全8時間の指導過程モデル補助資料1...

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補助資料1 「相互向上コミュニケーション能力」の育成を通して, 中学校文学教材の読みを広げ深める -ディベカッションの読み取り過程への導入の工夫- 全8時間の指導過程モデル 単元名 「生きる姿」 教材名 「走れメロス」 単元および教材について 「走れメロス」は太宰治の作品の中で最も有名な作品である。長い間,中学校の国語教科書に取り 上げられ,日本の近代文学の中でも最も読まれている作品の一つであると言っても過言ではない。 人の信実の大切さを説き続け,典型的なハッピーエンドで終わったこの作品は,太宰らしからぬ作 品との負の評価もあり,またやはり信実の空虚さを言い続けた太宰らしい作品との評価もあるが,作 品の裏にあるものや,作者の思想に深入りすることはよしとして,友情の美しさや,命をかけて信実 を守ろうとする人間の強さを描いた作品として,この作品をとらえていきたい。人を信ずるというこ とは,単純なものではないが,この上なく大切にしたいもの,人としてのもろさ,弱さをもつ人間が, 苦悩・苦闘しながら障害を克服していく姿こそが美しいものであるという思想が,この作品の中心に あるとまずはとらえたい。 「走れメロス」は小説としては短編であるが,教科書教材としては比較的長い作品である。しかし, 話の筋がたいへん分かりやすく,起承転結の構成もしっかりしていて,全体像をとらえやすい。人間 不信の権化である王ディオニスの心を,主人公メロスとその友セリヌンティウスの友情と信頼を軸に して,メロスに幾多の試練を与えながら,彼にそれをことごとく克服させていくことで,変えていく 物語である。最後の場面で,メロスの決死の姿を目の当たりにした王は,自らの人間転換を宣言する。 王の暴虐はまた,人間信頼を求めたいとする苦悩の裏返しでもあった。 特徴をつかみやすい登場人物の設定,詳細な心理描写のくり返しで,人間の内面を描き,人間の生 き方,真の人間性などを問う手法,登場する人物の心の揺れや葛藤・苦悩・変化の過程に,作品の読 みを深め広げるための二律背反の問いを生み出しやすいなど,この作品ではとりたててディベカッシ ョンの技法を使うことで,一人一人の読みの深化拡大を図ることができると考える。 単元および教材の指導目標 (1)作品を読み味わい,人間の生き方や考え方について,自分の考えをもたせる。 (2)描写や会話に着目し,登場人物の人物像の変化を読み味わわせる。 (3)互いの読みを交換する中で,「相互向上コミュニケーション能力」を培い,自らの読み を広げ深めさせる。 (4)ディベカッションによる討論の中で,自分の意見をまとめさせ,「論理的思考力」を養 う。

