教科・領域教育専攻 総合学習系コース...

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平成14年度(2002)年度学位論文 学校教育研究科 学位論文 モウソウチクを主とする竹類の里山林への侵入と照葉樹林への参入 兵庫教育大学大学院学校教育研究科(修士課程) 教科・領域教育専攻 総合学習系コース MO12411 井上 升二

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  • 平成14年度(2002)年度学位論文 学校教育研究科 学位論文

    モウソウチクを主とする竹類の里山林への侵入と照葉樹林への参入

    兵庫教育大学大学院学校教育研究科(修士課程)

    教科・領域教育専攻

    総合学習系コース

    MO12411

    井上 升二

  • 目次

    はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 1

    第1章 材料と方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 3

    1-1 植相調査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 3

    1-2 樹木および胸高直径(DBH) ・・・・・・・・・・… ’ 4

    1-3 相対照度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 4

    1一一4 植物の多様性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 4

    1-5 タケ・ササ類の筍皮および樹木の葉の腐植実験 ・・・・… 4

    第2章 結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・… ’’”.’● 6

    2-1 モウソウチクを主としたタケ類の照葉樹林への参入と植生の変化

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 6

    2-2 タケ・ササ類の筍の皮および、里山林と照葉樹の葉の腐植実験

    。・。・・… 。… 。。・… 9・・・・・… 9

    2-3 モウソウチクを主とするタケ・ササ類の筍の食害昆虫 ・・ 10

    第3章 考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 12

    3-1 モウソウチクを主とするタケ類の里山林への侵入と照葉樹への

    参入 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 12

    3-2 奈良市春日山で分布拡大するナギ(%doo∂塑α3η昭力林との

    類似性 ・・・・・・・・・・・・・・・… ..... 15

    3-3 タケ類の分布拡大がもつ環境教育的意味 ・・・・・… 16

    摘要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 20

    謝辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 22

    引用文献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 23

    資料

  • はじめに

    薪や炭や落ち葉を長年にわたり定期的に供給して、日本人の生活エネルギーを支え

    てきた里山林が、石油や石炭へのエネルギー革命後は放置されたままになり、その二

    相が変わってきている。特に西目本においては、長年にわたる間伐および下刈りなど

    の人の手がはいらなくなったせいで、周りからの植物の復元および侵入などで従来の

    里山林の景観および事相や昆虫相に変化がでている。その地の潜在自然春冬である照

    葉樹林樹種の復元、あるいはより高地の自然植相としての落葉広葉樹をともなうササ

    の侵入、およびより低緯度地の自然世相のモウソウチク(乃yZlo5顔。ゐア5加渉θzo(乎018)

    を主とするタケ林の分布拡大である(鳥居・井鷺、1997;鳥居、1998;柴谷、1989)。

    そのもとになるのは、3つの異なったタイプの植相の復元および分布拡大である。西

    日本においては、その地の自然環境に変動が無いか少ない場合には、潜在自然亭主の

    照葉樹の優位が予想される。もし寒冷気候に向かっているならば落葉樹とササ林に自

    然選択が有利にはたらく。温暖化傾向があればタケ林が少なくとも不利にはならず、

    タケの分布拡大が予想される。西日本一帯では、モウソウチクを主とするタケ林の拡

    大が報告されている(鳥居・井鷺、1997;鳥居、1998)。これを直ちに温暖化のみに

    帰するのは問題がある。タケは1ケ月で15mにまで成長し、里山での高木とほぼ同

    じ高さにまでなりうるなど、他の生態学的要因も合わせ持っている。

    各種ササを含むイネ科草本を食草とする昆虫は、ジャノメチョウ科やセセリチョウ

    科のチョウなどの多数が知られている。しかし、モウソウチク、マダケ(刃

    加加加50ゴ4θ9およびハチク(1r.η∫8m var.ゐθ刀0刀∫β)を食草とする昆虫の優勢は知られ

    ていないが、ヤガ科の幼虫やサトキマダラヒカゲ(ハ侮oρθ8050蝕θ㎡お。ゐ劫の幼虫はこ

    れらタケをも食草にしている可能性が伺える(井上aとb、1982;川副・若林、1976)。

    特定の天敵がまだ侵入していないか、その個体数の増加がまだ生物平衡に達していな

    い可能性も考えられる。タケ林の拡大とともにタケを腐生する腐生菌も分布を拡大し 1

  • ている。キヌガサタケ〈1万。砂OPゐ。∬8ゴ刀ぬ5∫8‘8)をはじめとする腹菌類も目につくよ

    うになってきた。兵庫県ではここ10年で少なくとも16ケ所のモウソウチクとマダケ

    林に発生が見られている。タケの分布拡大とともにササの腐生菌である在来種の温帯

    菌もマダケ林で見られるようになってきた。ドクササゴ(α1‘o(助θao∬o加θ18伽)も

    1998年より毎年三田市のマダケ林およびメダケ林で発生しているく山目・今村、

    2002)。ドクササゴはブナ帯ササ林で、特に日本海側で知られている菌である(今関・

    本郷、1987)。このことはタケ林の分布拡大とともに、従来は温帯ササ林で生息して

    いた菌のタケ林への分布拡大の可能性をも示唆している。これらの平行した現象は少

    なくとも生物現象から気象環境を考える資料でもあり、その地の生態系の動態を把握

    する上でも示標になると思われる。

    里山林におけるタケ林の分布拡大は、このまま進行すれば、その地の潜在自然毒相

    樹種と競合しつつ、かついっかは潜在自然植鷲鼻との競合が予想される。さらにこの

    ことは、潜在自然植相林の中に人為的に持ち込まれたタケのコロニーの動態にもあて

    はめられる。この論文においては、西日本におけるモウソウチクを主とするタケ林の

    分布拡大と、これに伴う潜在自然植相樹種との競合および潜在自然植相林への暫定的

    な参入について、その現状を記載する。あわせて、タケ林の里山林への侵入は可能に

    するが極相の照葉樹林には一次的な参入に止まる要因を考察したい。合わせて、タケ

    林の分布拡大がもつ環境教育的意味について考察する。特に、気候変動、エネルギー

    流と物質循環、生物の多様性の生み出される基本原理、および生産・消費・分解の体

    験学習について述べたい。

    2

  • 第1章 材料と:方法

    兵庫県に残存する潜在自然金相林と、モウソウチク、マダケおよびハチクのコロニ

    ーが互いに接している境界線の両側の林分で植生調査をおこなうとともに、その両側

    での樹高および林床での光量を測定した。これらのタケ林の分布する地域における潜

    在自然植相は、淡路および県沿岸部ではスダジイーヤブコウジ(08誘8ηopβ∫5

    5fθ加1㎡ん1∬d75ゴ8/8po刀∫oθ)群集であり、その他の地ではツブラジイーカナメモチ(O

    oα5ρガ26ヨ・勘06加ゴag18ゐ∬ヨ)群集である(中西ら、1983;宮脇ら、1994)。潜在自然植

    相の残存林と考えられるものに、国・県指定の天然記念物林(天記)、および兵庫県に

    おける環境保全条例に基づくの自然環境保全地域(自沈)と環境緑地保全地域(緑保)

    がある(兵庫県、1997)。これに相当する合計56地域を研究対象とした。これらはほ

    ぼ全県に亘り分布している(表1)。その中で、タケの参入の見られた20の林につい

    て、参入部分とその隣接部の林分で以下の調査をおこなった。内19林は瀬戸内海気

    候区に位置しており,年間降水量1200~1300㎜と少なく,とくに冬季には150㎜

    前後しかない。残りの1林は三原郡三原町で,太平洋岸気候区に位置している。気候

    は温暖で,格差も小さく,降水量は2000㎜と年間通じてもたらされるが,とくに夏

    期に多い(宮脇,1984)。調査は、下記のものを含めて、全て2002年におこなった。

    1-1 植相調査

    タケ類が参入した林分での植物の毎木調査は10×10mの方形区をとり,植物獣心学

    的におこなった(Braun-Blanquet,1964;中西ら、1983)。また、これに隣接する同

    面積の自然植相部をとり、同様の調査をおこなった。植生は森林の階層毎に、かつ被

    度、群度および常在度で記載した。

    林分の類似性は類似度指数(SI識2C/(A+:B),Sorenson,1948)で記載した。

    ここで、AはAの調査地の総出現数、 BはBの調査地の総出現数、およびCはAとB 3

  • の調査地で共通に出現する数である。

    1-2 樹高および胸高直径(DBH)

    樹木の高さは,直接に測竿で測定した。樹木の太さは樹木の1.2mの高さで巻尺を

    当て,幹周りの長さを直接測って円周率の商で求めた。

    1-3 相対照度

    太陽光の林床に届いている光量をルックスメーター(カスタム社,LX-1332型)

