aiとuxデザイン...

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Design

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AIとUXデザイン〜ユーザーのためのAIを設計するために〜

HCD-Net認定 ⼈間中⼼設計専⾨家

⽻⼭ 祥樹 @storywriter1

2018年 1⽉26⽇(⾦)

2

世は空前の AI(⼈⼯知能)ブーム。

プロダクトやサービスのなかに、AIが含まれるものも増えてきた。

3

ただ、そのブームゆえに、ブームだからAIを採⽤した

AIと⾔うと売れるから

とりあえずAIを⼊れてみた

4

ユーザーが本当に求めていることが何かを吟味しないまま、AIを使うケースも。

5

私たちUXデザイナーが、今こそ、 「AIが、どのようにユーザーと接すると、  ユーザーは嬉しいのか」 「ユーザーの体験のなかで、  AIはどういう役割を果たすべきなのか」という体験をきちんと設計するとき。

6

本⽇のセッション構成:

⽻⼭によるテーマ提⽰セッション(課題の投げかけ)

三宅 陽⼀郎 ⽒によるキーノートセッション

19:40

20:00

21:00

なう

⽻⼭ 祥樹 HAYAMA Yoshiki

v インフォメーションアーキテクト•  使いやすいWebサイトをつくる専⾨家•  HCD-Net認定 ⼈間中⼼設計専⾨家

v Web業界に20年くらい、Watsonは2年ほど

v 担当したWebサイトが、雑誌のWebユーザビリティランキングで国内トップクラスの評価を受ける ほか実積多数

v 主な専⾨分野•  ユーザーエクスペリエンス、⼈間中⼼設計、情報アーキテクチャ、

アクセシビリティ、⼤規模CMS、Watson、ライター

Twitter:@storywriter WebSite:storywriter.jp7

ユーザー⼼理をつかむプロです

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コンピュータ・IT > インターネット・Web開発 > Web開発 最⾼「1位」コンピュータ・IT 総合 最⾼「9位」

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AI(⼈⼯知能)とのかかわり:

2年ほど前から、UXデザイナー および エンジニア として、AIの実務をしています。主に IBM Watson。

リンクスタート!

10

ある事例:

AIを使った検索システムを導⼊。めっちゃ不評。 すっごい

使いづらいんだけど

11

ある事例:

現場観察に⾏ってみた。 めちゃくちゃ⽂字が⼩さい

12

ある事例:

⽂字を⼤きくしたら好評。使いやすくなった!

13

何が起きていたのか:

「AIを使ったシステム」という技術が優先して、ユーザーの利⽤状況を⾒ていなかった。

ユーザー ⼊⼒画⾯ AI 出⼒画⾯ ユーザー

14

ある事例2:

AIを使った学習システムを導⼊。管理画⾯がめっちゃ不評。 すっごい

使いづらいんだけど

15

ある事例2:

現場観察に⾏ってみた。 管理画⾯が専⾨⽤語の⼭

16

ある事例2:

管理画⾯をぜんぶわかりやすい⽇本語にしたら好評。

使いやすくなった!

17

何が起きていたのか:

「AIを使ったシステム」という技術が優先して、ユーザーの利⽤状況を⾒ていなかった。

ユーザー ⼊⼒画⾯ AI 出⼒画⾯ ユーザー

18

ユーザーにとっては、あくまで、「システム全体で、ひとつの体験」。

そのなかで、AI が何をどこまでしているか、ユーザーには関係ない。

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ある事例3:

とはいえ・・・AIを使った検索システム。

「検索:書くもの」 「検索結果:消しゴム」

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ある事例3:

すっごい⾺⿅なんだけど

これはAIの学習が

⾜りてないな

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何が起きていたのか:

もちろん、AI ⾃体の能⼒が、ユーザー体験を決めている場合もある。

ユーザー ⼊⼒画⾯ AI 出⼒画⾯ ユーザー

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「ユーザー体験」全体のなかで、AI がどんな役割を果たさなければならないか、AI がどう振る舞ったらユーザーは嬉しいのか、それをデザインしなければならない。

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体験のデザイン。そういうの得意な⼈たちがいたよね。

そう、今こそ、私たちUXデザイナーが活躍するとき。

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「どうせアルゴリズムでしょ」問題:

ちょっと嬉しいけれど「どうせアルゴリズムでしょ」と思ってしまう。 OK Google

褒めて⼀緒にいると楽しいです

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ルネサス 未来の⾃動⾞デモ:

アルゴリズムで⾔ってるだけだよね

歩⾏者の⾶び出しびっくりしましたね

搭乗者の感情を読み取って、それにあった発⾔をする。でも、観察していると「ユーザーの側」が共感しきれない。

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「どうせアルゴリズムでしょ」問題:

この商品は⽉額制なの?

