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特別支援学校高等部学習指導要領等 文 部 科 学 省

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特別支援学校高等部学習指導要領等

文 部 科 学 省

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目 次

Ⅰ.特別支援学校高等部学習指導要領(平成 31 年文部科学省告示第 14号)

Ⅱ.特別支援学校高等部学習指導要領 比較対照表

Ⅲ.移行措置関係規定

○平成 31 年4月1日から新特別支援学校高等部学習指導要領が適用されるまでの間

における現行特別支援学校高等部学習指導要領の特例を定める件(平成 31 年文部科

学省告示第 15 号)

○平成 31 年4月1日から新高等学校学習指導要領が適用されるまでの間における現

行高等学校学習指導要領の特例を定める件(平成 30 年文部科学省告示第 172 号)

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Ⅰ.特別支援学校高等部学習指導要領

(平成 31 年文部科学省告示第 14 号)

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特別支援学校高等部学習指導要領〔目 次〕

前 文・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1第1章 総則・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3第1節 教育目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3第2節 教育課程の編成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

第2章 各教科・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30第1節 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に

対する教育を行う特別支援学校・・・・・・・・・・・・・・・ 30第1款 各教科の目標及び各科目の目標と内容・・・・・・・・・・・ 30第2款 各科目に関する指導計画の作成と内容の取扱い・・・・・・・ 301 視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校・・・・ 302 聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校・・・・ 313 肢体不自由者である生徒に対する教育を行う特別支援学校・・・ 314 病弱者である生徒に対する教育を行う特別支援学校・・・・・・ 32

第3款 保健理療・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32第4款 理 療・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52第5款 理学療法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 73第6款 印 刷・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 88第7款 理容・美容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・101第8款 クリーニング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・116第9款 歯科技工・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・126

第2節 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校・・・・140第1款 各学科に共通する各教科の目標及び内容・・・・・・・・・・140〔国 語〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・140〔社 会〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・146〔数 学〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・153〔理 科〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・170〔音 楽〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・179〔美 術〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・187〔保健体育〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・191〔職 業〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・198〔家 庭〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・203〔外国語〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・211〔情 報〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・217

第2款 主として専門学科において開設される各教科の目標及び内容・222〔家 政〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・223〔農 業〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・224〔工 業〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・226〔流通・サービス〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・228〔福 祉〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・230

第3款 指導計画の作成と各教科全体にわたる内容の取扱い・・・・・231第3章 特別の教科 道徳(知的障害者である生徒に対する教育を行う

特別支援学校)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・233第4章 総合的な探究の時間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・234第5章 特別活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・235第6章 自立活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・236附 則・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・239

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Ⅰ- 1

教育は,教育基本法第1条に定めるとおり,人格の完成を目指し,平和で民主的な

国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期す

という目的のもと,同法第2条に掲げる次の目標を達成するよう行われなければなら

ない。

1 幅広い知識と教養を身に付け,真理を求める態度を養い,豊かな情操と道徳心を

培うとともに,健やかな身体を養うこと。

2 個人の価値を尊重して,その能力を伸ばし,創造性を培い,自主及び自律の精神

を養うとともに,職業及び生活との関連を重視し,勤労を重んずる態度を養うこと

3 正義と責任,男女の平等,自他の敬愛と協力を重んずるとともに,公共の精神に

基づき,主体的に社会の形成に参画し,その発展に寄与する態度を養うこと。

4 生命を尊び,自然を大切にし,環境の保全に寄与する態度を養うこと。

5 伝統と文化を尊重し,それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに,

他国を尊重し,国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。

これからの学校には,こうした教育の目的及び目標の達成を目指しつつ,一人一人

の生徒が,自分のよさや可能性を認識するとともに,あらゆる他者を価値のある存在

として尊重し,多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え,豊かな人生

を切り拓き,持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが求められひら

る。このために必要な教育の在り方を具体化するのが,各学校において教育の内容等

を組織的かつ計画的に組み立てた教育課程である。

教育課程を通して,これからの時代に求められる教育を実現していくためには,よ

りよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会とが共有し,そ

れぞれの学校において,必要な学習内容をどのように学び,どのような資質・能力を

身に付けられるようにするのかを教育課程において明確にしながら,社会との連携及

び協働によりその実現を図っていくという,社会に開かれた教育課程の実現が重要と

なる。

学習指導要領とは,こうした理念の実現に向けて必要となる教育課程の基準を大綱

的に定めるものである。学習指導要領が果たす役割の一つは,公の性質を有する学校

における教育水準を全国的に確保することである。また,各学校がその特色を生かし

て創意工夫を重ね,長年にわたり積み重ねられてきた教育実践や学術研究の蓄積を生

かしながら,生徒や地域の現状や課題を捉え,家庭や地域社会と協力して,学習指導

要領を踏まえた教育活動の更なる充実を図っていくことも重要である。

生徒が学ぶことの意義を実感できる環境を整え,一人一人の資質・能力を伸ばせる

ようにしていくことは,教職員をはじめとする学校関係者はもとより,家庭や地域の

人々も含め,様々な立場から生徒や学校に関わる全ての大人に期待される役割である

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Ⅰ- 2

。幼児期の教育及び義務教育の基礎の上に,高等部卒業以降の教育や職業,生活,生

涯にわたる学習とのつながりを見通しながら,生徒の学習の在り方を展望していくた

めに広く活用されるものとなることを期待して,ここに特別支援学校高等部学習指導

要領を定める。

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Ⅰ- 3

第1章 総 則

第1節 教育目標

高等部における教育については,学校教育法第72条に定める目的を実現するた

めに,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を十分考慮して,次に掲

げる目標の達成に努めなければならない。

1 学校教育法第51条に規定する高等学校教育の目標

2 生徒の障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服し自立を図るため

に必要な知識,技能,態度及び習慣を養うこと。

第2節 教育課程の編成

第1款 高等部における教育の基本と教育課程の役割

1 各学校においては,教育基本法及び学校教育法その他の法令並びにこの章以

下に示すところに従い,生徒の人間として調和のとれた育成を目指し,生徒の

障害の状態や特性及び心身の発達の段階等,学科の特色及び学校や地域の実態

を十分考慮して,適切な教育課程を編成するものとし,これらに掲げる目標を

達成するよう教育を行うものとする。

2 学校の教育活動を進めるに当たっては,各学校において,第3款の1に示す

主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して,創意工夫を生か

した特色ある教育活動を展開する中で,次の(1)から(4)までに掲げる事項の実

現を図り,生徒に生きる力を育むことを目指すものとする。

(1) 基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ,これらを活用して課題

を解決するために必要な思考力,判断力,表現力等を育むとともに,主体的

に学習に取り組む態度を養い,個性を生かし多様な人々との協働を促す教育

の充実に努めること。その際,生徒の発達の段階を考慮して,生徒の言語活

動など,学習の基盤をつくる活動を充実するとともに,家庭との連携を図り

ながら,生徒の学習習慣が確立するよう配慮すること。

(2) 道徳教育や体験活動,多様な表現や鑑賞の活動等を通して,豊かな心や創

造性の涵養を目指した教育の充実に努めること。かん

学校における道徳教育は,人間としての在り方生き方に関する教育を学校

の教育活動全体を通じて行うことによりその充実を図るものとし,視覚障害

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者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対する教育を行う特

別支援学校においては,各教科に属する科目(以下「各教科・科目」という

。),総合的な探究の時間,特別活動及び自立活動(以下「各教科・科目等

」という。)において,また,知的障害者である生徒に対する教育を行う特

別支援学校においては,第3章に掲げる特別の教科である道徳(以下「道徳

科」という。)を要として,各教科,総合的な探究の時間,特別活動及び自

立活動において,それぞれの特質に応じて,適切な指導を行うこと。

道徳教育は,教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基

づき,生徒が自己探求と自己実現に努め国家・社会の一員としての自覚に基

づき行為しうる発達の段階にあることを考慮し,人間としての在り方生き方

を考え,主体的な判断の下に行動し,自立した人間として他者と共によりよ

く生きるための基盤となる道徳性を養うことを目標とすること。

道徳教育を進めるに当たっては,人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念

を家庭,学校,その他社会における具体的な生活の中に生かし,豊かな心を

もち,伝統と文化を尊重し,それらを育んできた我が国と郷土を愛し,個性

豊かな文化の創造を図るとともに,平和で民主的な国家及び社会の形成者と

して,公共の精神を尊び,社会及び国家の発展に努め,他国を尊重し,国際

社会の平和と発展や環境の保全に貢献し未来を拓く主体性のある日本人の育ひら

成に資することとなるよう特に留意すること。

(3) 学校における体育・健康に関する指導を,生徒の発達の段階を考慮して,

学校の教育活動全体を通じて適切に行うことにより,健康で安全な生活と豊

かなスポーツライフの実現を目指した教育の充実に努めること。特に,学校

における食育の推進並びに体力の向上に関する指導,安全に関する指導及び

心身の健康の保持増進に関する指導については,保健体育科,家庭科及び特

別活動の時間はもとより,各教科・科目,総合的な探究の時間及び自立活動

(知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校においては,各教

科,道徳科,総合的な探究の時間及び自立活動。)などにおいてもそれぞれ

の特質に応じて適切に行うよう努めること。また,それらの指導を通して,

家庭や地域社会との連携を図りながら,日常生活において適切な体育・健康

に関する活動の実践を促し,生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送る

ための基礎が培われるよう配慮すること。

(4) 学校における自立活動の指導は,障害による学習上又は生活上の困難を改

善・克服し,自立し社会参加する資質を養うため,自立活動の時間はもとよ

り,学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に,自立活動の

時間における指導は,各教科・科目,総合的な探究の時間及び特別活動(知

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的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校においては,各教科,

道徳科,総合的な探究の時間及び特別活動。)と密接な関連を保ち,個々の

生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を的確に把握して,適切な

指導計画の下に行うよう配慮すること。

3 2の(1)から(4)までに掲げる事項の実現を図り,豊かな創造性を備え持続可

能な社会の創り手となることが期待される生徒に,生きる力を育むことを目指

すに当たっては,学校教育全体,各教科・科目等並びに知的障害者である生徒

に対する教育を行う特別支援学校における各教科,道徳科,総合的な探究の時

間,特別活動及び自立活動(以下「各教科等」という。)において,それぞれ

の指導を通してどのような資質・能力の育成を目指すのかを明確にしながら,

教育活動の充実を図るものとする。その際,生徒の障害の状態や特性及び心身

の発達の段階等を踏まえつつ,次に掲げることが偏りなく実現できるようにす

るものとする。

(1) 知識及び技能が習得されるようにすること。

(2) 思考力,判断力,表現力等を育成すること。

(3) 学びに向かう力,人間性等を涵養すること。かん

4 学校においては,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等,学校や

地域の実態等に応じて,就業やボランティアに関わる体験的な学習の指導を適

切に行うようにし,勤労の尊さや創造することの喜びを体得させ,望ましい勤

労観,職業観の育成や社会奉仕の精神の涵養に資するものとする。かん

5 各学校においては,生徒や学校,地域の実態を適切に把握し,教育の目的や

目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと

,教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと,教育課程の実施

に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことな

どを通して,教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向

上を図っていくこと(以下「カリキュラム・マネジメント」という。)に努め

るものとする。その際,生徒に何が身に付いたかという学習の成果を的確に捉

え,第2款の3の(5)のイに示す個別の指導計画の実施状況の評価と改善を,

教育課程の評価と改善につなげていくよう工夫すること。

第2款 教育課程の編成

1 各学校の教育目標と教育課程の編成

教育課程の編成に当たっては,学校教育全体,各教科・科目等及び各教科等

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において,それぞれの指導を通して育成を目指す資質・能力を踏まえつつ,各

学校の教育目標を明確にするとともに,教育課程の編成についての基本的な方

針が家庭や地域とも共有されるよう努めるものとする。その際,第4章総合的

な探究の時間において準ずるものとしている高等学校学習指導要領第4章の第

2の1に基づき定められる目標との関連を図るものとする。

2 教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成

(1) 各学校においては,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を考

慮し,言語能力,情報活用能力(情報モラルを含む。),問題発見・解決能

力等の学習の基盤となる資質・能力を育成していくことができるよう,各教

科・科目等又は各教科等の特質を生かし,教科等横断的な視点から教育課程

の編成を図るものとする。

(2) 各学校においては,生徒や学校,地域の実態並びに生徒の障害の状態や特

性及び心身の発達の段階等を考慮し,豊かな人生の実現や災害等を乗り越え

て次代の社会を形成することに向けた現代的な諸課題に対応して求められる

資質・能力を,教科等横断的な視点で育成していくことができるよう,各学

校の特色を生かした教育課程の編成を図るものとする。

3 教育課程の編成における共通的事項

(1) 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対する教

育を行う特別支援学校における各教科・科目等の履修等

ア 各教科・科目及び単位数等

(ア) 卒業までに履修させる単位数等

各学校においては,卒業までに履修させる(イ)から(オ)までに示す各教

科・科目及びその単位数,総合的な探究の時間の単位数,特別活動及び

その授業時数並びに自立活動の授業時数に関する事項を定めるものとす

る。この場合,卒業までに履修させる単位数の計は,イの(ア)及び(イ)に

掲げる各教科・科目の単位数並びに総合的な探究の時間の単位数を含め

て74単位(自立活動の授業については,授業時数を単位数に換算して,

この単位数に含めることができる。)以上とする。

単位については,1単位時間を50分とし,35単位時間の授業を1単位

として計算することを標準とする。

(イ) 各学科に共通する各教科・科目及び標準単位数

各学校においては,教育課程の編成に当たって,次の表に掲げる各教

科・科目及びその標準単位数を踏まえ,生徒に履修させる各教科・科目

及びそれらの単位数について適切に定めるものとする。ただし,生徒の

実態等を考慮し,特に必要がある場合には,標準単位数の標準の限度を

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超えて単位数を増加して配当することができる。

標 準 標 準教 科 科 目 教 科 科 目

単位数 単位数

現 代 の 国 語 2 保健体育 体 育 7~8

言 語 文 化 2 保 健 2

国 語 論 理 国 語 4 音 楽 Ⅰ 2

文 学 国 語 4 音 楽 Ⅱ 2

国 語 表 現 4 音 楽 Ⅲ 2

古 典 探 究 4 美 術 Ⅰ 2

地 理 総 合 2 美 術 Ⅱ 2

地 理 探 究 3 芸 術 美 術 Ⅲ 2

地理歴史 歴 史 総 合 2 工 芸 Ⅰ 2

日 本 史 探 究 3 工 芸 Ⅱ 2

世 界 史 探 究 3 工 芸 Ⅲ 2

公 共 2 書 道 Ⅰ 2

公 民 倫 理 2 書 道 Ⅱ 2

政 治 ・ 経 済 2 書 道 Ⅲ 2

数 学 Ⅰ 3 英語コミュニ 3

数 学 Ⅱ 4 ケーションⅠ

数 学 数 学 Ⅲ 3 英語コミュニ 4

数 学 A 2 ケーションⅡ

数 学 B 2 外 国 語 英語コミュニ 4

数 学 C 2 ケーションⅢ

科学と人間生活 2 論理・表現Ⅰ 2

物 理 基 礎 2 論理・表現Ⅱ 2

物 理 4 論理・表現Ⅲ 2

化 学 基 礎 2 家 庭 家 庭 基 礎 2

理 科 化 学 4 家 庭 総 合 4

生 物 基 礎 2 情 報 情 報 Ⅰ 2

生 物 4 情 報 Ⅱ 2

地 学 基 礎 2 理 数 理数探究基礎 1

地 学 4 理 数 探 究 2~5

(ウ) 主として専門学科において開設される各教科・科目

各学校においては,教育課程の編成に当たって,視覚障害者である生

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徒に対する教育を行う特別支援学校にあっては次の表の㋐及び㋑,聴覚

障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校にあっては次の表の

㋐及び㋒,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対する教育を行う特別

支援学校にあっては次の表の㋐に掲げる主として専門学科(専門教育を

主とする学科をいう。以下同じ。)において開設される各教科・科目及

び設置者の定めるそれぞれの標準単位数を踏まえ,生徒に履修させる各

教科・科目及びその単位数について適切に定めるものとする。

㋐ 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対

する教育を行う特別支援学校

教 科 科 目

農 業 農業と環境,課題研究,総合実習,農業と情報,作物

,野菜,果樹,草花,畜産,栽培と環境,飼育と環境

,農業経営,農業機械,植物バイオテクノロジー,食

品製造,食品化学,食品微生物,食品流通,森林科学

,森林経営,林産物利用,農業土木設計,農業土木施

工,水循環,造園計画,造園施工管理,造園植栽,測

量,生物活用,地域資源活用

工 業 工業技術基礎,課題研究,実習,製図,工業情報数理

,工業材料技術,工業技術英語,工業管理技術,工業

環境技術,機械工作,機械設計,原動機,電子機械,

生産技術,自動車工学,自動車整備,船舶工学,電気

回路,電気機器,電力技術,電子技術,電子回路,電

子計測制御,通信技術,プログラミング技術,ハード

ウェア技術,ソフトウェア技術,コンピュータシステ

ム技術,建築構造,建築計画,建築構造設計,建築施

工,建築法規,設備計画,空気調和設備,衛生・防災

設備,測量,土木基盤力学,土木構造設計,土木施工

,社会基盤工学,工業化学,化学工学,地球環境化学

,材料製造技術,材料工学,材料加工,セラミック化

学,セラミック技術,セラミック工業,繊維製品,繊

維・染色技術,染織デザイン,インテリア計画,イン

テリア装備,インテリアエレメント生産,デザイン実

践,デザイン材料,デザイン史

商 業 ビジネス基礎,課題研究,総合実践,ビジネス・コミ

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ュニケーション,マーケティング,商品開発と流通,

観光ビジネス,ビジネス・マネジメント,グローバル

経済,ビジネス法規,簿記,財務会計Ⅰ,財務会計Ⅱ

,原価計算,管理会計,情報処理,ソフトウェア活用

,プログラミング,ネットワーク活用,ネットワーク

管理

水 産 水産海洋基礎,課題研究,総合実習,海洋情報技術,

水産海洋科学,漁業,航海・計器,船舶運用,船用機

関,機械設計工作,電気理論,移動体通信工学,海洋

通信技術,資源増殖,海洋生物,海洋環境,小型船舶

,食品製造,食品管理,水産流通,ダイビング,マリ

ンスポーツ

家 庭 生活産業基礎,課題研究,生活産業情報,消費生活,

保育基礎,保育実践,生活と福祉,住生活デザイン,

服飾文化,ファッション造形基礎,ファッション造形

,ファッションデザイン,服飾手芸,フードデザイン

,食文化,調理,栄養,食品,食品衛生,公衆衛生,

総合調理実習

看 護 基礎看護,人体の構造と機能,疾病の成り立ちと回復

の促進,健康支援と社会保障制度,成人看護,老年看

護,小児看護,母性看護,精神看護,在宅看護,看護

の統合と実践,看護臨地実習,看護情報

情 報 情報産業と社会,課題研究,情報の表現と管理,情報

テクノロジー,情報セキュリティ,情報システムのプ

ログラミング,ネットワークシステム,データベース

,情報デザイン,コンテンツの制作と発信,メディア

とサービス,情報実習

福 祉 社会福祉基礎,介護福祉基礎,コミュニケーション技

術,生活支援技術,介護過程,介護総合演習,介護実

習,こころとからだの理解,福祉情報

理 数 理数数学Ⅰ,理数数学Ⅱ,理数数学特論,理数物理,

理数化学,理数生物,理数地学

体 育 スポーツ概論,スポーツⅠ,スポーツⅡ,スポーツⅢ

,スポーツⅣ,スポーツⅤ,スポーツⅥ,スポーツ総

合演習

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Ⅰ- 10

音 楽 音楽理論,音楽史,演奏研究,ソルフェージュ,声楽

,器楽,作曲,鑑賞研究

美 術 美術概論,美術史,鑑賞研究,素描,構成,絵画,版

画,彫刻,ビジュアルデザイン,クラフトデザイン,

情報メディアデザイン,映像表現,環境造形

英 語 総合英語Ⅰ,総合英語Ⅱ,総合英語Ⅲ,ディベート・

ディスカッションⅠ,ディベート・ディスカッション

Ⅱ,エッセイライティングⅠ,エッセイライティング

㋑ 視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

教科 科目

保健理療 医療と社会,人体の構造と機能,疾病の成り立ちと予

防,生活と疾病,基礎保健理療,臨床保健理療,地域

保健理療と保健理療経営,保健理療基礎実習,保健理

療臨床実習,保健理療情報,課題研究

㋒ 聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

教科 科目

印 刷 印刷概論,印刷デザイン,印刷製版技術,DTP技術

,印刷情報技術,デジタル画像技術,印刷総合実習,

課題研究

理容・美容 関係法規・制度,衛生管理,保健,香粧品化学,文化

論,理容・美容技術理論,運営管理,理容実習,美容

実習,理容・美容情報,課題研究

クリーニング クリーニング関係法規,公衆衛生,クリーニング理論

,繊維,クリーニング機器・装置,クリーニング実習

,課題研究

(エ) 学校設定科目

学校においては,生徒や学校,地域の実態及び学科の特色等に応じ,

特色ある教育課程の編成に資するよう,(イ)及び(ウ)の表に掲げる教科に

ついて,これらに属する科目以外の科目(以下「学校設定科目」という

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Ⅰ- 11

。)を設けることができる。この場合において,学校設定科目の名称,

目標,内容,単位数等については,その科目の属する教科の目標に基づ

き,高等部における教育としての水準の確保に十分配慮し,各学校の定

めるところによるものとする。

(オ) 学校設定教科

㋐ 学校においては,生徒や学校,地域の実態及び学科の特色等に応じ

,特色ある教育課程の編成に資するよう,(イ)及び(ウ)の表に掲げる教

科以外の教科(以下この項及び第4款の1の(2)において「学校設定

教科」という。)及び当該教科に関する科目を設けることができる。

この場合において,学校設定教科及び当該教科に関する科目の名称,

目標,内容,単位数等については,高等部における教育の目標に基づ

き,高等部における教育としての水準の確保に十分配慮し,各学校の

定めるところによるものとする。

㋑ 学校においては,学校設定教科に関する科目として「産業社会と人

間」を設けることができる。この科目の目標,内容,単位数等を各学

校において定めるに当たっては,産業社会における自己の在り方生き

方について考えさせ,社会に積極的に寄与し,生涯にわたって学習に

取り組む意欲や態度を養うとともに,生徒の主体的な各教科・科目の

選択に資するよう,就業体験活動等の体験的な学習や調査・研究など

を通して,次のような事項について指導することに配慮するものとす

る。

a 社会生活や職業生活に必要な基本的な能力や態度及び望ましい勤

労観,職業観の育成

b 我が国の産業の発展とそれがもたらした社会の変化についての考

c 自己の将来の生き方や進路についての考察及び各教科・科目の履

修計画の作成

イ 各教科・科目の履修等

(ア) 各学科に共通する必履修教科・科目及び総合的な探究の時間

㋐ 全ての生徒に履修させる各教科・科目(以下「必履修教科・科目」

という。)は次のとおりとし,その単位数は,アの(イ)に標準単位数

として示された単位数を下らないものとする。ただし,生徒の実態及

び専門学科の特色等を考慮し,特に必要がある場合には,「数学Ⅰ」

及び「英語コミュニケーションⅠ」については2単位とすることがで

き,その他の必履修教科・科目(標準単位数が2単位であるものを除

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Ⅰ- 12

く。)についてはその単位数の一部を減じることができる。

a 国語のうち「現代の国語」及び「言語文化」

b 地理歴史のうち「地理総合」及び「歴史総合」

c 公民のうち「公共」

d 数学のうち「数学Ⅰ」

e 理科のうち「科学と人間生活」,「物理基礎」,「化学基礎」,

「生物基礎」及び「地学基礎」のうちから2科目(うち1科目は「

科学と人間生活」とする。)又は「物理基礎」,「化学基礎」,「

生物基礎」及び「地学基礎」のうちから3科目

f 保健体育のうち「体育」及び「保健」

g 芸術のうち「音楽Ⅰ」,「美術Ⅰ」,「工芸Ⅰ」及び「書道Ⅰ」

のうちから1科目

h 外国語のうち「英語コミュニケーションⅠ」(英語以外の外国語

を履修する場合は,学校設定科目として設ける1科目とし,その標

準単位数は3単位とする。)

i 家庭のうち「家庭基礎」及び「家庭総合」のうちから1科目

j 情報のうち「情報Ⅰ」

㋑ 総合的な探究の時間については,全ての生徒に履修させるものとし

,その単位数は,各学校において,生徒や学校の実態に応じて適切に

定めるものとする。

㋒ 外国の高等学校等に留学していた生徒について,外国の高等学校等

における履修により,必履修教科・科目又は総合的な探究の時間の履

修と同様の成果が認められる場合においては,外国の高等学校等にお

ける履修をもって相当する必履修教科・科目又は総合的な探究の時間

の履修の一部又は全部に替えることができる。

(イ) 専門学科における各教科・科目の履修

専門学科における各教科・科目の履修については,(ア)のほか次のと

おりとする。

㋐ 専門学科においては,専門教科・科目(アの(ウ)の表に掲げる各教

科・科目,同表の教科に属する学校設定科目及び専門教育に関する学

校設定教科に関する科目をいう。以下同じ。)について,全ての生徒

に履修させる単位数は,25単位を下らないこと。ただし,各学科の目

標を達成する上で,専門教科・科目以外の各教科・科目の履修により

,専門教科・科目の履修と同様の成果が期待できる場合においては,

その専門教科・科目以外の各教科・科目の単位数の一部の履修をもっ

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Ⅰ- 13

て,当該専門教科・科目の単位数の一部の履修に替えることができる

こと。

㋑ 専門教科・科目の履修によって,(ア)の必履修教科・科目の履修と

同様の成果が期待できる場合においては,その専門教科・科目の履修

をもって,必履修教科・科目の履修の一部又は全部に替えることがで

きること。

㋒ 職業教育を主とする専門学科においては,総合的な探究の時間の履

修により,農業,工業,商業,水産,家庭,情報,保健理療,印刷,

理容・美容若しくはクリーニングの各教科の「課題研究」,看護の「

看護臨地実習」又は福祉の「介護総合演習」(以下「課題研究等」と

いう。)の履修と同様の成果が期待できる場合においては,総合的な

探究の時間の履修をもって課題研究等の履修の一部又は全部に替える

ことができること。また,課題研究等の履修により,総合的な探究の

時間の履修と同様の成果が期待できる場合においては,課題研究等の

履修をもって総合的な探究の時間の履修の一部又は全部に替えること

ができること。

ウ 各教科・科目等の授業時数等

(ア) 各教科・科目,ホームルーム活動及び自立活動の授業は,年間35週行

うことを標準とし,必要がある場合には,各教科・科目及び自立活動の

授業を特定の学期又は特定の期間(夏季,冬季,学年末等の休業日の期

間に授業日を設定する場合を含む。)に行うことができる。

(イ) 週当たりの授業時数は,30単位時間を標準とする。ただし,特に必要

がある場合には,これを増加することができる。

(ウ) ホームルーム活動の授業時数については,原則として,年間35単位時

間以上とするものとする。

(エ) 生徒会活動及び学校行事については,生徒や学校の実態に応じて,そ

れぞれ適切な授業時数を充てるものとする。

(オ) 各学年の自立活動の時間に充てる授業時数は,生徒の障害の状態や特

性及び心身の発達の段階等に応じて,適切に定めるものとする。

(カ) 各教科・科目等のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,

各教科・科目等の授業時数を確保しつつ,生徒の実態及び各教科・科目

等の特質を考慮して適切に定めるものとする。

(キ) 各教科・科目等の特質に応じ,10分から15分程度の短い時間を活用し

て特定の各教科・科目等の指導を行う場合において,当該各教科・科目

等を担当する教師が単元や題材など内容や時間のまとまりを見通した中

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Ⅰ- 14

で,その指導内容の決定や指導の成果の把握と活用等を責任をもって行

う体制が整備されているときは,その時間を当該各教科・科目等の授業

時数に含めることができる。

(ク) 総合的な探究の時間における学習活動により,特別活動の学校行事に

掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合においては,総合的

な探究の時間における学習活動をもって相当する特別活動の学校行事に

掲げる各行事の実施に替えることができる。

(ケ) 理数の「理数探究基礎」又は「理数探究」の履修により,総合的な探

究の時間の履修と同様の成果が期待できる場合においては,「理数探究

基礎」又は「理数探究」の履修をもって総合的な探究の時間の履修の一

部又は全部に替えることができる。

(2) 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校における各教科等

の履修等

ア 各教科等の履修

(ア) 卒業までに履修させる各教科等

各学校においては,卒業までに履修させる(イ)から(エ)までに示す各教

科及びその授業時数,道徳科及び総合的な探究の時間の授業時数,特別

活動及びその授業時数並びに自立活動の授業時数に関する事項を定める

ものとする。

(イ) 各学科に共通する各教科等

㋐ 国語,社会,数学,理科,音楽,美術,保健体育,職業及び家庭の

各教科,道徳科,総合的な探究の時間,特別活動並びに自立活動につ

いては,特に示す場合を除き,全ての生徒に履修させるものとする。

㋑ 外国語及び情報の各教科については,生徒や学校の実態を考慮し,

必要に応じて設けることができる。

(ウ) 主として専門学科において開設される各教科

㋐ 専門学科においては,(イ)のほか,家政,農業,工業,流通・サー

ビス若しくは福祉の各教科又は(エ)に規定する学校設定教科のうち専

門教育に関するもの(以下「専門教科」という。)のうち,いずれか

1以上履修させるものとする。

㋑ 専門教科の履修によって,(イ)の㋐の全ての生徒に履修させる各教

科の履修と同様の成果が期待できる場合においては,その専門教科の

履修をもって,全ての生徒に履修させる各教科の履修に替えることが

できる。

(エ) 学校設定教科

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Ⅰ- 15

学校においては,生徒や学校,地域の実態及び学科の特色等に応じ,

特色ある教育課程の編成に資するよう,(イ)及び(ウ)に掲げる教科以外の

教科(以下この項において「学校設定教科」という。)を設けることが

できる。この場合において,学校設定教科の名称,目標,内容等につい

ては,高等部における教育の目標に基づき,高等部における教育として

の水準の確保に十分配慮し,各学校の定めるところによるものとする。

イ 各教科等の授業時数等

(ア) 各教科等(ただし,この項及び(ク)において,特別活動についてはホ

ームルーム活動に限る。)の総授業時数は,各学年とも1,050単位時間

(1単位時間は,50分として計算するものとする。(ウ)において同じ。

)を標準とし,特に必要がある場合には,これを増加することができる

。この場合,各教科等の目標及び内容を考慮し,各教科及び総合的な探

究の時間の配当学年及び当該学年における授業時数,道徳科,特別活動

及び自立活動の各学年における授業時数を適切に定めるものとする。

(イ) 各教科,道徳科,ホームルーム活動及び自立活動の授業は,年間35週

行うことを標準とし,必要がある場合には,各教科,道徳科及び自立活

動の授業を特定の学期又は特定の期間(夏季,冬季,学年末等の休業日

の期間に授業日を設定する場合を含む。)に行うことができる。

(ウ) 専門学科においては,専門教科について,全ての生徒に履修させる授

業時数は,875単位時間を下らないものとする。

(エ) ホームルーム活動の授業時数については,原則として,年間35単位時

間以上とするものとする。

(オ) 生徒会活動及び学校行事については,生徒や学校の実態に応じて,そ

れぞれ適切な授業時数を充てるものとする。

(カ) 総合的な探究の時間に充てる授業時数は,各学校において,生徒や学

校の実態に応じて,適切に定めるものとする。

(キ) 各学年の自立活動の時間に充てる授業時数は,生徒の障害の状態や特

性及び心身の発達の段階等に応じて,適切に定めるものとする。

(ク) 各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,各教科

等の授業時数を確保しつつ,生徒の実態及び各教科等の特質を考慮して

適切に定めるものとする。

(ケ) 各教科等の特質に応じ,10分から15分程度の短い時間を活用して特定

の各教科等の指導を行う場合において,当該各教科等を担当する教師が

単元や題材など内容の時間のまとまりを見通した中で,その指導内容の

決定や指導の成果の把握と活用等を責任をもって行う体制が整備されて

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Ⅰ- 16

いるときは,その時間を当該各教科等の授業時数に含めることができる

(コ) 総合的な探究の時間における学習活動により,特別活動の学校行事に

掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合においては,総合的

な探究の時間における学習活動をもって相当する特別活動の学校行事に

掲げる各行事の実施に替えることができる。

(3) 選択履修の趣旨を生かした適切な教育課程の編成

教育課程の編成に当たっては,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の

段階等に応じた適切な各教科・科目(知的障害者である生徒に対する教育を

行う特別支援学校においては各教科。以下この項,(4)のイ,(6)及び第5款

において同じ。)の履修ができるようにし,このため,多様な各教科・科目

を設け生徒が自由に選択履修することのできるよう配慮するものとする。ま

た,教育課程の類型を設け,そのいずれかの類型を選択して履修させる場合

においても,その類型において履修させることになっている各教科・科目以

外の各教科・科目を履修させたり,生徒が自由に選択履修することのできる

各教科・科目を設けたりするものとする。

(4) 各教科・科目等又は各教科等の内容等の取扱い

ア 学校においては,第2章以下に示していない事項を加えて指導すること

ができる。また,第2章第1節第1款において準ずるものとしている高等

学校学習指導要領第2章及び第3章並びに同節第3款から第9款までに示

す各科目又は第2節第1款及び第2款に示す各教科の内容の取扱いのうち

内容の範囲や程度等を示す事項は,当該科目(知的障害者である生徒に対

する教育を行う特別支援学校においては各教科。)を履修する全ての生徒

に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学

校において必要がある場合には,この事項にかかわらず指導することがで

きる。ただし,これらの場合には,第2章以下に示す各教科・科目等又は

各教科等の目標や内容の趣旨を逸脱したり,生徒の負担が過重となったり

することのないようにするものとする。

イ 第2章以下に示す各教科・科目,特別活動及び自立活動の内容に掲げる

事項の順序は,特に示す場合を除き,指導の順序を示すものではないので

,学校においては,その取扱いについて適切な工夫を加えるものとする。

ウ 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対する

教育を行う特別支援学校においては,あらかじめ計画して,各教科・科目

の内容及び総合的な探究の時間における学習活動を学期の区分に応じて単

位ごとに分割して指導することができる。

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Ⅰ- 17

エ 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対する

教育を行う特別支援学校においては,特に必要がある場合には,第2章に

示す教科及び科目の目標の趣旨を損なわない範囲内で,各教科・科目の内

容に関する事項について,基礎的・基本的な事項に重点を置くなどその内

容を適切に選択して指導することができる。

オ 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校において,各教

科の指導に当たっては,各教科の段階に示す内容を基に,生徒の知的障害

の状態や経験等に応じて,具体的に指導内容を設定するものとする。その

際,高等部の3年間を見通して計画的に指導するものとする。

カ 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校において,道徳

科の指導に当たっては,第3章に示す道徳科の目標及び内容に示す事項を

基に,生徒の知的障害の状態や経験等に応じて,具体的に指導内容を設定

するものとする。

(5) 指導計画の作成等に当たっての配慮すべき事項

ア 各学校においては,次の事項に配慮しながら,学校の創意工夫を生かし

,全体として,調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする。

(ア) 各教科・科目等又は各教科等の指導内容については,単元や題材など

内容や時間のまとまりを見通しながら,そのまとめ方や重点の置き方に

適切な工夫を加え,第3款の1に示す主体的・対話的で深い学びの実現

に向けた授業改善を通して資質・能力を育む効果的な指導ができるよう

にすること。

(イ) 各教科・科目等又は各教科等について相互の関連を図り,系統的,発

展的な指導ができるようにすること。

(ウ) 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校において,各

教科等の一部又は全部を合わせて指導を行う場合には,各教科,道徳科

,特別活動及び自立活動の内容を基に,生徒の知的障害の状態や経験等

に応じて,具体的に指導内容を設定するものとする。また,各教科,道

徳科,特別活動及び自立活動の内容の一部又は全部を合わせて指導を行

う場合は,授業時数を適切に定めること。

イ 各教科・科目等又は各教科等の指導に当たっては,個々の生徒の実態を

的確に把握し,次の事項に配慮しながら,個別の指導計画を作成すること

(ア) 生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等並びに学習の進度を

考慮して,基礎的・基本的な事項に重点を置くこと。

(イ) 生徒が,基礎的・基本的な知識及び技能の習得も含め,学習内容を確

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Ⅰ- 18

実に身に付けることができるよう,それぞれの生徒に作成した個別の指

導計画や学校の実態に応じて,指導方法や指導体制の工夫改善に努める

こと。その際,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等並びに

学習の進度を考慮して,個別指導を重視するとともに,グループ別学習

,繰り返し学習,学習内容の習熟の程度に応じた学習,生徒の興味・関

心等に応じた課題学習,補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を

取り入れることや,教師間の協力による指導体制を確保することなど,

指導方法や指導体制の工夫改善により,個に応じた指導の充実を図るこ

と。その際,第3款の1の(3)に示す情報手段や教材・教具の活用を図

ること。

(6) キャリア教育及び職業教育に関して配慮すべき事項

ア 学校においては,第5款の1の(3)に示すキャリア教育及び職業教育を

推進するために,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等,学校

や地域の実態等を考慮し,地域及び産業界や労働等の業務を行う関係機関

との連携を図り,産業現場等における長期間の実習を取り入れるなどの就

業体験活動の機会を積極的に設けるとともに,地域や産業界や労働等の業

務を行う関係機関の人々の協力を積極的に得るよう配慮するものとする。

イ 普通科においては,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等,

学校や地域の実態等を考慮し,必要に応じて,適切な職業に関する各教科

・科目の履修の機会の確保について配慮するものとする。

ウ 職業教育を主とする専門学科においては,次の事項に配慮するものとす

る。

(ア) 職業に関する各教科・科目については,実験・実習に配当する授業時

数を十分確保するようにすること。

(イ) 生徒の実態を考慮し,職業に関する各教科・科目の履修を容易にする

ため特別な配慮が必要な場合には,各分野における基礎的又は中核的な

科目を重点的に選択し,その内容については基礎的・基本的な事項が確

実に身に付くように取り扱い,また,主として実験・実習によって指導

するなどの工夫をこらすようにすること。

エ 職業に関する各教科・科目については,次の事項に配慮するものとする

(ア) 職業に関する各教科・科目については,就業体験活動をもって実習に

替えることができること。この場合,就業体験活動は,その各教科・科

目の内容に直接関係があり,かつ,その一部としてあらかじめ計画し,

評価されるものであることを要すること。

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(イ) 農業,水産及び家庭に関する各教科・科目の指導に当たっては,ホー

ムプロジェクトなどの活動を活用して,学習の効果を上げるよう留意す

ること。この場合,ホームプロジェクトについては,適切な授業時数を

これに充てることができること。

4 学部段階間及び学校段階等間の接続

教育課程の編成に当たっては,次の事項に配慮しながら,学部段階間及び学

校段階等間の接続を図るものとする。

(1) 現行の特別支援学校小学部・中学部学習指導要領又は中学校学習指導要領

を踏まえ,中学部における教育又は中学校教育までの学習の成果が高等部に

おける教育に円滑に接続され,高等部における教育段階の終わりまでに育成

することを目指す資質・能力を,生徒が確実に身に付けることができるよう

工夫すること。

(2) 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対する教

育を行う特別支援学校においては,生徒や学校の実態等に応じ,必要がある

場合には,例えば次のような工夫を行い,義務教育段階での学習内容の確実

な定着を図るようにすること。

ア 各教科・科目の指導に当たり,義務教育段階での学習内容の確実な定着

を図るための学習機会を設けること。

イ 義務教育段階での学習内容の確実な定着を図りながら,必履修教科・科

目の内容を十分に習得させることができるよう,その単位数を標準単位数

の標準の限度を超えて増加して配当すること。

ウ 義務教育段階での学習内容の確実な定着を図ることを目標とした学校設

定科目等を履修させた後に,必履修教科・科目を履修させるようにするこ

と。

(3) 大学や専門学校,教育訓練機関等における教育や社会的・職業的自立,生

涯にわたる学習や生活のために,高等部卒業以降の進路先との円滑な接続が

図られるよう,関連する教育機関や企業,福祉施設等との連携により,卒業

後の進路に求められる資質・能力を着実に育成することができるよう工夫す

ること。

第3款 教育課程の実施と学習評価

1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善

各教科・科目等又は各教科等の指導に当たっては,次の事項に配慮するもの

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Ⅰ- 20

とする。

(1) 第1款の3の(1)から(3)までに示すことが偏りなく実現されるよう,単元

や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら,生徒の主体的・対話的で

深い学びの実現に向けた授業改善を行うこと。

特に,各教科・科目等又は各教科等において身に付けた知識及び技能を活

用したり,思考力,判断力,表現力等や学びに向かう力,人間性等を発揮さ

せたりして,学習の対象となる物事を捉え思考することにより,各教科・科

目等又は各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方(以下「見方・

考え方」という。)が鍛えられていくことに留意し,生徒が各教科・科目等

又は各教科等の特質に応じた見方・考え方を働かせながら,知識を相互に関

連付けてより深く理解したり,情報を精査して考えを形成したり,問題を見

いだして解決策を考えたり,思いや考えを基に創造したりすることに向かう

過程を重視した学習の充実を図ること。

(2) 第2款の2の(1)に示す言語能力の育成を図るため,各学校において必要

な言語環境を整えるとともに,国語科を要としつつ各教科・科目等又は各教

科等の特質に応じて,生徒の言語活動を充実すること。あわせて,(6)に示

すとおり読書活動を充実すること。

(3) 第2款の2の(1)に示す情報活用能力の育成を図るため,各学校において

,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必

要な環境を整え,これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること。また

,各種の統計資料や新聞,視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な

活用を図ること。

(4) 生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を,

計画的に取り入れるよう工夫すること。

(5) 生徒が生命の有限性や自然の大切さ,主体的に挑戦してみることや多様な

他者と協働することの重要性などを実感しながら理解することができるよう

,各教科・科目等又は各教科等の特質に応じた体験活動を重視し,家庭や地

域社会と連携しつつ体系的・継続的に実施できるよう工夫すること。

(6) 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り,生徒の主体的・対話

的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かすとともに,生徒の自主的,自

発的な学習活動や読書活動を充実すること。また,地域の図書館や博物館,

美術館,劇場,音楽堂等の施設の活用を積極的に図り,資料を活用した情報

の収集や鑑賞等の学習活動を充実すること。

2 障害のため通学して教育を受けることが困難な生徒に対して,教師を派遣し

て教育を行う場合については,障害の状態や学習環境等に応じて,指導方法や

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Ⅰ- 21

指導体制を工夫し,学習活動が効果的に行われるようにすること。

3 学習評価の充実

学習評価の実施に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 生徒のよい点や可能性,進歩の状況などを積極的に評価し,学習したこと

の意義や価値を実感できるようにすること。また,各教科・科目等又は各教

科等の目標の実現に向けた学習状況を把握する観点から,単元や題材など内

容や時間のまとまりを見通しながら評価の場面や方法を工夫して,学習の過

程や成果を評価し,指導の改善や学習意欲の向上を図り,資質・能力の育成

に生かすようにすること。

(2) 各教科・科目等又は各教科等の指導に当たっては,個別の指導計画に基づ

いて行われた学習状況や結果を適切に評価し,指導目標や指導内容,指導方

法の改善に努め,より効果的な指導ができるようにすること。

(3) 創意工夫の中で学習評価の妥当性や信頼性が高められるよう,組織的かつ

計画的な取組を推進するとともに,学年や学部段階を越えて生徒の学習の成

果が円滑に接続されるように工夫すること。

第4款 単位の修得及び卒業の認定

1 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対する教育

を行う特別支援学校

(1) 各教科・科目及び総合的な探究の時間の単位の修得の認定

ア 学校においては,生徒が学校の定める指導計画に従って各教科・科目を

履修し,その成果が各教科及び科目の目標からみて満足できると認められ

る場合には,その各教科・科目について履修した単位を修得したことを認

定しなければならない。

イ 学校においては,生徒が学校の定める指導計画に従って総合的な探究の

時間を履修し,その成果が第4章において準ずるものとしている高等学校

学習指導要領第4章第2の1に基づき定められる目標からみて満足できる

と認められる場合には,総合的な探究の時間について履修した単位を修得

したことを認定しなければならない。

ウ 学校においては,生徒が1科目又は総合的な探究の時間を2以上の年次

にわたって履修したときは,各年次ごとにその各教科・科目又は総合的な

探究の時間について履修した単位を修得したことを認定することを原則と

する。また,単位の修得の認定を学期の区分ごとに行うことができる。

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Ⅰ- 22

(2) 卒業までに修得させる単位数

学校においては,卒業までに修得させる単位数を定め,校長は,当該単位

数を修得した者で,特別活動及び自立活動の成果がそれらの目標からみて満

足できると認められるものについて,高等部の全課程の修了を認定するもの

とする。この場合,卒業までに修得させる単位数は,74単位(自立活動の授

業については,授業時数を単位数に換算して,この単位数に含めることがで

きる。)以上とする。なお,普通科においては,卒業までに修得させる単位

数に含めることができる学校設定科目及び学校設定教科に関する科目に係る

修得単位数は,合わせて20単位を超えることができない。

(3) 各学年の課程の修了の認定

学校においては,各学年の課程の修了の認定については,単位制が併用さ

れていることを踏まえ,弾力的に行うよう配慮するものとする。

2 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

学校においては,卒業までに履修させる各教科等のそれぞれの授業時数を定

めるものとする。

校長は,各教科等を履修した者で,その成果がそれらの目標からみて満足で

きると認められるものについて,高等部の全課程の修了を認定するものとする

第5款 生徒の調和的な発達の支援

1 生徒の調和的な発達を支える指導の充実

教育課程の編成及び実施に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 学習や生活の基盤として,教師と生徒との信頼関係及び生徒相互のよりよ

い人間関係を育てるため,日頃からホームルーム経営の充実を図ること。ま

た,主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと,個々の生徒の

多様な実態を踏まえ,一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカ

ウンセリングの双方により,生徒の発達を支援すること。

(2) 生徒が,自己の存在感を実感しながら,よりよい人間関係を形成し,有意

義で充実した学校生活を送る中で,現在及び将来における自己実現を図って

いくことができるよう,生徒理解を深め,学習指導と関連付けながら,生徒

指導の充実を図ること。

(3) 生徒が,学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら,社会的・職

業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができ

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Ⅰ- 23

るよう,特別活動を要としつつ各教科・科目等又は各教科等の特質に応じて

,キャリア教育の充実を図ること。その中で,生徒が自己の在り方生き方を

考え主体的に進路を選択することができるよう,学校の教育活動全体を通じ

,組織的かつ計画的な進路指導を行うこと。その際,家庭及び地域や福祉,

労働等の業務を行う関係機関との連携を十分に図ること。

(4) 学校の教育活動全体を通じて,個々の生徒の特性等の的確な把握に努め,

その伸長を図ること。また,生徒が適切な各教科・科目や類型を選択し学校

やホームルームでの生活によりよく適応するとともに,現在及び将来の生き

方を考え行動する態度や能力を育成することができるようにすること。

(5) 生徒が,学校教育を通じて身に付けた知識及び技能を活用し,もてる能力

を最大限伸ばすことができるよう,生涯学習への意欲を高めるとともに,社

会教育その他様々な学習機会に関する情報の提供に努めること。また,生涯

を通じてスポーツや文化芸術活動に親しみ,豊かな生活を営むことができる

よう,地域のスポーツ団体,文化芸術団体及び障害者福祉団体等と連携し,

多様なスポーツや文化芸術活動を体験することができるよう配慮すること。

(6) 学習の遅れがちな生徒などについては,各教科・科目等の選択,その内容

の取扱いなどについて必要な配慮を行い,生徒の実態に応じ,例えば義務教

育段階の学習内容の確実な定着を図るための指導を適宜取り入れるなど,指

導内容や指導方法を工夫すること。

(7) 家庭及び地域並びに医療,福祉,保健,労働等の業務を行う関係機関との

連携を図り,長期的な視点で生徒への教育的支援を行うために,個別の教育

支援計画を作成すること。

(8) 複数の種類の障害を併せ有する生徒(以下「重複障害者」という。)につ

いては,専門的な知識,技能を有する教師や特別支援学校間の協力の下に指

導を行ったり,必要に応じて専門の医師やその他の専門家の指導・助言を求

めたりするなどして,学習効果を一層高めるようにすること。

(9) 学校医等との連絡を密にし,生徒の障害の状態等に応じた保健及び安全に

十分留意すること。

(10) 実験・実習に当たっては,特に安全と保健に留意すること。

2 海外から帰国した生徒などの学校生活への適応や,日本語の習得に困難のあ

る生徒に対する日本語指導

(1) 海外から帰国した生徒などについては,学校生活への適応を図るとともに

,外国における生活経験を生かすなどの適切な指導を行うものとする。

(2) 日本語の習得に困難のある生徒については,個々の生徒の実態に応じた指

導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うものとする。

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Ⅰ- 24

第6款 学校運営上の留意事項

1 教育課程の改善と学校評価等,教育課程外の活動との連携等

(1) 各学校においては,校長の方針の下に,校務分掌に基づき教職員が適切に

役割を分担しつつ,相互に連携しながら,各学校の特色を生かしたカリキュ

ラム・マネジメントを行うよう努めるものとする。また,各学校が行う学校

評価については,教育課程の編成,実施,改善が教育活動や学校運営の中核

となることを踏まえ,カリキュラム・マネジメントと関連付けながら実施す

るよう留意するものとする。

(2) 教育課程の編成及び実施に当たっては,学校保健計画,学校安全計画,食

に関する指導の全体計画,いじめの防止等のための対策に関する基本的な方

針など,各分野における学校の全体計画等と関連付けながら,効果的な指導

が行われるように留意するものとする。

(3) 教育課程外の学校教育活動と教育課程との関連が図られるように留意する

ものとする。特に,生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動につ

いては,スポーツや文化,科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,連

帯感の涵養等,学校教育が目指す資質・能力の育成に資するものであり,学かん

校教育の一環として,教育課程との関連が図られるよう留意すること。その

際,学校や地域の実態に応じ,地域の人々の協力,社会教育施設や社会教育

関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行い,持続可能な運営

体制が整えられるようにするものとする。

2 家庭や地域社会との連携及び協働と学校間の連携

教育課程の編成及び実施に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 学校がその目的を達成するため,学校や地域の実態等に応じ,教育活動の

実施に必要な人的又は物的な体制を家庭や地域の人々の協力を得ながら整え

るなど,家庭や地域社会との連携及び協働を深めること。また,高齢者や異

年齢の子供など,地域における世代を越えた交流の機会を設けること。

(2) 他の特別支援学校や,幼稚園,認定こども園,保育所,小学校,中学校,

高等学校及び大学などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のない幼児

児童生徒との交流及び共同学習の機会を設け,共に尊重し合いながら協働し

て生活していく態度を育むようにすること。

特に,高等部の生徒の経験を広げて積極的な態度を養い,社会性や豊かな

人間性を育むために,学校の教育活動全体を通じて,高等学校の生徒などと

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Ⅰ- 25

交流及び共同学習を計画的,組織的に行うとともに,地域の人々などと活動

を共にする機会を積極的に設けること。

3 高等学校等の要請により,障害のある生徒又は当該生徒の教育を担当する教

師等に対して必要な助言又は援助を行ったり,地域の実態や家庭の要請等によ

り保護者等に対して教育相談を行ったりするなど,各学校の教師の専門性や施

設・設備を生かした地域における特別支援教育のセンターとしての役割を果た

すよう努めること。その際,学校として組織的に取り組むことができるよう校

内体制を整備するとともに,他の特別支援学校や地域の高等学校等との連携を

図ること。

第7款 道徳教育に関する配慮事項

道徳教育を進めるに当たっては,道徳教育の特質を踏まえ,第1節及び第1款

から第6款までに示す事項に加え,次の事項に配慮するものとする。

1 各学校においては,第1款の2の(2)に示す道徳教育の目標を踏まえ,道徳

教育の全体計画を作成し,校長の方針の下に,道徳教育の推進を主に担当する

教師(「道徳教育推進教師」という。)を中心に,全教師が協力して道徳教育

を展開すること。なお,道徳教育の全体計画の作成に当たっては,生徒や学校

,地域の実態に応じ,指導の方針や重点を明らかにして,各教科・科目等との

関係を明らかにすること。その際,視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又

は病弱者である生徒に対する教育を行う特別支援学校においては,第2章第1

節第1款において準ずるものとしている高等学校学習指導要領第2章第3節の

公民科の「公共」及び「倫理」並びに第5章の特別活動が,人間としての在り

方生き方に関する中核的な指導の場面であることに配慮すること。

また,知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校においては,

学校の道徳教育の重点目標を設定するとともに,道徳科の指導方針,第3章特

別の教科道徳(知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校)に示

す内容との関連を踏まえた各教科,総合的な探究の時間,特別活動及び自立活

動における指導の内容及び時期並びに家庭や地域社会との連携の方法を示すこ

と。

2 道徳教育を進めるに当たっては,中学部又は中学校までの特別の教科である

道徳の学習等を通じて深めた,主として自分自身,人との関わり,集団や社会

との関わり,生命や自然,崇高なものとの関わりに関する道徳的諸価値につい

ての理解を基にしながら,様々な体験や思索の機会等を通して,人間としての

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Ⅰ- 26

在り方生き方についての考えを深めるよう留意すること。また,自立心や自律

性を高め,規律ある生活をすること,生命を尊重する心を育てること,社会連

帯の自覚を高め,主体的に社会の形成に参画する意欲と態度を養うこと,義務

を果たし責任を重んじる態度及び人権を尊重し差別のないよりよい社会を実現

しようとする態度を養うこと,伝統と文化を尊重し,それらを育んできた我が

国と郷土を愛するとともに,他国を尊重すること,国際社会に生きる日本人と

しての自覚を身に付けることに関する指導が適切に行われるよう配慮すること

3 学校やホームルーム内の人間関係や環境を整えるとともに,就業体験活動や

ボランティア活動,自然体験活動,地域の行事への参加などの豊かな体験を充

実すること。また,道徳教育の指導が,生徒の日常生活に生かされるようにす

ること。その際,いじめの防止や安全の確保等にも資することとなるように留

意すること。

4 学校の道徳教育の全体計画や道徳教育に関する諸活動などの情報を積極的に

公表したり,道徳教育の充実のために家庭や地域の人々の積極的な参加や協力

を得たりするなど,家庭や地域社会との共通理解を深め,相互の連携を図るこ

と。

第8款 重複障害者等に関する教育課程の取扱い

1 生徒の障害の状態により特に必要がある場合には,次に示すところによるも

のとする。

(1) 各教科・科目(知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校に

おいては各教科。)の目標及び内容の一部を取り扱わないことができること

(2) 高等部の各教科・科目(知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支

援学校においては各教科。)の目標及び内容の一部を,当該各教科・科目に

相当する中学部又は小学部の各教科の目標及び内容に関する事項の一部によ

って,替えることができること。

(3) 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対する教

育を行う特別支援学校の外国語科に属する科目及び知的障害者である生徒に

対する教育を行う特別支援学校の外国語科については,小学部・中学部学習

指導要領に示す外国語活動の目標及び内容の一部を取り入れることができる

こと。

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Ⅰ- 27

2 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の高等部に就学する

生徒のうち,高等部の2段階に示す各教科の内容を習得し目標を達成している

者については,高等学校学習指導要領第2章に示す各教科・科目,中学校学習

指導要領第2章に示す各教科又は小学校学習指導要領第2章に示す各教科及び

第4章に示す外国語活動の目標及び内容の一部を取り入れることができるもの

とする。また,主として専門学科において開設される各教科の内容を習得し目

標を達成している者については,高等学校学習指導要領第3章に示す各教科・

科目の目標及び内容の一部を取り入れることができるものとする。

3 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対する教育

を行う特別支援学校に就学する生徒のうち,知的障害を併せ有する者について

は,次に示すところによるものとする。

(1) 各教科・科目の目標及び内容の一部又は各教科・科目を,当該各教科・科

目に相当する第2章第2節第1款及び第2款に示す知的障害者である生徒に

対する教育を行う特別支援学校の各教科の目標及び内容の一部又は各教科に

よって,替えることができること。この場合,各教科・科目に替えて履修し

た第2章第2節第1款及び第2款に示す各教科については,1単位時間を50

分とし,35単位時間の授業を1単位として計算することを標準とするものと

すること。

(2) 生徒の障害の状態により特に必要がある場合には,第2款の3の(2)に示

す知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校における各教科等

の履修等によることができること。

(3) 校長は,(2)により,第2款の3の(2)に示す知的障害者である生徒に対す

る教育を行う特別支援学校における各教科等を履修した者で,その成果がそ

れらの目標からみて満足できると認められるものについて,高等部の全課程

の修了を認定するものとすること。

4 重複障害者のうち,障害の状態により特に必要がある場合には,次に示すと

ころによるものとする。

(1) 各教科・科目若しくは特別活動(知的障害者である生徒に対する教育を行

う特別支援学校においては,各教科,道徳科若しくは特別活動。)の目標及

び内容の一部又は各教科・科目若しくは総合的な探究の時間(知的障害者で

ある生徒に対する教育を行う特別支援学校においては,各教科若しくは総合

的な探究の時間。)に替えて,自立活動を主として指導を行うことができる

こと。この場合,実情に応じた授業時数を適切に定めるものとすること。

(2) 校長は,各教科・科目若しくは特別活動(知的障害者である生徒に対する

教育を行う特別支援学校においては,各教科,道徳科若しくは特別活動。)

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Ⅰ- 28

の目標及び内容の一部又は各教科・科目若しくは総合的な探究の時間(知的

障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校においては,各教科若し

くは総合的な探究の時間。)に替えて自立活動を主として履修した者で,そ

の成果がそれらの目標からみて満足できると認められるものについて,高等

部の全課程の修了を認定するものとすること。

5 障害のため通学して教育を受けることが困難な生徒に対して,教師を派遣し

て教育を行う場合については,次に示すところによるものとする。

(1) 1,2,3の(1)若しくは(2)又は4の(1)に示すところによることができ

ること。

(2) 特に必要がある場合には,実情に応じた授業時数を適切に定めること。

(3) 校長は,生徒の学習の成果に基づき,高等部の全課程の修了を認定するこ

とができること。

6 療養中の生徒及び障害のため通学して教育を受けることが困難な生徒につい

て,各教科・科目の一部を通信により教育を行う場合の1単位当たりの添削指

導及び面接指導の回数等(知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援

学校においては,通信により教育を行うこととなった各教科の一部の授業時数

に相当する添削指導及び面接指導の回数等。)については,実情に応じて適切

に定めるものとする。

第9款 専攻科

1 視覚障害者又は聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の専

攻科における教科及び科目のうち標準的なものは,次の表に掲げるとおりであ

る。視覚障害者又は聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校に

おいては,必要がある場合には同表に掲げる教科について,これらに属する科

目以外の科目を設けることができる。

教科 科目

視覚障害者である生 保健理療 医療と社会,人体の構造と機能,疾

徒に対する教育を行 病の成り立ちと予防,生活と疾病,

う特別支援学校 基礎保健理療,臨床保健理療,地域

保健理療と保健理療経営,保健理療

基礎実習,保健理療臨床実習,保健

理療情報,課題研究

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Ⅰ- 29

理 療 医療と社会,人体の構造と機能,疾

病の成り立ちと予防,生活と疾病,

基礎理療学,臨床理療学,地域理療

と理療経営,理療基礎実習,理療臨

床実習,理療情報,課題研究

理学療法 人体の構造と機能,疾病と障害,保

健・医療・福祉とリハビリテーショ

ン,基礎理学療法学,理学療法管理

学,理学療法評価学,理学療法治療

学,地域理学療法学,理学療法臨床

実習,理学療法情報,課題研究

聴覚障害者である生 理容・美容 関係法規・制度,衛生管理,保健,

徒に対する教育を行 香粧品化学,文化論,理容・美容技

う特別支援学校 術理論,運営管理,理容実習,美容

実習,理容・美容情報,課題研究

歯科技工 歯科技工関係法規,歯科技工学概論

,歯科理工学,歯の解剖学,顎口腔がく くう

機能学,有床義歯技工学,歯冠修復

技工学,矯正歯科技工学,小児歯科

技工学,歯科技工実習,歯科技工情

報,課題研究

2 視覚障害者又は聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の専

攻科においては,必要がある場合には1の表に掲げる教科及び科目以外の教科

及び科目を設けることができる。

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Ⅰ- 30

第2章 各 教 科

第1節 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は

病弱者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

第1款 各教科の目標及び各科目の目標と内容

各教科の目標及び各科目の目標と内容については,当該各教科及び各科目に対

応する高等学校学習指導要領第2章及び第3章に示す各教科の目標及び各科目の

目標と内容に準ずるほか,視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学

校については第3款から第5款まで,聴覚障害者である生徒に対する教育を行う

特別支援学校については第6款から第9款までに示すところによるものとする。

第2款 各科目に関する指導計画の作成と内容の取扱い

各科目に関する指導計画の作成と内容の取扱いについては,高等学校学習指導

要領第2章及び第3章に示すものに準ずるほか,視覚障害者である生徒に対する

教育を行う特別支援学校については第3款から第5款まで,聴覚障害者である生

徒に対する教育を行う特別支援学校については第6款から第9款までに示すとこ

ろによるものとするが,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を十分

考慮するとともに,特に次の事項に配慮するものとする。

1 視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

(1) 生徒の視覚障害の状態等に応じて,点字又は普通の文字等による的確な理

解と豊かな表現力を一層養うこと。なお,点字を常用して学習する生徒に対

しても,漢字・漢語の意味や構成等についての理解を一層促すため,適切な

指導が行われるようにすること。

(2) 視覚的なイメージを伴わないと理解が困難な事象や習得が難しい技能につ

いては,既習の内容や経験と関連付けながら,具体例を示すなど指導方法を

工夫して,理解を深め習得を促すようにすること。

(3) 生徒の視覚障害の状態等に応じて,指導内容を適切に精選し,基礎的・基

本的な事項を確実に習得するとともに,考えを深めていくことができるよう

指導すること。

(4) 視覚補助具やコンピュータ等の情報機器,触覚教材,拡大教材及び音声教

材等各種教材の活用を通して,生徒が効率的に多様な情報を収集・整理し,

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Ⅰ- 31

主体的な学習ができるようにするなど,生徒の視覚障害の状態等を考慮した

指導方法を工夫すること。

(5) 生徒が空間や時間の概念を活用して場の状況や活動の過程等を的確に把握

できるよう配慮し,見通しをもって積極的な学習活動を展開できるようにす

ること。

(6) 高等学校等を卒業した者が,社会経験を経るなどした後に,専門学科又は

専攻科に入学した場合においては,その社会経験等を踏まえた指導内容とな

るよう工夫すること。

2 聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

(1) 生徒の興味・関心を生かして,主体的な言語活動を促すとともに,抽象的

,論理的な思考力の伸長に努めること。

(2) 生徒の言語力等に応じて,適切な読書習慣や書いて表現する力の育成を図

り,主体的に情報を収集・獲得し,適切に選択・活用する態度を養うように

すること。

(3) 生徒の聴覚障害の状態等に応じて,音声,文字,手話,指文字等を適切に

活用して,発表や生徒同士の話合いなどの学習活動を積極的に取り入れ,正

確かつ効率的に意思の相互伝達が行われるよう指導方法を工夫すること。

(4) 生徒の聴覚障害の状態等に応じて,補聴器や人工内耳等の利用により,生

徒の保有する聴覚を最大限に活用し,効果的な学習活動が展開できるように

すること。

(5) 生徒の言語力等に応じて,指導内容を適切に精選し,基礎的・基本的な事

項に重点を置くなど指導を工夫すること。

(6) 視覚的に情報を獲得しやすい教材・教具やその活用方法等を工夫するとと

もに,コンピュータ等の情報機器などを有効に活用し,指導の効果を高める

ようにすること。

3 肢体不自由者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

(1) 体験的な活動を通して言語概念等の形成を一層図り,生徒の障害の状態や

発達の段階に応じた思考力,判断力,表現力等の育成に努めること。

(2) 生徒の身体の動きの状態や認知の特性,各教科・科目の内容の習得状況等

を考慮して,指導内容を適切に設定し,重点を置く事項に時間を多く配当す

るなど計画的に指導すること。

(3) 生徒の学習時の姿勢や認知の特性等に応じて,指導方法を工夫すること。

(4) 生徒の身体の動きや意思の表出の状態等に応じて,適切な補助具や補助的

手段を工夫するとともに,コンピュータ等の情報機器などを有効に活用し,

指導の効果を高めるようにすること。

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Ⅰ- 32

(5) 各教科・科目の指導に当たっては,特に自立活動の時間における指導との

密接な関連を保ち,学習効果を一層高めるようにすること。

4 病弱者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

(1) 個々の生徒の学習状況や病気の状態,授業時数の制約等に応じて,指導内

容を適切に精選し,基礎的・基本的な事項に重点を置くとともに,指導内容

の連続性に配慮した工夫を行ったり,各教科・科目等相互の関連を図ったり

して,系統的,発展的な学習活動が展開できるようにすること。

(2) 健康状態の維持や管理,改善に関する内容の指導に当たっては,主体的に

自己理解を深めながら学びに向かう力を高めるために,自立活動における指

導との密接な関連を保ち,学習効果を一層高めるようにすること。

(3) 体験的な活動を伴う内容の指導に当たっては,生徒の病気の状態や学習環

境に応じて,間接体験や疑似体験,仮想体験等を取り入れるなど,指導方法

を工夫し,効果的な学習活動が展開できるようにすること。

(4) 生徒の身体活動の制限や認知の特性,学習環境等に応じて,教材・教具や

入力支援機器等の補助用具を工夫するとともに,コンピュータ等の情報機器

などを有効に活用し,指導の効果を高めるようにすること。

(5) 生徒の病気の状態等を考慮し,学習活動が負担過重となる又は必要以上に

制限することがないようにすること。

(6) 病気のため,姿勢の保持や長時間の学習活動が困難な生徒については,姿

勢の変換や適切な休養の確保などに留意すること。

第3款 保健理療

第1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなど

を通して,あん摩・マッサージ・指圧を通じ,地域や社会の保健・医療・福祉を

支え,人々の健康の保持増進及び疾病の治療に寄与する職業人として必要な資質

・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) あん摩・マッサージ・指圧について体系的・系統的に理解するとともに,

関連する技術を身に付けるようにする。

(2) あん摩・マッサージ・指圧に関する課題を発見し,職業人に求められる倫

理観を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して

自ら学び,人々の健康の保持増進及び疾病の治療に主体的かつ協働的に寄与

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Ⅰ- 33

する態度を養う。

第2 各 科 目

〔医療と社会〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,医療と社会の関わりに関する実践的・

体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとお

り育成することを目指す。

(1) 施術を行うために必要な医療と社会の関わりについて体系的・系統的に

理解するようにする。

(2) 医療と社会の関わりに関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師と

しての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 医療と社会の関わりについて,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指

圧師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主体的かつ協働的に取

り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 医学,医療及び保健理療の歴史

ア 西洋,中国,韓国等における医学,医療の歴史

イ 日本における医学,医療及び保健理療の歴史

(2) 社会保障制度の概要

ア 医学の分野

イ 社会保障の概念

ウ 社会保険制度の概要

エ 障害者福祉・精神保健医療福祉制度の概要

オ 医療行政

(3) 保健理療の現状と課題

ア 保健理療の概念

イ 医療提供体制と地域包括ケアシステム

ウ 保健理療業務の現状と課題

エ 諸外国の保健理療

(4) あん摩マツサージ指圧師,はり師,きゆう師等に関する法律

ア 法令の沿革

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Ⅰ- 34

イ 法令の主な内容

(5) 関係法規の概要

ア 医事関係法規

イ その他の関係法規

(6) あん摩マッサージ指圧師の倫理

ア 医療従事者の倫理

イ 保健理療業務と倫理

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,保健理療の医療における位置付けについて,十分

理解を促すよう,保健理療以外の他の医学の歴史や現状,諸外国におけ

る保健理療の現状などを踏まえて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2),(3)及び(6)については,「地域保健理療と保健

理療経営」との関連を考慮して指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,保健理療の近現代史に重点を置

くこと。

イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,少子高齢化が進む我が国の社会

の課題や展望について取り扱うこと。ウについては,医療保険(療養費

を含む。),介護保険及び主な公費負担医療を中心に制度の概要を取り

扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,地域医療や労働衛生におけるプ

ライマリ・ケアの重要性と関連付けながら,現代社会における保健理療

の役割と意義を取り扱うこと。イについては,医療機関の種類並びに医

療従事者の資格,免許及び業務範囲を取り扱うとともに,地域包括ケア

システムにおける多職種間連携の意義を取り扱うこと。ウについては,

保健理療業務の現状と課題について,関連する統計や資料を踏まえなが

ら,療養費を適切に扱うための基礎的な知識が身に付くよう指導するこ

と。

エ 〔指導項目〕の(5)のアについては,医療法,医師法等の概要を取り

扱うこと。イについては,高齢者の医療の確保に関する法律,介護保険

法等の概要を取り扱うこと。

オ 〔指導項目〕の(6)については,あん摩マッサージ指圧師としての心

構えや倫理観,患者の権利,法令遵守,コミュニケーション能力等につ

いて,十分な理解を促すよう具体的に指導すること。

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Ⅰ- 35

〔人体の構造と機能〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,人体の構造と機能に関する実践的・体

験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとおり

育成することを目指す。

(1) 施術を行うために必要な人体の構造と機能について体系的・系統的に理

解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 人体の構造と機能に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師とし

ての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 人体の構造と機能について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指圧

師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主体的かつ協働的に取り

組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 解剖生理学の基礎

ア 解剖生理学の意義

イ 人体の体表区分

ウ 細胞

エ 人体の発生

オ 組織

カ 器官と器官系

(2) 系統別構造と機能

ア 運動器系

イ 消化器系

ウ 呼吸器系

エ 泌尿・生殖器系

オ 内分泌系と代謝

カ 循環器系

キ 神経系

ク 感覚器系

(3) 生体機能の協調

ア 全身的協調

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Ⅰ- 36

イ 生体の防御機構

(4) 運動学

ア 運動学の基礎

イ 各関節の構造と機能

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,人体の構造と機能についての理解が知識に偏るこ

とがないよう,実験・実習を取り入れるようにすること。

イ 〔指導項目〕の(2)については,標本,模型などを有効に活用して,

指導の効果を高めるように配慮すること。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,「疾病の成り立ちと予防」との関連

を考慮して指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)については,施術と関連の深いア及びキに重点を

置いて指導すること。

イ 〔指導項目〕の(4)のイについては,肩関節,肘関節,手関節,股関

節,膝関節,足関節の各構造と機能を中心に取り扱うこと。ひざ

〔疾病の成り立ちと予防〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,疾病の成り立ちと予防に関する実践的

・体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のと

おり育成することを目指す。

(1) 施術を行うために必要な疾病の成り立ちと予防について体系的・系統的

に理解するようにする。

(2) 疾病の成り立ちと予防に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師

としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 疾病の成り立ちと予防について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ

指圧師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主体的かつ協働的に

取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 衛生学・公衆衛生学の概要

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Ⅰ- 37

ア 衛生学・公衆衛生学の意義

イ 衛生学・公衆衛生学の歴史

(2) 健康の保持増進と生活

ア 健康の概念

イ 生活習慣と健康

ウ ストレスと健康

(3) 生活習慣病

ア 生活習慣病の概念

イ 生活習慣病の発生要因

ウ 生活習慣病の予防対策

(4) 生活環境と公害

ア 環境と健康

イ 地域の環境衛生

ウ 公害

(5) 感染症

ア 感染症の概念

イ 感染症の発生要因

ウ 感染症の予防対策

(6) 消毒

ア 消毒法の一般

イ 消毒の種類と方法

ウ 消毒法の応用

(7) 疫学と衛生統計

ア 疫学の基礎

イ 衛生統計の基礎

ウ 主な衛生統計

(8) 産業衛生,精神衛生及び母子衛生

ア 産業衛生

イ 精神衛生

ウ 母子衛生

(9) 疾病の一般

ア 疾病の概念

イ 疾病の分類

ウ 疾病と症状

エ 疾病の経過,予後及び転帰

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Ⅰ- 38

(10) 疾病の原因

ア 病因の意義

イ 病因の分類

ウ 加齢と老化

(11) 各病変の大要

ア 循環障害

イ 退行性病変

ウ 進行性病変

エ 炎症

オ 腫瘍しゅよう

カ 免疫の異常とアレルギー

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(6)については,「保健理療基礎実習」及び「保健理

療臨床実習」との関連を図りながら,実践的に取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(9)から(11)までについては,疾患や愁訴に対する病

態機序の理解と,施術の適応の判断に関する基礎的な能力が身に付くよ

う指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)については,特に生活習慣病と関連付けて取り扱

うこと。ウについては,産業衛生と関連付けて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(5)については,最新の情報に配慮しながら,代表的

な疾患を取り上げ,発生因子の回避に重点を置いて取り扱うこと。ウに

ついては,免疫学についても取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(7)のウについては,保健理療業務と関係の深い統計

等について取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(9)については,半健康状態及び東洋医学の未病の概

念を取り入れながら指導すること。

〔生活と疾病〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,疾病と日常生活の関わりに関する実践

的・体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 施術を行うために必要な疾病と日常生活の関わりについて体系的・系統

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Ⅰ- 39

的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 疾病と日常生活の関わりに関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧

師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 疾病と日常生活の関わりについて,地域や社会を支えるあん摩マッサー

ジ指圧師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主体的かつ協働的

に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 診察法

ア 診察の意義

イ 診察法の種類

ウ 臨床検査の概要

(2) 主な症状の診察法

ア 頭痛

イ 肩こり

ウ 肩関節痛

エ 頸肩腕痛けい

オ 腰痛

カ 腰下肢痛

キ 膝痛ひざ

ク 高血圧と低血圧

ケ 心身の疲労

コ その他の症状

(3) 治療法

ア 治療法の基礎

イ 治療法の実際

(4) 臨床心理

ア 臨床心理の一般

イ 心理療法の概要

(5) 系統別疾患の概要

ア 運動器系疾患

イ 神経系疾患

ウ 呼吸器系疾患

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Ⅰ- 40

エ 血液・循環器系疾患

オ 消化器系疾患

カ 泌尿・生殖器系疾患

キ 内分泌系・代謝疾患及びビタミン欠乏症

ク 感染症

ケ その他の疾患

(6) リハビリテーションの一般

ア リハビリテーションの概念と歴史

イ 医学的リハビリテーションとリハビリテーション医学

ウ 診察,評価,治療計画と記録

(7) 主な疾患のリハビリテーション

ア 運動器系疾患

イ 神経系疾患

ウ 呼吸器系疾患

エ 血液・循環器系疾患

(8) 機能訓練の概要

ア 関節可動域訓練

イ 筋力強化訓練

ウ 日常生活動作訓練

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,予防医学,治療医学及びリハビリテーション医学

という現代医学の体系に配慮すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,保健理療と直接関わりの深い事項に

重点を置き,実習及び「臨床保健理療」との関連を考慮して指導するこ

と。ウについては,医学的な知識として,検査方法やデータの意味等を

取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,各症状の病態生理と鑑別診断を取り

扱い,施術の適応の判断に生かせるよう指導すること。

ウ 〔指導項目〕の(3)のイについては,代表的な治療法と適応疾患を中

心に取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(5)については,現代医学の立場から各疾患の原因,

症状及び治療法を中心に指導すること。なお,各症状に対する治療につ

いては,施術の有効性との関連を考慮し,保健理療と直接関わりの深い

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Ⅰ- 41

事項に重点を置くとともに,「臨床保健理療」と関連付けて取り扱うこ

と。

オ 〔指導項目〕の(6)については,チーム医療としてのリハビリテーシ

ョンの過程を,症例紹介やリハビリテーション施設の見学等を取り入れ

て指導すること。

カ 〔指導項目〕の(7)については,地域医療や在宅ケアの実情を考慮し

,保健理療と直接関わりの深いアからウまでを中心に取り扱うこと。

キ 〔指導項目〕の(8)については,介護保険施設で行われる介護技術を

含めて取り扱うこと。

〔基礎保健理療〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,基礎保健理療に関する実践的・体験的

な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとおり育成

することを目指す。

(1) 基礎保健理療について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技

術を身に付けるようにする。

(2) 基礎保健理療に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師としての

職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 基礎保健理療について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指圧師を

目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主体的かつ協働的に取り組む

態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 東洋医学の基礎

ア 東洋医学の意義と特色

イ 陰陽五行論

ウ 臓腑経絡論ふ

エ 気血,営衛,津液

オ 病因

カ 証しょう

(2) 東洋医学の診断と治療

ア 日本の伝統医学的診断と治療

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Ⅰ- 42

イ 現代の中医学的診断と治療

(3) 経絡と経穴

ア 臓腑経絡とその流注ふ

イ 十四経脈の経穴

ウ その他の特定穴

(4) 経絡,経穴と現代医学

ア 経絡,経穴の現代医学的研究

イ 関連する反応点,反応帯

(5) 保健理療施術の概要

ア あん摩

イ マッサージ

ウ 指圧

エ 保健理療の臨床応用

(6) 保健理療施術の治効理論と関連学説

ア 刺激の伝達

イ 身体組織・器官への影響

ウ 生体反応と治効メカニズム

エ 関連学説

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,保健理療に関する研究の成果を踏まえて取り扱い

,保健理療に対する研究的な態度が培われるよう配慮すること。

イ 〔指導項目〕の(1)から(4)までについては,保健理療施術との関連を

重視して指導すること。

ウ 〔指導項目〕の(6)については,「人体の構造と機能」の関連を考慮

して取り扱うこと。また,(4)や研究の成果を総合し,保健理療臨床の

観点から指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)のアについては,問診と切診に重点を置き,実習

を取り入れて指導すること。イについては,臓腑の生理と病理を踏まえふ

た治療原則と治法を中心に取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(5)については,基本手技を取り上げ,その特徴を理

解させるとともに,臨床における施術の適応の判断についても指導する

こと。アからウまでについては,諸外国における徒手による主な施術法

についても取り扱うこと。エについては,病態を踏まえながら,アから

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Ⅰ- 43

ウまでを適切に組み合わせた総合的な施術法を取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(6)のアからウまでについては,特に,運動器系疾患

や内臓器系疾患に対する刺激の作用や生体反応の医学的意味と臨床への

応用という観点で取り扱うこと。

〔臨床保健理療〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,臨床保健理療に関する実践的・体験的

な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとおり育成

することを目指す。

(1) 臨床保健理療について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技

術を身に付けるようにする。

(2) 臨床保健理療に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師としての

職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 臨床保健理療について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指圧師を

目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主体的かつ協働的に取り組む

態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 臨床保健理療の基礎

ア 臨床保健理療の意義と役割

イ 施術対象者の心理と施術者の対応

(2) 東洋医学における診断,治療の原則

ア 診察

イ 適応の判断

ウ 施術計画

エ 施術原則

オ 記録

(3) 生体観察の基礎

ア 骨の触察

イ 筋の触察

ウ 関節の触察

エ 神経,血管の触察

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Ⅰ- 44

(4) 健康と保健理療施術

ア 健康観と疾病観

イ 健康の保持増進のための保健理療施術

ウ 生活習慣病予防のための保健理療施術

エ その他の健康療法

(5) 主な症状の保健理療施術

ア 頭痛

イ 肩こり

ウ 肩関節痛

エ 頸肩腕痛けい

オ 腰痛

カ 腰下肢痛

キ 膝痛ひざ

ク 高血圧と低血圧

ケ 心身の疲労

コ その他の症状

(6) 主な疾患の保健理療施術

ア 運動器系疾患

イ 神経系疾患

ウ 呼吸器系疾患

エ 血液・循環器系疾患

オ 消化器系疾患

カ 泌尿・生殖器系疾患

キ 内分泌系・代謝疾患

ク 感染症

ケ その他の疾患

(7) 高齢者に対する保健理療施術

ア 高齢者の心身機能の特徴

イ 高齢者の主な症状に対する保健理療施術

ウ 要支援・要介護高齢者に対する保健理療施術

(8) スポーツ領域における保健理療施術

ア スポーツ障害・外傷の一般

イ スポーツ障害・外傷の予防と管理

ウ 主なスポーツ障害・外傷の保健理療施術

(9) 産業衛生における保健理療施術

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Ⅰ- 45

ア 仕事と健康

イ 事業所におけるあん摩マッサージ指圧師の業務と役割

ウ 主な職業起因性症状の保健理療施術

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 東洋医学と現代医学の知識と技術を総合した臨床概念が養われるよう

内容相互の関連に留意して指導すること。

イ 指導に当たっては,「保健理療基礎実習」における実技実習との関連

を考慮すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,施術対象者との信頼関係を確立

する上で必要な臨床心理の基礎及び面接技法の基本を理解できるよう取

り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(4)については,東洋医学における未病の考え方を踏

まえて取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(4)から(7)までについては,疾患ごとにその症状の機

序や経過について,病態生理学と関連付けながら扱うとともに,施術の

適応の判断ができるよう指導すること。

エ 〔指導項目〕の(5)及び(6)については,「生活と疾病」で取り上げる

症状や疾患と関連付けて指導するとともに,健康指導,生活指導及び応

急処置の方法も含めて指導すること。

オ 〔指導項目〕の(7)のウについては,特に,脳卒中モデル及び廃用症

候群モデルのケアについて取り扱うこと。

カ 〔指導項目〕の(8)のウについては,応急処置及びテーピングの基本

について取り扱うこと。

〔地域保健理療と保健理療経営〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,地域保健理療及び保健理療経営に関す

る実践的・体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力

を次のとおり育成することを目指す。

(1) 地域保健理療及び保健理療経営について体系的・系統的に理解するとと

もに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 地域保健理療及び保健理療経営に関する課題を発見し,あん摩マッサー

ジ指圧師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養

Page 54: 特別支援学校高等部学習指導要領等 - mext.go.jp...Ⅰ-2。幼児期の教育及び義務教育の基礎の上に,高等部卒業以降の教育や職業,生活,生

Ⅰ- 46

う。

(3) 地域保健理療及び保健理療経営について,地域や社会を支えるあん摩マ

ッサージ指圧師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主体的かつ

協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 少子高齢社会と社会保障

ア 少子高齢化の現状と動向

イ 医療保障と介護保障の現状と課題

(2) 地域社会と保健理療

ア 地域医療の沿革

イ 地域保健理療の概念

ウ 地域社会の医療と介護

(3) 地域保健理療の業務と社会保険

ア 保健理療業務と療養費

イ 保健理療業務と診療報酬

ウ 保健理療業務と介護報酬

(4) 保健理療と経営

ア 経営の一般

イ 施術所の開設準備

ウ 障害者雇用と助成金制度

エ 経営の管理と運営

オ 経営の展開と実際

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「医療と社会」との関連に留意するとともに,地

域社会における保健理療の役割と意義を理解できるようにすること。

イ 〔指導項目〕の(3)については,制度に関する基本的な考え方や法令

遵守についても指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,最新の統計や資料を踏まえて取

り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(4)については,経営の実際の基本的な事項を取り扱

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Ⅰ- 47

うこと。

〔保健理療基礎実習〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,臨床の基礎に関する実践的・体験的な

学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとおり育成す

ることを目指す。

(1) 臨床の基礎について体系的・系統的に理解するとともに,関連する基礎

的な技術を身に付けるようにする。

(2) 臨床の基礎に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師としての職

業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 臨床の基礎について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指圧師を目

指して自ら学び,適切かつ効果的な施術に主体的かつ協働的に取り組む態

度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 施術に必要な衛生と安全管理

ア 施術室の管理

イ 施術者の衛生保持

ウ リスク管理

(2) あん摩・マッサージ・指圧基礎実技実習

ア あん摩の基本手技と身体各部の施術

イ マッサージの基本手技と身体各部の施術

ウ 指圧の基本手技と身体各部の施術

(3) 保健理療応用実技実習

ア 医療面接実習

イ 評価と理学的検査の実際

ウ 運動療法の応用

エ 物理療法の応用

(4) 保健理療総合実技実習

ア 総合実技の基礎

イ 主要症状・疾患に対する総合実技実習

3 内容の取扱い

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Ⅰ- 48

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,この科目全体を通して習慣化される

よう取り扱うこと。ウについては,施術の過誤を予防するための適切な

安全管理ができるように取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,他の科目と関連付けながら,基礎的

な施術ができるよう指導すること。

ウ 〔指導項目〕の(3)及び(4)については,現代医学と東洋医学の両面か

ら,病状を総合的に把握して,実際的な施術ができるよう指導すること

。また,(3)のアについては,患者の立場に立ち,安全な施術を行うた

めの心構えや実践的な能力が身に付くよう配慮すること。(4)のイにつ

いては,臨床実習前施術実技に関する評価を行うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,消毒法や滅菌法の実際に重点を置い

て取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,運動法の基本等についても取り扱う

こと。

ウ 〔指導項目〕の(4)のイについては,臨床実習への導入として位置付

け,「臨床保健理療」の〔指導項目〕の(5)及び(6)で取り上げる症状や

疾患に対する施術の実際を取り扱うこと。

〔保健理療臨床実習〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,臨床に関する実践的・体験的な学習活

動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとおり育成すること

を目指す。

(1) 臨床について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に

付けるようにする。

(2) 臨床に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師としての職業倫理

を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 臨床について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指圧師を目指して

自ら学び,適切かつ合理的な施術に主体的かつ協働的に取り組む態度を養

う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

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Ⅰ- 49

〔指導項目〕

(1) 校内実習

ア 施術者と施術対象

イ 施術の実際

ウ カルテの記載と管理

エ 症例検討

(2) 校外実習

ア 校外実習の意義

イ 校外実習の実際

ウ 経営実習の実際

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,治療技術的な側面のみならず,インフォームド・

コンセントや患者の秘密保持,カルテ等の適切な管理方法など,あん摩

マッサージ指圧師としての倫理観や職業観を培うことに配慮すること。

イ 地域の保健・医療・福祉機関との連携を図りながら,実際的に理解で

きるように指導すること。

ウ 校内実習と校外実習の履修学年や授業時数の配当については,生徒の

実態や実習・見学施設の状況等により弾力的に取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(2)については,保健理療の実践に適した施設等を選

定し,当該施設等との十分な連絡調整を図ること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,生徒の臨床実習の習熟の程度に応じ

て適切な症例を選択するとともに,きめ細かな指導を行うことができる

よう指導体制等に配慮すること。エについては,病態の把握,適応の判

断,施術法や施術効果の検討,リスクの検討などを取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,多様な保健理療関連業務を理解

するための施設見学や生徒の進路希望に対応した実習ができるように計

画すること。ウについては,施術所経営に関する実際的な基礎的な知識

が養われるように,臨床経験の豊富な者の話や施術所見学,模擬経営実

習などを通して,保険の取扱いの実際を含めて具体的に指導すること。

〔保健理療情報〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,保健理療情報に関する実践的・体験的

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Ⅰ- 50

な学習活動を行うことなどを通して,施術を行うために必要な資質・能力を

次のとおり育成することを目指す。

(1) 保健理療情報について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技

術を身に付けるようにする。

(2) 保健理療情報に関する基本的な課題を発見し,あん摩・マッサージ・指

圧師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 保健理療情報について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指圧師を

目指して自ら学び,人々の健康の保持増進及び疾病の治療に関する課題解

決に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 情報社会の倫理と責任

ア 情報社会の特徴

イ 情報社会の倫理

ウ 情報を扱う個人の責任

(2) 保健理療における情報の活用と管理

ア 保健医療福祉分野の情報

イ 情報システムの特徴

ウ 情報の活用

エ 情報の管理

(3) 保健理療における課題解決

ア 課題に応じた情報収集

イ 情報分析と解決方法

ウ 情報の発信方法

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 多様な題材やデータを取り上げ,情報技術の進展に応じた演習などを

通して,生徒が情報及び情報ネットワークを適切に活用できるよう,情

報の信頼性を判断する能力及び情報モラルを育成すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,個人のプライバシーや著作権を含む

知的財産の保護,個人における情報の管理や発信に関する責任について

,法令と関連付けて取り扱うこと。

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Ⅰ- 51

イ 〔指導項目〕の(2)については,保健医療福祉関係者で共有する情報

通信ネットワークの特徴と活用について,地域の実例などを取り扱うこ

と。また,業務における情報セキュリティの重要性について法令と関連

付けて取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,生徒が主体的に課題を設定して,情

報を集め分析し,課題の解決に向けてモデル化,シミュレーション,プ

ログラミングなどを行い,情報デザインなどを踏まえた発信方法を考え

,協議する演習などを行うこと。

〔課題研究〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこと

などを通して,地域や社会の保健医療福祉を支え,人々の健康の保持増進を

担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 保健理療について体系的・系統的に理解するとともに,相互に関連付け

られた技術を身に付けるようにする。

(2) 保健理療に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師として解決策

を探究し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決する力を養う。

(3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に

主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 調査,研究,実験

(2) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,〔指導項目〕の(1)及び(2)

から,個人又はグループで保健理療に関する適切な課題を設定し,主体

的かつ協働的に取り組む学習活動を通して,専門的な知識,技術などの

深化・総合化を図り,保健理療に関する課題の解決に取り組むことがで

きるようにすること。なお,課題については,(1)及び(2)にまたがるも

のを設定することができること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにすること。

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Ⅰ- 52

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,実際的,

具体的に理解させるようにすること。

(2) 実技や実習を伴う科目の指導に当たっては,臨床に応用する力を育むた

め,生徒が常に達成感と新たな技術の習得への意欲をもって学習できるよ

うに,指導内容の構成や指導方法の工夫に留意すること。

(3) 各科目の指導に当たっては,施術の対象となる代表的な疾患や愁訴に対

する施術の適応を判断し確実に施術ができるようにするため,個々の生徒

の実態に応じた指導計画の作成に配慮すること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 単元などの内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力

の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにす

ること。その際,保健理療の見方・考え方を働かせ,健康に関する事象を

,当事者の考えや状況,保健理療が生活に与える影響に着目して捉え,当

事者による自己管理を目指して,適切かつ効果的な保健理療を関連付ける

実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。

(2) 「保健理療基礎実習」及び「保健理療臨床実習」については,対象とな

る者の人格を尊重する態度を育てるとともに,実習における安全と規律に

留意すること。

(3) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワーク等の

活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。

(4) 地域や保健理療に関する施術所,医療機関,介護保険施設等との連携・

交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動を積極的に取り入れるとと

もに,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬

品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止の指導を徹

底し,安全と衛生に十分留意するものとする。

第4款 理 療

第1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通

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Ⅰ- 53

して,あん摩・マッサージ・指圧,はり及びきゅうを通じ,地域や社会の保健・

医療・福祉を支え,人々の健康の保持増進及び疾病の治療に寄与する職業人とし

て必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) あん摩・マッサージ・指圧,はり及びきゅうについて体系的・系統的に理

解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) あん摩・マッサージ・指圧,はり及びきゅうに関する課題を発見し,職業

人に求められる倫理観を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して

自ら学び,人々の健康の保持増進及び疾病の治療に主体的かつ協働的に寄与

する態度を養う。

第2 各 科 目

〔医療と社会〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,医療と社会の関わりに関する実践的・体験

的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとおり育

成することを目指す。

(1) 施術を行うために必要な医療と社会の関わりについて体系的・系統的に

理解するようにする。

(2) 医療と社会の関わりに関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師,

はり師及びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決

する力を養う。

(3) 医療と社会の関わりについて,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指

圧師,はり師及びきゅう師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に

主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 医学,医療及び理療の歴史

ア 西洋,中国,韓国等における医学,医療の歴史

イ 日本における医学,医療及び理療の歴史

(2) 社会保障制度の概要

ア 医学の分野

イ 社会保障の概念

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Ⅰ- 54

ウ 社会保険制度の概要

エ 障害者福祉・精神保健医療福祉制度の概要

オ 医療行政

(3) 理療の現状と課題

ア 理療の概念

イ 医療提供体制と地域包括ケアシステム

ウ 理療業務の現状と課題

エ 諸外国の理療

(4) あん摩マツサージ指圧師,はり師,きゆう師等に関する法律

ア 法令の沿革

イ 法令の主な内容

(5) 関係法規の概要

ア 医事関係法規

イ その他の関係法規

(6) あん摩マッサージ指圧師,はり師及びきゅう師の倫理

ア 医療従事者の倫理

イ 理療業務と倫理

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,理療の医療における位置付けについて,十分理解

を促すよう,理療以外の他の医学の歴史や現状,諸外国における理療の

現状などを踏まえて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2),(3)及び(6)については,「地域理療と理療経営

」との関連を考慮して指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,理療の近現代史に重点を置くこ

と。

イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,少子高齢化が進む我が国の社会

の課題や展望について取り扱うこと。ウについては,医療保険(療養費

を含む。),介護保険及び主な公費負担医療を中心に制度の概要を取り

扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,地域医療や労働衛生におけるプ

ライマリ・ケアの重要性と関連付けながら,現代社会における理療の役

割と意義を取り扱うこと。イについては,医療機関の種類並びに医療従

事者の資格,免許及び業務範囲を取り扱うとともに,地域包括ケアシス

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Ⅰ- 55

テムにおける多職種間連携の意義を取り扱うこと。ウについては,理療

業務の現状と課題について,関連する統計や資料を踏まえながら,療養

費を適切に扱うための基礎的な知識が身に付くよう指導すること。

エ 〔指導項目〕の(5)のアについては,医療法,医師法等の概要を取り

扱うこと。イについては,高齢者の医療の確保に関する法律,介護保険

法等の概要を取り扱うこと。

オ 〔指導項目〕の(6)については,あん摩マッサージ指圧師,はり師及

びきゅう師としての心構えや倫理観,患者の権利,法令遵守,コミュニ

ケーション能力等について,十分な理解を促すよう具体的に指導するこ

と。

〔人体の構造と機能〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,人体の構造と機能に関する実践的・体験的

な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとおり育成

することを目指す。

(1) 施術を行うために必要な人体の構造と機能について体系的・系統的に理

解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 人体の構造と機能に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師,は

り師及びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決す

る力を養う。

(3) 人体の構造と機能について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指圧

師,はり師及びきゅう師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主

体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 解剖生理学の基礎

ア 解剖生理学の意義

イ 人体の体表区分

ウ 細胞

エ 人体の発生

オ 組織

カ 器官と器官系

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Ⅰ- 56

(2) 系統別構造と機能

ア 運動器系

イ 消化器系

ウ 呼吸器系

エ 泌尿・生殖器系

オ 内分泌系と代謝

カ 循環器系

キ 神経系

ク 感覚器系

(3) 生体機能の協調

ア 全身的協調

イ 生体の防御機構

(4) 運動学

ア 運動学の基礎

イ 各関節の構造と機能

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,人体の構造と機能についての理解が知識に偏るこ

とがないよう,実験・実習を取り入れるようにすること。

イ 〔指導項目〕の(2)については,標本,模型などを有効に活用して,

指導の効果を高めるように配慮すること。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,「疾病の成り立ちと予防」との関連

を考慮して指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)については,施術と関連の深いア及びキに重点を

置いて指導すること。

イ 〔指導項目〕の(4)のイについては,肩関節,肘関節,手関節,股関

節,膝関節,足関節の各構造と機能を中心に取り扱うこと。ひざ

〔疾病の成り立ちと予防〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,疾病の成り立ちと予防に関する実践的・体

験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとおり

育成することを目指す。

(1) 施術を行うために必要な疾病の成り立ちと予防について体系的・系統的

Page 65: 特別支援学校高等部学習指導要領等 - mext.go.jp...Ⅰ-2。幼児期の教育及び義務教育の基礎の上に,高等部卒業以降の教育や職業,生活,生

Ⅰ- 57

に理解するようにする。

(2) 疾病の成り立ちと予防に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師

,はり師及びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解

決する力を養う。

(3) 疾病の成り立ちと予防について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ

指圧師,はり師及びきゅう師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術

に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 衛生学・公衆衛生学の概要

ア 衛生学・公衆衛生学の意義

イ 衛生学・公衆衛生学の歴史

(2) 健康の保持増進と生活

ア 健康の概念

イ 生活習慣と健康

ウ ストレスと健康

(3) 生活習慣病

ア 生活習慣病の概念

イ 生活習慣病の発生要因

ウ 生活習慣病の予防対策

(4) 生活環境と公害

ア 環境と健康

イ 地域の環境衛生

ウ 公害

(5) 感染症

ア 感染症の概念

イ 感染症の発生要因

ウ 感染症の予防対策

(6) 消毒

ア 消毒法の一般

イ 消毒の種類と方法

ウ 消毒法の応用

(7) 疫学と衛生統計

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Ⅰ- 58

ア 疫学の基礎

イ 衛生統計の基礎

ウ 主な衛生統計

(8) 産業衛生,精神衛生及び母子衛生

ア 産業衛生

イ 精神衛生

ウ 母子衛生

(9) 疾病の一般

ア 疾病の概念

イ 疾病の分類

ウ 疾病と症状

エ 疾病の経過,予後及び転帰

(10) 疾病の原因

ア 病因の意義

イ 病因の分類

ウ 加齢と老化

(11) 各病変の大要

ア 循環障害

イ 退行性病変

ウ 進行性病変

エ 炎症

オ 腫瘍しゅよう

カ 免疫の異常とアレルギー

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(6)については,「理療基礎実習」及び「理療臨床実

習」との関連を図りながら,実践的に取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(9)から(11)までについては,疾患や愁訴に対する病

態機序の理解と,施術の適応の判断に関する基礎的な能力が身に付くよ

う指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)については,特に生活習慣病と関連付けて取り扱

うこと。ウについては,産業衛生と関連付けて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(5)については,最新の情報に配慮しながら,代表的

な疾患を取り上げ,発生因子の回避に重点を置いて取り扱うこと。ウに

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Ⅰ- 59

ついては,免疫学についても取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(7)のウについては,理療業務と関係の深い統計等に

ついて取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(9)については,半健康状態及び東洋医学の未病の概

念を取り入れながら指導すること。

〔生活と疾病〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,疾病と日常生活の関わりに関する実践的・

体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとお

り育成することを目指す。

(1) 施術を行うために必要な疾病と日常生活の関わりについて体系的・系統

的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 疾病と日常生活の関わりに関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧

師,はり師及びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に

解決する力を養う。

(3) 疾病と日常生活の関わりについて,地域や社会を支えるあん摩マッサー

ジ指圧師,はり師及びきゅう師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施

術に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 診察法

ア 診察の意義

イ 診察法の種類

ウ 臨床検査の概要

(2) 主な症状の診察法

ア 頭痛

イ 肩こり

ウ 肩関節痛

エ 頸肩腕痛けい

オ 腰痛

カ 腰下肢痛

キ 膝痛ひざ

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Ⅰ- 60

ク 高血圧と低血圧

ケ 心身の疲労

コ その他の症状

(3) 治療法

ア 治療法の基礎

イ 治療法の実際

(4) 臨床心理

ア 臨床心理の一般

イ 心理療法の概要

(5) 系統別疾患の概要

ア 運動器系疾患

イ 神経系疾患

ウ 呼吸器系疾患

エ 血液・循環器系疾患

オ 消化器系疾患

カ 泌尿・生殖器系疾患

キ 内分泌系・代謝疾患及びビタミン欠乏症

ク 感染症

ケ その他の疾患

(6) リハビリテーションの一般

ア リハビリテーションの概念と歴史

イ 医学的リハビリテーションとリハビリテーション医学

ウ 診察,評価,治療計画と記録

(7) 主な疾患のリハビリテーション

ア 運動器系疾患

イ 神経系疾患

ウ 呼吸器系疾患

エ 血液・循環器系疾患

(8) 機能訓練の概要

ア 関節可動域訓練

イ 筋力強化訓練

ウ 日常生活動作訓練

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,予防医学,治療医学及びリハビリテーション医学

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Ⅰ- 61

という現代医学の体系に配慮すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,理療と直接関わりの深い事項に重点

を置き,実習及び「臨床理療学」との関連を考慮して指導すること。ウ

については,医学的な知識として,検査方法やデータの意味等を取り扱

うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,各症状の病態生理と鑑別診断を取り

扱い,施術の適応の判断に生かせるよう指導すること。

ウ 〔指導項目〕の(3)のイについては,代表的な治療法と適応疾患を中

心に取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(5)については,現代医学の立場から各疾患の原因,

症状及び治療法を中心に指導すること。なお,各症状に対する治療につ

いては,施術の有効性との関連を考慮し,理療と直接関わりの深い事項

に重点を置くとともに,「臨床理療学」と関連付けて取り扱うこと。

オ 〔指導項目〕の(6)については,チーム医療としてのリハビリテーシ

ョンの過程を,症例紹介やリハビリテーション施設の見学等を取り入れ

て指導すること。

カ 〔指導項目〕の(7)については,地域医療や在宅ケアの実情を考慮し

,理療と直接関わりの深いアからウまでを中心に取り扱うこと。

キ 〔指導項目〕の(8)については,介護保険施設で行われる介護技術を

含めて取り扱うこと。

〔基礎理療学〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,基礎理療学に関する実践的・体験的な学習

活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 基礎理療学について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術

を身に付けるようにする。

(2) 基礎理療学に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師,はり師及

びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を

養う。

(3) 基礎理療学について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指圧師,は

り師及びきゅう師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主体的か

つ協働的に取り組む態度を養う。

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Ⅰ- 62

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 東洋医学の基礎

ア 東洋医学の意義と特色

イ 陰陽五行論

ウ 臓腑経絡論ふ

エ 気血,営衛,津液

オ 病因

カ 証しょう

(2) 東洋医学の診断と治療

ア 日本の伝統医学的診断と治療

イ 現代の中医学的診断と治療

(3) 経絡と経穴

ア 臓腑経絡とその流注ふ

イ 十四経脈の経穴

ウ その他の特定穴

(4) 経絡,経穴と現代医学

ア 経絡,経穴の現代医学的研究

イ 関連する反応点,反応帯

(5) 理療施術の概要

ア あん摩

イ マッサージ

ウ 指圧

エ はり

オ きゅう

カ 理療の臨床応用

(6) 理療施術の治効理論と関連学説

ア 刺激の伝達

イ 身体組織・器官への影響

ウ 生体反応と治効メカニズム

エ 関連学説

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

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Ⅰ- 63

ア 指導に当たっては,理療に関する研究の成果を踏まえて取り扱い,理

療に対する研究的な態度が培われるよう配慮すること。

イ 〔指導項目〕の(1)から(4)までについては,理療施術との関連を重視

して指導すること。

ウ 〔指導項目〕の(6)については,「人体の構造と機能」との関連を考

慮して取り扱うこと。また,(4)や研究の成果を総合し,理療臨床の観

点から指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)のアについては,問診と切診に重点を置き,実習

を取り入れて指導すること。イについては,臓腑の生理と病理を踏まえふ

た治療原則と治法を中心に取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(5)については,基本手技を取り上げ,その特徴を理

解させるとともに,臨床における施術の適応の判断についても指導する

こと。アからウまでについては,諸外国における徒手による主な施術法

についても取り扱うこと。エについては,特殊な鍼法も取り扱うこと。しん

カについては,病態を踏まえアからオまでを適切に組み合わせた総合的

な施術法を取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(6)のアからウまでについては,特に,運動器系疾患

や内臓器系疾患に対する刺激の作用や生体反応の医学的意味と臨床への

応用という観点で取り扱うこと。

〔臨床理療学〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,臨床理療学に関する実践的・体験的な学習

活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 臨床理療学について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術

を身に付けるようにする。

(2) 臨床理療学に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師,はり師及

びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を

養う。

(3) 臨床理療学について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指圧師,は

り師及びきゅう師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主体的か

つ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

Page 72: 特別支援学校高等部学習指導要領等 - mext.go.jp...Ⅰ-2。幼児期の教育及び義務教育の基礎の上に,高等部卒業以降の教育や職業,生活,生

Ⅰ- 64

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 臨床理療学の基礎

ア 臨床理療学の意義と役割

イ 施術対象者の心理と施術者の対応

(2) 東洋医学における診断,治療の原則

ア 診察

イ 適応の判断

ウ 施術計画

エ 施術原則

オ 記録

(3) 生体観察の基礎

ア 骨の触察

イ 筋の触察

ウ 関節の触察

エ 神経,血管の触察

(4) 健康と理療施術

ア 健康観と疾病観

イ 健康の保持増進のための理療施術

ウ 生活習慣病予防のための理療施術

エ その他の健康療法

(5) 主な症状の理療施術

ア 頭痛

イ 肩こり

ウ 肩関節痛

エ 頸肩腕痛けい

オ 腰痛

カ 腰下肢痛

キ 膝痛ひざ

ク 高血圧と低血圧

ケ 心身の疲労

コ その他の症状

(6) 主な疾患の理療施術

ア 運動器系疾患

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Ⅰ- 65

イ 神経系疾患

ウ 呼吸器系疾患

エ 血液・循環器系疾患

オ 消化器系疾患

カ 泌尿・生殖器系疾患

キ 内分泌系・代謝疾患

ク 感染症

ケ その他の疾患

(7) 高齢者に対する理療施術

ア 高齢者の心身機能の特徴

イ 高齢者の主な症状に対する理療施術

ウ 要支援・要介護高齢者に対する理療施術

(8) スポーツ領域における理療施術

ア スポーツ障害・外傷の一般

イ スポーツ障害・外傷の予防と管理

ウ 主なスポーツ障害・外傷の理療施術

(9) 産業衛生における理療施術

ア 仕事と健康

イ 事業所におけるあん摩マッサージ指圧師,はり師及びきゅう師の業務

と役割

ウ 主な職業起因性症状の理療施術

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 東洋医学と現代医学の知識と技術を総合した臨床概念が養われるよう

内容相互の関連に留意して指導すること。

イ 指導に当たっては,「理療基礎実習」における実技実習との関連を考

慮すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,施術対象者との信頼関係を確立

する上で必要な臨床心理の基礎及び面接技法の基本を理解できるよう取

り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(4)については,東洋医学における未病の考え方を踏

まえて取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(4)から(7)までについては,疾患ごとにその症状の機

序や経過について,病態生理学と関連付けながら扱うとともに,施術の

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Ⅰ- 66

適応の判断ができるよう指導すること。

エ 〔指導項目〕の(5)及び(6)については,「生活と疾病」で取り上げる

症状や疾患と関連付けて指導するとともに,健康指導,生活指導及び応

急処置の方法も含めて指導すること。

オ 〔指導項目〕の(7)のウについては,特に,脳卒中モデル及び廃用症

候群モデルのケアについて取り扱うこと。

カ 〔指導項目〕の(8)のウについては,応急処置及びテーピングの基本

について取り扱うこと。

〔地域理療と理療経営〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,地域理療及び理療経営に関する実践的・体

験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとおり

育成することを目指す。

(1) 地域理療及び理療経営について体系的・系統的に理解するとともに,関

連する技術を身に付けるようにする。

(2) 地域理療及び理療経営に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師

,はり師及びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解

決する力を養う。

(3) 地域理療及び理療経営について,地域や社会を支えるあん摩マッサー

ジ指圧師,はり師及びきゅう師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施

術に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 少子高齢社会と社会保障

ア 少子高齢化の現状と動向

イ 医療保障と介護保障の現状と課題

(2) 地域社会と理療

ア 地域医療の沿革

イ 地域理療の概念

ウ 地域社会の医療と介護

(3) 地域理療の業務と社会保険

ア 理療業務と療養費

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Ⅰ- 67

イ 理療業務と診療報酬

ウ 理療業務と介護報酬

(4) 理療と経営

ア 経営の一般

イ 施術所の開設準備

ウ 障害者雇用と助成金制度

エ 経営の管理と運営

オ 経営の展開と実際

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「医療と社会」との関連に留意するとともに,地

域社会における理療の役割と意義を理解できるようにすること。

イ 〔指導項目〕の(3)については,制度に関する基本的な考え方や法令

遵守についても指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,最新の統計や資料を踏まえて取

り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(4)については,経営の実際の基本的な事項を取り扱

うこと。

〔理療基礎実習〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,臨床の基礎に関する実践的・体験的な学習

活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 臨床の基礎について体系的・系統的に理解するとともに,関連する基礎

的な技術を身に付けるようにする。

(2) 臨床の基礎に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師,はり師及

びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を

養う。

(3) 臨床の基礎について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指圧師,は

り師及びきゅう師を目指して自ら学び,適切かつ効果的な施術に主体的か

つ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

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Ⅰ- 68

指導する。

〔指導項目〕

(1) 施術に必要な衛生と安全管理

ア 施術室の管理

イ 施術者の衛生保持

ウ リスク管理

(2) あん摩・マッサージ・指圧基礎実技実習

ア あん摩の基本手技と身体各部の施術

イ マッサージの基本手技と身体各部の施術

ウ 指圧の基本手技と身体各部の施術

(3) はり基礎実技実習

ア 刺鍼の方法しん

イ 刺鍼の手技しん

ウ 特殊な鍼法しん

(4) きゅう基礎実技実習

ア きゅう施術の基礎

イ 各種の施 灸 法とその実際きゅう

(5) 理療応用実技実習

ア 医療面接実習

イ 評価と理学的検査の実際

ウ 運動療法の応用

エ 物理療法の応用

(6) 理療総合実技実習

ア 総合実技の基礎

イ 主要症状・疾患に対する総合実技実習

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,この科目全体を通して習慣化される

よう取り扱うこと。ウについては,施術の過誤を予防するための適切な

安全管理ができるように取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)から(4)までについては,他の科目と関連付けなが

ら,基礎的な施術ができるよう指導すること。

ウ 〔指導項目〕の(5)及び(6)については,現代医学と東洋医学の両面か

ら,病状を総合的に把握して,実際的な施術ができるよう指導すること

。また,(5)のアについては,患者の立場に立ち,安全な施術を行うた

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Ⅰ- 69

めの心構えや実践的な能力が身に付くよう配慮すること。(6)のイにつ

いては,臨床実習前施術実技に関する評価を行うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,消毒法や滅菌法の実際に重点を置い

て取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,運動法の基本等についても取り扱う

こと。

ウ 〔指導項目〕の(3)のウについては,小児鍼,皮内鍼,低周波鍼通電しん しん はり

療法を中心に取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(6)のイについては,臨床実習への導入として位置付

け,「臨床理療学」の〔指導項目〕の(5)及び(6)で取り上げる症状や疾

患に対する施術の実際を取り扱うこと。

〔理療臨床実習〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,臨床に関する実践的・体験的な学習活動を

通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目

指す。

(1) 臨床について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に

付けるようにする。

(2) 臨床に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師,はり師及びきゅ

う師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 臨床について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指圧師,はり師及

びきゅう師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主体的かつ協働

的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 校内実習

ア 施術者と施術対象

イ 施術の実際

ウ カルテの記載と管理

エ 症例検討

(2) 校外実習

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Ⅰ- 70

ア 校外実習の意義

イ 校外実習の実際

ウ 経営実習の実際

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,治療技術的な側面のみならず,インフォームド・

コンセントや患者の秘密保持,カルテ等の適切な管理方法など,あん摩

マッサージ指圧師,はり師及びきゅう師としての倫理観や職業観を培う

ことに配慮すること。

イ 地域の保健・医療・福祉機関との連携を図りながら,実際的に理解で

きるように指導すること。

ウ 校内実習と校外実習の履修学年や授業時数の配当については,生徒の

実態や実習・見学施設の状況等により弾力的に取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(2)については,理療の実践に適した施設等を選定し

,当該施設等との十分な連絡調整を図ること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,生徒の臨床実習の習熟の程度に応じ

て適切な症例を選択するとともに,きめ細かな指導を行うことができる

よう指導体制等に配慮すること。エについては,病態の把握,適応の判

断,施術法や施術効果の検討,リスクの検討などを取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,多様な理療関連業務を理解する

ための施設見学や生徒の進路希望に対応した実習ができるように計画す

ること。ウについては,施術所経営に関する実際的な基礎的な知識が養

われるように,臨床経験の豊富な者の話や施術所見学,模擬経営実習な

どを通して,保険の取扱いの実際を含めて具体的に指導すること。

〔理療情報〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,理療情報に関する実践的・体験的な学習活

動を行うことなどを通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとお

り育成することを目指す。

(1) 理療情報について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を

身に付けるようにする。

(2) 理療情報に関する基本的な課題を発見し,あん摩・マッサージ・指圧師

,はり師及びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解

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Ⅰ- 71

決する力を養う。

(3) 理療情報について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指圧師,はり

師及びきゅう師を目指して自ら学び,人々の健康の保持増進及び疾病の治

療に関する課題解決に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 情報社会の倫理と責任

ア 情報社会の特徴

イ 情報社会の倫理

ウ 情報を扱う個人の責任

(2) 理療における情報の活用と管理

ア 保健医療福祉分野の情報

イ 情報システムの特徴

ウ 情報の活用

エ 情報の管理

(3) 理療における課題解決

ア 課題に応じた情報収集

イ 情報分析と解決方法

ウ 情報の発信方法

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 多様な題材やデータを取り上げ,情報技術の進展に応じた演習などを

