31 2019 類似事業体平均 74 9,000 1. 9,451 8,064 10,000 68 8,000 … · 企業債残高対...
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(経営戦略策定の目的)
老朽化資産の更新や施設の耐震化などに多額の投資が見
込まれる中、水需要の減少などに伴って給水収益が減るこ
とが予測され、経営環境は厳しさを増してきています。
水道事業を取り巻く環境が変化していく中、将来にわ
たってサービスの提供を安定的に継続するために、経営基
盤強化の取組をさらに推進し、水道ビジョンに掲げる「安
全な水を安定的に供給できるまちにします!」を実現する
ために経営戦略を策定しました。
(位置づけ)
本経営戦略は、市の総合計画、国、府
の策定する諸計画を元に策定した「摂津
市水道ビジョン」を上位計画とし、実現
化に向けた、投資計画と財政計画を均衡
させた経営の基本計画です。
(計画期間)
平成31(2019)年度
~平成40(2028)年度(10年間)
摂津市水道事業 経営戦略【概要版】 平成31(2019)年度
3.経営戦略の基本理念と基本方針
1.経営戦略策定の目的と位置づけ
2.水道事業の現状と課題
4.水道事業の効率化・健全化への取り組み
(水需要の見通し)
給水人口や1人当たり原単位
が減少するため、水需要の大
半を占める生活用水が減少し
ます。
そのため、今後も水需要は
減少し、給水収益が減少し続
ける見通しです。
(水道施設・管路の状況)
・施設の健全度の推移
更新しなかった場合、平成37(2025)年度
には健全資産が50%まで減少します。そのため、
計画的に構造物・設備を更新していく必要があ
ります。
・管路の健全度の推移
平成29(2017)年度末時点で、全体の41%
が法定耐用年数の40年を超えており、更新しな
かった場合、平成37(2025)年度には健全管
路が50%を下回ります。
また、法定耐用年数を超えている管路の中に
は地震災害の際に被害が生じる可能性の高い鋳
鉄管が含まれており、早期更新が必要です。
・耐震化の状況
水道施設・管路共に耐震化が進められていま
す。ただし、基幹管路でみると、類似事業体と
比べて低い値となっています。
51 5041 35 34 33
17 13 8
135
11 16 11 721 25 27
3645 48 49 55 60 62 62 65
0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%
100%
H32(2020)
H37(2025)
H42(2030)
H47(2035)
H52(2040)
H57(2045)
H62(2050)
H67(2055)
H72(2060)
資産割合(%)
老朽化資産 経年化資産 健全資産
5343
32 2515 11 7
2 0
4754
53
42
3832
2523
15
0 315
3347
5768 75
85
0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%
100%
H32(2020)
H37(2025)
H42(2030)
H47(2035)
H52(2040)
H57(2045)
H62(2050)
H67(2055)
H72(2060)
資産割合(%)
老朽化管路 経年化管路 健全管路
0
10
20
30
40
50
60
職員一人当たり
の
配水量の効…職員一人当たり
の
利益状況
供給した配水量
の
効率性
施設全体の
老朽化度合い
管路の
経年化の状況
管路の更新投
資
の実施状況
施設の効率性経常損益
料金水準の適
切性
費用の効率性
支払能力
債務残高
累積欠損摂津市
職員一人当たりの
配水量の効率性職員一人当たりの
利益状況
供給した配水量の
効率性
管路の
経年化の状況
経常損益
類似事業体平均
施設全体の
老朽化度合
管路の更新投資
の実施状況施設の効率性
料金水準の
適切性
費用の効率性
支払能力
債務残高
累積欠損
①②
④
⑤
⑥
⑦⑧
⑨
⑩
⑪
⑫ ③
⑬(類似事業体との比較)水源、人口などが類似した事業体との比較結果を右に示します。
【ヒトの要素を表す指標(①、②)】職員一人当たりの効率については概
ね類似事業体と大きな差はありません。
【モノの要素を表す指標(③~⑦)】施設と管路の老朽化が進んでおり、
