第1 回 パソコンで am ラジオ放送を聴く (補足資料)...作って実感...

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作って実感 電波のサイエンス 1 パソコンで AM ラジオ放送を聴く (補足資料) 本資料は「トランジスタ技術CQ 出版社の 2015 3 月号の付録「トラ技ジ ュニア」2015 34 月号に掲載された記事の補足資料です.本誌では紙数の制 限から書ききれなかった内容をここに記しています.ラジオを作る上で必要な 電子部品の基礎知識や購入先の紹介です.ブレッドボードの使い方,抵抗のカ ラーコードの見方,コンデンサの値の読み方等々,本誌掲載のソフトウェア・ ラジオを作ってみようと思われた方の役に立つであろう情報をまとめてありま す. 目次 1. ブレッドボード 2. 同調回路 2.1 バーアンテナ 2.2 ポリバリコン 2.3 リード線のハンダ付け 2.4 同調回路の接続 3. 高周波増幅回路 3.1 FET トランジスタ 2SK241 3.2 FET トランジスタ 2SK192A 3.3 2SK192A を用いたバイアス回路 3.4 抵抗 3.5 可変抵抗 3.6 コンデンサ 3.7 インダクタ 4. ミキサ 4.1 周波数変換の原理 4.2 アナログスイッチ 5. 局部発振回路 5.1 オシレータモジュール LTC1799 5.2 多回転可変抵抗 6. 低周波増幅回路 6.1 オペアンプ NJM4580DD 6.2 ステレオミニプラグ 7. 電池ボックス 8. 部品購入先

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Page 1: 第1 回 パソコンで AM ラジオ放送を聴く (補足資料)...作って実感 電波のサイエンス 第 1 回 パソコンでAM ラジオ放送を聴く (補足資料)

作って実感 電波のサイエンス

第 1 回 パソコンで AM ラジオ放送を聴く

(補足資料) 本資料は「トランジスタ技術」CQ 出版社の 2015 年 3 月号の付録「トラ技ジ

ュニア」2015 年 3・4 月号に掲載された記事の補足資料です.本誌では紙数の制

限から書ききれなかった内容をここに記しています.ラジオを作る上で必要な

電子部品の基礎知識や購入先の紹介です.ブレッドボードの使い方,抵抗のカ

ラーコードの見方,コンデンサの値の読み方等々,本誌掲載のソフトウェア・

ラジオを作ってみようと思われた方の役に立つであろう情報をまとめてありま

す.

目次 1. ブレッドボード 2. 同調回路 2.1 バーアンテナ 2.2 ポリバリコン 2.3 リード線のハンダ付け 2.4 同調回路の接続 3. 高周波増幅回路 3.1 FET トランジスタ 2SK241 3.2 FET トランジスタ 2SK192A 3.3 2SK192A を用いたバイアス回路 3.4 抵抗 3.5 可変抵抗 3.6 コンデンサ 3.7 インダクタ 4. ミキサ 4.1 周波数変換の原理 4.2 アナログスイッチ 5. 局部発振回路 5.1 オシレータモジュール LTC1799 5.2 多回転可変抵抗 6. 低周波増幅回路 6.1 オペアンプ NJM4580DD 6.2 ステレオミニプラグ 7. 電池ボックス 8. 部品購入先

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1. ブレッドボード 本コーナでは,ソフトウェア・ラジオをブレッドボードに組み立てて,AM放送や FM 放送を聴いてみます.図 A.1 はブレッドボードの外観とボード内の

穴のつながりの様子を示します.トラ技ジュニアの記事の写真 1 ではブレッド

ボードを 2 枚つなげて使用しています.ブレッドボードには横 4 行と縦 30 列

の穴が並んでいます.横の各行は,同じ行内にある穴の全てがボード内部でつ

ながっています.縦の各列は,同じ列内にある穴が 5 つごとに内部でつながっ

ています.

(a) ブレッドボードの外観

(b) ブレッドボードの穴のつながりの様子

130 1520

130 1520

+

+

+

+

黒い線でつながれた穴同士は内部でつながれている.

510

510

2525

a b c d e f g h ij

図A.1 ブレッドボード

a b c d e f g h ij

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2.同調回路 2.1 バーアンテナ 同調回路は LC 共振回路です.コイルとコンデンサからなります.図 A.2 はバ

ーアンテナの写真と記号です.黒い棒がフェライトコアです.藤色の細い線が

フェライトコアにぐるぐる巻きにされています.このぐるぐる巻線はコイルと

呼ばれます.SL-55X というバーアンテナではコイルが二つあります.藤色と黒

色の線が一つのコイルから出ています.このコイルのインダクタンスは約

600[µH]です.もう一つのコイルからは緑色と黄色の線が出ています.このコ

イルは本ソフトウェアラジオでは使いません.

