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Document #US41845816 ©2016 IDC. www.idc.com | Page 1
IDC White Paper | Red Hat OpenShift のビジネス価値
EXECUTIVE SUMMARY
産業界は、これまで予想もしなかった競争状態にあり、そこで日々発生、展開するビジネスニーズに
対応するため、IT部門に迅速性が強く求められている。企業ITでは、開発者が革新的なソリューショ
ンをより効率的に提供できるように支援する新しいアプローチの採用と近代的なツールの活用に
よって変革が進んでいる。一般的なプロセスを自動化するために膨大な量のデータの分析を行う
ことは、インテリジェントなアプリケーションにとって新しい標準になりつつある。ハイブリッドクラウ
ドインフラストラクチャ全体の幅広いコンポーネントの選択肢を開発者に提供するアーキテクチャ
をサポートするアプリケーションプラットフォームは、企業がクラウドの採用へと向かう道のりにお
いて優先すべき道筋である。
IDCでは、Red Hat OpenShiftを主要なアプリケーション開発プラットフォームとして使用している9社
に対してインタビューを実施した。これらの企業は、OpenShiftが、複雑で異種混在のIT環境全体に
渡りタイムリーで強力なアプリケーションと機能を提供し、コンテナ化、マイクロサービス、クラウド
移行戦略などの主要なITイニシアティブのサポートに役立つと回答している。結果として、5年間で
OpenShiftプラットフォームは(今回調査対象となった)Red Hatカスタマーのアプリケーション開発
者100人当たり年間平均129万ドルの価値を生み出しているとIDCは推計している。背景には以下の
ような項目が挙げられる。
» 開発者へのよりタイムリーで堅牢、かつ実用的なアプリケーションと機能の提供の実現
» 顧客とユーザーの需要を満たすことによる、ビジネス成果と業務効率の向上
» アプリケーションの恒常的な管理業務に必要なスタッフの作業時間の節減
» インフラストラクチャおよび開発プラットフォームに関連する、アプリケーション開発コストの
割合の低減
Red Hat OpenShift のビジネス価値
スポンサー企業: Red Hat
著者: Larry Carvalho Matthew Marden
2016 年10月
ビジネスバリュー概要5 年間の平均 ROI
531% 年間平均ベネフィット
(開発者100人当たり)
129万アプリケーション開発 ライフサイクルの高速化
66% ITスタッフの作業時間節減
(1アプリケーション開発当たり)
35% 収益増加(1企業当たり)
742万 ITインフラストラクチャと開発 プラットフォームのコスト削減
(1アプリケーション当たり)
38%
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IDC White Paper | Red Hat OpenShift のビジネス価値
概況技術紹介
企業は、これまで以上に、テクノロジーがあらゆる新しいイニシアティブの基盤となることを期待し
ている。事業部門の部門長に対するIDCの調査によると、より多くの企業が、テクノロジーの活用を
通してビジネスのどの部分においてデジタル変革が可能かを特定するために、IT部門が役立つと考
えている。これまでのやり方でテクノロジーに対処していては、ビジネスのエコシステムの変化に合
わせて技術革新を提供するには遅すぎる。自動化は、データストリームのリアルタイムな分析に基
づく意思決定を必要とし、それによってデジタルマーケティングキャンペーンの結果が向上する。新
しいツールを駆使するプロフェッショナル開発者達は、破壊的な力を持つ競争相手に後れを取らな
いために必要なソリューションを提供することで、企業をサポートしている。
デプロイメント中心のアプリケーションプラットフォームとDevOpsイニシアティブは、デジタルトラ
ンスフォーメーションの過程において企業にメリットをもたらす。IDCでは、クラウドアプリケーショ
ンプラットフォームは、アプリケーション開発の複雑さを抽象化する幅広いクラウドサービスによっ
てサポートされるPaaS(Platform-as-a-Service)ポートフォリオ全体の基盤であると考えている。アプ
リケーションの需要が増加するにつれ、PaaSソリューションの主なビジネスの推進力は、開発者が
コンセプトを採用し、ユーザーに価値を提供できることで得られる俊敏性である。まだ、成熟段階に
は至っていないが、Docker形式のコンテナパッケージとKubernetesコンテナオーケストレーション
が、最先端のPaaSソリューションの業界標準として新たに登場している。
レッドハットのOpenShift Container Platformには、コンテナベースのオープンソースツールが用意
されている。このツールを使用すると、インフラストラクチャを最適な状態で活用しながらデジタル
トランスフォーメーション、つまりアプリケーションの開発を加速できる。熟練した開発者は、予期
せぬイベントに迅速に対応できるアプリケーション構成を使用して、アプリケーションスタックのあ
らゆる側面を細かく制御できる。非常に安全なオペレーティングシステムの可用性は、継続的に変
化するセキュリティ上の脅威に対抗できるシステム環境の立ち上げを支援し、金融や医療などの
