Copyright ©2010 All rights reserved F5 Networks Japan K.K.

DATA SHEET

Jan.-2010

主な特長とメリット

BIG-IP間のデータ転送の暗号化と 高速化複数の BIG-IP LTM 間のデータ転送を最適化および暗号化し、トンネリング処理を実行します。

サーバ負荷と帯域幅使用量の削減BIG-IP間で TCP最適化とシンメトリック・アダプティブ・コンプレッション（対称的な適応型圧縮）を実行します。

ユーザパフォーマンスと拡張性の向上トラフィック制御と帯域幅の優先順位付けにより、ユーザがWAN全域の重要なアプリケーションにアクセスし、常に最速のパフォーマンスで処理が行えるようにします。

WAN全域のアプリケーションの 高速化WANでのデータ転送を高速化し、ファイル転送、Eメール、クライアント /サーバ・アプリケーション、データ・レプリケーションなどの高速処理を可能にします。

WAN最適化とアプリケーション・ デリバリの統合複数のサービスを1つに統合することで、ハードウェアコスト、設置面積、エネルギー消費量、管理リソースを削減します。

BIG-IP®

WANOptimization Module

目次 1 主な特長とメリット 2 BIG-IP WAN Optimization インフラストラクチャ

� WAN全域でのデータ最適化 � TCP最適化 � WAN全域でのアプリケーション・プロトコル最適化

� 柔軟な導入 � 管理の簡素化

Optimization Module

WAN全域のミッション・クリティカルなアプリケーションの最適化と高速化ビジネスニーズを満たすには、ユーザが正しい場所とタイミングでデータやアプリケーションにアクセスできる環境を整えることが不可欠です。しかし、WANでネットワークやアプリケーションの問題が発生すれば、遠隔サイトからのユーザアクセスに深刻な遅延が生じる可能性があり、その結果、生産性が損なわれ、事業目標の達成が困難になります。BIG-IP® WAN Optimization ModuleTM（WOM）は、WANにおけるネットワークとアプリケーションの問題を解消し、生産性を維持するのに必要なアプリケーションの可用性とパフォーマンスがすべてのユーザに行きわたるようにします。これらのサービスはF5 BIG-IP®に直接統合されており、高度な圧縮、暗号化、トラフィック制御の機能により、帯域幅使用量を大幅に削減すると同時に、ビジネスを支える重要なアプリケーションのサービス品質（QoS）を向上させます。

Copyright ©2010 All rights reserved F5 Networks Japan K.K.

DATA SHEET

Jan.-2010 2

BIG-IP WAN OptimizationインフラストラクチャBIG-IP WOMは F5 TMOS®統合アーキテクチャをベースにしたモジュールであり、アプリケーション・デリバリとWAN最適化の技術が統合されています。SSLオフロード、圧縮、キャッシング、トラフィックの優先順位付けといった従来の高速化技術を、シンメトリック・アダプティブ・コンプレッションやアプリケーションQoSなどの最適化技術と組み合わせて使えることから、データセンターの複雑さが緩和されます。

さらには、このような統合によりBIG-IP WOMで F5 iControl® APIと F5 iRulesTMのスクリプト言語機能をフルに活用できるようになり、BIG-IPシステムをこれまで以上に柔軟に拡張、管理、最適化するための柔軟性と制御性がもたらされます。

iSessions

iSessionsTMは、サイト間通信の基盤としてWANでのデータ通信を保護し、高速化します。任意の BIG-IP 2台を対向設置し、サイト間のセキュアな接続を確立することで、転送速度の向上、帯域幅消費の削減、アプリケーション負荷の分散が可能になり、WAN通信の効率化につながります。

Internet or WAN

Firewalls

Servers ServersClients Clients

Firewalls

BIG-IP LTM + WOM BIG-IP LTM + WOM

iSessioniSession

iSessionsはサイト間のセキュアな接続を確立し、WANでのデータ通信を高速化します。

対称型暗号化

iSessionsを使ったデータ転送の場合、すべてのデータを2台のBIG-IP間で対称的に暗号化できることから、サイト間のデータセキュリティが保証されます。また、BIG-IPハードウェア・プラットフォームの SSLスループットに応じて圧縮レベルを増減できるようになっています。

Copyright ©2010 All rights reserved F5 Networks Japan K.K.

