第5章 配慮書に対する経済産業大臣の意見及び事業者の見解 - …表...

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5-1 (217) 第5章 配慮書に対する経済産業大臣の意見及び事業者の見解 5.1 配慮書に対する経済産業大臣の意見 「環境影響評価法」(平成 9 年法律第 81 号)第 3 条の 6 の規定に基づく経済産業大臣の意見(平 29 3 10 日)は、次に示すとおりである。

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第5章 配慮書に対する経済産業大臣の意見及び事業者の見解

5.1 配慮書に対する経済産業大臣の意見

「環境影響評価法」(平成 9 年法律第 81 号)第 3 条の 6 の規定に基づく経済産業大臣の意見(平

成 29 年 3 月 10 日)は、次に示すとおりである。

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5.2 経済産業大臣の意見に対する事業者の見解

配慮書に対する経済産業大臣の意見及びそれに対する事業者の見解は、表 5.2-1 に示す

とおりである。

表 5.2-1(1) 配慮書に対する経済産業大臣意見と事業者の見解

経済産業大臣の意見 事業者の見解

1.総論

(1)対象事業実施区域の設定

対象事業実施区域の設定並びに風力発電設備

及び取付道路等の附帯設備(以下「風力発電設備

等」という。)の構造・配置又は位置・規模(以

下「配置等」という。)の検討に当たっては、既

設風力発電設備等の設置の際に行った環境影響

評価等の結果と現在の状況を比較し、既設の風力

発電設備等の設置による環境影響を検証した上

で、計画段階配慮事項に係る環境影響の重大性の

程度を整理し、反映させること。

また、同検討のうち、風力発電設備の建替につ

いては、既存の道路や送電線等を利用すること等

により、新設する場合に比べ環境影響を低減する

ことが可能な場合には、その利用等を考慮した検

討を行うこと。

既設風力発電設備等の設置の際に行った環境

影響評価(自主アセス)は、現在の法で定める項

目並びに調査、予測及び評価の手法とは異なる簡

易的な内容であることから、一概にデータを使用

できるものではありませんが、出来る限り、その

環境影響評価の結果等を参考に、既設の風力発電

設備等による環境影響の重大性の程度を整理し

た上で、その結果を本事業計画等に反映します。

また、既存の道路、送電線等を利用すること等

により、新設する場合に比べ環境影響を低減する

ことが可能な場合には、可能な限りこれらを利用

します。

(2)累積的な影響

事業実施想定区域の周辺においては、複数の事

業者による風力発電所が稼働中又は環境影響評

価手続中であることから、累積的な影響が懸念さ

れる。このため、今後、環境影響評価図書等の公

開情報の収集や他事業者との情報交換等に努め、

累積的な影響について適切な予測及び評価を行

い、その結果を踏まえ、風力発電設備等の配置等

を検討すること。

本事業の工事の実施により影響を受けるおそ

れがある予測地点近傍に他の風力発電設備計画

が存在し、工事の時期が本事業と重なる場合にお

いて、予測条件が明確にできる場合には、本事業

との累積的な影響の予測・評価を行い、可能な限

りその結果を踏まえ、風力発電設備等の配置等に

反映致します。

また、本事業の存在及び供用により影響を受け

るおそれがある予測地点近傍に、稼働中の風力発

電設備が存在する場合や、他の風力発電設備計画

が存在する場合において、既設の風力発電設備や

他の風力発電設備計画の予測条件が明確にでき

る場合には、本事業との累積的な影響の予測・評

価を行い、可能な限りその結果を踏まえ、風力発

電設備等の配置等に反映致します。

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表 5.2-1(2) 配慮書に対する経済産業大臣意見と事業者の見解

経済産業大臣の意見 事業者の見解

(3)事業計画等の見直し

1.(2)並びに2.(1)、(2)及び(3)に

より、騒音等及び風車の影による生活環境への影

響並びに鳥類に対する影響を回避又は十分に低

減できない場合は、風力発電設備等の配置等の再

検討、対象事業実施区域の見直し及び基数の削減

を含む事業計画の見直しを行うこと。

今後実施する現地調査、予測及び評価の結果を

踏まえ、環境へ配慮した事業計画の策定に努めて

参ります。

なお、本事業の実施による重大な影響等を回避

又は十分に低減できない場合は、風力発電設備等

の配置等の再検討、対象事業実施区域の見直し等

を含む事業計画の見直しを可能な限り実施致し

ます。

(4)工事計画の検討

本事業の工事計画の検討に当たり、事業実施想

定区域の既設風力発電設備の撤去が本事業にお

ける一連の工事と見なせる場合は、撤去に伴う環

境影響も含め検討すること。

撤去工事と新設工事を同時期に行うことを想

定しているため、撤去工事を本事業の一部と捉

え、工事実施時期全体において環境影響が 大に

なる時期を対象に、予測及び評価を行い、必要に

応じて環境保全措置を検討します。

(5)環境保全措置の検討

環境保全措置の検討に当たっては、環境影響の

回避・低減を優先的に検討し、代償措置を優先的

に検討することがないようにすること。

また、風力発電設備の建替においては、現況か

らの環境影響の増加分のみに着眼することなく、

現況の課題も踏まえた上で、本事業の実施による

環境影響の回避・低減のための環境保全措置を検

討すること。

環境保全措置を検討に当たっては、環境影響の

回避・低減を優先的に検討します。

また、現段階において、既存風力発電所による

課題は無いものと認識しており、本事業に伴う環

境影響の程度の評価に関しては、現況からの増加

分を基本とする考えですが、現況における環境保

全措置の妥当性や課題を改めて確認し、その結果

を受け、本事業の実施による環境影響の回避・低

減のための環境保全措置を検討します。

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表 5.2-1(3) 配慮書に対する経済産業大臣意見と事業者の見解

