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第36回 研究会

バオバブ製品の製造販売を通した 農民グループの自立支援プロジェクト 駐在員一時帰国報告会

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事業背景と概要

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マラウイ共和国 人口:1,721万人 言語:チェワ語、英語、各民族語 1人あたりのGNI:340 USドル 主要産業:農業 (メイズ、たばこ、茶、綿花) 経済成長率:2.8% 物価上昇率:21.2% 主要貿易品目: (輸出)タバコ、紅茶、砂糖 (輸入)食料品、石油製品、肥料

出展:外務省HP(世銀の2015年データ)

マラウイ国概要

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プロジェクト名:バオバブ製品の製造販売を通した農民グループの自立支援プロジェクト 実施期間:2017年2月~2019年11月(2年10ヶ月間) 事業目的: ①マラウイ政府が実施するOne Village One Product (OVOP:一村一品) プロジェクトによって作られた基盤を活用し、マラウイ国内外で市場価値の高まるバオバブを用いた農業ビジネスを促進し、一つの成功モデルとして確立させる ②市場に重点を置いた製造販売事業の重要性を示すと共に、OVOPプロジェクト全体の発展を促す ③農民組合が製造販売事業に必要な知識・技術を取得し、持続的な事業を展開し、安定した利益を得る

プロジェクト概要

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大分県発祥の「一村一品運動」、各地域で主体的に特産品を作り、地域振興を図ろうとする運動がモデルとなっている。 マラウイでは多くの加工商品が近隣国からの輸入で賄われており、現地政府は国内生産・国内消費を促進する政策を長年展開している。 OVOPプロジェクトもその一つであり、農民組合を対象に農産物の国内加工・販売の促進を目的に実施されている。

OVOPプロジェクトとは

マラウイでは、当時の大統領の指揮のもと2003年から開始され、JICAも2017年まで13年間支援してきた。 現在、マラウイ全国に111のOVOP組合があり、米やはちみつ、ワインなどを製造販売し、マラウイ国内で販売している。

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OVOPプロジェクトが抱える課題

高品質加工による付加価値の創出に主眼が置かれていたため、市場を顧みずに製品が作られている 高品質な商品を求める中高所得者層(コアターゲット)が集まるのは都市部であり、地方の組合にはアクセスしずらい 企業のマスプロダクトなどの競合他社に勝てない マーケティングや営業のノウハウがない組合にとっては都市部において独自に販路を開拓することは極めて困難 市場が見出せないため、継続的な収益に繋がらず、事業の持続性や安定性がない

プロダクトアウトのモノづくり

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なぜバオバブなのか?

OVOP産物品の1つであったバオバブオイルに注目 近年、欧米を中心に優秀な美容オイルとして注目が高まっている。 また、バオバブの実から作られるパウダーは豊富な栄養素を含んでいることからスーパーフードとして注目されている。 市場価値の高まるバオバブを用いた農業ビジネスで利益を出せる組合活動を作り出す 組合の規模に合わせたニッチな業種で展開することで競合他社との摩擦を減らす 持続的で安定した収益の獲得

マーケットインのモノづくりへ

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バオバブとは

バオバブは“生命の木”と言われ、アフリカのサバンナに生息する世界でも最も大きな木の1つである。乾燥するサバンナにおいて大樹が長い年月生き残るために、大量の水を蓄える能力に優れており、かつビタミンやカルシウムなど、栄養素が豊富で抗酸化力も高い。

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バオバブを使った商品

バオバブの種を絞って作られるオイルは、保湿や老化予防に効果があると言われている脂肪酸やビタミンEを豊富に含んでおり、欧米のセレブも愛用するスキンケアオイルとして注目を集めている。 バオバブオイルを使った石鹸なども人気。

