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倶知安町地域公共交通総合連携計画 平成21年3月 倶知安町

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Page 1: 倶知安町地域公共交通総合連携計画 - MLIT€¦ · 倶知安町民の生活交通需要が生まれる各居住地と生活交通が集まる中心 市街地において公共交通を確保する。

倶知安町地域公共交通総合連携計画

平成21年3月

倶知安町

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目 次

1.地域公共交通の活性化及び再生の総合的かつ一体的な推進に関する基本的な方針................................... 2

2.計画の区域.............................................................................................................................. ......................................................... 5

3.計画の目標.............................................................................................................................. ......................................................... 6

4.目標を達成するために行う事業及びその実施主体に関する事項...........................................................................10

5.計画期間.............................................................................................................................. ............................................................15

6.その他計画の実施に関し倶知安町が必要と認める事項 ............................................................................................15

第1章 現況交通実態.............................................................................................................................. .........................................16

第2章 利用者ニーズ・移動特性.............................................................................................................................. ....................29

第3章 路線バス乗降実態調査.............................................................................................................................. ......................31

第4章 福祉ハイヤーの利用実態調査 .............................................................................................................................. ........59

第5章 事業所等ヒアリング調査.............................................................................................................................. .....................83

第6章 乗合いタクシー体験調査.............................................................................................................................. ....................94

第7章 倶知安町における公共交通の課題と可能性........................................................................................................ 108

第8章 事業化方策の検討 .............................................................................................................................. ............................ 119

1.倶知安町地域公共交通活性化協議会委員名簿......................................................................................................... 123

2.倶知安町地域公共交通活性化協議会規約................................................................................................................... 124

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第Ⅰ部 倶知安町地域公共交通総合連携計画

この計画は、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(平成19年法律第

59号)第6条に基づいて設置された倶知安町地域公共交通活性化協議会におけ

る協議を経て、同法第5条による地域公共交通総合連携計画として倶知安町が作

成したものである。

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1.地域公共交通の活性化及び再生の総合的かつ一体的な推進に関する基本的な方針

本計画では、倶知安町における地域公共交通の活性化・再生を目的として、以

下の方針を設定する。

倶知安町民の生活に欠かせない移動手段を確保することが望ましい地域に

おいて、町内の各地域の移動需要や地域資源の特性に配慮した、持続可能性の

高い公共交通を確保する。

① 公共交通を確保するエリア

倶知安町民の生活交通需要が生まれる各居住地と生活交通が集まる中心

市街地において公共交通を確保する。

② 地域特性にあわせた公共交通の確保

ある程度の移動需要が集約できる地域内、あるいは、地域間においては

乗合公共交通を確保する。

それ以外の地域は、特に移動支援が必要な高齢者・障がい者の個別の移

動に対して助成を行う(乗合公共交通でサービスが可能な地区の移動支援

の方法は再構築を行う)。

③ 広域交通との連携の確保

倶知安町内の公共交通は、倶知安駅で広域交通に接続させ、広域交通と

の連携を図る。

方針の設定意義

◆ 地域特性や地域資源にあわせ、適材適所となる公共交通を配置することで、町民の移

動特性・需要に応じた公共交通体系をつくり、持続可能なモビリティを確保し、公共

交通の利用促進につなげる。

◆ 広域交通との連携を行うことにより、広域からの通学生等やリゾート地域への来訪者

と中心部の移動性を向上させ、町の活性化につなげる。

◆ 持続可能な公共交通とするため、地域住民が利用し、責任を持って育んでいく仕組み

をつくる。

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倶知安町民の生活の中心エリアであり、短距離ではあるが、買物や通院、通

学、通勤、ビジネスの移動が多く発生する中心部において、施設間を結ぶ小型

乗合公共交通の導入を検討する。

① 乗合公共交通を運行するエリア

倶知安町民の生活交通の主な目的施設である厚生病院や店舗、駅、業務

施設が集まり、また、広域から通学需要がある倶知安高校・倶知安農業高

校の施設が集まる中心市街地とする。

② 乗合公共交通の利用者

倶知安町民や町外からの通学生を対象とする。特に、歩くには少し遠い

病院と店舗間や駅と業務施設間等の利用者需要を想定する。

③ 広域交通との連携の確保

倶知安駅で広域交通に接続させる。

方針の設定意義

◆ これまで福祉ハイヤー・福祉バスの制度により高齢者に限られていた中心部の公共交

通の移動手段を、乗合交通の導入により、倶知安町民全体に加え、通学生や来訪者に

広く拡大し、環境にも良い公共交通の分担率を増やす。

◆ 歩くには少し遠い中心部の施設間の移動連絡を支援することにより、中心部内の人の

移動を活発にさせ、中心市街地活性化に結びつける。

◆ 小型乗合車両を活用した輸送形態などにより、高頻度・低運賃の輸送を目指し、町民

や通学生、来訪者に便利なサービスを提供し、移動支援をおこなう。

◆ 小型乗合公共交通は、高齢者等の乗降支援サービスを行うヘルパーの同乗を検討し、

利用者にやさしい交通システムとする。

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一定のスクール利用以外の生活交通需要は小規模だが、倶知安町中心部から

