【第 特集~ノート指導の基本~【第 ・...

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ノートは、学習に欠かせないものです。ノート指導をどのようにすればよいのか悩んでいる先生もおいでることと思 います。そんな先生方のお役に少しでも立てばと、5月は「ノート指導」を特集にしました。 子どもにとって 教師にとって 第 98 号 令和元年5月号 ~教科研究センター便り~ 高知県教育センター 教科研究センター 【第98号 目次】 ・特集 ノート指導の基本 ・事務連絡(本部の土曜日の出入口) ・令和元年度アドバイザーの紹介 ・速報 ・講座案内 特集~ノート指導の基本~ 教科研究センター(本部)アドバイザー 東川美知子 〇 書く力や計算等の基礎・基本的能力が身に付く。→ 学習理解や基礎学力の定着に役立つ。 〇 調べたことや分かったこと、考えたことなどを整理することで自分の考えが明確になる。 〇 学習したことや自分の思考の足跡や成果が見える。→ 既習事項や自分の思考を振り返り、復習時や 次の学習、家庭学習にいつでも活用できる。 〇 友だちとノートを見合ったり、友だちの考えを書き加えたりすることで、自分の考えが広まったり、 深まったりする。 〇 自分の学びの変容や成長に気付く。学習意欲の向上や学習への充実感につながる。 ノートのはたらき 〇 子どもの学習状況を把握して、効果的な授業の進め方や個別指導、次の授業に役立てることができ る。→ 授業を振り返る材料になり、授業改善につながる。 〇 ノート指導と関連した板書計画を練ることで、授業力の向上につながる。 ノートをとる意義を子どもにきちんと伝えて、ノート指導に当たることが大切!! ノート指導のポイント

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Page 1: 【第 特集~ノート指導の基本~【第 ・ ノートは、学習に欠かせないものです。ノート指導をどのようにすればよいのか悩んでいる先生もおいでることと思

ノートは、学習に欠かせないものです。ノート指導をどのようにすればよいのか悩んでいる先生もおいでることと思

います。そんな先生方のお役に少しでも立てばと、5月は「ノート指導」を特集にしました。

子どもにとって

教師にとって

第 98 号

令和元年5月号

~教科研究センター便り~

高知県教育センター

教科研究センター

【第98号 目次】

・特集 ノート指導の基本 ・事務連絡(本部の土曜日の出入口)

・令和元年度アドバイザーの紹介 ・速報

・講座案内

特集~ノート指導の基本~

教科研究センター(本部)アドバイザー 東川美知子

〇 書く力や計算等の基礎・基本的能力が身に付く。→ 学習理解や基礎学力の定着に役立つ。

〇 調べたことや分かったこと、考えたことなどを整理することで自分の考えが明確になる。

〇 学習したことや自分の思考の足跡や成果が見える。→ 既習事項や自分の思考を振り返り、復習時や

次の学習、家庭学習にいつでも活用できる。

〇 友だちとノートを見合ったり、友だちの考えを書き加えたりすることで、自分の考えが広まったり、

深まったりする。

〇 自分の学びの変容や成長に気付く。→ 学習意欲の向上や学習への充実感につながる。

ノートのはたらき

〇 子どもの学習状況を把握して、効果的な授業の進め方や個別指導、次の授業に役立てることができ

る。→ 授業を振り返る材料になり、授業改善につながる。

〇 ノート指導と関連した板書計画を練ることで、授業力の向上につながる。

ノートをとる意義を子どもにきちんと伝えて、ノート指導に当たることが大切!!

