群 26 4.46 43 4.86

(d.f.=78) (d.f.=156)不参加群 54 3.67 115 4.63

t= .425 n.s. t= 1.119 n.s.スポーツ行動 参加群 25 3.40 45 4.56

(d.f.=77) (d.f.=158)の変化(6) 不参加群 54 3.26 115 4.31

t= 2.004 * t= 2.866 **スポーツ行動 参加群 25 3.52 45 4.42

(d.f.=76) (d.f.=158)の変化(8) 不参加群 53 2.92 115 3.78

t= 1.265 n.s. t= 1.542 n.s.スポーツ行動 参加群 25 4.24 44 4.36

(d.f.=77) (d.f.=157)の変化(10) 不参加群 54 3.83 115 4.07

注)*; p< .05 **; p< .01 ***; p< .001 n.s.; no significance国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

④④ 会員のクラブ運営への参加・協力度と「結合型」ソーシャル・キャピタル会員のクラブ運営への参加・協力度と「結合型」ソーシャル・キャピタルクラブ 成人会員 子ども会員

N 平均値 t-検定 N 平均値 t-検定5次元15項目 運営参加

t= 4.044 *** t= .811 n.s.自治・自立性(1) 参加群 25 4.00 45 3.56

(d.f.=77) (d.f.=158)不参加群 54 2.76 115 3.36

t= 2.070 * t= - .005 n.s.自治・自立性(4) 参加群 25 4.08 45 2.91

(d.f.=77) (d.f.=157)不参加群 54 3.50 114 2.91

t= 5.398 *** t= 2.890 **自治・自立性(15) 参加群 25 3.92 45 4.64

(d.f.=77) (d.f.=156)不参加群 54 2.37 113 4.07

t= 2.963 ** t= 2.084 *協働・連帯性(6) 参加群 25 4.12 44 4.57

(d.f.=77) (d.f.=156)不参加群 54 3.26 114 4.16

t= 2.488 * t= 3.235 ***協働・連帯性(10) 参加群 25 4.60 45 5.16

(d.f.=76) (d.f.=158)不参加群 53 3.91 115 4.55

t= 2.913 ** t= 1.672 n.s.協働・連帯性(12) 参加群 25 4.48 45 4.93

(d.f.=77) (d.f.=157)不参加群 54 3.61 114 4.59

t= 4.061 *** t= .917 n.s.ネットワーク(3) 参加群 26 3.96 44 3.70

(d.f.=78) (d.f.=157)不参加群 54 2.78 115 3.50

t= 3.959 *** t= 1.148 n.s.ネットワーク(7) 参加群 25 4.52 45 5.00

(d.f.=77) (d.f.=158)不参加群 54 3.33 115 4.79

t= 1.984 n.s. t= .607 n.s.ネットワーク(9) 参加群 25 4.36 45 5.33

(d.f.=77) (d.f.=158)不参加群 54 3.74 115 5.23

t= 2.060 * t= .334 n.s.信頼関係性(5) 参加群 26 4.23 45 4.78

(d.f.=78) (d.f.=157)不参加群 54 3.67 114 4.71

t= 3.594 *** t= 1.521 n.s.信頼関係性(8) 参加群 26 4.38 45 4.89

(d.f.=78) (d.f.=157)不参加群 54 3.41 114 4.57

t= 2.348 * t= 1.495 n.s.信頼関係性(11) 参加群 25 4.32 45 4.42

(d.f.=77) (d.f.=157)不参加群 54 3.65 114 4.12

t= 3.752 *** t= 3.922 ***互酬性の規範(2) 参加群 26 4.15 45 4.13

(d.f.=78) (d.f.=158)不参加群 54 3.04 115 3.30

t= 2.865 ** t= 3.797 ***互酬性の規範(13) 参加群 25 4.20 45 4.00

(d.f.=77) (d.f.=157)不参加群 54 3.31 114 3.13

t= 2.439 * t= 1.720 n.s.互酬性の規範(14) 参加群 25 4.28 45 4.60

(d.f.=77) (d.f.=157)不参加群 54 3.50 114 4.25

注)*; p< .05 **; p< .01 ***; p< .001 n.s. ; no significance

Page 6: 総合型地域スポーツクラブの 本研究 プロジェクトの方針 ... · 2015-01-19 · ©J. Nakanishi, 2008 1 F.U.E 総合型地域スポーツクラブの 「地域づくり」支援活動研究プロジェクト

©J. Nakanishi, 2008 6

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

⑤⑤ 会員のクラブ運営への参加・協力度と「橋渡し型」ソーシャル・キャピタル会員のクラブ運営への参加・協力度と「橋渡し型」ソーシャル・キャピタルクラブ 成人会員 子ども会員

