内用薬簡易懸濁時における l-ドパやメチルドパ 含有製剤と酸...

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YAMAKAMI HOSPITAL 内用薬簡易懸濁時におけるL-ドパやメチルドパ 含有製剤と酸化マグネシウムとの配合変化 鳴門山上病院薬 ○賀勢泰子,赤井友美,青山智子,三原由香里 徳島文理大学薬 石田志朗,丹田祥子,永井美穂,岡野善郎 日本薬学会第125 年会(東京) 平成17年3月29~31日

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  • YAMAKAMI HOSPITAL

    内用薬簡易懸濁時におけるL-ドパやメチルドパ含有製剤と酸化マグネシウムとの配合変化

    鳴門山上病院薬 ○賀勢泰子,赤井友美,青山智子,三原由香里

    徳島文理大学薬 石田志朗,丹田祥子,永井美穂,岡野善郎

    日本薬学会第125年会(東京) 平成17年3月29~31日

  • YAMAKAMI HOSPITAL

    1

    内服薬簡易懸濁時における色調の変化

    +重質酸化マグネシウム 670mg

    +マグミット®錠 330mg(酸化マグネシウム製剤)

    アルドメット®錠250(メチルドパ)

    マドパー ®錠( L-ドパ)

    メネシット®錠100( L-ドパ)

    L-ドパ,メチルドパ含有製剤と酸化マグネシム懸濁後の  着色の原因、有効成分含量の変化について検討

    L-ドパ,メチルドパ含有製剤単独

    懸濁2時間後

    【目的】

  • YAMAKAMI HOSPITAL

    2

    懸濁溶液の色調とpHの変化

    (pH9.6)

    (pH9.6)

    (pH9.6)

    (pH8.8)

    褐色

    (pH9.6)

    マグミット®錠330mg

    (pH8.7)

    (pH9.1)

    (pH9.6)

    (pH8.8)

    褐色

    (pH8.8)

    酸化マグネシウム330mg2時間後懸濁直後

    成分

    製剤

    製剤・成分

    (pH8.8)

    褐色

    (pH4.6)

    褐色

    (pH7.4)白

    メチルドパ250mg

    ――青

    (pH6.1)青

    メネシット®錠100

    (L-ドパ)

    ――橙

    (pH5.3)橙

    マドパー®錠

    (L-ドパ)

    ――白

    (pH4.2)白

    アルドメット®錠250

    (メチルドパ)

    (pH8.9)

    褐色

    (pH5.8)

    褐色

    (pH7.7)白L-ドパ 100mg

    水酸化ナトリウム

    (塩基性下)

    塩化マグネシウム

    880mg

    Control

    懸濁2時間後

  • YAMAKAMI HOSPITAL

    3

    0

    3

    6

    200 500 800

    酸化マグネシウム添加後のL-ドパの吸光度変化

    0

    3

    6

    200 500 800

    0

    3

    6

    200 500 800

    Control 重質酸化マグネシウム+EDTA 2.5mM

    重質酸化マグネシウム

    吸光

    波長(nm)

    添加後1時間、10~20分間隔で吸光度測定

    実験方法

    L-ドパ 0.5mM

    黒色に変色

    L-ドパ 0.5mMを調製 酸化マグネシウム懸濁液(+EDTA2.5mM)上清を添加

  • YAMAKAMI HOSPITAL

    4

    酸化マグネシウム添加後のメチルドパの吸光度変化

    0

    3

    6

    200 500 800

    0

    3

    6

    200 500 800

    0

    3

    6

    200 500 800

    波長(nm)

    吸光

    度吸

    光度

    Control 重質酸化マグネシウム+EDTA 2.5mM

    重質酸化マグネシウム

    メチルドパ 0.5mM

    黒色に変色

    添加後1時間、10~20分間隔で吸光度測定

    実験方法

    メチルドパ 0.5mMを調製

    重質酸化マグネシウム懸濁液(+EDTA2.5mM)上清を添加

  • YAMAKAMI HOSPITAL

    5

    塩化マグネシウム添加後のL-ドパの吸光度変化

    0

    1

    2

    200 500 800

    0

    1

    2

    200 500 800

    0

    1

    2

    200 500 800

    吸光

    吸光

    度吸

    光度

    波長(nm)

    Control 1:1 1:5

    L-ドパ 0.5mM L-ドパ:塩化マグネシウム濃度比

    添加後1時間、10~20分間隔で吸光度測定

    実験方法

    pH6.2 Bis-Tris 緩衝液でL-ドパ 0.5mMを調製

    塩化マグネシウムを添加

  • YAMAKAMI HOSPITAL

    6

    塩化マグネシウム添加後のメチルドパの吸光度変化

    0

    1

    2

    200 500 800

    0

    1

    2

    200 500 800

    0

    1

    2

    200 500 800

    波長(nm)

    吸光

    吸光

    度吸

    光度

    Control 1:1 1:5

    メチルドパ 0.5mM メチルドパ:塩化マグネシウム濃度比

    添加後1時間、10~20分間隔で吸光度測定

    実験方法

    pH6.2 Bis-Tris 緩衝液でメチルドパ 0.5mMを調製

    塩化化マグネシウムを添加

  • YAMAKAMI HOSPITAL

    7

    酸化マグネシウム懸濁後の製剤中L-ドパの含量変化

    ●Control●重質酸化マグネシウム 330mg●マグミット®錠 330mg 1錠 

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    0 30 60 90 120

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    0 30 60 90 120

    マドパー®錠メネシット®錠100

    時間(min)

