神⼾から広がる 市⺠phr基盤構想 · 2020. 2. 14. · • 2015年...

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神⼾から広がる 市⺠PHR基盤構想 竹村 匡正 兵庫県立大学 理化学研究所 日本医療ネットワーク協会 神⼾⼤学 メディカルジャパン2020

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Page 1: 神⼾から広がる 市⺠PHR基盤構想 · 2020. 2. 14. · • 2015年 amed千年カルテ事業採択(日本医療ネットワーク協 会) • 2018年 神⼾リサーチコンプレックス・データhub事業参画

神⼾から広がる市⺠PHR基盤構想

竹村 匡正

兵庫県立大学理化学研究所

日本医療ネットワーク協会神⼾⼤学

メディカルジャパン2020

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自己紹介•兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科/社会情報科学部教授

•京大病院医療情報部・運営企画室(2003-2012.6)• 病院情報システムの企画・導入• 病院の運営企画(執行部のシンクタンク)• 地域医療連携システム(まいこネット)の運営・企画

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自己紹介• 2012年 兵庫県立大学に異動• 2014年 神⼾COIに参加(先端医療センター研究所)• 2015年 AMED千年カルテ事業採択(日本医療ネットワーク協会)

• 2018年 神⼾リサーチコンプレックス・データHUB事業参画(理化学研究所客員主管研究員・市⺠PHR(データHUB)プロジェクト)

• 2019年 神⼾⼤学客員教授(AI・デジタルヘルス科学分野)

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健康・医療データ•病院内で発生する診療情報を病院内で蓄積(共有)する仕組み

•病院で発生した診療情報を病院間・個人で蓄積(共有)する仕組み

•個人に基づいて発生した健康データを蓄積(共有)する仕組み

EMR(Electronic Medical Record)

EHR(Electronic Health Record)

PHR(Personal Health Record)

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PHRと先制医療PHR:Personal Health Recordが肝になる

2014年文科省COI stream

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神⼾リサーチコンプレックス•JST平成27年度新規事業:「世界に誇る地域発研究開発・実証拠点(リサーチコンプレックス)推進プログラム」採択事業

•理化学研究所を中⼼に兵庫県、神⼾市、25大学・研究機関、99社・団体、3オブザーバー参画機関

•7億/年・5年(?)

•研究・事業化・教育等を複合化して推進

•「健康関数」「データHUB(市⺠PHR)」事業が主体(理化学研究所)

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(神⼾)市⺠PHRとはなにか•個人の健康データを集積する基盤(データHUB)を構築する

•個人の健康データを最大限利活用可能な形で取り扱う

• 研究利用

• 行政サービスの向上

• 企業・産業の利用個人が享受するサービスの向上

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市⺠PHR基盤(個人に紐づく健康データ収集・運用基盤)

神⼾市

健康・介護⾏政健康データ

住基データによる本人確認

その他サービス

在宅コホート等

申請

市⺠

U N I V E R S I T YU N I V E R S I T Y

臨床研究

産学連携

サービス還元研究協⼒

市⺠向けサービス

神⼾市⺠PHR(データHUB)

分析等サービス還元

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市⺠PHRの構築•本人確認に基づいた行政データの利用

• 本人確認に基づくデータの信頼性の向上

•健康データを分析する基盤を構築する• 「健康データ」特有の問題点の克服

•本人に向けたサービスを提供する仕組みを構築する• 自身の健康データを提供することに直接的なメリットをお返しする

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本人確認に基づいた行政データの利用•リサーチコンプレックス事業においては、「神⼾市役所」が「神⼾市⺠」であることを確認する

•市役所は、本人確認のもとに自治体の保有する個人に紐づくデータをPHR基盤に送る

市⺠web申請

PHR基盤

住基データ

神⼾市役所

本人確認パスコード発行

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健康データ分析基盤•健康データの問題点

• いろいろな健康維持・向上のサービスが存在しているため、標準化が難しい

• データの項目、粒度、単位…

• システムとしてはどのようなデータでも維持したい

• NoSQL/スキーマレスにデータを蓄積し、項目を管理する• 分析のための基盤• サービスレイヤーと分けて考える(他のサービスとの連携を前提とする)

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サービス提供基盤•個人の健康維持のためにも様々なサービスが提供されるべき

•各サービスからの健康データの取得• 歩数、食事、健康状態、精神状態…

•ウェブアプリケーション、スマートフォンアプリケーションが実時間で動く環境

• スキーマベースのDB• 本人確認に基づくユーザー認証• 分析データベースとの連携

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現在の方針

市⺠PHR基盤

アプリ用DB

JSONJSONJSONJSON

API

アプリ用DB

アプリ用DB

OAuth認証/本人確認等

即時対応 二次利用即時でなくてもいい

U N I V E R S I T YU N I V E R S I T Y

臨床研究

産学連携

サービスの提供

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現状•神⼾市役所での本⼈確認を⾏った健康サービスの提供

•健康データの蓄積・アプリケーション提供基盤の構築• 行政サービス提供アプリケーションの試験稼働

• フレイルチェック、くらしと健康の調査

•市役所内の市⺠のデータのPHR基盤への送信の検討• 個人情報保護ルールの検討

•次世代医療基盤(医療データ)との連携の検討

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提案者 日本医師会ORCA管理機構株式会社、NPO法人 関西健康・医療学術連絡会、国立研究開発法人理化学研究所

