在宅における脳卒中のリハビリテーション 訪問リハ...
Post on 07-Mar-2020
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在宅における脳卒中のリハビリテーション
訪問リハビリ経験から
在宅における脳卒中のリハビリテーション
訪問リハビリ経験から
地域リハビリ支援室・タムラ
田村 茂
地域リハビリ支援室・タムラ
田村 茂
維持期維持期
回復期回復期 維持期維持期
維持期リハビリテーション維持期リハビリテーション
• ①機能維持・改善
• ②ADLの拡大
• ③心のケア
• ④人間関係の拡大
• ⑤新しい生活の組み立て
• ⑥QOLの向上
• ①機能維持・改善
• ②ADLの拡大
• ③心のケア
• ④人間関係の拡大
• ⑤新しい生活の組み立て
• ⑥QOLの向上
社会的孤立の予防社会的孤立の予防
by大田仁史by大田仁史
訪問看護ステーションでの関わり方訪問看護ステーションでの関わり方
A指導のみA指導のみ
B指導と定期的訓練B指導と定期的訓練
C定期訓練C定期訓練
A指導のみA指導のみ
B指導と定期的訓練B指導と定期的訓練
2006年以前 2006年以降
心身機能身体構造心身機能身体構造
健康状態健康状態
参加参加活動活動
環境因子環境因子 個人因子個人因子
WHO国際生活機能分類(ICF)WHO国際生活機能分類(ICF)
訪問リハビリの内容 by石川誠訪問リハビリの内容 by石川誠
①廃用症候群の予防と改善
②基本動作能力の維持・改善
③ADLの維持・回復
④IADLの維持・回復
⑤対人・社会交流の維持・拡大
⑥介護負担の軽減
⑦福祉用具利用・住宅改修の援助
心身機能・機能構造
活動
参加
環境因子
維持期リハビリテーション維持期リハビリテーション
• ①機能維持・改善
• ②ADLの拡大
• ③心のケア
• ④人間関係の拡大
• ⑤新しい生活の組み立て
• ⑥QOLの向上
• ①機能維持・改善
• ②ADLの拡大
• ③心のケア
• ④人間関係の拡大
• ⑤新しい生活の組み立て
• ⑥QOLの向上
社会的孤立の予防社会的孤立の予防
by大田仁史by大田仁史
装具の工夫装具の工夫
SLB(靴べら式短下肢装具)
では住宅改修した床では滑るせっかく歩行できるのに車椅子で移動していた。
SLB(靴べら式短下肢装具)
では住宅改修した床では滑るせっかく歩行できるのに車椅子で移動していた。
短下肢靴べら式プラスチック装具に 滑り止めの工夫短下肢靴べら式プラスチック装具に 滑り止めの工夫
80歳代の女性左足関節下垂で短下肢装具を処方された事例です。いざ家庭に帰るとフローリングの床で装着すると、滑って怖くて恐々歩行していたそうです。
それで安全に歩行するために、自ら浅いソックスに市販の網目の滑り止めマットを縫いつけ固定したことで滑ることなく歩行可能になりました。最近このような工夫を必要とする事例を経験します。
是非、装具処方の際、住環境の情報を得るとともにフォローアップが重要です。
80歳代の女性左足関節下垂で短下肢装具を処方された事例です。いざ家庭に帰るとフローリングの床で装着すると、滑って怖くて恐々歩行していたそうです。
それで安全に歩行するために、自ら浅いソックスに市販の網目の滑り止めマットを縫いつけ固定したことで滑ることなく歩行可能になりました。最近このような工夫を必要とする事例を経験します。
是非、装具処方の際、住環境の情報を得るとともにフォローアップが重要です。
網目の滑り止めを貼った浅いソックス
網目の滑り止めを貼った浅いソックス
初めて装具を作製した事例装具を修理した事例新しく作製しなおした事例
初めて装具を作製した事例装具を修理した事例新しく作製しなおした事例
内容クレッグ・スコットタイプLLBリングロック式ターメルジョイント付きLLB肘関節ターメルジョイント付き装具膝関節ターメルジョイント付き装具SLB靴べら式プラスチック装具ジレットタイプSLB軟性プラスチックSLBオルトップ頚椎装具など
内容クレッグ・スコットタイプLLBリングロック式ターメルジョイント付きLLB肘関節ターメルジョイント付き装具膝関節ターメルジョイント付き装具SLB靴べら式プラスチック装具ジレットタイプSLB軟性プラスチックSLBオルトップ頚椎装具など