バオバブオイル

脂肪酸 オレイン酸 32% リノール酸 27% パルチミン酸 23% ビタミンEはオリーブオイルの12倍

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バオバブを使った商品

バオバブの果肉を粉末状にしたもの。スーパーフルーツと呼ばれるほど栄養価が高く、ビタミンやカルシウム鉄分、食物繊維、ポリフェノールなど多くの栄養素が含まれている。

味は微かな甘みと強い酸味があり、水やお湯で溶いてジュースにしたり、ヨーグルトに混ぜて食べるのが一般的。ドレッシングやジャムにするなど幅広い用途で使用が可能。

バオバブパウダー

主な栄養素 ビタミンC レモンの3倍 カルシウム 牛乳の3倍 鉄分 ほうれん草の3倍 食物繊維 バナナの50倍 など

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対象組合の紹介と 1年次までの活動

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活動地域

事務所

Dowa

Lilongwe Mangochi

Blantyre

4県にまたいで、5つの農民組合の活動を支援。 直接裨益者:1,373名 間接的裨益者:18,082名 【POINT】 各組合のレベルに合わせて、対応可能な範囲で事業を展開 で き る 様 に バ リ ュ ーチェーンを構築することが目標 都市部のグループ →商品の製造販売を担当 農村部の組合 →原材料の収集を担当

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対象組合の紹介(都市部:製造販売担当)

Maluso Cooperative Union(Lilongwe県)

OVOPプロジェクトによって作られた、OVOPに加盟する組合で構成された上位組織。首都リロングウェの郊外に事務所と工場を構えている。 OVOP直営店の運営、都市部での商品販売と販路開拓、商品の海外輸出を担当

Malusoは常勤の運営スタッフを雇用しており、事業用車両やPC、商品パッケージング設備などを持つ。理事会に参加する各組合メンバーも就学レベルが高く、高いレベルでのビジネスノウハウを移転できる。 1年次に搾油機を供与してバオバブオイルの製造を開始し、2年次には商品の衛生管理指導や販路開拓の支援を実施。

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対象組合の紹介(都市部:製造販売担当)

Home Oils Cooperative(Blantyre県)

マラウイ最大の商業都市であるブランタイヤに位置し、事業開始前より独自にバオバブオイルの製造販売を行っていた組合 組合メンバーの教育レベルも高く、メンバーの個人所有ではあるが、車両やPCを保有しており、会計も担当者がExcelを利用して管理している。

これまでの活動では、ブランタイヤ市内におけるバオバブ商品の市場開拓、製造技術改善の支援を実施。

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対象組合の紹介(農村部:原材料供給担当)

Wokha Cooperative(Mangochi県)

ナツメジャムやワインなどの製造販売を行っている女性を中心とした組合 バオバブが簡単に入手できるこの地域では、オイルの原材料となる種はゴミとして捨てられていたが、本事業によってバオバブを新たな収入源として活用できるようになった。

メンバーの就学率は低く、ほとんどのメンバーは英語が話せない。1年次の活動において、基礎的なビジネススキルを身に着けることはできたが、市場調査や外国人を相手にした商品営業など高いレベルのビジネスには対応できないのが現状である。

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対象組合の紹介(農村部:原材料供給担当)

Zokoma Cooperative(Mangochi県)

ハチミツを製造販売している養蜂組合 Wokhaと同様バオバブのポテンシャルについてはほとんど知らなかった。ハチミツは年3回の収穫時期にしか収入を獲得できないため、バオバブビジネスによって新たな収入の獲得を目指す。

メンバーの就学レベルやビジネス能力についてはWokhaと同レベルである。 2年次には、バオバブ事業によって約140万MWK(21万円)を獲得した。 (参考)前年の組合の総収益は20万MWK

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対象組合の紹介(農村部:原材料供給担当)

Madisi Cooperative(Dowa県)

首都リロングウェから約80kmのドーワ県に位置し、ヒマワリ油の製造販売を行っている。 2年次にはバオバブオイルの製造販売事業を開始する予定であったが、組合内の金銭トラブルによって組合活動が停滞し、実施できなかった。

3年次には、組合活動の再開と、バオバブオイルの製造開始を目指す。

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商品販売担当組合

バオバブオイルとパウダーを製造販売し、都市部で販売

原材料供給担当

バオバブの実を収穫し、パウダーと種に分ける作業を行い、それぞれを商品販売担に販売する

Wokha組合 Zokoma組合

バオバブパウダーを製造・種を収集

組合員

バオバブの実・種を組合に販売

組合から 現金収入獲得

組合からの収入は食費や子供の学費、家財道具の購入、農業資材費などに使用される

パウダー・種を販売

Maluso Union(中部) Home Oils(南部)