    L-ド

    パ含

    量(%

    時間(min)

  • YAMAKAMI HOSPITAL

    8

    酸化マグネシウム懸濁後の製剤中メチルドパの含量変化

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    0 30 60 90 120

    メチ

    ルド

    パ含

    量(%

    アルドメット®錠250

    時間(min)

    ●Control●重質酸化マグネシウム 330mg ●マグミット®錠 330mg 1錠

     温湯(約55℃)30mL

      +L-ドパ゚、メチルドパ錠剤 1錠

        懸濁

      +酸化マグネシウム

        懸濁

     経時的に懸濁液100μL採取

      +pH2.1リン酸緩衝液1.4mL添加

        遠心

     上清をHPLCへ(30μLinjection)

    カラム:WakosilⅡ-5C18HG 4φ×250mm

    検出:UV280nm溶離液:0.01M NaH2PO4(pH3.5)流速:1.0mL/min

    実験方法

    HPLC条件

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    9

    各懸濁液中のL-ドパまたはメチルドパの含量%

    懸濁2時間後

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    メネシット

    ®錠100

    マドパー

    ®錠

    アルドメット

    ®錠250

    メネシット

    ®錠100

    マドパー

    ®錠

    アルドメット

    ®錠250

    L-ドパまたはメチルドパ

    含量%

    マグミット®錠330mg

    重質酸化マグネシウム330mg

  • YAMAKAMI HOSPITAL

    10

    J

    JJ J J J J J J JJ J J J J J

    JJJ

    J J J J J J J J J J J J J

    9.8

    10.2

    10.6

    11.0

    11.4

    0 30 60 90 120

    マグミット®錠330mg

    重質酸化マグネシウム 330mg

    酸化マグネシウム懸濁後のpH変化

    (崩壊性・分散性 良好)

     (分散性 不良)

    pH

    時間 (min)

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    簡易懸濁時における対策

    経管チューブより投与

    重質酸化マグネシウムマグミット®錠

    配合・懸濁を避けて,別途に20mL温湯に懸濁

    メネシット®錠

    マドパー ®錠

    アルドメット®錠

    重質酸化マグネシウムマグミット®錠

    懸濁液 懸濁液

    3~5分後

    メネシット®錠

    マドパー ®錠

    アルドメット®錠

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    色調・吸光度変化のまとめと考察

    メネシット®錠,マドパー®錠,アルドメット®錠と酸化マグネシウム懸濁後の色調や吸光度の変化

    1)EDTA添加時にも同様の色調や吸光度の変化を示した。

    2)各製剤に酸化マグネシウムに代わる塩化マグネシウムの添加では,同様の色調や吸光度の変化は認められなかった。

    1), 2)よりL-ドパ,メチルドパとマグネシウムとのキレート形成の可能性は低いと考えられる。

    3)各製剤に水酸化ナトリウム添加では,同様の色調変化が認められた。

     以上の結果,色調や吸光度の変化は,酸化マグネシウムの アルカリ化によるL-ドパ,メチルドパの分解に起因することが示唆された。

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    含量低下のまとめと考察

    メネシット®錠,マドパー®錠,アルドメット®錠に酸化

    マグネシウム(特にマグミット®錠)配合後のL-ドパ,

    メチルドパの含量低下による薬効への影響が懸念

    された。

    マグミット®錠懸濁後のL-ドパ,メチルドパの低い  

    含量%は,重質酸化マグネシウムより良好な分散性

    による高いpH維持が一因と推察された。

    簡易懸濁法における配合変化は未だ情報が不十分

    なため,今後詳細な検討が必要である。

    内用薬簡易懸濁時におけるL-ドパやメチルドパ含有製剤と酸化マグネ...内服薬簡易懸濁時における色調の変化懸濁溶液の色調とpHの変化酸化マグネシウム添加後のL-ドパの吸光度変化酸化マグネシウム添加後のメチルドパの吸光度変化塩化マグネシウム添加後のL-ドパの吸光度変化塩化マグネシウム添加後のメチルドパの吸光度変化酸化マグネシウム懸濁後の製剤中L-ドパの含量変化酸化マグネシウム懸濁後の製剤中メチルドパの含量変化各懸濁液中のL-ドパまたはメチルドパの含量%酸化マグネシウム懸濁後のpH変化簡易懸濁時における対策色調・吸光度変化のまとめと考察メネシット®錠,マドパー®錠,アルドメット®錠と酸化マグネシウム...1)EDTA添加時にも同様の色調や吸光度の変化を示した。2)各製剤に酸化マグネシウムに代わる塩化マグネシウムの ...    1), 2)よりL-ドパ,メチルドパとマグネシウ...3)各製剤に水酸化ナトリウム添加では,同様の色調変化が認めら... 以上の結果,色調や吸光度の変化は,酸化マグネシウムの アルカ...

    含量低下のまとめと考察メネシット®錠,マドパー®錠,アルドメット®錠に酸化マグネシウム...マグミット®錠懸濁後のL-ドパ,メチルドパの低い  含量%は,重...