(“newmoonによる)口32一 ↑ 薄 慮 鴻 秦 .た 第3図 温度と黒体放射...

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  • 一30一

    飽譲構成物質底鐵理解のためのリ碧一利竜ンシング

    ー赤外線波長域における岩石㊥鉱物の分光特性一

    鎌田浩毅(地殻熱部)

    HirokiKム肚TA

    月村勝宏(鉱床部)

    �瑳�楲潔�浬��

    はじめに

    今日までのリモートセンシングは地球資源の開発・管

    理及び地殻構造の解明を主柱目的としており主たる対

    象は地球に限定されていた.しかし宇宙工学が進展し

    様々荏目的の人工衛星が打ち上げられ地球以外の惑星

    に直接到達することが可能になるに至って人間の世界

    観は拡大し人間活動の場を宇宙空間へ拡張して考えるこ

    とが可能とたった.リモートセンシング技術はそれを

    支える一翼を担う利用技術システムである.折しもエ

    ネルギー資源及び金属鉱物資源の世界的な枯渇カミ警告さ

    れ地球資源の有効利用とともに地球外資源の開発も近

    い将来現実的なテーマとして考慮されなけれぱならない

    ことが認識されはじめている.一例を挙げれば石油の

    代替エネノレギーとして有望と考えられるものに太陽電力

    発電衛星がある.宇宙資源の利用という観点に立った

    太陽電力発電方式では従来の太陽発電とは異なり衛星

    の発電素子材料のシリコン及び建築資材に必要なアルミ

    ニウムを地球に非常に接近してくる小惑星群より獲得

    するという全く新しい発想によってその実現性が検討さ

    れるものである.このためにはどのよう祖惑星にどの

    ような元素が濃集しているかということを遠隔探知する

    ことが必要に在りこれは従来のリモ]トセンシングと

    は別の新しい研究開発を意味する.既に米国およびヨ

    ーロッパの航空宇宙当局はこれらの月及び小惑星鉱物資

    源を真剣に検討しており採算べ一スに乗る計画も考案

    されている.エネノレギー大消費国である日本は世界に

    先カミけてその開発を行わ肢けれぱならないのに基礎研

    究さえなされていないのは残念なことである.以下で

    はこの分野に関連の深い地殻構成物質のリモートセン

    シングの研究アプローチについて紹介するとともに今

    後の展望を述べてゆきたい.本稿作成にあたり資料を

    提供して下さった東京大学理学部鉱物学教室の武困弘助

    教授に厚く感謝の意を表します.

    1.固体の光学的特性

    1,1固体と赤外放射

    ある固体は透明でありある固体は不透明である.

    スケッチ

    図の漫画は月の岩石試

    料のコストは1グラム当

    り50万ドルかかるのに対

    し小惑星群の岩石試料の

    目ストは1キ1]グラム当

    り3.95ドルであり人類

    の最初の“新しい月"

    (NewMoon)としてみ

    やげもの屋でも売られて

    いることを表わしている

    つまり小惑星群は将来

    鉱物資源として十分採算

    が合い経済的に開発可

    能であることを示してい

    (“NewMoon"による)�

  • 一31一

    またある固体表面は強く光を反射ナるのに他の固体

    表面は光をよく吸収する.われわれの目に見える光は

    このように固体によって様カな性質を示す.同様のこ

    とが赤外光についても起こる.ある波長域の赤外線に

    対してある固体は透明でありまた別の固体は不透明

    である.このように赤外線は可視光と同じような性質

    を示す.

    実は可視光も赤外線も電磁波として統一的に扱え

    γ線X線紫外線ラジオ波などもすべて電磁波とし

    て扱える.人間は波長によって電磁波を分類しそれ

    ぞれに名前を付けた・第1図に示すように波長の短い

    方からγ線(~1A)X線(0.3~100A)紫外線(O-02~0.4μ)

    可視光(0.4~0.7μ)赤外線(0,7~1000μ)ラジオ波(500μ~)

    となる.さらに赤外光を細分すると近赤外(0■~1,4

    μ)中間赤外(1.4~50μ)遠赤外(50~1000μ)に分けられ

    る.

    固体の光学的特性として放射(。mi・・i・n)吸収(。b・

    s・rption)反射(・・丑・ction)の3つがある.固体の熱

    エネルギーが電磁波に変換されて外部に出ていくこ

    とを放射という.固体に入ってきた電磁波が熱エネ

    ルギーに変換されてしまうことを吸収という.また

    固体に入射した電磁波がエネルギーとして内部に取り

    込まれることなくそのままただちに電磁波として出て

    いくことを反射という.

    固体が透明であるか不透明であるかあるいは反射が

    どのくらいかということは正確に言うと波長域を限

    定して論ずべきことである.ある波長域では透明であ

    るが別の波長域では不透明ということもある.第2

    図はNaC1結晶の波長と吸収率の関係を表わしたもので

    ��

    ��

    小11

    ��

    11二

    Cm�μ�o��

    ���

    O-9����γ線

    ����

    0-7��10、�X線�

    �����

    0-5�1ぴ・↓103��貿紫外�

    0-4�1�104�可観光�

    0-3�1O��近赤外�

    �、102��中間赤外�

    0-2���遠赤外�

    ���〳��

    ���

    貿紫外線

    盗歎外/赤外光

    第1図電磁波の波長区分

    ある・0・1μの紫外線域と50μの赤外線域で吸収率が大

    きく怒っている。この波長域でNaC1結晶は不透明と

    いうことになる.また可視光の部分では吸収率がほ

    とんどOになっている.これはNaC1結晶が透明であ

    るという経験と一致1二ている

    絶対0度以外の固体は常に放射をしている.赤外域

    の電磁波が多いか可視域の電磁波が多いかは主に固

    体の温度による.放射の議論をする際理想的な固体

    表面として黒体(b1・・kbody)を考えると便利である.

