gmp適合性調査の...
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2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。
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2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
GMPとは何か
GMP(=Good Manufacturing Practice)
GMPとは、優良かつ均一な品質の製品を製造するための活動
医薬品の品質管理の手段として、製造所等の構造設備(ハード)並びにその製造管理及び品質管理(ソフト)について、製造業者が遵守しなければならない事項を明確化する
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・使用者さんが、安心してこの医薬品を使うために、製造所が行うべきこと・誰が作業しても、いつ作業しても、必ず同じ品質・高い品質の製品を作るために、行うべきこと
2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
GMPはなぜ必要なのか?
1937年(昭和12年)、米国で、有害な溶剤を含んだ化学療法剤で、107人の子供が死亡する事故が発生→FDAの権限が大幅に増強され、医薬品は販売開始前に安全であることを証明することが必要となった
1961年(昭和36年) サリドマイド事件
1971年(昭和46年)、製薬会社の工場で、輸液の細菌汚染事故が発生→GMPにバリデーション(検証)という新たな概念が追加された
1982年(昭和57年) 米国で鎮痛剤のカプセルにシアン化合物混入→6名死亡、他に3瓶回収
2008年(平成20年) 米国でヘパリン投与患者81名死亡→中国製造原薬に過硫酸化コンドロイチン硫酸混入によるアレルギー 5
2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
医薬品と他の商品との違い
生命に直結
用法用量を間違えると思わぬ有害な作用が出る恐れ
外観から品質がわかりにくい
外観だけでは変質の有無や有効成分が規格量入っているかわかりにくい
専門家の指導やアドバイスが必要
獣医師がもっとも適切な医薬品を選び、使用に際して注意すべきことを説明
包装と添付文書が必要
使用、保管方法などの注意を記載した文書と包装があって初めて医薬品となる
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2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
医薬品に求められること
正しく使用したとき、承認された通りの効果が得られ、望ましくない作用を起こさないこと。
常に同じ品質(均一な成分、清潔、安全)であること。
許容される程度を越えて異物や微生物で汚染されていないこと。また異なる医薬品が混入していないこと。
使用期限内で成分が分解・変質していないこと。
使いやすい剤型や包装の形態であり、使用や保管にあたって注意すべき情報を記載し、添付してあること。
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2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
GMPの理念
最終製品の品質検査に重点を置いた品質管理だけでは、製造の過程で起こりうる様々な出来事や製品に生じうる欠陥をすべてチェックすることは困難である
原料の受入れから最終製品の出荷に至るまでの全製造工程にわたって、
◦ 組織的な製造管理
◦ 製造計画に対応する試験実施計画に基づいた組織的な品質管理
が行われるべきであるという考えが、GMPの理念。
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2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
GMPの原則
1.人為的な誤りを最小限にする
2.汚染及び品質低下を防止する
3.高度な品質を保証するシステムを設計する(設計どおりの製品を作り続ける)
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①手順書を作る②手順書通りに仕事をする
③記録する
2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
考え方の基本
ハードで対応すべきことは、ハードで
「手順」を決め、誰にでもわかる書類にする
職員に徹底する(教育訓練)
「手順」のとおり実行し、記録する
定期的に遵守状況をチェック
「手順」が現実的か、必要があるものか、もっと良い手順が必要なのではないか、改善
改善したら、さらに文書化
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2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
①手順書を作る
担当者が変わったら、製造管理や品質管理の方法が変わる、ということがあってはならない。
共通の「手順」が必要→GMPそのものは考え方。これを実際のやり方に反映したものが基準書やそれにつづく標準作業手順書(SOP)
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2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
②手順書通りに仕事をする
組織の構造が明確であること・・・
GMP組織図
→任命、辞令、資格要件?