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  • 補助資料1

    「相互向上コミュニケーション能力」の育成を通して,

    中学校文学教材の読みを広げ深める

    -ディベカッションの読み取り過程への導入の工夫-

    全8時間の指導過程モデル

    1 単元名 「生きる姿」

    2 教材名 「走れメロス」

    3 単元および教材について

    「走れメロス」は太宰治の作品の中で最も有名な作品である。長い間,中学校の国語教科書に取り

    上げられ,日本の近代文学の中でも最も読まれている作品の一つであると言っても過言ではない。

    人の信実の大切さを説き続け,典型的なハッピーエンドで終わったこの作品は,太宰らしからぬ作

    品との負の評価もあり,またやはり信実の空虚さを言い続けた太宰らしい作品との評価もあるが,作

    品の裏にあるものや,作者の思想に深入りすることはよしとして,友情の美しさや,命をかけて信実

    を守ろうとする人間の強さを描いた作品として,この作品をとらえていきたい。人を信ずるというこ

    とは,単純なものではないが,この上なく大切にしたいもの,人としてのもろさ,弱さをもつ人間が,

    苦悩・苦闘しながら障害を克服していく姿こそが美しいものであるという思想が,この作品の中心に

    あるとまずはとらえたい。

    「走れメロス」は小説としては短編であるが,教科書教材としては比較的長い作品である。しかし,

    話の筋がたいへん分かりやすく,起承転結の構成もしっかりしていて,全体像をとらえやすい。人間

    不信の権化である王ディオニスの心を,主人公メロスとその友セリヌンティウスの友情と信頼を軸に

    して,メロスに幾多の試練を与えながら,彼にそれをことごとく克服させていくことで,変えていく

    物語である。最後の場面で,メロスの決死の姿を目の当たりにした王は,自らの人間転換を宣言する。

    王の暴虐はまた,人間信頼を求めたいとする苦悩の裏返しでもあった。

    特徴をつかみやすい登場人物の設定,詳細な心理描写のくり返しで,人間の内面を描き,人間の生

    き方,真の人間性などを問う手法,登場する人物の心の揺れや葛藤・苦悩・変化の過程に,作品の読

    みを深め広げるための二律背反の問いを生み出しやすいなど,この作品ではとりたててディベカッシ

    ョンの技法を使うことで,一人一人の読みの深化拡大を図ることができると考える。

    4 単元および教材の指導目標

    (1)作品を読み味わい,人間の生き方や考え方について,自分の考えをもたせる。

    (2)描写や会話に着目し,登場人物の人物像の変化を読み味わわせる。

    (3)互いの読みを交換する中で,「相互向上コミュニケーション能力」を培い,自らの読み

    を広げ深めさせる。

    (4)ディベカッションによる討論の中で,自分の意見をまとめさせ,「論理的思考力」を養

    う。

  • 5 単元の評価規準

    【A「話すこと・聞くこと」】

    ア 国語への関心・意欲 イ 話す・聞く能力 ウ 言語についての知識

    ・態度 ・理解・技能

    内 ・広い範囲から話題を求 ・話し手のものの見方や考え方 ・相手や目的に応じて話の形

    容ご め,表現を工夫して話そう をとらえて,自分のものの見方 態や展開に違いがあることに気

    のと としたり相手の立場や考え や考え方を広めたり深めたりし づいたり,文の成分の順序や照

    まの を尊重して的確に聞き取ろ ている。 応,組み立てなどについて考え

    と評 うとしたりするとともに, ・相手の立場や考えを尊重し, たりして話したり聞いたりして

    ま価 話し言葉を豊かにし言語生 目的や場面に応じて,話したり いる。

    り規 活を向上させようとしてい 聞き分けたりしている。 ・多様な語句についての理解を

    準 る。 ・互いの共通点や相違点などを 深め,語感を磨き語彙を豊かに

    聞き分け,自分の考えを広めた している。

    抜 粋 り深めたりしている。

    単 ・話合いをするとき,自分 ・ディベカッションなどの討論 ・討論をするとき,説得力のあ

    元 の考えを伝えるために工夫 をするとき,自分の意見とその る表現に関わる対義語,慣用句,

    の して表現しようとしたり, 根拠になる事実とを効果的に組 類義語などの使い方に注意して

    評 相手の立場や考えを尊重し み合わせて,説得力のある話し いる。

    価 て聞き取ろうとしている。 方をしたり,話の構成や論理の ・説明をするときに,多様な表

    規 展開に注意して聞き取ったりし 現形式や展開,文の成分の順序

    準 ている。 などについて考えながら話した

    ・ディベカッションなどの話合 り聞いたりしている。

    いをするとき,自分と異なる意

    見を聞いて,自分の考えを広め

    たり深めたりしている。

    学 ・よりよい話合いにするた ・友達の考えを聞き,自分の考 ・ディベカッションの流れを理

    習 めに,工夫しようとしてい えを広げたり深めたりしてい 解している。

    活 る。 る。 ・相手や目的を意識して話し言

    動 具 ・ディベカッションを積極 ・自分の意見を持ち,相手に対 葉を用いている。

    に 体 的に理解し,積極的に活用 して説得力のある話し方をして

    お の しようとしている。 いる。

    け 評 ・相手の考えと自分の考えを比

    る 価 較しながら聞き,相手の考えを

    規 引き出せるような質問を考えて

    準 いる。

  • 【C「読むこと」】

    ア 国語への関心・意欲 イ 読む能力 ウ 言語についての知識

    ・態度 ・理解・技能

    内 ・さまざまな文章から目的 ・文脈の中における語句の効果 ・抽象的な概念などを表す多様

    容ご や意図に応じて情報を集め 的な使い方について理解し,自 な語句についての理解を深め,

    のと ようとするとともに,読書 分の言葉の使い方に役立てい 語感を磨き語彙を豊かにしてい

    まの を生活に役立てて自己を豊 る。 る。

    と評 かにしようとしている。 ・文章の構成や展開,説明や描

    ま価 写などの表現の仕方や,文体な

    り規 ど文章の特徴に注意して読んで

    準 いる。

    ・文章を読んで人間,社会,自

    抜 粋 然などについて考え,自分の意

    見をもてるようになる。

    単 ・目的や意図に応じてさま ・文章を読んで,書き手の思考 ・文章を読むとき,抽象的な概

    元 ざまな種類の文章を詳しく や心情に迫り,人間などに対す 念などを表す語彙を豊かにして

    の 読み比較しようとしてい る自分の感想や意見をもてるよ いる。

    評 る。 うになる。 ・さまざまな文章を比較して読

    価 むとき,表現様式や文章の展開,

    規 文の成分の順序などを考えてい

    準 る。

    学 ・作品世界や登場人物を自 ・友との信頼,自尊感情等を表 ・メロスやその他の登場人物の

    習 具 分なりにとらえ,進んで読 す語句の効果に気づき,人間の 生き方にかかわる迷いや悩みを

    活 体 もうとしている。 理解や主人公,その他の登場人 表現した抽象的な概念を示す多

    動 の 物の生き方について自分の考え 様な語句の意味を理解し,作品

    に 評 を広げ深める。 を読んでいる。

    お 価

    け 規

    る 準

    6 指導と評価の計画(全 8時間)

    次 時 主な学習活動・内容 指導上の留意点 学習活動における具体

    の評価規準と評価方法

    1.ディベートについての ・自作の説明資料を使いな ・ディベカッションの流

    第 既知を掘り起こしなが がら,ディベカッションの れについて理解してい

    0.5 ら,ディベカッションと 方法(流れ)について理解 る。(観察)

    一 時 いう討論形式とその方法 させる。

    について理解する。

  • 次 1.5 2.「中学校に制服は必要 ・「中学校に制服は必要で ・ディベカッションを積

    時 である」という論題で, ある」という論題で,実際 極的に理解し,積極的に

    グループおよびクラスデ にディベカッションの流れ 活用しようとしている。

    ィベカッションを行う。 によりグループおよびクラ ・友達の考えを聞き,自

    スディベカッションによる 分の考えを広げたり深め

    討論を行なわせる。進行は たりしている。

    教師が行う。一つ一つ立ち ・自分の意見を持ち,相

    止まり,ディベカッション 手に対して説得力のある

    の流れを理解させる。 話し方をしている。

    ・ディベカッションのため ・相手の考えと自分の考

    の自作のワークシート1を えを比較しながら聞き,

    使う。 相手の考えを引き出せる

    ような質問を考えて

    いる。(以上は観察とワ

    ークシート1の点検)

    1時 3.物語を読み取るための ・物語全体を読み取るため ・興味をもって作品を読

    第 3つの論題を知る。 のディベカッションの論題 んでいる。(観察)

    について知らせる。

    4.「走れメロス」の全文 ・ディベカッションを活用

    二 を通読する。(教師の範 する学習であることを予告

    読) し,課題意識をもたせる。

    ※新出語句や難語句の説明 ・登場してくる人物は,ど

    次 を加える。 んな人かチェックさせる。

    ・一読後の自分の読みを記 ・この物語の大切なこと

    5.この物語の大切なとこ 録させる。 やところを積極的に書い

    ろや大切なことを書く。 ている。(ワークシート

    2)

    0.5 6.主な登場人物と物語の ・主な登場人物のおよその ・作品世界や登場人物を

    時 およその構成をつかむ。 肩書き等と人物間のつなが 自分なりにとらえ,進ん

    りについて理解させる。 で読もうとしている。(ワ

    ークシート2・発表の観

    察)

