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Build up! ~まだ知らない標茶町の魅力~ 文化理解ゼミ 創生班
1.はじめに
標茶町は静かで自然が豊富で特産物もあるが、町外の人から標茶はどこなのかと聞かれることが多く、
認知度が低いと考える。町外から来た同級生に標茶町は観光名所があまりないなどの魅力が少ない、休
日に開いているお店が少なく住みづらいなどの声を聞いた。これらの原因は若者の標茶離れや標茶の良
さが周りに伝わっていないなどと考える。そこで、生まれ育った地元を自分たちの力で良くしたい、自
分たちの通う町を良くしたいと2つの意見をもっている生徒が協力し、高校生ならではの視点で町民や
町外の方にも標茶町に興味を持ってもらいたいという動機で活動を始めた。
概要
・イベントを主催し、町を活気づけたり、町民の活動を促進したりする。
・町民が集まることができたり、高校で作られた商品を販売できたりする場を作り、町内での町民同士
の交流が活発になるようにする。
・様々な大会・イベントに参加し、自分たちの意見を発信することで、客観的視点から評価を得て、新
たな地方創生のやり方を学ぶ。
2.町の課題
町が現在抱えている問題として、人口減少、 表1 標茶町の人口推移
高校の入学者数減少・財政が厳しい点が上が
っていることがわかった。
1つ目の人口減少は広報標茶に毎月人口が
記載されており、年々減少していることがわ
かった(表1)。
2 つ目の高校の入学者減少・財政が厳しい点
は、標茶町が発行した第 2 期総合戦略に記載
されていた(図2)。
これらの課題を解決するために私たちの活動を PDCA サイクルに当てはめ、標茶町や私たちの活動
の改善点・良い点を明確にし、活動を円滑に進めていこうとした。
年数 人口総数
2002年 9,416人
2003年 9,270人
2019年 7,532人
2020年 7,411人
人口総数の差 2,005人
図1 総合戦略
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3.活動結果 ①「星降る牧草地 IN 標茶」開催
計画→HUB 会(イベントを通して町の活性化を目指してい
る)の方々と協力し、コロナ禍でも行うことができる
イベントを企画(図2)。
実行→イベントの宣伝を SNS などで積極的に行い(図3)、
広い牧草地で開催。当日私たちは主に、暗い牧草地を
活かし、私たちが新たな製品を制作し標茶町を印象付
けたいと考えランタンの販売を行った。また、標茶町
の主幹産業である標茶牛乳を体験を通じて PR したいと考え
標茶牛乳を使用した牛乳パックランタン制作ブースを設置し
た(図4)。
評価→良かった点は、標茶牛乳を使用したことで町外の方にも知っ
てもらうことができ、町の PR につながったと感じた。また、販売を行ったことで利益を
出す大変さや難しさを感じ、高校生にとって貴重な体験をすることができた。
評価→開催場所が町の中心部から離れていたため、足を運びにくか
った。この点が、来場者が 500 人ほどと想定していたのに対
し、約 300 人と想定よりも少なかったことにつながったと感じ
た。当日は計画性や工夫が足りないなどの点がお客様に十分な
提供ができなかったことにつながったと考える。
改善→開催場所を町の中心部にし、馴染みのある場所にするべきだと
考え、たくさんの方に来てもらえるような工夫などをした方が
良いと考えた。
②「ありがとうフェスタ」開催
計画→7 月のイベントの反省点・改善点の馴染みのある場所にするこ
と、たくさんのかたに来てもらえるような工夫をすることを踏
まえて計画。
実行→前回のイベントで好評だった牛乳パックランタン制作ブース
を設置。同時に、標茶高校の製品の需要を知るために、アンケ
ートを実施(図5)。
評価→来場者を前回が約 300 人に対し約 500 人と 200 人増やすこと
ができた。そして、アンケートを見ると、製品を購入したい思
いがあるが、商品を購入できる機会が少なく、機会があったと
しても購入できることを知らないことが多いなどの点が課題
だと感じた。
改善→2 つのイベントの反省点、アンケートででた課題を解決する
ビジネスを発案しようと考えた。
③「ビジネスコンペティション」参加
図3 インスタグラムでの宣伝
