第5回船橋市商工業戦略プラン策定委員会 議録 - funabashi · 2020-06-17 · 1...

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1 第5回船橋市商工業戦略プラン策定委員会 議事録 開催日時:平成27年4月24日(金) 15時00分 開催場所:船橋市職員研修所 502研修室 出 席 者:委員長 石 井 泰 幸 千葉商科大学 サービス創造学部 教授 副委員長 越 山 健 彦 千葉工業大学 社会システム科学部 教授 委員 伊 藤 賢 二 船橋商工会議所 会頭 板 谷 直 正 船橋市地域工業団体連合会 会長 伊 東 船橋市商店会連合会 会長 大 野 一 敏 船橋市観光協会 会長 江波戸 勝 Eマネージメント研究所 代表 島 津 政 男 千葉県産業振興センター 企画調整室長 吉 田 市民委員 中 谷 弘 美 市民委員 杉 田 船橋市企画財政部 部長 神 田 弘 志 船橋市地域卸売市場 場長 福 田 幸 雄 船橋市経済部 部長 事務局 商工振興課長 宇田川、課長補佐 御園生、商業係長 櫻井、商業係 板垣 工業係長 大内、工業係 宮本 ○事務局 定刻となりましたので、只今より第5回船橋市商工業戦略プラン策定委員会を開催いたします。 委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。 本日の会議の公開・傍聴についてですが、本日の議題には不開示情報がないことから、会議は 公開とし、傍聴についてはホームページ上にて定員10名として、掲示しておりますが、本日傍 聴者はいらっしゃいません。 では初めに、人事異動に伴い宇田川商工振興課長が新たに着任しましたのでご紹介いたします。 ○宇田川商工振興課長 新たに着任いたしました商業振興課長の宇田川です。宜しくお願いします。 ○事務局 ありがとうございました。また、策定委員会におきまして、委員の変更がございましたのでこ こで紹介させていただきます。参考資料(1)平成27年度 船橋市商工業戦略プラン委員名簿を 参照ください。千葉県産業振興センター企画調整室長、曽田委員に変わりまして、千葉県産業振 興センター企画調整室長、島津政男委員。船橋市企画財政部長、鈴木委員に変わりまして、船橋

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Page 1: 第5回船橋市商工業戦略プラン策定委員会 議録 - Funabashi · 2020-06-17 · 1 第5回船橋市商工業戦略プラン策定委員会 議録 開催日時:平成27年4月24日(金)

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第5回船橋市商工業戦略プラン策定委員会 議事録

開催日時:平成27年4月24日(金) 15時00分

開催場所:船橋市職員研修所 502研修室

出 席 者:委員長 石 井 泰 幸 千葉商科大学 サービス創造学部 教授

副委員長 越 山 健 彦 千葉工業大学 社会システム科学部 教授

委員 伊 藤 賢 二 船橋商工会議所 会頭

板 谷 直 正 船橋市地域工業団体連合会 会長

伊 東 實 船橋市商店会連合会 会長

大 野 一 敏 船橋市観光協会 会長

江波戸 勝 Eマネージメント研究所 代表

島 津 政 男 千葉県産業振興センター 企画調整室長

吉 田 博 市民委員

中 谷 弘 美 市民委員

杉 田 修 船橋市企画財政部 部長

神 田 弘 志 船橋市地域卸売市場 場長

福 田 幸 雄 船橋市経済部 部長

事務局 商工振興課長 宇田川、課長補佐 御園生、商業係長 櫻井、商業係 板垣

工業係長 大内、工業係 宮本

○事務局

定刻となりましたので、只今より第5回船橋市商工業戦略プラン策定委員会を開催いたします。

委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

本日の会議の公開・傍聴についてですが、本日の議題には不開示情報がないことから、会議は

公開とし、傍聴についてはホームページ上にて定員10名として、掲示しておりますが、本日傍

聴者はいらっしゃいません。

では初めに、人事異動に伴い宇田川商工振興課長が新たに着任しましたのでご紹介いたします。

○宇田川商工振興課長

新たに着任いたしました商業振興課長の宇田川です。宜しくお願いします。

○事務局

ありがとうございました。また、策定委員会におきまして、委員の変更がございましたのでこ

こで紹介させていただきます。参考資料(1)平成27年度 船橋市商工業戦略プラン委員名簿を

参照ください。千葉県産業振興センター企画調整室長、曽田委員に変わりまして、千葉県産業振

興センター企画調整室長、島津政男委員。船橋市企画財政部長、鈴木委員に変わりまして、船橋

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市企画財政部長、杉田修委員。以上2名の委員が変更になりました。よろしくお願いいたします。

続きまして、船橋市商工業戦略プラン策定委員会、石井委員長よりご挨拶をお願いいたします。

○石井委員長

策定委員会も、第5回となり、最終段階に入ってきました。本日も皆様方より忌憚のない意見

をいただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

○事務局

次いで、本日の資料の確認をお願いいたします。

本日の次第のほか、

資料(1)船橋市商工業戦略プランに係る先進事例調査(概要)

資料(2)船橋市商工業戦略プラン重点プロジェクト事業検討表

資料(3)「第5回商業・工業部会」における主な意見(論点)

参考資料(1):平成27年度 船橋市商工業戦略プラン委員名簿

参考資料(2):今後の船橋市商工業戦略プラン策定委員会及び専門部会スケジュール(案)