    1.5 7.第1の論題「山賊は王 ・自作のワークシート3を ・適切で有効な根拠を明

    第 時 の刺客(まわし者)であ 使い,文章中から論題の根 らかにし,精選してまと

    る」について,文章中の 拠を求めさせ,自分の考え まった意見が書けてい

    根拠をおさえ,自分の意 をまとめさせる。肯定・否 る。(ワークシート3)

    見をまとめる。 定にあらかじめ分けてどち これについては全員に書

    らかの立場で考えさせる。 かせる。

    8.第1の論題について「パ ・パネラーを各グループか ・パネラーグループの観

  • ネルディベカッション」 ら指名し,パネラーによる 察から,討論の方法を積

    三 を行う。 ディベカッションを行わせ 極的に学ぼうとしてい

    る。 る。(観察・ワークシー

    ・パネラー以外の生徒は, ト3)

    聴衆であるが,ノーサイド ・パネラーグループの観

    のあとは討論に参加させる。察から,自分の意見をま

    ・教師の評価を入れる。 とめている。(発表観察

    ・ワークシート3)

    次 1時 9.第2の論題「主人公は ・自作のワークシート4を ・適切で有効な根拠を教

    メロスである。(王ディ 使い,文章中から論題の根 材から明らかにし,精選

    オニスである)」につい 拠を求めさせ,自分の考え してまとまった意見が書

    て,文章中の根拠をおさ をまとめさせる。肯定・否 けている。(ワークシー

    え,自分の意見をまとめ 定にあらかじめ分けてどち ト4)

    る。 らかの立場で考えさせる。

    10.第2の論題について「グ ・活発に意見を出し合うこ ・自分の意見を積極的に

    ループおよびクラスディ とが討論の質を高め,本質 持とうとしている。(発

    ベカッション」を行う。 に迫っていくことを確認さ 表観察およびワークシー

    せる。 ト4)

    ・教師が進行役を務める。 ・友達の優れた意見や考

    ・声量,話すスピード等は えに積極的に学ぼうとし

    そのつど指導する。 ている。(発表観察およ

    ・特に教材の内容を深く理 びワークシート4)

    解した意見や流れを変えた ・メモを取りながら,熱

    意見などは,場合によって 心に聞いている。(観察

    は流れの中で,あるいは討 ・ワークシート4の評

    論のあとに取り立てて取り 価)

    上げる。

    ・教師の評価を入れる。

    1時 11.第3の論題「メロスの ・自作のワークシート5を ・適切で有効な根拠を明

    生き方に共感できる」に 使い,自分の考えをまとめ らかにし,精選してまと

    ついて,文章中等の根拠 させる。 まった意見が書けてい

    をおさえ,自分の意見を ・活発に意見を出し合うこ る。(ワークシート5)

    をまとめる。 とが討論の質を高め,本質

    に迫っていくことを確認さ

    せる。

    12.第3の論題について, ・教師が進行役を務める。 ・自分の意見を積極的に

    クラスディベカッション ・共感できるかできないか 持とうとしている。(発

    を行う。 について考えさせ,自分の 表観察およびワークシー

    考えのもとに,どちらかに ト5)

    分かれ,ディベカッション ・友達の優れた意見や考

  • に臨ませる。 えに積極的に学ぼうとし

    ・教師の評価を入れる。 ている。(発表観察およ

    びワークシート5)

    ・メモを取りながら,熱

    心に聞いている。(観察

    ・ワークシート5の評

    価)

    ・論題について,より深

    く考えている。(発表観

    察およびワークシート

    5)・自分の考えの変容

    を自覚している。(発表

    観察およびワークシート

    5)

    13.作者が最も描きたかっ ・3回のディベカッション ・自分の考えの変容やた

    第 1時 た人物は誰かについて, による討論で,私の考えは どった道を根拠を示し

    根拠を示しながら自分の こういう道筋をたどって, て,意欲的に書いている。

    四 意見を書く。 こうなったという観点で, ・登場人物の心情と,そ

    根拠を示させて書かせる。 の変化の様に寄り添い,

    次 14.「走れメロス」を読ん ・新出漢字については,間 主人公の生き方や作品が

    で人間の生き方について 違いやすいもの等を取り立 描いている世界について

    どう考えるか,ワークシ てて指導し,家庭学習にお 自分なりの考えをもって

    ート6に自分の考えを書 いてワークやドリル等で確 いる。

    く。 認・練習させる。 ・ワークシート6を回収

    ※新出漢字の確認を行う する。

    7の1 本時の展開例1(第1次の1時目)

    (1)日 時 平成18年10月26日(木)

    (2)場 所 公立中学校 第2学年教室

    (3)目 標

    ア ディベカッションの形式と流れを知り,ディベカッションへの意欲をもつ。

    イ 論題について,根拠をもって自らの立場に基づく立論が書けている。

    (4)本時の展開例1

    過 程 学習内容と生徒の活動 授業者の指導・支援 評 価 備 考

    1.本時の活動内容とおよ ・今まで習った話合いの ・ディベカッ

    導 そのめあてを確認する。 方法にはどういうものが ションの説明

    入 あったか上げさせ,今ま について,積

    5 での討論について振り返 極的に聞こう

    分 らせる。 としている。

  • 2.ディベートについての ・ディベートについての (観察)

    既知を掘り起こす。 既知がなければ,それ以

    上はふれない。

    3.ディベカッションとい ・ディベカッションとい ディベカッシ ・黒板に図示した

    う討論形式とその方法に う討論方法についての説 ョンの方法と りして,視覚的に

    ついて理解する。 明と,その流れについて 流れについて もとらえられるよ

    展 は書き込み資料を兼ねた 理解している。うにする。

    説明資料を配付して,そ (観察)

    れに基づいて行う。

    4.「中学校に制服は必要 ・それぞれの立場の立 ・論題につい ・グループディベ

    だ」という論題について,論,相手への反論等はす て,その立論 カッションも行う

    肯定側と否定側に分かれ べてワークシート1に書 を意欲的に行 ので,班の中も二

    て,根拠を探して立論の かせる。 っている。(観 つに分けるが,そ

    開 準備をする。 ・机間指導の中で,書き 察) のわけ方は班に任

    40 しぶっている生徒には個 ・論題につい せる。

    分 別指導を行う。 て,根拠をも

    ・時間の許す限り,たく って,自らの

    さんの考えを出させた 立場に基づく

    い。あまりでないようで 立論が書けて

    あれば,2~3名のグル いる。(ワー

    ープを作り,ブレーンス クシート1)