2.2 ポリバリコン 図 A.3 はポリバリコンの写真と記号です.ポリバリコンは二つのコンデンサ

の静電容量を同時に変えることのできる2連のものを用いています.本ソフト

ウェアラジオでは,二つあるコンデンサの内大きな静電容量(最大 150[pF])の方

を使用します.端子が三つ出ていますが,写真の左側と記号の各端子が対応し

ています.下側の二つの端子を使用します.

(黄)

(藤)

(緑)

(黒)

図A.2 バーアンテナ

150pmax

70pmax

図A.3 ポリバリコン

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2.3 リード線のハンダ付け 本ソフトウェアラジオはハンダ付けを必要としないと謳っていますが,例外

としてバーアンテナとポリバリコンだけはハンダ付けが必要です.直径が

0.5mm のすずメッキ線,もしくは他の(例えば抵抗などの)部品のリード線の

切れ端を図 A.4 のように各線/端子にハンダづけします.バーアンテナのハン

ダづけ箇所はこのままではもろくてブレッドボードに何度か抜き差ししている

間に折れてしまうことがあります.図示のようにテープで補強しておくとよい

でしょう. 2.4 同調回路の接続 図 A.5 はバーアンテナとコンデンサの接続の様子を示します.

図A.5 同調回路の接続

150pmax

70pmax

(黄)

(藤)

(緑)

(黒)

GND

L1

C1

C2へ

0.5mmφスズメッキ線もしくは抵抗やコンデンサなどの部品のリード線の切れ端を利用

ハンダづけ箇所はテープで補強する.こうしな

いと,ここはよく折れる.

図A.4 リード線のハンダ付け

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3. 高周波増幅回路 3.1 2SK241 高周波増幅回路に使用しているトランジスタ 2SK241 の外観写真と記号を図

A.6 に示します.電極は写真の向きに左からドレイン(D: Drain),ソース(S: Source),ゲート(G: Gate)です.このトランジスタはデプレション型の MOSFETです.このタイプの FET の場合のゲートバイアス回路は本文の図 7 の抵抗 R1

の回路となります.

3.2 2SK192A 2SK241 はネットの情報では生産停止品です,2014 年のいつ頃からか,秋月

電子のホームページで,2SK241 で検索をかけると,2SK192A が表示されてい

ました.2015 年 2 月の時点では,ふたたび 2SK241 が販売されています.一時

的に品切れとなっていたようです. 2SK192A は 2SK241 の代替品と位置づけられています.2SK192A の外観およ

び電極配置を図 A.7 に示します.外観は 2SK241 と同じです.ただし,2SK192Aはジャンクション型の FET です.

3.3 2SK192A を用いたバイアス回路 ジャンクション型の FET を使う場合には,ゲートバイアス回路を図 A.8 のよ

うに変更する必要があります.新たに抵抗 RB = 500[Ω]とコンデンサ CB = 0.01 [μF]を追加してあります.

D S G S

D

G

図A.6 2SK241の外観と記号

D S G S

D

G

図A.7 2SK192Aの外観と記号

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3.4 抵抗 図 A.9 に抵抗の写真と記号およびカラーコード表を示します.カラーコード

は抵抗値を表します.写真の例では抵抗の表面に左から,緑,茶,茶,金のカ

ラーコードが印刷されています.カラーコード表によると緑 = 5,茶 = 1,金 = ±5%です.これは抵抗値が

51×101 ±5% [Ω] = 510 ± 5% [Ω] であることを示しています.金色は抵抗値の精度を表しています.実際の抵抗

値は 510 [Ω]の 95%~105%の間にあることを意味します.もし,茶,黒,黄,

金であれば,

10×104 ±5% [Ω] = 100 ± 5% [kΩ] です.

図A.8 2SK192Aを用いた場合の高周波増幅回路

0.01μC4

Vdd

GND

S

DG

1M

2SK192A

R1

0.01μC2

600 [μH]150 pmaxC1L

2kR2

500RB

0.01μCB

カラーコード黒:0茶:1 金: ±5%赤:2 銀: ±10%橙:3 無し:±20%黄:4緑:5青:6紫:7灰:8白:9(a) 抵抗(510Ω)の外観

5 1 1 金

(c) カラーコード表(b) 抵抗の記号

図A.9 抵抗のカラーコード

= 51×101 ±5%= 510Ω±5%

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3.5 可変抵抗 図 A.10 は可変抵抗の写真と記号です.3 本のピンがあり,ブレッドボードに

挿すことができます.抵抗の正面に抵抗値が印字されています.502 は

50×102 [Ω] = 5 [kΩ] を意味します.端子 a, c 間が 5[kΩ]です.端子 b は,上面の+の部分を回転さ

せることで,抵抗内部で端子 a から c の間を摺動します.この回転により端子

a, b 間,b, c 間の抵抗値は 0~5[kΩ],5~0[kΩ]の間を変化します.なお,20[kΩ]の場合の抵抗値は 203 と印字されます.

