第2章 沖縄県の道路を取り巻く現状と課題 · 2018-12-28 · 第2章...

20
2沖縄県の道路を取り巻く現状と課題 2-1 沖縄県の概況 (1) 地理的概況 ・沖縄県は日本の最南西端に位置し、東西約 1,000km、南北約 400km に及ぶ広大な海域 と、点在する 41 の有人島を含む 160 の島嶼から構成される離島県である。県土を大きく 区分すると沖縄群島、宮古群島、八重山群島の 3 つに大別され、県土の面積は 2,265km 2 である。 ・最大の沖縄群島は沖縄本島を中心に東南の洋上約 360km に南大東島と北大東島、北及び 西の海上約 90km 以内に伊平屋島、伊是名島、伊江島等並びに久米島、慶良間諸島から 形成されている。宮古群島は沖縄本島の南西約 290km の洋上にある宮古島を中心に伊良 部島や多良間島等から、また、八重山群島は沖縄本島から南西約 410km の洋上にある石 垣島を中心に西表島、与那国島等から構成されている。 2-1 沖縄県の位置 1 1 沖縄県の概況 3

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Page 1: 第2章 沖縄県の道路を取り巻く現状と課題 · 2018-12-28 · 第2章 沖縄県の道路を取り巻く現状と課題 2-1 沖縄県の概況 (1) 地理的概況 ・沖縄県は日本の最南西端に位置し、東西約1,000km、南北約400km

第2章 沖縄県の道路を取り巻く現状と課題

2-1 沖縄県の概況

(1) 地理的概況

・沖縄県は日本の最南西端に位置し、東西約 1,000km、南北約 400km に及ぶ広大な海域

と、点在する 41の有人島を含む 160の島嶼から構成される離島県である。県土を大きく

区分すると沖縄群島、宮古群島、八重山群島の 3 つに大別され、県土の面積は 2,265km2

である。 ・最大の沖縄群島は沖縄本島を中心に東南の洋上約 360km に南大東島と北大東島、北及び

西の海上約 90km 以内に伊平屋島、伊是名島、伊江島等並びに久米島、慶良間諸島から

形成されている。宮古群島は沖縄本島の南西約 290km の洋上にある宮古島を中心に伊良

部島や多良間島等から、また、八重山群島は沖縄本島から南西約 410km の洋上にある石

垣島を中心に西表島、与那国島等から構成されている。

図 2-1 沖縄県の位置1

1沖縄県の概況

3

Page 2: 第2章 沖縄県の道路を取り巻く現状と課題 · 2018-12-28 · 第2章 沖縄県の道路を取り巻く現状と課題 2-1 沖縄県の概況 (1) 地理的概況 ・沖縄県は日本の最南西端に位置し、東西約1,000km、南北約400km

(2) 人口の動向

・全国は人口減少のなか、沖縄県は 2005 年から 2015 年の 10 年間で 5%増加しており、ピ

ークは 2030 年で、約 147 万人まで人口が増加すると推計されている。 ・また、高齢者の割合も 2005 年から 2015 年の 10 年間で 22%増加しており、2045 年では

31.4%が高齢者と推計されている。

1,200

1,300

1,400

1,500

1,600

100,000

105,000

110,000

115,000

120,000

125,000

130,000

135,000

140,000

1995

2000

2005

2010

2015

2020

2025

2030

2035

2040

2045

沖縄全国

将来推計人口(沖縄・全国) 全国

沖縄全国ピーク:128百万人(2010年)

沖縄ピーク:1.47百万人(2030年)

図 2-2 沖縄県の人口の推移2(沖縄・全国)

11.7% 13.9% 16.1% 17.4% 19.6% 22.6% 24.6% 26.1% 27.8% 30.0% 31.4%

66.2% 65.9% 65.2% 64.8% 62.9% 60.3% 58.8% 57.9% 56.7% 54.5% 53.3%

22.1% 20.2% 18.7% 17.8% 17.4% 17.1% 16.5% 16.0% 15.6% 15.4% 15.3%

1 9 9 5年2 0 0 0年2 0 0 5年2 0 1 0年2 0 1 5年2 0 2 0年2 0 2 5年2 0 3 0年2 0 3 5年2 0 4 0年2 0 4 5年