    トーミングを活用してい

    く。

    ま 5.本時のまとめをする。 ・ディベカッションの流

    れについて,再確認をす

    と る。

    6.次時の予告を聞く。 ・次の時間に実際にディ ・次時に実際

    め ベカッションを行うこと に行うディベ

    5 を予告し,意欲づけを行 カッションへ

    分 う。 の意欲をもっ

    ている。

    (5) 本時の評価

    ア ディベカッションの形式と流れを知り,ディベカッションへの意欲をもてたか。

    イ 論題について,根拠をもって自らの立場に基づく立論がなされ,書けていたか。

    7の2 本時の展開例2(第1次の2時目)

    (1)日 時 平成18年10月27日(金)

    (2)場 所 公立中学校 第2学年教室

    (3)目 標

  • ア ディベカッションの形式と流れを実際場面から確認し身に付けるとともに,ディベ

    カッションへの意欲をもつ。

    イ 進んで自分の考え方を発表し,また友達の考えを聞き,自分の考えを深めたり広げ

    ようとしている。

    (4)本時の展開例2

    過 程 学習内容と生徒の活動 授業者の指導・支援 評 価 備 考

    1.前時の学習内容を確認 ・前時でディベカッショ

    導 する。 ンの内容と方法を学習し

    入 たことを想起させ,意欲

    5 付けをする。

    分 2.本時の活動内容とおよ ・自分の思うことを活発 ・この時間で ・論題をあらかじ

    そのめあてを確認すると に述べ合うことが,討論 身に付ける力 め大きく提示する

    ともに,本時の論題を再 の質を高め,論題を広げ 等について知 用意をしておく。

    確認する。 深めることになることを り,意欲的に

    「中学校に制服は必要だ」告げる。 参加しようと ・前時に配布した

    ステップ1 ・本時の論題についての している。(観 説明資料を使って

    説明をていねいに行う。 察) 一つ一つ確認して

    いく。

    3.本時の論題「中学校に ・前時に考えた立論等を ・積極的に自

    制服は必要だ」について,再度見直しをさせて,論 分の論を見直

    前時に考えた立論につい 理の再構築をさせる。 している。(観

    展 て,ワークシート1を確 ・机間指導の中で,個別 察)

    認する。 5分 に声をかけていく。

    4.論題に対して,グルー ・肯定と否定のそれぞれ ・自分の意見 ・これはと思うこ

    プディベカッションによ の意見の交換をし,それ を積極的に持 とは,ワークシー

    る話合いをする。 への反論も含めて話し合 とうとしてい ト1にメモさせる。

    それぞれの立論とそれ いをさせる。 る。(発表観

    ぞれの反論の紹介 5分 ・進行は班長が行う。 察およびワー ・クラスディベカ

    ・反論にはどういうもの クシート1) ッションに入る前

    があるかについて予想さ ・友達の優れ に,肯定側と否定

    せる。 た意見や考え 側に分けて席をつ

    5.論題に対してクラスデ ・進行は教師が行う。 に積極的に学 くり,着かせる。

    ィベカッションによる討 ・ディベカッションとい ぼうとしてい ・机間指導の中で

    論を行う。 う討論方法を身につけさ る。(発表観 声をかける。

    開 ステップ2 せることが主なねらいと 察およびワー ・個人の意見を出

    40 肯定側立論 2分 なるため,要所となると クシート1) させたい。

    分 否定側立論 2分 ころで,教師が指導を入 ・メモを取り

    れる。 ながら,熱心 ・論点を明確にし

    作戦会議 3分 ・立論は時間内であれ に聞いている。たい。

  • ステップ3 ば,誰が述べてもよい。 (観察・メモ

    否定側から肯定側への質問 ・それぞれの意見につい の評価)

    2分 てメモを取り,自分の意 ・自分の意見

    肯定側から否定側への質問 見と違うところを見つけ を積極的に持 ・ノーサイドにな

    2分 させる。ポイントとなる とうとしてい ったら,席を元に

    ステップ4 単語をメモするよう指示 る。(発表観 戻す。

    反論…肯定側 2分 する。 察およびワー

    反論…否定側 2分 ・作戦会議は人数が多い クシート1)

    ノーサイド ので,近くの生徒等と話 ・論題につい

    ステップ5 10分 し合わせる。最低限2人 て,より深く

    自由討論 ひと組を指示する。 考えている。

    ・確認質問だけでなく, (発表観察お

    反論的な質問も許容す よびワークシ

    る。 ート1)

    ・質問や反論は時間内で

    あれば誰が行ってもよ

    い。

    ・自由討論になったら積

    極的に意見を交換できる

    ように必要に応じて教師

    が論点を整理する。

    ・これはと思う意見や考

    えをワークシート1に記

    入させる。

    6.本時のまとめをする。 ・自己評価や自分の考え ・本日のまと ・記述したワーク

    ま 本日の論題についてのま 等をしっかり書かせてふ めをしっかり シート1は回収す

    とめと同時に,ディベカ りかえりをさせたい。 としている。 る。

    と ッションの方法について ・机間指導をして,声を (観察および

    理解できたかの自己評価 かける。 ワークシート

    め をする。ワークシート1 ・討論について等の建設 1)

    5 に書く。 的な教師の評価を心がけ

    分 ステップ6 たい。

    教師の評価を聞く。 ・「走れメロス」の本文

    7.次時の予告を聞く。 に入ることを予告する。

    (5) 本時の評価

    ア ディベカッションの形式と流れを実際場面から確認し身に付けるとともに,ディベ

    カッションへの意欲をもてたか。

    イ 進んで自分の考え方を発表し,また友達の考えを聞き,自分の考えを深めたり広げ

    ようとしていたか。

  • 7の3 本時の展開例3(第2次の1時目)