産業分野において非常に安全なアプリケーションの導入に役立つ。 OpenShift OnlineやOpenShift
Dedicated製品など、OpenShiftの複数の消費型(従量課金)モデルオプションの利用は、それぞれ
の環境に適したPaaSの採用を増やすための選択肢を顧客に提供する。
Red Hat Openshift
企業はクラウドを採用していくさまざまな段階にある。 IDCのCloudView Surveyによると、回答者
は先進的な企業で採用されているオープンソーススタンダードに高い関心を示している。Red Hat
OpenShiftは、主にDockerコンテナ上に構築され、Kubernetesコンテナクラスター管理を使用
して編成されたオープンソースのコンテナアプリケーションプラットフォームである。OpenShift
は、Webフレームワーク、データベース、コネクターから、モバイルや外部バックエンドに至るまで、
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IDC White Paper | Red Hat OpenShift のビジネス価値
幅広いプログラミング言語とサービスをサポートしている。OpenShiftプラットフォームは、クラウド
ネイティブのステートレスアプリケーションと、従来型のステートフルアプリケーションの両方をサポー
トする。
OpenShiftは、Red Hat JBoss Middlewareおよびアプリケーションサービス、ビジネスプロセス管理
(BPM)ソフトウェア、API管理、Red Hat Mobile、Red Hat Glusterコンテナストレージ、統合コンテナ
およびクラウドインフラストラクチャ管理向けRed Hat CloudFormsなどの、レッドハットの包括的な
コンテナ最適化ソリューションの基盤である。
Red Hat OpenShiftが対象とする主なITイニシアティブは次の通りである。
» 俊敏性とDevOpsメソドロジーによるアプリケーション展開の加速:OpenShiftは、開発と運用の両
チームに共通のプラットフォームを提供することで、アプリケーションコンポーネントの一貫性と標
準化を確実に行い、構成エラーを排除して、新機能の本番環境への実装から稼働までを自動化す
る。さらに、障害発生時にはそのロールバックを両チームが同時に行うことができる。セキュリティ
レベルと規制要件が高い環境では、ポリシーとロールベースのアクセス制御を強化するための追
加機能が提供される。
» マイクロサービスに向けたアプリケーションアーキテクチャのモダナイゼーション:OpenShiftは、従
来のステートフルアプリケーションと共に、クラウドネイティブのマイクロサービスアプリケーショ
ン用の共通プラットフォームを提供する。アプリケーションフレームワーク、プログラミング言語、
および開発ツールの幅広い選択によって、顧客は革新的なアプリケーションのプロトタイプ作成を
より迅速に行うことができる。OpenShiftはまた、幅広いレッドハットおよびサードパーティ製アプ
リケーションと、ミドルウェアサービス、API管理、およびストレージサービスへのアクセスを可能に
する。
» ハイブリッドクラウドの導入に一貫したアプリケーションプラットフォームを採用:基盤となるインフ
ラストラクチャとアプリケーションの依存関係を切り離したいIT企業は、複数のクラウド環境とデー
タセンターのフットプリントにアプリケーションを移行および展開する方法としてコンテナ技術を
採用している。OpenShiftは、インフラに関係なく、一貫したアプリケーション開発と展開プラット
フォームを提供し、運用チームにスケーラビリティのある安全なエンタープライズクラスのアプリ
ケーションプラットフォームと統合されたコンテナおよびクラウド管理機能を提供する。
OpenShiftは、主に2つの消費型モデルを提供する。OpenShift Container Platformは、自社のデータセ
ンターやパブリッククラウドプロバイダー、およびクラウドベースのサービスで、OpenShiftを展開およ
び管理したい企業向けである。OpenShift Onlineは、個々の開発者を対象としたマルチテナントのク
ラウドベースのサービスであり、OpenShift Dedicatedは、企業顧客向けのシングルテナントのクラウド
ベースのサービスである。
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IDC White Paper | Red Hat OpenShift のビジネス価値
Red Hat Openshift プラットフォーム上での開発のビジネス価値調査対象
IDCは、企業の業務アプリケーションやサービスの開発、ビジネス成果やITコスト構造への影響を
理解するために、Red Hat OpenShiftプラットフォームを実稼働している9社にインタビューを実施
した。従業員規模100人未満のサービスプロバイダーから、世界規模で事業を展開する多国籍企
業や従業員規模10万人以上の企業まで、さまざまな国や業界からの情報が提供された (TABLE 1
を参照)。
Red Hat OpenShift の選択と利用
インタビュー対象のレッドハットのユーザー企業は、規模や業界は多岐に渡るが、同じような課題と
イニシアティブのためにOpenShiftプラットフォームを選択した。これらのユーザー企業は、競合関
