大学から社会へ - ベネッセ教育総合研究所 · 第4章 大学から社会へ 65 1....

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1.仕事・将来への展望と準備 ◆大学に入ってから考える進路 1-1 大学生の仕事観 ・ 社会観・将来観 1-2 卒業後の進路の検討・準備を始めた時期 2.就職活動 ◆大事なのは表現力・思考力 2-1 就職活動で重要だと思うこと 2-2 内定が得られる学生とそうでない学生の違い 2-3 大学で力を入れたことと就職活動の関連 2-4 企業が採用時に求めている力と評価方法 3.キャリア教育・就職支援 ◆大学の課題・学生の課題 3-1 キャリア教育の実施状況 3-2 就職支援の実施状況 3-3 キャリアセンターが感じている学生の課題 3-4 キャリア教育 ・ 就職支援の課題 4.社会で求められる力 ◆社会人は実際に何を重要だと感じているのか 4-1 仕事で必要とされている能力 ・ スキル 4-2 社会人に身についている能力 ・ スキルの度合い 4-3 社会人が 5 年後に重要となると思う能力・スキル 4-4 社会人になる前に身につけたい能力・スキル 4-5 大学生の能力・スキルの身につき度合いと育成状況 第4章 大学から社会へ データからみた現状と課題 大学での学びを社会につなげるために

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Page 1: 大学から社会へ - ベネッセ教育総合研究所 · 第4章 大学から社会へ 65 1. 仕事・将来への展望と準備 1-1 大学生の仕事観・社会観・将来観

1.仕事・将来への展望と準備 ◆大学に入ってから考える進路

1-1 大学生の仕事観 ・社会観・将来観1-2 卒業後の進路の検討・準備を始めた時期

2.就職活動 ◆大事なのは表現力・思考力

2-1 就職活動で重要だと思うこと2-2 内定が得られる学生とそうでない学生の違い2-3 大学で力を入れたことと就職活動の関連2-4 企業が採用時に求めている力と評価方法

3.キャリア教育・就職支援 ◆大学の課題・学生の課題

3-1 キャリア教育の実施状況3-2 就職支援の実施状況3-3 キャリアセンターが感じている学生の課題3-4 キャリア教育 ・就職支援の課題

4.社会で求められる力 ◆社会人は実際に何を重要だと感じているのか

4-1 仕事で必要とされている能力 ・スキル4-2 社会人に身についている能力 ・スキルの度合い4-3 社会人が 5年後に重要となると思う能力・スキル4-4 社会人になる前に身につけたい能力・スキル4-5 大学生の能力・スキルの身につき度合いと育成状況

第4章

大学から社会へデータからみた現状と課題

大学での学びを社会につなげるために

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データからみた現状と課題

大学での学びを社会につなげるためにBenesse 教育研究開発センター 研究員 吉本 真代

 大学進学率が上昇し、同年代の若者の5割が大卒として社会に出ていく状況に加えて、経済社会の変化、とりわけグローバル化の進展によって、社会から大学への人材養成の期待は高まると同時にその内容も変化しつつある。大学での学びを社会にとってより有意義なものとしていくためにどうすればよいだろうか。

社会で求められる力 まず最初に、社会で求められている力とは何か、汎用的な能力・スキルを中心に、社会人に必要とされている度合いをたずねた結果をみると、いずれの能力・スキルも必要度は高いが、「やや高いレベル ・程度」または「高いレベル ・程度」での必要度が高かったのは、「問題解決力」「継続的な学習力」「主体性」「チームワーク力」である(図4-4-1)。 一方、企業の採用責任者に対し、採用時に大卒者に求める能力をたずねた調査結果では、「社会人としての常識・マナー」「チームワーク力」「自己管理力」「問題解決力」「リーダーシップ力」「継続的な学習力」が上位にきている(図4-2-5)。設定している能力項目が異なるため単純に比較はできないが、概ね実感として社会人が必要とされていると感じている能力と、採用時に求められる能力は一致しているといえる。では、これらの能力を企業が採用時にどのように評価しているのかをきくと、そのほとんどが面接と答えている(図4-2-6)。このことを学生の側からみれば、就職活動においては、これらの能力が自分に備わっていることを面接の時の態度や学生時代に力を入れたことといったエピ

ソードの中でいかに示すことができるかが重要であるといえる。 しかし、学生にこのような汎用的な能力が養われる機会が大学の授業の中であったかをたずねたところ、いずれの能力・スキルもその機会があったと感じている割合は5割未満である(図4-4-5)。実際に大学がそのような能力の育成を行っているのか否かは別にして、大学生の認識としてはこの程度である。

学んでいることは何か 本来、大学の学びのプロセスの中に、汎用的な能力の育成が包含されているものは多いはずである。まずは既存の授業やプログラムをどういった能力を育成しうるのかという観点で見直してみること、そしてそのことを学生にも明示して認識を促すことが必要ではないだろうか。汎用的な能力はとらえにくいものも多く、自分が何を学んでいて何が身についていて何が不足しているのかを理解した上で学びを組み立てていくことが、有意義な学びにつながるのではないかと考える。  ただし、就職という点についてみると、大学で「卒業論文・卒業研究」に力を入れた(「とても力を入れた」+「やや力を入れた」)とする学生が 7割いるのに対し、その経験が就職活動で「活かされている」とする学生は、経験者の 3割程度である(図4-2-3・4)。就職活動が 3年生で始まっている現状では、「卒業論文・卒業研究」などを通して培われた能力を企業はみることができない。企業の採用活動のあり方も再考を求められよう。

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第4章 

大学から社会へ

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1. 仕事・将来への展望と準備

1-1 大学生の仕事観・社会観・将来観8割の学生が、「仕事を通じて社会に貢献することは、大切なことだ」と考えている。

「いい友だちがいる」ことは将来の幸せのための重要なファクター。

0 20 40 60 80(%)100

仕事を通じて社会に貢献することは、大切なことだ

仕事よりも、自分の趣味や自由な時間を大切にすべきだ

望む仕事につけなくても、がまんして働くべきだ

将来、一流の会社に入ったり、一流の仕事につきたい

日本は、競争が激しい社会だ

日本は、努力すればむくわれる社会だ

お金がたくさんあると幸せになれる

いい大学を卒業すると将来、幸せになれる

いい友だちがいると幸せになれる

とてもそう思う

まあそう思う

将来観

社会観

仕事観

52.7               39.4

8.2      33.2

24.8           53.8

7.7      35.1

22.9            56.1

19.2         40.3 (59.5)

(57.7)

       (74.9)

          (84.4)

                    (92.1)

(41.4)

               (78.6)

(42.8)

              (79.0)

8.6         49.1

19.5           55.4

27.5             56.9

注1)( )内の値は「とてもそう思う」+「まあそう思う」の%。注2)選択肢は、「とてもそう思う」「まあそう思う」「あまりそう思わない」「全くそう思わない」の4段階。注3)対象は大学1~4年生4,070人。「大学生の学習・生活実態調査」(2008)

図4-1-1 大学生の仕事観 ・社会観・将来観

あなたは次のようなことがらについてどう思いますか。Q

 「仕事を通じて社会に貢献することは、大切なことだ」という考えを支持している(「とてもそう思う」+「まあそう思う」、以下同)大学生が 8割強。社会観については、「努力すればむくわれる社会だ」と考える学生は半数以下(42.8%)で、「競争が激しい社会だ」(79.0%)という認識の方が強い。また、将来については「いい友だちがいると幸せになれる」という考えを92.1%が支持し、「とてもそう思う」だけでも 52.7%と、大学生にとって友だちの存在は大きい。大学生は、競争が激しいと認識しながらも、他者への貢献や人とのつながりを重視している傾向がうかがえる。

大学 1~ 4年生

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66

0 10 20 30 40(%)50

大学 4年生頃

大学 3年生頃

大学 1・2年生頃

高校 3年生・浪人生の頃

高校 1・2 年生頃

中学生以前 6.8

5.9

6.7

17.6

47.2

15.8

その他

大学 4年生の夏休み以降

大学 4年生の前期

大学 3年生の後期

大学 3年生の夏休み

大学 3年生の前期

大学 2年生以前

0 10 20 30 40(%)50

4.9

10.4

14.3

38.7

14.6

9.3

7.8

注)対象は大学4年生1,004人(別途、大学卒業後の進路(就職、大学院進学等を含む)の検討状況をたずねた質問に対し、「まだ何も考えていない」と回答した人以外を対象)。