    を調査範囲内の林床部5ヶ所に置きその平均値を算出した。それを森林外の光量値を

    コントロールとして,この値で割ったものを相対照度とした。

    1-4 植物の多様性

    多様性は種数(S)、均等性指数く」,=H’/log。 S, Pielou,1966)および包括的

    多様性指数(H:ノ=一Σ(ni/N)log。(ni/N),Shannon and Weaver,1949)で記載

    した。種数はその調査地に出現した種類数をいう。均等性指数は群集を構成している

    種の総数とは独立にそれぞれの種の群集内で占める割合で計算される。そして,包括

    的多様性指数は,種数と均等性指数を取り合わせて,包括的に表した多様性の指数を

    いう。ここで,Nは個体総数を表し、 niはi番目の種の個体数を表している。

    1-5 タケ・ササ類の筍皮および樹木の葉の腐植実験

    タケ類の参入が土壌的にどのような影響を受けているかを調べるため,以下の種を

    用い腐植実験を行った。モウソウチク、マダケ、ハチク、チシマザサ(&~βa」なα2ゴ1θエ1β∫β)

    およびリュウキュウチク(迎θ∫o配a5加51加θ8z∫5)の筍の皮を5種類,コナラ(gαθ超αβ

    5θπ滋8)、アベマキ(9πθzoπ5ア刎’8わ∫万β)、クヌギ(《1αθ∬oα580磁∫ββ加8)、および

    クリ(085彦θ刀θ8(三1。θ128彦θ)の夏緑広葉樹の葉を4種類,アカマツ(、醒ηαβdθ刀θ認。∬ヨ)

    4

  • の針葉樹の葉を1種類、さらにツブラジイおよびスダジイの照葉樹の葉を2種類の合

    計12種類を用いた。材料は兵庫県社町の里山林および照葉樹林で採取した。チシマ

    ザサおよびリュウキュウチクについては後述する。これらを乾燥機で乾燥させ、乾重

    量150gをステンレスのザルを重ね合わせたものに充填した。これらは、それぞれ

    に2組つつのレプリケートを作成した。それらを兵庫県社町にある極相状態の照葉樹

    林の森林土に10cmの深さで6月に埋めた(lwabuchi et aL,1994)。6ヶ月後に掘り

    起こし、その全乾重量を計り,それぞれの種で腐植の割合を求めた。

    以上の調査方法は、野外でおこなえると共に、高価な実験器具を使用していない。

    解析方法も高等学校レベルでは充分に扱える範囲にある。中学校あるいは小学校では、

    多様性指数の計算を省き、種数(S)のみで近似可能である。

    5

  • 第2章 結果

    2-1 モウソウチクを主としたタケ類の照葉樹林への参入と植生の変化

    兵庫県においてシイ・カシの優先する潜在自然植相の残存林へのタケ類の参入の現

    状を調査した。これらは、国・県指定の天然記念物林、および自然環境保全地域と環

    境緑地保全地域の合計56森を対象とした。これらはいずれも、周りは基本的には里

    山林あるいは市街地に取り囲まれた孤立した社寺林である。これらの森では平均面積

    9.5haと広さに制限があるため、乾燥傾向があり、かつ特定の樹種に偏る傾向が認め

    られる(石田ら、1998)。これらの内、タケの参入が見られたものは、14例のモウソ

    ウチク、3例のマダケ、および5例のハチクの合計22の森であった。タケの参入はパ

    ッチ状でその面積は小さく、最大でも酒保23の面積の約115(0.3ha)であった(図1)。

    聞き取り調査および社殿・僧坊の近くに分布する状況から、これらはいずれも数十年

    前に植栽されたものであると推察される。この内、20の森について、タケの参入部と

    その隣接した照葉樹林部で植相の植物質会学的調査をおこなった(資料1から40)

    (表1)。なお、本論文では、タケ類が参入した調査地を参入後、その隣接した照葉樹

    林部の調査地を参入前と、時系列でなく定義している。

    合計116種が確認された。高木層の優先樹種は14樹林でツブラジイが、3樹林でス

    ダジイが、また1樹林づつがアカガシ、ウバメガシおよびヒノキであった(表2)。ス

    ダジイの優先は淡路にのみ見られた。この階層別の解析においては、均一な樹高をも

    つタケの参入ρ影響をみるため、同一種においては、階層の上部のもののみについて

    記載し、下部のものでの記載は除いてある。例えばツブラジイの場合は、高木層(B

    1)でのみ記載し、亜高木層(B2),低木層(S)および草本層(K)は省いてある。

    同一階層に属する種については、温度の高い順に、かつ同一斜度のものでは群度の高

    い順に配列した。タケの参入前と後での常在度の変化を、1階級増加したものを+で、

    2階級増加したものを++で、そして同様に減少したものを一および一一で表した。 6

  • 高木層で常在度が++に増加した樹種はモウソウチクのみであった。常在度が一に減

    少した樹種はツブラジイ、アラカシ(9αθ■o〃58:1a〃08)、ソヨゴ(刀θ歎ρθ4αηoα105θ)、ヒ

    ノキ(α!a加∂θ卿8.π’βo玩召θ8)カクレミノ(、0θηめqρ2刀8xか霜げα5)およびモチノキ(刀θx

    加加8γ8)であった。亜高木層で常在度が+に増加したのはシキミ(1zzゴ6ゴ召η2 8z2∫52彦び1η)

    とノダフジ(泌窃θガ8〃。万加刀d8)であり、一に減少したのはサカキ(αθヅθ遡メ8po加08)

    のみであった。低木層で常在度が÷に増加したのはアオキ(。4πoα加ノ8poηゴ08)のみであ

    り、一に減少したものはアセビ(乃,θzゴβノ8poηf偲)、カナメモチ(乃。だη抜818配8)および

    モッコク(艶zη5孟roθ加∫38γ加〃8濡加r2)であった。草本層では常在度に変化の生じた種

    は皆無であった。このうち、モウソウチクとツブラジイの常在度の増減は、本調査で

    は予想される当然の変化である。タケの参入による顕著な変化は高木層の他5種の常

    在度の減少に見られる。これらの種はすべて高木層の中でも下方に位置する樹種であ

    るとともに、共通に二次林性の樹種であった(石田ら、1998)。亜高木層および低木

    層でみられる常在度の増減を示している少数の種も同様に二次林性の樹種であった。

    亜高木層および低木層で常在度が増加したシキミとアオキは、タケの参入による照度

    の低下(後述)に耐性がある準二次林樹種である(石田ら、1998)。

    上記の植生表を基に、タケの参入前の各調査地間での植生の類似性を類似度指数

    (IS)で求めた。最大値は酒保3一緑保7の0.64、最小値は緑保33一緑保34の0.06で

    あり、平均値は0.36で標準偏差は0.11であった(図2)。タケの参入後での同解析で

    は、最:大値は自保3一揖保25の0.62、最小値:は自保6一緑保34の0.06であり、平均

    値は0.32で標準偏差は0.12であった。タケの参入の前後での類似度指数の平均値:間

    には有意な減少があった(tdf.18g=4.484, P<0.001)(表3)。また各調査地ごとに、タケ

    の参入前後での類似度指数を求めた。最大値は緑保2と緑保4の0.71、最小値は天記

    2の024であり、平均値は0.54であった。いずれの調査地においても植生の変化が

    認められた(図2)。

    各調査地で樹高の一番高い樹木とタケ類の樹高と胸高直径を測定した。樹高では自 7

  • 保11のスダジイの25mであり、平均値:は18.6mであった(表4)。胸高直径は緑保

    34のスダジイの114.6Clnであり、平均値は58.2cmであった。タケ類の樹高の最高は

    モウソウチクの1ラmであり、平均値は13.2mであった。胸高直径は自保3のモウソ

    ウチクの15.9cmであり、平均値は11.1cmであった。樹高および胸高直径ともに照葉

    樹がタケを有意に上回っていた(tdf。38=5.384, P<0。001)。合計20の調査地のうち、

    18の調査地において樹高て照葉樹が参入のタケを上回っていた。樹高でタケが照葉樹

    に優っていた緑保4と緑保10はともに河川あるいは海に面し風衝の強い場所であっ

    た。タケ類の種ごとでは、モウソウチクの平均値が樹高で13.6mと胸高直径で12.6cm、

    ハチクが樹高で12.3mと胸高直径で8.Ocm、およびマダケが樹高で11.5mと胸高直径

    で7.Ocmであった。

    タケ類の参入前の照葉樹林部における林床の相対照度では、最大値は緑保24の

    5.03%、最小値は自保6の0.08%であり、平均値は1.52%で、標準偏差は0,013であ

    った(表5)。タケの参入後では、これらの値はこの順に、警保34の2.89%、日保6

    の0.06%、1.11%、および0。009であった。このことはタケの参入により、林床が有

    意に暗くなったことを示している(tdf=lg鵠2.270, P<0.05)。

    タケの参入前後の各調査地での種の多様性の変化を種数(S)と均等性指数(」’)

