泫bsi( 回収状況 調査対象企業 調査時期 調査内容 …...調 査 レポート①...

6
調 査 レポート① 調10 調調29 調調39 13 24 39 10 22 21 32 58 54 60 68 87 59 46 40 43 調調調調10 12 調10 調47 61 28 31 36 20 Business Survey Index: 岩手経済研究 2019年12月号 18

Upload: others

Post on 06-Mar-2020

14 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 泫BSI( 回収状況 調査対象企業 調査時期 調査内容 …...調 査 レポート① 岩手県内企業景況調査 ︱︱2019年 10月調査︱︱ ︽調査結果の要約︾

調 査レポート①

岩手県内企業景況調査︱

︱2019年10月調査︱︱

︽調査結果の要約︾

景況感は3期連続の悪化

○ 

県内企業の最近の業況判断

BSIはマイナス29・3と前

回調査(2019年7月)を

4・7ポイント下回った。

〇 「良い」の割合が3・3ポ

イント減少し、「悪い」の割

合が1・4ポイント増加した

ことで3期(9カ月)連続の

悪化となった。

〇 

本県経済は緩やかな回復の

動きが続いているものの、今

回調査では製造業で厳しい見

方が広がったことに加え、非

製造業は全業種がマイナス圏

となったことなどが景況感の

悪化につながった。

〇 

産業別では、製造業はマイ

ナス39・3と前回を13・9ポイ

ント下回り、7業種のうち前

回プラスだった窯業・土石を含

む5業種が二桁台のマイナスと

なった。また、非製造業はマイ

ナス24・2で前回と同値だっ

たものの建設業がマイナスに

転じたほか、小売業やサービ

ス業でマイナス幅が拡大した。

○ 

今後3カ月間の先行きのB

SIは、マイナス39・8と現

状を10・5ポイント下回る見

通しである。

○ 

売上高BSIはマイナス

22・7と2019年4〜6月

期を0・9ポイント上回った。

「増加」と「減少」のいずれ

の割合も増加し、全体ではマ

イナス幅が縮小した。

○ 

経常利益BSIはマイナス

21・5と前期を6・7ポイン

ト上回った。

○ 

雇用人員BSIはマイナス

32・1で不足感が強まった。

製造業は不足感が弱まったが、

非製造業は強まった。

人手不足の状況

〇 

雇用人員が「不足している」

「やや不足している」とした

企業の割合は58・0%となり、

産業別では製造業が54・1%、

非製造業が60・0%となった。

〇 

不足している職種は「技術・

専門職」が68・6%と最も多

かった。産業別では、製造業

は「技術・専門職」が87・9%

で最多となり、非製造業では

「技術・専門職」と「営業・販

売職」がそれぞれ59・7%で

同値となった。

〇 

人手不足につながった要因

は「中途採用者の確保難」が

46・7%と最も多く、次いで

「新卒者の確保難」が40・0%

などとなった。また、人手不

足への対応としては「中途採

用の増加」が43・8%と最も

多かった。

当研究所では定例の「岩手県内

企業景況調査」を実施し、県内企

業の景況感や業況実績およびそれ

らの見通しのほか、人手不足の状

況について調査した。

調査要領は以下の通りである。

○調査内容

県内企業の2019年7〜9月期の

前年同期と比較した業況実績および

10〜12月期の前年同期と比較した業

況見通し等

○調査時期

2019年10月

○調査対象企業

県内企業380社

○回収状況

回収率 

47・6%

製造業 

61  

建設業   

28

卸売業 

31  

小売業   

36

運輸業 

5  

サービス業 

20

合 

計 

181

泫BSI(Business Survey Index:

況判断指数)は、企業の業況実績や

企業経営者の業況見通し等を指標化

したもので、「

プラス(増加、上昇、

過剰等)」

と回答した企業割合から、

マイナス(減少、下降、不足等)」

と回答した企業割合を差し引いた値

である。

岩手経済研究 2019年12月号 18

Page 2: 泫BSI( 回収状況 調査対象企業 調査時期 調査内容 …...調 査 レポート① 岩手県内企業景況調査 ︱︱2019年 10月調査︱︱ ︽調査結果の要約︾