「大学生の学習・生活実態調査」(2008)

注1)「その他」は「学部段階では特に準備・活動をしない」「就職するつもりがない」「わからない」と回答した人を表す。注2)対象は大学4年生1,023人。「大学生の学習・生活実態調査」(2008)

1. 仕事・将来への展望と準備

1-2 卒業後の進路の検討・準備を始めた時期卒業後の進路を考え始めた時期は大学3年生以降が6割、

進路に向けた準備・活動の開始時期は大学3年生の後期以降が6割。

図4-1-2 大学卒業後の進路を考え始めた時期

図4-1-3 大学卒業後の進路に向けた準備・活動の開始時期

大学卒業後の進路を、いつ頃から考え始めましたか。

大学卒業後の進路に向けた準備・活動をいつ頃から始めましたか。

Q

Q

 大学卒業後の進路を考え始めた時期は、大学入学後が 8割で、そのうち大学 3年生以降が 6割である。具体的な準備・活動の開始時期についても4割が就職活動の始まる大学 3年生の後期に開始しており、4年生に開始する割合(「大学4年生の前期」+「大学4年生の夏休み以降」)も足すと 6割が 3年生の後期以降に準備 ・活動を開始している。

大学 4年生

大学 4年生

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第4章 

大学から社会へ

67

2. 就職活動

2-1 就職活動で重要だと思うこと重要なのは自分の考えをわかりやすく口頭で伝えられること。

能力・スキル

自己分析

学業成績がすぐれていること

英語力があること

文献や資料にある情報を正しく理解すること

異なる意見や立場をふまえながら議論を行うこと

相手の意見を丁寧に聞き、話を引き出すこと

⑥自分の考えを文章で論理的にわかりやすく表現すること

⑤筋道を立てて論理的に物事を考えること

③経験から得た気付きを考えにまとめて話せること

②自分なりの考えをまとめられること

①自分の考えを口頭でわかりやすく伝えること

⑦希望する仕事に対する目的意識が明確になっていること

④自分の長所・短所を的確に理解していること

条件

態度・性格

準備

経験

自分の立場をわきまえた言動ができること

初対面の人とでも良好な関係がつくれること

思考が常に前向きであること

1年次から自分の進路を考え、準備していること

大学の提供する就職支援を数多く利用すること

3年時の早い段階から就職活動を始めていること

業界や企業の研究をよく行っていること

業界や業種にこだわりすぎないこと

企業の知名度や規模にこだわりすぎないこと

インターンシップの参加経験があること

海外経験が豊富なこと

社会活動に積極的に参加した経験があること

部活・サークルでの活動経験があること

困難な課題を乗り越えた経験があること

大学の知名度

あまり重要でない 0.5

(%)

65.1                   29.3      4.7

全く重要でないとても重要 まあ重要 どちらともいえない

0.3

0.962.7                   31.1      4.9 0.4

1.150.5                   38.8         8.9 0.7

2.944.3                 41.3          10.3 1.2

1.253.1                  37.0         8.0 0.7

1.649.1                   39.8         8.8 0.7

1.548.0                   40.7         9.3 0.6

2.937.7                  46.1          12.3 1.0

3.232.1                 48.1           15.6 1.0

20.9              49.0             20.9     7.4 1.8

10.5       30.7            29.2         20.8     8.8

6.5      27.6          28.3           25.3      12.3

2.842.7                 40.2          13.342.7                 40.2          13.3 1.0

3.039.0                  45.7          11.4 0.8

3.333.9                 45.4           16.2

1.2

4.539.5                 42.3          12.2 1.5

15.2        28.7         23.6         20.8     11.7

12.8        30.5           25.8        18.2     12.7

11.1     21.3         24.9         23.8       18.9

4.030.2                46.5            17.2 2.1

20.8             42.8             23.0      9.7 3.6

4.936.0                41.0          16.6

4.3

4.1

1.6

16.9           37.2           22.7       15.7    7.5

12.5        31.5            28.9         19.1     8.0

14.5        28.3           28.4          24.5

19.9         27.8          26.5         21.7

14.2         36.6            24.6       15.4    9.1

図4-2-1 就職活動において重要だと思うこと

次に掲げる項目はあなたの就職活動においてどの程度重要だと感じましたか。Q

 民間企業を受けた大学生に就職活動を通して重要だと感じていることをたずねたところ、「自分の考えを口頭でわかりやすく伝えること」「自分なりの考えをまとめられること」が 9割以上(「とても重要」+「まあ重要」、以下同)を占める。一方、「海外経験が豊富なこと」や「インターンシップの参加経験があること」を重要と感じている割合は2割程度である。

大学 4年生

注1)重要である(とても重要+まあ重要)の比率の上位7項目までを①~⑦と表示。 注2)対象は就職活動で民間企業を受験した大学4年生1,793人。「社会で必要な能力と高校・大学時代の経験に関する調査」(2010)

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68注)対象はキャリアセンター長または就職部門長457人。「キャリア教育・就職支援の現状と課題に関する調査」(2010)

ゼミに参加している

インターンシップに積極的に参加している

企業の知名度や規模にこだわりすぎない

社会活動に積極的に参加した経験を持っている

部活・サークルに参加している

大学の提供する就職支援を数多く利用している

3年時の早い段階から就職活動を始めている

業界や企業の研究をよく行っている

自分の長所・短所を的確に理解している

思考が常に前向きである

初対面の人とでも良好な関係がつくれる

文章力や口頭での表現力など、基礎的な力が優れている

自分なりの考えをまとめる力が優れている

同年代の学生より海外経験が豊富

1年次から自分の進路を考え、準備している

学業成績がすぐれている

授業にまじめに出席している

業界や職種にこだわりすぎない

教員との交流が多い

まったく思わない 0.0

(%)

46.8              42.7        7.0

無回答とても思う やや思う どちらともいえない 3.3あまり思わない 0.2

1.1 0.038.1              47.3        7.2 6.3

0.9 0.036.3            42.7        13.3  6.8

1.3 0.036.8            39.2       16.0   6.8

0.9 0.027.6           48.1          17.1   6.3

3.1 0.024.5            49.7         15.5    7.2

0.924.7          44.2        14.9  7.7  7.7

3.9 0.020.4         42.2          26.5     7.0

3.7 1.311.8        45.3           30.6       7.2

1.88.1        44.9           31.7     6.1  7.4

0.79.8       38.3           35.9      8.1  7.2

2.88.8      36.5           35.0     8.5   8.3

4.2 2.210.5     31.5           42.9          8.8

1.13.55.9   35.4            46.6         7.4

0.47.4     30.6           44.6        9.8  7.0

1.87.7     28.0            48.1       6.8  7.7

0.930.0             49.0        7.9  7.7

2.87.9    21.4          45.3        15.3   7.2

7.7       43.3           26.9     13.1  8.10.9

4.6

2. 就職活動

2-2 内定の得られる学生とそうでない学生の違いキャリアセンターでは、内定の得られる学生は「自分なりの考えをまとめる力」「文章力や口頭での表現力など基礎的な力」が優れていると感じている。

図4-2-2 内定の得られる学生の優れていると思う点  

内定の得られる学生は、そうでない学生に比べて、どのような面が優れているとお考えですか。Q

 キャリアセンター長 ・就職部門長が、内定の得られる学生の、そうでない学生に比べて優れていると思う点は、「自分なりの考えをまとめる力が優れている」が 89.5%(「とても思う」+「やや思う」)ともっとも高かった。これは前ページの、学生に就職活動で重要だと感じたことをたずねた結果でも高く、認識は一致している。

キャリアセンター長

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第4章 

大学から社会へ

69

注)対象は民間企業を受験した大学4年生1,793人。「社会で必要な能力と高校・大学時代の経験に関する調査」(2010)

注)対象は図4-2-3の質問でそれぞれの活動に対し「大学ではやっていない・経験しなかった」と回答した人以外。 が該当人数を表す。

2-3 大学で力を入れたことと就職活動の関連就職活動で活かされた経験は「アルバイト」「クラブやサークル活動」。

読書

インターンシップ

海外留学

社会活動(ボランティアなど)