    (1)日 時 平成18年10月31日(火)

    (2)場 所 公立中学校 第2学年教室

    (3)目 標

    ア 教師の範読を聞き,興味をもって作品を読んでいる。

    イ 登場人物の概略を積極的につかもうとしている。

    (4)本時の展開例3

    過 程 学習内容と生徒の活動 授業者の指導・支援 評 価 備 考

    1.前時の流れを確認する。・ディベカッションを活

    導 用する学習であることを

    入 提示し,課題意識を持た

    2 せる。

    分 2.本時の活動内容とおよ ・本時のねらいをしっか ・この時間で,

    そのめあてを確認する りと確認させたい。 身に付ける力

    等知り,意欲

    的に参加しよ

    うとしている。

    (観察)

    3.物語を読み取るための ・物語全体を読み取るた ・三つの論題につ

    三つの論題を知る。 めの、ディベカッション いて、積極的に話

    の論題について知らせ し合うことで、物

    展 る。 語の主題に迫った

    り、全体像を知る

    ことができる等の

    話をし、意欲化を

    図りたい。

    開 4.「走れメロス」全文の ・登場人物についての ・教師の朗読

    45 教師の朗読を聞く。 み,どんな人が出て来る を聞き,興味

    分 かチェックを入れなが をもって作品

    ら,範読を聞くように指 を読んでいる。

    示する。 (観察)

    ※新出語句や難語句の説明 ・脚注を参考にさせる。

    を加える。 脚注にない難語句等は,

    範読をする中で,説明を

    加える。

    5.登場してくる人物を, ・登場人物同士のつなが ・登場人物の

    ワークシート2に書き入 りも視野に入れて,登場 概略を積極的

    れる。 人物を書き出すように指 につかもうと

    示する。 している

  • ・机間指導の中で声をか

    ける。

    6.この物語の大切なこと ・一読後の自分の読みを ・この物語の

    や大切なところを書く。 ワークシート2に記録さ 大切なとこや

    せる。時間内に終わらな 大切なところ

    い場合は,家庭学習とす を積極的に書

    る。 いている。(ワ

    ークシート)

    ま 7.次時の予告を聞く。 ・次時は,この物語の全

    と 体像をつかむことと,主

    め な登場人物についてのあ

    3 らましをつかむことを予

    分 告する。

    (5) 本時の評価

    ア 教師の朗読を聞き,興味をもって作品を読んでいたか。

    イ 登場人物の概略を積極的につかもうとしていたか。

    7の4 本時の展開例4(第2次の1.5時目 第3次の0.5時目)

    (1)日 時 平成18年11月 1日(水)

    (2)場 所 公立中学校 第2学年教室

    (3)目 標

    ア 主な登場人物の概略とそれぞれのつながりを理解する。

    イ この物語のおよその内容と構成をつかむ。

    ウ 第一の論題について,根拠をもって自らの立場に基づく立論がなされ,書けている。

    (4)本時の展開例4

    過 程 学習内容と生徒の活動 授業者の指導・支援 評 価 備 考

    導 1.本時の活動内容とおよ ・前時でワークシート2

    入 そのめあてを確認する に書いた主な登場人物を

    2 再確認させる。

    2.主な登場人物を発表し,・おもな登場人物を全体 ・作品世界や ・登場人物の肩書

    それぞれの人物のおよそ の中で発表させ,人物の 登場人物を自 きと,そのつなが

    の肩書きや役割について およその肩書きやつなが 分なりにとら りについては,随

    展 確認する。また,人物間 りについて,構造化し, え,進んで読 時板書する。

    のおよそのつながりにつ 視覚化する。 もうとしてい

    いても全体で確認する。 ・脇役的な登場人物で る。(ワーク

    も,物語の進行やそれぞ シート2,発

    れの人物の性格を際だた 表の観察)

  • せるうえで,欠かすこと ・友達の考え

    のできないものであるこ や教師の説明

    とを理解させる。 を積極的に聞

    ・生徒に問いかけをする いている。(観

    中で,以上の学習作業を 察)

    進める。 ・自分の考え

    3.この物語の全体の構成 ・物語の発端や終末,メ たことを積極 ・物語の全体の流

    開 をつかむ。 ロスを邪魔したもの,奮 的に発表して れについては,視

    45 い立たせたもの等,物語 いる。(観察) 覚化し,板書する。

    分 の流れやおよそのあらま

    しを図示し,理解させる。

    ・生徒に問いかけをする

    中で,以上の学習作業を

    進める。

    4.第1の論題「山賊は王 ・ワークシート3を使 ・適切で、有 ・生徒を二分する

    の刺客(まわし者)であ い、文章中から根拠を求 効な根拠を明 ことについては、

    る」について,文章中の めさせ、自分の考えをま らかにし、精 今回は教師が指名

    根拠をおさえ,自分の意 とめさせる。 選てまとまっ する。パネルディ

    見をまとめる。 ・自分の立場に基づい た意見が書け ベカッションを行

    て,文章中から根拠を求 ている。(ワ うので、発言力や

    めさせて,立論,予想さ ークシート3)リーダー性等を加

    れる反論をワークシート 味して、二分する。

    に書かせる。

    ・友達と話し合うことは

    せず,あくまでも自分の

    考えとしてまとめさせ

    る。

    ・その場面の文章を何回

    も読み、考えをまとめる

    ように指示する。

    ・机間指導の中で、書き

    しぶっている生徒には声

    をかける。

    ・生徒の肯定側と否定側

    の二分については、今回

    の論題については、教師

    が指定する。

    ・肯定側パネラー6人,

    否定側パネラー6人を,

  • 生徒の意向も加味しなが

    ら,机間指導の中で,指

    名する。

    ま 5.次時の予告を聞く。 ・次の時間は、第1の論 ・パネルディ

    と 題について、パネルディ ベカッション

    め ベカッションをすること は、どういう

    3 を伝え、意欲付けをする。ものであるか、

    分 概略説明をす

    る。

    (5) 本時の評価

    ア 主な登場人物の概略とそれぞれのつながりを理解したか。

    イ この物語のおよその内容と構成をつかんだか。

    ウ 第1の論題について,根拠をもって自らの立場に基づく立論がなされ,書けていた。

    7の5 本時の展開例5(第3次の1時目)