N 平均値 t-検定 N 平均値 t-検定5次元15項目 運営参加

t= 2.095 * t= - .251 n.s.自治・自立性(4) 参加群 22 4.23 45 3.91

(d.f.=70) (d.f.=152)不参加群 50 3.58 109 3.96

t= 3.673 *** t= .674 n.s.自治・自立性(13) 参加群 23 4.39 45 4.02

(d.f.=71) (d.f.=154)不参加群 50 3.40 111 3.87

t= 2.298 * t= .496 n.s.自治・自立性(15) 参加群 23 4.13 45 3.64

(d.f.=71) (d.f.=154)不参加群 50 3.44 111 3.53

t= 1.292 n.s. t= .208 n.s.協働・連帯性(3) 参加群 23 4.00 45 4.09

(d.f.=71) (d.f.=154)不参加群 50 3.58 111 4.05

t= 2.814 ** t= 1.880 n.s.協働・連帯性(9) 参加群 24 4.42 45 4.38

(d.f.=71) (d.f.=154)不参加群 49 3.61 111 3.98

t= 2.124 * t= 1.247 n.s.協働・連帯性(11) 参加群 24 4.33 45 4.36

(d.f.=71) (d.f.=154)不参加群 49 3.73 111 4.09

t= 2.492 * t= 1.574 n.s.ネットワーク(2) 参加群 24 3.96 45 3.80

(d.f.=72) (d.f.=154)不参加群 50 3.06 111 3.46

t= 2.620 * t= .222 n.s.ネットワーク(5) 参加群 23 4.13 45 3.78

(d.f.=71) (d.f.=151)不参加群 50 3.34 108 3.73

t= 2.079 * t= .186 n.s.ネットワーク(12) 参加群 24 4.21 45 4.60

(d.f.=72) (d.f.=154)不参加群 50 3.60 111 4.56

t= 3.034 ** t= - .844 n.s.信頼関係性(6) 参加群 23 4.13 45 3.67

(d.f.=71) (d.f.=154)不参加群 50 3.36 111 3.86

t= 1.325 n.s. t= .391 n.s.信頼関係性(8) 参加群 23 4.39 45 4.56

(d.f.=71) (d.f.=154)不参加群 50 4.00 111 4.47

t= 2.987 ** t= 1.105 n.s.信頼関係性(10) 参加群 23 4.26 45 4.38

(d.f.=71) (d.f.=153)不参加群 50 3.42 110 4.16

t= 1.417 n.s. t= 1.999 n.s.互酬性の規範(1) 参加群 23 3.43 45 3.20

(d.f.=71) (d.f.=154)不参加群 50 2.96 111 2.72

t= 3.091 ** t= 1.951 n.s.互酬性の規範(7) 参加群 24 4.33 45 4.40

(d.f.=72) (d.f.=154)不参加群 50 3.34 111 3.90

t= 2.202 * t= .857 n.s.互酬性の規範(14) 参加群 23 3.30 45 3.24

(d.f.=70) (d.f.=154)不参加群 49 2.59 111 3.05

注)*; p< .05 **; p< .01 ***; p< .001 n.s. ; no significance国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

⑥⑥豊かなスポーツライフとソーシャル・キャピタルとの関連性豊かなスポーツライフとソーシャル・キャピタルとの関連性

1.Aクラブの結合型SC

4.00 4.083.92

4.12

4.604.48

3.96

4.524.36

4.234.38 4.32

4.15 4.20 4.28

2.76

3.50

2.37

3.26

3.91

3.61

2.78

3.33

3.74 3.67

3.41

3.65

3.04

3.313.50

2.00

2.50

3.00

3.50

4.00

4.50

5.00

する・ささえる会員 する会員

自治・自律性①

自治・自律性④

自治・自律性⑮

協働・連帯性⑥

協働・連帯性⑩

協働・連帯性⑫

ネッ

トワ

ク③

ネッ

トワ

ク⑦

ネッ

トワ

ク⑨

信頼関係性⑤

信頼関係性⑧

信頼関係性⑪

互酬性規範②

互酬性規範⑬

互酬性規範⑭

注) *;P< .05 **;P< .01 ***;P< .001 n.s.; no significance

* *****

***

* **

***

***

****

**** ** *

n.s.

4.234.39

4.134.00

4.42 4.33

3.964.13 4.21 4.13

4.394.26

3.43

4.33

3.30

3.583.40 3.44

3.58 3.613.73

3.06

3.34

3.60

3.36

4.00

3.42

2.96

3.34

2.59

2.00

2.50

3.00

3.50

4.00

4.50

5.00

する・ささえる会員 する会員

自治・自律性④

自治・自律性⑬

自治・自律性⑮

協働・連帯性③

協働・連帯性⑨

協働・連帯性⑪

ネッ

トワ

ク②

ネッ

トワ

ク⑤

ネッ

トワ

ク⑫

信頼関係性⑥

信頼関係性⑧

信頼関係性⑩

互酬性規範①

互酬性規範⑦

互酬性規範⑭

注) *;P< .05 **;P< .01 ***;P< .001 n.s.; no significance

*

**

n.s.

****

* n.s.