図表1 業況判断BSI (「良い」-「悪い」・ポイント)

業種

最  近 先行き

2019年7月調査

2019年10月調査 今後3カ月間

全 産 業 △ 24.6 △ 29.3 △ 39.8

製 造 業 △ 25.4 △ 39.3 △ 42.6

食 料 品 △ 47.4 △ 50.0 △ 43.8

木 材・木 製 品 △ 40.0 △ 62.5 △ 25.0

窯 業 ・土 石 20.0 △ 30.0 △ 20.0

金 属 製 品 △ 66.7 △ 66.7 △ 66.7

一 般 機 械 0.0 0.0 △ 50.0

電 気 機 械 0.0 0.0 △ 50.0

そ の 他 △ 18.2 △ 36.4 △ 54.5

非 製 造 業 △ 24.2 △ 24.2 △ 38.3

建 設 業 6.5 △ 7.2 △ 14.3

卸 売 業 △ 37.8 △ 22.5 △ 38.7

小 売 業 △ 17.7 △ 22.3 △ 44.4

運 輸 業 △ 83.3 △ 60.0 △ 60.0

サ ー ビ ス 業 △ 43.7 △ 45.0 △ 55.0

図表2 業況判断BSIの推移(全産業)

10-50

-40

-20

-10

-30

0

10

20

30

40

はBSIの推移良い

%・ポイント見通し

悪い1月41

2019年107

2017年 2020年41 7 102018年

△25.5

△12.7△12.7

12.815.0

△13.3△13.3

△28.3

13.4

△15.5△15.5

△28.9

13.5

△16.9△16.9

△30.4△30.4

10.9

△19.3△19.3

13.6

△15.2△15.2

△28.8

11.0

△24.6△24.6

△35.6

9.1

△22.7△22.7

△31.8

6.1

△39.8△39.8

△45.9

7.7

△29.3△29.3

△37.0

1 

景況感

⑴ 

最近の業況

県内企業の最近の業況は、「良

い」と回答した割合が7・7%、

「悪い」が37・0%となり、業況

判断BSIはマイナス29・3と前

回調査(2019年7月)を4・

7ポイント下回った(図表1、2)。

「良い」の割合は前回調査比

3・3ポイント減となり、「悪い」

の割合が同1・4ポイント増と

なったことから3期(9カ月)

連続の悪化となった。製造業は

7業種中5業種が二桁台のマイ

ナスとなったほか、非製造業も

5業種すべてでマイナスとなる

など厳しい景況感が示された。

本県経済は個人消費の持ち直

しや雇用環境の改善など緩やか

な回復の動きが続いているもの

の、今回調査では製造業で厳し

い見方が広がったことに加え、

非製造業は前回プラスの建設業

を含めマイナス圏で推移したこ

となどが悪化につながった。

産業別では、製造業はマイナ

ス39・3と前回を13・9ポイント

下回った。一般機械と電気機械は

「変わらない(0・0)」で判断を

据え置いたが、前回プラスだっ

た窯業・土石が生コンクリート

などの需要の減少を背景にマイ

ナスに転じた。また、食料品は

水産加工を中心に仕入れ価格の

高止まりが資金繰りに影響して

いることなどから景況感が悪化

し、木材・木製品も在庫の増加

などを背景に後退したほか、金

属製品は金型や機械部品が低調

で大幅なマイナスが続いている。

非製造業はマイナス24・2で

前回と同値となったものの、建

設業が受注の減少と販売管理費

の増加に伴いマイナスに転じた

ほか、小売業は衣料品、サービ

ス業も宿泊業などで悪化した。

また、卸売業と運輸業は売上げ

の増加などからマイナス幅が縮

小したものの、依然として厳し

い判断となった。

⑵ 

先行き見通し

今後3カ月間の先行きのBS

Iはマイナス39・8と現状を10・

19 岩手経済研究 2019年12月号

岩手県内企業景況調査

Page 3: 泫BSI( 回収状況 調査対象企業 調査時期 調査内容 …...調 査 レポート① 岩手県内企業景況調査 ︱︱2019年 10月調査︱︱ ︽調査結果の要約︾

図表3 売上高BSI (「増加」-「減少」・ポイント)