バオバブオイルの製造、パウダーのパッキング

製造やパッキングの作業を担当。作業に応じて日当を取得できる。 また、組合が上げた利益に応じて、株の配当金が入る。

組合員

売上金獲得

市場へ販売

フラッグシップ店舗

・カスタマーニーズの収集 ・店舗でのバオバブ商品プロモーションの実施

・直売店 ・小売店

・国外輸出

商品サンプルや広告媒体などの提供 バオバブ商品の

広報活動に協力

薬局、美容院、スパなど

Madisi組合

バオバブオイル の製造・卸販売

組合員は作業に応じて日当を取得。

バオバブ事業による持続可能なバリューチェーンの構築

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現地の農民組合が抱えていた問題点

・商品の品質が均一化されておらず、製造技術が不安定

・自分たちの商品の価値(セールスポイント)を理解できていない

・大量生産で安く作る企業の製品に競り勝てない

・売上や経費の記録が曖昧で、いくら稼いでいるのかが分からない

・市場のニーズに対する意識が薄い

・売り上げが出ない(資本金が増えない)

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①ビジネストレーニングの実施 各対象グループを巡回し、原価計算や帳簿記帳、製造工程の衛生管理などの研修を通して、各グループの基礎運営能力の向上を行った。

②バオバブ商品の製造開始 各グループにおいてバオバブオイルやパウダーの製造に必要な機材を提供し、製造方法の研修を実施。各グループにおいてバオバブ商品の製造を開始した。

③ビジネスプランの作成 ビジネスを実施する上で必要な年間を通しての事業計画を各グループで作成した。

帳簿記帳研修(問題に答えるメンバー) バオバブオイル製造研修(搾油の実習) ビジネスプラン作成研修でのグループワーク

1年次の活動内容

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④保管庫・搾油機の寄贈 OVOP商品の都市部での商品販売を担当しているMaluso Cooperative Unionに対して保管庫と搾油機を寄贈した。

⑤バオバブ商品の広報・販路拡大 国内におけるバオバブ商品の知名度を向上させるために、地元新聞への広報記事の掲載や商品ポスターの作成などを実施。

寄贈した保管庫(外観) 作成したオイルのポスター

1年次の活動内容

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2年次の活動

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バオバブ商品の製造販売事業の拡大を目指し、広報媒体の作成やマーケット調査を通じて国内における市場の開拓を進める。 顧客のニーズに対応していくために商品の品質を改善させる。 それらの成果として、バオバブ商品の販路開拓によって各組合の売上を伸ばし、組合に参加するメンバーの収入を向上させる。

バオバブ商品のマラウイにおける市場拡大

2年次の活動目標

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商品の品質改善 製造工程のマニュアル化、衛生管理の指導、日本での商品の成分検査の実施 国内における販路開拓 商品チラシの作成、サロン・薬局などへの営業活動、都市部ショッピングセンターやイベントでのブース出展 商品販売戦略の提案 外国人など購買力の高い顧客へのアプローチ、ギフト商品の開発 バリューチェーンの構築 原材料供給担当組合から商品製造担当組合への円滑な取引の調整

2年次の活動計画

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コアターゲット 都市部に住む20代~50代の女性。その中でも特に、美容や健康に興味を持ち、お金をかける余裕がある中~高所得者の女性。

対象都市 ①首都リロングウェ⇒Maluso Cooperative Unionを主軸に展開 ②最大商業都市ブランタイヤ⇒Home Oils Cooperativeを主軸に展開

コアターゲットへの具体的なアプローチ ・サロン・化粧品取り扱い店へのバオバブオイルの納品 ・薬局へのバオバブパウダーの納品 ・ショッピングセンターでのプロモーションブースの設置 ・リロングウェ&ブランタイヤにあるOVOPショップの知名度向上 ・Facebook などのソーシャルメディアを使っての商品効果の宣伝 ・クリスマスや母の日などの国民的なイベントとの連動