    すべての電磁波を吸収しかつもっとも効果的な放射を

    する固体表面が黒体である.黒体の具体的なイメージ

    としては大き祖箱にあいている小さな穴を思いうかべ

    ればよい.この穴の部分には何もたいから電磁波は

    そのまま中に入り抜けてしまい反射はまったく起こさ

    ない.光を反射しないから放射をしない絶対0度で

    はその穴はまっ黒に見える.また箱の中に定常的な

    電磁波が存在しておりある温度で平衡状態に達してい

    ると仮定すれば波長の関数として放射する電磁波の

    エネルギーを計算することができる.これはP1anc友

    の式として知られている.これによるとλから1+

    d1までの放射エネルギーW(λ)d1は

    2πhc2dλ

    W(1)d仁λ・(。。。hc/・k。一・)

    と表わされる.600T800T1000旺について1

    とW(。)の関係を表わしたのが第3図である.温

    度カミ上がるに従って最大値は波長の短い方へと移動し

    ていく.非常に高温の星シリウス(11000T)は青白く見

    える.W(2)は2=0.62μで最大となりこの付近の波長

    の光(青色光)をもっとも多く放射しているため青白く

    見える.これより温度の低い星太陽(6000T)はα55μ

    で最大値をとり黄色っぽく見える.また常温(300.

    K)では1=9.7μで最大値をとり主に赤外線を放射し

    ていることに租る.

    α

    針10

    室8

    首6

    0.1一一松ぐ一一1050100

    可視域

    __一一一彦波長(ミクロン)

    第2図NaC1の吸収スペクトル�

  • 口32一

    .た

    第3図

    温度と黒体放射

    →波長(ミクロン)

    このようにすべての物体を黒体であると仮定しても

    かなりのことは言える・しかし実際の物体はもう少

    し複雑であり黒体とまったく同じ放射特性を示すこと

    はない.625皿の石英について2とW(1)の関係を示

    したのが第4図である.点線が625Tの黒体の放射

    であり実線が625.Kの石英の放射である.ある部分

    では黒体とほとんど同じ放射をするがある部分では黒

    体より放射量が少なくなる.1から1+d1までの黒

    体の放射エネノレギーをWb(2)d1固体の放射エネルギー

    をW(2)dλとしたとき

    ε(2)=W(2)/Wb(1)

    を放射率(・mi・・iVity,・mitt・n・・)と言う.不透明な固

    体の研磨面の放射のときはemiSSiVity一般の場合は

    emiitanCeと使い分けることもある.固体の放射特性

    はε(2)で表わせられる.また反射特性は反射エネ

    ルギーと入射エネノレギーの比ρ(1)で表わせられる.

    光のあたっていない状態で固体から出てくる電磁波

    の量を計れば放射特性がわかる.また強い光のあ

    たっている状態で固体から出てくる電磁波の量を計れ

    ば反射特性がわかる.もちろん光のあたっている状態

    でも放射は起きるが温度があまり高くないとき放射

    量は反射量に比べて無視できるくらい小さい.固体の

    光学的性質を説明する理論には結晶場の理論(配位子

    場の理論)分子軌道法バンド理論分子振動輪放とが

    ある。ひとつの理論ですべての現象を説明することは

    できなレくが多くの現象はどれかで説明されるという

    意味で互いに相補的なものである.次にこれらの理

    論の中から結晶場の理論を取りあげ光学的特性カミいか

    に説明づけられるかを述べよう.

    ≡≡

    ��

    ��

    ��

    '・/瓢/蝋

    第4図

    625泄における黒

    、、体と石英の放射ス

    ペクトル

    .024681012ユ4

    →波長(ミクロン〉

    1.2結晶場の理論

    結晶場の理論がもっともよく適用できるのは不対電

    子のあるイオンを含むイオン性結晶である.こういっ

    た不対電子のある原子にはVCrMnFeCoNi

    Cuなどのd軌道が一部分しか満たされていない原子や

    アクチニド系列やランタニド系列のようにf軌道が一部

    分しか満たされていない原子などがある.Cr3+Ce4+

    Cu+のようにすべてが満たされている殻とまったく空

    の殿とから成っているイオンには不対電子が存在せず

    結晶場の理論で説明できるような分光特性を示すことは

    たい.以上あげた遷移元素のうちでFeの地殻存在

    量がもっとも多く(5%)Feが鉱物の色の原因となっ

    ていることが多い.

    ある鉱物に3価のクロムが含まれているとしよう.

    Cr3+の電子状態は1s22s22p63s23p63d3と表わされる

    が3d軌道にある3個の不対電子が電磁波と相互作用

    をして電磁波を吸収したり放射したりする.エネル

    ギーの量子性のためCr3+のような系でもエネルギー

    状態は離散的である.これらのエネルギー状態は基

    底状態を基準にして第5図のように表わすことができる.

    いかなる放射光も発することのないもっともエネルギ

    ーの低い状態が基底状態である.

    エネルギーレベルの計算は非常に複雑である.この

    計算のためには以下のデータが必要である.すなわち

    イオンの原子価配位多面体の対称点群結晶場の強度

    結合の種類が必要である・この計算の結果第5図(乱)

    (ルビーの例)のようなエネルギーレベノレが求まる.ル

    ビーA1203はA13+のあるゆがんだ8面体のサイトに

    1%だけCr3+が置換している.A1-O距離は1.91Aで

    結合は非常に強い.

    結晶場の理論からは励起状態のエネルギーレベルがわ

    かるだけでなく遷移確率を示す一連の選択則も求めら

    れる.例えばAからCAからDへの励起は高い

    確率で起こるがAからBへの励起は禁止されている

    (第5図(b))逆にDやCから直接Aに落ちることはな�

  • ・一33一

    ト2

    ル1

    ����

    3�D.�紫色���

    ・・�紫色の����

    一■一�一■�・一一i一■■・�の吸収�吸収�

    ����

    ・・、�i�一一�'・'�一・・一1�

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    ・■`一�一一・�一■■i�一_一三�青色の青緑色の麟禁洛�

    ×�夕「r赤色フロー赤色フロー����

    八�レンス�レンス���

    1�崇�▲���

    き�1����

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    卜�����

    0�A�A�A�→1吸収�→吸収

    (a)�(止)�(・)(d)�(e)�(f)�

    ルビー�エメラルド����

    エメラルド

    第5図ルビー(a)~(e)とエメラルド(f)のエネル

    ギーレベル遷移色の吸収

    く一旦Bに落ちる(第5図(。)).このときのエネノレギ』

    差は熱エネルギーに変換される.ついでBからAに落

    ちるがこのときのエネノレギー差は赤色光に変換される

    (第5図(d)).これがルビーの赤色フローレセンスである.

