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44.薬剤耐性淋菌の分子標的モニタリング法の構築と 神戸市内分離株での有用性の評価 ○ 中西 典子 (神戸市環境保健研究所) 田中 忍 (神戸市環境保健研究所【目的】 近年、淋菌の多剤耐性化が急速に進んでいる。現在の淋菌感染症治療薬剤として、第 3 世代セファ ロスポリンのセフトリアキソンが世界的にも第一選択剤となっている。セフトリアキソン以外にも治 療効果が期待できるスペクチノマイシンやアジスロマイシンがあるが、これらの薬剤に対しては既に 高度耐性淋菌の出現が報告されている(1,2,3)。この事実から、セフトリアキソン高度耐性淋菌の出 現と拡散は、淋菌感染症治療を極めて困難にすることが危惧される。従って、淋菌の薬剤耐性化は世 界的にも公衆衛生上の緊急課題となっている。 2009 年に世界に先駆けて日本で初めて分離されたセフトリアキソン高度耐性淋菌(以下、HO41 株) の出現は、遺伝系統解析により、第 3 世代経口セファロスポリン剤(セフィキシム)の耐性淋菌の拡 大を背景にしていることが明らかになった(4)。最初のセフィキシム耐性淋菌も、1990 年代末に世 界に先駆けて日本で出現し、2000 年以降国内各地で分離頻度が高まっている。セフィキシムおよびセ フトリアキソン耐性獲得に関しては、他の常在ナイセリア属菌と共通した配列を持つモザイク型 PBP (mosaic penicillin binding protein) 2 の獲得が大きく寄与していることが明らかとなっている。 セファロスポリン耐性等の薬剤耐性淋菌感染症を制御するためには、淋菌集団構造を遺伝系統なら びに菌株レベルで理解していくことが不可欠である。しかし、従来法の遺伝子型別解析である multilocus sequence typing 法(MLST)や Neisseria gonorrhoeae multiantigen sequence typing 法 (NG-MAST)では、集団構造を詳細に理解するには限界がある。そこで、最近、淋菌においても報告さ れた分子タイピング法である multiple locus variable number tandem repeat 法(MLVA)(5)を導入 することにより、薬剤耐性淋菌の高精度なモニタリングシステムを構築することを目的としている。 本研究では、まず、分子タイピング法としての MLVA 法の評価と最適化を図るとともに、MLVA 法を 導入して、神戸市で分離された淋菌を中心に遺伝系統分析と遺伝的多様性解析を行った。また、菌株 間の遺伝的類似性と相違性をセファロスポリン耐性に寄与する PBP2 の変異との関連から解析し、薬剤 耐性淋菌の蔓延状況の解明に迫った。 【材料及び方法】 <1> 菌株:MLVA 解析の構築に際して、国立感染症研究所細菌第一部から淋菌株の DNA を分与していた だいた。さらに、2003 年-2011 年において神戸市で分離された淋菌株 50 株を解析対象とし、DNA はボ イル法にて抽出した。 214

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44.薬剤耐性淋菌の分子標的モニタリング法の構築と

神戸市内分離株での有用性の評価

○ 中西 典子 (神戸市環境保健研究所)

田中 忍 (神戸市環境保健研究所)

【目的】

近年、淋菌の多剤耐性化が急速に進んでいる。現在の淋菌感染症治療薬剤として、第 3 世代セファ

ロスポリンのセフトリアキソンが世界的にも第一選択剤となっている。セフトリアキソン以外にも治

療効果が期待できるスペクチノマイシンやアジスロマイシンがあるが、これらの薬剤に対しては既に

高度耐性淋菌の出現が報告されている(1,2,3)。この事実から、セフトリアキソン高度耐性淋菌の出

現と拡散は、淋菌感染症治療を極めて困難にすることが危惧される。従って、淋菌の薬剤耐性化は世

界的にも公衆衛生上の緊急課題となっている。

2009 年に世界に先駆けて日本で初めて分離されたセフトリアキソン高度耐性淋菌(以下、HO41 株)