係にある複数のベンダーのプラットフォームや自社独自のツールなど、さまざまなレガシー環境か
らOpenShiftに移行した。しかし、自社が必要とするアプリケーション開発において俊敏性、スケーラ
ビリティ、品質の達成はそれほど容易でないことも認識した。企業はOpenShiftを使用して、パブ
リックおよびハイブリッドクラウドの移行、コンテナ化、マイクロサービスの使用など、重要で広範なIT
イニシアティブをサポートする堅牢で柔軟なオープンソース開発プラットフォームを模索した。ある
企業は以下のようにコメントした。
n = 9
Source: IDC, 2016
インタビュー対象企業の概要 平均 中央値
従業員数 44,000 10,000
ITスタッフ数 2,913 975
ITユーザー数 38,800 8,000
国 米国、フランス、アイルランド、スイス、 およびイギリス
業種 通信、教育、金融サービス、ホスティング、 IT/テクノロジー、小売、および運輸
TABLE 1
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IDC White Paper | Red Hat OpenShift のビジネス価値
「OpenShiftによって、マイクロサービスを展開するためのマルチテナントなプラットフォームが提供されるため、それらを互いに重ね合わせることができます。当社では、IaaS、PaaS、CaaS(Containerasaservice)を含むプライベートクラウドを運営しています。これらはすべて、アプリケーションを構築するために使用できるさまざまなリソースです。OpenShiftは、従来のモノリシックなアプリケーションとは異なるマイクロサービスアーキテクチャのパラダイムに適応する能力を我々に提供してくれています」
「OpenShiftによって、マイクロサービスを展開するためのマルチテナントなプラットフォームが
提供されるため、それらを互いに重ね合わせることができます。当社では、IaaS、PaaS、CaaS
(Container as a Service)を含むプライベートクラウドを運営しています。これらはすべて、アプリ
ケーションを構築するために使用できるさまざまなリソースです。OpenShiftは、従来のモノリシ
ックなアプリケーションとは異なるマイクロサービスアーキテクチャのパラダイムに適応する能力
を我々に提供してくれます」
インタビュー対象企業のOpenShiftの使用は、企業の多様なIT環境と、さまざまなイニシアティブと
テクノロジーに対応し、サポートできるプラットフォームの必要性を示している。当然のことながら、
インタビュー対象企業の9社のうち8社が、仮想環境でOpenShiftを頻繁に使用していると報告して
おり、その中の数社はパブリッククラウドとOpenStack環境で使用していた。すべてのインタビュー
対象企業は、OpenShiftによってコンテナ化、DevOps、およびプライベートクラウドイニシアティブ
がサポートされていると報告し、9社のうち8社はOpenShiftを使用してマイクロサービスをより広く
活用していると回答した。2社はすでにハイブリッドクラウド環境でOpenShiftを使用しており、他の
回答企業もハイブリッドクラウド環境での開発にOpenShiftを使用する意向を示している。
TABLE 2は、これらの企業におけるOpenShiftプラットフォームの重要な使用範囲を示している。650
人以上のDevOpsとアプリケーション開発チームのメンバーが、年間平均386種類の新しいアプリ
ケーションと主要機能を開発している。このような開発活動の範囲では、これらの企業にとって堅牢
で効率的、そして信頼性の高い開発プラットフォームが不可欠である。
n = 9
Source: IDC, 2016
Red Hat OpenShift の開発環境 平均 中央値
新規ビジネスアプリケーション/主要機能の数(年間) 386 35
DevOpsチームメンバーの数 285 50
その他のアプリケーション開発者の数 164 90
OpenShiftを使用するその他のスタッフの数 181 25
OpenShiftのセルフサービスユーザーの数 434 100
TABLE 2
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ビジネス価値の分析
インタビュー対象のレッドハットのユーザー企業は、異種混在のIT環境全体に渡る強力なアプリ
ケーションやサービスのタイムリーかつ柔軟な提供の実現によって、OpenShiftプラットフォームが
重要な価値を生み出していると報告した。その結果、企業の開発チームは、ITインフラストラクチャ
やプラットフォーム関連のコストから開発コスト構造を切り離した場合でも、ビジネスの要求をより
深く満たし、重要なITイニシアティブをサポートできる。IDCは、インタビュー対象企業が、以下の分
野で、5年間でアプリケーション開発者100人当たり年間129万ドル(1企業当たり578万ドル)の年間
平均ベネフィットを実現すると推計している(FIGURE 1を参照)。
» ITスタッフの生産性向上:DevOpsチームメンバーを含むアプリケーション開発者は、より多く
のアプリケーションと主要機能を提供し、OpenShiftプラットフォームでの展開に要する時間を
短縮している。これは開発者が実質的により多くの価値を企業に提供していることを意味する。