通して,生徒が情報及び情報ネットワークを適切に活用できるよう,情

報の信頼性を判断する能力及び情報モラルを育成すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,個人のプライバシーや著作権を含む

知的財産の保護,個人における情報の管理や発信に関する責任について

,法令と関連付けて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,保健医療福祉関係者で共有する情報

通信ネットワークの特徴と活用について,地域の実例などを取り扱うこ

と。また,業務における情報セキュリティの重要性について法令と関連

付けて取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,生徒が主体的に課題を設定して,情

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Ⅰ- 72

報を集め分析し,課題の解決に向けてモデル化,シミュレーション,プ

ログラミングなどを行い,情報デザインなどを踏まえた発信方法を考え

,協議する演習などを行うこと。

〔課題研究〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなど

を通して,地域や社会の保健医療福祉を支え,人々の健康の保持増進を担う

職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理療について体系的・系統的に理解するとともに,相互に関連付けられ

た技術を身に付けるようにする。

(2) 理療に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師,はり師及びきゅ

う師として解決策を探究し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決する力

を養う。

(3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に

主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 調査,研究,実験

(2) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,〔指導項目〕の(1)及び(2)

から,個人又はグループで理療に関する適切な課題を設定し,主体的か

つ協働的に取り組む学習活動を通して,専門的な知識,技術などの深化

・総合化を図り,理療に関する課題の解決に取り組むことができるよう

にすること。なお,課題については,(1)及び(2)にまたがるものを設定

することができること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにすること。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,実際的,

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Ⅰ- 73

具体的に理解させるようにすること。

(2) 実技や実習を伴う科目の指導に当たっては,臨床に応用する力を育むた

め,生徒が常に達成感と新たな技術の習得への意欲をもって学習できるよ

うに,指導内容の構成や指導方法の工夫に留意すること。

(3) 各科目に指導に当たっては,施術の対象となる代表的な疾患や愁訴に対

する施術の適応を判断し確実に施術ができるようにするため,個々の生徒

の実態に応じた指導計画の作成に配慮すること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 単元などの内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力

の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにす

ること。その際,理療の見方・考え方を働かせ,健康に関する事象を,当

事者の考えや状況,理療が生活に与える影響に着目して捉え,当事者によ

る自己管理を目指して,適切かつ効果的な理療を関連付ける実践的・体験

的な学習活動の充実を図ること。

(2) 「理療基礎実習」及び「理療臨床実習」については,対象となる者の人

格を尊重する態度を育てるとともに,実習における安全と規律に留意する

こと。

(3) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワーク等の

活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。

(4) 地域や理療に関する施術所,医療機関,介護保険施設等との連携・交流

を通じた実践的な学習活動や就業体験活動を積極的に取り入れるとともに

,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬

品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止の指導を徹

底し,安全と衛生に十分留意するものとする。

第5款 理学療法

第1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことな

どを通して,理学療法を通じ,地域や社会の保健・医療・福祉を支え,人々の

健康の保持増進及びリハビリテーションに寄与する職業人として必要な資質・

能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理学療法について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身

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Ⅰ- 74

に付けるようにする。

(2) 理学療法に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ合理

的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して

自ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーションに主体的かつ協働

的に取り組む態度を養う。

第2 各 科 目

〔人体の構造と機能〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,人体の構造,機能及び心身の発達に関

する実践的・体験的な学習活動を通して,理学療法を行うために必要な資質

・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理学療法を行うために必要な人体の構造,機能及び心身の発達について

体系的・系統的に理解するようにする。

(2) 人体の構造,機能及び心身の発達に関する課題を発見し,理学療法士と

しての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 人体の構造,機能及び心身の発達と機能について地域や社会を支える理

学療法士を目指して自ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーシ

ョンに主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 人体の構造

ア 解剖学の基礎

イ 系統解剖

ウ 体表解剖

エ 機能解剖

オ 解剖学実習

(2) 人体の機能

ア 生理学の基礎

イ 人体各器官の機能

ウ 運動生理学

エ 生理学実習

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Ⅰ- 75

(3) 人体の運動

ア 運動学の基礎

イ 身体の運動

ウ 運動学実習

(4) 人間の発達

ア 人間発達の基礎

イ 各期における発達の特徴と評価

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 人体についての理解が抽象的な概念の把握にとどまることのないよう

にするため,観察及び実験・実習を取り入れ,具体的,実際的に指導す

ること。

イ 指導に当たっては,人体の構造面と機能面を系統的に理解できるよう

にするため,これらの内容を相互に関連付けて取り扱うこと。また,理

学療法において重要な運動機能面に重点を置いて取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,模型,標本の活用や実習,生体観察

などを通して,人体の構造が実際的に理解できるようにすること。

イ 〔指導項目〕の(3)のウについては,上肢,下肢及び体幹の動き,各

種の姿勢と日常生活における動作などの分析を取り扱うこと。

〔疾病と障害〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,疾病と障害の成り立ち及び回復過程に

関する実践的・体験的な学習活動を通して,理学療法を行うために必要な資

質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理学療法を行うために必要な疾病と障害の成り立ち及び回復過程につい

て体系的・系統的に理解するようにする。

(2) 疾病と障害の成り立ち及び回復過程に関する課題を発見し,理学療法士

としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 疾病と障害の成り立ち及び回復過程について,地域や社会を支える理学

療法士を目指して自ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーショ

ンに主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

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Ⅰ- 76

指導する。

〔指導項目〕

(1) 病理学

ア 病理学の基礎

イ 病因

ウ 病変

(2) 内科疾患

ア 内科学の基礎

イ 主な内科疾患

(3) 整形外科疾患

ア 整形外科学の基礎

イ 主な整形外科疾患

(4) 神経内科疾患

ア 神経内科学の基礎

イ 神経症候学の基礎

ウ 主な神経内科疾患

(5) 精神科疾患

ア 精神医学の基礎

イ 主な精神科疾患

(6) 小児科疾患

ア 小児科学の基礎

イ 主な小児科疾患

(7) 高齢者の疾患

ア 老年医学の基礎

イ 主な高齢者の疾患

(8) 臨床心理学

ア 臨床心理学の基礎

イ 臨床心理学の応用

(9) 栄養学

ア 栄養学の基礎

(10) 薬理学

ア 薬理学の基礎

(11) 救急救命医学

ア 救急救命医学の基礎

3 内容の取扱い

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Ⅰ- 77

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,内容相互に関連をもたせ,疾病,障害,診断,治

療及び予防などを系統的に理解できるよう取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)から(7)までについては,理学療法と関係の深い代

表的な疾患に重点を置くとともに,医用画像評価や疾病の予測や再発予

防についても取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)については,理学療法と関係の深い循環器系,呼

吸器系及び代謝系に重点を置いて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(3)のイについては,スポーツ障害や急性期の外傷に

ついても取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(4)のイ及びウについては,理学療法と関係の深い中

枢神経疾患及び末 梢 神経疾患に重点を置いて取り扱うこと。しょう

エ 〔指導項目〕の(7)のアについては,嚥下の仕組みについても取り扱えん げ

うこと。

オ 〔指導項目〕の(8)のイについては,患者の心理,臨床心理学的検査

法,心理療法及びカウンセリングなどを取り扱うこと。

〔保健・医療・福祉とリハビリテーション〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,保健・医療・福祉とリハビリテーショ

ンに関する実践的・体験的な学習活動を通して,理学療法を行うために必要

な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理学療法を行うために必要な保健・医療・福祉とリハビリテーションに

ついて体系的・系統的に理解するようにする。

(2) 保健・医療・福祉とリハビリテーションに関する課題を発見し,理学療

法士としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 保健・医療・福祉とリハビリテーションについて,地域や社会を支える

理学療法士を目指して自ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテー

ションに主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 保健・医療・福祉の体系

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Ⅰ- 78

ア 保健・医療・福祉の概要

イ 各種の保健・医療・福祉制度

ウ 地域包括ケアシステムの概要

(2) リハビリテーション

ア リハビリテーションの理念

イ 主要疾患のリハビリテーション

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,内容が抽象的な概念の把握にとどまることのない

よう,また多職種との連携の重要性についての理解が図られるよう,症

例紹介や保健・医療・福祉及びリハビリテーション施設の見学などを交

えて取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,理学療法に関係の深い代表的な

保健・医療・福祉制度の現状と課題について取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(1)のウについては,住まい・医療・介護・予防・生

活支援の一体的提供及び地域ケア会議について取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(2)のアについては,自立支援及び就労支援について

取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(2)のイについては,理学療法の対象となる代表的な

疾患を取り上げ,その原因,症状,経過及び予後並びにリハビリテーシ

ョン治療の概要を取り扱うこと。

〔基礎理学療法学〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,基礎理学療法学に関する実践的・体験

的な学習活動を通して,理学療法を行うために必要な資質・能力を次のとお

り育成することを目指す。

(1) 理学療法を行うために必要な基礎理学療法学について体系的・系統的に

理解するようにする。

(2) 基礎理学療法学に関する課題を発見し,理学療法士としての職業倫理踏

まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 基礎理学療法学について,地域や社会を支える理学療法士を目指して自

ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーションに主体的かつ協働

的に取り組む態度を養う。

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Ⅰ- 79

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 理学療法の概要

ア 理学療法の歴史

イ 理学療法の基礎

ウ 健康増進と予防に関する理学療法

エ 理学療法研究法

(2) 関係法規

ア 理学療法士及び作業療法士法

イ その他の関係法規

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「保健・医療・福祉とリハビリテーション」及び

「地域理学療法学」との関連に留意して取り扱うこと。また,理学療法

士と多職種との連携によるチーム医療の大切さについても触れること。

イ 〔指導項目〕の(1)については,統計学や教育学,情報科学などとの

関連を図りながら指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,医療の歴史における理学療法の

位置付けも含めて取り扱うこと。イについては,理学療法の医療におけ

る位置付け,理学療法士の関連組織も含めて取り扱うこと。ウについて

は,予防医学と理学療法とを関連付けて行うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,医師法などの概要を取り扱うこ

と。

〔理学療法管理学〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,理学療法管理学に関する実践的・体験

的な学習活動を通して,理学療法を行うために必要な資質・能力を次のとお

り育成することを目指す。

(1) 理学療法を行うために必要な理学療法管理学について体系的・系統的に

理解するようにする。

(2) 理学療法管理学に関する課題を発見し,理学療法士としての職業倫理を

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Ⅰ- 80

踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理学療法管理学について,地域や社会を支える理学療法士を目指して自

ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーションに主体的かつ協働

的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 理学療法管理学の基礎

ア 職場管理と運営

(2) 理学療法と職業倫理

ア 理学療法倫理

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,内容相互に関連をもたせ理学療法管理学を体系的

・系統的に理解できるようにすること。

イ 〔指導項目〕の(1)のアについては,「保健・医療・福祉とリハビリ

テーション」の〔指導項目〕と関連付けながら,医療保険制度,介護保

険制度,組織運営及びチーム医療について取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(2)のアについては,医療従事者としての心構え,倫

理観,患者の人権,法令遵守などについて取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,安全衛生,リスク管理及び理学

療法教育を含めて取り扱うこと。

〔理学療法評価学〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,理学療法評価学に関する実践的・体験

的な学習活動を通して,理学療法を行うために必要な資質・能力を次のとお

り育成することを目指す。

(1) 理学療法評価学について体系的・系統的に理解するとともに,関連する

技術を身に付けるようにする。

(2) 理学療法評価学に関する課題を発見し,理学療法士としての職業倫理を

踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理学療法評価学について,地域や社会を支える理学療法士を目指して自

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Ⅰ- 81

ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーションに主体的かつ協働

的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 理学療法評価

ア 理学療法評価の基礎

イ 各種の理学療法評価の方法

ウ 理学療法評価の実習

(2) 運動学的評価

ア 運動学的評価の基礎

イ 運動・動作の分析の方法

(3) 医用画像評価

ア 医用画像評価の基礎

イ 医用画像評価の方法

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,基礎的な実習を十分に行うとともに,具体的な症

例を取り上げること。また,機械・器具などを工夫して生徒の視覚障害

の状態に応じた適切な指導ができるよう配慮すること。

イ 「理学療法治療学」及び「理学療法臨床実習」との関連を図りながら

,理学療法評価とともに,医学的な一般評価,心理学的評価や社会的評

価も取り扱うこと。

ウ 指導に当たっては,動画による理学療法評価が行えるようコンピュー

タ等の情報機器を活用するなどの工夫をすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,運動機能の評価に重点を置いて

取り扱うこと。また,リスク管理としてのバイタルサインの評価の重要

性について十分に指導すること。

イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,人体の運動に関する基礎的な知

識を踏まえ,各種の疾患や障害の運動学的評価と考察の方法,治療計画

への応用などを取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,静止画や動画を用いた,理学療法と

関係の深い姿勢や動作の分析,神経系,運動器系,呼吸器系及び循環器

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Ⅰ- 82

系の画像評価を中心に取り扱うこと。

〔理学療法治療学〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,理学療法治療学に関する実践的・体験

的な学習活動を通して,理学療法を行うために必要な資質・能力を次のとお

り育成することを目指す。

(1) 理学療法治療学について体系的・系統的に理解するとともに,関連する

技術を身に付けるようにする。

(2) 理学療法治療学に関する課題を発見し,理学療法士としての職業倫理を

踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理学療法治療学について,地域や社会を支える理学療法士を目指して自

ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーションに主体的かつ協働

的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 運動療法

ア 運動療法の基礎

イ 各種の運動療法

ウ 各障害に対する運動療法

エ 運動療法実習

(2) 物理療法

ア 物理療法の基礎

イ 各種の物理療法

ウ 物理療法実習

(3) 義肢装具

ア 義肢装具の基礎

イ 義肢

ウ 装具

エ 義肢装具の実習

(4) 日常生活活動

ア 日常生活活動の基礎

イ 日常生活活動の評価

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Ⅰ- 83

ウ 日常生活活動の指導法

(5) 理学療法技術論

ア 理学療法技術論の基礎

イ 疾患別理学療法治療の方法

ウ 疾患別理学療法治療の実習

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,基礎実技の実習に重点を置いて実際的に理解させ

るとともに,リスク管理について取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(4)については,「地域理学療法学」との関連を図り

,指導内容が重複しないよう配慮すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,疾病や障害に対する運動療法にとど

まらず,スポーツ,レクリエーションなども取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(5)については,健康増進のための理学療法,診療記

録の仕方や管理及び喀痰等の吸引についても取り扱うこと。かくたん

〔地域理学療法学〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,地域理学療法学に関する実践的・体験

的な学習活動を通して,理学療法を行うために必要な資質・能力を次のとお

り育成することを目指す。

(1) 地域理学療法学について体系的・系統的に理解するとともに,関連する

技術を身に付けるようにする。

(2) 地域理学療法学に関する課題を発見し,理学療法士としての職業倫理を

踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 地域理学療法学について,地域や社会を支える理学療法士を目指して自

ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーションに主体的かつ協働

的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 地域理学療法の概要

ア 地域理学療法の基礎

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Ⅰ- 84

イ 地域理学療法における理学療法士の役割

(2) 地域理学療法各論

ア 地域理学療法における生活評価

イ 地域理学療法の実際

ウ 在宅ケアと生活指導

エ リハビリテーション関連機器

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,地域における理学療法を効果的に実践できるよう

にするため,症例検討や在宅訪問などを取り入れて指導すること。

イ 指導に当たっては,「保健・医療・福祉とリハビリテーション」との

関連を図り,指導内容が重複しないよう配慮すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)のイについては,保健所,福祉施設等における理

学療法を取り扱うこと。ウについては,在宅ケア対象者の介護及び家族

を含めた生活指導を中心に取り扱うこと。その際,施設等への通院・通

所者の在宅ケアなどについても取り扱うこと。

〔理学療法臨床実習〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,理学療法臨床実習に関する実践的・体

験的な学習活動を通して,理学療法を行うために必要な資質・能力を次のと

おり育成することを目指す。

(1) 理学療法臨床実習について体系的・系統的に理解するとともに,関連す

る基礎的な技術を身に付けるようにする。

(2) 理学療法臨床実習に関する課題を発見し,理学療法士としての職業倫理

を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理学療法臨床実習について,地域や社会を支える理学療法士を目指して

自ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーションに主体的かつ協

働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 理学療法の見学実習

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Ⅰ- 85

ア 医療機関の見学実習

イ その他の施設の見学実習

(2) 理学療法の臨床実習

ア 症例観察と基礎臨床実習

イ 総合臨床実習

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,患者の人権の尊重や患者のリスク管理について指

導すること。また,生徒の安全や健康管理についても指導すること。

イ 指導に当たっては,「地域理学療法学」及び「保健・医療・福祉とリ

ハビリテーション」との関連を図り,地域包括ケアシステムについて触

れること。

ウ 〔指導項目〕の(1)については,生徒が理学療法に対する興味・関心

を高めることができるよう指導方法を工夫すること。

エ 〔指導項目〕の(2)については,各種の疾患や障害に対して,偏りな

く実習を行うことができるよう実習施設及び臨床実習指導者と連携を図

りながら,調整すること。

オ 〔指導項目〕の(2)については,理学療法に関する総合的な知識や基

本的な技術及び態度等に関する臨床実習前の評価と臨床実習後の評価を

行うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,地域における様々な施設での理

学療法の実際を見学できるよう配慮すること。

イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,理学療法臨床に必要な症例報告

の書き方や症例研究の方法などを含めて取り扱うこと。

〔理学療法情報〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,理学療法情報に関する実践的・体験的

な学習活動を行うこと通して,理学療法の実践に必要な資質・能力を次のと

おり育成することを目指す。

(1) 理学療法情報について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技

術を身に付けるようにする。

(2) 理学療法情報に関する課題を発見し,理学療法の職業倫理を踏まえて合

理的かつ創造的に解決する力を養う。

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Ⅰ- 86

(3) 理学療法情報について,地域や社会を支える理学療法士を目指して自ら

学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーションに関する課題解決に

主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 情報社会の倫理と責任

ア 情報社会の特徴

イ 情報社会の倫理

ウ 情報を扱う個人の責任

(2) 理学療法における情報の活用と管理

ア 保健医療福祉分野の情報

イ 情報システムの特徴

ウ 情報の活用

エ 情報の管理

(3) 理学療法における課題解決

ア 課題に応じた情報取集

イ 情報分析と解決方法

ウ 情報の発信方法

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 多様な題材やデータを取り上げ,情報技術の進展に応じた演習などを

通して,生徒が情報及び情報ネットワークを適切に活用できるよう,情

報の信頼性を判断する能力及び情報モラルを育成すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,個人のプライバシーや著作権を含む

知的財産の保護,個人における情報の管理や発信に関する責任について

,法令と関連付けて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,保健・医療・福祉関係者で共有する

情報通信ネットワークの特徴と活用について,地域の実例などを取り扱

うこと。また,業務における情報セキュリティの重要性について法令と

関連付けて取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,生徒が主体的に課題を設定して,情

報を集め分析し,課題の解決に向けてモデル化,シミュレーション,プ

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Ⅰ- 87

ログラミングなどを行い,情報デザインなどを踏まえた発信方法を考え

,協議する演習などを行うこと。

〔課題研究〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこと

などを通して,地域や社会の保健・医療・福祉を支え人々の健康の保持増進

を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理学療法について体系的・系統的に理解するとともに,相互に関連付け

られた技術を身に付けるようにする。

(2) 理学療法に関する課題を発見し,理学療法士として解決策を探究し,科

学的な根拠に基づいて創造的に解決する力を養う。

(3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,理学療法に主体的かつ協

働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 調査,研究,実験

(2) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,〔指導項目〕の(1)及び(2)

から,個人又はグループで理学療法に関する適切な課題を設定し,主体

的かつ協働的に取り組む学習活動を通して,専門的な知識,技術などの

深化・総合化を図り,理学療法に関する課題の解決に取り組むことがで

きるようにすること。なお,課題については,(1)及び(2)にまたがるも

のを設定することができること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにすること。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,実際的,

具体的に理解させるようにすること。

(2) 各科目の指導に当たっては,生徒が常に達成感と新たな知識及び技術の

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Ⅰ- 88

習得への意欲をもって学習できるように,指導内容の構成や指導方法の工

夫に十分留意すること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 単元などの内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力

の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにす

ること。その際,理学療法の見方・考え方を働かせ,健康に関する事象を

,当事者の考えや状況,理学療法が生活に与える影響に着目して捉え,当

事者による自己管理を目指して,適切かつ効果的な理学療法と関連付ける

実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。

(2) 「基礎理学療法学」及び「理学療法治療学」の内容については,相互の

密接な関連を図って取り扱うこと。

(3) 「理学療法治療学」及び「地域理学療法学」の内容については,作業療

法との関連に留意して取り扱うこと。

(4) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワーク等の

活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。

(5) 地域や医療機関等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験

活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなど

の工夫に努めること。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬

品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止の指導を徹

底し,安全と衛生に十分留意するものとする。

第6款 印 刷

第1 目 標

印刷に関する見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこと

などを通して,情報デザインと印刷物の作成を通じ,地域や社会の健全で持続

的な発展を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目

指す。

(1) 印刷の各工程について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術

を身に付けるようにする。

(2) 印刷産業に関する課題を発見し,職業人としての倫理観をもって合理的か

つ創造的に解決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して

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Ⅰ- 89

自ら学び,印刷産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う

第2 各 科 目

〔印刷概論〕

1 目 標

印刷に関する見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要

な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 印刷とメディアについて体系的・系統的に理解するとともに,印刷の文

化的価値を理解し,印刷メディアに関する技術を身に付けるようにする。

(2) 印刷とメディアに関する課題を発見し,職業人としての倫理観をもって

合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 印刷とメディアについて,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,印

刷産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) メディアの基礎

ア メディアの定義と機能

イ メディアの種類と特性

(2) 情報メディアの特性と活用

ア 情報メディアの種類と特性

イ 情報メディアの活用

(3) 印刷と社会

ア 印刷と技術の進歩

イ 印刷商品の形態と機能

ウ 印刷物が社会に及ぼす影響

エ 印刷と情報産業

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 教科の基礎科目であることを踏まえ,視聴覚教材・教具の活用及び産

業現場の見学等により,生徒の学習意欲の向上に努めること。

イ 情報伝達やコミュニケーションの目的に応じて情報メディアを適切に

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Ⅰ- 90

選択し,効果的に活用することを理解させるとともに,著作権などの知

的財産の取扱いにも留意することを理解させること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,メディアが社会や情報産業に果た

している役割について取り扱うこと。イについては,多様なメディアに

ついて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,新聞,テレビ,電話などを取り上

げ,それぞれの情報メディアの特徴や働きについて取り扱うこと。イに

ついては,情報の収集,分析,発信などにおいて情報メディアを効果的

に活用するために必要な基礎的な知識と技術について取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)のイからエまでについては,印刷産業の動向や様々

な産業分野における印刷技術の利活用を含めた今後の展望について取り

扱うこと。

〔印刷デザイン〕

1 目 標

印刷に関する見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要

な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 印刷デザインについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技

術を身に付けるようにする。

(2)印刷デザインに関する課題を発見し,職業人としての倫理観をもって合理

的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 印刷デザインについて,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,印刷

産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 視覚の原理とデザイン

ア 視覚の仕組みと認知

イ 印刷デザインの歴史

ウ 視覚情報の伝達とメディア

(2) 構成とデザイン

ア デザインの概要と構成要素

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Ⅰ- 91

イ 構成による視覚心理

ウ デザインの基礎技法

(3) 印刷技術とデザイン

ア デザインのワークフロー

イ フィニッシュワーク

ウ タイポグラフィー

エ カラー理論

オ レイアウトデザイン

カ インフォグラフィックス

(4) デザインの制作

ア 名刺,カレンダー

イ 広告チラシ,ポスター

ウ パッケージ

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 具体的な資料の活用や作品の鑑賞などを通して,生徒が意欲的に作品

制作を行うことができるようにすること。

イ 〔指導項目〕の(1)及び(2)については,具体的な事例を提示して指導

すること。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,実習を通して指導すること。

エ 〔指導項目〕の(4)については,アからウまでのうち,一つ以上を選

択し,(1)から(3)までの内容の指導で身に付けたことをもとに作品の制

作ができるようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(3)については,レタリングについても取り扱うこと。

〔印刷製版技術〕

1 目 標

印刷に関する見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要

な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 印刷製版技術について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技

術を身に付けるようにする。

(2) 印刷製版技術に関する課題を発見し,職業人としての倫理観をもって合

理的かつ創造的に解決する力を養う。

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Ⅰ- 92

(3) 印刷製版技術について,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,印刷

産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 各種版式の特徴と版式

ア 凸版印刷における製版

イ 平版印刷における製版

ウ 凹版印刷における製版

エ 孔版印刷における製版

(2) 特色印刷とフルカラー印刷における製版

ア モノクロ製版

イ カラー製版

(3) 写真製版

ア カメラ原理

イ 写真用感光材料

ウ 現像処理

エ 刷版

(4) デジタル製版

ア フィルムセッタとプレートセッタ

イ RIP処理

ウ 色分解と色再現

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 「印刷総合実習」と関連させながら取り扱い,製版の基礎的な知識や技

術の習得を促すよう留意すること。

イ 刷版工程を含むフィルム製版,プレート製版を総合的に取り扱い,デ

ジタル製版技術の基礎となる基本的な知識や技術について写真製版等の

製版技術を通し習得できるよう留意すること。

ウ 製版材料の保管や取扱いと共に,現像等により生じる廃液等の処理,

技術革新による変化についても触れ,環境保全の重要性も取り扱うこと

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,印刷の版式に応じた製版を取り扱い,

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Ⅰ- 93

製版材料や工程にも触れること。

イ 〔指導項目〕の(3)については,光と色の基礎となる知識に加え,光源

と照明,カメラのレンズや絞り,露光と光化学,写真濃度,網点とスク

リーン線数についても取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(4)についてはスキャナーによる色分解,コンピュータ

からの色分解出力,ダイレクト製版について技術革新によるメリットを

含め具体的に取り扱うこと。また,アナログ製版の知識や技術がデジタ

ル製版に生かされていることも触れること。

〔DTP技術〕

1 目 標

印刷に関する見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要

な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) DTP技術について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術

を身に付けるようにする。

(2) DTP技術に関する課題を発見し,職業人としての倫理観をもって合理

的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) DTP技術について,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,印刷産

業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) DTPで取り扱う情報メディアの種類と特性

ア 文字

イ 図形

ウ 静止画

(2) DTPシステム

ア ハードウェア,ソフトウェア

イ 文書作成,編集,管理

ウ 画像作成,編集,管理

エ DTP編集

(3) デジタルプリプレス

ア ワークフロー

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イ フォント,組版

ウ カラーマネジメント

エ データの出力,入稿,面付け

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,印刷産業における実践的な知識と技術の習得を図

るよう,生徒や学校の実態に応じて,適切なアプリケーションソフトウ

ェアを選択し指導すること。また,実習を通し,情報メディアの編集処

理に関わる技術を著作権など知的財産の取扱いにも留意して習得させる

こと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,(3)と関連付けて指導すること。

ウ 他の印刷に関する各科目と関連付けて指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,具体的な事例を通して,それぞれの表

現メディアの特性やデジタル化に関する基本的な原理について取り扱う

こと。

イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,ビジネス文書をはじめとした様々

なドキュメント様式についても取り上げ,それぞれの特性やコンピュー

タによる編集に必要な基礎的な知識と技術について取り扱うこと。また

,校正作業についても取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(2)のウについては,ラスタデータ(形式)画像やベク

タデータ(形式)画像を取り上げ,それぞれの特性やコンピュータによ

る編集に必要な基礎的な知識と技術について取り扱うこと。また,図表

によるグラフィックスについても取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(3)のウの詳細は,デジタル画像技術で取り扱うこと。

また,エについては,スクリーニングやカンプとプルーフについても触

れること。

〔印刷情報技術〕

1 目 標

印刷に関する見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要

な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 印刷情報技術について体系的・系統的に理解するとともに,印刷産業に

関連する技術を身に付けるようにする。

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Ⅰ- 95

(2) 印刷情報技術に関する課題を発見し,職業人としての倫理観をもって合

理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 印刷情報技術について,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,印刷

産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 産業社会と情報技術

ア 情報化の進展と産業社会

イ 情報の価値と情報モラル

ウ 情報のセキュリティ管理

(2) コンピュータシステム

ア ハードウェアとソフトウェア

イ オペレーティングシステムの基礎

ウ アプリケーションソフトウェアの利用

(3) プログラミングの基礎とコンピュータ制御

ア プログラム言語と流れ図

イ 基本的なプログラミング

ウ コンピュータ制御の基礎

(4) コンピュータネットワーク

ア コンピュータネットワークの概要

イ コンピュータネットワークの構成

ウ コンピュータネットワークの通信技術

(5) 印刷産業における情報技術の活用

ア 情報の収集と活用

イ DTP活用とデジタル印刷

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,コンピュータの操作を通して具体的に理解させる

こと。また,生徒の実態や学科の特色に応じて,適切なオペレーティン

グシステム及びアプリケーションプログラムを選択し,印刷に関する題

材やデータなどを用いた実習を通して,情報を主体的に活用できるよう

に指導すること。また,他の印刷に関する各科目と関連付けて実習や演

習を中心として取り扱うこと。

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Ⅰ- 96

イ 〔指導項目〕の(2)については,コンピュータシステムの概要について

理解させるとともに,利用に必要な基本的な操作を習得させること。ま

た,印刷産業におけるコンピュータシステムについても触れること。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,生徒の実態や学科の特色に応じて,扱

わないことができること。

エ 〔指導項目〕の(5)については,情報機器や情報通信ネットワークを活

用して,適切な情報の収集,整理,分析,表現及び発表をさせること。

また,印刷産業におけるコンピュータネットワークの活用についても触

れること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,情報化の進展が産業社会に及ぼす影響

について,身近な事例を取り扱うこと。また,個人のプライバシーや著

作権など知的財産の保護,収集した情報の管理,発信する情報に対する

責任などの情報モラルと情報のセキュリティ管理の方法を取り扱うこと

イ 〔指導項目〕の(3)のイについては,基本的なプログラムの作成方法を

取り扱うこと。ウについては,身近な事例を通してコンピュータ制御と

組み込みの概要を取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(5)のアについては,情報通信ネットワークを活用した

情報の収集,処理及び発信について体験的に理解させること。イについ

ては,生徒の実態に応じてアプリケーションソフトウェアを選択し,入

稿,印刷システムへの前段階となるプリプレスに関する知識や技術を含

め,取り扱うこと。また,印刷に関する分野における最新の情報機器の

活用についても触れること。

〔デジタル画像技術〕

1 目 標

印刷に関する見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要

な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) デジタル画像技術について体系的・系統的に理解するとともに,関連す

る技術を身に付けるようにする。

(2) デジタル画像技術に関する課題を発見し,職業人としての倫理観をもっ

て合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) デジタル画像技術について,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,

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Ⅰ- 97

印刷産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) デジタル画像

ア デジタルデータの特徴

イ 画像のデジタル化

ウ 画像の記憶と再現

(2) 画像入力機器

ア デジタルカメラ

イ スキャナー

(3) デジタルデータ

ア 画像データの形式と特徴

イ 圧縮技術とインフラストラクチャー

ウ データ通信

(4) 画像の作成と処理

ア ラスタデータ(形式)画像

イ ベクタデータ(形式)画像

(5) デジタルデータ入稿

ア プリフライト

イ 分版

ウ 入稿用PDF

エ カラー変換

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「印刷情報技術」,「DTP技術」及び「印刷総

合実習」と関連させながら,コンピュータを活用し画像処理の基礎的な

知識と技術を習得させること。

イ 生徒の実態や興味・関心に応じ,関連ソフトウェアの積極的な活用を

図り,表現として画像データを実践的に印刷として応用できるよう知識

と技術の習得を図ること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,AD変換における量子化や符号化と共

にデータ量を表すバイトやビットなど文字と画像をデジタルデータとし

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Ⅰ- 98

て扱う際の基礎的な知識について取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,入力機器の仕組みや構造を含め,光情

報を電気信号に置き換える仕組みについて取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,通信技術についても取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(4)のアについては,画像サイズ,線数,解像度,色分

解,アンシャープマスク等にも触れること。

〔印刷総合実習〕

1 目 標

印刷に関する見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要

な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 印刷の各工程について,体系的・系統的に理解するとともに,関連する

技術を身に付けるようにする。

(2) 印刷技術や印刷産業に関する課題を発見し,職業人としての倫理観をも

って合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 印刷技術や印刷産業について,よりよい社会の構築を目指して自ら学び

,印刷産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 要素実習

(2) 総合実習

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,安全に配慮するとともに生徒の興味・関心,進路

希望等に応じて実習内容を重点化することや生徒に実習内容を選択させ

ることなど弾力的に取り扱うこと。

イ 指導に当たっては,情報機器の積極的な活用を図りながら,印刷技術

に関する基礎・基本が習得できるよう,他の印刷に関する科目との関連

を図ること。

ウ 指導に当たっては,印刷に関する伝統的な技術・技能を扱うとともに

,安全衛生や技術者としての倫理,環境及びエネルギーヘの配慮などに

ついて,総合的に理解させること。

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Ⅰ- 99

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)の実習においては,関連機械の仕組みや構造,機械

の点検整備や保守管理,印刷用紙や印刷インク,製本に関する知識や技

術も併せて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,(1)の個々の要素技術を総合化し,企

画から納品までの流れを総合的に理解できるよう留意すること。

ウ 〔指導項目〕の(2)については,地域の企業等の協力を得るなどし,印

刷に関する先端的技術に関わる施設設備の見学を含め,インターンシッ

プ等体験的な実習に取り組めるよう工夫すること。

〔課題研究〕

1 目 標

印刷の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなど

通して,社会を支え産業の発展を担う職業人として必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 印刷について体系的・系統的に理解するとともに,相互に関連付けられ

た技術を身に付けるようにする。

(2) 印刷技術や印刷産業に関する課題を発見し,印刷産業に携わる者として

解決策を探究し,科学的な根拠に基づき創造的に解決する力を養う。

(3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,印刷産業の発展や社会貢

献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 調査,研究,実験

(2) 作品制作

(3) 産業現場等における実習

(4) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路指導等に応じて〔指導項目〕の(1)から(4)ま

での中から,個人又はグループで印刷に関する適切な課題を設定し,主

体的かつ協働的に取り組む学習活動を通し,専門的な知識,技術などの

深化・総合化を図り,印刷に関する課題の解決に取り組むことができる

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Ⅰ- 100

ようにすること。なお,課題については,(1)から(4)までの2項目以上

にまたがるものを設定することができること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにすること。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,印刷の見方・考え方を働かせ,見通しをもって実験・実習

などを行い,科学的な根拠に基づき創造的に探究するなどの実践的・体験

的な学習活動の充実を図ること。

(2) 印刷に関する各学科においては,「印刷概論」及び「課題研究」を原則

として全ての生徒に履修させること。

(3) 印刷に関する各学科においては,原則として印刷科に属する科目に配当

する総授業時数の10分の5以上を実習に配当すること。

(4) 地域や産業界等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活

動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの

工夫に努めること。

(5) 「印刷製版技術」,「DTP技術」,「デジタル画像技術」については

,学校や地域の実態などを考慮して適切な指導内容を設定し,重点的に取

り扱うこと。

(6) 「課題研究」については,年間指導計画に定めるところに従い,学校や

地域の実態,生徒の興味・関心,進路希望などを考慮し,必要に応じて弾

力的に授業時間を配当することができること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 情報メディアや印刷物に関する課題を明確化して解決するための主体的

な情報収集や意見交換を積極的に取り入れ,科学的な根拠に基づいて論理

的に説明する言語活動に関わる学習活動を一層重視すること。また,印刷

に関する知識と技術の定着と概念の深化を図るため,体験したことや解決

方法などを説明するなどの言語活動を取り入れること。

(2) コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的に活用し,学習の効

果を高めるよう工夫すること。また,情報の信頼性や信 憑 性を見極めたりぴょう

,確保したりする能力の育成を図るとともに,知的財産権や個人情報の保

護をはじめ,科学的な理解に基づく情報モラルの育成を図ること。

3 実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬品等の

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Ⅰ- 101

安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止や環境保全の指導

を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。また,廃液などの処理に

ついても,十分留意するものとする。

第7款 理容・美容

第1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,理容・美容を通じ,公衆衛生の向上に寄与する職業人とし

て必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理容・美容について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術

を身に付けるようにする。

(2) 理容・美容に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理感を踏まえ

合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指し

て自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組む態度を

養う。

第2 各 科 目

〔関係法規・制度〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,理容・美容の実践に必要な資質・能力を次のとおり育成す

ることを目指す。

(1) 理容・美容の関係法規・制度について体系的・系統的に理解するように

する。

(2) 理容・美容の関係法規・制度に関する課題を発見し,理容・美容の職業

倫理を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理容・美容の関係法規・制度について,よりよい理容・美容の実践を目

指して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組む態

度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

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Ⅰ- 102

〔指導項目〕

(1) 衛生行政

ア 衛生行政の仕組みと意義

イ 保健所の組織と活動

(2) 理容師法と美容師法

ア 沿革と目的

イ 理容師及び美容師の資格

ウ 理容所及び美容所の開設

エ 罰則規定

(3) その他の関係法規

ア 生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律

イ 消費者保護関係法規

ウ 理容師法と美容師法との違い

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)及び(2)については,理容所や美容所,保健所の見

学等を通して,理容師や美容師の役割や理容・美容業の意義についての

自覚を促すようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,衛生行政の組織のうち,特に,理容

・美容業と関係の深い保健所の組織と活動を重点的に取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,特に理容師や美容師の業務上の遵守

事項等について取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,理容・美容の業務との関連を図り,

関係法規の概要について取り扱うこと。

〔衛生管理〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,理容・美容業に必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 理容・美容における衛生管理に関する基礎的な知識について体系的・系

統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 理容・美容における衛生管理に関する課題を発見し,理容・美容の職業

倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

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Ⅰ- 103

(3) 理容・美容における衛生管理について,よりよい理容・美容の実践を目

指して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組む態

度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 公衆衛生概説

ア 公衆衛生の意義と歴史

イ 保健所と理容・美容業

(2) 環境衛生

ア 環境衛生概論

イ 環境衛生各論

ウ 理容所及び美容所における環境衛生

(3) 感染症

ア 感染症の種類と発生原因

イ 感染症の予防

ウ 理容・美容と感染症

(4) 衛生管理技術

ア 消毒の意義と目的

イ 消毒法の種類

ウ 消毒法の実際

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「保健」と関連させながら,理容・美容業におけ

る衛生措置の実際的な知識と技術の習得を図ること。

イ 〔指導項目〕の(4)については,器具の消毒が,理容・美容の業務を

衛生的に行う上で,特に重要なものであることから,実験・実習を通し

て,その意義を理解させ,消毒に関して必要な適切な技術などの習得に

努めること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,公衆衛生と理容・美容業との結び付き

,理容師や美容師の責務,保健所の業務などを重点的に取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,環境と健康,衣食住の衛生,廃棄物処

理と環境保全などを重点的に取り扱うこと。

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Ⅰ- 104

ウ 〔指導項目〕の(3)については,感染症の種類など,理容・美容と関係

の深い事項を重点的に取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(4)については,消毒器具の取扱い,消毒薬の保管方法

などの概要を取り扱うこと。

〔保 健〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,理容・美容業に必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 理容・美容の保健に関する基礎的な知識について体系的・系統的に理解

するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 理容・美容の保健に関する課題を発見し,理容・美容の職業倫理を踏ま

え合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理容・美容の保健について,よりよい理容・美容の実践を目指して自ら

学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 人体の構造と機能

ア 人体の構造

イ 人体の調整機能

ウ 人体の骨格,筋

エ 人体の神経機能

(2) 皮膚及び皮膚付属器官の構造及び機能

ア 構造

イ 生理作用

(3) 皮膚及び皮膚付属器官の保健衛生

ア 皮膚に影響を及ぼす因子

(4) 皮膚及び皮膚付属器官の疾患

ア 疾患の種類,原因,症状

イ 理容・美容で使用する香粧品とかぶれやアレルギーとの関連

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

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Ⅰ- 105

ア 指導に当たっては,各種の模型や標本の活用,映像等の工夫によって

,専門的な知識の習得を図ること。

イ 〔指導項目〕の(2)から(4)までについては,「衛生管理」や「香粧品

化学」と関連させながら,皮膚疾患とその感染経路,病原菌と消毒法及

び予防法に関する的確な知識と技術を習得させること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,施術の際に使う骨格及び筋についても

,各器官と関連させながら取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,皮膚及び皮膚付属器官の構造や生理作

用の概要について取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,毛髪の保健衛生について重点的に取り

扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(4)については,皮膚及び皮膚付属器官に影響を与える

因子,香粧品との関連について重点的に取り扱うこと。

〔香粧品化学〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,理容・美容業に必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 香粧品化学に関する基礎的な知識について体系的・系統的に理解すると

ともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 香粧品化学に関する課題を発見し,理容・美容の職業倫理を踏まえ合理

的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 香粧品化学について,よりよい理容・美容の実践を目指して自ら学び,

人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 香粧品に関する化学

ア 物質の構造

イ 化学反応と化合物

ウ 水と金属

エ 香粧品概論

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Ⅰ- 106

オ 香粧品の種類と原料

カ 基礎香粧品の使用目的と取扱い

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,実験・実習や観察を重視するとともに,「保健」

,「理容実習」及び「美容実習」と関連させながら,実際的な知識の習

得を図ること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,溶液の性質,香粧品の原料,洗浄剤

の種類等,香粧品に関する化学及び化粧品の成分の概要を取り扱うこと

〔文化論〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,理容・美容業に必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 理容・美容の文化に関する基礎的な知識について体系的・系統的に理解

するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 理容・美容の文化に関する課題を発見し,理容・美容の職業倫理を踏ま

え合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理容・美容の文化について,よりよい理容・美容の実践を目指して自ら

学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 理容・美容文化史

ア 理容・美容文化の歴史

イ 理容・美容の変遷

ウ 流行の影響

(2) 服飾

ア 服飾の歴史

イ 理容・美容業と服飾

3 内容の取扱い

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Ⅰ- 107

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,美的感覚,表現力,鑑賞力を養うために,芸術科

等と関連させながら指導すること。また,生徒の興味・関心に即して,

見学の機会を設けるなどして,ヘアスタイルを概括的に取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,時代や地域を象徴するファッション

についても取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,時代や地域を象徴する服飾を基に,

その特徴や機能,ファッション性などの概要を取り扱うこと。

〔理容・美容技術理論〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,理容・美容業に必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 理容・美容技術に関する基礎的な知識について体系的・系統的に理解す

るとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 理容・美容技術に関する課題を発見し,理容・美容の職業倫理を踏まえ

合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理容・美容技術について,よりよい理容・美容の実践を目指して自ら学

び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 器具類の取扱い

ア 種類と使用目的

イ 形態と機能

ウ 選定法と手入れ

エ 理容所と美容所の設備・備品

(2) 基礎技術

ア 理容・美容技術の意義

イ 理容・美容技術と人体各部の名称

ウ 作業姿勢

(3) 頭部,顔部及び頸部技術けい

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Ⅰ- 108

ア ヘアデザインとカッティング

イ シャンプー技術とリンシング

ウ 頭部マッサージとヘアトリートメント

エ ヘアセッティングの種類と特徴

オ 理容のシェービング

カ 顔面処置技術

(4) 特殊技術

ア エステティック技術,ネイル技術など

(5) 理容・美容デザイン

ア ヘアデザインの造形の意義と応用

イ 色彩の原理と理容・美容における応用

(6) 美容の和装技術

ア 美容の和装技術

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「理容実習」及び「美容実習」と関連させて取り

扱うこと。また,理容所や美容所の施設等とその業務の見学や器具,用

具類の操作等を通して,具体的に知識と技術を習得させること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,理容・美容器具の正しい使い方,種類

と特長及び理容所と美容所の設備・備品について取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,実際の業務において必要とされる理容

師や美容師としての心構えや倫理観,衛生措置等の概要を取り扱うこと

ウ 〔指導項目〕の(3)については,基礎となるヘアデザインを中心に,各

種頭部技術の概要について取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(5)については,色彩や造形の原理等,基礎的な内容を

中心に,理容・美容と関連させながら取り扱うこと。

オ 〔指導項目〕の(6)については,日本髪の由来や名称及びその特徴,着

付け技術等に重点を置いて取り扱うこと。

〔運営管理〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,理容・美容業の運営管理に必要な資質・能力を次のとおり

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Ⅰ- 109

育成することを目指す。

(1) 理容・美容業の運営管理に関する基礎的な知識について体系的・系統的

に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 理容・美容業の運営管理に関する課題を発見し,理容・美容の職業倫理

を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理容・美容業の運営管理について,よりよい理容・美容の実践を目指し

て自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組む態度を

養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 経営管理

ア 経営戦略及び経営管理の基本

イ 理容所・美容所の運営

(2) 労務管理

ア 労務管理の基本的理論

イ 社会保障制度

(3) 接客

ア 接客の意義と技術

イ 消費者対応の基本的事項

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,経営管理や労務管理の理論的,技術的な学習にと

どまることなく,理容・美容の業務に関する職業観の育成に努めること

イ 〔指導項目〕の(3)については,「理容実習」又は「美容実習」と関連

させながら指導すること。また,理容所や美容所における実習等を通し

て,実践的な態度と能力を育てること。なお,接客の指導に当たっては

,個々の生徒のコミュニケーション手段の特性に合わせて,的確な接客

が身に付くよう留意すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,経営管理や事務に関わる基本的な理

論と事例について取り扱うこと。また,理容業界や美容業界の現状など

を,具体的な事例を基に指導すること。

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Ⅰ- 110

イ 〔指導項目〕の(2)については,労務管理の目的や範囲について関係

法規と関連させながら取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,実習を通して,接客の意義,接客用

語などを重点的に取り扱うこと。

〔理容実習〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,理容の実践に必要な資質・能力を次のとおり育成すること

を目指す。

(1) 理容の実践について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術

を身に付けるようにする。

(2) 理容の実践に関する課題を発見し,理容の職業倫理を踏まえ合理的かつ

創造的に解決する力を養う。

(3) よりよい理容の実践を目指して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体

的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 基礎技術実習

ア 実習の心構え

イ 作業位置と姿勢

ウ 施設の衛生管理

(2) 器具の取扱い実習

ア 管理方法と消毒方法

イ 基本操作

(3) 頭部,顔部及び頸部技術実習けい

ア ヘアカッティング技法

イ シャンプー技術

ウ 頭部処置技術

エ ヘアアイロン技術

オ パーマネントウェービング

カ ヘアカラーリング

キ シェービングとその他の顔面処理技術

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Ⅰ- 111

(4) 特殊技術実習

ア エステティック技術

イ ネイル技術

(5) 総合実習

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「理容・美容技術理論」と関連させながら,理容

師としての専門的な技術を取り扱うこと。

イ 器具,用具類の基本操作の指導に当たっては,安全で確実な操作の習

得を優先するとともに,けが等の応急処置の方法にも触れること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,実習を行う際の一般的な留意事項や

衛生上の留意事項について取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,刃物類の安全性に留意して取り扱う

とともに,刃物類,櫛,ブラシ類の消毒方法などを重点的に取り扱うこくし

と。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,準備から事後処理までの順序や各種

技法の特徴などを中心に,頭部処置,顔部処置及び頸部処置の実際を取けい

り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(4)については,各種香粧品の取扱い,パッチテスト

の方法,マッサージの基本手技等を取り扱うこと。

〔美容実習〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,美容の実践に必要な資質・能力を次のとおり育成すること

を目指す。

(1) 美容の実践について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術

を身に付けるようにする。

(2) 美容の実践に関する課題を発見し,美容の職業倫理を踏まえ合理的かつ

創造的に解決する力を養う。

(3) よりよい美容の実践を目指して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体

的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

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Ⅰ- 112

指導する。

〔指導項目〕

(1) 基礎技術実習

ア 実習の心構え

イ 作業位置と姿勢

ウ 施設の衛生管理

(2) 器具の取扱い実習

ア 管理方法と消毒方法

イ 基本操作

(3) 頭部,顔部及び頸部技術実習けい

ア トリートメント技術

イ ヘアシャンプー技術

ウ ヘアカッティング技法

エ パーマネント技法

オ ヘアセッティング技法

カ ヘアカラーリング

キ メイクアップ

ク まつ毛エクステンション

(4) 特殊技術実習

ア エステティック技術

イ ネイル技術

(5) 和装技術実習

ア 日本髪

イ 着付け

(6) 総合実習

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「理容・美容技術理論」と関連させながら,美容

師としての専門的な技術を取り扱うこと。

イ 器具,用具類の基本操作の指導に当たっては,安全で確実な操作の習

得を優先するとともに,けが等の応急処置の方法にも触れること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,実習を行う際の一般的な留意事項や

衛生上の留意事項について取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,刃物類の安全性に留意して取り扱う

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Ⅰ- 113

とともに,刃物類,櫛,ブラシ類の消毒方法などを重点的に取り扱うこくし

と。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,準備から事後処置までの準備や,特

にカッティング,カーリング及びワインディングについて基礎的な技術

を取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(4)については,各種香粧品の取扱い,パッチテスト

の方法,マッサージの基本手技等を取り扱うこと。

オ 〔指導項目〕の(5)については,伝統的なヘアスタイルの重要性に触

れ,着付けの基礎的な技術を取り扱うこと。

〔理容・美容情報〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,理容・美容情報に関する実践的・体

験的な学習活動を通して,理容・美容業に必要な資質・能力を次のとおり育

成することを目指す。

(1) 理容・美容情報について体系的・系統的に理解するとともに,関連する

技術を身に付けるようにする。

(2) 理容・美容情報に関する基本的な課題を発見し,理容・美容の職業倫理

を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理容・美容情報について,よりよい理容・美容の実践を目指して自ら学

び,理容・美容に関する課題解決に主体的かつ協働的に取り組む態度を養

う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 情報社会の倫理と責任

ア 情報社会の特徴

イ 情報社会の倫理

ウ 情報を扱う個人の責任

(2) 理容・美容における情報の活用と管理

ア 理容・美容分野の情報

イ 情報システムの特徴

ウ 情報の活用

エ 情報の管理

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Ⅰ- 114

(3) 理容・美容における課題解決

ア 課題に応じた情報収集

イ 情報分析と解決方法

ウ 情報の発信方法

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 多様な題材やデータを取り上げ,情報技術の進展に応じた演習などを

通して,生徒が情報及びネットワークを適切に活用できるよう,情報の

信頼性を判断する能力及び情報モラルを育成すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,個人のプライバシーや著作権を含む知

的財産の保護,個人における情報の管理や発信に関する責任について,

法令と関連付けて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,理容・美容関係者で共有する情報通信

ネットワークの特徴と活用について,地域の実例などを取り扱うこと。

また,業務における情報セキュリティの重要性について法令と関連付け

て取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,生徒が主体的に課題を設定して,情報

を集め分析し,課題の解決に向けてモデル化,シミュレーション,プロ

グラミングなどを行い,情報デザインなどを踏まえた発信方法を考え,

協議する演習などを行うこと。

〔課題研究〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,社会を支え産業の発展を担う職業人として必要な資質・能

力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理容・美容について体系的・系統的に理解するとともに,相互に関連付

けられた技術を身に付けるようにする。

(2) 理容・美容に関する課題を発見し,理容師・美容師として解決策を探究

し,科学的な根拠に基づき創造的に解決する力を養う。

(3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,公衆衛生の保持増進に主

体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

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Ⅰ- 115

指導する。

〔指導項目〕

(1) 調査,研究,実験

(2) 作品制作

(3) 産業現場等における実習

(4) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,〔指導項目〕の(1)から(4)

までの中から,個人又はグループで理容・美容に関する適切な課題を設

定し,主体的かつ協働的に取り組む学習活動を通して,専門的な知識,

技術などの深化・総合化を図り,理容・美容に関する課題の解決に取り

組むことができるようにすること。なお,課題については,(1)から(4)

までの2項目以上にまたがるものを設定することができること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めること。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,理容・美容の見方・考え方を働かせ,見通しをもって実験

・実習などを行い,科学的な根拠に基づき創造的に探究するなどの実践的

・体験的な学習活動の充実を図ること。

(2) 生徒が取得しようとする資格の種類に応じて,各科目の内容を選択して

指導すること。

(3) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,実際的,

具体的に理解させるようにすること。

(4) 地域や産業界等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活

動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの

工夫に努めること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,各種技術や香粧品等の開発状況を考慮して

,科学的な知識と実際的な技術の習得について,特に留意すること。

(2) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークなど

の活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。

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Ⅰ- 116

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規などに従い,施設・設備や

薬品などの安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止の指導

を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。また,廃液処理の指導を

徹底し,自然環境の保護に十分留意するものとする。

第8款 クリーニング

第1 目 標

クリーニングの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,クリーニングを通じ,公衆衛生の向上に寄与する職業人とし

て必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) クリーニングについて体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術

を身に付けるようにする。

(2) クリーニングに関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ

合理的かつ創造的に解決する能力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して

自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う

第2 各 科 目

〔クリーニング関係法規〕

1 目 標

クリーニングの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行う

ことなどを通して,クリーニングの実践に必要な資質・能力を次のとおり育

成することを目指す。

(1) クリーニング関係法規に関する基礎的な知識について体系的・系統的に

理解するようにする。

(2) クリーニング関係法規に関する課題を発見し,クリーニングの職業倫理

を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) クリーニング関係法規について,よりよいクリーニングの実践を目指し

て自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組む態度を

養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

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Ⅰ- 117

指導する。

〔指導項目〕

(1) 法制概要

ア 法の意義と役割

イ 衛生法規の概要

ウ 衛生行政の仕組みと意義

(2) クリーニング業法

ア 沿革と目的

イ クリーニング師の免許等

ウ 細則

(3) 関係法規

ア 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律

イ 水質汚濁防止法

ウ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律

エ 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関す

る法律

オ 労働安全衛生に関する法律

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)及び(3)については,クリーニング業の関係法規及

び従事者の健康保持などに関し,事例を基に具体的に取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,法の役割と運用,衛生行政の仕組み

などについて,クリーニング業と関連させながら指導すること。

イ 〔指導項目〕の(2)については,クリーニング業の社会的意義,営業

者や従事者としての心構え,倫理観及び遵守事項に触れること。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,ドライクリーニング溶剤の有害性,

排水と環境汚染の関係,従事者の環境衛生などの概要を取り扱うこと。

〔公衆衛生〕

1 目 標

クリーニングの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行う

ことなどを通して,クリーニングの実践に必要な資質・能力を次のとおり育

成することを目指す。

(1) 公衆衛生に関する実際的な知識について体系的・系統的に理解する。

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Ⅰ- 118

(2) 公衆衛生に関する課題を発見し,クリーニングの職業倫理を踏まえて合

理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) クリーニングにおける公衆衛生について,よりよいクリーニングの実践

を目指して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組

む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 公衆衛生の概要

ア 公衆衛生の意義

イ 公衆衛生の歩みと課題

(2) 環境衛生

ア 生物と環境

イ 生活の変化と環境の変化

ウ 自然環境と社会環境

エ 環境衛生活動

(3) 予防衛生

ア 疾病の予防

イ 感染性疾患

ウ 生活習慣病

(4) 感染症

ア 感染症と社会生活

イ 種類と発生要因

ウ 予防接種

(5) 消毒

ア 消毒の意義と定義

イ 消毒の種類と方法

ウ クリーニング業と消毒の必要性

(6) 環境への配慮

ア 公害の種類と環境保全

イ クリーニング業と環境汚染対策

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)については,人と環境との関わり,科学技術の発

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Ⅰ- 119

展と環境汚染,環境保全の必要性などについて,事例を取り上げて具体

的に指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)については,水,空気,日光や衣食住などへの関心

を深め,公害や環境汚染と環境衛生活動との関わりについて指導するこ

と。

イ 〔指導項目〕の(3)及び(4)については,医学の進歩と高齢化の進展,

疾病予防等の学習を踏まえ,感染症とクリーニングとの関わりについて

具体的に取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(5)については,クリーニング業法に基づく被洗物の区

分,消毒法と各種消毒薬の取扱い,従事者の業務停止等を取り上げるこ

と。

エ 〔指導項目〕の(6)については,クリーニング業務に必要な環境汚染

対策を重点的に指導すること。

〔クリーニング理論〕

1 目 標

クリーニングの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行う

ことなどを通して,クリーニングの実践に必要な資質・能力を次のとおり育

成することを目指す。

(1) クリーニング理論に関する実際的な知識について体系的・系統的に理解

するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) クリーニング理論に関する課題を発見し,クリーニングの職業倫理を踏

まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) クリーニング理論について,よりよいクリーニングの実践を目指して自

ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 衣服と汚れ

ア クリーニングの歴史と目的

イ 着衣の目的

ウ 汚れの種類

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Ⅰ- 120

エ 汚れの付着機構

(2) クリーニングの科学

ア クリーニングの三要素

イ 洗浄作用のメカニズム

(3) 水と洗浄作用

ア 硬水と軟水

イ 硬水の欠点と軟化法

(4) 界面活性剤

ア 界面活性剤の構造と性質

イ ビルダーの種類と働き

ウ 補助剤の種類と働き

(5) 洗剤と溶剤

ア 洗剤と溶剤の違い

イ 洗剤と溶剤の働き

(6) ランドリー

ア ランドリーとウェットクリーニング

イ 被洗物と洗濯方式

ウ ランドリーの工程

(7) ウェットクリーニング

ア 被洗物

イ 洗剤と洗濯方法

(8) ドライクリーニング

ア 溶剤と洗剤

イ 工程と洗浄方式

ウ 溶剤管理と清浄方法

(9) 特殊加工とシミ抜き

ア 各種加工の目的と種類

イ シミ抜きの用具と機器

ウ シミの分類と判別

エ シミ抜きの方法

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,実験・実習を中心として取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,着衣に伴う汚れの種類や性質などに重

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Ⅰ- 121

点を置いて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(4)については,界面活性剤の種類などに重点を置いて

取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(6)については,ランドリーの特徴と適する被洗物,工

程に沿った洗剤濃度や洗濯時間などに重点を置いて取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(8)については,ドライクリーニングの特徴,有機溶剤

の取扱いと人体に及ぼす影響,廃棄物の処理などに重点を置いて取り扱

うこと。

オ 〔指導項目〕の(9)については,シミ抜きに関する知識,薬品の取扱い

と管理,被洗物の損傷などについて取り扱うこと。

〔繊 維〕

1 目 標

クリーニングの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行う

ことなどを通して,クリーニングの実践に必要な資質・能力を次のとおり育

成することを目指す。

(1) 繊維製品に関する実際的な知識について体系的・系統的に理解するとと

もに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 繊維製品に関する課題を発見し,クリーニングの職業倫理を踏まえて合

理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 繊維製品のクリーニングについて,よりよいクリーニングの実践を目指

して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組む態度

を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 繊維の種類

ア 繊維素材による分類

(2) 繊維の性質と判別

ア 各種繊維の性質

イ 各種繊維の判別

(3) 織物と編み物

ア 織物の組織と性質

イ 編み物の組織と性質

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Ⅰ- 122

ウ 不織布など

(4) 繊維の各種加工

ア 各種加工の目的と種類

(5) 付属品や飾りのクリーニングと取扱い

ア 付属品の取扱いと損傷などの防止

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)及び(4)については,各種繊維の特徴,判別方法及

び加工などについて実験・実習を通して指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)については,各種繊維の用途や取扱いに重点を置

いて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(3)については,織物と編み物のそれぞれの用途や取

扱い,不織布,人工皮革などに重点を置いて取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(4)については,防水,防虫加工方法などについて取

り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(5)については,ボタンや飾りなどの破損や熔解防止よう

の方法について取り扱うこと。

〔クリーニング機器・装置〕

1 目 標

クリーニングの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行う

ことなどを通して,クリーニングの実践に必要な資質・能力を次のとおり育

成することを目指す。

(1) クリーニング機器・装置に関する実際的な知識について体系的・系統的

に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) クリーニング機器・装置の活用に関する課題を発見し,クリーニングの

職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) クリーニング機器・装置の活用について,よりよいクリーニングの実践

を目指して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組

む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

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Ⅰ- 123

(1) ランドリー機器・装置の構造と操作

ア 洗濯機と脱水機

イ 糊煮器と湯沸器のり

ウ 乾燥機

エ ブラッシング器具

(2) ドライクリーニング機器・装置の構造と操作

ア 洗濯機と脱水機

イ 清浄装置

(3) 各種プレス機の構造と操作

ア ワイシャツプレス機類

イ ズボンプレス機類

ウ シーツローラー

(4) シミ抜き機器

ア 蒸気シミ抜き器

イ 超音波シミ抜き器

ウ ジェットスポッター

(5) ボイラー

ア ボイラーの構造

イ ボイラー用水の管理

(6) 機器・装置の安全な操作と事故・危険防止

ア 蒸気バルブ

イ 電源とモーター

ウ 事故・危険防止

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(4)については,各種シミ抜き機器及び道具類の取扱い

に関して,実技や実習を中心として指導すること。

イ 〔指導項目〕の(6)については,機器・装置の安全な操作,点検及び

事故・危険防止に関する事項を関連させながら取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,基本的な構造,原理及び機能とその保守管理につ

いて,安全な操作と事故・危険防止の観点から重点的に取り扱うこと。

〔クリーニング実習〕

1 目 標

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Ⅰ- 124

クリーニングの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行う

ことなどを通して,クリーニングの実践に必要な資質・能力を次のとおり育

成することを目指す。

(1) クリーニングに関する実際的な知識について体系的・系統的に理解する

とともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) クリーニングの実践に関する課題を発見し,クリーニングの職業倫理を

踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) よりよいクリーニングの実践を目指して自ら学び,人々の公衆衛生の向

上に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) ランドリー

ア 洗濯物の受付と仕分

イ ランドリーの実際

ウ 被洗物の種類別乾燥方法

(2) ウェットクリーニング

ア ウェットクリーニングの実際

イ ドライクリーニングした被洗物の取扱い

ウ カーペット

(3) ドライクリーニング

ア ドライクリーニングの実際

イ 溶剤の管理と清浄方法

ウ 有機溶剤と廃棄物

(4) 仕上げ

ア ハンドアイロン仕上げ

イ シーツローラー仕上げとたたみ方

ウ 各種プレス機による仕上げと手直し

(5) シミ抜き

ア シミの判別と使用薬品

イ シミ抜きの実際

ウ 薬品の取扱いと管理

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

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Ⅰ- 125

ア クリーニング工場などの産業現場における見学や実習を通して,機器

・装置が適切に扱えるようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)から(3)までについては,表示記号からの仕分やそ

れぞれの被洗物に適した洗濯方法と工程などに重点を置いて指導するこ

と。特に,(3)については,溶剤の管理と清浄方法に留意して取り扱うこ

と。

イ 〔指導項目〕の(5)については,薬品の取扱いなどを具体的に指導する

こと。

〔課題研究〕

1 目 標

クリーニングの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行う

ことなどを通して,社会を支え産業の発展を担う職業人として必要な資質・

能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) クリーニングの各分野について体系的・系統的に理解するとともに,相

互に関連付けられた技術を身に付けるようにする。

(2) クリーニングに関する課題を発見し,クリーニングやクリーニング関連

産業に携わる者として解決策を探究し,科学的な根拠に基づき創造的に解

決する力を養う。

(3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,公衆衛生の保持増進に主

体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 調査,研究,実験

(2) 産業現場等における実習

(3) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,〔指導項目〕の(1)から(3)

までの中から個人又はグループでクリーニングに関する適切な課題を設

定し,主体的かつ協働的に取り組む学習活動を通して,専門的な知識,

技術などの深化・総合化を図り,クリーニングに関する課題の解決に取

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Ⅰ- 126

り組むことができるようにすること。なお,課題については,(1)から(

3)までの2項目以上にまたがるものを設定することができること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めること。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,クリーニングの見方・考え方を働かせ,見通しをもって実

験・実習などを行い,科学的な根拠に基づき創造的に探究するなどの実践

的・体験的な学習活動の充実を図ること。

(2) 各科目の指導に当たっては,各種化学繊維や仕上げに関する機器や技術

の進展を踏まえ,科学的な知識と実際的な技術が習得されるよう留意する

こと。

(3) 地域や産業界等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活

動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの

工夫に努めること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) クリーニングに関する課題の解決方策について,科学的な根拠に基づき

理論的に説明することや討論することなど,言語活動の充実を図ること。

(2) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークなど

の活用を図り,学習の効果を高めるよう工夫すること。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬

品などの安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止や環境保

全の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。また,廃液の処

理についても十分留意するものとする。

第9款 歯科技工

第1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことな

どを通して,歯科技工を通じ,歯科医療の発展に寄与する職業人として必要な

資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 歯科技工について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身

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Ⅰ- 127

に付けるようにする。

(2) 歯科技工に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ合理

的かつ創造的に解決する能力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して

自ら学び,歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

第2 各 科 目

〔歯科技工関係法規〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこと

などを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 歯科技工関係法規について体系的・系統的に理解するようにする。

(2) 歯科技工関係法規に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理を踏まえ

て合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 歯科技工関係法規について,よりよい歯科技工の実践を目指して自ら学

び,人々の歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 法制概要

ア 法の概念と体系

(2) 衛生行政

ア 衛生行政の意義

イ 衛生行政の組織と活動

(3) 歯科技工士法

ア 法の目的と定義

イ 歯科技工士免許と業務

ウ 歯科技工所

エ 罰則規定と附則等

(4) 関係法規

ア 医療法

イ 歯科医師法

ウ 歯科衛生士法

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Ⅰ- 128

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(3)については,(4)との関連を図り,歯科技工士法に

おける基本用語の的確な理解を促すとともに,罰則規定や諸届について

の理解を深めるようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)及び(2)については,法制の仕組み及び国や都道府

県の衛生行政の概要について取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(3)については,歯科技工士法の概要,歯科技工士免

許の要件,歯科技工の業務等を総合的に理解させるとともに,職業人と

しての心構えや倫理観にも触れるようにすること。

ウ 〔指導項目〕の(4)については,各医療従事者の業務内容等について

歯科技工との関わりに重点を置いて指導すること。

〔歯科技工学概論〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこと

などを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 歯科技工及び口腔の機能と疾患に関する基礎的な知識について体系的・くう

系統的に理解するようにする。

(2) 歯科技工及び口腔の機能と疾患に関する課題を発見し,歯科技工の職業くう

倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 歯科技工学について,よりよい歯科技工の実践を目指して自ら学び,歯

科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 歯科技工総論

ア 歯科医療と歯科技工

イ 歯科技工士の役割と倫理

ウ 顔・口腔組織の形態と機能くう

エ 歯科疾患と周囲組織の変化

オ 歯科臨床における歯科技工

カ 口腔と全身の健康くう

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Ⅰ- 129

(2) 歯科技工管理と運営

ア 歯科技工の作業環境

イ 歯科技工業務と管理運営

ウ 歯科技工における衛生管理

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)及び(2)については,歯科技工の概要を理解させる

とともに医療従事者としての自覚を養うように努めること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,歯科技工に必要な基礎的事項に重点を

置いて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,歯科技工業務の特徴を理解させ,その

責務等を重点的に取り扱うこと。

〔歯科理工学〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこと

などを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 歯科理工学に関する基礎的な知識について体系的・系統的に理解すると

ともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 歯科理工学に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理を踏まえて合理

的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 歯科理工学について,よりよい歯科技工の実践を目指して自ら学び,歯

科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 歯科理工学概論

ア 歯科理工の目的と意義

イ 歯科材料の性質

(2) 歯科技工材料

ア 金属材料

イ 高分子材料

ウ 無機材料

(3) 歯科技工用機器

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Ⅰ- 130

ア 切削機器

イ 研磨機器

ウ 歯科技工関連機器

(4) 成形法

ア レジン成形

イ セラミック成形

ウ 金属成形

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,実験・実習を中心として取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(4)については,「歯科技工実習」と関連させて取り

扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,歯科材料の機械的性質,物理的性質及

び化学的性質,歯科材料と人体との関連,歯科材料の接着並びに歯科材

料規格などの基礎的な内容について取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)及び(3)については,相互に関連させて取り扱い,

実際的な知識と技術の習得を図ること。

ウ 〔指導項目〕の(4)については,レジン材料,セラミック材料及び金属

材料の成形法の概要について取り扱うこと。

〔歯の解剖学〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこと

などを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 歯の解剖学に関する基礎的な知識について体系的・系統的に理解すると

ともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 歯の解剖学に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理を踏まえて合理

的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 歯の解剖学について,よりよい歯科技工の実践を目指して自ら学び,歯

科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 口腔解剖くう

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Ⅰ- 131

ア 頭蓋の骨がい

イ 口腔周囲の筋くう

ウ 顎関節と口腔がく くう

(2) 歯の解剖

ア 歯の概説

イ 永久歯の形態

ウ 歯の発生

エ 歯と歯周組織

オ 歯列弓と上下顎の位置関係がく

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)及び(2)については,「歯科技工実習」の2の〔指

導項目〕の(1)及び(2)よりも先行して履修できるようにすること。

イ 指導に当たっては「顎口腔機能学」との関連を図り,口腔及び歯の解がく くう くう

剖について総合的に理解させるよう留意すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,口腔及び口腔周囲の概要について取くう くう

り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,歯や歯周組織の形態と構造及び機能

について取り扱うこと。

〔顎口腔機能学〕がく くう

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこと

などを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 顎口腔機能学に関する基礎的な知識について体系的・系統的に理解するがく くう

とともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 顎口腔機能学に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理を踏まえて合がく くう

理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 顎口腔機能学について,よりよい歯科技工の実践を目指して自ら学び,がく くう

歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 顎口腔系の概論がく くう

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Ⅰ- 132

ア 顎口腔系の構造と機能がく くう

(2) 下顎位と下顎運動がく がく

ア 下顎位がく

イ 下顎運動がく

ウ 咬合様式こう

(3) 咬合器こう

ア 咬合器の機能と分類こう

イ 咬合器の扱い方こう

(4) 咬合検査と顎機能障害こう がく

ア 咬合検査と顎機能障害こう がく

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)から(3)までについては,「歯科技工実習」の2の

〔指導項目〕の(1)及び(2)よりも先行して履修できるようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,顎口腔系器官の機能を,その構造とがく くう

関連させながら取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,各種の咬合様式等に関して,歯の接こう

触関係を中心に取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)のイについては,平均値咬合器と半調節性咬合器こう こう

の取り扱い方に重点を置いて指導し,全調節性咬合器については,そのこう

概略を理解させること。

〔有床義歯技工学〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこと

などを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 有床義歯技工学に関する基礎的な知識について体系的・系統的に理解す

るとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 有床義歯技工学に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理を踏まえて

合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 有床義歯技工学について,よりよい歯科技工の実践を目指して自ら学び

,歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

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Ⅰ- 133

〔指導項目〕

(1) 有床義歯技工学総論

ア 有床義歯技工学概説

イ 有床義歯技工に関連のある生態についての基礎知識

(2) 全部床義歯技工学

ア 全部床義歯の構成要素,分類

イ 全部床義歯の製作

(3) 部分床義歯技工学

ア 部分床義歯の構成要素,分類

イ 部分床義歯の製作

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「歯の解剖学」及び「顎口腔機能学」との関連をがく くう

図り,症例実習を中心にして基礎的な知識と技術の習得を図ること。

イ 有床義歯の製作の指導に当たっては,機能的回復と審美的回復に必要

な知識の習得に努めるようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)については,顎口腔を取り巻く骨,筋肉などの形がく くう

態的特徴や機能的特徴について,咬合器と関連させながら取り扱うことこう

イ 〔指導項目〕の(3)については,残存歯との調和に配慮した人工歯排列

及び咬合調整に重点を置いて取り扱うこと。こう

〔歯冠修復技工学〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこと

などを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 歯冠修復技工学に関する基礎的な知識について体系的・系統的に理解す

るとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 歯冠修復技工学に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理を踏まえて

合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 歯冠修復技工学について,よりよい歯科技工の実践を目指して自ら学び

,歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

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Ⅰ- 134

〔指導項目〕

(1) 歯冠修復技工学概論

ア 歯冠修復技工の目的と意義

イ 印象採得と作業模型

ウ 咬合採得と咬合器こう こう

(2) 部分被覆冠

ア 部分被覆冠の概要と種類

イ 部分被覆冠の製作法

(3) 全部被覆冠

ア 全部被覆冠の概要と種類

イ 全部金属冠の製作法

ウ 前装冠の製作法

(4) ブリッジ

ア ブリッジの概要と種類

イ 支台装置の種類

ウ ポンティックの種類と特徴

エ 連結部の種類と特徴

(5) インプラント

ア インプラントの概要と種類

イ インプラントを用いた治療の流れ

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 「歯の解剖学」,「顎口腔機能学」及び「有床義歯技工学」と関連をがく くう

図り,症例実習を中心にして基礎的な知識と技術の習得を図ること。

イ 〔指導項目〕の(3)及び(4)については,歯冠修復技工学の中心となる

分野であることから,他の分野と関連させながら,的確な理解を深める

よう留意すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(5)については,インプラント治療の概要とインプラ

ント上部構造の製作法を取り扱うこと。

〔矯正歯科技工学〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこと

などを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 矯正歯科技工学に関する基礎的な知識について体系的・系統的に理解す

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Ⅰ- 135

るとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 矯正歯科技工学に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理観を踏まえ

合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 矯正歯科技工学について,よりよい歯科技工の実践を目指して自ら学び

,歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 矯正歯科技工学概論

ア 矯正歯科治療と矯正歯科技工

イ 正常咬合と不正咬合こう こう

(2) 矯正用口腔模型くう

ア 矯正用口腔模型の種類と特徴くう

(3) 矯正装置

ア 矯正装置の必要条件と分類

イ 矯正装置

ウ 保定装置

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 「歯の解剖学」及び「小児歯科技工学」との関連を図り,基礎的な知

識と技術の習得を図ること。

イ 〔指導項目〕の(3)については,矯正歯科治療と関連させて指導するこ

と。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,不正咬合に重点を置いて指導するここう

と。

イ 〔指導項目〕の(3)については,装置の目的と構造について取り扱い

,イ及びウの各装置のうち基本的なものについては製作方法にも触れる

こと。

〔小児歯科技工学〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこと

などを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 小児歯科技工学に関する基礎的な知識について体系的・系統的に理解す

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Ⅰ- 136

るとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 小児歯科技工学に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理を踏まえ合

理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 小児歯科技工学について,よりよい歯科技工の実践を目指して自ら学び

,歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 小児歯科技工学概論

ア 小児歯科治療と小児歯科技工

イ 歯,顎,顔面の成長発育がく

(2) 乳歯の歯冠修復

ア 成形充塡

イ 被覆冠

(3) 咬合誘導装置こう

ア 保隙装置げき

イ スペースリゲイナー

ウ 口腔習癖除去装置くう

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 「歯の解剖学」との関連を図り,基礎的な知識と技術の習得を図るこ

と。

イ 〔指導項目〕の(2)及び(3)については,小児歯科治療と関連させて指

導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,小児の成長発育に伴う歯,顎及び口がく

腔等の変化に重点を置いて取り扱うこと。くう

イ 〔指導項目〕の(3)については,装置の目的と構造について取り扱い

,アからウまでの各装置のうち,基本的なものについては製作方法にも

触れること。

〔歯科技工実習〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこと

などを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

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Ⅰ- 137

(1) 歯科技工の実践について体系的・系統的に理解するとともに,関連する

技術を身に付けるようにする。

(2) 歯科技工の実践に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理を踏まえて

合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3)よりよい歯科技工の実践を目指して自ら学び,歯科医療の発展に主体的か

つ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 有床義歯技工実習

(2) 歯冠修復技工実習

(3) 歯形彫刻技工実習

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,実験・実習を中心にして使用機械及び器具の理解

を深め,基礎的な知識と技術を総合的に習得させるよう留意すること。

また,安全管理や保健管理に関わる知識の習得に努めること。

イ 臨床的模型上での実習を行うなど,多種多様な模型の活用を図り,適

切な知識や技術を習得させること。また,「歯の解剖学」,「有床義歯

技工学」及び「歯冠修復技工学」と関連させながら,生徒の実態に応じ

て適切に指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,臨床的模型を使用した全部床義歯の

製作及び蝋義歯製作の反復練習に重点を置いて指導すること。ろう

イ 〔指導項目〕の(2)については,臨床的模型を使用した歯冠修復物の

製作及び冠の蝋形成の反復練習に重点を置いて指導すること。ろう

〔歯科技工情報〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこと

などを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 歯科技工情報について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技

術を身に付けるようにする。

(2) 歯科技工情報に関する基本的な課題を発見し,歯科技工の職業倫理を踏

まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

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(3) 歯科技工情報について,よりよい歯科技工の実践を目指して自ら学び,

歯科医療の発展に関する課題解決に主体的かつ協働的に取り組む態度を養

う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 情報社会の倫理と責任

ア 情報社会の特徴

イ 情報社会の倫理

ウ 情報を扱う個人の責任

(2) 歯科技工における情報の活用と管理

ア 歯科技工分野の情報

イ 情報システムの特徴

ウ 情報の活用

エ 情報の管理

(3) 歯科技工における課題解決

ア 課題に応じた情報収集

イ 情報分析と解決方法

ウ 情報の発信方法

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 多様な題材やデータを取り上げ,情報技術の進展に応じた演習などを

通して,生徒が情報及びネットワークを適切に活用できるよう,情報の

信頼性を判断する能力及び情報モラルを育成すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,個人のプライバシーや著作権を含む知

的財産の保護,個人における情報の管理や発信に関する責任について,

法令と関連付けて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,歯科医療福祉関係者で共有する情報通

信ネットワークの特徴と活用について,地域の実例などを取り扱うこと

。また,業務における情報セキュリティの重要性について法令と関連付

けて取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,生徒が主体的に課題を設定して,情報

を集め分析し,課題の解決に向けてモデル化,シミュレーション,プロ

グラミングなどを行い,情報デザインなどを踏まえた発信方法を考え,

協議する演習などを行うこと。

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〔課題研究〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこと

などを通して,社会を支え産業の発展を担う職業人として必要な資質・能力

を次のとおり育成することを目指す。

(1) 歯科技工について体系的・系統的に理解するとともに,相互に関連付け

られた技術を身に付けるようにする。

(2) 歯科技工に関する課題を発見し,歯科技工士として解決策を探究し,科

学的な根拠に基づき創造的に解決する力を養う。

(3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,歯科医療の発展に主体的

かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を

指導する。

〔指導項目〕

(1) 調査,研究,実験

(2) 作品制作

(3) 医療現場等における実習

(4) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,〔指導項目〕の(1)から(4)

までの中から,個人又はグループで歯科技工に関する適切な課題を設定

し,主体的かつ協働的に取り組む学習活動を通して,専門的な知識,技

術などの深化・総合化を図り,歯科技工に関する課題の解決に取り組む

ことができるようにすること。なお,課題については,(1)から(4)まで

の2項目以上にまたがるものを設定することができること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めること。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,歯科技工の見方・考え方を働かせ,見通しをもって実験・

実習などを行い,科学的な根拠に基づき創造的に探究するなどの実践的・

体験的な学習活動の充実を図ること。

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Ⅰ- 140

(2) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,実際的,

具体的に理解させるようにすること。

(3) 地域や歯科技工所等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体

験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するな

どの工夫に努めること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,各種歯科材料,歯科技工用機械等の進歩を

考慮して,科学的知識と技術の習得について,特に留意すること。

(2) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワーク等の

活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬

品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止や環境保全

の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。

第2節 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

第1款 各学科に共通する各教科の目標及び内容

〔国 語〕

1 目 標

言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で理解し表現す

る資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 社会生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うことができ

るようにする。

(2) 社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,思考力や想像力

を養う。

(3) 言葉がもつよさを認識するとともに,言語感覚を養い,国語を大切にして

その能力の向上を図る態度を養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

ア 社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けるとともに,我が国の言

語文化に親しむことができるようにする。

イ 筋道立てて考える力や豊かに感じたり想像したりする力を養い,社会生

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Ⅰ- 141

活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,自分の思いや考えをま

とめることができるようにする。

ウ 言葉がもつよさを認識するとともに,幅広く読書をし,国語を大切にし

て,思いや考えを伝え合おうとする態度を養う。

(2) 内 容

〔知識及び技能〕

ア 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指

導する。

(ア) 社会生活に係る人とのやり取りを通して,言葉には,考えたことや思

ったことを表す働きがあることに気付くこと。

(イ) 相手を見て話したり聞いたりするとともに,間の取り方などに注意し

て話すこと。

(ウ) 漢字と仮名を用いた表記や送り仮名の付け方を理解して文や文章の中

で使うとともに,句読点の使い方を意識して打つこと。

(エ) 表現したり理解したりするために必要な語句の量を増し,話や文章の

中で使うとともに,言葉には,性質や役割による語句のまとまりがある

ことを理解すること。

(オ) 接続する語句の役割,段落の役割について理解すること。

(カ) 日常よく使われる敬語を理解し使うこと。

(キ) 文章の構成や内容の大体を意識しながら音読すること。

イ 話や文章の中に含まれている情報の扱い方に関する次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

(ア) 考えとそれを支える理由や事例,全体と中心など,情報と情報との関

係について理解すること。

(イ) 比較や分類の仕方,辞書や事典の使い方などを理解し使うこと。

ウ 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導

する。

(ア) 生活に身近なことわざや慣用句などを知り,使うこと。

(イ) 書くことに関する次の事項を取り扱うこと。

㋐ 文字の組み立て方を理解し,形を整えて書くこと。

(ウ) 幅広く読書に親しみ,読書が,必要な知識や情報を得ることに役立つ

ことに気付くこと。

〔思考力,判断力,表現力等〕

A 聞くこと・話すこと

聞くこと・話すことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導

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Ⅰ- 142

する。

ア 社会の中で関わる人の話などを,話し手が伝えたいことの中心に注意し

て聞き,話の内容を捉えること。

イ 目的に応じて,話題を決め,集めた材料を比較するなど伝え合うために

必要な事柄を選ぶこと。

ウ 話の中心が明確になるよう話の構成を考えること。

エ 相手に伝わるように,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などを工夫するこ

と。

オ 目的や進め方を確認し,司会などの役割を果たしながら話し合い,互い

の意見の共通点や相違点に着目して,考えをまとめること。

B 書くこと

書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 相手や目的を意識して,書くことを決め,集めた材料を比較するなど,

伝えたいことを明確にすること。

イ 書く内容の中心を決め,内容のまとまりで段落をつくったり,段落相互

の関係に注意したりして,文章の構成を考えること。

ウ 自分の考えとそれを支える理由や事例との関係を明確にして,書き表し

方を工夫すること。

エ 間違いを正したり,相手や目的を意識した表現になっているかを確かめ

たりして,文や文章を整えること。

オ 書こうとしたことが明確になっているかなど,文章に対する感想や意見

を伝え合い,自分の文章のよいところを見付けること。

C 読むこと

読むことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 登場人物の行動や心情などについて,叙述を基に捉えること。

イ 段落相互の関係に着目しながら,考えとそれを支える理由や事例との関

係などについて,叙述を基に捉えること。

ウ 登場人物の心情や情景について,場面と結び付けて具体的に想像するこ

と。

エ 目的を意識して,中心となる語や文を見付けて要約すること。

オ 文章を読んで理解したことに基づいて,感想や考えをもつこと。

○2段階

(1) 目 標

ア 社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けるとともに,我が国の言

語文化に親しんだり理解したりすることができるようにする。

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Ⅰ- 143

イ 筋道立てて考える力や豊かに感じたり想像したりする力を養い,社会生

活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,自分の思いや考えを広

げることができるようにする。

ウ 言葉がもつよさを認識するとともに,進んで読書をし,国語を大切にし

て,思いや考えを伝え合おうとする態度を養う。

(2) 内 容

〔知識及び技能〕

ア 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができるよう指

導する。

(ア) 社会生活に係る人とのやり取りを通して,言葉には,相手とのつなが

りをつくる働きがあることに気付くこと。

(イ) 話し言葉と書き言葉に違いがあることに気付くこと。

(ウ) 文や文章の中で漢字と仮名を使い分けて書くこと。

(エ) 表現したり理解したりするために必要な語句の量を増し,話や文章の

中で使うとともに,語彙を豊かにすること。

(オ) 文と文との接続の関係,話や文章の構成や種類について理解すること

(カ) 日常よく使われる敬語を理解し使い慣れること。

(キ) 文章を音読したり,朗読したりすること。

イ 話や文章の中に含まれている情報の扱い方に関する次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

(ア) 原因と結果など,情報と情報との関係について理解すること。

(イ) 情報と情報との関係付けの仕方を理解し使うこと。

ウ 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができるよう指導

する。

(ア) 親しみやすい古文などの文章を音読するなどして,言葉の響きやリズ

ムに親しむこと。

(イ) 生活の中で使われる慣用句,故事成語などの意味を知り,使うこと。

(ウ) 書くことに関する次の事項を取り扱うこと。

㋐ 用紙全体との関係に注意して,文字の大きさや配列などを決めて書

くこと。

㋑ 目的に応じて使用する筆記具を選び,その特徴を生かして書くこと

(エ) 日常的に読書に親しみ,読書が,自分の考えを広げることに役立つこ

とに気付くこと。

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Ⅰ- 144

〔思考力,判断力,表現力等〕

A 聞くこと・話すこと

聞くこと・話すことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導

する。

ア 社会の中で関わる人の話などについて,話し手の目的や自分が聞きたい

ことの中心を捉え,その内容を捉えること。

イ 目的や意図に応じて,話題を決め,集めた材料を比較したり分類したり

して,伝え合う内容を検討すること。

ウ 話の内容が明確になるように,話の構成を考えること。

エ 資料を活用するなどして,自分の考えが伝わるように表現を工夫するこ

と。

オ 互いの立場や意図を明確にしながら,計画的に話し合い,考えを広げた

りまとめたりすること。

B 書くこと

書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 目的や意図に応じて,書くことを決め,集めた材料を比較したり分類し

たりして,伝えたいことを明確にすること。

イ 筋道の通った文章となるように,文章全体の構成を考えること。

ウ 目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりするとともに,事実

と感想,意見とを区別して書いたりするなど,自分の考えが伝わるように

書き表し方を工夫すること。

エ 引用したり,図表やグラフなどを用いたりして,自分の考えが伝わるよ

うに書き表し方を工夫すること。

オ 文章全体の構成や書き表し方などに着目して,文や文章を整えること。

カ 文章全体の構成が明確になっているかなど,文章に対する感想や意見を

伝え合い,自分の文章のよいところを見付けること。

C 読むこと

読むことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 登場人物の相互関係や心情などについて,描写を基に捉えること。

イ 事実と感想,意見などとの関係を叙述を基に押さえ,文章全体の構成を

捉えて要旨を把握すること。

ウ 人物像を具体的に想像したり,表現の効果を考えたりすること。

エ 目的を意識して,文章と図表などを結び付けるなどして,必要な情報を

見付けること。

オ 文章を読んで理解したことに基づいて,自分の考えをまとめること。

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Ⅰ- 145

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,言

葉の特徴や使い方などを理解し自分の思いや考えを深める学習の充実を図

ること。

イ 2の各段階の内容の〔知識及び技能〕に示す事項については,〔思考力

,判断力,表現力等〕に示す事項の指導を通して指導することを基本とす

ること。

ウ 2の各段階の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「A聞くこと・話

すこと」に関する指導については,高等部卒業後の生活に必要な話し言葉

を身に付け,活用できるよう指導すること。

エ 2の各段階の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「B書くこと」に

関する指導については,筆記具を用いる技能の指導に偏ることなく,文章

を書く場面を設けるよう工夫すること。

オ 2の各段階の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「C読むこと」に

関する指導については,発達の段階に応じた様々な文章に接し,日常生活

において読書活動を活発に行うようにするとともに,他教科等における読

書の指導や学校図書館等における指導との関連を図るようにすること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 2の各段階の内容のうち,文字に関する事項については,次のとおり取

り扱うこと。

(ア) 生活場面や関わる相手が多様になることに応じて,平仮名,片仮名,

漢字,ローマ字などの文字を取り扱うようにすること。

(イ) これまでに学習した句読点の使い方や長音,撥音などの表記についてはつ

,高等部においても正しくより適切に用いることができるよう引き続き

指導すること。

イ 2の内容の指導に当たっては,学校図書館などを目的をもって計画的に

利用しその機能の活用を図るようにすること。その際,本などの種類や配

置,探し方について指導するなど,生徒が必要な本を選ぶことができるよ

う配慮すること。

ウ 教材の取扱いについては,次の事項に留意すること。

(ア) 生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等に応じ,興味・関心

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Ⅰ- 146

のある話題や身近な題材から,高等部卒業後の生活に関連する題材まで

,様々な種類や形式の文,文章を取り扱う機会を設けること。

〔社 会〕

1 目 標

社会的な見方・考え方を働かせ,社会的事象について関心をもち,具体的に

考察する活動を通して,グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民

主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を次のと

おり育成することを目指す。

(1) 地域や我が国の国土の地理的環境,現代社会の仕組みや働き,地域や我が

国の歴史や伝統と文化及び外国の様子について,様々な資料や具体的な活動

を通して理解するとともに,情報を適切に調べまとめる技能を身に付けるよ

うにする。

(2) 社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考えたり,自分の生活と

結び付けて考えたり,社会への関わり方を選択・判断したりする力,考えた

ことや選択・判断したことを適切に表現する力を養う。

(3) 社会に主体的に関わろうとする態度や,よりよい社会を考え学習したこと

を社会生活に生かそうとする態度を養うとともに,多角的な思考や理解を通

して,地域社会に対する誇りと愛情,地域社会の一員としての自覚,我が国

の国土と歴史に対する愛情,我が国の将来を担う国民としての自覚,世界の

国々の人々と共に生きていくことの大切さについての自覚などを養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

学習の問題を追究・解決する活動を通して,次のとおり資質・能力を育成

することを目指す。

ア 我が国の国土の様子と国民生活,自然環境の特色,先人の業績や優れた

文化遺産,社会参加するためのきまり,公共施設の役割と制度,農業や水

産業の現状,産業と経済との関わり,外国の様子について,様々な資料や

具体的な活動を通して,社会生活との関連を踏まえて理解するとともに,

情報を適切に調べまとめる技能を身に付けるようにする。

イ 社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考える力,自分の生活

と結び付けて考える力,社会への関わり方を選択・判断する力,考えたこ

とや選択・判断したことを表現する力を養う。

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Ⅰ- 147

ウ 社会に主体的に関わろうとする態度や,よりよい社会を考え学習したこ

とを社会生活に生かそうとする態度を養うとともに,多角的な思考や理解

を通して,地域社会に対する誇りと愛情,地域社会の一員としての自覚,

我が国の国土に対する愛情,我が国の歴史や伝統を大切にして国を愛する

心情,我が国の産業の発展を願い我が国の将来を担う国民としての自覚や

平和を願う日本人として世界の国々の人々と共に生きることの大切さにつ

いての自覚を養う。

(2) 内 容

ア 社会参加ときまり

(ア) 社会参加するために必要な社会生活に関わる学習活動を通して,次の

事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 地域の人々と互いに協力することの大切さを理解し,自分の役割や

責任を果たすための知識や技能を身に付けること。

㋑ 社会生活の中で状況を的確に判断し,自分の役割と責任について考

え,表現すること。

(イ) 社会生活を営む上で大切な法やきまりに関わる学習活動を通して,次

の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 社会生活を営む上で大切な法やきまりがあることを理解すること。

㋑ 社会生活を営む上で大切な法やきまりの意義と自分との関わりにつ

いて考え,表現すること。

イ 公共施設の役割と制度

(ア) 公共施設の役割に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けるこ

とができるよう指導する。

㋐ 生活に関係の深い公共施設や公共物の役割とその必要性を理解する

こと。

㋑ 生活に関係の深い公共施設や公共物の利用の仕方を調べ,適切な活

用を考え,表現すること。

(イ) 制度に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができる

よう指導する。

㋐ 我が国の政治の基本的な仕組みや働きについて理解すること。

㋑ 国や地方公共団体の政治の取組について調べ,国民生活における政

治の働きを考え,表現すること。

ウ 我が国の国土の自然環境と国民生活

(ア) 我が国の国土の自然環境と国民生活との関連に関わる学習活動を通し

て,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

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Ⅰ- 148

㋐ 自然災害は国土の自然条件などと関連して発生していることや,自

然災害が国土と国民生活に影響を及ぼすことを理解すること。

㋑ 関係機関や地域の人々の様々な努力により公害の防止や生活環境の

改善が図られてきたことを理解するとともに,公害が国土の環境や国

民の生活に影響を及ぼすことを理解すること。

㋒ 災害の種類や発生の位置や時期,防災対策などに着目して,国土の

自然災害の状況を捉え,自然条件との関連を考え,表現すること。

㋓ 公害の発生時期や経過,人々の協力や努力などに着目して,公害防

止の取組を捉え,その働きを考え,表現すること。

エ 産業と生活

(ア) 我が国の農業や水産業における食料生産に関わる学習活動を通して,

次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 我が国の食料生産は,自然条件を生かして営まれていることや,国

民の食料を確保する重要な役割を果たしていることを理解すること。

㋑ 食料生産に関わる人々は,生産性や品質を高めるよう努力したり輸

送方法や販売方法を工夫したりして,良質な食料を消費地に届けるな

ど,食料生産を支えていることを理解すること。

㋒ 生産物の種類や分布,生産量の変化などに着目して,食料生産の概

要を捉え,食料生産が国民生活に果たす役割を考え,表現すること。

㋓ 生産の工程,人々の協力関係,技術の向上,輸送,価格や費用など

に着目して,食料生産に関わる人々の工夫や努力を捉え,その働きを

考え,表現すること。

オ 我が国の国土の様子と国民生活,歴史

(ア) 我が国の国土の様子と国民生活に関わる学習活動を通して,次の事項

を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 我が国の国土の地形や気候の概要を理解するとともに,人々は自然

環境に適応して生活していることを理解すること。

㋑ 地形や気候などに着目して,国土の自然などの様子や自然条件から

見て特色ある地域の人々の生活を捉え,国土の自然環境の特色やそれ

らと国民生活との関連を考え,表現すること。

(イ) 我が国の歴史上の主な事象に関わる学習活動を通して,次の事項を身

に付けることができるよう指導する。

㋐ 我が国の歴史上の主な事象を手掛かりに,関連する先人の業績,優

れた文化遺産などを理解すること。

㋑ 世の中の様子,人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して,我

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Ⅰ- 149

が国の歴史上の主な事象を捉え,世の中の様子の変化を考え,表現す

ること。

カ 外国の様子

(ア) グローバル化する世界と日本の役割に関わる学習活動を通して,次の

事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 異なる文化や習慣を尊重し合うことが大切であることを理解するこ

と。

㋑ 外国の人々の生活の様子などに着目して,日本の文化や習慣との違

いについて考え,表現すること。

○2段階

(1) 目 標

学習の問題を追究・解決する活動を通して,次のとおり資質・能力を育成

することを目指す。

ア 我が国の国土の様子と国民生活,自然環境の特色,先人の業績や優れた

文化遺産,社会参加するためのきまり,公共施設の役割と制度,工業の現

状,産業と情報との関わり,外国の様子について,様々な資料や具体的な

活動を通して,社会生活との関連を踏まえて理解するとともに,情報を適

切に調べまとめる技能を身に付けるようにする。

イ 社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考える力,自分の生活

と結び付けて考える力,社会への関わり方を選択・判断する力,考えたこ

とや選択・判断したことを適切に表現する力を養う。

ウ 社会に主体的に関わろうとする態度や,よりよい社会を考え学習したこ

とを社会生活に生かそうとする態度を養うとともに,多角的な思考や理解

を通して,地域社会に対する誇りと愛情,地域社会の一員としての自覚,

我が国の国土に対する愛情,我が国の歴史や伝統を大切にして国を愛する

心情,我が国の産業の発展を願い我が国の将来を担う国民としての自覚や

平和を願う日本人として世界の国々の人々と共に生きることの大切さにつ

いての自覚を養う。

(2) 内 容

ア 社会参加ときまり

(ア) 社会参加するために必要な社会生活に関わる学習活動を通して,次の

事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 社会の中で互いに協力しながら,社会生活に必要な知識や技能を身

に付けること。

㋑ 社会生活の中で状況を的確に判断し,国民としての権利及び義務,

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Ⅰ- 150

それに伴う責任について考え,表現すること。

(イ) 社会生活を営む上で大切な法やきまりに関わる学習活動を通して,次

の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 社会の慣習,生活に関係の深い法やきまりを理解すること。

㋑ 社会の慣習,生活に関係の深い法やきまりの意義と自分との関わり

について考え,表現すること。

イ 公共施設の役割と制度

(ア) 公共施設の役割に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けるこ

とができるよう指導する。

㋐ 地域における公共施設や公共物の役割とその必要性を理解すること

㋑ 地域における公共施設や公共物の利用の仕方を調べ,適切な活用を

考え,表現すること。

(イ) 制度に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができる

よう指導する。

㋐ 生活に関係の深い制度について理解すること。

㋑ 生活に関係の深い制度について調べ,その活用を考え,表現するこ

と。

ウ 我が国の国土の自然環境と国民生活

(ア) 我が国の国土の自然環境と国民生活との関連に関わる学習活動を通し

て,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 自然災害から国土を保全し国民生活を守るために国や県などが様々

な対策や事業を進めていることを理解すること。

㋑ 国土の環境保全について,自分たちにできることなどを考え,表現

すること。

エ 産業と生活

(ア) 我が国の工業生産に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付ける

ことができるよう指導する。

㋐ 我が国では様々な工業生産が行われていることや,国土には工業の

盛んな地域が広がっていること及び工業製品は国民生活の向上に重要

な役割を果たしていることを理解すること。

㋑ 工業生産に関わる人々は,消費者の需要や社会の変化に対応し,優

れた製品を生産するよう様々な工夫や努力をして,工業生産を支えて

いることを理解すること。

㋒ 工業の種類,工業の盛んな地域の分布,工業製品の改良などに着目

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Ⅰ- 151

して,工業生産の概要を捉え,工業生産が国民生活に果たす役割を考

え,表現すること。

㋓ 製造の工程,工場相互の協力関係,優れた技術などに着目して,工

業生産に関わる人々の工夫や努力を捉え,その働きを考え,表現する

こと。

(イ) 我が国の産業と情報との関わりに関わる学習活動を通して,次の事項

を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 大量の情報や情報通信技術の活用は様々な産業を発展させ,国民生

活を向上させていることを理解すること。

㋑ 情報の種類,情報の活用の仕方などに着目して,産業における情報

活用の現状を捉え,情報を生かして発展する産業が国民生活に果たす

役割を考え,表現すること。

オ 我が国の国土の様子と国民生活,歴史

(ア) 我が国の国土の様子と国民生活に関わる学習活動を通して,次の事項

を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 世界における我が国の国土の位置,国土の構成,領土の範囲などを

大まかに理解すること。

㋑ 世界の大陸と主な海洋,主な国の位置,海洋に囲まれ多数の島から

なる国土の構成などに着目して,我が国の国土の様子を捉え,その特

色を考え,表現すること。

(イ) 我が国の歴史上の主な事象に関わる学習活動を通して,次の事項を身

に付けることができるよう指導する。

㋐ 我が国の歴史上の主な事象を手掛かりに,世の中の様子の変化を理

解するとともに,関連する先人の業績,優れた文化遺産を理解するこ

と。

㋑ 世の中の様子,人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して,我

が国の歴史上の主な事象を捉え,世の中の様子の変化を考え,表現す

ること。

カ 外国の様子

(ア) グローバル化する世界と日本の役割に関わる学習活動を通して,次の

事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 我が国は,平和な世界の実現のために国際連合の一員として重要な

役割を果たしたり,諸外国の発展のために援助や協力を行ったりして

いることを理解すること。

㋑ 地球規模で発生している課題の解決に向けた連携・協力などに着目

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Ⅰ- 152

して,国際社会において我が国が果たしている役割を考え,表現する

こと。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,生活に即した具体的で分かりやすい内容を取り上げ,社会

的事象の見方・考え方を働かせ,事象の特色や意味などを考え,説明した

り表現したりするなど,自ら意欲的に取り組むことのできる活動の充実を

図ること。

イ 各教科等との関連を図り,指導の効果を高めるようにするとともに,中

学部の社会科の学習との関連を踏まえて,系統的,発展的に指導できるよ

うにすること。

ウ コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用して,情報の収集やま

とめなどを行うようにすること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 各学校においては,地域の実態を生かして,生徒が興味・関心をもって

学習に取り組めるようにするとともに,観察や見学,聞き取りなどの調査

活動を含む具体的な体験を伴う学習を通し,自分の生活と結び付けて考え

たことをまとめることで将来の社会生活に生かせるようにすること。

イ 2の内容については,次の事項について配慮するものとする。

(ア) 日本国憲法が基本的人権の尊重,国民主権及び平和主義を基本的原則

としていることについて触れること。

(イ) 情報を適切に調べまとめる技能が身に付くよう,地図帳や地球儀,各

種の資料で調べ,まとめる活動を取り入れること。

(ウ) アについては,身近な生活の中でのきまりから日本国憲法まで幅広く

取り上げ,秩序ある社会生活を保つためには,それらを遵守することが

大切であることに気付くようにするとともに,主体的に社会参加するた

めの基礎的な力を養うこと。

(エ) イについては,選挙などの国民の政治参加の方法や意味についても取

り上げること。また,地域の公共施設について,その地域にある意味や

,それらの利用がよりよい社会生活を送ることにつながることなどを考

えることができるようにすること。

(オ) ウについては,我が国の豊かな自然環境が国民生活に多くの恩恵を与

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Ⅰ- 153

えている一方で,地震災害,津波災害,風水害,火山災害,雪害などの

自然災害と,大気の汚染,水質の汚濁などの公害を取り上げ,自然災害

や生活環境に関心をもち,日常生活の中で必要な注意事項を考えること

により,環境保全のためには国民一人一人の協力が必要であることに気

付くようにすること。

(カ) エの(ア)の「食料生産」,「工業生産」については,食料生産や工業

の盛んな地域の具体的事例を通して調べることとし,稲作のほか,野菜

,果物,畜産物,水産物などの中から,また,金属工業,機械工業,化

学工業,食料品工業などの中から,それぞれ一つを取り上げること。ま

た,消費者や生産者の立場などから多角的に考えて,これからの産業の

発展について自分の考えをまとめることができるようにすること。

(キ) 2段階のオの(ア)の㋐の「領土の範囲」については,竹島や北方領土

,尖閣諸島が我が国の固有の領土であることに触れること。

(ク) カについては,我が国や諸外国には国旗があることを理解し,それを

尊重する態度を養うようにすること。

(ケ) 社会的事象については,生徒の考えが深まるよう様々な見解を提示す

るよう配慮し,多様な見解のある事柄,未確定な事柄を取り上げる場合

には,有益適切な教材に基づいて指導するとともに,特定の事柄を強調

し過ぎたり,一面的な見解を十分な配慮なく取り上げたりするなどの偏

った取扱いにより,生徒が多角的に考えたり,事実を客観的に捉え,

公正に判断したりすることを妨げることのないよう留意すること。

〔数 学〕

1 目 標

数学的な見方・考え方を働かせ,数学的活動を通して,数学的に考える資質

・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 数量や図形などについての基礎的・基本的な概念や性質などを理解すると

ともに,日常の事象を数学的に解釈したり,数学的に表現・処理したりする

技能を身に付けるようにする。

(2) 日常の事象を数理的に捉え見通しをもち筋道を立てて考察する力,基礎的

・基本的な数量や図形などの性質を見いだし統合的・発展的に考察する力,

数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に表現したり目的に応じて柔

軟に表したりする力を養う。

(3) 数学的活動の楽しさや数学のよさを実感し,数学的に表現・処理したこと

を振り返り,多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態

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Ⅰ- 154

度,数学を生活や学習に活用しようとする態度を養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

A 数と計算

ア 整数,小数,分数及び概数の意味と表し方や四則の関係について理解す

るとともに,整数,小数及び分数の計算についての意味や性質について理

解し,それらを計算する技能を身に付けるようにする。

イ 数の表し方の仕組みや数を構成する単位に着目し,数の比べ方や表し方

を統合的に捉えて考察したり,数とその表現や数量の関係に着目し,目的

に合った表現方法を用いて計算の仕方を考察したりするとともに,数量の

関係を簡潔に,また一般的に表現する力を養う。

ウ 数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的に捉え検

討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさに気付き学

習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

B 図形

ア 図形の形や大きさが決まる要素や立体を構成する要素の位置関係,図形

の合同や多角形の性質について理解し,図形を作図したり,三角形,平行

四辺形,ひし形,台形の面積を求めたりする技能を身に付けるようにする

イ 図形を構成する要素や図形間の関係に着目し,構成の仕方を考察したり

,図形の性質を見いだしたりするとともに,三角形,平行四辺形,ひし形

の面積の求め方を考え,その表現を振り返り,簡潔かつ的確な表現に高め

,公式として導く力を養う。

ウ 図形や数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的に

捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさに気

付き学習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

C 変化と関係

ア 比例の関係や異種の二つの量の割合として捉えられる数量の比べ方,百

分率について理解するとともに,目的に応じてある二つの数量の関係と別

の二つの数量とを比べたり,表現したりする方法についての技能を身に付

けるようにする。

イ 伴って変わる二つの数量の関係に着目し,その変化や対応の特徴を表や

式を用いて考察したり,異種の二つの量の割合を用いた数量の比べ方を考

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Ⅰ- 155

察したりする力を養う。

ウ 数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的に捉え検

討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさに気付き学

習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

D データの活用

ア データを円グラフや帯グラフで表す表し方や読み取り方,測定した結果

を平均する方法について理解するとともに,それらの問題解決における用

い方についての技能を身に付けるようにする。

イ 目的に応じてデータを収集し,データの特徴や傾向に着目して,表やグ

ラフに的確に表現し,それらを用いて問題解決したり,解決の過程や結果

を多面的に捉え考察したりする力を養う。

ウ データの活用について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的

に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさに

気付き学習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

(2) 内 容

A 数と計算

ア 整数の表し方に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けること

ができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 万の単位を知ること。

㋑ 10倍,100倍,1000倍, の大きさの数及びその表し方の理解を深

めること。

㋒ 億,兆の単位について知り,十進位取り記数法についての理解を深

めること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数のまとまりに着目し,大きな数の大きさの比べ方や表し方を統合

的に捉えるとともに,それらを日常生活に生かすこと。

イ 整数及び小数の表し方に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付

けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ ある数の10倍,100倍,1000倍, , などの大きさの数を,小

数点の位置を移してつくること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

101

101

1001

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Ⅰ- 156

㋐ 数の表し方の仕組みに着目し,数の相対的な大きさを考察し,計算

などに有効に生かすこと。

ウ 概数に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができる

よう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 概数が用いられる場面について知ること。

㋑ 四捨五入について知ること。

㋒ 目的に応じて四則計算の結果の見積りをすること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 日常の事象における場面に着目し,目的に合った数の処理の仕方を

考えるとともに,それを日常生活に生かすこと。

エ 整数の加法及び減法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 大きな数の加法及び減法の計算が,2位数などについての基本的な

計算を基にしてできることを理解すること。また,その筆算の仕方に

ついて理解すること。

㋑ 加法及び減法の計算が確実にでき,それらを適切に用いること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数量の関係に着目し,計算の仕方を考えたり,計算に関して成り立

つ性質を見いだしたりするとともに,その性質を活用して,計算を工

夫したり,計算の確かめをしたりすること。

オ 整数の乗法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることが

できるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 2位数や3位数に1位数や2位数をかける乗法の計算が,乗法九九

などの基本的な計算を基にしてできることを理解すること。また,そ

の筆算の仕方について理解すること。

㋑ 乗法の計算が確実にでき,それを適切に用いること。

㋒ 乗法に関して成り立つ性質について理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数量の関係に着目し,計算の仕方を考えたり,計算に関して成り立

つ性質を見いだしたりするとともに,その性質を活用して,計算を工

夫したり,計算の確かめをしたりすること。

カ 整数の除法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることが

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Ⅰ- 157

できるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 除数が1位数や2位数で被除数が2位数や3位数の場合の計算が,

基本的な計算を基にしてできることを理解すること。また,その筆算

の仕方について理解すること。

㋑ 除法の計算が確実にでき,それを適切に用いること。

㋒ 除法について,次の関係を理解すること。

(被除数)=(除数)×(商)+(余り)

㋓ 除法に関して成り立つ性質について理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数量の関係に着目し,計算の仕方を考えたり,計算に関して成り立

つ性質を見いだしたりするとともに,その性質を活用して,計算を工

夫したり,計算の確かめをしたりすること。

キ 小数とその計算に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けるこ

とができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ ある量の何倍かを表すのに小数を用いることを知ること。

㋑ 小数が整数と同じ仕組みで表されていることを知るとともに,数の

相対的な大きさについての理解を深めること。

㋒ 小数の加法及び減法の意味について理解し,それらの計算ができる

こと。

㋓ 乗数や除数が整数である場合の小数の乗法及び除法の計算ができる

こと。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数の表し方の仕組みや数を構成する単位に着目し,計算の仕方を考

えるとともに,それを日常生活に生かすこと。

ク 小数の乗法及び除法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 乗数や除数が小数である場合の小数の乗法及び除法の意味について

理解すること。

㋑ 小数の乗法及び除法の計算ができること。

㋒ 余りの大きさについて理解すること。

㋓ 小数の乗法及び除法についても整数の場合と同じ関係や法則が成り

立つことを理解すること。

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Ⅰ- 158

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 乗法及び除法の意味に着目し,乗数や除数が小数である場合まで数

の範囲を広げて乗法及び除法の意味を捉え直すとともに,それらの計

算の仕方を考えたり,それらを日常生活に生かしたりすること。

ケ 分数とその計算に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けるこ

とができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 等分してできる部分の大きさや端数部分の大きさを表すのに分数を

用いることについて理解すること。また,分数の表し方について知る

こと。

㋑ 分数が単位分数の幾つ分かで表すことができることを知ること。

㋒ 簡単な場合について,分数の加法及び減法の意味について理解し,

それらの計算ができることを知ること。

㋓ 簡単な場合について,大きさの等しい分数があることを知ること。

㋔ 同分母の分数の加法及び減法の計算ができること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数のまとまりに着目し,分数でも数の大きさを比べたり,計算した

りできるかどうかを考えるとともに,分数を日常生活に生かすこと。

㋑ 数を構成する単位に着目し,大きさの等しい分数を探したり,計算

の仕方を考えたりするとともに,それを日常生活に生かすこと。

コ 数量の関係を表す式に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 四則の混合した式や( )を用いた式について理解し,正しく計算

すること。

㋑ 公式についての考え方を理解し,公式を用いること。

㋒ 数量を□,△などを用いて表し,その関係を式に表したり,□,△

などに数を当てはめて調べたりすること。

㋓ 数量の関係を表す式についての理解を深めること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 問題場面の数量の関係に着目し,数量の関係を簡潔に,また一般的

に表現したり,式の意味を読み取ったりすること。

㋑ 二つの数量の対応や変わり方に着目し,簡単な式で表されている関

係について考察すること。

サ 計算に関して成り立つ性質に関わる数学的活動を通して,次の事項を身

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Ⅰ- 159

に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 四則に関して成り立つ性質についての理解を深めること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数量の関係に着目し,計算に関して成り立つ性質を用いて計算の仕

方を考えること。

B 図形

ア 平面図形に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることがで

きるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 平行四辺形,ひし形,台形について知ること。

㋑ 図形の形や大きさが決まる要素について理解するとともに,図形の

合同について理解すること。

㋒ 三角形や四角形など多角形についての簡単な性質を理解すること。

㋓ 円と関連させて正多角形の基本的な性質を知ること。

㋔ 円周率の意味について理解し,それを用いること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 図形を構成する要素及びそれらの位置関係に着目し,構成の仕方を

考察し図形の性質を見いだすとともに,その性質を基に既習の図形を

捉え直すこと。

㋑ 図形を構成する要素及び図形間の関係に着目し,構成の仕方を考察

したり,図形の性質を見いだし,その性質を筋道を立てて考え説明し

たりすること。

イ 立体図形に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることがで

きるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 立方体,直方体について知ること。

㋑ 直方体に関連して,直線や平面の平行や垂直の関係について理解す

ること。

㋒ 見取図,展開図について知ること。

㋓ 基本的な角柱や円柱について知ること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 図形を構成する要素及びそれらの位置関係に着目し,立体図形の平

面上での表現や構成の仕方を考察し,図形の性質を見いだすとともに

,日常の事象を図形の性質から捉え直すこと。

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Ⅰ- 160

ウ ものの位置に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることが

できるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ ものの位置の表し方について理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 平面や空間における位置を決める要素に着目し,その位置を数を用