***

** * **

**n.s.

2.Aクラブの橋渡し型SC

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

⑦⑦ソーシャル・キャピタルとしての総合型地域スポーツクラブソーシャル・キャピタルとしての総合型地域スポーツクラブ

Bridging SCネットワーク

Bridging SC互酬性規範

Bridging SC信頼関係性

Bridging SC協働・連帯性

Bonding SC自治・自立性

.650 **

.607 **

.600 **

.573 **

.570 **

Bridging SC互酬性規範

Bridging SCネットワーク

Bridging SC自治・自立性

Bonding SCネットワーク

Bridging SC協働・連帯性

Bridging SC信頼関係性

.645 **

.693 **

.683 **

.521 **

.710 **

Bridging SCネットワーク

Bridging SC協働・連帯性

Bridging SC自治・自立性

Bridging SC互酬性規範

Bridging SC信頼関係性

Bonding SC互酬性規範

.636**

.653**

.670**

.475**

.600 **

Bridging SC互酬性規範

Bridging SC自治・自立性

Bonding SC信頼関係性

Bridging SC協働・連帯性

Bridging SC信頼関係性

Bridging SCネットワーク

.700 **

.730 **

.718 **

.475 **

.613**

Bridging SC自治・自立性

Bonding SC協働・連帯性

Bridging SC互酬性規範

Bridging SC信頼関係性

Bridging SC協働・連帯性

Bridging SC自治・自立性

Bridging SCネットワーク

.708 **

.723 **

.707 **

.518 **

.626 **

総合型地域

スポーツクラブ

ソーシャル・キャピタル

としての

Bridging SCネットワーク

Bridging SC互酬性規範

Bridging SC信頼関係性

Bridging SC協働・連帯性

Bonding SC自治・自立性

.650 **

.607 **

.600 **

.573 **

.570 **

Bridging SCネットワーク

Bridging SC互酬性規範

Bridging SC信頼関係性

Bridging SC協働・連帯性

Bonding SC自治・自立性

.650 **

.607 **

.600 **

.573 **

.570 **

Bridging SC互酬性規範

Bridging SCネットワーク

Bridging SC自治・自立性

Bonding SCネットワーク

Bridging SC協働・連帯性

Bridging SC信頼関係性

.645 **

.693 **

.683 **

.521 **

.710 ** Bridging SC互酬性規範

Bridging SCネットワーク

Bridging SC自治・自立性

Bonding SCネットワーク

Bridging SC協働・連帯性

Bridging SC信頼関係性

.645 **

.693 **

.683 **

.521 **

.710 **

Bridging SCネットワーク

Bridging SC協働・連帯性

Bridging SC自治・自立性

Bridging SC互酬性規範

Bridging SC信頼関係性

Bonding SC互酬性規範

.636**

.653**

.670**

.475**

.600 **

Bridging SCネットワーク

Bridging SC協働・連帯性

Bridging SC自治・自立性

Bridging SC互酬性規範

Bridging SC信頼関係性

Bonding SC互酬性規範

.636**

.653**

.670**

.475**

.600 **

Bridging SC自治・自立性

Bridging SC互酬性規範

Bridging SC信頼関係性

Bonding SC互酬性規範

.636**

.653**

.670**

.475**

.600 **

Bridging SC互酬性規範

Bridging SC自治・自立性

Bonding SC信頼関係性

Bridging SC協働・連帯性

Bridging SC信頼関係性

Bridging SCネットワーク

.700 **

.730 **

.718 **

.475 **

.613**

Bridging SC互酬性規範

Bridging SC自治・自立性

Bonding SC信頼関係性

Bridging SC協働・連帯性

Bridging SC信頼関係性

Bridging SCネットワーク

.700 **

.730 **

.718 **

.475 **

.613**

Bridging SC自治・自立性

Bonding SC協働・連帯性

Bridging SC互酬性規範

Bridging SC信頼関係性

Bridging SC協働・連帯性

Bridging SC自治・自立性

Bridging SCネットワーク

.708 **

.723 **

.707 **

.518 **

.626 **

Bridging SC自治・自立性

Bonding SC協働・連帯性

Bridging SC互酬性規範

Bridging SC信頼関係性

Bridging SC協働・連帯性

Bridging SC自治・自立性

Bridging SCネットワーク

.708 **

.723 **

.707 **

.518 **

.626 **

総合型地域

スポーツクラブ

ソーシャル・キャピタル

としての

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

総合型クラブの特性

総合型クラブの特性

研究のまとめ1:「ソーシャル・キャピタル」としての総合型地域スポーツクラブ研究のまとめ1:「ソーシャル・キャピタル」としての総合型地域スポーツクラブ

ソーシャル・キャピタルの醸成・蓄積(人づくり)ソーシャル・キャピタルの醸成・蓄積(人づくり)

11.. 自治・自立性:地域生活課題の自主的・自立的解決力自治・自立性:地域生活課題の自主的・自立的解決力

22.. 協働・連帯性:心合わせ・力合わせ・声合わせて,共に連協働・連帯性:心合わせ・力合わせ・声合わせて,共に連

携・協力できる力携・協力できる力

33.. ネットワーク:地域に住むいろんな人と交流や親睦を深めネットワーク:地域に住むいろんな人と交流や親睦を深め

ようとする力ようとする力

44.. 信頼関係性:他者への信頼感や地域そのものを信頼する信頼関係性:他者への信頼感や地域そのものを信頼する

力力

55.. 互酬性規範(相互扶助関係):相互依存的なサービス交互酬性規範(相互扶助関係):相互依存的なサービス交

換をできるような地域の雰換をできるような地域の雰

囲気や風土囲気や風土

�� ソーシャル・キャピタルとは,「自分たちの住むまち(地域)を,自分たちの自覚とソーシャル・キャピタルとは,「自分たちの住むまち(地域)を,自分たちの自覚と

責任において,共に創り運営していくというパワーやエネルギーの総体責任において,共に創り運営していくというパワーやエネルギーの総体(地域経営(地域経営力)力)」である。」である。�� 換言すれば,地域社会における人と人との関係づくりに賦与される,目には見え換言すれば,地域社会における人と人との関係づくりに賦与される,目には見え

ないない「地域コミュニティ資産」「地域コミュニティ資産」と言ってもよい。と言ってもよい。→→ 「ご近所の底力」へとつながる。「ご近所の底力」へとつながる。

地域コミュニティの実現

地域コミュニティの実現

暮らしやすい豊かな

暮らしやすい豊かな

Page 7: 総合型地域スポーツクラブの 本研究 プロジェクトの方針 ... · 2015-01-19 · ©J. Nakanishi, 2008 1 F.U.E 総合型地域スポーツクラブの 「地域づくり」支援活動研究プロジェクト