さらに、OpenShiftプラットフォームで開発されたアプリケーションでは、実稼働環境に移行した
時点で、管理に必要なスタッフの作業時間が節減される。IDCは、これらの企業が、5年間でアプ
リケーション開発者100人当たり年間平均81万4,500ドル(1企業当たり365万ドル)に達する、IT
スタッフの作業時間の節減と生産性の向上を実現すると試算している。
» ビジネスの生産性向上:OpenShiftプラットフォーム上の強力で高品質のビジネスアプリケー
ションとサービスに対する需要を満たすことは、業績の向上と従業員の生産性の向上につなが
る。IDCは、OpenShift上での開発に起因する高い営業利益率と従業員の生産性の価値を、5年
間でアプリケーション開発者100人当たり年間平均29万1,100ドル(1企業当たり131万ドル)と
評価している。
» ITインフラストラクチャのコスト削減:OpenShiftプラットフォーム上での開発は、コンテナ化、マイ
クロサービス、マルチテナント性のサポートによって、テスト用と本番用のサーバーの台数を抑
えられ、アプリケーション開発の機会と本数が増えても、インタビュー対象企業のインフラストラ
クチャコストは削減できている。IDCは、インタビュー対象企業が、インフラストラクチャとプラッ
トフォーム関連のコストについて、5年間でアプリケーション開発者100人当たり年間平均17万
4,200ドル(1企業当たり78万ドル)を節約できるようになったと推計している。
» リスク軽減:ユーザーの生産性向上:OpenShiftプラットフォーム上で開発されたアプリケーション
は、ユーザーやビジネスに影響を与えるような稼働停止の回数が減少する。IDCは、インタ
ビュー対象企業が、5年間でアプリケーション開発者100人当たり年間平均9,200ドル(1企業当た
り4万ドル)の生産性に費やす時間を節約できるようになったと推計している。
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IT スタッフの生産性向上
インタビュー対象のレッドハットのユーザー企業は、OpenShiftプラットフォームへの移行によって、
従業員や顧客に、よりタイムリーで効率的、費用効果の高いビジネスアプリケーションやサービスを
提供できるようになったと報告している。これらの企業にとって、OpenShiftがアプリケーションの開
発作業に最も顕著に影響を与えているが、プラットフォームは継続的にアプリケーションの統括と
管理を担当するITスタッフの効率性も高めている。
アプリケーション開発の有効化
インタビュー対象のレッドハットのすべてのユーザー企業は、OpenShiftプラットフォームは、自社
のアプリケーション開発力の向上に有効という意見で一致した。DevOpsチームや他の開発者に
とっては、仮想、クラウドおよびコンテナ化された環境など、異種混在のIT環境全体でOpenShiftを
使用して容易に開発できるというメリットがある。この柔軟性によって、ユーザー企業はITエコシス
テム全体に渡ってOpenShiftという共通の開発プラットフォームを持つことができるため、さまざま
な種類のアプリケーションに異なるツールやアプローチを使用することから生じる非効率性を排除
できる。さらに、OpenShiftはコンテナベースであるため、開発者は開発を迅速に行うことができ、
アプリケーション開発に対するマイクロサービスのアプローチに対して開発者の柔軟性を高めるこ
とができる。
FIGURE 1
アプリケーション開発者100人当たりの平均年間ベネフィット
(単
位:ド
ル、ア
プリ
ケー
ショ
ン開
発者
100人
当た
り)
140万
120万
100万
80万
60万
40万
20万ITスタッフの生産性のベネフィット
ビジネス生産性のベネフィット
リスク軽減:ユーザー の生産性の向上
アプリケーション開発者100人当たりの平均年間ベネフィット:129万ドル
ITインフラストラクチャ のコスト削減
81万4,500ドル
17万4,200ドル
9,200ドル
29 万1,100ドル
Source: IDC, 2016
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IDC White Paper | Red Hat OpenShift のビジネス価値
これらの技術的イニシアティブの他に、インタビュー対象企業は、開発チームの俊敏性、迅速性、効
率性を高めるものとしてOpenShiftプラットフォームの機能を次のように挙げている。インフラスト
ラクチャリソースとアプリケーションコンポーネントのセルフサービスプロビジョニング、ハードウェ
アからのアプリケーションの抽出、リリースの自動化とオーケストレーションの活用、さまざまな開
発言語向けのOpenShiftのサポート、および一連の開発ツールである。結果として、これらの企業の
開発者は、効率的かつ効果的なアプリケーションやサービスの開発に使われる高度に機能的で統
一されたプラットフォームから十分な恩恵を受けていると言える。
インタビュー対象企業によると、DevOpsチームや他の開発者は、OpenShiftプラットフォームでよ
り高い効率性を生み出している。インタビュー対象のレッドハットのユーザー企業は、アプリケー
ション開発者とITインフラストラクチャチームの両方が、タイムリーかつ効果的な方法で開発作業を