いて表現する方法を考察すること。

エ 平面図形の面積に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けるこ

とができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 三角形,平行四辺形,ひし形,台形の面積の計算による求め方につ

いて理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 図形を構成する要素などに着目して,基本図形の面積の求め方を見

いだすとともに,その表現を振り返り,簡潔かつ的確な表現に高め,

公式として導くこと。

C 変化と関係

ア 伴って変わる二つの数量に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に

付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 簡単な場合について,比例の関係があることを知ること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 伴って変わる二つの数量を見いだして,それらの関係に着目し,表

や式を用いて変化や対応の特徴を考察すること。

イ 異種の二つの量の割合として捉えられる数量に関わる数学的活動を通し

て,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 速さなど単位量当たりの大きさの意味及び表し方について理解し,

それを求めること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 異種の二つの量の割合として捉えられる数量の関係に着目し,目的

に応じて大きさを比べたり,表現したりする方法を考察し,それらを

日常生活に生かすこと。

ウ 二つの数量の関係に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付ける

ことができるよう指導する。

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Ⅰ- 161

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ ある二つの数量関係と別の二つの数量の関係を比べる場合に割合を

用いる場合があることを理解すること。

㋑ 百分率を用いた表し方を理解し,割合などを求めること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 日常の事象における数量の関係に着目し,図や式などを用いて,あ

る二つの数量の関係と別の二つの数量の関係との比べ方を考察し,そ

れを日常生活に生かすこと。

D データの活用

ア データの収集とその分析に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に

付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 数量の関係を割合で捉え,円グラフや帯グラフで表したり,読んだ

りすること。

㋑ 円グラフや帯グラフの意味やそれらの用い方を理解すること。

㋒ データの収集や適切な手法の選択など統計的な問題解決の方法を知

ること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 目的に応じてデータを集めて分類整理し,データの特徴や傾向に着

目し,問題を解決するために適切なグラフを選択して読み取り,その

結論について多面的に捉え考察すること。

イ 測定した結果を平均する方法に関わる数学的活動を通して,次の事項を

身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 平均の意味や求め方を理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 概括的に捉えることに着目し,測定した結果を平均する方法につい

て考察し,それを学習や日常生活に生かすこと。

〔数学的活動〕

ア 内容の「A数と計算」,「B図形」,「C変化と関係」及び「Dデータ

の活用」に示す学習については,次のような数学的活動に取り組むものと

する。

(ア) 日常の事象から数学の問題を見いだして解決し,結果を確かめたり,

日常生活等に生かしたりする活動

(イ) 数学の学習場面から数学の問題を見いだして解決し,結果を確かめた

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Ⅰ- 162

り,発展的に考察したりする活動

(ウ) 問題解決の過程や結果を,図や式などを用いて数学的に表現し伝え合

う活動

○2段階

(1) 目 標

A 数と計算

ア 整数の性質,分数の意味,文字を用いた式について理解するとともに,

分数の計算についての意味や法則について理解し,それらを計算する技能

を身に付けるようにする。

イ 数とその表現や計算の意味に着目し,発展的に考察して問題を見いだし

たり,目的に応じて多様な表現方法を用いながら,数の表し方や計算の仕

方などを考察したりするとともに,数量の関係を簡潔かつ一般的に表現す

る力を養う。

ウ 数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的に捉え検

討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさを実感し,

学習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

B 図形

ア 平面図形を縮小したり,拡大したりすることの意味や,立体図形の体積

の求め方について理解し,縮図,拡大図を作図したり,円の面積や立方体

,直方体,角柱,円柱の体積を求めたりする技能を身に付けるようにする

イ 図形を構成する要素や図形間の関係に着目し,構成の仕方を考察したり

,図形の性質を見いだしたりするとともに,円の面積や立方体,直方体,

角柱,円柱の体積の求め方を考え,その表現を振り返り,簡潔かつ的確な

表現に高め,公式として導く力を養う。

ウ 図形や数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的に

捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさを実

感し,学習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

C 変化と関係

ア 比例や反比例の関係,比について理解するとともに,伴って変わる二つ

の数量を見いだし,それらの関係について表や式を用いて表現したり,目

的に応じて比で処理したりする方法についての技能を身に付けるようにす

る。

イ 伴って変わる二つの数量の関係に着目し,目的に応じて表や式,グラフ

を用いて変化や対応の特徴を考察したり,比例の関係を前提に二つの数量

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Ⅰ- 163

の関係を考察したりする力を養う。

ウ 数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的に捉え検

討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさを実感し,

学習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

D データの活用

ア 量的データの分布の中心や散らばりの様子からデータの特徴を読み取る

方法を理解するとともに,それらを問題解決における用い方についての技

能を身に付けるようにする。

イ 目的に応じてデータを収集し,データの特徴や傾向に着目して,表やグ

ラフに的確に表現し,それらを用いて問題解決したり,解決の過程や結果

を批判的に捉え考察したりする力を養う。

ウ データの活用について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的

に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学のよさを

実感し,学習したことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。

(2) 内 容

A 数と計算

ア 整数の性質及び整数の構成に関わる数学的活動を通して,次の事項を身

に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 整数は,観点を決めると偶数と奇数に類別されることを理解するこ

と。

㋑ 約数,倍数について理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 乗法及び除法に着目し,観点を決めて整数を類別する仕方を考えた

り,数の構成について考察したりするとともに,日常生活に生かすこ

と。

イ 分数に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができる

よう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 整数及び小数を分数の形に直したり,分数を小数で表したりするこ

と。

㋑ 整数の除法の結果は,分数を用いると常に一つの数として表すこと

ができることを理解すること。

㋒ 一つの分数の分子及び分母に同じ数を乗除してできる分数は,元の

分数と同じ大きさを表すことを理解すること。

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Ⅰ- 164

㋓ 分数の相等及び大小について知り,大小を比べること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数を構成する単位に着目し,数の相等及び大小関係について考察す

ること。

㋑ 分数の表現に着目し,除法の結果の表し方を振り返り,分数の意味

をまとめること。

ウ 分数の加法及び減法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 異分母の分数の加法及び減法の計算ができること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 分数の意味や表現に着目し,計算の仕方を考えること。

エ 分数の乗法及び除法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 乗数や除数が整数や分数である場合も含めて,分数の乗法及び除法

の意味について理解すること。

㋑ 分数の乗法及び除法の計算ができること。

㋒ 分数の乗法及び除法についても,整数の場合と同じ関係や法則が成

り立つことを理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数の意味と表現,計算について成り立つ性質に着目し,計算の仕方

を多面的に捉え考えること。

オ 数量の関係を表す式に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 数量を表す言葉や□,△などの代わりに,a,x などの文字を用いて式に表したり,文字に数を当てはめて調べたりすること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 問題場面の数量の関係に着目し,数量の関係を簡潔かつ一般的に表

現したり,式の意味を読み取ったりすること。

B 図形

ア 平面図形に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることがで

きるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

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Ⅰ- 165

㋐ 縮図や拡大図について理解すること。

㋑ 対称な図形について理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 図形を構成する要素及び図形間の関係に着目し,構成の仕方を考察

したり,図形の性質を見いだしたりするとともに,その性質を基に既

習の図形を捉え直したり,日常生活に生かしたりすること。

イ 身の回りにある形の概形やおよその面積などに関わる数学的活動を通し

て,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 身の回りにある形について,その概形を捉え,およその面積などを

求めること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 図形を構成する要素や性質に着目し,筋道を立てて面積などの求め

方を考え,それを日常生活に生かすこと。

ウ 平面図形の面積に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けるこ

とができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 円の面積の計算による求め方について理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 図形を構成する要素などに着目し,基本図形の面積の求め方を見い

だすとともに,その表現を振り返り,簡潔かつ的確な表現に高め,公

式として導くこと。

エ 立体図形の体積に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けるこ

とができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 体積の単位(立方センチメートル(cm3),立方メートル(m3))

について理解すること。

㋑ 立方体及び直方体の体積の計算による求め方について理解すること

㋒ 基本的な角柱及び円柱の体積の計算による求め方について理解する

こと。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 体積の単位や図形を構成する要素に着目し,図形の体積の求め方を

考えるとともに,体積の単位とこれまでに学習した単位との関係を考

察すること。

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Ⅰ- 166

㋑ 図形を構成する要素に着目し,基本図形の体積の求め方を見いだす

とともに,その表現を振り返り,簡潔かつ的確な表現に高め,公式と

して導くこと。

C 変化と関係

ア 伴って変わる二つの数量に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に

付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 比例の関係の意味や性質を理解すること。

㋑ 比例の関係を用いた問題解決の方法について理解すること。

㋒ 反比例の関係について理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 伴って変わる二つの数量を見いだして,それらの関係に着目し,目

的に応じて表や式,グラフを用いてそれらの関係を表現して,変化や

対応の特徴を見いだすとともに,それらを日常生活に生かすこと。

イ 二つの数量の関係に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付ける

ことができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 比の意味や表し方を理解し,数量の関係を比で表したり,等しい比

をつくったりすること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 日常の事象における数量の関係に着目し,図や式などを用いて数量

の関係の比べ方を考察し,それを日常生活に生かすこと。

D データの活用

ア データの収集とその分析に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に

付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 代表値の意味や求め方を理解すること。

㋑ 度数分布を表す表や柱状グラフの特徴及びそれらの用い方を理解す

ること。

㋒ 目的に応じてデータを収集したり,適切な手法を選択したりするな

ど,統計的な問題解決の方法を理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 目的に応じてデータを集めて分類整理し,データの特徴や傾向に着

目し,代表値などを用いて問題の結論について判断するとともに,そ

の妥当性について批判的に考察すること。

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Ⅰ- 167

イ 起こり得る場合に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けるこ

とができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 起こり得る場合を順序よく整理するための図や表などの用い方を理

解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 事象の特徴に着目し,順序よく整理する観点を決めて,落ちや重な

りなく調べる方法を考察すること。

〔数学的活動〕

ア 内容の「A数と計算」,「B図形」,「C変化と関係」及び「Dデータ

の活用」の学習やそれらを相互に関連付けた学習において,次のような数

学的活動に取り組むものとする。

(ア) 日常の事象を数理的に捉え,問題を見いだして解決し,解決過程を振

り返り,結果や方法を改善したり,日常生活等に生かしたりする活動

(イ) 数学の学習場面から数学の問題を見いだして解決し,解決過程を振り

返り統合的・発展的に考察する活動

(ウ) 問題解決の過程や結果を,目的に応じて図や式などを用いて数学的に

表現し伝え合う活動

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育むべき資質・能

力の育成に向けて,数学的活動を通して,生徒の主体的・対話的で深い学

びの実現を図るようにすること。その際,数学的な見方・考え方を働かせ

ながら,日常の事象を数学的に捉え,数学の問題を見いだし,問題を自立

的,協働的に解決し,学習の過程を振り返り,概念を形成するなどの学習

の充実を図ること。

イ 数量や図形についての基礎的な能力の維持や向上を図るため,適宜練習

の機会を設けて計画的に指導すること。また,段階間の指導内容を円滑に

接続させるため,適切な反復による学習指導を進めるようにすること。

ウ 2の内容の「A数と計算」,「B図形」,「C変化と関係」及び「Dデ

ータの活用」の指導の間の関連を図ること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 思考力,判断力,表現力等を育成するため,各段階の内容の指導に当た

っては,具体物,図,言葉,数,式,表,グラフなどを用いて考えたり,

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Ⅰ- 168

数学的な表現を用いて説明したり,互いに自分の考えを表現し伝え合った

りするなどの学習活動を積極的に取り入れるようにすること。

イ 「A数と計算」の指導に当たっては,次の(ア)及び(イ)について留意する

ものとする。

(ア) 具体物などの教具を適宜用いるとともに,計算に当たっては計算機を

活用するなどして,数と計算についての意味の理解を深めるよう留意す

ること。

(イ) 負の数については,社会科,理科,職業科及び家庭科などと関連を図

りながら,取り扱うことができるものとする。

ウ 1段階の内容に示す事項については,次の(ア)から(シ)までに留意するも

のとする。

(ア) 内容の「A数と計算」のア,イ,エ,オ及びカについては,職業科や

家庭科との関連を図りながら,次の㋐についての金銭の価値や処理に親

しむことを取り扱うものとする。

㋐ 金種の理解と金銭の処理

a 金種を用いる。

b 様々な種類の貨幣や紙幣のもつ価値を理解する。

c おつりを扱うこと。

(イ) 内容の「A数と計算」のアの(ア)の㋒については,大きな数を表す際

に,3桁ごとに区切りを用いる場合があることに触れるものとする。

(ウ) 内容の「A数と計算」のウの(ア)の㋒,エ,オ及びカについては,簡

単な計算は暗算でできるよう配慮するものとする。また,暗算を筆算や

見積りに生かすよう配慮するものとする。

(エ) 内容の「A数と計算」のオについては,乗数又は被乗数が0の場合の

計算についても取り扱うものとする。

(オ) 内容の「A数と計算」のオの(ア)の㋒及びコの(ア)の㋐については,交

換法則,結合法則,分配法則を扱うものとする。

(カ) 内容の「A数と計算」のカの(ア)の㋓については,除数及び被除数に

同じ数をかけても,同じ数で割っても商は変わらないという性質などを

扱うものとする。

(キ) 内容の「A数と計算」のキ及びケについては,小数の0.1,0.01と分

数の , を数直線を用いて関連付けて取り扱うものとする。

(ク) 内容の「A数と計算」のキの(ア)の㋓については,整数を整数で割っ

て商が小数になる場合も含めるものとする。

101

1001

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Ⅰ- 169

(ケ) 内容の「B図形」のアについては,平行四辺形,ひし形,台形などの

合同な図形で平面を敷き詰めるなどの操作的な活動を重視するよう配慮

するものとする。

(コ) 内容の「B図形」のアの(ア)の㋔については,円周率は3.14を用いる

ものとする。

(サ) 内容の「C変化と関係」のウの(ア)の㋑については,歩合の表し方に

ついて触れるものとする。

(シ) 内容の「Dデータの活用」のアについては,複数の帯グラフを比べる

ことにも触れるものとする。

エ 2段階の内容に示す事項については,次の(ア)から(オ)までに留意するも

のとする。

(ア) 内容の「A数と計算」のアの(ア)の㋑については,最大公約数や最小

公倍数を形式的に求めることに偏ることなく,具体的な場面に即して取

り扱うものとする。

(イ) 内容の「A数と計算」のエについては,逆数を用いて除法を乗法の計

算としてみることや,整数や小数の乗法や除法を分数の場合の計算にま

とめることも取り扱うものとする。

(ウ) 内容の「B図形」のイの(ア)の㋐については,およその大きさや形を

捉え,それらに基づいて適切に判断したり,能率的な処理の仕方を考え

出したりすることができるように,日常生活に関連させて取り扱うもの

とする。

(エ) 内容の「B図形」のウの(ア)の㋐については,円周率は3.14を用いる

ものとする。

(オ) 内容の「Dデータの活用」のアの(ア)の㋐については,データ全体を

扱う指標として平均値,中央値,最頻値などを取り扱うものとする。

(3) 数学的活動の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 数学的活動は,基礎的・基本的な知識及び技能を確実に身に付けたり,

思考力,判断力,表現力等を高めたり,数学を学ぶことの楽しさや意義を

実感したりするために,重要な役割を果たすものであることから,2の内

容の「A数と計算」,「B図形」,「C変化と関係」及び「Dデータの活

用」に示す事項については,数学的活動を通して指導するようにすること

イ 数学的活動を楽しめるようにするとともに,数学を生活に活用すること

などについて実感する機会を設けること。

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Ⅰ- 170

〔理 科〕

1 目 標

自然に親しみ,理科の見方・考え方を働かせ,見通しをもって, 観察,実

験を行うことなどを通して,自然の事物・現象についての問題を科学的に解決

するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 自然の事物・現象についての基本的な理解を図り,観察,実験などに関す

る初歩的な技能を身に付けるようにする。

(2) 観察,実験などを行い,解決の方法を考える力とより妥当な考えをつくり

だす力を養う。

(3) 自然を愛する心情を養うとともに,学んだことを主体的に生活に生かそう

とする態度を養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

A 生命

ア 生命の連続性についての理解を図り,観察,実験などに関する初歩的な

技能を身に付けるようにする。

イ 生命の連続性について調べる中で,主に予想や仮説を基に,解決の方法

を考える力を養う。

ウ 生命の連続性について進んで調べ,生命を尊重する態度や学んだことを

生活に生かそうとする態度を養う。

B 地球・自然

ア 流れる水の働き,気象現象の規則性についての理解を図り,観察,実験

などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

イ 流れる水の働き,気象現象の規則性について調べる中で,主に予想や仮

説を基に,解決の方法を考える力を養う。

ウ 流れる水の働き,気象現象の規則性について進んで調べ,学んだことを

生活に生かそうとする態度を養う。

C 物質・エネルギー

ア 物の溶け方,電流の働きについての理解を図り,観察,実験などに関す

る初歩的な技能を身に付けるようにする。

イ 物の溶け方,電流の働きについて調べる中で,主に予想や仮説を基に,

解決の方法を考える力を養う。

ウ 物の溶け方,電流の働きについて進んで調べ,学んだことを生活に生か

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Ⅰ- 171

そうとする態度を養う。

(2) 内 容

A 生命

ア 植物の発芽,成長,結実

植物の育ち方について,発芽,成長及び結実の様子に着目して,それら

に関わる条件を制御しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付ける

ことができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能

を身に付けること。

㋐ 植物は,種子の中の養分を基にして発芽すること。

㋑ 植物の発芽には,水,空気及び温度が関係していること。

㋒ 植物の成長には,日光や肥料などが関係していること。

㋓ 花にはおしべやめしべなどがあり,花粉がめしべの先に付くとめし

べのもとが実になり,実の中に種子ができること。

(イ) 植物の育ち方について調べる中で,植物の発芽,成長及び結実とそれ

らに関わる条件についての予想や仮説を基に,解決の方法を考え,表現

すること。

イ 動物の誕生

動物の発生や成長について,魚を育てたり人の発生についての資料を活

用したりする中で,卵や胎児の様子に着目して,時間の経過と関係付けて

調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能

を身に付けること。

㋐ 魚には雌雄があり,生まれた卵は日がたつにつれて中の様子が変化

してかえること。

㋑ 人は,母体内で成長して生まれること。

(イ) 動物の発生や成長について調べる中で,動物の発生や成長の様子と経

過についての予想や仮説を基に,解決の方法を考え,表現すること。

B 地球・自然

ア 流れる水の働きと土地の変化

流れる水の働きと土地の変化について,水の速さや量に着目して,それ

らの条件を制御しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付けること

ができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能

を身に付けること。

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Ⅰ- 172

㋐ 流れる水には,土地を侵食したり,石や土などを運搬したり堆積さ

せたりする働きがあること。

㋑ 川の上流と下流によって,川原の石の大きさや形に違いがあること

㋒ 雨の降り方によって,流れる水の速さや量は変わり,増水により土

地の様子が大きく変化する場合があること。

(イ) 流れる水の働きについて調べる中で,流れる水の働きと土地の変化と

の関係についての予想や仮説を基に,解決の方法を考え,表現すること

イ 天気の変化

天気の変化の仕方について,雲の様子を観測したり,映像などの気象情

報を活用したりする中で,雲の量や動きに着目して,それらと天気の変化

とを関係付けて調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができる

よう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能

を身に付けること。

㋐ 天気の変化は,雲の量や動きと関係があること。

㋑ 天気の変化は,映像などの気象情報を用いて予想できること。

(イ) 天気の変化の仕方について調べる中で,天気の変化の仕方と雲の量や

動きとの関係についての予想や仮説を基に,解決の方法を考え,表現す

ること。

C 物質・エネルギー

ア 物の溶け方

物の溶け方について,溶ける量や様子に着目して,水の温度や量などの

条件を制御しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付けることがで

きるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能

を身に付けること。

㋐ 物が水に溶けても,水と物とを合わせた重さは変わらないこと。

㋑ 物が水に溶ける量には,限度があること。

㋒ 物が水に溶ける量は水の温度や量,溶ける物によって違うこと。ま

た,この性質を利用して,溶けている物を取り出すことができること

(イ) 物の溶け方について調べる中で,物の溶け方の規則性についての予想

や仮説を基に,解決の方法を考え,表現すること。

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Ⅰ- 173

イ 電流の働き

電流の働きについて,電流の大きさや向きと乾電池につないだ物の様子

に着目して,それらを関係付けて調べる活動を通して,次の事項を身に付

けることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能

を身に付けること。

㋐ 乾電池の数やつなぎ方を変えると,電流の大きさや向きが変わり,

豆電球の明るさやモーターの回り方が変わること。

(イ) 電流の働きについて調べる中で,電流の大きさや向きと乾電池につな

いだ物の様子との関係についての予想や仮説を基に,解決の方法を考え

,表現すること。

(3) 内容の取扱い

ア (2)の「A生命」のアの「植物の発芽,成長,結実」については,次の

とおり取り扱うものとする。

(ア) (ア)の㋐の「種子の中の養分」については,でんぷんを扱うこと。

(イ) (ア)の㋓については,おしべ,めしべ,がく及び花びらを扱うこと。

また,受粉については,風や昆虫などが関係していることにも触れるこ

と。

イ (2)の「A生命」のイの「動物の誕生」の(ア)の㋑については,人の受精

に至る過程は取り扱わないこと。

ウ (2)の「B地球・自然」のアの「流れる水の働きと土地の変化」の(ア)の

㋒については,自然災害についても触れること。

エ (2)の「B地球・自然」のイの「天気の変化」の(ア)の㋑については,台

風の進路による天気の変化や台風と降雨との関係及びそれに伴う自然災害

についても触れること。

オ (2)の「C物質・エネルギー」の指導に当たっては,ものづくりを通し

て行うよう配慮すること。

カ (2)の「C物質・エネルギー」のアの「物の溶け方」については,水溶

液の中では,溶けている物が均一に広がることにも触れること。

キ (2)の「C物質・エネルギー」のイの「電流の働き」の(ア)の㋐については,直列つなぎと並列つなぎを扱うものとする。

○2段階

(1) 目 標

A 生命

ア 生物の体のつくりと働き,生物と環境との関わりについての理解を図り

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Ⅰ- 174

,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

イ 生物の体のつくりと働き,生物と環境との関わりについて調べる中で,

主にそれらの働きや関わりについて,より妥当な考えをつくりだす力を養

う。

ウ 生物の体のつくりと働き,生物と環境との関わりについて進んで調べ,

生命を尊重する態度や学んだことを生活に生かそうとする態度を養う。

B 地球・自然

ア 土地のつくりと変化,月の形の見え方と太陽との位置関係についての理

解を図り,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする

イ 土地のつくりと変化,月の形の見え方と太陽との位置関係について調べ

る中で,主にそれらの変化や関係について,より妥当な考えをつくりだす

力を養う。

ウ 土地のつくりと変化,月の形の見え方と太陽との位置関係について進ん

で調べ,学んだことを生活に生かそうとする態度を養う。

C 物質・エネルギー

ア 燃焼の仕組み,水溶液の性質,てこの規則性及び電気の性質や働きにつ

いての理解を図り,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるよ

うにする。

イ 燃焼の仕組み,水溶液の性質,てこの規則性及び電気の性質や働きにつ

いて調べる中で,主にそれらの仕組みや性質,規則性及び働きについて,

より妥当な考えをつくりだす力を養う。

ウ 燃焼の仕組み,水溶液の性質,てこの規則性及び電気の性質や働きにつ

いて進んで調べ,学んだことを生活に生かそうとする態度を養う。

(2) 内 容

A 生命

ア 人の体のつくりと働き

人や他の動物について,体のつくりと呼吸,消化,排出及び循環の働き

に着目して,生命を維持する働きを多面的に調べる活動を通して,次の事

項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能

を身に付けること。

㋐ 体内に酸素が取り入れられ,体外に二酸化炭素などが出されている

こと。

㋑ 食べ物は,口,胃,腸などを通る間に消化,吸収され,吸収されな

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Ⅰ- 175

かった物は排出されること。

㋒ 血液は,心臓の働きで体内を巡り,養分,酸素及び二酸化炭素など

を運んでいること。

㋓ 体内には,生命活動を維持するための様々な臓器があること。

(イ) 人や他の動物の体のつくりと働きについて調べる中で,体のつくりと

呼吸,消化,排出及び循環の働きについて,より妥当な考えをつくりだ

し,表現すること。

イ 植物の養分と水の通り道

植物について,その体のつくり,体内の水などの行方及び葉で養分をつ

くる働きに着目して,生命を維持する働きを多面的に調べる活動を通して

,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能

を身に付けること。

㋐ 植物の葉に日光が当たるとでんぷんができること。

㋑ 根,茎及び葉には,水の通り道があり,根から吸い上げられた水は

主に葉から蒸散により排出されること。

(イ) 植物の体のつくりと働きについて調べる中で,体のつくり,体内の水

などの行方及び葉で養分をつくる働きについて,より妥当な考えをつく

りだし,表現すること。

ウ 生物と環境

生物と環境について,動物や植物の生活を観察したり資料を活用したり

する中で,生物と環境との関わりに着目して,それらを多面的に調べる活

動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能

を身に付けること。

㋐ 生物は,水及び空気を通して周囲の環境と関わって生きていること

㋑ 生物の間には,食う食われるという関係があること。

㋒ 人は,環境と関わり,工夫して生活していること。

(イ) 生物と環境について調べる中で,生物と環境との関わりについて,よ

り妥当な考えをつくりだし,表現すること。

B 地球・自然

ア 土地のつくりと変化

土地のつくりと変化について,土地やその中に含まれる物に着目して,

土地のつくりやでき方を多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付

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Ⅰ- 176

けることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能

を身に付けること。

㋐ 土地は,礫,砂,泥,火山灰などからできており,層をつくって広れき

がっているものがあること。また,層には化石が含まれているものが

あること。

㋑ 地層は,流れる水の働きや火山の噴火によってできること。

㋒ 土地は,火山の噴火や地震によって変化すること。

(イ) 土地のつくりと変化について調べる中で,土地のつくりやでき方につ

いて,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

イ 月と太陽

月の形の見え方について,月と太陽の位置に着目して,それらの位置関

係を多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよ

う指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能

を身に付けること。

㋐ 月の輝いている側に太陽があること。また,月の形の見え方は,太

陽と月との位置関係によって変わること。

(イ) 月の形の見え方について調べる中で,月の位置や形と太陽の位置との

関係について,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

C 物質・エネルギー

ア 燃焼の仕組み

燃焼の仕組みについて,空気の変化に着目して,物の燃え方を多面的に

調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能

を身に付けること。

㋐ 植物体が燃えるときには,空気中の酸素が使われて二酸化炭素がで

きること。

(イ) 燃焼の仕組みについて調べる中で,物が燃えたときの空気の変化につ

いて,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

イ 水溶液の性質

水溶液について,溶けている物に着目して,それらによる水溶液の性質

や働きの違いを多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けること

ができるよう指導する。

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Ⅰ- 177

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能

を身に付けること。

㋐ 水溶液には,酸性,アルカリ性及び中性のものがあること。

㋑ 水溶液には,気体が溶けているものがあること。

㋒ 水溶液には,金属を変化させるものがあること。

(イ) 水溶液の性質や働きについて調べる中で,溶けているものによる性質

や働きの違いについて,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

ウ てこの規則性

てこの規則性について,力を加える位置や力の大きさに着目して,てこ

の働きを多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができ

るよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能

を身に付けること。

㋐ 力を加える位置や力の大きさを変えると,てこを傾ける働きが変わ

り,てこがつり合うときにはそれらの間に規則性があること。

㋑ 身の回りには,てこの規則性を利用した道具があること。

(イ) てこの規則性について調べる中で,力を加える位置や力の大きさとて

この働きとの関係について,より妥当な考えをつくりだし,表現するこ

と。

エ 電気の利用

発電や蓄電,電気の変換について,電気の量や働きに着目して,それら

を多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう

指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩的な技能

を身に付けること。

㋐ 電気は,つくりだしたり蓄えたりすることができること。

㋑ 電気は,光,音,熱,運動などに変換することができること。

㋒ 身の回りには,電気の性質や働きを利用した道具があること。

(イ) 電気の性質や働きについて調べる中で,電気の量と働きとの関係,発

電や蓄電,電気の変換について,より妥当な考えをつくりだし,表現す

ること。

(3) 内容の取扱い

ア (2)の「A生命」のアの「人の体のつくりと働き」については,次のとお

り取り扱うものとする。

(ア) (ア)の㋒については,心臓の拍動と脈拍とが関係することにも触れるこ

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Ⅰ- 178

と。

(イ) (ア)の㋓については,主な臓器として,肺,胃,小腸,大腸,肝臓,腎

臓,心臓を扱うこと。

イ (2)の「A生命」のウの「生物と環境」については,次のとおり取り扱う

ものとする。

(ア) (ア)の㋐については,水が循環していることにも触れること。

(イ) (ア)の㋑ついては,水中の小さな生物を観察し,それらが魚などの食べ

物になっていることに触れること。

ウ (2)の「B地球・自然」のアの「土地のつくりと変化」については,次の

とおり取り扱うものとする。

(ア) (ア)の㋑については,流れる水の働きでできた岩石として礫岩,砂岩れき

,泥岩を扱うこと。

(イ) (ア)の㋒については,自然災害についても触れること。

エ (2)の「B地球・自然」のイの「月と太陽」の(ア)の㋐については,地球

から見た太陽と月との位置関係で扱うものとする。

オ (2)の「C物質・エネルギー」の指導に当たっては,ものづくりを通して

行うよう配慮すること。

カ (2)の「C物質・エネルギー」のエの「電気の利用」の(ア)の㋐について

は,電気をつくりだす道具として,手回し発電機,光電池などを扱うもの

とする。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,理科の学習過程の特質を踏まえ,理科の見方・考え方を働

かせ,見通しをもって観察,実験を行うなどの,問題を科学的に解決しよ

うとする学習活動の充実を図ること。

イ 2の各段階で育成を目指す思考力,判断力,表現力等については,当該

段階において育成することを目指す力のうち,主なものを示したものであ

り,実際の指導に当たっては,他の段階で掲げている力の育成についても

十分に配慮すること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 問題を見いだし,予想や仮説,観察,実験などの方法について考えたり

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Ⅰ- 179

説明したりする学習活動,観察,実験の結果を整理し考察する学習活動,

科学的な言葉や概念を使用して考えたり説明したりする学習活動などを重

視すること。

イ 観察,実験などの指導に当たっては,指導内容に応じてコンピュータや

情報通信ネットワークなどを適切に活用できるようにすること。

ウ 実験を行うに当たっては,身の回りのことや生活に関わるものを取り扱

うこと。

エ 生物,天気,川,土地などの指導に当たっては,野外に出掛け地域の自

然に親しむ活動や体験的な活動を多く取り入れるとともに,生命を尊重し

,自然環境の保全に寄与する態度を養うようにすること。

オ 天気,川,土地などの指導に当たっては,災害に関する基礎的な理解が

図られるようにすること。

カ 科学技術が日常生活や社会を豊かにしていることや理科で学習すること

が様々な職業などと関係していることに触れること。

キ 個々の生徒が主体的に問題を解決する活動を進めるとともに,日常生活

や他教科等との関連を図った学習活動,目的を設定し,計測して制御する

という考え方に基づいた学習活動が充実するようにすること。

ク 博物館や科学学習センターなどと連携,協力を図ること。

(3) 観察,実験などの指導に当たっては,事故防止に十分留意すること。また

,環境整備に十分配慮するとともに,使用薬品の管理及び廃棄についても適

切な措置をとるよう配慮すること。

〔音 楽〕

1 目 標

表現及び鑑賞の幅広い活動を通して,音楽的な見方・考え方を働かせ,生活

や社会の中の音や音楽,音楽文化と豊かに関わる資質・能力を次のとおり育成

することを目指す。

(1) 曲想と音楽の構造などとの関わり及び音楽の多様性について理解するとと

もに,創意工夫を生かした音楽表現をするために必要な技能を身に付けるよ

うにする。

(2) 音楽表現を創意工夫することや,音楽を自分なりに評価しながらよさや美

しさを味わって聴くことができるようにする。

(3) 音楽活動の楽しさを体験することを通して,音楽を愛好する心情と音楽に

対する感性を育むとともに,音楽に親しんでいく態度を養い,豊かな情操を

培う。

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Ⅰ- 180

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

ア 曲想と音楽の構造などとの関わりについて理解するとともに,創意工夫

を生かした音楽表現をするために必要な歌唱,器楽,創作,身体表現の技

能を身に付けるようにする。

イ 音楽表現を創意工夫することや,音楽のよさや美しさを自分なりに見い

だしながら音楽を味わって聴くことができるようにする。

ウ 主体的・協働的に表現及び鑑賞の学習に取り組み,音楽活動の楽しさを

体験することを通して,音楽文化に親しみ,音楽経験を生かして生活を明

るく豊かなものにしていく態度を養う。

(2) 内 容

A 表 現

ア 歌唱の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する

(ア) 歌唱表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,歌唱表

現を創意工夫すること。

(イ) 次の㋐及び㋑について理解すること。

㋐ 曲想と音楽の構造や歌詞の内容との関わり

㋑ 声の音色や響きと発声との関わり

(ウ) 創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐から㋒までの技能

を身に付けること。

㋐ 範唱を聴いたり,ハ長調及びイ短調の楽譜を見たりして歌う技能

㋑ 呼吸及び発音の仕方に気を付けて,自然で無理のない,響きのある

歌い方で歌う技能

㋒ 互いの歌声や副次的な旋律,伴奏を聴いて,声を合わせて歌う技能

イ 器楽の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する

(ア) 器楽表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,器楽表

現を創意工夫すること。

(イ) 次の㋐及び㋑について理解すること。

㋐ 曲想と音楽の構造との関わり

㋑ 多様な楽器の音色と演奏の仕方との関わり

(ウ) 創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐から㋒までの技能

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Ⅰ- 181

を身に付けること。

㋐ 範奏を聴いたり,ハ長調及びイ短調の楽譜を見たりして演奏する技

㋑ 音色や響きに気を付けて,旋律楽器及び打楽器を演奏する技能

㋒ 各声部の楽器の音や伴奏を聴いて,音を合わせて演奏する技能

ウ 創作の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する

(ア) 創作表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,創作表

現を創意工夫すること。

(イ) 次の㋐及び㋑について,それらが生み出す面白さなどと関わらせて理

解すること。

㋐ いろいろな音の響きやそれらの組合せの特徴

㋑ 音やフレーズのつなげ方や重ね方の特徴

(ウ) 創意工夫を生かした表現で旋律や音楽をつくるために必要な,課題や

条件に沿った音の選択や組合せなどの技能を身に付けること。

エ 身体表現の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導

する。

(ア) 身体表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,身体表

現を創意工夫すること。

(イ) 次の㋐及び㋑の関わりについて理解すること。

㋐ 曲想と音楽の構造との関わり

㋑ 曲想と体の動きとの関わり

(ウ) 創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐から㋒までの技能

を身に付けること。

㋐ 曲の速度やリズム,曲想に合わせて表現する技能

㋑ 設定した条件に基づいて,様々な動きを組み合わせてまとまりのあ

る表現をする技能

㋒ 友達と動きを組み合わせて表現をする技能

B 鑑 賞

ア 鑑賞の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する

(ア) 鑑賞についての知識を得たり生かしたりしながら,曲や演奏のよさな

どを見いだし,曲全体を味わって聴くこと。

(イ) 曲想及びその変化と,音楽の構造との関わりについて理解すること。

○2段階

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Ⅰ- 182

(1) 目 標

ア 曲想と音楽の構造や背景などとの関わり及び音楽の多様性について理解

するとともに,創意工夫を生かした音楽表現をするために必要な歌唱,器

楽,創作,身体表現の技能を身に付けるようにする。

イ 音楽表現を創意工夫することや,音楽を自分なりに評価しながらよさや

美しさを味わって聴くことができるようにする。

ウ 主体的・協働的に表現及び鑑賞の学習に取り組み,音楽活動の楽しさを

体験することを通して,音楽文化に親しむとともに,音楽によって生活を

明るく豊かなものにしていく態度を養う。

(2) 内 容

A 表 現

ア 歌唱の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する

(ア) 歌唱表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,歌唱表

現を創意工夫すること。

(イ) 次の㋐及び㋑について理解すること。

㋐ 曲想と音楽の構造や歌詞の内容との関わり

㋑ 声の音色や響き及び言葉の特性と発声との関わり

(ウ) 創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐及び㋑の技能を身

に付けること。

㋐ 創意工夫を生かした表現で歌うために必要な発声,言葉の発音,身

体の使い方などの技能

㋑ 創意工夫を生かし,全体の響きや各声部の声などを聴きながら,他

者と合わせて歌う技能

イ 器楽の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する

(ア) 器楽表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,器楽表

現を創意工夫すること。

(イ) 次の㋐及び㋑について理解すること。

㋐ 曲想と音楽の構造との関わり

㋑ 多様な楽器の音色や響きと演奏の仕方との関わり

(ウ) 創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐及び㋑の技能を身

に付けること。

㋐ 創意工夫を生かした表現で演奏するために必要な奏法,身体の使い

方などの技能

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Ⅰ- 183

㋑ 創意工夫を生かし,全体の響きや各声部の音などを聴きながら,他

者と合わせて演奏する技能

ウ 創作の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する

(ア) 創作表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,創作表

現を創意工夫すること。

(イ) 次の㋐及び㋑について,表したいイメージと関わらせて理解すること

㋐ 音のつながり方の特徴

㋑ 音素材の特徴及び音の重なり方や反復,変化,対照などの構成上の

特徴

(ウ) 創意工夫を生かした表現で旋律や音楽をつくるために必要な,課題や

条件に沿った音の選択や組合せなどの技能を身に付けること。

エ 身体表現の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導

する。

(ア) 身体表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら,身体表

現を創意工夫すること。

(イ) 次の㋐及び㋑の関わりについて理解すること。

㋐ 曲想と音楽の構造との関わり

㋑ 曲想や音楽の構造と体の動きとの関わり

(ウ) 創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐から㋒までの技能

を身に付けること。

㋐ 曲の速度やリズム,曲想に合わせて表現する技能

㋑ 設定した条件に基づいて,様々な動きを組み合わせたり,即興的に

動いたりしてまとまりのある表現をする技能

㋒ 友達と動きを組み合わせたり,即興的に表現したりする技能

B 鑑 賞

ア 鑑賞の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する

(ア) 鑑賞についての知識を得たり生かしたりしながら,曲や演奏のよさな

どについて自分なりに考え,曲全体を味わって聴くこと。

(イ) 次の㋐及び㋑について理解すること。

㋐ 曲想及びその変化と,音楽の構造との関わり

㋑ 音楽の特徴とその背景となる文化や歴史などとの関わり

〔共通事項〕

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Ⅰ- 184

(1) 1段階と2段階の「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を

身に付けることができるよう指導する。

ア 音楽を形づくっている要素や要素同士の関連を知覚し,それらの働きが

生み出す特質や雰囲気を感受しながら,知覚したことと感受したこととの

関わりについて考えること。

イ 音楽を形づくっている要素及びそれらに関わる用語や記号などについて

,音楽における働きと関わらせて理解すること。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育むべき資質・能

力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るように

すること。その際,音楽的な見方・考え方を働かせ,他者と協働しながら

,音楽表現を生み出したり音楽を聴いてそのよさなどを見いだしたりする

など,思考,判断し,表現する一連の過程を大切にした学習の充実を図る

こと。

イ 2の各段階の内容の「A表現」のアからエまでの指導については,(ア)

及び(イ)の各事項を,「B鑑賞」のアの指導については,(ア)及び(イ)の各

事項を,適切に関連させて指導すること。

ウ 2の各段階の内容の〔共通事項〕は,表現及び鑑賞の学習において共通

に必要となる資質・能力であり,「A表現」及び「B鑑賞」の各事項の指

導と併せて,十分な指導が行われるよう工夫すること。

エ 2の各段階の内容の「A表現」のアからエまで及び「B鑑賞」のアの指

導については,適宜,〔共通事項〕を要として各領域や分野の関連を図る

ようにすること。

オ 国歌「君が代」は,時期に応じて適切に指導すること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 各段階の指導に当たっては,音や音楽との一体感を味わえるようにする

ため,指導のねらいに即して体を動かす活動を取り入れるようにすること

イ 各段階の指導に当たっては,音や音楽及び言葉によるコミュニケーショ

ンを図る指導を工夫すること。その際,生徒の言語理解や発声・発語の状

況等を考慮し,必要に応じてコンピュータや教育機器も効果的に活用する

こと。

ウ 生徒が学校内及び公共施設などの学校外における音楽活動とのつながり

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Ⅰ- 185

を意識できるような機会をつくるなど,生徒や学校,地域の実態に応じて

,生活や社会の中の音や音楽,音楽文化と主体的に関わっていくことがで

きるよう配慮すること。

エ 合奏や合唱などの活動を通して,和音のもつ表情を感じることができる

ようにすること。また,長調及び短調の曲においては,Ⅰ,Ⅳ,Ⅴ及び

V7などの和音を中心に指導すること。

オ 我が国や郷土の音楽の指導に当たっては,そのよさなどを感じ取って表

現したり鑑賞したりできるよう,楽譜や音源等の示し方,伴奏の仕方,曲

に合った歌い方や楽器の演奏の仕方など指導方法について工夫すること。

カ 各段階の「A表現」のアの歌唱の指導に当たっては,次のとおり取り扱

うこと。

(ア) 歌唱教材については,我が国や郷土の音楽に愛着がもてるよう,共通

教材のほか,長い間親しまれてきた唱歌,それぞれの地方に伝承されて

いるわらべうたや民謡など日本のうたを含めて取り上げるようにするこ

と。

(イ) 生徒の実態や学習状況及び必要に応じて,相対的な音程感覚などを育

てるために,移動ド唱法を取り上げるようにすること。

(ウ) 変声期の生徒に対して適切に配慮すること。

キ 各段階の「A表現」のイの楽器については,次のとおり取り扱うこと。

(ア) 各段階で取り上げる打楽器は,簡単に操作できる楽器,木琴,鉄琴,

和楽器,諸外国に伝わる様々な楽器を含めて,生徒の実態や発達の段階

及び生活年齢を考慮して選択すること。

(イ) 各段階で取り上げる旋律楽器は,既習の楽器を含めて,鍵盤楽器や和

楽器,電子楽器などの中から生徒の実態や発達の段階及び生活年齢を考

慮して選択すること。

(ウ) 合奏で扱う楽器については,各声部の役割を生かした演奏ができるよ

う,楽器の特性を生かして選択すること。

ク 各段階の「A表現」のウの創作の指導に当たっては,次のとおり取り扱

うこと。

(ア) 即興的に音を出しながら音のつながりを試すなど,音を音楽へと構成

していく体験を重視すること。

(イ) どのような音楽を,どのようにしてつくるかなどについて,生徒の実

態に応じて具体的な例を示しながら指導すること。

(ウ) つくった音楽については,指導のねらいに即し,必要に応じて記録で

きるようにすること。記録の仕方については,図や絵によるものなど,

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Ⅰ- 186

柔軟に指導すること。

(エ) 拍のないリズム,我が国の音楽に使われている音階や調性にとらわれ

ない音階などを生徒の実態に応じて取り上げるようにすること。

ケ 各段階の「B鑑賞」の指導に当たっては,気付いたり感じたりしたこと

を自分なりに体の動きや絵,言葉で表現できるよう指導を工夫すること。

コ 〔共通事項〕に示す「音楽を形づくっている要素」については,生徒の

発達の段階や指導のねらいに応じて,音色,リズム,速度,旋律,テクス

チュア,強弱,形式,構成などから,適切に選択したり関連付けたりして

必要に応じて適切に指導すること。

サ 〔共通事項〕の(1)のイに示す「用語や記号など」については,小学校

学習指導要領第2章第6節音楽の第3の2の(9)に示すものに加え,生徒

の実態や学習状況を考慮して,中学校学習指導要領第2章第5節音楽の第

3の2の(10)に示すものを音楽における働きと関わらせて理解し,活用で

きるよう取り扱うこと。

シ 歌唱教材は,次に示すものを取り扱うこと。

(ア) 生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた,日常の生活に関連した曲

(イ) 主となる歌唱教材については,各段階とも(ウ)の共通教材を含めて,

独唱,斉唱及び合唱で歌う曲

(ウ) 共通教材

㋐ 1段階及び2段階の共通教材は,次に示すものとする。

「赤とんぼ」 三木露風作詞 山田耕筰作曲み き ろ ふう やま だ こう さく

「荒城の月」 土井晩翠作詞 滝廉太郎作曲ど い ばん えい たき れん た ろう

「早春賦」 吉丸一昌作詞 中田 章作曲よし まる かず まさ なか だ あきら

「夏の思い出」江間章子作詞 中田喜直作曲え ま しょう こ なか だ よし なお

「花」 武島羽衣作詞 滝廉太郎作曲たけ しま は ごろも たき れん た ろう

「花の街」 江間章子作詞 團伊玖磨作曲え ま しょう こ だん い く ま

「浜辺の歌」 林 古渓作詞 成田為三作曲はやし こ けい なり た ため ぞう

ス 器楽教材は,次に示すものを取り扱うこと。

(ア) 生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた,指導のねらいとの関係にお

いて適切であり,身近で親しみのもてるもの。

(イ) 主となる器楽教材については,既習の歌唱教材を含め,楽器の演奏効

果を考慮し,簡単な合奏などの曲

セ 創作教材は,次に示すものを取り扱うこと。

(ア) 生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた指導のねらいとの関係におい

て適切であり,身近で親しみのもてるもの。

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Ⅰ- 187

ソ 音や音楽の特徴を身体表現するために適した教材は,次に示すものを取

り扱うこと。

(ア) 主となる教材については,既習の歌唱教材や器楽教材を含め,音や音

楽を聴いて体を動かすことができるものを中心に,生徒の生活年齢及び

発達の段階に応じた指導のねらいとの関係において適切であり,親しみ

のもてるもの。

タ 鑑賞教材は,次に示すものを取り扱うこと。

(ア) 主となる鑑賞教材については,既習の歌唱教材や器楽教材を含め,我

が国や郷土の伝統音楽及び諸外国の様々な音楽のうち,生徒の生活年齢

及び発達の段階に応じた曲想を感じ取り,情景を思い浮かべやすい様々

な種類の曲

(イ) 音楽を形づくっている要素の働きを感じ取りやすく,曲の雰囲気や音

楽の構造に気付きやすい曲

(ウ) 楽器の音色や人の声の表現の違いなどによる演奏の特徴が聴き取りや

すい様々な演奏形態による曲

〔美 術〕

1 目 標

表現及び鑑賞の幅広い活動を通して,造形的な見方・考え方を働かせ,生活

や社会の中の美術や美術文化と豊かに関わる資質・能力を次のとおり育成する

ことを目指す。

(1) 造形的な視点について理解するとともに,表現方法を創意工夫し,創造的

に表すことができるようにする。

(2) 造形的なよさや美しさ,表現の意図と工夫などについて考え,主題を生み

出し豊かに発想し構想を練ったり,美術や美術文化などに対する見方や感じ

方を深めたりすることができるようにする。

(3) 美術の創造活動の喜びを味わい,美術を愛好する心情を育み,感性を豊か

にし,心豊かな生活を創造していく態度を養い,豊かな情操を培う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

ア 造形的な視点について理解するとともに,意図に応じて表現方法を工夫

して表すことができるようにする。

イ 造形的なよさや美しさ,表現の意図と工夫などについて考え,主題を生

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Ⅰ- 188

み出し豊かに発想し構想を練ったり,美術や美術文化などに対する見方や

感じ方を広げたりすることができるようにする。

ウ 楽しく美術の活動に取り組み創造活動の喜びを味わい,美術を愛好する

心情を培い,心豊かな生活を創造していく態度を養う。

(2) 内 容

A 表 現

ア 感じ取ったことや考えたこと,目的や機能などを基に,描いたり,つく

ったりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導す

る。

(ア) 対象や事象を見つめ感じ取ったことや考えたこと,伝えたり使ったり

する目的や条件などを基に主題を生み出し,構成を創意工夫し,心豊か

に表現する構想を練ること。

(イ) 材料や用具の特性の生かし方などを身に付け,意図に応じて表現方法

を工夫して表すこと。

B 鑑 賞

ア 美術作品や生活の中の美術の働き,美術文化などの鑑賞の活動を通して

,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 美術作品などの造形的なよさや美しさを感じ取り,作者の心情や表現

の意図と工夫などについて考えるなどして,見方や感じ方を広げること

(イ) 生活の中の美術や文化遺産などのよさや美しさを感じ取り,生活を美

しく豊かにする美術の働きや美術文化について考えるなどして,見方や

感じ方を広げること。

〔共通事項〕

ア 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けること

ができるよう指導する。

(ア) 形や色彩,材料や光などの働きを理解すること。

(イ) 造形的な特徴などから全体のイメージで捉えることを理解すること。

○2段階

(1) 目 標

ア 造形的な視点について理解するとともに,意図に応じて自分の表現方法

を追求して創造的に表すことができるようにする。

イ 造形的なよさや美しさ,表現の意図と創造的な工夫などについて考え,

主題を生み出し豊かに発想し構想を練ったり,美術や美術文化などに対す

る見方や感じ方を深めたりすることができるようにする。

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Ⅰ- 189

ウ 主体的に美術の活動に取り組み創造活動の喜びを味わい,美術を愛好す

る心情を深め,心豊かな生活を創造していく態度を養う。

(2) 内 容

A 表 現

ア 感じ取ったことや考えたこと,目的や機能などを基に,描いたり,つく

ったりする活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導す

る。

(ア) 対象や事象を深く見つめ感じ取ったことや考えたこと,伝えたり使っ

たりする目的や条件などを基に主題を生み出し,創造的な構成を工夫し

,心豊かに表現する構想を練ること。

(イ) 材料や用具の特性の生かし方などを身に付け,意図に応じて表現方法

を追求し,自分らしさを発揮して表すこと。

B 鑑 賞

ア 美術作品や生活の中の美術の働き,美術文化などの鑑賞の活動を通して

,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 美術作品などの造形的なよさや美しさを感じ取り,作者の心情や表現

の意図と創造的な工夫などについて考えるなどして,見方や感じ方を深

めること。

(イ) 生活や社会の中の美術や文化遺産などのよさや美しさを感じ取り,生

活や社会を美しく豊かにする美術の働きや美術文化について考えるなど

して,見方や感じ方を深めること。

〔共通事項〕

ア 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けること

ができるよう指導する。

(ア) 形や色彩,材料や光などの働きを理解すること。

(イ) 造形的な特徴などから全体のイメージで捉えることを理解すること。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,造形的な見方・考え方を働かせ,表現したり鑑賞したりす

る資質・能力を相互に関連させた学習の充実を図ること。

イ 2の各段階の内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導については相互の

関連を図り,特に発想や構想に関する資質・能力と鑑賞に関する資質・能

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Ⅰ- 190

力とを総合的に働かせて学習が深められるようにすること。

ウ 2の各段階の内容の〔共通事項〕は,表現及び鑑賞の学習において共通

に必要となる資質・能力であり,「A表現」及び「B鑑賞」の各事項の指

導と併せて,十分な指導が行われるよう工夫すること。

エ 2の各段階の内容の「B鑑賞」の指導に当たっては,作品等について説

明したり,話し合ったりして,周りの人と共有できる機会を設けるように

すること。

オ 2の各段階の内容の「B鑑賞」の指導に当たっては,生徒や学校の実態

に応じて,地域の美術館や博物館等と連携を図ったり,それらの施設や文

化財などを積極的に活用したりするようにすること。また,学校図書館等

における鑑賞用図書,映像資料等の活用を図ること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 「A表現」の指導に当たっては,材料や用具の安全な使い方や保管につ

いて指導するとともに,活動場所について事前の点検や安全指導をするな

どして,事故防止について徹底すること。

イ 生徒が個性を生かして活動することができるようにするため,学習活動

や表現方法などに幅をもたせるようにすること。

ウ 「A表現」の指導に当たっては,活動の全過程を通して生徒が実現した

い思いや願いを大切にしながら活動できるようにし,自分のよさや可能性

を見いだし,生涯にわたり,楽しく豊かな生活を創造する態度を養うよう

にすること。

エ 各活動において,互いのよさや個性などを認め尊重し合うようにするこ

と。

オ 互いの個性を生かし合い協力して創造する喜びを味わえるようにするた

め,適切な機会を選び共同で行う創造活動を経験させること。

カ 「A表現」及び「B鑑賞」の学習を通して学んだことが,生活や社会の

中で生かせるようにすることや,作品や用具等を大切に取り扱うことを理

解して使えるよう指導すること。

キ 見る力や感じ取る力,考える力,描く力などを育成するために,スケッ

チの学習を効果的に取り入れるようにすること。

ク 美術の表現の可能性を広げるために,写真・ビデオ・コンピュータ等の

映像メディアの積極的な活用を図るようにすること。

ケ 日本及び諸外国の作品の独特な表現形式,漫画やイラストレーション,

図などの多様な表現方法を活用できるようにすること。

コ 表現の材料や題材などについては,地域の身近なものや伝統的なものも

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Ⅰ- 191

取り上げるようにすること。

サ 〔共通事項〕の指導に当たっては,生徒が造形を豊かに捉える多様な視

点をもてるように,以下の内容について配慮すること。

(ア) 〔共通事項〕のアの(ア)の指導に当たっては,形や色彩などの造形の

要素に着目して,生徒が実感的に理解できるようにすること。

(イ) 〔共通事項〕のアの(イ)の指導に当たっては,造形的な特徴などを基

に,見立てたり,心情などと関連付けたりして全体のイメージなどに着

目して,生徒が実感的に理解できるようにすること。

シ 生徒が鑑賞に親しむことができるよう,校内の適切な場所に鑑賞作品な

どを展示するとともに,学校や地域の実態に応じて,校外においても生徒

作品などの展示の機会を設けるなどすること。

ス 創造することの価値に気付き,自分たちの作品や美術作品などに表れて

いる創造性を大切にする態度を養うとともに,必要に応じて,美術に関す

る知的財産権や肖像権などについて触れるようにすること。また,こうし

た態度を養うことが,美術文化の継承,発展,創造を支えていることへの

理解につながるよう配慮すること。

〔保健体育〕

1 目 標

体育や保健の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,合理的・計画的な解決

に向けた主体的・協働的な学習過程を通して,心と体を一体として捉え,生涯

にわたって心身の健康を保持増進し,豊かなスポーツライフを継続するための

資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 各種の運動の特性に応じた技能等並びに個人生活及び社会生活における健

康・安全についての理解を深めるとともに,目的に応じた技能を身に付ける

ようにする。

(2) 各種の運動や健康・安全についての自他や社会の課題を発見し,その解決

に向けて仲間と思考し判断するとともに,目的や状況に応じて他者に伝える

力を養う。

(3) 生涯にわたって継続して運動に親しむことや,健康の保持増進と体力の向

上を目指し,明るく豊かで活力ある生活を営む態度を養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

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Ⅰ- 192

ア 各種の運動の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能等や心身の

発育・発達,個人生活に必要な健康・安全に関する事柄などを理解すると

ともに,技能を身に付けるようにする。

イ 各種の運動や健康・安全な生活を営むための自他の課題を発見し,その

解決のための方策を工夫したり,仲間と考えたりしたことを,他者に伝え

る力を養う。

ウ 各種の運動における多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなど

を守り,仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,自己の最善

を尽くして自主的に運動をする態度を養う。また,健康・安全に留意し,

健康の保持増進と回復に積極的に取り組む態度を養う。

(2) 内 容

A 体つくり運動

体つくり運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する

ア 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動を通して,体を動かす楽しさや

心地よさを味わい,その行い方や方法を理解するとともに,仲間と積極的

に関わったり,動きを持続する能力などを高める運動をしたりすること。

イ 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動についての自他の課題を発見し

,その解決のための方策を工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に

伝えること。

ウ 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動の多様な経験を通して,きまり

を守り,仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,自主的に運

動をすること。

B 器械運動

器械運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 器械運動の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能を理解すると

ともに技を身に付けること。

イ 器械運動についての自他の課題を発見し,その解決のための方策を工夫

したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

ウ 器械運動の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,

仲間と協力したり,場や器械・器具の安全を確保したりし,自主的に運動

をすること。

C 陸上競技

陸上競技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 陸上競技の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能を理解すると

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Ⅰ- 193

ともに技能を身に付けること。

イ 陸上競技についての自他の課題を発見し,その解決のための方策を工夫

したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

ウ 陸上競技の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,

仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,自主的に運動をする

こと。

D 水泳

水泳について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 水泳の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能を理解するととも

に泳法を身に付けること。

イ 水泳についての自他の課題を発見し,その解決のための方策を工夫した

り,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

ウ 水泳の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,仲間

と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,自主的に運動をすること

E 球技

球技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 球技の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能を理解するととも

に技能を身に付け,簡易化されたゲームを行うこと。

イ 球技についての自他の課題を発見し,その解決のための方策を工夫した

り,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

ウ 球技の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,仲間

と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,自主的に運動をすること

F 武道

武道について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 武道の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能を理解するととも

に,基本動作や基本となる技を用いて,簡易な攻防を展開すること。

イ 武道についての自他の課題を発見し,その解決のための方策を工夫した

り,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

ウ 武道の多様な経験を通して,きまりや伝統的な行動の仕方を守り,仲間

と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,自主的に運動をすること

G ダンス

ダンスについて,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

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Ⅰ- 194

ア ダンスの楽しさや喜びを味わい,その行い方を理解するとともに,技能

を身に付け,表現や踊りを通した交流をすること。

イ ダンスについての自他の課題を発見し,その解決のための方策を工夫し

たり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

ウ ダンスの多様な経験を通して,仲間の表現を認め助け合ったり,場や用

具の安全を確保したりし,自主的に運動をすること。

H 体育理論

体育理論について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文化として

のスポーツの意義に気付くこと。

イ 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文化として

のスポーツの意義についての課題を発見し,その解決のための方策を工夫

したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

ウ 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文化として

のスポーツの意義についての学習に積極的に取り組むこと。

I 保健

健康・安全に関する事項について,次の事項を身に付けることができるよ

う指導する。

ア 心身の発育・発達,傷害の防止及び疾病の予防等を理解するとともに,

健康で安全な個人生活を営むための技能を身に付けること。

イ 健康・安全に関わる自他の課題を発見し,その解決のための方策を工夫

したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

○2段階

(1) 目 標

ア 各種の運動の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能等や心

身の発育・発達,個人生活及び社会生活に必要な健康・安全に関する事柄

などの理解を深めるとともに,目的に応じた技能を身に付けるようにする

イ 各種の運動や健康・安全な生活を営むための自他の課題を発見し,より

よい解決のために仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者

に伝える力を養う。

ウ 各種の運動における多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなど

を守り,自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や用具の安全を確保し

たりし,生涯にわたって運動に親しむ態度を養う。また,健康・安全に留

意し,健康の保持増進と回復に自主的に取り組む態度を養う。

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Ⅰ- 195

(2) 内 容

A 体つくり運動

体つくり運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する

ア 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動を通して,体を動かす楽しさや

心地よさを深く味わい,その行い方や方法の理解を深めるとともに,仲間

と自主的に関わったり,動きを持続する能力などを高める運動をしたりす

るとともに,それらを組み合わせること。

イ 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動についての自他の課題を発見し

,よりよい解決のために仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じ

て他者に伝えること。

ウ 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動の多様な経験を通して,きまり

を守り,自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や用具の安全を確保し

たりし,見通しをもって自主的に運動をすること。

B 器械運動

器械運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 器械運動の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能の理解を

深めるとともに,目的に応じた技を身に付け,演技すること。

イ 器械運動についての自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲間と

思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

ウ 器械運動の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,

自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や器械・器具の安全を確保した

りし,見通しをもって自主的に運動をすること。

C 陸上競技

陸上競技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 陸上競技の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能の理解を

深めるとともに,目的に応じた技能を身に付けること。

イ 陸上競技についての自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲間と

思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

ウ 陸上競技の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,

自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,

見通しをもって自主的に運動をすること。

D 水泳

水泳について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 水泳の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能の理解を深め

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Ⅰ- 196

るとともに,目的に応じた泳法を身に付けること。

イ 水泳についての自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲間と思考

し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

ウ 水泳の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,自己

の役割を果たし仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,見通

しをもって自主的に運動をすること。

E 球技

球技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 球技の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能の理解を深め

るとともに,目的に応じた技能を身に付け,ゲームを行うこと。

イ 球技についての自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲間と思考

し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

ウ 球技の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守り,自己

の役割を果たし仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,見通

しをもって自主的に運動をすること。

F 武道

武道について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 武道の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能の理解を深め

るとともに,基本動作や基本となる技を用いて,相手の動きの変化に応じ

た攻防を展開すること。

イ 武道についての自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲間と思考

し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

ウ 武道の多様な経験を通して,きまりや伝統的な行動の仕方を守り,自己

の役割を果たし仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,見通

しをもって自主的に運動をすること。

G ダンス

ダンスについて,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア ダンスの楽しさや喜びを深く味わい,その行い方の理解を深めるととも

に,目的に応じた技能を身に付け,表現や踊りを通した交流や発表をする

こと。

イ ダンスについての自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲間と思

考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

ウ ダンスの多様な経験を通して,一人一人の表現や役割を認め助け合った

り,場や用具の安全を確保したりし,見通しをもって自主的に運動をする

こと。

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Ⅰ- 197

H 体育理論

体育理論について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文化として

のスポーツの意義に関する基礎的な知識を身に付けること。

イ 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文化として

のスポーツの意義についての課題を発見し,よりよい解決のために仲間と

思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

ウ 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文化として

のスポーツの意義についての学習に自主的に取り組むこと。

I 保健

健康・安全に関する事項について,次の事項を身に付けることができるよ

う指導する。

ア 心身の発育・発達,傷害の防止及び疾病の予防等の理解を深めるととも

に,健康で安全な個人生活及び社会生活を営むための目的に応じた技能を

身に付けること。

イ 健康・安全に関わる自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲間と

思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えること。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,体育や保健の見方・考え方を働かせ,運動や健康について

の自他の課題を見付け,個々の生徒の障害の状態等に応じて,その解決の

ための活動の充実を図ること。また,運動の楽しさや喜びを味わったり,

健康の大切さを実感したりすることができるよう,留意すること。

イ 2の各段階の内容の「A体つくり運動」,「H体育理論」及び「I保健

」については,3学年間にわたって取り扱うこと。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 学校や地域の実態を考慮するとともに,個々の生徒の障害の状態等,運

動の経験及び技能の程度などに応じた指導や生徒自らが運動の課題の解決

を目指す活動を行えるよう工夫すること。

イ 各領域の特性に応じた,知識及び技能の効果的な獲得や,思考力・判断

力・表現力等の育成が図られるよう,コンピュータや情報通信ネットワー

クなどの情報手段を積極的に活用するなどして,指導の効果を高めるよう

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Ⅰ- 198

工夫すること。

ウ 運動を苦手と感じている生徒や,運動に意欲的に取り組まない生徒への

指導を工夫すること。

エ 「A体つくり運動」から「Gダンス」までと「I保健」との関連を図る

指導を工夫すること。

オ 「A体つくり運動」については,実生活に役立てるため,自分の体力や

生活に応じた運動を考えることができるよう指導を工夫すること。

カ 「D水泳」については,泳法との関連において指導を行う場合は,水中

からのスタート及びターンを取り上げること。

キ 「E球技」については,個の能力だけでなく,より集団を意識したゲー

ムを取り扱うものとする。

ク 「F武道」については,武道場や用具の確保が難しい場合は指導方法を

工夫して行うとともに,安全面に十分留意すること。

ケ 「H体育理論」については,オリンピック・パラリンピックなどの国際

大会の意義や役割,フェアプレイの精神等に触れるとともに,運動やスポ

ーツを「すること」,「知ること」,「見ること」,「応援すること」な

どの多様な関わり方についても取り扱うようにすること。

コ 自然との関わりの深いスキー,スケートや水辺活動などの指導について

は,生徒の障害の状態等,学校や地域の実態等に応じて積極的に行うよう

にすること。

サ 集合,整頓,列の増減,方向転換などの行動の仕方を身に付け,能率的

で安全な集団としての行動ができるようにするための指導を行う場合は,

「A体つくり運動」から「Gダンス」までの領域において適切に行うもの

とする。

シ 言語能力を育成する言語活動を重視し,筋道を立てて練習や作戦につい

て話し合う活動や,個人生活における健康の保持増進や回復について話し

合う活動などを通して,コミュニケーション能力や思考力の育成を促し,

主体的な学習活動の充実を図ること。

〔職 業〕

1 目 標

職業に係る見方・考え方を働かせ,職業など卒業後の進路に関する実践的・

体験的な学習活動を通して,よりよい生活の実現に向けて工夫する資質・能力

を次のとおり育成することを目指す。

(1) 職業に関する事柄について理解を深めるとともに,将来の職業生活に係る

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Ⅰ- 199

技能を身に付けるようにする。

(2) 将来の職業生活を見据え,必要な事柄を見いだして課題を設定し,解決策

を考え,実践を評価・改善し,表現する力を養う。

(3) よりよい将来の職業生活の実現や地域社会への貢献に向けて,生活を改善

しようとする実践的な態度を養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

ア 職業に関する事柄について理解するとともに,将来の職業生活に係る技

能を身に付けるようにする。

イ 将来の職業生活を見据え,必要な事柄を見いだして課題を設定し,解決

策を考え,実践を評価し,表現する力を養う。

ウ よりよい将来の職業生活の実現や地域社会への参画に向けて,生活を工

夫しようとする実践的な態度を養う。

(2) 内 容

A 職業生活

ア 勤労の意義

勤労に対する意欲や関心を高め,他者と協働して取り組む作業や実習等

に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導

する。

(ア) 勤労の意義を理解すること。

(イ) 意欲や見通しをもって取り組み,その成果や自分と他者との役割及び

他者との協力について考え,表現すること。

(ウ) 作業や実習等に達成感を得て,計画性をもって主体的に取り組むこと

イ 職業

職業に関わる事柄について,他者との協働により考えを深めたり,体験

したりする学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指

導する。

(ア) 職業に関わる知識や技能について,次のとおりとする。

㋐ 職業生活に必要とされる実践的な知識及び技能を身に付けること。

㋑ 職業生活を支える社会の仕組み等の利用方法を理解すること。

㋒ 材料や育成する生物等の特性や扱い方及び生産や生育活動等に関わ

る技術について理解すること。

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Ⅰ- 200

㋓ 使用する道具や機械等の特性や扱い方を理解し,作業課題に応じて

正しく扱うこと。

㋔ 作業の確実性や持続性,巧緻性等を高め,状況に応じて作業するこ

と。

(イ) 職業生活に必要な思考力,判断力,表現力等について,次のとおりと

する。

㋐ 作業や実習における役割を踏まえて,自分の成長や課題について考

え,表現すること。

㋑ 生産や生育活動等に関わる技術について考えること。

㋒ 作業上の安全や衛生及び作業の効率について考え,改善を図ること

㋓ 職業生活に必要な健康管理や余暇の過ごし方について考えること。

B 情報機器の活用

職業生活で使われるコンピュータ等の情報機器を扱うことに関わる学習活

動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 情報セキュリティ及び情報モラルについて知るとともに,表現,記録,

計算,通信等に係るコンピュータ等の情報機器について,その特性や機能

を知り,操作の仕方が分かり,扱えること。

イ 情報セキュリティ及び情報モラルを踏まえ,コンピュータ等の情報機器

を扱い,収集した情報をまとめ,考えたことを発表すること。

C 産業現場等における実習

産業現場等における実習を通して,次の事項を身に付けることができるよ

う指導する。

ア 職業など卒業後の進路に必要となることについて理解すること。

イ 産業現場等における実習での自己の成長について考えたことを表現する

こと。

○2段階

(1) 目 標

ア 職業に関する事柄について理解を深めるとともに,将来の職業生活に係

る技能を身に付けるようにする。

イ 将来の職業生活を見据え,必要な事柄を見いだして課題を設定し,解決

策を考え,実践を評価・改善し,表現する力を養う。

ウ よりよい将来の職業生活の実現や地域社会への貢献に向けて,生活を改

善しようとする実践的な態度を養う。

(2) 内 容

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Ⅰ- 201

A 職業生活

ア 勤労の意義

勤労に対する意欲や関心を高め,他者と協働して取り組む作業や実習等

に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導

する。

(ア) 勤労の意義について理解を深めること。

(イ) 目標をもって取り組み,その成果や自分と他者との役割及び他者との

協力について考え,表現すること。

(ウ) 作業や実習等を通して貢献する喜びを体得し,計画性をもって主体的

に取り組むこと。

イ 職業

職業に関わる事柄について,他者との協働により考えを深めたり,体験

したりする学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指

導する。

(ア) 職業に関わる知識や技能について,次のとおりとする。

㋐ 職業生活に必要とされる実践的な知識を深め技能を身に付けること

㋑ 職業生活を支える社会の仕組み等の利用方法について理解を深める

こと。

㋒ 材料や育成する生物等の特性や扱い方及び生産や生育活動等に関わ

る技術について理解を深めること。

㋓ 使用する道具や機械等の特性や扱い方の理解を深め,作業課題に応

じて効果的に扱うこと。

㋔ 作業の確実性や持続性,巧緻性等を高め,状況に応じて作業し,習

熟すること。

(イ) 職業生活に必要な思考力,判断力,表現力等について,次のとおりと

する。

㋐ 作業や実習において,自ら適切な役割を見いだすとともに,自分の

成長や課題について考え,表現すること。

㋑ 生産や生育活動等に係る技術に込められた工夫について考えること

㋒ 作業上の安全や衛生及び作業の効率について考え,他者との協働に

より改善を図ること。

㋓ 職業生活に必要な健康管理や余暇の過ごし方の工夫について考える

こと。

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Ⅰ- 202

B 情報機器の活用

職業生活で使われるコンピュータ等の情報機器を扱うことに関わる学習活

動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 情報セキュリティ及び情報モラルについて理解するとともに,表現,記

録,計算,通信等に係るコンピュータ等の情報機器について,その特性や

機能を理解し,目的に応じて適切に操作すること。

イ 情報セキュリティ及び情報モラルを踏まえ,コンピュータ等の情報機器

を扱い,収集した情報をまとめ,考えたことについて適切に表現すること

C 産業現場等における実習

産業現場等における実習を通して,次の事項を身に付けることができるよ

う指導する。

ア 職業など卒業後の進路に必要となることについて理解を深めること。

イ 産業現場等における実習で課題の解決について考えたことを表現するこ

と。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,職業に係る見方・考え方を働かせ,作業や産業現場等にお

ける実習など実践的な活動と知識とを相互に関連付けてより深く理解でき

るようにするとともに,生活や社会の中から問題を見いだして解決策を考

え,実践を評価・改善して,新たな課題の解決に向かう過程を重視した学

習の充実を図ること。

イ 2の各段階の目標及び内容については,3学年間を見通した全体的な指

導計画に基づき,生徒の学習状況を踏まえながら系統的に展開されるよう

に適切に計画すること。その際,中学部の職業・家庭科をはじめとする各

教科等とのつながりを重視すること。また,各項目及び各項目に示す事項

については,相互に有機的な関連を図り,総合的に展開されるように適切

な題材を設定して計画を作成すること。さらに,高等部における家庭科等

と関連付けて効果的に指導を行うとともに,持続可能な開発のための教育

を推進する視点から他教科等との関連を図ること。

ウ 生徒一人一人のキャリア発達を促していくことを踏まえ,発達の段階に

応じて望ましい勤労観や職業観を育むとともに,自己に対する理解を深め

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Ⅰ- 203

,自らの生き方を考えて進路を主体的に選択することができるよう,将来

の生き方等についても扱うなど,組織的かつ計画的に指導を行うこと。

エ 地域や産業界との連携を図り,校内外の作業や産業現場等における実習

の充実を図ること。産業現場等における実習については,作業や就業体験

活動等を踏まえ,段階的・系統的に指導するとともに,地域社会への参画

や社会貢献の意識が高まるよう計画すること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 実習の指導に当たっては,施設・設備の安全・衛生管理に配慮し,学習

環境を整備するとともに,火気,用具,材料などの取扱いと事故防止の指

導を徹底するものとする。その際,適切な服装や防護眼鏡・防塵マスクのじん

着用等による安全・衛生の確保に努めること。

イ 実際的な知識及び技能を習得し,その理解を深めることで概念が育まれ

るとともに,働く喜びや仕事のやりがいを実感できるよう,実践的・体験

的な学習活動を充実すること。

ウ 生徒が習得した知識や技能を生活に活用したり,職業や生活の変化に対

応したりすることができるよう,問題解決的な学習を充実させるとともに

,家庭や地域,企業などとの連携・協働を図ること。

エ 職業生活に生きて働く実践的な知識や技能及び態度の形成とその活用に

重点を置いた指導が行われるように配慮すること。

オ 職業生活に必要な健康管理や余暇については,将来を見据え自立活動と

関連させながら具体的に指導すること。

カ 「A職業生活」については,社会科の内容「ア社会参加ときまり」及び

「エ産業と生活」などと関連させて指導すること。

キ 「B情報機器の活用」については,家庭生活における情報機器の取扱い

等についても取り上げること。

〔家 庭〕

1 目 標

生活の営みに係る見方・考え方を働かせ,衣食住などに関する実践的・体験

的な学習活動を通して,よりよい生活の実現に向けて工夫する資質・能力を次

のとおり育成することを目指す。

(1) 家族・家庭の機能について理解を深め,生活の自立に必要な家族・家庭,

衣食住,消費や環境等についての基礎的な理解を図るとともに,それらに係

る技能を身に付けるようにする。

(2) 家庭や地域における生活の中から問題を見いだして課題を設定し,解決策

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Ⅰ- 204

を考え,実践を評価・改善し,考えたことを表現するなど,課題を解決する

力を養う。

(3) 家族や地域の人々との関わりを考え,家族の一員として,よりよい生活の

実現に向けて,生活を工夫し考えようとする実践的な態度を養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

ア 家族・家庭の機能について理解し,生活の自立に必要な家族・家庭,衣

食住,消費や環境等についての基礎的な理解を図るとともに,それらに係

る技能を身に付けるようにする。

イ 家庭や地域における生活の中から問題を見いだして課題を設定し,解決

策を考え,実践を評価・改善し,考えたことを表現するなど,課題を解決

する力を養う。

ウ 家族や地域の人々との関わりを通して,よりよい生活の実現に向けて,

生活を工夫し考えようとする実践的な態度を養う。

(2) 内 容

A 家族・家庭生活

ア 自分の成長と家族

自分の成長と家族や家庭生活などに関わる学習活動を通して,次の事項

を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 自分の成長と家族や家庭生活との関わりが分かり,家庭生活が家族の

協力によって営まれていることに気付くこと。

(イ) 家族とのよりよい関わり方について考え,表現すること。

イ 家庭生活での役割と地域との関わり

家族との触れ合いや地域の人々と接することなどに関わる学習活動を通

して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 家庭生活において,地域の人々との協力が大切であることに気付くこ

と。

(イ) 家族と地域の人々とのよりよい関わり方について考え,表現すること

ウ 家庭生活における健康管理と余暇

家庭生活における健康管理や余暇に関わる学習活動を通して,次の事項

を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 健康管理や余暇の有効な過ごし方について理解し,実践すること。

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Ⅰ- 205

(イ) 健康管理や余暇の有効な過ごし方について考え,表現すること。

エ 乳幼児や高齢者などの生活

乳幼児や高齢者と接することなどに関わる学習活動を通して,次の事項

を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 乳幼児や高齢者などの生活の特徴,乳幼児や高齢者などとの関わり方

について気付くこと。

(イ) 乳幼児や高齢者などとのよりよい関わり方について考え,表現するこ

と。

B 衣食住の生活

ア 食事の役割

食事の役割に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることがで

きるよう指導する。

(ア) 生活の中で食事が果たす役割について理解すること。

(イ) 健康によい食習慣について考え,工夫すること。

イ 日常食の調理

日常食の調理に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることが

できるよう指導する。

(ア) 日常生活と関連付け,用途に応じた食品の選択,食品や調理用具等の

安全と衛生に留意した管理,材料に適した加熱調理の仕方について知り

,基礎的な日常食の調理ができること。

(イ) 基礎的な日常食の調理について,食品の選択や調理の仕方,調理計画

を考え,表現すること。

ウ 衣服の選択

衣服の選択に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることがで

きるよう指導する。

(ア) 衣服と社会生活との関わりが分かり,目的に応じた着用,個性を生か

す着用及び衣服の適切な選択について理解すること。

(イ) 衣服の選択について考え,工夫すること。

エ 布を用いた製作

布を用いた製作に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けること

ができるよう指導する。

(ア) 目的に応じた縫い方及び用具の安全な取扱いについて理解し,適切に

できること。

(イ) 目的に応じた縫い方について考え,工夫すること。

オ 住居の基本的な機能と快適で安全な住まい方

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Ⅰ- 206

住居の基本的な機能や快適で安全な住まい方に関わる学習活動を通して

,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 家族の生活と住空間との関わりや住居の基本的な機能について知るこ

と。

(イ) 家族の安全や快適さを考えた住空間について考え,表現すること。

C 消費生活・環境

ア 消費生活

消費生活に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができ

るよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 購入方法や支払方法の特徴が分かり,計画的な金銭管理の必要性に

気付くこと。

㋑ 売買契約の仕組み,消費者被害の背景とその対応について理解し,

物資・サービスの選択に必要な情報の収集・整理ができること。

(イ) 物資・サービスの選択に必要な情報を活用して購入について考え,表

現すること。

イ 消費者の基本的な権利と責任

消費者の基本的な権利と責任に関わる学習活動を通して,次の事項を身

に付けることができるよう指導する。

(ア) 消費者の基本的な権利と責任,自分や家族の消費生活が環境や社会に

及ぼす影響について気付くこと。

(イ) 身近な消費生活について,自立した消費者として責任ある消費行動を

考え,表現すること。

○2段階

(1) 目 標

ア 家族・家庭の機能について理解を深め,生活の自立に必要な家族・家庭

,衣食住,消費や環境等についての基礎的な理解を図るとともに,それら

に係る技能を身に付けるようにする。

イ 家庭や地域における生活の中から問題を見いだして課題を設定し,解決

策を考え,実践を評価・改善し,考えたことを表現するなど,課題を解決

する力を養う。

ウ 家族や地域の人々との関わりを通して,よりよい生活の実現に向けて,

生活を工夫し考えようとする実践的な態度を養う。

(2) 内 容

A 家族・家庭生活

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Ⅰ- 207

ア 自分の成長と家族

自分の成長と家族や家庭生活などに関わる学習活動を通して,次の事項

を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 自分の成長と家族や家庭生活の関わりが分かり,家庭生活が家族の協

力によって営まれていることを理解すること。

(イ) 家族とのよりよい関わり方について考え,工夫すること。

イ 家庭生活での役割と地域との関わり

家族や地域の人々などに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

(ア) 家庭生活において,地域の人々との協力が大切であることを理解する

こと。

(イ) 家庭と地域の人々とのよりよい関わり方について考え,工夫すること

ウ 家庭生活における健康管理と余暇

家庭生活における健康管理や余暇に関わる学習活動を通して,次の事項

を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 健康管理や余暇の有効な過ごし方について理解を深め,実践すること

(イ) 健康管理や余暇の有効な過ごし方について考え,工夫すること。

エ 乳幼児や高齢者などの生活

乳幼児や高齢者と接することなどに関わる学習活動を通して,次の事項

を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 乳幼児や高齢者などの生活の特徴が分かり,乳幼児や高齢者などとの

関わり方について理解すること。

(イ) 乳幼児や高齢者などとのよりよい関わり方について考え,工夫するこ

と。

B 衣食住の生活

ア 必要な栄養を満たす食事

自分に必要な栄養を満たす食事に関わる学習活動を通して,次の事項を

身に付けることができるよう指導する。

(ア) 自分に必要な栄養素の種類と働きが分かり,食品の栄養的な特質につ

いて理解すること。

(イ) 一日分の献立について考え,工夫すること。

イ 日常食の調理

日常食の調理に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることが

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Ⅰ- 208

できるよう指導する。

(ア) 日常生活と関連付け,用途に応じた食品の選択,食品や調理用具等の

安全と衛生に留意した管理,材料に適した加熱調理の仕方について理解

し,基礎的な日常食の調理が適切にできること。

(イ) 基礎的な日常食の調理について,食品の選択や調理の仕方,調理計画

を考え,工夫すること。

ウ 衣服の手入れ

衣服の手入れに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることが

できるよう指導する。

(ア) 衣服の材料や状態に応じた日常着の手入れについて理解し,適切にで

きること。

(イ) 衣服の材料や状態に応じた日常着の手入れについて考え,工夫するこ

と。

エ 布を用いた製作

布を用いた製作に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けること

ができるよう指導する。

(ア) 製作に必要な材料や手順が分かり,製作計画について理解すること。

(イ) 布を用いた簡単な物の製作計画を考え,製作を工夫すること。

オ 住居の基本的な機能と快適で安全な住まい方

住居の基本的な機能や快適で安全な住まい方に関わる学習活動を通して

,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 家族の生活と住空間との関わりが分かり,住居の基本的な機能につい

て理解すること。

(イ) 家族の安全や快適さを考えた住空間の整え方について考え,工夫する

こと。

C 消費生活・環境

ア 消費生活

消費生活に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができ

るよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 購入方法や支払方法の特徴が分かり,計画的な金銭管理の必要性に

ついて理解すること。

㋑ 売買契約の仕組み,消費者被害の背景とその対応について理解し,

物資・サービスの選択に必要な情報の収集・整理が適切にできること

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Ⅰ- 209

(イ) 物資・サービスの選択に必要な情報を活用して購入について考え,工

夫すること。

イ 消費者の基本的な権利と責任

消費者の基本的な権利と責任に関わる学習活動を通して,次の事項を身

に付けることができるよう指導する。

(ア) 消費者の基本的な権利と責任,自分や家族の消費生活が環境や社会に

及ぼす影響について理解すること。

(イ) 身近な消費生活について,自立した消費者として責任ある消費行動を

考え,工夫すること。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,生活の営みに係る見方・考え方を働かせ,体験的な活動と

知識とを相互に関連付けてより深く理解するとともに,生活の中から問題

を見いだして解決策を考え,実践を評価・改善して,新たな課題の解決に

向かう過程を重視した学習の充実を図ること。

イ 各段階における目標・内容については,3学年間を見通した全体的な指

導計画に基づき,生徒の学習状況を踏まえながら系統的に指導ができるよ

うにすること。その際,中学部の職業・家庭科をはじめとする各教科等と

のつながりを重視すること。また,各項目及び各項目に示す事項について

は,相互に有機的な関連を図り,総合的に展開されるよう適切な題材を設

定して計画を作成すること。さらに,高等部における職業科等と関連付け

て効果的に指導を行うととともに,他教科等との連携も図ること。

ウ 「B衣食住の生活」の2段階の「ア必要な栄養を満たす食事」及び「ウ

衣服の手入れ」については,それぞれ1段階の「ア食事の役割」及び「ウ

衣服の選択」の内容を十分に踏まえるとともに,各段階に示された事項の

関連を図りながら,総合的に指導するよう計画すること。

エ 家庭や地域との連携を図り,校内外での実践的・体験的な学習活動の充

実を図り指導の効果を高めること。実践的・体験的な学習活動については

,校内での体験的な学習活動と関連させ,段階的・系統的に指導するよう

配慮すること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,衣食住などに関する実習等の結果を整理し考察する

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Ⅰ- 210

学習活動や,生活や社会における課題を解決するために言葉や図表,概念

などを用いて考えたり,説明したりするなどの学習活動の充実を図ること

イ 指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークを積極的に活

用して,実習等における情報の収集・整理や,実践結果の発表などを行う

ことができるように工夫すること。

ウ 資質・能力の育成を図り,一人一人の個性を生かし伸ばすよう,生徒の

興味・関心を踏まえた学習課題の設定,技能の習得状況に応じた指導や教

材・教具の工夫など個に応じた指導の充実に努めること。

エ 生徒が,学習した知識及び技能を生活に活用したり,生活や社会の変化

に対応したりすることができるよう,生活や社会の中から問題を見いだし

て課題を設定し解決する学習活動を充実するとともに,家庭や地域社会,

企業などとの連携を図るように配慮すること。

オ 「B衣食住の生活」については,日本の伝統的な生活についても扱い,

生活文化を継承する大切さに気付くことができるよう配慮すること。また

,「B衣食住の生活」の各段階の「イ日常食の調理」については,地域の

食文化や和食についても取り上げること。

カ 「C消費生活・環境」のア及びイについては,「A家族・家庭生活」又

は「B衣食住の生活」の学習との関連を図り,実践的に学習できるように

すること。また,アについては,身近な消費行動と関連を図った物資・サ

ービスや消費者被害を扱うこと。(ア)の㋐については,クレジットなどの

三者間契約についても扱うこと。

(3) 実習などの指導については,次の事項に配慮するものとする。

ア 施設・設備の安全管理に配慮し,学習環境を整備するとともに,火気,

用具,材料などの取扱いに注意して事故防止の指導を徹底し,安全と衛生

に十分留意するものとする。その際,服装を整え,衛生に留意して用具の

手入れや保管を適切に行うこととする。

イ 食に関する指導については,家庭科の特質に応じて,食育の充実に資す

るようにすること。

ウ 乳幼児や高齢者などと関わるなど校外での学習について,事故の防止策

及び事故発生時の対応策等を綿密に計画するとともに,相手に対する配慮

にも十分留意すること。

エ 調理に用いる食品については,安全・衛生に留意すること。また,食物

アレルギーについても配慮すること。

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Ⅰ- 211

〔外国語〕

1 目 標

外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語に

よる聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を通して,コミュニ

ケーションを図る基礎となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 外国語の音声や文字,語彙,表現,言語の働きなどについて,日本語と外

国語との違いに気付くとともに,読むこと,書くことに慣れ親しみ,聞くこ

と,読むこと,話すこと,書くことによる実際のコミュニケーションにおい

て活用できる基礎的な技能を身に付けるようにする。

(2) コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,身近で簡単な

事柄について,聞いたり話したりするとともに,音声で十分に慣れ親しんだ

外国語の語彙などが表す事柄を想像しながら読んだり書いたりして,自分の

考えや気持ちなどを伝え合うことができる基礎的な力を養う。

(3) 外国語の背景にある文化に対する理解を深め,他者に配慮しながら,主体

的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

ア 音声や文字,語彙,表現などについて日本語と外国語との違いに気付く

とともに,読むこと,書くことに慣れ親しみ,聞くこと,話すことを中心

とした実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な力を身に付

けるようにする。

イ コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,身近で簡単

な事柄について,聞いたり話したりするとともに,音声で十分に慣れ親し

んだ外国語の語彙などを真似ながら読んだり,外国語の文字をなぞって書

いたりして,自分の考えや気持ちなどを伝え合うことができる基礎的な力

を養う。

ウ 外国語の背景にある文化について理解し,相手に配慮しながら,主体的

に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。

(2) 内 容

〔英 語〕

〔知識及び技能〕

ア 英語の特徴等に関する事項

実際に英語を用いた場面や状況等における言語活動を通して,次の事項

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Ⅰ- 212

を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 英語の音声及び簡単な語句や基本的な表現などについて,日本語との

違いに気付くこと。

㋐ 英語の音声を聞いて話したり,文字を見て読んだり書いたりして日

本語の音声や文字などとの違いに気付くこと。

㋑ 英語の音声や文字も,事物の内容を表したり,要件を伝えたりする

などの働きがあることに気付くこと。

㋒ 簡単な語句や基本的な表現などが表す内容を知り,それらを使うこ

とで要件が相手に伝わることに気付くこと。

〔思考力,判断力,表現力等〕

イ 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝え合った

りすることに関する事項

具体的な課題等を設定し,コミュニケーションを行う目的や場面,状況

などに応じて,情報を整理しながら考えなどを形成し,これらを表現する

ことを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 簡単な事柄について,伝えようとした内容を整理した上で,簡単な語

句などを用いて自分の考えや気持ちなどを伝え合うこと。

(イ) 身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語彙な

どが表す事柄を想像しながら読んだり,書いたりすること。

ウ 言語活動及び言語の働きに関する事項

① 言語活動に関する事項

イに示す事項については,アに示す事項を活用して,例えば,次のよう

な言語活動を通して指導する。

(ア) 聞くこと

㋐ 自分に関する簡単な事柄について,簡単な語句や基本的な表現を聞

き,それらを表すイラストや写真などと結び付ける活動。

㋑ 日付や時刻,値段などを表す表現など,身近で簡単な事柄について

,表示などを参考にしながら具体的な情報を聞き取る活動。

(イ) 話すこと[発表]

㋐ 簡単な語句や基本的な表現を用いて,自分の趣味や得意なことなど

を含めて自己紹介をする活動。

(ウ) 話すこと[やり取り]

㋐ 挨拶を交わしたり,簡単な指示や依頼をして,それらに応じたり断

ったりする活動。

(エ) 書くこと

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Ⅰ- 213

㋐ 活字体の大文字,小文字を区別して書く活動。

㋑ 相手に伝えるなどの目的をもって,身近で簡単な事柄について,音

声で十分に慣れ親しんだ簡単な語彙などを書き写す活動。

㋒ 相手に伝えるなどの目的をもって,身近で簡単な事柄について,音

声で十分に慣れ親しんだ語彙などを書き写す活動。

(オ) 読むこと

㋐ 活字体で書かれた文字を見て,どの文字であるかやその文字が大文

字であるか小文字であるかを識別する活動。

㋑ 活字体で書かれた文字を見て,その読み方を発音する活動。

② 言語の働きに関する事項

言語活動を行うに当たり,主として次に示すような言語の使用場面や言

語の働きを取り上げるようにする。

(ア) 言語の使用場面の例

㋐ 特有の表現がよく使われる場面

・挨拶

・自己紹介

・買物

・食事

・道案内

・旅行 など

㋑ 生徒の身近な暮らしに関わる場面

・学校での学習や活動

・家庭での生活

・地域での生活 など

(イ) 言語の働きの例

㋐ コミュニケーションを円滑にする

・挨拶をする

・呼び掛ける

・相づちを打つ

・聞き直す など

㋑ 気持ちを伝える

・礼を言う

・褒める

・謝る など

㋒ 事実・情報を伝える

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Ⅰ- 214

・説明する

・報告する

・発表する など

㋓ 考えや意図を伝える

・意見を言う

・賛成する

・承諾する

・断る など

㋔ 相手の行動を促す

・質問する

・依頼する

・命令する など

〔その他の外国語〕

その他の外国語については,〔英語〕に示す内容に準じて指導を行うもの

とする。

○2段階

(1) 目 標

ア 音声や文字,語彙,表現などについて日本語と外国語との違いに気付く

とともに,読むこと,書くことに慣れ親しみ,聞くこと,話すこと,読む

こと,書くことによる実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎

的な力を身に付けるようにする。

イ コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,身近で簡単

な事柄について,聞いたり話したりするとともに,音声で十分に慣れ親し

んだ外国語の語彙などが表す事柄を想像しながら読んだり書いたりして,

自分の考えや気持ちなどを伝え合うことができる基礎的な力を養う。

ウ 外国語の背景にある文化について理解し,他者に配慮しながら,主体的

に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。

(2) 内 容

〔英 語〕

〔知識及び技能〕

ア 英語の特徴等に関する事項

実際に英語を用いた場面や状況等における言語活動を通して,次の事項

を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 英語の音声及び簡単な語句や基本的な表現などについて,日本語との

違いに気付くこと。

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Ⅰ- 215

㋐ 英語の音声を聞いて話したり,簡単な語彙などを読んだり書いたり

して日本語の音声や文字などとの違いに気付くこと。

㋑ 英語の音声や文字も,事物の内容を表したり,要件を伝えたりする

などの働きがあることに気付くこと。

㋒ 簡単な語句や基本的な表現などが表す内容を知り,それらを使うこ

とで要件が相手に伝わることに気付くこと。

〔思考力,判断力,表現力等〕

イ 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝え合った

りすることに関する事項

具体的な課題等を設定し,コミュニケーションを行う目的や場面,状況

などに応じて,情報を整理しながら考えなどを形成し,これらを表現する

ことを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 身近で簡単な事柄について,伝えようとする内容を整理した上で簡単

な語句や基本的な表現などを用いて伝え合うこと。

(イ) 身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語彙な

どが表す事柄を想像しながら読んだり,書いたりすること。

ウ 言語活動及び言語の働きに関する事項

① 言語活動に関する事項

イに示す事項については,アに示す事項を活用して,例えば,次のよう

な言語活動を通して指導する。

(ア) 聞くこと

㋐ 自分のことや学校生活など身近で簡単な事柄について,簡単な語句

や基本的な表現を聞き,それらを表すイラストや写真などと結び付け

る活動。

㋑ 日付や時刻,値段などを表す表現など,身近で簡単な事柄について

,具体的な情報を聞き取る活動。

㋒ 友達や家族,学校生活など,身近で簡単な事柄について,簡単な語

句や基本的な表現で話される短い会話や説明を,イラストや写真を参

考にしながら聞いて,必要な情報を聞き取る活動。

(イ) 話すこと[発表]

㋐ 簡単な語句や基本的な表現を用いて,身近で簡単な事柄について,

自分の考えや気持ちを話す活動。

(ウ) 話すこと[やり取り]

㋐ 身近で簡単な事柄について,自分の考えや気持ちを伝えたり,簡単

な質問をしたり質問に答えたりして伝え合う活動。

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Ⅰ- 216

(エ) 書くこと

㋐ 相手に伝えるなどの目的をもって,身近で簡単な事柄について,音

声で十分に慣れ親しんだ語彙などを書き写す活動。

㋑ 相手に伝えるなどの目的をもって,身近で簡単な事柄について,音

声で十分に慣れ親しんだ簡単な語彙などを書き写す活動。

(オ) 読むこと

㋐ 日常生活に関する身近で簡単な事柄を内容とする掲示やパンフレッ

トなどから,自分が必要とする情報を得る活動。

㋑ 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語彙などを,挿絵がある本などの

中から識別する活動。

② 言語の働きに関する事項

2段階の言語活動を行うに当たっては,1段階の言語の働きに関する事

項を踏まえ,生徒の学習状況に応じた言語の使用場面や言語の働きを取り

上げるようにする。

〔その他の外国語〕

その他の外国語については,〔英語〕に示す内容に準じて指導を行うもの

とする。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 外国語科においては,英語を履修させることを原則とすること。

(2) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,具体的課題等を設定し,生徒が外国語によるコミュニケー

ションにおける見方・考え方を働かせながら,コミュニケーションの目的

や場面,状況などを意識して活動を行い,英語の音声や語彙,表現などの

知識を,五つの領域における実際のコミュニケーションにおいて活用する

学習の充実を図ること。

イ これまでに学習した外国語との関連に留意して,指導計画を適切に作成

すること。

ウ 外国語科を設ける場合は,生徒の障害の状態や実態に応じて,指導目標

を適切に定め,3年間を通して外国語科の目標の実現を図るようにするこ

と。

エ 指導内容や活動については,生徒の興味や関心,経験などに合ったもの

とし,他の教科等で学習したことを活用したり,学校行事で扱う内容と関

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Ⅰ- 217

連付けたりするなどの工夫により,指導の効果を高めるようにすること。

オ 指導計画の作成や授業の実施に当たっては,ネイティブ・スピーカーや

英語が堪能な地域人材などの協力を得る等,指導体制等の充実を図るとと

もに,指導方法の工夫を行うこと。

カ 外国語を通して他者とコミュニケーションを図ることの必要性や楽しさ

を味わうことができるよう工夫すること。

(3) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 言語材料については,生徒に身近で簡単なものから扱うようにするとと

もに,語句,連語及び慣用表現については活用頻度の高いものを用い,必

要に応じて繰り返し活用しながら体験的な理解を図るようにすること。

イ 1段階のウの②に示す事項については,2段階においても指導すること

ウ 生徒の実態や教材の内容などに応じて,情報機器等を有効に活用し適切

な言語材料を十分に提供できるようにすること。

〔情 報〕

1 目 標

情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,身近にある情報機器の操作の

習得を図りながら,問題の解決を行う学習活動を通して,問題を知り,問題の

解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用し,情報社会に主体的に

参画するための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 身近にある情報と情報技術及びこれらを活用して問題を知り,問題を解決

する方法について理解し,基礎的な技能を身に付けるとともに,情報社会と

人との関わりについて理解できるようにする。

(2) 身近な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題を知り,問題を解決す

るために必要な情報と情報技術を適切かつ効果的に活用する力を養う。

(3) 身近にある情報や情報技術を適切に活用するとともに,情報社会に参画し

ようとする態度を養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

ア 効果的なコミュニケーションの方法や,身近にあるコンピュータやデー

タの活用について知り,基礎的な技能を身に付けるとともに,情報社会と

人との関わりについて知る。

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Ⅰ- 218

イ 身近な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題を知り,問題を解決

するために必要な情報と情報技術を活用する力を養う。

ウ 身近にある情報や情報技術を活用するとともに,情報社会に関わろうと

する態度を養う。

(2) 内 容

A 情報社会の問題解決

身近にある情報や情報技術を活用して問題を知り,問題を解決する方法に

着目し,解決に向けた活動を通して,次の事項を身に付けることができるよ

う指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 身近にある情報やメディアの基本的な特性及びコンピュータ等の情報

機器の基本的な用途,操作方法及び仕組みを知り,情報と情報技術を活

用して問題を知り,問題を解決する方法を身に付けること。

(イ) 情報に関する身近で基本的な,法規や制度,情報セキュリティの重要

性,情報社会における個人の責任及び情報モラルについて知ること。

(ウ) 身近にある情報技術が人や社会に果たす役割と及ぼす影響について知

ること。

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 目的や状況に応じて,身近にある情報や情報技術を活用して問題を知

り,問題を解決する方法について考えること。

(イ) 情報に関する身近で基本的な,法規や制度及びマナーの意義,情報社

会において個人の果たす役割や責任,情報モラルなどについて考えるこ

と。

(ウ) 身近にある情報や情報技術の活用について考えること。

B コミュニケーションと情報デザイン

身近なメディアとコミュニケーション手段及び情報デザインに着目し,目

的や状況に応じて受け手に分かりやすく情報を伝える活動を通して,次の事

項を身に付けることができるよう指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 身近なメディアの基本的な特性とコミュニケーション手段の基本的な

特徴について,その変遷を踏まえて知ること。

(イ) 身近にある情報デザインが人や社会に果たしている役割を知ること。

(ウ) 身近にある情報デザインから,効果的なコミュニケーションを行うた

めの情報デザインの基本的な考え方や方法を知り,表現する基礎的な技

能を身に付けること。

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Ⅰ- 219

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 身近なメディアとコミュニケーション手段の関係を考えること。

(イ) コミュニケーションの目的に合わせて,必要な情報が伝わるような情

報デザインを考えること。

(ウ) 効果的なコミュニケーションを行うための情報デザインの基本的な考

え方や方法に基づいて,表現の仕方を工夫すること。

C 情報通信ネットワークとデータの活用

情報通信ネットワークを介して流通するデータに着目して,情報通信ネッ

トワークや情報システムにより提供されるサービスを利用し,問題を知り,

問題の解決に向けた活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう

指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 情報通信ネットワークの基本的な仕組みや情報セキュリティを確保す

るための基本的な方法について知ること。

(イ) 身近なデータを蓄積,管理,提供する基本的な方法,情報通信ネット

ワークを介した情報システムによるサービスの提供に関する基本的な仕

組みと特徴について知ること。

(ウ) データを表現,蓄積するための基本的な表し方と,データを収集,整

理する基本的な方法について知り,基礎的な技能を身に付けること。

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 情報通信ネットワークにおける情報セキュリティを確保する基本的な

方法について考えること。

(イ) 情報システムが提供するサービスの利用について考えること。

(ウ) データの収集,整理及び結果の表現の基本的な方法を適切に選択し,

実行すること。

○2段階

(1) 目 標

ア 効果的なコミュニケーションの方法や,身近にあるコンピュータやデー

タの活用について理解し,基礎的な技能を身に付けるとともに,情報社会

と人との関わりについて理解する。

イ 身近な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題を知り,問題を解決

するために必要な情報と情報技術を適切かつ効果的に活用する力を養う。

ウ 身近にある情報や情報技術を適切に活用するとともに,情報社会に参画

しようとする態度を養う。

(2) 内 容

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Ⅰ- 220

A 情報社会の問題解決

身近にある情報や情報技術を活用して問題を知り,問題を解決する方法に

着目し,解決に向けた活動を通して,次の事項を身に付けることができるよ

う指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 身近にある情報やメディアの基本的な特性及びコンピュータ等の情報

機器の基本的な用途,操作方法及び仕組みを踏まえ,情報と情報技術を

活用して問題を知り,問題を解決する方法を身に付けること。

(イ) 情報に関する身近で基本的な,法規や制度,情報セキュリティの重要

性,情報社会における個人の責任及び情報モラルについて理解すること

(ウ) 身近にある情報技術が人や社会に果たす役割と及ぼす影響について基

本的な理解をすること。

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 目的や状況に応じて,身近にある情報や情報技術を適切かつ効果的に

活用して問題を知り,問題を解決する方法について考えること。

(イ) 情報に関する身近で基本的な,法規や制度及びマナーの意義,情報社

会において個人の果たす役割や責任,情報モラルなどについて,それら

の背景を捉え,考えること。

(ウ) 身近にある情報や情報技術の適切かつ効果的な活用と望ましい情報社

会の在り方について考えること。

B コミュニケーションと情報デザイン

身近なメディアとコミュニケーション手段及び情報デザインに着目し,目

的や状況に応じて受け手に分かりやすく情報を伝える活動を通して,次の事

項を身に付けることができるよう指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 身近なメディアの基本的な特性とコミュニケーション手段の基本的な

特徴について,その変遷を踏まえて理解すること。

(イ) 身近にある情報デザインが人や社会に果たしている役割を理解するこ

と。

(ウ) 身近にある情報デザインから,効果的なコミュニケーションを行うた

めの情報デザインの基本的な考え方や方法を理解し表現する基礎的な技

能を身に付けること。

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 身近なメディアとコミュニケーション手段の関係を捉え,それらを目

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Ⅰ- 221

的や状況に応じて適切に選択すること。

(イ) コミュニケーションの目的に合わせて,適切かつ効果的な情報デザイ

ンを考えること。

(ウ) 効果的なコミュニケーションを行うための情報デザインの基本的な考

え方や方法に基づいて表現し,振り返り,表現を見直すこと。

C 情報通信ネットワークとデータの活用

情報通信ネットワークを介して流通するデータに着目して,情報通信ネッ

トワークや情報システムにより提供されるサービスを活用し,問題を知り,

問題の解決に向けた活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう

指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 情報通信ネットワークの基本的な仕組みや情報セキュリティを確保す

るための基本的な方法について理解すること。

(イ) 身近なデータを蓄積,管理,提供する基本的な方法,情報通信ネット

ワークを介した情報システムによるサービスの提供に関する基本的な仕

組みと特徴について理解すること。

(ウ) データを表現,蓄積するための基本的な表し方と,データを収集,整

理,分析する基本的な方法について理解し,基礎的な技能を身に付ける

こと。

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 目的や状況に応じて,情報通信ネットワークにおける情報セキュリテ

ィを確保する基本的な方法について考えること。

(イ) 情報システムが提供するサービスの効果的な活用について考えること

(ウ) データの収集,整理,分析及び結果の表現の基本的な方法を適切に選

択し,実行し,振り返り,表現を見直すこと。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,情報と情報

技術を活用して問題を知り,主体的,協働的に制作や話合いなどを行うこ

とを通して解決策を考えるなどの探究的な学習活動の充実を図ること。

イ 学習の基盤となる情報活用能力が,中学部や中学校までの各教科等にお

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Ⅰ- 222

いて,教科等横断的な視点から育成されてきたことを踏まえ,情報科の学

習を通して生徒の情報活用能力を更に高めるようにすること。また,他の

各教科等の学習において情報活用能力を生かし高めることができるよう,

他の各教科等との連携を図ること。

ウ 情報科を設ける場合は,生徒の障害の状態や実態に応じて,指導目標を

適切に定め,3年間を通して情報科の目標の実現を図るようにすること。

エ 社会科,数学科及び職業科などの内容との関連を図るとともに,教科の

目標に即した調和のとれた指導が行われるように留意すること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 情報の信頼性や信憑性を確認する基礎的な能力の育成を図るとともにぴょう

,知的財産や個人情報の保護と活用など,情報モラルの育成を図ること。

イ 目標及び内容等に即して,コンピュータや情報通信ネットワークなどを

活用した実習を積極的に取り入れ,身近にある情報機器の操作の習得を図

ること。その際,必要な情報機器やネットワーク環境を整えるとともに,

内容のまとまりや学習活動,学校や生徒の実態に応じて,適切なソフトウ

ェア,外部装置などを選択すること。

ウ 思考力,判断力,表現力等を育成するため,情報と情報技術を活用して

問題を知り,問題を解決する過程において,考えたり,調べたりしたこと

を説明したり記述したりするなどの言語活動の充実を図ること。

エ 情報機器を活用した学習を行うに当たっては,照明やコンピュータの使

用時間などに留意するとともに,生徒が自らの健康に留意し望ましい習慣

を身に付けることができるよう配慮すること。

オ 授業で扱う具体例,教材・教具などについては,生活に関連の深いもの

を取り上げるとともに,情報技術の進展に対応して適宜見直しを図ること

カ 「A情報社会の問題解決」については,この教科の導入として位置付け

,「Bコミュニケーションと情報デザイン」や「C情報通信ネットワーク

とデータの活用」との関連性に配慮すること。

キ 「C情報通信ネットワークとデータの活用」のアの(ア)及びイの(ア)につ

いては,身近にある情報機器を操作し,情報セキュリティを確保する活動

を取り入れること。

第2款 主として専門学科において開設される各教科の目標及び内容

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Ⅰ- 223

〔家 政〕

1 目 標

家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活

動を行うことなどを通して,生活の質の向上と社会の発展に寄与する職業人と

して必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 生活産業に関することについて理解するとともに,関連する技術を身に付

けるようにする。

(2) 生活産業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ課題

を解決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して

自ら学び,社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指

導する。

〔指導項目〕

(1) 生活産業の概要

ア 生活産業の意義と役割

イ 生活産業の基礎

ウ 使用する器具や機械,コンピュータ等の情報機器の取扱い

(2) 被服

ア 被服の機能と基本的な構成

イ 被服製作の工程

(3) クリーニング

ア クリーニングの種類と特徴

イ クリーニングの工程

(4) 手芸

ア 手芸の種類と特徴

イ 刺しゅう,編物,染色,織物及びその他の手芸に係る製作

(5) 調理

ア 食品の種類とその特徴

イ 栄養と栄養素

ウ 調理における衛生管理

エ 調理の工程

(6) 住居

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Ⅰ- 224

ア 住居の機能や室内環境

イ 住居の管理

ウ インテリア

(7) 保育

ア 子供の発達と生活

イ 子供との関わり

(8) 家庭看護

ア 病気の予防や疾病の状態

イ 食事や排泄,衣生活,移動の援助せつ

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,生活に関連する産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体

験的な学習活動の充実を図ること。

イ 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動

を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工

夫に努めること。

ウ 〔指導項目〕の指導に当たっては,実験・実習を適切に取り入れること

(2) 2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)から(8)までについては,生徒や地域の実態,学科の

特色等に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うことができること。

イ 〔指導項目〕の(4)のイについては,刺しゅう,編物,染色,織物及び

その他の手芸に係る製作の中から選択して,基礎的な技法を扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(5)については,家政科の特質に応じて,食育の充実を

図ること。また,実習に用いる食品については,安全・衛生に留意し,食

物アレルギーについても配慮すること。

エ 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や

薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止の指導

を徹底し,安全と衛生に十分留意すること。

〔農 業〕

1 目 標

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Ⅰ- 225

農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを

通して,農業や農業関連産業を通じ,地域や社会の健全で持続的な発展に寄与

する職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 農業に関することについて理解するとともに,関連する技術を身に付ける

ようにする。

(2) 農業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ課題を解

決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して

自ら学び,社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指

導する。

〔指導項目〕

(1) 農業の概要

ア 農業の意義と役割

イ 農業の基礎

ウ 農器具や農業機械,コンピュータ等の情報機器の取扱い

(2) 農業生物の栽培と管理

ア 作物の種類と特徴

イ 野菜の種類と特徴

ウ 果樹の種類と特徴

エ 草花の種類と特徴

オ 樹木の種類と特徴

カ 栽培と管理の工程

(3) 農業生物の飼育と管理

ア 家畜の種類と特徴

イ 飼育と管理の工程

(4) 食品の加工と管理

ア 食品加工の種類と特徴

イ 食品の加工と管理の工程

(5) 地域資源を生かした農業

ア 地域資源の特色

イ 地域資源の活用

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Ⅰ- 226

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

の充実を図ること。

イ 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動

を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工

夫に努めること。

ウ 〔指導項目〕の指導に当たっては,実験・実習を適切に取り入れること

(2) 2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)から(5)までについては,生徒や地域の実態,学科の

特色等に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うことができること。

イ 〔指導項目〕の(2)については,同(2)のアからオの中から選択して,基

礎的な栽培管理を扱うこと。

ウ 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や

薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止の指導

を徹底し,安全と衛生に十分留意すること。

〔工 業〕

1 目 標

工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを

通して,ものづくりを通じ,地域や社会の健全で持続的な発展に寄与する職業

人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 工業に関することについて理解するとともに,関連する技術を身に付ける

ようにする。

(2) 工業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ課題を解

決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して

自ら学び,社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指

導する。

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Ⅰ- 227

〔指導項目〕

(1) 工業の概要

ア 工業の意義と役割

イ 工業の基礎

ウ 各種の工具や機械及び機器類,コンピュータ等の情報機器の取扱い

(2) 木材加工による製品

ア 木材の種類と特徴

イ 各種の工具や機械などの操作

ウ 木材製品を製造する工程

(3) 金属加工による製品

ア 金属の種類と特徴

イ 各種の工具や機械などの操作

ウ 金属製品を製造する工程

(4) セラミック加工による製品

ア セラミックスの種類と特徴

イ 各種の工具や機械などの操作

ウ セラミック製品を製造する工程

(5) 紙加工による製品

ア 紙の種類と特徴

イ 各種の工具や機械などの操作

ウ 紙製品を製造する工程

(6) 布の加工による製品

ア 布の種類と特徴

イ 各種の工具や機械などの操作

ウ 布製品を製造する工程

(7) 皮革の加工による製品

ア 皮革の種類と特徴

イ 各種の工具や機械などの操作

ウ 皮革製品を製造する工程

(8) 印刷

ア 印刷材料や印刷方法の種類と特徴

イ 各種の工具や機械などの操作

ウ 印刷の工程

3 指導計画の作成と内容の取扱い

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Ⅰ- 228

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

の充実を図ること。

イ 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動

を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工

夫に努めること。

ウ 〔指導項目〕の指導に当たっては,実験・実習を適切に取り入れること

(2) 2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)から(8)までについては,生徒や地域の実態,学科の

特色等に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うことができること。

イ 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や

薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止や環境

保全の指導を徹底し,安全と衛生に十分配慮すること。また,排気,廃棄

物や廃液などの処理についても,十分留意すること。

〔流通・サービス〕

1 目 標

流通・サービスの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行う

ことなどを通して,流通業やサービス業を通じ,地域や社会の健全で持続的な

発展に寄与する職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目

指す。

(1) 流通やサービスに関することについて理解するとともに,関連する技術を

身に付けるようにする。

(2) 流通業やサービス業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を

踏まえ課題を解決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して

自ら学び,社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指

導する。

〔指導項目〕

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Ⅰ- 229

(1) 流通業やサービス業の概要

ア 流通業やサービス業の意義と役割

イ 流通業やサービス業の基礎

ウ 事務機器,機械や道具,コンピュータ等の情報機器の取扱い

(2) 商品管理

ア 商品管理業務の内容と特徴

イ 商品管理の方法

(3) 販売

ア 販売業務の内容と特徴

イ 販売の方法

(4) 清掃

ア 清掃業務の内容と特徴

イ 清掃の方法

(5) 事務

ア 事務業務の内容と特徴

イ 事務処理の方法

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

こと。その際,流通・サービスの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的

な学習活動の充実を図ること。

イ 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動

を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工

夫に努めること。

ウ 〔指導項目〕の指導に当たっては,実験・実習を適切に取り入れること

(2) 2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)から(5)までについては,生徒や地域の実態,学科の

特色等に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うことができること。

イ 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や

薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止や環境

保全の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意すること。また,排気,廃棄

物や廃液などの処理についても,十分留意すること。

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Ⅰ- 230

〔福 祉〕

1 目 標

福祉の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを

通して,福祉を通じ,地域や社会の健全で持続可能な福祉社会の発展に寄与す

る職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 福祉に関することについて理解するとともに,関連する技術を身に付ける