の出現は、遺伝系統解析により、第 3 世代経口セファロスポリン剤(セフィキシム)の耐性淋菌の拡

大を背景にしていることが明らかになった(4)。最初のセフィキシム耐性淋菌も、1990 年代末に世

界に先駆けて日本で出現し、2000年以降国内各地で分離頻度が高まっている。セフィキシムおよびセ

フトリアキソン耐性獲得に関しては、他の常在ナイセリア属菌と共通した配列を持つモザイク型 PBP

(mosaic penicillin binding protein) 2の獲得が大きく寄与していることが明らかとなっている。

セファロスポリン耐性等の薬剤耐性淋菌感染症を制御するためには、淋菌集団構造を遺伝系統なら

びに菌株レベルで理解していくことが不可欠である。しかし、従来法の遺伝子型別解析である

multilocus sequence typing 法(MLST)や Neisseria gonorrhoeae multiantigen sequence typing 法

(NG-MAST)では、集団構造を詳細に理解するには限界がある。そこで、最近、淋菌においても報告さ

れた分子タイピング法である multiple locus variable number tandem repeat 法(MLVA)(5)を導入

することにより、薬剤耐性淋菌の高精度なモニタリングシステムを構築することを目的としている。

本研究では、まず、分子タイピング法としての MLVA 法の評価と最適化を図るとともに、MLVA 法を

導入して、神戸市で分離された淋菌を中心に遺伝系統分析と遺伝的多様性解析を行った。また、菌株

間の遺伝的類似性と相違性をセファロスポリン耐性に寄与するPBP2の変異との関連から解析し、薬剤

耐性淋菌の蔓延状況の解明に迫った。

【材料及び方法】

<1> 菌株:MLVA解析の構築に際して、国立感染症研究所細菌第一部から淋菌株のDNAを分与していた

だいた。さらに、2003年-2011年において神戸市で分離された淋菌株50株を解析対象とし、DNAはボ

イル法にて抽出した。

― 214―

<2> 遺伝子型別: 淋菌の遺伝系統分析には、7つのハウスキーピング遺伝子(abcZ, adk, aroE, fumC,

gdh, pdhC, pdm)を対象にしたMLSTと膜タンパク質であるporB (490bp)と tbpB (390bp)遺伝子を対象

にしたNG-MASTを用いた。Table1のプライマーを用いて、それぞれの遺伝子をPCRにて増幅後シーク

エンスを行い、MLSTおよびNG-MASTのデータベースによりSequence type (ST)型を確定した(参照:

http://pubmlst.org/neisseria/、http://www.ng-mast.net)。NG-MASTについて、データベース上に

存在しない配列がporB遺伝子で14個、tbpB遺伝子で3個認められた。これら新たな配列については、

国立感染症研究所細菌第一部大西研究室にデータベースへの登録をお願いした。さらに、NG-MAST の

ST番号についても同様に21個登録した。MLVA解析には蛍光標識したプライマー(Table1)を用いて、

multilplex PCR(Takara ExTaq HS)を行い、増幅産物を 10 倍希釈後、AB3500(Applied Biosystems)に

て解析した。GeneScan 600 LIZ Size Standard (Applied Biosystems)をサイズマーカーとし、GeneMapper

Ver. 4 (Applied Biosystems)を用いて、フラグメントサイズおよびリピート数を測定した。

<3> PBP (penicillin binding protein)のアミノ酸配列変異箇所の解析: セファロスポリン耐性臨床分

離株の既知耐性遺伝子として penA,ponA,mtrR,porB1b,pilQ 遺伝子が知られている(6)が、セフィキシム

およびセフトリアキソン耐性に関しては、他の常在ナイセリア属菌と共通した配列を持つモザイク型変異

PBP2 が大きく寄与している。PBP2 をコードするpenA遺伝子の全長約1,750bpのシークエンスを行い、

アミノ酸配列の変異個所を同定し、ClustalXを用いてタイプ別に分類した。

TABLE 1. Oligonucleotide primers used in this study

Forward primer for amplification Reverse primer for amplification primer for sequencing