    および包括的多様性指数(Hノ)で求めた。参入前のSの最:大値は自保13と緑保34の

    21、最小値:は自傷11の9であり、平均値:は14。6で標準偏差は4。02であった(表5)。

    参入後ではこれらの値はこの順に、緑保34の21、別保11の5.130および4.702であ

    った。タケの参入後には種油の平均値の減少が生じていたが、統計的な有意性はみら

    れなかった(表3)。参入前のJノの最:大値は緑保23の0,92、最小値は自保2の0.68、

    平均値は0.83および標準偏差は0.071であった。参入後ではこれらの値はこの順に、

    自保13の0.85、自保11の0.37、0.67および0.155であった。参入前のHノの最大

    値は自保6と自保13の2.55、最小値は引墨2の1.64、平均値は1.64、および標準偏

    差は0.308であった。参入後ではこれらの値:はこの順に、自保13の2。53、自保11の 8

  • 0.59、1.70および0.568であった。これら3つの種の多様性指数を、タケ類の参入の

    前後でまとめて表した(図3)。3っの多様性指数はほぼ同一の傾向を示していた。特

    に、J’とH’はよく一致している。タケ類の参入の前後での類似度指数と重ね合わ

    せてみても、タケの参入後には有意なJノおよびH’の平均値の減少がみられた(表

    3)。タケ類の参入とともに、照葉樹林における種の多様性は有意に減少している。こ

    のことはタケ類の参入により、森林の植生が単純化していることを示している。

    2-2 タケ・ササ類の筍の皮および、里山林と照葉樹の葉の腐植実験

    この調査のタケ類の筍は春に出て、初夏にかけて成長とともにその皮を脱してゆく。

    タケ・ササ類の筍の皮および、展開した里山樹と照葉樹の葉を6月に集めた。なお、

    リュウキュウチクのみ5月に採取している。半年のあいだ照葉樹林土壌に埋めた後、

    その乾燥重量:の変化で腐植率を測定した。12種の全体についての分散分析の結果は、

    種間に有意な差が存在した(Fdf。11,12=15.752, P<0.01)(表6)。さらに、これらの種を

    次の5つのグループに分け、同様の解析をおこなった。タケ植栽種としてはモウソウ

    チク・マダケ・ハチク、タケ自生種としてはチシマザサ・リュウキュウチク、里山夏

    緑広葉樹としては雛ナラ・アベマキ・クヌギ・クリ、里山針葉樹としてはアカマツ、

    および照葉樹としてのツブラジイ・スダジイである。この5グループの平均の腐植率

    はこの順に、0.49、0。56、0.30、0.33、および0.23となった(表6)。これらグルー

    プ間にも有意な差が存在している(Fdf.4,1g=6.122, P<0.01)(表7)。 FisherのLSD検

    定では、タケ植栽種とタケ自生種の問には有意な差はみられなかった。同様に、里山

    夏緑広葉樹、里山針葉樹および照葉樹の相互の間にも有意な差はみられなかった。し

    かし、タケ・ササ類の筍皮の腐植は照葉樹と里山樹の葉のものより有意に進んでいた。

    これらのタケの皮の腐植の中には、樹木の細根の混入が全く観察されず、細根の侵入

    の著しい広葉樹林の葉の場合と著しい対照をなしていたく図4)。前者の腐植が主にバ

    クテリアによるものであり、後者のそれは共生糸状菌による違いが視覚的に判り、分 9

  • 解者の環境教育教材として有効なことを示していた。

    2-3一モウソウチクを主とするタケ・ササ類の筍の食害昆虫

    里山林へのタケ類の侵入は移入種のモウソウチクで最も顕著に見られており、自生

    のマダケとは3:1の比である(鳥居・井野、1997)。種による異なりの一因を知るた

    めに、兵庫県に分布するタケ・ササ類の筍の食害昆虫を2001年および2002年の春か

    ら初夏に調査した。同時に、鹿児島県十島村でリュウキュウチク(πθ∫o配aβ如5

    万ηθa五β)、徳島県剣山でスズタケ(5858加。」脚ゐ8加∬θ8万虜とクマイザサ(ぬ58

    5θ〃ヨηθη5ゴ5)、および滋賀県八日市市でハチクの1部も調査した。これらの結果は、別

    途に報告予定であるが、ここでは要約を記す。合計13種の筍を合計4026本採取した。

    種および採集地は表8に記載されている。これらを実験室で縦画し、昆虫幼虫による

    食害の有無を記載するとともに、幼虫を採取し、20℃で飼育した。食害率は大きく3

    つのグループに分かれた(表8)。第1のグループはモウソウチク・ハチク・マダケ・

    トウチク(3油。加齢肋β8‘o碗β猛)の中程度の食害率を示すもの。第2のグループはリュ

    ウキュウチク・ダンチク(。4zα刀40 doη齪)・チシマザサ(&粥2」をαzガθη訂β)の高食害率を

    示すもの。そして、第3のグループはオカメザサ(働ゴわa孟θθ8 」をαη2θβ808)・ネザサ

    (P1θゴ。乃18β甜5の磁ゴ。加5昭君刀θz858)・ミヤコザサ(38β8刀加ρo加08)・チマキザサ(385a

    p認加誘麗)・スズタケ・クマイザサのごく低食害率を示すものである。第1のグループ

    は単軸分岐をする大型のタケである(室井、1962)。第2のグループは主に仮軸分岐

    をし、株立ちとなる中型の肉厚のタケ類である(笹ら、2000)。第3のグループは小

    型の単軸と仮軸分岐をするササ類であった。モウソウチク、ハチクおよびマダケでの

    食害率は、この順に0.02、0.08、0.08であり、モウソウチクが有意に低い(κ2df・2=9.757,

    P<0.01)。この3種を食害する幼虫は、形心的にも行動的にも同一であった(図5)。

    合計8頭が蠕化し、全て羽化した。これら3種から羽化したものは全て同一の蛾のハ

    ジマヨトウ(刀θ加加5加ゐπ8四忽ヨガ3)であった。チシマザサからは1頭が羽化し、蛾の

    10

  • サッポロチャイロヨトウ(58Pρo∬ゴヨ13ρθ孟吻)であった(図6)。リュウキュウチクから

    は2頭が羽化し、これらは蛾のミヤケジマヨトウ磁か8盈θ8加取認θηβ諭に近縁の種だ

    と思われた。これら3種はいずれもヤガ科に属する蛾であった(図7)。これらの幼虫

    の飼育は新鮮な筍を与えておけば容易に飼育でき、児童・生徒にとっても困難ではな

    く、完全変体を通して観察でき、成虫の形質予測など期待感にあふれる実習になりう

    る。最も身近に手に入る教材でもある。

    11

  • 第3章 考察

    3-1 モウソウチクを主とするタケ類の里山林への侵入と照葉樹林への参入

    モウソウチクを主としたハチクおよびマダケなどの大型のタケ類は亜熱帯性の木本

    でありながら、沖縄県の八重山諸島、宮古諸島および沖縄諸島ともに野生状態がない

    (室井、1962;上田、1979)。モウソウチクは台湾には分布するが、沖縄には伝播さ

    れずに、鹿児島県に1736年に中国から渡来している(鈴木、1978)。モウソウチクと

    マダケは九州と四国で発育が旺盛で、これより南北に進むにつれて生育が悪い。ハチ

    クもほぼ同様であるが、耐寒性は高く北海道伊達市まで分布するく室井、1962)。沖

    縄県での主な自生のタケ類は西表島古見岳、石垣島於茂登岳および沖縄本島与那覇岳

    などの山頂付近の風衝立に一面に分布しているリュウキュウチクがあるが、低木状と

    なり、その樹高は3mまでであるく宮脇、1984)。これらの山頂部より下部はオキナ

    ワジイ((箔謡8z2qρβf55fθわ01{五ゴsubsp.1α’oゐαθ刀β∫β)とオキナワウラジロガシ(Qαθroαβ

    加か8哲五)の優先する亜熱帯性照葉樹林である。この両者の移行帯では、照葉樹の樹高

    が低くなるとともに、リュウキュウチクの樹高が高くなり、前者が後者の下部に混生

    している。階層的にはリュウキュウチクが照葉樹林の高木層に入り込んでいる。この

    ことは、鹿児島県トカラ列島でも見られる。沖縄での大型のタケとしては、植栽され

    て広まったホウライチク(β8加階58加π躍ρ1θカがあるが、著しい株立ちになるため、

    その拡大速度は遅く、1つ1つは狭い面積のパッチ状の分布である。

    この調査におけるタケ類の樹高では、最高が17mで、モウソウチク、ハチク、マダ

    ケの平均はそれぞれ、13.6m、12.3m、および11.5mであった。20調査地のうちで、

    タケが樹高で照葉樹に優っていたのは2例であり、これらの調査地は風衝に面してい

    た(表4)。残りの18調査地では、照葉樹の樹高がタケを上回っており、タケはこれ

    らの森では高木層下部に参入している(図8)。タケの参入とともに、高木層下部の二

    次林性樹種でもある照葉樹の常在度が減少しているく表2)。またこれにつれ、林床が 12

  • 暗くなり、種の多様性が有意に低下している(表3)。タケ類の樹形は円錐形である。

    他方、里山夏緑広葉樹の高木は半円形であり、照葉樹の高木は逆円錐形から丁字形で

    ある。日本の代表的な植相帯の高木の樹形は、高緯度ないしは高山から低緯度ないし

    は海岸部に向かうにつれて、台形、円錐形、半円形、逆円錐形、さらにT字形へと変

    化が見られる(図9)。この高木の樹形の変化と共に、階層構造が比例して増加してい

    る。高山草原の1層から、針葉樹林、夏緑広葉樹林、照葉樹林を経て亜熱帯性照葉樹

    林のほぼ連続した階層構造が形成されてゆく。照葉樹林では、スダシイ・ツブラジイ

    を主に密に高木層の樹冠が形成され、その下に亜高木層、低木層および草本層からな

    る4層構造がみとめられる。タケ類の円錐形の樹形は針葉樹形と同一であり、階層構

    造も単純で、その結果、種の多様性が低いことが予想される。表2と3のタケ参入に