©J. Nakanishi, 2008 7

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

総合型クラブの特性総合型クラブの特性

総総 合合 性性(生活全体の視点から(生活全体の視点から見たまちづくりの理念)見たまちづくりの理念)

われわれのまちというわれわれのまちという意識(われわれ感情)意識(われわれ感情)

共生・共存性共生・共存性((異質なものを認め合い,異質なものを認め合い,受け入れていく意識)受け入れていく意識)

住民主体のまちづくりへの住民主体のまちづくりへの

共同作業共同作業

自発的発想自発的発想(地域資源を主体的・自立(地域資源を主体的・自立的に活用していく自発的で的に活用していく自発的で内発的なまちづくり)内発的なまちづくり)

コミュニティ形成の原理コミュニティ形成の原理(山崎(山崎,2003,2003))

●●多種目・多世代・多目標多種目・多世代・多目標

●●文化的活動(多文化)文化的活動(多文化)33

自自 主主 運運 営営44

専門指導者と拠点施設専門指導者と拠点施設55

スポーツ振興上の諸課題スポーツ振興上の諸課題と地域生活課題の解決をと地域生活課題の解決を

加味した理念・目的・使命加味した理念・目的・使命11

日常生活圏日常生活圏

(中学校区程度)(中学校区程度)22

研究のまとめ2:コミュニティ形成機能としての総合型地域スポーツクラブ研究のまとめ2:コミュニティ形成機能としての総合型地域スポーツクラブ

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

研究課題B:「学校(部活動)づくり研究」研究課題B:「学校(部活動)づくり研究」

①① 調査対象校の選定:総合型地域スポーツクラブ創設済調査対象校の選定:総合型地域スポーツクラブ創設済

み・創設中の地域社会にある中学校み・創設中の地域社会にある中学校331331校(学校長,顧校(学校長,顧

問教師)問教師)

②② 調査票の設計・作成調査票の設計・作成

③③ 調査票の配布=調査票の配布=335335校校④④ 調査票の回収中=調査票の回収中=116767校校((5050..55%)%)⑤⑤ 学校長=学校長=128128名(名(38.738.7%)%)⑥⑥ 顧問教師顧問教師==11,137,137名(名(23.823.8%)%)

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

研究研究視点視点:「地域に開かれた運動部活動」の機微に:「地域に開かれた運動部活動」の機微に迫る迫る

�� 「学校観」からみた運動部活動の捉え方「学校観」からみた運動部活動の捉え方

①①「学校聖域論」「学校聖域論」に守られた「閉鎖系」学校観に守られた「閉鎖系」学校観

1)1)学校内でさえも閉鎖的な学校内でさえも閉鎖的な「運動」「運動」部活動部活動

2)2)地域社会には,より閉鎖的な地域社会には,より閉鎖的な「学校」「学校」部活動部活動

②②「コミュニティ「コミュニティ・・スクール論(理念)」スクール論(理念)」

に代表される「開放系」学校観に代表される「開放系」学校観

1)1)「みんなのクラブ」「みんなのクラブ」

2)2)地域スポーツとの地域スポーツとの「共生」「共生」関係の確立関係の確立

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

これまでの運動部活動の姿と,これからの・・・これまでの運動部活動の姿と,これからの・・・

�� これまでは,勝利至上主義的な考え方を志向するあまり,「学校運動部活動これまでは,勝利至上主義的な考え方を志向するあまり,「学校運動部活動

聖域論」を基盤とする聖域論」を基盤とする「閉鎖系マネジメント」「閉鎖系マネジメント」の実践が,これまでの運動部活の実践が,これまでの運動部活

動の姿であった。動の姿であった。

�� これからは,「コミュニティ・スクール理念」を基盤とし,「地域」にだけではなく,これからは,「コミュニティ・スクール理念」を基盤とし,「地域」にだけではなく,

(当然のことながら)「学校内」にも「開かれた学校部活動づくり」を目的とす(当然のことながら)「学校内」にも「開かれた学校部活動づくり」を目的とす

るる「開放系マネジメント」「開放系マネジメント」が重要である。が重要である。

�� 運動部活動だけではなく,「体育の授業」や「総合的な学習の時間」にも地運動部活動だけではなく,「体育の授業」や「総合的な学習の時間」にも地

域資源を有効活用するという域資源を有効活用するという「地域社会学校体育経営」への発想転換「地域社会学校体育経営」への発想転換を目を目

指していく。指していく。

Page 8: 総合型地域スポーツクラブの 本研究 プロジェクトの方針 ... · 2015-01-19 · ©J. Nakanishi, 2008 1 F.U.E 総合型地域スポーツクラブの 「地域づくり」支援活動研究プロジェクト

©J. Nakanishi, 2008 8

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

「魅力ある,地域に開かれた運動部活動の実現」を求める声「魅力ある,地域に開かれた運動部活動の実現」を求める声

①① 「21世紀に向けたスポーツの振興方策について」「21世紀に向けたスポーツの振興方策について」

(保健体育審議会答申,平成元年11月21日)(保健体育審議会答申,平成元年11月21日)

②② 「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」

(中央教育審議会第一次答申,平成8年7月19日)(中央教育審議会第一次答申,平成8年7月19日)