重要なのは生活に適応する装具重要なのは生活に適応する装具
身体的観点身体的観点
生活場面からの観点生活場面からの観点
利用される装具
利用される装具
継続的チェック
在宅で福祉用具(装具)を作成する在宅で福祉用具(装具)を作成する
外来通院外来通院
あり
ない
病院で作製病院で作製
かかりつけ医かかりつけ医 在宅で作製在宅で作製
在宅で採型
かかりつけ医への説明義肢装具士への連絡協力依頼
かかりつけ医への説明義肢装具士への連絡協力依頼
担当PTかOTへ連絡協力依頼担当PTかOTへ連絡協力依頼
布団がベッドから落ちない工夫布団がベッドから落ちない工夫
右片マヒの方
寝返りすると掛け布団がずれて自分で直すことが困難で時間を要します。
サイドレールに洗濯バサミ、またクリップで布団をつまむことで解決します。布団の重さでクリップの数が違ってきます。
自助具の工夫自助具の工夫
服薬管理のあれこれ服薬管理のあれこれ
A.市販の挿入タイプを出し入れしやすいように斜めにカットし工夫
B.一日の服用時間にあわせ分類したお菓子の空き箱を利用
C.セロテープで貼り、取り外すことができるように基盤にはビニールを張り工夫
在宅訪問の中で小生が工夫したもの、又訪問看師さんが工夫したものです。
在宅生活を継続するためには健康管理するうえで服薬その管理は大変重要です。
図A.Bはパーキンソン氏病
図C左は脳卒中(高次脳機能障害)
図C右は後縦靱帯骨化症
トイレの移乗方法を記載添付
トイレの移乗方法を記載添付
『するADL』にむけての過程『するADL』にむけての過程
しているADLしているADL
いまできるADLいまできるADL
近い将来できるADL近い将来できるADL するADLするADLリハ・福祉用具
看護内容23の割合訪問看護ステーションにおける
①病状観察 93.6%
②日常生活の介助 72.3
③本人の療養指導 72.9
④家族の介護指導 70.0
⑤リハビリ 62.2
石川誠等による。1996年
連携(医療と)が欲しい時は?連携(医療と)が欲しい時は?
①装具を新たに作製したいとき(医師の処方)
特に身体障害(福祉)で作製する場合
②本人がフォローして欲しいと思っている場合
現疾患のみでなくリハビリの視点から
③急な増悪に対し集中的にサービスを必要とする場合
介護保険の定期サービスレベルでは困難
④ショートで介護施設を利用される場合
機能低下が多々みられる(レスパイト入院)
①装具を新たに作製したいとき(医師の処方)
特に身体障害(福祉)で作製する場合
②本人がフォローして欲しいと思っている場合
現疾患のみでなくリハビリの視点から
③急な増悪に対し集中的にサービスを必要とする場合
介護保険の定期サービスレベルでは困難
④ショートで介護施設を利用される場合
機能低下が多々みられる(レスパイト入院)
外来
入院
急性期
回復期 生活期
医療介護
本来の連携スタイルは本来の連携スタイルは
阻害される因子阻害される因子
• 1,他職種・他機関に対する無知
• 2,独自の専門用語を使ったためのコミュニケーションの失敗
• 3,支援者間の信頼の欠如や対抗意識
• 4,支援者,対象者それぞれの防衛的な態度
• 5,支援者の役割の不明確さと社会的地位の不安定さ
by Hornby 「Collaborative Care」
• 1,他職種・他機関に対する無知
• 2,独自の専門用語を使ったためのコミュニケーションの失敗
• 3,支援者間の信頼の欠如や対抗意識
• 4,支援者,対象者それぞれの防衛的な態度
• 5,支援者の役割の不明確さと社会的地位の不安定さ
by Hornby 「Collaborative Care」
提案・とりあえず今、可能なことから提案・とりあえず今、可能なことから
• 可能な限りフォーロアップを(特に装具装着者等に)
退院に際し
装具に問題が,生じた場合にどうするか
機能・ADL能力に問題が生じた場合どうするか
等を明確に本人・家族または連係先につたえる
もし可能なら定期・不定期的外来通院を継続できないか
(他科で通院されて直接リハ受診なくても顔だけでも見てくれないか)
• 可能な限りフォーロアップを(特に装具装着者等に)
退院に際し
装具に問題が,生じた場合にどうするか
