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日立金属グループ CSR 報告書 ダイジェスト

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Page 1: 日立金属グループ CSR報告書 ダイジェスト · また、環境データの集計範囲は、環境負荷が基準以上の42社とし、日立 金属グループの環境負荷の約98%を占めています。なお、社名などの

日立金属グループ

C S R 報 告 書

ダ イ ジ ェ ス ト

Page 2: 日立金属グループ CSR報告書 ダイジェスト · また、環境データの集計範囲は、環境負荷が基準以上の42社とし、日立 金属グループの環境負荷の約98%を占めています。なお、社名などの

日立金属 経営理念 日立金属グループ企業行動指針

わが社は

100余年の歴史をもち

主製品は質量ともに業界の首位を占めて

つねに技術に精進し

わが社を愛する人々の和の上に

『最良の会社』を具現して

社会に貢献することを念願しております

  社会的責任と社会倫理の自覚“法を守り正道を歩む”を行動の基本とし、企業活動の社会に与える影響と責任を自覚し、高い倫理観のもと誠実な企業活動を行います。国際的な事業活動においては、国際ルールと各国の法律を遵守するとともに、現地の宗教、文化、習慣を理解し、その発展に貢献します。

  ビジネスパートナーと共に成長独自の基盤技術と新しい技術に挑戦し、お客様に喜ばれる高品質で安全な製品・サービスを提供し、お取引先と公正かつ適正な取引を行います。これらのビジネスパートナーと社会的責任意識を共有し、共に成長する企業活動を行います。

  社会とのコミュニケーションの促進株主をはじめ広く社会に対し、公正かつ透明性の高い企業情報を適時・適切に開示するとともに、社会との双方向のコミュニケーションを促進し、信頼関係を築きます。

  次世代に引き継ぐ環境に配慮地球環境を守り、次世代に引き継ぐという自覚を持ち、環境に配慮し限りある資源を有効に利用します。また、新たな価値を生み出す新製品・新事業の創出を通じ、高品位の環境親和製品を提供し持続的な成長をめざします。

  働きやすい職場づくりと社会への貢献従業員の個性を尊重し多様な人材が能力を発揮できる、安全で働きやすい職場づくりをするとともに、仕事を通じた自己啓発を促します。また、社会の人々との相互信頼を確保し、誠実で差別のない企業活動を行います。そして“良き企業市民”として継続して社会に貢献します。

2006年7月26日制定

●対象期間2012年度(原則として2012年4月1日から2013年3月31日まで)

●参考にしたガイドライン「環境報告書ガイドライン」(2012年度版)(環境省)「事業者の環境パフォーマンス指標ガイドライン」(2002年度版)(環境省)「ステークホルダー重視による環境レポーティングガイドライン2001」(経済産業省)「GRIサステナビリティ・リポーティング・ガイドライン2006」(GRI:Global Reporting Initiative)

●発行目的本報告書は、日立金属グループが考えるCSR(企業の社会的責任)について、従業員が日常業務の中で実践している事例を交えてわかりやすく情報を提供し、社会とのコミュニケーションを図ることを目的に発行しています。コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス体制などの経営の仕組みや事業を通じて循環型社会の形成に深く貢献している製品開発・モノづくりなどについて、日立金属グループの姿を、さまざまなステークホルダーの皆さまに知っていただき、コミュニケーションを深めていくことで、さらに活動領域を広げていきます。なお、詳しい情報についてはWebサイトに掲載しています。

●対象範囲本報告書の対象範囲は日立金属株式会社および日立金属グループ会社(連結対象子会社60社、持分法適用会社9社)の70社としています。また、環境データの集計範囲は、環境負荷が基準以上の42社とし、日立金属グループの環境負荷の約98%を占めています。なお、社名などの名称は2013年3月31日現在のものです。

2013 CSR報告書 ダイジェストの編集について

編集方針

より詳しい情報はhttp://www.hitachi-metals.co.jp/corp/corp14.html およびPDF版をご覧ください。

日立金属グループ行動規範

http://www.hitachi-metals.co.jp/corp/corp15.html2010年9月17日制定

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トップメッセージ

日立金属グループのCSR

特集:産学連携の取り組み

社会性報告

環境性報告

第三者意見

経済性報告

コーポレートデータ

2

6

8

10

12

16

17

17

…………………………………………………………

………………………………………………

………………………………………………

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…………………………………………………………………

…………………………………………………………………

…………………………………………………………………

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C o n t e n t s

<日立金属株式会社と日立電線株式会社の合併について>2013年7月1日付で、日立金属株式会社を吸収合併存続会社、日立電線株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併の方式により両社は合併いたしました。本報告書は日立金属株式会社の2012年度(原則として2012年4月1日から2013年3月31日まで)の活動内容をまとめたものです。合併前の日立電線株式会社のCSR報告書は、以下のURLよりご参照ください。http://www.hitachi-metals.co.jp/corp/corp14_01.html

1CSR Repo r t 2 0 1 3

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トップメッセージ T o p M e s s a g e

ステークホルダーの皆さまには、平素より格別のご理解とご支援を賜り、心よりお礼申し上げます。また、「2013CSR報告書」をご覧くださり、誠にありがとうございます。2013年7月1日、日立金属は日立電線と合併し、新たな一歩を踏み出しました。新生・日立金属グループの今後の事業展開とCSRの方向性について、ご説明します。

日立金属株式会社代表執行役 執行役会長 兼 執行役社長

高機能材料メーカーとして新生・日立金属グループは

新たな可能性を追求し続け、持続的な成長をめざします。

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 日立金属株式会社(以下、日立金属)と日立電線株式会社(以

下、日立電線)は2013年7月1日を以って合併(以下、「本合併」)