業種

実  績 先行き

2019年4~6月期

2019年7~9月期

2019年10~12月期

全   産   業 △ 23.6 △ 22.7 △ 40.4

製   造   業 △ 22.4 △ 13.1 △ 32.8

食 料 品 △ 36.8 0.0 △ 18.7

木 材・木 製 品 10.0 △ 25.0 0.0

窯 業 ・土 石 △ 40.0 △ 40.0 △ 30.0

金 属 製 品 △ 100.0 △ 66.7 △ 50.0

一 般 機 械 △ 40.0 0.0 △ 25.0

電 気 機 械 50.0 33.3 △ 66.7

そ の 他 0.0 0.0 △ 54.5

非 製 造 業 △ 24.1 △ 27.5 △ 44.2

建 設 業 △ 25.8 △ 35.7 △ 14.2

卸 売 業 △ 24.4 △ 16.2 △ 38.7

小 売 業 △ 14.8 △ 19.4 △ 63.9

運 輸 業 △ 66.7 △ 40.0 △ 80.0

サ ー ビ ス 業 △ 25.0 △ 45.0 △ 50.0

図表4 売上高BSIの推移(全産業)

-60

-40

-20

0

20

40

60

はBSIの推移増加

見通し

減少10〜12

7〜9

4〜6

1〜3

%・ポイント

2017年

1〜3

10〜12

4〜6

7〜9

10〜12

2018年 2019年

△5.1△5.1

29.1

△34.2

△7.5△7.5

27.8

△35.3

△13.4△13.4

26.9

△40.3

△7.3△7.3

32.5

△39.8

△10.5△10.5

30.4

△40.9

△23.6△23.6

20.920.9

△44.5

△20.5△20.5

24.4

△44.9△40.4△40.4

9.99.9

△50.3

△22.7△22.7

22.122.1

△44.8

5ポイント下回る見通しとなっ

ており、製造業と非製造業のい

ずれもマイナス幅の拡大が見込

まれる。

産業別では、製造業は7業種

中3業種で悪化しマイナス42・

6と現状を3・3ポイント下回

る見通しである。一般機械と電

気機械が売上げの減少を見込ん

でマイナスになるとみられる。

また、食料品、木材・木製品、

窯業・土石はそれぞれ販売価格

の上昇や販売管理費の低下によ

りマイナス幅の縮小を見込むも

のの二桁台のマイナスで推移し、

金属製品も厳しい判断が続く見

通しとなっている。

非製造業は5業種中4業種が

悪化しマイナス38・3と現状を

14・1ポイント下回る見通しであ

る。建設業は人員を確保するため

の人件費の上昇などで現状からさ

らに悪化するほか、卸売業や小売

業、サービス業では個人消費関連

を中心に売上げの減少を予想して

おり、横ばいの運輸業を含め見

通しは厳しいものとなっている。

2 

経営実績

⑴ 

売上高

① 

実績

2019年7〜9月期(今期)

はマイナス22・7と4〜6月期

(前期)を0・9ポイント上回っ

た。「減少」とした割合が前回調

査比0・3ポイント増加したもの

の「増加」とした割合も同1・2

ポイント増加し、わずかにマイ

ナス幅が縮小した(図表3、4)。

産業別では、製造業はマイナ

ス13・1と前期を9・3ポイン

ト上回った。電気機械はプラス

幅が縮小し、木材・木製品がマ

イナスに転じたものの、食料品

と一般機械が0・0に持ち直し

たほか、金属製品もマイナス幅

が縮小した。

非製造業はマイナス27・5と

前期を3・4ポイント下回った。

5業種中3業種でマイナス幅が

拡大し、特にサービス業は宿泊

業を中心に大幅に落ち込んだ。

② 

先行き見通し

今後3カ月間の先行きはマイ

岩手経済研究 2019年12月号 20

Page 4: 泫BSI( 回収状況 調査対象企業 調査時期 調査内容 …...調 査 レポート① 岩手県内企業景況調査 ︱︱2019年 10月調査︱︱ ︽調査結果の要約︾

図表5 経常利益BSI (「増加」-「減少」・ポイント)