DATA SHEET

Jan.-2010 �

WAN全域でのデータ最適化BIG-IP WOMは、アプリケーション・プロトコルの最適化、トラフィックの優先順位付け、クライアント /サーバ間の TCPの最適化、WANでのデータ転送量の削減を通して、WANアプリケーション・トラフィックのパフォーマンスを向上させます。したがって、コストのかさむ帯域幅のアップグレードが必要ありません。

これらのテクノロジによって、クリティカルもしくはタイムセンシティブなアプリケーションを優先させることができ、WANでの転送パフォーマンスが最大化されます。また、企業のニーズに応じたきめ細かなトラフィック制御が可能になることから、アプリケーション単位で帯域幅を管理し、優先順位付けを行い、WAN上の重要なアプリケーションのQoSを向上させることができます。

シンメトリック・アダプティブ・コンプレッション

シンメトリック・アダプティブ・コンプレッションは、BIG-IPシステム間の TCPトラフィックのデータ量を瞬時に削減できる技術です。deflateおよび LZO圧縮アルゴリズムによって、帯域幅使用効率とスループットの最適化が実現します。さらには、BIG-IPハードウェア圧縮の利用が可能な場合は、それを使うことにより既存の BIG-IPプラットフォームの圧縮機能を補完し、きわめて高度な拡張性を最大 12Gbpsのスループットと共に提供します。

シンメトリック・データ・デデュプリケーション

BIG-IP WOMは、シンメトリック・データ・デデュプリケーション（対称型の重複除外）により、高度なWAN最適化を提供します。これによってアプリケーションで使用できる帯域幅が大幅に増えると同時に、WAN容量を効果的に拡張することができ、レスポンスタイムの短縮とスループットの向上につながります。また、パターンマッチング技術とバイトキャッシング技術を利用することで、重複データの転送を防止できます。シンメトリック・データ・デデュプリケーションにより、アプリケーションの高速性能が確保され、WANでのデータ転送量を最大 100%削減することが可能です。

Firewalls

Clients

Firewalls

BIG-IP LTM + WOM

Servers

BIG-IP LTM + WOM

010010100111001101010100101010010010010010010011101101101101110101101

010010100111001101010100101010010010010010010011101101101101110101101

Internet or WAN

シンメトリック・データ・デデュプリケーションにより重複データの転送を防止でき、スループットの向上とレスポンスタイムの短縮につながります。

L7 QoSレートシェーピング

ネットワーク・トラフィック管理によって、クリティカルもしくはタイムセンシティブなアプリケーションを優先させることができます。さらには、アプリケーションごとに最小帯域幅と最大帯域幅を制御し、バースト制御を実行できるようになっており、アプリケーション単位で帯域幅を管理して優先順位付けを行い、WAN上の重要なアプリケーションのQoSを向上させることが可能です。また BIG-IP WOMでは、サービス条件（ToS）とDSCP（Differentiated Service Code Point）をサポートしていることから、BIG-IPの帯域幅使用の L7分類に基づき、別のポイント値でWAN上のQoSとレートシェーピングを実行できます。

BIG-IPの標準機能● iSessions

● シンメトリック・アダプティブ・コンプレッション

● シンメトリック TCP

エクスプレス● L7 QoSレートシェーピング● ToSと DSCPのサポート● BIG-IP間での SSL暗号化● ダイナミックなエンドポイント・

ディスカバリ● WCCPv2

● パフォーマンス・ダッシュ

ボード

BIG-IP WOMの高度な機能● シンメトリック・データ・

デデュプリケーション● CIFS最適化● MAPI最適化● HTTP最適化● FTP最適化

Copyright ©2010 All rights reserved F5 Networks Japan K.K.