水需要減少に応じた計画的な更新が必要です。
【カネの要素を表す指標(⑧~⑬)】経常利益があり、債務残高も少ない
ことから全般的にみて、類似事業体よりも優秀な結果となっています。
(基本方針)
(基本理念)アセットマネジメントの実践による健全な経営の実現
②ライフサイクルコストの最適化(投資の平準化)①施設総量の最適化(スペックダウン)
④民間の資金・ノウハウなどの活用③機能の集約化(ダウンサイジング)
⑤適切な財源の確保
水道の投資事業に必要な財源を確保し、「投資試算」(投資事業にかかる費用の見通し)と財源
試算(給水収益などの財源の見通し)を均衡させるためには、徹底した「水道事業の効率化・健全
化」に取り組み、事業運営にかかる経常的なコストの削減を進めることで、「経営基盤の強化」を
図るとともに、施設及び管路の更新・耐震化を計画的に行うなど「投資の合理化」を進めることが
必要となります。
(投資抑制策)
①施設総量の最適化(スペックダウン)
⇒給水人口及び給水量の見通しを踏まえた水道施設及び管路の最適化
②ライフサイクルコストの最適化(投資の平準化)
⇒適切な監視に基づいて資産を長期間使用
⇒重要度・優先度などに基づいた計画的な更新
⇒年度別費用の平準化
③機能の集約化(ダウンサイジング)
⇒各施設の機能を踏まえた施設の統廃合
⇒災害時における供給安定性の確保
④民間の資金・ノウハウなどの活用
⇒民間事業者の資金やノウハウなどの活用
⇒効果的・効率的に行うことが望める業務における官民連携手法の検討
(財源確保)
⑤適切な財源の確保計画
⇒各種経費節減
⇒世代間の負担公平性などを勘案した適切な財源確保
96.0
39.4
21.021.8
50.4
31.7
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
浄水施設の
耐震化率
配水池の
耐震化率
基幹管路の
耐震適合率
摂津市 類似事業体(%)
※指標は平成28年度の値
9,451
8,064
7,193
6,5576,005
85
81
74
68
62
5,000
6,000
7,000
8,000
9,000
10,000
11,000
12,000
55
60
65
70
75
80
85
90
20
08
20
10
20
12
20
14
20
16
20
18
20
20
20
22
20
24
20
26
20
28
20
30
20
32
20
34
20
36
20
38
20
40
20
42
20
44
20
46
20
48
20
50
20
52
20
54
20
56
20
58
20
60
有収水量(千㎥)
給水人口(千人)
有収水量 給水人口
実績 予測
摂津市水道ビジョンの将来像 安全な水を安定的に供給できるまちにします!
青字の番号:類似事業体と比較して良い数値である指標赤字の番号:類似事業体と比較して悪い数値である指標
資料2
重要度・優先度などを考慮した更新基準年数をもとに今後の更新需要を見通すと、平成31
(2019)年度から平成40(2028)年度までの10年間で約122億円の投資が必要となります。この
更新需要に対応した場合、平成33(2021)年度に収益的収支がマイナスとなり、平成37(2025)
年度に資金も不足します。
そこで、構造物、設備関係及び管路のそれぞれで具体的な投資を検討することによって約90億円
まで費用を削減することとします。
5.投資・財政計画
7.経営戦略の事後検証・更新等
進捗管理に用いる指標現状 中期 後期
経営資源 項目 対応する経営指標 単位 H29 H35 H40(2017) (2023) (2028)
職員一人当たりの配水量の効率性
職員一人当たり有収水量
(㎥/人) 286,388 270,471 251,993
職員一人当たりの利益状況
職員一人当たり経常利益
(千円/人) 9,409 12,599 4,646
供給した配水量の効率性
有収率 (%) 93.24 93.60 94.00
施設全体の老朽化度合い
有形固定資産減価償却率
(%) 57.92 73.43 85.19
管路の経年化の状況
管路経年化率(法定耐用年数超過管路率)
(%) 41.08 29.95 20.38
管路の更新投資の実施状況
管路更新率 (%) 0.51 2.12 2.12
施設の効率性 施設利用率 (%) 48.38 44.02 40.95
