マタギ式ローテク登山ツーリズムのご提案(草案) 織山英行

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018-4512 秋田県北秋田市根森田字仲ノ又131 織山英行(31歳) E-mail:[email protected] LINE ID:awyete 不便豊かにする 自分装備自分つくろう! マタギ式ローテク登山 ツーリズムご提案 ©SEGA

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Page 1: マタギ式ローテク登山ツーリズムのご提案(草案) 織山英行

〒018-4512 秋田県北秋田市根森田字仲ノ又131

織山英行(31歳)

E-mail:[email protected] LINE ID:awyete

不便は人を豊かにする 自分の装備は自分でつくろう! マタギ式ローテク登山 ツーリズムのご提案

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Page 2: マタギ式ローテク登山ツーリズムのご提案(草案) 織山英行

目次 00 自己紹介 01 ご提案の趣旨 02 事業ビジョン 03 事業コンセプト 04 市場調査

05 営業戦略 06 収益確保の仕組み 07 スケジュール・収支予測 08 想定されるリスクと解決策 09 成長イメージ・過去の事例

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Page 3: マタギ式ローテク登山ツーリズムのご提案(草案) 織山英行

00 自己紹介

2011年7月に秋田県北秋田市 へ移住。 マタギ発祥の地と言われているところ 森吉山麓で滞在型観光を強化することが目的

【織山 英行】マタギ見習い

【織山 友里】喫茶店 運営

【織山 芽子】4歳

【織山 董子】1歳

Page 4: マタギ式ローテク登山ツーリズムのご提案(草案) 織山英行

00 一般的なマタギ

のイメージ

そもそもマタギ とは =東北地方などの山間部に住む、 古い猟法を守って狩りを行う狩猟者…

【孤高の狩猟民族・マタギ】 東北地方・北海道で古い方法を用いて集団で狩猟を行う者を指す。「狩猟を専業とする」ことが その定義とされる。獲物は主に熊の他、カモシカ、ニホンザル、ウサギなども獲物とした。 古くは山立(やまだち)と呼ばれており、特に秋田県の阿仁マタギが有名である。 その歴史は平安時代にまで遡るが、他の猟師には類を見ない独特の宗教観や生命倫理を 尊んだという点において、近代的な装備の狩猟者(ハンター)とは異なる。

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00 狩猟はマタギの 一面でしかない

そもそもマタギ とは =東北地方などの山間部に住む、 古い猟法を守って狩りを行う狩猟者…

…という面だけではない。 民俗学者の柳田国男は、「山の人生」等の著書のなかで、マタギの研究に取り組み、マタギと いう言葉は、山の資源を頼りに生きてきた人々をさし、独自の文化を形成していたと記している。

マタギを単なる狩猟者ととらえるのは、一面的といえる。 例えばマタギは、「登山の達人」であり、基本的には山にあるものを利用するため、 最小限の装備で入山していく。しかも山を汚さぬよう、荒らさぬように細心の注意がはらわれる。

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01 提案の趣旨

マタギと一緒に山に入っていると 現在の登山ブームに 違和感を感じるようになってきた 【現代登山の現状】 高級素材の登場(ゴアテックス、ダイニーマ、ウィックロンなど)や高性能な登山用品の 充実により、「機能オ-バー、知識不足」で登山をする人が増えてきている。 ミズノの調査によると、ウエアの上下にかける金額は平均で4万円。 「富士山初心者一人登山のコツ」というサイトでは食料なども含めた道具の合計金額は 25万円と紹介されている。(サイト http://fujisan.hitoritozan.com/ryokouki/kawagutikoguti5.html) 登山が高級で危険な趣味になってきているのではないか。足りない知識や技術を用具で カバーしようとするため、高級装備や大量の不要な装備をそろえるが、登山当日に悪天候が 予想されてもリスクを考えず、平気で山に突入するという本末転倒な出来事も少なくない。

Page 7: マタギ式ローテク登山ツーリズムのご提案(草案) 織山英行

01 提案の趣旨

それって、道具に登らされてない? 終始快適な登山は本当に楽しいのか

という疑問。登山の魅力が良い景色を楽しむだけになってやしないか。 コースと自分の能力、天気を総合的に判断することができずに、念のためにと重たい荷物を 抱えて登り、へとへとの疲労感が満足感として錯覚されているような状況。

Page 8: マタギ式ローテク登山ツーリズムのご提案(草案) 織山英行

01 本来の登山とは、山との対話 不便を楽しむ心、改善させる知恵

提案の趣旨

【 マタギの知恵 】

*フキの葉をコップ代わりにすると、荷物がひとつ減るだけでなくフキの香りが水に 移り爽やかな味になる。ビタミンも溶け出しているらしい。 *ホオノキやチシマザサの葉は殺菌効果があり、釣れた魚を包むと長持ちする。 *ヨモギやフキの葉をたき火にくべると蚊取り線香代わりになる。 *行動食の代わりに、甘い汁が出るイタヤカエデの枝をしゃぶる。