DATA SHEET

Jan.-2010 �

TCP最適化アプリケーションでパフォーマンスの問題が生じた場合、IT管理者の多くは帯域幅を増やせば解決するだろうと考えます。しかし、特にレイテンシの高い大陸間リンクなどでは、WANの TCPスループットが大きく低下することから、帯域幅を増やしてもなかなか効果が出ないのが実情です。このようなプロトコル固有の限界を克服するために、BIG-IP WOMでは、セッションレベルのアプリケーション認識、パーシステント・セッション、選択的な確認応答、エラー修正、および最適化された TCPウィンドウからなる適応的な TCP最適化を採用しています。これによってWANリンクのレイテンシ、パケットロス、輻輳特性に BIG-IP WOMをリアルタイムで適応させ、実効帯域をフルに活用しつつ、アプリケーション・トラフィックを高速化することが可能です。

シンメトリック TCPエクスプレス

F5の TCP/IPスタックは標準技術に基づいており、さらにはWANと LANの両方を効率化する数百もの改善が施されています。低速WANの場合、シンメトリック TCPエクスプレスはクライアントの速度を検出し、帯域幅を見積もることで、パケット脱落時のパケットロスと復元を制限します。これによって接続しているすべてのクライアントの転送速度が向上し、WAN全域で帯域幅の利用効率が改善されます。シンメトリックTCPエクスプレスは、（すべてのクライアントとサーバで）接続ごとに対称的および非対称的なアプローチによりTCPウィンドウサイズと TCP輻輳情報をダイナミックかつ自動的に最適化することから、高損失ネットワークのスループットが向上します。

WAN全域でのアプリケーション・プロトコル最適化WAN上では、さまざまな要因によりアプリケーションのパフォーマンスが低下する場合があり、たとえ帯域幅を増やしてもこれを解決することはできません。WANの状態の変化に対応できないアプリケーション・プロトコルの挙動や、必要以上のハンドシェイクを行うアプリケーション・プロトコル、アプリケーション自体のシリアライゼーションなど、パフォーマンスを制限する要因にはさまざまなものがあります。

BIG-IP WOMは、WANでのデータ転送を加速し、BIG-IP間のトラフィックの最適化、暗号化、高可用化を可能にすることで、お客様の時間とコストを削減します。ファイル転送、Eメール、クライアント /サーバ・アプリケーション、データ・レプリケーションなどの高速化により、高速性能が実現し、すべてのユーザがWAN全域のアプリケーションにアクセスできるようになります。

CIFS高速化

Microsoftのリモート・ファイル・アクセス・プロトコルである CIFS（Common Internet File System）は、Windowsベースのクライアントとサーバに標準実装されており、通常はデータセンターやブランチオフィスのファイルへの読み取り / 書き込みアクセスに使用されます。CIFSは「チャッティ（おしゃべり）」なプロトコルであり、高遅延のWAN環境には不向きです。F5の CIFS高速化は、インテリジェントなリードアヘッド&ライトビハインド機能などを通して、WANの遅延の影響を緩和します。これにより転送時間と帯域幅使用量が大きく削減され、WANで企業情報を転送する際のパフォーマンスが向上します。

Copyright ©2010 All rights reserved F5 Networks Japan K.K.