    (1)日 時 平成18年11月 2日(木)

    (2)場 所 公立中学校 第2学年教室

    (3)目 標

    ア パネルディベカッションに積極的に参加したり,観察したりしてディベカッション

    という討論方法をより理解するとともに,自分の考えを深め広げようとしている。

    イ 進んで自分の読み方・考え方を発表し,また友達の考えを聞き,自分の考えを深め

    たり広げようとしている。

    ウ 「山賊は王の刺客である」という論題を討論することで,王の人間不信の真実を

    知ることができる。

    (4)本時の展開例5

    過 程 学習内容と生徒の活動 授業者の指導・支援 評 価 備 考

    1.本時の活動内容とおよ ・前時で第1の論題につ ・この時間で ・論題をあらかじ

    導 そのめあてを確認すると いて,肯定・否定の立場 身に付ける力 め大きく提示する

    入 ともに,本時の論題を確 に分かれて立論したこと 等について知 用意をしておく。

    10 認する。 を想起させ,意欲付けを り,意欲的に ・パネラーの生徒

    分 ステップ1 する。 参加しようと 12名は向き合うよ

    ・自分の思うことを活発 している。(観 うに座席を配置し,

    に述べ合うことが,討論 察) その他の生徒は聴

    2.論題についての自分の の質を高め,論題を広げ ・積極的に自 衆として後方に座

    立論等をワークシート3 深めることになることを 分の考えをま 席を設定する。

    で確認する。 告げる。 とめ直したり,

    ・もう一度,文章にあた 友達と意見交

    るように指示する。 換をしている。

    ・パネラーの生徒は,作 (観察)

  • 戦会議を行う。立論の方

    法,質問者,反論者等の

    役割分担なども可能な限

    り決めておく。

    3.本時の論題「山賊は王 ・進行は教師が行う。 ・自分の意見 ・これはと思うこ

    の刺客(まわし者)であ ・教師は,パネラーの生 を積極的にも とは,ワークシー

    る」について,パネルデ 徒12名が発言しやすいよ とうとしてい ト3にメモさせる。

    展 ィベカッションによる討 うな配慮をしていく。 る。(発表観

    論を行う。 ・ 察およびワー

    ステップ2 聴衆者は,それぞれの意 クシート3)

    肯定側立論 2分 見についてメモを取り, ・友達の優れ

    否定側立論 2分 自分の意見と違うところ た意見や考え

    を見つけさせる。ポイン に積極的に学

    作戦会議 3分 トとなる単語をメモする ぼうとしてい ・机間指導をして

    ステップ3 よう指示する。 る。(発表観 声をかける。

    否定側から肯定側への質問 ・パネラーの作戦会議の 察およびワー ・個人の意見を出

    2分 間中,聴衆者には自分の クシート3) させたい。

    肯定側から否定側への質問 意見を必要に応じて修正 ・メモを取り

    2分 させる。 ながら,熱心 ・論点を明確にし

    ステップ4 ・確認質問だけでなく, に聞いている。たい。

    反論…肯定側 2分 反論的な質問も許容す (観察・メモ

    開 反論…否定側 2分 る。 の評価)

    40 ノーサイド ・自由討論から,聴衆も ・自分の意見

    分 ステップ5 10分 討論に参加させる。 を積極的にも

    自由討論 ・自由討論になったら積 とうとしてい

    極的に意見を交換できる る。(発表観

    ように必要に応じて教師 察およびワー

    が論点を整理する。 クシート3)

    ・これはと思う意見や考 ・論題につい

    えをワークシート3に記 て,より深く

    入させる。 考えている。

    (発表観察お

    よびワークシ

    ート3)

    4.本時のまとめをする。 ・自己評価,自分の考え ・自分の考え ・記述したワーク

    ま 討論を通してわかったこ の変容等をしっかり書か の変容を自覚 シート3は回収す

    と,考えが深まったり広 せてふりかえりをさせた している。(発 る。

    と がったりしたことをワー い。 表観察および

    クシート3に書く。 ・机間指導の中で,声を ワークシート

    め 書いたことを全体に発表 かける。 3)

  • 5 する。 ステップ6 ・討論では出なかった視

    分 教師の論題解釈と討論の 点について,教師の解釈

    評価を聞く。 を伝える。

    ・討論について等の建設

    的な教師の評価を心がけ

    たい。

    (5) 本時の評価

    ア パネルディベカッションに積極的に参加したり,観察したりしてディベカッション

    という討論方法をより理解するとともに,自分の考えを深め広げようとしていたか。

    イ 進んで自分の読み方・考え方を発表し,また友達の考えを聞き,自分の考えを深め

    たり広げようとしていたか。

    ウ 「山賊は王の刺客である」という論題を討論することで,王の人間不信の真実を

    知ることができたか。

    7の6 本時の展開例6(第3次の2時目)

    (1)日 時 平成18年11月 6日(月)

    (2)場 所 公立中学校 第2学年教室

    (3)目 標

    ア 論題について,適切で有効な根拠を教材から明らかにし,精選してまとまった意見

    が書けている。

    イ 進んで自分の読み方・考え方を発表し,また友達の考えを聞き,自分の考えを深め

    たり広げようとしている。

    ウ この物語にはメロスと王を軸とした「信実」「信頼」という価値が,その根底にあ

    るということを理解している。

    (4)本時の展開例6

    過 程 学習内容と生徒の活動 授業者の指導・支援 評 価 備 考

    1.前時の流れを確認する。・前時で第1の論題追求

    導 をディベカッションによ

    入 る討論で行ったことを想

    5 起させ,意欲付けをする。

    分 2.本時の活動内容とおよ ・自分の思うことを活発 ・この時間で ・論題をあらかじ

    そのめあてを確認すると に述べ合うことが,討論 身に付ける力 め大きく提示する

    ともに,本時の論題を発 の質を高め,論題を広げ 等について知 用意をしておく。

    表する。 深めることになることを り,意欲的に

    ステップ1 告げる。 参加しようと

    ・本時の論題についての している。(観

    説明をていねいに行う。 察)

