米国特許情報検索ミニガイド...2 1.データベースへのアクセス...
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作成日:2012年1月15日
米国特許情報検索ミニガイド
目 次
1.データベースへのアクセス ...................................................................................... 2
2.特許の検索方法 ..................................................................................................... 3
2.1. 検索例① 番号検索(公報番号による検索から、公報の入手まで) ...... 3
2.2. 検索例② 番号検索(出願番号) ............................................................... 5
2.3. 検索例③ キーワード検索 .......................................................................... 7
2.4. 検索例④ 分類検索 ..................................................................................... 10
2.5. 検索例⑤ 権利譲渡の確認 ........................................................................ 11
2.6. 検索例⑥ FileWrapper(包袋/経過情報書類)の入手 .................. 13
2.7. 検索例⑦ 米国の意匠公報について ....................................................... 15
3.補足 ......................................................................................................................... 17
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1.データベースへのアクセス
米国特許を収録したデータベース(DB)としては、無料・有料(商用)を含めて非常に
多くの情報源が存在する。このミニガイドでは原則無料、かつ過去数年間にわたり安定運
用されているDBを列挙する。
◆米国特許商標局が運用するDB
1.1. USPTO Patent Fulltext Database (PatFT/AppFT)
1.1.1.運営母体 米国特許商標局 (US Patent & Trademark Office)
1.1.2.URL http://patft.uspto.gov/ (英語のみ)
1.1.3.米国特許(意匠特許含む)公報を検索・閲覧できるデータベースである。登録系公報
は PatFT、公開系は AppFT と、アクセス先が異なる。また登録系と公開系の同時検
索はできない点にも注意したい。
1.2. PublicPair
1.2.1.運営母体 米国特許商標局 (US Patent & Trademark Office)
1.2.2.URL http://portal.uspto.gov/external/portal/pair (英語のみ)
1.2.3.米国特許の経過情報閲覧、審査経過書類入手(公開を経た出願のみ)、年金支払状況
等を確認できるデータベースである。
1.3. Assignments on the Web
1.3.1.運営母体 米国特許商標局 (US Patent & Trademark Office)
1.3.2.URL http://assignments.uspto.gov/assignments/q (英語のみ)
1.3.3.米国特許及び商標の譲渡状況確認データベースである。
◆その他のデータベース
1.4. Espacenet
1.4.1.運営母体 欧州特許庁(EPO)
1.4.2.URL http://worldwide.espacenet.com/?locale=jp_EP
(日本語画面。データ内容は英語)
http://worldwide.espacenet.com/ (英語)
1.4.3.特徴 各国公報をパテントファミリー単位で収録するDBであり、米国特許公報
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(公開・登録)を検索・閲覧できる。米国登録特許と米国公開特許とを同時に検索す
る事も可能。
1.5. Google Patents
1.5.1.運営母体 Google Inc.
1.5.2.URL http://www.google.co.jp/patents (英語のみ)
1.5.3.特徴 民間の検索サービス会社が運営する米国特許DB。意匠特許も検索可能。近
年、Google 社は米国特許商標局と協力関係にあり、米国特許の一括ダウンロードデ
ータも提供している。(http://www.google.com/googlebooks/uspto.html)
2.特許の検索方法
2.1. 検索例① 番号検索(公報番号による検索から、公報の入手まで)
ほとんどのデータベースで、検索・詳細表示に続いて公報イメージデータの入手が可能で
ある。但し、入手手順・ファイル形式はデータベースにより異なっている。
データベースの種類・手順・ファイル形式を下記にまとめる。
データベース名 認証※ ファイル形式 保存ファイル名と様式
USPTO PatFT / AppFT 不要 TIFF (公報番号-ページ番号).tif
公報1頁分/1ファイル
Espacenet 要 PDF (公報番号).pdf
公報1件分/1ファイル