    しかしさらに複雑な要素がからんでくる.それは

    温度の問題や温度以外の原因で起こるひとつのエネル

    ギーレベルの幅の問題そして異方性結晶にある多色性

    (見る方向によって色のちがう性質)の問題である.ルビ

    ーの吸収スペクトノレを見るとDレベノレやCレベノレヘの

    励起に対応して紫と黄緑の吸収がある.一残りの光

    (透過光)は強い赤色光と淡い青紫色であるCレベノレ

    やDレベノレヘの励起とともに吸収される光があると同時

    にBレベルから基底状態に落ちるとき発する赤色光

    (フローレセンス)もあるのでこの宝石はまっ赤に輝く.

    Feが不純物として存在すると電子がBレベノレにとど

    まらずすぐに基底状態に落ちてしまうためフローレセ

    ンスは消滅して吸収を原因とする色だけになってしま

    うこともある.

    結晶場の強弱がどのように影響するかをルビーとエメ

    ラノレドの例で示そう.エメラルドもノレビーと同様に

    A13+の一部がCr3+に置き換りゆがんだ6酉己位のサイ

    トに入りこんでいる.ALO距離もノレビーと同じであ

    る.BeとSiの追加や構造の変化の影響で金属一酸素

    結合はルビーよりも共存性が強くなり結晶場は弱く狙

    っている・この結果CおよびDの吸収帯(第5鮒))は

    長波長側に移動して赤色の透過光はなく狂りエメラノレ

    ド特有の色を呈する.フロ]レセンズの原因となるエ

    ネルギーレベルBはノレビーと同じ位置にありFe不純

    物が存在し狂い限りエメラルドにも赤色のフローレセ

    ンスがある.ルビ_A1203でもCr203成分が増える

    とエメラノレドと同じような結晶場となり赤色から緑色

    へと変化する.このときはイオン結合性も結晶場も弱

    くなる.

    アレタサンドライト(A1.BeO。中のCr3+)の吸収はノレ

    ビー(第5図(e))とエメラノレド(第5図(f))のちょうど中間

    である.赤色と青緑色の部分に透過帯があって入射

    光線のちがいによって赤く見えたり青緑に見えたりす

    る.例えば太陽光のもとでは緑に薄暗い室内では赤

    く見える.この現像をアレタサンドライト効果とい

    う.アレタサンドライト効果はA1203中のV3+によっ

    ても起こる.この鉱物はアレタサンドライト色コラン

    ダムと呼ばれている.この他にもアレタサンドライト

    効果を起こす鉱物はまだまだたくさんある.ひとつの

    イオンが様々なサイトに人いるよう柱こともある.こ

    の場合は様々な系列のエネノレギーレベルができ吸収

    帯はそれらの重ね合せに在るという複雑なことが起こ

    る.サイト間の電子の移動があれば移動による吸収

    帯が付け加わることも分子軌道法によりわかっている.

    2.岩宿鉱物の分光分析における

    肘ONの実験研究

    2.1岩石鉱物の分光分析

    岩石・鉱物の波長特性についてはLYoN(1964)HUNT

    ら(1973)が今後のリモ]トセンシング資源探査に関す

    る先駆的研究を行っている.HUNTらは主として近紫

    外線から中間赤外線領域(o,325~2.5ミクロン)において

    太陽光の入射に対する反射特性を測定している.OH

    基又は水をもつ鉱物の分光分析も行っておりこれは変

    質鉱物のリモートセンシングの基礎データを提供してい

    る・近紫外線~中間赤外線領域でのスペクトノレ特性は

    造岩鉱物の分子振動を直接は示さないが個々の分光特

    性の集積としては酸性岩から塩基性岩にかけて系統的た

    分光特性を示す.これに対して熱赤外領域(8~14ミク

    ロン)では造岩鉱物の分子振動による共鳴吸収帯がこの

    波長域にあることから岩石・鉱物の化学組成と分光特

    性には相関がみられる.

    LYoN(1964)は熱赤外域における鉱物及び岩石の分光

    分析に関して最も基本的な実験解析を行っておりこれ

    は地殻あるいは他惑星構成物質のリモ」トセンシングに

    とり重要な寄与を果した数少ない研究成果の1つである.

    この研究は我々がリモートセンシング分光分析に取り組

    む際の具体的柱データをも提供しているので本項では

    以下に紹介しておきたい.なおHUNTの研究に関して

    は別の機会に紹介する.

    研究に用いた測定試料は世界各国のものが選ばれ放�

  • 一34一

    射率*測定256個反射率*測定38個吸収率*測定40個

    計334個である.〔*光学的に平滑な面を除いて・mitt・n・・

    (放射率)re丑ectance(反射率)absoエptance(吸収率)が使用

    されている.本項ではこの意味で訳語を用いる〕これらを

    波長2.5~25.0ミクロン(波数w・v・numb・r4000~400

    .m■1)の領域で分光測定を行った.また岩石試料は

    表面を研磨したものと粗面のものと粉末にしたもの

    についてそれぞれ実験を行っている.

    これらのスペクトノレから波長0.1ミクロンの間隔で

    5ミクロンから25ミクロンまで98個の放射率37個の反

    射率34個の吸収率測定を行いまた黒体の放射量

    (W・・)と試料の放射量(W・)とについては電子計算機を

    用いて分光放射量比(ελ)を算出しディジタルデータ化し

    たこれは黒体g放射率を1と置いた時それぞれの岩

    石が黒体に比較してどの程度の量の放射をするかを表現

    したものである.これをもとに分光放射強度(εガWl)

    を150双から500双までプランクの放射式によって計

    算し第6図のようなスペクトノレ図を得た.

    測定記録の大気減衰については試料の放射曲線と

    Tay1orY畑s(1956)の測定した大気減衰率~の入の積

    とから減衰効果が与えられている.たとえばεバWバ

    αλ曲線から375双(22℃)の表面温度を示す試料を5・独m

    上空から測定した場合の分光放射エネルギー強度を表わ

    すことができる.

