apr. 201apr. 2016 【 表紙写真...

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Products News RISHOLITE phenolic laminates with static dissipation property Products News Large capacity transformer designed to be able to be conveyed in horizontal position Risho in Society NASTOA WELDING TECHNOLOGIES CO.,LTD. 201 NO. Apr. 2016 【 表紙写真 】 コンバーティングテクノロジー総合展に出展しました(関連記事を4ページに)

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プロダクツニュース/静電気拡散性フェノール樹脂積層板

Products News

/RISHOLITE phenolic lam

inates with static dissipation property

プロダクツニュース/横倒し搬入に対応した特高モールド変圧器

Products News

/Large capacity transformer designed to be able to be conveyed in horizontal position

リショーインソサエティ/ナストーア溶接テクノロジー株式会社

Risho in Society

/NASTO

A WELD

ING TEC

HNOLOGIES CO

.,LTD.

201NO.

Apr.2016

【 表紙写真 】コンバーティングテクノロジー総合展に出展しました(関連記事を4ページに)

 先日、利昌工業は、去る2月6日に発生した台湾南

部地震からの復興にお役立ていただきたく、義捐金

を納付いたしました。

 先の東日本大震災の際には、台湾の皆様より多大

な義捐金が寄せられました。また、利昌工業は台北市

に駐在員事務所がある関係で、台湾の皆様には日頃

から大変お世話になっております。

 そこで塩

田所長が台

南市政府社

会局の義捐

金受付窓口

をお尋ねし

て、15万台

湾ドルを納付させていただいたような次第です。

 台湾ではこのたびの大地震で、多くの方がお亡くな

りになり、今も傾いたままで撤去できないビルがある

そうです。

 被災された皆様

には心よりお見舞

い申し上げますとと

もに、一日も早い復

旧・復興をお祈り申

し上げます。

■8.4万人の来訪でにぎわう 去る1月13日(水)から3日間、東京ビッグサイトに

て、ネプコンジャパン/プリント配線板エキスポが開

催されました。

 当日は、プリント配線板エキスポをはじめ、ネプコ

ンジャパンを構成する6つの展示会の他にも、オート

モーティブワールド、ライティングジャパン、ウェアラ

ブルエキスポといった展示会も同時開催されたため、

約8.4万人という来訪者で賑わいました。

■放熱基板材料ほかを展示 利昌工業もここにブースを構え、高輝度LEDやパ

ワー半導体を搭載するための高熱伝導プリント配

▲傾いたままの商業ビル

▲台南市政府

▲当社展示小間

▲アルミベース基板材料などを展示しました

▲義捐金窓口でお渡しいたしました

台湾南部地震 2016�PWB�expo義捐金を納付

プリント配線板エキスポに出展しましたDonation of NT$150,000 was contributed for affl icted people by great earthquake

RISHO’s high thermal conductive PWB materials or high performance CCLs were exhibited at PWB expo held in Tokyo Big Sight

開発中のアルミベース材料ほかを展示

ネプコンジャパン

2

Risho Now

線板材料、放熱基板を製作するための高熱伝導接着

シート、あるいは携帯電話基地局のアンテナ基板用

に多くのご愛顧を賜る低誘電率プリント配線板材料

などを展示しました。

 多くの来訪を賜り、まことにありがとうございまし

た。展示品の一部をご紹介いたします。

■8W/mK 高熱伝導アルミベース基板材料 AC-7208(参考出展) 利昌工業の材料としては最高の熱伝導性能となる

8W/mKを備えたアルミベースのプリント配線板材料です。

 開発中の商品とい

うこともあり参考出

展として、来訪者のみ

にプレリリースさせ

ていただいたところ

「いつからサンプル

が入手できるのか?」

といったお問い合わせをたくさん頂戴しました。

 ガラス転移温度は260℃、熱膨張係数(α1/α2)は

9/22というスペックも兼ね備えています。

 6月に出展するJPCAショーの折には、さらに詳

しいご案内ができるかと存じます。

 アロー産業㈱様には、加工品サンプルを製作いた

だき、まことにありがとうございました。

■�1.3W/mK 高熱伝導白色プリント配線板材料 CS-3945

 現在主流となっている高熱伝導率タイプのプリン

ト配線板はCEM-3材ですが、これはガラス布とガラ

ス不織布の複合材ですので、自ずと1.0mm程度の厚

みを有します。

 一方、CS-3945は0.1mmといった薄板でご提供で

きます。これにより熱伝導率は1.3W/mKと、CEM-3材と同等程度でも「熱の抜け」の良さという側面から、

放熱設計をサポートすることができます。

 さらにCS-3945は

0.1mmの薄物にする

と、破断することなく

曲面に沿うこともでき

ますので、最近はこの

ような用途でもご好

評を賜っております。

■光を通さない黒色プリント配線板材料 CS-3667B 近接センサーなどに使用されるプリント配線板材

料には「光を通さない」という機能が求められます。赤

外線を発する半導体や、これを受ける半導体を搭載

するプリント配線板

材料が、赤外線を乱

反射したり透過した

りすると、センサー

が誤動作したり、感

度が低下したりする

ためです。

 CS-3667Bは近接センサーなどによく使用される

赤色から近赤外(波長が650 ~1310ナノメートル)を

よく吸収しますので、センサー基板に好適です。

 テクノ電子㈱様には、加工品サンプルを製作いた

だき、まことにありがとうございました。

赤外線 IR 乱反射

Irregular reflection

透過 Transmission

Detecting Emitting

黒色プリント配線板材料

▲AC-7208の加工品 ご提供:アロー産業㈱様

▲曲面に沿うこともできます

▲CS-3667Bの加工品 ご提供:テクノ電子㈱様

▲CS-3945は0.1mmといった薄物でご提供できます ▲�プリント配線板材料が赤外線を乱反射したり透過したりするとセンサーの誤動作や感度の低下が起こります

CS-3945 0.11mm

熱伝導性CEM-3材 1.0mm厚

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Risho Now

Convertech�Japan�2016コンバーティングテクノロジー総合展

High performance roll cores for converting made of RISHOLITE laminated thermosetting tubes were exhibited at Convertech Japan 2016 held in Tokyo Big Sight