業種

実  績 先行き

2019年4~6月期

2019年7~9月期

2019年10~12月期

全   産   業 △ 28.2 △ 21.5 △ 37.1

製   造   業 △ 25.4 △ 16.4 △ 22.9

食 料 品 △ 36.8 △ 18.7 0.0

木 材・木 製 品 △ 10.0 12.5 0.0

窯 業 ・土 石 △ 40.0 △ 40.0 △ 20.0

金 属 製 品 △ 66.6 △ 66.7 △ 33.3

一 般 機 械 △ 40.0 0.0 △ 25.0

電 気 機 械 33.3 33.3 △ 66.7

そ の 他 △ 9.1 △ 18.2 △ 45.4

非 製 造 業 △ 29.9 △ 24.2 △ 44.2

建 設 業 △ 35.4 △ 42.9 △ 28.6

卸 売 業 △ 16.2 3.2 △ 35.5

小 売 業 △ 20.6 △ 30.6 △ 66.7

運 輸 業 △ 83.3 △ 40.0 △ 60.0

サ ー ビ ス 業 △ 50.0 △ 25.0 △ 35.0

図表6 経常利益BSIの推移(全産業)

-60

-40

-20

0

20

40

60

はBSIの推移増加

%・ポイント見通し

減少月10

〜12

7〜9

4〜6

1〜3

2017年

1〜3

10〜12

4〜6

7〜9

10〜12

2018年 2019年

△13.8△13.8

20.4

△34.2

△19.8△19.8

21.9

△41.7

△20.4△20.4

20.9

△41.3

△19.4△19.4

22.0

△41.4

△25.1△25.1

21.1

△46.2

△28.2△28.2

17.3

△45.5

△29.0△29.0

19.3

△48.3

△37.1△37.1

9.9

△47.0

△21.5△21.5

18.8

△40.3

ナス40・4と現状を17・7ポイ

ント下回る見通しである。

産業別では、製造業はマイナ

ス32・8で現状を19・7ポイン

ト下回るとみられる。木材・木

製品のマイナスが解消する一方

で、現状ではプラスの電気機械

など4業種がマイナスに転じる

見通しである。

非製造業はマイナス44・2で

現状から16・7ポイント下回る

とみられる。建設業はマイナス

幅の縮小が予想されるものの、

他の4業種では小売業が大幅な

減少を見込むなど厳しい見通し

となっている。

⑵ 

経常利益

① 

実績

今期はマイナス21・5と前期

を6・7ポイント上回った(図

表5、6)。仕入価格や製造費、

販売管理費が高止まりするなか

一部で価格への転嫁が進みマイ

ナス幅が縮小したものの、厳し

い収益環境が続いている。

産業別では、製造業はマイナ

ス16・4と前期を9・0ポイン

ト上回った。木材・木製品は仕

入価格の安定によりプラス転換

したほか、食料品や一般機械も

販売価格の上昇に伴い改善の動

きとなった。

非製造業はマイナス24・2と

前期を5・7ポイント上回った。

建設業や小売業が低下したもの

の、卸売業がプラス転換したほ

か運輸業とサービス業はマイナ

ス幅が縮小した。

② 

先行き見通し

先行きはマイナス37・1と現

状を15・6ポイント下回る見通

しである。

産業別では、製造業はマイナ

ス22・9と現状を6・5ポイン

ト下回るとみられる。食料品が

持ち直すものの、木材・木製品

や一般機械、電気機械などが現

状を下回る見通しである。

非製造業はマイナス44・2と

現状を20・0ポイント下回る見

通しとなり、卸売業がマイナス

に転じるほか、小売業なども売

上げの減少を見込んで大幅なマ

イナスになるとしている。

21 岩手経済研究 2019年12月号

岩手県内企業景況調査

Page 5: 泫BSI( 回収状況 調査対象企業 調査時期 調査内容 …...調 査 レポート① 岩手県内企業景況調査 ︱︱2019年 10月調査︱︱ ︽調査結果の要約︾

図表7 製品・商品在庫、生産・営業用設備、資金繰り、雇用人員BSI (%・ポイント)

