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株式会社博報堂 平成28年度コンテンツ産業強化対策支援事業 (世界の日本コンテンツ消費者に関する実態把握調査) 報告書

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Page 1: 平成28年度コンテンツ産業強化対策支援事業 (世 …2 10 18 41 84 98 102 123 149 160 272 340 408 437 107.1% ⑤ 商 品 化 4,350 4,337 4,617 5,049 5,305 5,974 5,364

株式会社博報堂

平成28年度コンテンツ産業強化対策支援事業

(世界の日本コンテンツ消費者に関する実態把握調査)

報告書

Page 2: 平成28年度コンテンツ産業強化対策支援事業 (世 …2 10 18 41 84 98 102 123 149 160 272 340 408 437 107.1% ⑤ 商 品 化 4,350 4,337 4,617 5,049 5,305 5,974 5,364

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目次

第1章:本事業の目的と概要

1-1.本事業の目的 (P.2)

1-2.本事業の概要 (P.3)

第2章:日本コンテンツ愛好家向けイベントの主催者に対するインターネット調査

2-1.調査方法、調査内容、回答状況 (P.6)

2-2.調査結果と分析 (P.8)

2-3.第2章まとめ (P.22)

第3章:世界各地のイベントユーザー等に対するインターネット調査

3-1.調査方法、調査内容、回答状況 (P.26)

3-2.調査結果と分析(P.28)

3-3.第3章まとめ (P.33)

第4章:日本コンテンツ愛好家に関する国際研究シンポジウム

4-1.開催概要 (P.35)

4-2.開催プログラム (P.35)

4-3.講演、ディスカッション登壇者、モデレーター、コーディネーター (P.36)

4-4.講演内容(サマリー)(P.38)

4-5.ディスカッション内容(サマリー)(P.41)

4-6.来場者調査 (P.42)

4-7.第4章まとめ (P.48)

第5章:総論

5-1.海外の日本コンテンツ愛好家像 (P.49)

5-2.アニメを中心とした日本コンテンツの海外展開に向けた課題 (P.51)

資料

・日本コンテンツ愛好家向けイベントの主催者に対するインターネット調査質問票(P.55)

・世界各地のイベントユーザー等に対するインターネット調査質問票(P.59)

・「日本コンテンツ愛好家に関する国際研究シンポジウム」参加者調査アンケート用紙(P.61)

・I.O.E.A(国際オタクイベント協会)加盟団体一覧(P.63)

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第1章 本事業の目的と概要

1-1.本事業の目的

近年、国内コンテンツ市場が飽和状態にある中で、我が国コンテンツ産業の収益拡大

を図っていくためには、より多くのコンテンツを海外へ発信し、海外でのビジネス展開

を促進する必要がある。しかし、海外での展開が期待される一方で、海外市場や海外でコン

テンツを享受するファンに関するデータは少ない。そこで、本事業においては、世界の日本

コンテンツ消費者の実態を調査し、コンテンツ産業の海外展開の促進の一助とすることを

目的とする。

(参考:アニメ産業市場の推移)

マンガ、ゲームと並ぶ日本の代表的コンテンツのひとつとして海外で人気が高いアニメ

産業に目を向けると、一般社団法人日本動画協会が発行する「アニメ産業レポート 2016」

では、一般ユーザーがアニメ映像や商品、サービスに対して支払った金額の総額を「アニメ

産業市場」としてその推移をまとめている(表1-1)。

表1-1.「アニメ産業市場推移」(単位=億円)

(一社)日本動画協会「アニメ産業レポート 2016」より引用

「アニメ産業レポート2016」によれば、2008年をピークにやや停滞状況にあっ

た日本のアニメ産業市場は、2013年から再び成長を開始し、2014年から2015年

にかけては2000億円近い成長を果たしている。表1-2でその内訳を見ると、前年に対

し2000億円以上の数字を積み上げてこの成長を支えているのが海外に対する売上であ

ることがわかる。

10,948 11,187

12,208

13,032 13,499

13,139 13,798

12,542 13,131 13,295 13,333

14,709

16,299

18,255

10,000

11,000

12,000

13,000

14,000

15,000

16,000

17,000

18,000

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

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表1-2.アニメ産業市場のカテゴリー別推移(単位=億円)

項目 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 前年比

① TV 1,241 1,165 1,100 1,041 1,003 924 946 955 895 900 951 1,020 1,107 1,072 96.8%

② 映

画 198 196 380 178 284 212 338 299 338 285 409 470 417 469 112.0%

③ ビ

1,294 1,176 1,031 1,388 1,358 1,278 1,113 1,052 1,085 1,067 1,059 1,153 1,021 928 90.9%

④ 配

信 2 10 18 41 84 98 102 123 149 160 272 340 408 437 107.1%

⑤ 商

4,350 4,337 4,617 5,049 5,305 5,974 5,364 5,597 6,274 5,943 5,732 5,985 6,552 5,794 88.4%

⑥ 音

楽 138 91 235 120 261 263 270 307 297 245 230 246 237 258 108.9%

⑦ 海

外 3,725 4,212 4,827 5,215 5,204 4,390 4,137 2,544 2,867 2,669 2,408 2,823 3,265 5,833 178.7%

⑧遊興 - - - - - - 1,528 1,665 1,226 2,026 2,272 2,427 2,981 2,941 98.7%

⑨ライブ - - - - - - - - - - - 245 311 523 168.2%

合計 1兆0,948 1兆1,187 1兆2,208 1兆3,032 1兆3,499 1兆3,139 1兆3,798 1兆2,542 1兆3,131 1兆3,295 1兆3,333 1兆4,709 1兆6,299 1兆8,255 112.0%

(一社)日本動画協会「アニメ産業レポート 2016」より引用

1-2.本事業の概要

本事業においては、以下の(1)(2)を実施し、分析、考察を行った。

(1)世界各地の日本コンテンツ愛好家に関する情報収集

(2)日本コンテンツ愛好家に関する国際研究シンポジウム

日本コンテンツを海外に向けて展開するにあたっては、現地のファン(日本コンテンツ愛

好家)のプロフィール、嗜好、市場の状況に関しどう感じているか等を知る必要があり、

上記(1)においては、これを調査した。

調査においては、歴史を重ね、拡大しつつある世界のファン向けイベントのコミュニティ

に着目し、ファン向けイベントを運営する主催者と、イベントに参加するユーザー、関係者

へのインターネット調査を実施した。イベントの主催者は、開催地域の日本コンテンツ愛好

家の状況を俯瞰した立場で見ることができ、また、こうしたイベントのユーザーあるいは関

係者に向けた調査は、海外における日本コンテンツのユーザー像を把握する上での参考と

なるものである。

なお、調査にあたっては、世界36の国と地域の88イベント(2017年1月末日時点)

とのネットワークを持つ I.O.E.A(国際オタクイベント協会)の協力を得た。(I.O.E.A の加

盟団体リストは資料として添付)。

また、日本コンテンツの海外での浸透状況、アニメ等のコンテンツ産業を支えるいわゆる

オタク文化の変化、こうした状況に対するコンテンツ産業界の取り組みを、国内外の研究者、

産業界の有識者が論じる機会として上記(2)のシンポジウムを開催した。

(参考:世界各国のファン向けイベント)

近年、アニメ、マンガ、ゲーム等の日本のコンテンツを中心としたファン向けのイベント

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開催が国内外で盛んになっている。

こうしたイベントの中で国内では1975年の初回開催から40年以上にわたって開催

を続ける「コミックマーケット」が有名だが、海外においてマンガ、アニメ等の日本コンテ

ンツを中心としたファン向けイベントが開始され始めたのは、1990年代である。

アメリカにおいては1992年にロサンゼルス「アニメエキスポ」が開催をスタートした。

「アニメエキスポ」は 1 年に 1 度のペースで毎年開催を続けており、現在も10万人前後

を動員する北米最大級のアニメイベントに成長している。また、ワシントンで開催される

「オタコン」が開始されたのは1994年である。さらにこうした動きはアメリカにとどま

らず。1995年にはカナダの「アニメノース」、スペインの「サロン・デル・マンガ」の

開催も1995年に開始されている。

2000年前後に入るとこうしたイベント開催の動きは拡大し、国内でも著名なパリの

「ジャパンエキスポ」は2000年に、年2回開催され、それぞれ20万人前後を動員する

ローマの「ロミックス」は2001年に、10万人規模を動員する大型イベントに成長した

サンパウロの「アニメフレンズ」は2003年に開催をスタート、さらに早くから日本コン

テンツが楽しまれていた香港や台湾でも複数のイベントが開催されるようになり、イベン

ト開催の動きは全世界に拡大した。

表1-3は海外で開催される主なファン向けイベントの開催スタート時期を年代ごとに

区切って表したものである。2005年以後は「90後」の日本のアニメを見て育った世代

が成長した中国や、ロシア、オーストラリアといった地域にこの動きは拡大し、2010年

以後は経済成長に伴ってインドネシア、タイ、マレーシア、南米のペルーやアルゼンチンと

いった国々にこの動きは拡大している。

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表1-3.世界各国の主要ファン向けイベントの開始年

年代 開始年/イベントタイトル

1990 以前 1975 年 コミックマーケット(日本)