    よる多様性の低下はこの点と一致している。

    西南日本の里山林ないしは二次林の主な構成樹種はほナラ・アベマキ・クヌギ・ク

    リなどの暖温帯落葉広葉樹林である(吉良、1976)。これらは暖かさの指数では照葉

    樹林帯と夏緑広葉樹林帯との境にあるが、寒さの指数と乾燥のため照葉樹の生育が制

    限される所に生育する樹種である。従って樹形は夏緑広葉樹形の半円錐形で、タケの

    円錐形に近い。1960年代から生活エネルギーの源が薪炭から化石燃料に移行するにつ

    れて、里山が定期的に伐採されず、落ち葉・落ち枝・腐葉の採取もされなくなった。

    暖温帯夏緑広葉樹と潜在自然植豪胆の照葉樹と植栽されたタケ類の3者を基とした遷

    移が始まった。里由樹種の樹高は平均13.4mであり、これらはタケ類のそれとほぼ同

    じである(表9)。現調査でのモウソウチクの最高は17mあり、これを凌いでいる俵

    4)。放置された直後の里山林では、照葉樹の生育が遅いため遷移の主流からは除外さ

    れ、樹形と樹高でほぼ等しいタケと夏緑広葉樹の競合が生じた。タケは常緑樹であり、

    かつ毎年個体数が増加してゆく。里山夏緑広葉樹は半年間の光合成によるエネルギー

    供給がない。その結果、放棄された里山林では一年に最大2.56搬のタケ類の分布拡大

    が生じている(鳥居、1998)。この分布拡大はモウソウチクで顕著であるが、マダケ 13

  • およびハチクも同傾向を見せている。樹高でモウソウチクが勝る以外に、筍の出現が

    他の2種より早い。このことが筍を食:害する蛾の幼虫による被害にも勝っている点で

    もある(表8)。

    今調査で兵庫県の残存潜在自然植相識へのタケ類の参入に関しては、次の特徴が要

    約される。1)その起源が数十年前の植栽である、2)照葉樹の林縁部ないしは社寺の

    建物付近から分布している、3)樹高では照葉樹が優っている、4)タケはその樹形が

    円錐形であり、樹形では、逆円錐形あるいは丁字形の照葉樹の樹冠下にはいっている、

    5)タケの参入とともに林床の照度は低下している、6)タケの参入とともに種の多様

    性が低下し、森が単純化している。これらのことは、タケと里山夏緑広葉樹との競合

    の場合とは大きく異なり、タケに有利な形質はみられない。有利と思われるのは、毎

    年の個体数の増大と、風衝に対する抵抗性である。しかし、モウソウチクの67年の

    開花周期とマダケの120年のそれと、開花にともなう一斉枯死を考慮すると、タケ類

    の有利さは打ち消される。

    上記の点をふまえ、放棄された里山林でもスダジイの残存する二次林とタケ類の直

    接競合する四国南部の徳島県海南町・臼和佐町・阿南市新野で野外調査をおこなった。

    この地の二次林にはスダジイが優先しており、かっ筍採取のためにモウソウチクが大

    規模に植栽されていた。現在では、2者共に放棄されており、両群落の接点が多く見

    られる。両者の直接接している点で、両群落樹高を21カ所で測定した。スダジイの

    優勢の場合を+、モウソウチクの優勢の捻合を一とし、かっ双方に優勢が明白で無い

    場合を互角±とした(表10)。21ケ所の全部を含めた検定では有意な差は得られなか

    ったが(z2df=2=6.000, P>0.05)、+と一では有意に÷が多い(κ2df・1=5.400, P>0.05)。

    逆の場合でも、モウソウチク林の林床には多数のスガジイの幼樹が観察された(図10)。

    放棄された里山林では、極相に達する前でもスダジイ林がモウソウチク林より優って

    いることが窺える。

    西南日本での里山林の大部分の潜在自然植相はスダジイあるいはツブラジイの優先 14

  • する照葉樹林である。マダケおよびハチクの自生は、この照葉樹林帯の1メンバーと

    して、部分極相の一旦を担っていたことは予想される。これらの自生地は現在では明

    白ではないが、瀬戸内海の孤立の島々にネザサと混在するところがら(室井、1956)、

    リュウキュウチクと類似して風衝地の可能性が考えられる。その地では風衝のため、

    スダジイの生育が無く、階層構造の発達も悪く、群落組成は単純になっていることが

    予想される。西南目薬の海岸線に広く生育するダンチクとのニッチェの連続性が考え

    られる。

    3-2 奈良市春日山で分布拡大するナギ(Pりdoo8」甲αβ丑88力林との類似性

    草本帰化植物の分布拡大はよく知られている。しかし、木本では顕著な事例は沖縄

    でのギンネム(五θπ08θη81θπooo3ρゐβ18)があるが、そのメカニズムは判明していない。

    しかし、奈良市春日山で植栽起源のナギがゆっくりながら分布を拡大している現學が

    報告されている(菅沼、1988)。春日神社に1200年前に奉納植栽されたものが広がり、

    御神木として保護された。西斜面に純林を形成し、大正12年には国指定の天然記念

    物に指定されている。現在では、その分布が東に隣接する国の特別天然記念物の春日

    山原始林と接するまでになっている。潜在自然植相は、春日山原始林にみられるツブ

    ラジイーサカキ群集の照葉樹林である。ナギは雌雄異株の針葉樹であり、自生の北限

    は山口県である。分布の中心は四国・九州であり、南は沖縄までおよんでいる。自生

    地では、照葉樹林の亜高木層に混生しているが、純林を形成することはない。春日山

    西斜面では、4階層すべてにおよんで優先しており、他にイヌガシ、カゴノキ、イチ

    イガシなどを交える。しかし、ツブラジイは若木を除いて交えていない。ナギは直径

    1cmの重い果実をつけ、分布拡大は重力散布型が予想される。しかし、斜面を上昇し

    て拡大しているところがら、そのメカニズムに鹿の不食と競合種の夕食、台風による

    種子の分散、他種へのアレロパシーが報告されている(菅沼、1988;山倉ら、2000)。

    ナギは亜熱帯性針葉樹であり、自生地ではスダジイを主とする照葉樹林の亜高木層 15

  • のメンバーである。樹形は円錐形に近い。また、植栽起源であるが、シイの欠けた二

    次林で分布を広げている。これらの点は、現調査のタケ類と極めて類似の生態学的要

    素をもっている。両者の共通要素としては、1)異所性樹木の移入と保護、2)優先潜

    在自然植導燈の欠如、3)高木層下部ないしは亜高木層樹、および、4)樹形が全階層

    をカバーしていることである。異所性樹木の持ち込み初期は、その天敵の拡大までに

    時間のかかる場合は、有利な点もうかがえる。これらの要素の幾つかの組み合わせの

    中には、類似の現象も期待される。その内の1つに、潜在自然植相樹のシイを皆伐し

    た里山で分布を拡大した針葉樹のアカマツなども含まれうるであろう。

    3-3 タケ類の分布拡大が持つ環境教育的意味

    環境教育指導資料(文部省aとb,1992)によれば、教育教材として地球温暖化、

    オゾン層破壊、熱帯林現象、酸性雨、海洋汚染および都市生活型公害など地球規模の

    問題が主に取り上げられている。しかし、総合学習としての環境教育は、児童・生徒

    の体験が基となった発見が理想となる。地球規模の現象では、問題が大き過ぎ、体験

    できうる範囲での教材の場と方法が求められる。大きい問題を背景に控えかつ体験で

    きうる範囲では、樹林などが最適教材となる。森林は植物が均~にはえる単なる集合

    体ではない。緑色植物に加え、動物、そして菌・バクテリアの生物群集が、太陽光に

    由来するエネルギー流と物質循環の機能の基に、時間をかけて最も効率のよい配列に

    形作られたかつ柔軟性のあるシステムである。生物群集はそれぞれ生産、消費、そし

    て分解の機能に対応してゆく。この生産一消費一分解がエネルギー流と物質循環でオ

    ーガナイズされたシステムは生態系あるいはエコシステムと呼ばれる。食物連鎖はこ

    の目に見える環象である。エネルギー流人にみると、太陽光に最も近い地上部に生産

    者の緑色植物、次いで地表部に消費者の動物が分布し、地中に分解者である菌とバク

    テリアが生息し、これらは垂直に配列をつくっている。これと地中にある植物の根が

    つながって物質循環が完結する(山口ら、2001)。タケi類の分布拡大も、このシステ 16

  • ムをもとに説明でき、環境教育の教材としても利用できる。

    環境教育の場においてまず、第一に取り扱われるである生産者としての緑色植物を、

    本研究では、その地の潜在自然植相である照葉樹林樹種と、より高地の自然植相とし

    ての落葉広葉樹とササ類、およびより低緯度地の自然植相のモウソウチクを主とする

    タケ類の競合の話題として捉らえた。短期間の気候変化を植生変化で捉えるには直接

    には問題があるが、付随する現象として状況証拠にはなりうる。これらは、中学理科

    の第2分野の「植物の生活と種類」や、高等学校の生物IBの「生物と環境」の内容

    と重複するが、ルックスメーターで林床の相対照度を測るなどの調査を組み合わせれ

    ば、容易に行う事ができ、結果として、タケ類の参入が林床を暗くし、瑞相が単純化

    していることは視覚的にも理解できる・単純な共生系よりはより高度に組織化された

    共生系に向かうことは直感的にも捉えられる。さらに、暗い林床内で、シイの幼木が

    芽生え生育している様子(図10)などを観察すれば、植物の生活の多様性の程度や遷

    移の方向・過程が視覚的に理解できる。

    次に、消費者としては、タケの筍を食害する昆虫とその幼虫・蠣・成虫をと対象と

    している。蝶、蛾類は、種により食草を異にする。その食草の解明は種の同定や生活