以上の5点になります。過不足はございませんでしょうか。

先進事例調査報告書(概要)、「第5回商業・工業部会」における主な意見(論点)の説明につ

きましては、ちばぎん総合研究所からさせていただき、商工業戦略プラン重点プロジェクト事業

検討表については事務局よりご説明させていただきます。

議事に入る前に本日の会議の趣旨及び今後のスケジュールについてご説明させていただきます。

本日の会議では議題の中でも特に「(2)船橋市商工業戦略プラン重点プロジェクトの検討」につ

いてご意見をいただきたいと思います。本日の会議で出た意見を基に、今後の商工業戦略プラン

の素案を作成させていただく予定です。

また、今後のスケジュールについては参考資料(2)今後の船橋市商工業戦略プラン策定委員

会及び専門部会スケジュール(案)のとおりとなります。

それでは今後の議事進行は石井委員長にお願いいたします。宜しくお願い致します。

○石井委員長

傍聴人はいらっしゃらないとの事ですので、早速議事に移らせていただきます。

次第3「議題」に移りたいと思います。

(1)「先進事例調査報告書(概要)」について、ちばぎん総合研究所より説明願います。

○ちばぎん総合研究所

本日お配りさせていただきました「先進事例調査(概要)」にそって、先進事例調査の概要をご

説明させていただきます。

先進事例調査は、船橋市商工業戦略プラン策定にあたり、現在検討している実施事業の参考と

すべく、事務局内で「大阪市」、「札幌市」、「新潟県三条市」を先進事例自治体として選定し、当

社と商工振興課の職員で直接ヒアリングを行いました。

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それでは、重点プロジェクトごとに特徴的な点をご報告申し上げます。まず、「つなげる」チー

ム船橋プロジェクトに関する取り組みでは、ブランド化による販路拡大支援として、札幌商工会

議所が「北のブランド」を地域ブランドとして認定し、海外展示会の自主開催、国内外の展示会

への共同参加、アンテナショップでの直接販売を行っています。

まちづくり会社である札幌大通まちづくり会社は、会社組織としての手続きノウハウや外部人

材とのネットワークを活用し、歩行者天国など道路を活用した賑わい事業を実施・拡大していま

した。

石井委員長も携わられたICT受発注ネットワークである「越後ものづくりネットワーク」で

は、マッチング業務をパッケージャーと呼ばれる地域の製造業 520 社の技術、企業に精通した人

材が介在する事で成約率 13%を誇る実効性の高いシステムを構築したことにより販路拡大につな

げています。

シニア人材活用の事例である「ビジネスチャンス倍増プロジェクト」では、50名程度のマッチ

ングナビゲータが主体的に企業訪問を行い、人的なネットワークにより、数値目標を持って中小

企業の提携先発掘を図っていました。

「育てる」プロジェクトでは、大阪市では工業高校と中小企業の交流会による人材マッチング

を進めており、大阪産業創造館のオフィススペース立志庵では、起業・創業者向けの拠点提供、

オープンスペースでの交流会などの支援を行っていました。割安な賃料設定とその後のビジネス

マッチングも含めた支援で累計 354名の起業に結び付けています。

「集める」プロジェクトでは、札幌市では、外部のコンサルティング形式ではなく、ファシリ

テーター派遣による地域住民や学生などのワークショップにより、商店街活動の新たなアイディ

アを生み出す事業を進めていました。

大阪市の地域商業活性化推進事業は、商店街活動の担い手を外部の NPO や地域団体・住民から

集める新規事業に取り組んでいます。コーディネーターの派遣ではなく、活動の主体である人の

部分をサポートする全国初の取り組みとなっています。

札幌市のソーシャルビジネス支援は、スクールによる担い手の育成や、ネットワーク形成、見

本市への参加補助による販路開拓などにより、まちづくり活動の担い手を育成し、商店街との連

携事業につなげています。

大阪市あきないグランプリは昭和 29年から行っている事業で、5部門(マーケティング、店舗、

地域貢献、新店舗、売れ筋商品・逸品)によるコンクールで各商品を表彰しています。

「極める」プロジェクトの事例では、燕三条地域は支援メニューを一覧にまとめ分野ごとの研

修プランをわかりやすく整理し、利用拡大による人材育成を目指していました。

さっぽろ産業振興財団の6次産業化推進事業では、道内の1次産業者と2・3次産業者の連携

による、農畜産物資源を活用した新商品開発を支援する事業です。1次産業者を道内限定とした

点がポイントです。

札幌市では、技術力は高い中小企業に対しデザインや映像等のコンテンツ活用による高付加価

値化を目指し、セミナー、小規模勉強会、専門家チームによる製品開発という段階的な支援をし

ていました。

「広げる」プロジェクトでは、海外取引拡大の事例として、さっぽろ産業振興財団では、貿易

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指導、バイヤーや商社等との関係構築、JETROや銀行との連携により、ASEANを中心と