機能・ADL能力に問題が生じた場合どうするか
等を明確に本人・家族または連係先につたえる
もし可能なら定期・不定期的外来通院を継続できないか
(他科で通院されて直接リハ受診なくても顔だけでも見てくれないか)
2004年「高齢者リハビリテーションのあるべき方向」高齢者リハビリテーション研究会(座長:上田敏)
2004年「高齢者リハビリテーションのあるべき方向」高齢者リハビリテーション研究会(座長:上田敏)
• ①急性期のリハ医療が十分に行われていないこと
• ②長期間に効果が明らかでないリハ医療が行われている
• ③医療から介護への連続するシステムが機能していない
• ④リハとケアとの境界が明確に区分なくリハとケアとが混同して提供されているものがある
• ⑤在宅におけるリハが十分でないこと
• ①急性期のリハ医療が十分に行われていないこと
• ②長期間に効果が明らかでないリハ医療が行われている
• ③医療から介護への連続するシステムが機能していない
• ④リハとケアとの境界が明確に区分なくリハとケアとが混同して提供されているものがある
• ⑤在宅におけるリハが十分でないこと
現状の要約から現状の要約から
①医学的管理下におけるPT.OT等の訪問サービスは
1988年に医療保険で制度化、現在、医療保険.介護保険の両方に位置づけられ、拠点は病院、診療所、老人保健施設、訪問看護ステーションとなっている.
②介護保険によるPT.OT.STの訪問サービスは病院、診療所、老人保健施設からの「訪問リハビリテーション」
訪問看護ステーションから「訪問看護7」に区分され
1例毎に看護職の訪問回数を超えてはならない
『介護保険におけるPTOTSTによる訪問サービスの現状分析と提言』日本リハビリテーション病院・施設協会 全国訪問リハビリテーション研究会 平成20年9月12日 より抜粋
①医学的管理下におけるPT.OT等の訪問サービスは
1988年に医療保険で制度化、現在、医療保険.介護保険の両方に位置づけられ、拠点は病院、診療所、老人保健施設、訪問看護ステーションとなっている.
②介護保険によるPT.OT.STの訪問サービスは病院、診療所、老人保健施設からの「訪問リハビリテーション」
訪問看護ステーションから「訪問看護7」に区分され
1例毎に看護職の訪問回数を超えてはならない
『介護保険におけるPTOTSTによる訪問サービスの現状分析と提言』日本リハビリテーション病院・施設協会 全国訪問リハビリテーション研究会 平成20年9月12日 より抜粋
現状には現状には
・ 訪問リハビリを必要としているのに応じきれない
マンパワーの不足(需要に応じれない)
介護(ケアプラン)による制限
(通常プランのみでなく急変時に対しても)
・フォローアップ体制
装具など福祉用具の不適合
医療(外来・リハビリ)の制限また断絶
・ その他
応益負担による制限
サービス提供側の未熟(無知)・怠慢・等
・ 訪問リハビリを必要としているのに応じきれない
マンパワーの不足(需要に応じれない)
介護(ケアプラン)による制限
(通常プランのみでなく急変時に対しても)
・フォローアップ体制
装具など福祉用具の不適合
医療(外来・リハビリ)の制限また断絶
・ その他
応益負担による制限
サービス提供側の未熟(無知)・怠慢・等
高齢者のリハビリテーションの目標高齢者のリハビリテーションの目標
40~64歳 現役壮年者 主体的社会活動
65~74歳 前期高齢者 主体的余暇活動
75~84歳 中期高齢者 依存的余暇活動
85~ 後期高齢者 無理せず余生を
楽しむ
40~64歳 現役壮年者 主体的社会活動
65~74歳 前期高齢者 主体的余暇活動
75~84歳 中期高齢者 依存的余暇活動
85~ 後期高齢者 無理せず余生を
楽しむ
by大田仁史by大田仁史
在宅療養者の七つの心在宅療養者の七つの心
• ①生活感覚の戸惑い• ②社会的孤立と孤独感• ③目標の変更ないし喪失• ④無力感• ⑤役割の喪失ないし変更• ⑥見えない可能性• ⑦障害の悪化や再発の不安
by大田仁史
• ①生活感覚の戸惑い• ②社会的孤立と孤独感• ③目標の変更ないし喪失• ④無力感• ⑤役割の喪失ないし変更• ⑥見えない可能性• ⑦障害の悪化や再発の不安
by大田仁史
意欲がない!?意欲がない!?