新機能性材料展に出展しました高機能巻き芯を展示

今月の表紙

■4.8万人の来訪者で賑わう 去る1月27日(水)から3日間、東京ビッグサイトに

て、コンバーティングテクノロジー総合展が開催され

ました。

 これは、紙、布、フォイル、フィルム、鋼帯といった、薄

くて長い材料を加工して付加価値の高い製品を作る

企業や、これらを製造・検査する装置に関係する企業

が一堂に会する展示会です。

 当日は、コンバーティングテクノロジー総合展を構

成する3つの展示会に加え、ナノテクや新電力、ある

いは表面処理の業界が開催する展示会も同時に行

われましたので、約4.8万人の来訪者で賑わいました。

■熱硬化性樹脂積層管の巻き芯を展示 利昌工業では、創業まもない頃からの商品である

熱硬化性樹脂積層管を、コンバーティング業界の方

に「巻き芯」としてご採用いただきたく「新機能性材料

展」のエリアに展示小間を構えました。

■多くの採用実績 熱硬化性樹脂積層管は、フェノールやエポキシと

いった熱硬化性の樹脂を、紙や布あるいはガラス布

に含浸させた基材(プリプレグといいます)をつくり、

これを鉄芯に強固に巻き上げて作るFRP管です。

 繊維質の基材で強化されたプラスチック管ですの

鉄芯 Mandrel

巻き上げ Roll-up

繊維強化基材 FRP prepreg

▲�熱硬化性樹脂積層管の巻き芯をコンバーティング業界の皆様にご存じいただきたく展示しました

▲当社展示小間

▲熱硬化性樹脂積層管の製造方法(イメージ)

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Risho Now

で、熱可塑性の樹脂を押し出したり、型に流したりして

作るプラスチック管と比べ、機械的強度に優れます。

さらに耐熱性や耐薬品性にも優れますのでコンバー

ティング用の巻き芯に最適なFRP管です。

 これまでに多くの採用実績があり、不良の低減、生

産効率の向上、あるいは廃棄物の削減に貢献してお

ります。

■紙フェノール管とガラスエポキシ管 利昌工業が巻き芯としてご提供する積層管には大

きく分けて「紙フェノール積層管」と「ガラスエポキシ

積層管」がございます。

 強度、比重、耐熱性、耐薬品性、そして価格の点でガ

ラスエポキシ積層管の方が高い値になりますが、表

面の「きめ細かさ」は紙フェノール積層管が勝ります。

 利昌工業では、これまでさまざまな巻き芯をご提

供してきた経験をもとに、ご需要家様にとって最適な

巻き芯を設計・製造いたします。

■多層管 2種類以上の異なる基材を、同心円上に巻き上げ

た巻き芯です。

 タフな内層とデリケートな表面をあわせ持つ巻き

芯など、積層管を巻き芯にご採用いただくメリットの

ひとつです。

▲ガラスエポキシ積層管 ▲紙フェノール積層管

■二重管 チャックの径に合わせた内層管と、所定の外径、あ

るいは巻き取る材料に相応しい表面状態に仕上げた

外層管を、フランジでカップリングした中空構造の巻

き芯です。

 吊り下げベルトやリフトの爪があたる部分にリブを

入れて補強することもできます。

 径が太い巻き芯は、極薄材料を巻き取る際の「し

わ不良」対策に有効です。ご使用中の巻き芯を手軽に

「インチアップ」することができ、さらには軽量化も実

現しますので、ぜひご検討いただきたくご提案申しあ

げます。

 多くのご来訪を賜り、まことにありがとうございま

した。

フランジ Flange

リブ Rib

外層:ガラスエポキシ内層:紙フェノール(原色)

外層:紙フェノール(黒色)内層:ガラスエポキシ

▲二層管

▲二重管のイメージ

▲二重管のスケルトンサンプル

▲二層管のイメージ

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Risho Now

製品開発史を振り返る史料室を開設しました尼崎工場 事務所棟2階

■製品開発史を振り返る この度、利昌工業では、これまでの製品開発の軌

跡を軸にして、会社の歴史を振り返る展示コーナー

(史料室)を開設しました。

 2021年の創業100周年を目前に控え、パネルとさ

まざまな史料で製品開発の歴史をご紹介する内容

となっており、昨年7月に竣工した尼崎工場事務所

棟の2階に開設したものです。

 展示内容の一部をご紹介いたします。

■創業者 利倉駒二郎(1895~1961年) 電力・電気産業の揺籃期、その発展と表裏一体の

関係にある電気絶縁材料の国産化をめざし、1921

(大正10)年10月、利倉駒

二郎は利昌洋行(利昌工業

の前身)を設立しました。

 当時の発電機や変圧器

はほとんどが輸入品で、絶

縁材料に至っては試験方

法はおろか、体系的な認識

すらない時代でしたので、

利昌洋行は電気絶縁材料

の研究・開発機関のような

格好でスタートしました。

 駒二郎が苦心して考案した絶縁材料の試験方法

のひとつは、石油アスファルトに関するJIS規格(K

2207)になっています。▲尼崎工場事務所棟の2階に開設しました

▲創業者 利倉駒二郎

▲製品開発を軸に、パネルと史料で歴史を振り返る展示となっております

Historical exhibition area opened at second fl oor of the offi ce building in Amagasaki factory.RISHO’s history of product development is exhibited with panels and historical sources

