時局352

愛するペットのために…Vol.352 動物医のアドバイスダイアリー 73 2013.3 使【未来のペットショップ】 松波動物病院 メディカルセンター トレーナー 藤原優紀

Post on 22-May-2015

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Page 1: 時局352

愛するペットのために…Vol.352

動物医のアドバイスダイアリー

PB2010.873 2013.3

 

皆さん、最初に犬を飼お

うと思ったとき、「うちに

はどんな犬が合っているん

だろう」と悩まれたことは

ないでしょうか?

 

現在、小型犬から超大型

犬までさまざまな種類の犬

がペットショップやシェル

ターにいます。各家庭のラ

イフスタイルも考慮して、

犬を検討していくことが重

要です。

 

まずは、今のライフスタ

イルが犬を飼える状況か

どうかを判断します。犬を

迎えたら、十五年近くは一

緒に生活することになりま

す。その間、多くの時間と

お金を犬のために使わなけ

ればいけません。最期まで

責任を持って犬と一緒に暮

らしていけるのかどうか、

しっかり考えましょう。「か

わいいから」だけでは、犬

と生活してはいけません。

 

犬を迎えると決めたら、

大きさ、メスかオスか、子

犬か成犬かを検討した上

で、どこから犬を入手する

のかを考えます。今回はこ

の入手方法についてお話し

しましょう。

 

日本ではペットショップ

で購入することが一般的

ですが、海外ではペット

ショップは存在せず、シェ

ルターにいる犬を引き取っ

て育てることが一般的に

なっている国もあります。

日本にもいくつかの愛護団

体が存在しており、定期的

に里親会などを行っていま

す。

 

こうした愛護団体には、

さまざまな理由から保護さ

れている犬がたくさんいま

す。犬たちが保護されてい

る理由は、ペット不可住宅

への引っ越し、ライフスタ

イルの変化からの飼育放棄

など、人間の都合によるも

のが多くを占めています。

また、ペットショップやブ

リーダーの廃業によって、

行き場をなくしてしまった

犬たちもいます。

 

ペットブームと言われて

いる裏側でどういったこ

とが起きているのか、知っ

ていくことも犬たちと暮ら

している私たちの義務では

ないでしょうか。そして起

こっていることを伝えてい

くことも必要であると考え

ています。

 

この事実が広まって、

「ペットショップに犬を見

に行こう」というのが「里

親会に犬を見に行こう」と

いう流れになっていけば、

飼育する側の選択肢も広が

り、救える命も増えていき

ます。

 

里親会が人と動物をつな

いでいく

〝未来のペット

ショップ〟

になればいい

な、と思います。

【未来のペットショップ】

松波動物病院メディカルセンター

トレーナー 藤原優紀