市場開拓における戦略

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2年次の活動

①バオバブ商品の品質改善 製造工程のマニュアル化 LOT管理の導入 機材メンテナンス研修の実施 ラボでの成分分析検査の実施 商品品質の安定性の向上

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①バオバブ商品の品質改善

製造工程のマニュアル化 LOT管理の導入

(課題・背景) ・製品の品質にバラつき ・不良品の発生

(対応策) ・細かな製造マニュアルを作成 ・不良品発生時に市場への出回りを防ぐ

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①バオバブ商品の品質改善

機材メンテナンス研修の実施

(課題・背景) ・搾油機の特定パーツの故障が頻発 ・原因究明へ

(対応策) ・機材のアラインメント方法などを含めて、専門家による研修を実施。 ・最終的に粉砕機を導入。

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①バオバブ商品の品質改善

ラボでの成分分析検査の実施

(課題・背景) ・商品の安全性を確認したい ・成分を明らかにすることで広報ツールへの応用

(対応策) ・生菌数やカビなどの含有量の確認 ・脂肪酸やビタミンの数値特定 ・化粧品基準(食品安全基準)に非適合な成分の有無を確認

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2年次の活動

②衛生管理指導 5S改善メソッドの導入 衛生管理の徹底 マラウイ製品安全認証の取得に向けたMaluso工場のリノベーション 商品の安全性の確保

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②衛生管理指導

5S改善メソッドの導入 衛生管理の徹底

(課題・背景) ・商品に不良品が発生 ・衛生管理に対する意識の低さ ・作業の効率性を上げたい

(対応策) ・5S改善の導入 ・手洗いの徹底、作業服等の着用 ・作業安全性の意識付け

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BEFORE AFTER

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②衛生管理指導

マラウイ製品安全認証(BMS)の取得に向けた取り組み

(課題・背景) ・MBSを取得することで新たな販路が開ける(MBSを取得していない商品は取り扱わないという制約を設けている企業がある) ・対外的に商品の安全性が確立された商品であることをPRできる。

(対応策) ・MBSの基準に沿った環境に工場内をパーテーションで区切り、作業工程ごとに区分を分けた。 ・MBSを取得するために必要な条件に沿って製造活動を行うための専門家を招いての研修の実施。

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2年次の活動

③バオバブ商品の販路開拓 マラウイ2都市において各200店舗ずつ、バオバブオイルとパウダーのプロモーション実習を実施 商品取引先の獲得 市場での認知度向上

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③バオバブ商品の販路開拓

プロモーション実習の実施

(課題・背景) ・契約店舗数が少ない ・小売店への営業ノウハウがない(ニーズを把握していない) ・商品営業の経験を積む必要がある(セールストークの研鑽等)

(対応策) ・リロングウェとブランタイヤにおいて、オイルとパウダーをそれぞれ100件ずつセレクトして実際に商品の営業活動を行う実習を専門家を招いて実施。 講義→市場調査→営業実習 〇バオバブオイル 美容院、マッサージスパ、薬局等 ●バオバブパウダー 薬局、食料品店等

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2年次の活動

④バオバブ商品のPR活動 都市部ショッピングセンターでのPRブース出展 商業フェアでのPRブース出展 外国人が集まるイベントへの参加 商品ユーザーの増加 市場での認知度向上

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2年次の活動

⑤バリューチェーンの構築 原材料供給担当組合における原材料の確保 商品製造販売担当組合における商品製造量の割り出し 取引交渉などの調整支援(価格交渉、販売時期の相談等) 円滑な取引の調整

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⑤バリューチェーンの構築

(課題・背景) ・組合に対してのオーダー量をメンバー間で上手く調整できない ・取引日など契約の遵守ができていない ・取引おけるキャッシュフローを考慮できない ・市場価格を考慮した取引価格の設定が必要 ・買取コストの正しい計算ができているか? ・購入量は正しく予測できているのか?