し、日立金属を存続会社として新たなスタートを切りました。今後、

日立金属グループは、従来の「高級金属カンパニー」「磁性材料

カンパニー」「高級機能部品カンパニー」に「電線材料カンパニー」

を加えた4カンパニー体制で事業展開を推進していきます。

 私たちの事業領域である自動車、エレクトロニクス、産

業・情報インフラの市場では、グローバル化が急速に進み、

今後も競争は一層、激しさを増すと予想されます。このよう

な状況の中、新たに策定した2015年度中期経営計画で、

「グローバル戦略の加速」「事業領域の拡大・創出」「強固な

経営基盤の確立」を基本方針とし、高機能材料メーカーと

して、さらなる成長をめざします。

 2013年3月に終了した2012年度中期経営計画(2010

~2012年度)の期間中には、東日本大震災、タイの洪水、

欧州経済危機、為替の変動などがあり、事業環境は大きく

変化しました。目まぐるしく変わる事業環境の中で、自社

製品がグローバル市場で戦える機能・品質・コストであっ

たか、海外の生産・販売拠点は十分に機能したか、最適な

営業体制を構築したかなど、あらゆる面で課題を再認識さ

せられた3年間でした。

 本合併は、2012年度中期経営計画における、これらの

課題解決に向けた有効な手段として位置付けています。

日立金属・日立電線ともに、市場の急速なグローバル化へ

の対応が必須と認識し、材料および製品開発力を強化して

事業領域を広げ、お客さまに新たな製品・サービスを提供し、

市場基盤・顧客基盤の強化と拡大を図っていきます。これ

まで両社はそれぞれ成長・発展を模索してきましたが、従

来の取り組みに統合効果を加えることにより、今後の事業

推進のスピードは、さらに速まるものと期待しています。

 「グローバル戦略の加速」については、成長を続ける新興国

を中心とした市場のグローバル化に対応するため、2013年7

月に本社に海外事業企画センターを設置し、グループ各社の

海外戦略の立案と実行を横断的に支援する体制を整えました。

 さらに、日立金属が強みとする高付加価値材料の販売

を新興国で拡大するために、2012年11月に連結子会社

で工具メーカーの日立ツール株式会社を完全子会社化し、

日立金属の金型材料と日立ツールの工具をセットで販売

する体制を整えました。新興国では、特に高品質な素材の

販売においては、加工段階でのお客さまへの技術サポート

が不可欠です。今後は金型材などの材料開発から加工ま

でのトータル・ソリューションの提供を進め、グローバル拡

販および顧客基盤の拡大につなげていきます。

 グローバル展開の拡大に伴い、海外拠点のマネジメント

層・管理職のローカライゼーション(現地化)を進めていま

す。2013年4月に韓国拠点の経営者を日立金属の役員

に登用するとともに、自動車用鋳物を製造する韓国・米国・

日本の3工場の統括責任者にしました。また、中国事業の

責任者である中国人を日立金属の役員に任命しました。

 人材の育成も急務であり、日本人社員を駐在員候補として

育成すると同時に、現地スタッフに対する教育体制の整備、

現地の人々が活躍しやすい制度の構築を検討しています。

 こうした地域ごとの自立経営の促進と同時に、国や地域

を越えた日立金属グループとしてのアイデンティティの徹

底も重要で、グループ社員はすべて「同じ日立金属グルー

プというボートに乗っていること」を、あらゆる手段で伝え

る努力を続けています。時間をかけた継続的なコミュニ

ケーションが必要ですが、こうした私たちの取り組みは、

2011年10月に発生したタイの洪水時に、現地従業員が

真っ先に工場に駆けつけて復旧にあたるなど、着実に成果

4カンパニー体制でさらなる成長をめざす

事業環境の激変で課題を再認識 現地スタッフの育成・活用にも注力

トータル・ソリューションで新興国市場を攻略

3CSR Repo r t 2 0 1 3

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トップメッセージ T o p M e s s a g e