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Risho Now

■�アスファルト系絶縁コンパウンド(創業商品) 駒二郎が最初に

手掛けた利昌工業

の創業商品です。雲

母・石 英 な ど の 鉱

物、桐油・亜麻仁油

などの天然油脂、そ

れにアスファルト

などを組み合わせ

た、粘度の高い液状

または固形の絶縁材料で、当時は変圧器や発電機ま

わりの絶縁にさかんに利用されていました。

 駒二郎が用途に応じて開発した各種の絶縁コン

パウンドは昭和30年代に至るまで約40年間にわた

り市場を独占し、社業を支えるヒット商品となりま

した。

■�フェノール樹脂製�トンネル用耐蝕性ブラケット

 駒二郎がコンパウンドの次に着目した絶縁材料

は、米国で1907年に発明されたフェノール樹脂で

す。自社生産に移行するのは1935(昭和10)年です

が、それに先立つ1924(大正13)年、スイスのエミー

ル・ハーフェリー社からの独占輸入に成功します。

これは「日本プラスチック工業史」(1967年工業調

査会)にも記される偉業です。

 SLが走っていた時代、トンネル内を照らすランプ

の支持具(ブラケット)は、煙による腐食で寿命がせ

いぜい1ケ月、最悪になると数時間といった事例も

あり、しかも交換には危険がともなうので、大きな

問題となっていました。

 これを受けて駒二郎は、ブラケットの材質を当時

の新素材であったフェノール樹脂に替えました(昭

和7年)。同時に金属部分を樹脂で完全に覆うモール

ドタイプとしたため

寿命は飛躍的に伸び、

リショーブラケット

が採用されたランプ

は、鉄道が電化される

まで全国のトンネル

を照らし続けました。

■電纜接続筐封塞用瀝青混和物 電力ケーブルのジョイ

ントボックスを絶縁封止

するためのアスファルト

系コンパウンドです。

 戦争中、利昌工業は海

軍艦政本部の管理下に置

かれます。艦船は必要な電気を自家発電しますので、

発電機、変圧器あるいは二次電池室まわりの絶縁材

料の調達先に、利昌工業が指定されたわけです。

 利昌工業の技術スタッフは、洋上航行のあらゆる

悪条件に耐えうる軍艦用の絶縁材料を開発して、特

命の発注を受けていましたので、戦艦大和をはじ

め、海軍の主要な艦船は利昌工業の絶縁材料で艤装

していたものと推察されます。

 史料として昭和18年に浦賀船渠(ドック)で建造

された択捉型海防艦「隠岐」と「福江」のジョイント

ボックス用軟質コンパウンド512kgの注文要領を

展示しています。

■配電盤・分電盤パネル材「エボネスト」 当初の配電盤パネル材に

は天然大理石が使われてい

ましたが、絶縁性能のバラツ

キや、衝撃に対する強度に

問題がありました。駒二郎は

これを補う材料として配電

盤パネル用絶縁セメント板

「エボネスト」を開発しまし

た(昭和9年)。

 エボネストは、製鉄設備用配電盤、あるいは船舶

用配電盤のパネル材で、特に大きな成果をあげまし

た。1959(昭和34)年には建設省の選定名簿に登録

され、ほぼ市場を独占する看板商品になりました。

■ぜひお立ち寄りください 誌面の関係で、創業から15年間ほどの製品開発史

をご紹介するのみに留まりましたが、史料室では、

このあとの約80年の製品開発史もご紹介しており

ます。尼崎工場へお越しの節は、ぜひお立ち寄り頂

きたくご案内申し上げます。

▲�エボネストパネルを使用した配電盤

▲隧道照明用耐蝕性ブラケット

▲絶縁コンパウンド �平積みは硬質コンパウンド、一斗缶は軟質コンバウント、ドラム缶はコンパウンド表面処理用の絶縁ワニス

▲海軍管理下当時の社名看板

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Risho Now

一隅の経営(104)利昌工業㈱ 代表取締役会長兼CEO

利 倉 晄 一

【行動規範】☆このほど私は、従業員の「行動規範」というものをつくりました。 私は 53 年前の昭和 38(1963)年に「企業理念」

(下記)をつくっています。

 人はパンのみに生きるにあらずと言いますが企業にも高い理念なり、使命がなければならないと考えたからです。 企業理念は「労使の運命は共同である…」で、はじまります。利昌工業は昭和 30 年に 200 余日におよぶ長期の労働争議を経験しました。 最後は当社の組合員というよりも上部団体相手の壮烈な戦いでしたが、彼等に当社の組合員を守

れるわけはないのですから、私は、これは間違っていると思いました。労使はいかなる場合でも「会社の経営」という一つの土俵の上にあるのだということを忘れるべきではないと痛感しました。 労使の運命は共同であると謳っているわけですから、リストラをするというのは運命共同体とはいえません。今日まで 50 年以上、不況を理由にリストラをやらずにこれたのは幸いなことでした。  さて「行動規範」(下記)のほうは、利昌工業の従業員としては、こういう心構えで行動して下さいとういことで、出来るだけ平易に表現したつもりです。

▲1963年 利倉晄一によって制定された企業理念

▲2016年 利倉晄一によって制定された従業員の行動規範

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 「行動規範」は「倫理に基づいた経営を行う会社で…」で、はじまります。 これは私が常々言っていることですが、会社というのは善なる存在でなければ存在理由がありません。公害を出したり、脱税したり、データを誤魔化したり、そういう会社は社会に迷惑をかけるだけで存在理由がありません。 それに私の経営は、企業を大きくすることを目的としておりません。継続することを目的としておりますから、倫理に基づいた、モラルの高い会社でなければ継続できないのです。 そして、最後に「それぞれの仕事に真摯に取り組み、利益を上げて…」とありますが、会社は利益をあげることが大きな目的です。会社が利益をあげて、税金を納めて国家に貢献する。われわれメーカーであれば良い商品を世に送り出して社会の進歩と平和に貢献することに働く意義を見出したいわけです。 そして同じ働くなら、お互いに健康に留意して、明るく楽しく働きましょう…という行動規範に致しました。

【進歩】☆進歩は、時間とリスクがついてまわります。 逆にいうと、リスクを負って、時間を費やして…進歩があるわけです。

【外資】☆外資を受け入れることに抵抗するのはおかしいと思います。こちらから出てゆくだけがグローバル化ではありません。 むこうから来て、日本人を使って、日本でモノをつくる、或いはサービスを展開する時代であるべきだと思います。 外資に買収されることは、別に恥ずかしいことではありません。外資を受け入れる時代になるべきで、また日本も外資が入りやすい税制とか環境をつくるべきだと思います。

【品質と価格と納期】☆技術に強いという会社で、潰れた会社は多く見てきましたが、商売がうまいという会社で潰

れた会社は少ない。 品質ばかりにこだわってはダメなのであって品質と価格と納期は同レベルのものなのです。

【好き・嫌い】☆その人が好きとか嫌いというのと、その人に対する評価とは別のものです。 例えば、経営者としては評価できないが、人間的には好きという場合がある。逆の場合もあります。 好き嫌いというのは理屈ではなく感情の部分が大きく、評価は冷静で合理的な判断に基づくものです。

【資産とみるか、経費とみるか】☆人を、単なる人件費、すなわち経費としてみるか、人を価値ある資産としてみるかで経営は変わってきます。 人を経費とみるとリストラに向かいますが、会社は従業員を資産とみて、その無形の資産価値をあげる努力をする必要があります。 従業員のほうも、中には正直、お荷物で資産とは言えない人がいるわけですから、知識を深め、技能を磨き、一歩一歩着実に能力を高め、資産となる努力をする必要があります。

【会社をまもる ?】☆経営者にとって、会社を守るということは、会社の機械設備や建物を守ることではありません。経営者にとって会社を守るということは「職場を守る」ということなのです。 すなわち経営陣も含めて雇用を守るということです。いまは大部分の人が会社勤めをしているわけですから、雇用を守るということが、企業にとって、社会に対する大きな貢献の一つだと思います。

注)�本稿は利昌工業(株)代表取締役会長兼CEO利倉晄一が社内の会議等で発言したことを社員が記録したもので、社内報に掲載したものを一部転載させていただきました。

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横倒しでの搬入に対応2500kVA 特別高圧モールド変圧器を納入高さに余裕がない搬入経路を「ほふく前進」