サポートできるようにすることで、アプリケーションと主要な機能リリースの展開サイクルを平均で
66%高速化した。さらに、この効率性によって、ユーザーや顧客に役立つより多くのアプリケーショ
ンと機能(36%)のリリースが可能になった(ユーザー採用率は136%向上) (TABLE 3を参照)。イン
タビュー対象企業のITマネージャーは、OpenShiftの影響について以下の例を挙げた。
» より速い開発ライフサイクル:「OpenShiftを使うことの本当の価値は、当社のビジネスが実に早
く市場に展開できるようになったことです。プラットフォームを取り囲むコミュニティを作ること
は本当に困難なことです。OpenShiftには、プロジェクトのユーザーと貢献者の素晴らしいコミュ
ニティがあります。そのため、新しい機能の作成やバグ修正において、当社が競合他社よりも素
早く動くことに、OpenShiftが役立っていることを感じています」
» より多くのアプリケーションと機能の提供:「当社では、OpenShiftを使用して年間20種類のアプリ
ケーションをリリースしていますが、もしOpenShiftがなかったら最大でも10種類程度になるで
しょう。当社は、今や4倍のスピードで動いています。6週間から8週間かかっていたものが、今で
は2週間で済みます。当社では土台から作り直しているわけではありませんので、その分、品質は
高くなります。それはビジネスの成長を支えています。OpenShiftのおかげで、年間で少なくとも
数十万ドルの収益を上げることができているでしょう」
» アプリケーション品質の向上:「OpenShiftは、テストできる環境が豊富なため、当社のアプリケー
ションの品質が向上しました。そのため当社では、開発、QA、そしてUATの、さまざまな段階での
テストを行うことができます。また、環境を構築するための俊敏性が高くエラーを起こしにくい
ため、特に実装とリリースに関して、大きな影響がありました」
これらの評価が示すように、開発チームはOpenShiftプラットフォームでより短時間で多くのアプリ
ケーションと機能を提供できる。別の言い方をすれば、開発チームは、チーム規模に比例する拡大
を必要とせずに、より多くのプロジェクトを引き継ぎ、強化された機能の要求を満たすことができ
る。OpenShiftプラットフォームに起因する開発チームのこの効率性は、新しいアプリケーションや
機能に対して企業や従業員の要求レベルが高いほど、インタビュー対象企業にとって大きな価値
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をもたらす。インタビュー対象企業は、開発する新しいアプリケーションや機能ごとに必要となる
スタッフの作業時間を平均で35%節減できたと報告している。これは、業務を支援するために、平
均で何百人もの開発者がOpenShiftプラットフォームで作業している企業にとって、重要な効率性で
ある(FIGURE 2を参照)。
アプリケーション開発の主要メトリクス Red Hat Red Hat OpenShift 導入前 OpenShift 導入後 差異 改善率 (%)
アプリケーション/主要機能の数 284 386 102 36 (年間開発当たり)
アプリケーション開発のライフサイクル(週) 28 10 18 66
ユーザーによるアプリケーションの採用(%) 28 66 38 136
TABLE 3
Source: IDC, 2016
FIGURE 2
ITスタッフの効率性:アプリケーションの開発と管理
Source: IDC, 2016
1,659
1,073
Red Hat OpenShift 導入前
Red Hat OpenShift 導入後
35% 減少
(アプリケーション開発ごとの時間)
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「OpenShiftの良い点は、インフラストラクチャチームがアプリケーションを必要に応じて適切に移動させることができるため、アプリケーションを中断することなくインフラストラクチャをアップグレードできることにあります。OpenShiftが提供するコンテナの移植性によって、アプリケーションとそれが実行されるインフラストラクチャとの間の抽象化レイヤーを利用できるようになります」
アプリケーション管理の効率化
インタビュー対象企業は、アプリケーション開発チームの効率性を高め、アプリケーションのより効
率的な管理とサポートを実現するため、OpenShiftプラットフォームを利用している。インタビュー
対象企業では、アプリケーションの日常管理のために必要なスタッフの作業時間が、平均で19%節
減できたと報告した。ある企業では、OpenShiftを使用してコンテナ化を活用する能力にアプリケー
ションを管理する際の効率性を結び付けた。
「OpenShiftの良い点は、インフラストラクチャチームがアプリケーションを適切な場所に移動させ
ることができるため、アプリケーションを中断することなくインフラストラクチャをアップグレードで
きることにあります。OpenShiftが提供するコンテナの移植性によって、アプリケーションとそれが実
行されるインフラストラクチャとの間の抽象化レイヤーを利用できるようになります」
インタビュー対象企業は、OpenShiftがアプリケーションの効率的な管理をどのようにサポートして
いるかという点について、以下の例を挙げた。