として顕在化しており、今後事業を展開する地域でも現地

の人々に受け入れてもらえることでしょう。

 「事業領域の拡大・創出」については、まず、既存の事業

領域で日立金属グループの強みを活かせる製品の開発・

市場投入を急ピッチで進めます。同時に、3年後を見据え

た新たな市場・領域の開拓も急がなければなりません。他

社との提携・M&Aの可能性も含め検討を進めているとこ

ろですが、具体的に取り組みを開始しているのは、航空機

とヘルスケアの分野です。

 航空機分野では2011年1月、他社との共同出資で日本

エアロフォージ株式会社を設立し、航空機用大型鍛造品の

製造事業に参入しました。国内初となる能力5万トン級の

最新鋭大型鍛造プレスを備えた工場(岡山県倉敷市)が

2013年4月に完成し、すでに操業を開始しています。航空

機部品に必要な品質認証を取得した後、本格生産に入る予

定で、今後の日本の航空機産業の発展に貢献していきます。

 また、ヘルスケア分野では現在、医療用としてCTスキャン

用シンチレータ、超音波診断装置用プローブケーブルなど

を生産しており、付加価値の高い技術を持つ同分野で、さら

に事業を伸ばしたいと考えています。

 本合併では、「守り」と「攻め」の両面の戦略で「強固な

経営基盤の確立」をめざします。「攻め」の面では、例えば、

日立電線との合併によって拠点として新たに加わったベト

ナム・メキシコ・チェコなどの海外拠点を他の事業でも活

用するなど、経営資源の相互活用により海外展開のスピー

ドアップを図ることができます。

 一方、「守り」の面では、組織の再編・統廃合により一層

の経営の効率化が可能となります。不透明な経済状況の

中、環境の変化に柔軟に対応しつつ成長を遂げるために

は、コスト競争力の強化、収益力の向上が不可欠です。具

体的には国内販売体制の見直し、本社・間接部門の合理

化、海外生産・営業拠点の最適化、グローバル調達の拡大

などを進めていきます。

 グローバル展開の拡大にあたって、コンプライアンスは

健全な事業運営の基盤となるものです。日立金属グループ

は過去に独占禁止法違反により、公正取引委員会から排

除措置命令および課徴金納付命令を受けた経験があり

ます。このため、同様の不祥事を二度と起こさないという

固い決意のもと、CSR研修や独占禁止法の遵守に関する

監査などを国内外の拠点で定期的に実施し、グループ内

の意識改革に取り組んできました。

 合併後も、「法を守り正道を歩む」という日立金属グルー

プの企業行動指針および行動規範の遵守を訴え、地道な

取り組みを進めていくことに変わりはありません。グルー

プ社員の皆さんには、一人ひとりが高い倫理観をもって業

務に取り組んでほしいと思います。

 また、コンプライアンスと同じく、何よりも優先されるも

のとして職場の安全への取り組みがあり、「ゼロ災害」実現

を最重要課題に掲げています。労働事故・災害は慣れによ

る油断や気の緩みに起因する場合が多く、労働月間・研修

の実施など、個人の意識改革のための活動を継続して進

めていきます。

 日立金属グループでは、本業を通じた貢献のほか、各事

業所を取り巻く地域社会とのコミュニケーションを大切に考

え、地域ごとに特徴ある貢献活動を実施してまいりました。

例えば、島根県の安来工場では「日立金属杯中学校親善ス

ポーツ大会」を開催したり、安来地区のグループ会社の従業

員ボランティアによる「森林整備活動」を行うなど、事業所

将来の成長を見据えて新しい事業分野を開拓

統合効果を活かす「攻め」と「守り」の戦略

コミュニティの一員として貢献活動を継続

グループ社員の意識改革の取り組みを継続

4 CSR R epo r t 2 0 1 3

Page 7: 日立金属グループ CSR報告書 ダイジェスト · また、環境データの集計範囲は、環境負荷が基準以上の42社とし、日立 金属グループの環境負荷の約98%を占めています。なお、社名などの

のスタッフが自主的に企画し、小規模ではありますが、継続

的に企業の社会的責任を果たす努力を続けています。

 7月からは、日立電線の製造・研究拠点であった茨城県

の日立市・土浦市などが、日立金属グループのコミュニティ

として加わりました。これらの地域の事業所でも、他地域と

同様に、長い目で地道な地域貢献を続けていきたいと考え

ています。

 ステークホルダーの皆さまが最も期待されているのは、

本合併から「新しい何か」が生まれてくることでしょう。

 日立金属グループは、戸畑鋳物として1910年に発足し

て以来、帝国鋳物、木津川製作所、安来製鋼所、近年では日立

フェライト、米国Honeywell 社の一部門であるMetglas、

住友特殊金属と、合併を繰り返すことにより業容を拡大し

てきました。いわば異業種との統合は創業当時からDNA

として組み込まれたものであり、本合併の効果を最大限に

活かして新たな成長ステージへ踏み出せるものと確信し

ています。

 まだ「新しい何か」を具体的に提示できる段階ではあり

ませんが、今後の私たちの取り組み次第で、1+1の結果

は、3にも4にもなるはずです。新たな可能性を追求し続

ける高機能材料メーカー、新生・日立金属グループの今後

の成長にご期待ください。

新生・日立金属グループのステークホルダーの皆さまへ

5CSR Repo r t 2 0 1 3

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■日立金属グループのCSR日立金属グループのCSR活動は、「最良の会社」を具現する企業活動そのものと言うことができ、経営理念は日立金属グループのCSRに対する考え方を的確に表しています。

■日立金属グループ倫理月間の実施2012年10月を日立金属グループ企業倫理月間と定め、各種の施策を行いました。

■コーポレート・ガバナンス当社グループは、経営の透明性および効率性を確保し、ステークホルダーの期待に応え、企業価値を増大させることがコーポレート・ガバナンスの基本であり、経営の最重要課題の一つであると認識しております。このために、経営の監督機能と業務執行機能が、おのおの有効に機能し、かつ両者のバランスのとれた組織体制を構築することが必要であると考えております。また、タイムリーで質の高い情報開示を行うことがコーポレート・ガバナンスの充実に資するものと考え、決算内容にとどまらず、

日立金属では2006年7月に日立金属グループ企業行動指針を制定し、2010年9月には行動指針を補完するグループ内

規則として「日立金属グループ行動規範」を制定いたしました。そして、「法を守り正道を歩む」を企業活動の基盤におき

CSR活動を進めて参りました。しかし、2006年および2007年に残念ながら独占禁止法違反の事例が発覚しました。

その後、二度と法令違反を起こさないために、国内外の事業所においてコンプライアンス部門による巡回研修を実施して

まいりました。2012年度も以下のように国内外において巡回研修や階層別研修を実施いたしました。過去の事例を風化

させることなく、今後もこの施策を実施してまいります。

コンプライアンスへの取り組み

【2012年度国内外日立金属グループ会社内巡回研修】

1.営業管掌役員およびコンプライアンス部門による巡回研修

2.コンプライアンス部門による海外巡回研修

3.階層別コンプライアンス研修

:独占禁止法遵守および行動指針、贈賄行為防止のためのグローバルコンプライアンス、情報セキュリティ研修:日本国内日立金属 本社、支店および営業所、製造事業所および研究所グループ会社本社および営業拠点 :メールアドレス所持者:2012年8月~2012年12月:140事業所79回(一部、合同および複数回開催)

 :独占禁止法遵守および行動指針、贈賄行為防止のためのグローバルコンプライアンス、情報セキュリティ研修:海外事業所:管理職以上:2013年1月~3月(タイ国内事業所は2012年7月実施):29拠点24回(一部合同開催)

:新入社員導入研修:新任係長研修:新任副参事研修:営業収計研修:新任マネージャー研修

2012年 4月6月7月10月11月

研 修 内 容

対象事業所

対 象 者期 間開 催 回 数

研 修 内 容

対象事業所対 象 者期 間開 催 回 数

国内研修(日立金属本社)

海外研修(Hitachi Metals Europe)

海外研修 日立金属(東莞)特殊鋼有限公司

日立金属グループのCSR H i tach i Meta l s Group’s CSR

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定期的に個別事業の内容や中期経営計画の開示を行うこととしております。

■内部統制システムの整備状況米国における企業改革法(Sarbanes-Oxley Act)の要請に基づき、標準的なフレームワーク(COSOフレームワーク)に基づいた内部統制システムの整備を進めてきており、財務報告に係る内部統制について文書化ならびに有効性の評価を行っています。あわせて平成20年度からわが国でも金融商品取引法の要請に基づき導入されている内部