1.京都駅前地下街【Kyoto Porta様】に搬入 このたび利昌工業では、京都駅前地下街 【Kyoto

Porta】(ポルタ)様(京都ステーションセンター株式

会社様)に3相4線2500kVA×2台の特別高圧モー

ルド変圧器を納入させていただきました。

 Kyoto Porta様にはこれまでにも、同じ仕様のリ

ショーモールド変圧器を2台、ご採用いただいてお

り、これらの更新にあたり再び、リショーモールド

変圧器のご下命を賜ったものです。

2.水平搬入経路の問題点をクリア 工事の計画は、㈱東 設計様のコンサルティング

において、工期の関係でメインマシンハッチを使用

せず、サブマシンハッチ(換気塔)からの搬入経路

を使用するというものでした。

 さらに、京都ステーションセンター様のご意向な

らびに㈱東 設計様からの指示事項として、工事の

簡素化を第一義に「分割搬入はしない」との条件が

ありました。

 その理由については「4.分割搬入にはない横倒し

搬入のメリット」をご参照ください。

◆「横倒し」は絶対条件 サブマシンハッチ(換気塔)からの垂直搬入経路

には問題ないものの、水平搬入経路の一部に変圧器

の高さをクリアできない部分があるため、さらに

「横倒し搬入」が絶対条件となりました。

 この難題をクリアするために、㈱東 設計様のご

指導のもと、西日本電気システム株式会社様、日新

電機株式会社様のご協力を得て、横倒し搬入が可能

な特殊治具(着脱式L字フレーム)を装着すること

とし、さらにこれに耐えうるモールド変圧器の開発

(フレーム構造)に取り組みました。

 おかげさまで、更新工事のための種々の条件を満

足させ、納入を完了させることができました。

3.横倒し搬入を可能にしたリショーの技術◆堅牢なガラス繊維強化コイル リショーモールド変圧器のコイル(巻き線)は、

一次コイル二次コイル、ともにガラス繊維で強化

しています。これを金型にセットしたあと、低粘度

のエポキシ樹脂を真空引きしながらガラス繊維の

▲20kV 2500kVA モールド変圧器幅2345mm 奥行き1310mm 高さ2250mm 重量7トン

▲横倒し作業のようす

▲高さに制限がある区間を「横倒し」で通過するようす

RISHOCAST large capacity transformers of 2500kVA, designed to be able to be conveyed in horizontal position , were installed through low aisle and low height hatch.

10

Products News 223

隅々までに浸透させ、熱硬化させておりますので機

械的強度に優れます。

 この「金型方式真空含浸法」による堅牢なコイル

をベースにして、横倒しにした時の応力や、搬入の

際にうける振動にも耐える設計を検討する事にな

りました。

◆横倒しを可能にしたフレーム構造 変圧器を横倒しにするにあたって、最も懸念され

るのは「鉄心の変形」です。横倒しにすると、鉄心に

コイルの荷重が加わります。この荷重で鉄心が変形

すると、特性の低下が生じるからです。

 そこで、変圧器に一次コイルを支えるフレームを

取り付け、一次コイルを直接フレームで支えること

により、鉄心にはコイルの荷重が加わらない構造を

採用しました。

 これにより、一次コイルは鉄心に寄りかかること

なく、かつ内側にセットされた二次コイルの相当な

重量も支えながら、さらに自らの重量にもよく耐え

て、無事搬入を完了する事が実現しました。

▲リショーモールド変圧器のコイル断面巻線をガラス繊維で強化し、その間隙の隅々までに低粘度のエポキシ樹脂を真空引きしながら浸透させていますので、絶縁信頼性と機械的強度に優れます。

◆着脱式L字フレーム

 変圧器を横倒しにする作業、横倒しにした状態で

搬送する作業、そして最後に変圧器を引き起こす作

業、これらの工程を通して変圧器には、相当な引張

り応力が働きます。

 そこで、変圧器の

本体には引張り応

力を与えないよう

にするため、着脱式

のL字フレームを採

用しました。

 これにより、工程

中に、想定外の衝撃や応力が発生した場合でも変圧

器本体を保護することができました。

4. 分解搬入と比較した「横倒し搬入」のメリット

 本件のように寸法制限に対応するための搬入方

法の一つとして分解搬入があります。しかしこれに

は現地組立が伴いますので、そのためのスペースが

必要になります。また、組立後には耐圧試験や特性

試験などの試験が必要となり、試験用の電源を置く

スペースも必要になります。

 これに対して横倒し搬入では、組立は一部の部品

を取り付けるだけでよく、試験も当社工場で実施し

ておりますので必要最低限の試験で済むという大

きなメリットがあります。

 利昌工業では、今後もお客様のニーズに合った変

圧器の製造を行い、社会の発展に貢献してまいりま

す。

▲ 着脱式L字フレームを装着して搬送されるようす

▲一次コイルを支えるフレームエアダクトを備えたコイルは、自然な空気の対流で効率よく冷却することができます。

一次コイル

フレーム

▲着脱式L字フレームを装着したようす

11

Products News 223

静電気拡散性 フェノール樹脂積層板紙基材PS-1571

細糸布基材PS-2571

太糸布基材PS-2571B ▲PS-1571 ▲PS-2571

静電気から製品を守る

■静電気が引き起こすトラブル 静電気はコピー機や空気清浄器など、これを有効

に利用する製品がある一方で、製品不良や製造トラブ

ルなどを引き起こす原因にもなります。

 特に深刻なのは半導体工場です。半導体の絶縁層

は、原子の1層分という薄膜になりつつあると言われ

ています。このような絶縁層にとっては、周辺で静電

気の放電にともなう小さな火花が生じても、落雷の直

撃を受けたようなダメージになります。

 また、チップコンデンサには、砂つぶほどの大きさ

のものがあり、しかも帯電しやすいので、部品どうし

がからまると、スマートフォンなどの基板に機械で自

動搭載する際、きちんと整列せず、作業効率が低下し

ます。

■静電気拡散性材料とは 材料を表面抵抗率によって分類すると、右の表の

ようになります。

 これを受けて利昌工業では、絶縁材料であるフェ

ノール樹脂積層板に106Ω/sq.程度の表面抵抗率を

付与することで、これに静電気拡散性を付与したフェ

ノール樹脂積層板PS-1571(紙基材)とPS-2571(布

基材)を開発しましたので、ご案内申し上げます。PS-

2571は細糸布を基材としたPS-2571と、太糸布を

基材としたPS-2571B、二つのタイプがあります。

<期待される効果>●静電気放電による電子部品の破壊防止● ホコリの付着や、部品のからまり防止による作業効率の向上●感電防止による生産効率の向上●導電性塗料の塗布工程が不要になる

品番Product code PS-1571 PS-2571 PS-2571B

外観色�Color

黒色�Black

樹脂�Resin

フェノール樹脂Phenolic

基材Base

紙Paper

細糸布Sheeting cloth

太糸布Canvas cloth

特長 加工性に優れる 機械的強度に優れる

用途 部品搬送トレイ静電気防止治具

発電機のスペーサ静電気防止治具

大型部品搬送トレイ静電気防止治具

 静電気拡散性フェノール積層板 ラインナップ               �Line�ups

分類 表面抵抗率の範囲導電性材料 ~ 105 Ω /sq. 未満

静電気拡散性材料 105 ~ 1010 Ω /sq.絶縁材料 1011 Ω /sq. 以上

RISHOLITE PS-1571 and PS-2571 are phenolic laminates, having static dissipation property. The surface resistance is 106 Ω/sq. When the static-charged components contact with the laminates, static will be dissipated immediately without discharge. PS-1571 and PS-2571 are useful for transfer trays or production fi xtures of electronic parts.