ノート指導のポイント

Page 2: 【第 特集~ノート指導の基本~【第 ・ ノートは、学習に欠かせないものです。ノート指導をどのようにすればよいのか悩んでいる先生もおいでることと思

(1)ノートに書く基本的な項目

学習した日付、教材名、問題、学習課題(めあて)、自分の考えや友だちの考え、まとめや振り返りなど。

引用:高知県授業づくりBasicガイドブック平成 29年度改訂版

平成 29年 10月 高知県教育委員会

具体的な言葉がけの例

「下敷を敷いていますか?」「題名は2マスあけて書きます」

「定規を使ってきちんと線を引きましょう」「めあてを青色鉛筆で囲みます」など

(2)丁寧で分かりやすいノート

① 正しい姿勢、鉛筆の持ち方、下敷きを使う、線は定規で引く、色分けのルール(例:めあては青で囲む、

まとめは赤で囲む)などの基本を身に付けさせます。

② 筆順や字形、句読点に気を付けるなど丁寧に書くように指導をします。

③ 絵や図、矢印、記号も一緒に書いたり、資料を貼ったりすることで、後からノートを見たときに何を学習

したのかが分かりやすくなります。

④ 見開き2ページを 1時間の学習に当てることを原則とすると、一目で学習の流れが分かります。

(3)書く時間の確保

授業を組み立てるときに、どこで、どのようにノートをまとめるのかを事前に考えておくとよいですね。

(4)ノートの点検 → 子ども評価や授業評価に役立てる

① 毎時間の授業中でのノートのチェックと評価の積み重ねが、ノート指導を充実させます。

② 授業のねらいに即して見る観点をきめて、明確に評価をします。

(5)発達段階に応じたノート指導

① 子どもの発達に適したノート(マスの大きさや行の幅など)の準備をしましょう。

② 小学校中学年以降は、友だちの良いノート例を参考にしたり、自分で工夫した絵や吹き出しなどを使った

りして、自分らしい工夫されたノートが書けるように指導をしましょう。

(6)板書とノートの関連

ノート指導の基本は、教師の板書です。板書と子どものノートが連動するように、見やすく分かりやすく要

点が整理された構造的な板書をすることが大切です。

(7)ノート指導のルール → 全校で共通理解をして継続的に指導をしていく。

ノートに書く項目や使い方は、教

科や発達段階により異なります。

小学校低学年では、ノートの基本

的な使い方を教師が言葉がけをし

ながら板書をすると効果的です。

友だちの考えも書くことで、自

分の考えと比べることができま

す。振り返りでは、今日のめあ

てに迫ることができたか、友だ

ちの考えから学んだことなど、

自分の振り返りを書くといいで

すね。

Page 3: 【第 特集~ノート指導の基本~【第 ・ ノートは、学習に欠かせないものです。ノート指導をどのようにすればよいのか悩んでいる先生もおいでることと思

《 参考・引用文献 》

「高知県授業づくりBasicガイドブック」平成 29年度改訂版 高知県教育委員会

これで解決! 算数「教材・指導案・授業」づくり 平川 賢 東洋館出版社

子どもの学力を高める! 秋田県式「授業の達人」10の心得 矢ノ浦勝之 小学館

教育技術 小五小六 2019年5月号 小学館

【アドバイザーのノート指導の経験より】

〇 授業で必要な学習用具がそろっていないと、ノート指導を充実させることができません。自分で学習用具の

準備をさせる習慣を身に付けさせることが大切です。

〇 ノート指導の初期の段階では、ノートの基本を身に付けさせるために、教師と一緒に板書を正しく写す経験

を重ねる指導をします。特に小学校低学年では、ノートのマス目と同じ字数で板書をします。

〇 授業の始めに前時の学習をノートで振り返ることで、本時の学習と思考がつながりました。

〇 教室や廊下に参考となるノートやノートのコピーを掲示して、学級だけでなく学年全体、また学校全体でノ

ートを見合う機会を設けると学びが広がり、子どもの学習意欲も向上します。教員相互の授業力向上にもつ

ながります。(参観日などでは、子どもたちの成長を保護者と共有しました。)

〇 子どものノートに励ましや賞賛のコメントを書くことで、子どもの学習意欲につながりました。

〇 視写や聴写で明日の予定や持ち物、学校でのできごとを一斉に書く「連絡ノート」の指導は、正確に速く書

く力や聞く力を付けさせたり、集中力を高めたりするのに役立ちました。

・小学校の教科書(国語、算数、書写など)には、発達段階に即したノートの書き方の

参考例が載っています。ぜひ、活用しましょう。

新しく購入した書籍です。ご利用ください。

特別支援教育を意識した

小学校の授業づくり・

板書・ノート指導

黎明書房

教員1年目の教科書

初任者でもバリバリ活躍した

い!教師のための心得

明治図書

主体的・対話的で深い学びを

実現する!