統制報告制度にあわせ、さらにそのレベルの向上をめざしています。

労働災害撲滅への取り組み2012年の当社グループの安全成績は、休業災害件数単独3件、国内連結グループ8件となり、前年の安全成績(休業災害

件数単独4件、国内連結グループ11件)から一定の改善を図ることができましたが、目標とするゼロ災害には未だ届いて

おりません。2013年も2012年に続き「『安全はすべてに優先する』安全文化を、1人ひとりが定着させよう」をスロー

ガンに、当社グループ全体で安全衛生活動を展開することとしております。

2012年の労働災害を分析すると重大災害につながる転倒、転落災害が多く発生しており、また、不安全行為による災害も

未だ発生しております。2013年は、昨年の反省を踏まえ、職場全員参加型のリスクアセスメントを実施することといた

しました。職場構成員自らがリスクアセスメントを実施し、本質安全を追求することを通し、真に安全で快適な職場を

全員で実現する体制づくりに向け、引き続き努力してまいります。

【コンプライアンス特命監査】

日立金属の全事業所を対象とした、特命監査を実施いたしました。対象事業所の書類(課金、加入団体書類)の閲覧および

営業担当部長全員から、独占禁止法に触れる違反行為がないか聞き取り調査を行いました。

また、業界団体などの会合に出席した際の記録簿(コンプライアンス情報記録ノート*)の記載状況も閲覧し、違法行為が

行われていないことを確認いたしました。

    実施期間:2012年12月~2013年3月 

【コンプライアンス監査】

日立金属では、監査室による日立金属グループの全事業所を対象とした社内監査を行っています。コンプライアンス担当部門

もこの監査に同行し、法令違反の疑いが無いかコンプライアンス監査を行っています。

【コンプライアンス・ホットライン】

2005年4月に「日立金属コンプライアンス・ホットライン規則」を制定し、当社およびグループ会社における違法、または

不適切な行為を防止し、早期に是正するための内部通報制度をスタートさせました。これは、当社およびグループ会社で

働くすべての従業員が電子メールや封書で職場の問題を相談できる仕組みです。上司に相談できない、あるいは相談しても

聞いてもらえない場合に直接、当制度を利用して問題解決を図ることが出来る制度です。

匿名での通報や、コンプライアンス・ホットライン専用窓口だけでなく、監査役会へ直接通報なども行うことが可能です。

全社コンプライアンス研修時にも、必ずコンプライアンス・ホットライン制度について説明を行い、すべての従業員に制度の

存在を浸透させております。

*コンプライアンス情報記録ノート:業界団体などの会合で、やむを得ず競合他社の社員と会ってしまった時などに、法に触れるような行為はしていないという記録を残しておくノート。

詳細はhttp : //www.hitachi -metals.co.jp/corp/corp14.htmlをご覧ください。

7CSR Repo r t 2 0 1 3

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働きやすい職場づくりと社会への貢献■人材育成日立金属グループの「人」に対する考え方は、創業以来の基本精神である「和則彊(和すれば強し)」に凝縮されています。これを基盤とし、「個性と自立心が発揮できる組織風土づくり」をめざした活動を続けています。

■労使関係「相互信頼の基盤」に立った労使関係のもと、お互いがそれぞれの基本的権利と義務を尊重し、労使共通の課題に誠意をもって取り組んでいます。■人権の尊重各種ハラスメントの相談窓口など、これらを担保する会社の制度の設置はもちろんのこと、e-learningの仕組みを利用した人権教育や階層別研修などさまざまな機会を通じて計画的に人権意識を高める啓発活動に力を入れております。

日立金属グループでは、環境活動や「CSR報告書」に対して、より広くご意見をいただくために、2012年度より法政大学人間環境学部の長谷川 直哉(はせがわ なおや)教授と共に産学連携の取り組みを始めました。2012年7月7日には、同学部の「人間環境セミナー」において、当社技術センター環境管理部 飯島 克(いいじま まさる)が「日立金属の環境管理」というテーマで講演を行いました。この内容を中心に、産学連携の目的や意義、めざす方向性などをご説明します。

法政大学人間環境学部で、日立金属グループの環境管理に関する講演を開催

●「人間環境セミナー」と当社講演のあらまし 持続可能な社会の構築に向けて環境問題に取り組む法政大学人間環境学部では、企業・自治体など第一線で活躍中の専門家による講演「人間環境セミナー」を実施しています。セミナーの講師としてお招きを受けた当社では80数名の学生の方々を前に、「日立金属の環境管理」のテーマで「日立グループおよび日立金属グループの環境管理体制」「日立金属グループの環境管理活動」などを約90分間、スライドでご説明しました。質疑応答では、製品の原材料を採掘・調達する際の環境負荷の低減に関するご質問なども頂戴し、当社にとっても非常に有意義なセミナーとなりました。

●進展を続ける産学連携 2013年6月5日には、長谷川教授を日立金属の本社にお招きし、「日立金属の環境活動に望む事」というテーマで、各部門の環境・CSR担当者を集めてセミナーを実施し、産学連携の取り組みを継続的に推進しています。 この内容については、別の機会にご紹介する予定です。

キーパーソン ダイアログ

キーパーソンである長谷川教授と飯島主任技師に、産学連携の現状や今後の取り組みなどを聞きました。

Q1 産学連携を始めた経緯や目的を教えてください。

長谷川教授:私が2011年から取り組んでいる「人間環境セミナー」では、さまざまな業種の企業をお招きして、環境経営・CSRの最前線のお話を伺っていますが、今回、素材メーカーである日立金属にも参加をお願いし、快諾をいただきました。 私が受け持つゼミでは、素材メーカー、すなわち日立金属を含むB to B企業が今後の日本経済で重要な役割を果たすと考え、チーム制で研究しています。B to B企業は一般の消費者から少し距離がありますが、一般消費者にもなじみが深い自動車メーカーや家電メーカーのサプライチェーンでは重要な役割を担っています。しかもエネルギー消費や廃棄物の排出など、環境・CSRの側面においても厳しい条件で事業運営を行っているケースが多く、もっと深く研究したいという思いがありました。このため、日立金属は我々にとって、非常に関心の高い企業として位置付けられています。飯 島:日立金属では毎年、「CSR報告書」を作成して社会に向けて情報開示を行っています。ただ、直接お取引関係などがないステークホルダーの皆さまからご意見・ご感想をいただく機会が少なく、もっと多くの方々とコミュニケーションする機会が必要だと感じていました。そんなときに長谷川先生からセミナー講師のお声掛けがあり、絶好のチャンスだと思ったのです。日本の将来を担う学生さんのご意見を活かしながら、日立金属が提供するさまざまな