した輸出の拡大を目指していました。

訪日外国人客の誘致拡大に向け、札幌市や札幌商工会議所で商店街の案内所、通訳サポート、

対忚マニュアル、会話可能な従業員を明確化する語学バッジ、免税販売用梱包袋の共同制作など

を進めています。

大阪の心斎橋商店街では、パスポートを提示すると消費税分の 8%を割り引くという免税風対

忚による外国人客の優遇により誘致していました。

札幌商工会議所では、留学生と道内企業を結びつける事業を行っており、在留資格手続きなど

も含め、外国人材の雇用拡大を目指していました。就職実績のある分野としてはホテルなどの観

光分野が中心となっています。

全体としては、先進自治体と評価される自治体であっても、各取り組みにおいては、人材、予

算などの制約から上手く展開していない事業もあり、惰性で事業を継続せず、その都度、試行錯

誤しながら事業の見直しやブラッシュアップを行う事で事業成果につなげている点が印象的でし

た。

また、いずれの自治体も商工業振興を担う専門機関を設置し、商工業の専門的知識を有する人

材を活用して支援を実施しています。更に予算が縮小するなか、外部ネットワークである金融機

関やシニア人材、地域のNPOなどを各人や団体の狙いや思いを活かしながら連携していく事で

大きな効果につなげている点も特徴的でした。

なお、本先進事例は、この後事務局より説明させていただく重点プロジェクトの事業検討にお

いて参考となる部分を盛り込んでおり、該当事業の末尾に事例名を記載しておりますので合わせ

てご参照ください。

○石井委員長

それでは、(2)「船橋市商工業戦略プラン重点プロジェクト事業の検討」について、事務局よ

り説明願います。

○事務局

それでは、船橋市商工業戦略プラン重点プロジェクトの事業検討表をご覧ください。1つ目の

プロジェクト名は「つなげる」で事業の定義は、ICT及びコーディネーターを活用した人・企

業のマッチングの推進及び情報発信機能を強化するとなっています。

事業は全部で7事業あり、短期から、「『チーム船橋』推進事業」、経済ミーティングの若手経営

者をベースに「チーム船橋」を組織し、若手経営者の交流を進めることで産業間の連携強化とイ

ベント企画や船橋ならではの特産品開発を推進する。

続いて、「企業等の HP等活用支援事業」、HPやSNS(フェイスブック・ツィッター等)の活用

ができていない団体・商店街・企業・個人事業主に対し、講習会や専門家派遣などにより効果的

な活用のための情報発信と支援を行う。

同じく短期で、「戦略プロモーション事業」、チーム船橋による取り組みを広報官を中心に各種

プロモーションを戦略的に活用し、市内外に対しての「船橋」を発信する。

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次に中期から長期に渡りますが、「産業振興専門機関の設置」、人と人、企業と企業、人と企業

のビジネスマッチングによる産業振興を専門的に推進する機関を設置する。

短期の一番下の事業ですが、「企業データベースの構築」、本市の商工業のプラットフォームと

なる企業データベースを構築し、市内外への情報発信機能を強化する。モデルとしているのは、

燕市・三条市の地場産業振興センターの取り組みになります。

続いて中期で、「コーディネート機能の確立」、専任コーディネーターを配置・育成し、企業デ

ータベースを活用しながら販路開拓等の支援を行う。こちらも、地場産業振興センターの取り組

みですが、ビジネスチャンス倍増プロジェクトも参考にしています。

一番発展的なものとして長期においているのが、「共同受発注システム事業」、企業データベー

ス及びコーディネーターを仲介役とした共同受発注システムを確立する。

続きまして2番目の「育てる」プロジェクトです。定義としては、人材の育成・有能な人材活

用に関する事業を推進する。事業は5事業ですが、まず短期として、「インターンシップ推進事業」、

コーディネーター(大学・高校OBなど)によりインターンシップの受け入れ企業を開拓し、企業

と大学生・高校生の効率的なマッチングを推進する。

続いて、「未来を担う子ども育成事業」、1番目として、小中学校の生徒を対象にものづくりや

科学に対する関心や好奇心を持たせるための職場見学・体験プログラムを行う。

2番目として、小中学校の生徒によるインタビュー形式の製造業の企業紹介ビデオを作成し、「め

いど・いん・ふなばし」、YouTubeに映像配信する。3番目として、小中学校に製造業の事

業者が訪問して「ものづくりの話」、「ものづくり体験」を実施してもらう。

続きまして、「若手(U40)・女性・シニア企業家育成事業」、①市内での創業を目指す企業家向

けにチャレンジショップとして期間限定(3ヶ月~6ヶ月程度)でテナントまたはブースを貸し付

け、市内での開業に繋げる。②市内での創業を目指す女性企業家のプチ創業を支援するため空き

店舗、空き事務所の活用を支援する。③市内での創業を目指す若手(U40)企業家の商店街の空き店

舗への出店に対して商店会活動に積極的に参加することを条件に拡充支援し、商店街の活力を増

進する。

最後に、「ダイバーシティ・ワークライフバランスの推進」、多様な雇用に対する体制の整備、

このなかには、事業所内保育所、外国人・高齢者の働きやすい環境整備等に対する支援がありま

す、また雇用多様化に向けた支援、表彰制度なども実施します。

3番目、「集める」ですが、事業の定義は商業・観光振興の推進により「賑わい」を創出する。

5事業ありますが、短期から説明します。まず、「商店街活性化提案型モデル事業」、商店街等

が地域や自らの課題解決をめざして企画・提案する事業採択により支援する。

その隣の中期ですが、「主要駅周辺の街づくり協定の推進」、市内主要駅の商店会に対して中長

期的なまちづくり計画の策定の推進していく。

続いて短期になりますが、「商店街にぎわい推進団体連携モデル事業」、会員だけではイベント

等の開催が困難な商店会が、NPO法人や地域の団体等と連携して商店会の賑わいの創出となる

イベント等を委託または提案事業採択により支援する。その下の短期になりますが、「個店の魅力

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向上事業」、あくまで仮定ですが、「真心 (接客サービス)」「斬新 (テナントデザイン)」「躍動 (新