    波長間隔7.8~13.0ミクロンにおいての平均放射率は

    0.87に近い値をとるが0.!ミクロン間隔で測定された最

    � 

    N口Rト1RLSPECTRRLEHlTlPNOE-uI.τHnBSORPτ工ON日日丁円

    1100.?O口。;OO。

    小放射率は約0.76である.このことは平均放射率が

    O.87の場合でもある波長域では0.76にすぎず黒体から

    はかなり離れた灰色体(g。。yb.dy)であることを意味す

    るこの差異は一般に分光コントラストと呼ばれる.

    種々の典型的た岩石及び鉱物に関する赤外分光ピ]ク

    は第7図に例示するようにディジタルデ]タのカタログ

    として整理されている.この内容は結晶質物質にとど

    まらず火山ガラス等の非晶質試料についても第8図のよ

    うに測定が行われている.これらは放射・反射・吸収

    の各データを同一のスケーノレフォーマットで記載してい

    るため比較が非常に容易になっている.今後我々が個

    々の岩石・鉱物に関してこのようなデータをコンパイノレ

    していく際にも参考になるものと思われる.

    2.2水及びO豆基をもつ鉱物の■」モートセンシング

    次に実際のリモートセンシングにおいては必ずといっ

    てよいほど問題とたる岩石の風化及び破砕による細

    片化のためスペクトノレパターンがどう変化するか或い

    は減衰してしまうかという問題に関しての実験例を紹介

    する一岩石試料を細粉にして放射率等のスペクトルを

    測定する実験と粗面の岩石面よりスペクトノレを得る実

    験とによるスペクトノレバターンの変化度カミ考察されてい

    る.

    また鉱物中の水インクノレージョンがスペクトル上でど

    のような特性を示すかも問題になるがこれに関しては

    岩石表面の水は2.9ミクロン付近で水の吸収スペクトル

    が最大となるため岩石試料の反射スペクトルが最小とな

    ることが知られている.

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    第6図オパールの放

    Emit亡呂noe

    剥昱散琲湯攀

    Tr呂n呂mittanC8

    (㎜一no・胴1i鵬d〕

    射率と吸収率

    NO亡R㎜

    ユ`p==O.92(1400-o剛一一)

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  • 一35

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    09080刑㎝冊蜘㎝

    紫蘇輝石安山岩の放射率と吸収率

    N口RHRL

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    1目.

    8.口

    亘R100T1TE{u5NM111〕NO剛,,^LSPE〔TR^LE}」TT^N〔E'冊■τH^目;O原PTIO

    ^T^.So此叶1{owo士`■I酬一■町1;Iolio■』olwo帥忙品nioU帖.

    ω

    かんらん岩の放射率と吸収率

    第7図

    ㌻1「

    i口

    0・

    〕RVELEN〔;THlNHIO[ONS

    �����㈮���

    � 

    ��� 

    5口

    CO阯P^舵DW■THTH^TO戸^WELDEDτuF〔E.1一τ^咀。』卵1i口岬舳…。h

    {}oli帖Pu[、ioo{U;N…59〕一〇;』oo^i11■]一〇J一^〕帖了[o…Po`i帥■10[hom,{〇一;ofo

    第8図軽石(E1)と溶結凝灰岩(E2)の放射率と吸収率

    乏��

    卆��剌

    EM一丁丁目NCE一]ITH

    n日SO日FTION

    口RT日

    町τ「「πr

    ■一

    ,。

    阯RVELENCτH

    ���

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    Hi0円0NS

    ��㌮

    冒.o

    G県^N9τE{u畠NH15引NOHM^L5PE⊂τR^LEM1TT^N仁E一冊■TH^嗜SORPTIONO^T{

    E・i"。冊岬・仙1E一・一E=〕・ト岬・li州y舳。帖皿f・i・i・。.目冊舳・㈹刮舶O即1-1

    01・雪5μ〕;;o■帖庄NoCl・峠百一〇P15莇■ho^!宙一冊inヨro“o:Im:o而。o阯}而。[1;.

    第7図@花開岩の放射率と吸収率

    090a0刑6050㎜3口

    やB㍗丁臼

    ,、

    日RVELENCTH

    ����

    ��

    舳O円0NS

    12.1ヨ.

    1后、

    � 

    目^S^LT=u;NH】02〕NORM^L;PECTR^LE…■TT^N仁E_W■TH^目;ORPTlON

    O^仏C岬蜆州冊目・^・22.f岬。顯叩1州一^iヨ吉岬1ψ■咄舳円。

    旧!o・1州、

    玄武岩の放射率と吸収率

    第7図

    ��剌卆������乏�畬呈

    日目≡…ORPTION口円

    帮�

    、。、、L、、蝋山川、、

    �����

    H工0冊NS

    12.ユ3.

    ��

    � 

    090㏄仙6050㎜30

    S匿RPENτlNE`USNM1』切NOR^^LSPECTRALE川1TT^N仁E-WlτH^目SORP■ON

    D^TんC百{岬沽}。^}w削m臼{百出.舳制帥iH。・舳旧.;岬甘㎜。上。w。帖,

    田Oo面一100.lOμ〕"oい。[oll"!1而叩甘in帖.mulf;Plo占。n一.P帥ko“10!面一1

    0占ψ〕i“^π。d・・i・li“附舳蜆帖1岬・州m〕.

    09080㎜

    ω

    蛇紋岩の放身J率と吸収率

    第7図�

  • 一36一

    装赤

    置外出4

    光'

    第9図

    研磨面の反射測定

    法nOrma1Spe-

    �牡汲效��湃攀

    と呼ばれている

    “1

    チョソパー

    偏った

    モノクロ

    メーターへ

    第10図放物面鏡型反射測定装置の概略図

    以上のような水及び鉱物中のOH基の存在によるスペ

    クトノレ特性の解析は将来変質鉱物・粘土鉱物のリモー

    トセンシングによる探査に活用できることが期待され

    資源探査の質的転換をもたらすものであると言えよう.