» システム停止や開発チームとの緊密な連携を必要としない容易なパッチ適用
» 一貫性を促進し、リリース時のエラーを削減することによりチームの時間を節減するリリースの
自動化
» さまざまなIT環境でのアプリケーションのサポートによって、サービスレベルの保証とアプリケー
ション構成の管理におけるスタッフの作業時間を節減
» エラーを修正し、アプリケーション関連の問題に対応するためのスタッフの作業時間の
短縮につながる、OpenShiftプラットフォームで作成されたアプリケーションの品質。イン
タビュー対象企業は、Red Hat OpenShiftの実稼働環境で、アプリケーションやサービスで必要
とされるヘ ルプ デスクスタッフの 作 業 時 間 が 平 均で 4 9 % 節 減され たと報 告している。
ビジネスの生産性向上
インタビュー対象企業は、Red Hat OpenShiftプラットフォームでより機能的なアプリケーションや
サービスを短時間で提供することで、ビジネスオペレーションと事業部門に対しより良いサポート
を行っている。アプリケーション開発の努力によって得られるビジネス関連のメリットとして、企業に
もたらした効果は以下の通りである。
» アプリケーションとサービスの迅速な提供:アプリケーションとサービスのより迅速な展開は、ビ
ジネスチャンスにより望ましい対応がなされ、従業員が最大限の効果で業務を遂行するために
必要なツールを備えていることを意味する。
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「OpenShiftでより多くの収益を生み出しており、当社では効率性がさらに向上しました。ビジネスクリティカルな製品を迅速に投入でき、市場の要求に応えられるようになっています」
» 開発者に自由にできる時間を提供:開発者に自由にできる時間を提供することで、アプリケー
ションやサービスの革新性と機能性が向上し、ビジネスをさらに促進し、従業員の生産性を向
上できる。
» 業務の改善:顧客対応のサービスとインターフェースを開発する組織のビジネスに対する見
通しは、顧客の要求を満たす能力と密接に関連している。インタビュー対象企業は、OpenShift
プラットフォームのメリットをいかに活用して業務を改善し、従業員の能力の有効化について、
多くの例を示した。
» スピードによってビジネスの要求に応えている企業の見解:「OpenShiftでより多くの収益を生み
出しているので、当社はより効率的になっています。これによって、ビジネスクリティカルな製品
を迅速に投入でき、市場の要求に応えることができます」
» 新しいサービスでビジネスの要求に対応している企業のコメント:「当社は、OpenShiftプラット
フォームを使用して、新しい市場に参入することができました。すでに収益が上がっています」
» アプリケーションとサ ービスの 市 場 投 入まで の 時 間を短 縮している企 業 の 見 解:「 当 社
は、OpenShiftを使用して、新しいアプリケーションやサービスを市場に投入する時間を大幅に
短縮しました。つまり、当社では内部向けと外部向けの両方で、新しいアプリケーションをより迅
速に提供する能力があるということです。当社は必ずしもより多くの収益を得るわけではありま
せんが、より速く収益を得ています」
» 顧客の選択とエンゲージメントの改善:「時間が節減されるだけではありません。可能性の提供
です。ユーザーは従来できなかったことを実行できるようになりました。必ずしも時間が節減さ
れるわけではありませんが、ユーザーはOpenShiftでより良いソリューションを手に入れてい
ます」
TABLE 4は、OpenShiftプラットフォームへの移行が、インタビュー対象企業の業績に大きな影響を
与えていることを示している。インタビュー対象企業では、ビジネス機会の改善と顧客の要求するア
プリケーションとサービスの提供をより効果的に行えるようになったことが、5年間においてアプリ
ケーション開発者100人当たり年間平均165万ドル(1企業当たり742万ドル)の業績改善につな
がったとしている。インタビュー対象企業は、この収益の増加に加えて、よりタイムリーなアプリケー
ションの展開とユーザーエクスペリエンスの向上を事業部門に提供することでメリットを得ている。
その結果、複数の従業員グループの生産性が向上し、TABLE 4に示されている運用効率が得られた。
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「OpenShiftとそのマルチテナント機能を使用することによって、1つのホストに5倍の顧客数を割り当てられます。これは、コスト構造に大きな影響を与えます。私は、顧客当たりのインフラストラクチャコストが、80%から20%に低下したと推定しています」
IT インフラストラクチャのコスト削減
インタビュー対象企業は、OpenShiftによるアプリケーション開発の取り組みに関連するコストを
最適化し、アプリケーションごとのコストを削減して、アプリケーション開発のための予算の多く
をスタッフ費用に移行させている。ほぼすべてのインタビュー対象企業では、OpenShiftプラッ
トフォームへの移行によって、インフラストラクチャとプラットフォームソリューションのコスト
から、OpenShiftプラットフォームのコストを平均38%削減したと報告している(FIGURE 3を参照)。
要するに、インタビュー対象企業は、開発をサポートするサーバー台数を削減し、より高額な開発