規出店)」の各部門テナント船橋セレククション制度を創設して、個店を表彰する事で、個店の魅

力向上と情報発信を目指します。

中期になりますが、「大型商業施設支援事業」、地域貢献、外国人対忚のためのサービスの提供、

環境整備に対する支援とともに、近隣商店会との連携事業に対する支援を行います。

続いて4番目、「極める」です。事業の定義としては、操業環境の充実及び創業支援により船橋

版イノベーションを創出する。

まず、短期ですが、「設備投資補助金の拡充」、平成 27年4月に制定した工場立地等補助金制度

の拡充を検討し、太陽光、風力、地熱、水力、バイオ等の自然エネルギー設備設置に対する更な

る支援の検討を行います。

中期ですが、「臨海部操業環境改善事業」、谷津船橋IC周辺部の容積率の緩和及び臨海部工場

系用途地域の緑地率の緩和することで操業環境を改善する。

その隣の長期ですが、「新工業団地整備事業」、新たな製造業等の立地促進のため内陸部に空路

との交通アクセスを考慮した環境に配慮した工業団地の整備の検討を行います。

2段目の短期ですが、「ベンチャー企業の育成・支援」、ベンチャー企業が開発した製品を一定

の範囲内で行政などが採用し、良い製品であれば次年度以降も継続使用することで、行政が使用

しているというステータス向上を目指すトライアル発注制度を確立する。また、ビジネスコンテ

ストを実施することで創業者の意識高揚を図る。

中期では、「製造・研究所賃貸施設の整備支援事業」、製造業及び研究施設の市内創業を促進す

るため、工場・研究所賃貸施設を新設・改築する事業費に対して支援をする。

続いて短期ですが、「防災対忚力の強化推進事業」、公益性の高い防災関連設備の設置に対して

支援をする。

また、中小企業単独では対忚が難しいBCP(業務継続計画)策定に対しての相談指導員の派

遣を行いBCP策定を推進する。

中期では、「中小企業の開発力・販売力向上支援事業」、中小企業の6次産業化を推進し、開発

力、販売力を高める取り組みに対する支援をする。

5番目は「広げる」では3事業です。定義は国内外の販路拡大及びインバウンド誘致事業を推

進する。

短期で、「海外への販路拡大支援事業」、ジェトロ千葉(ちば海外ビジネスサポートセンター)

などと連携し、海外展開支援セミナーの開催や貿易実務等を支援するとともに、海外への販売拡

大に向けた展示会・商談会への参加費用を補助する。

続きまして2番目、「国内外へ広がる販売拠点事業」、こちらは主に商業になりますが、空港、

駅等の国内外から多くの来街者が訪れる場所、例えば成田空港や東京駅、ららぽーとなどでのP

R及び特産品の販売拠点となるアンテナショップを設置し本市の特産品の販売やおもてなし対忚

事業と連動させて本市の魅力をPRする拠点とする。市内に道の駅、海の駅等の直売所を設置し、

市内産品の販売及び観光情報発信の機能を持たせることで、市内の回遊性向上と地産地消を推進

する。

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最後になりますが、「インバウンド誘致促進事業」、東京オリンピック開催を視野に、インバウ