1990 年代 1992 年 アニメエキスポ(アメリカ)

1994 年 オタコン(アメリカ)

1995 年 アニメノース(カナダ)

1995 年 サロン・デル・マンガ(スペイン)

2000 年代

前半

2000 年 アニメエキスポ(フランス)

2001 年 ロミックス(イタリア)

2002 年 ファンシーフロンティア(台湾)

2003 年 アニメフレンズ(ブラジル)

2000 年代

後半

2007 年 魔都同人祭(中国)

2007 年 SMASH!(オーストラリア)

2008 年 アニメーションフェスティバル・アジア(東南アジア)

2008 年 コスプレマニア(フィリピン)

2009 年 ドコミ(ドイツ)

2009 年 ハイパージャパン(イギリス)

2010 年代 2010 年 アニコン(ロシア)

2011 年 リマコミックス(ペルー)

2013 年 タイランドコミコン(タイ)

2013 年 アニコミックス(アルゼンチン)

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第2章 日本コンテンツ愛好家向けイベントの主催者

に対するインターネット調査

2-1.調査方法、調査内容、回答状況

① 調査方法

英語と日本語による質問票(巻末に添付)を作成。I.O.E.A 事務局より、2016年12

月19日~27日の期間に、同団体に加盟する88イベントの主催者にインターネットを

使用して送付、回収を行った。

② 調査内容

上記質問票には以下の内容に関する質問を記載した(質問票は資料として添付)。

・イベントの名称、開催地域、開催スタート時期

・直近の開催日と動員数

・開催するイベントで人気があるコンテンツ

・イベントを開催する地域で人気がある日本コンテンツ

・イベントを開催する地域での日本コンテンツの楽しみ方

・イベントを開催する地域での日本コンテンツ関連商品の供給状況

・イベントを開催する地域で日本コンテンツのブームが起こった時期

・日本コンテンツブームのきっかけとなった作品タイトル

・イベントを開催する地域で男児に人気がある作品タイトル

・イベントを開催する地域で女児に人気がある作品タイトル

・イベントを開催する地域で成年男性に人気がある作品タイトル

・イベントを開催する地域で成年女性に人気がある作品タイトル

③ 回答状況

2017年1月末日までに、28の国と地域で開催する48イベントの主催者から回答

を得た。国・地域別の回答数内訳は表2-1の通りである。

表2-1.回答を寄せたイベントの国・地域別回答数内訳

地域 回答数 国・地域別回答数内訳…( )内は回答数

北米 8 アメリカ(5)、カナダ(3)

中南米 6 メキシコ(2)、ブラジル(1)、チリ(1)、ペルー(1)、アルゼンチン(1)

欧州 16 ドイツ(3)、ロシア(3)、イギリス(2)、オーストリア(2)、スイス(1)

オランダ(1)、スペイン(1)、イタリア(1)、チェコ(1)、ベラルーシ(1)

アジア 16 中国(5)、台湾(2)、マレーシア(2)、東南アジア複数地域*(2)、タイ(1)

インドネシア(1)、香港(1)、シンガポール(1)、フィリピン(1)

オセアニア 2 オーストラリア(1)、ニュージーランド(1)

*1国でなく東南アジア複数地域で開催されるイベント

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表2-2.回答を寄せたイベント

地域 イベント名 開催場所(国名/都市名) 開催開始年

北米 Anime Boston アメリカ/ボストン 2003 年

〃 Anime Midwest アメリカ/シカゴ 2011 年

〃 Anime NEXT アメリカ/アトランティックシティ 2002 年

〃 Anime North カナダ/トロント 1995 年

〃 Animethon カナダ/エドモントン 1994 年

〃 Anime Shogatsu カナダ/トロント 2016 年

〃 ANIME WEEKEND ATLANTA アメリカ/アトランタ 1995 年

〃 Otakon アメリカ/ワシントン 1994 年

中南米 ANI-COMIX アルゼンチン/ブエノスアイレス 2013 年

〃 AnimeExpo Santiago チリ/サンティアゴ 2002 年

〃 Anime Friends ブラジル/サンパウロ 2003 年

〃 EXPO TNT メキシコ/メキシコシティー 2000 年

〃 J-Fest メキシコ/メキシコシティー 2011 年

〃 Lima Comics ペルー/リマ 2011 年

欧州 AniCon ロシア/サンクトペテルブルグ 2010 年

〃 AniMaCo ドイツ/ベルリン 2004 年

〃 AnimeCon オランダ/ハーグ 1999 年

〃 Animefest チェコ/ブルノ 2004 年

〃 AniNite オーストリア/ウィーン 2001 年

〃 Asia Breeze ロシア/エカテリンブルグ 2004 年

〃 DoKomi ドイツ/デュッセルドルフ 2009 年

〃 Fenix ロシア/カザン 2007 年

〃 HIGAN ベラルーシ/ミンスク 2006 年

〃 HyperJapan イギリス/ロンドン 2009 年

〃 JapAniManga Night スイス/ダヴォス 2002 年

〃 MagicCon ドイツ/ボン 2001 年

〃 Minami con イギリス/サザンプトン 1995 年

〃 Nippon Nation オーストリア/ウィーン 2014 年

〃 ROMICS イタリア/ローマ 2001 年

〃 Salo del Manga de barcelona スペイン/バルセロナ 1995 年

アジア 成都同人祭 中国/成都 2008 年

〃 厦門国際動漫節 中国/厦門 2008 年

〃 Ani-Com & Games Hong Kong 香港 1999 年

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〃 Animation Festival Asia(AFA) シンガポール

インドネシア/ジャカルタ

タイ/バンコク

2008 年

〃 AnimeparTy 中国/上海 2008 年

〃 Animangaki マレーシア/セランゴ 2009 年

〃 ComiCUP·魔都同人祭 中国/上海 2007 年

〃 Comic Frontier インドネシア/ジャカルタ 2012 年

〃 Comic Party/Cosplay Collection タイ、ミャンマー、ラオス、

カンボジア、韓国、台湾等で不定

期開催

2003 年

〃 Comic World 台湾/台北 2002 年

〃 CosplayMania フィリピン/マニラ 2008 年

〃 Doujin Market シンガポール 2014 年

〃 Fancy Frontier 開拓動漫祭 台湾/台北 2002 年

〃 M.Y.Comic 動漫遊戯節 中国/北京 2009 年

〃 Thailand Comic Con タイ/バンコク 2013 年

〃 VISUAL ARTS EXPO マレーシア/クアラルンプール 2015 年

オセアニア SMASH! オーストラリア/シドニー 2007 年

〃 Overload NZ Comic+Manga Convention ニュージーランド/オークランド 2006 年

2-2.調査結果と分析

① 回答を寄せたイベントの開催スタート時期

回答を寄せたイベントの開催スタート時期は表2-2、表2-3の通りである。

主体は2000年代に入ってから開催をスタートしたイベントだが、1990年代から

開催をスタートし、すでに20年以上開催を続けているイベントも含まれる。

北米は1990年代にスタートしたイベントが多く、欧州は2000年代前半、アジアは

2000年代後半が多く、この種のイベントが北米から欧州そしてアジアへと拡大してき

た歴史が窺える。

表2-3.回答を寄せたイベントの開催スタート時期(数字はイベント数)

年 全体 北米 中南米 欧州 アジア・オセアニア

91~95 5 3 0 2 0

96~00 4 1 1 1 1

01~05 14 2 2 7 3

06~10 14 0 0 5 9

11 以後 11 2 3 1 5

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② 回答を寄せたイベントの動員数

表2-3に見られるように、回答を寄せたイベントの会期中動員数は1000人以下

のものから10万人を超えるものまで様々である。20年以上の開催実績を持つイベント

の中には会期中に10万人以上を動員するものもあるが、開催を開始したばかりで動員が

1000人に満たないイベントもある。

イベントの多くは1~3日間の開催を行っており、1日あたりの動員数は表2-5の

通りである。

表2-4.回答を寄せたイベントの会期中動員人数(数字はイベント数)

動員数 全体 北米 中南米 欧州 アジア・

オセアニア

5000 人未満 8 1 1 3 3

5000~10000 人 8 1 1 4 2

10000~20000 人 9 1 2 2 4

20000~30000 人 3 2 0 1 0

30000~50000 人 6 2 1 1 2

50000~100000 人 6 0 1 1 4

100000 人以上 3 0 0 2 1

表2-5.回答を寄せたイベントの1日あたり動員人数(数字はイベント数)