ようにする。

(2) 福祉に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ課題を解

決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して

自ら学び,社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指

導する。

〔指導項目〕

(1) 社会福祉の概要

ア 社会福祉の意義と役割

イ 社会福祉サービスの基礎

ウ 福祉機器や用具,コンピュータ等の情報機器の取扱い

(2) 介護・福祉サービス

ア 介護の職務

イ 介護の基礎

(3) 介護を必要とする人

ア こころとからだの理解

イ 介護を必要とする人の理解

(4) 生活支援の技術

ア 生活支援の内容

イ 生活支援の実践

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の

育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにする

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Ⅰ- 231

こと。その際,福祉の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

の充実を図ること。

イ 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動

を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工

夫に努めること。

ウ 〔指導項目〕の指導に当たっては,実験・実習を適切に取り入れること

(2) 2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)から(4)までについては,生徒や地域の実態,学科の

特色等に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うことができること。

イ 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や

薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止などの

指導を徹底し,安全と衛生に十分留意すること。

第3款 指導計画の作成と各教科全体にわたる内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,個々の生徒の知的障害の状態,生活年齢,学

習状況及び経験等を考慮しながら,第1款及び第2款の各教科の目標及び内容

を基に,3年間を見通して,全体的な指導計画に基づき具体的な指導目標や指

導内容を設定するものとする。

2 個々の生徒の実態に即して,教科別の指導を行うほか,必要に応じて各教科

,道徳科,特別活動及び自立活動を合わせて指導を行うなど,効果的な指導方

法を工夫するものとする。その際,各教科等において育成を目指す資質・能力

を明らかにし,各教科等の指導内容間の関連を十分に図るよう配慮するものと

する。

3 個々の生徒の実態に即して,生活に結び付いた効果的な指導を行うとともに

,生徒が見通しをもって,意欲をもち主体的に学習活動に取り組むことができ

るよう指導計画全体を通して配慮するものとする。

4 第1章第2節第1款の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳科など

との関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳に示す内容について,各教科

の特質に応じて適切な指導をするものとする。

5 生徒の実態に即して学習環境を整えるなど,安全と衛生に留意するものとす

る。

6 生徒の実態に即して自立や社会参加に向けて経験が必要な事項を整理した上

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Ⅰ- 232

で,指導するように配慮するものとする。

7 学校と家庭及び関係機関等とが連携を図り,生徒の学習過程について,相互

に共有するとともに,生徒が学習の成果を現在や将来の生活に生かすことがで

きるよう配慮するものとする。

8 生徒の知的障害の状態や学習状況,経験等に応じて,教材・教具や補助用具

などを工夫するとともに,コンピュータや情報通信ネットワークを有効に活用

し,指導の効果を高めるようにするものとする。

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Ⅰ- 233

第3章 特別の教科 道徳(知的障害者である

生徒に対する教育を行う特別支援学校)

第1款 目標及び内容

道徳科の目標及び内容については,小学部及び中学部における目標及び内容を

基盤とし,さらに,青年期の特性を考慮して,健全な社会生活を営む上に必要な

道徳性を一層高めることに努めるものとする。

第2款 指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,生徒や学校,地域の実態を十分考慮し,中学

部における道徳科との関連を図り,計画的に指導がなされるよう工夫するもの

とする。

2 各教科,総合的な探究の時間,特別活動及び自立活動との関連を密にしなが

ら,経験の拡充を図り,豊かな道徳的心情を育て,将来の生活を見据え,広い

視野に立って道徳的判断や行動ができるように指導するものとする。

3 内容の指導に当たっては,個々の生徒の知的障害の状態,生活年齢,学習状

況及び経験等に応じて,適切に指導の重点を定め,指導内容を具体化し,体験

的な活動を取り入れるなどの工夫を行うものとする。

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Ⅰ- 234

第4章 総合的な探究の時間

総合的な探究の時間の目標,各学校において定める目標及び内容並びに指導計

画の作成と内容の取扱いについては,高等学校学習指導要領第4章に示すものに

準ずるほか,次に示すところによるものとする。

1 生徒の障害の状態や発達の段階等を十分考慮し,学習活動が効果的に行われ

るよう配慮すること。

2 体験活動に当たっては,安全と保健に留意するとともに,学習活動に応じて

,中学部又は中学校までの学習を踏まえ,高等学校の生徒などと交流及び共同

学習を行うよう配慮すること。

3 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校において,探究的な

学習を行う場合には,知的障害のある生徒の学習上の特性として,学習によっ

て得た知識や技能が断片的になりやすいことなどを踏まえ,各教科等の学習で

培われた資質・能力を総合的に関連付けながら,具体的に指導内容を設定し,

生徒が自らの課題を解決できるように配慮すること。

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Ⅰ- 235

第5章 特別活動

特別活動の目標,各活動・学校行事の目標及び内容並びに指導計画の作成と内

容の取扱いについては,高等学校学習指導要領第5章に示すものに準ずるほか,

次に示すところによるものとする。

1 指導計画の作成に当たっては,生徒の少人数からくる種々の制約を解消し,

積極的な集団活動が行われるよう配慮する必要があること。

2 生徒の経験を広めて積極的な態度を養い,社会性や豊かな人間性を育むため

に,集団活動を通して高等学校の生徒などと交流及び共同学習を行ったり,地

域の人々などと活動を共にしたりする機会を積極的に設ける必要があること。

その際,生徒の障害の状態や特性等を考慮して,活動の種類や時期,実施方法

等を適切に定めること。

3 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校において,内容の指

導に当たっては,個々の生徒の知的障害の状態,生活年齢,学習状況及び経験

等に応じて,適切に指導の重点を定め,具体的に指導する必要があること。

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Ⅰ- 236

第6章 自立活動

第1款 目 標

個々の生徒が自立を目指し,障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改

善・克服するために必要な知識,技能,態度及び習慣を養い,もって心身の調和

的発達の基盤を培う。

第2款 内 容

1 健康の保持

(1) 生活のリズムや生活習慣の形成に関すること。

(2) 病気の状態の理解と生活管理に関すること。

(3) 身体各部の状態の理解と養護に関すること。

(4) 障害の特性の理解と生活環境の調整に関すること。

(5) 健康状態の維持・改善に関すること。

2 心理的な安定

(1) 情緒の安定に関すること。

(2) 状況の理解と変化への対応に関すること。

(3) 障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する意欲に関すること。

3 人間関係の形成

(1) 他者とのかかわりの基礎に関すること。

(2) 他者の意図や感情の理解に関すること。

(3) 自己の理解と行動の調整に関すること。

(4) 集団への参加の基礎に関すること。

4 環境の把握

(1) 保有する感覚の活用に関すること。

(2) 感覚や認知の特性についての理解と対応に関すること。

(3) 感覚の補助及び代行手段の活用に関すること。

(4) 感覚を総合的に活用した周囲の状況についての把握と状況に応じた行動に

関すること。

(5) 認知や行動の手掛かりとなる概念の形成に関すること。

5 身体の動き

(1) 姿勢と運動・動作の基本的技能に関すること。

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Ⅰ- 237

(2) 姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用に関すること。

(3) 日常生活に必要な基本動作に関すること。

(4) 身体の移動能力に関すること。

(5) 作業に必要な動作と円滑な遂行に関すること。

6 コミュニケーション

(1) コミュニケーションの基礎的能力に関すること。

(2) 言語の受容と表出に関すること。

(3) 言語の形成と活用に関すること。

(4) コミュニケーション手段の選択と活用に関すること。

(5) 状況に応じたコミュニケーションに関すること。

第3款 個別の指導計画の作成と内容の取扱い

1 自立活動の指導に当たっては,個々の生徒の障害の状態や特性及び心身の発

達の段階等の的確な把握に基づき,指導すべき課題を明確にすることによって

,指導目標及び指導内容を設定し,個別の指導計画を作成するものとする。そ

の際,第2に示す内容の中からそれぞれに必要とする項目を選定し,それらを

相互に関連付け,具体的に指導内容を設定するものとする。

2 個別の指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 個々の生徒について,障害の状態,発達や経験の程度,興味・関心,生活

や学習環境などの実態を的確に把握すること。

(2) 生徒の実態把握に基づいて得られた指導すべき課題相互の関連を検討する

こと。その際,これまでの学習状況や将来の可能性を見通しながら,長期的

及び短期的な観点から指導目標を設定し,それらを達成するために必要な指

導内容を段階的に取り上げること。

(3) 具体的な指導内容を設定する際には,以下の点を考慮すること。

ア 生徒が,興味をもって主体的に取り組み,成就感を味わうとともに自己

を肯定的に捉えることができるような指導内容を取り上げること。

イ 生徒が,障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服しようとする

意欲を高めることができるような指導内容を重点的に取り上げること。

ウ 個々の生徒が,発達の遅れている側面を補うために,発達の進んでいる

側面を更に伸ばすような指導内容を取り上げること。

エ 個々の生徒が,活動しやすいように自ら環境を整えたり,必要に応じて

周囲の人に支援を求めたりすることができるような指導内容を計画的に取

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Ⅰ- 238

り上げること。

オ 個々の生徒に対し,自己選択・自己決定する機会を設けることによって

,思考・判断・表現する力を高めることができるような指導内容を取り上

げること。

カ 個々の生徒が,自立活動における学習の意味を将来の自立や社会参加に

必要な資質・能力との関係において理解し,取り組めるような指導内容を

取り上げること。

(4) 生徒の学習状況や結果を適切に評価し,個別の指導計画や具体的な指導の

改善に生かすよう努めること。

(5) 各教科・科目,総合的な探究の時間及び特別活動(知的障害者である教育

を行う特別支援学校においては,各教科,道徳科,総合的な探究の時間及び

特別活動)の指導と密接な関連を保つようにし,計画的,組織的に指導が行

われるようにするものとする。

3 個々の生徒の実態に応じた具体的な指導方法を創意工夫し,意欲的な活動を

促すようにするものとする。

4 重複障害者のうち自立活動を主として指導を行うものについては,全人的な

発達を促すために必要な基本的な指導内容を,個々の生徒の実態に応じて設定

し,系統的な指導が展開できるようにするものとする。その際,個々の生徒の

人間として調和のとれた育成を目指すように努めるものとする。

5 自立活動の指導は,専門的な知識や技能を有する教師を中心として,全教師

の協力の下に効果的に行われるようにするものとする。

6 生徒の障害の状態等により,必要に応じて,専門の医師及びその他の専門家

の指導・助言を求めるなどして,適切な指導ができるようにするものとする。

7 自立活動の指導の成果が進路先等でも生かされるように,個別の教育支援計

画等を活用して関係機関等との連携を図るものとする。

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Ⅰ- 239

附 則

この告示は,平成34年4月1日から施行する。ただし,改正後の特別支援学校

高等部学習指導要領は,同日以降特別支援学校の高等部の第1学年に入学した生

徒に係る教育課程及び全課程の修了の認定から適用する。

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Ⅱ.特別支援学校高等部学習指導要領

比較対照表

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Ⅱ - 1

特別支援学校高等部学習指導要領 比較対照表

特別支援学校高等部学習指導要領(平成 31年文部科学省告示第 14 号) 特別支援学校高等部学習指導要領(平成 21年文部科学省告示第 37 号)

第1章 総 則

第1節 教育目標

高等部における教育については,学校教育法第 72条に定める目的を実

現するために,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等を十分

考慮して,次に掲げる目標の達成に努めなければならない。

1 学校教育法第 51 条に規定する高等学校教育の目標

2 生徒の障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服し自立を

図るために必要な知識,技能,態度及び習慣を養うこと。

第2節 教育課程の編成

第1款 高等部における教育の基本と教育課程の役割

1 各学校においては,教育基本法及び学校教育法その他の法令並びに

この章以下に示すところに従い,生徒の人間として調和のとれた育成

を目指し,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等,学科の

特色及び学校や地域の実態を十分考慮して,適切な教育課程を編成す

るものとし,これらに掲げる目標を達成するよう教育を行うものとす

る。

2 学校の教育活動を進めるに当たっては,各学校において,第3款の

1に示す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して

,創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で,次の(1)から

(4)までに掲げる事項の実現を図り,生徒に生きる力を育むことを目指

第1章 総 則

第1節 教育目標

高等部における教育については,学校教育法第 72 条に定める目的を実

現するために,生徒の障害の状態及び特性等を十分考慮して,次に掲げ

る目標の達成に努めなければならない。

1 学校教育法第 51 条に規定する高等学校教育の目標

2 生徒の障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服し自立を

図るために必要な知識,技能,態度及び習慣を養うこと。

第2節 教育課程の編成

第1款 一般方針

1 各学校においては,教育基本法及び学校教育法その他の法令並び

にこの章以下に示すところに従い,生徒の人間として調和のとれた

育成を目指し,その障害の状態,発達の段階及び特性等,地域や学

校の実態並びに学科の特色を十分考慮して,適切な教育課程を編成

するものとし,これらに掲げる目標を達成するよう教育を行うもの

とする。

学校の教育活動を進めるに当たっては,各学校において,生徒に

生きる力をはぐくむことを目指し,創意工夫を生かした特色ある教

育活動を展開する中で,基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習

得させ,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判

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Ⅱ - 2

すものとする。

(1) 基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ,これらを活用

して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力等を育む

とともに,主体的に学習に取り組む態度を養い,個性を生かし多様

な人々との協働を促す教育の充実に努めること。その際,生徒の発

達の段階を考慮して,生徒の言語活動など,学習の基盤をつくる活

動を充実するとともに,家庭との連携を図りながら,生徒の学習習

慣が確立するよう配慮すること。

(2) 道徳教育や体験活動,多様な表現や鑑賞の活動等を通して,豊か

な心や創造性の涵養を目指した教育の充実に努めること。

学校における道徳教育は,人間としての在り方生き方に関する教

育を学校の教育活動全体を通じて行うことによりその充実を図る

ものとし,視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者であ

る生徒に対する教育を行う特別支援学校においては,各教科に属す

る科目(以下「各教科・科目」という。),総合的な探究の時間,

特別活動及び自立活動(以下「各教科・科目等」という。)におい

て,また,知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

においては,第3章に掲げる特別の教科である道徳(以下「道徳科

」という。)を要として,各教科,総合的な探究の時間,特別活動

及び自立活動において,それぞれの特質に応じて,適切な指導を行

うこと。

道徳教育は,教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本

精神に基づき,生徒が自己探求と自己実現に努め国家・社会の一員

としての自覚に基づき行為しうる発達の段階にあることを考慮し,

人間としての在り方生き方を考え,主体的な判断の下に行動し,自

立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道

徳性を養うことを目標とすること。

道徳教育を進めるに当たっては,人間尊重の精神と生命に対する

畏敬の念を家庭,学校,その他社会における具体的な生活の中に生

かし,豊かな心をもち,伝統と文化を尊重し,それらを育んできた

断力,表現力その他の能力をはぐくむとともに,主体的に学習に取

り組む態度を養い,個性を生かす教育の充実に努めなければならな

い。その際,生徒の発達の段階を考慮して,生徒の言語活動を充実

するとともに,家庭との連携を図りながら,生徒の学習習慣が確立

するよう配慮しなければならない。

2 学校における道徳教育は,生徒が自己探求と自己実現に努め国家・

社会の一員としての自覚に基づき行為しうる発達の段階にあること

を考慮し人間としての在り方生き方に関する教育を学校の教育活動

全体を通じて行うことにより,その充実を図るものとし,視覚障害

者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対する教育

を行う特別支援学校においては,各教科に属する科目,総合的な学

習の時間,特別活動及び自立活動において,また,知的障害者であ

る生徒に対する教育を行う特別支援学校においては,道徳の時間を

はじめとして,各教科,総合的な学習の時間,特別活動及び自立活

動において,それぞれの特質に応じて,適切な指導を行わなければ

ならない。

道徳教育は,教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本

精神に基づき,人間尊重の精神と生命に対する畏い

敬の念を家庭,学

校,その他社会における具体的な生活の中に生かし,豊かな心をも

ち,伝統と文化を尊重し,それらをはぐくんできた我が国と郷土を

愛し,個性豊かな文化の創造を図るとともに,公共の精神を尊び,

民主的な社会及び国家の発展に努め,他国を尊重し,国際社会の平

和と発展や環境の保全に貢献し未来を拓ひら

く主体性のある日本人を育

成するため,その基盤としての道徳性を養うことを目標とする。

道徳教育を進めるに当たっては,特に,道徳的実践力を高めると

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Ⅱ - 3

我が国と郷土を愛し,個性豊かな文化の創造を図るとともに,平和

で民主的な国家及び社会の形成者として,公共の精神を尊び,社会

及び国家の発展に努め,他国を尊重し,国際社会の平和と発展や環

境の保全に貢献し未来を拓く主体性のある日本人の育成に資する

こととなるよう特に留意すること。

(3) 学校における体育・健康に関する指導を,生徒の発達の段階を考

慮して,学校の教育活動全体を通じて適切に行うことにより,健康

で安全な生活と豊かなスポーツライフの実現を目指した教育の充

実に努めること。特に,学校における食育の推進並びに体力の向上

に関する指導,安全に関する指導及び心身の健康の保持増進に関す

る指導については,保健体育科,家庭科及び特別活動の時間はもと

より,各教科・科目,総合的な探究の時間及び自立活動(知的障害

者である生徒に対する教育を行う特別支援学校においては,各教科

,道徳科,総合的な探究の時間及び自立活動。)などにおいてもそ

れぞれの特質に応じて適切に行うよう努めること。また,それらの

指導を通して,家庭や地域社会との連携を図りながら,日常生活に

おいて適切な体育・健康に関する活動の実践を促し,生涯を通じて

健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるよう配慮す

ること。

(4) 学校における自立活動の指導は,障害による学習上又は生活上の

困難を改善・克服し,自立し社会参加する資質を養うため,自立活

動の時間はもとより,学校の教育活動全体を通じて適切に行うもの

とする。特に,自立活動の時間における指導は,各教科・科目,総

合的な探究の時間及び特別活動(知的障害者である生徒に対する教

育を行う特別支援学校においては,各教科,道徳科,総合的な探究

の時間及び特別活動。)と密接な関連を保ち,個々の生徒の障害の

状態や特性及び心身の発達の段階等を的確に把握して,適切な指導

計画の下に行うよう配慮すること。

3 2の(1)から(4)までに掲げる事項の実現を図り,豊かな創造性を備

え持続可能な社会の創り手となることが期待される生徒に,生きる力

ともに,自他の生命を尊重する精神,自律の精神及び社会連帯の精

神並びに義務を果たし責任を重んずる態度及び人権を尊重し差別の

ないよりよい社会を実現しようとする態度を養うための指導が適切

に行われるよう配慮しなければならない。

3 学校における体育・健康に関する指導は,生徒の発達の段階を考

慮して,学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に,

学校における食育の推進並びに体力の向上に関する指導,安全に関

する指導及び心身の健康の保持増進に関する指導については,保健

体育科の時間はもとより,家庭科,特別活動,自立活動などにおい

てもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めることとする。ま

た,それらの指導を通して,家庭や地域社会との連携を図りながら,

日常生活において適切な体育・健康に関する活動の実践を促し,生

涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われる

よう配慮しなければならない。

4 学校における自立活動の指導は,障害による学習上又は生活上の

困難を改善・克服し,自立し社会参加する資質を養うため,学校の

教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に,自立活動の時

間における指導は,各教科に属する科目,総合的な学習の時間及び

特別活動(知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

においては,各教科,道徳,総合的な学習の時間及び特別活動)と密

接な関連を保ち,個々の生徒の障害の状態や発達の段階等を的確に

把握して,適切な指導計画の下に行うよう配慮しなければならない。

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Ⅱ - 4

を育むことを目指すに当たっては,学校教育全体,各教科・科目等並

びに知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校における

各教科,道徳科,総合的な探究の時間,特別活動及び自立活動(以下

「各教科等」という。)において,それぞれの指導を通してどのよう

な資質・能力の育成を目指すのかを明確にしながら,教育活動の充実

を図るものとする。その際,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達

の段階等を踏まえつつ,次に掲げることが偏りなく実現できるように

するものとする。

(1) 知識及び技能が習得されるようにすること。

(2) 思考力,判断力,表現力等を育成すること。

(3) 学びに向かう力,人間性等を涵養すること。

4 学校においては,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等

,学校や地域の実態等に応じて,就業やボランティアに関わる体験的

な学習の指導を適切に行うようにし,勤労の尊さや創造することの喜

びを体得させ,望ましい勤労観,職業観の育成や社会奉仕の精神の涵

養に資するものとする。

5 各学校においては,生徒や学校,地域の実態を適切に把握し,教育の

目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み

立てていくこと,教育課程の実施状況を評価してその改善を図ってい

くこと,教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとと

もにその改善を図っていくことなどを通して,教育課程に基づき組織

的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくこと(以下

「カリキュラム・マネジメント」という。)に努めるものとする。そ

の際,生徒に何が身に付いたかという学習の成果を的確に捉え,第2

款の3の(5)のイに示す個別の指導計画の実施状況の評価と改善を,教

育課程の評価と改善につなげていくよう工夫すること。

5 学校においては,生徒の障害の状態,地域や学校の実態等に応じ

て,就業やボランティアにかかわる体験的な学習の指導を適切に行

うようにし,勤労の尊さや創造することの喜びを体得させ,望まし

い勤労観,職業観の育成や社会奉仕の精神の涵かん

養に資するものとす

る。

第2款 教育課程の編成

1 各学校の教育目標と教育課程の編成

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Ⅱ - 5

教育課程の編成に当たっては,学校教育全体,各教科・科目等及び各

教科等において,それぞれの指導を通して育成を目指す資質・能力を

踏まえつつ,各学校の教育目標を明確にするとともに,教育課程の編

成についての基本的な方針が家庭や地域とも共有されるよう努めるも

のとする。その際,第4章総合的な探究の時間において準ずるものと

している高等学校学習指導要領第4章の第2の1に基づき定められる

目標との関連を図るものとする。

2 教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成

(1) 各学校においては,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段

階等を考慮し,言語能力,情報活用能力(情報モラルを含む。),

問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力を育成してい

くことができるよう,各教科・科目等又は各教科等の特質を生かし

,教科等横断的な視点から教育課程の編成を図るものとする。

(2) 各学校においては,生徒や学校,地域の実態並びに生徒の障害の

状態や特性及び心身の発達の段階等を考慮し,豊かな人生の実現や

災害等を乗り越えて次代の社会を形成することに向けた現代的な

諸課題に対応して求められる資質・能力を,教科等横断的な視点で

育成していくことができるよう,各学校の特色を生かした教育課程

の編成を図るものとする。

3 教育課程の編成における共通的事項

(1) 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に

対する教育を行う特別支援学校における各教科・科目等の履修等

ア 各教科・科目及び単位数等

(ア) 卒業までに履修させる単位数等

各学校においては,卒業までに履修させる(イ)から(オ)まで

に示す各教科・科目及びその単位数,総合的な探究の時間の単

位数,特別活動及びその授業時数並びに自立活動の授業時数

に関する事項を定めるものとする。この場合,卒業までに履修

させる単位数の計は,イの(ア)及び(イ)に掲げる各教科・科目の

第2款 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒

に対する教育を行う特別支援学校における各教科・科目等の履修等

第1 各教科・科目及び単位数等

1 卒業までに履修させる単位数等

各学校においては,卒業までに履修させる下記2から5までに示

す各教科に属する科目及びその単位数,総合的な学習の時間の単位

数,特別活動及びその授業時数並びに自立活動の授業時数に関する

事項を定めるものとする。この場合,各教科に属する科目(以下「各

教科・科目」という。)及び総合的な学習の時間の単位数の計は,こ

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Ⅱ - 6

単位数並びに総合的な探究の時間の単位数を含めて 74単位(

自立活動の授業については,授業時数を単位数に換算して,こ

の単位数に含めることができる。)以上とする。

単位については,1単位時間を 50分とし,35 単位時間の授

業を1単位として計算することを標準とする。

(イ) 各学科に共通する各教科・科目及び標準単位数

各学校においては,教育課程の編成に当たって,次の表に掲

げる各教科・科目及びその標準単位数を踏まえ,生徒に履修さ

せる各教科・科目及びそれらの単位数について適切に定める

ものとする。ただし,生徒の実態等を考慮し,特に必要がある

場合には,標準単位数の標準の限度を超えて単位数を増加し

て配当することができる。

教 科 科 目

単位

教 科 科 目 標 準

単位数

国 語

現 代 の 国 語

言 語 文 化

論 理 国 語

文 学 国 語

国 語 表 現

古 典 探 究

保健体育 体 育

保 健

7~8

芸 術

音 楽 Ⅰ

音 楽 Ⅱ

音 楽 Ⅲ

美 術 Ⅰ

美 術 Ⅱ

美 術 Ⅲ

工 芸 Ⅰ

工 芸 Ⅱ

工 芸 Ⅲ

書 道 Ⅰ

書 道 Ⅱ

書 道 Ⅲ

地 理

歴 史

地 理 総 合

地 理 探 究

歴 史 総 合

日 本 史 探 究

世 界 史 探 究

公 民

公 共

倫 理

の款の第2に掲げる各教科・科目の単位数及び総合的な学習の時間

の単位数を含めて 74 単位(自立活動の授業については,授業時数を

単位数に換算して,この単位数に含めることができる。)以上とする。

単位については,1単位時間を 50 分とし,35 単位時間の授業を

1単位として計算することを標準とする。

2 各学科に共通する各教科・科目及び標準単位数

各学校においては,教育課程の編成に当たって,次の表に掲げる

各教科・科目及びそれぞれの標準単位数を踏まえ,生徒に履修させ

る各教科・科目及びそれらの単位数について適切に定めるものとす

る。ただし,生徒の実態等を考慮し,特に必要がある場合には,標準

単位数の標準の限度を超えて単位数を増加して配当することができ

る。

教 科 科 目 標 準

単位数

教 科 科 目 標 準

単位数

国 語

国 語 総 合

国 語 表 現

現 代 文 A

現 代 文 B

古 典 A

古 典 B

保健体育

体 育

保 健

7~8

芸 術

音 楽 Ⅰ

音 楽 Ⅱ

音 楽 Ⅲ

美 術 Ⅰ

美 術 Ⅱ

美 術 Ⅲ

工 芸 Ⅰ

工 芸 Ⅱ

工 芸 Ⅲ

書 道 Ⅰ

書 道 Ⅱ

書 道 Ⅲ

地 理

歴 史

世 界 史 A

世 界 史 B

日 本 史 A

日 本 史 B

地 理 A

地 理 B

公 民

現 代 社 会

倫 理

2 コミュニケーシ 2

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Ⅱ - 7

政 治 ・ 経 済 2

数 学

数 学 Ⅰ

数 学 Ⅱ

数 学 Ⅲ

数 学 A

数 学 B

数 学 C

外 国 語

英語コミュニ

ケーションⅠ

英語コミュニ

ケーションⅡ

英語コミュニ

ケーションⅢ

論理・表現Ⅰ

論理・表現Ⅱ

論理・表現Ⅲ

理 科

科学と人間生

物 理 基 礎

物 理

化 学 基 礎

化 学

生 物 基 礎

生 物

地 学 基 礎

地 学

家 庭 家 庭 基 礎

家 庭 総 合

情 報 情 報 Ⅰ

情 報 Ⅱ

理 数 理数探究基礎

理 数 探 究

2~5

(ウ) 主として専門学科において開設される各教科・科目

各学校においては,教育課程の編成に当たって,視覚障害者

である生徒に対する教育を行う特別支援学校にあっては次の

表の㋐及び㋑,聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特

別支援学校にあっては次の表の㋐及び㋒,肢体不自由者又は

病弱者である生徒に対する教育を行う特別支援学校にあって

は次の表の㋐に掲げる主として専門学科(専門教育を主とす

る学科をいう。以下同じ。)において開設される各教科・科目

及び設置者の定めるそれぞれの標準単位数を踏まえ,生徒に

履修させる各教科・科目及びその単位数について適切に定め

政 治 ・ 経 済 2

外 国 語

ョン英語基礎

コミュニケーシ

ョン英語Ⅰ

コミュニケーシ

ョン英語Ⅱ

コミュニケーシ

ョン英語Ⅲ

英 語 表 現 Ⅰ

英 語 表 現 Ⅱ

英 語 会 話

数 学

数 学 Ⅰ

数 学 Ⅱ

数 学 Ⅲ

数 学 A

数 学 B

数 学 活 用

理 科

科学と人間生

物 理 基 礎

物 理

化 学 基 礎

化 学

生 物 基 礎

生 物

地 学 基 礎

地 学

理科課題研究

家 庭

家 庭 基 礎

家 庭 総 合

生 活 デ ザ イ ン

情 報

社 会 と 情 報

情 報 の 科 学

3 主として専門学科において開設される各教科・科目

各学校においては,教育課程の編成に当たって,視覚障害者であ

る生徒に対する教育を行う特別支援学校にあっては次の表の(1)及

び(2),聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校にあ

っては次の表の(1)及び(3),肢体不自由者又は病弱者である生徒に

対する教育を行う特別支援学校にあっては次の表の(1)に掲げる主

として専門学科(専門教育を主とする学科をいう。以下同じ。)にお

いて開設される各教科・科目及び設置者の定めるそれぞれの標準単

位数を踏まえ,生徒に履修させる各教科・科目及びその単位数につ

いて適切に定めるものとする。

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Ⅱ - 8

るものとする。

㋐ 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である

生徒に対する教育を行う特別支援学校

教 科 科 目

農 業

農業と環境,課題研究,総合実習,農業と情報,作物

,野菜,果樹,草花,畜産,栽培と環境,飼育と環境

,農業経営,農業機械,植物バイオテクノロジー,食

品製造,食品化学,食品微生物,食品流通,森林科学

,森林経営,林産物利用,農業土木設計,農業土木施

工,水循環,造園計画,造園施工管理,造園植栽,測

量,生物活用,地域資源活用

工 業

工業技術基礎,課題研究,実習,製図,工業情報数理

,工業材料技術,工業技術英語,工業管理技術,工業

環境技術,機械工作,機械設計,原動機,電子機械,

生産技術,自動車工学,自動車整備,船舶工学,電気

回路,電気機器,電力技術,電子技術,電子回路,電

子計測制御,通信技術,プログラミング技術,ハード

ウェア技術,ソフトウェア技術,コンピュータシステ

ム技術,建築構造,建築計画,建築構造設計,建築施

工,建築法規,設備計画,空気調和設備,衛生・防災

設備,測量,土木基盤力学,土木構造設計,土木施工

,社会基盤工学,工業化学,化学工学,地球環境化学

,材料製造技術,材料工学,材料加工,セラミック化

学,セラミック技術,セラミック工業,繊維製品,繊

維・染色技術,染織デザイン,インテリア計画,イン

テリア装備,インテリアエレメント生産,デザイン実

践,デザイン材料,デザイン史

商 業 ビジネス基礎,課題研究,総合実践,ビジネス・コミ

(1) 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒

に対する教育を行う特別支援学校

教 科 科 目

農 業

農業と環境,課題研究,総合実習,農業情報処理,作物,

野菜,果樹,草花,畜産,農業経営,農業機械,食品製造,

食品化学,微生物利用,植物バイオテクノロジー,動物バ

イオテクノロジー,農業経済,食品流通,森林科学,森林

経営,林産物利用,農業土木設計,農業土木施工,水循環,

造園計画,造園技術,環境緑化材料,測量,生物活用,グ

リーンライフ

工 業

工業技術基礎,課題研究,実習,製図,工業数理基礎,情

報技術基礎,材料技術基礎,生産システム技術,工業技術

英語,工業管理技術,環境工学基礎,機械工作,機械設計,

原動機,電子機械,電子機械応用,自動車工学,自動車整

備,電気基礎,電気機器,電力技術,電子技術,電子回路,

電子計測制御,通信技術,電子情報技術,プログラミング

技術,ハードウェア技術,ソフトウェア技術,コンピュー

タシステム技術,建築構造,建築構造設計,建築計画,建

築施工,建築法規,設備計画,空気調和設備,衛生・防災

設備,測量,土木基礎力学,土木構造設計,土木施工,社

会基盤工学,工業化学,化学工学,地球環境化学,材料製

造技術,工業材料,材料加工,セラミック化学,セラミッ

ク技術,セラミック工業,繊維製品,繊維・染色技術,染

織デザイン,インテリア計画,インテリア装備,インテリ

アエレメント生産,デザイン技術,デザイン材料,デザイ

ン史

ビジネス基礎,課題研究,総合実践,ビジネス実務,マー

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Ⅱ - 9

ュニケーション,マーケティング,商品開発と流通,

観光ビジネス,ビジネス・マネジメント,グローバル

経済,ビジネス法規,簿記,財務会計Ⅰ,財務会計Ⅱ

,原価計算,管理会計,情報処理,ソフトウェア活用

,プログラミング,ネットワーク活用,ネットワーク

管理

水 産

水産海洋基礎,課題研究,総合実習,海洋情報技術,

水産海洋科学,漁業,航海・計器,船舶運用,船用機

関,機械設計工作,電気理論,移動体通信工学,海洋

通信技術,資源増殖,海洋生物,海洋環境,小型船舶

,食品製造,食品管理,水産流通,ダイビング,マリ

ンスポーツ

家 庭

生活産業基礎,課題研究,生活産業情報,消費生活,

保育基礎,保育実践,生活と福祉,住生活デザイン,

服飾文化,ファッション造形基礎,ファッション造形

,ファッションデザイン,服飾手芸,フードデザイン

,食文化,調理,栄養,食品,食品衛生,公衆衛生,

総合調理実習

看 護

基礎看護,人体の構造と機能,疾病の成り立ちと回復

の促進,健康支援と社会保障制度,成人看護,老年看

護,小児看護,母性看護,精神看護,在宅看護,看護

の統合と実践,看護臨地実習,看護情報

情 報

情報産業と社会,課題研究,情報の表現と管理,情報

テクノロジー,情報セキュリティ,情報システムのプ

ログラミング,ネットワークシステム,データベース

,情報デザイン,コンテンツの制作と発信,メディア

とサービス,情報実習

福 祉

社会福祉基礎,介護福祉基礎,コミュニケーション技

術,生活支援技術,介護過程,介護総合演習,介護実

商 業

ケティング,商品開発,広告と販売促進,ビジネス経済,

ビジネス経済応用,経済活動と法,簿記,財務会計Ⅰ,財

務会計Ⅱ,原価計算,管理会計,情報処理,ビジネス情報,

電子商取引,プログラミング,ビジネス情報管理

水 産

水産海洋基礎,課題研究,総合実習,海洋情報技術,水産

海洋科学,漁業,航海・計器,船舶運用,船用機関,機械

設計工作,電気理論,移動体通信工学,海洋通信技術,資

源増殖,海洋生物,海洋環境,小型船舶,食品製造,食品

管理,水産流通,ダイビング,マリンスポーツ

家 庭

生活産業基礎,課題研究,生活産業情報,消費生活,子ど

もの発達と保育,子ども文化,生活と福祉,リビングデザ

イン,服飾文化,ファッション造形基礎,ファッション造

形,ファッションデザイン,服飾手芸,フードデザイン,

食文化,調理,栄養,食品,食品衛生,公衆衛生

看 護

基礎看護,人体と看護,疾病と看護,生活と看護,成人看

護,老年看護,精神看護,在宅看護,母性看護,小児看護,

看護の統合と実践,看護臨地実習,看護情報活用

情 報

情報産業と社会,課題研究,情報の表現と管理,情報と問

題解決,情報テクノロジー,アルゴリズムとプログラム,

ネットワークシステム,データベース,情報システム実習,

情報メディア,情報デザイン,表現メディアの編集と表現,

情報コンテンツ実習

福 祉

社会福祉基礎,介護福祉基礎,コミュニケーション技術,

生活支援技術,介護過程,介護総合演習,介護実習,ここ

ろとからだの理解,福祉情報活用

理 数

理数数学Ⅰ,理数数学Ⅱ,理数数学特論,理数物理,理数

化学,理数生物,理数地学,課題研究

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Ⅱ - 10

習,こころとからだの理解,福祉情報

理 数

理数数学Ⅰ,理数数学Ⅱ,理数数学特論,理数物理,

理数化学,理数生物,理数地学

体 育

スポーツ概論,スポーツⅠ,スポーツⅡ,スポーツⅢ

,スポーツⅣ,スポーツⅤ,スポーツⅥ,スポーツ総

合演習

音 楽

音楽理論,音楽史,演奏研究,ソルフェージュ,声楽

,器楽,作曲,鑑賞研究

美 術

美術概論,美術史,鑑賞研究,素描,構成,絵画,版

画,彫刻,ビジュアルデザイン,クラフトデザイン,

情報メディアデザイン,映像表現,環境造形

英 語

総合英語Ⅰ,総合英語Ⅱ,総合英語Ⅲ,ディベート・

ディスカッションⅠ,ディベート・ディスカッション

Ⅱ,エッセイライティングⅠ,エッセイライティング

㋑ 視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

教科 科目

保健理療

医療と社会,人体の構造と機能,疾病の成り

立ちと予防,生活と疾病,基礎保健理療,臨

床保健理療,地域保健理療と保健理療経営,

保健理療基礎実習,保健理療臨床実習,保健

理療情報,課題研究

㋒ 聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

教科 科目

印 刷 印刷概論,印刷デザイン,印刷製版技術,D

体 育

スポーツ概論,スポーツⅠ,スポーツⅡ,スポーツⅢ,ス

ポーツⅣ,スポーツⅤ,スポーツⅥ,スポーツ総合演習

音 楽 音楽理論,音楽史,演奏研究,ソルフェージュ,声楽,器

楽,作曲,鑑賞研究

美 術

美術概論,美術史,素描,構成,絵画,版画,彫刻,ビジ

ュアルデザイン,クラフトデザイン,情報メディアデザイ

ン,映像表現,環境造形,鑑賞研究

英 語 総合英語,英語理解,英語表現,異文化理解,時事英語

(2) 視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

教 科 科 目

保 健

理 療

医療と社会,人体の構造と機能,疾病の成り立ちと予防,

生活と疾病,基礎保健理療,臨床保健理療,地域保健理療

と保健理療経営,保健理療基礎実習,保健理療臨床実習,

保健理療情報活用,課題研究

(3) 聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

教 科 科 目

印 刷 印刷概論,写真製版,印刷機械・材料,印刷デザイン,写

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Ⅱ - 11

TP技術,印刷情報技術,デジタル画像技術

,印刷総合実習,課題研究

理容・美容

関係法規・制度,衛生管理,保健,香粧品化

学,文化論,理容・美容技術理論,運営管理

,理容実習,美容実習,理容・美容情報,課

題研究

クリーニン

クリーニング関係法規,公衆衛生,クリーニ

ング理論,繊維,クリーニング機器・装置,

クリーニング実習,課題研究

(エ) 学校設定科目

学校においては,生徒や学校,地域の実態及び学科の特色等

に応じ,特色ある教育課程の編成に資するよう,(イ)及び(ウ)の

表に掲げる教科について,これらに属する科目以外の科目(以

下「学校設定科目」という。)を設けることができる。この場

合において,学校設定科目の名称,目標,内容,単位数等につ

いては,その科目の属する教科の目標に基づき,高等部におけ

る教育としての水準の確保に十分配慮し,各学校の定めると

ころによるものとする。

(オ) 学校設定教科

㋐ 学校においては,生徒や学校,地域の実態及び学科の特色

等に応じ,特色ある教育課程の編成に資するよう,(イ)及び

(ウ)の表に掲げる教科以外の教科(以下この項及び第4款の

1の(2)において「学校設定教科」という。)及び当該教科

に関する科目を設けることができる。この場合において,学

校設定教科及び当該教科に関する科目の名称,目標,内容,

単位数等については,高等部における教育の目標に基づき,

高等部における教育としての水準の確保に十分配慮し,各

真化学・光学,文書処理・管理,印刷情報技術基礎,画像

技術,印刷総合実習,課題研究

理容・美容

理容・美容関係法規,衛生管理,理容・美容保健,理容・

美容の物理・化学,理容・美容文化論,理容・美容技術理

論,理容・美容運営管理,理容実習,美容実習,理容・美

容情報活用,課題研究

クリーニ

ング

クリーニング関係法規,公衆衛生,クリーニング理論,繊

維,クリーニング機器・装置,クリーニング実習,課題研

4 学校設定科目

学校においては,地域,学校及び生徒の実態,学科の特色等に応

じ,特色ある教育課程の編成に資するよう,上記2及び3の表に掲

げる教科について,これらに属する科目以外の科目(以下「学校設

定科目」という。)を設けることができる。この場合において,学校

設定科目の名称,目標,内容,単位数等については,その科目の属す

る教科の目標に基づき,各学校の定めるところによるものとする。

5 学校設定教科

(1) 学校においては,地域,学校及び生徒の実態,学科の特色等に

応じ,特色ある教育課程の編成に資するよう,上記2及び3の表

に掲げる教科以外の教科(以下この項及び第5款第1の2におい

て「学校設定教科」という。)及び当該教科に関する科目を設け

ることができる。この場合において,学校設定教科及び当該教科

に関する科目の名称,目標,内容,単位数等については,高等部

における教育の目標及びその水準の維持等に十分配慮し,各学校

の定めるところによるものとする。

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Ⅱ - 12

学校の定めるところによるものとする。

㋑ 学校においては,学校設定教科に関する科目として「産業

社会と人間」を設けることができる。この科目の目標,内容

,単位数等を各学校において定めるに当たっては,産業社会

における自己の在り方生き方について考えさせ,社会に積

極的に寄与し,生涯にわたって学習に取り組む意欲や態度

を養うとともに,生徒の主体的な各教科・科目の選択に資す

るよう,就業体験活動等の体験的な学習や調査・研究などを

通して,次のような事項について指導することに配慮する

ものとする。

a 社会生活や職業生活に必要な基本的な能力や態度及び

望ましい勤労観,職業観の育成

b 我が国の産業の発展とそれがもたらした社会の変化に

ついての考察

c 自己の将来の生き方や進路についての考察及び各教科

・科目の履修計画の作成

イ 各教科・科目の履修等

(ア) 各学科に共通する必履修教科・科目及び総合的な探究の時間

㋐ 全ての生徒に履修させる各教科・科目(以下「必履修教科

・科目」という。)は次のとおりとし,その単位数は,アの

(イ)に標準単位数として示された単位数を下らないものと

する。ただし,生徒の実態及び専門学科の特色等を考慮し,

特に必要がある場合には,「数学Ⅰ」及び「英語コミュニケ

ーションⅠ」については2単位とすることができ,その他の

必履修教科・科目(標準単位数が2単位であるものを除く。

)についてはその単位数の一部を減じることができる。

a 国語のうち「現代の国語」及び「言語文化」

b 地理歴史のうち「地理総合」及び「歴史総合」

c 公民のうち「公共」

(2) 学校においては,学校設定教科に関する科目として「産業社会

と人間」を設けることができる。この科目の目標,内容,単位数

等を各学校において定めるに当たっては,産業社会における自己

の在り方生き方について考えさせ,社会に積極的に寄与し,生涯

にわたって学習に取り組む意欲や態度を養うとともに,生徒の主

体的な各教科・科目の選択に資するよう,就業体験等の体験的な

学習や調査・研究などを通して,次のような事項について指導す

ることに配慮するものとする。

ア 社会生活や職業生活に必要な基本的な能力や態度及び望まし

い勤労観,職業観の育成

イ 我が国の産業の発展とそれがもたらした社会の変化について

の考察

ウ 自己の将来の生き方や進路についての考察及び各教科・科目

の履修計画の作成

第2 各教科・科目の履修等

1 各学科に共通する必履修教科・科目及び総合的な学習の時間

(1) すべての生徒に履修させる各教科・科目(以下「必履修教科・

科目」という。)は次のとおりとし,その単位数は,この款の第

1の2に標準単位数として示された単位数を下らないものとす

る。ただし,生徒の実態及び専門学科の特色等を考慮し,特に必

要がある場合には,「国語総合」については3単位又は2単位と

し,「数学Ⅰ」及び「コミュニケーション英語Ⅰ」については2

単位とすることができ,その他の必履修教科・科目(標準単位数

が2単位であるものを除く。)についてはその単位数の一部を減

じることができる。

ア 国語のうち「国語総合」

イ 地理歴史のうち「世界史A」及び「世界史B」のうちから1

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Ⅱ - 13

d 数学のうち「数学Ⅰ」

e 理科のうち「科学と人間生活」,「物理基礎」,「化学

基礎」,「生物基礎」及び「地学基礎」のうちから2科

目(うち1科目は「科学と人間生活」とする。)又は「

物理基礎」,「化学基礎」,「生物基礎」及び「地学基礎

」のうちから3科目

f 保健体育のうち「体育」及び「保健」

g 芸術のうち「音楽Ⅰ」,「美術Ⅰ」,「工芸Ⅰ」及び「

書道Ⅰ」のうちから1科目

h 外国語のうち「英語コミュニケーションⅠ」(英語以外

の外国語を履修する場合は,学校設定科目として設ける

1科目とし,その標準単位数は3単位とする。)

i 家庭のうち「家庭基礎」及び「家庭総合」のうちから1

科目

j 情報のうち「情報Ⅰ」

㋑ 総合的な探究の時間については,全ての生徒に履修させ

るものとし,その単位数は,各学校において,生徒や学校の

実態に応じて適切に定めるものとする。

㋒ 外国の高等学校等に留学していた生徒について,外国の

高等学校等における履修により,必履修教科・科目又は総合

的な探究の時間の履修と同様の成果が認められる場合にお

いては,外国の高等学校等における履修をもって相当する

必履修教科・科目又は総合的な探究の時間の履修の一部又

は全部に替えることができる。

(イ) 専門学科における各教科・科目の履修

専門学科における各教科・科目の履修については,(ア)のほ

か次のとおりとする。

科目並びに「日本史A」,「日本史B」,「地理A」及び「地理

B」のうちから1科目

ウ 公民のうち「現代社会」又は「倫理」・「政治・経済」

エ 数学のうち「数学Ⅰ」

オ 理科のうち「科学と人間生活」,「物理基礎」,「化学基礎」,

「生物基礎」及び「地学基礎」のうちから2科目(うち1科目

は「科学と人間生活」とする。)又は「物理基礎」,「化学基

礎」,「生物基礎」及び「地学基礎」のうちから3科目

カ 保健体育のうち「体育」及び「保健」

キ 芸術のうち「音楽Ⅰ」,「美術Ⅰ」,「工芸Ⅰ」及び「書道

Ⅰ」のうちから1科目

ク 外国語のうち「コミュニケーション英語Ⅰ」(英語以外の外

国語を履修する場合は,学校設定科目として設ける1科目とし,

その標準単位数は3単位とする。)

ケ 家庭のうち「家庭基礎」,「家庭総合」及び「生活デザイン」

のうちから1科目

コ 情報のうち「社会と情報」及び「情報の科学」のうちから1

科目

(2) 総合的な学習の時間については,すべての生徒に履修させるも

のとし,その単位数は,各学校において,学校や生徒の実態に応

じて適切に定めるものとする。

2 専門学科における各教科・科目の履修

専門学科における各教科・科目の履修については,上記1のほか

次のとおりとする。

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Ⅱ - 14

㋐ 専門学科においては,専門教科・科目(アの(ウ)の表に掲

げる各教科・科目,同表の教科に属する学校設定科目及び専

門教育に関する学校設定教科に関する科目をいう。以下同

じ。)について,全ての生徒に履修させる単位数は,25 単

位を下らないこと。ただし,各学科の目標を達成する上で,

専門教科・科目以外の各教科・科目の履修により,専門教科

・科目の履修と同様の成果が期待できる場合においては,

その専門教科・科目以外の各教科・科目の単位数の一部の履

修をもって,当該専門教科・科目の単位数の一部の履修に替

えることができること。

㋑ 専門教科・科目の履修によって,(ア)の必履修教科・科目

の履修と同様の成果が期待できる場合においては,その専

門教科・科目の履修をもって,必履修教科・科目の履修の一

部又は全部に替えることができること。

㋒ 職業教育を主とする専門学科においては,総合的な探究

の時間の履修により,農業,工業,商業,水産,家庭,情報

,保健理療,印刷,理容・美容若しくはクリーニングの各教

科の「課題研究」,看護の「看護臨地実習」又は福祉の「介

護総合演習」(以下「課題研究等」という。)の履修と同様

の成果が期待できる場合においては,総合的な探究の時間

の履修をもって課題研究等の履修の一部又は全部に替える

ことができること。また,課題研究等の履修により,総合的

な探究の時間の履修と同様の成果が期待できる場合におい

ては,課題研究等の履修をもって総合的な探究の時間の履

修の一部又は全部に替えることができること。

ウ 各教科・科目等の授業時数等

(ア) 各教科・科目,ホームルーム活動及び自立活動の授業は,年

間 35週行うことを標準とし,必要がある場合には,各教科・

科目及び自立活動の授業を特定の学期又は特定の期間(夏季,

(1) 専門学科においては,専門教科・科目(第2款第1の3の表に

掲げる各教科・科目,同表に掲げる教科に属する学校設定科目及

び専門教育に関する学校設定教科に関する科目をいう。以下同

じ。)について,すべての生徒に履修させる単位数は,25 単位を

下らないこと。ただし,各学科の目標を達成する上で,専門教科・

科目以外の各教科・科目の履修により,専門教科・科目の履修と

同様の成果が期待できる場合においては,その専門教科・科目以

外の各教科・科目の単位数の一部の履修をもって,当該専門教科・

科目の単位数の一部の履修に替えることができること。

(2) 専門教科・科目の履修によって,上記1の必履修教科・科目の

履修と同様の成果が期待できる場合においては,その専門教科・

科目の履修をもって,必履修教科・科目の履修の一部又は全部に

替えることができること。

(3) 職業教育を主とする学科においては,総合的な学習の時間の履

修により,農業,工業,商業,水産,家庭,情報,保健理療,印

刷,理容・美容若しくはクリーニングの各教科に属する「課題研

究」,「看護臨地実習」又は「介護総合演習」(以下この項におい

て「課題研究等」という。)の履修と同様の成果が期待できる場

合においては,総合的な学習の時間の履修をもって課題研究等の

履修の一部又は全部に替えることができる。また,課題研究等の

履修により,総合的な学習の時間の履修と同様の成果が期待でき

る場合においては,課題研究等の履修をもって総合的な学習の時

間の履修の一部又は全部に替えることができる。

第3 各教科・科目,総合的な学習の時間,特別活動及び自立活動の授業

時数等

1 各教科・科目,ホームルーム活動及び自立活動の授業は,年間 35

週行うことを標準とし,必要がある場合には,各教科・科目及び自

立活動の授業を特定の学期又は特定の期間(夏季,冬季,学年末等

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Ⅱ - 15

冬季,学年末等の休業日の期間に授業日を設定する場合を含

む。)に行うことができる。

(イ) 週当たりの授業時数は,30 単位時間を標準とする。ただし,

特に必要がある場合には,これを増加することができる。

(ウ) ホームルーム活動の授業時数については,原則として,年間

35 単位時間以上とするものとする。

(エ) 生徒会活動及び学校行事については,生徒や学校の実態に応

じて,それぞれ適切な授業時数を充てるものとする。

(オ) 各学年の自立活動の時間に充てる授業時数は,生徒の障害の

状態や特性及び心身の発達の段階等に応じて,適切に定める

ものとする。

(カ) 各教科・科目等のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校に

おいて,各教科・科目等の授業時数を確保しつつ,生徒の実態

及び各教科・科目等の特質を考慮して適切に定めるものとす

る。

(キ) 各教科・科目等の特質に応じ,10分から 15分程度の短い時

間を活用して特定の各教科・科目等の指導を行う場合におい

て,当該各教科・科目等を担当する教師が単元や題材など内容

や時間のまとまりを見通した中で,その指導内容の決定や指

導の成果の把握と活用等を責任をもって行う体制が整備され

ているときは,その時間を当該各教科・科目等の授業時数に含

めることができる。

(ク) 総合的な探究の時間における学習活動により,特別活動の学

校行事に掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合

においては,総合的な探究の時間における学習活動をもって

相当する特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施に替える

ことができる。

(ケ) 理数の「理数探究基礎」又は「理数探究」の履修により,総

合的な探究の時間の履修と同様の成果が期待できる場合にお

いては,「理数探究基礎」又は「理数探究」の履修をもって総

の休業日の期間に授業日を設定する場合を含む。)に行うことがで

きる。

2 週当たりの授業時数は,30単位時間を標準とする。ただし,特に

必要がある場合には,これを増加することができる。

3 ホームルーム活動の授業時数については,原則として,年間 35 単

位時間以上とするものとする。

4 生徒会活動及び学校行事については,学校や生徒の実態に応じて,

それぞれ適切な授業時数を充てるものとする。

5 各学年における自立活動の時間に充てる授業時数は,生徒の障害

の状態に応じて,適切に定めるものとする。

6 各教科・科目,総合的な学習の時間,特別活動及び自立活動(以下

「各教科・科目等」という。)のそれぞれの授業の1単位時間は,各

学校において,各教科・科目等の授業時数を確保しつつ,生徒の実

態及び各教科・科目等の特質を考慮して適切に定めるものとする。

なお,10 分間程度の短い時間を単位として特定の各教科・科目の指

導を行う場合において,当該各教科・科目を担当する教師がその指

導内容の決定や指導の成果の把握と活用等を責任をもって行う体制

が整備されているときは,その時間を当該各教科・科目の授業時数

に含めることができる。

7 総合的な学習の時間における学習活動により,特別活動の学校行

事に掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合において

は,総合的な学習の時間における学習活動をもって相当する特別活

動の学校行事に掲げる各行事の実施に替えることができる。

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Ⅱ - 16

合的な探究の時間の履修の一部又は全部に替えることができ

る。

(2) 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校における

各教科等の履修等

ア 各教科等の履修

(ア) 卒業までに履修させる各教科等

各学校においては,卒業までに履修させる(イ)から(エ)まで

に示す各教科及びその授業時数,道徳科及び総合的な探究の

時間の授業時数,特別活動及びその授業時数並びに自立活動

の授業時数に関する事項を定めるものとする。

(イ) 各学科に共通する各教科等

㋐ 国語,社会,数学,理科,音楽,美術,保健体育,職業及

び家庭の各教科,道徳科,総合的な探究の時間,特別活動並

びに自立活動については,特に示す場合を除き,全ての生徒

に履修させるものとする。

㋑ 外国語及び情報の各教科については,生徒や学校の実態

を考慮し,必要に応じて設けることができる。

(ウ) 主として専門学科において開設される各教科

㋐ 専門学科においては,(イ)のほか,家政,農業,工業,流

通・サービス若しくは福祉の各教科又は(エ)に規定する学校

設定教科のうち専門教育に関するもの(以下「専門教科」と

いう。)のうち,いずれか1以上履修させるものとする。

㋑ 専門教科の履修によって,(イ)の㋐の全ての生徒に履修さ

せる各教科の履修と同様の成果が期待できる場合において

は,その専門教科の履修をもって,全ての生徒に履修させる

各教科の履修に替えることができる。

(エ) 学校設定教科

学校においては,生徒や学校,地域の実態及び学科の特色等

に応じ,特色ある教育課程の編成に資するよう,(イ)及び(ウ)に

掲げる教科以外の教科(以下この項において「学校設定教科」

第3款 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校におけ

る各教科等の履修等

第1 各教科等の履修

1 卒業までに履修させる各教科等

各学校においては,卒業までに履修させる下記2から4までに示

す各教科及びその授業時数,道徳及び総合的な学習の時間の授業時

数,特別活動及びその授業時数並びに自立活動の授業時数に関する

事項を定めるものとする。

2 各学科に共通する各教科等

(1) 国語,社会,数学,理科,音楽,美術,保健体育,職業及び家庭

の各教科,道徳,総合的な学習の時間,特別活動並びに自立活動

については,特に示す場合を除き,すべての生徒に履修させるも

のとする。

(2) 外国語及び情報の各教科については,学校や生徒の実態を考慮

し,必要に応じて設けることができる。

3 主として専門学科において開設される各教科

(1) 専門学科においては,上記2のほか,家政,農業,工業,流通・

サービス若しくは福祉の各教科又は下記4に規定する学校設定教

科のうち専門教育に関するもの(以下「専門教科」という。)の

うち,いずれか1以上履修させるものとする。

(2) 専門教科の履修によって,上記2の(1)のすべての生徒に履修さ

せる各教科の履修と同様の成果が期待できる場合においては,そ

の専門教科の履修をもって,すべての生徒に履修させる各教科の

履修に替えることができる。

4 学校設定教科

学校においては,地域,学校及び生徒の実態,学科の特色等に応

じ,特色ある教育課程の編成に資するよう,第2章第2節第1款及

び第2款に掲げる教科以外の教科(以下この項において「学校設定

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Ⅱ - 17

という。)を設けることができる。この場合において,学校設

定教科の名称,目標,内容等については,高等部における教育

の目標に基づき,高等部における教育としての水準の確保に

十分配慮し,各学校の定めるところによるものとする。

イ 各教科等の授業時数等

(ア) 各教科等(ただし,この項及び(ク)において,特別活動につ

いてはホームルーム活動に限る。)の総授業時数は,各学年と

も 1,050 単位時間(1単位時間は,50 分として計算するもの

とする。(ウ)において同じ。)を標準とし,特に必要がある場

合には,これを増加することができる。この場合,各教科等の

目標及び内容を考慮し,各教科及び総合的な探究の時間の配

当学年及び当該学年における授業時数,道徳科,特別活動及び

自立活動の各学年における授業時数を適切に定めるものとす

る。

(イ) 各教科,道徳科,ホームルーム活動及び自立活動の授業は,

年間 35 週行うことを標準とし,必要がある場合には,各教科

,道徳科及び自立活動の授業を特定の学期又は特定の期間(夏

季,冬季,学年末等の休業日の期間に授業日を設定する場合を

含む。)に行うことができる。

(ウ) 専門学科においては,専門教科について,全ての生徒に履修

させる授業時数は,875 単位時間を下らないものとする。

(エ) ホームルーム活動の授業時数については,原則として,年間

35 単位時間以上とするものとする。

(オ) 生徒会活動及び学校行事については,生徒や学校の実態に応

じて,それぞれ適切な授業時数を充てるものとする。

(カ) 総合的な探究の時間に充てる授業時数は,各学校において,

生徒や学校の実態に応じて,適切に定めるものとする。

(キ) 各学年の自立活動の時間に充てる授業時数は,生徒の障害の

状態や特性及び心身の発達の段階等に応じて,適切に定める

教科」という。)を設けることができる。この場合において,学校設

定教科の名称,目標,内容等については,高等部における教育の目

標及びその水準の維持等に十分配慮し,各学校の定めるところによ

るものとする。

第2 各教科,道徳,総合的な学習の時間,特別活動及び自立活動の授業

時数等

1 各教科,道徳,総合的な学習の時間,特別活動及び自立活動(以下

「各教科等」という。ただし,この項及び8において,特別活動につ

いてはホームルーム活動に限る。)の総授業時数は,各学年とも1,050

単位時間(1単位時間は,50 分として計算するものとする。3にお

いて同じ。)を標準とし,特に必要がある場合には,これを増加する

ことができる。この場合,各教科等の目標及び内容を考慮し,各教

科及び総合的な学習の時間の配当学年及び当該学年における授業時

数,道徳,特別活動及び自立活動の各学年における授業時数を適切

に定めるものとする。

2 各教科,道徳,ホームルーム活動及び自立活動の授業は,年間 35

週行うことを標準とし,必要がある場合には,各教科,道徳及び自

立活動の授業を特定の学期又は特定の期間(夏季,冬季,学年末等

の休業日の期間に授業日を設定する場合を含む。)に行うことがで

きる。

3 専門学科においては,専門教科について,すべての生徒に履修さ

せる授業時数は,875 単位時間を下らないものとする。

4 ホームルーム活動の授業時数については,原則として,年間 35 単

位時間以上とするものとする。

5 生徒会活動及び学校行事については,学校や生徒の実態に応じて,

それぞれ適切な授業時数を充てるものとする。

6 総合的な学習の時間に充てる授業時数は,各学校において,学校

や生徒の実態に応じて,適切に定めるものとする。

7 各学年における自立活動の時間に充てる授業時数は,生徒の障害

の状態に応じて,適切に定めるものとする。

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Ⅱ - 18

ものとする。

(ク) 各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において

,各教科等の授業時数を確保しつつ,生徒の実態及び各教科等

の特質を考慮して適切に定めるものとする。

(ケ) 各教科等の特質に応じ,10分から 15 分程度の短い時間を活

用して特定の各教科等の指導を行う場合において,当該各教

科等を担当する教師が単元や題材など内容の時間のまとまり

を見通した中で,その指導内容の決定や指導の成果の把握と

活用等を責任をもって行う体制が整備されているときは,そ

の時間を当該各教科等の授業時数に含めることができる。

(コ) 総合的な探究の時間における学習活動により,特別活動の学

校行事に掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合

においては,総合的な探究の時間における学習活動をもって

相当する特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施に替える

ことができる。

(3) 選択履修の趣旨を生かした適切な教育課程の編成

教育課程の編成に当たっては,生徒の障害の状態や特性及び心身

の発達の段階等に応じた適切な各教科・科目(知的障害者である生

徒に対する教育を行う特別支援学校においては各教科。以下この項

,(4)のイ,(6)及び第5款において同じ。)の履修ができるように

し,このため,多様な各教科・科目を設け生徒が自由に選択履修す

ることのできるよう配慮するものとする。また,教育課程の類型を

設け,そのいずれかの類型を選択して履修させる場合においても,

その類型において履修させることになっている各教科・科目以外の

各教科・科目を履修させたり,生徒が自由に選択履修することので

きる各教科・科目を設けたりするものとする。

(4) 各教科・科目等又は各教科等の内容等の取扱い

ア 学校においては,第2章以下に示していない事項を加えて指導

8 各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,生

徒の実態及び各教科等の特質を考慮して適切に定めるものとする。

なお,10 分間程度の短い時間を単位として特定の教科の指導を行う

場合において,当該教科を担当する教師がその指導内容の決定や指

導の成果の把握と活用等を責任をもって行う体制が整備されている

ときは,その時間を当該教科の授業時数に含めることができる。

9 総合的な学習の時間における学習活動により,特別活動の学校行

事に掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合において

は,総合的な学習の時間における学習活動をもって相当する特別活

動の学校行事に掲げる各行事の実施に替えることができる。

第4款 教育課程の編成・実施に当たって配慮すべき事項

1 選択履修の趣旨を生かした適切な教育課程編成

教育課程の編成に当たっては,生徒の障害の状態,特性及び進路

等に応じた適切な各教科・科目(知的障害者である生徒に対する教

育を行う特別支援学校においては各教科。この款及び第6款におい

て同じ。)の履修ができるようにし,このため,多様な各教科・科目

を設け生徒が自由に選択履修することのできるよう配慮するものと

する。また,教育課程の類型を設け,そのいずれかの類型を選択し

て履修させる場合においても,その類型において履修させることに

なっている各教科・科目以外の各教科・科目を履修させたり,生徒

が自由に選択履修することのできる各教科・科目を設けたりするも

のとする。

2 各教科・科目等の内容等の取扱い

(1) 学校においては,第2章以下に示していない事項を加えて指導

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Ⅱ - 19

することができる。また,第2章第1節第1款において準ずるも

のとしている高等学校学習指導要領第2章及び第3章並びに同

節第3款から第9款までに示す各科目又は第2節第1款及び第

2款に示す各教科の内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を

示す事項は,当該科目(知的障害者である生徒に対する教育を行

う特別支援学校においては各教科。)を履修する全ての生徒に対

して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであ

り,学校において必要がある場合には,この事項にかかわらず指

導することができる。ただし,これらの場合には,第2章以下に

示す各教科・科目等又は各教科等の目標や内容の趣旨を逸脱した

り,生徒の負担が過重となったりすることのないようにするもの

とする。

イ 第2章以下に示す各教科・科目,特別活動及び自立活動の内容

に掲げる事項の順序は,特に示す場合を除き,指導の順序を示す

ものではないので,学校においては,その取扱いについて適切な

工夫を加えるものとする。

ウ 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒

に対する教育を行う特別支援学校においては,あらかじめ計画し

て,各教科・科目の内容及び総合的な探究の時間における学習活

動を学期の区分に応じて単位ごとに分割して指導することがで

きる。

エ 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒

に対する教育を行う特別支援学校においては,特に必要がある場

合には,第2章に示す教科及び科目の目標の趣旨を損なわない範

囲内で,各教科・科目の内容に関する事項について,基礎的・基

本的な事項に重点を置くなどその内容を適切に選択して指導す

ることができる。

オ 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校にお

いて,各教科の指導に当たっては,各教科の段階に示す内容を基

に,生徒の知的障害の状態や経験等に応じて,具体的に指導内容

することができる。また,第2章第1節第2款において準ずるも

のとしている高等学校学習指導要領第2章及び第3章並びに同節

第3款から第9款までに示す各科目の内容の取扱いのうち内容の

範囲や程度等を示す事項は,当該科目を履修するすべての生徒に

対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであ

り,学校において必要がある場合には,この事項にかかわらず指

導することができる。ただし,これらの場合には,第2章以下に

示す各教科・科目,特別活動及び自立活動(知的障害者である生

徒を教育する特別支援学校においては,各教科,道徳,特別活動

及び自立活動)の目標や内容の趣旨を逸脱したり,生徒の負担過

重になったりすることのないようにするものとする。

(2) 第2章以下に示す各教科・科目,特別活動及び自立活動の内容

に掲げる事項の順序は,特に示す場合を除き,指導の順序を示す

ものではないので,学校においては,その取扱いについて適切な

工夫を加えるものとする。

(3) 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒

を教育する特別支援学校においては,あらかじめ計画して,各教

科・科目の内容及び総合的な学習の時間における学習活動を学期

の区分に応じて単位ごとに分割して指導することができる。

(4) 学校においては,特に必要がある場合には,第2章に示す教科

及び科目の目標の趣旨を損なわない範囲内で,各教科・科目及び

各段階の内容に関する事項について,基礎的・基本的な事項に重

点を置くなどその内容を適切に選択して指導することができる。

(5) 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校におい

て,各教科の指導に当たっては,各教科の各段階に示す内容を基

に,生徒の知的障害の状態や経験等に応じて,具体的に指導内容

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Ⅱ - 20

を設定するものとする。その際,高等部の3年間を見通して計画

的に指導するものとする。

カ 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校にお

いて,道徳科の指導に当たっては,第3章に示す道徳科の目標及

び内容に示す事項を基に,生徒の知的障害の状態や経験等に応じ

て,具体的に指導内容を設定するものとする。

(5) 指導計画の作成等に当たっての配慮すべき事項

ア 各学校においては,次の事項に配慮しながら,学校の創意工夫

を生かし,全体として,調和のとれた具体的な指導計画を作成す

るものとする。

(ア) 各教科・科目等又は各教科等の指導内容については,単元や

題材など内容や時間のまとまりを見通しながら,そのまとめ

方や重点の置き方に適切な工夫を加え,第3款の1に示す主

体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して資

質・能力を育む効果的な指導ができるようにすること。

(イ) 各教科・科目等又は各教科等について相互の関連を図り,系

統的,発展的な指導ができるようにすること。

(ウ) 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校に

おいて,各教科等の一部又は全部を合わせて指導を行う場合

には,各教科,道徳科,特別活動及び自立活動の内容を基に,

生徒の知的障害の状態や経験等に応じて,具体的に指導内容

を設定するものとする。また,各教科,道徳科,特別活動及び

自立活動の内容の一部又は全部を合わせて指導を行う場合は

,授業時数を適切に定めること。

イ 各教科・科目等又は各教科等の指導に当たっては,個々の生徒

の実態を的確に把握し,次の事項に配慮しながら,個別の指導計

画を作成すること。

(ア) 生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等並びに学

習の進度を考慮して,基礎的・基本的な事項に重点を置くこと

を設定するものとする。また,各教科,道徳,特別活動及び自立

活動の全部又は一部を合わせて指導を行う場合には,各教科の各

段階,道徳,特別活動及び自立活動に示す内容を基に,生徒の知

的障害の状態や経験等に応じて,具体的に指導内容を設定するも

のとする。

3 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項

各学校においては,次の事項に配慮しながら,学校の創意工夫を

生かし,全体として,調和のとれた具体的な指導計画を作成するも

のとする。

(1) 各教科に属する科目相互や他の教科に属する科目との関連(知

的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校においては

各教科相互の関連)を図り,発展的,系統的な指導ができるよう

にすること。

(2) 各教科・科目の指導内容については,各事項のまとめ方及び重

点の置き方に適切な工夫を加えて,効果的な指導ができるように

すること。

(3) 各教科・科目等(知的障害者である生徒に対する教育を行う特

別支援学校においては各教科等。5の(3),(7)及び(11)において同

じ。)の指導に当たっては,個々の生徒の実態を的確に把握し,

個別の指導計画を作成すること。また,個別の指導計画に基づい

て行われた学習の状況や結果を適切に評価し,指導の改善に努め

ること。

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Ⅱ - 21

(イ) 生徒が,基礎的・基本的な知識及び技能の習得も含め,学習

内容を確実に身に付けることができるよう,それぞれの生徒

に作成した個別の指導計画や学校の実態に応じて,指導方法

や指導体制の工夫改善に努めること。その際,生徒の障害の状

態や特性及び心身の発達の段階等並びに学習の進度を考慮し

て,個別指導を重視するとともに,グループ別学習,繰り返し

学習,学習内容の習熟の程度に応じた学習,生徒の興味・関心

等に応じた課題学習,補充的な学習や発展的な学習などの学

習活動を取り入れることや,教師間の協力による指導体制を

確保することなど,指導方法や指導体制の工夫改善により,個

に応じた指導の充実を図ること。その際,第3款の1の(3)に

示す情報手段や教材・教具の活用を図ること。

【第4款の5】

(1) 学校の教育活動全体を通じて,個に応じた指導を充実するため,

個別の指導計画に基づき指導方法や指導体制の工夫改善に努める

こと。その際,生徒の障害の状態や学習の進度等を考慮して,個

別指導を重視するとともに,授業形態や集団の構成の工夫,それ

ぞれの教師の専門性を生かした協力的な指導などにより,学習活

動が効果的に行われるようにすること。

(6) キャリア教育及び職業教育に関して配慮すべき事項

ア 学校においては,第5款の1の(3)に示すキャリア教育及び職

業教育を推進するために,生徒の障害の状態や特性及び心身の発

達の段階等,学校や地域の実態等を考慮し,地域及び産業界や労

働等の業務を行う関係機関との連携を図り,産業現場等における

長期間の実習を取り入れるなどの就業体験活動の機会を積極的

に設けるとともに,地域や産業界や労働等の業務を行う関係機関

の人々の協力を積極的に得るよう配慮するものとする。

イ 普通科においては,生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の

段階等,学校や地域の実態等を考慮し,必要に応じて,適切な職

業に関する各教科・科目の履修の機会の確保について配慮するも

のとする。

ウ 職業教育を主とする専門学科においては,次の事項に配慮する

ものとする。

(ア) 職業に関する各教科・科目については,実験・実習に配当す

る授業時数を十分確保するようにすること。

4 職業教育に関して配慮すべき事項

(3) 学校においては,キャリア教育を推進するために,地域や学校

の実態,生徒の特性,進路等を考慮し,地域及び産業界や労働等

の業務を行う関係機関との連携を図り,産業現場等における長期

間の実習を取り入れるなど就業体験の機会を積極的に設けるとと

もに,地域や産業界等の人々の協力を積極的に得るよう配慮する

ものとする。

(1) 普通科においては,地域や学校の実態,生徒の特性,進路等を

考慮し,必要に応じて,適切な職業に関する各教科・科目の履修

の機会の確保について配慮するものとする。

(2) 職業教育を主とする専門学科においては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 職業に関する各教科・科目については,実験・実習に配当す

る授業時数を十分確保するようにすること。

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Ⅱ - 22

(イ) 生徒の実態を考慮し,職業に関する各教科・科目の履修を容

易にするため特別な配慮が必要な場合には,各分野における

基礎的又は中核的な科目を重点的に選択し,その内容につい

ては基礎的・基本的な事項が確実に身に付くように取り扱い,

また,主として実験・実習によって指導するなどの工夫をこら

すようにすること。

エ 職業に関する各教科・科目については,次の事項に配慮するも

のとする。

(ア) 職業に関する各教科・科目については,就業体験活動をもっ

て実習に替えることができること。この場合,就業体験活動は

,その各教科・科目の内容に直接関係があり,かつ,その一部

としてあらかじめ計画し,評価されるものであることを要す

ること。

(イ) 農業,水産及び家庭に関する各教科・科目の指導に当たって

は,ホームプロジェクトなどの活動を活用して,学習の効果を

上げるよう留意すること。この場合,ホームプロジェクトにつ

いては,適切な授業時数をこれに充てることができること。

4 学部段階間及び学校段階等間の接続

教育課程の編成に当たっては,次の事項に配慮しながら,学部段階

間及び学校段階等間の接続を図るものとする。

(1) 現行の特別支援学校小学部・中学部学習指導要領又は中学校学習

指導要領を踏まえ,中学部における教育又は中学校教育までの学習

の成果が高等部における教育に円滑に接続され,高等部における教

育段階の終わりまでに育成することを目指す資質・能力を,生徒が

確実に身に付けることができるよう工夫すること。

(2) 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に

対する教育を行う特別支援学校においては,生徒や学校の実態等に

応じ,必要がある場合には,例えば次のような工夫を行い,義務教

育段階での学習内容の確実な定着を図るようにすること。

ア 各教科・科目の指導に当たり,義務教育段階での学習内容の確実な

イ 生徒の実態を考慮し,職業に関する各教科・科目の履修を容

易にするため特別な配慮が必要な場合には,各分野における基

礎的又は中核的な科目を重点的に選択し,その内容については

基礎的・基本的な事項が確実に身に付くように取り扱い,また,

主として実験・実習によって指導するなどの工夫をこらすよう

にすること。

(4) 職業に関する各教科・科目については,次の事項に配慮するも

のとする。

ア 職業に関する各教科・科目については,就業体験をもって実

習に替えることができること。この場合,就業体験は,その各

教科・科目の内容に直接関係があり,かつ,その一部としてあ

らかじめ計画されるものであることを要すること。

イ 農業,水産及び家庭に関する各教科・科目の指導に当たって

は,ホームプロジェクトなどの活動を活用して,学習の効果を

上げるよう留意すること。この場合,ホームプロジェクトにつ

いては,適切な授業時数をこれに充てることができること。

【第4款の3】

(4) 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒

に対する教育を行う特別支援学校においては,学校や生徒の実態

等に応じ,必要がある場合には,例えば次のような工夫を行い,

義務教育段階での学習内容の確実な定着を図るようにすること。

ア 各教科・科目の指導に当たり,義務教育段階での学習内容の

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Ⅱ - 23

定着を図るための学習機会を設けること。

イ 義務教育段階での学習内容の確実な定着を図りながら,必履修

教科・科目の内容を十分に習得させることができるよう,その単

位数を標準単位数の標準の限度を超えて増加して配当すること。

ウ 義務教育段階での学習内容の確実な定着を図ることを目標と

した学校設定科目等を履修させた後に,必履修教科・科目を履修

させるようにすること。

(3) 大学や専門学校,教育訓練機関等における教育や社会的・職

業的自立,生涯にわたる学習や生活のために,高等部卒業以降

の進路先との円滑な接続が図られるよう,関連する教育機関

や企業,福祉施設等との連携により,卒業後の進路に求められ

る資質・能力を着実に育成することができるよう工夫するこ

と。

確実な定着を図るための学習機会を設けること。

イ 義務教育段階での学習内容の確実な定着を図りながら,必履

修教科・科目の内容を十分に習得させることができるよう,そ

の単位数を標準単位数の標準の限度を超えて増加して配当する

こと。

ウ 義務教育段階での学習内容の確実な定着を図ることを目標と

した学校設定科目等を履修させた後に,必履修教科・科目を履

修させるようにすること。

第3款 教育課程の実施と学習評価

1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善

各教科・科目等又は各教科等の指導に当たっては,次の事項に配慮

するものとする。

(1) 第1款の3の(1)から(3)までに示すことが偏りなく実現されるよ

う,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら,生徒の

主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うこと。

特に,各教科・科目等又は各教科等において身に付けた知識及び

技能を活用したり,思考力,判断力,表現力等や学びに向かう力,

人間性等を発揮させたりして,学習の対象となる物事を捉え思考す

ることにより,各教科・科目等又は各教科等の特質に応じた物事を

捉える視点や考え方(以下「見方・考え方」という。)が鍛えられ

ていくことに留意し,生徒が各教科・科目等又は各教科等の特質に

応じた見方・考え方を働かせながら,知識を相互に関連付けてより

5 教育課程の実施等に当たって配慮すべき事項

以上のほか,次の事項について配慮するものとする。

(3) 各教科・科目等の指導に当たっては,生徒の思考力,判断力,

表現力等をはぐくむ観点から,基礎的・基本的な知識及び技能の

活用を図る学習活動を重視するとともに,言語に対する関心や理

解を深め,言語に関する能力の育成を図る上で必要な言語環境を

整え,生徒の言語活動を充実すること。

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Ⅱ - 24

深く理解したり,情報を精査して考えを形成したり,問題を見いだ

して解決策を考えたり,思いや考えを基に創造したりすることに向

かう過程を重視した学習の充実を図ること。

(2) 第2款の2の(1)に示す言語能力の育成を図るため,各学校におい

て必要な言語環境を整えるとともに,国語科を要としつつ各教科・

科目等又は各教科等の特質に応じて,生徒の言語活動を充実するこ

と。あわせて,(6)に示すとおり読書活動を充実すること。

(3) 第2款の2の(1)に示す情報活用能力の育成を図るため,各学校に

おいて,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活

用するために必要な環境を整え,これらを適切に活用した学習活動

の充実を図ること。また,各種の統計資料や新聞,視聴覚教材や教

育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。

(4) 生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする

活動を,計画的に取り入れるよう工夫すること。

(5) 生徒が生命の有限性や自然の大切さ,主体的に挑戦してみること

や多様な他者と協働することの重要性などを実感しながら理解す

ることができるよう,各教科・科目等又は各教科等の特質に応じた

体験活動を重視し,家庭や地域社会と連携しつつ体系的・継続的に

実施できるよう工夫すること。

(6) 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り,生徒の主体

的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かすとともに,

生徒の自主的,自発的な学習活動や読書活動を充実すること。また

,地域の図書館や博物館,美術館,劇場,音楽堂等の施設の活用を

積極的に図り,資料を活用した情報の収集や鑑賞等の学習活動を充

実すること。

2 障害のため通学して教育を受けることが困難な生徒に対して,教師

を派遣して教育を行う場合については,障害の状態や学習環境等に応

じて,指導方法や指導体制を工夫し,学習活動が効果的に行われるよ

(11) 各教科・科目等の指導に当たっては,生徒が情報モラルを身に

付け,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を適

切かつ実践的,主体的に活用できるようにするための学習活動を

充実するとともに,これらの情報手段に加え視聴覚教材や教育機

器などの教材・教具の適切な活用を図ること。なお,生徒の障害

の状態や特性等に即した教材・教具を創意工夫するとともに,学

習環境を整え,指導の効果を高めるようにすること。

(7) 各教科・科目等の指導に当たっては,生徒が学習の見通しを立

てたり学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れ

るようにすること。

(12) 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り,生徒の主

体的,意欲的な学習活動や読書活動を充実すること。

(10) 障害のため通学して教育を受けることが困難な生徒に対して,

教員を派遣して教育を行う場合については,障害の状態や学習環

境等に応じて,指導方法や指導体制を工夫し,学習活動が効果的

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Ⅱ - 25

うにすること。

3 学習評価の充実

学習評価の実施に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 生徒のよい点や可能性,進歩の状況などを積極的に評価し,学習

したことの意義や価値を実感できるようにすること。また,各教科

・科目等又は各教科等の目標の実現に向けた学習状況を把握する観

点から,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら評価

の場面や方法を工夫して,学習の過程や成果を評価し,指導の改善

や学習意欲の向上を図り,資質・能力の育成に生かすようにするこ

と。

(2) 各教科・科目等又は各教科等の指導に当たっては,個別の指導計

画に基づいて行われた学習状況や結果を適切に評価し,指導目標や

指導内容,指導方法の改善に努め,より効果的な指導ができるよう

にすること。

(3) 創意工夫の中で学習評価の妥当性や信頼性が高められるよう,組

織的かつ計画的な取組を推進するとともに,学年や学部段階を越え

て生徒の学習の成果が円滑に接続されるように工夫すること。

に行われるようにすること。

(13) 生徒のよい点や可能性,進歩の状況などを積極的に評価すると

ともに,指導の過程や成果を評価し,指導の改善を行い学習意欲

の向上に生かすようにすること。

第4款 単位の修得及び卒業の認定

1 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対

する教育を行う特別支援学校

(1) 各教科・科目及び総合的な探究の時間の単位の修得の認定

ア 学校においては,生徒が学校の定める指導計画に従って各教科

・科目を履修し,その成果が各教科及び科目の目標からみて満足

できると認められる場合には,その各教科・科目について履修し

た単位を修得したことを認定しなければならない。

イ 学校においては,生徒が学校の定める指導計画に従って総合的

な探究の時間を履修し,その成果が第4章において準ずるものと

している高等学校学習指導要領第4章第2の1に基づき定めら

れる目標からみて満足できると認められる場合には,総合的な探

第5款 単位の修得及び卒業の認定

第1 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒を

教育する特別支援学校

1 各教科・科目及び総合的な学習の時間の単位の修得の認定

(1) 学校においては,生徒が学校の定める指導計画に従って各教科・

科目を履修し,その成果が教科及び科目の目標からみて満足でき

ると認められる場合には,その各教科・科目について履修した単

位を修得したことを認定しなければならない。

(2) 学校においては,生徒が学校の定める指導計画に従って総合的

な学習の時間を履修し,その成果が第4章に定める目標からみて

満足できると認められる場合には,総合的な学習の時間について

履修した単位を修得したことを認定しなければならない。

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Ⅱ - 26

究の時間について履修した単位を修得したことを認定しなけれ

ばならない。

ウ 学校においては,生徒が1科目又は総合的な探究の時間を2以

上の年次にわたって履修したときは,各年次ごとにその各教科・

科目又は総合的な探究の時間について履修した単位を修得した

ことを認定することを原則とする。また,単位の修得の認定を学

期の区分ごとに行うことができる。

(2) 卒業までに修得させる単位数

学校においては,卒業までに修得させる単位数を定め,校長は,

当該単位数を修得した者で,特別活動及び自立活動の成果がそれら

の目標からみて満足できると認められるものについて,高等部の全

課程の修了を認定するものとする。この場合,卒業までに修得させ

る単位数は,74単位(自立活動の授業については,授業時数を単位

数に換算して,この単位数に含めることができる。)以上とする。

なお,普通科においては,卒業までに修得させる単位数に含めるこ

とができる学校設定科目及び学校設定教科に関する科目に係る修

得単位数は,合わせて 20単位を超えることができない。

(3) 各学年の課程の修了の認定

学校においては,各学年の課程の修了の認定については,単位制

が併用されていることを踏まえ,弾力的に行うよう配慮するものと

する。

2 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

学校においては,卒業までに履修させる各教科等のそれぞれの授業

時数を定めるものとする。

校長は,各教科等を履修した者で,その成果がそれらの目標からみ

て満足できると認められるものについて,高等部の全課程の修了を認

定するものとする。

(3) 学校においては,生徒が1科目又は総合的な学習の時間を2以

上の学年にわたって履修したときは,各学年ごとにその各教科・

科目又は総合的な学習の時間について履修した単位を修得したこ

とを認定することを原則とする。また,単位の修得の認定を学期

の区分ごとに行うことができる。

2 卒業までに修得させる単位数

学校においては,卒業までに修得させる単位数を定め,校長は,

当該単位数を修得した者で,特別活動及び自立活動の成果がそれら

の目標からみて満足できると認められるものについて,高等部の全

課程の修了を認定するものとする。この場合,卒業までに修得させ

る単位数は,74単位(自立活動の授業については,授業時数を単位

数に換算して,この単位数に含めることができる。)以上とする。な

お,普通科においては,卒業までに修得させる単位数に含めること

ができる学校設定科目及び学校設定教科に関する科目に係る修得単

位数は,合わせて 20 単位を超えることができない。

3 各学年の課程の修了の認定

学校においては,各学年の課程の修了の認定については,単位制

が併用されていることを踏まえ,弾力的に行うよう配慮するものと

する。

第2 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

学校においては,卒業までに履修させる各教科,道徳,総合的な学習の

時間,特別活動及び自立活動のそれぞれの授業時数を定めるものとする。

校長は,各教科,道徳,総合的な学習の時間,特別活動及び自立活動を

履修した者で,その成果がそれらの目標からみて満足できると認められ

るものについて,高等部の全課程の修了を認定するものとする。

第5款 生徒の調和的な発達の支援

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1 生徒の調和的な発達を支える指導の充実

教育課程の編成及び実施に当たっては,次の事項に配慮するものと

する。

(1) 学習や生活の基盤として,教師と生徒との信頼関係及び生徒相互

のよりよい人間関係を育てるため,日頃からホームルーム経営の充

実を図ること。また,主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガ

イダンスと,個々の生徒の多様な実態を踏まえ,一人一人が抱える

課題に個別に対応した指導を行うカウンセリングの双方により,生

徒の発達を支援すること。

(2) 生徒が,自己の存在感を実感しながら,よりよい人間関係を形成

し,有意義で充実した学校生活を送る中で,現在及び将来における

自己実現を図っていくことができるよう,生徒理解を深め,学習指

導と関連付けながら,生徒指導の充実を図ること。

(3) 生徒が,学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら,社

会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付け

ていくことができるよう,特別活動を要としつつ各教科・科目等又

は各教科等の特質に応じて,キャリア教育の充実を図ること。その

中で,生徒が自己の在り方生き方を考え主体的に進路を選択するこ

とができるよう,学校の教育活動全体を通じ,組織的かつ計画的な

進路指導を行うこと。その際,家庭及び地域や福祉,労働等の業務

を行う関係機関との連携を十分に図ること。

(4) 学校の教育活動全体を通じて,個々の生徒の特性等の的確な把握

に努め,その伸長を図ること。また,生徒が適切な各教科・科目や

類型を選択し学校やホームルームでの生活によりよく適応すると

ともに,現在及び将来の生き方を考え行動する態度や能力を育成す

ることができるようにすること。

(5) 生徒が,学校教育を通じて身に付けた知識及び技能を活用し,も

てる能力を最大限伸ばすことができるよう,生涯学習への意欲を高

めるとともに,社会教育その他様々な学習機会に関する情報の提供

【第4款の5】

(5) 教師と生徒の信頼関係及び生徒相互の好ましい人間関係を育て

るとともに生徒理解を深め,生徒が主体的に判断,行動し積極的

に自己を生かしていくことができるよう,生徒指導の充実を図る

こと。

【第4款の5】

(6) 生徒が自己の在り方生き方を考え,主体的に進路を選択するこ

とができるよう,校内の組織体制を整備し,教師間の相互の連携

を図りながら,学校の教育活動全体を通じ,計画的,組織的な進

路指導を行い,キャリア教育を推進すること。その際,家庭及び

地域や福祉,労働等の業務を行う関係機関との連携を十分に図る

こと。

【第4款の5】

(4) 生徒が適切な各教科・科目や類型を選択し学校やホームルーム

での生活によりよく適応するとともに,現在及び将来の生き方を

考え行動する態度や能力を育成することができるよう,学校の教

育活動全体を通じ,ガイダンスの機能の充実を図ること。

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Ⅱ - 28

に努めること。また,生涯を通じてスポーツや文化芸術活動に親し

み,豊かな生活を営むことができるよう,地域のスポーツ団体,文

化芸術団体及び障害者福祉団体等と連携し,多様なスポーツや文化

芸術活動を体験することができるよう配慮すること。

(6) 学習の遅れがちな生徒などについては,各教科・科目等の選択,

その内容の取扱いなどについて必要な配慮を行い,生徒の実態に応

じ,例えば義務教育段階の学習内容の確実な定着を図るための指導

を適宜取り入れるなど,指導内容や指導方法を工夫すること。

(7) 家庭及び地域並びに医療,福祉,保健,労働等の業務を行う関係

機関との連携を図り,長期的な視点で生徒への教育的支援を行うた

めに,個別の教育支援計画を作成すること。

(8) 複数の種類の障害を併せ有する生徒(以下「重複障害者」という

。)については,専門的な知識,技能を有する教師や特別支援学校

間の協力の下に指導を行ったり,必要に応じて専門の医師やその他

の専門家の指導・助言を求めたりするなどして,学習効果を一層高

めるようにすること。

(9) 学校医等との連絡を密にし,生徒の障害の状態等に応じた保健及

び安全に十分留意すること。

(10) 実験・実習に当たっては,特に安全と保健に留意すること。

2 海外から帰国した生徒などの学校生活への適応や,日本語の習得に

困難のある生徒に対する日本語指導

(1) 海外から帰国した生徒などについては,学校生活への適応を図る

とともに,外国における生活経験を生かすなどの適切な指導を行う

ものとする。

(2) 日本語の習得に困難のある生徒については,個々の生徒の実態に

応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うもの

【第4款の5】

(8) 学習の遅れがちな生徒などについては,各教科・科目等の選択,

その内容の取扱いなどについて必要な配慮を行い,生徒の実態に

応じ,例えば義務教育段階の学習内容の確実な定着を図るための

指導を適宜取り入れるなど,指導内容や指導方法を工夫すること。

【第4款の5】

(16) 家庭及び地域や医療,福祉,保健,労働等の業務を行う関係機

関との連携を図り,長期的な視点で生徒への教育的支援を行うた

めに,個別の教育支援計画を作成すること。

【第4款の5】

(2) 複数の種類の障害を併せ有する生徒(以下「重複障害者」とい

う。)については,専門的な知識や技能を有する教師間の協力の

下に指導を行ったり,必要に応じて専門の医師及びその他の専門

家の指導・助言を求めたりするなどして,学習効果を一層高める

ようにすること。

【第4款の5】

(15) 学校医等との連絡を密にし,生徒の障害の状態に応じた保健及

び安全に十分留意すること。

【第4款の5】

(14) 実験・実習に当たっては,特に安全と保健に留意すること。

【第4款の5】

(9) 海外から帰国した生徒などについては,学校生活への適応を図

るとともに,外国における生活経験を生かすなど適切な指導を行

うこと。

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Ⅱ - 29

とする。

第6款 学校運営上の留意事項

1 教育課程の改善と学校評価等,教育課程外の活動との連携等

(1) 各学校においては,校長の方針の下に,校務分掌に基づき教職員

が適切に役割を分担しつつ,相互に連携しながら,各学校の特色を

生かしたカリキュラム・マネジメントを行うよう努めるものとする

。また,各学校が行う学校評価については,教育課程の編成,実施

,改善が教育活動や学校運営の中核となることを踏まえ,カリキュ

ラム・マネジメントと関連付けながら実施するよう留意するものと

する。

(2) 教育課程の編成及び実施に当たっては,学校保健計画,学校安全

計画,食に関する指導の全体計画,いじめの防止等のための対策に

関する基本的な方針など,各分野における学校の全体計画等と関連

付けながら,効果的な指導が行われるように留意するものとする。

(3) 教育課程外の学校教育活動と教育課程との関連が図られるように

留意するものとする。特に,生徒の自主的,自発的な参加により行

われる部活動については,スポーツや文化,科学等に親しませ,学

習意欲の向上や責任感,連帯感の涵かん

養等,学校教育が目指す資質・

能力の育成に資するものであり,学校教育の一環として,教育課程

との関連が図られるよう留意すること。その際,学校や地域の実態

に応じ,地域の人々の協力,社会教育施設や社会教育関係団体等の

各種団体との連携などの運営上の工夫を行い,持続可能な運営体制

が整えられるようにするものとする。

2 家庭や地域社会との連携及び協働と学校間の連携

教育課程の編成及び実施に当たっては,次の事項に配慮するものと

する。

(1) 学校がその目的を達成するため,学校や地域の実態等に応じ,教

育活動の実施に必要な人的又は物的な体制を家庭や地域の人々の

【第4款の5】

(17) 生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動については,

スポーツや文化及び科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,

連帯感の涵かん

養等に資するものであり,学校教育の一環として,教

育課程との関連が図られるよう留意すること。その際,地域や学

校の実態に応じ,地域の人々の協力,社会教育施設や社会教育関

係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにす

ること。

【第4款の3】

(6) 学校がその目的を達成するため,地域や学校の実態等に応じ,

家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深

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Ⅱ - 30

協力を得ながら整えるなど,家庭や地域社会との連携及び協働を深

めること。また,高齢者や異年齢の子供など,地域における世代を

越えた交流の機会を設けること。

(2) 他の特別支援学校や,幼稚園,認定こども園,保育所,小学校,

中学校,高等学校及び大学などとの間の連携や交流を図るとともに

,障害のない幼児児童生徒との交流及び共同学習の機会を設け,共

に尊重し合いながら協働して生活していく態度を育むようにする

こと。

特に,高等部の生徒の経験を広げて積極的な態度を養い,社会性

や豊かな人間性を育むために,学校の教育活動全体を通じて,高等

学校の生徒などと交流及び共同学習を計画的,組織的に行うととも

に,地域の人々などと活動を共にする機会を積極的に設けること。

3 高等学校等の要請により,障害のある生徒又は当該生徒の教育を担

当する教師等に対して必要な助言又は援助を行ったり,地域の実態や

家庭の要請等により保護者等に対して教育相談を行ったりするなど,

各学校の教師の専門性や施設・設備を生かした地域における特別支援

教育のセンターとしての役割を果たすよう努めること。その際,学校

として組織的に取り組むことができるよう校内体制を整備するととも

に,他の特別支援学校や地域の高等学校等との連携を図ること。

めること。また,学校相互の連携や交流を図ることにも努めるこ

と。特に,生徒の経験を広めて積極的な態度を養い,社会性や豊

かな人間性をはぐくむために,学校の教育活動全体を通じて,高

等学校の生徒などと交流及び共同学習を計画的,組織的に行うと

ともに,地域の人々などと活動を共にする機会を積極的に設ける

こと。

【第4款の5】

(18) 高等学校等の要請により,障害のある生徒又は当該生徒の教育

を担当する教師等に対して必要な助言又は援助を行ったり,地域

の実態や家庭の要請等により保護者等に対して教育相談を行った

りするなど,各学校の教師の専門性や施設・設備を生かした地域

における特別支援教育のセンターとしての役割を果たすよう努め

ること。その際,学校として組織的に取り組むことができるよう

校内体制を整備するとともに,他の特別支援学校や地域の高等学

校等との連携を図ること。

第7款 道徳教育に関する配慮事項

道徳教育を進めるに当たっては,道徳教育の特質を踏まえ,第1節及

び第1款から第6款までに示す事項に加え,次の事項に配慮するものと

する。

1 各学校においては,第1款の2の(2)に示す道徳教育の目標を踏まえ

,道徳教育の全体計画を作成し,校長の方針の下に,道徳教育の推進

を主に担当する教師(「道徳教育推進教師」という。)を中心に,全

教師が協力して道徳教育を展開すること。なお,道徳教育の全体計画

【第4款の3】

(5) 全教師が協力して道徳教育を展開するため,第1款の2に示す

道徳教育の目標を踏まえ,指導の方針や重点を明確にして,学校

の教育活動全体を通じて行う道徳教育について,その全体計画を

作成すること。

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Ⅱ - 31

の作成に当たっては,生徒や学校,地域の実態に応じ,指導の方針や

重点を明らかにして,各教科・科目等との関係を明らかにすること。

その際,視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生

徒に対する教育を行う特別支援学校においては,第2章第1節第1款

において準ずるものとしている高等学校学習指導要領第2章第3節の

公民科の「公共」及び「倫理」並びに第5章の特別活動が,人間とし

ての在り方生き方に関する中核的な指導の場面であることに配慮する

こと。

また,知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校にお

いては,学校の道徳教育の重点目標を設定するとともに,道徳科の指

導方針,第3章特別の教科道徳(知的障害者である生徒に対する教育

を行う特別支援学校)に示す内容との関連を踏まえた各教科,総合的

な探究の時間,特別活動及び自立活動における指導の内容及び時期並

びに家庭や地域社会との連携の方法を示すこと。

2 道徳教育を進めるに当たっては,中学部又は中学校までの特別の教

科である道徳の学習等を通じて深めた,主として自分自身,人との関

わり,集団や社会との関わり,生命や自然,崇高なものとの関わりに

関する道徳的諸価値についての理解を基にしながら,様々な体験や思

索の機会等を通して,人間としての在り方生き方についての考えを深

めるよう留意すること。また,自立心や自律性を高め,規律ある生活

をすること,生命を尊重する心を育てること,社会連帯の自覚を高め

,主体的に社会の形成に参画する意欲と態度を養うこと,義務を果た

し責任を重んじる態度及び人権を尊重し差別のないよりよい社会を実

現しようとする態度を養うこと,伝統と文化を尊重し,それらを育ん

できた我が国と郷土を愛するとともに,他国を尊重すること,国際社

会に生きる日本人としての自覚を身に付けることに関する指導が適切

に行われるよう配慮すること。

3 学校やホームルーム内の人間関係や環境を整えるとともに,就業体

験活動やボランティア活動,自然体験活動,地域の行事への参加など

の豊かな体験を充実すること。また,道徳教育の指導が,生徒の日常

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Ⅱ - 32

生活に生かされるようにすること。その際,いじめの防止や安全の確

保等にも資することとなるように留意すること。

4 学校の道徳教育の全体計画や道徳教育に関する諸活動などの情報を

積極的に公表したり,道徳教育の充実のために家庭や地域の人々の積

極的な参加や協力を得たりするなど,家庭や地域社会との共通理解を

深め,相互の連携を図ること。

第8款 重複障害者等に関する教育課程の取扱い

1 生徒の障害の状態により特に必要がある場合には,次に示すところ

によるものとする。

(1) 各教科・科目(知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支

援学校においては各教科。)の目標及び内容の一部を取り扱わない

ことができること。

(2) 高等部の各教科・科目(知的障害者である生徒に対する教育を行

う特別支援学校においては各教科。)の目標及び内容の一部を,当

該各教科・科目に相当する中学部又は小学部の各教科の目標及び内

容に関する事項の一部によって,替えることができること。

(3) 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に

対する教育を行う特別支援学校の外国語科に属する科目及び知的

障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の外国語科に

ついては,小学部・中学部学習指導要領に示す外国語活動の目標及

び内容の一部を取り入れることができること。

2 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の高等部に

就学する生徒のうち,高等部の2段階に示す各教科の内容を習得し目

標を達成している者については,高等学校学習指導要領第2章に示す

各教科・科目,中学校学習指導要領第2章に示す各教科又は小学校学

習指導要領第2章に示す各教科及び第4章に示す外国語活動の目標及

び内容の一部を取り入れることができるものとする。また,主として

専門学科において開設される各教科の内容を習得し目標を達成してい

第6款 重複障害者等に関する教育課程の取扱い

1 生徒の障害の状態により特に必要がある場合には,次に示すとこ

ろによるものとする。

(1) 各教科・科目の目標及び内容の一部を取り扱わないことができ

ること。

(2) 高等部の各教科・科目の目標及び内容の一部を,当該各教科・

科目に相当する中学部又は小学部の各教科の目標及び内容に関す

る事項の一部によって,替えることができること。

(3) 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒

に対する教育を行う特別支援学校の外国語科に属する科目につい

ては,小学部・中学部学習指導要領に示す外国語活動の目標及び

内容の一部を取り入れることができること。

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Ⅱ - 33

る者については,高等学校学習指導要領第3章に示す各教科・科目の

目標及び内容の一部を取り入れることができるものとする。

3 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対

する教育を行う特別支援学校に就学する生徒のうち,知的障害を併せ

有する者については,次に示すところによるものとする。

(1) 各教科・科目の目標及び内容の一部又は各教科・科目を,当該各

教科・科目に相当する第2章第2節第1款及び第2款に示す知的障

害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の各教科の目標

及び内容の一部又は各教科によって,替えることができること。こ

の場合,各教科・科目に替えて履修した第2章第2節第1款及び第

2款に示す各教科については,1単位時間を 50 分とし,35 単位時

間の授業を1単位として計算することを標準とするものとするこ

と。

(2) 生徒の障害の状態により特に必要がある場合には,第2款の3の

(2)に示す知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

における各教科等の履修等によることができること。

(3) 校長は,(2)により,第2款の3の(2)に示す知的障害者である生

徒に対する教育を行う特別支援学校における各教科等を履修した

者で,その成果がそれらの目標からみて満足できると認められるも

のについて,高等部の全課程の修了を認定するものとすること。

4 重複障害者のうち,障害の状態により特に必要がある場合には,次

に示すところによるものとする。

(1) 各教科・科目若しくは特別活動(知的障害者である生徒に対する

教育を行う特別支援学校においては,各教科,道徳科若しくは特別

活動。)の目標及び内容の一部又は各教科・科目若しくは総合的な

探究の時間(知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学

校においては,各教科若しくは総合的な探究の時間。)に替えて,

自立活動を主として指導を行うことができること。この場合,実情

に応じた授業時数を適切に定めるものとすること。

2 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に

対する教育を行う特別支援学校に就学する生徒のうち,知的障害を

併せ有する者については,次に示すところによるものとする。

(1) 各教科・科目又は各教科・科目の目標及び内容の一部を,当該

各教科・科目に相当する第2章第2節第1款及び第2款に示す知

的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の各教科又

は各教科の目標及び内容の一部によって,替えることができるこ

と。この場合,各教科・科目に替えて履修した第2章第2節第1

款及び第2款に示す各教科については,1単位時間を 50 分とし,

35単位時間の授業を1単位として計算することを標準とするもの

とすること。

(2) 生徒の障害の状態により特に必要がある場合には,第1章第2

節第3款に示す知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支

援学校における各教科等の履修等によることができること。

(3) 校長は,上記2の(2)により,第1章第2節第3款に示す知的障

害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校における各教科

等を履修した者で,その成果がそれらの目標からみて満足できる

と認められるものについて,高等部の全課程の修了を認定するも

のとすること。

3 重複障害者のうち,障害の状態により特に必要がある場合には,

次に示すところによるものとする。

(1) 各教科・科目若しくは特別活動(知的障害者である生徒に対す

る教育を行う特別支援学校においては,各教科,道徳若しくは特

別活動)の目標及び内容の一部又は各教科・科目若しくは総合的

な学習の時間に替えて,自立活動を主として指導を行うことがで

きること。この場合,実情に応じた授業時数を適切に定めるもの

とすること。

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Ⅱ - 34

(2) 校長は,各教科・科目若しくは特別活動(知的障害者である生徒

に対する教育を行う特別支援学校においては,各教科,道徳科若し

くは特別活動。)の目標及び内容の一部又は各教科・科目若しくは

総合的な探究の時間(知的障害者である生徒に対する教育を行う特

別支援学校においては,各教科若しくは総合的な探究の時間。)に

替えて自立活動を主として履修した者で,その成果がそれらの目標

からみて満足できると認められるものについて,高等部の全課程の

修了を認定するものとすること。

5 障害のため通学して教育を受けることが困難な生徒に対して,教師

を派遣して教育を行う場合については,次に示すところによるものと

する。

(1) 1,2,3の(1)若しくは(2)又は4の(1)に示すところによること

ができること。

(2) 特に必要がある場合には,実情に応じた授業時数を適切に定める

こと。

(3) 校長は,生徒の学習の成果に基づき,高等部の全課程の修了を認

定することができること。

6 療養中の生徒及び障害のため通学して教育を受けることが困難な生

徒について,各教科・科目の一部を通信により教育を行う場合の1単

位当たりの添削指導及び面接指導の回数等(知的障害者である生徒に

対する教育を行う特別支援学校においては,通信により教育を行うこ

ととなった各教科の一部の授業時数に相当する添削指導及び面接指導

の回数等。)については,実情に応じて適切に定めるものとする。

(2) 校長は,各教科,科目若しくは特別活動(知的障害者である生

徒に対する教育を行う特別支援学校においては,各教科,道徳若

しくは特別活動)の目標及び内容の一部又は各教科,科目若しく

は総合的な学習の時間に替えて自立活動を主として履修した者

で,その成果がそれらの目標からみて満足できると認められるも

のについて,高等部の全課程の修了を認定するものとすること。

4 障害のため通学して教育を受けることが困難な生徒に対して,教

員を派遣して教育を行う場合については,次に示すところによるも

のとする。

(1) 上記1,2の(1)若しくは(2)又は3の(1)に示すところによるこ

とができること。

(2) 特に必要がある場合には,実情に応じた授業時数を適切に定め

ること。

(3) 校長は,生徒の学習の成果に基づき,高等部の全課程の修了を

認定することができること。

5 療養中の生徒及び障害のため通学して教育を受けることが困難な

生徒について,各教科・科目の一部を通信により教育を行う場合の

1単位当たりの添削指導及び面接指導の回数等(知的障害者である

生徒に対する教育を行う特別支援学校においては,通信により教育

を行うこととなった各教科の一部の授業時数に相当する添削指導及

び面接指導の回数等)については,実情に応じて適切に定めるもの

とする。

第9款 専攻科

1 視覚障害者又は聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援

学校の専攻科における教科及び科目のうち標準的なものは,次の表に

掲げるとおりである。視覚障害者又は聴覚障害者である生徒に対する

第7款 専 攻 科

1 視覚障害者又は聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支

援学校の専攻科における教科及び科目のうち標準的なものは,次の

表に掲げるとおりである。視覚障害者又は聴覚障害者である生徒に

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Ⅱ - 35

教育を行う特別支援学校においては,必要がある場合には同表に掲げ

る教科について,これらに属する科目以外の科目を設けることができ

る。

教科 科目

視覚障害者

である生徒

に対する教

育を行う特

別支援学校

保健理療

医療と社会,人体の構造と機能,疾

病の成り立ちと予防,生活と疾病,

基礎保健理療,臨床保健理療,地域

保健理療と保健理療経営,保健理療

基礎実習,保健理療臨床実習,保健

理療情報,課題研究

理療

医療と社会,人体の構造と機能,疾

病の成り立ちと予防,生活と疾病,

基礎理療学,臨床理療学,地域理療

と理療経営,理療基礎実習,理療臨

床実習,理療情報,課題研究

理学療法

人体の構造と機能,疾病と障害,保

健・医療・福祉とリハビリテーショ

ン,基礎理学療法学,理学療法管理

学,理学療法評価学,理学療法治療

学,地域理学療法学,理学療法臨床

実習,理学療法情報,課題研究

聴覚障害者

である生徒

に対する教

育を行う特

別支援学校

理容・美容

関係法規・制度,衛生管理,保健,

香粧品化学,文化論,理容・美容技

術理論,運営管理,理容実習,美容

実習,理容・美容情報,課題研究

歯科技工 歯科技工関係法規,歯科技工学概論

対する教育を行う特別支援学校においては,必要がある場合には同

表に掲げる教科について,これらに属する科目以外の科目を設ける

ことができる。

教 科 科 目

視覚障害者

である生徒

に対する教

育を行う特

別支援学校

保 健 理 療

医療と社会,人体の構造と機能,疾

病の成り立ちと予防,生活と疾病,

基礎保健理療,臨床保健理療,地域

保健理療と保健理療経営,保健理療

基礎実習,保健理療臨床実習,保健

理療情報活用,課題研究

理 療

医療と社会,人体の構造と機能,疾

病の成り立ちと予防,生活と疾病,

基礎理療学,臨床理療学,地域理療

と理療経営,理療基礎実習,理療臨

床実習,理療情報活用,課題研究

理 学 療 法

人体の構造と機能,疾病と障害,保

健・医療・福祉とリハビリテーショ

ン,基礎理学療法学,理学療法評価

学,理学療法治療学,地域理学療法

学,臨床実習,理学療法情報活用,

課題研究

聴覚障害者

である生徒

に対する教

育を行う特

別支援学校

理 容・美 容

理容・美容関係法規,衛生管理,理

容・美容保健,理容・美容の物理・

化学,理容・美容文化論,理容・美

容技術理論,理容・美容運営管理,

理容実習,美容実習,理容・美容情

報活用,課題研究

歯科技工関係法規,歯科技工学概

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Ⅱ - 36

,歯科理工学,歯の解剖学,顎がく

口腔くう

機能学,有床義歯技工学,歯冠修復

技工学,矯正歯科技工学,小児歯科

技工学,歯科技工実習,歯科技工情

報,課題研究

2 視覚障害者又は聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援

学校の専攻科においては,必要がある場合には1の表に掲げる教科及

び科目以外の教科及び科目を設けることができる。

歯 科 技 工

論,歯科理工学,歯の解剖学,顎がく

腔くう

機能学,有床義歯技工学,歯冠修

復技工学,矯正歯科技工学,小児歯

科技工学,歯科技工実習,歯科技工

情報活用,課題研究

2 視覚障害者又は聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支

援学校においては,必要がある場合には上記1の表に掲げる教科及

び科目以外の教科及び科目を設けることができる。

第2章 各 教 科

第1節 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は

病弱者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

第1款 各教科の目標及び各科目の目標と内容

各教科の目標及び各科目の目標と内容については,当該各教科及び各

科目に対応する高等学校学習指導要領第2章及び第3章に示す各教科の

目標及び各科目の目標と内容に準ずるほか,視覚障害者である生徒に対

する教育を行う特別支援学校については第3款から第5款まで,聴覚障

害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校については第6款から

第9款までに示すところによるものとする。

第2款 各科目に関する指導計画の作成と内容の取扱い

各科目に関する指導計画の作成と内容の取扱いについては,高等学校

学習指導要領第2章及び第3章に示すものに準ずるほか,視覚障害者で

ある生徒に対する教育を行う特別支援学校については第3款から第5款

まで,聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校について

第2章 各 教 科

第1節 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒

に対する教育を行う特別支援学校

第1款 各教科の目標及び各科目の目標と内容

各教科の目標及び各科目の目標と内容については,当該各教科及び各

科目に対応する高等学校学習指導要領第2章及び第3章に示す各教科の

目標及び各科目の目標と内容に準ずるほか,視覚障害者である生徒に対

する教育を行う特別支援学校については第3款から第5款まで,聴覚障

害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校については第6款から

第9款までに示すところによるものとする。

第2款 各科目に関する指導計画の作成と内容の取扱い

各科目に関する指導計画の作成と内容の取扱いについては,高等学校

学習指導要領第2章及び第3章に示すものに準ずるほか,視覚障害者で

ある生徒に対する教育を行う特別支援学校については第3款から第5款

まで,聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校について

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Ⅱ - 37

は第6款から第9款までに示すところによるものとするが,生徒の障害

の状態や特性及び心身の発達の段階等を十分考慮するとともに,特に次

の事項に配慮するものとする。

1 視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

(1) 生徒の視覚障害の状態等に応じて,点字又は普通の文字等による

的確な理解と豊かな表現力を一層養うこと。なお,点字を常用して

学習する生徒に対しても,漢字・漢語の意味や構成等についての理

解を一層促すため,適切な指導が行われるようにすること。

(2) 視覚的なイメージを伴わないと理解が困難な事象や習得が難しい

技能については,既習の内容や経験と関連付けながら,具体例を示

すなど指導方法を工夫して,理解を深め習得を促すようにすること

(3) 生徒の視覚障害の状態等に応じて,指導内容を適切に精選し,基

礎的・基本的な事項を確実に習得するとともに,考えを深めていく

ことができるよう指導すること。

(4) 視覚補助具やコンピュータ等の情報機器,触覚教材,拡大教材及

び音声教材等各種教材の活用を通して,生徒が効率的に多様な情報

を収集・整理し,主体的な学習ができるようにするなど,生徒の視

覚障害の状態等を考慮した指導方法を工夫すること。

(5) 生徒が空間や時間の概念を活用して場の状況や活動の過程等を的

確に把握できるよう配慮し,見通しをもって積極的な学習活動を展

開できるようにすること。

(6) 高等学校等を卒業した者が,社会経験を経るなどした後に,専門

学科又は専攻科に入学した場合においては,その社会経験等を踏ま

えた指導内容となるよう工夫すること。

2 聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

(1) 生徒の興味・関心を生かして,主体的な言語活動を促すとともに

,抽象的,論理的な思考力の伸長に努めること。

(2) 生徒の言語力等に応じて,適切な読書習慣や書いて表現する力の

は第6款から第9款までに示すところによるものとするが,生徒の障害

の状態や特性等を十分考慮するとともに,特に次の事項に配慮するもの

とする。

1 視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

(1) 生徒の視覚障害の状態等に応じて,点字又は普通の文字による

的確な理解と適切な表現の能力を一層養うこと。なお,点字を常

用して学習する生徒に対しても,漢字・漢語の意味や構成等につ

いての理解を一層促すため,適切な指導が行われるようにするこ

と。

(2) 視覚的なイメージを伴わないと理解が困難な事柄については,

言葉の意味や用法の指導等を行い,理解を促すようにすること。

(3) 生徒の視覚障害の状態等に応じて,指導内容を適切に精選し,

基礎的・基本的な事項に重点を置くなどして指導すること。

(4) 触覚教材,拡大教材,音声教材等の活用を図るとともに,生徒

が視覚補助具やコンピュータ等の情報機器などの活用を通して,

容易に情報の収集や処理ができるようにするなど,生徒の視覚障

害の状態等を考慮した指導方法を工夫すること。

(5) 生徒が空間や時間の概念を活用して場の状況や活動の過程等を

的確に把握できるよう配慮し,見通しをもって積極的な学習活動

を展開できるようにすること。

2 聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

(1) 生徒の興味・関心を生かして,積極的な言語活動を促すととも

に,抽象的,論理的な思考力の伸長に努めること。

(2) 生徒の言語力等に応じて,適切な読書習慣や書いて表現する力

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Ⅱ - 38

育成を図り,主体的に情報を収集・獲得し,適切に選択・活用する

態度を養うようにすること。

(3) 生徒の聴覚障害の状態等に応じて,音声,文字,手話,指文字等

を適切に活用して,発表や生徒同士の話合いなどの学習活動を積極

的に取り入れ,正確かつ効率的に意思の相互伝達が行われるよう指

導方法を工夫すること。

(4) 生徒の聴覚障害の状態等に応じて,補聴器や人工内耳等の利用に

より,生徒の保有する聴覚を最大限に活用し,効果的な学習活動が

展開できるようにすること。

(5) 生徒の言語力等に応じて,指導内容を適切に精選し,基礎的・基

本的な事項に重点を置くなど指導を工夫すること。

(6) 視覚的に情報を獲得しやすい教材・教具やその活用方法等を工夫

するとともに,コンピュータ等の情報機器などを有効に活用し,指

導の効果を高めるようにすること。

3 肢体不自由者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

(1) 体験的な活動を通して言語概念等の形成を一層図り,生徒の障害

の状態や発達の段階に応じた思考力,判断力,表現力等の育成に努

めること。

(2) 生徒の身体の動きの状態や認知の特性,各教科・科目の内容の習

得状況等を考慮して,指導内容を適切に設定し,重点を置く事項に

時間を多く配当するなど計画的に指導すること。

(3) 生徒の学習時の姿勢や認知の特性等に応じて,指導方法を工夫す

ること。

(4) 生徒の身体の動きや意思の表出の状態等に応じて,適切な補助具

や補助的手段を工夫するとともに,コンピュータ等の情報機器など

を有効に活用し,指導の効果を高めるようにすること。

(5) 各教科・科目の指導に当たっては,特に自立活動の時間における

指導との密接な関連を保ち,学習効果を一層高めるようにすること

4 病弱者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

の育成を図り,主体的に情報を獲得し,適切に選択・活用する態

度を養うようにすること。

(6) 生徒の聴覚障害の状態等に応じ,音声,文字,手話等のコミュ

ニケーション手段を適切に活用して,意思の相互伝達が正確かつ

効率的に行われるようにすること。

(4) 補聴器等の利用により,生徒の保有する聴覚を最大限に活用し,

効果的な学習活動が展開できるようにすること。

(3) 生徒の聴覚障害の状態等に応じて,指導内容を適切に精選し,

基礎的・基本的な事項に重点を置くなどして指導すること。

(5) 視覚的に情報を獲得しやすい教材・教具やその活用方法等を工

夫するとともに,コンピュータ等の情報機器などを有効に活用し,

指導の効果を高めるようにすること。

3 肢体不自由者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

(1) 体験的な活動を広げて表現する意欲を高めるとともに,生徒の

言語活動や身体の動きの状態に応じて,考えたことや感じたこと

を表現する力の伸長に努めること。

(2) 生徒の身体の動きの状態や生活経験の程度等を考慮して,基礎

的・基本的な事項に重点を置くなど指導内容を適切に精選すると

ともに,発展的,系統的な指導ができるようにすること。

(4) 生徒の学習時の姿勢や認知の特性等に応じて,指導方法を工夫

すること。

(5) 生徒の身体の動きや意思の表出の状態等に応じて,適切な補助

用具や補助的手段を工夫するとともに,コンピュータ等の情報機

器などを有効に活用し,指導の効果を高めるようにすること。

(3) 身体の動きやコミュニケーション等に関する内容の指導に当た

っては,特に自立活動における指導との密接な関連を保ち,学習

効果を一層高めるようにすること。

4 病弱者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

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Ⅱ - 39

(1) 個々の生徒の学習状況や病気の状態,授業時数の制約等に応じて

,指導内容を適切に精選し,基礎的・基本的な事項に重点を置くと

ともに,指導内容の連続性に配慮した工夫を行ったり,各教科・科

目等相互の関連を図ったりして,系統的,発展的な学習活動が展開

できるようにすること。

(2) 健康状態の維持や管理,改善に関する内容の指導に当たっては,

主体的に自己理解を深めながら学びに向かう力を高めるために,自

立活動における指導との密接な関連を保ち,学習効果を一層高める

ようにすること。

(3) 体験的な活動を伴う内容の指導に当たっては,生徒の病気の状態

や学習環境に応じて,間接体験や疑似体験,仮想体験等を取り入れ

るなど,指導方法を工夫し,効果的な学習活動が展開できるように

すること。

(4) 生徒の身体活動の制限や認知の特性,学習環境等に応じて,教材

・教具や入力支援機器等の補助用具を工夫するとともに,コンピュ

ータ等の情報機器などを有効に活用し,指導の効果を高めるように

すること。

(5) 生徒の病気の状態等を考慮し,学習活動が負担過重となる又は必

要以上に制限することがないようにすること。

(6) 病気のため,姿勢の保持や長時間の学習活動が困難な生徒につい

ては,姿勢の変換や適切な休養の確保などに留意すること。

(1) 生徒の授業時数の制約や病気の状態等に応じて,指導内容を適

切に精選し,基礎的・基本的な事項に重点を置くとともに,各教

科・科目等相互の関連を図ったり,指導内容の連続性に配慮した

工夫を行ったりして,発展的,系統的な学習活動が展開できるよ

うにすること。

(2) 健康状態の改善等に関する内容の指導に当たっては,特に自立

活動における指導との密接な関連を保ち,学習効果を一層高める

ようにすること。

(3) 体験的な活動を伴う内容の指導に当たっては,生徒の病気の状

態や学習環境に応じて指導方法を工夫し,効果的な学習活動が展

開できるようにすること。

(4) 生徒の身体活動の制限の状態等に応じて,教材・教具や補助用

具などを工夫するとともに,コンピュータ等の情報機器などを有

効に活用し,指導の効果を高めるようにすること。

(5) 生徒の病気の状態等を考慮し,学習活動が負担過重とならない

ようにすること。

第3款 保健理療

第1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行う

ことなどを通して,あん摩・マッサージ・指圧を通じ,地域や社会の保健

・医療・福祉を支え,人々の健康の保持増進及び疾病の治療に寄与する職

業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) あん摩・マッサージ・指圧について体系的・系統的に理解すると