3.6 コンデンサ 図 A. 11 は積層セラミックコンデンサの外観と記号を示します.コンデンサ

には色々な種類がありますが,本ラジオの周波数帯域,使用電圧であれば,積

層セラミックコンデンサが適しています.1[pF]~100[µF]まで幅広い静電容量

の製品が安価に提供されています.コンデンサ表面に印字されている 107 は

10×107 [pF] = 100000000 [pF] = 100[µF] を意味します.なお,0.1[µF]は 104 と印字されます.

(b) 可変抵抗の記号

c

b

a

(a) 可変抵抗の例(5kΩ)

a

a b c

正面

上面

下面

502 = 50×102 [Ω]= 5 [kΩ]c

b

図A.10 可変抵抗

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3.7 インダクタ 図 A.12 はインダクタ(本文の図 7 の L2)の外観と記号を示します.インダ

クタにはラジアルリードタイプとアキシャルリードタイプなどがあります.

2015 年 2 月の時点では秋月電子通商よりアキシャルリードタイプが購入でき

ます.マイクロインダクタの名称で売られています.インダクタンスはインダ

クタ側面もしくは上面に,471 と印字されている場合

47×101 [µH] = 470[µH] を意味します.またカラーコードの場合,黄,紫,茶の場合

47×101 [µH] = 470[µH]

です.

4. ミキサ

(a) 外観 (b) コンデンサの記号

図A.11 積層セラミックコンデンサ

図A.12 インダクタ

(a) ラジアルリードタイプ (b) アキシャルリードタイプ(470μH) インダクタの記号

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4.1 周波数変換の原理 ミキサにおける周波数変換の原理は以下の通りです.放送波を𝑣𝑣𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅 =sin(2𝜋𝜋𝑓𝑓𝑟𝑟𝑡𝑡), 局部発振回路の出力電圧𝑣𝑣𝐿𝐿𝐿𝐿 = sin(2𝜋𝜋𝑓𝑓𝐿𝐿𝐿𝐿𝑡𝑡)とし,両者を掛け合わせ

ると,ミキサ回路の出力電圧 vmix は 𝑣𝑣𝑚𝑚𝑅𝑅𝑚𝑚 = sin(2𝜋𝜋𝑓𝑓𝑟𝑟𝑡𝑡) × sin(2𝜋𝜋𝑓𝑓𝐿𝐿𝐿𝐿𝑡𝑡)

= 12

{−cos(2𝜋𝜋(𝑓𝑓𝑟𝑟 + 𝑓𝑓𝐿𝐿𝐿𝐿)𝑡𝑡) + cos(2𝜋𝜋(𝑓𝑓𝑟𝑟 − 𝑓𝑓𝐿𝐿𝐿𝐿)𝑡𝑡)} (A.1) となります.fr = 729[kHz], fLo = 744[kHz]とすると,vmix には 15[kHz]の成分が含

まれます. 本文図 7 のミキサ回路と周辺回路の抜粋を図 A.13(a)に示します.この回路は

vRin と vLo のかけ算を回路ではありません.この回路では,局部発振回路の出力

vLo は矩形波です.アナログスイッチ 74HC4066 はこの矩形波電圧により,高周

波増幅回路と低周波増幅回路の間をつなぐスイッチをオン/オフします.図

A.13(b)はミキサをスイッチで置き換えた等価回路です.スイッチのオン/オフ

は局部発信回路の出力電圧により制御されます.

