村上春樹 村上春樹（昭和 24年～。）昭和五十年以降、社会全体の

工業化に伴い都市化が進み、生活意識も感性のあり方も変容を強いられることになった。都市化現象はアメリカ風の乾いた感性を生み、小説にも定着された。現代的な喪失感を独特の世界で描く。その代表作として、

　　　　が取り上げられる。

　

「羊を巡る冒険」（昭和 5７）、「ノルウェイの森」（昭和 62）など

新語を調べておく

１虫の知らせ２担ぐ３気味の悪い ４散文的５若気の至り６一目散７寝起き　

何の根拠もないが、何か悪いことが起きそうな不安を感じる。

肩にかけて担う。まつりあげる。騙す。

恐ろしい感じ

詩情に乏しいさま。無趣味なさま。詩的。

若さのあまり、血気にはやって思慮分別を失うこと。

わき目も振らずに急ぎ走るさま。一目散に逃げる。目覚めて起き出るとき。目覚め。目覚めが悪い（よい）。

８体に馴染む

９肌がちくちくする１０下駄箱１１金縛りになる（あう）１２吹かす１３くっきりとした

慣れて親しくなる。しっくりする。調和する。靴は履いているうちに足に馴染んでくる。

繰り返し刺されるような痛みをこころや肌などに感じる様。

下駄・靴などの履物を入れておく箱。動くことができないように厳しく縛り付けること。

外へ吹き出す。吸った煙を外へ吐く。

はっきりとしている。富士山がくっきりと見える。

思考問題 この小説を読んで、つぎの 1 ～ 3 について

確認しておこう。1 語り手の「僕」は何歳ぐらいか。2 どのような雰囲気の中で語られているか。　

3 いつごろの、どのような「体験談」か

三十歳くらい

みんなが順番にそれぞれ怖い体験談を聞かせてくれた 。主人 ( ホスト ) である僕が最後に何も話さずに場を閉じるわけにはいかない。

十八、九歳。中学校の夜警をやったときに経験した不思議な体験

要点ポイント

　⑴　「僕が高校を出たのはーーーいや、いや、いや・・・ってぐあいにさ。」を話の展開にしたがって三つの部分に分け、それぞれの内容をまとめてみよ。

放浪で日本中をさまよっていたが二年目に中学校の夜警を始めた。夜警の手順の紹介

三時の見回りをしたときに気づいたこと

⑵ 　「ぼく」が「鏡」の中で見た「僕以外の僕」とは、結局何であったのか。

　　僕自身さ 。人間にとって、自分自身以上に怖いものがこの世にあるだろうか

⑶ 　作者はどのような意図から「鏡」という題目をつけたのだろうか、その理由を考えてみよ。

　　

　 　✍ この小説を読んだ感想を、６００字程度の文章にまとめてみよう。

鏡はそのまま自分を映すことができるし、自分の頭の中で自分像を再現することもできる。これは主題にかかわっているから。