    現在のこのような研究は日本では全く立ち遅れているが

    基礎研究の蓄積とセンサー技術の進展により物質の遠

    隔探知カミ可能になるものと考えられる.

    3.実験方法と具体例(L.o。による実験)

    3.1実験方法

    3.1.1研磨面の反射測定法

    研磨面の反射は第9図のように面の法線方向から

    30度傾いた方向より入射光をあて反対側に30度傾いた

    方向に測定器をおき反射強度をはかる.この方法を

    norma1spectra1re且ectanceと呼んでいるが実際には

    nOrma1から30度ずれていることになる.

    3.1.3放射測定法

    放射スペクトルの測定には単波長用一Perkin-E1mer

    モデノレPE112型の装置を放射測定用に改良して使用し

    た(第11図).G1ober赤外線源を取りはずしその場所

    に試料ホノレダーを付ける.このホノレダーは試料の加

    熱とホノレダー全体の水冷ができるようになっている.

    ホノレダーを水冷するのはホルダーからの赤外線放射を

    できるだけ少なくするためである

    3.2結晶の方位構造粒径の影響

    3.2.1結晶の方位と放射スペクトル

    試料が単結晶の場合は方位がスペクトルに関係する

    ので面の方位も記録する.第12図は石英結晶の反射

    率をXカットYカットZカットについて比較した

    3.1.2粉末の反射測定法

    実験装置の概要は第10図の通りである.50(ヅK~1(〕O(〕

    Tの温度範囲で使える黒体光源2組の放物面鏡温

    度制御のできる試料ホルダーPerkin-E1merモデノレPE

    13C型モノクロメーターと検知器より成っている.

    粉末の実験では粒子の大きさをそろえるために水簸

    をおこ粗い試料に付着している微粒の粉末をできるだ

    取り除くようにする・これは粒度の一定した粉末試料

    の反射を計るためである.粉末試料としては空隙の

    多いふわふわした状態が望ましいが試料ホノレダーにつ

    め込まなければならず実際にはすきまはほとんどな

    くなってしまう.試料ホルダ」の裏面は金の平らな面

    になっている.最初に裏面の反射を計り次に180度

    回転させ試料の反射を計る.両者の比をとることによ

    って半球スペクトル反射率が得られる.

    SPECτROMETERVERTlC^L

    SL一TSPLANEMlRROR

    芋・・O・・・…1・・O・

    欄洩艦

    丁!C

    ^PERTuR匿

    τ/C

    閂EAτER

    W1丁HS^MPLE

    ��剏�

    SLICEOFS^MPLE''二一1一}、k

    T!C,㌔×・

    STR旧I

    I・lEATER\②

    ��剃〰��

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    ��汎�

    ��刀

    ��汎�

    CHAM日ER

    ���剏�匀

    τHERMOCCuPLE

    ONSuRF^CE、

    第11図水冷装置のついた試料ホルダーのある放射測定装置�

  • 一37一

    ものである.

    3.2.2結晶構造とスペクトル

    化学組成が同じでも結晶構造がちがうとスペクト

    ノレもちがってくる1第13図はα一石英α一トリディ

    マイトび一クリストバライトの反射および吸収スペク

    トノレを比較したものである.

    ����乏�����一

    WlTHORi巨NTATlONOFCUTOF

    Q∪ARTZ(OSClLLATOR)PLATES

    一1

    γCm

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    PL灯E

    ��

    �㈴�

    11ZILC∪T

    l11五

    RO私TlON

    3.2.3粒径とスペクトル

    半球スペクトノレ反射率ρλから計算で放射率(ελ=1

    一ρ・)を求めグラフにしたものが第14図である・

    粉末試料になるとスペクトル曲線は鋭いピークを示さ

    恋くなっている.粒径とスペクトノレの関係を第15図

    と第!6図に示した.第15図がアルミナA1203第16図

    が石英である.アノレミナでは粒径の大きい方から

    単結晶アルミナであるサブフイア多結晶アルミナ粗

    粒アノレミナ粉末アルミナを試料として用いた.粉末

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    TO凧L詞E戸LECT^NCEOFPOWOER

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    0uNlT国

    第12図石英結晶板のカットのちがいによる反射スペクトルの変化

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    ������

    WAVEL1≡NGTH.MlCRONSWAVELENG了H,M,CR◎NS

    第14図花商岩(左)とダナイト(右)の放射スペクトル曲線

    実線は研磨面点線は粉末試料

    E∪SE00u^Rτ乏

    。-CRlS'『08^LIτE

    〇一1■RIOY"1fE

    O'Ou^R'■■Z

    I■目8

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    回OO

    阯00794

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    110目

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    A8S◎RPτION

    56百

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    1)二以)、)、

    、(:L縦膿爬ノー1㌧、■

    S岬HlREノ'{'、・!、.■

    、・・.^.1一.

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    11π

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    1い

    11688、、二528,

    ・α一〇uA町ZZ-CUTIi

    婁二激葦㌦札丸J舳

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    ��

    0-CRlSTOI≡1^L1TE

    7回1

    �啓�併��

    第13図結晶構造のちがいによる吸収および反射スペクトルの変化

    �佉㈱����㈲�

    W^VE■一EN61IHIMICROI,lS

    第15図A1203の反射スペクトルから計算で推定したA1208・の放射ス

    ペクトル上から粉末アノレミナ粗粒アルミナ多縞昴アルミ

    ナ単結晶アルミナ

    I.◎

    、一プ1↑プ炉二:ニマ'へ、

    0.8・、、}'

    α川、二=二二虹1二・μ〆

    1〕。、、,、、、、、丁、0、ニヅ、

    041〕〕

    、、幻1〉

    0810121416■8202224

    ��������剏�

    第16図反射スペクトルから計算で求めた石英の放射スペクトノレ上か

    ら粉末石英粗粒石英単縞晶石英�

  • 一38一

    策1表酸性~塩

    基性岩の放射率特性表(抜粋)

    試料

    (カッコはUSMMNo.)

