吸気筋トレーニングスレショルドimt 非能動型呼吸運動訓練装置...
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吸気筋トレーニング
葛飾医療センター臨床工学部 奥田 晃久
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SBT 2時間クリアできるけど、なかなか人工呼吸器から離脱できない
栄養 呼吸リハ SBT
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集中治療患者のための吸気筋トレーニング:臨床医のための集学的実践ガイド
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スレショルドIMT非能動型呼吸運動訓練装置
販売:PHILIPS
吸気筋の強化と耐久性のトレーニング
本品は、閾値負荷原理で動作する。一方弁が内蔵されており、マウスピースを口にくわえて息を吸うことにより吸気時に抵抗が発生し、負荷がかかる。呼気時に抵抗はかからない。コントロールノブを回すことで、内部のスプリングが伸縮し、吸気時の抵抗の大きさを定量的に設定することができる。
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長時間の人工呼吸器は、しばしば吸気筋力および持久力の低下を招く
横隔膜萎縮は、人工呼吸器装着18-69時間後には生じている
Rapid disuse atrophy of diaphragm fibers in mechanically ventilated humans.N Engl J Med 2008;358(13):1327e35.
横隔膜機能不全は、長期にわたる人工呼吸器離脱困難と関連している
Coexistence and impact of limb muscle and diaphragm weakness at time ofliberation from mechanical ventilation in medical intensive care unit patients.
Am J Respir Crit Care Med. 2017;195(1):57e66.
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吸気努力を抑制するような(過剰な)補助換気は、急速な横隔膜萎縮をもたらす
Evolution of diaphragm thickness during mechanical ventiltion. impact of inspiratory effort.
Ewan C. Goligher, et al. AJRCCM 2015;192:1080–1088.
10%減少 変化が10%未満 10%上昇
人工呼吸器装着1週間後の横隔膜の厚さが
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横隔膜の衰弱や機能不全が、人工呼吸器の長期依存および臨床転帰不良を予測することが示されている
Coexistence and Impact of Limb Muscle and Diaphragm Weakness atTime of Liberation from Mechanical Ventilation in Medical Intensive Care Unit Patients
Dres M, et al.AJRCCM 2017;195:57–66.
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Respiratory weakness after mechanical ventilation is associated with one-year mortality - a prospective study
Critical Care (2016) 20:231
24時間以上人工呼吸器装着:124名Low MIP(<30cmH2O):67名High MIP(≧30cmH2O):57名
吸気筋力の低下は、抜管失敗や死亡率に関連している
* MIP: maximal inspiratory pressure
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7日間以上人工呼吸器装着患者:116名
MIP≦30cmH2Oで、人工呼吸器装着期間が延長
Crit Care Med 2007; 35:2007–2015
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吸気筋トレーニング
15年間にわたり、ICU患者のための有望な治療法
MIT:Inspiratory Muscle Training
IMTがICU患者の吸気努力を改善し、人工呼吸器離脱を促進させる
IMTによって吸気筋力の改善、2週間のトレーニングで生活の質の改善と関与した
Inspiratory muscle strength training improves weaning outcome in failure to wean patients: a randomized trial.
Crit Care 2011;15(2):R84.
Inspiratory muscle training to enhance recovery from mechanical ventilation: a randomised trial.
Thorax 2016;71(9):812e9.
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吸気筋トレーニング
吸気中の抵抗により吸気筋を強化するのが目的
IMTの方法:全身トレーニング、抵抗負荷、閾値負荷
抵抗負荷:穴の大きさを変える抵抗器。→ 患者の吸気の流れに依存する
閾値負荷:弁による構造。弁が開けば吸気流量に変化なし→ 事前設定圧力を超える必要がある
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抵抗負荷閾値負荷
Inspiratory muscle rehabilitation in critically ill adults: a systematic review and meta-analysis. Ann Am Thorac Soc 2018;15(6):735e44.
黒い網掛け:トータルトレーニング効果
閾値負荷の方が、負荷を標準化できる
閾値負荷は、圧トリガー設定の調整でも可能
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吸気筋トレーニング方法
患者背景や運動機能によって異なる
高強度インターバルトレーニングを推奨
持久力重視トレーニング(20-30分間)→ ICU患者では維持できない
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吸気筋トレーニングの適応
患者の協力が不可欠。患者は積極的にIMTに参加する必要がある。
本トレーニングの目的を理解できる覚醒状態である。
気管内チューブ、気管切開チューブでも可能。
スレショルドIMTは人工呼吸器を外す必要があるので、高PEEPに依存していない
NO療法、噴霧プロスタサイクリン、HFO患者は不可
PEEP≦10cmH2O, FIO2<0.6, RR<25回
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IMTの効果が高い患者は、数日・数週間のTピースで通常通り離脱できなかった患者
吸気筋トレーニングの適応
7日間の人工呼吸器から正常に離脱した多くのICU患者は、吸気筋および持久力に欠陥があり、安静時および運動中の両方で呼吸困難として現れることがある
Bissett B, Leditschke IA, Neeman T, Boots R, Paratz J. Weaned but weary: onethird of adult intensive care patients mechanically ventilated for 7 days or
more have impaired inspiratory muscle endurance after successful weaning.Heart Lung 2015;44(1):15e20.
