【5】6 新技術説明会2016プレゼン資料(産総研 石川) - jstcf-2612株 (17.8...
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耐熱性糖化酵素の開発
産業技術総合研究所、関西センター
バイオメディカル研究部門
連携主幹 石川 一彦
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オイルリファイナリーからバイオマスリファイナリーへオイルリファイナリーからバイオマスリファイナリーへ
化学品
プラスチック
液体燃料
電力
原油原油
バイオマスバイオマス
化学品化学品
液体燃料液体燃料
電力電力
プラスチック・繊維プラスチック・繊維
オイルリファイナリー
地球温暖化エネルギーの枯渇問題
温室効果ガスの排出量削減 資源,エネルギーの安定供給確保
グリーンイノベーションの実現
木質系バイオマス資源を化学品や複合材料,燃料へバイオプロセスにより変換する
糖をベースとするバイオマスリファイナリープロセスに不可欠な糖化酵素の開発
バイオマス糖化酵素
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従来技術とその問題点
バイオマス糖化には、糸状菌トリコデルマ由来の酵素製剤を用いる方法が注目されているが、当該酵素の反応最適温度が50℃付近であり、雑菌汚染、基質の低溶解性、低反応効率等の理由でその実用化が滞っている。
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セルラーゼ生産菌糸状菌Talaromyces (Acremonium) cellulolyticus
T. cellulolyticus Y94株(2.0 FPU/ml 培養液)
1983年 工技院 三石, 山辺ら
TN株(7.3 FPU/ml 培養液)1985年 工技院 山辺ら
C-1株(12.3 FPU/ml 培養液)2001年 産総研 山辺ら
(株)月島機械
CF-2612株(17.8 FPU/ml 培養液)
2007年 産総研(株)月島機械
1983年 旧工業技術院 三石, 山辺らにより発見されたセルラーゼ高生産菌
従来のTricoderma reesei に比べてβ-グルコシダーゼ活性が高い、酵素の耐熱性も高い等の特徴がある
従来のTricoderma reesei に比べてβ-グルコシダーゼ活性が高い、酵素の耐熱性も高い等の特徴がある
T. cellulolyticus Y94株(野生株)
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糸状菌タラロマイセス(アクレモニウム)Talaromyces (Acremonium) cellulolyticus
・産総研が知財化している糖化酵素高生産菌・酵素製剤がMeiji Seika ファルマにより商品化
高効率(耐熱性)糖化酵素製剤の開発
競合技術:糸状菌トリコデルマ
・最もメジャーな糖化酵素生産菌・大手酵素メーカーが知財化
セルラーゼ生産糸状菌
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糖化反応に必要な酵素を耐熱化
バイオマスの加水分解に関係する酵素バイオマスの加水分解に関係する酵素
結晶領域
非結晶領域セルロース
β-グルコシダーゼ(BGL)β-グリコシド結合を切断
エンドグルカナーゼ(EG)非結晶領域をランダムに切断
ヘミセルロース
結晶領域を末端から分解
セロビオハイドロラーゼ(CBH)
キシラナーゼ(XYL)ヘミセルロースを分解
・酵素の安定性が向上、再利用が可能・高温による反応速度向上、反応時間の短縮・高温による雑菌汚染の回避・高温による基質および生成物の溶解度向上
耐熱性酵素のメリット
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•多くのCBHIの反応最適温度は50℃付近であるために、バイオマス糖化行程における、基質の溶解度および雑菌汚染等の問題により、その実用化が滞っている。
•70℃以上の高温で安定に作用する耐熱性CBHIにより、高効率バイオマス糖化プロセスが可能になる。
•タンパク質工学的手法により70℃以上で高活性かつ安定な耐熱性CBHIの構築に成功した。
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糸状菌由来CBH I の比較
Fungus Optimum Temp.Talaromyces emersonii 70Chaetomium thermophilum 65Thermoascus aurantiacus 65Hypocrea jecorina 50Acremonium thermophilum
Trichoderma ressei
Talaromyces cellulolyticus
60
50
55
CBH I 活性 耐熱性
Talaromyces emersonii Low HighTalaromyces cellulolyticus High moderate
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Talaromyces cellulolyticusTalaromyces emersonii
Talaromyces cellulolyticusTalaromyces emersonii
Talaromyces cellulolyticusTalaromyces emersonii
Talaromyces cellulolyticusTalaromyces emersonii
Talaromyces cellulolyticusTalaromyces emersonii
Talaromyces cellulolyticusTalaromyces emersonii
Talaromyces cellulolyticusTalaromyces emersonii
Talaromyces cellulolyticusTalaromyces emersonii
Talaromyces cellulolyticusTalaromyces emersonii
1
4
3
5
6
2
1 2
3
4 5