動員数 全体 北米 中南米 欧州 アジア

・オセアニア

1000 人未満 4 1 0 1 2

1000~5000 人 13 2 2 7 2

5000~10000 人 13 3 3 2 5

10000~15000 人 1 1 0 0 0

15000~20000 人 4 0 1 1 2

20000~30000 人 3 0 0 1 2

30000 人以上 5 0 0 2 3

③ 開催するイベントで人気があるコンテンツ

開催するイベントの中で人気のあるコンテンツとして「アニメ」、「マンガ」、「ゲーム」、

「アニソン」、「J-POP」の5分野について、それぞれ「たいへん人気がある」、「人気が

ある」、「どちらでもない」「あまり人気がない」「人気がない」の5段階での評価を求めた。

この質問においては「J-POP」を除いて、特に日本のコンテンツには限定していない。

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表2-6.開催するイベントで人気があるコンテンツ-アニメ(単位=%/*は 0.0%)

評価 全体 北米 中南米 欧州 アジア・

オセアニア

たいへん人気がある 82.9 100.0 66.7 68.7 94.4

人気がある 17.1 * 33.3 31.3 5.6

どちらでもない * * * * *

あまり人気がない * * * * *

人気がない * * * * *

表2-6に見られるように、アニメは全世界で人気が高く、この種のイベントの中心コン

テンツとなっていることがわかる。

表2-7.開催するイベントで人気があるコンテンツ-マンガ(単位=%/*は 0.0%)

評価 全体 北米 中南米 欧州 アジア・

オセアニア

たいへん人気がある 56.3 50.0 33.3 50.0 72.2

人気がある 27.1 37.5 33.3 18.8 27.8

どちらでもない 14.6 12.5 33.3 25.0 *

あまり人気がない 2.0 * * 6.3 *

人気がない * * * * *

マンガはある程度の人気はあるものの、アニメには及んでいない。自国独自のマンガ文化

の発展、浸透の度合いが国、地域ごとに幅があること、またファン向けイベントで人気が高

い日本のアニメが1970年代から海外でテレビ放送され、現在は映像配信により、多くの

作品が字幕や吹き替えで視聴可能になっているのに対し、海外で展開する日本のマンガ作

品が限定されており、海外配信もアニメほどには拡大していないことが背景として考えら

れる。

表2-8.開催するイベントで人気があるコンテンツ-ゲーム(単位=%/*は 0.0%)

評価 全体 北米 中南米 欧州 アジア・

オセアニア

たいへん人気がある 62.5 87.5 66.6 50.0 61.1

人気がある 33.3 12.5 16.7 50.0 33.3

どちらでもない 4.2 * 16.7 * 5.6

あまり人気がない * * * * *

人気がない * * * * *

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ゲームは、アニメには及ばないもののマンガよりも人気が高い。回答を寄せたイベント

にアニメ主体のものが多いことを割引いて考えれば、ゲームはアニメとともにコンテン

ツ分野の双璧に位置するものと考えられる。

表2-9.開催するイベントで人気があるコンテンツ-アニソン(単位=%)

評価 全体 北米 中南米 欧州 アジア・

オセアニア

たいへん人気がある 33.3 37.5 16.7 25.0 44.4

人気がある 41.7 50.0 50.0 25.0 50.0

どちらでもない 20.8 12.5 33.3 37.5 5.6

あまり人気がない * * * * *

人気がない 4.2 * * 12.5 *

アニソンは、近年国内で大きく市場を広げている分野だが、前記した3分野ほどの人気に

は至っていない。アジア・オセアニアでの人気が高い理由は、日本から距離が近く、特に

アジアにおいて、多くの日本のアニソン歌手が現地を訪れてコンサートの開催や、イベント

出演を行っている影響があるものと考えられる。

図2-10.開催するイベントで人気があるコンテンツ-J-POP(単位=%)

評価 全体 北米 中南米 欧州 アジア・

オセアニア

たいへん人気がある 10.4 * 16.7 12.5 11.1

人気がある 35.4 75.0 16.7 37.5 22.2

どちらでもない 43.8 25.0 66.7 43.8 44.4

あまり人気がない 8.3 * * 6.3 16.7

人気がない 2.0 * * * 5.6

J-POPは他の分野に比べるとまだ人気拡大には至っていない。

「アニメ」、「マンガ」、「ゲーム」、「アニソン」の4分野で他の地域よりも日本コンテンツ

の人気が高かったアジア・オセアニアがこの分野において数字が低い理由としては、アジア

でのK-POPの人気の高さが考えられる。

④ 回答者が居住する国・地域で人気があるコンテンツ

回答者が居住する国・地域における日本の「アニメ」、「マンガ」、「ゲーム」、「アニソン」

「J-POP」5分野の人気について、それぞれ「たいへん人気がある」、「人気がある」、

「どちらでもない」「あまり人気がない」「人気がない」の5段階での評価を求めた。③でイ

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ベントに参加するコンテンツファンの間での人気を測ったのに対し、一般の間での人気を

測ることが④の目的である。

表2-11.回答者が居住する地域で人気があるコンテンツ-アニメ(単位=%)

評価 全体 北米 中南米 欧州 アジア・

オセアニア

たいへん人気がある 59.6 50.0 66.7 37.5 82.4

人気がある 29.8 50.0 33.3 37.5 11.8

どちらでもない 10.6 * * 25.0 5.9

あまり人気がない * * * * *

人気がない * * * * *

イベントの中での人気と同じく、最高の人気分野は「アニメ」だが、居住地域全体となる

とやや数字が下がる。特に欧州の落ち込みが大きいが、1970年代から日本のアニメを

放送してきたイタリアやスペイン等の国々と日本のアニメとの出会いが送れた国々との差

が現れたものと考えられる。早い段階から日本のアニメが放送されてきたアジアの国々で

は総じて人気が高い。

表2-12.回答者が居住する国・地域で人気があるコンテンツ-マンガ(単位=%)

評価 全体 北米 中南米 欧州 アジア・

オセアニア

たいへん人気がある 42.6 37.5 33.3 31.2 58.8

人気がある 38.3 50.0 66.7 31.2 29.4

どちらでもない 17.0 12.5 * 31.2 11.8

あまり人気がない 2.1 * * 6.3 *

人気がない * * * * *

「マンガ」は、「アニメ」や他の分野と比べて、イベントでの人気と一般の人気の差が

小さい。イベントの中心が「アニメ」になっており、「マンガ」を愛好するファンとイベン

トを訪れるファンが必ずしも重なってはいない可能性が考えられる。

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表2-13.回答者が居住する国・地域で人気があるコンテンツ-ゲーム(単位=%)

評価 全体 北米 中南米 欧州 アジア・

オセアニア

たいへん人気がある 38.3 37.5 33.3 31.3 47.1

人気がある 44.7 50.0 50.0 43.8 41.2

どちらでもない 12.8 12.5 16.7 12.5 11.8

あまり人気がない 2.1 * * 6.3 *

人気がない 2.1 * * 6.3 *

「ゲーム」は、イベントでの人気に比較して一般での人気はだいぶ低下する。また、地域

ごとの数字の差が少ないという特徴を持つ。一般性というよりもマニア性が高いが、各地域

に万遍なく拡大した状況が現れている。

表2-14.回答者が居住する国・地域で人気があるコンテンツ-アニソン(単位=%)

評価 全体 北米 中南米 欧州 アジア・

オセアニア

たいへん人気がある 19.1 25.0 33.3 6.3 23.5

人気がある 21.3 12.5 16.7 6.3 41.2

どちらでもない 34.0 50.0 33.3 37.5 23.5

あまり人気がない 12.8 * * 25.0 11.8

人気がない 12.8 12.5 16.7 25.0 *

「アニソン」は、「アニメ」、「マンガ」、「ゲーム」の3分野に比較して、一般への人気が

低い。特に欧州においてその状況は顕著であり、アニメの人気を考慮すれば普及、拡大の

余地、可能性は大きいと考えられる。

表2-15.回答者が居住する国・地域で人気があるコンテンツ-J-POP(単位=%)

評価 全体 北米 中南米 欧州 アジア・

オセアニア

たいへん人気がある 4.3 * * * 11.8

人気がある 29.8 37.5 33.3 18.8 35.3

どちらでもない 36.2 50.0 50.0 31.3 29.4

あまり人気がない 17.0 12.5 * 25.0 17.6

人気がない 12.8 * 16.7 25.0 5.9

「J-POP」は、アジアの一部を除いて海外の一般に対してはまだまだ普及、拡大の

余地がある。

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⑤ 回答者が居住する国・地域で人気がある日本コンテンツの楽しみ方

日本コンテンツの楽しみかた=消費の仕方として「TV」、「ビデオグラム(DVD、BD)、

「映像配信」、「コスプレ」、「カラオケ」、「グッズ収集」、「二次創作」の7分野に関し、複数

回答を可として人気の有無を尋ねた。

表2-16.日本コンテンツの楽しみ方(単位=%)