の距離があり、乗合い型公共交通が必要なエリアにおいて、現行のスクールバ

スを活用し、一般町民が混乗する形での運行を検討する。

① スクールバスを活用するエリア

現在、スクールバスと町内で完結する路線バスが運行されている地域で、

集落が分散しているため、路線バスの需要が限られる地域とする。

また、スクールバスは運行されているが、路線バスが運行されていない

地域も対象とする。

② 乗合公共交通の利用者

倶知安町民の生活交通を対象とする。

③ 確保するサービス水準

スクールバスとしての運行時間・路線を優先するが、スクールバスの起

点終点である学校より延伸して倶知安町中心部まで運行するものとする。

方針の設定意義

◆ 生活交通需要だけでは乗合いバス需要を満たさない分散型集落地域においてスクール

バスを活用することにより、持続可能な公共交通を確保する。

倶知安駅を起点とする広域の公共交通やリゾート地域交通との連携を図る

とともに、町民や来訪者にとって使いやすいバスの仕組みづくりを行う。

① 対象とする公共交通

JR函館本線、倶知安駅を発着するバス交通、および、今後導入を予定す

る公共交通全体

② 対象とする利用者

倶知安町民、倶知安町内施設利用者、リゾート地域来訪者

方針の設定意義

◆倶知安町内の移動に加え、広域からの来訪者向けに乗継ぎ時の円滑化を図り、また、情

報提供を図ることにより、幅広い層の公共交通利用促進につなげる。

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2.計画の区域

・この計画は、倶知安町をその区域とする。

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3.計画の目標

基本方針1で設定した、生活に欠かせない移動を乗合公共交通によって確保

することが望ましい地域において、引き続き公共交通の維持を図っていく。

また、基本方針1で示した、地域特性、地域資源に応じた運営・運行形態と

して、以下を行っていく。

・広域の路線バスが運行されている地域間は路線バス運行を維持する。

・倶知安町中心部では短距離・高頻度の移動特性に合わせた小型乗合交通を、

町民が参加する経営形態により導入する。

・スクールバス運行区間は、利用する生徒の安全確保に留意しながら、一般客

の公共交通として活用する。

・車両には、不審者等からの生徒への被害を防止するためのイラストや標語の

ステッカーを貼り付ける。

・福祉ハイヤーのみのサービス地域は福祉ハイヤー制度を維持するが、他の地

域では制度の再構築を行う。

① 地域に適した運営・運行形態による移動手段の確保

(未実施) 制度化(運用)済み

地域特性にあわせた持続可能な公共交通導入目標

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基本方針2で設定した、短距離ではあるが、買物や通院、通学、通勤、ビジ

ネスの移動が多く発生する中心部において、短距離・高頻度・低運賃の小型乗

合公共交通の導入を行う。

・確保するサービス水準として、町民の生活交通や広域の通学交通が発生する

時間帯において、小型乗合車両を用いて 30 分から 1 時間に 1 本程度のサー

ビスを確保する。できるだけ低運賃・高頻度を目指す。

・新たな公共交通として導入する小型乗合公共交通の利用促進を行う。

① 中心部における利便性の高い小型乗合公共交通の運行

(未実施) 制度化(運用)済み

中心部における小型乗合公共交通運行のイメージ

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基本方針3で設定した、一定のスクール利用以外の生活交通需要は小規模だ

が、倶知安町中心部からの距離があり、乗合型公共交通が必要な次の地域にお

いて、現行のスクールバスを活用し、一般町民が混乗する形での運行を検討す

る。

・市街地より北に位置し、中心部から 7~8km先まで、集落が分散して立地す

る大和線地区(琴平・瑞穂・高見・末広・出雲・扶桑・大和)

また、路線バスは運行していないがスクールバスが運行している地区(富士

見、巽、豊岡)においても一般町民が混乗する形での運行を検討する。

① スクールバス混乗による移動手段の確保

(未実施) 制度化(運用)済み

スクールバス活用のイメージ

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基本方針4で設定した、広域交通との連携や公共交通との仕組みづくりの方