飯島主任技師講演

聴講する学生

長谷川教授

飯島主任技師

8 CSR R epo r t 2 0 1 3

特集:産学連携の取り組み Feature: Industry-Academia Col laborat ion

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■障がい者雇用・次世代育成支援 障がい者雇用の分野では1998年に特例子会社である㈱ハローを設置、2006年に㈱桑名クリエイト(現日立金属ファインテック㈱)が特例認定を受けるなど、障がい者雇用に関しては早くから取り組みを強化しております。上記2つの会社では知的障がい者を積極的に受け入れ、地域からも表彰を受けるなど、その取り組みに高い評価を得ております。 次世代育成支援施策としては、2008年度より子ども手

当を創設し、子育てする従業員へのサポートを強化しました。また当社は出産・介護を機に退職された方の再雇用制度を1992年よりいち早く導入するなど先進的な取り組みを行っております。育児・介護・看護に関連した休職・休暇制度も定着しており、看護については家族看護休暇として看護対象を子だけではなく本人または配偶者の父母、配偶者まで拡大するなど、各制度の適用範囲・期間・日数において改正育児介護休業法による規定を上回る整備をしています。

製品を通じた社会貢献を環境という視点でとらえ、今後の環境活動の質の向上につなげていきたいと考えています。

飯 島:講演では、日立金属の製品が使われている産業分野のご紹介、そして素材メーカーとして資源循環という仕組みの中でどのように製品の製造を行っているか、の2点をポイントにお話ししました。セミナー後の学生さんのご意見では、日立金属の製品を理解できたという感想のほかに、もっとこうしたほうがいいという厳しいコメントもあり、従来はふれることのできなかった意見として、新鮮な気持ちで受け止めました。長谷川教授:学生たちの反応で一番多かったのは、「私たちは日立金属の製品を、知らないうちに毎日使っていた」というもの。毎日、身近な存在として自動車や家電品に接しているけれど、日立金属の製品が組み込まれていることを知らずにいたという、その気付きが最も大きな収穫です。これにより、B to Bという事業形態を実感できたと言えるでしょう。また、あるチームからは「日本経済をこれから再生させるにはB to B企業が核になる」とか「日本の素材メーカーが持っている技術力や製品のクオリティの高さは、まだまだほかの国には負けていない」といった意見も出ました。

飯 島:従来の環境活動では、製品の製造工程で廃水や排ガスを出さない、あるいは減らすといった取り組みが中心でした。ところが、最近では環境適合製品の創出や生物多様性の保全など、企業グループ全体で取り組む環境活動への要求が高まっています。この状況において、自分たちが取り組んでいる環境活動が、結果として社会にどのように貢献しているか、どれくらい効果が出ているかを自己評価したいのですが、そのための情報を入手しにくいのが現実です。 効果を客観的に把握し今後の事業活動に反映するためには、環境経営・CSRに関する専門的な知識や世界の動向に詳しい長谷川先生にいろいろ教えていただき、将来の環境活動の方向付けをしていくのが重要なアプローチ手段だと判断しました。長谷川教授:学生にとってB to B企業は本当は身近な存在なのですが、普段は「遠くにある存在」なので、彼らにどういう企業かを理解さ

せるには、まずはさまざまな情報を提示してもらうことが必要です。例えば、安来工場で発生するスラグを利用した魚礁・藻礁が生物多様性の保全に役立っていることを、資源循環の考え方と関連付けてもっと広く発信してもらえれば、学生の理解が深まります。そういった情報を基に日立金属の皆さまと接することにより、より深くB to B企業が社会で果たす役割について研究をすることができるので、この産学連携の機会を大切にしたいと考えています。

長谷川教授:合併で新たに生まれた価値観や事業展開などが、日立金属のCSRにどのように反映されていくか非常に興味があるので、引き続き勉強していきたいと思います。フィールドスタディ(現地学習)として各工場の見学と同時に、現場の環境管理のご担当者と意見交換ができれば、学生も日立金属というB to B企業をもっと身近に感じられるでしょう。今後も定期的に授業にお招きして、日立金属の最先端の取り組みについて、講義をお願いする予定です。飯 島:日立金属は、お客さまであるメーカー各社のサプライチェーンの一員であると同時に、自社のサプライチェーンも持っています。合併で拡大した事業活動によって提供される製品がこれらのサプライチェーンで、さらにはバリューチェーン全体で、どのように環境・社会に貢献していくのかを意識しながら、日立金属グループの全社が協働しなければなりません。そのためのご指導・ご助言を、継続的に長谷川先生からいただき、もっと視野を広げて環境活動を推進していきます。

Q2 講演「日立金属の環境管理」に対する、学生の方々の反応はいかがでしたか?

Q3 今回の産学連携がもたらしている、主な効果を挙げてください。

Q4 日立電線との合併後、産学連携をどのように発展させていきますか?

(本ダイアログは2013年6月20日に行われました。)

詳細はhttp : //www.hitachi -metals.co.jp/corp/corp14.htmlをご覧ください。

9CSR Repo r t 2 0 1 3

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● 法令・社会規範の遵守● 公平・公正な取引● オープン・グローバルな調達● パートナーシップの構築● 機密情報の保持● 環境の保全

日立金属グループ調達方針

ビジネスパートナーと共に成長■お客さまに喜ばれる製品づくりをめざす日立金属グループは、「品質最優先と顧客第一主義」の品質保証活動理念のもと、これまで構築してきた品質保証技術に磨きをかけ、お客さまとお客さまの先に存在する消費者の皆さまに喜ばれる製品を提供することで、社会に貢献していきたいと考えています。

■お取引先に対して調達活動におけるCSRは、当社自らがCSR実践企業であ

ることと共に、CSR実践企業とお取引することにより実現します。当社は取引開始時にこの基本的な考えをお伝えし、かつお取引先の活動状況を確認しています。

島根CO2吸収認証制度は、企業や団体等が労働力を提供または費用を負担することにより、県所有林や市町村所有林を整

備し、これにより増加したCO2吸収量を県が認証する制度で、2010年度から開始されました。安来工場は、2011年度か

らこの制度に参加しており、2012年度は地域の森林整備貢献のために6.85ha(CO2吸収増加量に換算すると57.3トン)