    酸性岩(Si0265%以上)

    石英

    研磨面Zカット

    研磨面Xカット

    粗面Xカット

    溶融面

    粉末

    25~45μ

    10~25μ

    1~10μ

    オノく一ノレ

    チャート

    ��㌵��

    オブシデイアン

    ��㌴㈴�

    ��㌳��

    軽石

    ��㌵��

    溶結凝灰岩

    ��㌶㈲�

    テクタイト

    ��㌵㌵�

    石英

    (monzoniteporph皿y)

    ��㌵��

    デイサイト(82)

    中性岩(SiO.53~65%)

    石英閃長岩(631)

    安山岩

    �潮���灯��特��㌱�

    ���楮�祥����

    Quar屹basalt(101)

    しそ輝石安山岩(86)

    しそ輝肩ビトリファイア(371)

    石英閃緑岩(758)

    普通輝石閃緑岩(529)

    塩基性岩(SiO.53%以下)

    角閃石はんれい片麻岩(143)

    かんらん岩(111)

    ��楮敧慢���㌴�

    ���楮敢慳�琨���

    蛇紋岩(145)

    リンバージャイト(296)

    ダナイト

    研磨面

    粗面

    850μ(9rit)

    150-30μ(sand)

    40-80μ(aust)

    10-25μ(powder)

    副畧栫��

    副畧栫��

    卩���

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    Fai町。ast1e

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    Fairyc里s1;le

    SpectτalMinima

    (下線は強い部分を示す)

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    (re且ectance,R)

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    放射撃(Emittance)

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    副畧栬���

    副畧栬�睥�

  • 一39一

    試料では反射率から計算で求めた放射率が黒体の放射

    率(ε=1)とほとんど等しくなっている.実際にも粉

    末アルミナは8.0μ~25μの波長域において黒体とほと

    んど同じ放射をする.

    (E・)は9・30μで最小値をとる.また反射スペクトノレ

    から計算で推定した放射スペクトノレは9.17μで最小とな

    るが上記のスペクトノレE1E2の最小とほとんど同じ

    位置にある.

    石英Si02では粒径の大きい方から単結晶石英

    粗粒石英粉末石英を試料として用いたアルミナと

    同様に粒が小さくなるにしたがってピークは浅く怒

    ってくる.

    3.3岩石組成とスペクトル

    岩石のSi02組成が増えるにしたがってスペクトル

    のピークの位置は変化する.化学組成がSi02あれで

    は水晶であれ溶融したSi02であれピークの位置は

    9,Oμにありしかも珪酸塩岩石全体の中ではもっと

    も短波長側にピークがある.珪酸塩岩石のピークは

    オブシデイアン(酸性崇)で9.2~9,4μテクタイト(酸性岩)

    で9,3μ安山岩(中性拷)で9・6μ玄武岩(塩基性岩)で

    10.4μ蛇紋岩(超塩基性岩)で10.1μとなる.また

    ダナイト(超塩基性岩)で10.7μコンドライト(超塩基性

    岩)で10.8μとなり超塩基性岩のピークは長波長側に

    大きくずれている.岩石のSi02成分とビークの位置

    のいくつかを抜粋して表1に示しておく.

    3.3.1酸性岩のスペクトル

    酸性岩のスペクトル特性を図で説明していこう.第

    17図はオブシディアン(E。)とテクタイト(E、)の放射率

    を直接測定したものでありオブシディアン(R)の反射

    率から計算で放射率を推定したものをグラフに表したも

    のである.オブシディアン(E。)とテクタイト(E、)

    は化学組成も類似しているがスペクトル曲線も類似し

    ている.オブシデイアン(E。)はg.20μでテクタイト

    ��

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    。円0

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    怱 

    NORHRLSFE〔=THRLEH1ττ目N〔;E一阯1τHRBSOHFτIONOR

    ^目VELEN[;THlNHエC[ONS

    a.09,010.1一.12.土筥.1后.20.

    第17図テクタイト(E1)とオブシディアン(E2)の放射スペクトル

    第18図は軽石:f工。thypumice(E。)溶結凝灰岩:

    we1dedtu丘(E里)の直接測定による放射スペクトノレと

    軽石:ryO1itepumice(A)の吸収スペクトルを図示した

    ものである.正確恋化学分析はしてい在いがE1E2

    ともかなり(65%以上)のSi02を含んでいるであろう.

    軽石(E、)は9.2μで最小となり溶結凝灰岩(E。)は8.9μ

    で最小と底る.この値は第17図とだいたい同じである.

    軽石(A)の吸収スペクトルはもう少し長い波長9・65μ

    で最小となっている.

    第19図には3種類のスペクトルが図示されている.

    �伀

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    NORH臼LSFECTRRL・EH-TT日NCE一阯一TH臼BSORPTI口NOn

    11皿9岨一岨500}日'

    阯RVELENCTHINHICRONS

    8.09,010.1112.13.16.20。

    第18図軽石fro出ypumise(E1)と溶結凝灰岩weldedtu伍(E2)の

    放射スペクトノレ

    工.o

    � 

    .8口

    � 

    � 

    � 

    .叩

    � 

    � 

    � 

    NORト1RLSPEOTRnLE門I↑丁円NCE

    NRVELENCTHINH工0周回NS

    8.09,010.i1.12.i員・

    第19図石英(A)カリ長石(B)文象花こう岩(C)の放射スペクトル�

  • 一40一

    1.oNORMRL8PECTドRLEMITT臼NCE

    � 

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    .εo'

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    .!0凹R"ELENCTH.1HHICROHS

    8・O$0王O.".12.旦3.

    第20図花こう岩とアプライトの放射スペクトル

    文象花こう岩の主構成鉱物は石英と長石の2種である.

    予期できることであるカミABのスペクトルを重ね合

    せるとCのスペクトノレができあがる.

    第20図には花こう岩とアプライトのスペクトルが示し

    てある.この花こう岩とアプライトのスペクトルは類

    似している.これは両者の化学成分が似かよっている

    ためである.化学組成の等しい岩石では構成している

    鉱物結晶の大きさによらずスペクトルは類似する.