ンドの誘致促進事業を実施する。項目としては、a.外国人観光モニターツアー開催、b.おも

てなし(外国人向け)対忚事業、c.メニューの多言語化支援、d.Wi-Fi 環境の整備、e.各種

標識の多言語化、f.商店街等の免税対忚支援、g.ハラル対忚などを検討しています。事業検討

表については以上となります。

○ちばぎん総合研究所

続きまして資料3について説明させていただきます。商業・工業の両専門部会では活発なご議

論を頂きました。本日は、より大所高所の見地からご意見を頂戴できればありがたくよろしくお

願い申し上げます。その議論の呼び水として、専門部会で議論された主なご意見についてご紹介

させて頂きます。

まず、分野横断的なテーマですが、「ビジネスマッチング」について、さまざまなご意見を頂戴

しました。今回のプランにおけるビジネスマッチングの体制づくりでは、まず、企業データベー

スを構築し、企業レベルの情報発信機能を強化させるとともに、併せて、コーディネーター機能

を確立して参ります。

さらには、その両者を融合させた共同受発注システムの構築という段階的な推進を考えていま

す。主なご意見としては、千葉県産業振興センターなどの既存サービスとの差別化を図るために

も、市内企業を熟知していて、かつ専門的な知識を有するコーディネーターを育成する必要があ

るのではないか。また、その際には、コーディネーターに対する成果主義を導入すべきではない

かといったご意見がございました。

さらには、最終的な着地点である共同受発注システムの必要性を問うご意見もございました。

これは、大手製造業及び中小の大手メーカーの下請け企業では、製造ラインが一杯なところが多

いのではないかということです。

しかし、中小製造業の多くは新たな受注の獲得が大きな経営課題となっているだけに、この温

度差をどのように捉えるかといったところが論点になります。

回遊性の向上は、新しくて古い課題という認識のもとで、これまでの施策をなぞるのではなく、

新たな発想が求められているとのご意見がありました。例えば、海の駅や海上交通の整備により、

海からの人の動線を確保することで新たな回遊性に結び付かないかといったご意見や、船橋地方

卸売市場を築地の場外市場のようにできないかといったご意見がございました。現在、千葉市で

は小型旅客船の桟橋整備を進めていますが、こうした動きと歩調を合わせた海上交通の整備は夢

があって検討に値するものと考えます。

また、せっかく良い支援策をつくっても企業に届かなくては意味がないというご意見が複数ご

ざいました。船橋市をはじめとして、各支援機関が行っている各種支援を一元的に「見える化」

することが大きなテーマといえます。

次に、商業に関するテーマは、ご覧の3点です。まずは、商店街・商店街が属する地域の課題

は千差万別であるとの問題意識から、商店街支援について、これまでのように自治体がつくった

メニューを並べるのではなく、商店街からの「提案型」にするという点は多くの賛同を得ていま

した。この変更により、商店街のやる気・アイディアが問われるということを事業者側が強く認

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識する必要があります。

次に、商店街活動の新たな担い手育成をどうするかというテーマです。中長期的な商店街活動

の担い手を考えると、若手・女性といった新しい発想をもった人材発掘が必要不可欠です。あわ

せて、これまでの時代をつくってきたベテラン経営者と若手・女性が切磋琢磨できる環境づくり

が必要というご意見もございました。また、イベントや回遊性の向上による集客を個店の売上に

つなげるために、商店主には、消費者ニーズにあった店づくりを行うことが強く求められます。

従って、これからの商店街活動は、高齢者・子育て支援など福祉の視点も求められることから、

NPO法人や市民団体などとの役割分担が必要ではないかという点も重要な論点と存じます。

次に、卸売業の支援についてです。船橋市地方卸売市場の方向性として、事務局の現在の方針

としては、昨年4月に公表された「船橋市地方卸売市場の経営展望」をベースに進めることとし

ています。その他の卸売事業者をどのように支援するかが論点になります。ちなみに、先進事例

調査を実施した、札幌市と大阪市では、商談会・展示会の支援を中心に実施されていました。

工業に関する主な論点は2点です。製造業の雇用確保については、長期的な視点が必要という

ことで、小中学生を対象とした「未来を担う子ども育成事業」の事業の中身に関するご意見があ

りました。これらのご意見は、事業検討表で採用させて頂いています。千葉工業大学は、志願者

数の増加数(8,285 人)で全国トップとなっています。このように理系のポテンシャルが見直さ

れている状況下、進路を決める前段となる小中学生へのものづくり産業のアピールは重要と考え

ます。

最後に海外展開の進め方ですが、海外展開は、各企業で温度差があるため、企業レベルに忚じ

た支援体制を確立して欲しいという要望がありました。国内需要は人口減尐により縮小傾向が見

込まれています。また、5年後に東京オリンピックの開催が予定されていることもあって、海外

需要の取り込みは今後 10年間で避けることができない大きなテーマとなりますので、海外からの

観光客の誘致もあわせてご議論頂ければと存じます。

以上、専門部会の主なご意見のご報告でした。これらのご意見を参考にしていただき、宜しく

ご審議のほどお願い致します。

○石井委員長

ありがとうございました。只今ご説明のありました「船橋市商工業戦略プラン重点プロジェク

ト事業の検討」について、ご意見やご質問はございますか。

○中谷委員

シニア人材の活用は、委員会のなかでも過去に何度かご指摘させていただき、今回の先進事例

でいえば大阪産業創造館の事例にもあがっている。何か切り口がないかと考えているが、今回の

事業検討にはあがっていない。

私自身、過去の経験を活かしてみようと思い、顧問登録制度で登録してみた。私自身は経営管

理が専門分野であるが、そのような分野のニーズは皆無に近く、企業側が求めている人材は販路

拡大と技術支援が圧倒的に多い。一般論として販路拡大と技術支援の企業ニーズは多く、船橋市

の企業にも潜在需要があるといえるため、難しいとは思うがマッチングのルールが出来れば船橋

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市でも広がる可能性はある。

○事務局

シニアに特化した事業としては記載していないが、「つなげる」の短期で企業データベースの構

築があり、これを端緒として、中期にあるコーディネート機能の確立につなげたい。シニア人材

の活用では、データベースに登録した人材情報と企業をマッチングする方法と、コーディネータ

ーとして登用する両方の選択肢があるが、市としては登録された人材が活用されない事を危惧し

ている。

企業のニーズを明確化し、それにシーズとしての人材をマッチングできるのであれば、人材登

録の方式であっても、コーディネーター派遣であっても、どちらでも良いといえるため、両方を

視野に入れて検討すべきであるが、現時点ではコーディネーター登用が望ましいと考えている。

○板谷委員

10年以上前になるが、東京商工会議所で、例えば経理などの分野でベテランの専門人材を登録

し、当該分野の専門家を求めている企業にアルバイト程度の賃金で派遣する事業を行っていた。

制度の名前は忘れてしまったが、コーディネーターやプロフェッショナル人材の派遣など切り口

は色々ある。あくまで、そういった必要性が船橋市の企業に存在する事が大前提であるため、必

要性の有無を見極めることが第1ステップといえる。

○吉田委員

「育てる」でインターンシップ、未来を担う子ども育成など人材育成の事業が挙げられている

が、商業を中心に若手の後継者が不足している。住んでいる地元の商店街でも 30 代から 40 代の

若手がいない。インターンシップの推進や未来を担う子どもの育成も大切であるが、これからを

担う、後継者や若手人材といった、キーとなる人材を積極的に育てる支援事業をお願いしたい。

株式会社myふなばしの山﨑さんが様々な仕掛けをしているが、特に商業においては彼らのよ

うにすでに活動している方も含めて、中堅となる方や、船橋市で商売を始めた新たな担い手が十

分に力を発揮できるような支援をしてほしい。

前回、産業振興専門機関の設置を提案させていただき、先進事例でも燕三条の事例が掲載され

ている。新潟に7~8年いた事があり、当時、燕商工会議所などとコンタクトをとった事がある

が、燕商工会議所では、全国的に非常に有名な高野氏が一人で全てマッチングしている状態であ

った。富士市のF-bizの事例も同様であるが、コーディネーターとして積極的に動いていただ

ける方がいて、そのうえで行政や商工会議所が連携していかなければ、上手く展開する事が難し

い。キーパーソンとなるような人を確保し、それの裏付けとしてデータベースを構築していく事

が必要である。

○伊東(實)委員

消費者に最も近い位置にいるのが商店であり、商店街である。イベントを通して、行きたくな

る、住みたくなるというのは、商工会議所でもよくスローガンとしてあげている。

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若い人がいない事は仕方がない部分もあるが、船橋市の知名度があがる一方で、商店街は衰退