老年人口

(65~)

生産年齢人口

(15~64)年少人口

(0~14) 予測値(平成27年国勢調査値による)

図 2-3 沖縄県の年齢階層別人口割合の推移 2

2国立社会保障、人口問題研究所 HP(2015 までは、国政調査による実績値)

4

Page 3: 第2章 沖縄県の道路を取り巻く現状と課題 · 2018-12-28 · 第2章 沖縄県の道路を取り巻く現状と課題 2-1 沖縄県の概況 (1) 地理的概況 ・沖縄県は日本の最南西端に位置し、東西約1,000km、南北約400km

・沖縄県の人口を圏域別でみると、県全体と八重山は増加傾向を示しているが、本島周辺

離島部、宮古においては減少傾向である。

・将来的には、2030 年をピークに人口は減少することが予測されている。

1.10 1.17 

1.25 1.29 

1.35 1.39 

1.44 1.47 

1.52  1.54  1.55  1.56  1.55  1.54  1.51 

1.00  0.95 0.99  0.99  0.93  0.91  0.91  0.90  0.87  0.86  0.84  0.81  0.78  0.75  0.72 

0.69 

1.00 

0.91 

1.00 1.05  1.05  1.06 

1.10 1.15  1.18  1.20  1.21  1.20  1.19  1.18  1.16  1.14 

1.00 

0.84  0.81  0.80  0.79  0.79  0.77  0.76 0.71 

0.65 0.60 

0.56  0.52 0.49  0.45  0.42 

0.00

0.20

0.40

0.60

0.80

1.00

1.20

1.40

1.60

1.80

1970年 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年

県計 宮古 八重山 本島周辺離島

図 2-4 沖縄県の人口の推移 2

5

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(3) 人口密度

・沖縄本島の那覇都市圏における人口密度は 5,300 人/ で、中南部都市圏でも 2,400 人/ と高く、政令指定都市と同水準の状況にある。

図 2-5 沖縄本島の人口密度分布(2020 年推計値)3

5,300

2,462

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

那覇都市圏

中南部都市圏

大阪市

川崎市

横浜市

名古屋市

さいたま市

堺市

福岡市

千葉市

神戸市

相模原市

北九州市

熊本市

京都市

札幌市

仙台市

広島市

新潟市

岡山市

浜松市

静岡市

(人/km2)

図 2-6 沖縄本島(那覇都市圏および中南部都市圏)と政令指定都市の人口密度比較4

3国土地理院 4国勢調査

中南部都市圏

那覇都市圏

6

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(4) 土地利用

・中南部都市圏の土地利用は、住宅が増加(20 年間で浦添市面積に匹敵する 20km2)し、

田畑、山林原野が減少している。 ・一方で、米軍基地面積は中部地域の 1/4 を占め、沖縄本島では約 15%を占める。

図 2-7 土地利用の状況5

5沖縄県土地利用基本計画図(平成 29 年度)

7

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2-2 交通の実態

(1) 自動車保有台数の推移

・本県は、人口の増加以上に自動車保有台数の増加が顕著であり、全国の増加率 3%に対し

て、沖縄県では 16%増と 2 桁増で推移している。 ・本県の人口一人あたりや一世帯あたりの保有台数は、全国平均の約 1.2 倍となっている。

905 911 925 938 953 973 9931013 1031 1050

1,391 1,398 1,406 1,414 1,423 1,438 1,448 1,454 1,461 1,467

800

900

1000

1100

1200

1300

1400

1500

1600

H19年度末 H20年度末 H21年度末 H22年度末 H23年度末 H24年度末 H25年度末 H26年度末 H27年度末 H28年度末

(千人、千台)自動車保有台数

人口 5%増

16%増

図 2-8 沖縄県の推計人口と自動車保有台数6

H19年度末 H28年度末 増減率

自動車保有台数(千台)