アルバイト

クラブやサークル活動

外国語の学習(検定含む)

採用試験や就職試験のための勉強

資格取得のための勉強(外国語除く)

ゼミ・研究室の活動以外の授業全般

ゼミ・研究室の活動

卒業論文・卒業研究 1,536 人

1,644 人

1,793 人

1,399 人

1,632 人

1,518 人

1,276 人

1,676 人

770人

409人

680人

1,661 人

34.6     35.3   15.8 14.3 29.4     34.4     36.2

31.2     36.6    23.8  8.3 31.0     35.5     33.6

19.6     48.7      31.7 20.5    38.9      40.5

16.3   29.7     32.1   22.0 20.7    37.3      42.0

16.0   37.6      37.4   9.0 25.1     44.2      30.6

25.0      48.8     15.3 14.4   31.6      54.0

30.1   19.6  21.4   28.8 43.1      32.0    24.9

33.1     37.5    22.8 41.9      39.9    18.1

11.4  25.2       57.1 21.9    33.0      45.1

10.3      77.2 24.9    33.0      42.1

13.7 17.1      62.1 23.7    38.2      38.1

18.5   34.2      39.9 18.2    42.7      39.0

(%)(%)

とても力を入れたやや力を入れた

あまり力を入れなかった

大学ではやっていない・経験しなかった 活かされている

まあ活かされている

就活では活かされていない

10.8

6.3

6.16.4

7.1

0.0

6.5

7.4

図4-2-3 大学で力を入れたこと  図4-2-4 就職活動で活かされた経験

あなたは大学でどのようなことに力を入れましたか。それらの経験は就職活動をする上でどの程度活かされましたか。Q

 大学で力を入れたことと、その経験が就職活動においてどの程度活かされたのかについて、民間企業を受験した大学 4年生にたずねたところ、大学で「とても力を入れた」こととして多いのは「卒業論文・卒業研究」が 34.6%、「アルバイト」が 33.1%であり、「やや力を入れた」も含めるといずれも 7割程度になる。それに対し就職活動で「活かされている」との回答が多いのは、「アルバイト」「クラブやサークル活動」で経験者の約 4割、「卒業論文 ・卒業研究」は 3割程度である。これには就職活動の時期の問題があるが、学生が勉学に力を入れていても企業はそれをあまりみることができていない様子がデータからも読み取れる。

大学 4年生

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70

0 20 40 60 80(%)100

英語討議力

英語プレゼンテーションスキル

英語文章読解力

英語ライティングスキル

メディアリテラシー

調査・研究スキル

数量的・統計的スキル

情報処理

基本的な ICT 操作スキル

大学の学部課程で身につけた知識・スキル

批判的思考力

日本語討議力

日本語文章読解力

日本語ライティングスキル

日本語プレゼンテーションスキル

創造力

継続的な学習力

リーダーシップ力

問題解決力

自己管理力

チームワーク力

社会人としての常識・マナー 92.7

92.5

86.9

84.1

80.8

79.7

74.5

71.6

69.0

64.3

62.6

56.5

54.4

46.4

35.6

34.5

27.6

17.7

9.7

9.7

5.9

3.9

注1)グラフは「とても重要」+「まあ重要」の%。選択肢は「とても重要」「まあ重要」「どちらでもない」「あまり重要でない」「まったく重要でない」の5段階。

注2)対象は企業の採用責任者577人。

2. 就職活動

2-4 企業が採用時に求めている力と評価方法新卒採用時の要件として「社会人としての常識・マナー」「チームワーク力」を9割以上が重視。ほとんどの資質・能力が、面接を通して評価されている。

 汎用的な能力・スキルを中心として、企業が採用時に重視する度合いについてたずねた結果では、態度や志向性に関するものが上位にきており、もっとも高いのが「社会人としての常識・マナー」92.7%(「とても重要」+「まあ重要」、以下同)、次いで「チームワーク力」が 92.5%であった。一方で、ICT や英語に関するスキルは相対的に低くなっている(図4-2-5)。 また、企業が採用時に学生の資質・能力を評価する方法はほとんどが面接である(図4-2-6)。このことを学生の側からみれば、面接の会話やエピソードの中で、これらの資質・能力が備わっていることをどれだけ示すことができるかが重要になる。

貴社では、大学学部卒の新規採用にあたって、職種を問わず採用時の要件として次のような能力をどの程度重視していますか。Q

企業採用責任者図4-2-5 企業が採用時に大卒者に求める能力  

「社員採用時の学力評価に関する調査」『大学卒業程度の学力を認定する仕組に関する調査研究』(2008、文部科学省受託研究)

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第4章 

大学から社会へ

71

0 20 40 60 80(%)100

社会人としての常識・マナー(92.7)

チームワーク力(92.5)

自己管理力(86.9)

問題解決力(84.1)

リーダーシップ力(80.8)

継続的な学習力(79.7)

創造力(74.5)

日本語プレゼンテーションスキル(71.6)

日本語ライティングスキル(69.0)

日本語文章読解力(64.3)

日本語討議力(62.6)

批判的思考力(56.5)

大学の学部課程で身につけた知識・スキル(54.4)

基本的な ICT 操作スキル(46.4)

情報処理(35.6)

数量的・統計的スキル(34.5)

調査・研究スキル(27.6)

メディアリテラシー(17.7)

英語ライティングスキル(9.7)

英語文章読解力(9.7)

英語プレゼンテーションスキル(5.9)

英語討議力(3.9)

エントリーシート学生情報(出身大学のレベルや学業成績など)

面接能力検査(個人の能力を測定するための標準化された筆記式またはWeb式のテスト)

エッセー・小論文

11.4

10.7

9.4

10.6

17.3

8.7

5.7

4.3

7.6

8.85.5

7.5(◆)46.1

26.5

27.0

22.4

18.4

19.2

21.7(◆)19.9(◆)

20.1

19.9

8.5

15.1

24.8

24.4

16.6

21.7

20.8

15.1

11.3

42.6(■)

13.3

3.5

12.8

31.5

21.7

19.2

11.3

11.8

10.6

7.8

9.0

8.8(■)

9.4

7.6

7.8

10.2

6.4

5.9

9.5

11.8(〇)

41.8(〇)

15.1

6.6(〇)

6.8(〇)

15.3

1.2

0.7

0.9

3.3

1.2

2.4

1.6

1.6

1.2

88.0

95.3

83.9

81.8

85.3

77.6

81.1

83.9

36.0

34.3

83.2

75.9

75.4

51.1

45.4

35.4

49.4

39.2

22.4 (●)

22.7

26.5

25.3

17.2

23.6

20.6

25.8

24.4

18.7

19.4

11.1(△)

21.1

51.1

7.6 (△)

17.7

37.3

4.7

4.3

27.7

7.8

9.0

20.8(△) 18.7 (△)

8.5 (△)

6.9

図4-2-6 採用時の能力の評価方法 企業採用責任者

次の能力を把握するために利用している評価方法をお答えください。Q

注1) ( )内は、図4-2-5で示した重要度の%。 注2)複数回答。注3)質問項目の能力定義は http://benesse.jp/berd/center/open/report/gakushi_ryoku/pdf/data_06.pdf (p17)を参照。 注4)対象は各企業の採用責任者577人。「社員採用時の学力評価に関する調査」『大学卒業程度の学力を認定する仕組に関する調査研究』(2008、文部科学省受託研究)

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72

注)対象は各大学のキャリアセンター長または就職部門長457人。「キャリア教育・就職支援の現状と課題に関する調査」(2010)

注1)表の値は、各キャリア教育の取り組みを「実施している」「予定または検討中」と回答した件数に占める%。複数回答。

注2)網かけは各取り組み別にもっとも高い値を示す。

3. キャリア教育・就職支援

3-1 キャリア教育の実施状況キャリアセンターと教学側でキャリア教育の取り組みが併存。

実施している予定または検討中

0 20 40 60 80(%)100

進路冊子の配布

インターンシップ科目(単位あり)

インターンシップ(単位なし)

汎用的能力の育成を目的とした科目 (単位あり)

