前立腺がん 手術支援ロボット『ダヴィンチ』のご案内ダヴィンチ【da vinci...
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名古屋徳洲会総合病院 泌尿器科
前立腺がん
手術支援ロボット『ダヴィンチ』のご案内
名古屋徳洲会総合病院 泌尿器科は専門医教育施設として質の高い診療
を心掛けています。
2012年4月より、手術支援ロボット『ダヴィンチ』を使用した前立腺がん
の全摘出手術が保険適用になりました。
遠隔操作
情報
情報
支援
操作部
ロボット部
モニター
恥骨膀胱
腎臓
脊椎
前立腺
直腸
尿道括約筋肛門
ダヴィンチ【da Vinci S】とは
「内視鏡手術支援ロボット ダヴィンチ」は操作部とロボット部、助手用のモニターで構成されています。
ロボット部には先端に鉗子やメスなどを取り付ける3本のアームと内視鏡が装着され、術者は箱型の操作部に映し出され
る3D映像を見ながら遠隔操作する仕組みになっています。
術野がリアルな3D映像で表示さ
れます。奥行きのある体内を約10
倍の拡大視野で見ることができ
ます。
まるで体内にもぐりこんだよう
な感覚で、直感的な操作ができ
ます。人間の手ではできない、ミ
リ単位の操作も可能です。
ロボットの手は、人間の手以上
の可動域を持っています。人間
ではありえない角度の動きが可
能になっています。
特徴 1 ◆3D HD Vision 特徴 2 ◆直感的な動き 特徴 3 ◆柔軟な動き
ダヴィンチの特徴
前立腺がんとは
前立腺がんとは、主に前立腺の外腺に発生する病気の一つです。日本ではこの45
年間で死亡率は8倍程度増加し、今後さらに増加すると予想されています。他の臓
器のがんと比べゆっくりと進行することが多く、治りやすいがんとも言われてい
ます。しかし、初期の自覚症状がほとんどないため、発見が遅れることもあります。
進行すると骨など他の臓器に転移することもあり、早期に発見し適切な治療を行
うことが大切になります。
より早い術後の回復、より少ない出血量、優れた根治性、尿禁制を含む機能の温存が期待できます。
③
①②
③
①②
③
①②
「名古屋徳洲会総合病院のダヴィンチ導入は、全国で28台目であり愛知県
内の民間病院では1台目です。その後、全国的に認知度も上がってきたため、
現在では様々な医療機関で導入されています。世界のダヴィンチ手術数も増
加傾向にあり、全国で数多くの患者さんのダヴィンチ手術が行われていま
す。しかし、私たちはこれまでに積み上げてきた数多くの経験を生かし、より
患者さんの負担を減らす工夫を行っております。
特に、当院で行っている腹膜外到達法のダヴィンチ手術に限っては、これ
までに全国の病院で最も多くの患者さんを手術させていただいております
(2014年4月時点)。」
ダヴィンチによる前立腺摘出術―世界の手術数推移―
手術中の出血量が少なく神経などの機能温
存に優れている。
開腹手術ダヴィンチ手術
腸の癒着
通常のダヴィンチ手術【経腹膜到達法】
当院のダヴィンチ手術【腹膜外到達法】
ダヴィンチによる前立腺摘出術
腸
腹膜
恥骨前立腺
前立腺膀胱
≪ 腹膜内を通って前立腺に到達する方法 ≫
◆ 手術台の頭側を下げて腸を移動させる必要がある。
◆ 頭を下げるため脳血管疾患や眼圧の高い緑内障の患者
さんには適していない。
◆ 腸の手術後で癒着のある患者さんでは手術が難しいこ
とがある。
≪ 腹膜外の小さなスペースを通って前立腺に到達する方法 ≫
◆ 難易度は高いが、手術台の頭側を下げ腸を移動させる
必要がない。
◆ 頭を下げないので、脳血管疾患や緑内障の患者さんに
適している。◆ 腸の癒着の影響がない。
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恥骨
腹部に小さい穴を数か所あけるだけなので
体への負担が少ない。
尿道と膀胱の吻合をより確実に行える。
内視鏡の拡大3D映像で見たい所を見たい方
向から見ることができる。
狭い隙間でも自由に器具を操作でき、より細
かい手術が可能。
◆ 傷口が大きい。
◆ 尿道と膀胱をつなぐ
ときの確実性に乏し
い。
◆ 血管や神経、尿道括約
筋が確認しづらい。
◆ 出血が多くなりやす
い。
◆ 大きな骨に取り囲ま
れた骨盤内の手術で
は、視野が限られて
いる。
◆ 確実性
◆ 安全性
◆ 機能性
◆ 低侵襲性
③
①②
③
①②
③
①②
多治見
神領駅
旧病院 Aコープ
サークルK 高蔵寺ふれあいセンター
高蔵寺駅
名古屋徳洲会総合病院
東濃信金
眼鏡の愛眼
高蔵寺駅前郵便局
ガスト
③
①②
広 域
医療法人 徳洲会
名古屋徳洲会総合病院〒487-0016 愛知県春日井市高蔵寺北2-56 URL:http://www.nagoya.tokushukai.or.jp
TEL:0568-51-8711FAX:0568-51-7115
周 辺
通常の手術と、どのように違うのですか?(メリットは?)
機械に誤作動はないのですか?また、停電などで機械が急停止したときはどうなるのですか?
ロボットは2000年に米国で認可され、以後改良が加わり、2010年3月から国内での販売が認められました。2010年には世界で28万件のロボット手術が行われておりますが、これまでに誤作動の事例はありません。むしろ、手ぶれなどを防ぐ機能もありますので、安全面は最重要視されております。 震災・停電などの際ですが、病院自体のバックアップ電源やロボットのバッテリーがありますので機械の急停止の可能性は非常に低いと考えております。しかし、想定外の事態には、従来から行っている腹腔鏡手術へ移行するなどの手立てがあります(ロボットは腹腔鏡手術の道具の一つだからです)。従来から行っている腹腔鏡手術に関しても、十分な経験がありますので安心して手術を受けていただけます。
前立腺がんを例にします。従来は、臍(へそ)から恥骨の高さまで10cm以上も切開し筋肉を大きく分けてから体の一番奥にある前立腺を摘出していました。しかし、ロボットでは最大直径12mmの穴からアームを入れて細かな操作をします。傷が小さいことにより術後の痛みも少なく、精密な操作により手術合併症も少なく、早期退院が可能となります。このような繊細な操作により、神経を傷つけず男性機能を温存するような手術も可能です。
前立腺がん以外の手術にもダヴィンチを使っているのですか?
はい、使っています。腎臓がんに対する腎臓部分切除術、水腎症に対する腎盂形成術、膀胱尿管逆流に対する逆流防止術に対してもダヴィンチを使って手術をしています。これらの手術は、米国を中心に最先端の治療法として広がりつつあります。しかし、日本ではまだ保険適用されておらず、臨床研究・自費診療などとして行われています。
ダヴィンチの疑問?