方法 全体 北米 中南米 欧州 アジア・

オセアニア

TV 55.6 71.4 33.3 64.3 50.0

DVD、BD 60.0 71.4 16.7 78.6 55.6

映像配信 82.2 42.3 83.3 85.7 94.4

コスプレ 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0

カラオケ 57.8 28.6 33.3 50.0 83.3

グッズ収集 71.1 28.6 33.3 78.6 94.4

二次創作 80.0 85.7 66.7 85.7 77.8

全体の82.2%が映像配信を通じて日本コンテンツを楽しんでいると回答したのに対

し、テレビを通じて日本コンテンツを楽しんでいるという回答は全体の半分強に留まった。

ビデオグラム(DVD、BD)はテレビよりやや多いが、日本コンテンツを楽しむための

メディア接触の主流がテレビ、ビデオグラムからインターネットを通じた映像配信にシフ

トした状況が現れている。特にアジアにおいてはその傾向が顕著で、例えば中国においては

日本のテレビアニメの放送作品数が制限され、成年向けアニメに関してはほとんど全てが

配信プラットフォームを通した視聴になっており、こうしたことが数字に表れている。

北米におけるテレビの数値が他の地域に比較して高い原因としては、カートゥーンネッ

トワークの成人向けアニメ枠等、日本の成年向けアニメの新作が放送される環境が整って

いることが考えられる。

「コスプレ」は全地域において極めて人気が高い(詳細については後述)。

「グッズ収集」はアジアにおいて人気が高く、北米、中南米での人気はアジアの1/3程

度にとどまっている。差が生じた原因としては、アジアにおいて日本のアニメ関連商品販売

事業者のアジア展開、現地生産によるライセンス品の販売が行われているのに対し、北米、

中南米あるいは欧州では主にオンライン通販による購入に頼らざるを得ないという商品入

手環境の差が反映されているものと考えられる。

「二次創作」は全地域において人気が高いが、「コスプレ」の人気には及んでいない。同

人誌販売を中心としたファン向けイベントである「コミックマーケット」が3日間の開催で

50万人を集め、イラストコミュニケーションサービスの「pixiv」への投稿者が100万

人を超えている日本国内に対し、海外におけるこの分野はまだ発展、拡大の段階にあるもの

と考えられる。

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⑥ 回答者が居住する地域での関連商品の流通状況

回答者が居住する国・地域での日本コンテンツ関連商品の入手方法、流通状況について、

記述式による回答を求めた。回答内容はほとんどが日本産アニメの関連商品に関するもの

で、日本コンテンツ関連商品の入手方法については以下の3つの方法に回答が集中した。

・オンライン店舗

・ローカルのリアル店舗

・回答者等が主催するイベント、コンベンション会場

また、日本コンテンツ関連商品の流通状況に関しては、以下の問題点が指摘された。

・商品供給の不十分さ

・商品の価格の高さ

・未許諾商品(海賊品)の横行

●日本コンテンツ関連商品の入手方法

・オンライン店舗

全地域で最も多く利用されているのは、インターネットを利用したオンライン店舗で

ある。日本コンテンツ関連商品を扱う店舗は限られており、販売される商品は一部の

人気作品に集中している。最新作の関連商品を手に入れる機会は限られており、こう

した商品の正規品を入手したいユーザーの多くはオンライン店舗を利用しておる。

・ローカルのリアル店舗

北米においては、Hot Topic、Spencer Gifts といったポップカルチャー関連商品を扱う

バラエティショップチェーンの名前が上がり、欧州においては地域ごとの地元店舗、

アジアにおいては地元店舗とともに、日本の大手アニメ関連商品販売チェーンで中国、台湾、

タイで海外展開するアニメイトの店舗を利用するという回答も複数の国、地域からあげら

れた。

・回答者等が主催するイベント、コンベンション会場

海外の愛好家にとって、回答者等が主催するファン向けイベントやコンベンションは

関連商品を入手する貴重な機会として機能している。特に数万人単位を動員する大型の

イベントに対しては日本のコンテンツ関連事業者がブース出展して宣伝や商品販売を行う

ことも少なくないため、正規品購入の機会として、遠方から訪れる参加者も多い。

・その他

アジアの一部の国、地域からは距離的な利点を生かし、グッズ購入を目的とした日本訪問

という回答も上げられた。

●日本コンテンツ関連商品の入手に関する課題

・商品供給の不足

中南米、欧州、アジア等多くの地域において商品供給の不足が指摘された。また、北米に

おいては、商品供給の地域格差が指摘された。アジアでは、商品供給の不足を指摘する意見

は比較的少数だったが、人気作品への商品供給の集中、リアルタイム性のなさ等を指摘する

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16

意見もあった。

・商品の価格の高さ

ライセンサーから許諾を受けて自国で作られる商品が少ないあるいは一部の人気作品に

集中するため、輸入品やオンライン通販に頼らざるを得ず、商品そのものの価格や送料が

高額になることについて多くの国、地域から指摘を受けた。

・未許諾商品(海賊品)の横行

中南米、欧州、アジアの各地域から未許諾商品(海賊品)の横行が問題点として指摘され

た。アジアのある地域からは「並行輸入が一番多く、現地工場からの持ち出しがその次に

多く、その後に画像の無断使用グッズが来る。」との指摘もあり、また、こうした未許諾商

品に対するライセンサー側の対処を求める声も多く寄せられた。

⑦ 回答者が居住する地域で日本コンテンツが人気を拡大した時期

自身が許諾する地域で長く日本コンテンツを愛好し、日本コンテンツの普及の状況を

見てきたと推測されるイベント主催者に対し、自身が居住する地域において日本コンテン

ツの人気が拡大した時期、そのきっかけとなった作品について回答を求めた。

時期については10年ごとの年代別に選択肢を用意し、回答を求めた。

日本製アニメの海外での放送は1963年にアメリカNBCで「Astro Boy」として放送

された「鉄腕アトム」を皮切りに1970年代、1980年代にアジアやヨーロッパの一部

(イタリア、フランス、スペイン)を中心に拡大していったが、表2-17に見られるよう

に、現在のファンの状況を俯瞰して見るイベント主催者は、1980年代から始まって、1

990年代に大きく拡大したと回答している。回答の状況からは、日本コンテンツ愛好家の

中心となる年代が、1990年代に日本製アニメに出会った年代にシフトしていることが

推測される。

表2-17.日本コンテンツが人気を拡大した時期…数字は回答数、( )内は比率

全体 北米 中南米 欧州 アジア・

オセアニア

1970 年代 1

(2.1%)

0 0 0 1

(5.6%)

1980 年代 7

(14.6%)

3

(37.5%)

1

(16.7%)

1

(6.3%)

2

(11.1%)

1990 年代 31

(64.6%)

5

(62.5%)

5

(83.3%)

10

(62.5%)

11

(61.1%)

2000 年代 9

(18.8%)

0 0 5

(31.3%)

4

(22.2%)

回答数 48 8 6 16 18

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⑧ 回答者が居住する地域で日本コンテンツの人気上昇のきっかけとなった

作品タイトル

イベント主催者に対し、自身が居住する地域において日本コンテンツの人気が拡大する

きっかけとなった作品について作品タイトルの記述を求めた。

日本コンテンツの人気拡大のきっかけとなった作品タイトルに関しては、表2-18に

見られるように、回答者の特性を反映して、全ての回答がアニメ番組のタイトルとなった。

全体を見ると、「ドラゴンボール」「セーラームーン」の回答が圧倒的に多い。これは上記⑦

の調査結果と符合しており、1990年代中盤に海外での放送を急速に拡大した両番組を

見て育った世代が海外の日本アニメファンの中核をなしていることがわかる。

また、地域ごとの特徴を見ると、北米、中南米における「ロボテック」、中南米における

「聖闘士星矢」の回答数が目を引いている。

「ロボテック」は、1980年代前半に日本で放送された「超時空要塞マクロス」、「超時

空騎団サザンクロス」、「機甲創世記モスピーダ」の3作品の放送権を取得したアメリカのハ

ーモニーゴールドUSA社が、連続する大河シリーズとして再編集したもので、1980年

代中頃以後に北米、南米等で放送された。

「聖闘士星矢」は、国内では1986年に放送開始された作品だが、世界約80か国で放

送され、現在でも特に中南米において人気が高い。2014年に製作された劇場用映画作品

「聖闘士星矢」 LEGEND OF SANCTUARY」は、メキシコ、ブラジル、コロンビア、ペ

ルー、アルゼンチン他の中南米各国の1500館を超える劇場で公開され、大成功を収めて

いる。

北米においては、「ロボテック」の放送の後、1989年に劇場用映画「AKIRA」が

公開、1996年8月に「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」がビルボード誌のビデオ

週間売上の 1 位になる等、成年向けアニメが人気を獲得した。

表2-18.日本コンテンツの人気上昇のきっかけとなった作品タイトル

地域 作品タイトル

(各地域で複数の回答者からタイトルが上がった作品/「全体」の( )内は実数

北米 「ドラゴンボール」「セーラームーン」「ロボテック(マクロス)」

中南米 「ドラゴンボール」「聖闘士星矢」「ロボテック(マクロス)」

欧州 「セーラームーン」「ポケットモンスター」「ドラゴンボール」「デジモン」

「新世紀エヴァンゲリオン」「NARUTO-ナルト-」

アジア・

オセアニア

「ドラゴンボール」「セーラームーン」「新世紀エヴァンゲリオン」

「スラムダンク」「ドラえもん」「鉄腕アトム」「ファイブスター物語」

「幽遊白書」「聖闘士星矢」「カードキャプターさくら」

全体 「ドラゴンボール」(17)、「セーラームーン」(17)、

「聖闘士星矢」(5)、「ロボテック(マクロス)」(4)、「機動戦士ガンダム」(4)