汎用的能力の育成を目的とした講座(単位なし)

職業観育成のためのガイダンス科目(単位あり)

職業観育成のためのガイダンス講座(単位なし)

進路冊子の配布

インターンシップ科目(単位あり)

インターンシップ(単位なし)

汎用的能力の育成を目的とした科目 (単位あり)

汎用的能力の育成を目的とした講座(単位なし)

職業観育成のためのガイダンス科目(単位あり)

職業観育成のためのガイダンス講座(単位なし)

キャリアセンター主体

教学側(学部・学科など)主体

72.4 6.1

31.5  10.5

48.8 8.1

19.7 12.3

47.9 5.3

41.4 7.2

75.1 5.9

21.9  9.6

47.3    9.6

14.2 11.2

43.1   11.2

16.0 6.6

53.4 7.2

16.6 10.7

図4-3-1 キャリア教育の実施状況(平成21年度)  表4-3-1 キャリア教育の実施状況(学年別) 

貴大学では、キャリア教育として平成 21年度にどのような取り組みを実施しましたか。または、今後実施する予定ですか。Q

 平成 21年度の取り組みとして、7割の大学が、キャリアセンター主体で「職業観育成のためのガイダンス」を単位なしの講座として実施しており、そのうち約半数の 54.3%が 1年生から実施している。一方、教学側主体の取り組みをみると、約 5割が「職業観育成のためのガイダンス」を単位ありの科目として実施しており、学年別には2年生で 64.6%ともっとも多い。単位の有無の違いはみられるものの、キャリアセンター側と教学側で同様の取り組みが併存している様子がみてとれる。

「実施している」及び「予定または検討中」(件数)

(%)対象学年

1年 2年 3年 4年

54.3 61.8 73.3 37.3

59.4 66.1 59.9 24.0

51.2 58.1 75.0 31.5

52.1 59.6 55.5 22.6

30.0 58.8 86.8 26.7

15.3 54.1 84.2 20.3

32.4 24.1 84.1 20.0

34.7 46.5 61.1 30.6

61.9 64.6 48.1 21.2

45.7 50.0 56.9 31.9

62.1 62.5 51.2 27.4

25.2 49.5 70.9 34.0

16.2 49.5 84.8 24.5

28.8 22.4 43.2 17.6

359

192

260

146

243

222

370

144

260

116

248

103

277

125

キャリアセンター長

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第4章 

大学から社会へ

73

注)対象は各大学のキャリアセンターまたは就職部門長457人。「キャリア教育・就職支援の現状と課題に関する調査」(2010)

注1)表の値は、各就職支援を「実施している」と回答した件数に占める%。複数回答。

注2)網かけは各取り組み別にもっとも高い値を示す。

3-2 就職支援の実施状況9割の大学で「エントリーシート指導」「面接対策講座」「自己分析指導」を実施。

0 20 40 60 80(%)100

特定企業の研究講座

特定職種の研究講座

PC、語学など就職に必要な実務講座

未内定者向け講座

特定業界の研究講座

資格対策講座の設置

論文・作文指導

一般常識対策

グループディスカッション対策

各種適性検査対策

公務員試験対策講座

マナー育成講座

インターンシップ

就職サイト利用指導

大学での企業説明会

自己分析指導

面接対策講座

エントリーシート指導

就職活動手引きの配布

就活ガイダンス 96.9

91.9

91.9

91.5

89.1

87.3

84.9

83.6

82.3

76.8

76.8

72.2

70.9

63.9

62.1

61.7

46.2

42.0

40.5

39.4

図4-3-2 就職支援の実施状況(平成21年度)  表4-3-2 就職支援の実施状況(学年別) 

貴大学で実施している就職支援を目的とした年間事業について伺います。平成 21年度に実施した支援項目をすべてチェックしてください。チェックした項目について学年をご回答ください。

Q

 就職支援は、「就活ガイダンス」が 96.9%ともっとも実施率が高く、そのうち 2割弱は 1年生で、3割弱は 2年生と早期から実施している。「エントリーシート指導」「面接対策講座」「自己分析指導」といった就職活動のノウハウに関する具体的な指導も 9割の大学で実施している。

平成21年度実施

(件数)

(%)対象学年

1年 2年 3年 4年

18.7 27.8 95.5 45.1

8.8 9.0 93.6 17.6

2.9 6.0 95.0 37.9

2.6 7.7 92.6 39.2

9.6 15.5 93.9 27.8

5.5 10.8 92.5 50.1

4.6 7.2 94.1 20.6

18.6 56.0 95.5 21.7

11.2 20.5 93.4 23.1

45.6 68.4 95.7 45.9

18.2 27.1 92.9 16.8

3.3 8.2 95.2 28.5

15.4 26.5 95.7 23.8

7.9 11.0 88.4 44.9

72.2 80.6 91.5 71.8

16.7 25.9 94.0 21.3

0.0 0.0 7.1 91.5

78.6 83.9 89.1 68.8

19.5 30.8 89.2 23.8

16.7 25.0 92.2 22.8

キャリアセンター長

443

420

420

418

407

399

388

382

376

351

351

330

324

292

284

282

211

192

185

180

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74

0 20 40 60 80(%)100

業種や職種を定めず膨大な企業にエントリーする学生が多い

就職セミナーへの参加率が低い

相談に来ても、何が課題か説明できない学生がいる

有名企業・大企業への就職にこだわる学生が多い

就職活動を、途中であきらめてしまう学生が増えた

敬語や社会人としての態度など、マナーに欠ける学生が多い

就職でアピールできる経験のない学生が増えた

自らの考えでなく、マニュアル式の受け答えに終始する

就職活動に向けて、自ら動きだそうとしない学生が増えた

基礎学力に欠ける学生が多い

複数の内定を獲得する学生と、内定の決まらない学生が二極化している

学生の思考力や口頭での表現力が不足し、面接指導が難しい

エントリーシートの作成に必要な文章力が不足している

とても思う

やや思う

41.8              40.7                         (82.5)

                     (70.7)

                     (70.3)

                (60.2)

              (53.0)

            (50.1)

            (49.0)

           (47.1)

          (43.8)

       (37.5)

       (37.4)

       (36.8)

(20.3)

23.9            46.8

30.0            40.3

24.1          36.1

16.2        36.8

13.6        36.5

9.4        39.6

9.0        38.1

9.4       34.4

7.7      29.8

5.0      32.4

9.4     27.4

17.5

2.8

注1)( )内の値は「とても思う」と「やや思う」の合計値。注2)選択肢は「とても思う」「やや思う」「どちらともいえない」「あまり思わない」「まったく思わない」の5段階。注3)対象は、キャリアセンター長または就職部門長457人。「キャリア教育・就職支援の現状と課題に関する調査」(2010)

3. キャリア教育・就職支援

3-3 キャリアセンターが感じている学生の課題学生の課題は文章力や思考力・表現力の不足。

内定のとれる学生ととれない学生の二極化も多くの大学が感じている。

図4-3-3 就職支援活動における学生の問題点・課題 

貴大学の就職支援活動において、学生側にみられる問題点・課題は何ですか。Q

 就職支援活動を通して、キャリアセンターが感じている学生側の問題点・課題は、「エントリーシートの作成に必要な文章力が不足している」が 82.5%(「とても思う」+「やや思う」、以下同)で、「とても思う」のみでも 4割にのぼる。また、「複数の内定を獲得する学生と、内定の決まらない学生が二極化している」という現象も 70.3%と、多くの大学が感じている。

キャリアセンター長

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第4章 

大学から社会へ

75

注)対象は、キャリアセンターまたは就職部門長457人。「キャリア教育・就職支援の現状と課題に関する調査」(2010)

3-4 キャリア教育・就職支援の課題今後の課題はキャリアセンターと学部教員の連携強化と汎用的能力の育成。

特に能力の秀でた学生、意欲の高い学生に対する特別の教育・支援を講ずることが必要である

就職担当の教職員として、民間企業経験者を積極採用することが必要である

良質な民間事業者との連携が重要である

教員にもキャリア教育のスキルを高めることが重要である

低学年時からの指導の拡大が必要である

キャリア教育と就職支援の一体的な企画・運用が重要である

キャリアセンター職員の専門能力を高めることが重要である

キャリアセンターと学部教員の協力関係を深めることが重要である

就業力の基礎となる汎用的能力(思考力、表現力、討議力等の育成を通じた課題解決力)の育成が重要である

まったく思わない 0.4

(%)