第3款 保健理療

第1 目 標

あん摩・マッサージ・指圧に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得

させ,保健理療の本質と社会的な意義を理解させるとともに,国民の健

康の保持増進に寄与する能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 40

ともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) あん摩・マッサージ・指圧に関する課題を発見し,職業人に求め

られる倫理観を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を

目指して自ら学び,人々の健康の保持増進及び疾病の治療に主体的

かつ協働的に寄与する態度を養う。

第2 各 科 目

〔医療と社会〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,医療と社会の関わりに関する

実践的・体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質

・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 施術を行うために必要な医療と社会の関わりについて体系的・

系統的に理解するようにする。

(2) 医療と社会の関わりに関する課題を発見し,あん摩マッサージ

指圧師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する

力を養う。

(3) 医療と社会の関わりについて,地域や社会を支えるあん摩マッ

サージ指圧師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主体

的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 医学,医療及び保健理療の歴史

ア 西洋,中国,韓国等における医学,医療の歴史

イ 日本における医学,医療及び保健理療の歴史

(2) 社会保障制度の概要

ア 医学の分野

第2 各科目

[医療と社会]

1 目 標

医学,医療及びあん摩・マッサージ・指圧の歴史,医療制度と関係

法規に関する基礎的な知識を習得させるとともに,あん摩・マッサ

ージ・指圧に従事する者の倫理について理解させ,施術者として必

要な能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 医学,医療及び保健理療の歴史

ア 西洋における医学,医療

イ 日本,中国,韓国等における医学,医療

(2) 医療制度の現状と課題

ア 医学の分野 イ 医療と社会 ウ 医療従事者

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Ⅱ - 41

イ 社会保障の概念

ウ 社会保険制度の概要

エ 障害者福祉・精神保健医療福祉制度の概要

オ 医療行政

(3) 保健理療の現状と課題

ア 保健理療の概念

イ 医療提供体制と地域包括ケアシステム

ウ 保健理療業務の現状と課題

エ 諸外国の保健理療

(4) あん摩マツサージ指圧師,はり師,きゆう師等に関する法律

ア 法令の沿革

イ 法令の主な内容

(5) 関係法規の概要

ア 医事関係法規

イ その他の関係法規

(6) あん摩マッサージ指圧師の倫理

ア 医療従事者の倫理

イ 保健理療業務と倫理

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,保健理療の医療における位置付けについ

て,十分理解を促すよう,保健理療以外の他の医学の歴史や現

状,諸外国における保健理療の現状などを踏まえて取り扱うこ

と。

イ 〔指導項目〕の(2),(3)及び(6)については,「地域保健理療

と保健理療経営」との関連を考慮して指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,保健理療の近現代史に重

エ 医療機関 オ 医療行政

(3) 保健理療の現状と課題

ア 現代の東洋医学 イ 保健理療の概念

ウ 諸外国の保健理療 エ 保健理療の課題

(5) あん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師等に関する法律

ア 法令の沿革 イ 法令の主な内容

(6) 関係法規の概要

ア 医事関係法規 イ その他の関係法規

(4) あん摩・マッサージ・指圧従事者の倫理

ア 医療と倫理 イ 保健理療と倫理

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,あん摩・マッサージ・指圧の医療におけ

る位置付けについて,十分理解を促すよう取り扱うこと。

イ 内容の(3)及び(4)については,「地域保健理療と保健理療経

営」との関連を考慮して指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(2)については,現代の医療制度の現状とその当面する

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Ⅱ - 42

点を置くこと。

イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,少子高齢化が進む我が国

の社会の課題や展望について取り扱うこと。ウについては,医

療保険(療養費を含む。),介護保険及び主な公費負担医療を

中心に制度の概要を取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,地域医療や労働衛生にお

けるプライマリ・ケアの重要性と関連付けながら,現代社会に

おける保健理療の役割と意義を取り扱うこと。イについては,

医療機関の種類並びに医療従事者の資格,免許及び業務範囲を

取り扱うとともに,地域包括ケアシステムにおける多職種間連

携の意義を取り扱うこと。ウについては,保健理療業務の現状

と課題について,関連する統計や資料を踏まえながら,療養費

を適切に扱うための基礎的な知識が身に付くよう指導するこ

と。

エ 〔指導項目〕の(5)のアについては,医療法,医師法等の概要

を取り扱うこと。イについては,高齢者の医療の確保に関する

法律,介護保険法等の概要を取り扱うこと。

オ 〔指導項目〕の(6)については,あん摩マッサージ指圧師とし

ての心構えや倫理観,患者の権利,法令遵守,コミュニケーシ

ョン能力等について,十分な理解を促すよう具体的に指導する

こと。

〔人体の構造と機能〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,人体の構造と機能に関する実

践的・体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・

能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 施術を行うために必要な人体の構造と機能について体系的・系

統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする

課題の概要を理解させること。特に,代替医療が注目されてい

ることと保健理療の果たす役割についても理解させること。

イ 内容の(3)のアについては,あん摩・マッサージ・指圧のみな

らず,湯液,鍼灸しんきゆう

の概要も扱うこと。

ウ 内容の(3)のウについては,あん摩・マッサージ・指圧のアジ

アを中心とした諸外国における現状の概要を扱うこと。

オ 内容の(6)のアについては,「医療法」,「医師法」等の概要

を,イについては,「高齢者の医療の確保に関する法律」,「介

護保険法」等の概要を扱うこと。

エ 内容の(4)については,国民の健康の保持増進に寄与する観点

から,あん摩・マッサージ・指圧従事者の心構えや倫理観,患

者の権利,守秘義務等について,十分な理解を促すよう具体的

に指導すること。

[人体の構造と機能]

1 目 標

あん摩・マッサージ・指圧に必要な人体諸器官の形態と構造及び

機能を相互に関連付けて理解させ,これを施術に応用する能力と態

度を育てる。

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Ⅱ - 43

(2) 人体の構造と機能に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指

圧師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力

を養う。

(3) 人体の構造と機能について,地域や社会を支えるあん摩マッサ

ージ指圧師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主体的

かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 解剖生理学の基礎

ア 解剖生理学の意義

イ 人体の体表区分

ウ 細胞

エ 人体の発生

オ 組織

カ 器官と器官系

(2) 系統別構造と機能

ア 運動器系

イ 消化器系

ウ 呼吸器系

エ 泌尿・生殖器系

オ 内分泌系と代謝

カ 循環器系

キ 神経系

ク 感覚器系

(3) 生体機能の協調

ア 全身的協調

イ 生体の防御機構

2 内 容

(1) 解剖学及び生理学の基礎

ア 人体の構成 イ 細胞 ウ 組織 エ 器官と

器官系

(2) 人体の系統別構造・機能及び生体の観察

ア 運動器系 イ 消化器系 ウ 呼吸器系

エ 泌尿・生殖器系 オ 内分泌と代謝 カ 循環器系

キ 神経系 ク 感覚器系

(3) 生体機能の協調

ア 身体の運動 イ 全身的協調 ウ 生体の防御機構

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Ⅱ - 44

(4) 運動学

ア 運動学の基礎

イ 各関節の構造と機能

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,人体の構造と機能についての理解が知識

に偏ることがないよう,実験・実習を取り入れるようにするこ

と。

イ 〔指導項目〕の(2)については,標本,模型などを有効に活用

して,指導の効果を高めるように配慮すること。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,「疾病の成り立ちと予防」と

の関連を考慮して指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(2)については,施術と関連の深いア及びキに

重点を置いて指導すること。

イ 〔指導項目〕の(4)のイについては,肩関節,肘関節,手関節

,股関節,膝関節,足関節の各構造と機能を中心に取り扱うこ

と。

〔疾病の成り立ちと予防〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,疾病の成り立ちと予防に関す

る実践的・体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資

質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 施術を行うために必要な疾病の成り立ちと予防について体系的

・系統的に理解するようにする。

(2) 疾病の成り立ちと予防に関する課題を発見し,あん摩マッサー

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,人体についての理解が,知識に偏ること

がないよう実験・実習を取り入れるようにすること。

イ 内容の(2)については,標本,模型などを有効に活用して,指

導の効果を高めるよう配慮すること。

ウ 内容の(3)については,「疾病の成り立ちと予防」との関連を

考慮して扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)のアについては,この科目の導入として,人体の構

成と働き,発生と成長の概要を扱うこと。イからエまでについ

ては,それぞれの構造と機能の基礎的な内容を扱うこと。

イ 内容の(2)については,あん摩・マッサージ・指圧施術と関連

の深いア,カ及びキについて,基本的な事項に重点を置いて扱

うこと。

[疾病の成り立ちと予防]

1 目 標

あん摩・マッサージ・指圧に必要な健康の保持増進,疾病の成り

立ちと予防に関する基礎的な知識を習得させ,これを施術に応用す

る能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 45

ジ指圧師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決す

る力を養う。

(3) 疾病の成り立ちと予防について,地域や社会を支えるあん摩マ

ッサージ指圧師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主

体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 衛生学・公衆衛生学の概要

ア 衛生学・公衆衛生学の意義

イ 衛生学・公衆衛生学の歴史

(2) 健康の保持増進と生活

ア 健康の概念

イ 生活習慣と健康

ウ ストレスと健康

(3) 生活習慣病

ア 生活習慣病の概念

イ 生活習慣病の発生要因

ウ 生活習慣病の予防対策

(4) 生活環境と公害

ア 環境と健康

イ 地域の環境衛生

ウ 公害

(5) 感染症

ア 感染症の概念

イ 感染症の発生要因

ウ 感染症の予防対策

(6) 消毒

ア 消毒法の一般

2 内 容

(1) 衛生・公衆衛生の概要

ア 衛生・公衆衛生の意義 イ 衛生・公衆衛生の歴史

(2) 健康の保持増進と生活

ア 健康の概念 イ 健康の管理 ウ 食生活と健康

(5) 生活習慣病

ア 生活習慣病とその対策

(3) 生活環境と公害

ア 環境と健康 イ 地域の環境衛生 ウ 衣服と住居

エ 公害

(6) 感染症

ア 感染症とその対策

(7) 消毒

ア 消毒法の一般 イ 消毒の種類と方法 ウ 消毒法

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Ⅱ - 46

イ 消毒の種類と方法

ウ 消毒法の応用

(7) 疫学と衛生統計

ア 疫学の基礎

イ 衛生統計の基礎

ウ 主な衛生統計

(8) 産業衛生,精神衛生及び母子衛生

ア 産業衛生

イ 精神衛生

ウ 母子衛生

(9) 疾病の一般

ア 疾病の概念

イ 疾病の分類

ウ 疾病と症状

エ 疾病の経過,予後及び転帰

(10) 疾病の原因

ア 病因の意義

イ 病因の分類

ウ 加齢と老化

(11) 各病変の大要

ア 循環障害

イ 退行性病変

ウ 進行性病変

エ 炎症

オ 腫瘍しゅよう

カ 免疫の異常とアレルギー

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(6)については,「保健理療基礎実習」及び「

の応用

(8) 疫学

ア 疫学の意義 イ 疫学の現状

(9) 衛生統計

ア 衛生統計の一般 イ 主な衛生統計

(4) 産業衛生,精神衛生及び母子衛生

ア 産業衛生 イ 精神衛生 ウ 母子衛生

(10) 疾病の一般

ア 疾病の概念 イ 疾病の分類 ウ 疾病と症状

エ 疾病の経過,予後及び転帰

(11) 疾病の原因

ア 病因の意義 イ 病因の分類 ウ 加齢と老化

(12) 各病変の大要

ア 循環障害 イ 退行性病変 ウ 進行性病変

エ 炎症 オ 腫瘍しゆよう

カ 免疫の異常とアレルギー

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 内容の(7)については,「保健理療基礎実習」及び「保健理療

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Ⅱ - 47

保健理療臨床実習」との関連を図りながら,実践的に取り扱う

こと。

イ 〔指導項目〕の(9)から(11)までについては,疾患や愁訴に対

する病態機序の理解と,施術の適応の判断に関する基礎的な能

力が身に付くよう指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(2)については,特に生活習慣病と関連付けて

取り扱うこと。ウについては,産業衛生と関連付けて取り扱う

こと。

イ 〔指導項目〕の(5)については,最新の情報に配慮しながら,

代表的な疾患を取り上げ,発生因子の回避に重点を置いて取り

扱うこと。ウについては,免疫学についても取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(7)のウについては,保健理療業務と関係の深

い統計等について取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(9)については,半健康状態及び東洋医学の未

病の概念を取り入れながら指導すること。

〔生活と疾病〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,疾病と日常生活の関わりに関

する実践的・体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な

資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 施術を行うために必要な疾病と日常生活の関わりについて体系

的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるよう

にする。

(2) 疾病と日常生活の関わりに関する課題を発見し,あん摩マッサ

ージ指圧師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決

する力を養う。

(3) 疾病と日常生活の関わりについて,地域や社会を支えるあん摩

臨床実習」との関連を図りながら,実践的に扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(2)については,特に,生活習慣病と関連付けて扱うこ

と。

イ 内容の(5)及び(6)については,代表的な疾患を取り上げ,そ

の発生に関する危険因子からの回避に重点を置いて扱うこと。

ウ 内容の(8)及び(9)については,具体的な事例を中心に扱うこ

と。

エ 内容の(10)については,半健康状態及び東洋医学の未病の概

念を取り入れながら指導すること。

[生活と疾病]

1 目 標

臨床医学やリハビリテーションに関する基礎的な知識を習得させ

るとともに,疾病と日常生活とのかかわりを理解させ,施術を適切

に行う能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 48

マッサージ指圧師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に

主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 診察法

ア 診察の意義

イ 診察法の種類

ウ 臨床検査の概要

(2) 主な症状の診察法

ア 頭痛

イ 肩こり

ウ 肩関節痛

エ 頸けい

肩腕痛

オ 腰痛

カ 腰下肢痛

キ 膝ひざ

ク 高血圧と低血圧

ケ 心身の疲労

コ その他の症状

(3) 治療法

ア 治療法の基礎

イ 治療法の実際

(4) 臨床心理

ア 臨床心理の一般

イ 心理療法の概要

(5) 系統別疾患の概要

ア 運動器系疾患

2 内 容

(1) 診察と治療の一般

ア 診察法の一般 イ 診察法の種類 ウ 検査法の概

エ 治療法の一般 オ 治療法の種類 カ 物理療法

キ 臨床心理

(2) 主な症状の診察法

ア 頭痛 イ 肩こり ウ 肩関節痛 エ 頸けい

肩腕

オ 腰痛 カ 腰下肢痛 キ 膝しつ

痛 ク 高血圧と

低血圧

ケ 筋疲労 コ その他の症状

(3) 系統別疾患の概要

ア 運動器疾患 イ 神経系疾患 ウ 呼吸器疾患

エ 血液・循環器疾患 オ 消化器疾患

カ 内分泌・代謝疾患及びビタミン欠乏症

キ 泌尿・生殖器疾患 ク 感染症 ケ その他の疾患

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Ⅱ - 49

イ 神経系疾患

ウ 呼吸器系疾患

エ 血液・循環器系疾患

オ 消化器系疾患

カ 泌尿・生殖器系疾患

キ 内分泌系・代謝疾患及びビタミン欠乏症

ク 感染症

ケ その他の疾患

(6) リハビリテーションの一般

ア リハビリテーションの概念と歴史

イ 医学的リハビリテーションとリハビリテーション医学

ウ 診察,評価,治療計画と記録

(7) 主な疾患のリハビリテーション

ア 運動器系疾患

イ 神経系疾患

ウ 呼吸器系疾患

エ 血液・循環器系疾患

(8) 機能訓練の概要

ア 関節可動域訓練

イ 筋力強化訓練

ウ 日常生活動作訓練

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,予防医学,治療医学及びリハビリテーシ

ョン医学という現代医学の体系に配慮すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,保健理療と直接関わりの深い

事項に重点を置き,実習及び「臨床保健理療」との関連を考慮

(4) リハビリテーションの一般

ア リハビリテーションの概念と歴史

イ 医学的リハビリテーションとリハビリテーション医学

ウ 診察,評価,治療計画と記録 エ 運動学の基礎

(5) 主な疾患のリハビリテーション

ア 整形外科疾患 イ 関節リウマチ ウ 片麻痺ひ

エ 脳性麻痺ひ

オ 脊せき

髄損傷

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,予防医学,治療医学,リハビリテーショ

ン医学という現代医学の体系を踏まえて取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,あん摩・マッサージ・指圧と直接かか

わりの深い事項に重点を置き,実習との関連を考慮して指導す

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Ⅱ - 50

して指導すること。ウについては,医学的な知識として,検査

方法やデータの意味等を取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,各症状の病態生理と鑑別診断

を取り扱い,施術の適応の判断に生かせるよう指導すること。

ウ 〔指導項目〕の(3)のイについては,代表的な治療法と適応疾

患を中心に取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(5)については,現代医学の立場から各疾患の

原因,症状及び治療法を中心に指導すること。なお,各症状に

対する治療については,施術の有効性との関連を考慮し,保健

理療と直接関わりの深い事項に重点を置くとともに,「臨床保

健理療」と関連付けて取り扱うこと。

オ 〔指導項目〕の(6)については,チーム医療としてのリハビリ

テーションの過程を,症例紹介やリハビリテーション施設の見

学等を取り入れて指導すること。

カ 〔指導項目〕の(7)については,地域医療や在宅ケアの実情を

考慮し,保健理療と直接関わりの深いアからウまでを中心に取

り扱うこと。

キ 〔指導項目〕の(8)については,介護保険施設で行われる介護

技術を含めて取り扱うこと。

〔基礎保健理療〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,基礎保健理療に関する実践的

・体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力

を次のとおり育成することを目指す。

(1) 基礎保健理療について体系的・系統的に理解するとともに,関

連する技術を身に付けるようにする。

(2) 基礎保健理療に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師

ること。ウについては,医学的な知識として,検査方法やデー

タの意味等についての概要を理解させるようにすること。オに

ついては,代表的な治療法の概要を扱うこと。

イ 内容の(2)については,各症状の病態生理と鑑別診断の概要を

扱い,あん摩・マッサージ・指圧施術を行うことの適否の判断

に生かすことができるようにすること。

ウ 内容の(3)については,現代医学の立場から各系統別疾患の概

要を扱い,それぞれの代表的な疾患の原因,症状及び治療法の

基礎的な知識を習得できるようにすること。

エ 内容の(4)については,チーム医療としてのリハビリテーショ

ンの基本的な事項について症例紹介やリハビリテーション施設

の見学等を取り入れて指導すること。

オ 内容の(5)については,地域医療や在宅ケアの実情を考慮し,

保健理療と直接関わりの深いア及びウに重点を置いて扱うこ

と。

[基礎保健理療]

1 目 標

東洋医学の概念,あん摩・マッサージ・指圧施術の意義及び治効

理論について理解させ,施術を効果的に行う能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 51

としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養

う。

(3) 基礎保健理療について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ

指圧師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主体的かつ

協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 東洋医学の基礎

ア 東洋医学の意義と特色

イ 陰陽五行論

ウ 臓腑ふ

経絡論

エ 気血,営衛,津液

オ 病因

カ 証しょう

(2) 東洋医学の診断と治療

ア 日本の伝統医学的診断と治療

イ 現代の中医学的診断と治療

(3) 経絡と経穴

ア 臓腑ふ

経絡とその流注

イ 十四経脈の経穴

ウ その他の特定穴

(4) 経絡,経穴と現代医学

ア 経絡,経穴の現代医学的研究

イ 関連する反応点,反応帯

(5) 保健理療施術の概要

ア あん摩

イ マッサージ

ウ 指圧

2 内 容

(1) 東洋医学の基礎

ア 東洋医学の意義と特色 イ 陰陽五行論 ウ 臓腑ふ

経絡論

エ 気血,営衛,津液 オ 病因 カ 証

(2) 東洋医学の診断と治療

ア 診断 イ 治療

(3) 経絡と経穴

ア 臓腑ふ

経絡とその流注 イ 主な経穴

(4) 経絡,経穴と現代医学

ア 経絡,経穴の現代医学的研究 イ 関連する反応点,反

応帯

(5) あん摩・マッサージ・指圧施術の概要

ア あん摩 イ マッサージ ウ 指圧

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Ⅱ - 52

エ 保健理療の臨床応用

(6) 保健理療施術の治効理論と関連学説

ア 刺激の伝達

イ 身体組織・器官への影響

ウ 生体反応と治効メカニズム

エ 関連学説

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,保健理療に関する研究の成果を踏まえて

取り扱い,保健理療に対する研究的な態度が培われるよう配慮

すること。

イ 〔指導項目〕の(1)から(4)までについては,保健理療施術と

の関連を重視して指導すること。

ウ 〔指導項目〕の(6)については,「人体の構造と機能」の関連

を考慮して取り扱うこと。また,(4)や研究の成果を総合し,保

健理療臨床の観点から指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(2)のアについては,問診と切診に重点を置き

,実習を取り入れて指導すること。イについては,臓腑の生理

と病理を踏まえた治療原則と治法を中心に取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(5)については,基本手技を取り上げ,その特

徴を理解させるとともに,臨床における施術の適応の判断につ

いても指導すること。アからウまでについては,諸外国におけ

る徒手による主な施術法についても取り扱うこと。エについて

は,病態を踏まえながら,アからウまでを適切に組み合わせた

総合的な施術法を取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(6)のアからウまでについては,特に,運動器

系疾患や内臓器系疾患に対する刺激の作用や生体反応の医学

(6) あん摩・マッサージ・指圧施術の治効理論と関連学説

ア 刺激の伝達 イ 身体組織・器官への影響

ウ 生体反応と治効メカニズム エ 関連学説

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,あん摩・マッサージ・指圧に関する研究

の成果を踏まえて取り扱い,保健理療に対する研究的な態度を

培うようにすること。

イ 内容の(1)から(4)までについては,あん摩・マッサージ・指

圧施術との関連を重視して扱うこと。

ウ 内容の(6)については,内容の(4)や研究の成果を総合し,あ

ん摩・マッサージ・指圧の臨床効果という観点から指導するこ

と。また,「人体の構造と機能」との関連を考慮して扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(2)のアについては,切診に重点を置き,実習を取り入

れて指導すること。

イ 内容の(3)のイについては,あん摩・マッサージ・指圧の臨床

でよく活用される経穴に重点を置いて指導すること。

ウ 内容の(5)については,基本手技を取り上げ,その特徴を理解

させるとともに,臨床においてあん摩・マッサージ・指圧施術

を行うことの適否についても指導すること。また,諸外国にお

ける徒手による施術法の概要についても扱うこと。

エ 内容の(6)のアからウまでについては,特に,運動器疾患や内

臓器疾患に対する刺激の作用や生体反応の医学的意味と臨床へ

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Ⅱ - 53

的意味と臨床への応用という観点で取り扱うこと。

〔臨床保健理療〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,臨床保健理療に関する実践的

・体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力

を次のとおり育成することを目指す。

(1) 臨床保健理療について体系的・系統的に理解するとともに,関

連する技術を身に付けるようにする。

(2) 臨床保健理療に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師

としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養

う。

(3) 臨床保健理療について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ

指圧師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主体的かつ

協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 臨床保健理療の基礎

ア 臨床保健理療の意義と役割

イ 施術対象者の心理と施術者の対応

(2) 東洋医学における診断,治療の原則

ア 診察

イ 適応の判断

ウ 施術計画

エ 施術原則

オ 記録

(3) 生体観察の基礎

ア 骨の触察

の応用という観点から扱うこと。

[臨床保健理療]

1 目 標

診察に基づいて,あん摩・マッサージ・指圧施術の適否を判断し,

施術を適切に行う能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 臨床保健理療の基礎

ア 臨床保健理療の意義と役割

イ 施術対象者の心理と施術者の対応

(2) 東洋医学における診断,治療の原則

ア 診察 イ 施術計画 ウ 施術原則 エ 記録

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Ⅱ - 54

イ 筋の触察

ウ 関節の触察

エ 神経,血管の触察

(4) 健康と保健理療施術

ア 健康観と疾病観

イ 健康の保持増進のための保健理療施術

ウ 生活習慣病予防のための保健理療施術

エ その他の健康療法

(5) 主な症状の保健理療施術

ア 頭痛

イ 肩こり

ウ 肩関節痛

エ 頸けい

肩腕痛

オ 腰痛

カ 腰下肢痛

キ 膝ひざ

ク 高血圧と低血圧

ケ 心身の疲労

コ その他の症状

(6) 主な疾患の保健理療施術

ア 運動器系疾患

イ 神経系疾患

ウ 呼吸器系疾患

エ 血液・循環器系疾患

オ 消化器系疾患

カ 泌尿・生殖器系疾患

キ 内分泌系・代謝疾患

ク 感染症

ケ その他の疾患

(7) 高齢者に対する保健理療施術

(3) 健康とあん摩・マッサージ・指圧施術

ア 健康観と疾病観

イ 健康の保持増進のためのあん摩・マッサージ・指圧施術

ウ 生活習慣病予防のためのあん摩・マッサージ・指圧施術

エ その他の健康療法

(4) 主な症状のあん摩・マッサージ・指圧施術

ア 頭痛 イ 肩こり ウ 肩関節痛 エ 頸けい

肩腕

オ 腰痛 カ 腰下肢痛 キ 膝しつ

痛 ク 高血圧と

低血圧

ケ 筋疲労 コ その他の症状

(5) 主な疾患のあん摩・マッサージ・指圧施術

ア 筋筋膜炎,腱鞘けんしよう

炎 イ 捻挫ねんざ

,脱だつ

臼きゆう

,骨折

ウ 関節リウマチ エ 片麻痺ひ

オ その他の疾患

(6) 高齢者に対するあん摩・マッサージ・指圧施術

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Ⅱ - 55

ア 高齢者の心身機能の特徴

イ 高齢者の主な症状に対する保健理療施術

ウ 要支援・要介護高齢者に対する保健理療施術

(8) スポーツ領域における保健理療施術

ア スポーツ障害・外傷の一般

イ スポーツ障害・外傷の予防と管理

ウ 主なスポーツ障害・外傷の保健理療施術

(9) 産業衛生における保健理療施術

ア 仕事と健康

イ 事業所におけるあん摩マッサージ指圧師の業務と役割

ウ 主な職業起因性症状の保健理療施術

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 東洋医学と現代医学の知識と技術を総合した臨床概念が養わ

れるよう内容相互の関連に留意して指導すること。

イ 指導に当たっては,「保健理療基礎実習」における実技実習

との関連を考慮すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,施術対象者との信頼関係

を確立する上で必要な臨床心理の基礎及び面接技法の基本を

理解できるよう取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(4)については,東洋医学における未病の考え

方を踏まえて取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(4)から(7)までについては,疾患ごとにその

症状の機序や経過について,病態生理学と関連付けながら扱う

とともに,施術の適応の判断ができるよう指導すること。

エ 〔指導項目〕の(5)及び(6)については,「生活と疾病」で取

ア 高齢者の心身機能の特徴

イ 高齢者の主な症状に対するあん摩・マッサージ・指圧施術

ウ 要介護・要支援高齢者に対するあん摩・マッサージ・指圧施

(7) スポーツ領域におけるあん摩・マッサージ・指圧施術

ア スポーツ障害・外傷の一般

イ スポーツ障害・外傷の予防と管理

ウ 主なスポーツ障害・外傷のあん摩・マッサージ・指圧施術

(8) 産業衛生におけるあん摩・マッサージ・指圧施術

ア 仕事と健康

イ 事業所内あん摩・マッサージ・指圧従事者の業務と役割

ウ 主な職業起因性症状のあん摩・マッサージ・指圧施術

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 東洋医学と現代医学の知識と技術を総合した臨床概念が養わ

れるよう内容相互の関連に留意して指導すること。

イ 指導に当たっては,「保健理療基礎実習」における実技実習

との関連を考慮すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)のイについては,施術対象者との信頼関係を確立す

る上で必要な臨床心理の基礎及び面接技法の基本を理解できる

よう扱うこと。

イ 内容の(3)については,東洋医学における未病の考え方を踏ま

えて扱うこと。

ウ 内容の(4)及び(5)については,「生活と疾病」で取り上げる

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Ⅱ - 56

り上げる症状や疾患と関連付けて指導するとともに,健康指導

,生活指導及び応急処置の方法も含めて指導すること。

オ 〔指導項目〕の(7)のウについては,特に,脳卒中モデル及び

廃用症候群モデルのケアについて取り扱うこと。

カ 〔指導項目〕の(8)のウについては,応急処置及びテーピング

の基本について取り扱うこと。

〔地域保健理療と保健理療経営〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,地域保健理療及び保健理療経

営に関する実践的・体験的な学習活動を通して,施術を行うために

必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 地域保健理療及び保健理療経営について体系的・系統的に理解

するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 地域保健理療及び保健理療経営に関する課題を発見し,あん摩

マッサージ指圧師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的

に解決する力を養う。

(3) 地域保健理療及び保健理療経営について,地域や社会を支える

あん摩マッサージ指圧師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な

施術に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 少子高齢社会と社会保障

ア 少子高齢化の現状と動向

イ 医療保障と介護保障の現状と課題

(2) 地域社会と保健理療

ア 地域医療の沿革

イ 地域保健理療の概念

症状や疾患と関連付けて指導するとともに,健康指導,生活指

導及び応急処置の方法の概要も含めて扱うこと。

エ 内容の(6)のウについては,特に,脳卒中モデル及び廃用症候

群モデルのケアについて扱うこと。

オ 内容の(7)のウについては,テーピングの基本についても扱う

こと。

[地域保健理療と保健理療経営]

1 目 標

現代社会におけるあん摩・マッサージ・指圧の役割及び高齢社会

における医療と福祉の在り方を理解させるとともに,保健理療経営

の実際的な知識を習得させる。

2 内 容

(1) 保健理療と社会

ア あん摩・マッサージ・指圧の業務と開業

イ あん摩・マッサージ・指圧と医療・福祉制度

ウ 諸外国における徒手による施術

(2) 高齢社会の現状と課題

ア 高齢社会の現状と課題への対応

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Ⅱ - 57

ウ 地域社会の医療と介護

(3) 地域保健理療の業務と社会保険

ア 保健理療業務と療養費

イ 保健理療業務と診療報酬

ウ 保健理療業務と介護報酬

(4) 保健理療と経営

ア 経営の一般

イ 施術所の開設準備

ウ 障害者雇用と助成金制度

エ 経営の管理と運営

オ 経営の展開と実際

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「医療と社会」との関連に留意するとと

もに,地域社会における保健理療の役割と意義を理解できるよ

うにすること。

イ 〔指導項目〕の(3)については,制度に関する基本的な考え方

や法令遵守についても指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,最新の統計や資料を踏ま

えて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(4)については,経営の実際の基本的な事項を

取り扱うこと。

〔保健理療基礎実習〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,臨床の基礎に関する実践的・

イ 高齢者介護と社会保障制度

(3) あん摩・マッサージ・指圧と経営

ア 経営の一般 イ 施術所の開設準備と諸制度

ウ 経営の管理と運営 エ 経営の展開と実際

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,「医療と社会」との関連に留意するとと

もに,体験的な学習や問題解決的な学習を取り入れるよう配慮

すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)のウについては,諸外国における徒手による施術や

それに関連する制度の現状を紹介し,保健理療の発展の可能性

を考察できるようにすること。

イ 内容の(3)については,経営の実際の基本的な事項を扱うこ

と。

[保健理療基礎実習]

1 目 標

あん摩・マッサージ・指圧に関する実際的な知識と基礎的な技術

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Ⅱ - 58

体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を

次のとおり育成することを目指す。

(1) 臨床の基礎について体系的・系統的に理解するとともに,関連

する基礎的な技術を身に付けるようにする。

(2) 臨床の基礎に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師と

しての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う

(3) 臨床の基礎について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指

圧師を目指して自ら学び,適切かつ効果的な施術に主体的かつ協

働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 施術に必要な衛生と安全管理

ア 施術室の管理

イ 施術者の衛生保持

ウ リスク管理

(2) あん摩・マッサージ・指圧基礎実技実習

ア あん摩の基本手技と身体各部の施術

イ マッサージの基本手技と身体各部の施術

ウ 指圧の基本手技と身体各部の施術

(3) 保健理療応用実技実習

ア 医療面接実習

イ 評価と理学的検査の実際

ウ 運動療法の応用

エ 物理療法の応用

(4) 保健理療総合実技実習

ア 総合実技の基礎

イ 主要症状・疾患に対する総合実技実習

を習得させ,施術を適切かつ効果的に行う能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) あん摩・マッサージ・指圧施術への導入

ア 施術室の管理と清潔保持の実際 イ 施術上の注意

(2) あん摩・マッサージ・指圧基礎実技実習

ア あん摩の基本手技と身体各部の施術

イ マッサージの基本手技と身体各部の施術

ウ 指圧の基本手技と身体各部の施術

(3) あん摩・マッサージ・指圧応用実技実習

ア 評価と理学的検査の実際 イ 運動療法の応用

ウ 物理療法の応用

(4) あん摩・マッサージ・指圧総合実技実習

ア 総合実技の基礎 イ 主要症状・疾患に対する総合実技

実習

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Ⅱ - 59

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,この科目全体を通して習慣化

されるよう取り扱うこと。ウについては,施術の過誤を予防す

るための適切な安全管理ができるように取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,他の科目と関連付けながら,

基礎的な施術ができるよう指導すること。

ウ 〔指導項目〕の(3)及び(4)については,現代医学と東洋医学

の両面から,病状を総合的に把握して,実際的な施術ができる

よう指導すること。また,(3)のアについては,患者の立場に立

ち,安全な施術を行うための心構えや実践的な能力が身に付く

よう配慮すること。(4)のイについては,臨床実習前施術実技に

関する評価を行うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,消毒法や滅菌法の実際に重点

を置いて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,運動法の基本等についても取

り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(4)のイについては,臨床実習への導入として

位置付け,「臨床保健理療」の〔指導項目〕の(5)及び(6)で取

り上げる症状や疾患に対する施術の実際を取り扱うこと。

〔保健理療臨床実習〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,臨床に関する実践的・体験的

な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のと

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,「生活と疾病」,「基礎保健理療」及び

「臨床保健理療」との関連を重視し,現代医学と東洋医学の両

面から,病状を総合的に把握して,実際的な施術ができるよう

にすること。

イ 内容の(1)については,この科目全体を通して習慣化されるよ

う取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,消毒法の実際に重点を置いて扱うこ

と。

イ 内容の(2)については,運動法の基本等についても扱うこと。

ウ 内容の(3)のア及びイについては,片麻痺ひ

の評価,機能回復訓

練の基本を含めて扱うこと。

エ 内容の(4)のイについては,臨床実習への導入として位置付

け,「臨床保健理療」の内容の(4)及び(5)で取り上げる症状や

疾患に対する施術の実際を扱うこと。

[保健理療臨床実習]

1 目 標

あん摩・マッサージ・指圧に関する知識と技術を総合的に習得さ

せ,施術を適切かつ効果的に行う実践的能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 60

おり育成することを目指す。

(1) 臨床について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技

術を身に付けるようにする。

(2) 臨床に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師としての

職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 臨床について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指圧師を

目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術に主体的かつ協働的に

取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 校内実習

ア 施術者と施術対象

イ 施術の実際

ウ カルテの記載と管理

エ 症例検討

(2) 校外実習

ア 校外実習の意義

イ 校外実習の実際

ウ 経営実習の実際

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,治療技術的な側面のみならず,インフォ

ームド・コンセントや患者の秘密保持,カルテ等の適切な管理

方法など,あん摩マッサージ指圧師としての倫理観や職業観を

培うことに配慮すること。

2 内 容

(1) 校内実習

ア 施術者と施術対象 イ 施術の実際

ウ カルテの記載と管理 エ 症例検討

オ 模擬患者との面接実習

(2) 校外実習

ア 校外実習の目的 イ 校外実習の実際 ウ 経営の

実際

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,治療技術的な側面のみならず,インフォ

ームド・コンセントや患者の秘密保持,カルテ等の適切な管理

方法などあん摩・マッサージ・指圧従事者としての倫理観や職

業観を培うことに配慮すること。また,模擬患者との面接実習

については,患者の立場に立った施術を行うための心構えや実

践的な能力が身に付くように配慮すること。

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Ⅱ - 61

イ 地域の保健・医療・福祉機関との連携を図りながら,実際的

に理解できるように指導すること。

ウ 校内実習と校外実習の履修学年や授業時数の配当については

,生徒の実態や実習・見学施設の状況等により弾力的に取り扱

うこと。

エ 〔指導項目〕の(2)については,保健理療の実践に適した施設

等を選定し,当該施設等との十分な連絡調整を図ること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,生徒の臨床実習の習熟の程度

に応じて適切な症例を選択するとともに,きめ細かな指導を行

うことができるよう指導体制等に配慮すること。エについては

,病態の把握,適応の判断,施術法や施術効果の検討,リスク

の検討などを取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,多様な保健理療関連業務

を理解するための施設見学や生徒の進路希望に対応した実習

ができるように計画すること。ウについては,施術所経営に関

する実際的な基礎的な知識が養われるように,臨床経験の豊富

な者の話や施術所見学,模擬経営実習などを通して,保険の取

扱いの実際を含めて具体的に指導すること。

〔保健理療情報〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,保健理療情報に関する実践的

・体験的な学習活動を行うことなどを通して,施術を行うために必

要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 保健理療情報について体系的・系統的に理解するとともに,関

連する技術を身に付けるようにする。

(2) 保健理療情報に関する基本的な課題を発見し,あん摩・マッサ

イ 地域の保健・医療・福祉機関との連携を図りながら,実際的

に理解できるように指導すること。

ウ 校内実習と校外実習の履修学年や授業時数の配当について

は,生徒の実態や実習・見学施設の状況等により弾力的に取り

扱うこと。

エ 内容の(2)については,あん摩・マッサージ・指圧の実践に適

した施設等を選定し,当該施設等との十分な連絡調整を図るこ

と。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,生徒の臨床実習の習熟の程度に応じて

適切な症例を選択するとともに,きめ細かな指導を行うことが

できるよう指導体制等に配慮すること。

イ 内容の(2)のイについては,多様なあん摩・マッサージ・指圧

関連業務を理解するための施設見学や生徒の進路希望に対応し

た実習ができるように計画すること。ウについては,施術所経

営に関する実際的な基礎的知識が養われるように,臨床経験の

豊富な人の話や施術所見学,模擬経営実習などを通して,具体

的に指導すること。

[保健理療情報活用]

1 目 標

社会における情報化の進展と情報の意義や役割を理解させるとと

もに,情報の活用に関する知識と技術を習得させ,保健理療の分野

で情報及び情報手段を主体的に活用する能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 62

ージ・指圧師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解

決する力を養う。

(3) 保健理療情報について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ

指圧師を目指して自ら学び,人々の健康の保持増進及び疾病の治

療に関する課題解決に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 情報社会の倫理と責任

ア 情報社会の特徴

イ 情報社会の倫理

ウ 情報を扱う個人の責任

(2) 保健理療における情報の活用と管理

ア 保健医療福祉分野の情報

イ 情報システムの特徴

ウ 情報の活用

エ 情報の管理

(3) 保健理療における課題解決

ア 課題に応じた情報収集

イ 情報分析と解決方法

ウ 情報の発信方法

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 多様な題材やデータを取り上げ,情報技術の進展に応じた演

習などを通して,生徒が情報及び情報ネットワークを適切に活

用できるよう,情報の信頼性を判断する能力及び情報モラルを

育成すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

2 内 容

(1) 情報機器と情報の活用

ア 生活と情報の活用 イ 情報機器の活用分野

ウ 情報通信ネットワーク

(2) 情報モラルとセキュリティ

ア 情報の価値とモラル イ 情報のセキュリティ管理

(3) 保健理療と情報機器の活用

ア 保健理療における情報機器活用の目的と意義

イ 個人情報の管理 ウ 保健理療の現場における情報シス

テム

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 保健理療に関する題材やデータなどを用いた実習を通して,

保健理療の分野において情報を主体的に活用できるように指導

すること。また,他の保健理療に関する各科目と関連付けて指

導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

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Ⅱ - 63

ア 〔指導項目〕の(1)については,個人のプライバシーや著作権

を含む知的財産の保護,個人における情報の管理や発信に関す

る責任について,法令と関連付けて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,保健医療福祉関係者で共有す

る情報通信ネットワークの特徴と活用について,地域の実例な

どを取り扱うこと。また,業務における情報セキュリティの重

要性について法令と関連付けて取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,生徒が主体的に課題を設定し

て,情報を集め分析し,課題の解決に向けてモデル化,シミュ

レーション,プログラミングなどを行い,情報デザインなどを

踏まえた発信方法を考え,協議する演習などを行うこと。

〔課題研究〕

1 目 標

保健理療の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を

行うことなどを通して,地域や社会の保健医療福祉を支え,人々の

健康の保持増進を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり

育成することを目指す。

(1) 保健理療について体系的・系統的に理解するとともに,相互に

関連付けられた技術を身に付けるようにする。

(2) 保健理療に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師とし

て解決策を探究し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決する力

を養う。

(3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,適切かつ合理的

ア 内容の(1)については,情報化の進展が生活や社会に及ぼす影

響,情報の意義や役割及び情報機器の活用分野の概要を扱うと

ともに,情報通信ネットワークを活用した情報の収集,処理,

分析及び発信について体験的に扱うこと。また,ネット犯罪な

ど利用上のリスクについても触れること。

イ 内容の(2)については,個人のプライバシーや著作権など知的

財産の保護,収集した情報の管理,発信する情報に対する責任

など情報モラル及び情報通信ネットワークシステムにおけるセ

キュリティ管理の重要性について扱うこと。

ウ 内容の(3)については,保健理療の現場における情報の意義や

役割,コンピュータや医療用電子機器の活用の概要について扱

うこと。アについては,医療用電子機器など測定機器の使用に

ついて扱うこと。イについては,保健理療の現場における個人

情報の管理の実際と重要性について扱うこと。ウについては,

保健理療援助を適切に行うための情報システムの活用を具体的

に扱うこと。

[課題研究]

1 目 標

保健理療に関する課題を設定し,その課題の解決を図る学習を通

して,専門的な知識と技術の深化,総合化を図るとともに,問題解

決の能力や自発的,創造的な学習態度を育てる。

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Ⅱ - 64

な施術に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 調査,研究,実験

(2) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,〔指導項目〕の(1)

及び(2)から,個人又はグループで保健理療に関する適切な課

題を設定し,主体的かつ協働的に取り組む学習活動を通して,

専門的な知識,技術などの深化・総合化を図り,保健理療に関

する課題の解決に取り組むことができるようにすること。なお

,課題については,(1)及び(2)にまたがるものを設定すること

ができること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにするこ

と。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,

実際的,具体的に理解させるようにすること。

(2) 実技や実習を伴う科目の指導に当たっては,臨床に応用する力

を育むため,生徒が常に達成感と新たな技術の習得への意欲をも

って学習できるように,指導内容の構成や指導方法の工夫に留意

すること。

(3) 各科目の指導に当たっては,施術の対象となる代表的な疾患や

愁訴に対する施術の適応を判断し確実に施術ができるようにする

2 内 容

(1) 調査,研究,実験

(2) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,内容の(1)及び(2)

の中から個人又はグループで適切な課題を設定させること。な

お,課題は内容の(1)及び(2)にまたがる課題を設定することが

できること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めるこ

と。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,

実際的,具体的に理解させるようにすること。

(2) 「保健理療基礎実習」及び「保健理療臨床実習」の指導に当た

っては,生徒が常に達成感と新たな技術習得への意欲をもって学

習できるように,指導内容の構成や指導方法の工夫に十分留意す

ること。

(3) 「課題研究」については,年間指導計画に定めるところに従い,

必要に応じて弾力的に授業時間を配当することができること。

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Ⅱ - 65

ため,個々の生徒の実態に応じた指導計画の作成に配慮すること

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 単元などの内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資

質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実

現を図るようにすること。その際,保健理療の見方・考え方を働

かせ,健康に関する事象を,当事者の考えや状況,保健理療が生

活に与える影響に着目して捉え,当事者による自己管理を目指し

て,適切かつ効果的な保健理療を関連付ける実践的・体験的な学

習活動の充実を図ること。

(2) 「保健理療基礎実習」及び「保健理療臨床実習」については,

対象となる者の人格を尊重する態度を育てるとともに,実習にお

ける安全と規律に留意すること。

(3) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワ

ーク等の活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。

(4) 地域や保健理療に関する施術所,医療機関,介護保険施設等と

の連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動を積極的

に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工

夫に努めること。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設

備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故

防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。

(4) 臨床実習の指導に当たっては,あん摩・マッサージ・指圧施術

の対象となる代表的な症状や疾患について確実に施術ができるよ

うにするため,個々の生徒の実態に応じた指導計画の作成に配慮

すること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 「保健理療基礎実習」及び「保健理療臨床実習」については,

対象となる人々の人格を尊重する態度を育てるとともに,実習に

おける安全と規律に留意すること。

(2) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワ

ーク等の活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。

(3) 地域やあん摩・マッサージ・指圧に関する施術所等との連携・

交流を通じた実践的な学習活動や就業体験を積極的に取り入れる

とともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めるこ

と。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設

備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故

防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。

第4款 理 療

第1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこと

などを通して,あん摩・マッサージ・指圧,はり及びきゅうを通じ,地域

第4款 理 療

第1 目 標

はり,きゅう,あん摩・マッサージ・指圧に関する基礎的・基本的な知

識と技術を習得させ,理療の本質と社会的な意義を理解させるとともに,

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Ⅱ - 66

や社会の保健・医療・福祉を支え,人々の健康の保持増進及び疾病の治療

に寄与する職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを

目指す。

(1) あん摩・マッサージ・指圧,はり及びきゅうについて体系的・系

統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) あん摩・マッサージ・指圧,はり及びきゅうに関する課題を発見

し,職業人に求められる倫理観を踏まえ合理的かつ創造的に解決す

る力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を

目指して自ら学び,人々の健康の保持増進及び疾病の治療に主体的

かつ協働的に寄与する態度を養う。

第2 各 科 目

〔医療と社会〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,医療と社会の関わりに関する実践

的・体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能

力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 施術を行うために必要な医療と社会の関わりについて体系的・

系統的に理解するようにする。

(2) 医療と社会の関わりに関する課題を発見し,あん摩マッサージ

指圧師,はり師及びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理的

かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 医療と社会の関わりについて,地域や社会を支えるあん摩マッ

サージ指圧師,はり師及びきゅう師を目指して自ら学び,適切か

つ合理的な施術に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

国民の健康の保持増進及び疾病の治療に寄与する能力と態度を育てる。

第2 各科目

[医療と社会]

1 目 標

医学,医療及び理療の歴史,医療制度と関係法規に関する基礎的

な知識を習得させるとともに,理療従事者の倫理について理解させ,

施術者として必要な能力と態度を育てる。

2 内 容

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Ⅱ - 67

(1) 医学,医療及び理療の歴史

ア 西洋,中国,韓国等における医学,医療の歴史

イ 日本における医学,医療及び理療の歴史

(2) 社会保障制度の概要

ア 医学の分野

イ 社会保障の概念

ウ 社会保険制度の概要

エ 障害者福祉・精神保健医療福祉制度の概要

オ 医療行政

(3) 理療の現状と課題

ア 理療の概念

イ 医療提供体制と地域包括ケアシステム

ウ 理療業務の現状と課題

エ 諸外国の理療

(4) あん摩マツサージ指圧師,はり師,きゆう師等に関する法律

ア 法令の沿革

イ 法令の主な内容

(5) 関係法規の概要

ア 医事関係法規

イ その他の関係法規

(6) あん摩マッサージ指圧師,はり師及びきゅう師の倫理

ア 医療従事者の倫理

イ 理療業務と倫理

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,理療の医療における位置付けについて,

十分理解を促すよう,理療以外の他の医学の歴史や現状,諸外

国における理療の現状などを踏まえて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2),(3)及び(6)については,「地域理療と理

(1) 医学,医療及び理療の歴史

ア 西洋における医学,医療

イ 日本,中国,韓国等における医学,医療

(2) 医療制度の現状と課題

ア 医学の分野 イ 医療と社会 ウ 医療従事者

エ 医療機関 オ 医療行政

(3) 理療の現状と課題

ア 現代の東洋医学 イ 理療の概念 ウ 諸外国の理

エ 理療の課題

(5) あん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師等に関する法律

ア 法令の沿革 イ 法令の主な内容

(6) 関係法規の概要

ア 医事関係法規 イ その他の関係法規

(4) 理療従事者の倫理

ア 医療と倫理 イ 理療と倫理

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,理療の医療における位置付けについて,

十分理解を促すよう,理療以外の他の医学の歴史や現状,諸外

国における理療の現状などを踏まえて取り扱うこと。

イ 内容の(3)及び(4)については,「地域理療と理療経営」との

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Ⅱ - 68

療経営」との関連を考慮して指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,理療の近現代史に重点を

置くこと。

イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,少子高齢化が進む我が国

の社会の課題や展望について扱うこと。ウについては,医療保

険(療養費を含む。),介護保険及び主な公費負担医療を中心

に制度の概要を取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,地域医療や労働衛生にお

けるプライマリ・ケアの重要性と関連付けながら,現代社会に

おける理療の役割と意義を取り扱うこと。イについては,医療

機関の種類並びに医療従事者の資格,免許及び業務範囲を取り

扱うとともに,地域包括ケアシステムにおける多職種間連携の

意義を取り扱うこと。ウについては,理療業務の現状と課題に

ついて,関連する統計や資料を踏まえながら,療養費を適切に

扱うための基礎的な知識が身に付くよう指導すること。

エ 〔指導項目〕の(5)のアについては,医療法,医師法等の概要

を取り扱うこと。イについては,高齢者の医療の確保に関する

法」,介護保険法等の概要を取り扱うこと。

オ 〔指導項目〕の(6)については,あん摩マッサージ指圧師,は

り師及びきゅう師としての心構えや倫理観,患者の権利,法令

遵守義務,コミュニケーション能力等について,十分な理解を

促すよう具体的に指導すること。

〔人体の構造と機能〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,人体の構造と機能に関する実践的

・体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力

関連を考慮して指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(2)については,基礎医学,臨床医学等について,身近

な事例を取り上げながら,現代の医療制度の現状とその当面す

る課題を具体的に理解できるようにすること。

イ 内容の(3)のアについては,湯液,鍼灸しんきゆう

,あん摩・マッサー

ジ・指圧等の現代における意義と役割を扱うこと。特に,代替

医療が注目されていることと理療の果たす役割についても理解

できるようにすること。

ウ 内容の(3)のウについては,鍼灸しんきゆう

,あん摩・マッサージ・指圧

のアジアを中心とした諸外国における現状も取り扱い,日本に

おける理療の役割について理解を促すよう具体的に指導するこ

と。

エ 内容の(4)については,国民の健康の保持増進及び疾病の治療

に寄与する観点から,理療従事者の心構えや倫理観,患者の権

利,守秘義務等について,十分な理解を促すよう具体的に指導

すること。

オ 内容の(6)のアについては,「医療法」,「医師法」等の概要

を,イについては,「高齢者の医療の確保に関する法律」,「介

護保険法」等の概要を扱うこと。

[人体の構造と機能]

1 目 標

理療に必要な人体諸器官の形態と構造及び機能を相互に関連付け

て理解させ,これを施術に応用する能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 69

を次のとおり育成することを目指す。

(1) 施術を行うために必要な人体の構造と機能について体系的・系

統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする

(2) 人体の構造と機能に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指

圧師,はり師及びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理的か

つ創造的に解決する力を養う。

(3) 人体の構造と機能について,地域や社会を支えるあん摩マッサ

ージ指圧師,はり師及びきゅう師を目指して自ら学び,適切かつ

合理的な施術に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 解剖生理学の基礎

ア 解剖生理学の意義

イ 人体の体表区分

ウ 細胞

エ 人体の発生

オ 組織

カ 器官と器官系

(2) 系統別構造と機能

ア 運動器系

イ 消化器系

ウ 呼吸器系

エ 泌尿・生殖器系

オ 内分泌系と代謝

カ 循環器系

キ 神経系

ク 感覚器系

2 内 容

(1) 解剖学の基礎

ア 人体の構成 イ 細胞 ウ 組織 エ 器官と

器官系

オ 人体の発生

(2) 人体の系統別構造及び生体の観察

ア 運動器系 イ 消化器系 ウ 呼吸器系

エ 泌尿・生殖器系 オ 内分泌系 カ 循環器系

キ 神経系 ク 感覚器系 ケ 主な部位の局所解剖

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Ⅱ - 70

(3) 生体機能の協調

ア 全身的協調

イ 生体の防御機構

(4) 運動学

ア 運動学の基礎

イ 各関節の構造と機能

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,人体の構造と機能についての理解が知識

に偏ることがないよう,実験・実習を取り入れるようにするこ

と。

イ 〔指導項目〕の(2)については,標本,模型などを有効に活用

して,指導の効果を高めるように配慮すること。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,「疾病の成り立ちと予防」と

の関連を考慮して指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(2)については,施術と関連の深いア及びキに

重点を置いて指導すること。

イ 〔指導項目〕の(4)のイについては,肩関節,肘関節,手関節

,股関節,膝関節,足関節の各構造と機能を中心に取り扱うこ

と。

〔疾病の成り立ちと予防〕

1 目 標

(3) 生理学の基礎

ア 生理機能の概要 イ 生体の物理化学的基礎

ウ 細胞の興奮性

(4) 人体の機能

ア 筋肉の働き イ 循環と呼吸 ウ 消化と吸収

エ 排泄せつ

オ 代謝と体温 カ 内分泌 キ 生殖

と成長

ク 神経の働き ケ 感覚

(5) 生体機能の協調

ア 身体の運動 イ 全身的協調 ウ 生体の防御機構

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,人体についての理解が,知識に偏ること

がないよう実験・実習を取り入れるようにすること。

イ 内容の(2)については,標本,模型などを有効に活用して,指

導の効果を高めるよう配慮すること。

ウ 内容の(5)については,「疾病の成り立ちと予防」との関連を

考慮して扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(2)については,理療施術と関連の深いア,カ及びキに

重点を置いて扱うこと。ケについては,理療施術と関連の深い

部位を中心に指導すること。特に,リスク管理の上で必要な部

位に重点を置いて扱うこと。

[疾病の成り立ちと予防]

1 目 標

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Ⅱ - 71

理療の見方・考え方を働かせ,疾病の成り立ちと予防に関する実

践的・体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・

能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 施術を行うために必要な疾病の成り立ちと予防について体系的

・系統的に理解するようにする。

(2) 疾病の成り立ちと予防に関する課題を発見し,あん摩マッサー

ジ指圧師,はり師及びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理

的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 疾病の成り立ちと予防について,地域や社会を支えるあん摩マ

ッサージ指圧師,はり師及びきゅう師を目指して自ら学び,適切

かつ合理的な施術に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 衛生学・公衆衛生学の概要

ア 衛生学・公衆衛生学の意義

イ 衛生学・公衆衛生学の歴史

(2) 健康の保持増進と生活

ア 健康の概念

イ 生活習慣と健康

ウ ストレスと健康

(3) 生活習慣病

ア 生活習慣病の概念

イ 生活習慣病の発生要因

ウ 生活習慣病の予防対策

(4) 生活環境と公害

ア 環境と健康

イ 地域の環境衛生

ウ 公害

健康の保持増進,疾病の成り立ちと予防に関する基礎的な知識を

習得させ,これを施術に応用する能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 衛生学・公衆衛生学の概要

ア 衛生学・公衆衛生学の意義 イ 衛生学・公衆衛生学の

歴史

(2) 健康の保持増進と生活

ア 健康の概念 イ 健康の管理 ウ 食生活と健康

(5) 生活習慣病

ア 生活習慣病の概念 イ 生活習慣病の発生要因

ウ 生活習慣病の予防対策

(3) 生活環境と公害

ア 環境と健康 イ 地域の環境衛生 ウ 衣服と住居

エ 公害

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Ⅱ - 72

(5) 感染症

ア 感染症の概念

イ 感染症の発生要因

ウ 感染症の予防対策

(6) 消毒

ア 消毒法の一般

イ 消毒の種類と方法

ウ 消毒法の応用

(7) 疫学と衛生統計

ア 疫学の基礎

イ 衛生統計の基礎

ウ 主な衛生統計

(8) 産業衛生,精神衛生及び母子衛生

ア 産業衛生

イ 精神衛生

ウ 母子衛生

(9) 疾病の一般

ア 疾病の概念

イ 疾病の分類

ウ 疾病と症状

エ 疾病の経過,予後及び転帰

(10) 疾病の原因

ア 病因の意義

イ 病因の分類

ウ 加齢と老化

(11) 各病変の大要

ア 循環障害

イ 退行性病変

ウ 進行性病変

エ 炎症

(6)感染症対策

ア 感染症の概念 イ 感染症の発生要因

ウ 感染症の予防対策

(7) 消毒

ア 消毒法の一般 イ 消毒の種類と方法

ウ 消毒法の応用

(8) 疫学

ア 疫学の意義 イ 疫学の現状

(9) 衛生統計

ア 衛生統計の一般 イ 主な衛生統計

(4) 産業衛生,精神衛生及び母子衛生

ア 産業衛生 イ 精神衛生 ウ 母子衛生

(10) 疾病の一般

ア 疾病の概念 イ 疾病の分類 ウ 疾病と症状

エ 疾病の経過,予後及び転帰

(11) 疾病の原因

ア 病因の意義 イ 病因の分類 ウ 加齢と老化

(12) 各病変の大要

ア 循環障害 イ 退行性病変 ウ 進行性病変

エ 炎症 オ 腫瘍しゆよう

カ 免疫の異常とアレルギー

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Ⅱ - 73

オ 腫瘍しゅよう

カ 免疫の異常とアレルギー

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(6)については,「理療基礎実習」及び「理療

臨床実習」との関連を図りながら,実践的に取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(9)から(11)までについては,疾患や愁訴に対

する病態機序の理解と,施術の適応の判断に関する基礎的な能

力が身に付くよう指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(2)については,特に生活習慣病と関連付けて

取り扱うこと。ウについては,産業衛生と関連付けて取り扱う

こと。

イ 〔指導項目〕の(4)及び(5)については,最新の情報に配慮し

ながら,代表的な疾患を取り上げ,発生因子の回避に重点を置

いて取り扱うこと。ウについては,免疫学についても取り扱う

こと。

ウ 〔指導項目〕の(8)のウについては,理療業務と関係の深い統

計等について取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(9)については,半健康状態及び東洋医学の未

病の概念を取り入れながら指導すること。

〔生活と疾病〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,疾病と日常生活の関わりに関する

実践的・体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質

・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 施術を行うために必要な疾病と日常生活の関わりについて体系

的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるよう

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 内容の(7)については,「理療基礎実習」及び「理療臨床実習」

との関連を図りながら,実践的に扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(2)については,特に,生活習慣病と関連付けて扱うこ

と。

イ 内容の(5)及び(6)については,代表的な疾患を取り上げ,そ

の発生に関する危険因子からの回避に重点を置いて扱うこと。

また,生活習慣病や感染症に関する最新の情報も扱うこと。

ウ 内容の(6)のウについては,免疫学についても扱うこと。

エ 内容の(10)については,半健康状態及び東洋医学の未病の概

念を取り入れながら指導すること。

[生活と疾病]

1 目 標

臨床医学やリハビリテーションに関する基礎的な知識を習得させ

るとともに,疾病と日常生活とのかかわりを理解させ,施術を適切

に行う能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 74

にする。

(2) 疾病と日常生活の関わりに関する課題を発見し,あん摩マッサ

ージ指圧師,はり師及びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合

理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 疾病と日常生活の関わりについて,地域や社会を支えるあん摩

マッサージ指圧師,はり師及びきゅう師を目指して自ら学び,適

切かつ合理的な施術に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 診察法

ア 診察の意義

イ 診察法の種類

ウ 臨床検査の概要

(2) 主な症状の診察法

ア 頭痛

イ 肩こり

ウ 肩関節痛

エ 頸けい

肩腕痛

オ 腰痛

カ 腰下肢痛

キ 膝ひざ

ク 高血圧と低血圧

ケ 心身の疲労

コ その他の症状

(3) 治療法

ア 治療法の基礎

イ 治療法の実際

(4) 臨床心理

2 内 容

(1) 診察法

ア 診断の意義 イ 診察法の基礎 ウ 検査法

(2) 主な症状の診察法

ア 頭痛 イ 肩こり ウ 肩関節痛

エ 頸けい

肩腕痛 オ 腰痛 カ 腰下肢痛

キ 膝しつ

痛 ク 高血圧と低血圧

ケ 筋疲労 コ その他の症状

(3) 治療法

ア 治療法の基礎 イ 治療法の実際

(4) 臨床心理

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Ⅱ - 75

ア 臨床心理の一般

イ 心理療法の概要

(5) 系統別疾患の概要

ア 運動器系疾患

イ 神経系疾患

ウ 呼吸器系疾患

エ 血液・循環器系疾患

オ 消化器系疾患

カ 泌尿・生殖器系疾患

キ 内分泌系・代謝疾患及びビタミン欠乏症

ク 感染症

ケ その他の疾患

(6) リハビリテーションの一般

ア リハビリテーションの概念と歴史

イ 医学的リハビリテーションとリハビリテーション医学

ウ 診察,評価,治療計画と記録

(7) 主な疾患のリハビリテーション

ア 運動器系疾患

イ 神経系疾患

ウ 呼吸器系疾患

エ 血液・循環器系疾患

(8) 機能訓練の概要

ア 関節可動域訓練

イ 筋力強化訓練

ウ 日常生活動作訓練

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,予防医学,治療医学及びリハビリテーシ

ョン医学という現代医学の体系に配慮すること。

ア 臨床心理の一般 イ 心理療法の概要

(5) 系統別疾患

ア 運動器疾患 イ 神経系疾患 ウ 呼吸器疾患

エ 血液・循環器疾患 オ 消化器疾患

カ 内分泌・代謝疾患及びビタミン欠乏症

キ 泌尿・生殖器疾患

ク 感染症 ケ その他の疾患

(6) リハビリテーションの一般

ア リハビリテーションの概念と歴史

イ 医学的リハビリテーションとリハビリテーション医学

ウ 診察,評価,治療計画と記録 エ 運動学の基礎

(7) 主な疾患のリハビリテーション

ア 整形外科疾患 イ 関節リウマチ ウ 片麻痺ひ

エ 脳性麻痺ひ

オ 脊せき

髄損傷

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,予防医学,治療医学,リハビリテーショ

ン医学という現代医学の体系を踏まえて取り扱うこと。

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Ⅱ - 76

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,理療と直接関わりの深い事項

に重点を置き,実習及び「臨床理療学」との関連を考慮して指

導すること。ウについては,医学的な知識として,検査方法や

データの意味等を取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,各症状の病態生理と鑑別診断

取りを扱い,施術の適応の判断に生かせるよう指導すること。

ウ 〔指導項目〕の(3)のイについては,代表的な治療法と適応疾

患を中心に取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(5)については,現代医学の立場から各疾患の

原因,症状及び治療法を中心に指導すること。なお,各症状に

対する治療については,施術の有効性との関連を考慮し,理療

と直接関わりの深い事項に重点を置くとともに,「臨床理療学

」と関連付けて取り扱うこと。

オ 〔指導項目〕の(6)については,チーム医療としてのリハビリ

テーションの過程を,症例紹介やリハビリテーション施設の見

学等を取り入れて指導すること。

カ 〔指導項目〕の(7)については,地域医療や在宅ケアの実情を

考慮し,理療と直接関わりの深いアからウまでを中心に扱うこ

と。

キ 〔指導項目〕の(8)については,介護保険施設で行われる介護

技術を含めて取り扱うこと。

〔基礎理療学〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,基礎理療学に関する実践的・体験

的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,理療と直接かかわりの深い事項に重点

を置き,実習との関連を考慮して指導すること。ウについては,

医学的な知識として,検査方法やデータの意味等を理解させる

ようにすること。

イ 内容の(2)については,各症状の病態生理と鑑別診断を扱い,

理療施術を行うことの適否の判断に生かすことができるように

すること。

ウ 内容の(3)のイについては,代表的な治療法と適応疾患を中心

に扱うこと。

エ 内容の(5)については,現代医学の立場から各疾患の原因,症

状,治療法を中心に指導すること。なお,各症状に対する治療

については,理療施術の有効性との関連を考慮し,理療と直接

関わりの深い事項に重点を置くとともに,「臨床理療学」と関

連付けて扱うこと。

オ 内容の(6)については,チーム医療としてのリハビリテーショ

ンの過程を,症例紹介やリハビリテーション施設の見学等を取

り入れて指導すること。

カ 内容の(7)については,地域医療や在宅ケアの実情を考慮し,

理療と直接関わりの深いア及びウに重点を置いて扱うこと。

[基礎理療学]

1 目 標

東洋医学の概念,理療施術の意義及び治効理論について理解させ,

施術を効果的に行う能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 77

(1) 基礎理療学について体系的・系統的に理解するとともに,関連

する技術を身に付けるようにする。

(2) 基礎理療学に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師,

はり師及びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造

的に解決する力を養う。

(3) 基礎理療学について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指

圧師,はり師及びきゅう師を目指して自ら学び,適切かつ合理的

な施術に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 東洋医学の基礎

ア 東洋医学の意義と特色

イ 陰陽五行論

ウ 臓腑ふ

経絡論

エ 気血,営衛,津液

オ 病因

カ 証しょう

(2) 東洋医学の診断と治療

ア 日本の伝統医学的診断と治療

イ 現代の中医学的診断と治療

(3) 経絡と経穴

ア 臓腑ふ

経絡とその流注

イ 十四経脈の経穴

ウ その他の特定穴

(4) 経絡,経穴と現代医学

ア 経絡,経穴の現代医学的研究

イ 関連する反応点,反応帯

(5) 理療施術の概要

2 内 容

(1) 東洋医学の基礎

ア 東洋医学の意義と特色 イ 陰陽五行論

ウ 臓腑ふ

経絡論

エ 気血,営衛,津液 オ 病因 カ 証

(2) 東洋医学の診断と治療

ア 日本の伝統医学的診断と治療

イ 現代の中医学的診断と治療

(3) 経絡と経穴

ア 臓腑ふ

経絡とその流注 イ 経穴

ウ その他の特定穴

(4) 経絡,経穴と現代医学

ア 経絡,経穴の現代医学的研究

イ 関連する反応点,反応帯

(5) 理療施術の概要

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Ⅱ - 78

ア あん摩

イ マッサージ

ウ 指圧

エ はり

オ きゅう

カ 理療の臨床応用

(6) 理療施術の治効理論と関連学説

ア 刺激の伝達

イ 身体組織・器官への影響

ウ 生体反応と治効メカニズム

エ 関連学説

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,理療に関する研究の成果を踏まえて取り

扱い,理療に対する研究的な態度が培われるよう配慮すること

イ 〔指導項目〕の(1)から(4)までについては,理療施術との関

連を重視して指導すること。

ウ 〔指導項目〕の(6)については,「人体の構造と機能」との関

連を考慮して取り扱うこと。また,(4)や研究の成果を総合し,

理療臨床の観点から指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(2)のアについては,問診と切診に重点を置き

,実習を取り入れて指導すること。イについては,臓腑ふ

の生理

と病理を踏まえた治療原則と治法を中心に取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(5)については,基本手技を取り上げ,その特

徴を理解させるとともに,臨床における施術の適応の判断につ

いても指導すること。アからウまでについては,諸外国におけ

ア あん摩 イ マッサージ ウ 指圧 エ はり

オ きゅう カ 理療の臨床応用

(6) 理療施術の治効理論と関連学説

ア 刺激の伝達 イ 身体組織・器官への影響

ウ 生体反応と治効メカニズム エ 関連学説

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,理療に関する研究の成果を踏まえて取り

扱い,理療に対する研究的な態度を培うようにすること。

イ 内容の(1)から(4)までについては,理療施術との関連を重視

して扱うこと。

ウ 内容の(6)については,内容の(4)や研究の成果を総合し,理

療の臨床効果という観点から指導すること。また,「人体の構

造と機能」との関連を考慮して扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(2)のアについては,切診に重点を置き,実習を取り入

れて指導すること。

イ 内容の(5)については,基本手技を取り上げ,その特徴を理解

させるとともに,臨床において理療施術を行うことの適否につ

いても指導すること。アからウまでについては,諸外国におけ

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Ⅱ - 79

る徒手による主な施術法についても取り扱うこと。エについて

は,特殊な鍼しん

法も取り扱うこと。カについては,病態を踏まえ

アからオまでを適切に組み合わせた総合的な施術法を取り扱

うこと。

ウ 〔指導項目〕の(6)のアからウまでについては,特に,運動器

系疾患や内臓器系疾患に対する刺激の作用や生体反応の医学

的意味と臨床への応用という観点で取り扱うこと。

〔臨床理療学〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,臨床理療学に関する実践的・体験

的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 臨床理療学について体系的・系統的に理解するとともに,関連

する技術を身に付けるようにする。

(2) 臨床理療学に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師,

はり師及びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造

的に解決する力を養う。

(3) 臨床理療学について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指

圧師,はり師及びきゅう師を目指して自ら学び,適切かつ合理的

な施術に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 臨床理療学の基礎

ア 臨床理療学の意義と役割

イ 施術対象者の心理と施術者の対応

(2) 東洋医学における診断,治療の原則

ア 診察

る徒手による施術法についても扱うこと。エについては,特殊

な鍼しん

法も扱うこと。

ウ 内容の(6)のアからウまでについては,特に,運動器疾患や内

臓器疾患に対する刺激の作用や生体反応の医学的意味と臨床へ

の応用という観点から扱うこと。

[臨床理療学]

1 目 標

診察に基づいて,理療施術の適否を判断し,施術を適切に行う能

力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 臨床理療学の基礎

ア 臨床理療学の意義と役割 イ 施術対象者の心理と施術

者の対応

(2) 東洋医学における診断,治療の原則

ア 診察 イ 施術計画 ウ 施術原則 エ 記録

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Ⅱ - 80

イ 適応の判断

ウ 施術計画

エ 施術原則

オ 記録

(3) 生体観察の基礎

ア 骨の触察

イ 筋の触察

ウ 関節の触察

エ 神経,血管の触察

(4) 健康と理療施術

ア 健康観と疾病観

イ 健康の保持増進のための理療施術

ウ 生活習慣病予防のための理療施術

エ その他の健康療法

(5) 主な症状の理療施術

ア 頭痛

イ 肩こり

ウ 肩関節痛

エ 頸けい

肩腕痛

オ 腰痛

カ 腰下肢痛

キ 膝ひざ

ク 高血圧と低血圧

ケ 心身の疲労

コ その他の症状

(6) 主な疾患の理療施術

ア 運動器系疾患

イ 神経系疾患

ウ 呼吸器系疾患

エ 血液・循環器系疾患

(3) 健康と理療施術

ア 健康観と疾病観 イ 健康の保持増進のための理療施術

ウ 生活習慣病予防のための理療施術 エ その他の健康療

(4) 主な症状の理療施術

ア 頭痛 イ 肩こり ウ 肩関節痛

エ 頸けい

肩腕痛

オ 腰痛 カ 腰下肢痛 キ 膝しつ

ク 高血圧と低血圧

ケ 筋疲労 コ その他の症状

(5) 主な疾患の理療施術

ア 筋筋膜炎,腱鞘けんしよう

炎 イ 捻挫ねんざ

,脱臼きゆう

,骨折

ウ 関節リウマチ エ 片麻痺ひ

オ 末梢神経麻痺ひ

カ アレルギー疾患 キ 気管支喘ぜん

息 ク 狭心症

ケ 糖尿病 コ その他の疾患

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Ⅱ - 81

オ 消化器系疾患

カ 泌尿・生殖器系疾患

キ 内分泌系・代謝疾患

ク 感染症

ケ その他の疾患

(7) 高齢者に対する理療施術

ア 高齢者の心身機能の特徴

イ 高齢者の主な症状に対する理療施術

ウ 要支援・要介護高齢者に対する理療施術

(8) スポーツ領域における理療施術

ア スポーツ障害・外傷の一般

イ スポーツ障害・外傷の予防と管理

ウ 主なスポーツ障害・外傷の理療施術

(9) 産業衛生における理療施術

ア 仕事と健康

イ 事業所におけるあん摩マッサージ指圧師,はり師及びきゅう

師の業務と役割

ウ 主な職業起因性症状の理療施術

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 東洋医学と現代医学の知識と技術を総合した臨床概念が養わ

れるよう内容相互の関連に留意して指導すること。

イ 指導に当たっては,「理療基礎実習」における実技実習との

関連を考慮すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,施術対象者との信頼関係

を確立する上で必要な臨床心理の基礎及び面接技法の基本を

理解できるよう取り扱うこと。

(6) 高齢者に対する理療施術

ア 高齢者の心身機能の特徴

イ 高齢者の主な症状に対する理療施術

ウ 要介護・要支援高齢者に対する理療施術

(7) スポーツ領域における理療施術

ア スポーツ障害・外傷の一般

イ スポーツ障害・外傷の予防と管理

ウ 主なスポーツ障害・外傷の理療施術

(8) 産業衛生における理療施術

ア 仕事と健康 イ 事業所内理療従事者の業務と役割

ウ 主な職業起因性症状の理療施術

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 東洋医学と現代医学の知識と技術を総合した臨床概念が養わ

れるよう内容相互の関連に留意して指導すること。

イ 指導に当たっては,「理療基礎実習」における実技実習との

関連を考慮すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)のイについては,施術対象者との信頼関係を確立す

る上で必要な臨床心理の基礎及び面接技法の基本を理解できる

よう扱うこと。

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Ⅱ - 82

イ 〔指導項目〕の(4)については,東洋医学における未病の考え

方を踏まえて取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(4)から(7)までについては,疾患ごとにその

症状の機序や経過について,病態生理学と関連付けながら扱う

とともに,施術の適応の判断ができるよう指導すること。

エ 〔指導項目〕の(5)及び(6)については,「生活と疾病」で取

り上げる症状や疾患と関連付けて指導するとともに,健康指導

,生活指導及び応急処置の方法も含めて指導すること。

オ 〔指導項目〕の(7)のウについては,特に,脳卒中モデル及び

廃用症候群モデルのケアについて取り扱うこと。

カ 〔指導項目〕の(8)のウについては,応急処置及びテーピング

の基本について取り扱うこと。

〔地域理療と理療経営〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,地域理療及び理療経営に関する実

践的・体験的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・

能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 地域理療及び理療経営について体系的・系統的に理解するとと

もに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 地域理療及び理療経営に関する課題を発見し,あん摩マッサー

ジ指圧師,はり師及びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理

的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 地域理療及び理療経営について,地域や社会を支えるあん摩マ

ッサージ指圧師,はり師及びきゅう師を目指して自ら学び,適切

かつ合理的な施術に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

イ 内容の(3)については,東洋医学における未病の考え方を踏ま

えて扱うこと。

ウ 内容の(4)及び(5)については,「生活と疾病」で取り上げる

症状や疾患と関連付けて指導するとともに,健康指導,生活指

導及び応急処置の方法も含めて扱うこと。

エ 内容の(6)のウについては,特に,脳卒中モデル及び廃用症候

群モデルのケアについて扱うこと。

オ 内容の(7)のウについては,テーピングの基本についても扱う

こと。

[地域理療と理療経営]

1 目 標

現代社会における理療の役割及び高齢社会における医療と福祉の

在り方を理解させるとともに,理療経営の実際的な知識を習得させ

る。

2 内 容

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Ⅱ - 83

(1) 少子高齢社会と社会保障

ア 少子高齢化の現状と動向

イ 医療保障と介護保障の現状と課題

(2) 地域社会と理療

ア 地域医療の沿革

イ 地域理療の概念

ウ 地域社会の医療と介護

(3) 地域理療の業務と社会保険

ア 理療業務と療養費

イ 理療業務と診療報酬

ウ 理療業務と介護報酬

(4) 理療と経営

ア 経営の一般

イ 施術所の開設準備

ウ 障害者雇用と助成金制度

エ 経営の管理と運営

オ 経営の展開と実際

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「医療と社会」との関連に留意するとと

もに,地域社会における理療の役割と意義を理解できるように

すること。

イ 〔指導項目〕の(3)については,制度に関する基本的な考え方

や法令遵守についても指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,最新の統計や資料を踏ま

えて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(4)については,経営の実際の基本的な事項を

(2) 高齢社会の現状と課題

ア 高齢社会の現状と課題への対応 イ 高齢者介護と社会

保障制度

(1) 理療と社会

ア 理療の業務と開業 イ 理療と医療・福祉制度

ウ 諸外国における鍼灸しんきゆう

,徒手による施術

(3) 理療と経営

ア 経営の一般 イ 施術所の開設準備と諸制度

ウ 経営の管理と運営 エ 経営の展開と実際

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,「医療と社会」との関連に留意するとと

もに,体験的な学習や問題解決的な学習を取り入れるよう配慮

すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)のウについては,諸外国における鍼灸しんきゆう

,徒手によ

る施術やそれに関連する制度の現状を紹介し,理療の発展の可

能性を考察できるようにすること。

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Ⅱ - 84

取り扱うこと。

〔理療基礎実習〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,臨床の基礎に関する実践的・体験

的な学習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 臨床の基礎について体系的・系統的に理解するとともに,関連

する基礎的な技術を身に付けるようにする。

(2) 臨床の基礎に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師,

はり師及びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造

的に解決する力を養う。

(3) 臨床の基礎について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指

圧師,はり師及びきゅう師を目指して自ら学び,適切かつ効果的

な施術に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 施術に必要な衛生と安全管理

ア 施術室の管理

イ 施術者の衛生保持

ウ リスク管理

(2) あん摩・マッサージ・指圧基礎実技実習

ア あん摩の基本手技と身体各部の施術

イ マッサージの基本手技と身体各部の施術

ウ 指圧の基本手技と身体各部の施術

(3) はり基礎実技実習

ア 刺鍼しん

の方法

イ 内容の(3)については,経営の実際の基本的な事項を扱うこ

と。

[理療基礎実習]

1 目 標

理療に関する実際的な知識と基礎的な技術を習得させ,施術を適

切かつ効果的に行う能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 理療施術への導入

ア 施術室の管理と清潔保持の実際 イ 施術上の注意

(2) あん摩・マッサージ・指圧基礎実技実習

ア あん摩の基本手技と身体各部の施術

イ マッサージの基本手技と身体各部の施術

ウ 指圧の基本手技と身体各部の施術

(3) はり基礎実技実習

ア 刺鍼しん

の方法 イ 刺鍼しん

の手技 ウ 特殊な鍼しん

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Ⅱ - 85

イ 刺鍼しん

の手技

ウ 特殊な鍼しん

(4) きゅう基礎実技実習

ア きゅう施術の基礎

イ 各種の施灸きゅう

法とその実際

(5) 理療応用実技実習

ア 医療面接実習

イ 評価と理学的検査の実際

ウ 運動療法の応用

エ 物理療法の応用

(6) 理療総合実技実習

ア 総合実技の基礎

イ 主要症状・疾患に対する総合実技実習

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)については,この科目全体を通して習慣化

されるよう取り扱うこと。ウについては,施術の過誤を予防す

るための適切な安全管理ができるように取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)から(4)までについては,他の科目と関連

付けながら,基礎的な施術ができるよう指導すること。

ウ 〔指導項目〕の(5)及び(6)については,現代医学と東洋医学

の両面から,病状を総合的に把握して,実際的な施術ができる

よう指導すること。また,(5)のアについては,患者の立場に立

ち,安全な施術を行うための心構えや実践的な能力が身に付く

よう配慮すること。(6)のイについては,臨床実習前施術実技に

関する評価を行うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,消毒法や滅菌法の実際に重点

(4) きゅう基礎実技実習

ア きゅう施術の基礎 イ 各種の施し

灸きゆう

法とその実際

(5) 理療応用実技実習

ア 評価と理学的検査の実際 イ 運動療法の応用

ウ 物理療法の応用

(6) 理療総合実技実習

ア 総合実技の基礎 イ 主要症状・疾患に対する総合実技

実習

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

イ 内容の(1)については,この科目全体を通して習慣化されるよ

う取り扱うこと。

ア 指導に当たっては,「生活と疾病」,「基礎理療学」及び「臨

床理療学」との関連を重視し,現代医学と東洋医学の両面から,

病状を総合的に把握して,実際的な施術ができるようにするこ

と。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,消毒法や滅菌法の実際に重点を置いて

Page 336: 特別支援学校高等部学習指導要領等 - mext.go.jp...Ⅰ-2。幼児期の教育及び義務教育の基礎の上に,高等部卒業以降の教育や職業,生活,生

Ⅱ - 86

を置いて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,運動法の基本等についても取

り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)のウについては,小児鍼しん

,皮内鍼しん

,低周波

鍼はり

通電療法を中心取りに扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(6)のイについては,臨床実習への導入として

位置付け,「臨床理療学」の〔指導項目〕の(5)及び(6)で取り

上げる症状や疾患に対する施術の実際を取り扱うこと。

〔理療臨床実習〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,臨床に関する実践的・体験的な学

習活動を通して,施術を行うために必要な資質・能力を次のとおり

育成することを目指す。

(1) 臨床について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技

術を身に付けるようにする。

(2) 臨床に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師,はり師

及びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解

決する力を養う。

(3) 臨床について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指圧師,

はり師及びきゅう師を目指して自ら学び,適切かつ合理的な施術

に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

扱うこと。

イ 内容の(2)については,運動法の基本等についても扱うこと。

ウ 内容の(3)のウについては,小児鍼しん

及び皮内鍼しん

を中心に指導す

ること。

エ 内容の(4)については,施灸きゆう

の基本及び各種の施灸きゆう

法を生徒

の視覚障害の状態に応じて具体的に指導し,臨床に生かすこと

ができるようにすること。

オ 内容の(5)のア及びイについては,片麻痺ひ

の評価,機能回復訓

練の基本を含めて扱うこと。

カ 内容の(6)のイについては,臨床実習への導入として位置付

け,「臨床理療学」の内容の(4)及び(5)で取り上げる症状や疾

患に対する施術の実際を扱うこと。

[理療臨床実習]

1 目 標

理療に関する知識と技術を総合的に習得させ,施術を適切かつ効

果的に行う実践的能力と態度を育てる。

2 内 容

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Ⅱ - 87

〔指導項目〕

(1) 校内実習

ア 施術者と施術対象

イ 施術の実際

ウ カルテの記載と管理

エ 症例検討

(2) 校外実習

ア 校外実習の意義

イ 校外実習の実際

ウ 経営実習の実際

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,治療技術的な側面のみならず,インフォ

ームド・コンセントや患者の秘密保持,カルテ等の適切な管

理方法など,あん摩マッサージ指圧師,はり師及びきゅう師

としての倫理観や職業観を培うことに配慮すること。

イ 地域の保健・医療・福祉機関との連携を図りながら,実際的

に理解できるように指導すること。

ウ 校内実習と校外実習の履修学年や授業時数の配当については

,生徒の実態や実習・見学施設の状況等により弾力的に取り扱

うこと。

エ 〔指導項目〕の(2)については,理療の実践に適した施設等を

選定し,当該施設等との十分な連絡調整を図ること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,生徒の臨床実習の習熟の程度

に応じて適切な症例を選択するとともに,きめ細かな指導を行

(1) 校内実習

ア 施術者と施術対象 イ 施術の実際

ウ カルテの記載と管理 エ 症例検討

オ 模擬患者との面接実習

(2) 校外実習

ア 校外実習の目的 イ 校外実習の実際

ウ 経営の実際

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,治療技術的な側面のみならず,インフォ

ームド・コンセントや患者の秘密保持,カルテ等の適切な管理

方法など,理療従事者としての倫理観や職業観を培うことに配

慮すること。また,模擬患者との面接実習については,患者の

立場に立った施術を行うための心構えや実践的な能力が身に付

くよう配慮すること。

イ 地域の保健・医療・福祉機関との連携を図りながら,実際的

に理解できるように指導すること。

ウ 校内実習と校外実習の履修学年や授業時数の配当について

は,生徒の実態や実習・見学施設の状況等により弾力的に取り

扱うこと。

エ 内容の(2)については,理療の実践に適した施設等を選定し,

当該施設等との十分な連絡調整を図ること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,生徒の臨床実習の習熟の程度に応じて

適切な症例を選択するとともに,きめ細かな指導を行うことが

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Ⅱ - 88

うことができるよう指導体制等に配慮すること。エについては

,病態の把握,適応の判断,施術法や施術効果の検討,リスク

の検討などを取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,多様な理療関連業務を理

解するための施設見学や生徒の進路希望に対応した実習がで

きるように計画すること。ウについては,施術所経営に関する

実際的な基礎的な知識が養われるように,臨床経験の豊富な者

の話や施術所見学,模擬経営実習などを通して,保険の取扱い

の実際を含めて具体的に指導すること。

〔理療情報〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,理療情報に関する実践的・体験的

な学習活動を行うことなどを通して,施術を行うために必要な資質

・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理療情報について体系的・系統的に理解するとともに,関連す

る技術を身に付けるようにする。

(2) 理療情報に関する基本的な課題を発見し,あん摩・マッサージ

・指圧師,はり師及びきゅう師としての職業倫理を踏まえて合理

的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理療情報について,地域や社会を支えるあん摩マッサージ指圧

師,はり師及びきゅう師を目指して自ら学び,人々の健康の保持

増進及び疾病の治療に関する課題解決に主体的かつ協働的に取り

組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 情報社会の倫理と責任

ア 情報社会の特徴

できるよう指導体制等に配慮すること。

イ 内容の(2)のイについては,多様な理療関連業務を理解するた

めの施設見学や生徒の進路希望に対応した実習ができるように

計画すること。ウについては,施術所経営に関する実際的な基

礎的知識が養われるように,臨床経験の豊富な人の話や施術所

見学,模擬経営実習などを通して,具体的に指導すること。

[理療情報活用]

1 目 標

社会における情報化の進展と情報の意義や役割を理解させるとと

もに,情報の活用に関する知識と技術を習得させ,理療の分野で情

報及び情報手段を主体的に活用する能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 情報機器と情報の活用

ア 生活と情報の活用 イ 情報機器の活用分野

ウ 情報通信ネットワーク

(2) 情報モラルとセキュリティ

ア 情報の価値とモラル イ 情報のセキュリティ管理

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Ⅱ - 89

イ 情報社会の倫理

ウ 情報を扱う個人の責任

(2) 理療における情報の活用と管理

ア 保健医療福祉分野の情報

イ 情報システムの特徴

ウ 情報の活用

エ 情報の管理

(3) 理療における課題解決

ア 課題に応じた情報収集

イ 情報分析と解決方法

ウ 情報の発信方法

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 多様な題材やデータを取り上げ,情報技術の進展に応じた演

習などを通して,生徒が情報及び情報ネットワークを適切に活

用できるよう,情報の信頼性を判断する能力及び情報モラルを

育成すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,個人のプライバシーや著作権

を含む知的財産の保護,個人における情報の管理や発信に関す

る責任について,法令と関連付けて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,保健医療福祉関係者で共有す

る情報通信ネットワークの特徴と活用について,地域の実例な

どを取り上げて取り扱うこと。また,業務における情報セキュ

リティの重要性について法令と関連付けて取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,生徒が主体的に課題を設定し

て,情報を集め分析し,課題の解決に向けてモデル化,シミュ

レーション,プログラミングなどを行い,情報デザインなどを

(3) 理療と情報機器の活用

ア 理療における情報機器活用の目的と意義 イ 個人情報

の管理

ウ 理療の現場における情報システム

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 理療に関する題材やデータなどを用いた実習を通して,理療

の分野において情報を主体的に活用できるように指導するこ

と。また,他の理療に関する各科目と関連付けて指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,情報化の進展が生活や社会に及ぼす影

響,情報の意義や役割及び情報機器の活用分野の概要を扱うと

ともに,情報通信ネットワークを活用した情報の収集,処理,

分析及び発信について体験的に扱うこと。また,ネット犯罪な

ど利用上のリスクについても触れること。

イ 内容の(2)については,個人のプライバシーや著作権など知的

財産の保護,収集した情報の管理,発信する情報に対する責任

など情報モラル及び情報通信ネットワークシステムにおけるセ

キュリティ管理の重要性について扱うこと。

ウ 内容の(3)については,理療の現場における情報の意義や役

割,コンピュータや医療用電子機器の活用の概要について扱う

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Ⅱ - 90

踏まえた発信方法を考え,協議する演習などを行うこと。

〔課題研究〕

1 目 標

理療の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行う

ことなどを通して,地域や社会の保健医療福祉を支え,人々の健康

の保持増進を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成

することを目指す。

(1) 理療について体系的・系統的に理解するとともに,相互に関連

付けられた技術を身に付けるようにする。

(2) 理療に関する課題を発見し,あん摩マッサージ指圧師,はり師

及びきゅう師として解決策を探究し,科学的な根拠に基づいて創

造的に解決する力を養う。

(3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,適切かつ合理的

な施術に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 調査,研究,実験

(2) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,〔指導項目〕の(1)

及び(2)から,個人又はグループで理療に関する適切な課題を

こと。アについては,医療用電子機器など測定機器の使用につ

いて扱うこと。イについては,理療の現場における個人情報の

管理の実際と重要性について扱うこと。ウについては,理療援

助を適切に行うための情報システムの活用を具体的に扱うこ

と。

[課題研究]

1 目 標

理療に関する課題を設定し,その課題の解決を図る学習を通して,

専門的な知識と技術の深化,総合化を図るとともに,問題解決の能

力や自発的,創造的な学習態度を育てる。

2 内 容

(1) 調査,研究,実験

(2) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,内容の(1)及び(2)

の中から個人又はグループで適切な課題を設定させること。な

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Ⅱ - 91

設定し,主体的かつ協働的に取り組む学習活動を通して,専門

的な知識,技術などの深化・総合化を図り,理療に関する課題

の解決に取り組むことができるようにすること。なお,課題に

ついては,(1)及び(2)にまたがるものを設定することができる

こと。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにするこ

と。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,

実際的,具体的に理解させるようにすること。

(2) 実技や実習を伴う科目の指導に当たっては,臨床に応用する力

を育むため,生徒が常に達成感と新たな技術の習得への意欲をも

って学習できるように,指導内容の構成や指導方法の工夫に留意

すること。

(3) 各科目に指導に当たっては,施術の対象となる代表的な疾患や

愁訴に対する施術の適応を判断し確実に施術ができるようにする

ため,個々の生徒の実態に応じた指導計画の作成に配慮すること

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 単元などの内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資

質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実

現を図るようにすること。その際,理療の見方・考え方を働かせ

,健康に関する事象を,当事者の考えや状況,理療が生活に与え

る影響に着目して捉え,当事者による自己管理を目指して,適切

かつ効果的な理療を関連付ける実践的・体験的な学習活動の充実

を図ること。

(2) 「理療基礎実習」及び「理療臨床実習」については,対象とな

る者の人格を尊重する態度を育てるとともに,実習における安全

お,課題は内容の(1)及び(2)にまたがる課題を設定することが

できること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めるこ

と。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,

実際的,具体的に理解させるようにすること。

(2) 「理療基礎実習」及び「理療臨床実習」の指導に当たっては,

生徒が常に達成感と新たな技術習得への意欲をもって学習できる

ように,指導内容の構成や指導方法の工夫に十分留意すること。

(3) 臨床実習の指導に当たっては,理療施術の対象となる代表的な

症状や疾患について確実に施術ができるようにするため,個々の

生徒の実態に応じた指導計画の作成に配慮すること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 「理療基礎実習」及び「理療臨床実習」については,対象とな

る人々の人格を尊重する態度を育てるとともに,実習における安

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Ⅱ - 92

と規律に留意すること。

(3) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワ

ーク等の活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。

(4) 地域や理療に関する施術所,医療機関,介護保険施設等との連

携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動を積極的に取

り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に

努めること。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設

備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故

防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。

全と規律に留意すること。

(2) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワ

ーク等の活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。

(3) 地域や,はり,きゅう,あん摩・マッサージ・指圧に関する施

術所等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験を積

極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなど

の工夫に努めること。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設

備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故

防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。

第5款 理学療法

第1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行

うことなどを通して,理学療法を通じ,地域や社会の保健・医療・福祉

を支え,人々の健康の保持増進及びリハビリテーションに寄与する職

業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理学療法について体系的・系統的に理解するとともに,関連する

技術を身に付けるようにする。

(2) 理学療法に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏

まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を

目指して自ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーション

に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

第2 各 科 目

〔人体の構造と機能〕

1 目 標

第5款 理学療法

第1 目 標

理学療法に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,理学

療法の本質と社会的な意義を理解させるとともに,リハビリテーシ

ョンに寄与する能力と態度を育てる。

第2 各科目

[人体の構造と機能]

1 目 標

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Ⅱ - 93

理学療法の見方・考え方を働かせ,人体の構造,機能及び心身の

発達に関する実践的・体験的な学習活動を通して,理学療法を行う

ために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理学療法を行うために必要な人体の構造,機能及び心身の発達

について体系的・系統的に理解するようにする。

(2) 人体の構造,機能及び心身の発達に関する課題を発見し,理学

療法士としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する

力を養う。

(3) 人体の構造,機能及び心身の発達と機能について地域や社会を

支える理学療法士を目指して自ら学び,人々の健康の保持増進及

びリハビリテーションに主体的かつ協働的に取り組む態度を養う

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 人体の構造

ア 解剖学の基礎

イ 系統解剖

ウ 体表解剖

エ 機能解剖

オ 解剖学実習

(2) 人体の機能

ア 生理学の基礎

イ 人体各器官の機能

ウ 運動生理学

エ 生理学実習

(3) 人体の運動

ア 運動学の基礎

イ 身体の運動

理学療法に必要な人体の構造,機能及び心身の発達を系統的に理

解させ,理学療法を適切に行う能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 人体の構造

ア 解剖学の基礎 イ 系統解剖 ウ 体表解剖

エ 機能解剖 オ 解剖学実習

(2) 人体の機能

ア 生理学の基礎 イ 人体各器官の機能 ウ 運動生

理学

エ 生理学実習

(3) 人体の運動

ア 運動学の基礎 イ 身体の運動 ウ 運動学実習

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Ⅱ - 94

ウ 運動学実習

(4) 人間の発達

ア 人間発達の基礎

イ 各期における発達の特徴と評価

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 人体についての理解が抽象的な概念の把握にとどまることの

ないようにするため,観察及び実験・実習を取り入れ,具体的

,実際的に指導すること。

イ 指導に当たっては,人体の構造面と機能面を系統的に理解で

きるようにするため,これらの内容を相互に関連付けて取り扱

うこと。また,理学療法において重要な運動機能面に重点を置

いて取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,模型,標本の活用や実習,生

体観察などを通して,人体の構造が実際的に理解できるように

すること。

イ 〔指導項目〕の(3)のウについては,上肢,下肢及び体幹の動

き,各種の姿勢と日常生活における動作などの分析を取り扱う

こと。

〔疾病と障害〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,疾病と障害の成り立ち及び回

復過程に関する実践的・体験的な学習活動を通して,理学療法を行

うために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理学療法を行うために必要な疾病と障害の成り立ち及び回復過

程について体系的・系統的に理解するようにする。

(4) 人間の発達

ア 人間発達の基礎 イ 各期における発達の特徴と評価

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 人体についての理解が,抽象的な概念の把握にとどまること

のないようにするため,観察及び実験・実習を取り入れ,具体

的,実際的に指導すること。

イ 指導に当たっては,人体の構造面と機能面を系統的に理解で

きるようにするため,これらの内容を相互に関連付けて取り扱

うこと。また,理学療法において重要な運動機能面に重点を置

いて取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,模型,標本の活用や実習,生体観察な

どを通して,人体の構造が実際的に理解できるようにすること。

イ 内容の(3)のウについては,上肢,下肢及び体幹の動き,各種

の姿勢と日常生活における動作などの分析を扱うこと。

[疾病と障害]

1 目 標

疾病と障害の成り立ち及び回復過程に関する知識を習得させ,理

学療法を適切に行う能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 95

(2) 疾病と障害の成り立ち及び回復過程に関する課題を発見し,理

学療法士としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決す

る力を養う。

(3) 疾病と障害の成り立ち及び回復過程について,地域や社会を支

える理学療法士を目指して自ら学び,人々の健康の保持増進及び

リハビリテーションに主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 病理学

ア 病理学の基礎

イ 病因

ウ 病変

(2) 内科疾患

ア 内科学の基礎

イ 主な内科疾患

(3) 整形外科疾患

ア 整形外科学の基礎

イ 主な整形外科疾患

(4) 神経内科疾患

ア 神経内科学の基礎

イ 神経症候学の基礎

ウ 主な神経内科疾患

(5) 精神科疾患

ア 精神医学の基礎

イ 主な精神科疾患

(6) 小児科疾患

ア 小児科学の基礎

イ 主な小児科疾患

2 内 容

(1) 病理学の概要

ア 病理学の基礎 イ 病因 ウ 病変

(2) 内科疾患

ア 内科学の基礎 イ 主な内科疾患

(3) 整形外科疾患

ア 整形外科学の基礎 イ 主な整形外科疾患

ウ スポーツ障害・外傷

(4) 神経内科疾患

ア 神経内科学の基礎 イ 神経症候学 ウ 主な神経

内科疾患

(5) 精神科疾患

ア 精神医学の基礎 イ 主な精神科疾患

(6) 小児科疾患

ア 小児科学の基礎 イ 主な小児科疾患

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(7) 高齢者の疾患

ア 老年医学の基礎

イ 主な高齢者の疾患

(8) 臨床心理学

ア 臨床心理学の基礎

イ 臨床心理学の応用

(9) 栄養学

ア 栄養学の基礎

(10) 薬理学

ア 薬理学の基礎

(11) 救急救命医学

ア 救急救命医学の基礎

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,内容相互に関連をもたせ,疾病,障害,

診断,治療及び予防などを系統的に理解できるよう取り扱うこ

と。

イ 〔指導項目〕の(2)から(7)までについては,理学療法と関係

の深い代表的な疾患に重点を置くとともに,医用画像評価や疾

病の予測や再発予防についても取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(2)については,理学療法と関係の深い循環器

系,呼吸器系及び代謝系に重点を置いて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(3)のイについては,スポーツ障害や急性期の

外傷についても取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(4)のイ及びウについては,理学療法と関係の

深い中枢神経疾患及び末梢しょう

神経疾患に重点を置いて取り扱う

こと。

(7) 高齢者の疾患

ア 老年医学の基礎 イ 主な高齢者の疾患

(8) 臨床心理学

ア 臨床心理学の基礎 イ 臨床心理学の応用

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,内容相互に関連をもたせ,疾病,障害,

診断,治療などを系統的に理解できるよう取り扱うこと。

イ 内容の(2)から(7)までについては,理学療法と関係の深い代

表的な疾患に重点を置いて扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(2)については,循環器系,呼吸器系及び代謝系に重点

を置いて扱うこと。

イ 内容の(3)については,救急の一般や消毒法の概要についても

扱うこと。

ウ 内容の(4)のイ及びウについては,理学療法に関係の深い中枢

神経疾患及び末梢神経疾患に重点を置いて扱うこと。

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Ⅱ - 97

エ 〔指導項目〕の(7)のアについては,嚥下え ん げ

の仕組みについても

取り扱うこと。

オ 〔指導項目〕の(8)のイについては,患者の心理,臨床心理学

的検査法,心理療法及びカウンセリングなどを取り扱うこと。

〔保健・医療・福祉とリハビリテーション〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,保健・医療・福祉とリハビリ

テーションに関する実践的・体験的な学習活動を通して,理学療法

を行うために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す

(1) 理学療法を行うために必要な保健・医療・福祉とリハビリテー

ションについて体系的・系統的に理解するようにする。

(2) 保健・医療・福祉とリハビリテーションに関する課題を発見し

,理学療法士としての職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解

決する力を養う。

(3) 保健・医療・福祉とリハビリテーションについて,地域や社会

を支える理学療法士を目指して自ら学び,人々の健康の保持増進

及びリハビリテーションに主体的かつ協働的に取り組む態度を養

う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 保健・医療・福祉の体系

ア 保健・医療・福祉の概要

イ 各種の保健・医療・福祉制度

ウ 地域包括ケアシステムの概要

(2) リハビリテーション

ア リハビリテーションの理念

エ 内容の(7)のアについては,嚥下え ん げ

の仕組みについても扱うこ

と。

オ 内容の(8)のイについては,患者の心理,臨床心理学的検査法,

心理療法及びカウンセリングなどを扱うこと。

[保健・医療・福祉とリハビリテーション]

1 目 標

保健・医療・福祉の体系及びリハビリテーションについて理解させ,

理学療法を適切に行う能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 保健・医療・福祉の体系

ア 保健・医療・福祉の概要

イ 各種の保健・医療・福祉制度

(2) リハビリテーション

ア リハビリテーションの概要

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Ⅱ - 98

イ 主要疾患のリハビリテーション

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,内容が抽象的な概念の把握にとどまるこ

とのないよう,また多職種との連携の重要性についての理解が

図られるよう,症例紹介や保健・医療・福祉及びリハビリテー

ション施設の見学などを交えて取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,理学療法に関係の深い代

表的な保健・医療・福祉制度の現状と課題について取り扱うこ

と。

イ 〔指導項目〕の(1)のウについては,住まい・医療・介護・予

防・生活支援の一体的提供及び地域ケア会議について取り扱う

こと。

ウ 〔指導項目〕の(2)のアについては,自立支援及び就労支援に

ついて取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(2)のイについては,理学療法の対象となる代表

的な疾患を取り上げ,その原因,症状,経過及び予後並びにリハ

ビリテーション治療の概要を取り扱うこと。

〔基礎理学療法学〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,基礎理学療法学に関する実践

的・体験的な学習活動を通して,理学療法を行うために必要な資質

・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理学療法を行うために必要な基礎理学療法学について体系的・

系統的に理解するようにする。

(2) 基礎理学療法学に関する課題を発見し,理学療法士としての職

イ 主要疾患のリハビリテーション

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,内容が抽象的な概念の把握にとどまるこ

とのないよう症例紹介や保健・医療・福祉及びリハビリテーシ

ョン施設の見学などを交えて取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)のイについては,理学療法と関係の深い代表的な保

健・医療・福祉制度の現状と課題について扱うこと。

イ 内容の(2)のイについては,理学療法の対象となる代表的な疾

患を取り上げ,その原因,症状,経過及び予後,リハビリテー

ション治療の概要を扱うこと。

[基礎理学療法学]

1 目 標

理学療法の概要を理解させ,理学療法を適切に行う能力と態度を

育てる。

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Ⅱ - 99

業倫理踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 基礎理学療法学について,地域や社会を支える理学療法士を目

指して自ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーション

に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 理学療法の概要

ア 理学療法の歴史

イ 理学療法の基礎

ウ 健康増進と予防に関する理学療法

エ 理学療法研究法

(2) 関係法規

ア 理学療法士及び作業療法士法

イ その他の関係法規

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「保健・医療・福祉とリハビリテーショ

ン」及び「地域理学療法学」との関連に留意して取り扱うこと

。また,理学療法士と多職種との連携によるチーム医療の大切

さについても触れること。

イ 〔指導項目〕の(1)については,統計学や教育学,情報科学な

どとの関連を図りながら指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,医療の歴史における理学

療法の位置付けも含めて取り扱うこと。イについては,理学療

法の医療における位置付け,理学療法士の関連組織も含めて取

2 内 容

(1) 理学療法の概要

ア 理学療法の基礎 イ 職業倫理と職場環境

ウ 理学療法研究法 エ 疾病・障害の予防に関する指導法

オ 健康増進に関する指導法

(2) 関係法規

ア 理学療法士及び作業療法士法 イ その他の関係法規

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,症例を提示したり,臨床現場及び福祉施

設などの見学を交えたりすることによって,総合的,実際的に

理解させるよう取り扱うこと。また,理学療法士と他の職種と

のチーム医療の大切さについても触れること。

イ 内容の(1)については,統計学,教育学や情報科学などとの関

連を図りながら指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)のアについては,理学療法の医療における位置付

け,理学療法士の関連組織も含めて扱うこと。イについては,

リハビリテーションに寄与する観点から,医療従事者としての

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Ⅱ - 100

り扱うこと。ウについては,予防医学と理学療法とを関連付け

て行うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,医師法などの概要を取り

扱うこと。

〔理学療法管理学〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,理学療法管理学に関する実践

的・体験的な学習活動を通して,理学療法を行うために必要な資質

・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理学療法を行うために必要な理学療法管理学について体系的・

系統的に理解するようにする。

(2) 理学療法管理学に関する課題を発見し,理学療法士としての職

業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理学療法管理学について,地域や社会を支える理学療法士を目

指して自ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーション

に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 理学療法管理学の基礎

ア 職場管理と運営

(2) 理学療法と職業倫理

ア 理学療法倫理

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,内容相互に関連をもたせ理学療法管理学

を体系的・系統的に理解できるようにすること。

イ 〔指導項目〕の(1)のアについては,「保健・医療・福祉とリ

心構えや倫理観について扱うこと。

イ 内容の(2)のイについては,「医師法」などの概要を扱うこと。

(新規)

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Ⅱ - 101

ハビリテーション」の〔指導項目〕と関連付けながら,医療保

険制度,介護保険制度,組織運営及びチーム医療について取り

扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(2)のアについては,医療従事者としての心構

え,倫理観,患者の人権,法令遵守などについて取り扱うこと

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,安全衛生,リスク管理及

び理学療法教育を含めて取り扱うこと。

〔理学療法評価学〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,理学療法評価学に関する実践

的・体験的な学習活動を通して,理学療法を行うために必要な資質

・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理学療法評価学について体系的・系統的に理解するとともに,

関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 理学療法評価学に関する課題を発見し,理学療法士としての職

業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理学療法評価学について,地域や社会を支える理学療法士を目

指して自ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーション

に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 理学療法評価

ア 理学療法評価の基礎

イ 各種の理学療法評価の方法

[理学療法評価学]