図2 話し合いの様子
図5 ブースの様子
図4 牛乳パックランタン
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計画→10 月のアンケートで出た消費者の課題、総合戦略の課題を解
決したいと思い計画。
実行→タイトルは「しべ高が町を活性化」(図6)。食品だけでなく、
各ゼミが開発した商品の販売や発表ができるようなイベント
を定期的に行うビジネス。具体的なビジネスとして広告の面
は告知の仕方をチラシと毎月広報にイベント情報を記載する
ことで釧路からも町内からもたくさんの方に来てもらうこと
ができると考えた。イベントの面は食品だけでなく3系列
すべてが協力し販売会を行い、サービスも提供することで
高校について深く知ってもらうことができ、イベントの知
名度の向上や、財政が潤うと考えられる。そして、高校生
が行うことで標茶高校を PR でき、入学者の増加に貢献で
きると考えた。
評価→ビジネスアイディア賞を受賞。審査員の方から「標茶高校
の敷地を活用したイベントにするとより良いビジネスに
なる」と意見をいただいた。
改善→次年度以降、校内の敷地を活用し、標茶高校のすべての系
列が協力をしたイベントを開催したいと考えている。実行
の部分のビジネスが主となるが製品例としてガイドゼミ
の鹿の皮レザーストラップや標茶町の羊毛を使用したラ
ンタンなどの新たな商品を販売したい(図8)。
④「標茶高校フェア」参加
10月に日専連釧路で開催された「標茶高校フェア」に参加した。
標茶高校のパンフレットと創生ゼミを知ってもらうためのパンフレッ
トを作り、標茶・標茶高校の PR のために活動した(図9)。活動を通
して、町外の方がどのようなイベントを求めているのかを知る機会と
なったので次年度以降につなげることができる内容となった。
⑤「桜が丘中学校体験入学」参加
10月に行われた桜が丘中学校受け入れに参加した。私たち創生ゼ
ミの PR をし、カードゲームを使用し SDGsについて学んだ(図 10)。
この活動により、カードゲームを通じて、地域創生を中学生に伝える
とともにその大切さを私たちも再認識することができた。
図6 発表の様子
図7 表彰式の様子
図8 イベントの製品例
図9 PRしている様子
図 10 中学生とのカードゲーム
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⑥「地域教育創造フォーラム」参加
12月にオンラインで行われた道東の地域教育をつくる会が主催
し、北海道教育大学釧路校が協力する地域教育創造フォーラムに参加
した(図 11)。その際、私たちは今年度の活動内容を発表した。その
後グループに分かれて意見交換を行い地域で「探究」を広げるために
どのようなことができるのか考えた。
4.考察
活動結果から、標茶町や標茶高校の PR するための活動になったと考える。イベントでは、町の活性
化を目指し活動をしている方々と協力し、町の中心部で行ったことにより町外からも来てもらうことが
でき、私たちのブースを作ることもできた。ビジネスコンペティションでは、町の問題解決となるビジ
ネスを私たちが発案し、大会で発表することができた。これらのことから町と高校について PR するこ
とに貢献できたと考える。
5.まとめ
図 12 自己評価
今年度の成果として、イベントでは町・高校を PR するためのイベント・ブースを企画し、参加する
ことができた。ビジネスコンペティションでは標茶町、高校をよりよくするため、利用者の課題を解決
するためのビジネスを考え、入賞することができた。標茶高校フェアではパンフレット配布と PR した
ことにより町外に高校について発信できた。桜が丘中学校受け入れではゼミについて PR でき、地域創
生を考える機会になった。全的には、活性化のためのイベント、総合戦略の課題解決などに向けた活動
ができたと感じている。
この1年間の活動を通し、総合戦略(図2)の課題解決に少しでも貢献できたと感じている。次年度
以降は標茶町や標茶高校を発信するために外部の大会に参加したり、先ほども述べたようなイベントを
開催したりしてほしいと考える。
6.謝辞
今年度関わってくださった hub 会の皆様、No Maps の皆様、道東の教育をつくる会の皆様、ありがと
うございました。
図 11 フォーラムの様子