S

DG

0.1µ

20kR3

IC2

-

+

LTC1799モジュール

1

8

2SK241

C3

Tr1

74HC4066

IC3

IC1

ミキサ

高周波増幅回路

局部発振回路

低周波増幅回路

(a) ミキサ回路周辺

vRin

vLo

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74HC4066

IC1

ミキサ

高周波増幅回路

局部発振回路

低周波増幅回路

LTC1799モジュール

1

8

IC3

(b) アナログスイッチの等価回路

図A. 13 ミキサ回路

vRin

vLo

低周波増幅回路

高周波増幅回路

vRin

vLo

vmix

局部発振回路

図A. 14 スイッチによるミキサの原理

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アナログスイッチによる周波数変換の原理は以下の通りです.図 A.14 はスイ

ッチのオン/オフによる周波数変換のイメージ図です.vLo の値が大きいときに

スイッチがオンとなり,

vmix = vRin (A.2) となり,vLo = 0 のとき

vmix = 0 (A.3) となります.vmix は vRin に振幅 1 で繰り返し周波数が fLo の矩形波を掛け合わせ

た結果と同じになります.すなわち,vLo を等価的に図 A.15 の電圧波形として,

これを vRin に掛けた結果と同じです.vLo はフーリエ級数展開という手法を使う

𝑣𝑣𝐿𝐿𝐿𝐿 = 12

+ 1𝜋𝜋

sin(2𝜋𝜋𝑓𝑓𝐿𝐿𝐿𝐿𝑡𝑡) + 13𝜋𝜋

sin(3 × 2𝜋𝜋𝑓𝑓𝐿𝐿𝐿𝐿𝑡𝑡) + 15𝜋𝜋

sin(5 × 2𝜋𝜋𝑓𝑓𝐿𝐿𝐿𝐿𝑡𝑡) + ⋯ (A.4) と,直流成分と fLo の奇数倍の周波数成分に分解できます.

今,vRin = V sin(2πfRint)とすると 𝑣𝑣𝑚𝑚𝑅𝑅𝑚𝑚 = 𝑣𝑣𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅 × 𝑣𝑣𝐿𝐿𝐿𝐿

= 𝑉𝑉sin(2𝜋𝜋𝑓𝑓𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑡𝑡) × �12

+1𝜋𝜋

sin(2𝜋𝜋𝑓𝑓𝐿𝐿𝐿𝐿𝑡𝑡) +1

3𝜋𝜋sin(3 × 2𝜋𝜋𝑓𝑓𝐿𝐿𝐿𝐿𝑡𝑡) +

15𝜋𝜋

sin(5 × 2𝜋𝜋𝑓𝑓𝐿𝐿𝐿𝐿𝑡𝑡) + ⋯�

=𝑉𝑉2

sin(2𝜋𝜋𝑓𝑓𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑡𝑡) +𝑉𝑉𝜋𝜋

sin(2𝜋𝜋𝑓𝑓𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑡𝑡)sin(2𝜋𝜋𝑓𝑓𝐿𝐿𝐿𝐿𝑡𝑡) +𝑉𝑉

3𝜋𝜋sin(2𝜋𝜋𝑓𝑓𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑡𝑡)sin(3 × 2𝜋𝜋𝑓𝑓𝐿𝐿𝐿𝐿𝑡𝑡) + ⋯

=𝑉𝑉2

sin(2𝜋𝜋𝑓𝑓𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑡𝑡) +𝑉𝑉

2𝜋𝜋�−cos�2𝜋𝜋�𝑓𝑓𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅 + 𝑓𝑓𝐿𝐿𝐿𝐿�𝑡𝑡�+ cos�2𝜋𝜋�𝑓𝑓𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅 − 𝑓𝑓𝐿𝐿𝐿𝐿�𝑡𝑡�� +⋯

(A.5) となり,vmix には𝑓𝑓𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅𝑅 − 𝑓𝑓𝐿𝐿𝐿𝐿の成分が含まれます.

図A. 15 スイッチによる等価局発電圧

t1/fLo

01/2fLo0

1

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4.2 アナログスイッチ 図 A.16 はアナログスイッチ 74HC4066 のピン配置を示します.この IC は 4個のアナログスイッチを内蔵しています.

5. 局部発振回路 5.1 オシレータモジュール 図 A.17 はオシレータモジュールの上面写真とピン配置および配線の様子を

示します.モジュール正面にオシレータ LTC1799 が表面実装されています.こ

のモジュールはブレッドボードに挿入でき,しかも発振周波数の制御が容易で

す.発振周波数範囲は 1[kHz]~33[MHz]と幅広く,動作電圧範囲は 2.7~5.5[V]です.6 番ピンを電源側(7 番ピン),GND 側(5 番ピン),非接続とすること

で発振周波数範囲を変えることができます.得られる発振周波数は本文の(6)式に示してあります.8 番ピンに局発出力が得られます.

GND 7 8

3 12

1 14 +V

4 11

5 1 10

2 13

6 9

図A.16 アナログスイッチ 74HC4066

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5.2 多回転可変抵抗 図A.18は多回転可変抗器を示します.これは25回転タイプです.ピン配置は

右図の記号と対応しています.上面の印字 202は

20×102[Ω] = 2 [kΩ] を意味します.本文図 7 の VR5, VR6 用に使用します.オシレータの発振周波数

を微調整するには,このタイプの可変抵抗が有用です.