経常損益 経常収支比率 (%) 117.86 122.04 107.65
料金水準の適切性 料金回収率 (%) 106.89 115.72 101.30
費用の効率性 給水原価 (円/㎥) 179.19 205.15 234.34
支払能力 流動比率 (%) 796.63 246.26 130.68
債務残高企業債残高対給水収益比率
(%) 160.19 237.47 296.62
累積欠損 累積欠損金比率 (%) 0.00 0.00 0.00
ヒト
モノ
カネ
策定した経営戦略は、毎年度進捗管理(モニタリング)を行い実施状況について評価・検証を
行い、3~5年毎に見直しを行います。
見直しにあたっては、「投資・財政計画(収支計画)」と実績との乖離を検証し、PDCAサイ
クル(Plan<計画>―Do<実行>―Check<評価>―Action<改善>)を活用します。また、最
新の情報により事業を取り巻く環境の変化を把握したうえで将来を予測し、必要に応じて経営健
全化のための新たな取り組みを検討します。
構造物742百万円
2,169百万円(△3,007百万円)
• 状態監視による長期間使用を考慮し、非常時の電源確保を最優先した更新
• 水道水の安全性確保(水質分析機器の更新)
設備関係5,176百万円
管路6,292百万円
更新需要 約122億円(12,210百万円)
• 耐震化の推進(補強工事…費用増加要因)
• 状態監視による長期間使用を考慮した更新
• 重要度・優先度を考慮した更新・耐震化(鋳鉄管残存率10%へ)
• 更新口径縮小による投資額削減
993百万円(+251百万円)
5,661百万円(△631百万円)
事業計画(投資計画)約90億円(8,823百万円)※1
※1 税抜金額、調査費・事務費等を含まず。
約90億円まで投資額を削減しても平成39(2027)年度以降資金不足になります。そこで、最低
限確保すべき自己資金を9億円とし、企業債残高は給水収益の3倍までとすることを目標とし、3つ
のケースで財政シミュレーションをした結果、平成35(2023)年度に25%の料金改定を行うケー
スが最も条件を満足し、改定率を低く抑えられる結果となりました。
190 190
262
237
100
150
200
250
300
H30(2018)
H31(2019)
H32(2020)
H33(2021)
H34(2022)
H35(2023)
H36(2024)
H37(2025)
H38(2026)
H39(2027)
H40(2028)
供給単価の比較
①料金据置 ②自己資金確保 ③自己資金確保+企業債抑制
(円/m3)
採用ケース
2.1
4.1
3.0
3.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
4.5
H30(2018)
H31(2019)
H32(2020)
H33(2021)
H34(2022)
H35(2023)
H36(2024)
H37(2025)
H38(2026)
H39(2027)
H40(2028)
企業債残高/給水収益の比較
①料金据置 ②自己資金確保 ③自己資金確保+企業債抑制 ③上限値(3倍)
(倍)
採用ケース
2,739
-870
901
915
-1,500-1,000
-5000
5001,0001,5002,0002,5003,000
H30(2018)
H31(2019)
H32(2020)
H33(2021)
H34(2022)
H35(2023)
H36(2024)
H37(2025)
H38(2026)
H39(2027)
H40(2028)
自己資金(現金・預金)残高の比較
①料金据置 ②自己資金確保 ③自己資金確保+企業債抑制 下限値(9億円)
(百万円)
採用ケース
6.経営戦略のまとめ
本経営戦略では、水道ビジョンの目標値を下方修正してもなお平成34(2022)年度で収益的収
支がマイナスとなりましたが、水道ビジョンの数値目標達成に向けて、スペックダウンやダウン
サイジングによる更新費用の削減など、さらに努力をしていきます。また、今後の料金改定につ
いては、国交付金などの財源の獲得や、業務棚卸の結果を踏まえた業務効率化、官民連携手法の
効果検証と見直し、府内水道事業との連携など、最大限の経営努力を続ける中で、実際の経営状
況がどのように推移するかを見極め、適切な実施時期や改定率を検討していきます。
資料2