12

Products News 224

■摩擦試験�Static sticking 試料にポリイミドフィルムを当て、往

復4回こすりつけた直後、細かく裂いた

ポリプロピレンのテープに接触させ、こ

れが試料に付着するかどうか確認を行

いました。

 右の写真のようにPS-1571には、ポ

リプロピレンのテープが吸い寄せられ

ず、静電気の発生が抑制されたことが

見て取れます。

■静電気発生量�Static emergence ゴムシートの上に試料を置き、ポリイミドフィルム

と試料を往復4回こすり合わせた後、フィルムを剥離

し、その際に生じる電位差の測定を行いました。

 一般的な材料と比べ、静電気拡散性を付与した

PS-1571ならびにPS-2571では静電気発生量が抑制

されているのが見て取れます。

 試験結果                              Test�results

剥離 Peeling

試料 Test piece

非接触型の測定器で静電気発生量を測定

Static meter

ポリイミドフィルム PI film

ゴムシート Rubber sheet

0

500

1000

1500

2000

絶縁性 フェノール樹脂積層板

PS-1571 (紙基材)

PS-2571 (布基材)

静電

気発

生量

V)

Sta

tic e

lectric

ity

am

ount of em

erg

ence

静電気拡散性フェノール樹脂積層板

700~1500

0~200 0~200

▲一般の積層板(絶縁材料)

試験のイメージ

▲PS-1571(静電気拡散性材料)

静電気発生量

①導電性材料 帯電した物体が接触した場合に、激しい静電気放

電を起こす可能性があります。

②静電気拡散性材料 帯電した物体が接触した場合に、激しい静電気放

電を起こすことなく、かつその帯電を比較的速やか

に消散させることができます。

③絶縁材料 帯電をある程度防止できるが、帯電した物体の静

電気を速やかに消散させることはできません。

 リショーライトフェノール樹脂積層板 PS-1571なら

びにPS-2571は、静電気を帯びた電子部品に触れて

も、不良の原因となる静電気放電(火花)を起こすこ

となく、穏やかに、そして速やかに静電気を消散させ

る機能を持った静電気拡散性材料です。

 これを検証するために各種の試験を行いましたの

で、その結果をご報告します。

13

Products News 224

■静電気半減特性��Dissipation time 本試験では、試験片を帯電させ、その時の帯電電

圧と帯電電圧が減衰するまでの時間を測定しまし

た。(試験方法は、JIS L 1094に準拠)

 一般的なフェノール樹脂積層板に比べて、静電気

拡散性を付与したPS-1571ならびにPS-2571では、

速やかに静電気が放電されているのが見て取れま

す。

■クリープ特性(PS-1571)�Creep property ボルト・ナットによる固定を想定して、破壊に至らな

い程度の荷重を、長時間にわたりかけ続けた場合の

材料の変形量を、熱可塑性ポリアミド樹脂との比較

で、測定しました。

 PS-1571は、常温下、ならびに高温下、いずれの条

件においても、一定荷重をかけ続けた際の変形量が

小さいことが見て取れます。

 このことからPS-1571は、ボルト締めが必要な箇所

に適用されても、時間経過に伴う固定力や締結力の

緩みが少ない材料と言えます。

 フェノール樹脂積層板は、加工性に優れますので、

これを切削加工することにより、工業用途の部品で

あれば大概の形状を得ることができます。

 さらに、PS-1571ならびにPS-2571に付与された静

電気拡散性は、どの切削面においても発揮されます。

しかもこの効果は永続的ですので、導電性塗料を塗

布する煩わしさから解放されます。

<試験条件>印加電圧 DC10k V帯電時間 30秒測定時間 120秒温度 /湿度 20℃ /40%

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0 20 40 60 80 100 120

(arb

.un

it)

時間(sec)

紙基材絶縁性フェノール板

布基材絶縁性フェノール板

PS-1571(紙基材・静電気拡散性積層板)

PS-2571(布基材・静電気拡散性積層板)

2.1

8.1

0.4

5.6

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

20℃ 150℃

クリ

ープ

変形

量 D

efor

mati

on (

%)

雰囲気 Temperature

熱可塑性

ポリアミド樹脂

PS-1571

PS-1571

PS-2571

切削加工 Machining

静電気拡散性 Static dissipation

静電気が減衰するまでの時�Dissipation time

クリープ変形量�Creep deformation

▲静電気拡散性は、どの加工面においても永続的に発揮されます

<試験条件>雰囲気 20℃ 150℃圧力 50Mpa 30Mpa

荷重期間 144時間

一定荷重を長時間

<試験イメージ>

<試験サイズ>10mm厚×13×13mm

(2枚)

 切削加工性                        Machining�workability

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Products News 224

*上表の数値は測定結果の一例であり、保証値ではありません。*上表の記載内容は、改良などにともない予告なく変更する可能性があります。*試験方法はJIS K-6911に基づきます。*処理条件:A-受理状態、D-水浸せき処理、E-加熱処理、数字は時間/温度 を示します。 ※1.ハイレスタ―UP(三菱化学社製)を用い、印加電圧10Vで測定を行いました。 ※2.支点間距離80mmで実施しました。 ※3.測定方法はASTM法でのカタログ値によります。

項目Test items

単位Unit

処理条件Treatment

PS-1571(10mm厚)

PS-2571(1.1mm厚)

PS-2571B(10mm厚)

静電気対策熱可塑性樹脂品

基材Base material ― ― 紙

Paper細糸布

Sheeting cloth太糸布

Canvas cloth なし

樹脂Resin ― ― フェノール樹脂

Phenolic ポリアミド樹脂

外観色Color ― ― 黒色

Black ―

表面抵抗※1.