③③ 「生涯にわたる心身の健康の保持増進のための今後の健康に関する教育「生涯にわたる心身の健康の保持増進のための今後の健康に関する教育

及びスポーツの振興の在り方について」及びスポーツの振興の在り方について」

(保健体育審議会答申,平成9年9月22日)(保健体育審議会答申,平成9年9月22日)

④④ 「スポーツ振興基本計画」「スポーツ振興基本計画」

(文部科学省,平成(文部科学省,平成1212年年99月月1313日日,平成,平成1818年年99月月1818日改定日改定))

⑤⑤ 「子どもの体力向上のための総合的な方策について(中間報告)」「子どもの体力向上のための総合的な方策について(中間報告)」

(中央教育審議会,平成14年7月18日)(中央教育審議会,平成14年7月18日)

⑥⑥ 「運動部活動の振興方策(建議)」「運動部活動の振興方策(建議)」

(福岡県スポーツ振興審議会,平成13年5月28日)(福岡県スポーツ振興審議会,平成13年5月28日)国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

◇◇ 運動部活動の現状と問題点運動部活動の現状と問題点

全体 男子 女子 全体 男子 女子運動部 73.9% 83.0% 64.1% 49.0% 56.3% 41.1%

文化部 17.1% 7.9% 27.1% 22.0% 13.8% 30.9%地域スポーツクラブ 7.7% 10.2% 5.0% 4.2% 5.7% 2.6%学校以外の文化的教室等 7.0% 3.9% 10.4% 3.1% 1.4% 5.0%

どれにも所属していない 7.8% 7.6% 8.2% 27.3% 28.1% 26.6%

所 属 状 況(複数回答可)

中学校 高等学校

(文部科学省「運動部活動の在り方に関する調査研究報告」平成9年より抜粋)

表1表1 生徒の部活動等への所属状況生徒の部活動等への所属状況

平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成10年度 平成11年度 平成12年度部員数 110,032 105,832 101,636 49,338 46,263 47,023生徒数 182,570 176,540 168,337 173,831 169,082 167,856入部率 60.3% 60.0% 60.4% 28.4% 27.4% 28.0%

中学校 高等学校

(福岡県スポーツ振興審議会「運動部活動の振興方策」,平成13年5月28日より抜粋)

表2表2 福岡県における運動部員数の状況福岡県における運動部員数の状況

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

52

69

36

95

0

50

100

150

中学校 高等学校

部数)

H7~H9

H10~H12

223

158

63

31

0

50

100

150

200

250

中学校 高等学校

部数

H7~H9

H10~H12

図1図1 福岡県における運動部の新設,休・廃部福岡県における運動部の新設,休・廃部(福岡県スポーツ振興審議会「運動部活動の振興方策」,平成13年5月28日)(福岡県スポーツ振興審議会「運動部活動の振興方策」,平成13年5月28日)

①新設の理由;「新しく指導者が赴任したから」「生徒の要望が強かった①新設の理由;「新しく指導者が赴任したから」「生徒の要望が強かったから」「保護者の要望が強かったから」から」「保護者の要望が強かったから」

②休・廃部の理由;②休・廃部の理由;「部員数が減少したから」「教員数(顧問)が減少し「部員数が減少したから」「教員数(顧問)が減少したから」たから」「顧問が異動したから」「顧問が異動したから」

①運動部の新設数①運動部の新設数 ②運動部の休・廃部数②運動部の休・廃部数

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

QQ.「少子化問題」や「教師数減少」以上に,最も深刻な問題は何だろうか?.「少子化問題」や「教師数減少」以上に,最も深刻な問題は何だろうか?

��それは,「通塾率の増加」や「教師の多忙化・専門性不足」によそれは,「通塾率の増加」や「教師の多忙化・専門性不足」によ

る「部活動離れ」ではないだろうか?る「部活動離れ」ではないだろうか? →→ 「人的資源の不足」「人的資源の不足」

である。である。

�� 「子どもの通塾への対応」と「教師の多忙化・専門性への対応」「子どもの通塾への対応」と「教師の多忙化・専門性への対応」

が,が,学校部活動イノベーション学校部活動イノベーション戦略の課題である。戦略の課題である。

��教師の部活動離れは,「教員養成系大学・学部」にも大きな責教師の部活動離れは,「教員養成系大学・学部」にも大きな責

任がある。任がある。 →→ 本学の運動部加入率は,学生本学の運動部加入率は,学生3,0153,015人のうち人のうち

539539人(人(18.418.4%)である。%)である。非加入率非加入率81.681.6%(%(2,4562,456人)は全て体人)は全て体

育科以外の学生(他教科生)である。育科以外の学生(他教科生)である。

Page 9: 総合型地域スポーツクラブの 本研究 プロジェクトの方針 ... · 2015-01-19 · ©J. Nakanishi, 2008 1 F.U.E 総合型地域スポーツクラブの 「地域づくり」支援活動研究プロジェクト

©J. Nakanishi, 2008 9

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

顧問教師調査の結果顧問教師調査の結果(一部抜粋)(一部抜粋)

発送数 回収数 有効回収数 有効回収率

福岡県 861 195 179 20.8佐賀県 169 96 92 54.4長崎県 264 101 86 32.6熊本県 1,420 258 245 17.3大分県 481 142 138 28.7宮崎県 239 123 112 46.9鹿児島県 1,015 198 178 17.5沖縄県 337 119 107 31.8合計 4,786 1,232 1,137 23.8