    3.3.2中性岩のスペクトル

    中性岩の代表として石英閃緑岩を取り上げ吸収ス

    ペクトル(A)反射スペクトル(R)放射スペクトノレ

    (E)を第21図に示す.放射スペクトルと反射スペクト

    ルでは10.00μにピークがあり放射スペクトルでは

    10・10μにピークがある。21・74μのピークは吸収と反射

    の両方にある・13・Oμのピークは吸収スペクトノレだけ

    にしか現われていない.放射スペクトルは長波長域

    の測定が難しいため13.0μまでの波長しか計れず13.0μ

    と21.74μのピークの存在は確められていない.

    3.3.3塩基性岩のスペクトル

    塩基性岩及び超塩基性岩の代表としてコンドライト

    質限石とダナイトのスペクトルを第22図に示す.Aは

    ダナイトの吸収スペクトルRはHaven明石の反射スペ.

    クトルである.Aは11,23μにピ』クがありRは

    10.75μにピ』クがある.

    第23図はダナイトの1一ρλをグラフに表わしたもので

    ある.1α80μに最小値があり23.Oμ19.0μに第2

    第3のピークがある.10.80μおよび23.0μはSi-Oの

    基準振動に対応しており19.OμはMg-Oの基準振動

    に対応している.

    �伀

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    第21図

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    第22図

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    N鉋RHRLSFE[=了日nLEHlTTnNCE一口ITHnBSORPT1ONO日TR

    `IOO・900.加O.500.O

    凹RVELENCTH1NHICRONS

    ��������㌮���

    石英閃緑岩の吸収スペクトル(A)反射スペクトル(R)放射

    スペクトル(E)

    NORH日1一=SPECTR∩LEHITT日NCE`HITHn日SORPTION[■RTR

    1帆。岨帆胴.

    I.I∩VELEN〔;THINHI[=H日NS

    ��������㌮椶��

    コンドライト質膿石の反射スペクトルとダナイトの吸収スペク

    トル

    NORHRLSPECT日日LEH-TτRNCE一四一τH1=旧SORFTI回NDRTR

    90匹7附舳O'

    "日VELEN6THIN"IC日回NS

    ��������㌮���

    第23図反射スペクトルから求めたダナイトの放射スペクトル�

  • 口41一

    4.LY0柵の研究結果のまとめ

    4.1岩石鉱物の非接触法による識別の可能性

    岩石及び鉱物の赤外領域での識別にはスペクトル図で

    吸収率及び放射率が極小値をとり反射率が極大値をとる

    ところが手がかりとなる.また副次的な個々の極小値

    あるいは極大値の位置(波長)と形強度を併せて解析

    することによって種々の鉱物種の識別と岩石中の鉱物組

    合わせの識別が可能に祖る.従って岩質(・o・ktype)

    を識別することができる.岩質の差異は分光コントラ

    ストの違いに表われるが航空機又は人工衛星を用いて

    リモ』トセンシングを行なう場合には大気の減衰効果

    を受けるために岩質の識別にはこの効果を考慮して分光

    コントラストを補正しなければならない.

    将来さらによい赤外スペクトノレが得られれば反射率

    放射率吸収率のいずれかの方法で岩石試料の化学組成

    を鉱物学的に決定することもできる.

    射率に対してある波長域において試料の放射率がとれ

    位の値を出すかは計算で予測することができる.すな

    わち岩石表面の粗さ又は粒径がかなり淘汰の良い場合は

    放射率はほぼ一意的に決定されると考えられる.

    4.3測定'法と結果の評価

    一般に分光分析測定には放射法反射法吸収法の3

    つの測定方法が行われる・放射法は操作が簡便で最も

    測定しやすいが解析は最も複雑である.加熱した試料

    による放射を一旦光学系で受け分光計に反射させて測

    定する・しかし表面の孔隙率(po・o・ity)および粉末状

    又は粗粒の試料の粒径は散乱係数(…tt・・ing…舐・・i・nt)

    に大きく影響を与えるので実際には放射法のみで岩石

    試料の組成を知ることは困難を伴う.これに対し岩石

    の表面が滑らかで粒径が比較的大きい(約1mm)場合に

    は放射法による解析は容易である.

    4.2表面の粗さと分光特性

    岩石表面の粗さ風化により砂粒と狙った岩石鉱物の

    粒径による差異鉱物表面における赤外線の減衰深度で

    の物理的不連続性は分光コントラストに大きな影響を与

    え放射率による解析の限界もこの影響の大小によって

    決まる.たとえば6mm犀の石英板を用いて表面の粗

    さを変えた実験を行ってみると珪酸塩鉱物の中でSi

    -O結合の基準振動波長である9.Oミクロンでの放射率

    (ε1)は研磨した面ではO.28であるが粗い研磨して

    いない面では0・62である.波長10.Oミクロンにおけ

    るスペクトノレの緩斜部(。h.u1d。。)は粗くなるにつれて立

    ってくるがε2値の動きは0.82からO.86までと小さい.

    また波長11.0ミクロンでは表面の粗さは全く効果を

    及ぼさ狂い・このように分光特性に与える影響は波

    長毎にそのふるまいが変化し複雑である.

    粒径に関しては次のような結果が得られている.25

    ミクロンから45ミクロンの大きさの乾いた粉末ではε。

    値は波長9・OミクロンではO.91であり分光コントラ

    ストが明瞭で狂くなる.概して粒径が50ミクロンから

    100ミクロンまではこの影響が大きいと言える.つまり

    粒径の問題は分光コントラストの強弱には影響を及ぼす

    が原岩の組成の識別を混乱させるような特性波長のシ

    フトをひきおこすことはない。このことはLY0Nの研

    究によって明らかにされた重要杜事実のひとつといえる.

    粒径の影響に関しては岩石粉末の平均粒径がいくらで

    あるかよりも最も細かい粒径の粉末が何%混入してい

    るかの方がスペクトルには影響を及ぼす.岩石表面の

    粗さ(r・ughness)が与えられれば滑らか荏表面の放

    反射法では試料には岩石試料の研磨した平坦面を用い

    散乱による反射エネルギーのロスを減少させるために半

    球補正技法が用いられる.とくに粉末試料を用いる場

    合にはこの技法で解析するとよい.

    吸収法では他の2つの方法と比較すると最も強い分光

    コントラストが得られる.簡便な測定には従来の吸光

    装置を用いることもできる.