LTC1799モジュール

4

5

1

8 GND

OUT V+ DIV

LEDV+

GND

SET

4 5

1 8

V=2.7~5.5V

V+

GNDV+

GND

V+ N=100

N=1N=10R

(c) 配線の様子

(a) 写真(上面) (b) ピン配置

図A.17 オシレータモジュール(LTC1799)

ピン配置

図A.18 多回転可変抵抗

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6. 低周波増幅回路 6.1 オペアンプ NJM4580DD 図 A.19 はオペアンプ NJM4580DD の立体図とピン配置を示します.この ICはオペアンプを 2 個内蔵しています.

6.2 ステレオミニプラグ 図 A.20 はステレオミニプラグの外観写真です.写真右には分解した写真を載

せてあります.これをパソコンのマイク入力端子もしくはオーディオ入力端子

に挿入します.

⑧⑤

(a) 立体図 (b) ピン配置

-V

- +

- +

+V

+V

NJM4580DD

-V

図A.19 オペアンプ

図A.20 ステレオミニプラグ

(分解前)(分解後)

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図 A.21 にはステレオミニプラグに導線をハンダ付けした様子を示します.プ

ラグには三つの端子があります.短い二つの端子はステレオの各チャンネルよ

うです.また,長い端子はグラウンド用です.ラジオは 1 チャネルしかないの

で,短い端子のどちらを使用しても良いです.長い端子には暗い色の線をハン

ダ付けしておくと,あとでこの線がグラウンド用であることが見分けやすくな

ります. 7. 電池ボックス 図 A.22 は電池ボックスと直流電源の記号を示します.このボックスには単 3乾電池が 4 本入ります.導線は赤色が+側で,黒色がグラウンド側です.

明るい色を使うとよい

長い端子には暗い色の線をつなぐと見分けやすい.グラウンド端子へ.

短い端子は二つある.どちらにつないでもよい.

図A.21ステレオミニプラグのハンダ付け

直流電源の記号

電源スイッチ

黒-

図A.22 電池ボックス

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8.部品購入先 表 A.1 は部品の購入先の例です.必要な部品は全てネットで購入できます.

表の例に限らず,ネットには多くの通販の店があります.

表 A.1 部品購入先

著者 古橋 武 furuhashi at nuee.nagoya-u.ac.jp

2015年2月10日現在

記号 部品 型式・定格 単価 (円) 数量 購入先

Tr1 MOS-FET 2SK241-Y (5個入り) 200 1 秋月電子通商

IC1 アナログスイッチ TC74HC4066AP 50 1 〃

L2 インダクタ(マイクロインダクタ) 470µH (10個入り) 100 1 〃

IC3 オシレータモジュール LTC1799モジュール 450 1 〃

IC2 オペアンプ NJM4580DD 40 1 〃

VR2 5kΩ 40 1 〃

VR3 20kΩ 40 1 〃

ステレオ・ミニプラグ 3.5mmΦ 50 1 〃

C2, C3 0.1µF, 50V (25個入り) 100 2 〃

C4~C9 100µF, 6.3V (10個入り) 400 6 〃

耐熱通信機器用ビニル電線(ブレッドボード配線用)

協和ハーモネット2m×10色 外径0.65mm 620 1 〃

耐熱電子ワイヤー(ステレオミニプラグ用)

協和ハーモネット2m×7色 外径1.22mm 480 1 〃

VR6 2kΩ 80 1 〃

VR5 50kΩ 80 1 〃

R4, R7, R8 2.2kΩ 1/4W (100本入り) 100 3 〃

R1 1MΩ 1/4W (100本入り) 100 1 〃

電池ボックス 単三×4本,スイッチ付 110 1 〃

L1 バーアンテナ SL-55X  600±20µH 340 1 電子パーツ通販KURAブレッドボード EIC-801 もしくは BB-801 270, 200 1 秋月電子通商

C1 ポリバリコン 2連, 150pF+70pF 250 1 電子パーツ通販KURAポリバリコン用ダイヤル 80 1 電子パーツ通販KURA

はんだごて 30W 800 1 秋月電子通商

こて先クリーナー ST030 270 1 〃

はんだ  0.8mm 210 1 〃

ワイヤーストリッパー YS-2 1300 1 〃

ニッパー NI3-120 1850 1 〃

ディジタルマルチメータ(テスタ) M-830B 1000 1 〃

可変抵抗(半固定ボリューム)

積層セラミックコンデンサ

多回転可変抵抗(多回転半固定ボリューム)

抵抗