68.3           21.4    5.3

無回答とても思うどちらともいえない 4.4やや思う

あまり思わない 0.2

1.5 0.0

46.6           39.4      7.4 5.0

1.1 0.0

51.0             39.4

0.02.0

44.4             40.3      8.5 4.8

4.4

3.1 0.2

42.9            38.3      10.9 4.6

3.1 0.0

32.6           42.5        16.8   5.0

1.3

18.2         42.9          26.5   6.3 4.8

2.4

8.3     27.4          44.4    12.5  5.0

2.4

6.6 27.8          45.1         12.9  5.3

4.2

図4-3-4 キャリア教育・就職支援体制の課題 

 今後の課題としては、「キャリアセンターと学部教員の協力関係を深めることが重要である」がもっとも高く、「とても思う」との回答が 68.3%、次いで「就業力の基礎となる汎用的能力(思考力、表現力、討議力等の育成を通じた課題解決力)の育成が重要である」が 51.0%と続き、「やや思う」も含めるといずれも 9割にのぼる。さらに、「キャリアセンター職員の専門能力を高めること」「キャリア教育と就職支援の一体的な企画 ・運用」「低学年時からの指導の拡大」についても半数近くが「とても思う」と回答しており、まだこれから検討・改善すべき課題が多い状況であることがわかる。

貴大学において、今後、より効果の高いキャリア教育・職業支援を行っていくために必要な課題についてお聞きします。

Q

キャリアセンター長

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76

4. 社会で求められる力

4-1 仕事で必要とされている能力・スキル高いレベルの必要性を感じているのは、若年層で「傾聴力」、

中堅層では「問題解決力」。

 社会では実際にどのような力が求められているのか。この節では、文部科学省の「学士力」、経済産業省の「社会人基礎力」などを参考にして、社会で求められていると思われる能力 ・スキルを 25項目設定し、様々な角度から質問を行った結果を紹介する。まず、今の仕事での必要度合いを社会人にたずねたところ、社会人 1-3 年目の若年層の 3割強が「高いレベル ・程度が必要である」と感じているのは、「傾聴力」「問題解決力」「倫理観」「継続的な学習力」。10-12 年目の中堅層では、これらの能力が必要とされている全体の割合(「高いレベル ・程度が必要」+「やや高いレベル ・程度が必要」+「基礎として必要」)にほとんど変わりはないが、必要とされるレベルや程度の感じ方が「高いレベル ・程度が必要」が減り、「やや高いレベル ・程度が必要」「基礎として必要」が増えている。反対に中堅層で「高いレベル ・程度が必要」が増えており、全体の必要度もあがっているのが「リーダーシップ力」である。

英語(外国語)で聞き、話す

英語(外国語)で読み、書く

物事をデータ・数字で定量的・統計的にとらえ表現する(数量的・統計的スキル)

ICT やアプリケーションを業務の高度化・効率化に活用する(情報リテラシー)

自らの意見を主張することができる(主張する力)

異なる意見や立場をふまえながら議論を行う(ディスカッションスキル)

自分の考えを口頭でわかりやすく伝える(プレゼンテーションスキル)

相手の意見を丁寧に聞き、話を引き出す(傾聴力)

自分の考えを文章で論理的にわかりやすく表現する(ライティングスキル)

文献や資料にある情報を正しく理解する(読解力)

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

実践的なスキル・技能社会人

(%)

22.6     33.4          35.2     8.8

18.4       35.0           40.5      6.1

17.0     29.2          39.1       14.7

16.2      34.7            40.0      9.1

  35.2         31.1         28.3    5.4

23.8         38.5          33.8

25.2        32.7         32.6     9.5

22.7        36.3          34.8     6.1

14.1      29.5          40.1       16.2

14.2       35.8           40.0      10.0

16.0      33.8           40.2      10.0

14.9       38.7            40.1     6.3

11.8    20.1        36.6          31.5

11.8    24.3         40.0         23.9

21.8       30.5          34.6      13.0

19.8       34.9          36.8      8.5

5.9 11.1    26.4            56.5

6.5 11.1     26.6            55.8

5.0 9.4    24.7            61.0

5.7 9.8    25.0            59.5

3.9

今の仕事ではあまり必要とされない

基礎として必要である

やや高いレベル・程度が必要である

高いレベル・程度が必要である

図4-4-1 仕事上で必要とされている能力・スキル 

現在のあなたが仕事をするにあたって、次の能力・スキルはどの程度必要とされていますか。Q社会人

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第4章 

大学から社会へ

77

注)対象は、社会人1-3年目1,732人、社会人10-12年目1,854人。「社会で必要な能力と高校・大学時代の経験に関する調査」(2010)

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

思考・判断力

知識・教養

態度・志向性

既存の枠にとらわれず、新しい発想やアイデアを出す(創造力)

ビジョンを描き、目標を設定する(目標設定力)

問題を認識し、必要な情報を収集・分析・整理し、問題を解決する(問題解決力)

現状を分析し、問題点を明らかにし課題として設定する(課題設定力)

正しい推論と適切な根拠に基づいて様々な情報を評価し判断する(批判的思考力)

筋道を立てて論理的に物事を考える(論理的思考力)

国際的な視点や意識を身につけている(グローバルな視野)

自ら先頭に立って行動し、グループをまとめる(リーダーシップ力)

自分の感情を上手にコントロールする(ストレスコントロール力)

目標の実現に向けて計画をし、自らを律して行動できる(自己管理力)

社会の規範やルールにしたがって行動する(倫理観)

進んで新しい知識・能力を身につけようとする(継続的な学習力)

チームの中で協力しながら自分の役割や責任を果たす(チームワーク力)

自らの考えで責任をもって自律的に物事に取り組む(主体性)

幅広い知識・教養を身につけている

社会人

(%)

25.5        34.9         33.7     5.9

22.8         40.1           33.1

21.5       34.6          35.8      8.1

18.0        38.2           37.4      6.4

25.6        35.6          32.2    6.6

23.0         40.7          31.8

 31.5         36.9         27.1

28.9          40.6         27.1

16.7       35.0          39.5      8.8

16.1       36.4           39.7      7.8

15.6     25.9         38.5        20.0

15.6      32.6           39.2      12.6

4.4

3.3

4.5

4.0

今の仕事ではあまり必要とされない

基礎として必要である

やや高いレベル・程度が必要である

高いレベル・程度が必要である

(%)

 27.8         37.1         31.2

23.4       40.7           32.2

  28.8         35.0         30.4

21.2         40.7           34.4

   31.3         35.3         29.3

18.6        39.9            36.9

 31.4        28.5         36.4

25.5         32.4           40.0

23.2        38.7           33.9

20.1        39.8           35.4

  26.3       31.4          37.0

19.6       33.1           43.0

10.7    25.3         41.4         22.6

14.7      35.4           38.1      11.8

8.7  16.4       33.1           41.7

7.6  17.9       34.8          39.7

3.7

3.8

3.7

5.8

4.6

4.1

2.2

3.7

4.7

4.2

4.2

5.4

今の仕事ではあまり必要とされない

基礎として必要である

やや高いレベル・程度が必要である

高いレベル・程度が必要である

(%)

  20.5       32.3           39.1    8.1

13.1      36.0            44.0      7.0

今の仕事ではあまり必要とされない

基礎として必要である

やや高いレベル・程度が必要である

高いレベル・程度が必要である

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78

4. 社会で求められる力

4-2 社会人に身についている能力・スキルの度合い若年層と中堅層とで能力・スキルの身につき度合いが大きく違うのは

「問題解決力」「リーダーシップ力」。

 社会人の能力 ・スキルの身につき度合いについて、若年層と中堅層を比較すると、中堅層の方が身についている割合(「身についている」+「まあ身についている」、以下同)が総じて高くなっているが、なかでも 20ポイント程度高いものが「問題解決力」「リーダーシップ力」である。逆に、若年層と中堅層であまり違いがないものが、「英語(外国語)で読み、 書く」「英語(外国語)で聞き、 話す」「継続的な学習力」である。仕事を通じて伸びていく力と伸びにくい力があるようだ。ただし、英語については、現在仕事で必要とされている人が 4割程度(図4-4-1参照)と、他の項目に比べて少ないことも一因であろう。