しており、どうにかしなければならないとは常に思っている。

市からは、プレミアム付商品券の発行事業や、街路灯の設置支援など様々な支援を受けている。

最終的には自助努力となるが、正直自分たちだけでどうにかするのは難しい。市に支援をいただ

いているにも関わらずこの程度といわれてしまうかもしれないが、一時期のどんどん下がってい

る状況には歯止めがかけられているのではないかと認識している。

事業検討表の育てるに記載されている事業については、是非とも進めていただきたい。

○事務局

事務局としては、どのようにしたら、商店街に若手を入れていくことが出来るだろうかという

事を出発点として、育てるに記載している事業を検討した。現状の空き店舗対策は、誰でも同様

の補助制度であるが、今回のプランでは若手が商店街活動に関わることなどを条件として、補助

率をあげるといった取り組みも検討したい。

○石井委員長

商業支援として自助だけでは難しいため、一つ前に進む教育制度が必要だと考えるが、その点

はいかがか。

○福田部長

人材育成は、チーム船橋というキーワードで進めていきたい。現在実施している経済ミーティ

ングのなかからも、色々な動きが出始めている。商業も工業も結局は人材に行き着く事から、様々

な支援を行いつつ、中長期的に人を育て、活動できる人を増やしていくことが重要という事が大

前提にある。若手を育成する事で以前から商店街で商売されている方と若手がお互いに刺激を受

ける事で、商店街の活性化や後継者の確保につなげたい。

○伊東(實)委員

商店街に対する支援策としては、従来から十分に受けているとの認識はあるなかで、更に要望

する事になり心苦しい部分もあるが、選挙のように忚援しますので後は頑張ってくださいという

ようなわけにはいかない。

メニューに○○の支援といった表現があるが、具体的に各事業が、人の支援なのか、お金の支

援なのかをはっきりしてもらうと、これだけ支援してくれるのだから頑張ろうという事になるの

ではないか。

○福田部長

商業部会でも多くの意見をいただき、従来からイベント支援や街路灯等のハード整備を進めて

きたが、既存の取り組みでは一過性のものになってしまっているのではないかといった反省があ

る。それを打破するには、地域によって環境が異なるため、地域の皆さんで考えていただくのが

一番良いのではないかという事で、今回は提案型としてやる気のある商店街等を市がバックアッ

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プしていきたい。

○伊東(實)委員

船橋市には 60の商店街があるため、ローカルな地域でも支援を実施して欲しい。駅前など特定

の場所では多くのイベント等を実施し、陽が当たっているが、郊外の地域ではあきらめて、それ

をただ見ている商店街もある。今回のプランでは、商店会組織からだけではなく、行政の側から

もそういった商店街にも手を差し伸べていただきたい。

○福田部長

個店の魅力向上事業でのコンテストの実施など、事業者からの募集や、取り上げる機会を増や

していく方針であるため、是非とも積極的に参加していただきたい。

○伊東(實)委員

コンテストなどは既に実績のある事業者が中心になってしまい、新規では忚募しづらい可能性

もある。

○石井委員長

ご指摘いただいた点は、実際に商売を行っている方の実感として非常に重要。商業部会でも、

商店主が商売をやめテナント業となっているという実態の指摘があったが、現状に対する意見に

ついては、各種委員会や勉強会等を通じて共有していく必要がある。

○板谷委員

工業ではベンチャーの創業支援とともに、ベンチャー企業を大きくする事を考える必要がある。

大企業は海外展開しており、中小では下請けできる受注がないため、自ら製品を開発して新たな

ものをつくる必要がある。国内従業員の7割は中小企業で働いており、中小企業が減尐すれば日

本の経済全体が縮小する。

新たな事業を立ち上げるためには、若手の人材育成や、技術や知識のある高齢者を活用した技

術承継が必要となる。シニア人材に実際に企業に入ってもらい、OJTにより技術レベルをあげ

る必要がある。充実した支援策により、どの企業も常に製品開発に取り組めるような環境になら

なければ、全体のレベルアップにはつながらない。また、自社で開発をしても、中小企業単独で

は全国に拡販できず、大企業に依頼せざるを得ない状況にあり、非常に苦労しているというのが

現状である。

中高生といった若い人にものづくり体験を通じて興味を持ってもらうため、学校への出前事業

などは行っている。事業にあるように宣伝ビデオを制作し、教育の一環として流していく事は重

要である。また、実際に工場に来てもらい製造現場を体験してもらう事も必要である。

○伊藤(賢)委員

商工会議所経由で基礎調査報告書もみたが、社会全体が多様化しており、まちとして商店街な

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どに求められているものも多様化している。そのため、やらなければならない事はきりがないく