905 1050 1.16

人口(千人)

1,391 1,467 1.05

世帯数(千世帯)

541 639 1.18

人口一人当たりの保有台数(台/人)

0.65 0.72 1.10

一世帯当たりの保有台数(台/世帯)

1.67 1.64 0.98

自動車保有台数(千台)

75,469 77,491 1.03

人口(千人)

127,066 127,907 1.01

世帯数(千世帯)

52,325 57,477 1.10

人口一人当たりの保有台数(台/人)

0.59 0.61 1.02

一世帯当たりの保有台数(台/世帯)

1.44 1.35 0.93

項目

沖縄

全国

図 2-9 沖縄県と全国の人口と自動車保有台数の対比 6

6法務省自治行政局(各年)、自動車統計月報(各年)

8

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(2) 渋滞の状況

・那覇市周辺の都市圏における道路混雑時の旅行速度は、東京 23 区などの三大都市圏と

同等の低い水準となっており、特に那覇市内や浦添市内の幹線道路では、混雑時の平均

旅行速度が 15km/h を下回る区間が多数みられる。

図 2-10 一般道路の平均旅行速度 7(高速道路、一般道の有料区間は除く)

図 2-11 路線別混雑時旅行速度7

7道路交通センサス一般交通量調査(H27)

9

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(3) 主要渋滞箇所

・沖縄県内の主要渋滞箇所数は、平成 24 年度に一般道 191 箇所(29 区間[131 箇所]、60 箇

所)、高速道路 7 区間が特定された。 ・平成 30 年度までに、一般道 5 箇所、高速道路 4 区間が特定解除され、現在は一般道 186箇所(29 区間[129 箇所]、57 箇所)、高速道路 3 区間となっている。

読谷村

北谷町

宜野湾市

浦添市

那覇市

豊見城市

嘉手納町

与那原町

西原町

中城村

南城市

糸満市八重瀬町

南風原町

■主要渋滞箇所数(一般道)

管理区分 箇所数

国管理 81

県管理 99

市町村管理 5

NEXCO管理 1

合計 186

直轄国道

※平成30年度時点(県全体)

図 2-12 主要渋滞箇所(中南部地域)8

8沖縄地方渋滞対策推進協議会

10

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(4) 交通事故の状況

・交通事故件数は増加傾向にあったが、平成 15 年~平成 25 年の 10 年間は、ほぼ横ばいと

なり、平成 26 年から減少しているが、高齢者の交通事故は年々増加しており、平成 3 年

と比較すると約 12 倍となっている。 ・自転車関連の事故については、近年は減少傾向で推移している。

73 76 81 107103145 158

204 205261

317

423476

571

640668

723

784757 782

809834845

884848

889890

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

(件) 人対車両 車両相互 車両単体 第一当事者が高齢者の事故

図 2-13 沖縄県の事故発生件数と高齢者事故の推移9

221223 215223188 186 214

228 240275 282

363 383

456465485 485 494 463

445

508478

424 402389

300

368

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27H28 H29

(件) 人対車両 車両相互 車両単体 自転車の事故

図 2-14 沖縄県の事故発生件数と自転車事故の推移 9

9交通白書(沖縄県警本部)

11

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(5) 公共交通

・本県では、戦争で壊滅した県営鉄道が復旧されなかったこともあり、陸上交通の約 90%を自動車に依存しており、全国平均の約 66%と比較して非常に高い割合となっている。

・このような自動車に依存した移動形態を背景に、バスの輸送人員は減少に歯止めがきか

ず、全国平均より減少傾向が顕著であるが、モノレール利用者数は増加傾向にあるため、

公共交通の利用者は、近年ほぼ横ばいで推移している。

全国

沖縄

J R , 9.7% 民鉄, 15.5%

モノ レール, 1%

乗合バス , 4.6%

乗合バス , 2.2%

貸切バス, 0.5%

自家用バス , 1.4%

自家用バス, 1.2%

営業用乗用車, 2.2%

営業用乗用車, 3.7%

自家用乗用車, 66%

自家用乗用車, 90.3%

J R 民鉄 モノ レ ール 乗合バス

貸切バス 自家用バス 営業用乗用車 自家用乗用車

図 2-15 代表交通手段分担率の推移10

20

40

60

80

100

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

H01 H02 H03 H04 H05 H06 H07 H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28