業種

製品・商品在庫BSI(「過剰-不足」) 生産・営業用設備BSI(「過剰」-「不足」) 資金繰りBSI(「楽」-「苦しい」) 雇用人員BSI(「過剰」-「不足」)

実 績 先行き 実 績 先行き 実 績 先行き 最 近 先行き

2019年7月調査

2019年10月調査

今後3カ月間

2019年7月調査

2019年10月調査

今後3カ月間

2019年7月調査

2019年10月調査

今後3カ月間

2019年7月調査

2019年10月調査

今後3カ月間

全 産 業 4.5 6.8 2.7 △ 3.6 △ 2.8 △ 5.0 △ 7.3 △ 5.5 △ 10.5 △ 29.8 △ 32.1 △ 34.2

製 造 業 4.4 11.5 9.8 △ 1.5 1.6 △ 5.0 △ 8.9 △ 6.5 △ 6.6 △ 29.8 △ 18.1 △ 16.4

食 料 品 15.8 12.5 6.2 △ 5.2 △ 18.7 △ 31.3 △ 21.0 △ 31.3 △ 31.3 △ 52.6 △ 50.0 △ 37.5

木材・木製品 0.0 37.5 25.0 0.0 0.0 0.0 △ 30.0 △ 50.0 △ 12.5 △ 10.0 △ 25.0 0.0

窯 業・土 石 0.0 10.0 20.0 0.0 30.0 20.0 30.0 20.0 30.0 △ 10.0 20.0 0.0

金 属 製 品 △ 16.7 △ 16.7 △ 16.7 △ 16.7 △ 16.7 △ 33.3 0.0 0.0 △ 16.7 △ 16.6 △ 16.7 △ 33.3