1 目 標

理学療法評価法に関する知識と技術を習得させ,理学療法を効果

的に行う能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 理学療法評価法

ア 理学療法評価法の基礎 イ 各種の理学療法評価法

ウ 理学療法評価法実習

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Ⅱ - 102

ウ 理学療法評価の実習

(2) 運動学的評価

ア 運動学的評価の基礎

イ 運動・動作の分析の方法

(3) 医用画像評価

ア 医用画像評価の基礎

イ 医用画像評価の方法

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,基礎的な実習を十分に行うとともに,具

体的な症例を取り上げること。また,機械・器具などを工夫し

て生徒の視覚障害の状態に応じた適切な指導ができるよう配

慮すること。

イ 「理学療法治療学」及び「理学療法臨床実習」との関連を図

りながら,理学療法評価とともに,医学的な一般評価,心理学

的評価や社会的評価も取り扱うこと。

ウ 指導に当たっては,動画による理学療法評価が行えるようコ

ンピュータ等の情報機器を活用するなどの工夫をすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,運動機能の評価に重点を

置いて取り扱うこと。また,リスク管理としてのバイタルサイ

ンの評価の重要性について十分に指導すること。

イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,人体の運動に関する基礎

的な知識を踏まえ,各種の疾患や障害の運動学的評価と考察の

方法,治療計画への応用などを取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,静止画や動画を用いた,理学

療法と関係の深い姿勢や動作の分析,神経系,運動器系,呼吸

器系及び循環器系の画像評価を中心に取り扱うこと。

(2) 運動学的評価法

ア 運動学的評価法の基礎 イ 運動・動作の分析の方法

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,基礎的な実習を十分に行うとともに,具

体的な症例を取り上げること。また,機械・器具などを工夫し

て生徒の視覚障害の状態に応じた適切な指導ができるよう配慮

すること。

イ 「理学療法治療学」及び「臨床実習」との関連を図りながら,

医学的な一般評価,心理学的評価や社会的評価も扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)のイについては,運動機能の評価に重点を置いて扱

うこと。また,リスク管理としてのバイタルサインの評価の重

要性について十分に指導すること。

イ 内容の(2)のイについては,人体の運動に関する基礎的な知識

を踏まえ,各種の疾患や障害の運動学的評価と考察の方法,治

療計画への応用などを扱うこと。

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Ⅱ - 103

〔理学療法治療学〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,理学療法治療学に関する実践

的・体験的な学習活動を通して,理学療法を行うために必要な資質

・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理学療法治療学について体系的・系統的に理解するとともに,

関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 理学療法治療学に関する課題を発見し,理学療法士としての職

業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理学療法治療学について,地域や社会を支える理学療法士を目

指して自ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーション

に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 運動療法

ア 運動療法の基礎

イ 各種の運動療法

ウ 各障害に対する運動療法

エ 運動療法実習

(2) 物理療法

ア 物理療法の基礎

イ 各種の物理療法

ウ 物理療法実習

(3) 義肢装具

ア 義肢装具の基礎

イ 義肢

ウ 装具

[理学療法治療学]

1 目 標

理学療法の治療に関する知識と技術を習得させ,理学療法を適切

に行う能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 運動療法

ア 運動療法の基礎 イ 各種の運動療法

ウ 各障害に対する運動療法 エ 運動療法実習

(2) 物理療法

ア 物理療法の基礎 イ 各種の物理療法 ウ 物理療

法実習

(3) 義肢装具

ア 義肢装具の基礎 イ 義肢 ウ 装具

エ 義肢装具の実習

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Ⅱ - 104

エ 義肢装具の実習

(4) 日常生活活動

ア 日常生活活動の基礎

イ 日常生活活動の評価

ウ 日常生活活動の指導法

(5) 理学療法技術論

ア 理学療法技術論の基礎

イ 疾患別理学療法治療の方法

ウ 疾患別理学療法治療の実習

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,基礎実技の実習に重点を置いて実際的に

理解させるとともに,リスク管理について取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(4)については,「地域理学療法学」との関連

を図り,指導内容が重複しないよう配慮すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,疾病や障害に対する運動療法

にとどまらず,スポーツ,レクリエーションなども取り扱うこ

と。

イ 〔指導項目〕の(5)については,健康増進のための理学療法,

診療記録の仕方や管理及び喀痰かくたん

等の吸引についても取り扱う

こと。

〔地域理学療法学〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,地域理学療法学に関する実践

的・体験的な学習活動を通して,理学療法を行うために必要な資質

・能力を次のとおり育成することを目指す。

(4) 日常生活活動

ア 日常生活活動の基礎 イ 日常生活活動の評価

ウ 日常生活活動の訓練及び指導法

(5) 理学療法技術論

ア 理学療法技術論の基礎 イ 疾患別理学療法治療の方法

ウ 疾患別理学療法治療の実習

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,基礎実技の実習に重点を置いて実際的に

理解させるとともに,リスク管理について取り扱うこと。

イ 内容の(4)については,「地域理学療法学」と関連付けながら

指導内容が重複しないよう扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,疾病や障害に対する運動療法にとどま

らず,スポーツ,レクリエーションなども扱うこと。

イ 内容の(5)については,健康増進のための理学療法なども扱う

こと。また,診療記録の仕方や管理なども扱うこと。

[地域理学療法学]

1 目 標

地域理学療法に関する知識を習得させ,理学療法を適切に行う能

力と態度を育てる。

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Ⅱ - 105

(1) 地域理学療法学について体系的・系統的に理解するとともに,

関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 地域理学療法学に関する課題を発見し,理学療法士としての職

業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 地域理学療法学について,地域や社会を支える理学療法士を目

指して自ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーション

に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 地域理学療法の概要

ア 地域理学療法の基礎

イ 地域理学療法における理学療法士の役割

(2) 地域理学療法各論

ア 地域理学療法における生活評価

イ 地域理学療法の実際

ウ 在宅ケアと生活指導

エ リハビリテーション関連機器

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,地域における理学療法を効果的に実践で

きるようにするため,症例検討や在宅訪問などを取り入れて指

導すること。

イ 指導に当たっては,「保健・医療・福祉とリハビリテーショ

ン」との関連を図り,指導内容が重複しないよう配慮すること

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

2 内 容

(1) 地域理学療法の概要

ア 地域理学療法の一般

イ 地域理学療法における理学療法士の役割

(2) 地域理学療法各論

ア 地域理学療法における生活評価

イ 地域理学療法の実際

ウ 在宅ケアと生活指導 エ リハビリテーション関連機器

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 地域における理学療法を効果的に実践できるようにするた

め,症例検討や在宅訪問などを取り入れて指導すること。

イ 指導に当たっては,「保健・医療・福祉とリハビリテーショ

ン」との関連を図り,内容が重複しないよう配慮すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

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Ⅱ - 106

ア 〔指導項目〕の(2)のイについては,保健所,福祉施設等にお

ける理学療法を取り扱うこと。ウについては,在宅ケア対象者

の介護及び家族を含めた生活指導を中心に取り扱うこと。その

際,施設等への通院・通所者の在宅ケアなどについても取り扱

うこと。

〔理学療法臨床実習〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,理学療法臨床実習に関する実

践的・体験的な学習活動を通して,理学療法を行うために必要な資

質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理学療法臨床実習について体系的・系統的に理解するとともに

,関連する基礎的な技術を身に付けるようにする。

(2) 理学療法臨床実習に関する課題を発見し,理学療法士としての

職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理学療法臨床実習について,地域や社会を支える理学療法士を

目指して自ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーショ

ンに主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 理学療法の見学実習

ア 医療機関の見学実習

イ その他の施設の見学実習

(2) 理学療法の臨床実習

ア 症例観察と基礎臨床実習

イ 総合臨床実習

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(2)のイについては,保健所,福祉施設等における理学

療法を扱うこと。ウについては,在宅ケア対象者の介護及び家

族を含めた生活指導を中心に扱うこと。その際,施設等への通

院・通所者の在宅ケア等についても扱うこと。

[臨床実習]

1 目 標

理学療法に必要な知識と技術を総合的に習得させ,理学療法を適

切に行う能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 理学療法の見学実習

ア 医療機関の見学実習 イ その他の施設の見学実習

(2) 理学療法の臨床実習

ア 症例観察と評価実習 イ 総合臨床実習

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

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Ⅱ - 107

ア 指導に当たっては,患者の人権の尊重や患者のリスク管理に

ついて指導すること。また,生徒の安全や健康管理についても

指導すること。

イ 指導に当たっては,「地域理学療法学」及び「保健・医療・

福祉とリハビリテーション」との関連を図り,地域包括ケアシ

ステムについて触れること。

ウ 〔指導項目〕の(1)については,生徒が理学療法に対する興味

・関心を高めることができるよう指導方法を工夫すること。

エ 〔指導項目〕の(2)については,各種の疾患や障害に対して,

偏りなく実習を行うことができるよう実習施設及び臨床実習

指導者と連携を図りながら,調整すること。

オ 〔指導項目〕の(2)については,理学療法に関する総合的な知

識や基本的な技術及び態度等に関する臨床実習前の評価と臨

床実習後の評価を行うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)のイについては,地域における様々な施設

での理学療法の実際を見学できるよう配慮すること。

イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,理学療法臨床に必要な症

例報告の書き方や症例研究の方法などを含めて取り扱うこと。

〔理学療法情報〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,理学療法情報に関する実践的

・体験的な学習活動を行うこと通して,理学療法の実践に必要な資

質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理学療法情報について体系的・系統的に理解するとともに,関

連する技術を身に付けるようにする。

(2) 理学療法情報に関する課題を発見し,理学療法の職業倫理を踏

ものとする。

ア 内容の(1)については,生徒が理学療法に対する興味・関心を

高めることができるよう指導方法を工夫すること。

イ 内容の(2)については,各疾患,各障害に対して,偏りなく実

習を行うことができるよう病院,施設を選択し,臨床実習指導

者との密接な連携を図りながら扱うこと。

ウ 臨床実習に当たっては,リスク管理に留意するとともに,生

徒の安全と健康管理にも十分留意すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)のイについては,地域における様々な施設での理学

療法の実際を見学できるよう配慮して扱うこと。

イ 内容の(2)のイについては,臨床に必要な症例報告の書き方や

症例研究の方法などを含めて扱うこと。

[理学療法情報活用]

1 目 標

社会における情報化の進展と情報の意義や役割を理解させるとと

もに,情報の活用に関する知識と技術を習得させ,理学療法の分野

で情報及び情報手段を主体的に活用する能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 108

まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理学療法情報について,地域や社会を支える理学療法士を目指

して自ら学び,人々の健康の保持増進及びリハビリテーションに

関する課題解決に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 情報社会の倫理と責任

ア 情報社会の特徴

イ 情報社会の倫理

ウ 情報を扱う個人の責任

(2) 理学療法における情報の活用と管理

ア 保健医療福祉分野の情報

イ 情報システムの特徴

ウ 情報の活用

エ 情報の管理

(3) 理学療法における課題解決

ア 課題に応じた情報取集

イ 情報分析と解決方法

ウ 情報の発信方法

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 多様な題材やデータを取り上げ,情報技術の進展に応じた演

習などを通して,生徒が情報及び情報ネットワークを適切に活

用できるよう,情報の信頼性を判断する能力及び情報モラルを

育成すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

2 内 容

(1) 情報機器と情報の活用

ア 生活と情報の活用 イ 情報機器の活用分野

ウ 情報通信ネットワーク

(2) 情報モラルとセキュリティ

ア 情報の価値とモラル イ 情報のセキュリティ管理

(3) 理学療法と情報機器の活用

ア 理学療法における情報機器活用の目的と意義

イ 個人情報の管理

ウ 理学療法の現場における情報システム

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 理学療法に関する題材やデータなどを用いた実習を通して,

理学療法の分野において情報を主体的に活用できるように指導

すること。また,他の理学療法に関する各科目と関連付けて指

導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

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Ⅱ - 109

ア 〔指導項目〕の(1)については,個人のプライバシーや著作権

を含む知的財産の保護,個人における情報の管理や発信に関す

る責任について,法令と関連付けて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,保健・医療・福祉関係者で共

有する情報通信ネットワークの特徴と活用について,地域の実

例などを取り上げて取り扱うこと。また,業務における情報セ

キュリティの重要性について法令と関連付けて取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,生徒が主体的に課題を設定し

て,情報を集め分析し,課題の解決に向けてモデル化,シミュ

レーション,プログラミングなどを行い,情報デザインなどを

踏まえた発信方法を考え,協議する演習などを行うこと。

〔課題研究〕

1 目 標

理学療法の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を

行うことなどを通して,地域や社会の保健・医療・福祉を支え人々

の健康の保持増進を担う職業人として必要な資質・能力を次のとお

り育成することを目指す。

(1) 理学療法について体系的・系統的に理解するとともに,相互に

関連付けられた技術を身に付けるようにする。

(2) 理学療法に関する課題を発見し,理学療法士として解決策を探

究し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決する力を養う。

(3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,理学療法に主体

的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

ア 内容の(1)については,情報化の進展が生活や社会に及ぼす影

響,情報の意義や役割及び情報機器の活用分野の概要を扱うと

ともに,情報通信ネットワークを活用した情報の収集,処理,

分析及び発信について体験的に扱うこと。また,ネット犯罪な

ど利用上のリスクについても触れること。

イ 内容の(2)については,個人のプライバシーや著作権など知的

財産の保護,収集した情報の管理,発信する情報に対する責任

など情報モラル及び情報通信ネットワークシステムにおけるセ

キュリティ管理の重要性について扱うこと。

ウ 内容の(3)については,理学療法の現場における情報の意義や

役割,コンピュータや医療用電子機器の活用の概要について扱

うこと。アについては,医療用電子機器など測定機器の使用に

ついて扱うこと。イについては,理学療法の現場における個人

情報の管理の実際と重要性について扱うこと。ウについては,

理学療法援助を適切に行うための情報システムの活用を具体的

に扱うこと。

[課題研究]

1 目 標

理学療法に関する課題を設定し,その課題の解決を図る学習を通

して,専門的な知識と技術の深化,総合化を図るとともに,問題解

決の能力や自発的,創造的な学習態度を育てる。

2 内 容

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Ⅱ - 110

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 調査,研究,実験

(2) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,〔指導項目〕の(1)

及び(2)から,個人又はグループで理学療法に関する適切な課

題を設定し,主体的かつ協働的に取り組む学習活動を通して,

専門的な知識,技術などの深化・総合化を図り,理学療法に関

する課題の解決に取り組むことができるようにすること。なお

,課題については,(1)及び(2)にまたがるものを設定すること

ができること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにするこ

と。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,

実際的,具体的に理解させるようにすること。

(2) 各科目の指導に当たっては,生徒が常に達成感と新たな知識及

び技術の習得への意欲をもって学習できるように,指導内容の構

成や指導方法の工夫に十分留意すること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 単元などの内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資

質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実

現を図るようにすること。その際,理学療法の見方・考え方を働

かせ,健康に関する事象を,当事者の考えや状況,理学療法が生

(1) 調査,研究,実験

(2) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,内容の(1)及び(2)

の中から個人又はグループで適切な課題を設定させること。な

お,課題は内容の(1)及び(2)にまたがる課題を設定することが

できること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めるこ

と。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,

実際的,具体的に理解させるようにすること。

(2) 臨床実習を行うに当たっては,実習施設との連絡調整の下に指

導計画を綿密に作成するとともに,生徒指導に十分留意すること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

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Ⅱ - 111

活に与える影響に着目して捉え,当事者による自己管理を目指し

て,適切かつ効果的な理学療法と関連付ける実践的・体験的な学

習活動の充実を図ること。

(2) 「基礎理学療法学」及び「理学療法治療学」の内容については

,相互の密接な関連を図って取り扱うこと。

(3) 「理学療法治療学」及び「地域理学療法学」の内容については

,作業療法との関連に留意して取り扱うこと。

(4) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワ

ーク等の活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。

(5) 地域や医療機関等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や

就業体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極

的に活用するなどの工夫に努めること。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設

備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故

防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。

(1) 「基礎理学療法学」及び「理学療法治療学」の内容については,

相互の密接な関連を図って取り扱うこと。

(2) 「理学療法治療学」及び「地域理学療法学」の内容は,作業療

法との関連に留意して取り扱うこと。

(3) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワ

ーク等の活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。

(4) 地域や医療機関等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や

就業体験を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に

活用するなどの工夫に努めること。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設

備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故

防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。

第6款 印 刷

第1 目 標

印刷に関する見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を

行うことなどを通して,情報デザインと印刷物の作成を通じ,地域や

社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要な資質・能力を次

のとおり育成することを目指す。

(1) 印刷の各工程について体系的・系統的に理解するとともに,関連

する技術を身に付けるようにする。

(2) 印刷産業に関する課題を発見し,職業人としての倫理観をもって

合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を

目指して自ら学び,印刷産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取

り組む態度を養う。

第6款 印 刷

第1 目 標

印刷に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,その社会的意

義と役割を理解させるとともに,情報化社会の一端を担う印刷技術の向

上と発展を図る能力と実践的な態度を育てる。

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Ⅱ - 112

第2 各 科 目

〔印刷概論〕

1 目 標

印刷に関する見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,地域や社会の健全で持続的な発展を担う

職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す

(1) 印刷とメディアについて体系的・系統的に理解するとともに,

印刷の文化的価値を理解し,印刷メディアに関する技術を身に付

けるようにする。

(2) 印刷とメディアに関する課題を発見し,職業人としての倫理観

をもって合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 印刷とメディアについて,よりよい社会の構築を目指して自ら

学び,印刷産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組む態度

を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) メディアの基礎

ア メディアの定義と機能

イ メディアの種類と特性

(2) 情報メディアの特性と活用

ア 情報メディアの種類と特性

イ 情報メディアの活用

(3) 印刷と社会

ア 印刷と技術の進歩

イ 印刷商品の形態と機能

ウ 印刷物が社会に及ぼす影響

第2 各科目

[印刷概論]

1 目 標

印刷の原理や沿革と応用分野に関する基礎的な知識を習得させ,

印刷の文化的価値を認識させる。

2 内 容

(1) 沿革

ア 印刷の歴史 イ 印刷のディジタル化

(2) 各種版式

ア 印刷の機能と方法 イ DTP

(3) 製版及び印刷の概要

ア 製版方法 イ 写真製版 ウ 校正 エ CT

(4) 企画・編集

ア 印刷物の企画と設計 イ 原稿作成 ウ ディジタ

ルデータ

(5) 製本

ア 製本の基礎 イ 出版の実際

(6) 印刷商品

ア 印刷商品の形態と機能 イ 電子出版

(7) 印刷技術の利用

ア 産業分野での印刷

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,印刷に関する教科の基礎科目であること

を踏まえ,視聴覚教材・教具の活用及び産業現場の見学等によ

り,生徒の学習意欲の向上に努めること。

イ 内容の(5)については,「印刷総合実習」と関連させながら扱

Page 363: 特別支援学校高等部学習指導要領等 - mext.go.jp...Ⅰ-2。幼児期の教育及び義務教育の基礎の上に,高等部卒業以降の教育や職業,生活,生

Ⅱ - 113

エ 印刷と情報産業

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 教科の基礎科目であることを踏まえ,視聴覚教材・教具の活

用及び産業現場の見学等により,生徒の学習意欲の向上に努め

ること。

イ 情報伝達やコミュニケーションの目的に応じて情報メディア

を適切に選択し,効果的に活用することを理解させるとともに

,著作権などの知的財産の取扱いにも留意することを理解させ

ること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)のアについては,メディアが社会や情報

産業に果たしている役割について扱うこと。イについては,

多様なメディアについて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)のアについては,新聞,テレビ,電話な

どを取り上げ,それぞれの情報メディアの特徴や働きについ

て取り扱うこと。イについては,情報の収集,分析,発信な

どにおいて情報メディアを効果的に活用するために必要な基

礎的な知識と技術について取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)のイからエまでについては,印刷産業の

動向や様々な産業分野における印刷技術の利活用を含めた今

後の展望について取り扱うこと。

〔印刷デザイン〕

1 目 標

印刷に関する見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,地域や社会の健全で持続的な発展を担う

職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す

うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,時代の進展とともに,情報や伝達の手

段が変化していくことを理解させ,印刷の文化的な役割の担い

手としての態度の育成に努めること。

イ 内容の(3)については,製版及び印刷の作業手順,コンピュー

タを利用した印刷物の製作等について触れること。

ウ 内容の(6)については,印刷商品の生産流通,消費などの生活

環境の変化についてその概要を扱うこと。

エ 内容の(7)については,生徒の実態に応じて,特殊印刷や高品

位印刷などについて触れること。

[写真製版]

1 目 標

写真及びコンピュータを応用した製版及び印刷の技術に関する基

礎的な知識を習得させ,これを印刷に応用する能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 写真製版の概要

ア 製版カメラの機能と操作 イ モノクロ製版とカラー製

ウ コンピュータ製版

(2) 平版製版

ア 平版製版の種類 イ 製版工程と製版材料

(3) 凸版製版

ア 凸版製版の種類 イ 製版工程と製版材料

(4) 凹版製版

ア 凹版製版の種類 イ 製版工程と製版材料

(5) 電子製版

ア スキャナの機能 イ 色分解と色再現

(6) その他の製版

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Ⅱ - 114

(1) 印刷デザインについて体系的・系統的に理解するとともに,関

連する技術を身に付けるようにする。

(2)印刷デザインに関する課題を発見し,職業人としての倫理観を

もって合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 印刷デザインについて,よりよい社会の構築を目指して自ら学

び,印刷産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を

養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 視覚の原理とデザイン

ア 視覚の仕組みと認知

イ 印刷デザインの歴史

ウ 視覚情報の伝達とメディア

(2) 構成とデザイン

ア デザインの概要と構成要素

イ 構成による視覚心理

ウ デザインの基礎技法

(3) 印刷技術とデザイン

ア デザインのワークフロー

イ フィニッシュワーク

ウ タイポグラフィー

エ カラー理論

オ レイアウトデザイン

カ インフォグラフィックス

(4) デザインの制作

ア 名刺,カレンダー

イ 広告チラシ,ポスター

ウ パッケージ

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,「印刷概論」,「写真化学・光学」,「画像

技術」及び「印刷総合実習」と関連させながら取り扱い,写真製

版の基礎的な知識や技術の習得を促すよう留意すること。

イ 内容の(5)については,スキャナによる電子製版に関して,「印

刷総合実習」と関連させながら扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,コンピュータを活用し,イメージセッ

タにより製版する方法について具体的に扱うこと。

イ 内容の(2)については,生徒の実態に応じて,オフセット印刷

における最新の技術について触れること。

ウ 内容の(6)については,写真製版を応用した技術やCTP,D

TP等の製版方法に触れること。

[印刷機械・材料]

1 目 標

製版及び印刷に用いられる機械・器具及び材料等に関する基礎的

な知識を習得させ,その適切な選択と使用及び保守・管理を行う能

力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 各種印刷機械の構造と分類

ア 構造と機能 イ コンピュータと印刷関連機器

(2) 製本機械,紙器加工機械及びその他の製版印刷機器類

ア 製本機械 イ 紙器加工機械 ウ 製版印刷機

エ オンデマンドプリンタ

(3) 印刷用紙

ア 製紙工程 イ 紙の種類,特性,規格

(4) 印刷用インキ類

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Ⅱ - 115

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 具体的な資料の活用や作品の鑑賞などを通して,生徒が意欲

的に作品制作を行うことができるようにすること。

イ 〔指導項目〕の(1)及び(2)については,具体的な事例を提示

して指導すること。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,実習を通して指導すること。

エ 〔指導項目〕の(4)については,アからウまでのうち,一つ以

上を選択し,(1)から(3)までの内容の指導で身に付けたことを

もとに作品の制作ができるようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(3)については,レタリングについても取り

扱うこと。

〔印刷製版技術〕

1 目 標

印刷に関する見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,地域や社会の健全で持続的な発展を担う

職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す

(1) 印刷製版技術について体系的・系統的に理解するとともに,関

連する技術を身に付けるようにする。

(2) 印刷製版技術に関する課題を発見し,職業人としての倫理観を

もって合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 印刷製版技術について,よりよい社会の構築を目指して自ら学

び,印刷産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を

養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

(5) 印刷写真用材料・薬品

ア 写真感光材料 イ 現像処理材料 ウ 製版印刷材

エ 磁気記録材料

(6) その他の製版印刷用材料

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,実験・実習を通して,実際的,具体的に

理解させるようにすること。

イ 内容の(6)については,材料相互の関連を考えさせながら,製

版印刷用材料を活用する能力の育成に努めること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)及び(2)については,各種機械・機器の扱い方,整

備,保守等について具体的に扱うこと。

イ 内容の(3)については,紙とインキのトラブルやその対応策に

触れること。

ウ 内容の(4)については,印刷用のインキの組成と特徴について

具体的に扱うこと。

エ 内容の(5)については,それぞれの材料に関して,その特徴や

用途を重点的に扱うこと。

オ 内容の(3),(4),(5)及び(6)については,自然及び環境保護

等について触れること。

[印刷デザイン]

1 目 標

グラフィックデザイン分野における図案・製図に関する基礎的な

知識と技術を習得させ,これを印刷に応用する能力と感性を養う。

2 内 容

(1) 色の体系

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Ⅱ - 116

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 各種版式の特徴と版式

ア 凸版印刷における製版

イ 平版印刷における製版

ウ 凹版印刷における製版

エ 孔版印刷における製版

(2) 特色印刷とフルカラー印刷における製版

ア モノクロ製版

イ カラー製版

(3) 写真製版

ア カメラ原理

イ 写真用感光材料

ウ 現像処理

エ 刷版

(4) デジタル製版

ア フィルムセッタとプレートセッタ

イ RIP処理

ウ 色分解と色再現

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 「印刷総合実習」と関連させながら取り扱い,製版の基礎的

な知識や技術の習得を促すよう留意すること。

イ 刷版工程を含むフィルム製版,プレート製版を総合的に取り

扱い,デジタル製版技術の基礎となる基本的な知識や技術に

ついて写真製版等の製版技術を通し習得できるよう留意する

こと。

ウ 製版材料の保管や取扱いと共に,現像等により生じる廃液等

の処理,技術革新による変化についても触れ,環境保全の重

要性も取り扱うこと。

ア 色の三属性 イ 感情効果 ウ 配色 エ 混

色と知覚

(2) フィニッシュワークの基礎

(3) 構成の原理

ア ハーモニー イ バランス ウ リズム

(4) レタリング

ア 書体の役割 イ 文字の基本と書き方 ウ バラン

(5) ポスター

ア 伝達の内容 イ 造形的な表現

(6) コンピュータによる画像構成

ア コンピュータグラフィックスの意義と技法

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,特に生徒の感性を養い,芸術性を考慮し

た表現ができるよう留意すること。

イ 内容の(1)及び(2)については,実習を通して,実際的,具体

的に理解させるようにすること。

ウ 内容の(3)については,平面構成を中心に,デザイン制作に役

立つよう指導すること。

エ 内容の(4)から(6)までについては,具体的な資料の活用や作

品の鑑賞などを通して,生徒が意欲的に作品制作を行うことが

できるようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,ポスターカラー,カラーインキ,色紙

など多様な種類の材料の使用に留意すること。

イ 内容の(2)については,生徒の実態に応じて,製図機器が適切

に使用できるようにすること。

ウ 内容の(4)については,生徒の実態に応じて,レタリングの活

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Ⅱ - 117

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,印刷の版式に応じた製版を

取り扱い,製版材料や工程にも触れること。

イ 〔指導項目〕の(3)については,光と色の基礎となる知識に

加え,光源と照明,カメラのレンズや絞り,露光と光化学,

写真濃度,網点とスクリーン線数についても取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(4)についてはスキャナーによる色分解,コ

ンピュータからの色分解出力,ダイレクト製版について技術

革新によるメリットを含め具体的に取り扱うこと。また,ア

ナログ製版の知識や技術がデジタル製版に生かされているこ

とも触れること。

〔DTP技術〕

1 目 標

印刷に関する見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,地域や社会の健全で持続的な発展を担う

職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す

(1) DTP技術について体系的・系統的に理解するとともに,関連

する技術を身に付けるようにする。

(2) DTP技術に関する課題を発見し,職業人としての倫理観をも

って合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) DTP技術について,よりよい社会の構築を目指して自ら学び

,印刷や産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を

養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

用の実際についても触れること。

[写真化学・光学]

1 目 標

一般写真の化学及び光学に関する基礎的な知識を習得させ,これ

を印刷に応用する能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 光及び色彩

ア 光学的な理論と実験 イ 色彩理論

(2) カメラ原理

ア カメラの構造 イ カメラの選択と使用,管理

(3) 一般写真用感光材料

ア 各種感光物質 イ 光化学反応

(4) 現像処理

ア 各種薬品の性質と使用法 イ 現像液の調合

(5) 製版用光源

ア 特性 イ 使用と管理

(6) 製版カメラ

ア 構造と特性 イ 操作と管理

(7) 製版用感光材料

ア 特性 イ 使用と管理

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,実験・実習,観察等を通して,一般写真

の化学及び光学に関する基礎的な知識や技術が習得されるよう

留意すること。

イ 内容の(3)については,カラー写真に関して,「写真製版」と

関連させながら扱うこと。

ウ 内容の(5)及び(7)については,各種製版用光源の特性と使用

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(1) DTPで取り扱う情報メディアの種類と特性

ア 文字

イ 図形

ウ 静止画

(2) DTPシステム

ア ハードウェア,ソフトウェア

イ 文書作成,編集,管理

ウ 画像作成,編集,管理

エ DTP編集

(3) デジタルプリプレス

ア ワークフロー

イ フォント,組版

ウ カラーマネジメント

エ データの出力,入稿,面付け

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,印刷産業における実践的な知識と技術の

習得を図るよう,生徒や学校の実態に応じて,適切なアプリ

ケーションソフトウェアを選択し指導すること。また,実習

を通し,情報メディアの編集処理に関わる技術を著作権など

知的財産の取扱いにも留意して習得させること。

イ 〔指導項目〕の(2)については,(3)と関連付けて指導するこ

と。

ウ 他の印刷に関する各科目と関連付けて指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,具体的な事例を通して,そ

れぞれの表現メディアの特性やデジタル化に関する基本的な

原理について取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)のイについては,ビジネス文書をはじめ

感光材料の性質とを関連させながら扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(3)については,各種感光物質の組成や光化学反応の理

論等の概要を扱うこと。

イ 内容の(6)については,内容の(2)との関連を図り,製版カメ

ラの構造,特性等を重点的に扱うこと。

[文書処理・管理]

1 目 標

文書処理・管理に関する知識と技術を習得させ,これを印刷に応

用する能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 各種文書

ア 種類と形態

(2) 文書構成

ア 構成要素の配置 イ 文書作成の要領

(3) コンピュータの活用

ア コンピュータの機能 イ 応用文書の作成

(4) 機器の管理

ア 使用機器の管理 イ 周辺装置の管理

(5) 文書の整理と保管

ア 文書情報の活用 イ 機密保持

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,コンピュータの操作に習熟するとともに,

文書の作成や管理についての実践的な態度の育成や能力の向上

に留意すること。

イ 内容の(1)から(3)までについては,相互に関連付けながら指

導し,コンピュータを使用して,適切に文書が作成できるよう

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Ⅱ - 119

とした様々なドキュメント様式についても取り上げ,それぞ

れの特性やコンピュータによる編集に必要な基礎的な知識と

技術について取り扱うこと。また,校正作業についても取り

扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(2)のウについては,ラスタデータ(形式)

画像やベクタデータ(形式)画像を取り上げ,それぞれの特

性やコンピュータによる編集に必要な基礎的な知識と技術に

ついて取り扱うこと。また,図表によるグラフィックスにつ

いても取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(3)のウの詳細は,デジタル画像技術で取り

扱うこと。また,エについては,スクリーニングやカンプと

プルーフについても触れること。

〔印刷情報技術〕

1 目 標

印刷に関する見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,地域や社会の健全で持続的な発展を担う

職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す

(1) 印刷情報技術について体系的・系統的に理解するとともに,印

刷産業に関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 印刷情報技術に関する課題を発見し,職業人としての倫理観を

もって合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 印刷情報技術について,よりよい社会の構築を目指して自ら学

び,印刷や産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組む態度

を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

にすること。

ウ 内容の(5)については,情報の活用や整理方法及び機密保持な

どの観点から,文書管理の意義が理解できるようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(5)については,文書ファイリングの必要性と方法,各

種記憶媒体による文書管理や文書交換の概要を扱うこと。

[印刷情報技術基礎]

1 目 標

社会における情報化の進展と情報の意義や役割を理解させるとと

もに,情報の活用に関する知識と技術を習得させ,印刷の分野で情

報及び情報手段を主体的に活用する能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 情報社会と情報機器

ア 情報社会 イ 情報機器の活用分野

(2) 情報モラルとセキュリティ

ア 情報の価値とモラル イ 情報のセキュリティ管理

(3) 情報機器と情報通信ネットワーク

ア 情報機器の仕組み イ プログラミング

ウ 情報機器の活用 エ 情報通信ネットワークの仕組み

(4) 印刷と情報機器の活用

ア 印刷における情報機器の活用の目的と意義

イ 印刷における情報機器の活用の実際 ウ 個人情報の管

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,情報機器を印刷に応用するための基礎的

な知識と技術の習得を図ること。また,実習を通して,実践的・

体験的に理解させるよう留意すること。

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Ⅱ - 120

(1) 産業社会と情報技術

ア 情報化の進展と産業社会

イ 情報の価値と情報モラル

ウ 情報のセキュリティ管理

(2) コンピュータシステム

ア ハードウェアとソフトウェア

イ オペレーティングシステムの基礎

ウ アプリケーションソフトウェアの利用

(3) プログラミングの基礎とコンピュータ制御

ア プログラム言語と流れ図

イ 基本的なプログラミング

ウ コンピュータ制御の基礎

(4) コンピュータネットワーク

ア コンピュータネットワークの概要

イ コンピュータネットワークの構成

ウ コンピュータネットワークの通信技術

(5) 印刷産業における情報技術の活用

ア 情報の収集と活用

イ DTP活用とデジタル印刷

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,コンピュータの操作を通して具体的に理

解させること。また,生徒の実態や学科の特色に応じて,適

切なオペレーティングシステム及びアプリケーションプログ

ラムを選択し,印刷に関する題材やデータなどを用いた実習

を通して,情報を主体的に活用できるように指導すること。

また,他の印刷に関する各科目と関連付けて実習や演習を中

心として取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,コンピュータシステムの概

要について理解させるとともに,利用に必要な基本的な操作

イ 印刷に関する題材やデータなどを用いた実習を通して,印刷

の分野において情報を主体的に活用できるように指導するこ

と。また,他の印刷に関する各科目と関連付けて指導すること。

ウ 内容の(4)については,「画像技術」及び「印刷総合実習」と

関連させながら扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,情報化の進展が生活や社会に及ぼす影

響,情報の意義や役割及び情報機器の活用分野の概要を扱うこ

と。

イ 内容の(2)については,個人のプライバシーや著作権など知的

財産の保護,収集した情報の管理,発信する情報に対する責任

など情報モラル及び情報通信ネットワークシステムにおけるセ

キュリティ管理の重要性について扱うこと。

ウ 内容の(3)のイについては,基本的な各種プログラム言語の機

能とその利用方法について扱うこと。ウについては,生徒の実

態に応じてアプリケーションソフトウェアを選択し,その基本

操作を扱うこと。エについては,情報通信ネットワークを活用

した情報の収集,処理及び発信について体験的に理解させるこ

と。

エ 内容の(4)については,生徒の実態に応じて,印刷に関する分

野における最新の情報機器の活用についても触れること。

[画像技術]

1 目 標

コンピュータを利用した画像技術に関する知識と技術を習得さ

せ,印刷の技術革新に対応できる能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 画像技術の基礎

ア 文字と画像 イ 2進法 ウ 加法混色,減法混色

(2) 画像の記憶と再現

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Ⅱ - 121

を習得させること。また,印刷産業におけるコンピュータシ

ステムについても触れること。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,生徒の実態や学科の特色に

応じて,扱わないことができること。

エ 〔指導項目〕の(5)については,情報機器や情報通信ネット

ワークを活用して,適切な情報の収集,整理,分析,表現及

び発表をさせること。また,印刷産業におけるコンピュータ

ネットワークの活用についても触れること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,情報化の進展が産業社会に

及ぼす影響について,身近な事例を取り扱うこと。また,個

人のプライバシーや著作権など知的財産の保護,収集した情

報の管理,発信する情報に対する責任などの情報モラルと情

報のセキュリティ管理の方法を取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(3)のイについては,基本的なプログラムの

作成方法を取り扱うこと。ウについては,身近な事例を通し

てコンピュータ制御と組み込みの概要を取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(5)のアについては,情報通信ネットワーク

を活用した情報の収集,処理及び発信について体験的に理解

させること。イについては,生徒の実態に応じてアプリケー

ションソフトウェアを選択し,入稿,印刷システムへの前段

階となるプリプレスに関する知識や技術を含め,取り扱うこ

と。また,印刷に関する分野における最新の情報機器の活用

についても触れること。

〔デジタル画像技術〕

1 目 標

印刷に関する見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,地域や社会の健全で持続的な発展を担う

ア 文字や画像と電気信号 イ ビットの意味

(3) コンピュータによる画像処理

ア 文字や図形の処理 イ スキャナの原理

(4) 画像の伝送

ア 画像伝送の原理 イ 伝送法

ウ 圧縮技術とインフラストラクチャー

(5) 印刷における画像技術

ア 文字と画像の処理システム イ トータルスキャナシス

テム

ウ 入力機器と出力機器

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,「印刷概論」,「印刷機械・材料」,「印

刷情報技術基礎」及び「印刷総合実習」と関連させながら,コ

ンピュータを活用し画像処理の基礎的な知識と技術を習得させ

ること。また,産業現場の見学や実習等指導方法の工夫に努め

ること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,文字と画像をコンピュータ上で扱う際

の基礎的な知識,技術,印刷における画像処理に必要な加法混

色,減法混色の概要について扱うこと。

イ 内容の(3)については,各種機器を活用したコンピュータにお

ける画像表現の概要について扱うこと。

ウ 内容の(4)については,ファクシミリ等のアナログ伝送の原

理,データのディジタル伝送の原理等,画像伝送の基礎的な内

容を扱うこと。

エ 内容の(5)については,生徒の実態に応じて,DTP等の文字

と画像の処理システムについて扱うこと。

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Ⅱ - 122

職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す

(1) デジタル画像技術について体系的・系統的に理解するとともに

,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) デジタル画像技術に関する課題を発見し,職業人としての倫理

観をもって合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) デジタル画像技術について,よりよい社会の構築を目指して自

ら学び,印刷や産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組む

態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) デジタル画像

ア デジタルデータの特徴

イ 画像のデジタル化

ウ 画像の記憶と再現

(2) 画像入力機器

ア デジタルカメラ

イ スキャナー

(3) デジタルデータ

ア 画像データの形式と特徴

イ 圧縮技術とインフラストラクチャー

ウ データ通信

(4) 画像の作成と処理

ア ラスタデータ(形式)画像

イ ベクタデータ(形式)画像

(5) デジタルデータ入稿

ア プリフライト

イ 分版

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Ⅱ - 123

ウ 入稿用PDF

エ カラー変換

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「印刷情報技術」,「DTP技術」及び

「印刷総合実習」と関連させながら,コンピュータを活用し

画像処理の基礎的な知識と技術を習得させること。

イ 生徒の実態や興味・関心に応じ,関連ソフトウェアの積極的

な活用を図り,表現として画像データを実践的に印刷として

応用できるよう知識と技術の習得を図ること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,AD変換における量子化や

符号化と共にデータ量を表すバイトやビットなど文字と画像

をデジタルデータとして扱う際の基礎的な知識について取り

扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,入力機器の仕組みや構造を

含め,光情報を電気信号に置き換える仕組みについて取り扱

うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,通信技術についても取り扱

うこと。

エ 〔指導項目〕の(4)のアについては,画像サイズ,線数,解

像度,色分解,アンシャープマスク等にも触れること。

〔印刷総合実習〕

1 目 標

印刷に関する見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,地域や社会の健全で持続的な発展を担う

職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す

[印刷総合実習]

1 目 標

印刷に関する知識と技術を総合的に習得させ,これを実際の印刷

において活用する能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 124

(1) 印刷の各工程について,体系的・系統的に理解するとともに,

関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 印刷技術や印刷産業に関する課題を発見し,職業人としての倫

理観をもって合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 印刷や印刷産業について,よりよい社会の構築を目指して自ら

学び,印刷技術や産業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組

む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 要素実習

(2) 総合実習

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,安全に配慮するとともに生徒の興味・関

2 内 容

(1) 組版実習

ア 文字組版実習 イ 電子組版実習 ウ 作図作業実

(2) 製版実習

ア 平版実習 イ 写真製版実習 ウ 刷版製版実習

(3) 印刷実習

ア オフセット印刷実習 イ 凸版印刷実習

ウ グラビア印刷実習 エ 孔版印刷実習 オ 特殊印

刷実習

(4) 文書処理実習

(5) 情報技術実習

ア プログラミング実習 イ 制御,通信に関する実習

ウ 印刷の応用に関する実習

(6) 画像技術実習

ア カラースキャナに関する実習 イ 色再現に関する実習

(7) その他印刷に関する実習

ア 製本や加工に関する実習

イ コンピュータによる製版印刷に関する実習

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,他の印刷に関する科目との関連を図り,

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Ⅱ - 125

心,進路希望等に応じて実習内容を重点化することや生徒に

実習内容を選択させることなど弾力的に取り扱うこと。

イ 指導に当たっては,情報機器の積極的な活用を図りながら,

印刷技術に関する基礎・基本が習得できるよう,他の印刷に

関する科目との関連を図ること。

ウ 指導に当たっては,印刷に関する伝統的な技術・技能を扱う

とともに,安全衛生や技術者としての倫理,環境及びエネル

ギーヘの配慮などについて,総合的に理解させること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)の実習においては,関連機械の仕組みや

構造,機械の点検整備や保守管理,印刷用紙や印刷インク,

製本に関する知識や技術も併せて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,(1)の個々の要素技術を総合

化し,企画から納品までの流れを総合的に理解できるよう留

意すること。

ウ 〔指導項目〕の(2)については,地域の企業等の協力を得る

などし,印刷に関する先端的技術に関わる施設設備の見学を

含め,インターンシップ等体験的な実習に取り組めるよう工

夫すること。

〔課題研究〕

1 目 標

印刷の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行う

ことなど通して,社会を支え産業の発展を担う職業人として必要な

資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 印刷について体系的・系統的に理解するとともに,相互に関連

付けられた技術を身に付けるようにする。

(2) 印刷技術や印刷産業に関する課題を発見し,印刷産業に携わる

者として解決策を探究し,科学的な根拠に基づき創造的に解決す

企画から納品までの流れを総合的に理解できるよう留意するこ

と。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(2)については,写真製版やコンピュータによる製版に

重点を置いて行うこと。

イ 内容の(3)については,平版印刷のうちオフセット印刷を中心

に行うこと。

ウ 内容の(4)については,文書の作成,受信,発信,整理,保管

等文書処理に関する課題を設定した実習を中心に行うこと。

エ 内容の(6)については,電子的に色分解する技術と知識を養う

とともに,適切なカラー原稿の見方や各種色再現について扱う

こと。

[課題研究]

1 目 標

印刷に関する課題を設定し,その課題の解決を図る学習を通して,

専門的な知識と技術の深化,総合化を図るとともに,問題解決の能

力や自発的,創造的な学習態度を育てる。

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Ⅱ - 126

る力を養う。

(3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,印刷産業の発展

や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 調査,研究,実験

(2) 作品制作

(3) 産業現場等における実習

(4) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路指導等に応じて〔指導項目〕の(1)

から(4)までの中から,個人又はグループで印刷に関する適切

な課題を設定し,主体的かつ協働的に取り組む学習活動を通

し,専門的な知識,技術などの深化・総合化を図り,印刷に

関する課題の解決に取り組むことができるようにすること。

なお,課題については,(1)から(4)までの2項目以上にまた

がるものを設定することができること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにするこ

と。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

を図るようにすること。その際,印刷の見方・考え方を働かせ,

見通しをもって実験・実習などを行い,科学的な根拠に基づき創

2 内 容

(1) 調査,研究,実験

(2) 作品製作

(3) 産業現場等における実習

(4) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,内容の(1)から(4)

までの中から個人又はグループで適切な課題を設定させるこ

と。なお,課題は内容の(1)から(4)までの2項目以上にまたが

る課題を設定することができること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めるこ

と。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,

実際的,具体的に理解させるようにすること。

(2) 指導に当たっては,職業人としての心構えや倫理観の育成に留

意すること。

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Ⅱ - 127

造的に探究するなどの実践的・体験的な学習活動の充実を図るこ

と。

(2) 印刷に関する各学科においては,「印刷とメデイア」及び「課

題研究」を原則として全ての生徒に履修させること。

(3) 印刷に関する各学科においては,原則として印刷科に属する科

目に配当する総授業時数の 10分の5以上を実習に配当すること

(4) 地域や産業界等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就

業体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的

に活用するなどの工夫に努めること。

(5) 「印刷製版技術」,「DTP技術」,「デジタル画像技術」に

ついては,学校や地域の実態などを考慮して適切な指導内容を設

定し,重点的に取り扱うこと。

(6) 「課題研究」については,年間指導計画に定めるところに従い

,学校や地域の実態,生徒の興味・関心,進路希望などを考慮し

,必要に応じて弾力的に授業時間を配当することができること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 情報メディアや印刷物に関する課題を明確化して解決するため

の主体的な情報収集や意見交換を積極的に取り入れ,科学的な根

拠に基づいて論理的に説明する言語活動に関わる学習活動を一層

重視すること。また,印刷に関する知識と技術の定着と概念の深

化を図るため,体験したことや解決方法などを説明するなどの言

語活動を取り入れること。

(2) コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的に活用し,

学習の効果を高めるよう工夫すること。また,情報の信頼性や信

憑ぴょう

性を見極めたり,確保したりする能力の育成を図るとともに

,知的財産権や個人情報の保護をはじめ,科学的な理解に基づく

情報モラルの育成を図ること。

3 実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や

薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止

(3) 「課題研究」については,年間指導計画に定めるところに従い,

必要に応じて弾力的に授業時間を配当することができること。

(4) 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業

体験を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用

するなどの工夫に努めること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の内容については,技術革新の進展に対応し,新技術を

導入することが大切であるが,生徒の実態に応じて,適切な指導

内容の精選に努めること。

(2) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワ

ーク等の活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設

備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故

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Ⅱ - 128

や環境保全の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする

。また,廃液などの処理についても,十分留意するものとする。

防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意すること。また,廃液

処理の指導を徹底し,自然環境の保護に十分留意するものとする。

第7款 理容・美容

第1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,理容・美容を通じ,公衆衛生の向上に寄

与する職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを

目指す。

(1) 理容・美容について体系的・系統的に理解するとともに,関連

する技術を身に付けるようにする。

(2) 理容・美容に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理感

を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築

を目指して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的

に取り組む態度を養う。

第2 各 科 目

〔関係法規・制度〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,理容・美容の実践に必要な資質・能力を

次のとおり育成することを目指す。

(1) 理容・美容の関係法規・制度について体系的・系統的に理解す

るようにする。

(2) 理容・美容の関係法規・制度に関する課題を発見し,理容・美

容の職業倫理を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理容・美容の関係法規・制度について,よりよい理容・美容の

実践を目指して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協

第7款 理容・美容

第1 目 標

理容・美容に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,その社会

的意義と役割を理解させるとともに,理容・美容を通して,公衆衛生の向

上に寄与する能力と態度を育てる。

第2 各科目

[理容・美容関係法規]

1 目 標

理容・美容に関する法規及び制度について理解させ,理容・美容

業を適切に行うために必要な能力と態度を育てる。

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働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 衛生行政

ア 衛生行政の仕組みと意義

イ 保健所の組織と活動

(2) 理容師法と美容師法

ア 沿革と目的

イ 理容師及び美容師の資格

ウ 理容所及び美容所の開設

エ 罰則規定

(3) その他の関係法規

ア 生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律

イ 消費者保護関係法規

ウ 理容師法と美容師法との違い

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)及び(2)については,理容所や美容所,保

健所の見学等を通して,理容師や美容師の役割や理容・美容業

の意義についての自覚を促すようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,衛生行政の組織のうち,特に

,理容・美容業と関係の深い保健所の組織と活動を重点的に取

り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,特に理容師や美容師の業務上

の遵守事項等について取り扱うこと。

2 内 容

(1) 衛生行政

ア 衛生行政の仕組みと意義 イ 保健所の組織と活動

(2) 理容師法及び美容師法

ア 沿革と目的 イ 理容師及び美容師の資格

ウ 理容所及び美容所の開設 エ 罰則規定

(3) 関係法規

ア 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律

イ 消費者保護関係法規

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 内容の(1)及び(2)については,理容所や美容所,保健所の見

学等を通して,理容師や美容師の役割や理容・美容業の意義に

ついての自覚を促すようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,衛生行政の組織のうち,特に,理容・

美容業と関係の深い保健所の組織と活動を重点的に扱うこと。

イ 内容の(2)については,特に理容師や美容師の業務上の遵守事

項等について扱うこと。

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Ⅱ - 130

ウ 〔指導項目〕の(3)については,理容・美容の業務との関連を

図り,関係法規の概要について取り扱うこと。

〔衛生管理〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,理容・美容業に必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 理容・美容における衛生管理に関する基礎的な知識について体

系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるよ

うにする。

(2) 理容・美容における衛生管理に関する課題を発見し,理容・美

容の職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理容・美容における衛生管理について,よりよい理容・美容の

実践を目指して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協

働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 公衆衛生概説

ア 公衆衛生の意義と歴史

イ 保健所と理容・美容業

(2) 環境衛生

ア 環境衛生概論

イ 環境衛生各論

ウ 理容所及び美容所における環境衛生

(3) 感染症

ア 感染症の種類と発生原因

イ 感染症の予防

ウ 内容の(3)については,理容・美容の業務との関連を図り,関

係法規の概要について扱うこと。

[衛生管理]

1 目 標

環境衛生の意義と目的について理解させるとともに,感染症の予

防,消毒法に関する知識と技術を総合的に習得させ,理容・美容を

適切に行う能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 公衆衛生概説

ア 公衆衛生の意義と歴史 イ 保健所と理容・美容業

(2) 環境衛生

ア 環境衛生概論 イ 環境衛生各論

ウ 理容所及び美容所における環境衛生

(3) 感染症

ア 感染症の種類と発生原因 イ 感染症の予防

ウ 理容・美容と感染症

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Ⅱ - 131

ウ 理容・美容と感染症

(4) 衛生管理技術

ア 消毒の意義と目的

イ 消毒法の種類

ウ 消毒法の実際

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「保健」と関連させながら,理容・美容

業における衛生措置の実際的な知識と技術の習得を図ること。

イ 〔指導項目〕の(4)については,器具の消毒が,理容・美容の

業務を衛生的に行う上で,特に重要なものであることから,実

験・実習を通して,その意義を理解させ,消毒に関して必要な

適切な技術などの習得に努めること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,公衆衛生と理容・美容業と

の結び付き,理容師や美容師の責務,保健所の業務などを重

点的に取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,環境と健康,衣食住の衛生

,廃棄物処理と環境保全などを重点的に取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,感染症の種類など,理容・

美容と関係の深い事項を重点的に取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(4)については,消毒器具の取扱い,消毒薬

の保管方法などの概要を取り扱うこと。

〔保 健〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

(4) 衛生管理技術

ア 消毒の意義と目的 イ 消毒法の種類 ウ 消毒法

の実際

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,「理容・美容保健」と関連させながら,

理容・美容業における衛生措置の実際的な知識と技術の習得を

図ること。

イ 内容の(4)については,器具の消毒が,理容・美容の業務を衛

生的に行う上で,特に重要なものであることから,実験・実習

を通して,その意義を理解させ,消毒に関して必要な適切な技

術等の習得に努めること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,公衆衛生と理容・美容業との結び付き,

理容師や美容師の責務,保健所の業務等を重点的に扱うこと。

イ 内容の(2)については,環境と健康,衣食住の衛生,廃棄物処

理と環境保全等を重点的に扱うこと。

ウ 内容の(3)については,感染症の種類等,理容・美容と関係の

深い事項を重点的に扱うこと。

エ 内容の(4)については,消毒器具の取扱い,消毒薬の保管方法

等の概要を扱うこと。

[理容・美容保健]

1 目 標

人体,皮膚及び皮膚付属器官の構造と機能に関する科学的,系統

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Ⅱ - 132

を行うことなどを通して,理容・美容業に必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 理容・美容の保健に関する基礎的な知識について体系的・系統

的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 理容・美容の保健に関する課題を発見し,理容・美容の職業倫

理を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理容・美容の保健について,よりよい理容・美容の実践を目指

して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り

組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 人体の構造と機能

ア 人体の構造

イ 人体の調整機能

ウ 人体の骨格,筋

エ 人体の神経機能

(2) 皮膚及び皮膚付属器官の構造及び機能

ア 構造

イ 生理作用

(3) 皮膚及び皮膚付属器官の保健衛生

ア 皮膚に影響を及ぼす因子

(4) 皮膚及び皮膚付属器官の疾患

ア 疾患の種類,原因,症状

イ 理容・美容で使用する香粧品とかぶれやアレルギーとの関連

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,各種の模型や標本の活用,映像等の工夫

的な知識を総合的に習得させ,理容・美容を適切に行う能力と態度

を育てる。

2 内 容

(1) 人体の構造と機能

ア 人体の構造 イ 人体の調整機能 ウ 骨格,筋

エ 循環,呼吸 オ 消化,排泄せつ

カ 神経と感覚器

(2) 皮膚及び皮膚付属器官の構造と機能

ア 構造 イ 生理作用

(3) 皮膚及び皮膚付属器官の疾患

ア 皮膚に影響を及ぼす因子 イ 保護と手入れ ウ

疾患

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,各種の模型や標本の活用,ビデオ教材等

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Ⅱ - 133

によって,専門的な知識の習得を図ること。

イ 〔指導項目〕の(2)から(4)までについては,「衛生管理」や

「香粧品化学」と関連させながら,皮膚疾患とその感染経路,

病原菌と消毒法及び予防法に関する的確な知識と技術を習得

させること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,施術の際に使う骨格及び筋

についても,各器官と関連させながら取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,皮膚及び皮膚付属器官の構

造や生理作用の概要について取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,毛髪の保健衛生について重

点的に取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(4)については,皮膚及び皮膚付属器官に影

響を与える因子,香粧品との関連について重点的に取り扱う

こと。

〔香粧品化学〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,理容・美容業に必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 香粧品化学に関する基礎的な知識について体系的・系統的に理

解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 香粧品化学に関する課題を発見し,理容・美容の職業倫理を踏

まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 香粧品化学について,よりよい理容・美容の実践を目指して自

ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組む態

度を養う。

2 内 容

の工夫によって,専門的な知識の習得を図ること。

イ 内容の(2)及び(3)については,「理容・美容の物理・化学」

や「衛生管理」と関連させながら,皮膚疾患とその感染経路,

病原菌と消毒法及び予防法に関する的確な知識と技術を習得さ

せること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,人体の構造と機能に関する基礎的な内

容を,各器官の疾病と保健に関連させながら扱うこと。

イ 内容の(2)については,皮膚及び皮膚付属器官の構造や生理作

用の概要を指導するとともに,特に,毛髪の保健衛生について

は重点的に扱うこと。

ウ 内容の(3)については,皮膚及び皮膚付属器官に影響を与える

因子,その性状に合った保護と手入れの方法等を重点的に指導

すること。

[理容・美容の物理・化学]

1 目 標

理容・美容器具や香粧品等に関する科学的知識を習得させ,理容・

美容を適切に行う能力と態度を育てる。

2 内 容

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Ⅱ - 134

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 香粧品に関する化学

ア 物質の構造

イ 化学反応と化合物

ウ 水と金属

エ 香粧品概論

オ 香粧品の種類と原料

カ 基礎香粧品の使用目的と取扱い

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱うに際は,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,実験・実習や観察を重視するとともに,

「保健」,「理容実習」及び「美容実習」と関連させながら,実

際的な知識の習得を図ること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,溶液の性質,香粧品の原料,

洗浄剤の種類等,香粧品に関する化学及び化粧品の成分の概要

を取り扱うこと。

〔文化論〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,理容・美容業に必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 理容・美容に関する物理

ア 力,熱,光 イ 理容・美容と機械・器具

(2) 香粧品に関する化学

ア 物質の構造 イ 化学反応と化合物 ウ 水と金属

エ 香粧品概論 オ 香粧品の種類と原料

カ 基礎香粧品の使用目的と取扱い

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,実験・実習や観察を重視するとともに,

「理容・美容保健」,「理容実習」及び「美容実習」と関連させ

ながら,実際的な知識の習得を図ること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,熱伝導,光,電磁気など理容・美容に

かかわりのある物理の基本的な原理と機械・器具の構造や機能

を関連させながら,その操作方法について扱うこと。

イ 内容の(2)については,溶液の性質,香粧品の原料,洗浄剤の

種類等,香粧品に関する化学及び化粧品の成分の変更等の概要

を扱うこと。

[理容・美容文化論]

1 目 標

理容・美容の業務を行うために必要な美的感覚を身に付けるとと

もに,豊かな表現力と鑑賞力を養う。

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Ⅱ - 135

(1) 理容・美容の文化に関する基礎的な知識について体系的・系統

的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 理容・美容の文化に関する課題を発見し,理容・美容の職業倫

理を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理容・美容の文化について,よりよい理容・美容の実践を目指

して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り

組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 理容・美容文化史

ア 理容・美容文化の歴史

イ 理容・美容の変遷

ウ 流行の影響

(2) 服飾

ア 服飾の歴史

イ 理容・美容業と服飾

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,美的感覚,表現力,鑑賞力を養うために

,芸術科等と関連させながら指導すること。また,生徒の興

味・関心に即して,見学の機会を設けるなどして,ヘアスタ

イルを概括的に取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,時代や地域を象徴するファッ

2 内 容

(1) 理容・美容文化史

ア 理容・美容の変遷 イ 流行の影響

(2) 理容・美容デザイン

ア 造形の意義と応用 イ 色彩の意義と応用

(3) 服飾

ア 服飾の歴史 イ 理容・美容業と服飾

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,美的感覚,表現力,鑑賞力を養うために,

芸術科等と関連させながら指導すること。また,生徒の興味・

関心に即して,見学の機会を設けるなどして,ファッションを

概括的に取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,時代や地域を象徴するファッションを

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Ⅱ - 136

ションについても取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,時代や地域を象徴する服飾を

基に,その特徴や機能,ファッション性などの概要を取り扱う

こと。

〔理容・美容技術理論〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,理容・美容業に必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 理容・美容技術に関する基礎的な知識について体系的・系統的

に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 理容・美容技術に関する課題を発見し,理容・美容の職業倫理

を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理容・美容技術について,よりよい理容・美容の実践を目指し

て自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組

む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 器具類の取扱い

ア 種類と使用目的

イ 形態と機能

ウ 選定法と手入れ

エ 理容所と美容所の設備・備品

(2) 基礎技術

ア 理容・美容技術の意義

イ 理容・美容技術と人体各部の名称

基に,その特徴や時代背景等について扱うこと。

イ 内容の(2)については,色彩や造形の原理等,基礎的な内容を

中心に,理容・美容と関連させながら扱うこと。

ウ 内容の(3)については,時代や地域を象徴する服飾を基に,そ

の特徴や機能,ファッション性等の概要を扱うこと。

[理容・美容技術理論]

1 目 標

理容・美容に関する基礎的な知識と技術を総合的に習得させ,理

容・美容を衛生的,能率的に実践する態度と習慣を養うとともに,

これを適切に行う能力を育てる。

2 内 容

(2) 器具類の取扱い

ア 種類と使用目的 イ 形態と機能 ウ 選定法と手

入れ

エ 理容所と美容所の設備・備品

(1) 基礎技術

ア 理容・美容技術の意義 イ 理容・美容技術と人体各部

の名称

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Ⅱ - 137

ウ 作業姿勢

(3) 頭部,顔部及び頸けい

部技術

ア ヘアデザインとカッティング

イ シャンプー技術とリンシング

ウ 頭部マッサージとヘアトリートメント

エ ヘアセッティングの種類と特徴

オ 理容のシェービング

カ 顔面処置技術

(4) 特殊技術

ア エステティック技術,ネイル技術など

(5) 理容・美容デザイン

ア ヘアデザインの造形の意義と応用

イ 色彩の原理と理容・美容における応用

(6) 美容の和装技術

ア 美容の和装技術

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱うに際は,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「理容実習」及び「美容実習」と関連さ

せて取り扱うこと。また,理容所や美容所の施設等とその業務

の見学や器具,用具類の操作等を通して,具体的に知識と技術

を習得させること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,理容・美容器具の正しい使

い方,種類と特長及び理容所と美容所の設備・備品について

取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,実際の業務において必要と

される理容師や美容師としての心構えや倫理観,衛生措置等

の概要を取り扱うこと。

ウ 作業姿勢

(3) 頭部技術

ア ヘアデザインとカッティング イ シャンプー技術とリ

ンシング

ウ 頭部マッサージとヘアトリートメント

エ ヘアセッティングの種類と特徴

(4) 理容の顔面技術

ア シェービング イ 顔面処置技術

(5) 特殊技術

ア 染毛技術 イ 美顔術

(6) 美容の和装技術

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,「理容実習」及び「美容実習」と関連さ

せて取り扱うこと。また,理容所や美容所の施設等とその業務

の見学や器具,用具類の操作等を通して,具体的に知識と技術

を習得させること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,実際の業務において必要とされる理容

師や美容師としての心構えや倫理観,衛生措置等の概要を扱う

こと。

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Ⅱ - 138

ウ 〔指導項目〕の(3)については,基礎となるヘアデザインを

中心に,各種頭部技術の概要について取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(5)については,色彩や造形の原理等,基礎

的な内容を中心に,理容・美容と関連させながら取り扱うこ

と。

オ 〔指導項目〕の(6)については,日本髪の由来や名称及びそ

の特徴,着付け技術等に重点を置いて取り扱うこと。

〔運営管理〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,理容・美容業の運営管理に必要な資質・

能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理容・美容業の運営管理に関する基礎的な知識について体系的

・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるように

する。

(2) 理容・美容業の運営管理に関する課題を発見し,理容・美容の

職業倫理を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理容・美容業の運営管理について,よりよい理容・美容の実践

を目指して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的

に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 経営管理

ア 経営戦略及び経営管理の基本

イ 理容所・美容所の運営

(2) 労務管理

ア 労務管理の基本的理論

イ 内容の(3)については,基礎となるヘアデザインを中心に,各

種頭部技術の概要について扱うこと。

ウ 内容の(5)については,染毛技術における薬剤の取扱いに重点

を置いて扱うこと。

エ 内容の(6)については,日本髪の由来や名称及びその特徴,着

付け技術等に重点を置いて扱うこと。

[理容・美容運営管理]

1 目 標

理容・美容業にかかわる運営管理の基本的事項及び適切な接客方

法を習得させ,理容・美容を適切に行う能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) マーケティング

ア マーケティングの概要 イ 理容・美容業とマーケティ

ング

(2) 経営管理

ア 企業と経営 イ 理容・美容業と経理

(3) 労務管理

ア 労務管理の概要 イ 社会保障制度

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Ⅱ - 139

イ 社会保障制度

(3) 接客

ア 接客の意義と技術

イ 消費者対応の基本的事項

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,経営管理や労務管理の理論的,技術的な

学習にとどまることなく,理容・美容の業務に関する職業観

の育成に努めること。

イ 〔指導項目〕の(3)については,「理容実習」又は「美容実

習」と関連させながら指導すること。また,理容所や美容所

における実習等を通して,実践的な態度と能力を育てること

。なお,接客の指導に当たっては,個々の生徒のコミュニケ

ーション手段の特性に合わせて,的確な接客が身に付くよう

留意すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,経営管理や事務にかかわる基

本的な理論と事例について取り扱うこと。また,理容業界や美

容業界の現状などを,具体的な事例を基に指導すること。

イ 〔指導項目〕の(2)については,労務管理の目的や範囲につい

て関係法規と関連させながら取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,実習を通して,接客の意義,

接客用語などを重点的に取り扱うこと。

〔理容実習〕

ウ 作業管理と健康管理

(4) 接客法

ア 接客法の基本 イ 事故及びトラブルの処理

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,経営管理や労務管理の理論的,技術的な

学習にとどまることなく,理容・美容の業務に関する職業観の

育成に努めること。

イ 内容の(4)については,「理容実習」及び「美容実習」と関連

させながら指導すること。また,理容所や美容所の施設等にお

ける実習等を通して,実践的な態度と能力を育てること。なお,

接客法の指導に当たっては,個々の生徒のコミュニケーション

手段の特性に合わせて,的確な接客法が身に付くよう留意する

こと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,マーケティング理論の概要,理容業界

や美容業界の現状等を,具体的な事例を基に指導すること。

イ 内容の(2)については,経営管理や事務にかかわる基本的な理

論と事例について扱うこと。

ウ 内容の(3)については,労務管理の目的や範囲について関係法

規と関連させながら扱うこと。

エ 内容の(4)については,社会生活におけるエチケットの必要性

に触れるとともに,実習を通して,接客の意義,接客用語等を

重点的に扱うこと。

[理容実習]

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Ⅱ - 140

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,理容の実践に必要な資質・能力を次のと

おり育成することを目指す。

(1) 理容の実践について体系的・系統的に理解するとともに,関連

する技術を身に付けるようにする。

(2) 理容の実践に関する課題を発見し,理容の職業倫理を踏まえ合

理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) よりよい理容の実践を目指して自ら学び,人々の公衆衛生の向

上に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 基礎技術実習

ア 実習の心構え

イ 作業位置と姿勢

ウ 施設の衛生管理

(2) 器具の取扱い実習

ア 管理方法と消毒方法

イ 基本操作

(3) 頭部,顔部及び頸けい

部技術実習

ア ヘアカッティング技法

イ シャンプー技術

ウ 頭部処置技術

エ ヘアアイロン技術

オ パーマネントウェービング

カ ヘアカラーリング

キ シェービングとその他の顔面処理技術

(4) 特殊技術実習

1 目 標

理容に関する技術を総合的に習得させ,理容を適切に行う能力と

態度を育てる。

2 内 容

(1) 基礎技術実習

ア 実習の心構え イ 作業位置と姿勢 ウ 施設の衛

生管理

(2) 器具の取扱い実習

ア 管理方法と消毒方法 イ 基本操作

(3) 頭部技術実習

ア スタンダードヘアにおけるカッティング技法の実習

イ デザインヘアにおけるカッティング技法の実習

ウ ヘアセッティング技法の実習

エ シャンプー技術の実習

オ 理容マッサージ技法の実習

(4) 顔面技術実習

ア シェービング技術の実習 イ 顔面処置技術の実習

(5) 特殊技術実習

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Ⅱ - 141

ア エステティック技術

イ ネイル技術

(5) 総合実習

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「理容・美容技術理論」と関連させなが

ら,理容師としての専門的な技術を取り扱うこと。

イ 器具,用具類の基本操作の指導に当たっては,安全で確実な

操作の習得を優先するとともに,けが等の応急処置の方法に

も触れること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,実習を行う際の一般的な留意

事項や衛生上の留意事項について取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,刃物類の安全性に留意して扱

うとともに,刃物類,櫛くし

,ブラシ類の消毒方法などを重点的に

取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,準備から事後処理までの順序

や各種技法の特徴などを中心に,頭部処置,顔部処置及び頸けい

処置の実際を取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(4)については,各種香粧品の取扱い,パッチ

テストの方法,マッサージの基本手技等を取り扱うこと。

〔美容実習〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

ア 染毛技術の実習

イ フェイスマッサージ及びトリートメント技術の実習

(6) 総合実習

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,「理容・美容技術理論」と関連させなが

ら,理容師としての専門的な技術の習得を図ること。

イ 器具,用具類の基本操作の指導に当たっては,安全で確実な

操作の習得を優先するとともに,けが等の応急処置の方法にも

触れること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,実習を行う際の一般的な留意事項や衛

生上の留意事項について扱うこと。

イ 内容の(2)については,刃物類の安全性に留意して扱うととも

に,刃物類,櫛くし

,ブラシ類の消毒方法や研磨方法等を重点的に

扱うこと。

ウ 内容の(3)については,カッティングの準備から事後処置まで

の順序や各種技法の特徴等を中心に,頭部処置の実際を扱うこ

と。

エ 内容の(4)については,フェイスシェービング及びネックシェ

ービングの準備から事後処置までの順序や技法等を中心に,顔

面処置の実際を扱うこと。

オ 内容の(5)については,各種染毛剤の取扱い,パッチテストの

方法等を扱うこと。

[美容実習]

1 目 標

美容に関する技術を総合的に習得させ,美容を適切に行う能力と

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Ⅱ - 142

を行うことなどを通して,美容の実践に必要な資質・能力を次のと

おり育成することを目指す。

(1) 美容の実践について体系的・系統的に理解するとともに,関連

する技術を身に付けるようにする。

(2) 美容の実践に関する課題を発見し,美容の職業倫理を踏まえ合

理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) よりよい美容の実践を目指して自ら学び,人々の公衆衛生の向

上に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 基礎技術実習

ア 実習の心構え

イ 作業位置と姿勢

ウ 施設の衛生管理

(2) 器具の取扱い実習

ア 管理方法と消毒方法

イ 基本操作

(3) 頭部,顔部及び頸けい

部技術実習

ア トリートメント技術

イ ヘアシャンプー技術

ウ ヘアカッティング技法

エ パーマネント技法

オ ヘアセッティング技法

カ ヘアカラーリング

キ メイクアップ

ク まつ毛エクステンション

(4) 特殊技術実習

ア エステティック技術

態度を育てる。

2 内 容

(1) 基礎技術実習

ア 実習の心構え イ 作業位置と姿勢 ウ 施設の衛

生管理

(2) 器具の取扱い実習

ア 管理方法と消毒方法 イ 基本操作

(3) 頭部技術実習

ア トリートメント技術の実習 イ シャンプー技術の実習

ウ カッティング技法の実習 エ パーマネント技法の実習

オ ヘアセッティング技法の実習

(4) 特殊技術実習

ア 染毛技術の実習 イ 美顔術とボディケア技術の実習

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Ⅱ - 143

イ ネイル技術

(5) 和装技術実習

ア 日本髪

イ 着付け

(6) 総合実習

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱うに際は,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「理容・美容技術理論」と関連させなが

ら,美容師としての専門的な技術を取り扱うこと。

イ 器具,用具類の基本操作の指導に当たっては,安全で確実な

操作の習得を優先するとともに,けが等の応急処置の方法に

も触れること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,実習を行う際の一般的な留意

事項や衛生上の留意事項について取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,刃物類の安全性に留意して扱

うとともに,刃物類,櫛くし

,ブラシ類の消毒方法などを重点的に

取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,準備から事後処置までの準備

や,特にカッティング,カーリング及びワインディングについ

て基礎的な技術を取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(4)については,各種香粧品の取扱い,パッチ

テストの方法,マッサージの基本手技等を取り扱うこと。

オ 〔指導項目〕の(5)については,伝統的なヘアスタイルの重要

性に触れ,着付けの基礎的な技術を取り扱うこと。

ウ 化粧技法の実習

エ マニキュアとペディキュア技術の実習

(5) 和装技術実習

ア 日本髪 イ 着付け技術の実習

(6) 総合実習

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,「理容・美容技術理論」と関連させなが

ら,美容師としての専門的な技術の習得を図ること。

イ 器具,用具類の基本操作の指導に当たっては,安全で確実な

操作の習得を優先するとともに,けが等の応急処置の方法にも

触れること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,実習を行う際の一般的な留意事項や衛

生上の留意事項について扱うこと。

イ 内容の(2)については,刃物類の安全性に留意して扱うととも

に,刃物類,櫛くし

,ブラシ類の消毒方法等を重点的に扱うこと。

ウ 内容の(3)については,特にカッティング,カーリング,ワイ

ンディングについて基本的な技術の習得を図ること。

エ 内容の(4)については,各種染毛剤の取扱い,パッチテストの

方法,マッサージの基本手技等を扱うこと。

オ 内容の(5)については,伝統的なヘアスタイルの重要性に触

れ,着付け技術の基礎的な内容の習得を図ること。

カ 内容の(6)については,頭部技術実習や特殊技術実習等を組

み合わせることにより,総合的に美容技術を扱うこと。

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Ⅱ - 144

〔理容・美容情報〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,理容・美容情報に関する実

践的・体験的な学習活動を通して,理容・美容業に必要な資質・能

力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理容・美容情報について体系的・系統的に理解するとともに,

関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 理容・美容情報に関する基本的な課題を発見し,理容・美容の

職業倫理を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 理容・美容情報について,よりよい理容・美容の実践を目指し

て自ら学び,理容・美容に関する課題解決に主体的かつ協働的に

取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 情報社会の倫理と責任

ア 情報社会の特徴

イ 情報社会の倫理

ウ 情報を扱う個人の責任

(2) 理容・美容における情報の活用と管理

ア 理容・美容分野の情報

イ 情報システムの特徴

ウ 情報の活用

エ 情報の管理

(3) 理容・美容における課題解決

ア 課題に応じた情報収集

イ 情報分析と解決方法

[理容・美容情報活用]

1 目 標

社会における情報化の進展と情報の意義や役割を理解させるとと

もに,情報の活用に関する知識と技術を習得させ,理容・美容の分

野で情報及び情報手段を主体的に活用する能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 情報機器と情報の活用

ア 生活と情報の活用 イ 情報機器の活用分野

ウ 情報通信ネットワーク

(2) 情報モラルとセキュリティ

ア 情報の価値とモラル イ 情報のセキュリティ管理

(3) 理容・美容と情報機器の活用

ア 理容・美容における情報機器活用の目的と意義

イ 個人情報の管理

ウ 理容・美容における情報機器活用の実際

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Ⅱ - 145

ウ 情報の発信方法

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 多様な題材やデータを取り上げ,情報技術の進展に応じた演

習などを通して,生徒が情報及びネットワークを適切に活用

できるよう,情報の信頼性を判断する能力及び情報モラルを

育成すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,個人のプライバシーや著作

権を含む知的財産の保護,個人における情報の管理や発信に

関する責任について,法令と関連付けて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,理容・美容関係者で共有す

る情報通信ネットワークの特徴と活用について,地域の実例

などを取り上げて取り扱うこと。また,業務における情報セ

キュリティの重要性について法令と関連付けて取り扱うこと

ウ 〔指導項目〕の(3)については,生徒が主体的に課題を設定

して,情報を集め分析し,課題の解決に向けてモデル化,シ

ミュレーション,プログラミングなどを行い,情報デザイン

などを踏まえた発信方法を考え,協議する演習などを行うこ

と。

〔課題研究〕

1 目 標

理容・美容の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,社会を支え産業の発展を担う職業人とし

て必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 理容・美容について体系的・系統的に理解するとともに,相互

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 理容・美容に関する題材やデータなどを用いた実習を通して,

理容・美容の分野において情報を主体的に活用できるように指

導すること。また,他の理容・美容に関する各科目と関連付け

て指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,情報化の進展が生活や社会に及ぼす影

響,情報の意義や役割及び情報機器の活用分野の概要を扱うと

ともに,情報通信ネットワークを活用した情報の収集,処理,

分析及び発信について体験的に扱うこと。

イ 内容の(2)については,個人のプライバシーや著作権など知的

財産の保護,収集した情報の管理,発信する情報に対する責任

など情報モラル及び情報通信ネットワークシステムにおけるセ

キュリティ管理の重要性について扱うこと。

ウ 内容の(3)については,理容・美容業務において,現在用いら

れているデータ処理や経営管理,顧客管理等の情報機器の活用

について扱うこと。

[課題研究]

1 目 標

理容又は美容に関する課題を設定し,その課題の解決を図る学習

を通して,専門的な知識と技術の深化,総合化を図るとともに,問

題解決の能力や自発的,創造的な学習態度を育てる。

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Ⅱ - 146

に関連付けられた技術を身に付けるようにする。

(2) 理容・美容に関する課題を発見し,理容師・美容師として解決

策を探究し,科学的な根拠に基づき創造的に解決する力を養う。

(3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,公衆衛生の保持

増進に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 調査,研究,実験

(2) 作品制作

(3) 産業現場等における実習

(4) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,〔指導項目〕の

(1)から(4)までの中から,個人又はグループで理容・美容に

関する適切な課題を設定し,主体的かつ協働的に取り組む学

習活動を通して,専門的な知識,技術などの深化・総合化を

図り,理容・美容に関する課題の解決に取り組むことができ

るようにすること。なお,課題については,(1)から(4)まで

の2項目以上にまたがるものを設定することができること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めるこ

と。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

2 内 容

(1) 調査,研究,実験

(2) 作品製作

(3) 産業現場等における実習

(4) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,内容の(1)から(4)

までの中から個人又はグループで適切な課題を設定させるこ

と。なお,課題は内容の(1)から(4)までの2項目以上にまたが

る課題を設定することができること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めるこ

と。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

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Ⅱ - 147

を図るようにすること。その際,理容・美容の見方・考え方を働

かせ,見通しをもって実験・実習などを行い,科学的な根拠に基

づき創造的に探究するなどの実践的・体験的な学習活動の充実を

図ること。

(2) 生徒が取得しようとする資格の種類に応じて,各科目の内容を

選択して指導すること。

(3) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,

実際的,具体的に理解させるようにすること。

(4) 地域や産業界等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就

業体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的

に活用するなどの工夫に努めること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,各種技術や香粧品等の開発状況を

考慮して,科学的な知識と実際的な技術の習得について,特に留

意すること。

(2) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワ

ークなどの活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規などに従い,施設

・設備や薬品などの安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに

,事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする

。また,廃液処理の指導を徹底し,自然環境の保護に十分留意する

ものとする。

(1) 生徒が取得しようとする資格の種類に応じて,各科目の内容を

選択して指導すること。

(2) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,

実際的,具体的に理解させるようにすること。

(3) 「課題研究」については,年間指導計画に定めるところに従い,

必要に応じて弾力的に授業時間を配当することができること。

(4) 地域や理容所,美容所等との連携・交流を通じた実践的な学習

活動や就業体験を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積

極的に活用するなどの工夫に努めること。

2 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワー

ク等の活用を図り,学習の効果を高めるよう配慮するものとする。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設

備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故

防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意すること。また,廃液

処理の指導を徹底し,自然環境の保護に十分留意するものとする。

第8款 クリーニング

第1 目 標

クリーニングの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動

を行うことなどを通して,クリーニングを通じ,公衆衛生の向上に寄

与する職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目

指す。

第8款 クリーニング

第1 目 標

クリーニングに関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,その

社会的意義と役割を理解させるとともに,クリーニングを通して公衆衛

生の向上に寄与する能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 148

(1) クリーニングについて体系的・系統的に理解するとともに,関連

する技術を身に付けるようにする。

(2) クリーニングに関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観

を踏まえ合理的かつ創造的に解決する能力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を

目指して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取

り組む態度を養う。

第2 各 科 目

〔クリーニング関係法規〕

1 目 標

クリーニングの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活

動を行うことなどを通して,クリーニングの実践に必要な資質・能

力を次のとおり育成することを目指す。

(1) クリーニング関係法規に関する基礎的な知識について体系的・

系統的に理解するようにする。

(2) クリーニング関係法規に関する課題を発見し,クリーニングの

職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) クリーニング関係法規について,よりよいクリーニングの実践

を目指して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的

に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 法制概要

ア 法の意義と役割

イ 衛生法規の概要

ウ 衛生行政の仕組みと意義

(2) クリーニング業法

第2 各科目

[クリーニング関係法規]

1 目 標

クリーニングに関する法規について理解させ,クリーニング業を適

切に行うために必要な能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 法制概要

ア 法の意義と役割 イ 衛生法規の概要

ウ 衛生行政の仕組みと意義

(2) クリーニング業法

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Ⅱ - 149

ア 沿革と目的

イ クリーニング師の免許等

ウ 細則

(3) 関係法規

ア 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律

イ 水質汚濁防止法

ウ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律

エ 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促

進に関する法律

オ 労働安全衛生に関する法律

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)及び(3)については,クリーニング業の関

係法規及び従事者の健康保持などに関し,事例を基に具体的に

取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,法の役割と運用,衛生行政の

仕組みなどについて,クリーニング業と関連させながら指導す

ること。

イ 〔指導項目〕の(2)については,クリーニング業の社会的意義

,営業者や従事者としての心構え,倫理観及び遵守事項に触れ

ること。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,ドライクリーニング溶剤の有

害性,排水と環境汚染の関係,従事者の環境衛生などの概要を

取り扱うこと。

〔公衆衛生〕

1 目 標

ア 沿革と目的 イ クリーニング師の免許等

ウ 細則

(3) 関係法規

ア 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律

イ 水質汚濁防止法

ウ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律

エ 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促

進に関する法律

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 内容の(2)及び(3)については,クリーニング業の関係法規及

び従事者の健康保持,公害防止などに関し,事例を基に具体的

に扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,法の役割と運用,衛生行政の仕組みな

どについて,クリーニング業と関連させながら理解させること。

イ 内容の(2)については,クリーニング業の社会的意義,営業者

や従事者としての心構え,倫理観,遵守事項に触れること。

ウ 内容の(3)については,ドライクリーニング溶剤の有害性,排

水と環境汚染の関係,従事者の健康管理等の概要を扱うこと。

[公衆衛生]

1 目 標

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Ⅱ - 150

クリーニングの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活

動を行うことなどを通して,クリーニングの実践に必要な資質・能

力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 公衆衛生に関する実際的な知識について体系的・系統的に理解

する。

(2) 公衆衛生に関する課題を発見し,クリーニングの職業倫理を踏

まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) クリーニングにおける公衆衛生について,よりよいクリーニン

グの実践を目指して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的か

つ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 公衆衛生の概要

ア 公衆衛生の意義

イ 公衆衛生の歩みと課題

(2) 環境衛生

ア 生物と環境

イ 生活の変化と環境の変化

ウ 自然環境と社会環境

エ 環境衛生活動

(3) 予防衛生

ア 疾病の予防

イ 感染性疾患

ウ 生活習慣病

(4) 感染症

ア 感染症と社会生活

イ 種類と発生要因

ウ 予防接種

公衆衛生に関する知識を習得させ,クリーニングを衛生的に行う

能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 公衆衛生の概要

ア 公衆衛生の意義 イ 公衆衛生の歩みと課題

(2) 環境衛生

ア 生物と環境 イ 生活の変化と環境の変化

ウ 自然環境と社会環境 エ 環境衛生活動

(3) 予防衛生

ア 疾病の予防 イ 母子保健 ウ 老人保健

エ 精神保健

(4) 感染症

ア 感染症と社会生活 イ 種類と発生要因

ウ 予防接種

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Ⅱ - 151

(5) 消毒

ア 消毒の意義と定義

イ 消毒の種類と方法

ウ クリーニング業と消毒の必要性

(6) 環境への配慮

ア 公害の種類と環境保全

イ クリーニング業と環境汚染対策

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)については,人と環境との関わり,科学技

術の発展と環境汚染,環境保全の必要性などについて,事例を

取り上げて具体的に指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(2)については,水,空気,日光や衣食住な

どへの関心を深め,公害や環境汚染と環境衛生活動との関わ

りについて指導すること。

イ 〔指導項目〕の(3)及び(4)については,医学の進歩と高齢化

の進展,疾病予防等の学習を踏まえ,感染症とクリーニング

との関わりについて具体的に取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(5)については,クリーニング業法に基づく

被洗物の区分,消毒法と各種消毒薬の取扱い,従事者の業務

停止等を取り上げること。

エ 〔指導項目〕の(6)については,クリーニング業務に必要な環

境汚染対策を重点的に指導すること。

〔クリーニング理論〕

1 目 標

クリーニングの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活

(5) 消毒

ア 消毒の意義と定義 イ 消毒の種類と方法

ウ クリーニング業と消毒の必要性

(6) 環境への配慮

ア 公害の種類と環境保全

イ クリーニング業と環境汚染対策

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 内容の(2)については,人と環境とのかかわり,科学技術の発

展と環境汚染,環境保全の必要性などについて,事例を取り上

げて具体的に指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(2)については,水,空気,日光や衣食住などへの関心

を深め,公害や環境汚染と環境衛生活動とのかかわりについて

理解させること。

イ 内容の(3)及び(4)については,医学の進歩と高齢化の進展,

疾病予防等の学習を踏まえ,感染症とクリーニングとのかかわ

りについて具体的に扱うこと。

ウ 内容の(5)については,「クリーニング業法」に基づく被洗物

の区分,消毒法と各種消毒薬の取扱い,従事者の業務停止等を

取り上げること。

エ 内容の(6)については,クリーニング業務に必要な環境汚染対

策を重点的に指導すること。

[クリーニング理論]

1 目 標

クリーニングを科学的に行うために必要な知識を習得させ,これ

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Ⅱ - 152

動を行うことなどを通して,クリーニングの実践に必要な資質・能

力を次のとおり育成することを目指す。

(1) クリーニング理論に関する実際的な知識について体系的・系統

的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) クリーニング理論に関する課題を発見し,クリーニングの職業

倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) クリーニング理論について,よりよいクリーニングの実践を目

指して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働的に取

り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 衣服と汚れ

ア クリーニングの歴史と目的

イ 着衣の目的

ウ 汚れの種類

エ 汚れの付着機構

(2) クリーニングの科学

ア クリーニングの三要素

イ 洗浄作用のメカニズム

(3) 水と洗浄作用

ア 硬水と軟水

イ 硬水の欠点と軟化法

(4) 界面活性剤

ア 界面活性剤の構造と性質

イ ビルダーの種類と働き

ウ 補助剤の種類と働き

(5) 洗剤と溶剤

ア 洗剤と溶剤の違い

を実際に応用する能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 衣服と汚れ

ア クリーニングの歴史と目的 イ 着衣の目的

ウ 汚れの種類 エ 汚れの付着機構

(2) クリーニングの科学

ア クリーニングの三要素 イ 洗浄作用のメカニズム

(3) 水と洗浄作用

ア 硬水と軟水 イ 硬水の欠点と軟化法

(4) 界面活性剤

ア 界面活性剤の構造と性質 イ ビルダーの働きと種類

ウ 補助剤の種類と働き

(5) 洗剤と溶剤

ア 洗剤と溶剤の違い イ 洗剤と溶剤の働き

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Ⅱ - 153

イ 洗剤と溶剤の働き

(6) ランドリー

ア ランドリーとウェットクリーニング

イ 被洗物と洗濯方式

ウ ランドリーの工程

(7) ウェットクリーニング

ア 被洗物

イ 洗剤と洗濯方法

(8) ドライクリーニング

ア 溶剤と洗剤

イ 工程と洗浄方式

ウ 溶剤管理と清浄方法

(9) 特殊加工とシミ抜き

ア 各種加工の目的と種類

イ シミ抜きの用具と機器

ウ シミの分類と判別

エ シミ抜きの方法

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,実験・実習を中心として取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,着衣に伴う汚れの種類や性

質などに重点を置いて取り扱うこと。

イ〔指導項目〕の(4)については,界面活性剤の種類などに重点

を置いて取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(6)については,ランドリーの特徴と適する

被洗物,工程に沿った洗剤濃度や洗濯時間などに重点を置い

(6) ランドリー

ア ランドリーとウェットクリーニング イ 被洗物と洗濯

方式

ウ ランドリーの工程

(7) ウェットクリーニング

ア 被洗物 イ 洗剤と洗濯方法

(8) ドライクリーニング

ア 溶剤と洗剤 イ 工程と洗浄方式

ウ 溶剤管理と清浄方法

(9) 特殊加工としみ抜き

ア 各種加工の目的と種類 イ しみ抜きの用具と機器

ウ しみの分類と判別 エ しみ抜きの方法

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,実験・実習を中心として取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,着衣に伴う汚れの種類や性質など,内

容の(4)については,界面活性剤の種類等に重点を置いて扱うこ

と。

イ 内容の(6)については,ランドリーの特徴と適する被洗物,工

程に沿った洗剤濃度や洗濯時間等に重点を置いて扱うこと。

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Ⅱ - 154

て取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(8)については,ドライクリーニングの特徴

,有機溶剤の取扱いと人体に及ぼす影響,廃棄物の処理など

に重点を置いて取り扱うこと。

オ 〔指導項目〕の(9)については,シミ抜きに関する知識,薬

品の取扱いと管理,被洗物の損傷などについて取り扱うこと

〔繊 維〕

1 目 標

クリーニングの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活

動を行うことなどを通して,クリーニングの実践に必要な資質・能

力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 繊維製品に関する実際的な知識について体系的・系統的に理解

するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 繊維製品に関する課題を発見し,クリーニングの職業倫理を踏

まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 繊維製品のクリーニングについて,よりよいクリーニングの実

践を目指して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的かつ協働

的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 繊維の種類

ア 繊維素材による分類

(2) 繊維の性質と判別

ア 各種繊維の性質

イ 各種繊維の判別

(3) 織物と編み物

ウ 内容の(8)については,ドライクリーニングの特徴,有機溶剤

の取扱いと人体に及ぼす影響,廃棄物の処理等に重点を置いて

扱うこと。

エ 内容の(9)については,しみ抜きに関する知識,薬品の取扱い

と管理,被洗物の損傷等について扱うこと。

[繊 維]

1 目 標

繊維製品に関する知識を習得させ,これをクリーニングに応用す

る能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 繊維の種類

ア 繊維素材による分類

(2) 繊維の性質と判別

ア 各種繊維の性質 イ 各種繊維の判別

(3) 織物と編み物

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Ⅱ - 155

ア 織物の組織と性質

イ 編み物の組織と性質

ウ 不織布など

(4) 繊維の各種加工

ア 各種加工の目的と種類

(5) 付属品や飾りのクリーニングと取扱い

ア 付属品の取扱いと損傷などの防止

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)及び(4)については,各種繊維の特徴,判

別方法及び加工などについて実験・実習を通して指導すること

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(2)については,各種繊維の用途や取扱いに重

点を置いて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(3)については,織物と編み物のそれぞれの用

途や取扱い,不織布,人工皮革などに重点を置いて取り扱うこ

と。

ウ 〔指導項目〕の(4)については,防水,防虫加工方法などにつ

いて取り扱うこと。

エ 〔指導項目〕の(5)については,ボタンや飾りなどの破損や熔よう

解防止の方法について取り扱うこと。

〔クリーニング機器・装置〕

1 目 標

クリーニングの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活

動を行うことなどを通して,クリーニングの実践に必要な資質・能

力を次のとおり育成することを目指す。

ア 織物の組織と性質 イ 編み物の組織と性質

ウ 不織布など

(4) 繊維の各種加工

(5) 付属品や飾りのクリーニングと取扱い

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 内容の(2)及び(4)については,各種繊維の特徴,判別方法及

び加工等について実験・実習を通して理解させるよう留意する

こと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(2)については,各種繊維の用途や取扱い,内容の(3)

については,織物と編み物のそれぞれの用途や取扱い,不織布,

人工皮革などに重点を置いて扱うこと。

イ 内容の(4)については,防水,防虫加工方法等,内容の(5)に

ついては,ボタンや飾り等の破損や熔解防止の方法について扱

うこと。

[クリーニング機器・装置]

1 目 標

クリーニング機器や装置に関する知識と技術を習得させ,クリー

ニングを適切に行う能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 156

(1) クリーニング機器・装置に関する実際的な知識について体系的

・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるように

する。

(2) クリーニング機器・装置の活用に関する課題を発見し,クリー

ニングの職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養

う。

(3) クリーニング機器・装置の活用について,よりよいクリーニン

グの実践を目指して自ら学び,人々の公衆衛生の向上に主体的か

つ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) ランドリー機器・装置の構造と操作

ア 洗濯機と脱水機

イ 糊のり

煮器と湯沸器

ウ 乾燥機

エ ブラッシング器具

(2) ドライクリーニング機器・装置の構造と操作

ア 洗濯機と脱水機

イ 清浄装置

(3) 各種プレス機の構造と操作

ア ワイシャツプレス機類

イ ズボンプレス機類

ウ シーツローラー

(4) シミ抜き機器

ア 蒸気シミ抜き器

イ 超音波シミ抜き器

ウ ジェットスポッター

(5) ボイラー

2 内 容

(1) ランドリー機器・装置の構造と操作

ア 洗濯機と脱水機 イ 糊のり

煮器と湯沸器 ウ 乾燥機

エ ブラッシング器具

(2) ドライクリーニング機器・装置の構造と操作

ア 洗濯機と脱水機 イ 清浄装置

(3) 各種プレス機の構造と操作

ア ワイシャツプレス機類 イ ズボンプレス機類

ウ シーツローラー

(4) しみ抜き機器

ア 蒸気しみ抜き器 イ 超音波しみ抜き器

ウ ジェットスポッター

(5) ボイラー

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Ⅱ - 157

ア ボイラーの構造

イ ボイラー用水の管理

(6) 機器・装置の安全な操作と事故・危険防止

ア 蒸気バルブ

イ 電源とモーター

ウ 事故・危険防止

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(4)については,各種シミ抜き機器及び道具

類の取扱いに関して,実技や実習を中心として指導すること

イ 〔指導項目〕の(6)については,機器・装置の安全な操作,点

検及び事故・危険防止に関する事項を関連させながら取り扱う

こと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 指導に当たっては,基本的な構造,原理及び機能とその保守

管理について,安全な操作と事故・危険防止の観点から重点的

に取り扱うこと。

〔クリーニング実習〕

1 目 標

クリーニングの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活

動を行うことなどを通して,クリーニングの実践に必要な資質・能

力を次のとおり育成することを目指す。

(1) クリーニングに関する実際的な知識について体系的・系統的に

理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) クリーニングの実践に関する課題を発見し,クリーニングの職

業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

ア ボイラーの構造 イ ボイラー用水の管理

(6) 機器・装置の安全な操作と事故・危険防止

ア 蒸気バルブ イ 電源とモーター ウ 事故・危険

防止

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 内容の(4)については,各種しみ抜き機器,道具類の取扱いに

関して,実技や実習を中心として指導すること。

イ 内容の(6)については,機器・装置の安全な操作,点検,事故・

危険防止に関する事項を関連させながら扱うようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,基本的な構造,原理,機能とその保守管

理について,安全な操作と事故・危険防止の観点から重点的に

扱うこと。

[クリーニング実習]

1 目 標

洗濯,乾燥,仕上げ等のクリーニングに関する実際的な知識と技

術を総合的に習得させ,クリーニングを適切かつ効率的に行う能力

と態度を育てる。

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Ⅱ - 158

(3) よりよいクリーニングの実践を目指して自ら学び,人々の公衆

衛生の向上に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) ランドリー

ア 洗濯物の受付と仕分

イ ランドリーの実際

ウ 被洗物の種類別乾燥方法

(2) ウェットクリーニング

ア ウェットクリーニングの実際

イ ドライクリーニングした被洗物の取扱い

ウ カーペット

(3) ドライクリーニング

ア ドライクリーニングの実際

イ 溶剤の管理と清浄方法

ウ 有機溶剤と廃棄物

(4) 仕上げ

ア ハンドアイロン仕上げ

イ シーツローラー仕上げとたたみ方

ウ 各種プレス機による仕上げと手直し

(5) シミ抜き

ア シミの判別と使用薬品

イ シミ抜きの実際

ウ 薬品の取扱いと管理

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア クリーニング工場などの産業現場における見学や実習を通し

2 内 容

(1) ランドリー

ア 洗濯物の受付と仕分け イ ランドリーの実際

ウ 被洗物の種類別乾燥方法

(2) ウェットクリーニング

ア ウェットクリーニングの実際

イ ドライクリーニングした被洗物の取扱い ウ カーペッ

(3) ドライクリーニング

ア ドライクリーニングの実際 イ 溶剤の管理と清浄方法

ウ 有機溶剤と廃棄物

(4) 仕上げ

ア ハンドアイロン仕上げ イ シーツローラー仕上げとた

たみ方

ウ 各種プレス機による仕上げと手直し

(5) しみ抜き

ア しみの判別と使用薬品 イ しみ抜きの実際

ウ 薬品の取扱いと管理

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,クリーニング工場等の産業現場における

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Ⅱ - 159

て,機器・装置が適切に扱えるようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)から(3)までについては,表示記号からの

仕分やそれぞれの被洗物に適した洗濯方法と工程などに重点

を置いて指導すること。特に,(3)については,溶剤の管理と

清浄方法に留意し取りて扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(5)については,薬品の取扱いなどを具体的

に指導すること。

〔課題研究〕

1 目 標

クリーニングの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活

動を行うことなどを通して,社会を支え産業の発展を担う職業人と

して必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) クリーニングの各分野について体系的・系統的に理解するとと

もに,相互に関連付けられた技術を身に付けるようにする。

(2) クリーニングに関する課題を発見し,クリーニングやクリーニ

ング関連産業に携わる者として解決策を探究し,科学的な根拠に

基づき創造的に解決する力を養う。

(3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,公衆衛生の保持

増進に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 調査,研究,実験

(2) 産業現場等における実習

(3) 職業資格の取得

見学や実習を通して,機器・装置が適切に扱えるようにするこ

と。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)から(3)までについては,それぞれの被洗物に適し

た洗濯方法と工程等に重点を置いて指導すること。特に,内容

の(3)については溶剤の管理と清浄方法に留意して扱うこと。

イ 内容の(5)については,薬品の取扱い等を具体的に指導するこ

と。

[課題研究]

1 目 標

クリーニングに関する課題を設定し,その課題の解決を図る学習

を通して,専門的な知識と技術の深化,総合化を図るとともに,問

題解決の能力や自発的,創造的な学習態度を育てる。

2 内 容

(1) 調査,研究,実験

(2) 産業現場等における実習

(3) 職業資格の取得

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Ⅱ - 160

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,〔指導項目〕の

(1)から(3)までの中から個人又はグループでクリーニングに

関する適切な課題を設定し,主体的かつ協働的に取り組む学

習活動を通して,専門的な知識,技術などの深化・総合化を

図り,クリーニングに関する課題の解決に取り組むことがで

きるようにすること。なお,課題については,(1)から(3)ま

での2項目以上にまたがるものを設定することができること

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めるこ

と。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

を図るようにすること。その際,クリーニングの見方・考え方を

働かせ,見通しをもって実験・実習などを行い,科学的な根拠に

基づき創造的に探究するなどの実践的・体験的な学習活動の充実

を図ること。

(2) 各科目の指導に当たっては,各種化学繊維や仕上げに関する機

器や技術の進展を踏まえ,科学的な知識と実際的な技術が習得さ

れるよう留意すること。

(3) 地域や産業界等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就

業体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的

に活用するなどの工夫に努めること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,内容の(1)から(3)

までの中から個人又はグループで適切な課題を設定させるこ

と。なお,課題は内容の(1)から(3)までの2項目以上にまたが

る課題を設定することができること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めるこ

と。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,

実際的,具体的に理解させるようにすること。

(2) 「課題研究」については,年間指導計画に定めるところに従い,

必要に応じて弾力的に授業時間を配当することができること。

(3) 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業

体験を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用

するなどの工夫に努めること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

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Ⅱ - 161

(1) クリーニングに関する課題の解決方策について,科学的な根拠

に基づき理論的に説明することや討論することなど,言語活動の

充実を図ること。

(2) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワ

ークなどの活用を図り,学習の効果を高めるよう工夫すること。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・

設備や薬品などの安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,

事故防止や環境保全の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するも

のとする。また,廃液の処理についても十分留意するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,各種化学繊維,仕上げ機器等の発

達を考慮して,科学的な知識と実際的な技術の習得について,特

に留意すること。

(2) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワ

ーク等の活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設

備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故

防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意すること。また,廃液

処理の指導を徹底し,自然環境の保護に十分留意するものとする。

第9款 歯科技工

第1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行

うことなどを通して,歯科技工を通じ,歯科医療の発展に寄与する職

業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 歯科技工について体系的・系統的に理解するとともに,関連する

技術を身に付けるようにする。

(2) 歯科技工に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏

まえ合理的かつ創造的に解決する能力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を

目指して自ら学び,歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む

態度を養う。

第2 各 科 目

〔歯科技工関係法規〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を

行うことなどを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

第9款 歯科技工

第1 目 標

歯科技工に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ,その社会

的意義と役割を理解させるとともに,歯科医療の発展に寄与する能力と

態度を育てる。

第2 各科目

[歯科技工関係法規]

1 目 標

歯科技工に関する法規について理解させ,歯科技工の業務を適切

に行うために必要な能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 162

(1) 歯科技工関係法規について体系的・系統的に理解するようにす

る。

(2) 歯科技工関係法規に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理

を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 歯科技工関係法規について,よりよい歯科技工の実践を目指し

て自ら学び,人々の歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組

む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 法制概要

ア 法の概念と体系

(2) 衛生行政

ア 衛生行政の意義

イ 衛生行政の組織と活動

(3) 歯科技工士法

ア 法の目的と定義

イ 歯科技工士免許と業務

ウ 歯科技工所

エ 罰則規定と附則等

(4) 関係法規

ア 医療法

イ 歯科医師法

ウ 歯科衛生士法

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(3)については,(4)との関連を図り,歯科技

工士法における基本用語の的確な理解を促すとともに,罰則規

2 内 容

(1) 法制概要

ア 法の概念と体系

(2) 衛生行政の組織

ア 衛生行政の仕組みと意義 イ 衛生行政の財政と活動

(3) 歯科技工士法総論

ア 歯科技工士免許と業務 イ 歯科技工所

ウ 罰則規定と附則等

(4) 関係法規

ア 歯科医師法 イ 歯科衛生士法

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 内容の(3)については,内容の(4)との関連を図り,歯科技工

士法における基本用語の的確な理解を促すとともに,罰則規定

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Ⅱ - 163

定や諸届についての理解を深めるようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)及び(2)については,法制の仕組み及び国

や都道府県の衛生行政の概要について取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(3)については,歯科技工士法の概要,歯科技

工士免許の要件,歯科技工の業務等を総合的に理解させるとと

もに,職業人としての心構えや倫理観にも触れるようにするこ

と。

ウ 〔指導項目〕の(4)については,各医療従事者の業務内容等に

ついて歯科技工との関わりに重点を置いて指導すること。

〔歯科技工学概論〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を

行うことなどを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 歯科技工及び口腔くう

の機能と疾患に関する基礎的な知識について

体系的・系統的に理解するようにする。

(2) 歯科技工及び口腔くう

の機能と疾患に関する課題を発見し,歯科技

工の職業倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 歯科技工学について,よりよい歯科技工の実践を目指して自ら

学び,歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 歯科技工総論

ア 歯科医療と歯科技工

や諸届についての理解を深めるようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)及び(2)については,法制の仕組み,国や都道府県

の衛生行政の概要について扱うこと。

イ 内容の(3)については,「歯科技工士法」の概要,歯科技工士

免許の要件,歯科技工の業務等を総合的に理解させるとともに,

職業人としての心構えや倫理観にも触れるようにすること。

ウ 内容の(4)については,各医療従事者の業務内容等について歯

科技工とのかかわりに重点を置いて指導すること。

[歯科技工学概論]

1 目 標

歯科技工及び口腔くう

の機能と疾患の概要について理解させ,歯科技

工に必要な能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 歯科技工総論

ア 歯科医療及び歯科技工の意義 イ 歯科技工士の倫理

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Ⅱ - 164

イ 歯科技工士の役割と倫理

ウ 顔・口腔くう

組織の形態と機能

エ 歯科疾患と周囲組織の変化

オ 歯科臨床における歯科技工

カ 口腔くう

と全身の健康

(2) 歯科技工管理と運営

ア 歯科技工の作業環境

イ 歯科技工業務と管理運営

ウ 歯科技工における衛生管理

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)及び(2)については,歯科技工の概要を理

解させるとともに医療従事者としての自覚を養うように努め

ること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,歯科技工に必要な基礎的事

項に重点を置いて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,歯科技工業務の特徴を理解

させ,その責務等を重点的に取り扱うこと。

〔歯科理工学〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を

行うことなどを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 歯科理工学に関する基礎的な知識について体系的・系統的に理

解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 歯科理工学に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理を踏ま

ウ 歯科技工の沿革 エ 口腔くう

の構造と機能

オ 歯科及び口腔くう

の疾患

(2) 歯科技工管理

ア 歯科技工業務の運営と管理 イ 作業環境と衛生

ウ 歯科技工士の健康管理

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 内容の(1)及び(2)については,歯科技工の概要を理解させる

とともに医療従事者としての自覚を養うように努めること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,歯科技工に必要な基礎的事項に重点を

置いて扱うこと。

イ 内容の(2)については,歯科技工業務の特徴を理解させ,その

責務等を重点的に扱うこと。

[歯科理工学]

1 目 標

歯科技工に必要な歯科材料,機械・器具及び歯科鋳造に関する基

礎的な知識と技術を習得させ,歯科技工を適切に行う能力と態度を

育てる。

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Ⅱ - 165

えて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 歯科理工学について,よりよい歯科技工の実践を目指して自ら

学び,歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 歯科理工学概論

ア 歯科理工の目的と意義

イ 歯科材料の性質

(2) 歯科技工材料

ア 金属材料

イ 高分子材料

ウ 無機材料

(3) 歯科技工用機器

ア 切削機器

イ 研磨機器

ウ 歯科技工関連機器

(4) 成形法

ア レジン成形

イ セラミック成形

ウ 金属成形

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,実験・実習を中心として取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(4)については,「歯科技工実習」と関連させ

て取り扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

2 内 容

(1) 歯科理工学概論

ア 歯科理工の目的と意義 イ 歯科材料の性質

(2) 歯科技工材料

ア 金属材料 イ 高分子材料 ウ 無機材料

(3) 歯科技工用機器

ア 切削機器 イ 研磨機器 ウ 歯科技工関連機器

(4) 歯科鋳造

ア 歯科鋳造概説 イ 歯科鋳造用材料と器具

ウ 鋳造体の精度と適合

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,実験・実習を中心とすること。

イ 内容の(4)については,「歯科技工実習」と関連させて扱うこ

と。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

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Ⅱ - 166

ア 〔指導項目〕の(1)については,歯科材料の機械的性質,物

理的性質及び化学的性質,歯科材料と人体との関連,歯科材

料の接着並びに歯科材料規格などの基礎的な内容について取

り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)及び(3)については,相互に関連させて取

り扱い,実際的な知識と技術の習得を図ること。

ウ 〔指導項目〕の(4)については,レジン材料,セラミック材

料及び金属材料の成形法の概要について取り扱うこと。

〔歯の解剖学〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を

行うことなどを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 歯の解剖学に関する基礎的な知識について体系的・系統的に理

解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 歯の解剖学に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理を踏ま

えて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 歯の解剖学について,よりよい歯科技工の実践を目指して自ら

学び,歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 口腔くう

解剖

ア 頭蓋がい

の骨

イ 口腔くう

周囲の筋

ウ 顎がく

関節と口腔くう

ア 内容の(1)については,歯科材料の物理的,化学的性質,歯科

材料と人体との関連,歯科材料の接着,歯科材料規格等の基礎

的な内容について扱うこと。

イ 内容の(2)及び(3)については,相互に関連させて扱い,実際

的な知識と技術の習得を図ること。

ウ 内容の(4)については,歯科鋳造の目的と意義,その概要につ

いて扱うこと。

[歯の解剖学]

1 目 標

歯の解剖に関する基礎的な知識と技術を習得させ,歯科技工を適

切に行う能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 口腔くう

解剖

ア 口腔くう

周囲の骨と筋 イ 顎がく

関節と口腔くう

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Ⅱ - 167

(2) 歯の解剖

ア 歯の概説

イ 永久歯の形態

ウ 歯の発生

エ 歯と歯周組織

オ 歯列弓と上下顎がく

の位置関係

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)及び(2)については,「歯科技工実習」の

2の〔指導項目〕の(1)及び(2)よりも先行して履修できるよ

うにすること。

イ 指導に当たっては「顎がく

口腔くう

機能学」との関連を図り,口腔くう

び歯の解剖について総合的に理解させるよう留意すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,口腔くう

及び口腔くう

周囲の概要につ

いて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,歯や歯周組織の形態と構造及

び機能について取り扱うこと。

〔顎がく

口腔くう

機能学〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を

行うことなどを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 顎がく

口腔くう

機能学に関する基礎的な知識について体系的・系統的に

理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 顎がく

口腔くう

機能学に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理を踏

まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(2) 歯の解剖

ア 歯の概説 イ 永久歯と乳歯 ウ 歯周組織

エ 歯列弓と上下顎がく

の位置関係

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 「顎がく

口腔くう

機能学」との関連を図り,歯の解剖について総合的

に理解させるよう留意すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,口腔くう

及び口腔くう

周囲の概要について扱う

こと。

イ 内容の(2)については,天然歯の観察により,歯の形態や歯群,

歯の消化器系器官としての意義等を扱うこと。

[顎がく

口腔くう

機能学]

1 目 標

顎がく

口腔くう

系器官の機能と形態を理解させるとともに,咬こう

合器の取扱

い方を習得させ,歯科技工を適切に行う能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 168

(3) 顎がく

口腔くう

機能学について,よりよい歯科技工の実践を目指して自

ら学び,歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養

う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 顎がく

口腔くう

系の概論

ア 顎がく

口腔くう

系の構造と機能

(2) 下顎がく

位と下顎がく

運動

ア 下顎がく

イ 下顎がく

運動

ウ 咬こう

合様式

(3) 咬こう

合器

ア 咬こう

合器の機能と分類

イ 咬こう

合器の扱い方

(4) 咬こう

合検査と顎がく

機能障害

ア 咬こう

合検査と顎がく

機能障害

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(1)から(3)までについては,「歯科技工実習

」の2の〔指導項目〕の(1)及び(2)よりも先行して履修でき

るようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,顎がく

口腔くう

系器官の機能を,その

構造と関連させながら取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,各種の咬こう

合様式等に関して,

2 内 容

(1) 顎がく

口腔くう

機能学概論

ア 顎がく

口腔くう

系の機能,形態及びその維持

(2) 下顎がく

運動と咬こう

ア 下顎がく

位と下顎がく

運動 イ 咬こう

合に関する指標等 ウ

咬こう

合様式

(3) 咬こう

合器の取扱い

ア 咬こう

合器の機能と分類 イ 平均値咬こう

合器

ウ 半調節性咬こう

合器 エ 全調節性咬こう

合器

(4) 義歯及び修復物の咬こう

ア 修復物の咬こう

合 イ 部分床義歯と全部床義歯

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 内容の(1)から(3)までについては,有床義歯技工実習,歯冠

修復技工実習よりも先行して履修できるようにすること。

イ 内容の(4)については,「有床義歯技工学」及び「歯冠修復技

工学」と関連させながら扱うこと。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,顎がく

口腔くう

系器官の機能を,その形態と関

連させながら扱うこと。

イ 内容の(2)については,各種の咬こう

合様式等に関して,歯の接触

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Ⅱ - 169

歯の接触関係を中心に取り扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(3)のイについては,平均値咬こう

合器と半調節性

咬こう

合器の取り扱い方に重点を置いて指導し,全調節性咬こう

合器に

ついては,その概略を理解させること。

〔有床義歯技工学〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を

行うことなどを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 有床義歯技工学に関する基礎的な知識について体系的・系統的

に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 有床義歯技工学に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理を

踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 有床義歯技工学について,よりよい歯科技工の実践を目指して

自ら学び,歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を

養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 有床義歯技工学総論

ア 有床義歯技工学概説

イ 有床義歯技工に関連のある生態についての基礎知識

(2) 全部床義歯技工学

ア 全部床義歯の構成要素,分類

イ 全部床義歯の製作

(3) 部分床義歯技工学

ア 部分床義歯の構成要素,分類

イ 部分床義歯の製作

関係を中心に扱うこと。

ウ 内容の(3)については,平均値咬こう

合器と半調節性咬こう

合器の取扱

い方に重点を置いて指導し,全調節性咬こう

合器については,その

概略を理解させることにとどめること。

[有床義歯技工学]

1 目 標

有床義歯技工に関する基礎的な知識と技術を習得させ,歯科技工

を適切に行う能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 全部床義歯技工学

ア 全部床義歯の目的,分類,構成

イ 全部床義歯技工の基礎知識

ウ 全部床義歯の製作

(2) 部分床義歯技工学

ア 部分床義歯の目的,分類,構成

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Ⅱ - 170

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,「歯の解剖学」及び「顎がく

口腔くう

機能学」と

の関連を図り,症例実習を中心にして基礎的な知識と技術の習

得を図ること。

イ 有床義歯の製作の指導に当たっては,機能的回復と審美的回

復に必要な知識の習得に努めるようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(2)については,顎がく

口腔くう

を取り巻く骨,筋肉

などの形態的特徴や機能的特徴について,咬こう

合器と関連させ

ながら取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(3)については,残存歯との調和に配慮した

人工歯排列及び咬こう

合調整に重点を置いて取り扱うこと。

〔歯冠修復技工学〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を

行うことなどを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 歯冠修復技工学に関する基礎的な知識について体系的・系統的