(対応策) ・両者間の事前協議の設定 ・買い付け作業への同行とオブザーブ ・必要なノウハウの指導

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2年次の活動

⑥販売戦略の提案 商品のセグメントの確立 街頭アンケート調査 クリスマスや母の日などシーズン(イベント)に応じた商品企画 商品売上の増加 市場のニーズを確認 市場における商品の立ち位置を認識

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2年次の活動の成果

成果①:各組合の製造する製品が安全面、衛生面に配慮された一定の品質を保っていることが成分検査によって確認された。 ●バオバブオイル ・日本の化粧品基準における化粧品禁止成分(ホルムアルデヒド、カドミニウム、水銀、メタノール)が含まれていないことが確認された。 ・生菌数が日本化粧品工業連合会による基準以下であることが確認された。 (基準値:1,000/g以下 → 検査数値:570/g) ●バオバブパウダー ・大腸菌群が陰性であることが確認された。 ・一般生菌数が規格基準以下であることが確認された。 (基準値:3,000/g以下 → 検査数値:24cfu/g) *2年次の一番初めに検査をした時には28,000/gであった。

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2年次の活動の成果

成果②:都市部でのバオバブ関連商品の販路が拡大され、新規の卸販売先が増えた。 ●Maluso Union 新規取引店舗を11件獲得(目標は15件) ●Home Oils 新規取引店舗を11件獲得(目標は10件) ↓ 継続した取引に繋がっていくかが課題

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2年次の活動の成果

成果③:各組合のバオバブ関連事業による収益が増加した。 (1)Maluso Cooperative Union 2017年度の年間収益:4,291,270K(643,690円) 2018年度の年間収益:5,360,781K(804,117円:1.25倍) (2)Home Oils Cooperative 2017年度の年間収益:2,940,150K(441,023円) 2018年度の年間収益:3,166,600K(474,990円:1.08倍) (3)Madisi Cooperative 目標:660,000K 2017年度の年間収益:7,000K(1,050円) 2018年度の年間収益:8,000K(1,200円:1.14倍) (4)Wokha Cooperative 目標:481,350K 2017年度の年間収益:70,610K(10,592円) 2018年度の年間収益:174,870K(26,231円:2.48倍) (5)Zokoma Cooperative 目標:481,350K 2017年度の年間収益:41,000K(6,150円) 2018年度の年間収益:1,402,560K(210,384円:34.2倍)

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今後の活動について

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バオバブ関連商品の製造販売ビジネスをモデルとして、対象グループに対して必要な知識・技術を提供し、グループの組織運営能力を高め、継続的に安定した収入を得ることを可能とする。

1.市場に重点を置いた農業ビジネスの重要性を学ぶこと 2.製造・マーケティング・経営管理など組合の製造販売活動において 必要なスキルを身に着けること 3.バオバブ事業によって収益を増やし、組合活動を活性化させること 4.支援終了後に自分たちの力だけで組合活動を持続させること

上位目標

プロジェクトの理念(おさらい)

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1.バオバブ商品の市場拡大による収入の増加と安定化 ・マラウイ国内におけるバオバブ商品の認知度UP ・新規販売店舗獲得、新商品販売による収入の増加 2.製造活動における作業のルーティン化と衛生管理の定着 ・工程マニュアル、LOT管理の徹底 ・衛生管理(MBS規程)の遵守 3.バリューチェーンの確立 ・地方自治体と連携しての原材料供給量の増加 ・原材料品質と組合管理能力の向上 4.Madisi組合の再生と組合事業の再開

組合活動の安定化と持続性の確立

3年次の活動内容

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成果①:衛生・安全に配慮された質の高いバオバブ製品が製造できる。 指標:MalusoとHome Oilsの製造環境・作業がマラウイ製品安全基準(MBS)の定める認証検査項目を全てクリアする。 成果②:各組合の2019年度のバオバブ事業による収益が拡大する。 指標:各組合がバオバブ事業によって以下の収益を獲得する。 Maluso Union 6,140,000K;921,000円 Home Oils 4,135,000K;620,250 Wokha Cooperative 350,000K;52,500円 Zokoma Cooperative 1,523,000K;228,450円 Madisi Cooperative 20Lのバオバブオイルを製造販売する 指標:4種類以上の新商品が販売され、Maluso、Home Oilsにおける2019年度バオバブ事業収益の8%を占める。 成果③:バオバブ事業によって対象者の生活が向上する。 指標:アンケート調査対象者の90%がバオバブ事業によって自身、及び家族の生活が向上したと回答する。

3年次の活動目標

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