英語(外国語)で聞き、話す

英語(外国語)で読み、書く

ICT やアプリケーションを業務の高度化・効率化に活用する(情報リテラシー)

物事をデータ・数字で定量的・統計的にとらえ、表現する(数量的・統計的スキル)

自らの意見を主張することができる(主張する力)

異なる意見や立場をふまえながら議論を行う(ディスカッションスキル)

自分の考えを口頭でわかりやすく伝える(プレゼンテーションスキル)

相手の意見を丁寧に聞き、話を引き出す(傾聴力)

自分の考えを文章で論理的にわかりやすく表現する(ライティングスキル)

文献や資料にある情報を正しく理解する(読解力)

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

実践的なスキル・技能社会人

6.1      40.5           34.6      14.8

10.0        48.5           31.4     8.5

     29.2         35.7        24.1   7.0

7.8      39.6           36.4      13.6

9.4       41.7          31.6      14.1

12.4        45.8           32.0     8.4

     26.7        32.9        27.7    8.9

6.0      38.1          34.8      17.3

     26.4        34.5        27.0    8.3

6.2      37.4          36.0       16.8

      29.2        33.3        25.7   6.5

8.1       42.3          33.8      13.1

      31.4        33.4        21.6   8.1

8.9       44.2           32.4     11.6

    20.9       31.6       25.6     17.4

8.7      32.8         31.9      17.8   8.8

15.1    20.0      29.0        32.7

14.5    17.7      28.7         34.5

12.2   18.6      28.8         37.4

12.7   15.6     29.6          38.3

(%)

1.5

3.8

4.0

3.9

5.3

5.5

4.4

3.2

3.14.6

3.8

3.7

3.5

2.8

3.0

3.1

2.6

1.5

4.0

あまり身についていないどちらでもない

まあ身についている

身についている 身についていない

図4-4-2 身についている能力・スキルの度合い 

次の能力・スキルはあなたにどの程度身についていると思いますか。Q社会人

Page 17: 大学から社会へ - ベネッセ教育総合研究所 · 第4章 大学から社会へ 65 1. 仕事・将来への展望と準備 1-1 大学生の仕事観・社会観・将来観

第4章 

大学から社会へ

79

注)対象は、社会人1-3年目1,732人、社会人10-12年目1,854人。「社会で必要な能力と高校・大学時代の経験に関する調査」(2010)

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

1-3 年目

10-12 年目

思考・判断力

知識・教養

態度・志向性

既存の枠にとらわれず、新しい発想やアイデアを出す(創造力)

ビジョンを描き、目標を設定する(目標設定力)

問題を認識し、必要な情報を収集・分析・整理し、問題を解決する(問題解決力)

現状を分析し、問題点を明らかにし課題として設定する(課題設定力)

正しい推論と適切な根拠に基づいて様々な情報を評価し判断する(批判的思考力)

筋道を立てて論理的に物事を考える(論理的思考力)

国際的な視点や意識を身につけている(グローバルな視野)

自ら先頭に立って行動し、グループをまとめる(リーダーシップ力)

自分の感情を上手にコントロールする(ストレスコントロール力)

目標の実現に向けて計画をし、自らを律して行動できる(自己管理力)

社会の規範やルールにしたがって行動する(倫理観)

進んで新しい知識・能力を身につけようとする(継続的な学習力)

チームの中で協力しながら自分の役割や責任を果たす(チームワーク力)

自らの考えで責任をもって自律的に物事に取り組む(主体性)

幅広い知識・教養を身につけている

社会人

(%)

6.3      37.2          33.8       18.4

10.7        49.0            30.6    8.3

      32.0          39.0       19.6

8.0       46.3            35.2      8.9

      35.0           36.5       18.6

7.8        48.3            33.9     8.0

      36.0          38.2       17.3

9.0        51.0            31.1     7.6

31.3          37.8        22.0

  39.0            40.3       12.6

22.1       34.3         30.7     9.5

  30.8          40.9        17.7

1.4

4.4

1.6

4.54.8

5.1

4.4

4.3

5.4

5.9

3.5

3.6

3.1

2.5

5.3

2.0

4.7

1.4

4.2

2.6

4.6

4.7

(%)

7.0      39.3          33.9       16.5

11.6         50.8            28.3    7.8

9.4       44.1           29.8     13.2

10.4        50.1            29.3    8.5

10.3      39.4          32.6      14.0

9.9        44.3            34.3     9.4

17.0       47.3        25.7   8.0

18.3        51.9          24.2

       38.3           35.9      16.2

8.6        47.1           33.2     9.2

9.1      37.0         29.2      18.7

10.0       42.3           30.7     13.2

  15.1      31.0         33.9      17.4

5.7    30.5          39.5       18.7

14.7     26.2        31.3       24.8

  20.2      29.0        30.1      17.1

1.6

3.3

1.7

3.6

2.1

3.6

1.3

2.1

1.9

4.3

3.7

5.6

5.9

2.1

4.6

(%)

     28.8         38.0         24.2

6.8      40.3           38.7       12.0

あまり身についていないどちらでもない

まあ身についている

身についている

身についている

身についていない

あまり身についていないどちらでもない

まあ身についている

身についている4.4

身についていない

あまり身についていないどちらでもない

まあ身についている

身についていない

4.3

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80

4. 社会で求められる力

4-3 社会人が5年後に重要となると思う能力・スキル「プレゼンテーションスキル」「問題解決力」「リーダーシップ力」がべスト3。

 近い将来に重要になる、と社会人が感じている能力 ・スキルは何か。若年層も中堅層も、上位3項目は、「リーダーシップ力」「問題解決力」「プレゼンテーションスキル」である。若年層ではもっとも高いものは「プレゼンテーションスキル」だが、上位3項目で選択率にほとんど差はない。一方、中堅層では「リーダ-シップ力」が 4割強ともっとも高くなっており、経験年数による求められる力の違いを反映した結果となっている。職種別、部門別にみても、中堅層では「リーダーシップ力」は職種、部門によらずもっとも高くなっている。また、中堅層では「英語(外国語)で聞き、話す」が上位に入っている。

0 10 20 30 40(%)50

0 10 20 30 40(%)50

現状を分析し、問題点を明らかにし課題として設定する(課題設定力)

英語(外国語)で聞き、話す

自分の考えを口頭でわかりやすく伝える(プレゼンテーションスキル)

問題を認識し、必要な情報を収集・分析・整理し、問題を解決する(問題解決力)

自ら先頭に立って行動し、グループをまとめる(リーダーシップ力)

チームの中で協力しながら自分の役割や責任を果たす(チームワーク力)

現状を分析し、問題点を明らかにし課題として設定する(課題設定力)

自ら先頭に立って行動し、グループをまとめる(リーダーシップ力)

問題を認識し、必要な情報を収集・分析・整理し、問題を解決する(問題解決力)

自分の考えを口頭でわかりやすく伝える(プレゼンテーションスキル)

社会人 1-3 年目

社会人 10-12 年目

33.4

32.3

31.4

24.1

23.4

43.9

29.4

29.3

26.5

23.3

図4-4-3 5年後に重要になると思う能力・スキル(上位5項目)

あなたが 5年後に今より重要になると思うものは何ですか。特に重要になると思うものを上位 5つ選択してください。Q

社会人

注)対象は、社会人1-3年目1,732人、社会人10-12年目1,854人。「社会で必要な能力と高校・大学時代の経験に関する調査」(2010)

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第4章 

大学から社会へ

81

事務職(510) 営業・販売職(324) サービス職(95) 技術職(499) 専門職(267)

