研究室公開 hp用 2020 - osaka universitysyd.mech.eng.osaka-u.ac.jp/fujita-lab2020.pdf · dsm...
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ディープラーニングと
最適化計算の連係による
思考の限界を超える
斬新な構造の創成
大規模で複雑なシステム
Syste m o f Syste m s のための階層的な数理計画法
大阪大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 統合設計学系
設計工学領域(藤田・山﨑・野間口研究室)
ü 固有技術を統合した革新的な製品やシステムの創成を目指します。
ü 各力学や制御などの諸学問を対象のモデル化と評価のための基盤としつつ、
未来を描き出す設計のための理論や方法論に関する研究を行っています。
ü 各テーマでは、産業界とも連携して、実践的な課題を取り上げています。
多様なニーズに柔軟に対応する
プロダクトアーキテクチャの
包括的な設計法
新規で戦略的な
設計プロジェクトの
D S Mとモデルによる計画
様々な技術が支える複合システムの
知識管理型モデルベース
統合設計環境
研究室HP≪詳細は研究室ホームページ http://syd.mech.eng.osaka-u.ac.jp/を御覧ください≫
トポロジー最適化の先導による
熱流体システムや反応場
のための創成設計法
教 授:藤田喜久雄 Email: [email protected]准教授:山﨑慎太郎 Email: [email protected]准教授:野間口大 Email: [email protected]
助 教:矢地謙太郎 Email: [email protected]
?入力
1024= 32 × 32
500 500 2000
𝝁
log𝝈𝟐𝒛
2000 500 500
mean
Std. dev
𝒛: 潜在空間
出力
1024= 32 × 32
𝒛 = 𝝁 + 𝝈 ⋅ 𝝐𝝐~𝑵(0, 𝑰)
包括的に収集した優れたデザイン
概念距離の計量化と
Vo i dの発見に基づく革新的デザインの創成
網羅的な最適化計算のもとでの
ディープラーニングによる
新しいデザインの探究
Be a Design Thinker!
InnovativeDesign
Process
Architecture
Structure
Concept
概念距離の計量化による革新的デザインの発想支援
*野間口大, 中切拓, 藤田喜久雄 (2017) 日本機械学会論文集, 83: 17-00122
Architecture
StructureConcept
Process
2
集 合 論 に よ る 発 想 過 程 モ デ ル と A I 技 術 を 活 用 し た 概 念 距 離 計 量 化 手 法 に
基 づ く 発 想 支 援 手 法
食べられる
腐らない
発想過程のモデル:• 革新的なデザインは ”距離の遠い” 概念の組み合わせ
によって生成される
• 概念間の距離を計測できれば発想支援につながる
燻製肉
生鮮食品の保存
気化熱
土製ポット冷蔵庫
視力矯正
シリコンオイル 検眼医がいなくても度数調整できる眼鏡
距離計測手法 word2vec:• 大量のテキストデータを分析し,
単語の特徴を表すベクトルを生成
• ベクトルの角度により単語間距離を計量化
入力単語➝周辺単語の予測問題を学習
100⋮0⋮0
𝑊'×)
各単語のベクトル表現(200次元)
重み行列
学習終了
入力語に対する
周辺単語の確率
0.010.120.24⋮
0.06⋮
0.02
単語数
単語数
・ー・ー・ー・ー
大規模で複雑なシステムのための階層的な数理計画法
システム
構成要素
Ex.太陽光発電(PV)導入計画問題
SoS
家庭,電気事業者,PVメーカー,政府等がそれぞれ独立して相互に作用
将来動向のシナリオ設定
SoS(System-of-Systems)独立した複数のシステムにより構成される複雑系
SoS設計とそのケーススタディ
マルチエージェントシミュレーション
結果の評価シナリオ決定/モデルの見直し
因子間の関係のモデル化
計画案作成
scenario1・ーsub scenario・-・-
scenario1・ー
sub scenario2・-・-
sub scenario1・-・-
scenario3・ーSub scenario・-・-
scenario2・ーSub scenario・-・-
scenario1・ーsub scenario・-・-
*Nomaguchi, Y., Tanaka, H., Sakakibara, A., Fujita, K., Kishita, Y., Hara, K., Uwasu, M., Energy, 2017, 140: 779–793.