7日目からのIMTの検討・評価
適応外:激しい疼痛・呼吸困難感、緩和治療、妊婦
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抵抗設定範囲:9-41cmH2O
痰が多い患者の場合は、閉鎖式吸引器を使用
41cmH2O以上に誤って設定した場合、壊れやすい
使用方法
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最大吸気圧(MIP)の測定
呼吸圧力計がある場合
できるだけ協力に吸うように患者に指導する
MIP測定は3回行う
MIP測定は疲労を伴うため、測定の間に人工呼吸器による数分の休止が必要になる可能性がある
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最大吸気圧(MIP)の測定
呼吸圧力計がない場合
人工呼吸器の機能で負の吸気力(NIF)を測定する
測定時はPEEPを0cmH2Oにすべきである
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吸気筋トレーニングの方法
ICU患者は非常に弱い吸気筋力が多いので、(7日以上の人工呼吸器管理時のMIPは約30-35cmH2O)呼吸筋は疲労を悪化させずに持続負荷には耐えられない
利益を最大化、苦痛を最小化するには、高強度で低反復によるアプローチが最も多く使用される
最小トレーニング閾値:MIPの50%の強度で、6回の呼吸を完了できるレベル
1週間に5回(週末休息)
IMTの間に通常の換気サポートに戻し、適切な休息をとるほとんどの場合は1-2分の休息しかかからない(MIPが低い、不安が強い患者の場合は休息期間は長く)
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吸気筋トレーニングの方法
MIPが測定できない場合
比較的低い強度(9-15cmH2O)から始める試行錯誤法で徐々に強度を上げていく
最初のIMTでは正しい強度を確立させるため患者の全エネルギーを消費する可能性があるので、翌日のトレーニングは前回の強度から開始する
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吸気筋トレーニングの方法
患者の体力が経時的に改善するにつれて、負荷の強度を徐々に増加させるべきである
通常、1-2日毎に1-2cmH2O増加させる
VAPなどの合併症になった場合は、強度を低下させるか、数日間トレーニングを中止する
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非常に弱い吸気(MIP<18cmH2O)では使用は困難である
吸気筋トレーニングの注意点
IMT時は空気漏れを回避するためにカフは膨張させる
スピーチカニューレではIMTできない
他のリハビリ(全身運動活動)がある場合は、IMTを早い時間に設定し、次の運動活動の前に十分な休息時間を設ける
IMT装置のバルブが水分による詰まる可能性もある
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吸気筋トレーニングの中止基準
• 血圧が安静時より20%以上変化
• 新たな不整脈
• SpO2低下>10%
• 肺動脈圧>60mmHg
• 気胸
• 機器やラインが外れる、または鎮静が必要
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吸気筋トレーニングチーム
IMT成功は、医療チームの関与に大きく左右される
IMT実施時に最適な鎮静レベルになるように調整する
座って、落ち着いて、IMTが実施できる環境を作る
IMT後の疲労による患者の不安を軽減させる
理学療法士によるIMTの実施
IMT時の吸引介助、人工呼吸器のアラーム対応
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呼吸筋を強化することを目的としたリハビリテーション介入。
MEDLINE、Embase、HealthSTAR、CINAHL、およびCENTRALデータベース(2017年9月第3週の開始)および会議録(2012年から2017年)を検索。
合計:28の研究(N=1185人)
IMT開始時期は、早期の人工呼吸中:8件、ウィーニング困難であると判明後:14件、抜管後:3件、不明:3件
IMTは実行可能であり、IMT中の有害事象はほとんどなし。(9件の研究、中央値0%、四分位範囲0〜0%)
Ann Am Thorac Soc Vol 15, No 6, pp 735–744, Jun 2018
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IMTは最大吸気圧と最大呼気圧を改善
最大呼気圧
最大吸気圧
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IMTは人工呼吸器装着期間の短縮に関連
人工呼吸器装着期間
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IMTは人工呼吸器ウィーニング期間の短縮に関連
人工呼吸器ウィーニング期間
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Bissett BM, et al. Thorax 2016;71:812–819.
48時間の人工呼吸器離脱に成功した患者:70人(機械的換気≧7日)通常ケア群と、通常ケア + 1週間に5日/2週間、吸気筋トレーニング群で比較。
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80%以上の患者がIMTができない状況要因は低い意識レベル、またはせん妄のため
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IMT 通常 IMT 通常
QOLスコアMIP%
IMT群で、最大吸気圧が優位に改善
IMT群で、QOLスコアが優位に高い
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スレショルドIMTの使用率
Inspiratory muscle training is used in some intensive care units, but many training methods have uncertain efficacy: a survey of French physiotherapists. Journal of Physiotherapy 61: 204–209
フランスのICU 265施設のPTIMTする:96名、IMTしない:169名
スレショルドIMTの使用は5%…
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吸気筋トレーニングの限界
IMT器具の最小値が9cmH2Oであること→ 広い範囲設定可能な電子装置の開発が待たれる
IMTの長期的な影響が不明であること→ 将来の研究が待たれる
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まとめ
吸気筋トレーニングは、長期人工呼吸器患者に対して安全に実施できる
ウィーニングを促進し、吸気筋力と生活の質の両方を改善する可能性がある
吸気トレーニングチームを確立し、7日以上人工呼吸器装着患者に対して評価を行い、吸気トレーニングを導入しても良いかもしれない