「新世紀エヴァンゲリオン」(3)、「デジモン」(3)、

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⑨ 回答者が居住する地域で現在人気があるコンテンツ

回答者が居住する地域での現在の人気コンテンツを、男児向け、女児向け、成年男子向け、

成年女子向けの4カテゴリーについて各3タイトルの記述を求めた。

A.男児向けコンテンツ

表2-19.男児向けの人気作品タイトル

地域 作品数 主な作品 ( )内は回答数

北米 18 「ポケットモンスター」(4)、「NARUTO-ナルト-」(3)

「ドラゴンボール超」(3)、「遊戯王」(2)

中南米 16 「ポケットモンスター」(3)、*「Adventure Time」(3)

「NARUTO-ナルト-」(2)、「ドラゴンボール超」(2)

欧州 34 「One Piece」(5)、「ポケットモンスター」(4)

「NARUTO-ナルト-」(3)、「妖怪ウォッチ」(3)

*「Star Wars Rebels」(2)

アジア

オセアニア

41 「ポケットモンスター」(7)、「妖怪ウォッチ」(5)

「One Piece」(4)、「NARUTO-ナルト-」(3)、*「熊出没」(3)

*「喜羊羊」(3)、「名探偵コナン」(2)

「ガンダムビルドファイターズ」(2)

全体 109

(35)

「ポケットモンスター」(18)、「NARUTO-ナルト-」(11)

「One Piece」(10)、「妖怪ウォッチ」(9)、「ドラゴンボール超」(6)、

「遊戯王」(4)、*「Star Wars Rebels」(4)、*「熊出没」(3)

*「Adventure Time」(3)、*「喜羊羊」(3)

「ポケットモンスター」、「NARUTO-ナルト-」、「One Piece」、「ドラゴンボール超」

といった従来から人気が高い日本産アニメのタイトルが並び、新しい作品としては、

国内においても大成功を収め、北米においてはディズニーXDで放送されている「妖怪ウォ

ッチ」が上位に上がる。

各地域において海外作品のタイトルが上がるが、男児向け人気作品における海外作品の

比率は32.1%である。

B.女児向けコンテンツ

男児向けとともに「ポケットモンスター」が最上位を占め、同タイトルのキッズ向け分野

での人気の根強さを表している。各地域での日本コンテンツ人気の盛り上がりの原動力と

なった「セーラームーン」シリーズの最新作「セーラームーンクリスタル」の人気も高く、

新しい作品としては男児同様に「妖怪ウォッチ」のタイトルが上がる。

個別のタイトルとしては上位に上がってこないが、特に女児向けに関しては海外作品の

タイトルが多く上がり、全体の43.9%を占める(表2-22参照)。

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表2-20.女児向けの人気作品タイトル

地域 作品数 主な作品 ( )内は回答数

北米 18 「ポケットモンスター」(3)、「セーラームーンクリスタル」(3)

「ユーリ!!! on ICE」(2)

中南米 11 *「My Little Pony」(2)

欧州 30 「ポケットモンスター」(4)、「セーラームーンクリスタル」(4)

*「Frozen」(3)、*「Peppa Pig」(2)、「ユーリ!!! on ICE」(2)

「妖怪ウォッチ」(2)

アジア

オセア

ニア

39 「ポケットモンスター」(6)、*「喜羊羊」(3)、*「巴拉拉小魔仙」(2)

*「Sofia the First」(2)、「アイカツ」(2)、「妖怪ウォッチ」(2)

「ハローキティ」(2)

全体 98

(43)

「ポケットモンスター」(13)、「セーラームーンクリスタル」(8)

「妖怪ウォッチ」(5)、「ユーリ!!! on ICE」(4)、*「My Little Pony」(4)

*「Frozen」(4)、*「Peppa Pig」(3)、「One Piece」(3)、*「喜羊羊」(3)

「NARUTO-ナルト-」(3)、

C.成年男性向けコンテンツ

表2-21.成年男性の人気タイトル

地域 作品数 主な作品 ( )内は回答数

北米 19 「NARUTO-ナルト-」(4)、「ドラゴンボール超」(3)

「進撃の巨人」(2)

中南米 16 「ドラゴンボール超」(5)、「NARUTO-ナルト-」(2)

「One Piece」(2)

欧州 42 「進撃の巨人」(6)、「NARUTO-ナルト-」(4)

「ソードアート・オンライン」(4)、「ワンパンマン」(4)

「One Piece」(4)、「フェアリーテイル」(3)

「ドラゴンボール超」(2)

アジア

オセア

ニア

45 「ラブライブ!」(7)、「Re:ゼロから始まる異世界生活」(6)

「NARUTO-ナルト-」(4)、「進撃の巨人」(3)、「One Piece」(3)

「ソードアート・オンライン」(3)、「ジョジョの奇妙な冒険」(2)

「アイドルマスターシンデレラガールズ」(2)「機動戦士ガンダムシリーズ」(2)

全体 122

(11)

「NARUTO-ナルト-」(14)、「進撃の巨人」(12)、

「ドラゴンボール超」(10)、「ラブライブ!」(10)、「One Piece」(10)

「Re:ゼロから始まる異世界生活」(8)、

「ソードアート・オンライン」(7)、「ワンパンマン」(5)、

「ジョジョの奇妙な冒険」(3)、「東京喰種」(3)

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表2-21に見られるように、「NARUTO-ナルト-」、「進撃の巨人」、「ドラゴンボ

ール」シリーズの新作「ドラゴンボール超」といった国内において深夜以外の時間帯で放送

されている子どもも含めた一般向け作品が上位を占めるが、国内において深夜の時間帯で

放送された成年向け作品では「進撃の巨人」、「ソードアート・オンライン」の人気が高い。

アジア・オセアニアにおいては国内でも人気が高い「ラブライブ!」、「Re:ゼロから始まる

異世界生活」が上位に上がり、日本と同質のオタク文化が拡大している状況が窺える。「ラ

ブライブ!」については海外向け配信のみならず、アジアを中心とした海外でのイベント開

催にも注力した展開が行われており、こうした動きを反映していることが推測できる。

D.成年女性向けコンテンツ

表2-22に見られるように、2016年10~12月に放送された男子フィギュアス

ケートの世界を舞台とした新作アニメ「ユーリ!!!on ICE」が全ての地域で最上位を占めた。

男子バレーボールを扱った「ハイキュー!!」、男子の水泳競技を扱った「Free!」のタイトル

も上位にあがり、近年日本でも人気が高いスポーツをテーマとした男性の群像劇が海外に

おいても女性の人気を得ていると推測される。

表2-22.成年女性の人気タイトル

地域 作品数 主な作品 ( )内は回答数

北米 21 「ユーリ!!! on ICE」(5)、「セーラームーンクリスタル」(4)

中南米 15 「ユーリ!!! on ICE」(5)、「セーラームーンクリスタル」(3)

「Free!」(2)

欧州 45 「ユーリ!!! on ICE」(10)、「One Piece」(3)、「東京喰種」(3)

「進撃の巨人」(3)、「Free!」(2)、「NARUTO-ナルト-」(2)

「フェアリーテイル」(2)、「セーラームーンクリスタル」(2)

アジア

オセア

ニア

46 「ユーリ!!! on ICE」(11)、「ハイキュー!」(4)、「刀剣乱舞」(4)

「黒子のバスケ」(2)、「ポケットモンスター」(2)

「うたの☆プリンスさまっ♪」(2)、「おそ松さん」(2)

全体

127

(18)

「ユーリ!!! on ICE」(31)、「セーラームーンクリスタル」(9)

「ハイキュー!」(5)、「Free!」(5)、「刀剣乱舞」(4)

「進撃の巨人」(4)、「One Piece」(3)、「東京喰種」(3)

「NARUTO-ナルト-」(3)、「黒子のバスケ」(3)、

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21

E.各カテゴリーにおける日本作品、海外作品の比較

表2-23.各カテゴリーにおいて海外作品が占める比率(単位=%)

全体 北米 中南米 欧州 アジア・

オセアニア

男児向け 32.1 11.1 50.0 32.4 34.1

女児向け 43.9 16.7 81.8 36.7 51.3

成年男子向け 9.0 10.5 12.5 11.9 4.4

成年女子向け 14.2 19.0 13.3 13.3 13.0

成年向けアニメと子ども向けアニメを比較して顕著なのは、海外作品の比率である。

特に女児向けアニメの分野では海外作品の比率が半分に迫っている。

顕著に数字を集めたタイトルは特になかったが、ディズニー、カートゥーンネットワーク

が世界展開するタイトルが多く、マテル、ハズブロ、レゴ、スピンマスターといった玩具メ

ーカーが世界展開するタイトルも含まれている。

また、男児と同様に、中国においては回答の全てが中国作品となった。

(参考:男児向け、女児向けにおいてタイトルが上がった主な海外作品。)