    様式を考える意昧においても重要である。今回、調査したものの多くが、タケ類の穿

    孔虫(ボーラー)として生活しており、その生態は詳しく解明されていない。また、

    食害率を考察すれば、タケ類のような異所性樹木の天敵拡大の状況も考えることが出

    来る。蛾は蝶と異なり、容姿や夜行性などから、敬遠されがちではあるが、飼育は比

    較的容易であり、タケ類の筍を穿孔して食害する種の場合、天敵である寄生ハチ類に

    攻撃される事が少なく、蠕化後の羽化率が高いなど、有利な点が多い。食害をとおし

    て、より弱い生産者を除去し、結果として遷移の過程を早めていることなど消費者と

    して働きを理解する上でも有効な教材である。

    分解者の働きを調べるためには、筍の皮および樹木の葉の腐植実験を行っている。

    この実験では、タケ・ササ類と広葉樹で両者の腐植率に有意な違いがあった。視覚的 17

  • にも違いが見て取れる(図4)。タケの筍の皮の腐植はバクテリアが主に分解している

    と考えられ、樹木の葉は菌根性の高等菌による分解が主であると考えられる。この実

    験を継続すれば、これらの腐植物の地上に形成されるキノコの種類と量の違いをとお

    して、分解の複雑なしくみが、量的かつ視覚的に理解することができる。従来、中学

    の理科の学習指導要領では、この分解者である土壌生物は、簡単に扱うことにとどめ

    ているが、ぜひとも環境教育では、生態系を循環させる意味で、分解の概念を理解さ

    せる必要がある(山口、2003)。このような実験や視点を持つことにより、分解者を

    理解し、物質循環の輪を完全に理解させることが出来ると思われる。

    これらの調査、実験は、野外で行い、体験的な内容が多い。体験学習を実施するに

    は、学校から体験する現場までが近い方が有利である。その点、タケ林は、タケノコ

    や竹材の生産ため農家の裏山に植えられたり、水害防備林として各地の堤防に植えら

    れるなど、人間の生活圏に近いところに存在している。学校から、比較的近い場所に

    教材が存在していることになる。実際に、美術や工作、また、七夕の行事:などで、学

    校でも多くのタケが利用されている。タケ林は素材としてタケを利用するだけではな

    く、環境教育の教材としても有効に利用することができる。さらにタケの植栽の理由

    や時期、あるいは人生との関わりに発展させれば、総合学習の教材へと発展できる。

    ただ、タケの分布拡大といった、現実的な問題に取り組む場合、「人も生態系の一員

    である」という基本概念のもと、人の行動が加わると、生態系というシステム全体が

    影響を受けるという事を認識する二面がある。人間が一つの価値基準で行動起こした

    場合、例えば「里山林にモウソウチクが増えたので伐採しよう。」という事例を考える。

    従来、薪炭林として生活エネルギー源にあった里山林も、燃料革命という社会構造の

    変化に伴い、放置され荒廃しはじめた。そこに我々の郷愁が働き、行動をおこし、モ

    ウソウチクの伐採という里山保全活動が始まったのである。この行動は果たして、正

    しいのであろうか。生態学的見地から述べれば、里山林の荒廃も植物遷移の過程と捉

    える事が出来る。また、落葉の夏緑広葉樹と比べれば、タケ類の方が常緑で、樹形か 18

  • らも光を全植物体で吸収されうる。その分、炭素同化作用を年間通じて行う:事ができ、

    地球環境には優しいと考えられる。このように環境問題は一面では考えられない。特

    に、環境教育として進めていく場合、最終的にはある行動指針を示す必要があり、そ

    の行動が、生態系というシステム全体に影響を与えているという点と、その結果が、

    多面性を持ち合わせているという点をしっかりとおさえなければならない。

    総合学習は、「体験を通して、自らが考え、計画し、行動していく」をキーワードに、

    「生きる力」を育む事を目的としている。まさに、環境教育は、総合学習で取り組ま

    れるべき課題である。また、生涯続けての学習を必要とし、未来に向けての指針を見

    つけだすためにも重要である。一つの事例から、課題は無限に広がっていく。今回の

    ような現実的な課題に取り組んでこそ、生きるカを育むことになり、環境問題の解決

    への道をつなぐことになる。この意味で、今後、ますます、総合学習を通じた環境教

    育の必要性は、増していくものと考えられる。

    19

  • 摘要

    1.兵庫県で全県に亘って残存している56の潜在自然植肉林でモウソウチクを主とす

    るタケ類を調査した。これらは、5の天然記念物林、16の自然環境保全地域、および

    35の緑地環境保全地域であり、一部の植林混生を除いていずれも照葉樹林である。合

    計22の樹林でタケ類の参入が見られた。モウソウチクの参入が14件、マダケの参入

    が3件およびハチクの参入が5件であった。これらは、聞き取り調査および分布状況

    から、植栽起源のものと推定された。

    2.タケ類の参入の見られた20の樹林で、隣接する照葉樹林部とタケ参入部におのお

    の10×10mの調査区を設け、植生調査を植物社会学的におこなった。タケ参入と共に

    その境界部では、タケはシイの天蓋直下に入っていた。そのために、照葉樹林で高木

    層下部を形成していた樹木の常在度の低下がみられた。これらは里山林および二次林

    にも頻繁に出現する種であった。また、」’およびH’で記載される種の多様性の低

    下もともなっており、森の単純化がみとめられた。林床での照度の低下もみられた。

    3.タケ・ササ類の筍の皮と里山夏緑広葉・針葉樹および照葉樹の葉を6ケ月間照葉

    樹林の土壌にうめ、その腐植率を調査した。タケ・ササの腐植は有意に他のものより

    進んでいた。

    4.モウソウチク、ハチクおよびマダケの筍を食害している昆虫の調査を、自生する

    タケ・ササ類を含め調査した。食害頻度からみると、これらは3群にまとめられる。

    第1のグループはモウソウチク・ハチク・マダケ・トウチクの大型の単軸分岐をする

    タケで、中程度の食害率を示すもの。第2のグループはリュウキュウチク・ダンチク・

    チシマザサの中型の主に単軸分岐をするタケ・ササで、高食害率を示すもの。そして、

    第3のグループはオカメザサ・ネザサ・ミヤコザサ・チマキザサ・スズタケ・クマイ

    ザサの小型の単軸と仮軸分岐をするササで、ごく低食害率を示すものである。モウソ

    ウチク、ハチクおよびマダケでの食害は全てハジマヨトウによるものであった。食害 20

  • 率は、この順に0.02、0.08、0.08であり、モウソウチクが有意に低い。

    5.里山林へのタケの侵入は、タケの樹高が劣っていないこと、樹形から冬季にも全

    植物体で光合成が可能なこと、毎年、高木層の個体数を増やしていること、および食

    害虫がモウソウチクで特に少ないことなど、生態学的要因の統合の結果であると思わ

    れる。

    6.極相状態の照葉樹林へのタケの参入は、人為的な移入によるものと思われ、一時

    的な参入は観察される。しかし、風衝の強い樹林を除き、主照葉樹の樹高がタケのそ

    れを上回っており、その樹形も逆円錐形ないしは丁字形で天蓋は全てタケの上部であ

    る。タケの参入にともなって、林床照度の低下、階層構造の欠落、種の多様性の低下、

    および統合した樹林の単純化が生じている。タケの一斉開花後の枯死を合わせると、

    タケの照葉樹林への参入は永続的なものではありえないと思われる。同様な現象が、

    奈良市の春日山でのナギの分布拡大にも見られると思われる。

    7.タケ林と照葉樹林とのそれぞれがもつ生態学的側面を実際の観察と簡単な実験を

    とおして、そのエネルギー流の効率、物質循環の効率、生物群集としての組織性など

    に分割して比較し、かつ再統合することによって生態系の重要要素の理解が小・中・

    高校レベルでも可能である。また、生態系の中での、住み分けの原理が基本的には光

    の方向に形成されていることが把握されうる。タケの里山林への侵入および照葉樹林

    への参入は身近に見られかつ奥の深い環境教育教材としての応用が期待される。

    21

  • 謝辞

    本研究は2001年4月より2年間、兵庫教育大学大学院第5部山口研究室で行っ

    たものです。始終ご指導頂いた山口 修教授には心からお礼申し上げます。先生には、

    野外調査に何度も同行していただき、調査方法をお教えいただきました。また、得た

    資料の解析方法を懇切丁寧にお教えいただきました。研究に対して、いつも明確な方

    向性を示していただき大変感謝いたします。

    また、調査に同行いただいた、山口研究室の皆様、花田 雅博氏、谷本 卓弥氏、

    調査資料を提供くださった谷口 光氏の皆様に深く感謝いたします。主な植相帯にお

    ける樹冠を形成する高木の樹形の図の使用を許可して戴きました畠山真由美氏に感謝

    いたします。

    最後に,このような研究を行うことを支えて下さった滋賀県教育委員会や滋賀県立

    八日市南高等学校の皆様に感謝いたします。

    22

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  • 表1兵庫県内の環境保全林へのタケ類の参入

    蕾 屍 *

    天,、

    総記1 太山寺 戸市西区 1095ha :コジイ林 h o 県指定戦記2 転法輪 戸市西区 約1ha コジイ林 b O 自指定戦記3 生島 林 ’・穂市 08ha 照葉 林 n 国 定戦記4 一宮ケヤキ林 但東町 9本 ケヤキ 県指定戦記5 骨1羽山アカシ 淡町 1.26haアカ シ