男性 女性

福岡県 n= 176 77.3 22.7 100.0佐賀県 n= 89 70.8 29.2 100.0長崎県 n= 86 66.3 33.7 100.0熊本県 n= 237 75.5 24.5 100.0大分県 n= 133 70.7 29.3 100.0宮崎県 n= 110 77.3 22.7 100.0鹿児島県 n= 173 75.7 24.3 100.0沖縄県 n= 106 78.3 21.7 100.0合計 n= 1110 74.6 25.4 100.0

国語 数学 英語 社会 理科 保健体育 技術 家庭 美術 音楽 保健室 事務 その他

福岡県 n= 174 10.3 18.4 9.8 12.6 12.1 25.9 5.7 1.7 2.3 0.6 0.6 100.0佐賀県 n= 88 12.5 18.2 13.6 12.5 12.5 20.5 2.3 2.3 3.4 2.3 100.0長崎県 n= 83 4.8 15.7 13.3 14.5 14.5 25.3 4.8 1.2 3.6 2.4 100.0熊本県 n= 233 12.4 18.9 10.3 11.6 13.7 23.2 4.3 1.7 1.3 0.4 0.4 0.4 1.3 100.0大分県 n= 128 8.6 18.0 14.8 10.2 14.1 17.2 7.0 0.8 0.8 3.9 2.3 1.6 0.8 100.0宮崎県 n= 109 5.5 18.3 11.0 16.5 12.8 26.6 3.7 0.9 1.8 1.8 0.9 100.0鹿児島県 n= 168 10.7 19.0 12.5 13.1 10.1 22.0 5.4 1.8 1.8 1.2 0.6 1.8 100.0沖縄県 n= 104 5.8 20.2 15.4 11.5 12.5 22.1 8.7 1.0 1.9 1.0 100.0合計 n= 1087 9.5 18.5 12.1 12.6 12.7 22.9 5.2 1.5 1.9 1.0 0.9 0.4 0.7 100.0

21~30歳 31~40歳 41~50歳 51~60歳福岡県 n= 174 14.4 23.0 50.0 12.6 100.0佐賀県 n= 88 17.0 37.5 44.3 1.1 100.0長崎県 n= 84 16.7 45.2 34.5 3.6 100.0熊本県 n= 235 22.6 40.0 32.8 4.7 100.0大分県 n= 131 12.2 39.7 43.5 4.6 100.0宮崎県 n= 110 24.5 36.4 30.9 8.2 100.0鹿児島県 n= 170 37.1 45.3 14.1 3.5 100.0沖縄県 n= 105 36.2 46.7 13.3 3.8 100.0合計 n= 1097 22.9 38.6 32.9 5.7 100.0

希望した 希望しない

福岡県 n= 172 58.7 41.3 100.0佐賀県 n= 89 66.3 33.7 100.0長崎県 n= 85 71.8 28.2 100.0熊本県 n= 243 64.6 35.4 100.0大分県 n= 135 65.2 34.8 100.0宮崎県 n= 108 67.6 32.4 100.0鹿児島県 n= 173 59.0 41.0 100.0沖縄県 n= 104 73.1 26.9 100.0合計 n= 1109 64.7 35.3 100.0

[県別回収状況][県別回収状況] [顧問教師の性別][顧問教師の性別]

[顧問教師の年代][顧問教師の年代] [指導種目の希望有無][指導種目の希望有無]

[顧問教師の担当教科][顧問教師の担当教科]

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

①① 校区内の総合型地域スポーツクラブに対する認知度と意識校区内の総合型地域スポーツクラブに対する認知度と意識

知っている 知らない

福岡県 n= 174 23.0 77.0 100.0佐賀県 n= 89 33.7 66.3 100.0長崎県 n= 84 26.2 73.8 100.0熊本県 n= 238 63.4 36.6 100.0大分県 n= 137 46.0 54.0 100.0宮崎県 n= 104 46.2 53.8 100.0鹿児島県 n= 169 35.5 64.5 100.0沖縄県 n= 103 15.5 84.5 100.0合計 n= 1098 39.2 60.8 100.0

�� 全体結果としては「知っている」全体結果としては「知っている」39.239.2%,「知らない」%,「知らない」60.860.8%となり,%となり,66割近くの顧問割近くの顧問教師は,勤務校区内の総合型クラブの存在を認知していない状態にあることを確教師は,勤務校区内の総合型クラブの存在を認知していない状態にあることを確認することができた。この結果を県別に見ると,「知っている」の割合が高い順に,認することができた。この結果を県別に見ると,「知っている」の割合が高い順に,「熊本県」「熊本県」63.463.4%,「宮崎県」%,「宮崎県」46.246.2%,「大分県」%,「大分県」46.046.0%といった県があがっている。%といった県があがっている。また,本質問項目は学校長にも実施しており,学校長調査における全県結果としまた,本質問項目は学校長にも実施しており,学校長調査における全県結果としては「知っている」ては「知っている」69.169.1%,「知らない」%,「知らない」30.930.9%であり,顧問教師とは相反して,学%であり,顧問教師とは相反して,学