Page 9: マタギ式ローテク登山ツーリズムのご提案(草案) 織山英行

1% 3%

6%

22%

68%

平成 23 年度年齢別 狩猟免状交付状況 秋田県 計2,698人

20歳代

30歳代

40歳代

50歳代

60歳以上

01

マタギの減少≒山の本質を知る人の減少 山との関わりの本質を再考する場を構築したい (社会的背景 → マタギが激減している)

【秋田県内の狩猟者数の推移】 ○1992年 4,932人→ 2012年 1,920人 20年間で4割以下に激減 ○現在は、狩猟のみで生活をする人がいなくなり、県内で免許を持っている2,698人のうち7割が 60歳以上で、狩猟ができる人が急速に減少することが予想されている。さらに、マタギの知恵を 伝承する若者の狩猟離れが加速しており、その保存と継承が大きな課題となっている。

50歳以上で9割 を占める

提案の趣旨

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02 事業ビジョン

ビジョン = Anti-High-Technology マタギをプロのローテク登山家として再定義し 登山ライト層を中心とした、ガイド付きツアーを 実施。マタギの収入増→若手増加を狙う。

ローテク登山とは、高機能な登山用品に頼らず、自然素材の力を最大限に活用した登山用品で登るスタイルのこと。

例えば、マタギ体験で がっかりされること No.1はマタギが オレンジ色のベストを 着ていること。 法律で決まっているこ とはいえ、マタギには 毛皮を着ていてほしい という思いが強い。

業態はツアーを募集する旅行業+農家民宿+登山ガイドを合わせた形

こういうものを着て 山を登ります。 プランによっては 道具を手作りで! 2013年3月12日 阿仁マタギの狩猟 用具293点が、国の 重要有形文化財に 指定されました。

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登山は不便を楽しむもの。不便があっても良いじゃないか。

むしろ不便な方が楽しいじゃないか。

昔ながらの手法で登山を楽しむ方法を追求していきます。

便利になりすぎたモノによる弊害、いわば〝便利害〟という考え方がある。 例えば、カーナビに頼るあまり、街の地図が頭に入らなかったり、膨大な枚数の写真を 撮影できるデジカメだと深く考えずにシャッターを押してしまう、といった現象。 効率を上げる、機能を充実させる、といったモノづくりを追求する だけではなく、一見、不便に思えることが実はプラスになっている という事実にも目を向けてみたい。 例えば、オートマチックの自動車よりマニュアル車の方が 運転が楽しいということ。

03 事業コンセプト

コンセプト = 不便は人を豊かにする キーワードは【 純度と濃度と深度 】

マタギはそれを当たり前のように続けてきた存在 山と正面から対峙し、自然と同調する喜びを知る者。

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04 市場調査

旅行市場・登山市場ともに好調 競合相手は甲信越アウトドア業界

着地型旅行 (エコツーリズム)

登山

キャンプ

用品市場 着地型旅行人口 259万人 331億円 着地型旅行市場現状調査報告(平成23年度)

登山人口 860万人 1860億円 日本生産性本部レジャー白書(平成24年度)

【 競合分析・社会状況 】

*カラフル・ハイテクギア *交通費 片道4000円 *登山ビギナー増加 *コア層2:ライト層8 *(株)スノーピーク上場 *H28 8月11日 山の日 *国による後押し(次ページ 参考1)

【 課題 】

*山環境の悪化・マナーの低下が目立つ

*整備された自然ではなく、リアルな自然を

*山を通じた社会貢献をしたいという願望

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05 営業戦略

【 武器 】

顧客のニーズ(自然回帰)にマッチさせ、首都圏の山にはマネのできないものを武器に闘う。 目標は森吉山北側地域の年間観光客数 20万人、宿泊者数 1万泊を達成させること!

①顧客への知名度の低さ → 手つかずの自然を提供できる

②アクセスの悪さ・登山用品店ゼロ → 秘境感の増幅

③マタギとは恐いものだというイメージ → 実は優しい (ギャップ萌え)

④徹底したローテクの追求 → ホームページは持たず、チラシはガリ版で印刷 ↑ (その他)秋田県は、地元のホスピタリティーを感じたで第2位(じゃらん宿泊旅行調査2013) お客様に喜んでいただくおもてなしができる秋田県は観光大国になる素質がある!

