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鹿児島大学水産学部海岸環境工学研究室
西 隆一郎([email protected])
海岸環境工学(渚の科学)海岸環境工学入門-海岸・海洋におけるドロ-ンモニタリング-
National Maritime (Prime Minister ‘s)Award, Japan Coast Guard Director Award, Japan Red Cross Gold Award
日本の師匠志布志湾にて アメリカの師匠
ミシシッピ-州
アメリカの友人フロリダ州(NY Times)
新人の皆さん; 良い師匠やすごい先生に出会いましょう
京都賞(鹿児島にて)第二次世界大戦終結へ
人を育てるのが私の仕事
ドロ-ン(UAV・無人航空機)を使うと、今までできなかった調査や実験が可能です。そして、新しい発見も可能です。日本では、比較的に新しい技術なので、新人の皆さんも先達になれる可能性大です。本講義では、水域でのドロ-ンの使い方を包括的に学びます。
台風による海岸侵食の現地調査
Hurricane Andrew被災調査
災害調査や災害支援、そして、海岸・海洋調査に空からの情報がとても役立ちます。
空からの空間・地理情報を迅速に得るのにドロ-ン(UAV・無人航空機)は有用です。現場の俯瞰的・包括的な状況把握にも最適です。
・位置情報付き空中写真・高精度な動画(4K)・位置情報付き赤外画像・リスクを抑えた現地調査(自然災害時、危険個所)・船を使わない&船からの調査・比較的に迅速な解析・高度空間情報(点群デ-タ)作成
・低コストそして省力化(少人数化)
・リモ-トセンシングの知識を用いた小領域・高頻度型リモセン(4次元情報化)
ドロ-ン関連調査・解析・業務
・飛行計画(目的・地域・許可
申請・精度等)・空撮作業(静止画・動画)
or 空中調査(赤外系(SST)、レーザ-(地物測量・測深))or 薬剤散布等・ 一次処理(空間データ化)・ 判読作業・ 解析作業(データ解析)・ 報告書作成
海岸環境工学入門-海岸・海洋におけるドロ-ンモニタリング-西 隆一郎 ([email protected])
・もし貴方が鳥の目を持っていたら、もしドロ-ンを持っていたら さ
あ何ができるでしょうか ?
ドロ-ンによるモニタリング(迅速性・省力化・安全性)
1. 位置情報付き空中写真2. 高精度な動画(4K)3. 位置情報付き赤外画像4. リスクを抑えた現地調査(自然災害時、危険個所)
5. 船を使わない&船からの調査6. 比較的に迅速な解析7. 高度空間情報(点群デ-タ)作成8. 低コストそして省力化(少人数化)9. リモ-トセンシングの知識を用いた小領域・高頻度型リモセン(4次元情報化)
もし鳥の目を持っていたらor
もしドロ-ンを持っていたら何ができるでしょうか ?
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ドロ-ン画像の精度は、???が高いほど良い。
※カメラの画素数を話しているのか、地上(・海上・対象物)分解能を話しているのか、違いを理解する必要があります。
1,200万画素のカメラで高度1mと150mから撮影した静止画像例。高度150m撮影では、何人いるか分かりますが、個体認識(個人識別)できる地上分解能ではありません。高度1m画像は、ケ-スの行先も植物の種類も判読できます。
高度1m
高度150m高度150m
ドロ-ン画像の撮影範囲は、高度が高くなるほど広くなります。
撮影・測定対象物に応じて、適切な飛行高度(・対象物までの飛行距離(側面・斜面撮影))を設定する必要があります。
高度1m(超近接撮影)
高度150m高度150m
高度・(距離)
近接
遠方
撮影面A
撮影面C
撮影領域
小領域(狭い)
広領域(広い)
※使用する撮影(カメラ)システムで、高度Zimの時に画像の横方向Yim、縦方向Ximの表を作成しておくと役に立ちます。
ドロ-ンはリモセンの代替技術ではありません。
ドロ-ンだからこそできる利活用法があるはずです。
通常、空からの写真測量・環境調査は、対象物の上空を通る水平コ-スで行う。対象物に対して、法線方向の撮影・調査が好ましいが一般的に有人航空機では水平コ-ス
火山、原発、聖地、etc. 空域制限やその他の事情で対象物の上空をフライトできないと、調査をあきらめる!!!or 何とかする。
質問; ドロ-ンで何とかならないのか?回答; 空域制限があるので無理なものは無理(本当でしょうか?)