一 般 機 械 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 △ 25.0 △ 25.0

電 気 機 械 0.0 33.3 33.3 0.0 16.7 16.7 0.0 33.3 16.7 △ 16.7 0.0 0.0

そ の 他 9.1 0.0 0.0 9.1 9.1 9.1 △ 18.2 9.1 △ 9.1 △ 54.5 △ 9.1 △ 9.1

非 製 造 業 4.6 3.4 △ 2.3 △ 4.9 △ 5.0 △ 5.0 △ 6.4 △ 5.0 △ 12.5 △ 29.9 △ 39.1 △ 43.3

建 設 業 - - - 3.2 3.6 3.6 9.7 10.7 △ 3.6 △ 22.6 △ 42.9 △ 53.6

卸 売 業 8.1 3.2 △ 6.4 △ 8.1 △ 12.9 △ 12.9 △ 2.7 6.4 6.4 △ 24.3 △ 32.3 △ 35.5

小 売 業 0.0 2.8 △ 2.8 △ 5.9 △ 2.8 △ 2.8 △ 11.7 △ 13.9 △ 19.5 △ 41.2 △ 36.1 △ 41.6

運 輸 業 - - - 33.3 60.0 60.0 △ 16.7 △ 20.0 △ 60.0 △ 50.0 △ 80.0 △ 80.0

サービス業 6.3 5.0 5.0 △ 25.0 △ 25.0 △ 25.0 △ 31.3 △ 25.0 △ 30.0 △ 25.0 △ 40.0 △ 35.0

3 在庫・設備・資金繰り・雇用

⑴ 

製品・商品の在庫水準

① 

現状

現状はプラス6・8とやや過

剰感が強まった(以下、図表7

参照)。非製造業では過剰感が弱

まったものの、製造業は木材・

木製品、電気機械などを中心に

強まった。

② 

先行き見通し

先行きはプラス2・7と適正

化が進む見通しである。製造業

は食料品や木材・木製品で過剰

感が弱まる見込みであるほか、

非製造業は卸売業と小売業のマ

イナスにより不足に転じるとみ

られる。

⑵ 

生産・営業用設備

① 

現状

現状はマイナス2・8で不足

感がやや弱まった。製造業では

過剰となったが、非製造業はマ

イナス幅がわずかに拡大した。

② 

先行き見通し

先行きはマイナス5・0とマ

イナス幅が拡大する見通しであ

る。製造業が再び不足に転じ、

非製造業は横ばいで推移すると

みられる。

⑶ 

資金繰り

① 

現状

現状はマイナス5・5で資金

繰りがやや改善した。製造業、

非製造業ともにマイナス幅が縮

小した。

② 

先行き見通し

先行きはマイナス10・5で資

金繰りは厳しくなるとみられる。

製造業、非製造業ともマイナス

幅が拡大する見通しである。

⑷ 

雇用人員

① 

現状

現状はマイナス32・1で不足

感が強まった。製造業で不足感

が弱まった一方、非製造業は強

まった。

② 

先行き見通し

先行きはマイナス34・2で不

足感が強まる見通しである。製

造業は3業種が適正化し不足感

が弱まる一方、非製造業ではさ

らに強まるなど、業種による不

足感の差が拡大するとみられる。

岩手経済研究 2019年12月号 22

Page 6: 泫BSI( 回収状況 調査対象企業 調査時期 調査内容 …...調 査 レポート① 岩手県内企業景況調査 ︱︱2019年 10月調査︱︱ ︽調査結果の要約︾

図表9 不足する職種(複数回答)%

技術・専門職 営業・販売職 事務職 その他0102030405060708090100

68.668.6

87.9

59.750.550.5

30.3

59.7

6.76.7 3.08.3 8.68.6

15.25.6

■全産業 ■製造業 ■非製造業

図表11 人手不足への対応(複数回答)%

中途採用の増加

定年の延長・退職者の再雇用

時間外労働・休日出勤で対応

新卒採用の増加

外注で対応

機械化、IT化等の効率化

外国人労働者の採用

その他05101520253035404550

43.843.8 41.9

28.632.4

15.2 14.3

8.6 8.6

図表8 雇用人員の過不足状況

全産業(181社)

製造業(61社)

非製造業 (120社)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

58.0 37.037.0

60.0 36.736.7

54.1 37.737.7 8.2

5.0

3.3 %

■不足している・やや不足している ■適正 ■過剰である・やや過剰である

図表10 人手不足につながった要因(複数回答)%

中途採用者の確保困難

新卒者の確保困難

中途退職者の増加

定年退職者の増加

専門職・有資格者の確保困難

受注の増加

その他051015202530354045505560

46.746.740.0

27.623.8 21.9

11.4 8.6

♶ 

人手不足の状況

本県の2019年9月の有効求

人倍率(季節調整値)は1・37

倍となり、77カ月連続の1倍台を

記録するなど、雇用情勢は改善

が続いている。一方で、本調査の

雇用人員BSIが示すように企業

の人材確保難が続いており、経営

を圧迫しかねない状況となってい

る。こうしたなか、県内企業にお

ける人手不足の実態を把握する

ため、過不足の状況や不足につ

ながった要因、その対応に向け

た取組みについて調査を行った。

⑴ 

雇用人員の状況

雇用人員が「不足している」「や

や不足している」とした企業の割

合は58・0%となり、産業別では

製造業が54・1%、非製造業は

60・0%といずれも過半数が不足

と回答した。なお、「過剰である」

「やや過剰である」は5・0%と

なり、製造業では窯業・土石、

非製造業では卸売業などでわず

かながら見受けられた(図表8)。

⑵ 

不足する職種

企業内で不足している職種は

「技術・専門職」が68・6%と最

も多く、次いで「営業・販売職」

が50・5%などとなった。製造

業は「技術・専門職」が87・9%

と顕著だった一方で、非製造業

では「技術・専門職」が建設業、

「営業・販売職」は卸売業を中

心に不足し、いずれも59・7%

で同値となった(図表9)。

⑶ 

人手不足の要因と対応

人手不足につながった要因は

「中途採用者の確保困難」が46・

7%と最も多く、次いで「新卒者

の確保困難」が40・0%などとなっ

た(図表10)。また、人手不足へ

の対応については「中途採用の増

加」が43・8%と最も多く、次い

で「定年の延長・退職者の再雇用」

が41・9%などとなった(図表11)。

即戦力となる中途採用者への需要

が高まるなか、売り手市場を反映

して採用に至らないケースが多

く、これが人手不足の大きな要因

となっている状況が窺われる。

(研究員 

青木 

俊一)

23 岩手経済研究 2019年12月号

岩手県内企業景況調査