モノ レール

バス

バス輸送人員の対比(沖縄)

バス輸送人員の対比(全国)

バス輸送人員の推移(対H01)バス・モノレール輸送人員の推移(万人)

図 2-16 バス及びモノレール輸送人員の推移11

10沖縄県道路街路課提供資料 11運輸要覧(各年)、自動車輸送統計調査年報(各年)、沖縄県都市計画・モノレール課 HP

12

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(6) 観光交通

・沖縄県における入域観光客数は、東日本大震災等の影響により一時的に減少したものの、

右肩上がりで増加している。 ・特に、平成 25 年以降は過去最高を更新し続けており、本県の入域観光客数の目標値は

1,200 万人(平成 33 年度)を掲げている。 ・移動手段のほとんどを自動車に依存している本県において、レンタカーの登録台数も同

様に年々増加している。 ・平成 29 年度に観光客が滞在中に利用した交通手段として、レンタカーが最も多く 59%と過半数を占めている。

図 2-17 入域観光客数とレンタカー登録台数の推移12

図 2-18 観光客が利用する域内交通手段13

12 沖縄県観光要覧(各年)、運輸要覧(各年) 13 沖縄県観光要覧(平成 29 年)

13

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・クルーズ船の寄港回数は、近年急増しており、空路のみならず海路を利用して本県を訪

れる観光客の需要が高まっている。 ・2017 年にはクルーズ船寄港回数の上位に那覇港、石垣港、平良港がランクインしており、

都道府県別では本県が 1 位となっている。 ・今後も寄港回数の増加が見込まれ、港湾から観光地への周遊性を高める道路ネットワー

クの整備が求められる。

2161

100 97 102 112 125 126162

219

387

515

662

0

100

200

300

400

500

600

700

800

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

(速報値)

2018

(見込)

(回) 那覇港 石垣港 平良港 中城湾港 その他

図 2-19 沖縄県におけるクルーズ船寄港回数14

※グラフ上の数値は各年(暦年)の合計値を表している。 ※2017 年 12 月 31 日時点。天候により変更の可能性がある。 ※港湾管理者(沖縄県、那覇港管理組合、石垣市、宮古島市)からヒアリングに基づき沖

縄総合事務局が作成。

14 内閣府沖縄総合事務局発表資料

14

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(7) 物流交通

・沖縄県内の人口が中南部に集中していることから、県内物流は中部及び南部が中心であ

る。北部関連の物流は重量物が多い傾向にある。 ・路線別でみると国道 58 号の利用が多く、沖縄自動車道については、一般道と比較すると

利用は少ない傾向にある。

図 2-20 トン数ベース及び件数ベースでみた県内ブロック間の物流(トン/日、件/日)15

図 2-21 路線別物流図 15

15 平成 25 年度沖縄ブロック国土交通研究会資料

【凡例】 H24 物流件数

:1 万件/日以上 :5 千件~1 万件/日 :5 千件/日未満

15

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2-3 道路整備の状況

(1) 道路事業費の推移

・復帰以降、国及び沖縄県における全体計画に基づき、道路整備を進めてきている。 ・近年、財政事情が厳しい中、道路事業はピーク時の半分以下の水準で推移している。 ・このような状況の中、効率的かつ効果的な道路整備が求められている。