製造部門と品質部門が独立した組織で
ある・・・指示・命令系統の分離
教育訓練を受けた従業員を、十分な数
用意する
→文書の作成・確認についても、
相当の人員が必要!13
2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
②手順書通りに仕事をする
経営者の責任:
GMP組織は、経営者によって支えられなければならない。
GMPの実施は経営者の責任。社内すべての部門及びすべての職員に対し、参加と積極的関与を求めること。
法律遵守は当然しなければならないこと。
GMPが適切に実施されるよう、GMPに関係する者に求められる権限を保証すること。
人員の確保と教育訓練! 14
2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
②手順書通りに仕事をする
従業員の責任:
◦ 組織における自分の位置、自分の所定の責任及び活動を理解する。
◦ 自分の責任の範囲内の文書を確認し、その手順に従う。
◦ 個人に求められている衛生管理や健康管理等の要求事項に従う。
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平成27年度第1回薬事責任担当者会議
②手順書通りに仕事をする
従業員の責任:
◦ 自分の責任のレベルで生じる異常その他の不適合を報告する。
◦ 割り当てられた責任及び活動を行うスキルを有し、教育訓練を受けている。 16
2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
③記録する
記録・・・製造がGMPを遵守して行われたことを保証するもの。企業にとっての保証書。
製造記録のほか、
施設・設備の清掃記録書
試験記録書
教育訓練記録書
原料の受入れ、払出し、保管台帳の記録
試験、試薬、標準品の管理台帳
など 18
2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
GMP適合性調査の指導事例について
Disclaimer
これからお示しする指導事例は、いずれも実際にあった所見を集約し匿名化したもので、個別の具体的な事例を直接示したものではありません。
2015年8月現在の基本的な指導事例をまとめています。これ以外の指導事例、法令等の変更により、新たな指導事例が発生することがあります。
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2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
指摘事例(組織・人員)
トップマネジメントがGMPを理解していない。←結果として様々な不備が発生。
各種責任者・管理者等に、必要とされる権限が付与されていない。(ex. 代理者の要件や具体的な代理の期間が決まっていない等)
GMPの組織と製造所全体の組織が乖離している等、組織が複雑で人員配置がよく分からない/よく分かっていない。
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2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
指摘事例(組織・人員)
人員に必要とされる要件が不足している、若しくは規定されていない。
GMPに関わる人員が、十分な教育や研修を受ける機会を持てていない。その結果として十分な教育や研修がなされていない。
任命の手順が不十分である。任命の記録がない。
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立派な設備や手順書があっても、教育研修が不十分だと、それを使いこなすこと
ができない・・・
2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
指摘事例(基準等)
基本的な事柄
GMP上の管理をするべき設備/機器の設定根拠が整理されていない。
必要と考えられる製造管理/品質管理上の指標/工程についての根拠が整理されていない。
衛生区分、動線、気圧管理等の設定根拠が整理されていない。
←目的を果たせるだけの基準となっているか、科学的根拠が必要!
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2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
指摘事例(基準等)
基準書等の記載が不整合・不十分
現状として行っている手順が文書のどこにも規定されていない。
実際の手順と違うことが文書に書いてある。
上位文書、各種基準書、下位文書のSOP、記録様式などのつながりが悪い。整合性がない。名称、用語等の表記ゆれ。
SOPが多すぎて、把握できていない。
回収や苦情処理の手順がGQPに規定されており、GMPの規定にない。
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2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
指摘事例(基準等)
貼付物等の設置→製造管理及び品質管理上必要なものであるならば、該当する手順書等の抜粋、別紙のような形とし、手順書にひもづける。バージョン管理も同様に行う。
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2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
指摘事例(記録等)
規定や現状から必要と考えられる記録が十分に残っていない。
規定されている記録様式と実際に使用している様式が違う。
記録の不備 (誤記の訂正、記録方法)
見え消しが基本。鉛筆書き/フリクションペン不可(見れば分かります)。
記録や保管品の保存期間や保管方法があいまい、記録が残っていない。
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2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
指摘事例(記録等)
処分の記録が廃棄物回収業者のマニフェスト→必要に応じて廃棄する製品のロット番号等を備考欄に記載して保存する。
定期健康診断の記録→健康状態の把握の上ではGMP上の記録でもある。人事部等の保管で構わないので、GMP文書としても管理する。
オンラインのデータであっても、GMPに関するものはGMP管理文書!GMP管理のシステムとして重要であれば、その管理方法もSOPの中に入ってくる。
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2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
指摘事例(機器・設備)
構造的な問題(設備、衛生区分等)
GMP管理をすべき機器の多寡
GMP管理をすべき機器が不明確
機器の管理の手順(点検、修理、校正等)とその記録が整備されていない
機器や設備の手順書の不備・不足
→どんな機器について、誰が、どういうことについて管理するのか?(GMPの観点から)
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2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
指摘事例(機器・設備)
清浄区分等の設定に破綻がないか
清浄度 高←→中←→低
衛生管理区分 高←→中←→低
動線、空気の流れ、図面等、合わせて考える
手順書は、原則としてそれを利用する機器/設備のそばに設置する。
例外:設置困難な場所(水まわりや汚染度の高いところ等)→防水処理?貼付?(代替措置)
手順書のほかにちょっとしたメモやノートがある
手順書類による管理が出来ていない証左→メモやノートの内容を手順書類に盛り込むようにする。言語的記述でわかりにくいのであればチャートやまとめ図等を別紙として利用するのも良い。
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高中低
2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
指摘事例(自己点検表)
医薬品(医療機器)GMP省令点検表
自己点検は、1年ごとに実施する。申請書には1年以内に実施された最新の点検表を添付する。
複数の品目について、まとめて自己点検をした結果として記入しても差し支えない。
製造所に該当しない項目については、備考欄に該当しない旨を記載する(チェック欄、備考欄共に空欄としない)。
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2015.8.19
平成27年度第1回薬事責任担当者会議
指摘事例(自己点検表)
医薬品(医療機器)GMP省令点検表
GMP省令点検表と自所の点検手順との整合性
留意点:
何に対してどのような確認をすれば当該点検項目が「適」/「不適」となるか?
誰が・いつ・どのようにして・どこで・何を←点検手順に必要な規定
「適」ありきの点検表にならないように!
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