当面のUAV関連調査・解析・業務
1. 飛行計画(目的・地域・許可申請・精度等)2. 空撮作業(静止画・動画) or 空中調査(赤外系(SST)、レーザ-(地物測量・測深))or 薬剤散布等
3. 一次処理(空間データ化)4. 判読作業5. 解析作業(データ解析)6. 報告書作成
簡単に言うと、ある目的に対して、計画を立て、UAVフライトを行い、データ化して、解析を行い、結果をまとめ報告書作成が一般的な流れ。民間業務では、それぞれに専門家がいる。 海岸環境工学研究室では一人で全作業を行っています。
陸・川・海、そして、空(上方)へのドロ-ン利活用
ドロ-ンで様々な事ができそうですが、「行って撮影・調査して来い」で、オペレ-ト(操縦・撮影・データ取得)できるわけではありません。依頼(命令)する方も、オペレ-トする方も、何ができて、何ができなくて、何ができそうか、知っておく必要があります。
そして、具体的には
・目的を明確に(何をしたいのか・現場で何ができるのか)・事前にフライトシミュレ-ション(机上やPC)・機材の準備・現場を良く見ましょう。そして、観天望気が大事です。・チームで打ち合わせ(安全確認、機材確認、フライトプラン確認)
・安全に運行したら、現場でデ-タを確認しましょう・安全、安心なフライトで、良質な画像・デ-タ取得しましょう。
ドロ-ンパイロットも、画像・デ-タ解析がどの様に行われるか知っていれば、最適なフライト・位置取りができます。
ドロ-ンを利活用するには;
1. 安全に運行する技術2. 目的の(質の良い)画像・動画・デ-タを撮る(取る)技術3. 画像や動画を判読し・解析する技術4. 運航に必要な法律の知識5. 頼れるアドバイザ-・頼れる経験6. その他
飛行前に必ず安全運転と声に出しましょう。どんな事があっても、どんな事を頼まれても、何が起きても、「安全運転」遵守。
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安全に運航する技術 i.e. カラスや猛禽類に注意、 温度管理にも注意、強風や雨にも注意、別のドロ-ンにも注意、電線に注意、構造物や人に注意、そして、ほかの有人航空機にも注意、・・・
ドロ-ンの利活用で大事なこと(一人で始めない);・技術的に信頼できる人を探しましょう。・安全な運用(飛行)を手伝ってくれる友人を探しましょう・一にも二にも「安全運転(運航)」
新人さんへのアドバイス
リモ-トセンシング衛星では、任意の場所を任意の
時間に調査(指令)することはほとんどできません。運航権限を持つ人は、この講義室には多分いません。
GPS
個人や組織で
運航権限を持てる(最適なフライ
トプラン・調査プラン(テーラ-メ-ド調査)を立案し実行できる。
民事利用の利活用が進む可能性は高い。
(まずは空飛ぶ高級デジカメ・ビデオの利活用)
ドロ-ンはどこを飛行する?
・軍事利用(低空から高高度)?日本ではほとんど未利用
・民事利用(通常;150m規制)農薬散布(多数派)+写真測量+広報
高度
3万6千km
1万9937~2万130km
300~500km
9~12km
インテルサット
3万5844km BS衛星3万5800km ひまわり
3万5797km
GNSS(全球測位衛星システム)GPS、GLONASS、Gal ileo、準天頂衛星(QZSS)等
スペ-スシャトル
ジェット機
3km以下 プロペラ機
宇宙
宇宙や空にはたくさんのモニタリング用の機材が
図1 サンゴ礁海域の地形(等値線20cm間隔)
図2 サンゴ礁海域の地形段彩図 図3 潜堤のオルソ画像(等値線20cm間隔)
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図4 藻場のオルソ画像
図5 油類漂着状況調査の例
体長11m
図6 マッコウクジラの計測例図7 河口周辺海域のクラゲの様子
A
B
D=5.26m
28°24′ 17.84‘’N129°27′15.02″E
-27.2mが観測時汀線位置
D=1.5m
A
図8 サンゴ礁性海岸の簡易調査例 図9 サンゴ礁地形の段彩図
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7°20′ 19.81″ N 134°27′ 56.83″ E
13.7m
図10 日本軍沈船の様子
図11 国際サンゴ礁研究所付近の海底地形の様子
図12 マングロ-ブ林の調査例
7°20′19.81″ N134°27′56.83″ EL=13.7m
図13 国際サンゴ礁研究所付近の環境調査例
図14 浮体(海面養殖施設)を鳥の視点で撮影した空撮画像 図15 マリ-ナの船舶係留状況と航路埋没の状況
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図16 港口に向かい伝搬中の航跡波の様子図17 海面を漂う油類の状況
図18 浮体構造物と波の干渉の状況
図19 水面反射による色彩情報が欠けた例(その1)
図20 水面反射による色彩情報が欠けた例(その2)図21 反射光により波が識別できる空中写真の例
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図22 時間差と空間位置差で航跡波が消える画像の例(1) 図23 時間差と空間位置差で航跡波が消える画像の例(2)
図24 航跡波の例(その1)図25 空中写真から目視で抽出した航跡波の波峰線(その2)
図26 航跡波の例(その2) 図27 空中写真から目視で抽出した航跡波の波峰線(その2)
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図28 浮体構造物と波の干渉(反射波)の様子
図16 係留された船舶の空中写真(鶴洋丸)
図29 停泊中の船舶の静止画の例(鶴洋丸)
図30 船舶のオルソ画像の例(鶴洋丸)(左右反転)図31 港湾と船舶の三次元化の例(田老漁港)
図19 ドロ-ンにより撮影した船舶の空中写真図32 ドロ-ン空撮時の長さ指標の例
図33 浮体構造物周りの波の様子とGoogle Earthの計測機能で求めた浮体構造物の長さ(10.8m)の比較の例
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質問;
1) ドロ-ンを用いて行いたいことを述べて下さい。
2) 質問1)で述べたことを実行するには、何をどの様に成すべきか、できるだけ具体的な計画を説明して下さい。
3) 図1から図33の中の一枚の画像を取り上げて、画像(図)から読み取れることを200字以上で説明して下さい(判読作業)。
4) 本講義内容の感想を述べて下さい。
提出先は;
西 隆一郎 ([email protected])