*( )内は日本放送版のタイトル

・男児向けアニメ

「Star Wars Rebels(「スターウォーズ 反乱者たち」)」、「Sponge Bob(「スポンジボブ」)」、

「Teen Titans Go(「ティーンタイタンズ」)」、「Paw Patrol(「パウパトロール」)」、

「Regular Show(「レギュラーSHOW~コリない2人」)」、

「Peppa Pig(「ペッパピッグ」)、「Adventure Time(「アドベンチャータイム」)」、

「Steven Universe(「スティーブン・ユニバース」)」、「熊出没」、「喜羊羊」

・女児向けアニメ

「Frozen(「アナと雪の女王」)」、「Gravity Falls(「怪奇ゾーン グラビティフォールズ」)、

「Star vs the Forces of Evil(「悪魔バスター★スターバタフライ」)」、

「Elena of Avalor(「アバローのプリンセス エレナ」)」、「Sofia the First(「ちいさな

プリンセス ソフィア」)」「Powerpuff Girls(「パワパフガールズ」)」、

「Sponge Bob(「スポンジボブ」)」、「My Little Pony(「マイリトルポニー」)」、

「Monster High(「モンスター・ハイ~こわイケガールズ」)」、

「Lego Friends(「レゴフレンズ」)」 、 「Peppa Pig(「ペッパピッグ」)、

「Princess Lillifee(「プリンセスリリー」)」、「喜羊羊」、「巴拉拉小魔仙」、

「Masha and the Bear」、「Miraculous Ladybug」(仏韓日共同制作)

「Mia and me」(伊独加共同制作)

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22

2-3.第2章まとめ

① 「ユーリ!!!on ICE」の海外での人気爆発

調査対象とした全ての地域において 成年女性向けの人気作品としてTVアニメシリー

ズ「ユーリ!!!on ICE」のタイトルが挙げられた。

同作品の概要は以下の通りである。

・番組タイトル:「ユーリ!!!on ICE」

・種別:テレビ放送用オリジナルアニメ(全12話)

・製作:ユーリ!!!on ICE製作委員会(エイベックス・ピクチャーズ、テレビ朝日他)

・アニメーション制作:MAPPA

・放送期間:2016年10月~

・放送(日本国内):テレビ朝日、BS朝日他

・国内向け映像配信:テレ朝動画、dTV、AbemaTV他

・海外向け映像配信(日本国外/中国以外):クランチロール

・海外向け映像配信(日本国外/中国):優酷土豆

本報告書執筆にあたっては「ユーリ!!! on ICE」の制作に携わったテレビ朝日のチーフプ

ロデューサー:松久氏(以下、「松久CP」)へのヒアリングも実施した。以下、同氏へのヒ

アリング内容を交えながら、「同時」、「同質」、「共有」の3つのキーワードに沿って分析を

進める。

・「同時」

日本のアニメ作品の海外展開において、子ども向けアニメはテレビを主体とした吹き替

え版の放送と関連商品の販売を組み合わせた展開を行うことが多いが、成年向けアニメは

海外向け配信プラットフォームを介した字幕付きの配信が行われることが多い。

こうした海外向け配信を行うプラットフォームとしては、中国を除く地域に関しては、

クランチロール、ネットフリックス、Hulu、中国に関しては愛奇芸(アイチーイー)、

優酷土豆(ヨーク/トゥドゥ)、bilibili(ビリビリ)等が挙げられる。

子ども向けアニメにおいては、海外放送権、海外商品化権をセットで海外のエージェント

に許諾するケースが多く、日本での放送から関連商品の販売と組み合わせた吹き替え版の

放送が行われるまでに数ヶ月から1年単位のタイムラグが生じることが多い。しかし、成年

向けアニメのファンは、新しい作品を日本での放送と同じタイミングで視聴することを強

く望んでおり、こうしたニーズには主に海外のファンサブサイト(ファンサブは fan

subtitle の略。ファンが独自に字幕を付けて作品の映像とともに発信を行うサイト。ほと

んどの場合、コンテンツホルダーから映像配信許諾は受けていない。)が担ってきたが、2

010年代から前述した海外向け映像配信プラットフォームによる正規許諾を受けた海外

向け映像配信が拡大、現在では多くの成年向け作品がサイマル(同時並行放送)に近いタイ

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ミングでの海外向け配信を行っている。「ユーリ!!! on ICE」は、中国以外についてはクラ

ンチロール、中国については優酷土豆に映像配信権を許諾、クランチロールに関しては日本

国内での放送の約1時間後、優酷土豆に関してもそれに近いタイミングで、全世界ほぼ「同

時」の視聴が可能となる環境が作られた。

・「同質」

『「ユーリ!!! on ICE」の企画の背景には「ハイキュー!!」「Free!」といった男子

スポーツをテーマとした作品への女性の人気の盛り上がりがあった。さらに、テレビ朝日が

長期にわたって「グランプリシリーズ」を放送していること、熱心なファンが多いこともあ

って男子フィギュアスケートを題材としたオリジナル作品を制作することになった。』(テ

レビ朝日:松久CP)

「ハイキュー!!」「Free!」といった作品が国内の成年あるいはティーンエイジの女性

に人気が高いことはこれらの作品のビデオグラム売上枚数、あるいは番組イベントの集客

等に現れているが、今回の調査でもこれらの作品は「ユーリ!!! on ICE」に伍して成年女性

の人気作品上位に並んでおり、その人気は世界的に拡大していると推測される。

作品を「同時」に楽しむ環境が生まれたことで、勿論全ての作品がとは言えないが、これ

まで世界的な人気を得てきた「ドラゴンボール」、「セーラームーン」、「One Piece」と

いったキッズ・一般向け作品だけでなく、成年向けアニメにおいても「同質」のものに世界

の人気が集まる環境が生まれつつあると考えられる。

・「共有」

『「ユーリ!!! on ICE」は、事前のマンガ連載等がないオリジナル作品ということもあり、

放送前のファンの期待度は芳しいものではなかった。人気上昇のきっかけとなったのは

第3話の先行上映会イベントで、参加者のツイートが多くのリツイートを呼び、「潮目が変

わった」。さらに第1話の海外配信の直後からクランチロールの専用サイトに世界各国から

の書き込みが殺到し、そのことが日本国内でも評判を呼んだ。』(テレビ朝日:松久CP)

また、有名フィギュアスケーターのSNSによる発信が人気拡大に結びついている。アメ

リカの男子プロフィギュアスケーターのジョニー・ウィアー選手は当初から「ユーリ!!!on

ICE」のファンであることをツイッターで投げかけ、さらに、ロシアの女子フィギュアスケ

ーターで「グランプリファイナル」(2015、2016年)や世界選手権(2016年)

での金メダル獲得の実績を持つエフゲニア・メドベージェワ選手は、自身による主人公のコ

スプレ姿をツイッターに上げ、世界中の大きな反響を受けた。

「ユーリ!!! on ICE」においては、世界での反響と日本での人気の盛り上がりがSNSに

より相互作用を起こすことで、国内外の人気が爆発的に拡大したものと推測される。インタ

ーネット技術の発展を背景としたメディアの映像配信へのシフトにより世界で「同時」作品

が視聴され、「同質」の作品が人気を集め、それが世界のファンにより「共有」された。

「ユーリ!!! on ICE」は、フィギュアスケートという国内外に多くの熱心なファンを持つ

スポーツを題材とすることで国際性を獲得し、作品が国内外で同時に楽しまれる中で、ファ

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ンの作品への評価や愛情が共有されることで世界的な人気を得るに至ったものと推測され

る。

② コスプレの世界的浸透

日本コンテンツの楽しみ方への質問においては、「コスプレ」が全ての国、地域からの

100%の回答を得て、その人気の世界的な広がりを示した。

「仮装」は日本においても海外においても仮装行列やハロウィンでの仮装等、古くから

行われていた。さらに、SFコンベンション等のイベントでは「スタートレック」や「スタ

ーウォーズ」の登場人物の仮装等が以前から行われていたが、「コスチュームプレイ」を略

した「コスプレ」という名称が定着したのは1980年代、日本の「コミックマーケット」

をはじめとする同人誌イベントからと言われている。

「コスプレ」は主に日本のアニメやマンガに登場するキャラクターを模した仮装表現を

指す言葉として世界に拡大、現在では海外のキャラクターやキャラクター以外の“モノ”へ

の仮装などその言葉の意味を拡大しながら、愛好者を増大している。国内における「コスプ

レ」の愛好者についてのデータは少ないが、国内の代表的なコスプレサイトの登録者は30

万人前後で、日本国内のコスプレ衣装市場は2015年で435億円と試算されている。

(矢野経済研究所「クールジャパンマーケット/オタク市場の徹底研究 2016」)