    3.論題についてメロス派 ・グループディベカッシ ・生徒の意向も取

  • と王ディオニス派にクラ ョンによる討論も行うた り入れながらあら

    スを二分する。 め,班の中も二分する。 かじめ二分してお

    く。

    4.本時の論題「主人公は ・自分の立場に基づい ・適切で有効 ・ワークシート4

    メロスである(王ディオ て,文章中から根拠を求 な根拠を教材 に必ず記述させる。

    ニスである)」について, めさせて,立論,予想さ から明らかに

    展 文章中の根拠を押さえ れる反論をワークシート し,精選して

    て,自分の考え意見をま 4に書かせる。 まとまった意

    とめる。 10分 ・友達と話し合うことは 見が書けてい

    せず,あくまでも自分の る。(ワーク

    考えとしてまとめさせ シート4)

    る。

    ・机間指導の中で,書き

    渋っている生徒に声をか

    ける。

    5.論題に対して,グルー ・肯定と否定のそれぞれ ・自分の意見 ・これはと思うこ

    プディベカッションによ の意見の交換をし,それ を積極的にも とは,ワークシー

    る話合いをする。 5分 への反論も含めて話し合 とうとしてい ト4にメモさせる。

    それぞれの立論とそれぞ いをさせる。 る。(発表観

    開 れの反論 ・進行は班長が行う。 察およびワー ・クラスディベカ

    40 クシート4) ッションに入る前

    分 6.論題に対してクラスデ ・進行は教師が行う。 ・友達の優れ に,肯定側と否定

    ィベカッションによる討 ・それぞれの意見につい た意見や考え 側に分けて席をつ

    論を行う。 てメモを取り,自分の意 に積極的に学 くり,着かせる。

    ステップ2 見と違うところを見つけ ぼうとしてい

    肯定側立論 2分 させる。ポイントとなる る。(発表観

    否定側立論 2分 単語をメモするよう指示 察およびワー

    する。 クシート4)

    作戦会議 3分 ・立論は時間内であれ ・メモを取り ・机間指導の中で

    ステップ3 ば,誰が述べてもよい。 ながら,熱心 声をかける。

    否定側から肯定側への質問 ・作戦会議は人数が多い に聞いている。・個人の意見を出

    2分 ので,近くの生徒等と話 (観察・メモ させたい。

    肯定側から否定側への質問 し合わせる。二人ひと組 の評価)

    2分 を指示する。 ・自分の意見 ・論点を明確にし

    ステップ4 ・確認質問だけでなく, を積極的に持 たい。

    反論…肯定側 2分 反論的な質問も許容す とうとしてい

    反論…否定側 2分 る。 る。(発表観

    ノーサイド ・質問や反論は時間内で 察およびワー

    ステップ5 10分 あれば誰が行ってもよ クシート4) ・ノーサイドにな

    自由討論 い。 ・論題につい ったら,席を元に

  • て,より深く 戻す。

    ・自由討論になったら積 考えている。

    極的に意見を交換できる (発表観察お

    ように必要に応じて教師 よびワークシ

    が論点を整理する。 ート4)

    ・これはと思う意見や考

    えをワークシート4に記

    入させる。

    7.本時のまとめをする。 ・自己評価,自分の考え ・自分の考え ・記述したワーク

    ま 討論を通してわかったこ の変容等をしっかり書か の変容を自覚 シート4は回収す

    と,考えが深まったり広 せてふりかえりをさせた している。(発 る。

    と がったりしたことをワー い。 表観察および

    クシート4に書く。 ・机間指導の中で,声を ワークシート

    め 書いたことを全体に発表 かける。 4)

    5 する。 ステップ6 ・論題についての教師の

    分 教師の論題解釈と評価を 解釈を伝える。

    聞く。 ・討論について等の建設

    的な教師の評価を心がけ

    たい。

    (5) 本時の評価

    ア 論題について,適切で有効な根拠を教材から明らかにし,精選してまとまった意見

    が書けたか。

    イ 進んで自分の読み方・考え方を発表し,また友達の考えを聞き,自分の考えを深め

    たり広げようとしていたか。

    ウ この物語にはメロスと王を軸とした「信実」「信頼」という価値が,その根底にあ

    るということを理解していたか。

    7の7 本時の展開例7(第3次の3時目)

    (1)日 時 平成18年11月 9日(木)

    (2)場 所 公立中学校 第2学年教室

    (3)目 標

    ア 論題について,適切な根拠を教材等から明らかにし,精選してまとまった意見が書

    けている。

    イ 進んで自分の読み方・考え方を発表し,また友達の考えを聞き,自分の考えを深め

    たり広げようとしている。

    ウ メロスの生き方を考えることで,この物語の全体に流れているテーマについて自分

    なりに考えとらえている。

    (4)本時の展開例7

  • 過 程 学習内容と生徒の活動 授業者の指導・支援 評 価 備 考

    1.前時の流れを確認する。・前時で第2の論題追求

    導 をディベカッションによ

    入 る討論で行ったことを想

    5 起させ,意欲付けをする。

    分 2.本時の活動内容とおよ ・自分の思うことを活発 ・この時間で ・論題をあらかじ

    そのめあてを確認すると に述べ合うことが,討論 身に付ける力 め大きく提示する

    ともに,本時の論題を発 の質を高め,論題を広げ 等について知 用意をしておく。

    表する。 深めることになることを り,意欲的に

    ステップ1 告げる。 参加しようと

    ・本時の論題についての している。(観

    説明をていねいに行う。 察)

    3.論題について共感でき 最後の論題であり,作品

    る派と共感できない派に の本質に迫る論題である

    クラスを二分する。 ということ,すでにディ

    ベカッションは3回行っ

    ているので,ここでは機

    械的に分けないで,生徒

    たちの本音をもとに二分

    する。

    4.本時の論題「メロスの ・自分の立場に基づい ・適切な根拠 ・ワークシート5

    生き方に共感できる(共 て,文章中等から根拠を を明らかにし,に必ず記述させる。

    感できない)」について, 求めさせて,立論,予想 精選してまと

    展 文章中等の根拠を押さえ される反論をワークシー まった意見が

    て,自分の考え意見をま ト5に書かせる。 書けている。

    とめる。 10分 ・友達と話し合うことは (ワークシー

    せず,あくまでも自分の ト5)