1位 問題解決力 33.1 プレゼンテーションスキル 35.8 リーダーシップ

力 38.9 プレゼンテーションスキル 38.7 リーダーシップ

力 37.8

2位 プレゼンテーションスキル 31.0 傾聴力 30.6 チームワーク力 34.7 リーダーシップ

力 32.9 問題解決力 32.2

3位 リーダーシップ力 26.1 リーダーシップ

力 29.9 問題解決力 32.6 問題解決力 32.7 チームワーク力 30.3

4位 課題設定力 25.9 問題解決力 29.3 プレゼンテーションスキル 27.4 英語(外国語)で

聞き、話す 26.5 プレゼンテーションスキル 27.7

5位 傾聴力 23.7 英語(外国語)で聞き、話す 23.5 目標設定力 27.4 課題設定力 26.5 課題設定力 25.5

社会人1-3年目

事務職(635) 営業・販売職(285) サービス職(66) 技術職(643) 専門職(188)

1位 リーダーシップ力 39.8 リーダーシップ

力 45.6 リーダーシップ力 53.0 リーダーシップ

力 49.0 リーダーシップ力 36.2

2位 プレゼンテーションスキル 30.2 プレゼンテー

ションスキル 29.8 問題解決力 34.8 プレゼンテーションスキル 30.6 チームワーク力 33.0

3位 問題解決力 29.6 問題解決力 29.5 チームワーク力 33.3 英語(外国語)で聞き、話す 30.0 問題解決力 29.3

4位 課題設定力 23.5 目標設定力 28.4 課題設定力 30.3 問題解決力 28.9 プレゼンテーションスキル 26.1

5位 創造力 23.1 英語(外国語)で聞き、話す 26.7 傾聴力 24.2 課題設定力 24.3 英語(外国語)で

聞き、話す 26.1

研究・開発(295) 情報処理(151) 製造・工事・現場(105) 管理・企画(132) 総務・人事・経理(139) 営業・販売(458)

1位 プレゼンテーションスキル 34.9 プレゼンテー

ションスキル 47.0 リーダーシップ力 30.5 問題解決力 37.1 問題解決力 33.1 プレゼンテー

ションスキル 33.0

2位 リーダーシップ力 34.2 問題解決力 35.1 プレゼンテー

ションスキル 28.6 リーダーシップ力 31.8 プレゼンテー

ションスキル 31.7 問題解決力 31.2

3位 英語(外国語)で聞き、話す 32.2 リーダー

シップ力 31.8 主体性 28.6 プレゼンテーションスキル 28.8 リーダー

シップ力 27.3 傾聴力 31.0

4位 問題解決力 31.2 チームワーク力 30.5 問題解決力 27.6 課題設定力 28.8 課題設定力 26.6 リーダー

シップ力 30.1

5位 課題設定力 28.8 課題設定力 24.5 チームワーク力 25.7 英語(外国語)

で聞き、話す 24.2 論理的思考力 25.2 チームワーク力 23.6

研究・開発(336) 情報処理(234) 製造・工事・現場(98) 管理・企画(218) 総務・人事・経理(234) 営業・販売(362)

1位 リーダーシップ力 48.2 リーダー

シップ力 52.6 リーダーシップ力 37.8 リーダー

シップ力 52.3 リーダーシップ力 34.2 リーダー

シップ力 44.5

2位 英語(外国語)で聞き、話す 39.3 プレゼンテー

ションスキル 33.3 プレゼンテーションスキル 35.7 プレゼンテー

ションスキル 33.9 問題解決力 31.2 問題解決力 30.4

3位 問題解決力 28.9 問題解決力 29.1 課題設定力 27.6 問題解決力 30.3 プレゼンテーションスキル 27.4 プレゼンテー

ションスキル 28.5

4位 プレゼンテーションスキル 26.8 課題設定力 25.2 主体性 27.6 創造力 25.2 英語(外国語)

で聞き、話す 23.9 英語(外国語)で聞き、話す 26.8

5位 英語(外国語)で読み、書く 24.1 ディスカッ

ションスキル 23.9 ディスカッションスキル 26.5 目標設定力 23.9 課題設定力 23.9 目標設定力 26.2

社会人10-12年目

社会人1-3年目

表4-4-1 5年後に重要になると思う能力・スキル(職種別・上位5項目)

表4-4-2 5年後に重要になると思う能力・スキル(部門別・上位5項目)

職種別

部門別

社会人10-12年目

注1)表4-4-1の職種は「その他」は省略した。注2)表4-4-2の部門は上記6部門以外は省略した。注3)( )内はサンプル数。「社会で必要な能力と高校・大学時代の経験に関する調査」(2010)

社会人

社会人

(%)

(%)

(%)

(%)

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82

4. 社会で求められる力

4-4 社会人になる前に身につけたい能力・スキル若年層では「継続的な学習力」、中堅層では「倫理観」が最も高く「英語」も上位に。

 社会人になる前に身につけておいた方が望ましいと思う能力 ・スキルは、若年層では「継続的な学習力」「チームワーク力」「ストレスコントロール力」、中堅層では「倫理観」「英語(外国語)で聞き、 話す」「英語(外国語)で読み、 書く」が上位 3項目。また、職種別、部門別にみると、中堅層の技術職では「英語(外国語)で聞き、 話す」「英語(外国語)で読み、 書く」が上位に、また「研究 ・開発」部門においては、若年層も中堅層も「英語(外国語)で聞き、話す」「英語(外国語)で読み、 書く」が上位にきており、中堅層では 4割強が選択している。理系を中心とする職種や部門で、特に英語の必要性が感じられている様子がうかがえる。

社会人 1-3 年目 社会人 10-12 年目0 10 20 30 40(%)50 0 10 20 30 40

(%)50

英語(外国語)で聞き、話す

相手の意見を丁寧に聞き、話を引き出す(傾聴力)

目標の実現に向けて計画をし、自らを律して行動できる

(自己管理力)

社会の規範やルールにしたがって行動する

(倫理観)

幅広い知識・教養を身につけている

自分の考えを口頭でわかりやすく伝える

(プレゼンテーションスキル)

自らの考えで責任をもって自律的に物事に取り組む

(主体性)

自分の感情を上手にコントロールする

(ストレスコントロール力)

チームの中で協力しながら自分の役割や責任を果たす

(チームワーク力)

進んで新しい知識・能力を身につけようとする(継続的な学習力)

相手の意見を丁寧に聞き、話を引き出す(傾聴力)

自分の考えを口頭でわかりやすく伝える

(プレゼンテーションスキル)

幅広い知識・教養を身につけている

自らの考えで責任をもって自律的に物事に取り組む

(主体性)

自分の感情を上手にコントロールする

(ストレスコントロール力)

チームの中で協力しながら自分の役割や責任を果たす

(チームワーク力)

進んで新しい知識・能力を身につけようとする(継続的な学習力)

英語(外国語)で読み、書く

英語(外国語)で聞き、話す

社会の規範やルールにしたがって行動する

(倫理観)39.4

39.1

38.6

36.9

36.3

35.5

34.7

33.5

33.1

30.4

38.4

37.1

35.0

34.1

33.9

33.3

32.8

31.5

30.5

28.5

図4-4-4 社会人になる前に身につけておいた方が望ましい能力・スキル(上位10項目)

次の能力・スキルのうち社会人になる前に身につけておいた方が望ましいと思うものは何ですか。あてはまるもの全てを選択してください。Q

社会人

注1)複数回答。注2)対象は、社会人1-3年目1,732人、社会人10-12年目1,854人。「社会で必要な能力と高校・大学時代の経験に関する調査」(2010)

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第4章 

大学から社会へ

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注1)表4-4-3の職種は「その他」は省略した。注2)表4-4-4の部門は上記6部門以外は省略した。注3)( )内はサンプル数。「社会で必要な能力と高校・大学時代の経験に関する調査」(2010)

表4-4-3 社会人になる前に身につけておいた方が望ましい能力・スキル(職種別・上位5項目)

表4-4-4 社会人になる前に身につけておいた方が望ましい能力・スキル(部門別・上位5項目)

社会人1-3年目

社会人10-12年目

社会人1-3年目

職種別

部門別

社会人10-12年目

事務職(510) 営業・販売職(324) サービス職(95) 技術職(499) 専門職(267)