図 2-22 沖縄道路事業の推移(単位:百万円)16

注 1)直轄、補助事業は、補正後予算ベース(交付金含み)交通安全・調査・再開発・機械は、各管理者に含む。単独費は含まない。各グ

ラフ上の数字は、各年度の合計である。

注 2)但し H30 については当初予算

16沖縄県の道路 2018

16

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(2) 道路整備延長

・本土復帰以降、改良済み延長は 2.65倍となったが、自動車保有台数は 5.59倍と、自動車

の需要に道路整備が追い付かない状況である。 ・また、人口や自動車台数当たりの道路延長は全国水準と開きがあり、増加する交通需要

や高速性、快適性等、高度化かつ多様化する利用者のニーズに対応するには、なお一層

の体系的な道路整備とその質的向上が必要とされている。

5.59 

2.65 

1.40 

1.00

2.00

3.00

4.00

5.00

6.00

S47 S49 S54 S59 H元 H6 H11 H16 H21 H26 H28

自動車保有台数

国・県道改良済延長

国・県道実延長

図 2-23 道路改良と自動車保有台数の伸び率比較17

図 2-24 全国と沖縄の道路延長比較18

17自動車統計月報(H28.3)、道路施設現況調書(H28.4) 18道路統計年報(2017 年版)

昭和47年を1とした伸び率

17

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(3) 駐留軍用地の存在

・本県には、狭隘な県土に全国の米軍専用施設の約 71%が集中し、人口や産業が集中する

沖縄本島の面積の約 14.7%を占めている。 ・中南部都市圏では、市街地の中心部に駐留軍用地が存在することにより、体系的な交通

ネットワーク整備が不十分で、交通渋滞や都市構造の分断などの問題が生じている。 ・平成 25 年 4 月の「沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画」において、嘉手

納飛行場より南の6施設に関する返還区域及び返還時期が示された。 ・本県の固有課題として、これらの大規模な基地返還とそれに伴う県土の再編が全国とは

大きく異なり、基地跡地を活用した骨格的な道路網の整備充実を図る必要がある。

図 2-25 沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画19

19防衛省・自衛隊 HP

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(4) 離島架橋整備

・離島架橋(本島と離島及び離島と離島を結ぶ橋)は、離島における生活環境の改善及び

産業の振興を図る観点から重要である。 ・離島架橋整備により、離島の隔絶性の除去が進み、離島の産業基盤の確立、交流、医

療、福祉の向上など、地域の振興が図られている。

図 2-26 離島架橋位置図

青字:完成離島架橋

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(5) 道路施設の老朽化

・これまでに整備された多くの道路橋は、老朽化や塩害等による劣化損傷が発生してお

り、近い将来に修繕や更新費が飛躍的に増加することが大きな課題とされている。 ・道路橋については、優先度と予算の平準化を検討して長寿命化を図るため計画的な維持

管理の取り組みを進めている。

図 2-27 沖縄県管理道路橋の整備状況 20

図 2-28 建設から 50 年以上が経過した橋梁の割合の推移20

20沖縄県道路管理課 HP

2010年度 2020年度 2030年度 2040年度 2050年度

20

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(6) 道路災害

・沖縄地方は台風が頻繁に来襲し、暴風雨による土砂崩れや電柱倒壊などの道路災害も頻

発している。

図 2-29 年度別被災件数と大雨の推移21

図 2-30 台風の接近数と電柱倒壊件数 21

21土木建築部調べ、気象庁、沖縄気象台 HP

被災件数

単位

大雨の回数

単位:

沖縄県へ接近した台風の数

電柱倒壊件数

単位:本

21

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① 電柱倒壊による道路閉鎖

② 道路破損

③ 道路冠水

④ 倒木による道路封鎖 図 2-31 台風による道路及びその他被害状況 20

※ 通行止め回数は、平成 24 年度から平成 26 年度については道路の被害状態が「法面崩落等」

かつ規制理由が「法面崩落、路肩崩落、落石」のいずれかであるもの、平成 27 年度以降

は道路の被害状態が「法面崩落、路肩崩落、落石、土砂崩れ、地滑り」のいずれかである

ものを集計している。 ※ 雨量については、那覇、名護、久米島、宮古島、石垣島、西表島、与那国島、南大東島の

観測所で得られた 1 時間あたり降水量の最大値を使用している。 ※ また台風接近数については、台風の中心が上記 8 観測点から 300km 圏域に入った回数を

使用している。

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