    轟、 域自 1 林田川 富町 33ha ゲンヅホ◎タル生息地

    自 2 米地川 父町 40ha ゲンジボタル生息地喜 4自 3 加西市 834ha コジイ林 h o

    自保4 荘林山 黒田庄町 374ha スギ林 h自 5 戸 市 町 86ha ヒノキーツクシシャクナゲ林

    自保6 八徳山 香寺町 371ha コジイ林 b O引攣7 署塩城跡 前町 1012ha コジイ林自保8 ラ島神社 淡町 1.4ha スタジィータブ林

    自保9 白山神事 東浦町 2.Oha スダジイ林

    自保10 群諾神宮 一宮町 1.5ha 常緑 林経管11 成 =原町 4.4ha スダジイ林 h o自保12 駒宇佐八幡神社 =田市 10.Oha コジイ林自 13 フ生山補陀落寺 前町 13,5ha :コジイ林 h o自保14 行寺 ’、市 142ha コジイ h o隣保15 高 山 上 町 116ha コジイ林

    16 長谷 品名町 35,0ha アマツーコナラ林

    緑 1 目窪八幡神社 村岡町 40ha スキ㌔ブナ林緑保2 妙覚寺 西脇 7.Oha コヅィーヒノキ林 h o緑保3 円山神聖 前町 5。7ha シイ林緑保4 龍 八幡 社 龍野市 4.5ha コジイ林 h O緑保5 柏原八幡山 原町 7.3ha コゾィーア加ツ林

    緑保6 鞍置神社 上郡町 1.7ha コヅイーウラヅロガシ林

    緑保7 山崎八幡 社 山崎町 1.8ha ヒノキ林 h O保8 元神社 前町 1.Oha シイ林保9 二百余神社 前町 1.Oha シイーアラカシ

    緑保10 大島山 相生市 t4ha ウバメガシ林 h o保質 西林寺 西脇市 18.4ha アカマツーコジィ林

    保12 …明寺 滝 町 7。8ha コジイーアペマキ林

    緑保13 二宮神社 福崎町 5」ha アヘヤキーアカマッ林

    ,保14 金楽山法楽寺 神崎町 12.1ha ヒノキーコゾイ

    厚保15 大生部兵主神社 但東町 t3ha シイーカシ林

    厚保16 来栖山最 寺 大河内町 t2ha コジイーシーカシ林

    厚保17 大山山太山寺 上郡町 tOha コジィーモミ・ツカ’一コゾィ林 n O厚保18 済 山高蔵寺 =日月町 2.2ha ツガーコゾイ林

    厚保19 宝 神社 波 町 1.Oha シ勃シーモミ・アスナロ林

    緑保20 春日神社 西脇市 46ha コジイ^ヒノキ林

    緑保21 々伎神ま 但東町 t35ha タブノキーカゴノキ林

    22 山王神社 神戸市北区 0.8ha カシ林 b o揖保23 有間神社 神戸市北区 1.5ha :コジイ林 h 0保24 八王子神社 神戸市北区 0.8ha アカガシ林 n o

    緑保25 柳 八手代町 7.9ha コジイーヒノキ林 h O緑保26 兵主神社 春日町 3.2ha コジイースギ林 h o緑保27 岩上神社 一宮町 3.Oha スダジイ林 n o緑 28 伊和 社 一田ャ 5.2ha ス豊門シ勃シ林緑保29 神一寺 赤穂市 1.4ha スダジイ林緑保30 勝 上郡町 1.2ha ウ“ジロガシーシ勃シ林

    保31 大森神社の森 千種町 α8ha スキ㌔シ勃シ

    緑 32 保久良神社の森 神戸市東灘区 tgha ヤマモモ林。保33 満 寺の 宝塚 t2ha コジイ林 n O緑 34 鮎屋の 洲本市 0.5ha スダジイ林 h o

    35 立石 の 河内 1.2ha ス

    * h=モウソウチク,b=マダケ, n:ハチク

  • 表2タケの参入前後における照葉樹林の植相変化。十は存在を表す。

    天配1天罷2ら

    保3 自保6 自保11 自保13 自保14 保2 緑保4 緑.7 緑保10 緑保17 緑保22.緑保23 緑保24 緑保25 保26 緑保2フ 緑保33 緑保34 件数 参入前 常在階履 種名 学名 寺 八 幽 曹寺 八 八 大 山山 王 八王 寺 主 上 の 最大の 変化*

    i 1 1 8 1 1

    B重 スジイ 0崩御鋸附加鮒cブラジイ (知5ね仰eなθ媚ρ始飴

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    十 十 十 ÷ 十 十 ÷ 十 十 十 十

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    モウソウチク ρ力夘bs細0蝕吟舶的即G脚侮

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    4.4Q.3Q.2

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    十十

    ハチク 働吻sa80鵬〃@習var加偲蝋s ÷ 十 十 十 十 十 2 4 2.2 1 1アラカシ 0ひθ脚58向㈱ 十 十 十 ÷ ÷ 十 十 十 ÷ 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 ÷ 十 十 十 十 十 十 十 十 十 一← 十 十 17 16 2」 V W 一コナラ 0〃θκμ33θ儲 十 十 十 ÷ 2 2 2..¶ 1 !スギ 0りρfαηθ話説伽加 十 十 十 十 十 十 十 4 3 2.1 I Iソヨゴ 伽ρθ吻η側循 十 十 十 十 ÷ 十 十 5 2 2」 亙 1 }ナナミノキ 漁解σ痴η8〃鋸 十 十 十 ÷ 十 十 2 4 2.1 I Iムクノキ バρ舶ηaη伽∂5ρθm 十 十 十 2 1 2.で 正 正ヤブニツケイ 0㎞切。〃四用」姻。η船酬η 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 8 6 2.1 皿 耳マダケ 鰯03加σ加㈱認。伽 十 十 十 ÷ 十 2 3 1.5 1 1アカマツ 働囎db船伽 十 十 1 1 t2 1 1ヒノキ θ始ρ脚の鋼魔。配〃5召 十 十 十 十 十 十 十 十 ÷ 十 十 7 4 場.1 夏 夏 鱒ヤマモモ ん面諭創δ燗 牽 十 十 3 1.1 【

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    コシアブラ ,40a燃鱗㎜κ5σ侮ゆ力吻畑3 十 十 十 十 3 1 十 1 :タカノツメ β瞭』瞬㎜κ二刀。吻η5 十 .幸 十 十 3 1 十 1 【ネジキ 乙卿震0旧〃わ伽v麗θ伽蜘8 ÷ 十 率 2 1 十 1 1ネムノキ 肋抽ル二二諭 十 1 十 1ノグルミ ρ乙津脚5肋b伽6θ8 十 1 ÷ =

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    シャシャンボ 掩θ0加勧ηわm伽醒切η 十 十 十 2 1 r ! 1シラカシ g囲醇粥㈱伽θ詞伯 十 十 書 1 「 1 1

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  • ヒイラギ 0翻8η功μ5傭8脚励5 千 十 十 ÷ 3 1 r 1 1モッコク 勘濡訪。θ〃瘤⑳伽朋”伽畑 十 十 十 ・十 十 十 5 1 r 五 1 一ヤダケ 角θμdb38甜」砂。η治3 十 十 響 1 r I Iヤツデ 舶繍洞卿加

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    14 葉。 18 7 14 11 17 12 9 5 21 20 20 19 1讐 17 16 12 判 9 12 8 10 日 17 書9 10 19 15 12 10 15 20 12 14 12 11 9 21 21 291260

    *十は常在度1段階で増加したもの,一は壌段階で滅少したもの,十十および一一は2段階で変化したもの。

  • 表3タケの参入による照葉樹林の類似度指数,多様性および相対照度の変化

    類似度指数(1S) 種数(S) 均等性指数(Jつ 括的多様性指数(H’) 相対照度

    参入前 平均

    @ 分散

    α36

    O,012

    14.55

    P6,155

    α82

    O,005

    2.18

    Oゆ95

    0,015

    O.00017

    参入後 平均

    @ 分散

    0.32

    Oρ14

    13.00

    Q2,105

    0.67

    ソ024

    1.70

    O,323

    0,011

    O.00008t検定 t作189=4.484

    @Pく0.001t幽9=1.502@P>0.05

    t作19=3。724@Pく0.01

    t醐9=3.496@P〈α01

    t醐9=2.270@P<0.05

    F検定 F㈱翫189=1.170@ P>0.05

    F㈱19=1・256@ P>α05

    F作1亀19=4・575

    @ P〈0.001

    F作酬9=3.399@ P<0.01

    F作t銑19躍2.089

    @ P>0.05

  • 表4 各調査地における,タケ類の参入形態と樹高および胸高直径(DBH)