Surface resistance

常態RT

Ω/ sq.A 106 ~ 107 106 ~ 107 106 ~ 107 106 ~ 107

吸湿処理後Hygroscopic 24-hour 106 ~ 107 ― 106 ~ 107 106 ~ 107

曲げ強度Bending�strength

(Warp/Fill)

層に垂直Vertical to layers MPa A 176/ 154 200 / 103 129 / 104 83

層に平行Parallel to layers MPa A 175/ 151 ― 140/ 115 90

曲げ弾性率Fleural

modulus(Warp/Fill)

層に垂直Vertical to layers MPa A 12000 / 10000 8000 / 5000 7000 / 7000 2800

層に平行Parallel to layers MPa A 8000 / 6000 ― 6000/ 6000 3000

熱間曲げ強度Hot bending

strength(Warp/Fill)

層に垂直Vertical to layers MPa 150℃ 35/ 34※2 69 / 58 51/ 42 47※2

層に平行Parallel to layers MPa 150℃ 31/ 34 ― 45/ 38 43※2

熱間曲げ弾性率Hot fl exural

modulus(Warp/Fill)

層に垂直Vertical to layers MPa 150℃ 2000/1400※2 3400 / 1400 2000 / 2100 784※2

層に平行Parallel to layers MPa 150℃ 1800/ 2000 ― 1900/ 2000 733※2

圧縮強度(層に垂直)Pressure strength (Vertical to layers) MPa A 300 ― 225 90 ~ 108※3

(5%変形)引張り強度(タテ /ヨコ)

Tensile strength (Warp/Fill) MPa A 138/ 114 135 / 51 89/ 68 57

アイゾット衝撃強度(層に平行)Izod impact strength (Vertical to layers)

J/cm A 0.3 / 0.3 ― 1.8 / 0.7 0.3

へき開強度Cleavage strength kN A 3.8 ― 6.7 9.8

硬度Hardness

バーコルBarcol (934-1 型) A� 50 60 45 測定不能

ロックウェルRockwell ― A� M .110 ― M .90 M .70

加熱後外観(2時間加熱)Appearance after 130℃ or 140℃×

2-hour treatment℃ A 130℃ OK 140℃ OK 140℃ OK 140℃ OK

比重Specifi c gravity ― A 1.4 1.4 1.4 1.18 ~ 1.22

 一般特性                          General�properties

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Products News 224

項目 PS- 1571 PS - 2571 PS - 2571B基材

Base material紙

Paper細糸布

Sheeting cloth太糸布

Canvas cloth樹脂Resin

フェノール樹脂 Phenolic

外観色Color

黒色�Black

公称厚さ(mm)nominal thickness 1.0 ~ 15.0 0.45 ~ 2.0 3.0 ~ 15.0

定尺寸法(mm)

Regular size

1000 × 1000�(1020 × 1020) ○ ○

1000× 1200�(1020 × 1220) ○

厚さ許容差(保証値)(mm)

Thickness torelance

0.45 ― 0.45 ± 0.13 ―0.65 ― 0.65 ± 0.13 ―0.9 ― 0.90 ± 0.15 ―1.0 1.05 ± 0.13 ― ―1.1 ― 1.15 ± 0.15 ―1.3 ― 1.35 ± 0.20 ―1.6 1.60 ± 0.15 ― ―2.0 1.95 ± 0.15 2.05 ± 0.25 ―3.0 3.00 ± 0.20 ―

ご相談下さい

4.0 4.10 ± 0.25 ―5.0 4.95 ± 0.30 ―6.0 6.00 ± 0.35 ―8.0 8.00 ± 0.40 ―10.0 10.00 ± 0.45 ―11.0 11.10 ± 0.50 ―15.0 15.00 ± 0.55 ―

*上表の適用寸法(○印)および厚み以外のご要求については、別途お問い合わせ下さい。*上表の厚さの中間に位する積層板の厚さ許容差は、より厚い厚さの許容差とします。*品種によっては最低発注枚数をご相談させていただく場合がございます。*上表の記載内容は、改良などにともない予告なく変更する可能性があります。

■熱硬化性樹脂での静電気対策品 静電気拡散性をもった樹脂材料の多くは、熱可塑

性樹脂をベースにしたものですが、PS-1571ならび

にPS-2571は、熱硬化性樹脂をベースにしていま

す。さらに紙や布といった繊維質の基材で補強され

ていますので機械的強度に優れ、これに加えてPS-

2571は耐衝撃性や耐摩耗性にも優れます。

 熱硬化性樹脂は耐熱性、耐薬品性、寸法安定性に

も優れますので、電子部品搬送トレイ、整列機、振り

込み治具ほか、さまざまな分野での静電気対策にご

採用いただけるものと期待しております。

▼PS-1571の加工品(電子部品搬送トレイ)

加工ならびに加工品のご提供株式会社トーヤ様

 仕様                        Dimensional�specifi�cations

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Products News 224

【 会社概要 】名  称:ナストーア溶接テクノロジー株式会社代 表 者:代表取締役 渡辺彰雄設  立:2011年(平成23年)7月1日所 在 地:本  社:��神奈川県川崎市多摩区枡形

1-23-1    �近江工場:滋賀県湖南市小砂町4-4製造品目:�抵抗溶接機、抵抗溶接機用トランス、

抵抗溶接機用制御装置、抵抗加熱装置、水冷・治具装置、特殊専用抵抗溶接装置

■日頃からのご近所づきあい このたびお邪魔した、ナストーア溶接テクノロジー

株式会社 近江工場様(以下、ナストーアさん)は、利

昌工業の湖南工場の近くにあります。

 湖南工業団地協会のメンバーとして、スポーツを

通しての交流や、互いの工場を安全パトロールするな

ど、日頃から親しいおつきあいがあり、この度の取材

にも快くご許可を賜りました。

■抵抗溶接とは 抵抗溶接は、金属に大電流を流した際、電気抵抗

によって生じる熱(ジュール熱)で金属どうしを溶融・

溶着する製造技術です。電極の形によって、スポット

溶接、シーム溶接、プロジェクション溶接などの種類

があり、さまざまな製造現場で採用され、モノつくり

を支えています。

 そこでまず、ナストーアさんで製造されている溶接

機をもとに、抵抗溶接の種類(重ね溶接)と主な用途

についてご紹介いたします。

◆スポット溶接 スポット溶接は、丸棒状の電極

間に母材をはさみ、圧力をかけな

がら電流を流すことで局所的に母

材を溶融・溶着する製造技術です。

 この業界では溶着部のことを

「ナゲット」という、子供たちが喜び

そうな名前で呼んでおられます。

 ボルト&ナットやリベットで接

合するよりも軽量、かつ短時間で済

▲スポット溶接 ▲シーム溶接 ▲プロジェクション溶接

▲スポット溶接機 電極は丸棒状

抵抗溶接の種類(重ね溶接・イメージ)