分にあたる寄付金を納付いたしました。

また、2012年10月15日には、この制度およびこの制度に参加する企業のCSR活動を広く普及啓発することを目的とした

イベントが実施されました。日立金属グループからは、日立金属(安来工場、メトグラス安来工場)、日立金属安来製作所、

日立メタルプレシジョンの有志53名が参加し、間伐、枝打ち、玉切りなど約0.1haにおよぶ森林整備を行いました。今後

も毎年継続的に実施を予定しています。

日立金属 安来工場が森林整備活動に参加

:2012年10月15日:島根県安来市広瀬町布部:しまね森林活動サポートセンター:日立金属株式会社 安来工場:島根県、安来市、しまね東部森林組合:53名(インストラクターなどを含まない)

実 施 日場 所主 催共 催協 力日立金属グループ参加者

【平成24年度島根CO2吸収認証普及啓発イベント】

2012年度認証書

森林整備を行ったメンバー

社会性報告 Soc ia l Repor t

10 CSR R epo r t 2 0 1 3

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社会とのコミュニケーションの促進■個人情報保護/情報セキュリティへの取り組み日立金属グループでは2004年4月に「情報セキュリティ基本方針」を、次いで2005年1月には「個人情報保護方針」を制定し、これらの方針に基づき個人情報保護/情報セキュリティ体制を確立し、情報セキュリティ対策に継続的に取り組んでいます。

■株主・投資家をはじめとした社会に対して タイムリーに情報を発信日立金属グループは、透明性の高い「ひらかれた企業」として信頼を得るため、迅速・正確かつ公平な会社情報の開示を適切に進めるべく、社内体制の充実に努め、タイムリーな情報発信を行っています。

日立グループは2012年9月1日~2日の二日間、宮城県気仙沼市において、復興支援巡回イベント「東北みらいづくりDAY with Hitachi」を開催しました。このイベントは、東日本大震災で甚大な被害を受けた沿岸地域の活力再生と復興を後押しすることを目的として企画されました。「共にあるこう。未来をつくろう。」をテーマに開催し、著名人のトークショー、コンサート、ワークショップ、スポーツクリニック、日立の展開する事業を体感できる展示コーナーなど、盛りだくさんの内容で実施し900名を超える方々にご来場いただきました。

日立金属は日立製作所とともに、「日立サイエンス・セミナー My磁石でMyモーターをつくろう!」を開催し、磁石の不思議とクリップモーターづくりを親子で楽しく体験していただきました。今後も、日立金属では日立グループの一員として被災地域の皆さまの元気を応援してまいります。

日立グループが「東北みらいづくりDAY with Hitachi」を開催日立金属は「日立サイエンス・セミナー My磁石でMyモーターをつくろう!」に参加

2012年11月4日、東京都千代田区の科学技術館において、日立グループ3社による科学教室「日立サイエンス・セミナーMy磁石とMy乾電池でMyモーターをつくろう!」が開催され、科学技術館サイエンス友の会*会員の小学4年生から中学2年生19名が参加しました。

「日立サイエンス・セミナー」は、次世代を担う子どもたちにモノづくりの楽しさを分かりやすく伝え、理科や科学への関心を高めてもらうことを目的として、日立グループが実施しているプログラムです。今回のセミナーは、今年度全3回の第1回目として開催され、第1部「磁石ってなんだろう?」の講師を日立金属、第2部「乾電池をつくってみよう!」を日立マクセルエナジー、第3部「クリップモーターをつくろう!」を日立製作所日立研究所が担当しました。

第1部の「磁石ってなんだろう?」では、磁石の種類や性質について実験を交えて学んだ後、自分の磁石を作りました。第2部の「乾電池をつくってみよう!」では、乾電池が工場で製造される工程を映像で学んだ後、キットを使って乾電池を作りました。そして第3部の「クリップモーターをつくろう!」では、セミナーで作った磁石と乾電池を使ってクリップモーター作りを行い、モーターの仕組みを学びました。子どもたちは長時間にもかかわらず、それぞれの実験に真剣な様子で取り組んでいました。

日立金属・日立製作所・日立マクセルエナジーの3社が科学技術館で「日立サイエンス・セミナー My磁石とMy乾電池でMyモーターをつくろう!」を開催

*科学技術館が運営している小学3年生から高校3年生までの会員制の組織。子どもたちの「科学する心」を育て、「創る喜び」を体験してもらうことを目的として、工作教室や実験教室、自然観察教室などさまざまな体験学習を開催している。

詳細はhttp : //www.hitachi -metals.co.jp/corp/corp14.htmlをご覧ください。

11CSR Repo r t 2 0 1 3

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●中・長期的な環境戦略グローバルな環境経営の推進日立金属グループが事業展開する国や地域の特性を考慮しながら、日立金属グループの環境保全基本方針、環境行動計画の共有を図り、環境負荷低減活動、特に環境リスク管理の強化をめざします。

地球温暖化防止地球温暖化防止の社会的ニーズを好機として捉え、製造プロセス改革に取り組み、モノづくり強化によるエネルギー原単位の低減をめざします。

環境適合製品の拡大省エネルギー・省資源、地球温暖化防止、有害物質の削減など、環境をニーズとしてとらえた環境適合製品の創出・拡大に経営資源を集中し、循環型社会の構築に貢献することをめざします。

資源の有効活用製造プロセス改革による廃棄物の削減や廃棄物の再資源化の用途開発、使用済み製品の回収など、多面的な取り組みを推進します。

●環境目的・目標と実績2012年度は、環境適合製品の拡大や廃棄物発生量原単位削減の取り組みにより、ほぼ目標達成できました。しかし、CO2排出量原単位削減において、電力需給のひっ迫による電力CO2換算係数の増加の影響を受け、目標未達となりました。2013年度からは新たに2015年度環境中期計画を掲げ、環境活動に取り組んでいきます。

定量的な項目

定性的な項目

*1:環境活動の目標に対する達成度を評価する日立グループの仕組み。2011年度から配点内容が変更されました。*2:環境適合製品の中で、製品、サービスの環境価値が特に高い製品*3:目標のサイトは日本国内の第一種エネルギー管理指定工場

環境マインド&グローバル環境経営

環境に高いレベルで配慮した工場とオフィス

次世代製品とサービスの提供

環境マインド&グローバル環境経営

環境目的区分 指標

区分 環境目的 2012年度実績

環境活動レベルの向上

環境教育

環境適合製品の拡大

資源の有効活用

地球温暖化防止

グローバル環境管理の推進

環境担当者のスキルアップ

製品含有化学物質の適正管理

環境情報の開示

環境適合製品のPR活動

社会貢献

グループ環境委員会の開催

海外事業所との役割分担決定、監査資料作成

環境相互監査員養成研修:16名受講

生態系保全アセスメントチェックシートの作成

製品化学物質管理システム運用定着、利用拡大

2012 日立金属グループCSR報告書の発行

法政大学にて環境講義(7月)