1位 継続的な学習力 42.4 継続的な学習力 40.4 チームワーク力 47.4 継続的な学習力 36.9 倫理観 47.2

2位 ストレスコントロール力 42.0 ストレス

コントロール力 38.9 継続的な学習力 43.2 英語(外国語)で読み、書く 34.1 ストレス

コントロール力 46.1

3位 チームワーク力 41.4 傾聴力 38.0 主体性 43.2 幅広い知識・教養 33.7 チームワーク力 43.4

4位 主体性 40.8 幅広い知識・教養 38.0 ストレス

コントロール力 37.9 英語(外国語)で聞き、話す 33.7 主体性 39.3

5位 プレゼンテーションスキル 37.6 チームワーク力 38.0 倫理観 35.8 プレゼンテー

ションスキル 33.5 プレゼンテーションスキル 39.0

事務職(635) 営業・販売職(285) サービス職(66) 技術職(643) 専門職(188)

1位 倫理観 39.5 倫理観 38.9 倫理観 51.5 英語(外国語)で聞き、話す 41.4 倫理観 40.4

2位 幅広い知識・教養 37.3 継続的な学習力 38.2 チームワーク力 40.9 英語(外国語)で

読み、書く 39.8 主体性 35.6

3位 主体性 36.4 チームワーク力 37.5 幅広い知識・教養 39.4 倫理観 34.5 ストレス

コントロール力 35.1

4位 継続的な学習力 35.9 英語(外国語)で聞き、話す 35.4 ストレス

コントロール力 37.9 継続的な学習力 31.4 チームワーク力 33.5

5位 ストレスコントロール力 35.9 傾聴力 34.0 英語(外国語)で

読み、書く 36.4 プレゼンテーションスキル 30.6 プレゼンテー

ションスキル 33.0

研究・開発(295) 情報処理(151) 製造・工事・現場(105) 管理・企画(132) 総務・人事・経理(139) 営業・販売(458)

1位 英語(外国語)で聞き、話す 40.0 継続的な

学習力 47.0 プレゼンテーションスキル 41.0 継続的な

学習力 40.2 幅広い知識・教養 41.7 継続的な

学習力 41.7

2位 英語(外国語)で読み、書く 39.7 チームワーク

力 34.4 主体性 39.0 自己管理力 37.9 継続的な学習力 40.3 ストレス

コントロール力 41.0

3位 プレゼンテーションスキル 35.6 ストレス

コントロール力 32.5 ストレスコントロール力 37.1 チームワーク

力 36.4 主体性 38.8 主体性 40.6

4位 チームワーク力 34.2 自己管理力 31.1 論理的思考力 36.2 主体性 33.3 自己管理力 37.4 チームワーク

力 39.3

5位 継続的な学習力 33.9 読解力 30.5 チームワーク

力 36.2 プレゼンテーションスキル 32.6 倫理観 36.7 幅広い知識・

教養 38.6

研究・開発(336) 情報処理(234) 製造・工事・現場(98) 管理・企画(218) 総務・人事・経理(234) 営業・販売(362)

1位 英語(外国語)で聞き、話す 45.2 倫理観 39.3 英語(外国語)

で聞き、話す 43.9 倫理観 43.1 主体性 36.8 倫理観 37.6

2位 英語(外国語)で読み、書く 43.5 チームワーク

力 34.2 プレゼンテーションスキル 41.8 継続的な学習

力 37.2 継続的な学習力 36.3 英語(外国語)

で聞き、話す 35.9

3位 倫理観 33.0 ストレスコントロール力 33.8 チームワーク

力 40.8 チームワーク力 37.2 倫理観 35.9 継続的な

学習力 35.6

4位 継続的な学習力 31.0 継続的な

学習力 32.5 倫理観 37.8 英語(外国語)で聞き、話す 36.2 英語(外国語)

で聞き、話す 35.0 チームワーク力 35.6

5位 主体性 26.8 主体性 31.6 英語(外国語)で読み、書く 35.7 英語(外国語)

で読み、書く 34.9 幅広い知識・教養 34.6 ストレス

コントロール力 35.6

社会人

社会人

(%)

(%)

(%)

(%)

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4. 社会で求められる力

4-5 大学生の能力・スキルの身につき度合いと育成状況「英語力」と「グローバルな視野」は、身につき度合いが低い。

 大学生の能力 ・スキルの身につき度合いは、「英語(外国語)で読み、 書く」「英語(外国語)で聞き、 話す」 は2割前後(「身についている」+「まあ身についている」)と低い。また、学生が授業で育成機会があったと感じている割合を学部系統別にみると、外国語 ・国際学系統は「プレゼンテーションスキル」などコミュニケーションスキルが高く、法学系統は「論理的思考力」など思考力系が高いなど、学部特性の表れた結果となっている。学部間で大きく異なるのは「グローバルな視野」で、外国語 ・国際学系統で 66.7%に対し、理工学系統では 8.0%である。

0 10 20 30 40 50 60 70(%)80

幅広い知識・教養

グローバルな視野

リーダーシップ力

ストレスコントロール力

自己管理力

倫理観

継続的な学習力

チームワーク力

主体性

創造力

目標設定力

問題解決力

課題設定力

批判的思考力

論理的思考力

英語(外国語)で聞き、話す

英語(外国語)で読み、書く

情報リテラシー

数量的・統計的スキル

主張する力

ディスカッションスキル

プレゼンテーションスキル

傾聴力

ライティングスキル

読解力

身についている まあ身についている大学で養われる機会が「あった」

実践的スキル・能力

思考・判断力

態度・志向性

知識・教養

  13.1       47.9

9.3      38.9

    23.5             45.9

7.6      32.3

11.9      39.3

  15.4     39.1

8.0     33.7

7.7   24.5

6.0   17.4

6.4  12.4

 12.9      45.2

10.7    45.2

12.1      47.3

11.8     48.8

 12.9           43.2

9.6          29.8

  18.6             45.8

   24.3                 47.3

  20.4              44.8

     34.4              43.9

  16.1            44.3

  22.1            39.4

9.4  25.9

8.1  17.9

8.3       33.4

47.6

36.5

31.3

49.7

38.0

34.8

34.8

23.1

41.7

35.0

37.6

28.2

33.4

36.1

21.1

19.8

31.9

44.1

30.7

22.6

25.0

13.9

21.1

20.4

41.4

図4-4-5 能力・スキルの身につき度合いと大学での育成機会(全体)

①次の能力・スキルはあなたにどの程度身についていると思いますか。②大学の授業の中でこれらの能力・スキルが養われる機会がありましたか。Q

人文・社会学系統(369)

外国語・国際学系統(138)

法学系統(170)

経済学系統(380)

理工学系統(299)

56.1 44.9 50.6 42.9 42.5

42.8 48.6 35.9 33.4 25.1

36.6 24.6 31.8 26.3 19.7

52.6 53.6 36.5 45.5 48.5

40.9 37.0 36.5 37.9 28.8

38.2 37.0 25.9 34.5 27.1

31.2 16.7 20.6 41.6 47.8

20.3 24.6 12.9 26.6 29.4

42.0 80.4 33.5 40.3 37.8

34.4 76.8 27.1 32.6 31.1

41.2 33.3 51.2 32.4 35.8

33.1 21.0 34.7 25.8 23.7

32.8 27.5 34.1 33.4 29.4

38.5 32.6 36.5 32.9 33.1

22.2 21.0 14.1 20.5 17.7

18.4 16.7 13.5 18.2 19.4

34.7 34.1 31.8 26.8 25.8

43.9 46.4 29.4 43.7 40.5

32.0 33.3 27.6 25.3 28.8

21.1 16.7 22.9 21.6 18.7

25.7 24.6 27.1 20.8 22.4

16.5 10.1 11.8 12.1 10.4

20.1 21.7 16.5 20.5 17.7

21.1 66.7 15.9 19.7 8.0

44.2 41.3 37.1 41.3 38.5

大学 4年生(%)

表4-4-5 能力・スキルの大学での育成機会(学部系統別)

注1) Q①の選択肢は「身についている」「まあ身についている」「どちらでもない」「あまり身についていない」「身についていない」の5段階。注2) Q②の大学での育成機会(折れ線グラフと表)は育成機会が「あった」と思うものを選択。複数回答。注3)表4-4-5は学部間で10ポイント以上の差があるものを が最大値、■は最小値として網かけしている。注4)対象は、大学4年生1,731人(6年制大学の6年生を含む)。「社会で必要な能力と高校・大学時代の経験に関する調査」(2010)