Architecture
StructureConcept
Process
3
• SoSの特徴を創発性,不確実性,非線形性/非連続性の観点から分析,評価するモデルを構築• SoSの最適設計を,シナリオ,マルチエージェントシミュレーション,線形計画法を活用して行う階層的数理計画
法を開発
プロダクトファミリーの包括的最適設計法
顧客デ ー タ を 入 力情報と し て 活 用 し
顧客価値を最大 化 す る 製 品アー キ テ クチャの コ ンセプト を獲得す る方法 論
Extended product architecture
Customer data
Association rule mining
Association rulesbetween options
Individual robot
Physical functions Entity structureAssociation rulesbetween needs
DSMDSM DSMDMM DMM
Integrating clustering
ClusteredDSM
ClusteredDSM
ClusteredDSM
DMM DMM
Conventional range of engineering design
Proposed approach
Converting options to customer needs
Filtering rules
Exte
nded
pro
duct
arch
itect
ure
desig
n
Order
Indi
vidu
al d
esig
n
Customization
過去の受注データ
ニーズ間の因果関係分析
*Sawai, K., Nomaguchi, Y., Fujita, K., J Adv Mech Des Sys Manuf, 2017, 11: JAMDSM050
産業用ロボットの製品アーキテクチャ最適設計*
製品アーキテクチャ
コンセプトの創出
製品機能・構造の相互関係分析
サーボモータ 減速機 タイミングプーリ
プレート
フレーム
プーリ支えプレート
レールA レールB
上リニアガイドR 上リニアガイドS 下リニアガイドR 下リニアガイドS
タイミングベルト
プーリ
ロックナット
ブロック
引抜先端カバーA
引抜先端カバーB
ベルト挟みガイドR
ベルト挟みガイドS
固定接続(ねじ)
可動接続(ベルト・プーリ・ガイド)
電気的(配線)
空気的(空気チューブ)
中継部
abcdefbg
中継部
hbig
R:ランナ側S:製品側
上下部製品側(ベース)
上下部ランナ側(ベース)
吸着圧力を測る
吸着圧力を表示する
弁を開閉する
ごみをろ過する空気圧を低下させる
吸着圧力を一定にする空気
センサ信号
感知吸着圧力範囲を調整する
手
製品を吸着する
制御信号 機体の状態をランプで示す
製品を開放する
軸を直線往復運動させる
並進運動を回転運動にする
並進運動
直線往復運動をする
チャックを閉める
回転運動
ランナを掴む
制御信号
ランナを離す
製品
フィンガーの動きを感知する
チャックを開ける
シリンダーの動く速さを調整する
ピストンを戻す
吸着圧力を調整する
製品吸着に関する機能モデリング
Architecture
StructureConcept
Process
4
新規で戦略的な設計プロジェクトの計画手法
タスクのグルーピング
スケジューリング
タスクのグルーピング
スケジューリング
DSMによるタスク依存関係の分析
スケジューリング
プロジェク ト の リ ス ク を評価す る た め の モ デ ル を構築し ,効率 的 に優れ た 製 品 を世に送り出す た め のプロジェク ト 計 画 を 支 援 す る 手 法
最適解探索
リスク評価
*野間口大, 董春祉, 堀之内貴大, 藤田喜久雄 (2017) 日本機械学会論文集, 83: 17-00167
Architecture
StructureConcept
Process
5
解析や最適化 計算の た め の モ デ ル 化や定式化 に 向けて 設 計 者 が
考えて い る内容を明確 に記述し て共有す る た め の知識管理 手 法
複合領域システム設計のための知識管理システム
*野間口大, 中山寛之, 井上晴規, 戸田康太郎, 藤田喜久雄 (2015) 日本機械学会論文集, 81: 15-00244
Architecture
StructureConcept
Process
6
トポロジー最適化による機能と構造の創成
* Nomura, K., Yamasaki, S., Yaji, K., Bo, H., Takahashi, A., Kojima, T., Fujita, K. (2019) Struct Multidisc Optim, 59: 2205–2225
例:ノイズフィルタの導体パターンを対象としたトポロジー最適化*
様々な物理 現象を考慮し た最適設 計への展開
最適な材料分布を 数 理 計 画 法 に 基 づ き自動 的 に創成
構造物の剛性最大化 最適化構造 (体積制約40%)
?