展示会などへの参画(エコプロダクツ2012に出展など)

地域環境保全活動への参画

地域清掃活動の実施

GREEN21-2015*1グリーンポイント

エコマインド教育受講率

環境適合製品売上高比率

環境適合製品セレクト*2の創出

名目生産高廃棄物発生量原単位の削減率(2005年度対比、グローバル)

水使用量原単位(2005年度比、海外)

名目生産高CO2排出量原単位(2009年度対比、日本国内)*3

CO2排出量削減率(1990年度対比、日本国内)*3

輸送エネルギー原単位削減率(前年度対比、日本国内)

次世代製品とサービスの提供ステークホルダーとの協働

生態系(生物多様性)の保全

環境性報告 Env i ronmenta l Repor t

12 CSR R epo r t 2 0 1 3

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「エコプロダクツ展2012」に出展2012年12月13日~15日に東京ビッグサイトで開催された「エコプロダクツ展2012」に出展しました。希土類磁石やアモルファス薄帯などの環境適合製品を来場者の方々に紹介するとともに、小学生から大人まで希土類磁石の性能を体感していただくため、磁力の強さや発電力が体験できる実演コーナーを設けました。

: 目標達成 : 目標90%達成 : 目標未達

200

400

600

800

1000

1200

1400

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

0

CO2排出量(千t-CO2/年)

売上高エネルギー原単位(原油kℓ/百万円)

1990 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

地球温暖化防止環境適合製品の拡大 環境適合製品売上高売上高比率(実績)売上高比率(計画)

CO2排出量(実績)売上高エネルギー原単位(実績)

CO2排出量目標900千t-CO2以下(2008-2012年)

600,000

400,000

200,000

0

100

90

80

70

60

50

40

30

20

10

0

売上高(百万円)

環境適合製品売上高比率(%)

2008 2009 2010 2011 2012 2015計画

500,000

300,000

100,000

環境適合製品売上高比率

2012年度目標 2012年度実績 達成度

達成度

392ポイント

95%以上

75%以上

1機種

9%以上

18%減

2%減

10%減

1%減

456ポイント

99%

76%

3機種(累計)

11%

29%

2%増

19%

1%増

詳細はhttp : //www.hitachi -metals.co.jp/corp/corp14.htmlをご覧ください。

13CSR Repo r t 2 0 1 3

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環境性報告 Env i ronmenta l Repor t

太陽光発電スマー ト

燃料電池

スマートメーター

CIGS太陽電池用ターゲット材

太陽電池用インターコネクタ材

SOFC(固体酸化物形燃料電池)用インターコネクタ材

配電変圧器用アモルファスリボンMetglas®

太陽光発電システムソラシエ®

低燃費車

工場・プラント

高性能金型材DAC-MAGIC®など

深彫加工用エンドミルエポックディープエボリューションシリーズ

ステンレス加工用エンドミルエポックSUSシリーズ

アモルファスカットコア

無散水型融雪機器温水パネル

社会・インフラ

複合超鋼ロールDUPLEX®

床吹出空調用OAフロアシステム「美風」®

オフィス・OA

●日立金属グループの環境・エネルギー関連製品日立金属グループは、発電・変電から、工場・プラント・オフィス・家庭および自動車における使用段階まで、私たち社会の幅広い範囲で、環境・エネルギーに貢献する素材や製品を開発し、提供しています。

14 CSR R epo r t 2 0 1 3

Page 17: 日立金属グループ CSR報告書 ダイジェスト · また、環境データの集計範囲は、環境負荷が基準以上の42社とし、日立 金属グループの環境負荷の約98%を占めています。なお、社名などの

詳細はhttp : //www.hitachi -metals.co.jp/corp/corp14.htmlをご覧ください。

変電所

グリッド

火力発電所 ほか●Ni基超耐熱合金USC-141

風力・太陽光発電所

送電網

配電網

電力線通信用磁気部品

2次電池電極用クラッド材

HEV・EV用 希土類磁石NEOMAX®

ガスタービン用精密鋳造翼

風力発電機用希土類磁石NEOMAX®

変圧器用アモルファスリボンMetglas®

アモルファスカットコア

タービンブレード

ハイブリッド・電気自動車

耐熱鋳造部品ハーキュナイト®シリーズ

高意匠アルミホイールSCUBA®

低燃費車

大型商用車用セラキャット®フィルター

無段変速機(CVT)用ベルト材マルエージング鋼

プーリ

エレメント

15CSR Repo r t 2 0 1 3

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高めることでサステナビリティ社会に貢献する取り組みは高く評価されます。特集で取り上げられている産学連携の取り組みは、近くて遠い存在だったB to B企業を身近な存在として実感する貴重な機会となっています。報告書の発行にとどまらず、アクティブなステークホルダー・エンゲージメントの実践を期待しています。

利益の質保証への期待 次世代の企業情報開示ツールとして統合報告が注目されています。統合報告は財務情報と非財務情報を統合し比較可能な形で開示することをめざすものです。企業価値は財務資本や有形資産のみによって表象されるものではなく、非財務情報を含めた多面的な視点から生み出されるという方向へ変化しています。環境(E)、社会(S)、コーポレートガバナンス(G)を企業価値に反映させようという国連責任投資原則もこうした流れを加速しています。企業価値は利益の量的拡大と質的均衡から生み出されるでしょう。CSRとは「利益の質保障」に他なりません。報告書で開示する情報はステークホルダーの価値観の進展に伴って多様化しています。統合報告をはじめとする情報開示の新しいフレームワークを積極的に取り入れて、読者や投資家の理解を深めていくことが必要です。日立金属グループが提唱する「最良の会社」を体現する形でCSR活動と情報開示が進化していくことを期待しています。