らいで、事業検討で記載されている事はどれも必要なものである。

キーパーソンについて、言及があったが、船橋市でも実際に物事を発信し、引っ張っていく人

材が必要となる。もちろん市長がトップに立つのであるが、本気で活動している方を全体で支え

る事が出来れば、まちは変わる。本気で活動している人をみて商工会議所では支援室をつくり、

全面的に支援する事にした。今回の策定過程を通じて土壌はつくることが出来きているためこの

ような具体的な支援も必要である。

○事務局

コーディネーターの事業は、キーパーソンとして、どれだけ有能な方を登用できるかが事業の

成否を握っている。現時点では具体的に想定している方はいないため、まずはシニアも含め市内

人材の掘りおこしを行いつつ、それとともに企業データベースの構築も進めていく。マッチング

や海外展開を望む企業を発掘し、登録いただく事で最終的に受発注システムにつなげたい。

ただシステムをつくる事を目的とするのではなく、企業と企業、人と人とをシステムを介して

つなぐ人材の発掘と育成を 10年間のなかで進めていく。

○神田委員

卸売市場の経営展望でも仲卸同士の共同集荷などは検討されている。例えば、まぐろ専門の事

業者だけでは、大型店のニーズを満たさせないため、複数の事業者で連携する事で大型店への販

売につなげる事などを提案しているが、なかなかうまくいかない。それぞれの事業者が、小さす

ぎることや、若手がいないことから新たな取り組みをしたがらない事業者が多い。

コーディネーターがいれば解決する事もありうるが、後継者がいない事業者は従来の手法を変

えることはせず、連携もほとんど進まない。

○大野委員

観光分野では具体的にまとめるあげる人は思い浮かばない。

方法論を論じているがスピードが大切で、船橋の名前をどれだけ売るかが重要である。千葉市

では、海岸でレッドブル・エアレースを開催し、世界に情報が発信されるが、そのような冠とな

る取り組みがなければ船橋は通過されてしまう。先々の取り組みも分かるが、船橋市を明日発展

させるような取り組みも重要である。千葉市の取り組みはイベントであっても、世界 100 か国に

発信される。千葉市ではたまたま会場があるために実施出来ているため、船橋市で全く同じこと

をやれというわけではないが、スピードをもった事業を行うことが重要である。徳川家康もスピ

ードも持って道路などの整備を行ったように、船橋市でも即効性のある取り組みも必要である。

10年のプランというが、役所の担当は5年もすれば変わってしまい、何も実行されず同じ事を

繰り返している。

海上交通は、バンクーバーやコペンハーゲンでもやっている。海上交通を整備すれば、渋滞も

緩和され、人の流れも変わる。海上交通や海の駅が出来れば、船橋の名前が知れ渡る取り組みと

なる。

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○江波戸委員

東京都中小企業振興公社では、販路開発等を行うコーディネーターが 50名以上登録されており、

企業のニーズに忚じて専門人材が派遣されている。案件によっては2名体制で訪問し、実際に成

果があがっている。県の産業振興センターは、コーディネーターが数名しかないため、専門分野

が絞られ具体的な成果があげにくい状況にある。そのため、コーディネーター機能の確立を進め

る場合には、幅広く登録していただけると良い。

回遊性向上は、商工会議所の事業で手伝っているが、旧山口横丁や仲通り商店会では新しい若

手オーナーの店舗も出てきており、新たな来街者も訪れている。しかしながら、そこまでで足が

止まり、御殿通り商店街や大神宮まではつながっていない。そういった意味でも、桟橋整備が出

来れば良いのではないか。横浜市の大岡川では桟橋を整備し、みなとみらいを経由するクルージ

ングを行うなど川を舞台としたイベントで賑わいを創出している。船橋市でも同様の取り組みを

実現させて欲しい。

商店街の表彰制度は良い取組であり、是非とも実施して欲しい。稲毛のせんげん通り商店街は、

中小企業庁の新・がんばる商店街 77選に選ばれている。全国レベルで2度表彰されており、千葉

県では初めて全国レベルで表彰された商店街である。

県の商店街活性化地域連携モデル事業の最優秀賞に輝いた「稲毛あかり祭-夜灯(よとぼし)」は、

成功事業として長期に継続しており、商店街のイベントが地域のイベントにまでなっている。国

に表彰された事で活動している方々のモチベーションがさらに高まり、コミュニティ施設で防災

施設も備えた、あかりサロン稲毛もオープンしている。

○事務局

商店街の活力の点では、地域団体との連携による商店街にぎわい推進団体連携モデル事業も考

えているが、個店の魅力向上事業の表彰制度では、個店だけではなく、商店街単位でも効果はあ

ると考えている。

○福田部長

市の計画が絵に描いた餅になってしまうというご指摘はよくいただき、実際にそういった計画

もあると認識している。そのため、今回はそうならないように、誰が、どのように、どうやって、

どう検証するのかといった部分まで今後の委員会で検討していきたい。事業は、行政だけでは出

来ないため、皆様から様々な意見をいただき、皆様とともに責任を持って計画を策定したい。

これだけ時間をかけて計画をつくった例は本市ではない。アンケート、統計調査、ヒアリング

等のあらゆる手段を用いて現状分析をしたうえで、先進事例も参考にし、船橋市の実情に即した

計画を策定している。事業は盛りだくさんとなっているが、実地を踏まえて策定している。

○大野委員

事業が盛りだくさんで、これをどこまで実行できるかが現時点では未知数である。

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○伊藤(賢)委員

今回のような議論を行うことは非常に重要。専門部会や策定委員会を通じて議論をするなかで、

市内の事業者や団体が議論をしている事を認知し、何かやっているという雰囲気が出来る。千葉

県の事を熟知している、ちばぎん総合研究所が事務局や委員会を通じて議論をした事を受けて策

定していくため、最終的には現実を踏まえたうえで、うまくまとめてくれるとは思う。

そのような議論を重ねたという土壌があったうえで、戦略プランの事業としてあげられた 100

のうち、1つでも実行出来れば、10年後には船橋は変わったという事になると確信している。

先ほども人材の話をしたが、キーパーソンを育てる事が出来れば船橋は間違いなく変わる。幸

いにして、船橋市には良い人材も既にいる。

○伊東(實)委員

これだけ事業が多いなかでは、誰が、何を、何のために、どのようにという事を示したうえで、

財政的な裏付けなども含め、その事業が実行可能か否かを議論する必要がある。

○杉田部長

国では地方創生という事で東京一極集中の是正を進めている。船橋市では、平成 26年度の補正

予算の補助金も活用し、今回の事業で記載されているような目的を実現できるような事業を具体

的に検討している。企画財政部でも平成 27年度中には、船橋市版総合戦略を策定予定であり、そ

のなかでも賑わい創出は、尐子高齢化への対忚、船橋市の魅力づくりと情報発信などとともに、

重要なテーマの 1つと位置付けている。

総合戦略では具体的な事業を国の交付金も活用して進めていく。商工会議所の商業活性化協議

会でも山口横丁や回遊性向上について意見を述べたが、本テーマは一朝一夕にはいかないが、市

として段階的に進めていく方針であり、注目いただくともに、ご意見もお寄せいただきたい。

○伊東(實)委員

絵に描いた餅ではなく、皆で必要性を共有化しなくては書いたものが蜃気楼のように消えてし

まう。

○島津委員

船橋の理想像がつまっており、個別ではやるべき事業ばかりであるが、何の制限もなく羅列す

るだけでは良いのか。

県の産業振興センターのコーディネーターは数名しかいないが、船橋市であれば大企業を退職

されたOBも多数いるため、需要と供給側でコネクションをつくる事が出来れば効率的であると

思うが、実際には予算的な制約があり、理想論だけでは進まない部分もある。

○石井委員長

事務局では、実行性は当初から考慮しており、順位立てとして短期、中期、長期の時間軸を設

定しており、全てが並列というわけではない。大野委員からご指摘があった通り、委員の皆様か

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ら本音の議論をいただける事は大変ありがたい。また、スピード感を持って、出来ることはすぐ