電極

電極

電流

圧力

母材A

母材 B

溶着(ナゲット) 電極

圧力

電極

電流

母材A

母材 B

電極

電極

圧力 母材A

母材 B

抵抗溶接機でモノつくりを支えるナストーア溶接テクノロジー株式会社 近江工場

▲ナストーア溶接テクノロジー 近江工場(湖南市)

 「抵抗溶接」は自動車や鉄道車両など、多くのものづくりの現場で採用される製造技術です。 このたびお邪魔したナストーア溶接テクノロジー株式会社 近江工場様では、大小さまざまなタイプの抵抗溶接機や溶接機用制御装置を製造されています。 この抵抗溶接機や溶接機用制御装置には、絶縁材料としてリショーライトをたくさんご採用いただいており、このご縁をたよりにいろいろお話を伺ってまいりました。 取材・記事:リショーニュース編集委員会

17

106 Risho in Society社会と利昌

むので、鉄道や自動車のボディを効率よく接合するの

に採用されています。

 電車のドアやボティを少し斜めからご覧いただく

と、小さな円形のくぼみが規則正しく並んでいるのが

見えます。これらはスポット溶接された箇所です。

◆シーム溶接 シーム溶接は、ローラー状の

電極に圧力をかけながら電流を

流すことで、連続的に母材を溶

融・溶着する製造技術です。

 継ぎ目のないスポット溶接が

できますので、油密や気密が必要

な接合に採用されています。

 このため自動車の燃料タンク

の多くは、この技術で接合されて

います。

◆プロジェクション溶接 プロジェクション溶接の電極は

「平板」です。

 母材に突起(プロジェクション)

を設け、ここに電流と圧力を集中

させることで母材を溶融・溶着す

る製造技術です。

 一度に多くの箇所を溶接でき

るので、薄板の接合品を量産す

るのに適しています。母材の形状

の違いを利用する方法ですので、

薄板とナット、あるいはパイプと

フランジを接合するような用途にも適しています。

■素早く確実に 溶接部分、つまりナゲットの強度は母材の強度と

同等になります。溶接の際、ナゲットの周辺にも溶融

には至らずとも、相当な熱が伝わります。この部分が

熱による組成変化を起こせば、強度の低下につなが

る場合もありますので、溶接作業は短時間のうちに

確実に行う必要があります。

■真骨頂はカスタムメイド ここまでご覧いただいたナストーアさんの溶接機

は汎用品ですが、同社の真骨頂は、洋の東西をとわず

顧客の仕様に沿って設計・製

造するカスタムメイドの溶接

機です。

 たとえば、溶接ロボットに搭

載されるものは、ロボットアー

ムの部分は産業ロボットの会

社が、そしてこれにジャスト・

フィットする溶接機をナストー

アさんで設計・製造、といった

具合です。

 もう一つの例として、鉄道車両用の溶接装置があり

ます。

 下の写真は電車を溶接する装置ですが、アーチの

下を電車がくぐりますので、その大きさをお察しいた

だけるかと存じます。

 このような溶接装置を作るため、ナストーアさんの

工場にあるマシニングセンタやNC加工機もまた、巨

大なスケールでした。

 なお、本稿でご紹介する溶接機の多くは、兵器の

製造にも使用できることから「キャッチオール規制」

の対象となり、輸出の際には適切な手続きが必要と

なります。

▲シーム溶接機 電極はロール状

▲�プロジェクション溶接機 電極は平板

▲�ロボットのアームに搭載されるシーム溶接機

▲鉄道車両総合組み立て用 端板+屋根+側板インバータスポット溶接装置

▲巨大なマシニングセンタ

加工機のスケールに圧倒されました▲巨大な5面NC加工機

18

Risho in Society 106社会と利昌

■溶接機用制御装置 抵抗溶接機には数万アンペアと

いった大電流が必要です。これが

流れる時間はほんの一瞬ですが、

それでも一般家庭の契約アンペア

数から見れば数十から数百軒分に

も匹敵します。一方電圧は作業安

全の観点から数ボルトに抑えられ

ており、このような特殊な電気を

作るためには専用の制御装置と溶

接トランスが必要になります。

 さらに、アルミや銅といった電気

抵抗の小さい金属、厚みの異なる

鋼鈑、異種金属、めっき鋼鈑、あるい

はハイテン材と呼ばれる特殊鋼鈑

など、溶接する材料にあわせた電気

のコントロールも必要です。

 このためナストーアさんでは

さまざまなタイプの電源制御

装置をラインナップしておられ

ます。

■業界初のインバータ式コンデンサ溶接機  このたびナ

ストーアさんで

は、業界初とな

るインバータ

式コンデンサ

電源を備えた

抵抗溶接機「メ

サコン」を開発されました。

 コンデンサは電流を瞬間

的に取り出すのに適していま

すが、そのイメージは、バケツ

に溜めた水を一気に撒くのに

似ていて、これまでは電流の

波形をコントロールできませ

んでした。

 これに対しインバータ式コ

ンデンサ溶接機「メサコン」

は、バケツに蛇口をつけたか

のごとく、コンデンサから取り出した電流波形を自在

にコントロールできますので、より精度や品質の高い

溶接が可能となります。

■�リショーライトをご採用いただいております。 ナストーアさんの抵抗溶接機やその電源制御装置

には、絶縁材料としてリショーライト フェノール樹

脂積層板などをご採用いただいております。リショー

ライトは昭和10年の製造開始より80年以上のロング

セラーですが、今後も末永くのご愛顧を賜りたく、お

願い申し上げます。

▲�直流インバータ制御装置

▲�交流インバータ制御装置

▲インバータ用トランス

▲�業界初のインバータ式コンデンサ溶接機「メサコン」

はご採用箇所

▼インバータ式 コンデンサ電流のイメージ

ありがとうございました。

左から取材に対応いただいた取締役工場長谷本伸二様近江工場特殊機技術部企画設計課課長 村上新吾様

【取材協力・資料提供】ナストーア溶接テクノロジー株式会社様

19

利昌工業株式会社

Locations大 阪 本 社 〒530-0003 大阪市北区堂島2丁目1番9号 TEL:06-6345-8331㈹ FAX:06-6345-1380HEAD OFFICE 1-9,2-CHOME,DOJIMA,KITA-KU,OSAKA,JAPAN

東 京 本 部 〒103-0028 東京都中央区八重洲1丁目3番22号(龍名館ビル) TEL:03-3272-3771㈹ FAX:03-3272-8010TOKYO HEAD QUARTER RYUMEIKAN BLDG. 3-22, 1-CHOME ,YAESU ,CHUO-KU ,TOKYO ,JAPAN