Google Patents 不要 PDF (発明の名称).pdf
公報1件分/1ファイル
※認証 公報入手時に、指定文字列の入力が必須か否か
USPTO の PatFT / AppFTで入手できるデータは、公報1頁/1ファイルの TIFF形式であり、
実用的とは言いがたい。Espacenet、Google Patents は公報1件分/1ファイルの PDF 形
式である。
ここでは、Espacenet による番号検索と公報入手手順について説明する。
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2.1.1. データベースへのアクセス
日本語インタフェース http://worldwide.espacenet.com/?locale=jp_EP にアクセス。(英語
インタフェースでも、基本操作は共通である) 番号検索の可能な検索メニューは、
SmartSearch、高度の検索、番号検索の3種類である。ここでは番号検索の例を示す。
2.1.2. 番号検索の方法
Espacenet での検索例を示す。Espacenet は多くの国の公報を収録しているため、米国の公
報を入手する際には「国コード」による識別が必要である。入力形式は下記の通り。
例) 米国登録特許 US8012345 (US+連続番号7桁)
米国公開特許 US2011012345 (US+西暦4桁+連続番号6桁)
「番号」欄に番号を入力し、検索する。Espacenet の番号検索では、番号の種類(出願/
公開/登録)の入力は不要である。
検索実行後、公報情報の欄を確認。入力した番号がヒットしていれば、「発明の名称」をク
リック。内容確認する。
なお、Espacenet の番号検索は番号の種類を区別せず、「公報番号・出願番号・優先権主張
番号」を一括して検索する。このため、1件の公報番号を入力したにもかかわらず、複数
件の検索結果が表示されるケースがある。この場合は「公報情報」の欄でヒットを確認す
るが、それでも特定できない場合(同一の優先権主張番号で、複数の公報がヒットした場合
等)には、発明の名称・出願人や、詳細表示の内容などから、目的の公報を特定する。
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2.2.1. 検索上の留意点
米国特許出願番号は、一般的に nn/nnnnnn の形式で表記される。後半の nnnnnn(6桁)
が連続番号で、1からスタートし 999999 で終了、次は1から再スタートする。前半の nn/
は「シリーズコード」と呼ばれる2桁の数字であり、連続番号部の使用が何周目かを示す
ものである。例えば出願番号 01/999999 の次は、02 のサイクルとなり、出願番号 02/000001
となる。
本検索例では、連続番号「792018」のみ判明し、サイクルが不明である。このような場
合は、USPTO の PatFT で検索し、該当が見当たらなければ AppFT で再度検索する、という
手順が妥当と考えられる(Espacenet での検索では、原則シリーズ番号が必要となるため)。
2.2.2. データベースへのアクセス
USPTOの PatFT にアクセスする。(http://patft.uspto.gov/)
検索は、Quick Search, Advanced Search で可能。ここでは Quick Search の例で説明する。
2.2.3. 出願番号の入力と検索
Quick Search 画面では、Term1に出願番号(連続番号部)を入力。Field は Application
Serial Number を選択し、検索する。
2.2.4. 内容の確認
日本語の資料では「Deborah L. Acker 及び Thomas E. Creamer による米国特許出願第79
2018号、"Multi-processor systems used as an AIN system"で見い出される。」とあ
り、発明者名及び発明の名称が記載されている。この記載をヒントに、該当の米国特許公
報を特定すればよい。
2.2.5. 補足
USPTO の PatFT / AppFT では、シリーズコードを指定した検索はできない。このため
Application Serial Number のみで検索すると、通常複数の公報番号がヒットする。「1件
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書誌事項、全文テキスト、公報イメージ(PDFファイル)、引用情報
法的状況、パテントファミリー情報
2.4. 検索例④ 分類検索
米国の特許公報類には、2種類の特許分類が付与される。IPC(国際特許分類)と、US
PC(米国特許分類)である。この検索例では、分類表の参照方法と検索時の入力例を示す。
2.4.1. 分類表の参照
2.4.1.1. IPC(国際特許分類)
IPDL(特許電子図書館/(独)工業所有権情報・研修館)のパテントマップガイダンス
(URL:http://www5.ipdl.inpit.go.jp/pmgs1/pmgs1/pmgs)、IPC照会にて分類コード、
意味を確認できる。適宜、キーワード検索等も利用する。
2.4.1.2. USPC(米国特許分類)
米国特許商標庁の Classification メニューで、米国特許分類のコード・意味を確認する。
(URL:http://www.uspto.gov/web/patents/classification/) 「米国特許分類では探しにくいが、IPCはわかっている」場合は、日本特許庁の「三極
庁内分類の対応関係参照ツール」を利用してもよい。IPCを入力し、関連する米国特許
分類を表示するサービスである。なお、ここに収録されている米国特許分類は 2006 年 8
月現在のデータである点に留意する。(2012 年 1 月現在)
(URL:http://www.jpo.go.jp/cgi/cgi-bin/search-portal/trilateral/trilateral.cgi)
2.4.2. 入力例