小学校国語科授業づくり

ガイドブック 明治図書

一人一人の子どもの個性を踏まえた「特別支援教育を意識した指

導の実際」が丁寧に解説されています。授業づくりや板書、ノー

ト指導の具体的な実践例も紹介されています。

これから教育現場に出る方や若い先生方が活躍していくために

必要な心得が掲載されています。

「学級づくり」「授業づくり」「同僚の先生方や保護者との接し

方」「自己研鑽」など。

「主体的・対話的で深い学び」の国語の授業はどういうものかに

ついて、「理論編」「授業づくりの技」「授業づくり」の3部で構

成されています。15の教材の実践例(小学校)が掲載されてい

ます。

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本部

〇吉田 美紀(よしだ みき)アドバイザー

〇竹内 研介(たけうち けんすけ)アドバイザー

〇高橋 静子(たかはし しずこ)アドバイザー

〇東川 美知子(ひがしがわ みちこ)アドバイザー

令和元年度アドバイザーの紹介

「見方・考え方」を働かせる算

数授業

東洋館出版社

今日から使える中学校数学

指導技術アイデア事典

明治図書

中学校数学科 ユニバーサル

デザインの授業プラン 30

明治図書

3年目教師 勝負の体育授業

づくり 一人ひとりの「できた」

を生み出す!スキル&テクニ

ック 明治図書

算数の授業をつくる上での大切な「数学的な見方・考え方」とは

何か、また、「見方・考え方を引き出すポイント、広げるポイン

ト、深めるポイント」の50の実践が掲載されています。

数学の授業ならではの51の指導技術が収録されています。若い

先生からベテランの先生まで、幅広く活用できます。

例:問題提示、自力解決、話し合い・発表、発問、

板書、学習形態、ノート指導、特別支援など。

専門性を持つ先生方の30の多様な実践例をもとに、中学校数学

科におけるユニバーサルデザインの授業づくりが提案されてい

ます。「わかった」「できた」を引き出すための授業の手立てが見

えてきます。

体育の授業をステップアップして、子どもも教師も体育の授業が

待ち遠しくなるちょっとした秘訣が紹介されています。「学級開

きで体操づくり!?」「体育だからこそできる異学年交流」「みん

なで泳げる!ペアスイミング」など。

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東部

〇山村 泰秋(やまむら やすあき)アドバイザー

〇久保 博行(くぼ ひろゆき)アドバイザー

〇小松 智可(こまつ ちか)アドバイザー

〇岡村 裕子(おかむら ゆうこ)アドバイザー

中部

〇矢野 満男(やの みつお)アドバイザー

〇二宮 弘(にのみや ひろし)アドバイザー

〇水田 春寿(みずた はるとし)アドバイザー

〇北原 初枝(きたはら はつえ)アドバイザー

西部

〇植田 敏子(うえた としこ)アドバイザー

〇則 ルリ(すなわち るり)アドバイザー

〇藤倉 永子(ふじくら ながこ)アドバイザー

〇宮下 由紀(みやした ゆき)アドバイザー

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講座のお知らせ

あなたも教科研究センター講座に参加してみませんか?

8月までの講座予定

●基礎講座 <基礎講座Ⅱ>講義・演習 模擬授業で学ぶ魅力的な授業づくり

7月 27日(土) 高知県教育センター・大方高校

●専門講座Ⅰ<NIE>

8月 31日(土) 高知県教育センター

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土曜日は、出入口が南東一箇所ですので、よろしくお願いします。 http://www.kochinet.ed.jp/studycenter/entrance.pdf に掲載しています。

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教科研究センター(本部・東部・中部・西部)

4月の利用者状況 566 名

◆◇ご利用ありがとうございました◇◆

教科研究センター(本部)の土曜日の出入口について

教科研究センター(本部) 高知県教育センター2階(高知市大津乙 181) TEL/FAX 088-866-3903

東部教科研究センター 安芸総合庁舎4階(安芸市矢ノ丸1-4-36) TEL/FAX 0887-34-8051

中部教科研究センター 中部教育事務所1階(吾川郡いの町枝川 2410-7) TEL/FAX 088-893-6597

西部教科研究センター 幡多総合庁舎3階(四万十市中村山手通 19) TEL/FAX 0880-35-6251

★ 開室時間は次のとおりです。ご利用をお待ちしています。

開室時間:月火・木金 15:00~19:15 土曜 10:00~16:00

教科研究センターホームページアドレス http://www.kochinet.ed.jp/studycenter

速 報

こちらからいつでもまなnetを閲覧できます。