Architecture
StructureConcept
Process
7
ノイズフィルタの回路図
満足解の3Dモデル
満足解の3Dモデル(厚み一定の突起&打抜穴)
直接解くこと が困難な最適設 計 問 題 に 対 し物理縮約モ デ ル
を 導 入 す ること で有望な 設 計代替案を獲得す る方法 論
縮約モデルの先導によるデータ駆動型最適化Architecture
StructureConcept
Process
8
解くことが困難な最適化問題
縮約最適化による代替案の生成
代替案 1 代替案 2 代替案 K
高精度の数値解析による性能評価
サロゲート最適化
低フィデリティ最適化
高フィデリティ最適化
データ駆動型最適化
(マルチフィデリティトポロジーデザイン)
・・・
有望な設計代替案(満足解)の決定
適用例:フィン&チューブ熱交換器*1
2D熱流体場のトポロジー最適化
適用例:レドックスフロー電池*2
2D電気化学反応場のトポロジー最適化
*1 Kobayashi, H., Yaji K., Yamasaki S., Fujita K., (2019) Appl Therm Eng, 161: 114020*2 Yaji, K., Yamasaki, S., Tsushima, S., Suzuki, T., Fujita, K. (2019) Proc ASME DETC, IDETC2019-97675
メ タ モ デ ル を 活 用 す ること に よ り ト ポロジー最適化 における諸条件を
規定す る外部因子を も 設 計変数 に含め た シ ス テ ムレベ ル の最適設 計 法
*丸山峻, 山﨑慎太郎, 矢地謙太郎, 藤田喜久雄 (2018) 日本設計工学会, 53: 97–110
YokeStator
Rotor
CoilsPermanent magnet
構造形態と配置の同時最適化
埋込永久磁石同期モータの最適設計*
参照モデル最適化結果
構造形態のみ
最適化結果
構造形態&配置
トルク性能
20%UP
トルク性能
26%UP
メタモデルによるシステムレベルの近似応答
メタモデルを活用した構造とシステムの同時最適化Architecture
StructureConcept
Process
9
網羅的 な最適化 計算に よ っ て 生 成 し た 大 量 の 設 計代替案を 画像デ ー タ と し て
ディープラーニングに取り込むこと で好適方式の 発見と体系化 を実現 す る枠組
橋梁の好適方式を例題とした基礎検討*
ディープラーニングによる好適方式の発見と体系化
設計代替案の画像データ
*蓑輪和生 (2019) 平成30年度大阪大学卒業研究
Architecture
StructureConcept
Process
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設計代替案
既存のコンセプト
にない好適方式
畳み込みニューラルネットワーク
折々のコンパ
スポーツイベントへの参加 など
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研究室のイベント
野村勝也君(D3)が博士後期課程を修了し,博士(工学)の学位を取得しました(2019年9月).
矢地謙太郎助教が,船井研究奨励賞(船井情報科学振興財団)を受賞しました(2019年度).
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ちょっとしたニュース
小林広輝君(M2)が,国際会議APCCOM 2019に参加し口頭発表を行いました(2019年12月@台北).
野村勝也君(D3)が,国際会議EMC Europe 2019に参加し口頭発表を行いました(2019年9月@バルセロナ).
戸井誠人君(新D1)が,武藤栄次賞(日本設計工学会)およびD&Sコンテスト優秀表彰(日本機械学会設計工学・システム部門)を
受賞しました(2019年度).
戸井誠人君(新D1)が,国際会議IDETC/CIE 2019に参加し口頭発表を行いました(2019年8月@カルフォルニア).
野間口大准教授が,業績賞(日本機械学会設計工学・システム部門)を受賞,および日本機械学会フェローに選出されました
(2019年度).
矢地謙太郎助教,山﨑慎太郎准教授,藤田喜久雄教授が,グラフィックスアワード(最優秀賞)(日本計算工学会) を受賞しました
(2019年度).
本学の吹田祭(ソフトボール大会)で優勝しました(2019年11月).
研究を行う上での適性
製品やシステムを俯瞰する意欲があるか.
物事を忍耐強く考え抜く意欲があるか.
プログラムを作ったり,設計ツールを
活用したりする意欲があるか.
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おわりに
Be a Design Thinker!