にでもやっていきたい。

○事務局

スピード感と実行性の考慮は、戦略プラン策定において必要不可欠な要素である。現行の商工

振興ビジョンとは異なり、今回掲げている事業は、事務局内で議論を重ね、取捨選択したうえで

実現可能なものをあげている。現時点では商工振興課内の事業案である事から、今後庁内関係部

局での調整は必要な段階にある。ご指摘のあった進捗管理方法も含めて、より精度をあげながら

策定していきたい。

○中谷委員

感覚として、記載された事業を全て実行しようと思えば、一般企業であれば担当役員を置き、

専門部署を設置して、5~6名の専門の人員を配置するレベルの事業量である。最重点というレ

ベルで、もう尐し絞っても良いのではないか。市役所の人材や業務量は把握していないため、こ

れらの事業が実施できるかは正確には分からないが、結局何もできないという事にならないよう

にこのなかで、ゴシックがあっても良いのではないか。

○ちばぎん総合研究所

短期は2年以内に実施としており、予算がある自治体では1年ないし2年で予算化したうえで、

実施するという船橋市の強い意思を示す事業である。

そのなかでも、優先順位は当然つけていくべきで、今後精査していく必要がある。また、実際

に事業手法等を検討していくなかで、実施時期や内容の見直しなどはフレキシブルに対忚すべき

である。

○福田部長

事業としてかなりハードルが高いものもあるが、やっていきたいという意思として書き込んで

いる。10年の計画であることから、中間年である5年程度での見直しも想定している。

○中谷委員

事業の優先順位は、緊急性や船橋らしい事業を考慮する必要がある。

○大野委員

10 年は長いというが、アメリカの長期計画は 50 年である。計画をつくって予算をつけていく

と 10年はあっという間である。京成船橋駅の高架化の計画も、大神宮とつなげるという当初の計

画が全く実施されていない。京成の駅と川を結べば通勤客にも利用される。はくちょう計画とし

て海老川の高速自転車道の整備なども検討されていたが全く進んでいない。

○事務局

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計画の具体的な現状は把握していないが、大野委員にご指摘いただいている点を反省し、今回

は実行性の高い計画にしたい。

○大野委員

計画通りに海老川をきちんと活用していれば、今ごろ卸売市場も中心として発展していた。

○石井委員長

佳境に入り、委員会のなかで本音の議論が出来、実行性についても議論できたことは大変有意

義である。今回の計画は従来の計画とは異なり、必ず実行するという思いで策定していきたい。

○板谷委員

事業を実施した検証は誰がフォローするのか。

○事務局

進捗管理は適切に実施するが、方法や検証組織については次回以降、事務局より提示し、委員

会で議論いただきたい。

○大野委員

港湾の護岸を強化するという国の大方針がある。船橋市は護岸で囲まれており、護岸が整備さ

れれば自転車の通路の確保なども可能となる。国の予算も活用しなければ、市の予算だけでは出

来ないこと多いが、海の駅にしても、道の駅にしてもそのような点が見えてこない。

○事務局

ご指摘いただいた水上交通や海の活用については、市全体の政策的な考え方とのすり合わせや

総合戦略のなかの位置づけを確認したうえで、戦略プランのなかで盛り込んでいきたい。

○大野委員

10年の間には外環道の整備も進み、東京オリンピックも臨海部で開催される。世界地図でみた

ら、船橋も東京圏である事から、予算的に市独自ではなく連携していく必要がある。

○石井委員長

実行性の問題はどの自治体の計画でも苦労しているが、今回のプランは議論を重ねることで関

係各団体に伝えていき、行政と事業者、団体が一体となり進めていきたい。

○伊東(實)委員

繰り返しになるが、プライオリティーとともに、どのように実行するのかという方法論を示す

必要がある。

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○事務局

事業が決まった段階で、実行主体や、市・商工会議所・事業者等の役割分担については、事業

ごとに示し、それについてあらためて意見をいただきたい。

○福田部長

今回の戦略プランは8月末の策定としているが、それは平成 28年度には必ず予算化するという

意思の表れである。予算面の課題はあるが、手法については可能な限り具体的に提示したうえで

ご意見をいただきたい。

○越山副委員長

事務局として意見をベースに、既存事業、専門部会や策定委員会のそれぞれの立場で事業の穴

埋めをしている段階であり、そう簡単にはまとまらない。そうはいっても日程が限られているな

かで本戦略プランを策定する必要があるため、各人が協力しあい、専門部会や策定委員会を通じ

て協力していきたい。

○石井委員長

他にご意見はございますでしょうか。ないようなので事務局より連絡事項があればお願いいた

します。

○事務局

次回の第6回の策定委員会でございますが、5月29日(金)15時00分で開催を考えており

ますが委員の皆様のご都合はいかがでしょうか。次回会議では、商工業戦略プラン素案について

審議いただきたいと考えています。調査の進捗により日程修正が必要な場合には改めて事務局に

て日程調整させていただきますのでよろしくお願いいたします。

本日、貴重なご意見をいただきましたが、意見を十分にお伺い出来ていない部分もあると思い

ますので、事務局より委員の皆様へ意見書をお送りさせていただきます。意見書でお伺いした内

容も戦略プランの素案作成に反映したいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。

○石井委員長

以上を持ちまして、第5回策定委員会を終了いたします。ありがとうございました。

以 上