abcZ AATCGTTTATGTACCGCAGG GTTGATTTCTGCCTGTTCGG Forward primer

fumC CACCGAACACGACACGATGG ACGACCAGTTCGTCAAACTC CGCCAAACTCGCCGAACTG

gdh GGCAAATTTACCGCATCGACC GATTCATTCGGTTGAAGCTCG Forward primer

adk ATGGCAGTTTGTGCACTTGG GATTAAACAGCGATTGCCC GCAAATCTCTACCGGCGAC

aroE ACGCATTTGCGCCGACATC ATCAGGGCTTTTTTCAGGTT ATGATGTTGCCGTACACATA

pdhC GGTTTCCAACGTATCGGCGAC ATCGGCTTTGATGCCGTATTT TCTACTACATCACCCTGATG

pgm CTTCAAAGCCTACGACATCCG CGGATTGCTTTCGATGACGGC ACGACGCATCAGACCGAAGCC

por CAAGAAGACCTCGGCAA CCGACAACCACTTGGT AGAAGACCTCGGCA or CCGACAACCACTTG

tbpB CGTTGTCGGCAGCGCGAAAAC TTCATCGGTGCGCTCGCCTTG Forward primer

PCR-1 04-10 (FAM)-GCAAAACAGCGATAAAACAGATA ACAAAGGAAAATTTCTCATGACA GCAAAACAGCGATAAAACAGATA GCTT

04-03 (VIC)-ATTCCATGAAAACAAAAAC AGTGGAAATAAGTAGAGTGATTA ATTCCATGAAAACAAAAAC CAAG

07-02 (PET)-CGGAAGTGAAGATATATGTTATA CGAATCAATAAATGCTATATAT CGGAAGTGAAGATATATGTTATA CAAACAC

PCR-2 15-02 (VIC)-TGTTGTCTTTGGCTTTG CTTATTTTGCAGCTTCG TGTTGTCTTTGGCTTTG CYGAAGCWSCYGCYR

16-01 (NED)-TGCGGTTTTTTTGAACT GTCATTACTGACGATAATATGA TGCGGTTTTTTTGAACT CGTTRCCTRAAACYTG

Forward primer

Reverse primer

GATATTGACGGCAAAGGTC

TTCTCAACAAACCTGCAG

penA CGGGCAATACCTTTATGGTGGAAC CAACGGCGGCGGGGATATAAC

Repeat Sequence

MLST

NG-MAST

NG-MLVA

Sequence (5'-3') (Labeling)genotyping

locus

【結果】

1. 分子タイピング法としてのNG-MLVA法の評価と最適化

国立感染症研究所細菌第一部から分与された淋菌数株を用いて、文献 6 で示された 5 領域

(VNTR04-03, VNTR04-10, VNTR07-02, VNTR15-02, VNTR16-01)が菌株識別能の高い Tandem Repeat

領域であることをシークエンスにて確認した。これら Tandem Repeat 領域は他の常在性 Neisseria

属においては増幅されず、淋菌特異的な領域であった (未記載データ)。5 領域のリピートは

4bp,7bp,15bp,16bpの非常に短い繰り返し配列であるため、シークエンスにて確定したリピート数の

異なる淋菌株をそれぞれの locus 毎に抽出し、それら PCR 産物を混合した標準サンプル

(reference)を置くことで、リピート数の判定を容易にした(Figure1)。

― 215―

2. 神戸市分離株における遺伝子型別解析結果

MLST による遺伝系統解

析により、50 株は 11 種

類の ST に分類された。

MLST ST1901 は 16 株

(32%),MLST ST7363 は

15 株(30%)と高頻度で

分離され、これら 2 つの

ST 型が菌株全体の 6 割

を 占 め た (Table2) 。

ST1901 と ST7363 は、日

本におけるドミナント系統であることから妥当な結果と言える。NG-MAST による解析では、50 株は 38

種類の ST 型に分類された。このうち、高頻度を占めた MLST ST1901 と MLST ST7363 の中で特定さ

れた NG-MASTタイプを Table3に示した。データベース上には存在しない ST型が ST1901と ST7363

で新たに 7 種類ずつ認められた。MLVA による解析では、45 タイプに分類された(Table2)。50 株中

10 株(20%)が MLVA クラスターを形成し、2 株からなるクラスターが 5 つ存在した(Table4)。Table4

No.2 と No.3 のクラスターは、同一人物でかつ 1,2 ヶ月後に分離された淋菌である。MLVA タイプが

完全一致した株は、No.1を除いて、MLSTおよび NG-MASTの ST型も一致していた。No.1に関しては、

NG-MASTの porB遺伝子のシークエンスが異なっていた。二つの porB遺伝子のシークエンスを比較