に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 歯冠修復技工学に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理を

踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 歯冠修復技工学について,よりよい歯科技工の実践を目指して

自ら学び,歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を

養う。

イ 部分床義歯技工の基礎知識

ウ 部分床義歯の製作

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 有床義歯については,「歯の解剖学」及び「顎がく

口腔くう

機能学」

との関連を図り,症例実習を中心にして基礎的な技術の習得を

図ること。

イ 有床義歯の製作の指導に当たっては,機能的回復と審美的回

復に必要な知識の習得と態度の形成に努めるようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,顎がく

口腔くう

を取り巻く骨,筋肉などの形態

的特徴や機能的特徴について,咬こう

合器と関連させながら扱うこ

と。

イ 内容の(2)については,残存歯との調和に配慮した人工歯排

列,咬こう

合調整に重点を置いて扱うこと。

[歯冠修復技工学]

1 目 標

歯冠修復技工に関する基礎的な知識と技術を習得させ,歯科技工

を適切に行う能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 171

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 歯冠修復技工学概論

ア 歯冠修復技工の目的と意義

イ 印象採得と作業模型

ウ 咬こう

合採得と咬こう

合器

(2) 部分被覆冠

ア 部分被覆冠の概要と種類

イ 部分被覆冠の製作法

(3) 全部被覆冠

ア 全部被覆冠の概要と種類

イ 全部金属冠の製作法

ウ 前装冠の製作法

(4) ブリッジ

ア ブリッジの概要と種類

イ 支台装置の種類

ウ ポンティックの種類と特徴

エ 連結部の種類と特徴

(5) インプラント

ア インプラントの概要と種類

イ インプラントを用いた治療の流れ

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 「歯の解剖学」,「顎がく

口腔くう

機能学」及び「有床義歯技工学」

と関連を図り,症例実習を中心にして基礎的な知識と技術の習

得を図ること。

2 内 容

(1) 歯冠修復技工学概論

ア 歯冠修復技工の目的と意義 イ 印象採得と作業模型

ウ 咬こう

合採得と咬こう

合器

(2) インレー

ア インレーの特徴 イ 窩か

洞形態と構成

ウ インレーの製作法

(3) 被覆冠

ア 一部被覆冠と全部被覆冠 イ 全部鋳造冠の製作法

ウ 前装鋳造冠の製作法

(4) 歯冠継続歯

ア 歯冠継続歯の特徴

(5) 架工義歯(橋義歯)

ア 架工義歯の特徴 イ 支台装置の種類と要件

ウ 橋体の種類と特徴

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 「歯の解剖学」,「顎がく

口腔くう

機能学」及び「有床義歯技工学」と

関連させながら指導すること。

イ 内容の(1)については,内容の(2)から(5)までとの関連を図

り,歯冠修復技工の意義と目的について理解させること。

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Ⅱ - 172

イ 〔指導項目〕の(3)及び(4)については,歯冠修復技工学の中

心となる分野であることから,他の分野と関連させながら,

的確な理解を深めるよう留意すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(5)については,インプラント治療の概要とイ

ンプラント上部構造の製作法を取り扱うこと。

〔矯正歯科技工学〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を

行うことなどを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 矯正歯科技工学に関する基礎的な知識についてについて体系的

・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に付けるように

する。

(2) 矯正歯科技工学に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理観

を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 矯正歯科技工学について,よりよい歯科技工の実践を目指して

自ら学び,歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を

養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 矯正歯科技工学概論

ア 矯正歯科治療と矯正歯科技工

イ 正常咬こう

合と不正咬こう

(2) 矯正用口腔くう

模型

ア 矯正用口腔くう

模型の種類と特徴

ウ 内容の(3)のイについては,歯冠修復技工学の中心となる分野

であることから,他の分野と関連させながら,的確な理解を深

めるよう留意すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア (2)から(5)のうち,(2)及び(3)を中心に扱い,それぞれの意

義と製作順序に重点を置いて扱うこと。

[矯正歯科技工学]

1 目 標

矯正歯科技工に関する基礎的な知識と技術を習得させ,歯科技工

を適切に行う能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 矯正歯科技工学概論

(2) 正常咬こう

合と不正咬こう

(4) 矯正用模型

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Ⅱ - 173

(3) 矯正装置

ア 矯正装置の必要条件と分類

イ 矯正装置

ウ 保定装置

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 「歯の解剖学」及び「小児歯科技工学」との関連を図り,基

礎的な知識と技術の習得を図ること。

イ 〔指導項目〕の(3)については,矯正歯科治療と関連させて

指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,不正咬こう

合に重点を置いて指導

すること。

イ 〔指導項目〕の(3)については,装置の目的と構造について扱

い,イ及びウの各装置のうち基本的なものについては製作方法

にも触れること。

〔小児歯科技工学〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を

行うことなどを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 小児歯科技工学に関する基礎的な知識について体系的・系統的

に理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 小児歯科技工学に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理を

踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 小児歯科技工学について,よりよい歯科技工の実践を目指して

(3) 矯正装置と保定装置

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,「歯の解剖学」及び「小児歯科技工学」

との関連を図り,矯正歯科技工の理論に基づいた基本的な技術

の習得を促すよう留意すること。

イ 指導に当たっては,矯正歯科治療の考え方に基づき,矯正装

置の役割や製作方法を理解させるようにすること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,矯正歯科治療の目的や進め方と関連さ

せて扱うこと。

イ 内容の(3)については,基本的な矯正装置と保定装置を取り上

げ,その構成や機能,材料の特性等を中心に扱うこと。

[小児歯科技工学]

1 目 標

小児歯科技工に関する基礎的な知識と技術を習得させ,歯科技工

を適切に行う能力と態度を育てる。

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Ⅱ - 174

自ら学び,歯科医療の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を

養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 小児歯科技工学概論

ア 小児歯科治療と小児歯科技工

イ 歯,顎がく

,顔面の成長発育

(2) 乳歯の歯冠修復

ア 成形充塡てん

イ 被覆冠

(3) 咬こう

合誘導装置

ア 保隙げき

装置

イ スペースリゲイナー

ウ 口腔くう

習癖除去装置

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 「歯の解剖学」との関連を図り,基礎的な知識と技術の習得

を図ること。

イ 〔指導項目〕の(2)及び(3)については,小児歯科治療と関連

させて指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,小児の成長発育に伴う歯,顎がく

及び口腔くう

等の変化に重点を置いて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(3)については,装置の目的と構造について取

り扱い,アからウまでの各装置のうち,基本的なものについて

2 内 容

(1) 小児歯科技工学概論

ア 歯,顎がく

,顔面の成長発育 イ 乳歯列期と混合歯列期

(2) 乳歯の歯冠修復

ア 成形充填てん

イ 被覆冠

(3) 咬こう

合誘導装置

ア 保隙げき

装置 イ スペースリゲイナー ウ 口腔くう

習癖

除去装置

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 「歯の解剖学」との関連を図り,小児の成長発育に留意しな

がら,修復物,咬こう

合誘導装置等の製作にかかわる基礎的な知識

と技術の習得を促すこと。

イ 内容の(1)については,内容の(2)から(4)までとの関連を図

り,小児歯科技工の意義と目的を理解させること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,小児の成長発育に伴う歯,顎がく

等の変化

に重点を置いて扱うこと。

イ 内容の(3)については,乳歯の早期喪失等による症例の技工物

を取り上げるなどして,基本的な製作方法の習得を図ること。

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Ⅱ - 175

は製作方法にも触れること。

〔歯科技工実習〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を

行うことなどを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 歯科技工の実践について体系的・系統的に理解するとともに,

関連する技術を身に付けるようにする。

(2) 歯科技工の実践に関する課題を発見し,歯科技工の職業倫理を

踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3)よりよい歯科技工の実践を目指して自ら学び,歯科医療の発展

に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 有床義歯技工実習

(2) 歯冠修復技工実習

(3) 歯形彫刻技工実習

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 指導に当たっては,実験・実習を中心にして使用機械及び器

具の理解を深め,基礎的な知識と技術を総合的に習得させる

よう留意すること。また,安全管理や保健管理に関わる知識

の習得に努めること。

イ 臨床的模型上での実習を行うなど,多種多様な模型の活用を

図り,適切な知識や技術を習得させること。また,「歯の解

剖学」,「有床義歯技工学」及び「歯冠修復技工学」と関連

[歯科技工実習]

1 目 標

歯科技工に関する実際的な知識と技術を総合的に習得させ,歯科

技工を適切に行う能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 有床義歯技工実習

(2) 歯冠修復及び架工義歯(橋義歯)技工実習

(3) 歯型彫刻技工実習

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 指導に当たっては,実験・実習を中心にして使用機械,器具

の理解を深め,基礎的な知識と技術を総合的に習得させるよう

留意すること。また,安全管理や保健管理にかかわる知識の習

得と態度の形成に努めること。

イ 臨床的模型上での実習を行うなど,多種多様な模型の活用を

図り,適切な知識や技術の習得を促すこと。また,「歯の解剖

学」,「有床義歯技工学」及び「歯冠修復技工学」と関連させ

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Ⅱ - 176

させながら,生徒の実態に応じて適切に指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,臨床的模型を使用した全部床

義歯の製作及び蝋ろう

義歯製作の反復練習に重点を置いて指導す

ること。

イ 〔指導項目〕の(2)については,臨床的模型を使用した歯冠修

復物の製作及び冠の蝋ろう

形成の反復練習に重点を置いて指導す

ること。

〔歯科技工情報〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を

行うことなどを通して,歯科技工の実践に必要な資質・能力を次の

とおり育成することを目指す。

(1) 歯科技工情報について体系的・系統的に理解するとともに,関

連する技術を身に付けるようにする。

(2) 歯科技工情報に関する基本的な課題を発見し,歯科技工の職業

倫理を踏まえて合理的かつ創造的に解決する力を養う。

(3) 歯科技工情報について,よりよい歯科技工の実践を目指して自

ら学び,歯科医療の発展に関する課題解決に主体的かつ協働的に

取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 情報社会の倫理と責任

ア 情報社会の特徴

イ 情報社会の倫理

ウ 情報を扱う個人の責任

ながら,生徒の実態に応じて適切に指導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,臨床的模型を使用した全部床義歯の製

作,内容の(2)については,鋳造冠のワックスアップの反復練習,

内容の(3)については,石膏こう

,ワックス及びレジンを使用した歯

型彫刻に重点を置いて指導すること。

[歯科技工情報活用]

1 目 標

社会における情報化の進展と情報の意義や役割を理解させるとと

もに,情報の活用に関する知識と技術を習得させ,歯科技工の分野

で情報及び情報手段を主体的に活用する能力と態度を育てる。

2 内 容

(1) 情報機器と情報の活用

ア 生活と情報の活用 イ 情報機器の活用分野

ウ 情報通信ネットワーク

(2) 情報モラルとセキュリティ

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Ⅱ - 177

(2) 歯科技工における情報の活用と管理

ア 歯科技工分野の情報

イ 情報システムの特徴

ウ 情報の活用

エ 情報の管理

(3) 歯科技工における課題解決

ア 課題に応じた情報収集

イ 情報分析と解決方法

ウ 情報の発信方法

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 多様な題材やデータを取り上げ,情報技術の進展に応じた演

習などを通して,生徒が情報及びネットワークを適切に活用

できるよう,情報の信頼性を判断する能力及び情報モラルを

育成すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする

ア 〔指導項目〕の(1)については,個人のプライバシーや著作

権を含む知的財産の保護,個人における情報の管理や発信に

関する責任について,法令と関連付けて取り扱うこと。

イ 〔指導項目〕の(2)については,歯科医療福祉関係者で共有

する情報通信ネットワークの特徴と活用について,地域の実

例などを取り上げて取り扱うこと。また,業務における情報

セキュリティの重要性について法令と関連付けて取り扱うこ

と。

ウ 〔指導項目〕の(3)については,生徒が主体的に課題を設定

して,情報を集め分析し,課題の解決に向けてモデル化,シ

ミュレーション,プログラミングなどを行い,情報デザイン

などを踏まえた発信方法を考え,協議する演習などを行うこ

ア 情報の価値とモラル イ 情報のセキュリティ管理

(3) 歯科技工と情報機器の活用

ア 歯科技工における情報機器活用の目的と意義

イ 個人情報の管理 ウ 歯科技工における情報機器活用の

実際

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 歯科技工に関する題材やデータなどを用いた実習を通して,

歯科技工の分野において情報を主体的に活用できるように指導

すること。また,他の歯科技工に関する各科目と関連付けて指

導すること。

(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。

ア 内容の(1)については,情報化の進展が生活や社会に及ぼす影

響,情報の意義や役割及び情報機器の活用分野の概要を扱うと

ともに,情報通信ネットワークを活用した情報の収集,処理,

分析及び発信について体験的に扱うこと。

イ 内容の(2)については,個人のプライバシーや著作権など知的

財産の保護,収集した情報の管理,発信する情報に対する責任

など情報モラル及び情報通信ネットワークシステムにおけるセ

キュリティ管理の重要性について扱うこと。

ウ 内容の(3)については,歯科技工業務において,現在用いられ

ているデータ処理や経営管理等の情報機器の活用について扱う

こと。

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Ⅱ - 178

と。

〔課題研究〕

1 目 標

歯科技工の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を

行うことなどを通して,社会を支え産業の発展を担う職業人として

必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 歯科技工について体系的・系統的に理解するとともに,相互に

関連付けられた技術を身に付けるようにする。

(2) 歯科技工に関する課題を発見し,歯科技工士として解決策を探

究し,科学的な根拠に基づき創造的に解決する力を養う。

(3) 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,歯科医療の発展

に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導

項目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 調査,研究,実験

(2) 作品制作

(3) 医療現場等における実習

(4) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容を取り扱う際には,次の事項に配慮するものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,〔指導項目〕の(1)

から(4)までの中から,個人又はグループで歯科技工に関する

適切な課題を設定し,主体的かつ協働的に取り組む学習活動を

通して,専門的な知識,技術などの深化・総合化を図り,歯科

技工に関する課題の解決に取り組むことができるようにする

こと。なお,課題については,(1)から(4)までの2項目以上に

[課題研究]

1 目 標

歯科技工に関する課題を設定し,その課題の解決を図る学習を通

して,専門的な知識と技術の深化,総合化を図るとともに,問題解

決の能力や自発的,創造的な学習態度を育てる。

2 内 容

(1) 調査,研究,実験

(2) 作品製作

(3) 医療現場等における実習

(4) 職業資格の取得

3 内容の取扱い

(1) 内容の構成及びその取扱いに当たっては,次の事項に配慮する

ものとする。

ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,内容の(1)から(4)

までの中から個人又はグループで適切な課題を設定させるこ

と。なお,課題は内容の(1)から(4)までの2項目以上にまたが

る課題を設定することができること。

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Ⅱ - 179

またがるものを設定することができること。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めるこ

と。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

を図るようにすること。その際,歯科技工の見方・考え方を働か

せ,見通しをもって実験・実習などを行い,科学的な根拠に基づ

き創造的に探究するなどの実践的・体験的な学習活動の充実を図

ること。

(2) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,

実際的,具体的に理解させるようにすること。

(3) 地域や歯科技工所等との連携・交流を通じた実践的な学習活動

や就業体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積

極的に活用するなどの工夫に努めること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,各種歯科材料,歯科技工用機械等

の進歩を考慮して,科学的知識と技術の習得について,特に留意

すること。

(2) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワ

ーク等の活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・

設備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事

故防止や環境保全の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するもの

とする。

イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるよう努めるこ

と。

第3 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,できるだけ実験・実習を通して,

実際的,具体的に理解させるようにすること。

(2) 地域や歯科技工所等との連携・交流を通じた実践的な学習活動

や就業体験を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的

に活用するなどの工夫に努めること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 各科目の指導に当たっては,各種歯科材料,歯科技工用機械等

の発達を考慮して,科学的知識と技術の習得について,特に留意

すること。

(2) 各科目の指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワ

ーク等の活用を図り,学習の効果を高めるようにすること。

3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備

や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止

の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。

第2節 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

第2節 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校

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Ⅱ - 180

第1款 各学科に共通する各教科の目標及び内容

第1款 各学科に共通する各教科の目標及び内容

〔国 語〕

1 目 標

言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で理解

し表現する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 社会生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うこ

とができるようにする。

(2) 社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,思考力

や想像力を養う。

(3) 言葉がもつよさを認識するとともに,言語感覚を養い,国語を大

切にしてその能力の向上を図る態度を養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

ア 社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けるとともに,我

が国の言語文化に親しむことができるようにする。

イ 筋道立てて考える力や豊かに感じたり想像したりする力を養い

,社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,自分

の思いや考えをまとめることができるようにする。

ウ 言葉がもつよさを認識するとともに,幅広く読書をし,国語を

大切にして,思いや考えを伝え合おうとする態度を養う。

(2) 内 容

〔知識及び技能〕

ア 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることができ

るよう指導する。

(ア) 社会生活に係る人とのやり取りを通して,言葉には,考えた

ことや思ったことを表す働きがあることに気付くこと。

[国 語]

1 目 標

生活に必要な国語についての理解を深め,伝え合う力を高めると

ともに,それらを適切に活用する能力と態度を育てる。

2 内 容

○1段階

(1) 話の内容の要点を落とさないように聞き取る。

(2) 目的や場に応じて要点を落とさないように話す。

(3) いろいろな語句,文及び文章を正しく読み,内容を読み取る。

(4) 手紙や日記などを目的に応じて正しく書く。

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Ⅱ - 181

(イ) 相手を見て話したり聞いたりするとともに,間の取り方など

に注意して話すこと。

(ウ) 漢字と仮名を用いた表記や送り仮名の付け方を理解して文や

文章の中で使うとともに,句読点の使い方を意識して打つこと

(エ) 表現したり理解したりするために必要な語句の量を増し,話

や文章の中で使うとともに,言葉には,性質や役割による語句

のまとまりがあることを理解すること。

(オ) 接続する語句の役割,段落の役割について理解すること。

(カ) 日常よく使われる敬語を理解し使うこと。

(キ) 文章の構成や内容の大体を意識しながら音読すること。

イ 話や文章の中に含まれている情報の扱い方に関する次の事項を

身に付けることができるよう指導する。

(ア) 考えとそれを支える理由や事例,全体と中心など,情報と情

報との関係について理解すること。

(イ) 比較や分類の仕方,辞書や事典の使い方などを理解し使うこ

と。

ウ 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができる

よう指導する。

(ア) 生活に身近なことわざや慣用句などを知り,使うこと。

(イ) 書くことに関する次の事項を取り扱うこと。

㋐ 文字の組み立て方を理解し,形を整えて書くこと。

(ウ) 幅広く読書に親しみ,読書が,必要な知識や情報を得ること

に役立つことに気付くこと。

〔思考力,判断力,表現力等〕

A 聞くこと・話すこと

聞くこと・話すことに関する次の事項を身に付けることができる

よう指導する。

ア 社会の中で関わる人の話などについて,話し手の目的や自分が

聞きたいことの中心を捉え,その内容を捉えること。

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Ⅱ - 182

イ 目的に応じて,話題を決め,集めた材料を比較するなど伝え合

うために必要な事柄を選ぶこと。

ウ 話の中心が明確になるよう話の構成を考えること。

エ 相手に伝わるように,言葉の抑揚や強弱,間の取り方などを工

夫すること。

オ 目的や進め方を確認し,司会などの役割を果たしながら話し合

い,互いの意見の共通点や相違点に着目して,考えをまとめるこ

と。

B 書くこと

書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導す

る。

ア 相手や目的を意識して,書くことを決め,集めた材料を比較す

るなど,伝えたいことを明確にすること。

イ 書く内容の中心を決め,内容のまとまりで段落をつくったり,

段落相互の関係に注意したりして,文章の構成を考えること。

ウ 自分の考えとそれを支える理由や事例との関係を明確にして,

書き表し方を工夫すること。

エ 間違いを正したり,相手や目的を意識した表現になっているか

を確かめたりして,文や文章を整えること。

オ 書こうとしたことが明確になっているかなど,文章に対する感

想や意見を伝え合い,自分の文章のよいところを見付けること。

C 読むこと

読むことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導

する。

ア 登場人物の行動や心情などについて,叙述を基に捉えること。

イ 段落相互の関係に着目しながら,考えとそれを支える理由や事

例との関係などについて,叙述を基に捉えること。

ウ 登場人物の心情や情景について,場面と結び付けて具体的に想

像したり,表現の効果を考えたりすること。

エ 目的を意識して,中心となる語や文を見付けて要約すること。

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Ⅱ - 183

オ 文章を読んで理解したことに基づいて,感想や考えをもつこと

○2段階

(1) 目 標

ア 社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けるとともに,我

が国の言語文化に親しんだり理解したりすることができるよう

にする。

イ 筋道立てて考える力や豊かに感じたり想像したりする力を養い

,社会生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,自分

の思いや考えを広げることができるようにする。

ウ 言葉がもつよさを認識するとともに,進んで読書をし,国語を

大切にして,思いや考えを伝え合おうとする態度を養う。

(2) 内 容

〔知識及び技能〕

ア 言葉の特徴や使い方に関する次の事項を身に付けることがで

きるよう指導する。

(ア) 社会生活に係る人とのやり取りを通して,言葉には,相手と

のつながりをつくる働きがあることに気付くこと。

(イ) 話し言葉と書き言葉に違いがあることに気付くこと。

(ウ) 文や文章の中で漢字と仮名を使い分けて書くこと。

(エ) 表現したり理解したりするために必要な語句の量を増し,話

や文章の中で使うとともに,語彙を豊かにすること。

(オ) 文と文との接続の関係,話や文章の構成や種類について理解

すること。

(カ) 日常よく使われる敬語を理解し使い慣れること。

(キ) 文章を音読したり,朗読したりすること。

イ 話や文章の中に含まれている情報の扱い方に関する次の事項を

身に付けることができるよう指導する。

(ア) 原因と結果など,情報と情報との関係について理解すること

○2段階

(1) 話し手の意図や気持ちを考えながら,話の内容を適切に聞き取

る。

(2) 自分の立場や意図をはっきりさせながら,相手や目的,場に応

じて適切に話す。

(3) 目的や意図などに応じて文章の概要や要点などを適切に読み取

る。

(4) 相手や目的に応じていろいろな文章を適切に書く。

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Ⅱ - 184

(イ) 情報と情報との関係付けの仕方を理解し使うこと。

ウ 我が国の言語文化に関する次の事項を身に付けることができる

よう指導する。

(ア) 親しみやすい古文などの文章を音読するなどして,言葉の響

きやリズムに親しむこと。

(イ) 生活の中で使われる慣用句,故事成語などの意味を知り,使

うこと。

(ウ) 書くことに関する次の事項を取り扱うこと。

㋐ 用紙全体との関係に注意して,文字の大きさや配列など

を決めて書くこと。

㋑ 目的に応じて使用する筆記具を選び,その特徴を生かし

て書くこと。

(エ) 日常的に読書に親しみ,読書が,自分の考えを広げることに

役立つことに気付くこと。

〔思考力,判断力,表現力等〕

A 聞くこと・話すこと

聞くこと・話すことに関する次の事項を身に付けることができる

よう指導する。

ア 社会の中で関わる人の話などを,話し手の目的や自分が聞きた

いことの中心を捉え,話の内容を捉えること。

イ 目的や意図に応じて,話題を決め,集めた材料を比較したり分

類したりして,伝え合う内容を検討すること。

ウ 話の内容が明確になるように,話の構成を考えること。

エ 資料を活用するなどして,自分の考えが伝わるように表現を工

夫すること。

オ 互いの立場や意図を明確にしながら,計画的に話し合い,考え

を広げたりまとめたりすること。

B 書くこと

書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導す

る。

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Ⅱ - 185

ア 目的や意図に応じて,書くことを決め,集めた材料を比較した

り分類したりして,伝えたいことを明確にすること。

イ 筋道の通った文章となるように,文章全体の構成を考えること

ウ 目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりするとと

もに,事実と感想,意見とを区別して書いたりするなど,自分の

考えが伝わるように書き表し方を工夫すること。

エ 引用したり,図表やグラフなどを用いたりして,自分の考えが

伝わるように書き表し方を工夫すること。

オ 文章全体の構成や書き表し方などに着目して,文や文章を整え

ること。

カ 文章全体の構成が明確になっているかなど,文章に対する感想

や意見を伝え合い,自分の文章のよいところを見付けること。

C 読むこと

読むことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導

する。

ア 登場人物の相互関係や心情などについて,描写を基に捉えるこ

と。

イ 事実と感想,意見などとの関係を叙述を基に押さえ,文章全体

の構成を捉えて要旨を把握すること。

ウ 人物像を具体的に想像すること。

エ 目的を意識して,文章と図表などを結び付けるなどして,必要

な情報を見付けること。

オ 文章を読んで理解したことに基づいて,自分の考えをまとめる

こと。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

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Ⅱ - 186

を図るようにすること。その際,言葉による見方・考え方を働か

せ,言語活動を通して,言葉の特徴や使い方などを理解し自分の

思いや考えを深める学習の充実を図ること。

イ 2の各段階の内容の〔知識及び技能〕に示す事項については,

〔思考力,判断力,表現力等〕に示す事項の指導を通して指導す

ることを基本とすること。

ウ 2の各段階の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「A聞く

こと・話すこと」に関する指導については,高等部卒業後の生活

に必要な話し言葉を身に付け,活用できるよう指導すること。

エ 2の各段階の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「B書く

こと」に関する指導については,筆記具を用いる技能の指導に偏

ることなく,文章を書く場面を設けるよう工夫すること。

オ 2の各段階の内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「C読む

こと」に関する指導については,発達の段階に応じた様々な文章

に接し,日常生活において読書活動を活発に行うようにするとと

もに,他教科等における読書の指導や学校図書館等における指導

との関連を図るようにすること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するも

のとする。

ア 2の各段階の内容のうち,文字に関する事項については,次の

とおり取り扱うこと。

(ア) 生活場面や関わる相手が多様になることに応じて,平仮名,

片仮名,漢字,ローマ字などの文字を取り扱うようにすること

(イ) これまでに学習した句読点の使い方や長音,撥音などの表記

について,高等部においても正しくより適切に用いることが

できるよう引き続き指導すること。

イ 2の内容の指導に当たっては,学校図書館などを目的をもって

計画的に利用しその機能の活用を図るようにすること。その際,

本などの種類や配置,探し方について指導するなど,生徒が必要

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Ⅱ - 187

な本を選ぶことができるよう配慮すること。

ウ 教材の取扱いについては,次の事項に留意すること。

(ア) 生徒の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等に応じ,

興味・関心のある話題や身近な題材から,高等部卒業後の生

活に関連する題材まで,様々な種類や形式の文,文章を取り

扱う機会を設けること。

〔社 会〕

1 目 標

社会的な見方・考え方を働かせ,社会的事象について関心をもち,

具体的に考察する活動を通して,グローバル化する国際社会に主体的

に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての

資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。

(1) 地域や我が国の国土の地理的環境,現代社会の仕組みや働き,地

域や我が国の歴史や伝統と文化及び外国の様子について,様々な資

料や具体的な活動を通して理解するとともに,情報を適切に調べま

とめる技能を身に付けるようにする。

(2) 社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考えたり,自分

の生活と結び付けて考えたり,社会への関わり方を選択・判断した

りする力,考えたことや選択・判断したことを適切に表現する力を

養う。

(3) 社会に主体的に関わろうとする態度や,よりよい社会を考え学習

したことを社会生活に生かそうとする態度を養うとともに,多角的

な思考や理解を通して,地域社会に対する誇りと愛情,地域社会の

一員としての自覚,我が国の国土と歴史に対する愛情,我が国の将

来を担う国民としての自覚,世界の国々の人々と共に生きていくこ

との大切さについての自覚などを養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

[社 会]

1 目 標

社会の様子,働きや移り変わりについての関心と理解を一層深め,

社会生活に必要な能力と態度を育てる。

2 内 容

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Ⅱ - 188

(1) 目 標

学習の問題を追究・解決する活動を通して,次のとおり資質・能

力を育成することを目指す。

ア 我が国の国土の様子と国民生活,自然環境の特色,先人の業績

や優れた文化遺産,社会参加するためのきまり,公共施設の役割

と制度,農業や水産業の現状,産業と経済との関わり,外国の様

子について,様々な資料や具体的な活動を通して,社会生活との

関連を踏まえて理解するとともに,情報を適切に調べまとめる技

能を身に付けるようにする。

イ 社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考える力,自

分の生活と結び付けて考える力,社会への関わり方を選択・判断

する力,考えたことや選択・判断したことを表現する力を養う。

ウ 社会に主体的に関わろうとする態度や,よりよい社会を考え学

習したことを社会生活に生かそうとする態度を養うとともに,多

角的な思考や理解を通して,地域社会に対する誇りと愛情,地域

社会の一員としての自覚,我が国の国土に対する愛情,我が国の

歴史や伝統を大切にして国を愛する心情,我が国の産業の発展を

願い我が国の将来を担う国民としての自覚や平和を願う日本人と

して世界の国々の人々と共に生きることの大切さについての自覚

を養う。

(2) 内 容

ア 社会参加ときまり

(ア) 社会参加するために必要な社会生活に関わる学習活動を通し

て,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 地域の人々と互いに協力することの大切さを理解し,自分

の役割や責任を果たすための知識や技能を身に付けること。

㋑ 社会生活の中で状況を的確に判断し,自分の役割と責任に

ついて考え,表現すること。

(イ) 社会生活を営む上で大切な法やきまりに関わる学習活動を通

して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

○1段階

(1) 相手や自分の立場を理解し,互いに協力して役割や責任を果た

す。

(2) 社会や国にはいろいろなきまりがあることを知り,それらを適

切に守る。

(3) 生活に関係の深い公共施設や公共物などの働きを理解し,それ

らを適切に利用する。

(4) 政治,経済,文化などの社会的事象や通信メディアなどに興味

や関心をもち,生産,消費などの経済活動に関する基本的な事柄

を理解する。

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Ⅱ - 189

㋐ 社会生活を営む上で大切な法やきまりがあることを理解

すること。

㋑ 社会生活を営む上で大切な法やきまりの意義と自分との

関わりについて考え,表現すること。

イ 公共施設の役割と制度

(ア) 公共施設の役割に関わる学習活動を通して,次の事項を身に

付けることができるよう指導する。

㋐ 生活に関係の深い公共施設や公共物の役割とその必要性

を理解すること。

㋑ 生活に関係の深い公共施設や公共物の利用の仕方を調べ,

適切な活用を考え,表現すること。

(イ) 制度に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けること

ができるよう指導する。

㋐ 我が国の政治の基本的な仕組みや働きについて理解するこ

と。

㋑ 国や地方公共団体の政治の取組について調べ,国民生活に

おける政治の働きを考え,表現すること。

ウ 我が国の国土の自然環境と国民生活

(ア) 我が国の国土の自然環境と国民生活との関連に関わる学習活

動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する

㋐ 自然災害は国土の自然条件などと関連して発生している

ことや,自然災害が国土と国民生活に影響を及ぼすことを理

解すること。

㋑ 関係機関や地域の人々の様々な努力により公害の防止や

生活環境の改善が図られてきたことを理解するとともに,公

害が国土の環境や国民の生活に影響を及ぼすことを理解す

ること。

㋒ 災害の種類や発生の位置や時期,防災対策などに着目して

,国土の自然災害の状況を捉え,自然条件との関連を考え,

(5) 我が国のいろいろな地域の自然や生活の様子を理解し,社会の

変化や伝統に関心をもつ。

(6) 外国の自然や人々の生活の様子,世界の出来事に関心をもつ。

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Ⅱ - 190

表現すること。

㋓ 公害の発生時期や経過,人々の協力や努力などに着目して

,公害防止の取組を捉え,その働きを考え,表現すること。

エ 産業と生活

(ア) 我が国の農業や水産業における食料生産に関わる学習活動を

通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 我が国の食料生産は,自然条件を生かして営まれているこ

とや,国民の食料を確保する重要な役割を果たしていること

を理解すること。

㋑ 食料生産に関わる人々は,生産性や品質を高めるよう努力

したり輸送方法や販売方法を工夫したりして,良質な食料を

消費地に届けるなど,食料生産を支えていることを理解する

こと。

㋒ 生産物の種類や分布,生産量の変化などに着目して,食料

生産の概要を捉え,食料生産が国民生活に果たす役割を考え

,表現すること。

㋓ 生産の工程,人々の協力関係,技術の向上,輸送,価格や

費用などに着目して,食料生産に関わる人々の工夫や努力を

捉え,その働きを考え,表現すること。

オ 我が国の国土の様子と国民生活,歴史

(ア) 我が国の国土の様子と国民生活に関わる学習活動を通して,

次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 我が国の国土の地形や気候の概要を理解するとともに,人

々は自然環境に適応して生活していることを理解すること。

㋑ 地形や気候などに着目して,国土の自然などの様子や自然

条件から見て特色ある地域の人々の生活を捉え,国土の自然

環境の特色やそれらと国民生活との関連を考え,表現するこ

と。

(イ) 我が国の歴史上の主な事象に関わる学習活動を通して,次の

事項を身に付けることができるよう指導する。

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Ⅱ - 191

㋐ 我が国の歴史上の主な事象を手掛かりに,関連する先人の

業績,優れた文化遺産などを理解すること。

㋑ 世の中の様子,人物の働きや代表的な文化遺産などに着目

して,我が国の歴史上の主な事象を捉え,世の中の様子の変

化を考え,表現すること。

カ 外国の様子

(ア) グローバル化する世界と日本の役割に関わる学習活動を通し

て,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 異なる文化や習慣を尊重し合うことが大切であることを

理解すること。

㋑ 外国の人々の生活の様子などに着目して,日本の文化や習

慣との違いについて考え,表現すること。

○2段階

(1) 目 標

学習の問題を追究・解決する活動を通して,次のとおり資質・能

力を育成することを目指す。

ア 我が国の国土の様子と国民生活,自然環境の特色,先人の業績

や優れた文化遺産,社会参加するためのきまり,公共施設の役割

と制度,工業の現状,産業と情報との関わり,外国の様子につい

て,様々な資料や具体的な活動を通して,社会生活との関連を踏

まえて理解するとともに,情報を適切に調べまとめる技能を身に

付けるようにする。

イ 社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考える力,自

分の生活と結び付けて考える力,社会への関わり方を選択・判断

する力,考えたことや選択・判断したことを適切に表現する力を

養う。

ウ 社会に主体的に関わろうとする態度や,よりよい社会を考え学

習したことを社会生活に生かそうとする態度を養うとともに,多

角的な思考や理解を通して,地域社会に対する誇りと愛情,地域

社会の一員としての自覚,我が国の国土に対する愛情,我が国の

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Ⅱ - 192

歴史や伝統を大切にして国を愛する心情,我が国の産業の発展を

願い我が国の将来を担う国民としての自覚や平和を願う日本人と

して世界の国々の人々と共に生きることの大切さについての自覚

を養う。

(2) 内 容

ア 社会参加ときまり

(ア) 社会参加するために必要な社会生活に関わる学習活動を通し

て,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 社会の中で互いに協力しながら,社会生活に必要な知識や

技能を身に付けること。

㋑ 社会生活の中で状況を的確に判断し,国民としての権利及

び義務,それに伴う責任について考え,表現すること。

(イ) 社会生活を営む上で大切な法やきまりに関わる学習活動を通

して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 社会の慣習,生活に関係の深い法やきまりを理解すること

㋑ 社会の慣習,生活に関係の深い法やきまりの意義と自分と

の関わりについて考え,表現すること。

イ 公共施設の役割と制度

(ア) 公共施設の役割に関わる学習活動を通して,次の事項を身に

付けることができるよう指導する。

㋐ 地域における公共施設や公共物の役割とその必要性を理

解すること。

㋑ 地域における公共施設や公共物の利用の仕方を調べ,適切

な活用を考え,表現すること。

(イ) 制度に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けること

ができるよう指導する。

㋐ 生活に関係の深い制度について理解すること。

㋑ 生活に関係の深い制度について調べ,その活用を考え,表

現すること。

○2段階

(1) 個人と社会の関係が分かり,社会の一員としての自覚をもつ。

(2) 社会の慣習,生活に関係の深い法や制度を知り,必要に応じて

生活に生かす。

(3) 公共施設や公共物などの働きについての理解を深め,それらを

適切に利用する。

(4) 政治,経済,文化などの社会的事象や通信メディアなどに興味や

関心を深め,生産,消費などの経済活動に関する事柄を理解する。

(5) 地図や各種の資料などを活用し,我が国のいろいろな地域の自

然や生活の様子,社会の変化や伝統を知る。

(6) 各種の資料を活用し,外国の自然や人々の生活の様子,世界の

出来事について知る。

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Ⅱ - 193

ウ 我が国の国土の自然環境と国民生活

(ア) 我が国の国土の自然環境と国民生活との関連に関わる学習活

動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する

㋐ 自然災害から国土を保全し国民生活を守るために国や県

などが様々な対策や事業を進めていることを理解すること。

㋑ 国土の環境保全について,自分たちにできることなどを考

え,表現すること。

エ 産業と生活

(ア) 我が国の工業生産に関わる学習活動を通して,次の事項を身

に付けることができるよう指導する。

㋐ 我が国では様々な工業生産が行われていることや,国土に

は工業の盛んな地域が広がっていること及び工業製品は国

民生活の向上に重要な役割を果たしていることを理解する

こと。

㋑ 工業生産に関わる人々は,消費者の需要や社会の変化に対

応し,優れた製品を生産するよう様々な工夫や努力をして,

工業生産を支えていることを理解すること。

㋒ 工業の種類,工業の盛んな地域の分布,工業製品の改良な

どに着目して,工業生産の概要を捉え,工業生産が国民生活

に果たす役割を考え,表現すること。

㋓ 製造の工程,工場相互の協力関係,優れた技術などに着目

して,工業生産に関わる人々の工夫や努力を捉え,その働き

を考え,表現すること。

(イ) 我が国の産業と情報との関わりに関わる学習活動を通して,

次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 大量の情報や情報通信技術の活用は様々な産業を発展さ

せ,国民生活を向上させていることを理解すること。

㋑ 情報の種類,情報の活用の仕方などに着目して,産業にお

ける情報活用の現状を捉え,情報を生かして発展する産業が

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Ⅱ - 194

国民生活に果たす役割を考え,表現すること。

オ 我が国の国土の様子と国民生活,歴史

(ア) 我が国の国土の様子と国民生活に関わる学習活動を通して,

次の事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 世界における我が国の国土の位置,国土の構成,領土の範

囲などを大まかに理解すること。

㋑ 世界の大陸と主な海洋,主な国の位置,海洋に囲まれ多数

の島からなる国土の構成などに着目して,我が国の国土の様

子を捉え,その特色を考え,表現すること。

(イ) 我が国の歴史上の主な事象に関わる学習活動を通して,次の

事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 我が国の歴史上の主な事象を手掛かりに,世の中の様子の

変化を理解するとともに,関連する先人の業績,優れた文化

遺産を理解すること。

㋑ 世の中の様子,人物の働きや代表的な文化遺産などに着目

して,我が国の歴史上の主な事象を捉え,世の中の様子の変

化を考え,表現すること。

カ 外国の様子

(ア) グローバル化する世界と日本の役割に関わる学習活動を通し

て,次の

事項を身に付けることができるよう指導する。

㋐ 我が国は,平和な世界の実現のために国際連合の一員とし

て重要な役割を果たしたり,諸外国の発展のために援助や協

力を行ったりしていることを理解すること。

㋑ 地球規模で発生している課題の解決に向けた連携・協力な

どに着目して,国際社会において我が国が果たしている役割

を考え,表現すること。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

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Ⅱ - 195

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

を図るようにすること。その際,生活に即した具体的で分かりや

すい内容を取り上げ,社会的事象の見方・考え方を働かせ,事象

の特色や意味などを考え,説明したり表現したりするなど,自ら

意欲的に取り組むことのできる活動の充実を図ること。

イ 各教科等との関連を図り,指導の効果を高めるようにするとと

もに,中学部の社会科の学習との関連を踏まえて,系統的,発展

的に指導できるようにすること。

ウ コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用して,情報の

収集やまとめなどを行うようにすること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するもの

とする。

ア 各学校においては,地域の実態を生かして,生徒が興味・関心

をもって学習に取り組めるようにするとともに,観察や見学,聞

き取りなどの調査活動を含む具体的な体験を伴う学習を通し,自

分の生活と結び付けて考えたことをまとめることで将来の社会生

活に生かせるようにすること。

イ 2の内容については,次の事項について配慮するものとする。

(ア) 日本国憲法が基本的人権の尊重,国民主権及び平和主義を基

本的原則としていることについて触れること。

(イ) 情報を適切に調べまとめる技能が身に付くよう,地図帳や地

球儀,各種の資料で調べ,まとめる活動を取り入れること。

(ウ) アについては,身近な生活の中でのきまりから日本国憲法ま

で幅広く取り上げ,秩序ある社会生活を保つためには,それら

を遵守することが大切であることに気付くようにするととも

に,主体的に社会参加するための基礎的な力を養うこと。

(エ) イについては,選挙などの国民の政治参加の方法や意味につ

いても取り上げること。また,地域の公共施設について,その

地域にある意味や,それらの利用がよりよい社会生活を送るこ

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Ⅱ - 196

とにつながることなどを考えることができるようにすること。

(オ) ウについては,我が国の豊かな自然環境が国民生活に多くの

恩恵を与えている一方で,地震災害,津波災害,風水害,火山

災害,雪害などの自然災害と,大気の汚染,水質の汚濁などの

公害を取り上げ,自然災害や生活環境に関心をもち,日常生活

の中で必要な注意事項を考えることにより,環境保全のために

は国民一人一人の協力が必要であることに気付くようにする

こと。

(カ) エの(ア)の「食料生産」,「工業生産」については,食料生産

や工業の盛んな地域の具体的事例を通して調べることとし,稲

作のほか,野菜,果物,畜産物,水産物などの中から,また,

金属工業,機械工業,化学工業,食料品工業などの中から,そ

れぞれ一つを取り上げること。また,消費者や生産者の立場な

どから多角的に考えて,これからの産業の発展について自分の

考えをまとめることができるようにすること。

(キ) 2段階のオの(ア)の㋐の「領土の範囲」については,竹島や北

方領土,尖閣諸島が我が国の固有の領土であることに触れるこ

と。

(ク) カについては,我が国や諸外国には国旗があることを理解し

,それを尊重する態度を養うようにすること。

(ケ) 社会的事象については,生徒の考えが深まるよう様々な見解

を提示するよう配慮し,多様な見解のある事柄,未確定な事柄

を取り上げる場合には,有益適切な教材に基づいて指導する

とともに,特定の事柄を強調し過ぎたり,一面的な見解を十分

な配慮なく取り上げたりするなどの偏った取扱いにより,生

徒が多角的に考えたり,事実を客観的に捉え,公正に判断し

たりすることを妨げることのないよう留意すること。

〔数 学〕

1 目 標

[数 学]

1 目 標

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Ⅱ - 197

数学的な見方・考え方を働かせ,数学的活動を通して,数学的に考

える資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 数量や図形などについての基礎的・基本的な概念や性質などを理

解するとともに,日常の事象を数学的に解釈したり,数学的に表現

・処理したりする技能を身に付けるようにする。

(2) 日常の事象を数理的に捉え見通しをもち筋道を立てて考察する力

,基礎的・基本的な数量や図形などの性質を見いだし統合的・発展

的に考察する力,数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に

表現したり目的に応じて柔軟に表したりする力を養う。

(3) 数学的活動の楽しさや数学のよさを実感し,数学的に表現・処理

したことを振り返り,多面的に捉え検討してよりよいものを求めて

粘り強く考える態度,数学を生活や学習に活用しようとする態度を

養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

A 数と計算

ア 整数,小数,分数及び概数の意味と表し方や四則の関係につい

て理解するとともに,整数,小数及び分数の計算についての意味

や性質について理解し,それらを計算する技能を身に付けるよう

にする。

イ 数の表し方の仕組みや数を構成する単位に着目し,数の比べ方

や表し方を統合的に捉えて考察したり,数とその表現や数量の関

係に着目し,目的に合った表現方法を用いて計算の仕方を考察し

たりするとともに,数量の関係を簡潔に,また一般的に表現する

力を養う。

ウ 数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的

に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学

のよさに気付き学習したことを生活や学習に活用しようとする態

生活に必要な数量や図形などに関する理解を深め,それらを活用

する能力と態度を育てる。

2 内 容

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Ⅱ - 198

度を養う。

B 図形

ア 図形の形や大きさが決まる要素や立体を構成する要素の位置関

係,図形の合同や多角形の性質について理解し,図形を作図した

り,三角形,平行四辺形,ひし形,台形の面積を求めたりする技

能を身に付けるようにする。

イ 図形を構成する要素や図形間の関係に着目し,構成の仕方を考

察したり,図形の性質を見いだしたりするとともに,三角形,平

行四辺形,ひし形の面積の求め方を考え,その表現を振り返り,

簡潔かつ的確な表現に高め,公式として導く力を養う。

ウ 図形や数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,

多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度

,数学のよさに気付き学習したことを生活や学習に活用しようと

する態度を養う。

C 変化と関係

ア 比例の関係や異種の二つの量の割合として捉えられる数量の比

べ方,百分率について理解するとともに,目的に応じてある二つ

の数量の関係と別の二つの数量とを比べたり,表現したりする方

法についての技能を身に付けるようにする。

イ 伴って変わる二つの数量の関係に着目し,その変化や対応の特

徴を表や式を用いて考察したり,異種の二つの量の割合を用いた

数量の比べ方を考察したりする力を養う。

ウ 数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的

に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学

のよさに気付き学習したことを生活や学習に活用しようとする態

度を養う。

D データの活用

ア データを円グラフや帯グラフで表す表し方や読み取り方,測定

した結果を平均する方法について理解するとともに,それらの問

題解決における用い方についての技能を身に付けるようにする。

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Ⅱ - 199

イ 目的に応じてデータを収集し,データの特徴や傾向に着目して

,表やグラフに的確に表現し,それらを用いて問題解決したり,

解決の過程や結果を多面的に捉え考察したりする力を養う。

ウ データの活用について数学的に表現・処理したことを振り返り

,多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態

度,数学のよさに気付き学習したことを生活や学習に活用しよう

とする態度を養う。

(2) 内 容

A 数と計算

ア 整数の表し方に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付

けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 万の単位を知ること。

㋑ 10 倍,100 倍,1000 倍, 101

の大きさの数及びその表し方

の理解を深めること。

㋒ 億,兆の単位について知り,十進位取り記数法についての

理解を深めること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数のまとまりに着目し,大きな数の大きさの比べ方や表

し方を統合的に捉えるとともに,それらを日常生活に生か

すこと。

イ 整数及び小数の表し方に関わる数学的活動を通して,次の事項

を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ ある数の 10 倍,100 倍,1000 倍, 101

, 1001

などの大きさ

の数を,小数点の位置を移してつくること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数の表し方の仕組みに着目し,数の相対的な大きさを考察

○1段階

(1) 日常生活に必要な数量の処理や計算をする。

(2) 長さ・重さなどの単位の関係が分かり,測定する。

(3) 図形を正しく作図したり,表やグラフを工夫して作ったりする。

(4) 金銭や時計・暦などの正しい使い方が分かる。

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Ⅱ - 200

し,計算などに有効に生かすこと。

ウ 概数に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けること

ができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 概数が用いられる場面について知ること。

㋑ 四捨五入について知ること。

㋒ 目的に応じて四則計算の結果の見積りをすること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 日常の事象における場面に着目し,目的に合った数の処理

の仕方を考えるとともに,それを日常生活に生かすこと。

エ 整数の加法及び減法に関わる数学的活動を通して,次の事項を

身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 大きな数の加法及び減法の計算が,2位数などについての

基本的な計算を基にしてできることを理解すること。また,

その筆算の仕方について理解すること。

㋑ 加法及び減法の計算が確実にでき,それらを適切に用いる

こと。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数量の関係に着目し,計算の仕方を考えたり,計算に関し

て成り立つ性質を見いだしたりするとともに,その性質を活

用して,計算を工夫したり,計算の確かめをしたりすること

オ 整数の乗法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 2位数や3位数に1位数や2位数をかける乗法の計算が,

乗法九九などの基本的な計算を基にしてできることを理解

すること。また,その筆算の仕方について理解すること。

㋑ 乗法の計算が確実にでき,それを適切に用いること。

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Ⅱ - 201

㋒ 乗法に関して成り立つ性質について理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数量の関係に着目し,計算の仕方を考えたり,計算に関し

て成り立つ性質を見いだしたりするとともに,その性質を活

用して,計算を工夫したり,計算の確かめをしたりすること

カ 整数の除法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 除数が1位数や2位数で被除数が2位数や3位数の場合

の計算が,基本的な計算を基にしてできることを理解するこ

と。また,その筆算の仕方について理解すること。

㋑ 除法の計算が確実にでき,それを適切に用いること。

㋒ 除法について,次の関係を理解すること。

(被除数)=(除数)×(商)+(余り)

㋓ 除法に関して成り立つ性質について理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数量の関係に着目し,計算の仕方を考えたり,計算に関し

て成り立つ性質を見いだしたりするとともに,その性質を活

用して,計算を工夫したり,計算の確かめをしたりすること

キ 小数とその計算に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に

付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ ある量の何倍かを表すのに小数を用いることを知ること。

㋑ 小数が整数と同じ仕組みで表されていることを知るとと

もに,数の相対的な大きさについての理解を深めること。

㋒ 小数の加法及び減法の意味について理解し,それらの計算

ができること。

㋓ 乗数や除数が整数である場合の小数の乗法及び除法の計

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Ⅱ - 202

算ができること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数の表し方の仕組みや数を構成する単位に着目し,計算の

仕方を考えるとともに,それを日常生活に生かすこと。

ク 小数の乗法及び除法に関わる数学的活動を通して,次の事項を

身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 乗数や除数が小数である場合の小数の乗法及び除法の意

味について理解すること。

㋑ 小数の乗法及び除法の計算ができること。

㋒ 余りの大きさについて理解すること。

㋓ 小数の乗法及び除法についても整数の場合と同じ関係や

法則が成り立つことを理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 乗法及び除法の意味に着目し,乗数や除数が小数である場

合まで数の範囲を広げて乗法及び除法の意味を捉え直すと

ともに,それらの計算の仕方を考えたり,それらを日常生活

に生かしたりすること。

ケ 分数とその計算に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に

付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 等分してできる部分の大きさや端数部分の大きさを表す

のに分数を用いることについて理解すること。また,分数の

表し方について知ること。

㋑ 分数が単位分数の幾つ分かで表すことができることを知

ること。

㋒ 簡単な場合について,分数の加法及び減法の意味について

理解し,それらの計算ができることを知ること。

㋓ 簡単な場合について,大きさの等しい分数があることを知

ること。

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Ⅱ - 203

㋔ 同分母の分数の加法及び減法の計算ができること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数のまとまりに着目し,分数でも数の大きさを比べたり,

計算したりできるかどうかを考えるとともに,分数を日常生

活に生かすこと。

㋑ 数を構成する単位に着目し,大きさの等しい分数を探した

り,計算の仕方を考えたりするとともに,それを日常生活に

生かすこと。

コ 数量の関係を表す式に関わる数学的活動を通して,次の事項を

身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 四則の混合した式や( )を用いた式について理解し,正

しく計算すること。

㋑ 公式についての考え方を理解し,公式を用いること。

㋒ 数量を□,△などを用いて表し,その関係を式に表したり

,□,△などに数を当てはめて調べたりすること。

㋓ 数量の関係を表す式についての理解を深めること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 問題場面の数量の関係に着目し,数量の関係を簡潔に,ま

た一般的に表現したり,式の意味を読み取ったりすること。

㋑ 二つの数量の対応や変わり方に着目し,簡単な式で表され

ている関係について考察すること。

サ 計算に関して成り立つ性質に関わる数学的活動を通して,次の

事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 四則に関して成り立つ性質についての理解を深めること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数量の関係に着目し,計算に関して成り立つ性質を用いて

計算の仕方を考えること。

B 図形

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Ⅱ - 204

ア 平面図形に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付ける

ことができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 平行四辺形,ひし形,台形について知ること。

㋑ 図形の形や大きさが決まる要素について理解するととも

に,図形の合同について理解すること。

㋒ 三角形や四角形など多角形についての簡単な性質を理解

すること。

㋓ 円と関連させて正多角形の基本的な性質を知ること。

㋔ 円周率の意味について理解し,それを用いること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 図形を構成する要素及びそれらの位置関係に着目し,構成

の仕方を考察し図形の性質を見いだすとともに,その性質を

基に既習の図形を捉え直すこと。

㋑ 図形を構成する要素及び図形間の関係に着目し,構成の仕

方を考察したり,図形の性質を見いだし,その性質を筋道を

立てて考え説明したりすること。

イ 立体図形に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付ける

ことができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 立方体,直方体について知ること。

㋑ 直方体に関連して,直線や平面の平行や垂直の関係につい

て理解すること。

㋒ 見取図,展開図について知ること。

㋓ 基本的な角柱や円柱について知ること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 図形を構成する要素及びそれらの位置関係に着目し,立体

図形の平面上での表現や構成の仕方を考察し,図形の性質を

見いだすとともに,日常の事象を図形の性質から捉え直すこ

と。

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Ⅱ - 205

ウ ものの位置に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ ものの位置の表し方について理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 平面や空間における位置を決める要素に着目し,その位置

を数を用いて表現する方法を考察すること。

エ 平面図形の面積に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に

付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 三角形,平行四辺形,ひし形,台形の面積の計算による求

め方について理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 図形を構成する要素などに着目して,基本図形の面積の求

め方を見いだすとともに,その表現を振り返り,簡潔かつ的

確な表現に高め,公式として導くこと。

C 変化と関係

ア 伴って変わる二つの数量に関わる数学的活動を通して,次の事

項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 簡単な場合について,比例の関係があることを知ること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 伴って変わる二つの数量を見いだして,それらの関係に着

目し,表や式を用いて変化や対応の特徴を考察すること。

イ 異種の二つの量の割合として捉えられる数量に関わる数学的活

動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 速さなど単位量当たりの大きさの意味及び表し方につい

て理解し,それを求めること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

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Ⅱ - 206

㋐ 異種の二つの量の割合として捉えられる数量の関係に着

目し,目的に応じて大きさを比べたり,表現したりする方法

を考察し,それらを日常生活に生かすこと。

ウ 二つの数量の関係に関わる数学的活動を通して,次の事項を身

に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ ある二つの数量関係と別の二つの数量の関係を比べる場

合に割合を用いる場合があることを理解すること。

㋑ 百分率を用いた表し方を理解し,割合などを求めること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 日常の事象における数量の関係に着目し,図や式などを用

いて,ある二つの数量の関係と別の二つの数量の関係との比

べ方を考察し,それを日常生活に生かすこと。

D データの活用

ア データの収集とその分析に関わる数学的活動を通して,次の事

項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 数量の関係を割合で捉え,円グラフや帯グラフで表したり

,読んだりすること。

㋑ 円グラフや帯グラフの意味やそれらの用い方を理解する

こと。

㋒ データの収集や適切な手法の選択など統計的な問題解決

の方法を知ること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 目的に応じてデータを集めて分類整理し,データの特徴や

傾向に着目し,問題を解決するために適切なグラフを選択し

て読み取り,その結論について多面的に捉え考察すること。

イ 測定した結果を平均する方法に関わる数学的活動を通して,次

の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

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Ⅱ - 207

㋐ 平均の意味や求め方を理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 概括的に捉えることに着目し,測定した結果を平均する方

法について考察し,それを学習や日常生活に生かすこと。

〔数学的活動〕

ア 内容の「A数と計算」,「B図形」,「C変化と関係」及び「D

データの活用」に示す学習については,次のような数学的活動に

取り組むものとする。

(ア) 日常の事象から数学の問題を見いだして解決し,結果を確か

めたり,日常生活等に生かしたりする活動

(イ) 数学の学習場面から数学の問題を見いだして解決し,結果を

確かめたり,発展的に考察したりする活動

(ウ) 問題解決の過程や結果を,図や式などを用いて数学的に表現

し伝え合う活動

○2段階

(1) 目 標

A 数と計算

ア 整数の性質,分数の意味,文字を用いた式について理解すると

ともに,分数の計算についての意味や法則について理解し,それ

らを計算する技能を身に付けるようにする。

イ 数とその表現や計算の意味に着目し,発展的に考察して問題を

見いだしたり,目的に応じて多様な表現方法を用いながら,数の

表し方や計算の仕方などを考察したりするとともに,数量の関係

を簡潔かつ一般的に表現する力を養う。

ウ 数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的

に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学

のよさを実感し,学習したことを生活や学習に活用しようとする

態度を養う。

B 図形

ア 平面図形を縮小したり,拡大したりすることの意味や,立体図

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Ⅱ - 208

形の体積の求め方について理解し,縮図,拡大図を作図したり,

円の面積や立方体,直方体,角柱,円柱の体積を求めたりする技

能を身に付けるようにする。

イ 図形を構成する要素や図形間の関係に着目し,構成の仕方を考

察したり,図形の性質を見いだしたりするとともに,円の面積や

立方体,直方体,角柱,円柱の体積の求め方を考え,その表現を

振り返り,簡潔かつ的確な表現に高め,公式として導く力を養う

ウ 図形や数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,

多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度

,数学のよさを実感し,学習したことを生活や学習に活用しよう

とする態度を養う。

C 変化と関係

ア 比例や反比例の関係,比について理解するとともに,伴って変

わる二つの数量を見いだし,それらの関係について表や式を用い

て表現したり,目的に応じて比で処理したりする方法についての

技能を身に付けるようにする。

イ 伴って変わる二つの数量の関係に着目し,目的に応じて表や式

,グラフを用いて変化や対応の特徴を考察したり,比例の関係を

前提に二つの数量の関係を考察したりする力を養う。

ウ 数量について数学的に表現・処理したことを振り返り,多面的

に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態度,数学

のよさを実感し,学習したことを生活や学習に活用しようとする

態度を養う。

D データの活用

ア 量的データの分布の中心や散らばりの様子からデータの特徴を

読み取る方法を理解するとともに,それらを問題解決における用

い方についての技能を身に付けるようにする。

イ 目的に応じてデータを収集し,データの特徴や傾向に着目して

,表やグラフに的確に表現し,それらを用いて問題解決したり,

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Ⅱ - 209

解決の過程や結果を批判的に捉え,考察したりする力を養う。

ウ データの活用について数学的に表現・処理したことを振り返り

,多面的に捉え検討してよりよいものを求めて粘り強く考える態

度,数学のよさを実感し,学習したことを生活や学習に活用しよ

うとする態度を養う。

(2) 内 容

A 数と計算

ア 整数の性質及び整数の構成に関わる数学的活動を通して,次の

事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 整数は,観点を決めると偶数と奇数に類別されることを理

解すること。

㋑ 約数,倍数について理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 乗法及び除法に着目し,観点を決めて整数を類別する仕方

を考えたり,数の構成について考察したりするとともに,日

常生活に生かすこと。

イ 分数に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けること

ができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 整数及び小数を分数の形に直したり,分数を小数で表した

りすること。

㋑ 整数の除法の結果は,分数を用いると常に一つの数として

表すことができることを理解すること。

㋒ 一つの分数の分子及び分母に同じ数を乗除してできる分

数は,元の分数と同じ大きさを表すことを理解すること。

㋓ 分数の相等及び大小について知り,大小を比べること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数を構成する単位に着目し,数の相等及び大小関係につい

て考察すること。

○2段階

(1) 生活に必要な数量の処理や計算をする。

(2) 長さ・重さ・量などの測定方法を理解し,活用する。

(3) 様々な図形,表やグラフを理解し,工夫して使う。

(4) 生活に必要な金銭や時計・暦などを工夫して使う。

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Ⅱ - 210

㋑ 分数の表現に着目し,除法の結果の表し方を振り返り,分

数の意味をまとめること。

ウ 分数の加法及び減法に関わる数学的活動を通して,次の事項を

身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 異分母の分数の加法及び減法の計算ができること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 分数の意味や表現に着目し,計算の仕方を考えること。

エ 分数の乗法及び除法に関わる数学的活動を通して,次の事項を

身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 乗数や除数が整数や分数である場合も含めて,分数の乗法

及び除法の意味について理解すること。

㋑ 分数の乗法及び除法の計算ができること。

㋒ 分数の乗法及び除法についても,整数の場合と同じ関係や

法則が成り立つことを理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 数の意味と表現,計算について成り立つ性質に着目し,計

算の仕方を多面的に捉え考えること。

オ 数量の関係を表す式に関わる数学的活動を通して,次の事項を

身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 数量を表す言葉や□,△などの代わりに,a,xなどの文字

を用いて式に表したり,文字に数を当てはめて調べたりする

こと。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 問題場面の数量の関係に着目し,数量の関係を簡潔かつ一

般的に表現したり,式の意味を読み取ったりすること。

B 図形

ア 平面図形に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付ける

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Ⅱ - 211

ことができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 縮図や拡大図について理解すること。

㋑ 対称な図形について理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 図形を構成する要素及び図形間の関係に着目し,構成の仕

方を考察したり,図形の性質を見いだしたりするとともに,

その性質を基に既習の図形を捉え直したり,日常生活に生か

したりすること。

イ 身の回りにある形の概形やおよその面積などに関わる数学的活

動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 身の回りにある形について,その概形を捉え,およその面

積などを求めること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 図形を構成する要素や性質に着目し,筋道を立てて面積な

どの求め方を考え,それを日常生活に生かすこと。

ウ 平面図形の面積に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に

付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 円の面積の計算による求め方について理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 図形を構成する要素などに着目し,基本図形の面積の求め

方を見いだすとともに,その表現を振り返り,簡潔かつ的確

な表現に高め,公式として導くこと。

エ 立体図形の体積に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に

付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 体積の単位(立方センチメートル(cm3),立方メートル(

m3))について理解すること。

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Ⅱ - 212

㋑ 立方体及び直方体の体積の計算による求め方について理

解すること。

㋒ 基本的な角柱及び円柱の体積の計算による求め方につい

て理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 体積の単位や図形を構成する要素に着目し,図形の体積の

求め方を考えるとともに,体積の単位とこれまでに学習した

単位との関係を考察すること。

㋑ 図形を構成する要素に着目し,基本図形の体積の求め方を

見いだすとともに,その表現を振り返り,簡潔かつ的確な表

現に高め,公式として導くこと。

C 変化と関係

ア 伴って変わる二つの数量に関わる数学的活動を通して,次の事

項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 比例の関係の意味や性質を理解すること。

㋑ 比例の関係を用いた問題解決の方法について理解するこ

と。

㋒ 反比例の関係について理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 伴って変わる二つの数量を見いだして,それらの関係に着

目し,目的に応じて表や式,グラフを用いてそれらの関係を

表現して,変化や対応の特徴を見いだすとともに,それらを

日常生活に生かすこと。

イ 二つの数量の関係に関わる数学的活動を通して,次の事項を身

に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 比の意味や表し方を理解し,数量の関係を比で表したり,

等しい比をつくったりすること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

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Ⅱ - 213

㋐ 日常の事象における数量の関係に着目し,図や式などを用

いて数量の関係の比べ方を考察し,それを日常生活に生かす

こと。

D データの活用

ア データの収集とその分析に関わる数学的活動を通して,次の事

項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 代表値の意味や求め方を理解すること。

㋑ 度数分布を表す表や柱状グラフの特徴及びそれらの用い

方を理解すること。

㋒ 目的に応じてデータを収集したり,適切な手法を選択した

りするなど,統計的な問題解決の方法を理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 目的に応じてデータを集めて分類整理し,データの特徴や

傾向に着目し,代表値などを用いて問題の結論について判断

するとともに,その妥当性について批判的に考察すること。

イ 起こり得る場合に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に

付けることができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 起こり得る場合を順序よく整理するための図や表などの

用い方を理解すること。

(イ) 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

㋐ 事象の特徴に着目し,順序よく整理する観点を決めて,落

ちや重なりなく調べる方法を考察すること。

〔数学的活動〕

ア 内容の「A数と計算」,「B図形」,「C変化と関係」及び「D

データの活用」の学習やそれらを相互に関連付けた学習において

,次のような数学的活動に取り組むものとする。

(ア) 日常の事象を数理的に捉え,問題を見いだして解決し,解決

過程を振り返り,結果や方法を改善したり,日常生活等に生か

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Ⅱ - 214

したりする活動

(イ) 数学の学習場面から数学の問題を見いだして解決し,解決過

程を振り返り統合的・発展的に考察する活動

(ウ) 問題解決の過程や結果を,目的に応じて図や式などを用いて

数学的に表現し伝え合う活動

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育むべき

資質・能力の育成に向けて,数学的活動を通して,生徒の主体的

・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,数学

的な見方・考え方を働かせながら,日常の事象を数学的に捉え,

数学の問題を見いだし,問題を自立的,協働的に解決し,学習の

過程を振り返り,概念を形成するなどの学習の充実を図ること。

イ 数量や図形についての基礎的な能力の維持や向上を図るため,

適宜練習の機会を設けて計画的に指導すること。また,段階間の

指導内容を円滑に接続させるため,適切な反復による学習指導を

進めるようにすること。

ウ 2の内容の「A数と計算」,「B図形」,「C変化と関係」及び

「Dデータの活用」の指導の間の関連を図ること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するもの

とする。

ア 思考力,判断力,表現力等を育成するため,各段階の内容の指

導に当たっては,具体物,図,言葉,数,式,表,グラフなどを

用いて考えたり,数学的な表現を用いて説明したり,互いに自分

の考えを表現し伝え合ったりするなどの学習活動を積極的に取り

入れるようにすること。

イ 「A数と計算」の指導に当たっては,次の(ア)及び(イ)について

留意するものとする。

(ア) 具体物などの教具を適宜用いるとともに,計算に当たっては

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Ⅱ - 215

計算機を活用するなどして,数と計算についての意味の理解を

深めるよう留意すること。

(イ) 負の数については,社会科,理科,職業科及び家庭科などと

関連を図りながら,取り扱うことができるものとする。

ウ 1段階の内容に示す事項については,次の(ア)から(シ)までに留

意するものとする。

(ア) 内容の「A数と計算」のア,イ,エ,オ及びカについては,

職業科や家庭科との関連を図りながら,次の㋐についての金銭

の価値や処理に親しむことを取り扱うものとする。

㋐ 金種の理解と金銭の処理

a 金種を用いる。

b 様々な種類の貨幣や紙幣のもつ価値を理解する。

c おつりを扱うこと。

(イ) 内容の「A数と計算」のアの(ア)の㋒については,大きな数を

表す際に,3桁ごとに区切りを用いる場合があることに触れる

ものとする。

(ウ) 内容の「A数と計算」のウの(ア)の㋒,エ,オ及びカについて

は,簡単な計算は暗算でできるよう配慮するものとする。また

,暗算を筆算や見積りに生かすよう配慮するものとする。

(エ) 内容の「A数と計算」のオについては,乗数又は被乗数が0

の場合の計算についても取り扱うものとする。

(オ) 内容の「A数と計算」のオの(ア)の㋒及びコの(ア)の㋐につい

ては,交換法則,結合法則,分配法則を扱うものとする。

(カ) 内容の「A数と計算」のカの(ア)の㋓については,除数及び被

除数に同じ数をかけても,同じ数で割っても商は変わらないと

いう性質などを扱うものとする。

(キ) 内容の「A数と計算」のキ及びケについては,小数の 0.1,

0.01 と分数の 101

, 1001

を数直線を用いて関連付けて取り扱う

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Ⅱ - 216

ものとする。

(ク) 内容の「A数と計算」のキの(ア)の㋓については,整数を整数

で割って商が小数になる場合も含めるものとする。

(ケ) 内容の「B図形」のアについては,平行四辺形,ひし形,台

形などの合同な図形で平面を敷き詰めるなどの操作的な活動

を重視するよう配慮するものとする。

(コ) 内容の「B図形」のアの(ア)の㋔については,円周率は 3.14

を用いるものとする。

(サ) 内容の「C変化と関係」のウの(ア)の㋑については,歩合の表

し方について触れるものとする。

(シ) 内容の「Dデータの活用」のアについては,複数の帯グラフ

を比べることにも触れるものとする。

エ 2段階の内容に示す事項については,次の(ア)から(オ)までに留

意するものとする。

(ア) 内容の「A数と計算」のアの(ア)の㋑については,最大公約数

や最小公倍数を形式的に求めることに偏ることなく,具体的な

場面に即して取り扱うものとする。

(イ) 内容の「A数と計算」のエについては,逆数を用いて除法を

乗法の計算としてみることや,整数や小数の乗法や除法を分数

の場合の計算にまとめることも取り扱うものとする。

(ウ) 内容の「B図形」のイの(ア)の㋐については,およその大きさ

や形を捉え,それらに基づいて適切に判断したり,能率的な処

理の仕方を考え出したりすることができるように,日常生活に

関連させて取り扱うものとする。

(エ) 内容の「B図形」のウの(ア)の㋐については,円周率は 3.14

を用いるものとする。

(オ) 内容の「Dデータの活用」のアの(ア)の㋐については,データ

全体を扱う指標として平均値,中央値,最頻値などを取り扱う

ものとする。

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Ⅱ - 217

(3) 数学的活動の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする

ア 数学的活動は,基礎的・基本的な知識及び技能を確実に身に付

けたり,思考力,判断力,表現力等を高めたり,数学を学ぶこと

の楽しさや意義を実感したりするために,重要な役割を果たすも

のであることから,2の内容の「A数と計算」,「B図形」,「

C変化と関係」及び「Dデータの活用」に示す事項については,

数学的活動を通して指導するようにすること。

イ 数学的活動を楽しめるようにするとともに,数学を生活に活用

することなどについて実感する機会を設けること。

〔理 科〕

1 目 標

自然に親しみ,理科の見方・考え方を働かせ,見通しをもって, 観

察,実験を行うことなどを通して,自然の事物・現象についての問題

を科学的に解決するために必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 自然の事物・現象についての基本的な理解を図り,観察,実験な

どに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

(2) 観察,実験などを行い,解決の方法を考える力とより妥当な考え

をつくりだす力を養う。

(3) 自然を愛する心情を養うとともに,学んだことを主体的に生活に

生かそうとする態度を養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

A 生命

ア 生命の連続性についての理解を図り,観察,実験などに関する

初歩的な技能を身に付けるようにする。

[理 科]

1 目 標

自然の仕組みや働きなどについての理解を深め,科学的な見方や

考え方を養うとともに,自然を大切にする態度を育てる。

2 内 容

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Ⅱ - 218

イ 生命の連続性について調べる中で,主に予想や仮説を基に,解

決の方法を考える力を養う。

ウ 生命の連続性について進んで調べ,生命を尊重する態度や学ん

だことを生活に生かそうとする態度を養う。

B 地球・自然

ア 流れる水の働き,気象現象の規則性についての理解を図り,観

察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

イ 流れる水の働き,気象現象の規則性について調べる中で,主に

予想や仮説を基に,解決の方法を考える力を養う。

ウ 流れる水の働き,気象現象の規則性について進んで調べ,学ん

だことを生活に生かそうとする態度を養う。

C 物質・エネルギー

ア 物の溶け方,電流の働きについての理解を図り,観察,実験な

どに関する初歩的な技能を身に付けるようにする。

イ 物の溶け方,電流の働きについて調べる中で,主に予想や仮説

を基に,解決の方法を考える力を養う。

ウ 物の溶け方,電流の働きについて進んで調べ,学んだことを生

活に生かそうとする態度を養う。

(2) 内 容

A 生命

ア 植物の発芽,成長,結実

植物の育ち方について,発芽,成長及び結実の様子に着目して

,それらに関わる条件を制御しながら調べる活動を通して,次の

事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩

的な技能を身に付けること。

㋐ 植物は,種子の中の養分を基にして発芽すること。

㋑ 植物の発芽には,水,空気及び温度が関係していること。

㋒ 植物の成長には,日光や肥料などが関係していること。

㋓ 花にはおしべやめしべなどがあり,花粉がめしべの先に付

○1段階

(1) 人の体の主なつくりや働きを理解する。

(2) 生物の特徴,その成長や活動の様子について理解し,生命の大

切なことを知る。

(3) 生活に関係のある物質の性質や機械・器具の構造及び働きにつ

いて理解し,適切に取り扱う。

(4) 自然の事物・現象についての初歩的な理解を図るとともに,自

然と生活との関係を理解する。

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Ⅱ - 219

くとめしべのもとが実になり,実の中に種子ができること。

(イ) 植物の育ち方について調べる中で,植物の発芽,成長及び結

実とそれらに関わる条件についての予想や仮説を基に,解決の

方法を考え,表現すること。

イ 動物の誕生

動物の発生や成長について,魚を育てたり人の発生についての

資料を活用したりする中で,卵や胎児の様子に着目して,時間の

経過と関係付けて調べる活動を通して,次の事項を身に付けるこ

とができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩

的な技能を身に付けること。

㋐ 魚には雌雄があり,生まれた卵は日がたつにつれて中の様

子が変化してかえること。

㋑ 人は,母体内で成長して生まれること。

(イ) 動物の発生や成長について調べる中で,動物の発生や成長の

様子と経過についての予想や仮説を基に,解決の方法を考え,

表現すること。

B 地球・自然

ア 流れる水の働きと土地の変化

流れる水の働きと土地の変化について,水の速さや量に着目し

て,それらの条件を制御しながら調べる活動を通して,次の事項

を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩

的な技能を身に付けること。

㋐ 流れる水には,土地を侵食したり,石や土などを運搬した

り堆積させたりする働きがあること。

㋑ 川の上流と下流によって,川原の石の大きさや形に違いが

あること。

㋒ 雨の降り方によって,流れる水の速さや量は変わり,増水

により土地の様子が大きく変化する場合があること。

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Ⅱ - 220

(イ) 流れる水の働きについて調べる中で,流れる水の働きと土地

の変化との関係についての予想や仮説を基に,解決の方法を考

え,表現すること。

イ 天気の変化

天気の変化の仕方について,雲の様子を観測したり,映像など

の気象情報を活用したりする中で,雲の量や動きに着目して,そ

れらと天気の変化とを関係付けて調べる活動を通して,次の事項

を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩

的な技能を身に付けること。

㋐ 天気の変化は,雲の量や動きと関係があること。

㋑ 天気の変化は,映像などの気象情報を用いて予想できるこ

と。

(イ) 天気の変化の仕方について調べる中で,天気の変化の仕方と

雲の量や動きとの関係についての予想や仮説を基に,解決の方

法を考え,表現すること。

C 物質・エネルギー

ア 物の溶け方

物の溶け方について,溶ける量や様子に着目して,水の温度

や量などの条件を制御しながら調べる活動を通して,次の事項を

身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩

的な技能を身に付けること。

㋐ 物が水に溶けても,水と物とを合わせた重さは変わらない

こと。

㋑ 物が水に溶ける量には,限度があること。

㋒ 物が水に溶ける量は水の温度や量,溶ける物によって違う

こと。また,この性質を利用して,溶けている物を取り出す

ことができること。

(イ) 物の溶け方について調べる中で,物の溶け方の規則性につい

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Ⅱ - 221

ての予想や仮説を基に,解決の方法を考え,表現すること。

イ 電流の働き

電流の働きについて,電流の大きさや向きと乾電池につない

だ物の様子に着目して,それらを関係付けて調べる活動を通して

,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩

的な技能を身に付けること。

㋐ 乾電池の数やつなぎ方を変えると,電流の大きさや向き

が変わり,豆電球の明るさやモーターの回り方が変わるこ

と。

(イ) 電流の働きについて調べる中で,電流の大きさや向きと乾電

池につないだ物の様子との関係についての予想や仮説を基に

,解決の方法を考え,表現すること。

(3) 内容の取扱い

ア (2)の「A生命」のアの「植物の発芽,成長,結実」については

,次のとおり取り扱うものとする。

(ア) (ア)の㋐の「種子の中の養分」については,でんぷんを扱うこ

と。

(イ) (ア)の㋓については,おしべ,めしべ,がく及び花びらを扱う

こと。また,受粉については,風や昆虫などが関係しているこ

とにも触れること。

イ (2)の「A生命」のイの「動物の誕生」の(ア)の㋑については,

人の受精に至る過程は取り扱わないこと。

ウ (2)の「B地球・自然」のアの「流れる水の働きと土地の変化」

の(ア)の㋒については,自然災害についても触れること。

エ (2)の「B地球・自然」のイの「天気の変化」の(ア)の㋑につい

ては,台風の進路による天気の変化や台風と降雨との関係及びそ

れに伴う自然災害についても触れること。

オ (2)の「C物質・エネルギー」の指導に当たっては,ものづくり

を通して行うよう配慮すること。

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Ⅱ - 222

カ (2)の「C物質・エネルギー」のアの「物の溶け方」については

,水溶液の中では,溶けている物が均一に広がることにも触れる

こと。

キ (2)の「C物質・エネルギー」のイの「電流の働き」の(ア)の㋐

については,直列つなぎと並列つなぎを扱うものとする。

○2段階

(1) 目 標

A 生命

ア 生物の体のつくりと働き,生物と環境との関わりについての理

解を図り,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に付けるよ

うにする。

イ 生物の体のつくりと働き,生物と環境との関わりについて調べ

る中で,主にそれらの働きや関わりについて,より妥当な考えを

つくりだす力を養う。

ウ 生物の体のつくりと働き,生物と環境との関わりについて進ん

で調べ,生命を尊重する態度や学んだことを生活に生かそうとす

る態度を養う。

B 地球・自然

ア 土地のつくりと変化,月の形の見え方と太陽との位置関係につ

いての理解を図り,観察,実験などに関する初歩的な技能を身に

付けるようにする。

イ 土地のつくりと変化,月の形の見え方と太陽との位置関係につ

いて調べる中で,主にそれらの変化や関係について,より妥当な

考えをつくりだす力を養う。

ウ 土地のつくりと変化,月の形の見え方と太陽との位置関係につ

いて進んで調べ,学んだことを生活に生かそうとする態度を養う

C 物質・エネルギー

ア 燃焼の仕組み,水溶液の性質,てこの規則性及び電気の性質や

働きについての理解を図り,観察,実験などに関する初歩的な技

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能を身に付けるようにする。

イ 燃焼の仕組み,水溶液の性質,てこの規則性及び電気の性質や

働きについて調べる中で,主にそれらの仕組みや性質,規則性及

び働きについて,より妥当な考えをつくりだす力を養う。

ウ 燃焼の仕組み,水溶液の性質,てこの規則性及び電気の性質や

働きについて進んで調べ,学んだことを生活に生かそうとする態

度を養う。

(2) 内 容

A 生命

ア 人の体のつくりと働き

人や他の動物について,体のつくりと呼吸,消化,排出及び

循環の働きに着目して,生命を維持する働きを多面的に調べる活

動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩

的な技能を身に付けること。

㋐ 体内に酸素が取り入れられ,体外に二酸化炭素などが出

されていること。

㋑ 食べ物は,口,胃,腸などを通る間に消化,吸収され,

吸収されなかった物は排出されること。

㋒ 血液は,心臓の働きで体内を巡り,養分,酸素及び二酸

化炭素などを運んでいること。

㋓ 体内には,生命活動を維持するための様々な臓器がある

こと。

(イ) 人や他の動物の体のつくりと働きについて調べる中で,体の

つくりと呼吸,消化,排出及び循環の働きについて,より妥

当な考えをつくりだし,表現すること。

イ 植物の養分と水の通り道

植物について,その体のつくり,体内の水などの行方及び葉

で養分をつくる働きに着目して,生命を維持する働きを多面的に

調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指

○2段階

(1) 人の体の主なつくりや働きについての理解を深めるとともに,

人の成長や環境とのかかわりについて関心をもつ。

(2) 生物とそれを取り巻く自然環境についての理解を深め,生命の

大切なことを知る。

(3) 様々な物質の性質や機械・器具の種類,構造及び働きについて

理解し,適切に取り扱う。

(4) 自然の事物・現象についての理解を図るとともに,自然と生活

との関係について理解を深める。

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Ⅱ - 224

導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩

的な技能を身に付けること。

㋐ 植物の葉に日光が当たるとでんぷんができること。

㋑ 根,茎及び葉には,水の通り道があり,根から吸い上げ

られた水は主に葉から蒸散により排出されること。

(イ) 植物の体のつくりと働きについて調べる中で,体のつくり,

体内の水などの行方及び葉で養分をつくる働きについて,よ

り妥当な考えをつくりだし,表現すること。

ウ 生物と環境

生物と環境について,動物や植物の生活を観察したり資料を

活用したりする中で,生物と環境との関わりに着目して,それら

を多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることがで

きるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩

的な技能を身に付けること。

㋐ 生物は,水及び空気を通して周囲の環境と関わって生き

ていること。

㋑ 生物の間には,食う食われるという関係があること。

㋒ 人は,環境と関わり,工夫して生活していること。

(イ) 生物と環境について調べる中で,生物と環境との関わりにつ

いて,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

B 地球・自然

ア 土地のつくりと変化

土地のつくりと変化について,土地やその中に含まれる物に着

目して,土地のつくりやでき方を多面的に調べる活動を通して,

次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩

的な技能を身に付けること。

㋐ 土地は,礫れき

,砂,泥,火山灰などからできており,層をつ

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Ⅱ - 225

くって広がっているものがあること。また,層には化石が含

まれているものがあること。

㋑ 地層は,流れる水の働きや火山の噴火によってできること

㋒ 土地は,火山の噴火や地震によって変化すること。

(イ) 土地のつくりと変化について調べる中で,土地のつくりやで

き方について,より妥当な考えをつくりだし,表現すること。

イ 月と太陽

月の形の見え方について,月と太陽の位置に着目して,それら

の位置関係を多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩

的な技能を身に付けること。

㋐ 月の輝いている側に太陽があること。また,月の形の見え

方は,太陽と月との位置関係によって変わること。

(イ) 月の形の見え方について調べる中で,月の位置や形と太陽の

位置との関係について,より妥当な考えをつくりだし,表現す

ること。

C 物質・エネルギー

ア 燃焼の仕組み

燃焼の仕組みについて,空気の変化に着目して,物の燃え方

を多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付けることがで

きるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩

的な技能を身に付けること。

㋐ 植物体が燃えるときには,空気中の酸素が使われて二酸

化炭素ができること。

(イ) 燃焼の仕組みについて調べる中で,物が燃えたときの空気の

変化について,より妥当な考えをつくりだし,表現すること

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Ⅱ - 226

イ 水溶液の性質

水溶液について,溶けている物に着目して,それらによる水

溶液の性質や働きの違いを多面的に調べる活動を通して,次の事

項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩

的な技能を身に付けること。

㋐ 水溶液には,酸性,アルカリ性及び中性のものがあるこ

と。

㋑ 水溶液には,気体が溶けているものがあること。

㋒ 水溶液には,金属を変化させるものがあること。

(イ) 水溶液の性質や働きについて調べる中で,溶けているものに

よる性質や働きの違いについて,より妥当な考えをつくりだ

し,表現すること。

ウ てこの規則性

てこの規則性について,力を加える位置や力の大きさに着目

して,てこの働きを多面的に調べる活動を通して,次の事項を身

に付けることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩

的な技能を身に付けること。

㋐ 力を加える位置や力の大きさを変えると,てこを傾ける

働きが変わり,てこがつり合うときにはそれらの間に規則

性があること。

㋑ 身の回りには,てこの規則性を利用した道具があること

(イ) てこの規則性について調べる中で,力を加える位置や力の大

きさとてこの働きとの関係について,より妥当な考えをつく

りだし,表現すること。

エ 電気の利用

発電や蓄電,電気の変換について,電気の量や働きに着目し

て,それらを多面的に調べる活動を通して,次の事項を身に付け

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Ⅱ - 227

ることができるよう指導する。

(ア) 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する初歩

的な技能を身に付けること。

㋐ 電気は,つくりだしたり蓄えたりすることができること

㋑ 電気は,光,音,熱,運動などに変換することができる

こと。

㋒ 身の回りには,電気の性質や働きを利用した道具がある

こと。

(イ) 電気の性質や働きについて調べる中で,電気の量と働きとの

関係,発電や蓄電,電気の変換について,より妥当な考えを

つくりだし,表現すること。

(3) 内容の取扱い

ア (2)の「A生命」のアの「人の体のつくりと働き」については

,次のとおり取り扱うものとする。

(ア) (ア)の㋒については,心臓の拍動と脈拍とが関係することに

も触れること。

(イ) (ア)の㋓については,主な臓器として,肺,胃,小腸,大腸

,肝臓,腎臓,心臓を扱うこと。

イ (2)の「A生命」のウの「生物と環境」については,次のとお

り取り扱うものとする。

(ア) (ア)の㋐については,水が循環していることにも触れること

(イ) (ア)の㋑ついては,水中の小さな生物を観察し,それらが魚

などの食べ物になっていることに触れること。

ウ (2)の「B地球・自然」のアの「土地のつくりと変化」につい

ては,次のとおり取り扱うものとする。

(ア) (ア)の㋑については,流れる水の働きでできた岩石として礫れき

岩,砂岩,泥岩を扱うこと。

(イ) (ア)の㋒については,自然災害についても触れること。

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Ⅱ - 228

エ (2)の「B地球・自然」のイの「月と太陽」の(ア)の㋐について

は,地球から見た太陽と月との位置関係で扱うものとする。

オ (2)の「C物質・エネルギー」の指導に当たっては,ものづく

りを通して行うよう配慮すること。

カ (2)の「C物質・エネルギー」のエの「電気の利用」の(ア)の㋐

については,電気をつくりだす道具として,手回し発電機,光電

池などを扱うものとする。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

を図るようにすること。その際,理科の学習過程の特質を踏まえ

,理科の見方・考え方を働かせ,見通しをもって観察,実験を行

うなどの,問題を科学的に解決しようとする学習活動の充実を図

ること。

イ 2の各段階で育成を目指す思考力,判断力,表現力等について

は,当該段階において育成することを目指す力のうち,主なもの

を示したものであり,実際の指導に当たっては,他の段階で掲げ

ている力の育成についても十分に配慮すること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するもの

とする。

ア 問題を見いだし,予想や仮説,観察,実験などの方法について

考えたり説明したりする学習活動,観察,実験の結果を整理し考

察する学習活動,科学的な言葉や概念を使用して考えたり説明し

たりする学習活動などを重視すること。

イ 観察,実験などの指導に当たっては,指導内容に応じてコンピ

ュータや情報通信ネットワークなどを適切に活用できるようにす

ること。

ウ 実験を行うに当たっては,身の回りのことや生活に関わるもの

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Ⅱ - 229

を取り扱うこと。

エ 生物,天気,川,土地などの指導に当たっては,野外に出掛け

地域の自然に親しむ活動や体験的な活動を多く取り入れるととも

に,生命を尊重し,自然環境の保全に寄与する態度を養うように

すること。

オ 天気,川,土地などの指導に当たっては,災害に関する基礎的

な理解が図られるようにすること。

カ 科学技術が日常生活や社会を豊かにしていることや理科で学習

することが様々な職業などと関係していることに触れること。

キ 個々の生徒が主体的に問題を解決する活動を進めるとともに,

日常生活や他教科等との関連を図った学習活動,目的を設定し,

計測して制御するという考え方に基づいた学習活動が充実するよ

うにすること。

ク 博物館や科学学習センターなどと連携,協力を図ること。

(3) 観察,実験などの指導に当たっては,事故防止に十分留意するこ

と。また,環境整備に十分配慮するとともに,使用薬品の管理及び

廃棄についても適切な措置をとるよう配慮すること。

〔音 楽〕

1 目 標

表現及び鑑賞の幅広い活動を通して,音楽的な見方・考え方を働か

せ,生活や社会の中の音や音楽,音楽文化と豊かに関わる資質・能力

を次のとおり育成することを目指す。

(1) 曲想と音楽の構造などとの関わり及び音楽の多様性について理解

するとともに,創意工夫を生かした音楽表現をするために必要な技

能を身に付けるようにする。

(2) 音楽表現を創意工夫することや,音楽を自分なりに評価しながら

よさや美しさを味わって聴くことができるようにする。

(3) 音楽活動の楽しさを体験することを通して,音楽を愛好する心情

と音楽に対する感性を育むとともに,音楽に親しんでいく態度を養

[音 楽]

1 目 標

表現及び鑑賞の能力を伸ばし,音楽活動への意欲を高めるととも

に,生活を明るく楽しいものにする態度と習慣を育てる。

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Ⅱ - 230

い,豊かな情操を培う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

ア 曲想と音楽の構造などとの関わりについて理解するとともに,

創意工夫を生かした音楽表現をするために必要な歌唱,器楽,創

作,身体表現の技能を身に付けるようにする。

イ 音楽表現を創意工夫することや,音楽のよさや美しさを自分な

りに見いだしながら音楽を味わって聴くことができるようにする

ウ 主体的・協働的に表現及び鑑賞の学習に取り組み,音楽活動の

楽しさを体験することを通して,音楽文化に親しみ,音楽経験を

生かして生活を明るく豊かなものにしていく態度を養う。

(2) 内 容

A 表 現

ア 歌唱の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう

指導する。

(ア) 歌唱表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら

,歌唱表現を創意工夫すること。

(イ) 次の㋐及び㋑について理解すること。

㋐ 曲想と音楽の構造や歌詞の内容との関わり

㋑ 声の音色や響きと発声との関わり

(ウ) 創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐から㋒ま

での技能を身に付けること。

㋐ 範唱を聴いたり,ハ長調及びイ短調の楽譜を見たりして歌

う技能

㋑ 呼吸及び発音の仕方に気を付けて,自然で無理のない,響

きのある歌い方で歌う技能

㋒ 互いの歌声や副次的な旋律,伴奏を聴いて,声を合わせて

2 内 容

○1段階

(1) いろいろな音楽をその美しさなどを感じ取りながら鑑賞する。

(2) 音楽を聴いて曲の特徴などを感じ取り,創造的に身体の動きで

表現したりする。

(3) 打楽器や旋律楽器などに親しみ,その演奏の仕方に慣れ,気持

ちを込めて合奏や独奏をする。

(4) 歌詞の内容を感じ取って,独唱,斉唱,簡単な合唱などをする。

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Ⅱ - 231

歌う技能

イ 器楽の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう

指導する。

(ア) 器楽表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら

,器楽表現を創意工夫すること。

(イ) 次の㋐及び㋑について理解すること。

㋐ 曲想と音楽の構造との関わり

㋑ 多様な楽器の音色と演奏の仕方との関わり

(ウ) 創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐から㋒ま

での技能を身に付けること。

㋐ 範奏を聴いたり,ハ長調及びイ短調の楽譜を見たりして演

奏する技能

㋑ 音色や響きに気を付けて,旋律楽器及び打楽器を演奏する

技能

㋒ 各声部の楽器の音や伴奏を聴いて,音を合わせて演奏する

技能

ウ 創作の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう

指導する。

(ア) 創作表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら

,創作表現を創意工夫すること。

(イ) 次の㋐及び㋑について,それらが生み出す面白さなどと関わ

らせて理解すること。

㋐ いろいろな音の響きやそれらの組合せの特徴

㋑ 音やフレーズのつなげ方や重ね方の特徴

(ウ) 創意工夫を生かした表現で旋律や音楽をつくるために必要な

,課題や条件に沿った音の選択や組合せなどの技能を身に付け

ること。

エ 身体表現の活動を通して,次の事項を身に付けることができる

よう指導する。

(ア) 身体表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら

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Ⅱ - 232

,身体表現を創意工夫すること。

(イ) 次の㋐及び㋑の関わりについて理解すること。

㋐ 曲想と音楽の構造との関わり

㋑ 曲想と体の動きとの関わり

(ウ) 創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐から㋒ま

での技能を身に付けること。

㋐ 曲の速度やリズム,曲想に合わせて表現する技能

㋑ 設定した条件に基づいて,様々な動きを組み合わせてまと

まりのある表現をする技能

㋒ 友達と動きを組み合わせて表現をする技能

B 鑑 賞

ア 鑑賞の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう

指導する。

(ア) 鑑賞についての知識を得たり生かしたりしながら,曲や演奏

のよさなどを見いだし,曲全体を味わって聴くこと。

(イ) 曲想及びその変化と,音楽の構造との関わりについて理解す

ること。

○2段階

(1) 目 標

ア 曲想と音楽の構造や背景などとの関わり及び音楽の多様性につ

いて理解するとともに,創意工夫を生かした音楽表現をするため

に必要な歌唱,器楽,創作,身体表現の技能を身に付けるように

する。

イ 音楽表現を創意工夫することや,音楽を自分なりに評価しなが

らよさや美しさを味わって聴くことができるようにする。

ウ 主体的・協働的に表現及び鑑賞の学習に取り組み,音楽活動の

楽しさを体験することを通して,音楽文化に親しむとともに,音

楽によって生活を明るく豊かなものにしていく態度を養う。

(2) 内 容

A 表 現

○2段階

(1) いろいろな音楽をその美しさなどを味わいながら鑑賞する。

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ア 歌唱の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう

指導する。

(ア) 歌唱表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら

,歌唱表現を創意工夫すること。

(イ) 次の㋐及び㋑について理解すること。

㋐ 曲想と音楽の構造や歌詞の内容との関わり

㋑ 声の音色や響き及び言葉の特性と発声との関わり

(ウ) 創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐及び㋑の

技能を身に付けること。

㋐ 創意工夫を生かした表現で歌うために必要な発声,言葉の

発音,身体の使い方などの技能

㋑ 創意工夫を生かし,全体の響きや各声部の声などを聴きな

がら,他者と合わせて歌う技能

イ 器楽の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう

指導する。

(ア) 器楽表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら

,器楽表現を創意工夫すること。

(イ) 次の㋐及び㋑について理解すること。

㋐ 曲想と音楽の構造との関わり

㋑ 多様な楽器の音色や響きと演奏の仕方との関わり

(ウ) 創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐及び㋑の

技能を身に付けること。

㋐ 創意工夫を生かした表現で演奏するために必要な奏法,身

体の使い方などの技能

㋑ 創意工夫を生かし,全体の響きや各声部の音などを聴きな

がら,他者と合わせて演奏する技能

ウ 創作の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう

指導する。

(ア) 創作表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら

,創作表現を創意工夫すること。

(2) 音楽を聴いて感じたイメージを創造的に身体表現する。

(3) 打楽器,旋律楽器などの演奏の仕方に慣れ,楽器の特色や音色

を生かしながら合奏や独奏をする。

(4) 独唱,斉唱,二部合唱,オペレッタなどによる表現に慣れ,歌

詞の内容や曲想などを味わいながら歌う。

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(イ) 次の㋐及び㋑について,表したいイメージと関わらせて理解

すること。

㋐ 音のつながり方の特徴

㋑ 音素材の特徴及び音の重なり方や反復,変化,対照などの

構成上の特徴

(ウ) 創意工夫を生かした表現で旋律や音楽をつくるために必要な

,課題や条件に沿った音の選択や組合せなどの技能を身に付け

ること。

エ 身体表現の活動を通して,次の事項を身に付けることができる

よう指導する。

(ア) 身体表現についての知識や技能を得たり生かしたりしながら

,身体表現を創意工夫すること。

(イ) 次の㋐及び㋑の関わりについて理解すること。

㋐ 曲想と音楽の構造との関わり

㋑ 曲想や音楽の構造と体の動きとの関わり

(ウ) 創意工夫を生かした表現をするために必要な次の㋐から㋒ま

での技能を身に付けること。

㋐ 曲の速度やリズム,曲想に合わせて表現する技能

㋑ 設定した条件に基づいて,様々な動きを組み合わせたり,

即興的に動いたりしてまとまりのある表現をする技能

㋒ 友達と動きを組み合わせたり,即興的に表現したりする技

B 鑑 賞

ア 鑑賞の活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう

指導する。

(ア) 鑑賞についての知識を得たり生かしたりしながら,曲や演奏

のよさなどについて自分なりに考え,曲全体を味わって聴く

こと。

(イ) 次の㋐及び㋑について理解すること。

㋐ 曲想及びその変化と,音楽の構造との関わり

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㋑ 音楽の特徴とその背景となる文化や歴史などとの関わり(ウ

) 音楽の特徴とその背景となる文化や歴史などとの関わりに

ついて理解すること。

〔共通事項〕

(1) 1段階と2段階の「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次

の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 音楽を形づくっている要素や要素同士の関連を知覚し,それら

の働きが生み出す特質や雰囲気を感受しながら,知覚したことと

感受したこととの関わりについて考えること。

イ 音楽を形づくっている要素及びそれらに関わる用語や記号など

について,音楽における働きと関わらせて理解すること。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育むべき

資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの

実現を図るようにすること。その際,音楽的な見方・考え方を働

かせ,他者と協働しながら,音楽表現を生み出したり音楽を聴い

てそのよさなどを見いだしたりするなど,思考,判断し,表現す

る一連の過程を大切にした学習の充実を図ること。

イ 2の各段階の内容の「A表現」のアからエまでの指導について

は,(ア),(イ)及び(ウ)の各事項を,「B鑑賞」のアの指導について

は,(ア)及び(イ)の各事項を,適切に関連させて指導すること。

ウ 2の各段階の内容の〔共通事項〕は,表現及び鑑賞の学習にお

いて共通に必要となる資質・能力であり,「A表現」及び「B鑑

賞」の各事項の指導と併せて,十分な指導が行われるよう工夫す

ること。

エ 2の各段階の内容の「A表現」のアからエまで及び「B鑑賞」

のアの指導については,適宜,〔共通事項〕を要として各領域や

分野の関連を図るようにすること。

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Ⅱ - 236

オ 国歌「君が代」は,時期に応じて適切に指導すること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するもの

とする。

ア 各段階の指導に当たっては,音や音楽との一体感を味わえるよ

うにするため,指導のねらいに即して体を動かす活動を取り入れ

るようにすること。

イ 各段階の指導に当たっては,音や音楽及び言葉によるコミュニ

ケーションを図る指導を工夫すること。その際,生徒の言語理解

や発声・発語の状況等を考慮し,必要に応じてコンピュータや教

育機器も効果的に活用すること。

ウ 生徒が学校内及び公共施設などの学校外における音楽活動との

つながりを意識できるような機会をつくるなど,生徒や学校,地

域の実態に応じて,生活や社会の中の音や音楽,音楽文化と主体

的に関わっていくことができるよう配慮すること。

エ 合奏や合唱などの活動を通して,和音のもつ表情を感じること

ができるようにすること。また,長調及び短調の曲においては,

Ⅰ,Ⅳ,Ⅴ及び V7などの和音を中心に指導すること。

オ 我が国や郷土の音楽の指導に当たっては,そのよさなどを感じ

取って表現したり鑑賞したりできるよう,楽譜や音源等の示し方

,伴奏の仕方,曲に合った歌い方や楽器の演奏の仕方など指導方

法について工夫すること。

カ 各段階の「A表現」のアの歌唱の指導に当たっては,次のとお

り取り扱うこと。

(ア) 歌唱教材については,我が国や郷土の音楽に愛着がもてるよ

う,共通教材のほか,長い間親しまれてきた唱歌,それぞれ

の地方に伝承されているわらべうたや民謡など日本のうたを

含めて取り上げるようにすること。

(イ) 生徒の実態や学習状況及び必要に応じて,相対的な音程感覚

などを育てるために,移動ド唱法を取り上げるようにするこ

と。

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Ⅱ - 237

(ウ) 変声期の生徒に対して適切に配慮すること。

キ 各段階の「A表現」のイの楽器については,次のとおり取り扱

うこと。

(ア) 各段階で取り上げる打楽器は,簡単に操作できる楽器,木琴

,鉄琴,和楽器,諸外国に伝わる様々な楽器を含めて,生徒の

実態や発達の段階及び生活年齢を考慮して選択すること。

(イ) 各段階で取り上げる旋律楽器は,既習の楽器を含めて,鍵盤

楽器や和楽器,電子楽器などの中から生徒の実態や発達の段階

及び生活年齢を考慮して選択すること。

(ウ) 合奏で扱う楽器については,各声部の役割を生かした演奏が

できるよう,楽器の特性を生かして選択すること。

ク 各段階の「A表現」のウの創作の指導に当たっては,次のとお

り取り扱うこと。

(ア) 即興的に音を出しながら音のつながりを試すなど,音を音楽

へと構成していく体験を重視すること。

(イ) どのような音楽を,どのようにしてつくるかなどについて,

生徒の実態に応じて具体的な例を示しながら指導すること。

(ウ) つくった音楽については,指導のねらいに即し,必要に応じ

て記録できるようにすること。記録の仕方については,図や絵

によるものなど,柔軟に指導すること。

(エ) 拍のないリズム,我が国の音楽に使われている音階や調性に

とらわれない音階などを生徒の実態に応じて取り上げるよう

にすること。

ケ 各段階の「B鑑賞」の指導に当たっては,気付いたり感じたり

したことを自分なりに体の動きや絵,言葉で表現できるよう指導

を工夫すること。

コ 〔共通事項〕に示す「音楽を形づくっている要素」については

,生徒の発達の段階や指導のねらいに応じて,音色,リズム,速

度,旋律,テクスチュア,強弱,形式,構成などから,適切に選

択したり関連付けたりして必要に応じて適切に指導すること。

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Ⅱ - 238

サ 〔共通事項〕の(1)のイに示す「用語や記号など」については,

小学校学習指導要領第2章第6節音楽の第3の2の(9)に示すも

のに加え,生徒の実態や学習状況を考慮して,中学校学習指導要

領第2章第5節音楽の第3の2の(10)に示すものを音楽における

働きと関わらせて理解し,活用できるよう取り扱うこと。

シ 歌唱教材は,次に示すものを取り扱うこと。

(ア) 生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた,日常の生活に関連

した曲

(イ) 主となる歌唱教材については,各段階とも(ウ)の共通教材を

含めて,独唱,斉唱及び合唱で歌う曲

(ウ) 共通教材

㋐ 1段階及び2段階の共通教材は,次に示すものとする。

「赤とんぼ」 三木み き

露風ろ ふ う

作詞 山田耕筰やまだこうさく

作曲

「荒城の月」 土井ど い

晩ばん

翠えい

作詞 滝たき

廉太郎れ ん たろ う

作曲

「早春賦」 吉よし

丸まる

一かず

昌まさ

作詞 中なか

田だ

章あきら

作曲

「夏の思い出」江間え ま

章子しょうこ

作詞 中田喜な か だよ し

直なお

作曲

「花」 武たけ

島しま

羽は

衣ごろも

作詞 滝たき

廉れん

太た

郎ろう

作曲

「花の街」 江間え ま

章子しょうこ

作詞 團伊玖磨だ ん い く ま

作曲

「浜辺の歌」 林はやし

古渓こ け い

作詞 成田な り た

為ため

三ぞう

作曲

ス 器楽教材は,次に示すものを取り扱うこと。

(ア) 生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた,指導のねらいとの

関係において適切であり,身近で親しみのもてるもの。

(イ) 主となる器楽教材については,既習の歌唱教材を含め,楽器

の演奏効果を考慮し,簡単な合奏などの曲

セ 創作教材は,次に示すものを取り扱うこと。

(ア) 生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた指導のねらいとの関

係において適切であり,身近で親しみのもてるもの。

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Ⅱ - 239

ソ 音や音楽の特徴を身体表現するために適した教材は,次に示す

ものを取り扱うこと。

(ア) 主となる教材については,既習の歌唱教材や器楽教材を含め

,音や音楽を聴いて体を動かすことができるものを中心に,生

徒の生活年齢及び発達の段階に応じた指導のねらいとの関係

において適切であり,親しみのもてるもの。

タ 鑑賞教材は,次に示すものを取り扱うこと。

(ア) 主となる鑑賞教材については,既習の歌唱教材や器楽教材を

含め,我が国や郷土の伝統音楽及び諸外国の様々な音楽のうち

,生徒の生活年齢及び発達の段階に応じた曲想を感じ取り,情

景を思い浮かべやすい様々な種類の曲

(イ) 音楽を形づくっている要素の働きを感じ取りやすく,曲の雰

囲気や音楽の構造に気付きやすい曲

(ウ) 楽器の音色や人の声の表現の違いなどによる演奏の特徴が聴

き取りやすい様々な演奏形態による曲

〔美 術〕

1 目 標

表現及び鑑賞の幅広い活動を通して,造形的な見方・考え方を働か

せ,生活や社会の中の美術や美術文化と豊かに関わる資質・能力を次

のとおり育成することを目指す。

(1) 造形的な視点について理解するとともに,表現方法を創意工夫し

,創造的に表すことができるようにする。

(2) 造形的なよさや美しさ,表現の意図と工夫などについて考え,主

題を生み出し豊かに発想し構想を練ったり,美術や美術文化などに

対する見方や感じ方を深めたりすることができるようにする。

(3) 美術の創造活動の喜びを味わい,美術を愛好する心情を育み,感

性を豊かにし,心豊かな生活を創造していく態度を養い,豊かな情

操を培う。

[美 術]

1 目 標

造形活動によって,表現及び鑑賞の能力を高め,豊かな情操を養

う。

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Ⅱ - 240

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

ア 造形的な視点について理解するとともに,意図に応じて表現方

法を工夫して表すことができるようにする。

イ 造形的なよさや美しさ,表現の意図と工夫などについて考え,

主題を生み出し豊かに発想し構想を練ったり,美術や美術文化な

どに対する見方や感じ方を広げたりすることができるようにする

ウ 楽しく美術の活動に取り組み創造活動の喜びを味わい,美術を

愛好する心情を培い,心豊かな生活を創造していく態度を養う。

(2) 内 容

A 表 現

ア 感じ取ったことや考えたこと,目的や機能などを基に,描いた

り,つくったりする活動を通して,次の事項を身に付けることが

できるよう指導する。

(ア) 対象や事象を見つめ感じ取ったことや考えたこと,伝えたり

使ったりする目的や条件などを基に主題を生み出し,構成を創

意工夫し,心豊かに表現する構想を練ること。

(イ) 材料や用具の特性の生かし方などを身に付け,意図に応じて

表現方法を工夫して表すこと。

B 鑑 賞

ア 美術作品や生活の中の美術の働き,美術文化などの鑑賞の活動

を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 美術作品などの造形的なよさや美しさを感じ取り,作者の心

情や表現の意図と工夫などについて考えるなどして,見方や感

じ方を広げること。

(イ) 生活の中の美術や文化遺産などのよさや美しさを感じ取り,

生活を美しく豊かにする美術の働きや美術文化について考え

るなどして,見方や感じ方を広げること。

2 内 容

○1段階

(1) 経験や想像をもとに創造的に絵をかいたり,作品をつくったり,

それらを飾ったりする。

(2) いろいろな材料の性質や用具などの扱い方を理解し,工夫して

使う。

(3) 自然や優れた造形品を鑑賞し,その美しさなどを味わう。

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Ⅱ - 241

〔共通事項〕

ア 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付

けることができるよう指導する。

(ア) 形や色彩,材料や光などの働きを理解すること。

(イ) 造形的な特徴などから全体のイメージで捉えることを理解す

ること。

○2段階

(1) 目 標

ア 造形的な視点について理解するとともに,意図に応じて自分の

表現方法を追求して創造的に表すことができるようにする。

イ 造形的なよさや美しさ,表現の意図と創造的な工夫などについ

て考え,主題を生み出し豊かに発想し構想を練ったり,美術や美

術文化などに対する見方や感じ方を深めたりすることができるよ

うにする。

ウ 主体的に美術の活動に取り組み創造活動の喜びを味わい,美術

を愛好する心情を深め,心豊かな生活を創造していく態度を養う

(2) 内 容

A 表 現

ア 感じ取ったことや考えたこと,目的や機能などを基に,描いた

り,つくったりする活動を通して,次の事項を身に付けることが

できるよう指導する。

(ア) 対象や事象を深く見つめ感じ取ったことや考えたこと,伝え

たり使ったりする目的や条件などを基に主題を生み出し,創造

的な構成を工夫し,心豊かに表現する構想を練ること。

(イ) 材料や用具の特性の生かし方などを身に付け,意図に応じて

表現方法を追求し,自分らしさを発揮して表すこと。

B 鑑 賞

ア 美術作品や生活の中の美術の働き,美術文化などの鑑賞の活動

を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

○2段階

(1) 経験や想像をもとに,様々な技法などを用いて,創造的に絵を

かいたり,作品をつくったり,それらを飾ったりする。

(2) いろいろな材料の性質や用具などの扱い方を理解し,適切に使

う。

(3) 自然や優れた造形品を鑑賞し,美しさなどを味わうとともに,

地域の伝統工芸品に関心をもつ。

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Ⅱ - 242

(ア) 美術作品などの造形的なよさや美しさを感じ取り,作者の心

情や表現の意図と創造的な工夫などについて考えるなどして,

見方や感じ方を深めること。

(イ) 生活や社会の中の美術や文化遺産などのよさや美しさを感じ

取り,生活や社会を美しく豊かにする美術の働きや美術文化に

ついて考えるなどして,見方や感じ方を深めること。

〔共通事項〕

ア 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付

けることができるよう指導する。

(ア) 形や色彩,材料や光などの働きを理解すること。

(イ) 造形的な特徴などから全体のイメージで捉えることを理解す

ること。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

を図るようにすること。その際,造形的な見方・考え方を働かせ

,表現したり鑑賞したりする資質・能力を相互に関連させた学習

の充実を図ること。

イ 2の各段階の内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導について

は相互の関連を図り,特に発想や構想に関する資質・能力と鑑賞

に関する資質・能力とを総合的に働かせて学習が深められるよう

にすること。

ウ 2の各段階の内容の〔共通事項〕は,表現及び鑑賞の学習にお

いて共通に必要となる資質・能力であり,「A表現」及び「B鑑

賞」の各事項の指導と併せて,十分な指導が行われるよう工夫す

ること。

エ 2の各段階の内容の「B鑑賞」の指導に当たっては,作品等に

ついて説明したり,話し合ったりして,周りの人と共有できる機

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Ⅱ - 243

会を設けるようにすること。

オ 2の各段階の内容の「B鑑賞」の指導に当たっては,生徒や学

校の実態に応じて,地域の美術館や博物館等と連携を図ったり,

それらの施設や文化財などを積極的に活用したりするようにする

こと。また,学校図書館等における鑑賞用図書,映像資料等の活

用を図ること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものと

する。

ア 「A表現」の指導に当たっては,材料や用具の安全な使い方や

保管について指導するとともに,活動場所について事前の点検や

安全指導をするなどして,事故防止について徹底すること。

イ 生徒が個性を生かして活動することができるようにするため,

学習活動や表現方法などに幅をもたせるようにすること。

ウ 「A表現」の指導に当たっては,活動の全過程を通して生徒が

実現したい思いや願いを大切にしながら活動できるようにし,自

分のよさや可能性を見いだし,生涯にわたり,楽しく豊かな生活

を創造する態度を養うようにすること。

エ 各活動において,互いのよさや個性などを認め尊重し合うよう

にすること。

オ 互いの個性を生かし合い協力して創造する喜びを味わえるよう

にするため,適切な機会を選び共同で行う創造活動を経験させる

こと。

カ 「A表現」及び「B鑑賞」の学習を通して学んだことが,生活

や社会の中で生かせるようにすることや,作品や用具等を大切に

取り扱うことを理解して使えるよう指導すること。

キ 見る力や感じ取る力,考える力,描く力などを育成するために

,スケッチの学習を効果的に取り入れるようにすること。

ク 美術の表現の可能性を広げるために,写真・ビデオ・コンピュ

ータ等の映像メディアの積極的な活用を図るようにすること。

ケ 日本及び諸外国の作品の独特な表現形式,漫画やイラストレー

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Ⅱ - 244

ション,図などの多様な表現方法を活用できるようにすること。

コ 表現の材料や題材などについては,地域の身近なものや伝統的

なものも取り上げるようにすること。

サ 〔共通事項〕の指導に当たっては,生徒が造形を豊かに捉える

多様な視点をもてるように,以下の内容について配慮すること。

(ア) 〔共通事項〕のアの(ア)の指導に当たっては,形や色彩などの

造形の要素に着目して,生徒が実感的に理解できるようにする

こと。

(イ) 〔共通事項〕のアの(イ)の指導に当たっては,造形的な特徴な

どを基に,見立てたり,心情などと関連付けたりして全体のイ

メージなどに着目して,生徒が実感的に理解できるようにする

こと。

シ 生徒が鑑賞に親しむことができるよう,校内の適切な場所に鑑

賞作品などを展示するとともに,学校や地域の実態に応じて,校

外においても生徒作品などの展示の機会を設けるなどすること。

ス 創造することの価値に気付き,自分たちの作品や美術作品など

に表れている創造性を大切にする態度を養うとともに,必要に応

じて,美術に関する知的財産権や肖像権などについて触れるよう

にすること。また,こうした態度を養うことが,美術文化の継承

,発展,創造を支えていることへの理解につながるよう配慮する

こと。

〔保健体育〕

1 目 標

体育や保健の見方・考え方を働かせ,課題を発見し,合理的・計画

的な解決に向けた主体的・協働的な学習過程を通して,心と体を一体

として捉え,生涯にわたって心身の健康を保持増進し,豊かなスポー

ツライフを継続するための資質・能力を次のとおり育成することを目

指す。

(1) 各種の運動の特性に応じた技能等並びに個人生活及び社会生活に

[保健体育]