    調査地 入種* 参入形態 参入方向 斜面傾斜 樹 (m) DBH cm)(。) 樹木 タケ 樹木 タケ

    天記1 h 斜面・登 E 18 15 唱3 50.9 10.5

    天記2 b 谷・登 NEi 45 19 13 60.5 9.2

    自保3 h 斜面・登 W 38 18 14 38.8 15.9自保6 b 斜面・登 W 29 23 10 85.9 7.0自保11 h 斜面・登 W 36 25 17 47.7 准5.2自保13 h 斜面・登 E 37 20 14 6α5 12.4

    自保14 h 斜面・登 SW 28 20 13 58.9 12.7緑保2 h 斜面・登 N 38 15 10 28.6 1α2緑保4 h 斜面・登 SE 32 13 15 32.8 13.4緑保7 h 斜面・登 E 34 13 13 50.9 11£緑保10 h 斜面・降 W 36 11 14 57.3 12.7緑保17 n 斜面・登 W 35 23 10 73.2 5.7緑保22 b 谷・登 E 17 24 13 79.6 7⑩緑保23 h 斜面・登 NW 35 18 12 38.2 10.5緑保24 n 斜面・登 S 30 18 14 57.3 8.9

    緑保25 h 斜面・登 W 33 15 15 49.3 150緑保26 h 谷・登 NW 5 25 16 8t2 15.9緑保27 n 斜面・登 W 32 19 13 47.7 8.6緑保33 n 谷・登 E 15 21 12 50.9 8.9

    緑保34 h 斜面・這 E 37 17 12 114.6 10.8

    *表1と同一 最簡 45 25 17 1146 159最小 5 11 10 28.6 5.7

    平均 30.5 18.6 13.2 58.2 11』

    検定 td伽38=5384 》38【10.208

    P〈0.001 P〈0.001

  • 表5タケ類の参入前後での多様性および相対照度の変化

    種 (S) 均等性指数(の 包 的多様性指数(H’) 相対照度(%)

    調査地 参入前 参入後 参入前 参入後 参入前 参入後 参入前 参入後天記1 14 10 0.91 α43 2.40 1.00 2.62 2.16

    天記2 18 7 0.87 α50 2.53 0.97 2』6 1.97自爆3 14 11 0.75 α83 t99 1.99 1』)2 0.55自撰6 17 12 0.90 0.67 2.55 1.67 0.08 0.06自爆11 9 5 0.88 α37 1.94 α59 t31 2.76

    自爆13 21 20 0.84 0.85 2.55 2.53 1.15 0.87

    自爆14 20 19 α78 0.81 2.33 2.38 t88 1.64緑保2 11 17 0.68 0.77 1.64 2.17 1.12 1.08

    緑保4 16 12 α81 0.77 2.25 t92 α41 0.37緑保7 11 9 0.72 0.74 t72 1.62 α97 0.64緑保10 12 8 0.74 0.61 t83 1.28 0.30 0.23緑保17 10 11 0.89 0.71 2.06 1.71 α65 0.20

    緑保22 17 19 α90 0.62 2.54 t83 t29 0.75緑保23 10 19 α92 α82 2」1 2.41 1.02 0.75

    緑保24 15 12 0.89 0.37 2.40 α93 5.03 2.12

    白保25 10 15 0.86 α75 t97 2.02 0.22 α19白保26 20 12 α83 α73 2.49 1.81 0.30 0.23

    白保27 14 12 α76 α51 2.01 1.27 2.42 t61

    緑保33 11 9 0.75 α63 1.80 t39 2.55 1.22

    緑保34 21 21 α82 0.83 2.49 2.52 3.87 2.89

    最大 21 21 0.92 α85 2.55 2.53 5.03 2.89

    最小 9 5 0.68 0.37 1.64 0.59 0.08 α06

    平均 14.6 13ゆ α82 0.67 2」8 1.70 1.52 1.11

    標準偏差 4019 4702 0,071 0155 0,308 0,568 0,013 0,009

  • 表6タケ植栽種およびタケの自生種の筍の皮と,里山夏緑広葉樹,里山針葉樹および照葉樹の葉の照葉樹林土壌中での6ヶ月後の腐植率

    グルー タケ植栽種 タケ自生種 里山夏緑広葉樹 里山針葉樹 照葉樹種 モウソウチク マダケ ハチク チシマザサ リュウキュウチク コナラ アベマキ タヌキ クリ アカマツ ツフラシイ スダシイ

    乾燥重量150腐植後重量 1 80.74 95.52 62.72 37.61 99.51 103.89 91.91 101.53 115.60 99.53 13050 11315

    2 97.51 75.10 45.65 35.96 89.01 101.06 98.99 103.64 120.71 10286 105.05 11586平均腐植率 α41 0.43 α64 0.75 0.37 0.32 0.36 0.32 0.21 α33 α21 α24

    グルー腐直率 0.49 0.56 α30 0.33 0.23

  • 表7筍の皮および里山樹と照葉樹の葉の腐植実験のグループ分け分散分析表

    変動因 SS df MS Fo Pクルー間Oループ内

    8074,181

    U264,223

    419 2018,545

    R29,696

    6」22 P<0.01

    全体 14338,404 23

  • 表8タケおよびササの筍の食害毘虫

    タケおよびササ 採集地 調査数 食害数 食害率 羽化個 数モウソウチク 兵庫県東播磨地区 42 4

    働蜘5亡∂・伽観θ1・σγ・屠 兵庫県新宮町 161 0

    小計 203 4 0つ2 1

    ハチク 兵庫高東播磨地区 222 29

    制05一同η伽varんθ〃α廊 滋賀県八日市市 200 5

    小計 422 34 0.08 3

    マダケ

    働蜘5翻。伽わ∂〃2加5α沈5 兵庫県東播磨地区 304 25

    兵庫県東浦町 3 1

    兵庫県六甲山 1 0

    小計 308 26 0.08 4

    トウチク 兵庫県三田市 30 2 0.075冨η0加〃7加5ヨホ00孟5蔚

    リュウキュウチク 鹿児島県十島村中之島 202 58 O.29 2

    側め6屠5如5〃7θ∂船

    チシマザサ 兵庫県氷ノ山 1010 220

    5ヨ5∂丁丁θη5な 兵庫県扇ノ山 153 7

    小計 1163 227 0.20 1

    ダンチク 兵庫県東浦町 37 1 003、4燗ηob obηax

    オカメザサ 兵庫県三田市 封3 0 α005力必∂ご2θ∂細海∂5∂o∂

    ネザサ 兵庫県六甲山 壌51 8 α05

    側め始5加5魂5瀕・加5var鈎∂θr

    ミヤコザサ 兵庫県六甲山 276 0 0.00

    5冶53吻ρoη加

    チマキザサ 兵庫県氷ノ山 373 0535∂ρ∂〃η∂孟∂ 兵庫県扇ノ山 15 0

    小計 388 0 α00

    スズタケ 兵庫県六甲山 246 21

    甜58加αρゐ∂加燈∂〃5 徳島県剣山 23 o

    小計 269 21 α08

    クマイザサ 徳島県剣山 464 0 0.00

    5お35θ〃∂〃θ〃5な

    合計 4026 381 0.09 11

  • 表9里山林の夏緑広葉樹の樹高(畠山2002)

    番号 樹吉(m) 主樹種1 13.2 クリ

    2 15.7 ヤマザクラ3 1で.5 ヤマザクラ4 12.8 クヌギ5 13.7 コナラ

    最高 15.7

    最小 11.5

    平均 13!塾

  • 表10徳島県におけるスダジイとタケ類の直接競合

    調査地点 シイ林優勢(+) 互角(±) タケ類優勢(一)1 o2 o3 O4 O5 ○6 ○7 o8 ○9 ○10 O11 O12 o13 o14 ○15 o16 o17 ○望8 o19 020 o21 0計 審2 6 3

  • 図1 兵庫県の自然環境保全地域の看板と、その照葉樹林へのモウソウチクの参入。

  • 天 2 3 6 11 13 14 2 4 7 10 17 22 23 24 25 26 27 33 34

    天 1 0.38 036 0.39 043 0.34 0.47 0.40 0.40 040 0.46 0,50 0。32 0.42 0.21 0.25 0.41 0.29 0.24 0.23天記2 0.38 0.46 0.37 0.41 0.37 0.21 0.41 0.41 0.33 0.43 0.34 0.43 0.24 0.36 0.42 0.31 0.21 0.36

    3 0.51 0.26 0.51 0.47 0.40 0.47 0.64 0.38 0.42 0.32 0.58 0.21 0.58 0.47 0.21 0.32 0236 0.38 0.47 0.43 0.36 0.36 0.50 0.28 0.52 0.53 0.59 0.38 0.37 0.49 0.19 0.29 0.16

    11 .0.27 041 0.30 040 030 0.38 042 0.31 0.42 0.33 0.32 0.21 0.52 0.30 0.2713 0.39 0.31 0.32 044 0.24 039 0.42 0.52 0.28 0.32 0.29 0.29 0.25 0.33