名 古 屋 支 社 〒450-0003 名古屋市中村区名駅南1丁目18番19号(第二原ビル) TEL:052-582-2971 FAX:052-583-1591NAGOYA BRANCH DAINI-HARA BLDG.18-19,1-CHOME,MEIEKI-MINAMI,NAKAMURA-KU,NAGOYA,JAPAN

秋 田 営 業 所 〒010-0951 秋田市山王3丁目7番5号(菱金マンション山王ビル) TEL:018-866-3911 FAX:018-866-3912郡 山 営 業 所 〒963-8877 福島県郡山市堂前町28番9号(第2筒井ビル) TEL:024-934-6602 FAX:024-934-6607新 潟 営 業 所 〒955-0046 新潟県三条市興野2丁目1番47号(オフィスビルK&B) TEL:0256-34-6021㈹ FAX:0256-34-6034高 崎 営 業 所 〒370-0053 高崎市通町93番地の18(野中ビル) TEL:027-323-8009㈹ FAX:027-326-7659沼 津 営 業 所 〒410-0833 沼津市上香貫三園町1386-1(香貫山ビル) TEL:055-932-8281㈹ FAX:055-932-8284富 山 営 業 所 〒938-0801 富山県黒部市荻生2589番地5 TEL:0765-57-1241 FAX:0765-57-1242松 本 営 業 所 〒390-0814 松本市本庄1-13-11(本庄ビル) TEL:0263-33-4486㈹ FAX:0263-32-9780岡 山 営 業 所 〒700-0975 岡山市北区今1丁目4番28号(サンシャイン今) TEL:086-244-3185 FAX:086-244-3186福 岡 営 業 所 〒813-0004 福岡市東区松香台1丁目7番37号(神野ビル) TEL:092-673-4360㈹ FAX:092-673-4365ソウル・オフィス 04144 Seoul特別市�麻浦区�麻浦大路�127,�722号(孔徳洞,�豊林VIP) TEL:+82-2-701-0355 FAX:+82-2-3275-0250SEOUL OFFICE (POONGLIM BLDG,GONGDEOK-DONG)ROOM No.722,127,MAPO-DAERO,MAPO-KU,SEOUL,KOREA

台北・オフィス 10692 台湾台北市大安区忠孝東路4段222號(3樓108室) TEL/FAX:+886-2-27316593TAIPEI OFFICE #108,3F,NO.222,SEC.4,CHUNG HSIAO E.ROAD,TAIPEI,TAIWAN,R.O.C

シンガポール・オフィス 048941 55�MARKET�STREET,�#10-00,�SINGAPORE TEL:+65-6536-4460SINGAPORE OFFICE

フランクフルト・オフィス 60488 Hausener�Obergasse�47,�Frankfurt,�Germany TEL:+49-69-76725140 FAX:+49-69-76725141FRANKFURT OFFICE

無 錫 オ フ ィ ス 214028 中国江蘇省無錫市新区錫坤北路3号 TEL:+86-510-8528-0990WUXI OFFICE NO.3,XIKUN NORTH ROAD,NEW DISTRICT,WUXI,JIANGSU,CHINA

尼 崎 工 場 〒661-0012 尼崎市南塚口町4丁目2番37号 TEL:06-6429-5645㈹ FAX:06-6428-2163AMAGASAKI FACTORY 2-37,4-CHOME,MINAMI-TSUKAGUCHI,AMAGASAKI-CITY,HYOGO,JAPAN

滋 賀 工 場 〒520-3026 滋賀県栗東市下鈎959番地2 TEL:077-552-3701㈹ FAX:077-553-6153SHIGA FACTORY 959-2,SHIMOMAGARI,RITTO-CITY,SHIGA,JAPAN

湖 南 工 場 〒520-3211 滋賀県湖南市高松町2番4号(湖南工業団地内) TEL:0748-75-1351㈹ FAX:0748-75-1473KONAN FACTORY KONAN INDUSTRIAL PARK,2-4,TAKAMATSU-CHO,KONAN-CITY,SHIGA,JAPAN

利昌工業(無錫)電気有限公司 214028 中国江蘇省無錫市新区錫坤路5号 TEL:+86-510-8528-1495 FAX:+86-510-8528-2233RISHO KOGYO(WUXI)ELECTRIC CO.,LTD. NO.5,XIKUN ROAD,NEW DISTRICT,WUXI,JIANGSU,CHINA

利昌工業(無錫)化成有限公司 214028 中国江蘇省無錫市新区錫坤北路3号 TEL:+86-510-8528-0070 FAX:+86-510-8528-0032RISHO KOGYO(WUXI)CHEMICAL CO.,LTD. NO.3,XIKUN NORTH ROAD,NEW DISTRICT,WUXI,JIANGSU,CHINA

利昌工業シンガポール株式会社 048941 55�MARKET�STREET,�#10-00,�SINGAPORE TEL:+65-6536-4460RISHO KOGYO SINGAPORE PTE.LTD.

利昌エンタープライズ株式会社 〒661-0047 兵庫県尼崎市西昆陽4丁目1番13号 TEL:06-6431-5267 FAX:06-6431-0589

ホームページアドレス http://www.risho.co.jp/

2016年4月10日発行 発行:利昌工業株式会社

編集:リショーニュース編集委員会

 電子材料・電子部品 

プリント配線板用RISHOLITEⓇ銅張積層板LED放熱基板材料内層回路入り多層銅張積層板リショーマルチ半導体実装用高耐熱性ガラスエポキシテープコンデンサ用RISHOLITEⓇゴム張積層板半導体評価用高耐熱性バーン・イン・ボード

 電気絶縁材料・工業材料・加工品 

RISHOLITEⓇ熱硬化性樹脂積層板・積層棒・積層管変圧器用絶縁筒RLPシリンダーⓇフィラメントワインディング法FRPパイププリント配線板ドリル加工用治具板リコライトⓇ/RICOLITEⓇプリント板実装用耐熱パレットリコセルⓇ/RICOCELⓇ変圧器コイル層間絶縁用パターン絶縁紙耐摩耗性キャストナイロンRISHO�MCⓇナイロン各種プリプレグ(紙、ガラス布、不織布、フィルム)プラスチック加工品(ウエアリング、強化巻芯)

 電気機器 

トップランナーエポキシモールド変圧器風力発電用昇圧モールド変圧器電力変換器用モールド変圧器高圧インバーター用多重変圧器エポキシモールド計器用変成器(CT、VT、ZCT)エポキシモールド進相コンデンサモルコンⓇ/MOLCONⓇ太陽光発電用リアクトルコンデンサブッシング、エポキシ樹脂ブッシング断路器操作用フック棒、活線作業用工具、エポキシ樹脂碍子、エポキシ樹脂注型品

®は利昌工業(株)の登録商標です。

▲アルミベース基板材料(打ち抜き品裏面)

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