マタギ発祥の地でしか体験できない 山と人との関わりの原点

【 ポジション 】 全方向

集中

差別化 低コスト

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06 収益確保の仕組み

日帰り・1泊2日・2泊3日の3プラン 里山の日常生活のついでついでに顧客対応を織り込む

旅行代理店 ・チラシや口コミを中心としたPR ・リピーターづくりに力を入れる

申込み ・事前予約はハガキでのみ受付 ・そのまま顧客名簿となる

道具づくり ・ワラ細工を中心に手仕事を実践 ・翌日の登山ウエアを自作する

宿泊 ・夕食づくりのついでに体験 ・農家民宿に宿泊

登山 ・山菜採り、キノコ採りのついでに ・現役のマタギにガイドを依頼

昼食 ・いつもの弁当のついでに ・山の中で食事

下山 ・2泊3日プランの場合は山泊まり ・往復で6時間程度

解散 ・自分で作った物が最高のお土産 ・アンケートを実施、PDCAに活かす

道具レンタル 里山体験 山で寝泊まり

1泊2日プラン例

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07 スケジュール

山岳系雑誌に特集を組んでもらう ローテク登山を次の山のムーブメントに

H28年度 H29年度 H30年度

外向け

内向け

【 トライアルの方法 】

・市や県の滞留型観光推進事業として、モニターツアーを実施

・公的な補助金を活用し、資金不足の補いと、対外的な信用力を高める

・Airbnbなどの宿泊仲介サイトを活用し、訪日外国人客のニーズを探る

モニターツアー実施

・DM、チラシ配布 ・地域のオプショナルツアーとして

・山岳系雑誌へPR ・訪日外国人(FIT)を取り込む

地域への理解

・農家民宿の開業 ・システムの確立

・組織づくり ・人財育成

昨年訪れた フランス人留学生

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07 収支予測

必要資金の総額は 約1,500万円 自己所有の土地・建物をベースに開業

支出

開業準備金

内外装工事費 6,000千円

改装・空調工事費 6,000千円

看板・什器他 1,200千円

調査・ガイド研修費 500千円

運転資金

家賃 0千円

水道光熱・通信費 500千円

広告宣伝費 500千円

モニターツアー経費

報償費(マタギへ謝金、諸経費) 200千円

需用費(チラシ作成、食糧費) 200千円

役務費(通信運搬費、保険料他) 80千円

収入目標 第1期 第2期 第3期

参加者 200人(週4人) 480人(週10人) 1,300人(週27人)

売上高 3,000千円 7,200千円 19,500千円

売上総利益 900千円 2,160千円 5,850千円

人員 2人 3人 4人

我が家を農家民宿として 改装し、経費をおさえる。 プラン金額(予定) 【日帰り】 5,000円 【1泊2日】 19,800円 【2泊3日】 45,000円

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08 想定されるリスクと

解決策

ローテクの安全性の低さを マタギの知恵と技量でカバーする

マタギは危機に際しての的確な状況判断、迅速な行動、強靱な忍耐力、

結果に対する責任感、組織内での行動、見識など様々な資質は兼ね

備えているものの、安心して参加してもらえるように万全の対策をしたい。

【 想定されるリスク】

*登山中のケガ

*材料の不足

*集客の不足

*クレーム

【 解決策 】

*案内を担当するマタギにはガイドの資格をとってもらう

*地域の理解と賛同をもらい提供していただく

*より魅力的なメニューにするため、個性を伸ばしていく

*アンケートをとり、PDCAと効果測定を徹底する

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09 成長イメージ

広がる連携 マタギがローテク登山のプロとして認知され 農山村で暮らす人の副業として成立している

地域住民

市町村担当課 市観光協会

新規事業

環境省

自然保護団体

秋田県

参加者 (日本・海外)

猟友会

マタギの価値を広め、地域と参加者の橋渡しともなりうる存在を目指す。

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09 過去の事例

過去の実績:北海道、高知、名古屋から来訪 本物の体験を求め 各地から人が集まる

【 2014年10月25・26日 根森田農村体験ツアー】

・市と県と連携し、滞留型観光推進事業としてモニターツアーを実施

・1泊2日 15000円 鶏のト殺体験や、きりたんぽ作り、マタギと一緒に山歩き等

・参加者10名 満足率100%のツアーとなった

純度・濃度・深度が人を惹きつける

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10 まとめ

はい、何故かというと…

①高い登山用品を買う必要がなくなる・手ぶらで来られる

②自分で身につけるものを自作する喜び

③未知の体験、未知の世界へ飛び込む快感

●これはお客さんが喜ぶのですか?

はい、何故かというと…

①マタギ発祥の地である北秋田というブランドがある

②徹底してアンチハイテクにこだわる(他社の気付いていない価値)

③運営責任者がマタギであり、その地域に住み、暮らしている

●他の会社とは違うのですか?

はい、何故かというと…

①登山用品を買えそろえる必要がないため、登山ライト層を取り込める

②コストがほとんどかからずに高い粗利が得られる構造

③潜在的に食や生活、日本人の原点に触れたいという需要が見込める

●それでは、儲かるのですか?