経済産業大臣の意見 事業者の見解

2.各論

(1)騒音等に係る環境影響

事業実施想定区域の近隣には、複数の住居が存

在しており、工事中及び供用時における騒音によ

る生活環境への重大な影響が懸念されることか

ら、環境保全に十全を期すことが求められる。こ

のため、風力発電設備等の配置等の検討に当たっ

ては、「騒音に係る環境基準の評価マニュアル」

(平成 27年 10 月環境省)及び 新の知見等に基

づき、住居への影響について適切に調査、予測及

び評価を行い、その結果を踏まえ、風力発電設備

等を住居から離隔すること等により、騒音等によ

る生活環境への影響を回避又は極力低減するこ

と。

風力発電設備等の配置等の検討に当たっては、

「騒音に係る環境基準の評価マニュアル」及び

新の知見等に基づき、住居への影響について適切

に調査、予測及び評価を行い、その結果を踏まえ、

現在の配置計画案において重大な影響等を回避

又は十分に低減できない場合、風力発電設備の配

置等を見直すことにより、騒音等による生活環境

への影響を可能な限り回避又は低減します。

(2)風車の影に係る環境影響

事業実施想定区域の近隣には、複数の住居が存

在しており、供用時における風車の影による生活

環境への重大な影響が懸念されることから、環境

保全に十全を期すことが求められる。このため、

風力発電設備の配置等の検討に当たっては、住居

への影響について適切に調査、予測及び評価を行

い、その結果を踏まえ、風力発電設備を住居から

離隔すること等により、風車の影による生活環境

への影響を回避又は極力低減すること。

風力発電設備の配置等の検討に当たっては、住

居への影響について適切に調査、予測及び評価を

行い、その結果を踏まえ、現在の配置計画案にお

いて重大な影響等を回避又は十分に低減できな

い場合、風力発電設備の配置等を見直すことによ

り、風車の影による生活環境への影響を可能な限

り回避又は低減します。

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表 5.2-1(4) 配慮書に対する経済産業大臣意見と事業者の見解

経済産業大臣の意見 事業者の見解

(3)鳥類に対する影響

事業実施想定区域の周辺には、多くのガン・カ

モ類の渡り鳥の重要な飛来地となっていること

などから「生物多様性保全上重要な湿地」に選定

された小川原湖湖沼群が存在していることから、

事業実施想定区域内に渡り鳥の主要な渡り経路

及び餌場間の移動経路が位置している可能性が

高い。また、事業実施想定区域及びその周辺には、

オジロワシ等の希少猛禽類の生息が確認されて

いる。このため、本事業の実施により、風力発電

設備への衝突事故や移動経路の阻害等による鳥

類の生息及び渡りへの重大な影響が懸念される

ことから、これら鳥類への重大な影響を回避する

ため、風力発電設備等の配置等の検討に当たって

は、専門家等からの助言を踏まえた適切な調査及

び予測を行い、影響を評価し反映すること。特に、

地域特性上重要と考えられる渡り鳥等の鳥類に

ついて、高度を含めた飛翔の経路を客観的に把握

できるよう、時期・時間帯、回数及び区域を考慮

した上で、適切な調査方法により調査を実施し、

渡りの経路及び餌場への移動経路を明らかにし

た上で、影響を予測及び評価すること。それらの

結果を踏まえ、重大な影響が懸念される場合は、

主な経路を避けるとともに可能な限り距離を確

保した上で、必要に応じ追加的な環境保全措置を

講ずることにより、鳥類への影響を回避又は極力

低減すること。

対象事業実施区域及びその周辺では、ハクチョ

ウ、ガンカモ類、オジロワシ、オオワシ等の生息

情報があることを踏まえ、渡り鳥等の鳥類につい

て高度を含めた飛翔の経路を客観的に把握し、渡

りの経路及び餌場への移動経路を明らかにでき

るよう考慮した上で、今後専門家からの助言を得

ながら、鳥類に係る調査、予測及び評価を適切な

手法により行い、その結果に基づき、風力発電設

備等の配置等について検討します。

また、その結果を踏まえ、事業による重大な影

響が懸念される場合には、渡りの主な経路から可

能な限り距離を確保することを考慮した上で、風

力発電設備の設置位置の変更等の環境保全措置

の実施により、可能な限り鳥類への影響の回避又

は低減に努めます。