    14 0.58 0.50 0.39 0.31 0.40 0.32 0.47 0.29 0.40 0.40 0.24 0.39 0.24

    2 0.44 036 0.26 0.38 α29 0.38 0.23 0.38 0.32 0.16 0.45 0.134 0.37 0.57 0.62 0.48 0.54 0.45 0.54 0.50 0.40 0.30 027

    緑 7 0.26 0.38 0.43 0.57 0.31 0.48 0.39 0.24 0.36 0.25045 0.28 036 0.30 0.27 0.44 0.24 0」7 02417 0.44 0.50 0.24 0.40 0.47 0.33 0.29 0.26

    緑 10

    @ げ

    緑 22 0.52 0.50 0.37 0.32 0.19 Oj4 0.16緑 23 0.40 0.60 0.40 0.25 0.29 0.26

    緑 24 0.32 023 021 0.23 0.11緑 25 0.33 0.25 0.38 0.13

    26 0.24 0.26 0.2427 0.24 0.34

    緑 33 0.06

    2 3 6 羽 13 14 2 4 7 10 17 22 23 24 25 26 27 33 34

    天 1 024 048 027 027 027 041 0.30 027 032 0.33 029 0.21 0.34 0.18 0.40 0.36 0.18 o.42 0.19天記2 022 0.11 033 0.22 0.31 025 0.21 038 0.27 022 0.15 0.31 0.11 0.27 0.21 0.32 0.25 0.21

    3 0.61 0.38 0.45 0.47 0.43 0.43 0.40 0,42 0.36 α40 0.47 0.26 0,62 0.35 0.26 0.40 0.19

    6 024 0.50 039 0.34 050 029 0.30 035 0.58 0.45 Oj 7 0.44 0.25 0,25 0.47 0.0611 0.24 0.25 0.27 0.24 029 0.46 0」3 0.17 0.25 0.12 0.30 0.24 0.12 0.14 0.08

    13 0.41 0.49 0.44 0.41 0.29 0.26 0.46 0.41 0.19 0.57 0.25 0」9 0.34 0」514 0.33 0.52 029 0.44 0.46 0.42 0.53 0.32 0.59 0.32 0.32 0.43 0.35

    緑 2 0.41 0.46 0.24 0.36 0.22 0.39 0.21 0.56 021 0.28 0.38 0.16

    緑 4 029 0.40 0.35 0.39 0.45 0.33 044 0.17 0.25 0.38 0.247 0.35 0.40 0.21 0.43 0」9 0。50 0.48 0.38 0.44 0.20

    緑 10 021 0.30 0.44 0.20 0.35 0.40 0.20 0.12 0.2117 020 040 0.26 046 0.26 0.52 0.60 0.25

    22 0.37 α26 0.41 0.19 0.19 0.29 0.2023 0.26 0.59 0.39 0。26 0.43 0.20

    緑 24 α30 0.17 0.25 0.29 0.24

    緑25 0.37 0.30 0.50 0.2226 0.17 0.29 0.12

    27 0.48 0.30

    緑 33 0.13

    天 1042

    2024

    3056

    60.69

    11

    02913

    0.54

    14

    0.56

    20.71

    40.71

    70.5

    10

    0.6

    罎7

    05722

    0.67

    23

    0.55

    24

    0.44

    25

    0.56

    260.5

    27

    0.69

    330.5

    34

    0.52

    図2 種の類似度指数(SDでみた残存潜在自然植相樹林間の類似性。上段は照葉樹林部のみでのもの、および中段はタケの参入部のみのもの。下段は同一調査地の隣接する照葉樹林部とタケ参入部でのもの。

  • 図3 種の多様性を台数(S)、均等性指数(J,)および包括的多様性指数(H,)からみ

    た残存潜在自然植相樹林での、照葉樹林部と隣接するタケ参入部の比較。最上部に合わせて

    類似度指数(SI、図1)を重ねてある。2段から4段の順に、SとJ’およびH,があり、

    これらはいずれもH,の差が小さいものより大きなものに配列されている

  • A

    図4 タケ・ササのタケノコの皮と里山広葉樹の葉の腐植実験。照葉樹林の土壌に6ケ月間埋めたのちの腐植程度。A:モウソウチクの筍の皮、樹木の細根の侵入が見られない。B:チシマザサの筍の皮、同様に樹木の細根の侵入が見られない。 C:クヌギの葉、樹木の細根の侵入が見られる。D:スダジイの葉、同様に樹木の細根の侵入が見られる。

  • 、婁

    ノ }

    ’4気,

    唇1議

    図5 ハチクおよびマダケの筍を食害するハジマヨトウの幼虫(AとC)、

    およびその蝋と羽化した成虫(BとD)。

  • 騨、織一繕1

    図6 リュウキュウチクおよびチシマザサの筍を食害するミヤケジマヨトウの近縁種の幼虫(A)

    とサッポロチャイロヨトウの幼虫(B)および成虫(C)。

  • 図7 タケ・ササ類の筍を食害して羽化したヨトウ科の蛾の成虫。A=モウソウチクを食害したハジマヨトウ♀、B:ハチクを食害したハジマヨトウ♂、C:マダケを食害したハジマヨトウ♂、D:リュウキュウチクを食害した不明種♀、E:チシマザサを食害したサッポロチャイロヨトウ♀。

  • 図8 スダジイ林へのモウソウチクの参入。スダジイの樹冠の下に入り込んでおり

    モウソウチクの樹勢は弱い。

  • 藻鋤一

    .,

    図9 天蓋を形成する高木の樹形からみた主な樹林帯。左から右へ、高山草原、針葉

    樹林、夏緑広葉樹林、照葉樹林、および亜熱帯・熱帯樹林の順に配列されている。

  • 図10徳島県南部での放棄されたモウソウチク林の林床。スダジイとの隣接部では、林

    床にスダジイの幼木が多数見られる。

  • 資料4天片思太山寺タケ類焼入前植生講査表

    (調査地)鰯 山 (戸 コ 区) 入訓

    輸地多 : :、 :上・ ・下・ 陶. :4、二 ( 当) 零 ‘ 18。(土 ホト ・ ・’ 、・ 闇 ・アンド・ 騨イ・ (目当 奮 8 1◎ × 10

    、 山 、, 騨イ・ξ 沢・・ 鷺 日@’

    ● ・面下 (土ξ) ・適… ℃3 14

    2002年i備考)

    @81

    8月 12臼 (調査 井上 奔二 ) B2ヒ

    S K3 1 o冶εa謬〃oρ5な。僻ρ焙翻 2 十 09〃吻ρ轍客か戯伽 2 r 伽¢痴蹄θ〃ε毎 1 r α~ノηθ伽頭ρα泌8 6

    1 竃 栂蜘8励細 1 十 α蹴即ρρεなα娯ρ焔飴 1 了 乙齢的ノη鈎ρo力血吻7 1 『 3飴邸ρ加禰ゐ継∂助幽 3十 偽κo勧θ〃5融 1 r α穿佛旛力ρo諏6ε

    r 侮癩ノ冶ρα瘤δ 1

    r 8翻〃7加癩ゐe緬ρん卿 1 r &〃γ8ノ柳惚8 1

    r ε滋a蟹o耀ba 1 r 臨轟θ廟痴励こ摺面電

    r oθ〃伽ρθ!漉κ魏伽5 1 r o加溜η7αη㎜ノ旨脚痂c㎜妻

    r 伽y鱒淘ρo碗8噛

    「 〃踊o∂鷹癩 1

    r 角θ幽ερ58躍ρo漉ρ 1

    r 鴻塑θ加わσb5齢翻加 1

  • 資料2天紀1太山専タケ類参入後植生調壷表

    (調査地)、 山 (戸市) 入’

    ン ・ : :上・ … 凹:茄:( .当

    璽 儒’

    18。(土 ホ ・ ・い ・ ・アンド・ 帽 , (日 夢 臨 10 x 10

    儲イ・勺 詫 一 . 隔 . 騙隔 自 曽 (土} ) 鶏 ●T ■ 腎 脚 .

    @ ε10

    2002年i備考)

    @81

    8月12鎗 (調登 井上 升二 ) B2

    S K21 o旨ε飴〃oρ3な{}僻ρ始翻 2 33 ρ励05翻。勿侶加加m6γ6必 82 十 助蜘5飴6加んθね即。欝治 書0 r 砺8名。備鈎〃θ8 8十 ゐη訪ω師㎜ρ砺〃功σ仙5 1 r 0わ5ρ脚5舶痘

    凄 r o舗θ伽」8脚爵8 6 r α㈲θ伽」印ρoη廟 7

    r ρ勿轟05麹6蜘ゐθ齢ノ。σyδ勧 2 「 .5掬{ノη加〃融方備ρ螺∂ 1 r o縁ε劫〃qρ5な。鵬ρ磁9蝕 雪 r 乙魯μ5伽r77」ερ0〃必〃辮 1

    r 乙伽5伽η7力ρo〃’切加 1 r 勲8卿μ5α儒加勧 1

    r 伽。ゐ海θ〃誘 1 r 伽 05b翻3垂

  • 資料3天配2転法輪寺タケ類参入前植生調査表

    (翻高地〉 灘 戸 ) 入