プラットフォームからシフトすることで、これらのコスト削減を実現している。
その結果、インタビュー対象企業は、インフラストラクチャとアプリケーション開発プラットフォーム
のコストを、アプリケーションごとに年間平均で38%削減している。ある企業は、OpenShiftとの統合
能力を挙げた。 「当社では、同じ台数のサーバーで、さらに多くのアプリケーションを導入できまし
た。当社の総設置面積のうち、およそ200台少ない仮想マシンに同数のアプリケーションを導入しま
したが、これは、1台当たり数万ドルのコストがかかる40〜50台の物理マシン相当だと私は考えて
います」
ある企 業 の、OpenShi f t の マル チテナント性 に お けるコスト効 率 の 高さに つ いての 見 解:
「OpenShiftとそのマルチテナント機能を使用することによって、1つのホストに5倍の数の顧客数
を割り当てられます。これは、コスト構造に大きな影響を与えます。私は、顧客当たりのインフラスト
ラクチャコストが、80%から20%に低下したと推定しています」
Source: IDC, 2016
ビジネスオペレーションの影響:収益とユーザーの生産性 企業当たり アプリケーション 開発者100人当たり
収益への影響
1年当たりの追加総収益 742 万ドル 165 万ドル
想定営業利益率 15% 15%
1年当たりの総営業利益への影響 111 万ドル 24万8,100ドル
ユーザーの生産性
1年当たりに得られた生産的な時間 5,186 時間 1,156 時間
得られる生産性の価値 19万3,100ドル 4万3,040ドル
TABLE 4
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IDC White Paper | Red Hat OpenShift のビジネス価値
ROI 分析
IDCは、従業員と顧客にアプリケーションと機能を開発し提供するRed Hat OpenShiftプラットフォームを使用
している9社に対してインタビューを実施した。IDCでは、本調査の分析の基準を提供するために、このイン
タビュー結果を記録した。IDCは、以下の3つのステップからなる方法を使用して投資対効果(ROI)の分析を
行った。
1. 相対評価に基づくインタビューによる定量的なベネフィットに関する情報の収集:本調査では、ベネフィッ
トとして、スタッフの作業時間効率と生産性の向上、企業収益の増加分、サーバー関連とアプリケーショ
ン開発プラットフォーム関連のコスト効率が挙げられる。
2. インタビューに基づいた、完全な投資プロファイル(5年間の総コスト分析)の作成:投資にはRed Hat
OpenShiftの使用に係る年間コストだけではなく、移行、計画、コンサルティング、設定あるいは保守、
スタッフ/ユーザーのトレーニングなどのソリューションに関連する追加費用も含まれる。
3. ROIおよび投資回収期間の計算:IDCでは、これらの企業における5年間のRed Hat OpenShiftの使用に
関するベネフィットと投資の割引後キャッシュフロー分析を実施した。ROIは、従来のアプリケーション
開発プラットフォームや環境との比較で達成したベネフィットに基づく、正味現在価値(NPV)と割引
後投資額の比率である。投資回収期間は、ベネフィットの累積金額が投資費用を超えるまでの期間を
指す。
FIGURE 3
年間当たりのインフラストラクチャと開発ソリューションのコスト
10,000
9,000
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
$1,371
$1,008
Red Hat OpenShift 導入前
Red Hat OpenShift 導入後
38% のコスト効率の改善
n 年間開発ソリューションn 年次サーバー関連
(単
位:ド
ル、年
間当
たり
のア
プリ
ケー
ショ
ン単
位)
$7,648
$4,613
合計:9,019ドル
合計:5,621 ドル
Source: IDC, 2016
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IDC White Paper | Red Hat OpenShift のビジネス価値
TABLE 5は、本調査でのインタビュー対象となったレッドハッドユーザー企業における、OpenShift
プラットフォームの使用に基づいた平均割引後ベネフィット金額、割引後投資額、および投資対効
果に関するIDCの分析を示している。IDCは、これらの企業が、5年間でアプリケーション開発者100
人当たり割引後年間平均72万ドル(1企業当たり322万ドル)の投資を行うと推計している。その引
き換えに、これらの企業は、5年間でアプリケーション開発者100人当たり割引後年間平均453万ドル
(1企業当たり2,031万ドル)に相当するビジネス上のベネフィットを達成すると推計している。これ
は、OpenShiftへの投資における平均5年間のROIと同等(531%)で、損益分岐点は平均8か月にな
ると推計される。
課題と市場機会レッドハットは、クラウドの導入で企業がオープンソースツールを使用することを前提として、
サポート付きオープンソースソフトウェアを提供するビジネスモデルを構築している。すべての発
展がクラウドで生まれた企業によって示されているにもかかわらず、企業には新規のテクノロジー