1 目 標

適切な運動の経験や健康・安全についての理解を通して,心身の

調和的発達を図り,明るく豊かな生活を営む態度と習慣を育てる。

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Ⅱ - 245

おける健康・安全についての理解を深めるとともに,目的に応じた

技能を身に付けるようにする。

(2) 各種の運動や健康・安全についての自他や社会の課題を発見し,

その解決に向けて仲間と思考し判断するとともに,目的や状況に応

じて他者に伝える力を養う。

(3) 生涯にわたって継続して運動に親しむことや,健康の保持増進と

体力の向上を目指し,明るく豊かで活力ある生活を営む態度を養う

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

ア 各種の運動の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能等

や心身の発育・発達,個人生活に必要な健康・安全に関する事柄

などを理解するとともに,技能を身に付けるようにする。

イ 各種の運動や健康・安全な生活を営むための自他の課題を発見

し,その解決のための方策を工夫したり,仲間と考えたりしたこ

とを,他者に伝える力を養う。

ウ 各種の運動における多様な経験を通して,きまりやルール,マ

ナーなどを守り,仲間と協力したり,場や用具の安全を確保した

りし,自己の最善を尽くして自主的に運動をする態度を養う。ま

た,健康・安全に留意し,健康の保持増進と回復に積極的に取り

組む態度を養う。

(2) 内 容

A 体つくり運動

体つくり運動について,次の事項を身に付けることができるよう

指導する。

ア 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動を通して,体を動かす

楽しさや心地よさを味わい,その行い方や方法を理解するととも

に,仲間と積極的に関わったり,動きを持続する能力などを高め

2 内 容

○1段階

(1) 体つくり運動,いろいろなスポーツ,ダンスなどの運動をする。

(2) きまりやいろいろなスポーツのルールなどを守り,友達と協力

して安全に運動をする。

(3) 心身の発育・発達に関心をもち,生活に必要な健康・安全に関

する事柄を理解する。

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Ⅱ - 246

る運動をしたりすること。

イ 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動についての自他の課題

を発見し,その解決のための方策を工夫したり,仲間と考えたり

したことを他者に伝えること。

ウ 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動の多様な経験を通して

,きまりを守り,仲間と協力したり,場や用具の安全を確保した

りし,自主的に運動をすること。

B 器械運動

器械運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導

する。

ア 器械運動の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能を理

解するとともに技を身に付けること。

イ 器械運動についての自他の課題を発見し,その解決のための方

策を工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

ウ 器械運動の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなど

を守り,仲間と協力したり,場や器械・器具の安全を確保したり

し,自主的に運動をすること。

C 陸上競技

陸上競技について,次の事項を身に付けることができるよう指導

する。

ア 陸上競技の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能を理

解するとともに技能を身に付けること。

イ 陸上競技についての自他の課題を発見し,その解決のための方

策を工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

ウ 陸上競技の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなど

を守り,仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,自

主的に運動をすること。

D 水泳

水泳について,次の事項を身に付けることができるよう指導する

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ア 水泳の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能を理解す

るとともに泳法を身に付けること。

イ 水泳についての自他の課題を発見し,その解決のための方策を

工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

ウ 水泳の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守

り,仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,自主的

に運動をすること。

E 球技

球技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する

ア 球技の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能を理解す

るとともに技能を身に付け,簡易化されたゲームを行うこと。

イ 球技についての自他の課題を発見し,その解決のための方策を

工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

ウ 球技の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守

り,仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,自主的

に運動をすること。

F 武道

武道について,次の事項を身に付けることができるよう指導する

ア 武道の楽しさや喜びを味わい,その特性に応じた技能を理解す

るとともに,基本動作や基本となる技を用いて,簡易な攻防を展

開すること。

イ 武道についての自他の課題を発見し,その解決のための方策を

工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

ウ 武道の多様な経験を通して,きまりや伝統的な行動の仕方を守

り,仲間と協力したり,場や用具の安全を確保したりし,自主的

に運動をすること。

G ダンス

ダンスについて,次の事項を身に付けることができるよう指導す

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Ⅱ - 248

る。

ア ダンスの楽しさや喜びを味わい,その行い方を理解するととも

に,技能を身に付け,表現や踊りを通した交流をすること。

イ ダンスについての自他の課題を発見し,その解決のための方策

を工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

ウ ダンスの多様な経験を通して,仲間の表現を認め助け合ったり

,場や用具の安全を確保したりし,自主的に運動をすること。

H 体育理論

体育理論について,次の事項を身に付けることができるよう指導

する。

ア 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文

化としてのスポーツの意義に気付くこと。

イ 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文

化としてのスポーツの意義についての課題を発見し,その解決の

ための方策を工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝え

ること。

ウ 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文

化としてのスポーツの意義についての学習に積極的に取り組むこ

と。

I 保健

健康・安全に関する事項について,次の事項を身に付けることが

できるよう指導する。

ア 心身の発育・発達,傷害の防止及び疾病の予防等を理解すると

ともに,健康で安全な個人生活を営むための技能を身に付けるこ

と。

イ 健康・安全に関わる自他の課題を発見し,その解決のための方

策を工夫したり,仲間と考えたりしたことを他者に伝えること。

○2段階

(1) 目 標

ア 各種の運動の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技

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Ⅱ - 249

能等や心身の発育・発達,個人生活及び社会生活に必要な健康・

安全に関する事柄などの理解を深めるとともに,目的に応じた技

能を身に付けるようにする。

イ 各種の運動や健康・安全な生活を営むための自他の課題を発見

し,よりよい解決のために仲間と思考し判断したことを,目的や

状況に応じて他者に伝える力を養う。

ウ 各種の運動における多様な経験を通して,きまりやルール,マ

ナーなどを守り,自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や用

具の安全を確保したりし,生涯にわたって運動に親しむ態度を養

う。また,健康・安全に留意し,健康の保持増進と回復に自主的

に取り組む態度を養う。

(2) 内 容

A 体つくり運動

体つくり運動について,次の事項を身に付けることができるよう

指導する。

ア 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動を通して,体を動かす

楽しさや心地よさを深く味わい,その行い方や方法の理解を深め

るとともに,仲間と自主的に関わったり,動きを持続する能力な

どを高める運動をしたりするとともに,それらを組み合わせるこ

と。

イ 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動についての自他の課題

を発見し,よりよい解決のために仲間と思考し判断したことを,

目的や状況に応じて他者に伝えること。

ウ 体ほぐしの運動や体の動きを高める運動の多様な経験を通して

,きまりを守り,自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や用

具の安全を確保したりし,見通しをもって自主的に運動をするこ

と。

B 器械運動

器械運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導

する。

○2段階

(1) 体つくり運動,いろいろなスポーツ,ダンスなどの運動を通し

て,体力や技能を高める。

(2) きまりやいろいろなスポーツのルールなどを守り,友達と協力

し,進んで安全に運動をする。

(3) 心身の発育・発達に応じた適切な行動や生活に必要な健康・安

全に関する事柄の理解を深める。

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ア 器械運動の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能

の理解を深めるとともに,目的に応じた技を身に付け,演技する

こと。

イ 器械運動についての自他の課題を発見し,よりよい解決のため

に仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝え

ること。

ウ 器械運動の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなど

を守り,自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や器械・器具

の安全を確保したりし,見通しをもって自主的に運動をすること

C 陸上競技

陸上競技について,次の事項を身に付けることができるよう指導

する。

ア 陸上競技の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能

の理解を深めるとともに,目的に応じた技能を身に付けること。

イ 陸上競技についての自他の課題を発見し,よりよい解決のため

に仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝え

ること。

ウ 陸上競技の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなど

を守り,自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や用具の安全

を確保したりし,見通しをもって自主的に運動をすること。

D 水泳

水泳について,次の事項を身に付けることができるよう指導する

ア 水泳の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能の理

解を深めるとともに,目的に応じた泳法を身に付けること。

イ 水泳についての自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲

間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えるこ

と。

ウ 水泳の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守

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Ⅱ - 251

り,自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や用具の安全を確

保したりし,見通しをもって自主的に運動をすること。

E 球技

球技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する

ア 球技の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能の理

解を深めるとともに,目的に応じた技能を身に付け,ゲームを行

うこと。

イ 球技についての自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲

間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えるこ

と。

ウ 球技の多様な経験を通して,きまりやルール,マナーなどを守

り,自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や用具の安全を確

保したりし,見通しをもって自主的に運動をすること。

F 武道

武道について,次の事項を身に付けることができるよう指導する

ア 武道の楽しさや喜びを深く味わい,その特性に応じた技能の理

解を深めるとともに,基本動作や基本となる技を用いて,相手の

動きの変化に応じた攻防を展開すること。

イ 武道についての自他の課題を発見し,よりよい解決のために仲

間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝えるこ

と。

ウ 武道の多様な経験を通して,きまりや伝統的な行動の仕方を守

り,自己の役割を果たし仲間と協力したり,場や用具の安全を確

保したりし,見通しをもって自主的に運動をすること。

G ダンス

ダンスについて,次の事項を身に付けることができるよう指導す

る。

ア ダンスの楽しさや喜びを深く味わい,その行い方の理解を深め

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Ⅱ - 252

るとともに,目的に応じた技能を身に付け,表現や踊りを通した

交流や発表をすること。

イ ダンスについての自他の課題を発見し,よりよい解決のために

仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝える

こと。

ウ ダンスの多様な経験を通して,一人一人の表現や役割を認め助

け合ったり,場や用具の安全を確保したりし,見通しをもって自

主的に運動をすること。

H 体育理論

体育理論について,次の事項を身に付けることができるよう指導

する。

ア 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文

化としてのスポーツの意義に関する基礎的な知識を身に付けるこ

と。

イ 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文

化としてのスポーツの意義についての課題を発見し,よりよい解

決のために仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他

者に伝えること。

ウ 運動やスポーツの多様性,効果と学び方,安全な行い方及び文

化としてのスポーツの意義についての学習に自主的に取り組むこ

と。

I 保健

健康・安全に関する事項について,次の事項を身に付けることが

できるよう指導する。

ア 心身の発育・発達,傷害の防止及び疾病の予防等の理解を深め

るとともに,健康で安全な個人生活及び社会生活を営むための目

的に応じた技能を身に付けること。

イ 健康・安全に関わる自他の課題を発見し,よりよい解決のため

に仲間と思考し判断したことを,目的や状況に応じて他者に伝え

ること。

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Ⅱ - 253

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

を図るようにすること。その際,体育や保健の見方・考え方を働

かせ,運動や健康についての自他の課題を見付け,個々の生徒の

障害の状態等に応じて,その解決のための活動の充実を図ること

。また,運動の楽しさや喜びを味わったり,健康の大切さを実感

したりすることができるよう,留意すること。

イ 2の各段階の内容の「A体つくり運動」,「H体育理論」及び

「I保健」については,3学年間にわたって取り扱うこと。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するもの

とする。

ア 学校や地域の実態を考慮するとともに,個々の生徒の障害の状

態等,運動の経験及び技能の程度などに応じた指導や生徒自らが

運動の課題の解決を目指す活動を行えるよう工夫すること。

イ 各領域の特性に応じた,知識及び技能の効果的な獲得や,思考

力・判断力・表現力等の育成が図られるよう,コンピュータや情

報通信ネットワークなどの情報手段を積極的に活用するなどして

,指導の効果を高めるよう工夫すること。

ウ 運動を苦手と感じている生徒や,運動に意欲的に取り組まない

生徒への指導を工夫すること。

エ 「A体つくり運動」から「Gダンス」までと「I保健」との関

連を図る指導を工夫すること。

オ 「A体つくり運動」については,実生活に役立てるため,自分

の体力や生活に応じた運動を考えることができるよう指導を工夫

すること。

カ 「D水泳」については,泳法との関連において指導を行う場合

は,水中からのスタート及びターンを取り上げること。

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Ⅱ - 254

キ 「E球技」については,個の能力だけでなく,より集団を意識

したゲームを取り扱うものとする。

ク 「F武道」については,武道場や用具の確保が難しい場合は指

導方法を工夫して行うとともに,安全面に十分留意すること。

ケ 「H体育理論」については,オリンピック・パラリンピックな

どの国際大会の意義や役割,フェアプレイの精神等に触れるとと

もに,運動やスポーツを「すること」,「知ること」,「見るこ

と」,「応援すること」などの多様な関わり方についても取り扱

うようにすること。

コ 自然との関わりの深いスキー,スケートや水辺活動などの指導

については,生徒の障害の状態等,学校や地域の実態等に応じて

積極的に行うようにすること。

サ 集合,整頓,列の増減,方向転換などの行動の仕方を身に付け

,能率的で安全な集団としての行動ができるようにするための指

導を行う場合は,「A体つくり運動」から「Gダンス」までの領

域において適切に行うものとする。

シ 言語能力を育成する言語活動を重視し,筋道を立てて練習や作

戦について話し合う活動や,個人生活における健康の保持増進や

回復について話し合う活動などを通して,コミュニケーション能

力や思考力の育成を促し,主体的な学習活動の充実を図ること。

〔職 業〕

1 目 標

職業に係る見方・考え方を働かせ,職業など卒業後の進路に関する

実践的・体験的な学習活動を通して,よりよい生活の実現に向けて工

夫する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 職業に関する事柄について理解を深めるとともに,将来の職業生

活に係る技能を身に付けるようにする。

(2) 将来の職業生活を見据え,必要な事柄を見いだして課題を設定し

,解決策を考え,実践を評価・改善し,表現する力を養う。

[職 業]

1 目 標

勤労の意義について理解するとともに,職業生活に必要な能力を

高め,実践的な態度を育てる。

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Ⅱ - 255

(3) よりよい将来の職業生活の実現や地域社会への貢献に向けて,生

活を改善しようとする実践的な態度を養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

ア 職業に関する事柄について理解するとともに,将来の職業生活

に係る技能を身に付けるようにする。

イ 将来の職業生活を見据え,必要な事柄を見いだして課題を設定

し,解決策を考え,実践を評価し,表現する力を養う。

ウ よりよい将来の職業生活の実現や地域社会への参画に向けて,

生活を工夫しようとする実践的な態度を養う。

(2) 内 容

A 職業生活

ア 勤労の意義

勤労に対する意欲や関心を高め,他者と協働して取り組む作

業や実習等に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けるこ

とができるよう指導する。

(ア) 勤労の意義を理解すること。

(イ) 意欲や見通しをもって取り組み,その成果や自分と他者との

役割及び他者との協力について考え,表現すること。

(ウ) 作業や実習等に達成感を得て,計画性をもって主体的に取り

組むこと。

イ 職業

職業に関わる事柄について,他者との協働により考えを深め

たり,体験したりする学習活動を通して,次の事項を身に付ける

ことができるよう指導する。

(ア) 職業に関わる知識や技能について,次のとおりとする。

㋐ 職業生活に必要とされる実践的な知識及び技能を身に付

けること。

2 内 容

○1段階

(1) 働くことの意義を理解し,作業や実習に取り組み,働く喜びを

味わう。

(2) 道具や機械の操作に慣れるとともに,材料や製品の扱い方を身

に付け,安全や衛生に気を付けながら作業や実習をする。

(3) 自分の分担に責任をもち,他の者と協力して作業や実習をする。

(4) 適切な進路選択のために,いろいろな職業や職業生活について

知る。

(5) 産業現場等における実習を通して,実際的な職業生活を経験す

る。

(6) 職業生活に必要な健康管理や余暇の有効な過ごし方が分かる。

(7) 職場で使われる機械やコンピュータ等の情報機器などの簡単な

操作をする。

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Ⅱ - 256

㋑ 職業生活を支える社会の仕組み等の利用方法を理解する

こと。

㋒ 材料や育成する生物等の特性や扱い方及び生産や生育活

動等に関わる技術について理解すること。

㋓ 使用する道具や機械等の特性や扱い方を理解し,作業課

題に応じて正しく扱うこと。

㋔ 作業の確実性や持続性,巧緻性等を高め,状況に応じて作

業すること。

(イ) 職業生活に必要な思考力,判断力,表現力等について,次の

とおりとする。

㋐ 作業や実習における役割を踏まえて,自分の成長や課題

について考え,表現すること。

㋑ 生産や生育活動等に関わる技術について考えること。

㋒ 作業上の安全や衛生及び作業の効率について考え,改善

を図ること。

㋓ 職業生活に必要な健康管理や余暇の過ごし方について考

えること。

B 情報機器の活用

職業生活で使われるコンピュータ等の情報機器を扱うことに関

わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指

導する。

ア 情報セキュリティ及び情報モラルについて知るとともに,表現

,記録,計算,通信等に係るコンピュータ等の情報機器について

,その特性や機能を知り,操作の仕方が分かり,扱えること。

イ 情報セキュリティ及び情報モラルを踏まえ,コンピュータ等の

情報機器を扱い,収集した情報をまとめ,考えたことを発表する

こと。

C 産業現場等における実習

産業現場等における実習を通して,次の事項を身に付けることが

できるよう指導する。

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Ⅱ - 257

ア 職業など卒業後の進路に必要となることについて理解するこ

と。

イ 産業現場等における実習での自己の成長について考えたこと

を表現すること。

○2段階

(1) 目 標

ア 職業に関する事柄について理解を深めるとともに,将来の職業

生活に係る技能を身に付けるようにする。

イ 将来の職業生活を見据え,必要な事柄を見いだして課題を設定

し,解決策を考え,実践を評価・改善し,表現する力を養う。

ウ よりよい将来の職業生活の実現や地域社会への貢献に向けて,

生活を改善しようとする実践的な態度を養う。

(2) 内 容

A 職業生活

ア 勤労の意義

勤労に対する意欲や関心を高め,他者と協働して取り組む作

業や実習等に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けるこ

とができるよう指導する。

(ア) 勤労の意義について理解を深めること。

(イ) 目標をもって取り組み,その成果や自分と他者との役割及び

他者との協力について考え,表現すること。

(ウ) 作業や実習等を通して貢献する喜びを体得し,計画性をもっ

て主体的に取り組むこと。

イ 職業

職業に関わる事柄について,他者との協働により考えを深め

たり,体験したりする学習活動を通して,次の事項を身に付ける

ことができるよう指導する。

(ア) 職業に関わる知識や技能について,次のとおりとする。

㋐ 職業生活に必要とされる実践的な知識を深め技能を身に

付けること。

○2段階

(1) 働くことの意義について理解を深め,積極的に作業や実習に取

り組み,職場に必要な態度を身に付ける。

(2) いろいろな道具や機械の仕組み,操作などを理解し,材料や製

品の管理を適切に行い,安全や衛生に気を付けながら正確に効率

よく作業や実習をする。

(3) 作業の工程全体を理解し,自分の分担に責任をもち,他の者と

協力して作業や実習をする。

(4) 職業生活に必要な実際的な知識を深める。

(5) 産業現場等における実習を通して,職業生活に必要な事柄を理

解する。

(6) 職業生活に必要な健康管理や余暇の計画的な過ごし方について

の理解を深める。

(7) 職場で使われる機械やコンピュータ等の情報機器などの操作を

する。

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Ⅱ - 258

㋑ 職業生活を支える社会の仕組み等の利用方法について理

解を深めること。

㋒ 材料や育成する生物等の特性や扱い方及び生産や生育活

動等に関わる技術について理解を深めること。

㋓ 使用する道具や機械等の特性や扱い方の理解を深め,作

業課題に応じて効果的に扱うこと。

㋔ 作業の確実性や持続性,巧緻性等を高め,状況に応じて作

業し,習熟すること。

(イ) 職業生活に必要な思考力,判断力,表現力等について,次の

とおりとする。

㋐ 作業や実習において,自ら適切な役割を見いだすととも

に,自分の成長や課題について考え,表現すること。

㋑ 生産や生育活動等に係る技術に込められた工夫について

考えること。

㋒ 作業上の安全や衛生及び作業の効率について考え,他者

との協働により改善を図ること。

㋓ 職業生活に必要な健康管理や余暇の過ごし方の工夫につ

いて考えること。

B 情報機器の活用

職業生活で使われるコンピュータ等の情報機器を扱うことに関

わる学習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指

導する。

ア 情報セキュリティ及び情報モラルについて理解するとともに,

表現,記録,計算,通信等に係るコンピュータ等の情報機器につ

いて,その特性や機能を理解し,目的に応じて適切に操作するこ

と。

イ 情報セキュリティ及び情報モラルを踏まえ,コンピュータ等の

情報機器を扱い,収集した情報をまとめ,考えたことについて適

切に表現すること。

C 産業現場等における実習

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Ⅱ - 259

産業現場等における実習を通して,次の事項を身に付けることが

できるよう指導する。

ア 職業など卒業後の進路に必要となることについて理解を深め

ること。

イ 産業現場等における実習で課題の解決について考えたことを

表現すること。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

を図るようにすること。その際,職業に係る見方・考え方を働か

せ,作業や産業現場等における実習など実践的な活動と知識とを

相互に関連付けてより深く理解できるようにするとともに,生活

や社会の中から問題を見いだして解決策を考え,実践を評価・改

善して,新たな課題の解決に向かう過程を重視した学習の充実を

図ること。

イ 2の各段階の目標及び内容については,3学年間を見通した全

体的な指導計画に基づき,生徒の学習状況を踏まえながら系統的

に展開されるように適切に計画すること。その際,中学部の職業

・家庭科をはじめとする各教科等とのつながりを重視すること。

また,各項目及び各項目に示す事項については,相互に有機的な

関連を図り,総合的に展開されるように適切な題材を設定して計

画を作成すること。さらに,高等部における家庭科等と関連付け

て効果的に指導を行うとともに,持続可能な開発のための教育を

推進する視点から他教科等との関連を図ること。

ウ 生徒一人一人のキャリア発達を促していくことを踏まえ,発達

の段階に応じて望ましい勤労観や職業観を育むとともに,自己に

対する理解を深め,自らの生き方を考えて進路を主体的に選択す

ることができるよう,将来の生き方等についても扱うなど,組織

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Ⅱ - 260

的かつ計画的に指導を行うこと。

エ 地域や産業界との連携を図り,校内外の作業や産業現場等にお

ける実習の充実を図ること。産業現場等における実習については

,作業や就業体験活動等を踏まえ,段階的・系統的に指導すると

ともに,地域社会への参画や社会貢献の意識が高まるよう計画す

ること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するもの

とする。

ア 実習の指導に当たっては,施設・設備の安全・衛生管理に配慮

し,学習環境を整備するとともに,火気,用具,材料などの取扱

いと事故防止の指導を徹底するものとする。その際,適切な服装

や防護眼鏡・防塵マスクの着用等による安全・衛生の確保に努め

ること。

イ 実際的な知識及び技能を習得し,その理解を深めることで概念

が育まれるとともに,働く喜びや仕事のやりがいを実感できるよ

う,実践的・体験的な学習活動を充実すること。

ウ 生徒が習得した知識や技能を生活に活用したり,職業や生活の

変化に対応したりすることができるよう,問題解決的な学習を充

実させるとともに,家庭や地域,企業などとの連携・協働を図る

こと。

エ 職業生活に生きて働く実践的な知識や技能及び態度の形成と

その活用に重点を置いた指導が行われるように配慮すること。

オ 職業生活に必要な健康管理や余暇については,将来を見据え自

立活動と関連させながら具体的に指導すること。

カ 「A職業生活」については,社会科の内容「ア社会参加ときま

り」及び「エ産業と生活」などと関連させて指導すること。

キ 「B情報機器の活用」については,家庭生活における情報機器

の取扱い等についても取り上げること。

〔家 庭〕 [家 庭]

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Ⅱ - 261

1 目 標

生活の営みに係る見方・考え方を働かせ,衣食住などに関する実践

的・体験的な学習活動を通して,よりよい生活の実現に向けて工夫す

る資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 家族・家庭の機能について理解を深め,生活の自立に必要な家族

・家庭,衣食住,消費や環境等についての基礎的な理解を図るとと

もに,それらに係る技能を身に付けるようにする。

(2) 家庭や地域における生活の中から問題を見いだして課題を設定し

,解決策を考え,実践を評価・改善し,考えたことを表現するなど

,課題を解決する力を養う。

(3) 家族や地域の人々との関わりを考え,家族の一員として,よりよ

い生活の実現に向けて,生活を工夫し考えようとする実践的な態度

を養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

ア 家族・家庭の機能について理解し,生活の自立に必要な家族・

家庭,衣食住,消費や環境等についての基礎的な理解を図るとと

もに,それらに係る技能を身に付けるようにする。

イ 家庭や地域における生活の中から問題を見いだして課題を設定

し,解決策を考え,実践を評価・改善し,考えたことを表現する

など,課題を解決する力を養う。

ウ 家族や地域の人々との関わりを通して,よりよい生活の実現に

向けて,生活を工夫し考えようとする実践的な態度を養う。

(2) 内 容

A 家族・家庭生活

ア 自分の成長と家族

自分の成長と家族や家庭生活などに関わる学習活動を通して,

次の事項を身に付けることができるよう指導する。

1 目 標

明るく豊かな家庭生活を営む上に必要な能力を高め,実践的な態

度を育てる。

2 内 容

○1段階

(1) 家族がそれぞれの役割を果たしていることを理解し,楽しい家

庭づくりのための自分の役割を果たす。

(2) 家庭生活における計画的な消費や余暇の有効な過ごし方が分か

る。

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Ⅱ - 262

(ア) 自分の成長と家族や家庭生活との関わりが分かり,家庭生活

が家族の協力によって営まれていることに気付くこと。

(イ) 家族とのよりよい関わり方について考え,表現すること。

イ 家庭生活での役割と地域との関わり

家族との触れ合いや地域の人々と接することなどに関わる学

習活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導す

る。

(ア) 家庭生活において,地域の人々との協力が大切であることに

気付くこと。

(イ) 家族と地域の人々とのよりよい関わり方について考え,表現

すること。

ウ 家庭生活における健康管理と余暇

家庭生活における健康管理や余暇に関わる学習活動を通して,

次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 健康管理や余暇の有効な過ごし方について理解し,実践する

こと。

(イ) 健康管理や余暇の有効な過ごし方について考え,表現するこ

と。

エ 乳幼児や高齢者などの生活

乳幼児や高齢者と接することなどに関わる学習活動を通して,

次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 乳幼児や高齢者などの生活の特徴,乳幼児や高齢者などとの

関わり方について気付くこと。

(イ) 乳幼児や高齢者などとのよりよい関わり方について考え,表

現すること。

B 衣食住の生活

ア 食事の役割

食事の役割に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付ける

ことができるよう指導する。

(ア) 生活の中で食事が果たす役割について理解すること。

(3) 家庭生活で使用する道具や器具などの正しい使い方が分かり,

安全や衛生に気を付けながら実習をする。

(4) 被服,食物,住居などに関する実習を通して,実際的な知識と

技能を習得する。

(5) 保育や家庭看護などに関心をもつ。

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Ⅱ - 263

(イ) 健康によい食習慣について考え,工夫すること。

イ 日常食の調理

日常食の調理に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

(ア) 日常生活と関連付け,用途に応じた食品の選択,食品や調理

用具等の安全と衛生に留意した管理,材料に適した加熱調理の

仕方について知り,基礎的な日常食の調理ができること。

(イ) 基礎的な日常食の調理について,食品の選択や調理の仕方,

調理計画を考え,表現すること。

ウ 衣服の選択

衣服の選択に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付ける

ことができるよう指導する。

(ア) 衣服と社会生活との関わりが分かり,目的に応じた着用,個

性を生かす着用及び衣服の適切な選択について理解すること。

(イ) 衣服の選択について考え,工夫すること。

エ 布を用いた製作

布を用いた製作に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付

けることができるよう指導する。

(ア) 目的に応じた縫い方及び用具の安全な取扱いについて理解し

,適切にできること。

(イ) 目的に応じた縫い方について考え,工夫すること。

オ 住居の基本的な機能と快適で安全な住まい方

住居の基本的な機能や快適で安全な住まい方に関わる学習活

動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 家族の生活と住空間との関わりや住居の基本的な機能につい

て知ること。

(イ) 家族の安全や快適さを考えた住空間について考え,表現する

こと。

C 消費生活・環境

ア 消費生活

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Ⅱ - 264

消費生活に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けるこ

とができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 購入方法や支払方法の特徴が分かり,計画的な金銭管理の

必要性に気付くこと。

㋑ 売買契約の仕組み,消費者被害の背景とその対応について

理解し,物資・サービスの選択に必要な情報の収集・整理が

できること。

(イ) 物資・サービスの選択に必要な情報を活用して購入について

考え,表現すること。

イ 消費者の基本的な権利と責任

消費者の基本的な権利と責任に関わる学習活動を通して,次の

事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 消費者の基本的な権利と責任,自分や家族の消費生活が環境

や社会に及ぼす影響について気付くこと。

(イ) 身近な消費生活について,自立した消費者として責任ある消

費行動を考え,表現すること。

○2段階

(1) 目 標

ア 家族・家庭の機能について理解を深め,生活の自立に必要な家

族・家庭,衣食住,消費や環境等についての基礎的な理解を図る

とともに,それらに係る技能を身に付けるようにする。

イ 家庭や地域における生活の中から問題を見いだして課題を設定

し,解決策を考え,実践を評価・改善し,考えたことを表現する

など,課題を解決する力を養う。

ウ 家族や地域の人々との関わりを通して,よりよい生活の実現に

向けて,生活を工夫し考えようとする実践的な態度を養う。

(2) 内 容

A 家族・家庭生活

ア 自分の成長と家族

○2段階

(1) 家庭の機能や家族の役割を理解し,楽しい家庭づくりのために

積極的に役割を果たす。

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Ⅱ - 265

自分の成長と家族や家庭生活などに関わる学習活動を通して,

次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 自分の成長と家族や家庭生活の関わりが分かり,家庭生活が

家族の協力によって営まれていることを理解すること。

(イ) 家族とのよりよい関わり方について考え,工夫すること。

イ 家庭生活での役割と地域との関わり

家族や地域の人々などに関わる学習活動を通して,次の事項を

身に付けることができるよう指導する。

(ア) 家庭生活において,地域の人々との協力が大切であることを

理解すること。

(イ) 家庭と地域の人々とのよりよい関わり方について考え,工夫

すること。

ウ 家庭生活における健康管理と余暇

家庭生活における健康管理や余暇に関わる学習活動を通して,

次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 健康管理や余暇の有効な過ごし方について理解を深め,実践

すること。

(イ) 健康管理や余暇の有効な過ごし方について考え,工夫するこ

と。

エ 乳幼児や高齢者などの生活

乳幼児や高齢者と接することなどに関わる学習活動を通して,

次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 乳幼児や高齢者などの生活の特徴が分かり,乳幼児や高齢者

などとの関わり方について理解すること。

(イ) 乳幼児や高齢者などとのよりよい関わり方について考え,工

夫すること。

B 衣食住の生活

ア 必要な栄養を満たす食事

自分に必要な栄養を満たす食事に関わる学習活動を通して,次

の事項を身に付けることができるよう指導する。

(2) 家庭生活における計画的な消費や余暇の有効な過ごし方につい

て理解を深める。

(3) 家庭生活で使用する道具や器具を効率的に使用し,安全や衛生

に気を付けながら実習をする。

(4) 被服,食物,住居などに関する実習を通して,健康で安全な生

活に必要な実際的な知識と技能を習得する。

(5) 保育や家庭看護などに関する基礎的な知識と技能を習得する。

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Ⅱ - 266

(ア) 自分に必要な栄養素の種類と働きが分かり,食品の栄養的な

特質について理解すること。

(イ) 一日分の献立について考え,工夫すること。

イ 日常食の調理

日常食の調理に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

(ア) 日常生活と関連付け,用途に応じた食品の選択,食品や調理

用具等の安全と衛生に留意した管理,材料に適した加熱調理の

仕方について理解し,基礎的な日常食の調理が適切にできるこ

と。

(イ) 基礎的な日常食の調理について,食品の選択や調理の仕方,

調理計画を考え,工夫すること。

ウ 衣服の手入れ

衣服の手入れに関わる学習活動を通して,次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

(ア) 衣服の材料や状態に応じた日常着の手入れについて理解し,

適切にできること。

(イ) 衣服の材料や状態に応じた日常着の手入れについて考え,工

夫すること。

エ 布を用いた製作

布を用いた製作に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付

けることができるよう指導する。

(ア) 製作に必要な材料や手順が分かり,製作計画について理解す

ること。

(イ) 布を用いた簡単な物の製作計画を考え,製作を工夫すること

オ 住居の基本的な機能と快適で安全な住まい方

住居の基本的な機能や快適で安全な住まい方に関わる学習活

動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 家族の生活と住空間との関わりが分かり,住居の基本的な機

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Ⅱ - 267

能について理解すること。

(イ) 家族の安全や快適さを考えた住空間の整え方について考え,

工夫すること。

C 消費生活・環境

ア 消費生活

消費生活に関わる学習活動を通して,次の事項を身に付けるこ

とができるよう指導する。

(ア) 次のような知識及び技能を身に付けること。

㋐ 購入方法や支払方法の特徴が分かり,計画的な金銭管理

の必要性について理解すること。

㋑ 売買契約の仕組み,消費者被害の背景とその対応について

理解し,物資・サービスの選択に必要な情報の収集・整理が

適切にできること。

(イ) 物資・サービスの選択に必要な情報を活用して購入について

考え,工夫すること。

イ 消費者の基本的な権利と責任

消費者の基本的な権利と責任に関わる学習活動を通して,次の

事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 消費者の基本的な権利と責任,自分や家族の消費生活が環境

や社会に及ぼす影響について理解すること。

(イ) 身近な消費生活について,自立した消費者として責任ある消

費行動を考え,工夫すること。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

を図るようにすること。その際,生活の営みに係る見方・考え方

を働かせ,体験的な活動と知識とを相互に関連付けてより深く理

解するとともに,生活の中から問題を見いだして解決策を考え,

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Ⅱ - 268

実践を評価・改善して,新たな課題の解決に向かう過程を重視し

た学習の充実を図ること。

イ 各段階における目標・内容については,3学年間を見通した全

体的な指導計画に基づき,生徒の学習状況を踏まえながら系統的

に指導ができるようにすること。その際,中学部の職業・家庭科

をはじめとする各教科等とのつながりを重視すること。また,各

項目及び各項目に示す事項については,相互に有機的な関連を図

り,総合的に展開されるよう適切な題材を設定して計画を作成す

ること。さらに,高等部における職業科等と関連付けて効果的に

指導を行うととともに,他教科等との連携も図ること。

ウ 「B衣食住の生活」の2段階の「ア必要な栄養を満たす食事」

及び「ウ衣服の手入れ」については,それぞれ1段階の「ア食事

の役割」及び「ウ衣服の選択」の内容を十分に踏まえるとともに

,各段階に示された事項の関連を図りながら,総合的に指導する

よう計画すること。

エ 家庭や地域との連携を図り,校内外での実践的・体験的な学習

活動の充実を図り指導の効果を高めること。実践的・体験的な学

習活動については,校内での体験的な学習活動と関連させ,段階

的・系統的に指導するよう配慮すること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するもの

とする。

ア 指導に当たっては,衣食住などに関する実習等の結果を整理し

考察する学習活動や,生活や社会における課題を解決するために

言葉や図表,概念などを用いて考えたり,説明したりするなどの

学習活動の充実を図ること。

イ 指導に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークを積

極的に活用して,実習等における情報の収集・整理や,実践結果

の発表などを行うことができるように工夫すること。

ウ 資質・能力の育成を図り,一人一人の個性を生かし伸ばすよう

,生徒の興味・関心を踏まえた学習課題の設定,技能の習得状況

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Ⅱ - 269

に応じた指導や教材・教具の工夫など個に応じた指導の充実に努

めること。

エ 生徒が,学習した知識及び技能を生活に活用したり,生活や社

会の変化に対応したりすることができるよう,生活や社会の中か

ら問題を見いだして課題を設定し解決する学習活動を充実すると

ともに,家庭や地域社会,企業などとの連携を図るように配慮す

ること。

オ 「B衣食住の生活」については,日本の伝統的な生活について

も扱い,生活文化を継承する大切さに気付くことができるよう配

慮すること。また,「B衣食住の生活」の各段階の「イ調理」に

ついては,地域の食文化や和食についても取り上げること。

カ 「C消費生活・環境」のア及びイについては,「A家族・家庭

生活」又は「B衣食住の生活」の学習との関連を図り,実践的に

学習できるようにすること。また,アについては,身近な消費行

動と関連を図った物資・サービスや消費者被害を扱うこと。(ア)の

㋐については,クレジットなどの三者間契約についても扱うこと

(3) 実習などの指導については,次の事項に配慮するものとする。

ア 施設・設備の安全管理に配慮し,学習環境を整備するとともに

,火気,用具,材料などの取扱いに注意して事故防止の指導を徹

底し,安全と衛生に十分留意するものとする。その際,服装を整

え,衛生に留意して用具の手入れや保管を適切に行うこととする

イ 食に関する指導については,家庭科の特質に応じて,食育の充

実に資するようにすること。

ウ 乳幼児や高齢者などと関わるなど校外での学習について,事故

の防止策及び事故発生時の対応策等を綿密に計画するとともに,

相手に対する配慮にも十分留意すること。

エ 調理に用いる食品については,安全・衛生に留意すること。ま

た,食物アレルギーについても配慮すること。

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Ⅱ - 270

〔外国語〕

1 目 標

外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,

外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を

通して,コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を次のとお

り育成することを目指す。

(1) 外国語の音声や文字,語彙,表現,言語の働きなどについて,日

本語と外国語との違いに気付くとともに,読むこと,書くことに慣

れ親しみ,聞くこと,読むこと,話すこと,書くことによる実際の

コミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身に付ける

ようにする。

(2) コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,身近

で簡単な事柄について,聞いたり話したりするとともに,音声で十

分に慣れ親しんだ外国語の語彙などが表す事柄を想像しながら読ん

だり書いたりして,自分の考えや気持ちなどを伝え合うことができ

る基礎的な力を養う。

(3) 外国語の背景にある文化に対する理解を深め,他者に配慮しなが

ら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態

度を養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

ア 音声や文字,語彙,表現などについて日本語と外国語との違い

に気付くとともに,読むこと,書くことに慣れ親しみ,聞くこと

,話すことを中心とした実際のコミュニケーションにおいて活用

できる基礎的な力を身に付けるようにする。

イ コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,身

近で簡単な事柄について,聞いたり話したりするとともに,音声

[外国語]

1 目 標

外国語でコミュニケーションを図る基礎的な能力や態度を育てる

とともに,外国語や外国への関心を深める。

2 内 容

英 語

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Ⅱ - 271

で十分に慣れ親しんだ外国語の語彙などを真似ながら読んだり,

外国語の文字をなぞって書いたりして,自分の考えや気持ちなど

を伝え合うことができる基礎的な力を養う。

ウ 外国語の背景にある文化について理解し,相手に配慮しながら

,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態

度を養う。

(2) 内 容

〔英 語〕

〔知識及び技能〕

ア 英語の特徴等に関する事項

実際に英語を用いた場面や状況等における言語活動を通して,

次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(ア) 英語の音声及び簡単な語句や基本的な表現などについて,日

本語との違いに気付くこと。

㋐ 英語の音声を聞いて話したり,文字を見て読んだり書いた

りして日本語の音声や文字などとの違いに気付くこと。

㋑ 英語の音声や文字も,事物の内容を表したり,要件を伝え

たりするなどの働きがあることに気付くこと。

㋒ 簡単な語句や基本的な表現などが表す内容を知り,それら

を使うことで要件が相手に伝わることに気付くこと。

〔思考力,判断力,表現力等〕

イ 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝

え合ったりすることに関する事項

具体的な課題等を設定し,コミュニケーションを行う目的や場

面,状況などに応じて,情報を整理しながら考えなどを形成し,

これらを表現することを通して,次の事項を身に付けることがで

きるよう指導する。

(ア) 簡単な事柄について,伝えようとした内容を整理した上で,

簡単な語句などを用いて自分の考えや気持ちなどを伝え合う

こと。

○1段階

(1) 簡単な英語を使って表現したり,やりとりしたりする。

(2) 簡単な語,句,文に興味や関心をもつ。

(3) 日常生活の中で見聞きする語や句の意味を知る。

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Ⅱ - 272

(イ) 身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ簡単

な語彙などが表す事柄を想像しながら読んだり,書いたりする

こと。

ウ 言語活動及び言語の働きに関する事項

(ア) 言語活動に関する事項

イに示す事項については,アに示す事項を活用して,例えば

,次のような言語活動を通して指導する。

㋐ 聞くこと

a 自分に関する簡単な事柄について,簡単な語句や基本的

な表現を聞き,それらを表すイラストや写真などと結び付

ける活動。

b 日付や時刻,値段などを表す表現など,身近で簡単な

事柄について,表示などを参考にしながら具体的な情報

を聞き取る活動。

㋑ 話すこと[発表]

a 簡単な語句や基本的な表現を用いて,自分の趣味や得意

なことなどを含めて自己紹介をする活動。

㋒ 話すこと[やり取り]

a 挨拶を交わしたり,簡単な指示や依頼をして,それら

に応じたり断ったりする活動。

㋓ 書くこと

a 活字体の大文字,小文字を区別して書く活動。

b 相手に伝えるなどの目的をもって,身近で簡単な事柄に

ついて,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語彙などを書き

写す活動。

c 相手に伝えるなどの目的をもって,身近で簡単な事柄に

ついて,音声で十分に慣れ親しんだ語彙などを書き写す活

動。

㋔ 読むこと

a 活字体で書かれた文字を見て,どの文字であるかやその

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Ⅱ - 273

文字が大文字であるか小文字であるかを識別する活動。

b 活字体で書かれた文字を見て,その読み方を発音する活

動。

(イ) 言語の働きに関する事項

言語活動を行うに当たり,主として次に示すような言語の使

用場面や言語の働きを取り上げるようにする。

㋐ 言語の使用場面の例

a 特有の表現がよく使われる場面

・挨拶

・自己紹介

・買物

・食事

・道案内

・旅行 など

b 生徒の身近な暮らしに関わる場面

・学校での学習や活動

・家庭での生活

・地域での生活 など

㋑ 言語の働きの例

a コミュニケーションを円滑にする

・挨拶をする

・呼び掛ける

・相づちを打つ

・聞き直す など

b 気持ちを伝える

・礼を言う

・褒める

・謝る など

c 事実・情報を伝える

・説明する

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Ⅱ - 274

・報告する

・発表する など

d 考えや意図を伝える

・意見を言う

・賛成する

・承諾する

・断る など

e 相手の行動を促す

・質問する

・依頼する

・命令する など

○2段階

(1) 目 標

ア 音声や文字,語彙,表現などについて日本語と外国語との違い

に気付くとともに,読むこと,書くことに慣れ親しみ,聞くこと

,話すこと,読むこと,書くことによる実際のコミュニケーショ

ンにおいて活用できる基礎的な力を身に付けるようにする。

イ コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,身

近で簡単な事柄について,聞いたり話したりするとともに,音声

で十分に慣れ親しんだ外国語の語彙などが表す事柄を想像しなが

ら読んだり書いたりして,自分の考えや気持ちなどを伝え合うこ

とができる基礎的な力を養う。

ウ 外国語の背景にある文化について理解し,他者に配慮しながら

,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態

度を養う。

(2) 内 容

〔知識及び技能〕

ア 英語の特徴等に関する事項

実際に英語を用いた場面や状況等における言語活動を通して,

次の事項を身に付けることができるよう指導する。

○2段階

(1) 初歩的な英語を使って簡単な会話をする。

(2) 簡単な語,句,文を書いたり読んだりする。

(3) 簡単な語,句,文の意味を知る。

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Ⅱ - 275

(ア) 英語の音声及び簡単な語句や基本的な表現などについて,日

本語との違いに気付くこと。

㋐ 英語の音声を聞いて話したり,簡単な語彙などを読んだり

書いたりして日本語の音声や文字などとの違いに気付くこ

と。

㋑ 英語の音声や文字も,事物の内容を表したり,要件を伝え

たりするなどの働きがあることに気付くこと。

㋒ 簡単な語句や基本的な表現などが表す内容が分かり,それ

らを使うことで要件が相手に伝わることに気付くこと。

〔思考力,判断力,表現力等〕

イ 情報を整理しながら考えなどを形成し,英語で表現したり,伝

え合ったりすることに関する事項

具体的な課題等を設定し,コミュニケーションを行う目的や場

面,状況などに応じて,情報を整理しながら考えなどを形成し,

これらを表現することを通して,次の事項を身に付けることがで

きるよう指導する。

(ア) 身近で簡単な事柄について,伝えようとする内容を整理した

上で簡単な語句や基本的な表現などを用いて伝え合うこと。

(イ) 身近で簡単な事柄について,音声で十分に慣れ親しんだ簡単

な語彙などが表す事柄を想像しながら読んだり,書いたりする

こと。

ウ 言語活動及び言語の働きに関する事項

① 言語活動に関する事項

イに示す事項については,アに示す事項を活用して,例えば,

次のような言語活動を通して指導する。

(ア) 聞くこと

㋐ 自分のことや学校生活など身近で簡単な事柄について,簡

単な語句や基本的な表現を聞き,それらを表すイラストや写

真などと結び付ける活動。

㋑ 日付や時刻,値段などを表す表現など,身近で簡単な事柄

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Ⅱ - 276

について,具体的な情報を聞き取る活動。

㋒ 友達や家族,学校生活など,身近で簡単な事柄について,

簡単な語句や基本的な表現で話される短い会話や説明を,イ

ラストや写真を参考にしながら聞いて,必要な情報を聞き取

る活動。

(イ) 話すこと[発表]

㋐ 簡単な語句や基本的な表現を用いて,身近で簡単な事柄に

ついて,自分の考えや気持ちを話す活動。

(ウ) 話すこと[やり取り]

㋐ 身近で簡単な事柄について,自分の考えや気持ちを伝えた

り,簡単な質問をしたり質問に答えたりして伝え合う活動。

(エ) 書くこと

㋐ 相手に伝えるなどの目的をもって,身近で簡単な事柄につ

いて,音声で十分に慣れ親しんだ語彙などを書き写す活動。

㋑ 相手に伝えるなどの目的をもって,身近で簡単な事柄につ

いて,音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語彙などを書き写す

活動。

(オ) 読むこと

㋐ 日常生活に関する身近で簡単な事柄を内容とする掲示や

パンフレットなどから,自分が必要とする情報を得る活動。

㋑ 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語彙などを,挿絵がある

本などの中から識別する活動。

② 言語の働きに関する事項

2段階の言語活動を行うに当たっては,1段階の言語の働きに

関する事項を踏まえ,生徒の学習状況に応じた言語の使用場面や

言語の働きを取り上げるようにする。

〔その他の外国語〕

その他の外国語については,〔英語〕に示す内容に準じて指導を行

うものとする。

その他の外国語

その他の外国語の内容については,英語に準ずるものとする。

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Ⅱ - 277

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 外国語科においては,英語を履修させることを原則とすること。

(2) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を

図るようにすること。その際,具体的課題等を設定し,生徒が外国

語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせなが

ら,コミュニケーションの目的や場面,状況などを意識して活動

を行い,英語の音声や語彙,表現などの知識を,五つの領域におけ

る実際のコミュニケーションにおいて活用する学習の充実を図る

こと。

イ これまでに学習した外国語との関連に留意して,指導計画を適

切に作成すること。

ウ 外国語科を設ける場合は,生徒の障害の状態や実態に応じて,

指導目標を適切に定め,3年間を通して外国語科の目標の実現を

図るようにすること。

エ 指導内容や活動については,生徒の興味や関心,経験などに合

ったものとし,他の教科等で学習したことを活用したり,学校行

事で扱う内容と関連付けたりするなどの工夫により,指導の効果

を高めるようにすること。

オ 指導計画の作成や授業の実施に当たっては,ネイティブ・スピ

ーカーや英語が堪能な地域人材などの協力を得る等,指導体制等

の充実を図るとともに,指導方法の工夫を行うこと。

カ 外国語を通して他者とコミュニケーションを図ることの必要性

や楽しさを味わうことができるよう工夫すること。

(3) 2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 言語材料については,生徒に身近で簡単なものから扱うように

するとともに,語句,連語及び慣用表現については活用頻度の高

いものを用い,必要に応じて繰り返し活用しながら体験的な理解

を図るようにすること。

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Ⅱ - 278

イ 1段階のウの②に示す事項については,2段階においても指導

すること。

ウ 生徒の実態や教材の内容などに応じて,情報機器等を有効に活

用し適切な言語材料を十分に提供できるようにすること。

〔情 報〕

1 目 標

情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,身近にある情報機器

の操作の習得を図りながら,問題の解決を行う学習活動を通して,問

題を知り,問題の解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活

用し,情報社会に主体的に参画するための資質・能力を次のとおり育

成することを目指す。

(1) 身近にある情報と情報技術及びこれらを活用して問題を知り,問

題を解決する方法について理解し,基礎的な技能を身に付けるとと

もに,情報社会と人との関わりについて理解できるようにする。

(2) 身近な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題を知り,問題

を解決するために必要な情報と情報技術を適切かつ効果的に活用す

る力を養う。

(3) 身近にある情報や情報技術を適切に活用するとともに,情報社会

に参画しようとする態度を養う。

2 各段階の目標及び内容

○1段階

(1) 目 標

ア 効果的なコミュニケーションの方法や,身近にあるコンピュー

タやデータの活用について知り,基礎的な技能を身に付けるとと

もに,情報社会と人との関わりについて知る。

イ 身近な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題を知り,問

題を解決するために必要な情報と情報技術を活用する力を養う。

ウ 身近にある情報や情報技術を活用するとともに,情報社会に関

[情 報]

1 目 標

コンピュータ等の情報機器の操作の習得を図り,生活に必要な情

報を適切に活用する基礎的な能力や態度を育てる。

2 内 容

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Ⅱ - 279

わろうとする態度を養う。

(2) 内 容

A 情報社会の問題解決

身近にある情報や情報技術を活用して問題を知り,問題を解決す

る方法に着目し,解決に向けた活動を通して,次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 身近にある情報やメディアの基本的な特性及びコンピュータ

等の情報機器の基本的な用途,操作方法及び仕組みを知り,情

報と情報技術を活用して問題を知り,問題を解決する方法を身

に付けること。

(イ) 情報に関する身近で基本的な,法規や制度,情報セキュリテ

ィの重要性,情報社会における個人の責任及び情報モラルにつ

いて知ること。

(ウ) 身近にある情報技術が人や社会に果たす役割と及ぼす影響に

ついて知ること。

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 目的や状況に応じて,身近にある情報や情報技術を活用して

問題を知り,問題を解決する方法について考えること。

(イ) 情報に関する身近で基本的な,法規や制度及びマナーの意義

,情報社会において個人の果たす役割や責任,情報モラルな

どについて考えること。

(ウ) 身近にある情報や情報技術の活用について考えること。

B コミュニケーションと情報デザイン

身近なメディアとコミュニケーション手段及び情報デザインに着

目し,目的や状況に応じて受け手に分かりやすく情報を伝える活動

を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 身近なメディアの基本的な特性とコミュニケーション手段の

基本的な特徴について,その変遷を踏まえて知ること。

○1段階

(1) 日常生活の中で情報やコンピュータ等の情報機器が果たしてい

る役割に関心をもつ。

(2) コンピュータ等の情報機器に関心をもち,簡単な操作をする。

(3) 各種のソフトウェアに関心をもち,実習をする。

(4) コンピュータ等の情報機器を利用した情報の収集,処理及び発

信に関心をもつ。

(5) 情報の取扱いに関するきまりやマナーがあることを知る。

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Ⅱ - 280

(イ) 身近にある情報デザインが人や社会に果たしている役割を知

ること。

(ウ) 身近にある情報デザインから,効果的なコミュニケーション

を行うための情報デザインの基本的な考え方や方法を知り,表

現する基礎的な技能を身に付けること。

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 身近なメディアとコミュニケーション手段の関係を考えるこ

と。

(イ) コミュニケーションの目的に合わせて,必要な情報が伝わる

ような情報デザインを考えること。

(ウ) 効果的なコミュニケーションを行うための情報デザインの基

本的な考え方や方法に基づいて,表現の仕方を工夫すること。

C 情報通信ネットワークとデータの活用

情報通信ネットワークを介して流通するデータに着目して,情報

通信ネットワークや情報システムにより提供されるサービスを利用

し,問題を知り,問題の解決に向けた活動を通して,次の事項を身

に付けることができるよう指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 情報通信ネットワークの基本的な仕組みや情報セキュリティ

を確保するための基本的な方法について知ること。

(イ) 身近なデータを蓄積,管理,提供する基本的な方法,情報通

信ネットワークを介した情報システムによるサービスの提供

に関する基本的な仕組みと特徴について知ること。

(ウ) データを表現,蓄積するための基本的な表し方と,データを

収集,整理する基本的な方法について知り,基礎的な技能を身

に付けること。

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 情報通信ネットワークにおける情報セキュリティを確保する

基本的な方法について考えること。

(イ) 情報システムが提供するサービスの利用について考えること

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Ⅱ - 281

(ウ) データの収集,整理及び結果の表現の基本的な方法を適切に

選択し,実行すること。

○2段階

(1) 目 標

ア 効果的なコミュニケーションの方法や,身近にあるコンピュー

タやデータの活用について理解し,基礎的な技能を身に付けると

ともに,情報社会と人との関わりについて理解する。

イ 身近な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題を知り,問

題を解決するために必要な情報と情報技術を適切かつ効果的に活

用する力を養う。

ウ 身近にある情報や情報技術を適切に活用するとともに,情報社

会に参画しようとする態度を養う。

(2) 内 容

A 情報社会の問題解決

身近にある情報や情報技術を活用して問題を知り,問題を解決す

る方法に着目し,解決に向けた活動を通して,次の事項を身に付け

ることができるよう指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 身近にある情報やメディアの基本的な特性及びコンピュータ

等の情報機器の基本的な用途,操作方法及び仕組みを踏まえ,

情報と情報技術を活用して問題を知り,問題を解決する方法を

身に付けること。

(イ) 情報に関する身近で基本的な,法規や制度,情報セキュリテ

ィの重要性,情報社会における個人の責任及び情報モラルにつ

いて理解すること。

(ウ) 身近にある情報技術が人や社会に果たす役割と及ぼす影響に

ついて基本的な理解をすること。

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 目的や状況に応じて,身近にある情報や情報技術を適切かつ

○2段階

(1) 生活の中で情報やコンピュータ等の情報機器が果たしている役

割を知り,それらの活用に関心をもつ。

(2) コンピュータ等の情報機器の扱い方が分かり,操作する。

(3) 各種のソフトウェアの操作に慣れ,実習をする。

(4) コンピュータ等の情報機器を利用した情報の収集,処理及び発

信の方法が分かり,実際に活用する。

(5) 情報の取扱いに関するきまりやマナーを理解し,それらを守っ

て実習する。

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Ⅱ - 282

効果的に活用して問題を知り,問題を解決する方法について考

えること。

(イ) 情報に関する身近で基本的な,法規や制度及びマナーの意義

,情報社会において個人の果たす役割や責任,情報モラルなど

について,それらの背景を捉え,考えること。

(ウ) 身近にある情報や情報技術の適切かつ効果的な活用と望まし

い情報社会の在り方について考えること。

B コミュニケーションと情報デザイン

身近なメディアとコミュニケーション手段及び情報デザインに着

目し,目的や状況に応じて受け手に分かりやすく情報を伝える活動

を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 身近なメディアの基本的な特性とコミュニケーション手段の

基本的な特徴について,その変遷を踏まえて理解すること。

(イ) 身近にある情報デザインが人や社会に果たしている役割を理

解すること。

(ウ) 身近にある情報デザインから,効果的なコミュニケーション

を行うための情報デザインの基本的な考え方や方法を理解し

表現する基礎的な技能を身に付けること。

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 身近なメディアとコミュニケーション手段の関係を捉え,そ

れらを目的や状況に応じて適切に選択すること。

(イ) コミュニケーションの目的に合わせて,適切かつ効果的な情

報デザインを考えること。

(ウ) 効果的なコミュニケーションを行うための情報デザインの基

本的な考え方や方法に基づいて表現し,振り返り,表現を見直

すこと。

C 情報通信ネットワークとデータの活用

情報通信ネットワークを介して流通するデータに着目して,情報

通信ネットワークや情報システムにより提供されるサービスを活用

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Ⅱ - 283

し,問題を知り,問題の解決に向けた活動を通して,次の事項を身

に付けることができるよう指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること。

(ア) 情報通信ネットワークの基本的な仕組みや情報セキュリティ

を確保するための基本的な方法について理解すること。

(イ) 身近なデータを蓄積,管理,提供する基本的な方法,情報通

信ネットワークを介した情報システムによるサービスの提供

に関する基本的な仕組みと特徴について理解すること。

(ウ) データを表現,蓄積するための基本的な表し方と,データを

収集,整理,分析する基本的な方法について理解し,基礎的な

技能を身に付けること。

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

(ア) 目的や状況に応じて,情報通信ネットワークにおける情報セ

キュリティを確保する基本的な方法について考えること。

(イ) 情報システムが提供するサービスの効果的な活用について考

えること。

(ウ) データの収集,整理,分析及び結果の表現の基本的な方法を

適切に選択し,実行し,振り返り,表現を見直すこと。

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

を図るようにすること。その際,情報に関する科学的な見方・考

え方を働かせ,情報と情報技術を活用して問題を知り,主体的,

協働的に制作や話合いなどを行うことを通して解決策を考えるな

どの探究的な学習活動の充実を図ること。

イ 学習の基盤となる情報活用能力が,中学部や中学校までの各教

科等において,教科等横断的な視点から育成されてきたことを踏

まえ,情報科の学習を通して生徒の情報活用能力を更に高めるよ

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Ⅱ - 284

うにすること。また,他の各教科等の学習において情報活用能力

を生かし高めることができるよう,他の各教科等との連携を図る

こと。

ウ 情報科を設ける場合は,生徒の障害の状態や実態に応じて,指

導目標を適切に定め,3年間を通して情報科の目標の実現を図る

ようにすること。

エ 社会科,数学科及び職業科などの内容との関連を図るとともに

,教科の目標に即した調和のとれた指導が行われるように留意す

ること。

(2) 2の各段階の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するもの

とする。

ア 情報の信頼性や信憑ぴょう

性を確認する基礎的な能力の育成を図る

とともに,知的財産や個人情報の保護と活用など,情報モラルの

育成を図ること。

イ 目標及び内容等に即して,コンピュータや情報通信ネットワー

クなどを活用した実習を積極的に取り入れ,身近にある情報機器

の操作の習得を図ること。その際,必要な情報機器やネットワー

ク環境を整えるとともに,内容のまとまりや学習活動,学校や生

徒の実態に応じて,適切なソフトウェア,外部装置などを選択す

ること。

ウ 思考力,判断力,表現力等を育成するため,情報と情報技術を

活用して問題を知り,問題を解決する過程において,考えたり,

調べたりしたことを説明したり記述したりするなどの言語活動の

充実を図ること。

エ 情報機器を活用した学習を行うに当たっては,照明やコンピュ

ータの使用時間などに留意するとともに,生徒が自らの健康に留

意し望ましい習慣を身に付けることができるよう配慮すること。

オ 授業で扱う具体例,教材・教具などについては,生活に関連の

深いものを取り上げるとともに,情報技術の進展に対応して適宜

見直しを図ること。

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Ⅱ - 285

カ 「A情報社会の問題解決」については,この教科の導入として

位置付け,「Bコミュニケーションと情報デザイン」や「C情報

通信ネットワークとデータの活用」との関連性に配慮すること。

キ 「C情報通信ネットワークとデータの活用」のアの(ア)及びイの

(ア)については,身近にある情報機器を操作し,情報セキュリティ

を確保する活動を取り入れること。

第2款 主として専門学科において開設される各教科の目標及び内容

第2款 主として専門学科において開設される各教科の目標及び内容

〔家 政〕

1 目 標

家庭の生活に関わる産業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的

な学習活動を行うことなどを通して,生活の質の向上と社会の発展に

寄与する職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを

目指す。

(1) 生活産業に関することについて理解するとともに,関連する技術

を身に付けるようにする。

(2) 生活産業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏

まえ課題を解決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を

目指して自ら学び,社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を

養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項

目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 生活産業の概要

ア 生活産業の意義と役割

イ 生活産業の基礎

[家 政]

1 目 標

家庭に関する基礎的・基本的な知識と技術の習得を図り,生活に

関連する職業の意義と役割の理解を深めるとともに,生活に関連す

る職業に必要な能力と実践的な態度を育てる。

2 内 容

(1) 生活に関連する職業についての興味・関心を深め,意欲的に実

習をする。

(2) 生活に関連する職業において必要な基礎的・基本的な知識と技

術を習得する。

(3) 生活に関連する職業で使用する各種の器具や機械,コンピュー

タ等の情報機器などの取扱いや保管・管理に必要な知識と技術を

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Ⅱ - 286

ウ 使用する器具や機械,コンピュータ等の情報機器の取扱い

(2) 被服

ア 被服の機能と基本的な構成

イ 被服製作の工程

(3) クリーニング

ア クリーニングの種類と特徴

イ クリーニングの工程

(4) 手芸

ア 手芸の種類と特徴

イ 刺しゅう,編物,染色,織物及びその他の手芸に係る製作

(5) 調理

ア 食品の種類とその特徴

イ 栄養と栄養素

ウ 調理における衛生管理

エ 調理の工程

(6) 住居

ア 住居の機能や室内環境

イ 住居の管理

ウ インテリア

(7) 保育

ア 子供の発達と生活

イ 子供との関わり

(8) 家庭看護

ア 病気の予防や疾病の状態

イ 食事や排泄せつ

,衣生活,移動の援助

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

習得し,安全や衛生に気を付けながら実習をする。

(4) 次に示すような家庭に関する分野に必要な知識と技術を習得

し,実際に活用する。

・被服の製作

・クリーニング

・手芸

・調理,製菓,食品

・住居の管理,インテリア

・保育,家庭看護

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Ⅱ - 287

を図るようにすること。その際,生活に関連する産業の見方・考

え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。

イ 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業

体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に

活用するなどの工夫に努めること。

ウ 〔指導項目〕の指導に当たっては,実験・実習を適切に取り入

れること。

(2) 2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)から(8)までについては,生徒や地域の実態

,学科の特色等に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うこと

ができること。

イ 〔指導項目〕の(4)のイについては,刺しゅう,編物,染色,織

物及びその他の手芸に係る製作の中から選択して,基礎的な技法

を扱うこと。

ウ 〔指導項目〕の(5)については,家政科の特質に応じて,食育の

充実を図ること。また,実習に用いる食品については,安全・衛

生に留意し,食物アレルギーについても配慮すること。

エ 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設

・設備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに

,事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意すること。

〔農 業〕

1 目 標

農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,農業や農業関連産業を通じ,地域や社会の健全で持

続的な発展に寄与する職業人として必要な資質・能力を次のとおり育

成することを目指す。

(1) 農業に関することについて理解するとともに,関連する技術を身

に付けるようにする。

(2) 農業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ

[農 業]

1 目 標

農業に関する基礎的・基本的な知識と技術の習得を図り,農業の

意義と役割の理解を深めるとともに,農業に関する職業に必要な能

力と実践的な態度を育てる。

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Ⅱ - 288

課題を解決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を

目指して自ら学び,社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を

養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項

目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 農業の概要

ア 農業の意義と役割

イ 農業の基礎

ウ 農器具や農業機械,コンピュータ等の情報機器の取扱い

(2) 農業生物の栽培と管理

ア 作物の種類と特徴

イ 野菜の種類と特徴

ウ 果樹の種類と特徴

エ 草花の種類と特徴

オ 樹木の種類と特徴

カ 栽培と管理の工程

(3) 農業生物の飼育と管理

ア 家畜の種類と特徴

イ 飼育と管理の工程

(4) 食品の加工と管理

ア 食品加工の種類と特徴

イ 食品の加工と管理の工程

(5) 地域資源を生かした農業

ア 地域資源の特色

イ 地域資源の活用

2 内 容

(1) 農業についての興味・関心を高め,意欲的に実習をする。

(2) 農業に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得する。

(3) 農機具や簡単な機械,コンピュータ等の情報機器などの取扱い

や保管・管理に必要な知識と技術を習得し,安全や衛生に気を付

けながら実習をする。

(4) 次に示すような農業に関する分野に必要な知識と技術を習得

し,実際に活用する。

・作物,野菜及び果樹の栽培

・草花の栽培,花壇の管理

・家畜の飼育

・食品加工

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Ⅱ - 289

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

を図るようにすること。その際,農業の見方・考え方を働かせ,

実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。

イ 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業

体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に

活用するなどの工夫に努めること。

ウ 〔指導項目〕の指導に当たっては,実験・実習を適切に取り入

れること。

(2) 2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)から(5)までについては,生徒や地域の実態

,学科の特色等に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うこと

ができること。

イ 〔指導項目〕の(2)については,同(2)のアからオの中から選択

して,基礎的な栽培管理を扱うこと。

ウ 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設

・設備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに

,事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意すること。

〔工 業〕

1 目 標

工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,ものづくりを通じ,地域や社会の健全で持続的な発

展に寄与する職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成するこ

とを目指す。

(1) 工業に関することについて理解するとともに,関連する技術を身

に付けるようにする。

(2) 工業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ

[工 業]

1 目 標

工業に関する基礎的・基本的な知識と技術の習得を図り,工業の

意義と役割の理解を深めるとともに,工業に関する職業に必要な能

力と実践的な態度を育てる。

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Ⅱ - 290

課題を解決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を

目指して自ら学び,社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を

養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項

目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 工業の概要

ア 工業の意義と役割

イ 工業の基礎

ウ 各種の工具や機械及び機器類,コンピュータ等の情報機器の取

扱い

(2) 木材加工による製品

ア 木材の種類と特徴

イ 各種の工具や機械などの操作

ウ 木材製品を製造する工程

(3) 金属加工による製品

ア 金属の種類と特徴

イ 各種の工具や機械などの操作

ウ 金属製品を製造する工程

(4) セラミック加工による製品

ア セラミックスの種類と特徴

イ 各種の工具や機械などの操作

ウ セラミック製品を製造する工程

(5) 紙加工による製品

ア 紙の種類と特徴

イ 各種の工具や機械などの操作

ウ 紙製品を製造する工程

2 内 容

(1) 工業についての興味・関心を高め,意欲的に実習をする。

(2) 工業に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得する。

(3) 各種の工具や機械,コンピュータ等の情報機器などの取扱いや

保管・管理に必要な知識と技術を習得し,安全や衛生に気を付け

ながら実習をする。

(4) 次に示すような工業に関する分野に必要な知識と技術を習得

し,実際に活用する。

・木材,金属,セラミック,紙,布,皮革などの製品の製造

・印刷

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Ⅱ - 291

(6) 布の加工による製品

ア 布の種類と特徴

イ 各種の工具や機械などの操作

ウ 布製品を製造する工程

(7) 皮革の加工による製品

ア 皮革の種類と特徴

イ 各種の工具や機械などの操作

ウ 皮革製品を製造する工程

(8) 印刷

ア 印刷材料や印刷方法の種類と特徴

イ 各種の工具や機械などの操作

ウ 印刷の工程

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

を図るようにすること。その際,工業の見方・考え方を働かせ,

実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。

イ 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業

体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に

活用するなどの工夫に努めること。

ウ 〔指導項目〕の指導に当たっては,実験・実習を適切に取り入

れること。

(2) 2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)から(8)までについては,生徒や地域の実態

,学科の特色等に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うこと

ができること。

イ 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設

・設備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに

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Ⅱ - 292

,事故防止や環境保全の指導を徹底し,安全と衛生に十分配慮す

ること。また,排気,廃棄物や廃液などの処理についても,十分

留意すること。

〔流通・サービス〕

1 目 標

流通・サービスの見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活

動を行うことなどを通して,流通業やサービス業を通じ,地域や社会

の健全で持続的な発展に寄与する職業人として必要な資質・能力を次

のとおり育成することを目指す。

(1) 流通やサービスに関することについて理解するとともに,関連す

る技術を身に付けるようにする。

(2) 流通業やサービス業に関する課題を発見し,職業人に求められる

倫理観を踏まえ課題を解決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を

目指して自ら学び,社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を

養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項

目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 流通業やサービス業の概要

ア 流通業やサービス業の意義と役割

イ 流通業やサービス業の基礎

ウ 事務機器,機械や道具,コンピュータ等の情報機器の取扱い

(2) 商品管理

ア 商品管理業務の内容と特徴

イ 商品管理の方法

(3) 販売

[流通・サービス]

1 目 標

流通やサービスに関する基礎的・基本的な知識と技術の習得を図

り,それらの意義と役割の理解を深めるとともに,流通やサービス

に関する職業に必要な能力と実践的な態度を育てる。

2 内 容

(1) 流通やサービスについての興味・関心を高め,意欲的に実習を

する。

(2) 流通やサービスに関する基礎的・基本的な知識と技術を習得す

る。

(3) 事務機器,機械や道具,コンピュータ等の情報機器などの取扱

いや保管・管理に必要な知識と技術を習得し,安全や衛生に気を

付けながら実習をする。

(4) 次に示すような流通やサービスに関する分野に必要な知識と技

術を習得し,実際に活用する。

・商品管理

・販売

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Ⅱ - 293

ア 販売業務の内容と特徴

イ 販売の方法

(4) 清掃

ア 清掃業務の内容と特徴

イ 清掃の方法

(5) 事務

ア 事務業務の内容と特徴

イ 事務処理の方法

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

を図るようにすること。その際,流通・サービスの見方・考え方

を働かせ,実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。

イ 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業

体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に

活用するなどの工夫に努めること。

ウ 〔指導項目〕の指導に当たっては,実験・実習を適切に取り入

れること。

(2) 2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)から(5)までについては,生徒や地域の実態

,学科の特色等に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うこと

ができること。

イ 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設

・設備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに

,事故防止や環境保全の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意す

ること。また,排気,廃棄物や廃液などの処理についても,十分

留意すること。

・清掃

・事務

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Ⅱ - 294

〔福 祉〕

1 目 標

福祉の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うこ

となどを通して,福祉を通じ,地域や社会の健全で持続可能な福祉社

会の発展に寄与する職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成

することを目指す。

(1) 福祉に関することについて理解するとともに,関連する技術を身

に付けるようにする。

(2) 福祉に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ

課題を解決する力を養う。

(3) 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を

目指して自ら学び,社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を

養う。

2 内 容

1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項

目〕を指導する。

〔指導項目〕

(1) 社会福祉の概要

ア 社会福祉の意義と役割

イ 社会福祉サービスの基礎

ウ 福祉機器や用具,コンピュータ等の情報機器の取扱い

(2) 介護・福祉サービス

ア 介護の職務

イ 介護の基礎

(3) 介護を必要とする人

ア こころとからだの理解

イ 介護を必要とする人の理解

(4) 生活支援の技術

ア 生活支援の内容

[福 祉]

1 目 標

社会福祉に関する基礎的・基本的な知識と技術の習得を図り,社

会福祉の意義と役割の理解を深めるとともに,社会福祉に関する職

業に必要な能力と実践的な態度を育てる。

2 内 容

(1) 社会福祉についての興味・関心を高め,意欲的に実習をする。

(2) 社会福祉に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得する。

(3) 福祉機器や用具,コンピュータ等の情報機器などの取扱いや保

管・管理に必要な知識と技術を習得し,安全や衛生に気を付けな

がら実習をする。

(4) 次に示すような社会福祉に関する必要な分野の知識と技術を習

得し,実際に活用する。

・家事援助

・介護

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Ⅱ - 295

イ 生活支援の実践

3 指導計画の作成と内容の取扱い

(1) 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

ア 単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質

・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現

を図るようにすること。その際,福祉の見方・考え方を働かせ,

実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。

イ 地域や産業界との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業

体験活動を積極的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に

活用するなどの工夫に努めること。

ウ 〔指導項目〕の指導に当たっては,実験・実習を適切に取り入

れること。

(2) 2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 〔指導項目〕の(2)から(4)までについては,生徒や地域の実態

,学科の特色等に応じて,いずれか一つ以上を選択して扱うこと

ができること。

イ 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設

・設備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに

,事故防止などの指導を徹底し,安全と衛生に十分留意すること

第3款 指導計画の作成と各教科全体にわたる内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,個々の生徒の知的障害の状態,生活

年齢,学習状況及び経験等を考慮しながら,第1款及び第2款の各教

科の目標及び内容を基に,3年間を見通して,全体的な指導計画に基

づき具体的な指導目標や指導内容を設定するものとする。

2 個々の生徒の実態に即して,教科別の指導を行うほか,必要に応じ

て各教科,道徳科,特別活動及び自立活動を合わせて指導を行うなど

第3款 指導計画の作成と各教科全体にわたる内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,個々の生徒の知的障害の状態や経

験等を考慮しながら,実際に指導する内容を選定し,配列して,具

体的に指導内容を設定するものとする。

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Ⅱ - 296

,効果的な指導方法を工夫するものとする。その際,各教科等におい

て育成を目指す資質・能力を明らかにし,各教科等の指導内容間の関

連を十分に図るよう配慮するものとする。

3 個々の生徒の実態に即して,生活に結び付いた効果的な指導を行う

とともに,生徒が見通しをもって,意欲をもち主体的に学習活動に取

り組むことができるよう指導計画全体を通して配慮するものとする。

4 第1章第2節第1款の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,道徳

科などとの関連を考慮しながら,第3章特別の教科道徳に示す内容に

ついて,各教科の特質に応じて適切な指導をするものとする。

5 生徒の実態に即して学習環境を整えるなど,安全と衛生に留意する

ものとする。

6 生徒の実態に即して自立や社会参加に向けて経験が必要な事項を整

理した上で,指導するように配慮するものとする。

7 学校と家庭及び関係機関等とが連携を図り,生徒の学習過程につい

て,相互に共有するとともに,生徒が学習の成果を現在や将来の生活

に生かすことができるよう配慮するものとする。

8 生徒の知的障害の状態や学習状況,経験等に応じて,教材・教具や補

助用具などを工夫するとともに,コンピュータや情報通信ネットワー

クを有効に活用し,指導の効果を高めるようにするものとする。

2 個々の生徒の実態に即して,生活に結び付いた効果的な指導を行

うとともに,生徒が見通しをもって,意欲的に学習活動に取り組む

ことができるよう配慮するものとする。

3 「職業」及び「家庭」の指導計画の作成に当たっては,職業生活,

家庭生活に必要な実際的な知識,技能及び態度の形成に重点を置い

た指導が行われるよう配慮するものとする。

4 「家政」,「農業」,「工業」,「流通・サービス」及び「福祉」

の内容の取扱いについては,それぞれの教科の内容の(4)は,地域や

学校の実態などを考慮して適切な内容を選択し,重点的に取り扱う

ものとする。

5 生徒の実態に即して学習環境を整えるなど,安全に留意するもの

とする。

6 実習を行うに当たっては,施設・設備の安全管理に配慮し,学習

環境を整えるとともに,事故防止の指導を徹底し,安全と衛生に十

分留意するものとする。

7 家庭等との連携を図り,生徒が学習の成果を生かすことができる

よう配慮するものとする。

8 生徒の知的障害の状態や経験等に応じて,教材・教具や補助用具

などを工夫するとともに,コンピュータ等の情報機器などを有効に

活用し,指導の効果を高めるようにするものとする。

第3章 特別の教科 道徳(知的障害者である

生徒に対する教育を行う特別支援学校)

第1款 目標及び内容

第3章 道 徳(知的障害者である生徒に対する

教育を行う特別支援学校)

第1款 目標及び内容

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Ⅱ - 297

道徳科の目標及び内容については,小学部及び中学部における目標及

び内容を基盤とし,さらに,青年期の特性を考慮して,健全な社会生活を

営む上に必要な道徳性を一層高めることに努めるものとする。

第2款 指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,生徒や学校,地域の実態を十分考慮

し,中学部における道徳科との関連を図り,計画的に指導がなされる

よう工夫するものとする。

2 各教科,総合的な探究の時間,特別活動及び自立活動との関連を密

にしながら,経験の拡充を図り,豊かな道徳的心情を育て,将来の生

活を見据え,広い視野に立って道徳的判断や行動ができるように指導

するものとする。

3 内容の指導に当たっては,個々の生徒の知的障害の状態,生活年齢,

学習状況及び経験等に応じて,適切に指導の重点を定め,指導内容を

具体化し,体験的な活動を取り入れるなどの工夫を行うものとする。

道徳の目標及び内容については,小学部及び中学部における目標及び

内容を基盤とし,さらに,青年期の特性を考慮して,健全な社会生活を営

む上に必要な道徳性を一層高めることに努めるものとする。

第2款 指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては,生徒,学校及び地域の実態を十分

考慮し,中学部における道徳との関連を図り,計画的に指導がなさ

れるよう工夫するものとする。

2 内容の指導に当たっては,個々の生徒の知的障害の状態や経験等

に応じて,適切に指導の重点を定め,指導内容を具体化し,体験的

な活動を取り入れるなどの工夫を行うものとする。

3 道徳教育を進めるに当たっては,学校や学級内の人間関係及び環

境を整えるとともに,学校の道徳教育の指導内容が生徒の日常生活

に生かされるようにするものとする。また,保護者や地域の人々の

積極的な参加や協力を得るなど相互の連携を図るよう配慮するもの

とする。

第4章 総合的な探究の時間

総合的な探究の時間の目標,各学校において定める目標及び内容並び

に指導計画の作成と内容の取扱いについては,高等学校学習指導要領第

4章に示すものに準ずるほか,次に示すところによるものとする。

1 生徒の障害の状態や発達の段階等を十分考慮し,学習活動が効果的

に行われるよう配慮すること。

第4章 総合的な学習の時間

総合的な学習の時間の目標,各学校において定める目標及び内容並び

に指導計画の作成と内容の取扱いについては,高等学校学習指導要領第

4章に示すものに準ずるほか,次に示すところによるものとする。

1 生徒の障害の状態や発達の段階等を十分考慮し,学習活動が効果

的に行われるよう配慮すること。

Page 548: 特別支援学校高等部学習指導要領等 - mext.go.jp...Ⅰ-2。幼児期の教育及び義務教育の基礎の上に,高等部卒業以降の教育や職業,生活,生

Ⅱ - 298

2 体験活動に当たっては,安全と保健に留意するとともに,学習活動

に応じて,中学部又は中学校までの学習を踏まえ,高等学校の生徒な

どと交流及び共同学習を行うよう配慮すること。

3 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校において,

探究的な学習を行う場合には,知的障害のある生徒の学習上の特性と

して,学習によって得た知識や技能が断片的になりやすいことなどを

踏まえ,各教科等の学習で培われた資質・能力を総合的に関連付けな

がら,具体的に指導内容を設定し,生徒が自らの課題を解決できるよ

うに配慮すること。

2 体験活動に当たっては,安全と保健に留意するとともに,学習活

動に応じて,高等学校の生徒などと交流及び共同学習を行うよう配

慮すること。

第5章 特別活動

特別活動の目標,各活動・学校行事の目標及び内容並びに指導計画

の作成と内容の取扱いについては,高等学校学習指導要領第5章に示す

ものに準ずるほか,次に示すところによるものとする。

1 指導計画の作成に当たっては,生徒の少人数からくる種々の制約を

解消し,積極的な集団活動が行われるよう配慮する必要があること。

2 生徒の経験を広めて積極的な態度を養い,社会性や豊かな人間性を

育むために,集団活動を通して高等学校の生徒などと交流及び共同学

習を行ったり,地域の人々などと活動を共にしたりする機会を積極的

に設ける必要があること。その際,生徒の障害の状態や特性等を考慮

して,活動の種類や時期,実施方法等を適切に定めること。

3 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校において,

内容の指導に当たっては,個々の生徒の知的障害の状態,生活年齢,

学習状況及び経験等に応じて,適切に指導の重点を定め,具体的に指

導する必要があること。

第5章 特別活動

特別活動の目標,各活動・学校行事の目標及び内容並びに指導計画の

作成と内容の取扱いについては,高等学校学習指導要領第5章に示すも

のに準ずるほか,次に示すところによるものとする。

1 指導計画の作成に当たっては,生徒の少人数からくる種々の制約

を解消し,積極的な集団活動が行われるよう配慮する必要があるこ

と。

2 生徒の経験を広めて積極的な態度を養い,社会性や豊かな人間性

をはぐくむために,集団活動を通して高等学校の生徒などと交流及

び共同学習を行ったり,地域の人々などと活動を共にしたりする機

会を積極的に設ける必要があること。その際,生徒の障害の状態や

特性等を考慮して,活動の種類や時期,実施方法等を適切に定める

こと。

3 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校におい

て,内容の指導に当たっては,個々の生徒の知的障害の状態や経験

等に応じて,適切に指導の重点を定め,具体的に指導する必要があ

ること。

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Ⅱ - 299

第6章 自立活動

第1款 目 標

個々の生徒が自立を目指し,障害による学習上又は生活上の困難を主

体的に改善・克服するために必要な知識,技能,態度及び習慣を養い,も

って心身の調和的発達の基盤を培う。

第2款 内 容

1 健康の保持

(1) 生活のリズムや生活習慣の形成に関すること。

(2) 病気の状態の理解と生活管理に関すること。

(3) 身体各部の状態の理解と養護に関すること。

(4) 障害の特性の理解と生活環境の調整に関すること。

(5) 健康状態の維持・改善に関すること。

2 心理的な安定

(1) 情緒の安定に関すること。

(2) 状況の理解と変化への対応に関すること。

(3) 障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する意欲に関す

ること。

3 人間関係の形成

(1) 他者とのかかわりの基礎に関すること。

(2) 他者の意図や感情の理解に関すること。

(3) 自己の理解と行動の調整に関すること。

(4) 集団への参加の基礎に関すること。

4 環境の把握

(1) 保有する感覚の活用に関すること。

(2) 感覚や認知の特性についての理解と対応に関すること。

(3) 感覚の補助及び代行手段の活用に関すること。

第6章 自立活動

第1款 目 標

個々の生徒が自立を目指し,障害による学習上又は生活上の困難を主

体的に改善・克服するために必要な知識,技能,態度及び習慣を養い,も

って心身の調和的発達の基盤を培う。

第2款 内 容

1 健康の保持

(1) 生活のリズムや生活習慣の形成に関すること。

(2) 病気の状態の理解と生活管理に関すること。

(3) 身体各部の状態の理解と養護に関すること。

(4) 健康状態の維持・改善に関すること。

2 心理的な安定

(1) 情緒の安定に関すること。

(2) 状況の理解と変化への対応に関すること。

(3) 障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する意欲に関

すること。

3 人間関係の形成

(1) 他者とのかかわりの基礎に関すること。

(2) 他者の意図や感情の理解に関すること。

(3) 自己の理解と行動の調整に関すること。

(4) 集団への参加の基礎に関すること。

4 環境の把握

(1) 保有する感覚の活用に関すること。

(2) 感覚や認知の特性への対応に関すること。

(3) 感覚の補助及び代行手段の活用に関すること。

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Ⅱ - 300

(4) 感覚を総合的に活用した周囲の状況についての把握と状況に応じ

た行動に関すること。

(5) 認知や行動の手掛かりとなる概念の形成に関すること。

5 身体の動き

(1) 姿勢と運動・動作の基本的技能に関すること。

(2) 姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用に関すること。

(3) 日常生活に必要な基本動作に関すること。

(4) 身体の移動能力に関すること。

(5) 作業に必要な動作と円滑な遂行に関すること。

6 コミュニケーション

(1) コミュニケーションの基礎的能力に関すること。

(2) 言語の受容と表出に関すること。

(3) 言語の形成と活用に関すること。

(4) コミュニケーション手段の選択と活用に関すること。

(5) 状況に応じたコミュニケーションに関すること。

第3款 個別の指導計画の作成と内容の取扱い

1 自立活動の指導に当たっては,個々の生徒の障害の状態や特性及び

心身の発達の段階等の的確な把握に基づき,指導すべき課題を明確に

することによって,指導目標及び指導内容を設定し,個別の指導計画

を作成するものとする。その際,第2に示す内容の中からそれぞれに

必要とする項目を選定し,それらを相互に関連付け,具体的に指導内

容を設定するものとする。

2 個別の指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとす

る。

(1) 個々の生徒について,障害の状態,発達や経験の程度,興味・関

心,生活や学習環境などの実態を的確に把握すること。

(2) 生徒の実態把握に基づいて得られた指導すべき課題相互の関連を

検討すること。その際,これまでの学習状況や将来の可能性を見通

(4) 感覚を総合的に活用した周囲の状況の把握に関すること。

(5) 認知や行動の手掛かりとなる概念の形成に関すること。

5 身体の動き

(1) 姿勢と運動・動作の基本的技能に関すること。

(2) 姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用に関すること。

(3) 日常生活に必要な基本動作に関すること。

(4) 身体の移動能力に関すること。

(5) 作業に必要な動作と円滑な遂行に関すること。

6 コミュニケーション

(1) コミュニケーションの基礎的能力に関すること。

(2) 言語の受容と表出に関すること。

(3) 言語の形成と活用に関すること。

(4) コミュニケーション手段の選択と活用に関すること。

(5) 状況に応じたコミュニケーションに関すること。

第3款 指導計画の作成と内容の取扱い

1 自立活動の指導に当たっては,個々の生徒の障害の状態や発達の

段階等の的確な把握に基づき,指導の目標及び指導内容を明確にし,

個別の指導計画を作成するものとする。その際,第2款に示す内容

の中からそれぞれに必要とする項目を選定し,それらを相互に関連

付け,具体的に指導内容を設定するものとする。

2 個別の指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものと

する。

(1) 個々の生徒について,障害の状態,発達や経験の程度,興味・

関心,生活や学習環境などの実態を的確に把握すること。

(2) 実態把握に基づき,長期的及び短期的な観点から指導の目標を

設定し,それらを達成するために必要な指導内容を段階的に取り

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Ⅱ - 301

しながら,長期的及び短期的な観点から指導目標を設定し,それら

を達成するために必要な指導内容を段階的に取り上げること。

(3) 具体的な指導内容を設定する際には,以下の点を考慮すること。

ア 生徒が,興味をもって主体的に取り組み,成就感を味わうとと

もに自己を肯定的に捉えることができるような指導内容を取り

上げること。

イ 生徒が,障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服しよ

うとする意欲を高めることができるような指導内容を重点的に

取り上げること。

ウ 個々の生徒が,発達の遅れている側面を補うために,発達の進

んでいる側面を更に伸ばすような指導内容を取り上げること。

エ 個々の生徒が,活動しやすいように自ら環境を整えたり,必要

に応じて周囲の人に支援を求めたりすることができるような指

導内容を計画的に取り上げること。

オ 個々の生徒に対し,自己選択・自己決定する機会を設けること

によって,思考・判断・表現する力を高めることができるような

指導内容を取り上げること。

カ 個々の生徒が,自立活動における学習の意味を将来の自立や社

会参加に必要な資質・能力との関係において理解し,取り組める

ような指導内容を取り上げること。

(4) 生徒の学習状況や結果を適切に評価し,個別の指導計画や具体的

な指導の改善に生かすよう努めること。

(5) 各教科・科目,総合的な探究の時間及び特別活動(知的障害者で

ある教育を行う特別支援学校においては,各教科,道徳科,総合的

な探究の時間及び特別活動)の指導と密接な関連を保つようにし,

計画的,組織的に指導が行われるようにするものとする。

3 個々の生徒の実態に応じた具体的な指導方法を創意工夫し,意欲的

な活動を促すようにするものとする。

上げること。

(3) 具体的に指導内容を設定する際には,以下の点を考慮すること。

ア 生徒が興味をもって主体的に取り組み,成就感を味わうとと

もに自己を肯定的にとらえることができるような指導内容を取

り上げること。

イ 生徒が,障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服し

ようとする意欲を高めることができるような指導内容を重点的

に取り上げること。

ウ 個々の生徒の発達の進んでいる側面を更に伸ばすことによっ

て,遅れている側面を補うことができるような指導内容も取り

上げること。

エ 個々の生徒が,活動しやすいように自ら環境を整えたり,必

要に応じて周囲の人に支援を求めたりすることができるような

指導内容も計画的に取り上げること。

(4) 生徒の学習の状況や結果を適切に評価し,個別の指導計画や具

体的な指導の改善に生かすよう努めること。

3 指導計画の作成に当たっては,各教科・科目,総合的な学習の時

間及び特別活動(知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支

援学校においては,各教科,道徳,総合的な学習の時間及び特別活

動)の指導と密接な関連を保つようにし,計画的,組織的に指導が

行われるようにするものとする。

4 個々の生徒の実態に応じた具体的な指導方法を創意工夫し,意欲

的な活動を促すようにするものとする。

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Ⅱ - 302

4 重複障害者のうち自立活動を主として指導を行うものについては,

全人的な発達を促すために必要な基本的な指導内容を,個々の生徒の

実態に応じて設定し,系統的な指導が展開できるようにするものとす

る。その際,個々の生徒の人間として調和のとれた育成を目指すよう

に努めるものとする。

5 自立活動の指導は,専門的な知識や技能を有する教師を中心として

,全教師の協力の下に効果的に行われるようにするものとする。

6 生徒の障害の状態等により,必要に応じて,専門の医師及びその他

の専門家の指導・助言を求めるなどして,適切な指導ができるように

するものとする。

7 自立活動の指導の成果が進路先等でも生かされるように,個別の教

育支援計画等を活用して関係機関等との連携を図るものとする。

5 重複障害者のうち自立活動を主として指導を行うものについて

は,全人的な発達を促すために必要な基本的な指導内容を,個々の

生徒の実態に応じて設定し,系統的な指導が展開できるようにする

ものとする。

6 自立活動の時間における指導は,専門的な知識や技能を有する教

師を中心として,全教師の協力の下に効果的に行われるようにする

ものとする。

7 生徒の障害の状態により,必要に応じて,専門の医師及びその他

の専門家の指導・助言を求めるなどして,適切な指導ができるよう

にするものとする。

附 則

この告示は,平成 34 年4月1日から施行する。ただし,改正後の特別

支援学校高等部学習指導要領は,同日以降特別支援学校の高等部の第1

学年に入学した生徒に係る教育課程及び全課程の修了の認定から適用す

る。

附 則

1 この告示は,平成 25年4月1日から施行する。ただし,改正後の

特別支援学校高等部学習指導要領は,同日以降特別支援学校の高等部

の第1学年に入学した生徒に係る教育課程及び全課程の修了の認定か

ら適用する。

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Ⅲ.移行措置関係規定

○平成 31 年4月1日から新特別支援学校高等部学習指導要領が適用

されるまでの間における現行特別支援学校高等部学習指導要領の

特例を定める件(平成 31年文部科学省告示第 15号) ・・・・・・ 1

○平成 31 年4月1日から新高等学校学習指導要領が適用されるまで

の間における現行高等学校学習指導要領の特例を定める件(平成

30 年文部科学省告示第 172 号) ・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

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Ⅲ- 1

○文部科学省告示第十五号

学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)第百二十九条及び百三十三条の規定に基づ

き、平成三十一年四月一日から特別支援学校高等部学習指導要領(平成三十一年文部科学省告示第十

四号)が適用されるまでの間における特別支援学校高等部学習指導要領(平成二十一年文部科学省告

示第三十七号)の特例を次のように定める。

平成三十一年二月四日

文部科学大臣

柴山

昌彦

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Ⅲ- 2

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Ⅲ - 3

1 平成31年4月1日からの特例

平成31年4月1日から特別支援学校高等部学習指導要領(平成31年

文部科学省告示第14号。以下「新高等部学習指導要領」という。)が

適用されるまでの間における特別支援学校高等部学習指導要領(平成

21年文部科学省告示第37号。以下「現行高等部学習指導要領」という

。)の特例は次に定めるところによるものとする。

一 総則

(特別支援学校高等部の教育の基本と教育課程の役割等)

(1) 現行高等部学習指導要領第1章第1節,第2節第1款,第2款

第3,第3款,第4款(3(5)を除く。),第5款及び第6款の

規定にかかわらず,新高等部学習指導要領第1章第1節,第2節

第1款から第6款まで(第2款の3(1)のア,イ及びウの(ケ)(3

(1)のイの(ア)の○ウを除く。)を除く。)及び第8款の規定による

ものとする。

(視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対

する教育を行う特別支援学校の福祉に属する科目)

(2) 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒

に対する教育を行う特別支援学校の福祉に属する科目については

,現行高等部学習指導要領第1章第2節第2款第1の3(1)の表

福祉の欄中「福祉情報活用」とあるのは,「福祉情報活用,福祉

情報」とする。

(視覚障害者又は聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援

学校の主として専門学科において開設される各教科に属する科目)

(3) 視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校におけ

る保健理療に属する科目については,現行高等部学習指導要領第

1章第2節第2款第1の3(2)の表保健理療の欄中「課題研究」

とあるのは,「課題研究,保健理療情報」とする。

(4) 聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校におけ

る教科及び科目については,現行高等部学習指導要領第1章第2

節第2款第1の3(3)の表印刷の欄中「課題研究」とあるのは「

課題研究,印刷製版技術,DTP技術,印刷情報技術,デジタル

画像技術」と,同表理容・美容の欄中「課題研究」とあるのは「

課題研究,関係法規・制度,保健,香粧品化学,文化論,運営管

理,理容・美容情報」とする。

(総合的な探究の時間)

(5) 現行高等部学習指導要領第1章第2節第2款第1及び第2中「

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Ⅲ - 4

総合的な学習の時間」とあるのは,「総合的な探究の時間」とす

る。

(道徳教育に関する配慮事項)

(6) 道徳教育に関する配慮事項については,現行高等部学習指導要

領第1章第2節第4款の3(5)の規定にかかわらず,この告示の

第1項第1号の(1)から(5)まで及び(7)並びに現行高等部学習指

導要領第1章第2節第2款第1及び第2に示す事項に加え,新高

等部学習指導要領第1章第2節第7款の1から4までの規定に配

慮するものとする。この場合において,新高等部学習指導要領第

1章第2節第1款の2(2)中「第3章に掲げる特別の教科である

道徳(以下「道徳科」という。)を要として」とあるのは「特別

支援学校高等部学習指導要領(平成21年文部科学省告示第37号。

以下「平成21年特別支援学校高等部学習指導要領」という。)第

3章に掲げる道徳(第7款の2を除き,以下「道徳」という。)

の時間をはじめとして」と,同款の2(3)及び(4)並びに3並びに

同節第2款の3(2),第7款の1及び第8款の4中「道徳科」と

あるのは「道徳」と,同節第2款の3(4)カ中「道徳科の指導」

とあるのは「道徳の指導」と,「第3章に示す道徳科」とあるの

は「平成21年特別支援学校高等部学習指導要領第3章に示す道徳

」と,同節第7款の1中「公共」とあるのは「現代社会」と,「

第3章特別の教科道徳(知的障害者である生徒に対する教育を行

う特別支援学校)」とあるのは「平成21年特別支援学校高等部学

習指導要領第3章道徳(知的障害者である生徒に対する教育を行

う特別支援学校)」と,同款の2中「特別の教科である道徳」と

あるのは「道徳又は特別の教科である道徳」と読み替えるものと

する。

(視覚障害者又は聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援

学校の専攻科)

(7) 視覚障害者又は聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別

支援学校の専攻科における教科及び科目のうち標準的なものにつ

いては,現行高等部学習指導要領第1章第2節第7款の1の表保

健理療の欄中「課題研究」とあるのは「課題研究,保健理療情報

」と,同表理療の欄中「課題研究」とあるのは「課題研究,理療

情報」と,同表理学療法の欄中「課題研究」とあるのは「課題研

究,理学療法管理学,理学療法臨床実習,理学療法情報」と,同

表理容・美容の欄中「課題研究」とあるのは「課題研究,関係法

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Ⅲ - 5

規・制度,保健,香粧品化学,文化論,運営管理,理容・美容情

報」と,同表歯科技工の欄中「課題研究」とあるのは「課題研究

,歯科技工情報」とする。

二 各教科等

(視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒に対

する教育を行う特別支援学校の各教科及び各科目)

(1) 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒

に対する教育を行う特別支援学校の各教科の目標及び各科目の目

標と内容については,現行高等部学習指導要領第2章第1節第1

款の規定により準ずることとされる高等学校学習指導要領(平成

21年文部科学省告示第34号)第2章及び第3章に規定する各教科

の目標及び各科目の目標と内容によるものとし,平成30年文部科

学省告示第172号(平成31年4月1日から新高等学校学習指導要

領が適用されるまでの間における現行高等学校学習指導要領の特

例を定める件。以下「高等学校学習指導要領特例措置告示」とい

う。)第2項の(1)から(9)までの規定によるものとする。

(2) 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である生徒

に対する教育を行う特別支援学校の各教科の各科目に関する指導

計画の作成と内容の取扱いについては,現行高等部学習指導要領

第2章第1節第2款の規定にかかわらず,新高等部学習指導要領

第2章第1節第2款の規定によるものとする。

(視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の保健理療

(3) 視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の保健

理療に属する科目の指導に当たっては,現行高等部学習指導要領

第2章第1節第3款の規定にかかわらず,その全部又は一部につ

いて新高等部学習指導要領第2章第1節第3款の規定によること

ができる。

(視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の理療)

(4) 視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の理療

に属する科目の指導に当たっては,現行高等部学習指導要領第2

章第1節第4款の規定にかかわらず,その全部又は一部について

新高等部学習指導要領第2章第1節第4款の規定によることがで

きる。

(視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の理学療法

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Ⅲ - 6

(5) 視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の理学

療法に属する科目の指導に当たっては,現行高等部学習指導要領

第2章第1節第5款の規定にかかわらず,その全部又は一部につ

いて新高等部学習指導要領第2章第1節第5款の規定によること

ができる。

(聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の印刷)

(6) 聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の印刷

に属する科目の指導に当たっては,現行高等部学習指導要領第2

章第1節第6款の規定にかかわらず,その全部又は一部について

新高等部学習指導要領第2章第1節第6款の規定によることがで

きる。

(聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の理容・美

容)

(7) 聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の理容

・美容に属する科目の指導に当たっては,現行高等部学習指導要

領第2章第1節第7款の規定にかかわらず,その全部又は一部に

ついて新高等部学習指導要領第2章第1節第7款の規定によるこ

とができる。

(聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校のクリーニ

ング)

(8) 聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校のクリ

ーニングに属する科目の指導に当たっては,現行高等部学習指導

要領第2章第1節第8款の規定にかかわらず,その全部又は一部

について新高等部学習指導要領第2章第1節第8款の規定による

ことができる。

(聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の歯科技工

(9) 聴覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の歯科

技工に属する科目の指導に当たっては,現行高等部学習指導要領

第2章第1節第9款の規定にかかわらず,新高等部学習指導要領

第2章第1節第9款の規定によるものとする。

(知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校)

(10) 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の各

教科の指導に当たっては,現行高等部学習指導要領第2章第2節

の規定にかかわらず,その全部又は一部について新高等部学習指

導要領第2章第2節の規定によることができる。

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Ⅲ - 7

(総合的な探究の時間)

(11) 学校教育法施行規則の一部を改正する省令(平成31年文部科

学省令第3号)による改正後の学校教育法施行規則(昭和22年文

部省令第11号)第128条に規定する総合的な探究の時間の指導に

当たっては,新高等部学習指導要領第4章の規定によるものとす

る。

(特別活動)

(12) 特別活動の指導に当たっては,現行高等部学習指導要領第5

章の規定にかかわらず,新高等部学習指導要領第5章の規定によ

るものとする。

三 自立活動

自立活動の指導に当たっては,現行高等部学習指導要領第6章の規

定にかかわらず,新高等部学習指導要領第6章の規定によるものとす

る。

2 平成32年4月1日からの特例

平成32年4月1日から新高等部学習指導要領が適用されるまでの間

における現行高等部学習指導要領の特例は次に定めるところによるも

のとする。

一 総則

(道徳教育に関する配慮事項)

(1) 道徳教育に関する配慮事項については,現行高等部学習指導要

領第1章第2節第4款の3(5)の規定にかかわらず,この告示の

第1項第1号の(1)から(3)まで並びに現行高等部学習指導要領第

1章第2節第2款第1及び第2に示す事項に加え,新高等部学習

指導要領第1章第2節第7款の1から4までの規定に配慮するも

のとする。この場合において,新高等部学習指導要領第1章第2

節第1款の2(2)中「第3章に掲げる特別の教科である道徳(以

下「道徳科」という。)を要として」とあるのは「平成32年4月

1日前に特別支援学校高等部に入学した生徒(学校教育法施行規

則第135条第5項において準用する同令第91条の規定により同日

以降に入学した生徒で同日前に入学した生徒に係る教育課程によ

り履修するものを含む。)に係る教育課程については特別支援学

校高等部学習指導要領(平成21年文部科学省告示第37号。以下「

平成21年特別支援学校高等部学習指導要領」という。)第3章に

掲げる道徳(第7款の2を除き,以下「道徳」という。)の時間

をはじめとして,同日以降特別支援学校高等部に入学した生徒(

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Ⅲ - 8

学校教育法施行規則第135条第5項において準用する同令第91条

の規定により入学した生徒で同日前に入学した生徒に係る教育課

程により履修するものを除く。)に係る教育課程については第3

章に掲げる特別の教科である道徳(以下「道徳科」という。)を

要として」と,同款の2(3)及び(4)並びに3並びに同節第2款の

3(2)及び第7款の1中「道徳科」とあるのは「道徳又は道徳科

」と,同節第2款の3(4)カ中「道徳科の指導」とあるのは「道

徳又は道徳科の指導」と,「第3章に示す道徳科」とあるのは「

平成21年特別支援学校高等部学習指導要領第3章に示す道徳又は

第3章に示す道徳科」と,同節第7款の1中「公共」とあるのは

「現代社会」と,「第3章特別の教科道徳(知的障害者である生

徒に対する教育を行う特別支援学校)」とあるのは「平成21年特

別支援学校高等部学習指導要領第3章道徳(知的障害者である生

徒に対する教育を行う特別支援学校)又は第3章特別の教科道徳

(知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校)」と

,同款の2中「特別の教科である道徳」とあるのは「道徳又は特

別の教科である道徳」と,同節第8款の4中「道徳科」とあるの

は「道徳若しくは道徳科」と読み替えるものとする。

二 各教科等

(視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の理学療法

(1) 視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の理学

療法に属する科目の指導に当たっては,現行高等部学習指導要領

第2章第1節第5款の規定にかかわらず,新高等部学習指導要領

第2章第1節第5款の規定によるものとする。

(知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の道徳)

(2) 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の道徳

の指導に当たっては,現行高等部学習指導要領第3章の規定にか

かわらず,新高等部学習指導要領第3章の規定によるものとする

附 則

1 この告示中,第1項は平成31年4月1日から,第2項は平成32年4

月1日から施行する。ただし,第1項第2号の(1)の規定により準ず

ることとする高等学校学習指導要領特例措置告示第2項の(5)の規定

は,平成30年4月1日以降特別支援学校高等部に入学した生徒(学校

教育法施行規則第135条第5項において準用する同令第91条の規定に

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Ⅲ - 9

より入学した生徒で同日前に入学した生徒に係る教育課程により履修

するものを除く。)に係る教育課程及び全課程の修了の認定から適用

し,第1項第1号の(5)並びに第2号の(9)及び(11)の規定は,平成31

年4月1日以降特別支援学校高等部に入学した生徒(学校教育法施行

規則第135条第5項において準用する同令第91条の規定により入学し

た生徒で同日前に入学した生徒に係る教育課程により履修するものを

除く。)に係る教育課程及び全課程の修了の認定から適用し,第2項

第2号の規定は,平成32年4月1日以降特別支援学校高等部に入学し

た生徒(学校教育法施行規則第135条第5項において準用する同令第9

1条の規定により入学した生徒で同日前に入学した生徒に係る教育課

程により履修するものを除く。)に係る教育課程及び全課程の修了の

認定から適用する。

2 平成31年3月31日以前に特別支援学校高等部に入学した生徒(学校

教育法施行規則第135条第5項において準用する同令第91条の規定に

より同日後に入学した生徒で同日以前に入学した生徒に係る教育課程

により履修するものを含む。)に係る教育課程及び全課程の修了の認

定については,新高等部学習指導要領第1章第2節第1款,第2款,

第4款,第7款及び第8款並びに第4章の規定により準ずることとさ

れる高等学校学習指導要領(平成30年文部科学省告示第68号)第4章

中「総合的な探究の時間」とあるのは「総合的な学習の時間」と読み

替えるものとする。

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Ⅲ - 11

○文部科学省告示第百七十二号

学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)第八十四条及び第九十六条の規定に基づき

、平成三十一年四月一日から高等学校学習指導要領(平成三十年文部科学省告示第六十八号)が適用

されるまでの間における高等学校学習指導要領(平成二十一年文部科学省告示第三十四号)の特例を

次のように定める。

平成三十年八月三十一日

文部科学大臣臨時代理

国務大臣

松山

政司

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1 総則

(高等学校教育の基本と教育課程の役割等)

(1) 高等学校学習指導要領(平成21年文部科学省告示第34号)(以下

「現行高等学校学習指導要領」という。)第1章第1款,第4款,

第5款(3の(4)を除く。)及び第6款の規定にかかわらず,高等

学校学習指導要領(平成30年文部科学省告示第68号)(以下「新高

等学校学習指導要領」という。)第1章第1款から第6款まで(第

2款の3の(1),(2),及び(3)のコ並びに5(3の(2)のアの(ウ)を

除く。)を除く。)の規定によるものとする。

(福祉に属する科目)

(2) 福祉に属する科目については,現行高等学校学習指導要領第1章

第2款の3の表福祉の欄中「福祉情報活用」とあるのは,「福祉情

報活用,福祉情報」とする。

(総合的な探究の時間)

(3) 現行高等学校学習指導要領第2款及び第3款中「総合的な学習の

時間」とあるのは,「総合的な探究の時間」とする。

(通信制の課程における教育課程の特例)

(4) 通信制の課程における教育課程の特例については,次に定めると

ころによるものとする。

ア 現行高等学校学習指導要領第1章第7款の規定のうち「第1款

から第6款まで(第4款,第5款の1並びに第5款の4の(4)の

ア及びイを除く。)に定めるところによる」の部分にかかわらず,

現行高等学校学習指導要領第1章第2款及び第3款,新高等学校

学習指導要領第1章第1款,第2款の1,2,3の(2)のアの(ウ)

及び(5)から(7)まで((7)のエの(ア)及び(イ)を除く。)並びに4

並びに第3款から第6款まで並びにこの告示の第1項の(5)の規

定によること。

イ 現行高等学校学習指導要領第1章第7款の1から5までの規定

にかかわらず,新高等学校学習指導要領第1章第2款の5の(1)

から(6)までの規定によること。この場合において,新高等学校

学習指導要領第1章第2款の5の(3)中「理数に属する科目及び

総合的な探究の時間」とあるのは,「総合的な探究の時間」と読

み替えるものとする。

(道徳教育に関する配慮事項)

(5) 道徳教育に関する配慮事項については,現行高等学校学習指導要

領第1章第5款の3の(4)の規定にかかわらず,この告示の第1項

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の(1)から(4)まで並びに現行高等学校学習指導要領第1章第2款及

び第3款に示す事項に加え,新高等学校学習指導要領第1章第7款

の1から4までの規定に配慮するものとする。この場合において,

新高等学校学習指導要領第1章第7款の1中「公共」とあるのは「現

代社会」とし,第7款の2中「特別の教科である道徳」とあるのは,

「道徳又は特別の教科である道徳」と読み替えるものとする。

2 各教科等

(地理歴史)

(1) 地理歴史に属する科目の指導に当たっては,現行高等学校学習指

導要領第2章第2節第2款第3の2の(2)のアの(ア)及び第4の2の

(4)のアに規定する事項については,新高等学校学習指導要領第2

章第2節第2款第3の3の(2)のウ及び第4の3の(2)のクのうち領

土の画定に関する規定をそれぞれ適用するとともに,現行高等学校

学習指導要領第5の2の(1)のア及び第6の2の(2)のエに規定する

事項については,新高等学校学習指導要領第2章第2節第2款第1

の3の(2)のアの(ア)及び第2の3の(2)のアの(オ)のうち我が国の領

域をめぐる問題に関する規定をそれぞれ適用するものとする。

(公民)

(2) 公民に属する科目の指導に当たっては,現行高等学校学習指導要

領第2章第3節第2款第1の2の(2)のオに規定する事項について

は,新高等学校学習指導要領第2章第3節第2款第1の3の(3)の

カの(オ)のうち「国家主権,領土(領海,領空を含む。)」に関する

規定を適用するとともに,現行高等学校学習指導要領第2章第3節

第2款第3の2の(1)のイに規定する事項については,新高等学校

学習指導要領第2章第3節第2款第3の3の(2)のエの(イ)の規定を

適用するものとする。

(保健体育)

(3) 保健体育に属する科目の指導に当たっては,現行高等学校学習指

導要領第2章第6節の規定にかかわらず,その全部又は一部につい

て新高等学校学習指導要領第2章第6節の規定によることができ

る。

(芸術)

(4) 芸術に属する科目の指導に当たっては,現行高等学校学習指導要

領第2章第7節の規定にかかわらず,その全部又は一部について新

高等学校学習指導要領第2章第7節の規定によることができる。

(家庭)

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(5) 家庭に属する科目の指導に当たっては,現行高等学校学習指導要

領第2章第9節第2款第1の2の(2)のエに規定する事項に,新高

等学校学習指導要領第2章第9節第2款第1の2のCの(2)のアの

うち契約の重要性及び消費者保護の仕組みに関する規定に係る事項

を加え,新高等学校学習指導要領第2章第9節第2款第1の3の(2)

のウのうち(2)のアに関する規定を適用するとともに,現行高等学

校学習指導要領第2章第9節第2款第2の2の(3)のウ及び第3の

2の(2)のアに規定する事項に,高等学校学習指導要領第2章第9

節第2款第2の2のCの(2)のアの(イ)のうち契約の重要性及び消費

者保護の仕組みに関する規定に係る事項を加え,新高等学校学習指

導要領第2章第9節第2款第2の3の(2)のウのうち(2)のアの(イ)

に関する規定を適用するものとする。

(福祉)

(6) 福祉に属する科目の指導に当たっては,現行高等学校学習指導要

領第3章第8節の規定にかかわらず,その全部又は一部について新

高等学校学習指導要領第3章第8節の規定によることができる。

(体育)

(7) 体育に属する科目の指導に当たっては,現行高等学校学習指導要

領第3章第10節の規定にかかわらず,その全部又は一部について新

高等学校学習指導要領第3章第10節の規定によることができる。

(音楽)

(8) 音楽に属する科目の指導に当たっては,現行高等学校学習指導要

領第3章第11節の規定にかかわらず,その全部又は一部について新

高等学校学習指導要領第3章第11節の規定によることができる。

(美術)

(9) 美術に属する科目の指導に当たっては,現行高等学校学習指導要

領第3章第12節の規定にかかわらず,その全部又は一部について新

高等学校学習指導要領第3章第12節の規定によることができる。

(総合的な探究の時間)

(10) 学校教育法施行規則の一部を改正する省令の一部を改正する省

令(平成30年文部科学省令第28号)による改正後の学校教育法施行

規則の一部を改正する省令(平成30年文部科学省令第13号)による

改正後の学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第83条に

規定される総合的な探究の時間の指導に当たっては,新高等学校学

習指導要領第4章の規定によるものとする。

(特別活動)

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(11) 特別活動の指導に当たっては,現行高等学校学習指導要領第5

章の規定にかかわらず,新高等学校学習指導要領第5章の規定によ

るものとする。

附 則

1 この告示は平成31年4月1日から施行する。ただし,第2項の(5)

の規定は,平成30年4月1日以降高等学校(中等教育学校の後期課

程を含む。以下同じ。)に入学した生徒(学校教育法施行規則第91

条(同令第113条第1項で準用する場合を含む。以下同じ。)の規

定により入学した生徒で同日前に入学した生徒に係る教育課程によ

り履修するものを除く。)に係る教育課程及び全課程の修了の認定

から適用し,第1項の(3)及び第2項の(10)の規定は,施行日以降

高等学校に入学した生徒(学校教育法施行規則第91条の規定により

入学した生徒で同日前に入学した生徒に係る教育課程により履修す

るものを除く。)に係る教育課程及び全課程の修了の認定から適用

する。

2 平成31年3月31日以前に高等学校に入学した生徒(学校教育法施

行規則第91条の規定により同日後に入学した生徒で同日以前に入学

した生徒に係る教育課程により履修するものを含む。)に係る教育

課程及び全課程の修了の認定については,新高等学校学習指導要領

第1章第1款,第2款及び第4款並びに第5章中「総合的な探究の

時間」とあるのは,「総合的な学習の時間」と読み替えるものとす

る。

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