2.4.2.1. PatFT/AppFT
例)IPC(国際特許分類) G06F19/00 の場合
G06F の後に「0(ゼロ)」を補い、スラッシュの前を3桁に桁合わせ。「G06F019/00」と入
力する。検索項目は International Classification を選択。
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例)USPC(米国特許分類) 482/15 の場合
桁合わせ等は不要。「482/15」と入力する。検索項目は Current US Classification を選択。
分類の桁数が増えた場合(例:482/100)や、小数点等がついた場合(例:427/2.31)も、桁合
わせ等は不要で、そのまま入力・検索すれば良い。
2.4.2.2. Espacenet の場合
Espacenet を利用する場合、米国特許分類は利用できない。分類検索にはIPC(国際特許
分類)を利用することになる。(米国特許に欧州特許分類(ECLA)が付与されている例もある
が、本ガイドでは説明を省略する)
例)IPC(国際特許分類) G06F19/00 の付与された米国特許を検索する場合
Advanced search を利用する。公報番号に「US」(半角大文字)、IPCに「G06F19/00」
と入力し、検索を行う。IPCの桁合わせやスペース区切りは不要である。
2.5. 検索例⑤ 権利譲渡の確認
米国特許の権利譲渡を確認するには、Assignments on the Web を利用する。収録対象は、
公開公報発行以降の譲渡であり、1980 年 8 月から直近までの譲渡情報が収録されている。
検索例)近年 Google 社が他社から取得(譲受)した特許を確認する。
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2.5.1. データベースへのアクセス
Assignments on the Web(URL:http://assignments.uspto.gov/assignments/q)にアク
セス。特許の場合は「Patent Assignment」、商標の場合は「Trademark
Assignment」のメニューを選択する。
2.5.2. 入力・検索の方法
譲渡側を Assignor、譲受側を Assignee として検索する。なお、検索欄は1つのみが有効
で、2箇所目以降を入力すると、既に入力していた検索項目はクリアされる。
従って Assignments on the Web では「Assignor は IBM、Assignee は Google」等、譲渡/
譲受の両側を指定した検索はできない、という事になる。この場合は商用DBを利用する
か、譲渡側/譲受側、いずれか件数の少ない側で検索し、全件を確認する事となる。
姓名や企業名を入力する場合、
SMITH (カンマなし)
と入力すると、SMITH を含むすべての情報が表示される。(例:Goldsmith)
SMITH, (カンマあり)
と入力すると、SMITH で始まる情報のみが表示される。
2.5.3. 検索結果の確認
検索結果表示は、左から出願番号、登録番号、公開番号、譲受人が表示される。(なお、一
覧表示の内容は、検索内容によって変化する。ここでは Assignee Name で検索した場合の
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報が表示されるが、主要なタブとして
・Transaction History 審査経過情報(注:テキスト情報)
・Image File Wrapper 包袋のイメージ情報
・Fees 年金の支払状況
等が挙げられる。
・Transaction History では、審査経過情報が時系列で表示される。古い年代・公開を経
ていない登録特許等であっても、内容表示可能である。
・Image File Wrapper では、包袋(審査経過書類)のPDFファイルが入手できる。但し、
入手対象は「公開を経た特許出願」に限定される。
・Fees のタブをクリックすると、別画面で年金情報が表示される。
表示がうまく行かない時は、PublicPAIR の画面に戻り「出願番号」をコピー。スラッシュ、
コンマ等を除いて8桁の数字とし、Application Number の欄にペーストして再表示すると
よい。年金支払の状況や、未払いによる失効などが確認できる。
2.7. 検索例⑦ 米国の意匠公報について
米国の意匠は日本と異なり「Design Patent」「特許の一分野」として扱われている。US
PTOのデータベースでも「意匠公報DB」は存在しない。特許を検索すると、技術内容
を記載した特許(Utility Patent)と同時に Design Patent がヒットする。
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3. 補足
3.1. 米国特許分類に関する今後の動向
米国特許分類は、近い将来欧州特許庁との共通特許分類(CPC)に移行する事が決まって
いる。共通特許分類は、欧州特許分類(ECLA)がベースになる分類体系で、現在の米国
特許分類よりも、IPCに近い分類体系になるとみられている。2011 年末現在、2013 年 1
月の運用開始を目指して作業が進められている。
米国特許に対するCPC付与に関しては、過
去の既発行公報と今後出願される全ての米国
特許文献に対して欧州特許庁の審査官が付与
作業を担当する、と表明されており、従来の
欧州特許と同水準の分類付与が期待できる。
関連記事「欧州特許庁,米国特許商標庁と共通特許分類のウェブサイトを開設」(JETRO デ
ュッセルドルフ事務所/2011 年 11 月 6 日)
http://www.jetro.go.jp/world/europe/ip/pdf/20111106.pdf
以上
CPC分類コードのイメージ USPC: 607/60 CPC ECLA: A61N 1/36V →A61N 1/3618 IPC: A61N 1/36