    考えとしてまとめさせ

    る。

    ・机間指導の中で,書き

    渋っている生徒に声をか

    ける。

    5.論題に対してクラスデ ・進行は教師が行う。 ・自分の意見 ・クラスディベカ

    ィベカッションを行う。 ・それぞれの意見につい を積極的にも ッションに入る前

    ステップ2 てメモを取り,自分の意 とうとしてい に,肯定側と否定

    肯定側立論 3分 見と違うところを見つけ る。(発表観 側に分けて席をつ

    否定側立論 3分 させる。ポイントとなる 察およびワー くり,着かせる。

    開 単語をメモするよう指示 クシート5)

  • 40 作戦会議 2分 する。 ・友達の優れ ・これはと思うこ

    分 ステップ3 ・作戦会議は人数が多い た意見や考え とは,ワークシー

    否定側から肯定側への質問 ので,近くの生徒等と話 に積極的に学 ト5にメモさせる。

    2分 し合わせる。二人ひと組 ぼうとしてい

    肯定側から否定側への質問 を指示する。 る。(発表観

    2分 ・様々な意見の出し合い 察およびワー

    ノーサイド が中心となるので,反論 クシート5)

    ステップ5 10分 的な質問はさせない。真 ・メモを取り

    自由討論 意を尋ねるような質問を ながら,熱心 ・指名等も含めて

    促す。また同様な理由で,に聞いている。多くの生徒に発言

    ステップ4の反論は設定 (観察・メモ させたい。

    しない。 の評価)

    ・質問は時間内であれば ・自分の意見

    誰が行ってもよい。 を積極的にも

    ・自由討論になったら積 とうとしてい

    極的に意見を交換できる る。(発表観

    ように必要に応じて教師 察およびワー

    が論点を整理する。 クシート5)

    ・論題につい

    ・これはと思う意見や考 て,より深く

    えをワークシート5に記 考えている。

    入させる。 (発表観察お

    よびワークシ

    ート5)

    6 ディベカッションを通 ・机間指導の中で,書

    して,「メロスの生き方 きしぶっている生徒には

    に共感できるか否か」に 声をかける。

    ついて再度ワークシート ・考え方の変容がある

    5に書き入れる。 生徒について,特にピッ

    書いたことを全体に発表 クアップして発表させ

    する。 ステップ6 15分 る。

    6.本時のまとめをする。 ・自己評価,自分の考え ・自分の考え ・記述したワーク

    ま 討論を通してわかったこ の変容等をしっかり書か の変容を自覚 シート5は回収す

    と,考えが深まったり広 せてふりかえりをさせた している。(発 る。

    と がったりしたことをワー い。 表観察および

    クシートに書く。 ・机間指導の中で,声を ワークシート

    め かける。 5

    5 教師の評価を聞く。 ・討論について等の建設

    分 的な教師の評価を心がけ

    たい。

  • (5) 本時の評価

    ア 論題について,適切な根拠を教材等から明らかにし,精選してまとまった意見が書

    けていたか。

    イ 進んで自分の読み方・考え方を発表し,また友達の考えを聞き,自分の考えを深め

    たり広げようとしていたか。

    ウ メロスの生き方を考えることで,この物語の全体に流れているテーマについて自分

    なりに考えとらえていたか。

    7の8 本時の展開例8(第4次の1時目)

    (1)日 時 平成18年11月10日(金)

    (2)場 所 公立中学校 第2学年教室

    (3)目 標

    ア 作者がもっとも描きたかった人物について,根拠を示して論理的に記述している。

    イ 作品を通して,人間の生き方や考え方について,自分なりの考えをもっている。

    (4)本時の展開例8

    過 程 学習内容と生徒の活動 授業者の指導・支援 評 価 備 考

    導 1.本日の学習内容とおよ ・本時がこの単元のま ・この時間で

    入 そのめあてを確認する。 とめということを告げ 身に付ける力

    5分 て,意欲付けをする。 等について知

    り,意欲的に

    参加しようと

    している。(観

    察)

    2.作者がもっとも描きた ・3回のディベカッシ ・自分の考え

    展 かった人物は誰かについ ョンによる討論を参考に の変容やたど

    て,根拠を示しながら自 させ,自分の考えはこう った道を根拠

    分の意見をワークシート いう道筋をたどって,こ を示して意欲

    6に書く。 うなったという観点で, 的に書いてい

    ・何人かに発表させる。 根拠を示させて書かせ る。(ワーク

    る。 シート6)

    開 ・机間指導の中で,書 ・登場人物の

    40 きしぶっている生徒には 心情と,その

    分 声をかける。 変化の様に寄

    3.「走れメロス」を読ん ・たいへん難しい課題で り添い,主人 ・ワークシート6

    で,人間の生き方につい あると思うので,今まで 公の生き方や は回収する。この

    てどう考えるか,自分の の学習を想起させ,それ 作品が描いて 時間で書き上がら

    考えをワークシート6に ぞれの書ける範囲で書か いる世界につ ない生徒について

    書く。 せる。まとめ的な意味合 いて,自分な は,家庭学習とす

    いの学習であることを伝 りの考えをも る。

  • える。特に学力的に低い っている。(ワ

    生徒には,精力的に声を ークシート6)

    かけ,寄り添っていきた

    い。

    ・新出漢字については, ・練習したものに

    4.新出漢字の確認をする。間違いやすいもの等を取 ついては,提出さ

    り立てて指導し,家庭学 せ,間違えている

    習においてワークやドリ もの等については

    ル等で確認・練習をさせ 朱筆を入れ,訂正

    る。 させる。

    ま 5.単元全体の学習につい ・単元全体を通しての生

    と ての教師の評価を聞く。 徒たちの学習ぶりを積極

    め 的に評価してやりたい。

    5分

    (5) 本時の評価

    ア 作者がもっとも描きたかった人物について,根拠を示して論理的に記述していたか。

    イ 作品を通して,人間の生き方や考え方について,自分なりの考えをもっていたか。