一方で海外のコスプレ愛好者は増大を続けており、2003年から名古屋市内を会場と

して毎年開催されている国際的コスプレイベント「世界コスプレサミット」は、2016年

の開催において世界30の国と地域が参加するイベントに成長した。世界各地で多数の参

加者による予選大会が開催され、その上位者だけが名古屋で開かれる決勝大会に出場する。

本事業における調査に回答を寄せたイベントに限らず、海外で開催されるファン向けイ

ベントはコスプレ姿の参加者が日本のファン向けイベント見られる以上に多く、「コスプレ」

をメインテーマとしたイベントも少なくない。前記の数字はそうした海外における日本国

内以上の人気状況が現れたものと推測される。

③ キッズ向けアニメにおける海外作品の浸食

子供向けの人気タイトルに関しては、男児向けで32.1%、女児向けで43.9%を

海外作品が占めた。

子ども世代の多くはテレビを通じてアニメを視聴していると推測されるが、レーティン

グ規制あるいは自国作品の保護を目的とした総量規制にため、日本のアニメが地上波テレ

ビの放送枠を得ることはかなりハードルが高い。また、国内においても長期にわたって放送

されている人気作品、人気シリーズの継続に力が注がれており、新たに制作される子供向け

アニメの数は少ない。前項で述べたように、海外でファン向けイベントに参加する現在の日

本コンテンツ愛好家たちは主に1990年代に「セーラームーン」、「ドラゴンボール」を中

心とした多くの日本の子ども向け作品を視聴することで、日本のアニメに親しみ、その後、

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成年向けアニメを楽しむ愛好家となっているが、 こうした愛好家を育てる基盤が脅かさ

れていることが懸念される。

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第3章 世界各地のイベントユーザー等

に対するインターネット調査

3-1.調査方法、調査内容、回答状況

① 調査方法

英語と日本語による質問票(巻末に添付)を作成。I.O.E.A 事務局より、2017年2月

1日~5日の期間に、同団体に加盟する88イベントの主催者にインターネットを使用

して参加者、関係者への調査を依頼、質問票を送付した。

② 調査内容

上記質問票には以下の内容に関する質問を記載した(質問票は資料として添付)。

・回答者の年齢、性別

・回答者の職業

・学生の回答者に向けた将来の希望学歴

・学生の回答者に向けた将来の希望職種

・有職者に向けた現在の職業

・回答者のメディア使用の状況

③ 回答状況

2017年2月20日までに、各地のイベント主催者から2408通の回答を得た。

回答者が属する国、地域の数は91に上り、それらは必ずしも I.O.E.A に加盟するイベン

トが開催されている地域ではない。国、地域数の拡大は、他国からのイベント参加者、国外

からの留学生によるものと推測される。

国・地域別の回答数内訳は表3-1の通りである。

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表3-1.世界各地のイベントユーザー調査 回答者内訳

地域 国・地域数

/回答数

回答者が所属する国・地域

( )内は回答者数

北米 2/1093 アメリカ(925)、カナダ(168)

中南米 17/95 ブラジル(34)アルゼンチン(15)、ペルー(15)、メキシコ(9)、チリ(5)、

コロンビア(2)、エクアドル(2)、ベネズエラ(2)、ジャマイカ(2)、

プエルト・リコ(2)、グアテマラ(1)、パナマ(1)、コスタリカ(1)、

ホンジュラス(1)、パラグアイ(1)、トリニダード・トバゴ(1)、

バミューダ諸島(1)

欧州 41/860 イギリス(160)、フランス(38)、イタリア(18)、ドイツ(149)、

ロシア(21)、スペイン(21)、スイス(11)、オーストリア(22)、

デンマーク(26)、フィンランド(46)、ノルウェー(34)、

スウェーデン(67)、アイルランド(10)、ベルギー(10)、オランダ(59)、

ポルトガル(24)、エストニア(12)、リトアニア(16)、チェコ(10)、

ルーマニア(10)、ポーランド(32)、セルビア(10)、ギリシャ(6)、

ハンガリー(6)、ブルガリア(5)、スロバキア(5)、ラトビア(5)、

ウクライナ(4)、クロアチア(4)、スロベニア(4)、アルバニア(2)、

ボスニア・ヘルツェゴビナ(2)、マケドニア(2)、アイスランド(2)、

アゼルバイジャン(1)、ベラルーシ(1)、マルタ(1)、モルドバ(1)、

ルクセンブルク(1)、モンテネグロ(1)、ジョージア(1)

アジア

25/205 シンガポール(42)、フィリピン(28)、インド(23)、マレーシア(19)、

インドネシア(14)、香港(12)、中国(10)、ベトナム(7)、トルコ(7)、

イスラエル(7)、パキスタン(6)、タイ(5)、アラブ首長国連邦(4)、

サウジアラビア(4)、韓国(3)、台湾(3)、ブルネイ(3)、

カザフスタン(2)、レバノン(2)、カンボジア(1)、バーレーン(1)、

バングラデシュ(1)、イラク(1)、シリア(1)、モルディブ(1)、

オセアニア 2/144 オーストラリア(132)、ニュージーランド(12)

アフリカ 4/13 南アフリカ共和国(9)、モロッコ(2)、ナイジェリア(1)、マラウィ(1)、

*アジアには中東、インドを含む

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3-2.調査結果と分析

① 回答者の年代、性別

回答者の年代、性別は表3-2、3-3の通りである。中心となった年代は10代、20

代で、男女比に関しては9割強が男性となった。

表3-2.回答者の年代(単位=人)

全体 北米 中南米 欧州 アジア オセアニア アフリカ

10代 968

(40.2%)

398

(36.4%)

26

(28.0%)

360

(41.9%)

94

(45.9%)

82

(56.9%)

8

(61.5%)

20代 1316

(54.7%)

617

(56.5%)

57

(61.3%)

475

(55.3%)

106

(51.7%)

56

(38.9%)

5

(38.5%)

30代 116

(4.8%)

72

(6.6%)

10

(10.8%)

24

(2.8%)

5

(2.4%)

5

(3.5%)

0

(0.0%)

40代 8

(0.3%)

6

(0.5%)

0

(0.0%)

1

(0.1%)

0

(0.0%)

1

(0.7%)

0

(0.0%)

合計 2408 1093 93 860 205 144 13

表3-3.回答者の性別(単位=人)

全体 北米 中南米 欧州 アジア オセアニア アフリカ

男性 2205

(91.6%)

992

(90.8%)

87

(93.5%)

796

(92.6%)

182

(88.8%)

135

(93.8%)

13

(100.0%)

女性 204

(8.5%)

101

(9.2%)

6

(6.5%)

64

(7.4%)

23

(11.2%)

9

(6.2%)

0

(0.0%)

合計 2408 1093 93 860 205 144 13

② 回答者の就業状況

回答者の就業状況は表3-4の通りである。2/3強の67.4%が学生であり、有職者

は1/4弱の24.2%である。

表3-4.回答者の就業状況(単位=人)

全体 北米 中南米 欧州 アジア オセアニア アフリカ

学生 1624

(67.4%)

663

(60.7%)

63

(67.7%)

626

(72.8%)

156

(76.1%)

107

(74.3%)

9

(69.2%)

有職者 583

(24.2%)

342

(31.3%)

24

(25.8%)

151

(17.6%)

41

(20.0%)

23

(16.0%)

2

(15.4%)

無職 201

(8.3%)

88

(8.1%)

6

(6.5%)

83

(9.7%)

8

(3.9%)

14

(9.7%)

2

(15.4%)

合計 2408 1093 93 860 205 144 13

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③ 「学生」ユーザーが希望するアカデミック・レベル

職業を「学生」とした回答者に対しては、将来希望するアカデミック・レベルについて

回答を求めた。表3-5に見られるように、全ての地域で就学意欲が高く、大学、大学院

までの就学を希望する回答者は全体の94.6%を占め、うち大学院までの就学を希望する

回答者も全体の28.4%に上った。

表3-5.「学生」が希望するアカデミック・レベル(単位=人)

全体 北米 中南米 欧州 アジア オセアニア アフリカ

高校

High School

58

(3.6%)

22

(3.3%)

0

(0.0%)

28

(4.5%)

7

(4.9%)

1

(0.9%)

0

(0.0%)

専門学校

Vocational School

29

(1.8%)

9

(1.4%)

0

(0.0%)

14

(2.2%)

4

(2.6%)

2

(1.9%)

0

(0.0%)

大学

College/University

1076

(66.2%)

431

(64.9%)

37

(58.7%)

443

(70.8%)

85

(54.5%)

77

(72.0%)

3

(33.3%)

大学院

Graduated School

462

(28.4%)

202

(30.4%)

26

(41.3%)

141

(22.5%)

60

(38.5%)

27

(25.2%)

6

(66.7%)