企業ウェブサイトのチャットボット。

すみません質問が理解

できませんでした

27

「どうせアルゴリズムでしょ」問題:

バーカバーカ

企業ウェブサイトのチャットボット。

28

「どうせアルゴリズムでしょ」問題:

じつは、裏で担当者がログを⾒て、泣いてます。

えっ!?

えっ!?

29

「どうせアルゴリズムでしょ」問題:

その「えっ!?」は何か。あなたのなかに突然の罪悪感。

アルゴリズムだと思っていたのにそこに「    」があったから。

これは何だろう?

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それでは、AIが⾃意識をもたないうちは、「どうせアルゴリズムでしょ」というインタラクションしかつくれないのか!?

31

⾝体性の問題:

ある⺠俗学の研究によると、世界中には、多種多様な⽂化、⺠俗、習慣、価値観があるが、唯⼀、どんな⽂化にも共通して存在する概念があった。

32

⾝体性の問題:

それは「上」と「下」。なぜか?

33

⾝体性の問題:

理由:世界中のどこにいても、太陽は「上」にあり、地⾯が「下」にあるから。

34

⾝体性の問題:

私たちは「⾝体」を持っていることで、⾃然と学習していることがらがある。それが⾃意識を構成していく。

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⾝体性の問題:

⼿

⾝体を持たないAIが⾃意識を獲得できるのか。例えば、AIは⾃分の⾝体を指差せない。世界と⾃分の境界線がわからない。

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AIに⾃意識なくして、ユーザーを満⾜させるエージェントAIのインタラクションをつくることはできるのか?

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本⽇のキーノートセッション、どうして 三宅 陽⼀郎 ⽒をお招きしたか。

ゲームのAIは、まさにUXデザインだから。

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ゲームのAI(NPCの⾏動): ※NPC: ノン・プレイヤー・キャラクターの略

画⾯引⽤:任天堂 – どうぶつの森 ポケットキャンプ

プレイヤーの⾏動を視界に⼊れている 釣りに成功すると

拍⼿してくれるNPC プレイヤー

(ユーザー)

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インフォメーションフロー:

引⽤:⼈⼯知能のための哲学塾 - 三宅 陽⼀郎 P.35 の図をもとに⽻⼭が簡略化

環境世界

知能の世界

認識の形成 意思の決定 運動の構成記憶 ⾝体

制御

エフェクター・⾝体センサー・⾝体

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インフォメーションフロー:

ノーマンの「相互⾏為の7段階モデル」(Norman, 1986)

によく似ている。(認知⼼理学)

システムの物理的状態

ユーザーの⽬標

⼊⼒実⾏実⾏の溝

評価の溝

⼊⼒特定操作意図

システム状態の把握

解釈評価

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ゲームのAI(戦闘中):

ドカドカバキバキ リニアー!

スターバーストストリーム!

クイック!

42

ゲームのAI(戦闘中):

うわーっ!

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ゲームのAI(戦闘中):

回復結晶 ケアル ヒール

全員が助けに来たら、これではゲームにならない。

44

ゲームのAI(戦闘中):

ドカドカバキバキ リニアー!

スターバーストストリーム!

ケアル

ドカドカバキバキ リニアー!

スターバーストストリーム!

45

ゲームのAI(戦闘中): ゲームマスターAIが状況判断しゲームが⾯⽩くなるように

仲間ひとりを助けに向かわせた

ケアル

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メタAI(ゲームマスターAI):

ゲームが⾯⽩くなるように、ゲーム世界を劇場に⾒⽴て、あるときはユーザーを助け、あるときはユーザーを苦しめ、驚きや感動を与える演出をするAI。

メタAIが、NPC個々のAIに働きかけ、全体を演出する。

47

庵野AI:

「エヴァンゲリオン」のゲームに実装されたAI。庵野秀明監督の思考をAI化してあり、「物語を盛り上げるために、今この⼈物を登場させよう」という演出を、リアルタイムでするAI。

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ゲームのAIは、まさに「ユーザーのためのAI」を突き詰めている。

AIのUXデザインのお⼿本。私たちは学ぶべきところが多⼤にある。

49

それでは、キーノートセッション三宅 陽⼀郎 さんよろしくお願いいたします。

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ありがとうございました。⽻⼭ 祥樹Twitter: @storywriterFacebook: storywriter.jp

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