以上

重要性を増すCSR 欧州連合(EU)はCSRの定義を「企業の社会への影響に対する責任」と改めました。その背景には、コミュニティや従業員が健康で幸せでなければ持続可能な発展はないという考えがあるからです。サステナビリティ社会の実現に向けて、これまで以上に企業が果たすべき役割は大きくなっています。CSRを巡る国際的な潮流の中で注目すべきキーワードは、①ISO26000に代表される国際規範、②共通価値の創造(CSV:Creating Shared Value)、③サプライチェーンにおけるCSR、④国連責任投資原則、⑤統合報告です。5つのキーワードに共通する理念は、企業が社会的課題を直視し事業活動との関連性を踏まえたCSRを実践し、ステークホルダーに対して的確な説明責任を果たしているかという点です。合併によって事業領域が拡大した新生日立金属グループが展開するCSRへの期待は、これまで以上に大きくなっているといえましょう。

リジリエンスの向上 日立金属グループは、早い時期から環境保全基本方針・環境行動計画の制定、環境適合製品の拡大、地球温暖化防止対策の実施、資源の有効活用、CSR調達、教育啓発活動など多彩なCSR活動を実施しています。「質にこだわる経営」はCSRの具現そのものであるというトップメッセージは、M.ポーターが提唱する共通価値の創造を先取りする理念といえましょう。社会的課題への挑戦を通じ、企業のリジリエンスを

貢献するものと考えております。また、今年7月に日立金属と

日立電線は合併いたしましたが、この合併の効果を最大限に

引き出すことにより、さらにリジリエンスを高めることができる

と期待しております。

 また、ステークホルダーとのコミュニケーションもCSR経営

を向上させる重要な要素と認識しております。産学連携の活

動をさらに深化させるとともに、統合報告についても検討を進

め、ステークホルダーの皆さまに当社の企業活動をより総合

的にご理解いただけるよう取り組んでまいります。

 貴重なアドバイスをありがとうございます。

 我々が事業を展開してきた市場領域では、事業環境がグ

ローバルに、かつ急激に変化しており、今後ますます競争が激

しくなっていくことが予想されております。こうしたなか、法令

遵守、環境保全、品質・安全の確保、人材の多様化、情報セキュリ

ティの強化は当然ながら、①ISO26000、②CSV、③サプライ

チェーンにおけるCSRなどといった社会的課題に積極的に取

り組む経営を行うことが、事業環境の変化に柔軟に対応できる

強い企業体質をつくりあげ、また、持続可能な社会の実現に

         代表執行役日立金属株式会社 執行役常務  島 順彦当社の回答

法政大学人間環境学部 教授 長谷川 直哉(はせがわ・なおや)

第三者意見 Th i rd Pa r t y ’s Op in ion

16 CSR R epo r t 2 0 1 3

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コーポレートデータ日立金属主要製造拠点(2013年3月末現在)

会社概要

設   立

資 本 金

代 表 者

従 業 員 数

高級金属製品

事 業 内 容

グループ会社

本   社

高級機能部品

電子・情報部品

1956年(昭和31年)4月10日

26,284百万円(2013年3月末現在)

代表執行役 執行役会長 兼 執行役社長 藤井 博行

日立金属グループ連結 : 17,308名(2013年3月末現在)

高級金属製品、電子・情報部品、高級機能部品の製造と販売、サービス他

60の子会社、9の関連会社

〒105-8614東京都港区芝浦一丁目2番1号 シーバンスN館フリーコール   : 0800-500-5055FAX :(03)5765-8311

2012年3月期 財務ハイライト(連結)

安来工場〒692-8601島根県安来市安来町2107番地2

(株)日立金属若松〒808-8558福岡県北九州市若松区北浜一丁目9番1号

熊谷製作所〒360-8577埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地

山崎製造部〒618-0013 大阪府三島郡島本町江川二丁目15番17号

九州工場〒800-0393福岡県京都郡苅田町長浜町35番地

真岡工場〒321-4367栃木県真岡市鬼怒ヶ丘13番地

熊谷工場〒360-8577埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地

桑名工場〒511-8511三重県桑名市大福2番地

佐賀工場〒849-2102佐賀県杵島郡大町町大字福母282番地

メトグラス安来工場〒692-8601 島根県安来市飯島町1240番地2

09年3月

10年3月

11年3月

12年3月

09年3月

10年3月

11年3月

12年3月

09年3月

10年3月

11年3月

12年3月

09年3月

10年3月

11年3月

09年3月

10年3月

11年3月

12年3月

09年3月

10年3月

11年3月

12年3月

営業利益 当期純利益 設備投資額 研究開発費 自己資本利益率(ROE)売上高百万円 百万円 百万円 百万円 百万円

800,000

700,000

600,000

500,000

400,000

300,000

200,000

100,000

0

70,000

60,000

50,000

40,000

30,000

20,000

10,000

0

30,000

25,000

20,000

15,000

10,000

5,000

0

-5,000

60,000

50,000

40,000

30,000

20,000

10,000

0

14,000

12,000

10,000

8,000

6,000

4,000

2,000

0

14.0

12.0

10.0

8.0

6.0

4.0

2.0

0

-2.0

590,704

431,683

520,186556,914

15,05813,349

43,14344,867

1,937

-3,016

22,204

17,866

-1.5

1.0

11.0

8.343,768

24,30020,369

16,485

12,15312,224

10,626

13,083

12年3月

13年3月

13年3月

13年3月

13年3月

13年3月

13年3月

535,779

21,079

12,95526,688

11,076

5.5

%

経済性報告・コーポレートデータ Economic Repor t & Corpora te Da ta

詳細はhttp : //www.hitachi -metals.co.jp/corp/corp14.htmlをご覧ください。

17CSR Repo r t 2 0 1 3

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Printed in Japan

カタログ番号 HM-45-20132013年8月作成(H)FT3

CSR推進室

日立金属のCSRへの取り組みに関するご意見・ご感想に対するお問い合わせ先

〒105-8614 東京都港区芝浦一丁目2番1号 シーバンスN館TEL:(03)5765-4591 FAX:(03)5765-4597

http://www.hitachi-metals.co.jp/

本報告書は、VOC(揮発性有機化合物)成分ゼロの100%植物油型インキを使用しています。

古紙のリサイクルに取り組むオフィス町内会と、森林の再生に取り組む岩手県岩泉町との連携により実現した「森の町内会̶間伐に寄与した紙̶」を本文用紙に使用しています。

不要となった際は、古紙回収・リサイクルに出してください。

A-(2)-060002