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T. emersonii CBHI (1Q9H)T. cellulolyticus CBHI (Modeled)
11
3
4
5
2
6
3 4
2
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タンパク質工学的手法によるCBHIの耐熱化
Tm ΔTm
WT 63.0 oC ---
M1 64.0 oC +1.0 oC
M2 66.0 oC +3.0 oC
M3 65.0 oC +2.0 oC
M4 66.5 oC +3.5 oC
M5 71.0 oC +8.0 oC
至適温度変性温度
活性を下げずに耐熱性向上,高温での糖化反応が可能活性を下げずに耐熱性向上,高温での糖化反応が可能
耐熱性評価
M1WT
M2
M3 M4
相対活性
(%)
変異体
M5 (M1+M2+M3+M4)
耐熱性 Up(採用)
耐熱性 Down(保留・不採用)
65 oC と 60 oCの活性の比で,変異導入箇所を選別
青・黄: Talaromyces cellulolyticus(構造予測によるモデル)
灰色: Talaromyces emersonii
M3
M2
M1
M4
70 oC比活性
(U/m
g)
温度 (oC)
至適温度Up
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名称 変異の種類 変異 相対活性(%) Tm(℃)
野生型 - なし 100 65.50
変異体1 M1 94 66.00
変異体2 M2 88 68.00
変異体3 M3 87 67.00
変異体4 M4 98 68.50
変異体5 M1-M2-M3 96 70.67
変異体6 M1-M2-M3-M4 95 72.50
変異体7 M5 93 65.50
変異体8 M1-M2-M3-M4-M5 95 72.50
105 60 TrichodermaCBHI
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耐熱化変異体
Trichoderma CBHI
特願2014-109035耐熱化改良した糸状菌由来セロビオハイドロラーゼ
70度以上でアビセルを加水分解する耐熱性CBHI(65度で長時間安定)T. cellulolyticus による大量生産(>20g/L(培地))が可能
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新技術の特徴・従来技術との比較
• 従来技術の問題点であったセルラーゼ酵素(CBHI)の耐熱化・高機能化に成功した。
• 従来のバイオマス糖化行程においては酵素の低安定性のため50℃以下での実施に限られていたが、耐熱性CBHIの開発により、糖化反応を70℃以上で行うことが可能となった。
• 本技術により雑菌汚染回避および酵素反応速度向上、糖化コストが1/2~1/3程度まで削減されることが期待される。
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想定される用途
• 本技術の特徴を生かすためには、本酵素をバイオマス糖化行程に適用することで高効率バイオ原料を得ることが可能になる。
バイオ燃料、バイオガス、バイオリファイナリー
• また、産総研の酵素耐熱化技術に着目すると、その他の酵素タンパク質の耐熱化デザインも可能である。
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実用化に向けた課題
• バイオマス糖化酵素製剤について、耐熱性CBHIの利用が可能なところまで開発済みである。
• キシラナーゼ、エンド型セルラーゼ、ベータグルコシダーゼも既に耐熱化済み。
• 今後、バイオマス糖化に必要なセルラーゼ(CBHII)についても耐熱化を実施することで、糸状菌タラロマイセスの高温バイオマス糖化行程への適用が可能になる。
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糖化酵素 耐熱性糸状菌での大量発現
エンドグルカナーゼ(EG)
○(105℃)
○
b-グルコシダーゼ(BGL)
○(105℃)
△○
セロビオヒドロラーゼ(CBHI)
○(70℃)
○
セロビオヒドロラーゼ(CBHII)
×(40℃)
○
キシラナーゼ(Xy)○
(75℃)○
バイオマス糖化に必要な加水分解酵素
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企業への期待
• 未解決の耐熱性酵素開発については、産総研の耐熱化技術により克服できると考えている。
• 酵素改良・製造の技術を持つ企業との共同研究を希望。
• バイオマス糖化システムを開発中の企業には、本技術の導入が有効と思われる。
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本技術に関する知的財産権
• 発明の名称 :耐熱化改良した糸状菌由来
セロビオハイドロラーゼ
• 出願番号 :特願2014-109035PCT/JP2015/064994 ( H27/05/26 )
• 出願人 :産業技術総合研究所
• 発明者 :石川一彦、岸下誠一郎、中林誠、
蒲池沙織、柳本敏彰、藤井達也
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産学連携の経歴• 2003年- 大学発ベンチャー耐熱性酵素研究所
設立
• 2008年-2011年 東レ㈱と共同研究実施
• 2009年-2010年 A-STEP ウォータージェットによるキチ
ン系未利用バイオマスの高度有効活用
事業に採択
• 2011年-2014年 JST先端的低炭素化技術開発事業
ALCA、セルロース系バイオマス原料か
らモノマー原料の革新的製造プロセス
に関する研究開発 事業に採択
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お問い合わせ先
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
生命工学領域研究戦略部
イノベーションコーディネータ 新間 陽一
TEL 029-862 - 6032
FAX 029-862 - 6048
e-mail [email protected]