針を踏まえ、公共交通相互の乗継ぎに配慮したダイヤの設定を行う。また、町

民や来訪者に公共交通の運行情報提供を行い、主要なバス停では上屋整備など

バス待ち環境の向上を行う。

・公共交通乗継ぎに配慮したダイヤ設定

・公共交通運行情報の提供

・バス待ち環境の向上(主要なバス停の上屋整備等)

① 公共交通乗継ぎに配慮したダイヤ設定

(未実施) 制度化(運用)済み

② 公共交通運行情報の提供

公共交通事業者単位で個別に実施 倶知安町関係公共交通を統合的に実施

③ バス待ち環境の向上

(未実施) 主要バス停での上屋整備

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4.目標を達成するために行う事業及びその実施主体に関する事項

○事業1 中心部における小型乗合交通の導入(目標1,2)

事業対象:町の中心部

実施主体:

運営主体は、平成21年度は倶知安町を含む事業7で検討した運営主体とし、平成22年度以降

は事業7で検討する運営主体とする。

運行事業者は、(有)美空ハイヤー、倶知安ハイヤー(株)等とする。

事業内容:

倶知安町中心部における短距離・高頻度・低運賃需要に対応する小型乗合交通を導入する。

確保するサービス水準として、町民の生活交通や広域の通学交通が発生する時間帯におい

て、小型乗合車両を用いて、30分~1時間に1本程度のサービスを確保する。

運営主体については、地域特性に適した持続可能な公共交通を確保するために、町民が参加

する運営形態を構築し(事業7と連携)、利用促進のための情報提供(事業4と連携)や乗り

方教室を実施する(事業6と連携)。

実証運行に際しては、運営主体の検討、料金制度の検討や事前PRを行い、運行ルートや運

行頻度、運行方法等について適宜評価・改善し、本格運行を目指す。

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平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度~項 目

実施検討

本格運行、評価・改善

実証運行、評価・改善

図.倶知安町中心部における小型乗合交通ルート案

※運行ルートは、①番から⑲番まで順番に、 8の字 を描くようにまわる。

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○事業2 スクールバスへの混乗方式の導入(目標1,3)

事業対象:スクールバスの運行地域

実施主体:

倶知安町教育委員会、スクールバス事業運行受託者

事業内容:

通学以外の生活交通需要は小規模だが、町中心部から距離があり、乗合公共交通が必要な地

域において、現行のスクールバスを活用し、一般町民が混乗できるようにする。

主な対象地区は、大和線地区(琴平・瑞穂・高見・末広・出雲・扶桑・大和)や富士見・巽・

豊岡等とする。

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平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度~項 目

本格運行、評価・改善

実証運行、評価・改善

実施検討

○事業3 福祉ハイヤー・バス制度の再構築(目標1)

事業対象:町全体

実施主体:

倶知安町、(有)美空ハイヤー、倶知安ハイヤー(株)、道南バス(株)、ニセコバス(株)

事業内容:

中心部における小型乗合交通の導入等により、乗合型公共交通の利用機会が増大するため、

福祉ハイヤー・バス制度の再構築を行う。

再構築の検討に際しては、ドア・トゥ・ドアの福祉ハイヤーと定ルートを運行する乗合交通

のサービスの違いに細心の注意を払い、実証運行の結果を踏まえて検討する。また、町民との

意見交換を行い、地域全体としての公共交通サービス水準の向上、および経済的効率化を同時

に達成できるように検討する。

平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度~

項 目

再構築検討、協議

本格実施、評価・改善

再構築検討、説明会

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○事業4 公共交通運行情報の提供(目標1,4)

事業対象:町の公共交通全体

実施主体:

事業7で検討された運営主体、倶知安町、道南バス(株)、ニセコバス(株)ほか

事業内容:

広域交通と連携し使いやすい公共交通とするため、公共交通相互の乗継ぎに配慮したダイヤ

の設定を行い、倶知安町に関係するすべての公共交通の運行情報を統合して提供することによ

り、地域公共交通の利用促進を図る。

また、地域情報をあわせて発信し、地域全体の活性化を支援する。

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図.公共交通のりかえマップのイメージ

平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度~項 目

本格実施、評価・改善

試験的実施、評価・改善

情報提供方法検討

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5.計画期間

この計画は、平成21年度から5年間とし、必要に応じ計画を変更する。

6.その他計画の実施に関し倶知安町が必要と認める事項

この計画に定める各事業については、倶知安町地域公共交通活性化協議会にお

いて連絡調整を行いつつ、実施するものとする。