    一般的に岩石の表面の状態は内部とは物理的性質が不

    連続であることが多い・このことは分光コントラスト

    にもか放り影響を及ぼすがこの表面状態による散乱

    (S・・tte・ing)は未だ十分には解明されてはい荏い.こ

    の効果は定性的には分光コントラストを減少させるが

    その定量的な関係については今後の研究が待たれる.

    5.リモートセンシングヘの応用研究

    赤外波長域とくに8ミクロンから14ミクロンの波長域

    では大気透過が良く“透過の窓"として知られている.

    この熱赤外波長域を利用して非接触法により岩石鉱物

    の識別が可能であることが示された.この事実は惑星

    や他の天体の組成を知る方法として重要な役割を果たし

    ているが地球表面物質のリモ』トセンシングヘのアプ

    ローチもまた注目される。LYON(1972)は航空機高度か

    らこれらの可能性の実験を行った.モデル地域として

    はアメリカ合衆国カリフォルニア州Pisgaしクレーター

    地域が選ばれたがこの地域はかんらん石玄武岩・沖積

    層理湖成層から成る地域である.赤外分光計を搭載し

    た航空機は高度650mで上空を飛行し赤外スペクトル

    データを得た。赤外線の波長は6.8ミクロンより13.3

    ミクロンで太陽光により熱せられて放射される熱赤外�

  • 一42一

    球の分光放射が測定された.側線距離は28kmで合計

    4300の分光データが得られたがそのうち514スペクトノレ

    を選び第24図のように飛行測線に沿って31個のグノレ」

    プに分割した.生の放射スペクトルは水域表面のスペ

    クトルと比較して標準化した.放射スペクトノレは標準

    偏差を1.0平均を0.Oとして正規化変換した.この変

    換によりスペクトルは相互の詳細な比較が容易になる.

    ただしこの正規化したスペクトノレは放射レベノレより温

    度を計算して算出した黒体放射とは等しい値にならない

    ことに注意しておかなければならない.

    このようにして得られたスペクトルは次の2つのフォ

    ーマットにより解析する.!つは10~50個のスペクト

    ルの放射率を波長の関数としてプロットする.次にこ

    れらのスペクトルの標準偏差をとり同様にして波長の

    関数としてプロットする.これはデータの変化度をよ

    く表わす.放射量に変動が少なければ低くフラットに

    在り多ければ凹凸の強いものとなる.平均化したス

    ペクトルは波長を横軸にとり強度を縦軸にとると第25図

    のように地質を反映し岩質の識別が可能である.第25

    図ではAは研磨した花こう閃緑岩を示しIはガブロを

    示す.

    B~Hは第24図のF-F'上の側線で得られた各地域の

    平均スペクトルである.Bは若い沖積層を示しCは古

    い沖積層を示すがいずれも9.1ミクロンから9.2ミクロ

    ン付近で鋭い最小値を示している点で似ている.しか

    しBはCと比較するとそのピークが短波長方向へ少し移

    り9.5ミクロンでのくぼみが欠除していることはBの

    若い堆積物中には石英砂を多く含むことを表わしている.

    FGHではいずれもかんらん石玄武岩溶岩であることが

    よく示されている.いずれも9.45~9.55ミクロンにお

    いて鋭い単一の極小値をもつ.さらにこれらの玄武岩

    は'10,97ミクロンの極小値に着目することによりF・Gと

    Hとを玄武岩の中でもサブグノレーブとして識別すること

    ができる.さらに11.5~12.0ミクロンのパターンを見

    るとFはGより平坦であることによりFとGの識別も

    可能である.F・G・HとA・I・Kを比較するとF・G・H

    はIのガブロに近いバターンをとることが判別され

    放射率は化学組成を反映していることを示している.

    Dは風成砂が表面をおおっている地域のスペクトノレで

    nC(3)のように珪長質の若い沖積層を示すスペクトル

    と皿A(7)のように玄武岩のスペクトルを示すものが

    含まれる.これは第24図の比像(・・ti・im・g・)の画像上

    でも見分けがつく.(③と⑦参照)このように航空機高

    度からも分光特性により岩石を識別する可能性が実証さ

    れている.

    Eは乾燥期の堆積物である.この細粒の粘土は玄武

    岩溶岩と同じスペクトルを示す(第25図申B参照).こ

    のようなスペクトルを示す理由は未解決であるがこの地

    域では粘土がかんらん石玄武岩に近いスペクトノレを示す

    例が3例ある.

    このような解析により航空写真を用いた赤外放射スペ

    クトルは溶岩流を識別できることがわかる.しかし溶

    岩流をさらにフローステージに分けるためには他のバラ

    鶏灘

    第24図@Pisgahクレータの白

    黒画像

    第24図⑮Pisgahクレター

    の比像(rat三〇image)�

  • 一43一

    `ジ'一`

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    吐狐二寸

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    10・111阿

    波長

    第25図Pisgahクレーターの平均放射スペクトル曲線

    メーターが・必要である.また風成砂が玄武砦の上にの

    っている地域では分光特性は砂を示す.しかし砂カミ斑

    点状におおっている所では砂とその下位を構成する玄

    武岩の両方の分光特性を示す.粘土質のシルトから成

    る乾燥期の分光特性は玄武岩を示しており化学的鉱物組

    成は標準偏差値を用いた分光特性図により判別される.

    岩質の分光特性による識別は2.5ミクロンの2つの

    近接した波長の放射量比により行われる.画像化した

    データは分光特性図よりもより容易に識別に用いること

    ができるが8.1~10.9ミクロンと9.4~12.0ミクロンのバ

    ンドバスフィノレタ]が重合する所は不可能である.こ

    れらのバンドに関しては平均化して外挿を行えばよいが

    いずれにせよ画像データのみに頼らず分光特性曲線の全

    体を判断して識別を行うことが望ましい.

    将来より正確な岩質の識別を行う際には重合のないよ

    り狭いバンドで行うことが望ましい.リモ』トセンシ

    ングの応用分野にもこのようなマノレチチャンネルシステ

    ムを確立することが必要であろう.

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