DATA SHEET

Jan.-2010 �

MAPI高速化

MAPI（Message Application Programming Interface）は、Microsoft Exchange Serverおよび Outlookクライアントで使用されている Eメールプロトコルです。お客様がMicrosoft Exchangeをご利用の場合、シンメトリック・アダプティブ・コンプレッションとシンメトリック・デデュプリケーションを使うことで、パフォーマンスが大きく向上し、帯域幅使用量が削減されます。特に添付ファイルの送信の際に、その効果が顕著に現れます。

その他のプロトコル最適化

BIG-IP WOMは、大量のデータおよびファイルをWANで転送するための TCPプロトコルを最適化し、転送にかかる時間を短縮します。転送速度が速くなることで、帯域幅使用量の削減と生産性の向上につながります。最適化されるプロトコルには、HTTP、FTP、NetApp SnapMirror、NetApp SnapVault、Oracle Streams、Oracle Data Guard、Microsoft SQLレプリケーションなどがあります。

柔軟な導入BIG-IP WOMは、既存のインフラストラクチャとネットワークトポロジに応じて複数のモードで導入することができ、シンプルな導入を実現しています。

ブリッジモード

ブリッジモードでは通常、LANスイッチとWANルータ間のデータパスに BIG-IPをインストールし、物理レイヤにあるネットワーク・セグメントをつなぎます。

ワンアームモード

ポリシーベースのルーティングによるワンアームモードで BIG-IP WOMを導入した場合、ルータの特定のポリシーに基づきトラフィックを最適化できます。つまり、これはアプリケーションのニーズにきわめて柔軟に対応できる導入方法だと言えます。

WCCP（Web Cache Control Protocol）v2やその他の方法によるワンアームモードは、BIG-IPをスイッチかルータのどちらか一方に接続する場合に使用します。WCCPがサポートされていれば、ネットワークトポロジを変更する必要はありません。

管理の簡素化BIG-IP WOMはウェブベースの直感的な管理インタフェイスを搭載しています。管理者はアプライアンスの管理のほか、カスタムの最適化ポリシーの作成や、ネットワークの接続の問題の診断と解決、トラフィックフローのリアルタイムでの監視、詳細なパフォーマンス情報のエクスポートなど、システムレベルのさまざまなタスクを実行できます。

パフォーマンス・ダッシュボード

パフォーマンス・ダッシュボードは直感的な「オンボックス」のモニタリング&レポーティングツールであり、BIG-IP WOMにより最適化されたトラフィックのデータ、パフォーマンス、帯域幅の増加状況を管理者がリアルタイムにすばやく確認できるようになっています。使いやすい GUIにより、履歴データや、ログベースの警告、リモートピアのステータス、ヘルスデータなど、必要な情報をすばやく簡単に見つけることができます。

東京本社〒107-0052 東京都港区赤坂4-15-1 赤坂ガーデンシティ19階TEL 03-5114-3210 FAX 03-5114-3201

www.f5networks.co.jp/fc/

西日本支社〒530-0017 大阪市北区角田町 8-47 阪急グランドビル 20階TEL 06-7711-1655 FAX 06-7711-1501

© 2010 F� Networks, Inc. All rights reserved.F�、F� Networks、F�のロゴ、BIG-IP、FirePass、および iControlは、米国および他の国における F� Networks, Inc.の商標または登録商標です。本文中に記載されている製品名、および社名はそれぞれ各社の商標、または登録商標です。

これらの仕様はすべて予告なく変更される場合があります。本発行物の記載内容に誤りがあった場合、あるいは記載内容を更新する義務が生じた場合も、F�ネットワークスは一切責任を負いません。F�ネットワークスは、本発行物を予告なく変更、修正、転載または改訂する権利を有します。

DATA SHEET

2010 年 01月 A

パフォーマンス・ダッシュボードは、BIG-IP WOMにより最適化されたトラフィックに関するリアルタイムのデータを提供します。

ダイナミック・ディスカバリ

BIG-IP WOMは、遠隔設置された BIG-IPピアとそれがサポートするネットワークを発見することで、設定時間を大幅に短縮します。遠隔設置された BIG-IPが見つかり、セキュアな接続が確立した時点で、BIG-IPは有効なネットワークを更新し、WANを最適化します。WAN上で通信するサーバとクライアントを追加もしくは削除するのに、BIG-IPを再設定する必要はありません。