校長における認知度は高いことがわかった。校長における認知度は高いことがわかった。

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

②② 総合型地域スポーツクラブに対する印象・感想総合型地域スポーツクラブに対する印象・感想

�� 「住民のスポーツ「住民のスポーツを楽しむ場としてのを楽しむ場としてのイメージが強い」イメージが強い」4.524.52,「総合型クラブ,「総合型クラブ運営の財源確保能力は低い」運営の財源確保能力は低い」4.344.34,,「総合型クラブ運営はボランティアに「総合型クラブ運営はボランティアに依存しすぎである」依存しすぎである」4.144.14などの項目がなどの項目が高い数値となっている。まず,「住民高い数値となっている。まず,「住民のスポーツを楽しむ場としてのイメーのスポーツを楽しむ場としてのイメージが強い」については,顧問教師のジが強い」については,顧問教師の総合型クラブに対する意識は,学校総合型クラブに対する意識は,学校運動部活動とは相容れないといった運動部活動とは相容れないといった感が強いことの表れと捉えることがで感が強いことの表れと捉えることができよう。また,「総合型クラブ運営の財きよう。また,「総合型クラブ運営の財源確保能力は低い」「総合型クラブ運源確保能力は低い」「総合型クラブ運営はボランティアに依存しすぎであ営はボランティアに依存しすぎである」のる」の22項目に関しては,いずれの項目に関しては,いずれのニュアンスも「否定的な」側面が強いニュアンスも「否定的な」側面が強いことから,現時点における顧問教師ことから,現時点における顧問教師の総合型クラブに対する印象およびの総合型クラブに対する印象および感想としては,さほど「前向き」なもの感想としては,さほど「前向き」なものではないといえるであろう。ではないといえるであろう。

2.592.752.83

3.063.06

3.253.31

3.423.463.53

3.533.62

3.653.743.773.87

3.904.144.34

4.52

0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50 5.00会員増加やスポンサー獲得等で財源は今後潤うだろう

学校教員も総合型クラブに関わるべきだ

自分も総合型クラブに関わるかもしれないと不安だ

総合型クラブは地域スポーツのシンボルになると思う

総合型クラブの運営は開放的ではない

総合型クラブを住民に理解してもらうのは難しい

総合型クラブの運営には学校関係者も入っていけると思う

学校と地域がスポーツを通じて一体になれると思う

学校とはあまり関係のない活動である

将来的には住民主体の運営になっていくだろう

総合型クラブは住民からの期待感が高まるだろう

行政が主体であり住民主導にはなりえていない

正直なところ長続きはしないと思う

競技者とスポーツを楽しむ人が共存する場になるだろう

将来は有給のクラブ運営者が誕生するだろう

クラブスタッフの指導能力が気にかかる

クラブスタッフには有能な人材が関わる可能性がある

総合型クラブ運営はボランティアに依存しすぎである

総合型クラブ運営の財源確保能力は低い

住民のスポーツを楽しむ場としてのイメージが強い

図B-Ⅳ-1 総合型クラブに対する印象や感想 (全県結果)

※各質問に対する回答は,「6 大変そう思う」~「1 まったく思わない」の6段階。※図中の数値が高い項目ほど各事柄に対する「肯定的意向」が強いと捉えることが可能となる。

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

③③ 学校運動部活動と総合型地域スポーツクラブの連携・協力に対する意識学校運動部活動と総合型地域スポーツクラブの連携・協力に対する意識

�� 今後,学校運動部活動と総合型クラブが連携・協力していくことに対する今後,学校運動部活動と総合型クラブが連携・協力していくことに対する意識を見ると,全県結果としては,「大いに賛成である」意識を見ると,全県結果としては,「大いに賛成である」5.45.4%,「基本的%,「基本的に賛成」に賛成」49.449.4%と半数以上の顧問教師が肯定的な意向であることが明%と半数以上の顧問教師が肯定的な意向であることが明確になった。各県別の傾向にも大きな差異は見られないが,「宮崎県」に確になった。各県別の傾向にも大きな差異は見られないが,「宮崎県」においては肯定的意向(「大いに賛成である」と「基本的賛成」)の顧問教師おいては肯定的意向(「大いに賛成である」と「基本的賛成」)の顧問教師がが69.569.5%にまで達していることは注目すべきところである。また,本質問%にまで達していることは注目すべきところである。また,本質問項目は学校長にも実施しており,学校長における回答結果では「大いに項目は学校長にも実施しており,学校長における回答結果では「大いに賛成である」賛成である」16.516.5%,「基本的に賛成」%,「基本的に賛成」63.563.5%であり,顧問教師よりも学%であり,顧問教師よりも学校長において肯定的な意向が強いということがわかった。校長において肯定的な意向が強いということがわかった。

大いに賛成 基本的賛成 反対 大いに反対

福岡県 n= 168 2.4 43.5 48.2 6.0 100.0佐賀県 n= 89 2.2 57.3 37.1 3.4 100.0長崎県 n= 83 4.8 47.0 42.2 6.0 100.0熊本県 n= 241 6.6 51.9 35.3 6.2 100.0大分県 n= 135 5.2 48.1 38.5 8.1 100.0宮崎県 n= 105 10.5 59.0 25.7 4.8 100.0鹿児島県 n= 172 4.7 40.1 50.0 5.2 100.0沖縄県 n= 103 6.8 55.3 35.9 1.9 100.0合計 n= 1096 5.4 49.4 39.8 5.5 100.0

Page 10: 総合型地域スポーツクラブの 本研究 プロジェクトの方針 ... · 2015-01-19 · ©J. Nakanishi, 2008 1 F.U.E 総合型地域スポーツクラブの 「地域づくり」支援活動研究プロジェクト