したところ、新たに登録した 3973 の porB 遺伝子塩基配列は、2576 の porB 遺伝子 490bp のうち 6

ヶ所の塩基の相違と、3 塩基の欠失による Frameshift を認めた。

3. 神戸市分離株のセファロスポリン耐性に寄与するPBP2の変異解析結果

PBP2 をコードする penA 遺伝子全長約 1,750 bp のシークエンスの結果、50 株中 32 株(64%)がモザ

イク型 penA-X 又は penA-X variant であった (Table2)。MLST ST1901 は 16 株中 7 株(44%)がモ

Figure1 . Example of peaks on VNTR 04‐10

2 3 4 5 6 7 8 9 10 15 20 25 30 38

3 repeats

reference

sample

TABLE 2. Genetic diversity and penA allele types of 50 isolates in KobeNG-

MASTNG-

MLVANo.ofSTs

No. ofSTs

I II V VII X XII XIII XIV XXIV XXVI XXXII XXXIV

1901 16 12 15 0 0 9 0 2 1 0 0 1 0 1 2

7363 15 11 14 0 0 0 0 15 0 0 0 0 0 0 0

7819 4 1 2 0 0 0 0 4 0 0 0 0 0 0 0

7359 4 4 3 0 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

1594 3 2 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

1590 2 2 2 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0

7358 2 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0

1597 1 1 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

7823 1 1 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0

1584 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0

1588 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0

Total 50 38 45 3 5 9 1 21 1 1 2 1 3 1 2

MLST No. ofisolates

No. of isolates with penA allele

― 216―

ザイク型 penA-X 又は penA-X variant を有していた。これに対して、MLST ST7363 の 15 株すべて

が penA-X を獲得していた(Table2)。

4. 世界で拡散しているセフィキシム、セフトリアキソン耐性淋菌 MLST ST1901, NG-MAST ST1407 の存

遺伝子型別解析から、セフィキシム、セフトリアキソン治療失敗例の原因株として世界で報告されて

いる MLST ST1901 の系統に属する NG-MAST ST1407 が神戸市においても 2009 年、2010 年、2011

年に 1 株ずつ分離されていることが明らかとなった(Table3)。これらの 3 株は、いずれもモザイク型

penA-X variant(penA-XXXIV,penA-XXXII)を有していた。MLVA タイプは 3 株とも異なっていた(デ

ータ未掲載)。

【考察】

本研究において、MLVA は従来の遺伝子型別法である MLST や NG-MAST よりも高解像度型別法である

ことが示された。特に同一人物の淋菌株においてMLVA型が一致したということは、初感染時の未治癒の

可能性、あるいは同一人物からの再感染の可能性が考えられ、菌株識別能力の高い MLVA を導入する

ことで、再発・再感染の正確な判別が可能であることを示唆している。さらに、MLVA の特性として安定性・

迅速性・比較の容易性から、利便性の高い分子タイピング法である。従って、日本のドミナント系統であ

る ST7363 と ST1901 (MLST) の系統を反映した MLVA 領域の特定も重要な検討課題である。また、遺伝

子型別の手法間の関連性については、MLVA においてクラスターを形成した株は、一例を除き、MLST お

よび NG-MAST は同一型を示したが、今後サンプル数を増やして評価する必要がある。

日本のセフィキシム耐性淋菌は 2000 年初期に分離されており、セフィキシム感受性の MLST ST7363

が他のナイセリア属菌から penA 遺伝子の配列一部を獲得したところから始まっていると予想される。確

かに MLST ST7363 はすべて penA-X を有していたことからも、地域内で既に蔓延していたと考えられる。

さらに、世界で拡散しているセフィキシム、セフトリアキソン耐性株として報告されている MLST ST1901 の

系統に属する NG-MAST ST1407 は、2009 年には神戸市においても分離されており、モザイク型 penA を