①よい関係づくり・訪問を待っている
②実現可能な具体的目標を
③継続可能なプログラム(生活の中に)
④意欲がないのではなく、意欲を引き出せない
対人交流と満足度対人交流と満足度
移動能力と満足度移動能力と満足度
再びいきいきするために再びいきいきするために
心理的心理的
身体的身体的
環境的環境的
技術技術関係・人・地域関係・人・地域
地域では地域では
• 人は年齢に応じたダイヤモンドである。
1歳は1カラット、90歳は90カラット、90カラットでさえ暗闇の中にほって置かれては光らない外からの光がないと光らない。関係をつける光が
by三好春樹
• 病院はすずめの学校、地域はめだかの学校
by大槻謙策
• 地域ではいきいきとした時間、空間,人間(じんかん)の拡大にある。 (さんまの法則)
• 人は年齢に応じたダイヤモンドである。
1歳は1カラット、90歳は90カラット、90カラットでさえ暗闇の中にほって置かれては光らない外からの光がないと光らない。関係をつける光が
by三好春樹
• 病院はすずめの学校、地域はめだかの学校
by大槻謙策
• 地域ではいきいきとした時間、空間,人間(じんかん)の拡大にある。 (さんまの法則)
リハ医療(回復期後)の見解リハ医療(回復期後)の見解
リハビリテーションとは目標と期間を限定に行なうプロセスである
(82年国連・障害者世界行動計画より)
リハビリテーションとは目標と期間を限定に行なうプロセスである
(82年国連・障害者世界行動計画より)
加齢や障害のため自立が期待できず、自分の力で保全をなしえない人々に対して最後
まで人間らしくあるように医療・看護・介護とともに行なう
(大田仁史:終末期リハビリテーションより)
加齢や障害のため自立が期待できず、自分の力で保全をなしえない人々に対して最後
まで人間らしくあるように医療・看護・介護とともに行なう
(大田仁史:終末期リハビリテーションより)
維持期維持期
回復期回復期
終末期終末期
いわゆる維持期と言われているが
いわゆる維持期と言われているが
今までの流れから地域では今までの流れから地域では
実態は?実態は?
終末期リハビリテーション終末期リハビリテーション
• ①清潔の保持
• ②不動による苦痛の解除
• ③不作為による廃用症候群の予防
• ④関節の変形・拘縮の予防
• ⑤呼吸の安楽
• ⑥経口摂取の確保
• ⑦尊厳ある排泄手法の確保
• ⑧家族へのケア
• ①清潔の保持
• ②不動による苦痛の解除
• ③不作為による廃用症候群の予防
• ④関節の変形・拘縮の予防
• ⑤呼吸の安楽
• ⑥経口摂取の確保
• ⑦尊厳ある排泄手法の確保
• ⑧家族へのケア
最後まで人間らしさの保障
最後まで人間らしさの保障
by大田仁史by大田仁史
工夫の経過工夫の経過
『するADL』にむけての過程『するADL』にむけての過程
しているADLしているADL
いまできるADLいまできるADL
近い将来できるADL近い将来できるADL するADLするADLリハ・福祉用具
『するADL』にむけての過程
しているADL
いまできるADL
近い
将来
でき
るADL
するADLリハ
福祉用具
リハ医療(回復期後)の見解リハ医療(回復期後)の見解
リハビリテーションとは目標と期間を限定に行なうプロセスである
(82年国連・障害者世界行動計画より)
リハビリテーションとは目標と期間を限定に行なうプロセスである
(82年国連・障害者世界行動計画より)
加齢や障害のため自立が期待できず、自分の力で保全をなしえない人々に対して最後
まで人間らしくあるように医療・看護・介護とともに行なう
(大田仁史:終末期リハビリテーションより)
加齢や障害のため自立が期待できず、自分の力で保全をなしえない人々に対して最後
まで人間らしくあるように医療・看護・介護とともに行なう
(大田仁史:終末期リハビリテーションより)
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