©J. Nakanishi, 2008 10

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

④④ 学校運動部活動と総合型クラブの将来的な理想の関係性学校運動部活動と総合型クラブの将来的な理想の関係性

�� 全県結果として最も高い数値となった回答は,「学校運動部活動と総合全県結果として最も高い数値となった回答は,「学校運動部活動と総合型クラブはそれぞれが独立して存続すべきである(双方独立存続型)」型クラブはそれぞれが独立して存続すべきである(双方独立存続型)」33.433.4%であった。しかしながら,約%であった。しかしながら,約55ポイント差で「学校運動部活動は発ポイント差で「学校運動部活動は発

展的に解消しすべてを総合型クラブとして行う(地域のスポーツクラブ中展的に解消しすべてを総合型クラブとして行う(地域のスポーツクラブ中心型)」が心型)」が28.728.7%で続いている。つまり,顧問教師の今後の運動部活動%で続いている。つまり,顧問教師の今後の運動部活動

運営形態に対する意識は,「学校内存続型」と「学校外への移行型」の二運営形態に対する意識は,「学校内存続型」と「学校外への移行型」の二極化状態であることを確認することになろう。極化状態であることを確認することになろう。

※回答カテゴリーは下記参照

1 2 3 4 5福岡県 n= 169 32.0 17.8 15.4 32.5 2.4 100.0佐賀県 n= 90 17.8 26.7 12.2 43.3 100.0長崎県 n= 83 21.7 26.5 12.0 37.3 2.4 100.0熊本県 n= 234 39.3 20.5 11.1 27.4 1.7 100.0大分県 n= 129 33.3 21.7 13.2 28.7 3.1 100.0宮崎県 n= 104 23.1 26.0 20.2 30.8 100.0鹿児島県 n= 175 22.3 21.7 10.9 40.0 5.1 100.0沖縄県 n= 101 24.8 31.7 8.9 33.7 1.0 100.0合計 n= 1085 28.7 22.9 12.8 33.4 2.2 100.0

1 学校運動部活動は発展的に解消しすべてを総合型クラブとして行う(地域のスポーツクラブ中心型

2 学校運動部活動はそのまま残し総合型クラブの一活動集団とする(部活動と総合型クラブの共存型

3 学校運動部活動を充実させるために部活動を総合型クラブ化する(部活動発展型)

4 学校運動部活動と総合型クラブはそれぞれが独立して存続すべきである(双方独立存続型)

5 その他の形態

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

研究のまとめ:研究のまとめ:学校部活動が学校部活動が総合型地域スポーツクラブから学ぶことが重要!総合型地域スポーツクラブから学ぶことが重要!

バレー部バレー部

野球部野球部

陸上部陸上部

サッカー部サッカー部

各種文化部各種文化部

帰宅部帰宅部(非入部生徒)(非入部生徒)

みんなのクラブみんなのクラブ(総合型部活動)(総合型部活動)

単一型部活動

単一型部活動

総合型地域総合型地域スポーツクラブスポーツクラブの特性に学ぶの特性に学ぶ

地域社会地域社会

B中学校B中学校

C総合型地域C総合型地域文化・スポーツ文化・スポーツクラブクラブ

開放系マネジメント開放系マネジメント

A中学校A中学校

DDスポーツ少年団スポーツ少年団

国立大学法人国立大学法人 福岡教育大学福岡教育大学

「地域に開かれた学校部活動」の意味するもの:「開放系マネジメント」の必要性「地域に開かれた学校部活動」の意味するもの:「開放系マネジメント」の必要性

�� 「「『『内部変革内部変革』→『』→『連携連携』→『』→『融合融合』』」という「部活動変革過程」」という「部活動変革過程」

�� 子どもの「豊かなスポーツライフ」の保障(選択性・継続性・組織性・合理性・子どもの「豊かなスポーツライフ」の保障(選択性・継続性・組織性・合理性・

自律性)自律性)

�� 子どもの認識の過程,いわゆる「学びの過程」(わかる過程)の充実→学校と子どもの認識の過程,いわゆる「学びの過程」(わかる過程)の充実→学校と

いう「バーチャル・リアリティ」での学びを,地域社会という「現実世界」で実践いう「バーチャル・リアリティ」での学びを,地域社会という「現実世界」で実践

し体得し体得

�� 「異業種・異専門の協業体制の確立」と「異業種・異専門の協業体制の確立」と「地域コミュニティの再生」「地域コミュニティの再生」

�� 学校部活動と総合型地域スポーツクラブとの「表裏の関係」の強化学校部活動と総合型地域スポーツクラブとの「表裏の関係」の強化

�� 経営資源の相互依存関係の確立経営資源の相互依存関係の確立

F.U.EF.U.Ebyby JunjiJunji NAKANISHINAKANISHI

この「研究成果報告書」は公開用として作成したので,調査結果の一部抜粋であるこの「研究成果報告書」は公開用として作成したので,調査結果の一部抜粋であることを断っておきたい。全体的にまとめられた「研究成果報告書(平成ことを断っておきたい。全体的にまとめられた「研究成果報告書(平成1818~~1919年度)」年度)」の入手を希望される方は,下記までご連絡下さい。の入手を希望される方は,下記までご連絡下さい。

[問い合わせ先][問い合わせ先] 福岡教育大学教育学部保健体育講座福岡教育大学教育学部保健体育講座 中西中西 純司純司TEL&FAXTEL&FAX:: 0940-35-14540940-35-1454

ee--mailmail::junjin@[email protected]