対象分野 ①情報信託機能 a.ヘルスケア、e.地域、f.IoT

実施地域 神⼾市 他

事業概要

Ø 神⼾市⺠サポーターおよそ2,000名を対象に、ライフログ情報(歩数、栄養、血圧、脈拍等)のPHRと、健診、介護、診療、検査、処⽅、死亡、レセプト情報を収集し、以下の検証を実施する。

Ø 【情報信託と次世代医療基盤法の連携検証】情報信託のオプトイン同意に基づく顕名情報と次世代医療基盤法のオプトアウト同意に基づく匿名加⼯医療情報を連携すること可可能となる新たな可能性を検証する。

Ø 【要配慮個人情報信託機能検証】要配慮個人情報の信託機能に求められる要件の明確化、課題の抽出、検証を⾏う。Ø 【医療データサイエンティスト育成プログラム設計・検証】医療データサイエンティストの育成プログラムを設計・検証し、医療データサイエンティストを育成するとともに、ヘルスケア市場において求められる統計・分析ナレッジを検証する。

Ø 【サービス・ビジネスモデルの設計・検証】PHRと診療・検査・処⽅などの医療データ、健診・フレイル・介護情報を⽤いて、地域の安全・安⼼、医療の質向上、医療従事者の負担軽減などに資するサービス、ビジネスモデルの設計・検証や臨床研究を⾏う。

事業費 40,000千円 (千円未満切り捨てで記載)

日本医師会ORCA管理機構株式会社地域ヘルスケア情報信託基盤【①情報信託機能 ヘルスケア、地域、IoT】

様式8事業概要

情報提供主体

ORCAMO情報信託主体

生涯保健情報統合基盤

診療情報検査情報処方情報

健診・検診情報

介護情報死亡情報

分析

要配慮個人情報信託機能検証

医療データサイエンティスト育成プログラム設計・検証

データ加工

情報利活⽤主体

育成PG作成

育成PG実践検証・改善

サービス

神⼾市役所

サービス・ビジネスモデルの設計・検証

効果

審査委員会

病院診療所

市⺠ ライフログ情報(歩数、栄養情報、血圧/脈拍/体重/体脂肪率、睡眠、食事等)

PHR基盤

フレイル情報

国保レセ情報

情報信託と次世代医療基盤法の連携検証

名寄せ

レセプト情報

AIによる健康アドバイスサービスMY CONDITION KOBE(PHR+次世代)

⾃らのライフログ情報と神⼾市が保有する健診等情報、次世代医療基盤の診療情報等を連携して、市⺠へ健康アドバイスを実施する

理化学研究所

臨床研究PHRと医療・健診・介護情報等を活用し、フレイルや認知症予防・改善等についての臨床研究を実施する

大学

医療機関

健康維持・改善食事メニュー提供サービス健診・⽣活・医療情報等から個⼈の健康維持・改善、疾病改善効果のある食事メニューを提供する

食品/化粧品/製薬

ヘルスリテラシー向上

健康寿命延伸

特定健診受診率向上

保健指導率向上

重症化予防

健保等保険者財務健全化

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市⺠PHR基盤(個人に紐づく健康データ収集・運用基盤)

市⺠PHR基盤・次世代医療基盤との連携

EHR

多施設診療データ

次世代医療基盤法

病院

診療所

神⼾市

名寄せ・突合基盤

健康・介護⾏政健康データ

住基データによる本人確認

その他サービス

在宅コホート等

申請

市⺠

U N I V E R S I T YU N I V E R S I T Y

臨床研究

産学連携

サービス還元研究協⼒

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市⺠PHRの今後•神⼾⼤学(大学院医学研究科 AI・デジタルヘルス科学分野)での事業継続・運用

• 本分野のミッション• 健康・医療データの活用による自治体等が直面する医療上の課題解決• 国際がん医療センター(ICCRC)を活用したAIリサーチホスピタルの構築• ヘルスケアデータ専門人材育成プログラム開発

•神⼾リサーチコンプレックス協議会(神⼾市)の立ち上げ• 神⼾医療産業都市を活かした「ヘルスケア分野のエコシステムを神⼾に創る」ことを目的に活動

• リサーチコンプレックス事業を引き継ぐ形で、「健康関数」「市⺠PHR」事業を推進する

神⼾市・神⼾⼤学を中⼼に、関⻄の各⾃治体・⼤学と広く連携する

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関⻄広域連合関⻄健康・医療創⽣会議•関⻄広域で⾃治体をまたいで情報共有・⾏政サービスを考える•産官学病連携の推進

•現在のスコープ• 医療データサイエンティスト人材育成事業• 医療データ・健康データの利用基盤の構築

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市⺠PHR自治体 企業顧客DB等

EHR千年カルテORCAMO

自治体独自サービス

市⺠/顧客

各企業サービス

サービス認証

PHR運用相談

次世代医療基盤認定機関

匿名二次利用データ

実名サービス

同意に基づく研究データ管理

実名研究利用データ

行政DB等

官・学連携

市⺠PHR基盤・次世代医療基盤との連携

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まとめ• 神⼾では、リサーチコンプレックス事業を踏まえて、今後も健康データの利活用に向けた仕組み(PHR基盤)の構築を進めてまいります

• 神⼾市ならびに各⾃治体内にある健康関連データ、および神⼾⼤学・次世代医療基盤を前提とした医療データとの統合を進めてまいります

• これらのデータや基盤は、社会基盤として企業の皆様にもご利用いただくことを前提にしています

• ぜひ企業の皆様には、「神⼾リサーチコンプレックス協議会」の参画を検討いただければ幸いです

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