TABLE 3. NG-MAST types in major two MLST

ST No. ofisolates

ST No. ofisolates

ST1407 3 ST312 3

ST2958 2 ST5677 2

ST6519 2 ST6654† 2

ST735 1 ST5665 1

ST4085 1 ST6257 1

ST6653† 1 ST6651† 1

ST6652† 1 ST6655† 1

ST6659† 1 ST6657† 1

ST6664† 1 ST6658† 1

ST6666† 1 ST6665† 1

ST6669† 1 ST6668† 1

ST6672† 1

NG-MAST

ST7363

†new sequence type

MLSTNG-MAST

ST1901

MLST

TABLE 4. Four cluster list in same NG-MLVA types

VN

TR

04-0

3

VN

TR

04-1

0

VN

TR

07-0

2

VN

TR

15-0

2

VN

TR

16-0

1

ST (porB, tbpb)

2003 3 9 9 15 4 7359 6652† (3973†, 241) II

2004 3 9 9 15 4 7359 4189 (2572 , 241) II

2004 2 7 29 14 4 7363 5677 (1740, 21) X

2004 2 7 29 14 4 7363 5677 (1740, 21) X

2006 3 10 13 16 4 1901 6519 (3821, 29) V

2006 3 10 13 16 4 1901 6519 (3821, 29) V

2007 3 11 13 14 4 7819 3505 (206, 27) X

2009 3 11 13 14 4 7819 3505 (206, 27) X

2008 3 9 13 14 4 7819 3505 (206, 27) X

2011 3 9 13 14 4 7819 3505 (206, 27) X

* Isolates from same person were obtained after one month (No.2) and two months (No.3).†new sequence type

5

4

NG-MAST

No. years MLST penA

1

2*

3*

5-MLVA-loci allele profie

― 217―

有していることからも、今後の拡散を注視していく必要がある。このような薬剤耐性淋菌のサーベイラン

スに、菌株識別能力の高い MLVA を導入することで、公衆衛生上の脅威となりうる株を高精度にモニタリ

ングできる体制が構築できるものと期待される。

【文献】

(1) Morbidity and Mortality Weekly Report 32:51-52, 1983, (2) Palmer HM, et al., J Antimicrob Chemother

62:490-494, 2008, (3) Chisholm SA, et al., J Antimicrob Chemother 64:353-358, 2009, (4) Ohnishi M, et al.,

Antimicrob Agents Chemother 55:3538-3545, 2011, (5) Heymans R, et al., J Clin Microbiol 49: 354-363, 2011,

(6) Lindberg R, et al., Antimicrob Agents Chemother 51:2117-2122, 2007

【謝辞】

本研究の機会を与えていただきました(財)大同生命厚生事業団に深謝申し上げます。また、MLVA系

構築、菌株供与ならびに淋菌の遺伝子型別について色々とご助言賜りました国立感染症研究所細菌第

一部 大西真先生、志牟田健先生、神戸市環境保健研究所 岩本朋忠先生に深謝申し上げます。

【経費使途明細】

PCR関連試薬

シーケンサー関連試薬

ヒートブロック恒温槽

デンシトメーター(菌体濁度計)

旅費(国立感染症研究所細菌第一部での研究打ち合わせ)

事務用品

63,000 円

48,970 円

46,620 円

80,745 円

58,080 円

2,585 円

合計 300,000 円

【本研究に関する学会発表】

・ 「薬剤耐性淋菌のモニタリング体制構築への MLVA の有用性」

○中西典子 1、田中忍 1、大西真 2、飯島義雄 1、岩本朋忠 1

1神戸市環境保健研究所、2国立感染症研究所 細菌第一部

第 60 回日本化学療法学会西日本支部総会、第 55 回日本感染症学会中日

本地方会学術集会、第 82 回日本感染症学会西日本地方会学術集会、合同

開催(2012.11.5-7)

・ 「神戸市内分離淋菌株を用いた薬剤耐性淋菌モニタリングシステム構築への試み」

○中西典子 1、田中忍 1、志牟田健 2、飯島義雄 1、白井千香 3、岩本朋忠 1 大西真 2

1神戸市環境保健研究所、2国立感染症研究所細菌第一部、3神戸市保健所

第 25 回性感染症学会(2012.12.8-9)

― 218―