を活用して混乱に対処するスキルが不足している。レッドハットは、コンテナアプローチによる移植
性とインフラストラクチャの最適化を利用するためにOpenShiftアーキテクチャを変更したが、一方
で同社は、新しいアプリケーション展開モデルを活用するために企業が自社の企業文化をどのよう
に適応させるべきかについて、その問題意識を高める方向に向かわせるという、難しい課題に直面
している。
Source: IDC, 2016
5年間のROI分析 企業当たり アプリケーション 開発者100人当たり
ベネフィット(割引後) 2,031 万ドル 453 万ドル
投資(割引後) 322 万ドル 72 万ドル
正味現在価値(NPV) 1,709 万ドル 381 万ドル
投資収益率(ROI) 531% 531%
投資回収期間 8 か月 8 か月
割引率 12% 12%
TABLE 5
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IDC White Paper | Red Hat OpenShift のビジネス価値
結論企業は、クラウドへの移行、コンテナ化、マイクロサービスなどの技術的イニシアティブが成立する
につれて、ますます多様化するIT環境においてビジネスが要求するスピードでアプリケーション、
機能、サービスを提供する必要がある。これらのテクノロジーは、より効率的かつ効果的なITサービ
スの保証を提供するが、適切な技術プラットフォームとソリューションが整っていなければ、企業が
そのベネフィットを実現するのは難しいであろう。
IDCの調査によると、レッドハットのユーザー企業は、OpenShif tを異種混在のIT環境全体
の 統 合 開 発プラットフォームとして活 用し、ユ ー ザ ー 企 業 のアプリケーション 開 発 作 業 を
可 能 にしている。O p e n S h i f tプラットフォームを使 用 することで、企 業 はより多くのアプリ
ケーションと機 能 を 短 時 間で 提 供し、顧 客 や 事 業 部 門 が 必 要とする機 能 を 提 供している。
結 果として、これらの 企 業 は 、D e v O p sとアプリケーション 開 発 チ ー ム の 高 い 生 産 性 から
大 きな 付 加 価 値 を 得 て、サ ー バ ー ハ ードウェアや そ の 他 の 開 発 ツ ー ル のコストの 削 減 に
よって多くの収益を生み出し、アプリケーション開発作業をよりコスト効率の良いものにする。
付録本プロジェクトにおいてはIDCの標準的なROIの方法論が使用されている。この方法論では、Red
Hat OpenShift Container Platformの現行ユーザーに対するインタビューによって収集したデータ
をモデルの基盤としている。このインタビューに基づき、IDCでは以下の3つのステップのプロセス
からなるROIと投資回収期間の計算を行っている。
» ITコストの削減(スタッフ、ハードウェア、ソフトウェア、保守、ITサポート)、ユーザー生産性の
上昇、展開期間における収益改善による節減効果の測定
» ソリューション導入に係る投資および導入に伴う移行、トレーニング、サポートに係るコストの
確認
» 5年間のコストおよび節減額の予測と、ソリューション導入のROIと投資回収期間の算定
IDCでは、投資回収期間とROIの計算において多数の前提を使用している。これらの前提を以下に
要約して示す。
» 効率性と管理者の生産性による節減の定量化において、時間の価値は会社負担を含む給与
(給与に福利厚生および諸経費として28%を加算)を乗じて計算される。
» ダウンタイムの価値は、ダウンタイムの時間と影響を受けるユーザー数を乗ずることによって
計算される。
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IDC White Paper | Red Hat OpenShift のビジネス価値
» 計画外ダウンタイムの影響は、エンドユーザーの生産性の損失と逸失収益によって定量化される。
» 生産性の損失は製品ダウンタイムに会社負担を含む給与を乗じて算定される。
» 逸失収益はダウンタイムに時間当たりの平均収益を乗じて算定される。
» 5年間の節減額の正味現在価値は、元の節減額からそれを12%の利回りの商品に投資した場合に
実現されたであろう金額を減ずる(逸失される機会のコストを計算に入れるため)ことによって算定
される。これによって、想定される資金コストおよび想定される収益率の両方が計算に組み入れら
れる。
ダウンタイムのすべてが、生産性または収益の失われた時間と等しくなるわけではないため、IDCで
はダウンタイムの一定比率のみを節減額の計算に算入している。IDCでは分析の一環として調査対象
の各社に対して、生産性向上による節減と逸失収益の削減の計算に使用されるダウンタイムの比率を
たずねている。この比率を使用して収益の減額が行われる。
さらに、ITソリューションには導入期間が必要であるため、導入期間においてはすべてのベネフィットを
得ることはできない。この現実を反映させるため、IDCではベネフィットを月次ベースに比例配分し、初
年度の節減額から導入期間に当たるベネフィットを減じている。
注:本調査レポートにおけるすべての数値は四捨五入のため完全に厳密なものではない場合がある。
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