合計 1625 664 63 626 156 107 9

④ 「学生」ユーザーが就業を希望する職業

職業を「学生」とした回答者に対しては、将来希望する職業について回答を求めた。

欧州において「未定」の回答が多かったことを除き、地域ごとの傾向に大きな差は見られ

ない。全体においては、「IT」関連の職業を希望する回答者が最も多く、18.6%を占

めた。これに「ソフトウェア開発」、「ゲーム開発」といった分野を含めると、IT関連分野

は全体の30%強を占める。「エンジニア」の職種を希望する回答者は15.0%と「IT」

に次いで多く、技術系の職種を希望する回答者が全体の半数近くを占めている。

「金融」等のビジネス系の職種を希望する回答者は極めて少ない。また、「学者、研究者」

を希望する回答者は全体の10.2%を占めており、回答者の就学意欲の高さを反映してい

る。

「コンテンツビジネス(映画産業等)」、「政府関係等の公務」、「料理人等の飲食」、「溶接

工、配管工、電気工事等」、「軍隊、警察」といった職業分野はいずれも1%に満たなかった。

アニメに関するクリエイターや映画業界等の伝統的なコンテンツビジネスを希望する回答

者は極めて少数で、制作側にまわるよりも、職業は職業として持ち、趣味としてコンテンツ

を楽しみたいという姿勢が推測できる。

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表3-6.「学生」ユーザーが就業を希望する職業(単位=人)

(総数が1.0%以下の職業分野は「その他」に算入)

職業 全体 北米 中南米 欧州 アジア オセアニア アフリカ

IT

(プログラマーを含む)

298

(18.6%)

120

(18.7%)

10

(15.9%)

125

(20.0%)

24

(15.4%)

16

(15.0%)

3

(33.3%)

ソフトウェア開発

(アプリ開発を含む)

140

(8.7%)

64

(10.0%)

4

(6.4%)

53

(8.5%)

12

(7.7%)

7

(6.5%)

ゲーム開発、ゲームデザ

イン

48

(3.0%)

15

(2.3%)

27

(4.3%)

5

(4.7%)

1

(11.1%)

エンジニア・技術者

(IT分野以外)

204

(15.0%)

89

(13.8%)

14

(22.2%)

60

(9.3%)

24

(15.4%)

16

(15.0%)

1

(11.1%)

データアナリスト 17

(1.1%)

10

(1.6%)

5

(0.8%)

2

(1.3%)

クリエイター

(アニメーター、グラフィ

ックデザイナー等)

43

(2.7%)

18

(2.8%)

2

(3.2%)

12

(1.9%)

7

(4.5%)

4

(3.7%)

アーティスト、パフォー

マー(プロゲーマー、

俳優、声優等)

19

(1.2%)

6

(0.9%)

1

(1.6%)

9

(1.4%)

3

(1.9%)

編集者、ライター

ジャーナリスト

20

(1.2%)

8

(1.2%)

1

(1.6%)

7

(1.1%)

4

(2.6%)

学者・研究者 164

(10.2%)

68

(10.6%)

9

(14.3%)

56

(8.9%)

17

(10.9%)

13

(12.1%)

1

(11.1%)

教師 61

(3.8%)

21

(3.3%)

1

(1.6%)

33

(5.3%)

3

(1.9%)

3

(2.8%)

医師 55

(3.4%)

22

(3.4%)

1

(1.6%)

17

(2.7%)

11

(7.1%)

4

(3.7%)

医療関係

看護師、薬剤師等

29

(1.8%)

17

(2.6%)

2

(3.2%)

4

(0.6%)

2

(1.3%)

4

(3.7%)

翻訳家、通訳等 31

(1.9%)

11

(1.7%)

19

(3.0%)

1

(0.6%)

法律関係

(弁護士等)

25

(1.6%)

12

(1.9%)

1

(1.6%)

9

(1.4%)

2

(1.3%)

1

(0.9%)

会計士 34

(2.1%)

19

(3.0%)

5

(0.8%)

4

(2.6%)

5

(4.7%)

1

(11.1%)

金融 28

(1.7%)

13

(2.0%)

10

(1.6%)

4

(2.6%)

1

(0.9%)

ビジネスマン

(漠然と…)

37

(2.3%)

20

(3.1%)

1

(1.6%)

10

(1.6%)

3

(1.9%)

2

(1.9%)

1

(11.1%)

その他 158

(9.9%)

53

(8.2%)

12

(19.0%)

55

(8.8%)

22

(14.1%)

16

(15.0%)

未定・無回答 193

(12.0%)

57

(8.9%)

4

(6.3%)

110

(17.6%)

11

(7.1%)

10

(9.3%)

1

(11.1%)

合計 1604 643 63 626 156 107 9

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31

⑤ 「有職者」の職業

職業を「有職者」とした回答者に対しては、現在就いている職種について回答を求めた。

全体においては、学生が希望する職種と同様に「IT」関連の職業に就く回答者が最も多く、

18.4%を占めた。これに「ソフトウェア開発」、「ゲーム開発」(0.9%)といった分

野を含めると、IT関連分野は全体の30%強を占める。

一方で、特に「北米」、「欧州」においては、「小売り」、「飲食・料理人」、「配送・配達」、

「カスタマーサービス」といった職種の比率が高くなる傾向が見られる。「エンジニア」、「学

者・研究者」といった職種は「学生」の希望に比較して、「有職者」における比率は大きく

低下している。

表3-7.有職者の職業(単位=人)

(総数が1.0%以下の職業は「その他」に算入)

職業 全体 北米 中南米 欧州 アジア オセアニア アフリカ

IT

(プログラマーを含む)

107

(18.4%)

63

(18.4%)

2

(8.3%)

31

(20.5%)

8

(19.5%)

4

(17.4%)

1

(50.0%)

ソフトウェア開発

(アプリ開発を含む)

64

(11.0%)

29

(8.5%)

1

(4.2%)

27

(17.9%)

6

(14.6%)

1

(4.3%)

エンジニア・技術者

(IT分野以外)

29

(5.0%)

20

(5.8%)

2

(8.3%)

4

(2.6%)

2

(4.9%)

1

(4.3%)

クリエイター

(アニメーター、グラフィ

ックデザイナー等)

11

(1.9%)

5

(1.4%)

1

(4.2%)

3

(2.0%)

2

(4.9%)

編集者、ライター

ジャーナリスト

6

(1.0%)

3

(0.9%)

2

(8.3%)

1

(0.6%)

学者・研究者 17

(2.9%)

7

(2.0%)

1

(4.2%)

7

(4.6%)

1

(2.4%)

1

(4.3%)

教師 13

(2.4%)

10

(2.9%)

3

(2.0%)

図書館、ギャラリー、

映画館

7

(1.2%)

5

(1.5%)

2

(8.3%)

医療関係

看護師、薬剤師等

8

(1.4%)

7

(2.0%)

1

(4.3%)

技術員 9

(1.5%)

9

(2.6%)

会計士 11

(1.9%)

6

(1.8%)

1

(0.7%)

2

(4.9%)

2

(8.7%)

金融 14

(2.4%)

7

(2.0%)

5

(3.3%)

1

(4.3%)

1

(50.0%)

広告、マーケティング 7

(1.2%)

3

(0.9%)

1

(4.2%)

2

(1.3%)

1

(2.4%)

小売り

43

(7.4%)

27

(9.1%)

2

(8.3%)

12

(7.9%)

1

(2.4%)

1

(4.3%)

カスタマーサービス 10

(1.7%)

7

(2.0%)

3

(2.0%)

飲食、料理人 24

(4.1%)

15

(4.4%)

1

(4.2%)

5

(3.3%)

3

(13.0%)

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32

配送、配達 16

(2.7%)

13

(3.8%)

2

(1.3%)

1

(4.3%)

軍隊、警察 12

(2.1%)

7

(2.0%)

3

(2.0%)

2

(4.3%)

キャッシャー、レジ 9

(1.5%)

8

(2.3%)

1

(0.7%)

建設 10

(1.7%)

5

(1.5%)

4

(2.6%)

1

(2.4%)

その他 143

(24.5%)

83

(24.3%)

9

(37.5%)

35

(23.2%)

14

(34.1%)

7

(30.4%)

無回答 11

(1.9%)

9

(2.6%)

1

(0.7%)

1

(2.4%)

合計 583 342 24 151 41 23 2

⑥ 日本コンテンツ(主にアニメ)を視聴する際に使用するメディア

回答者全員に日本コンテンツを視聴する際に使用するメディアについて回答を求めた。

「PCダウンロード」、「合法なウェブキャスト(映像配信)」「違法なウェブキャスト(映像

配信)」、「テレビ」、「ビデオグラム(DVD、BD)」、「スマートフォン」、「その他」の

8項目について複数回答可の条件で利用の有無を訊いた。

「PCダウンロード」はPCを利用した視聴については全地域において100%に近い

利用率だった。「TV」は全体の12.0%の利用率であり、視聴方法は大部分がPCに移

行している。ビデオグラム(DVD、BD)は全体の18.5%で、回答者の中でもマニア

性の高いファンが購入して視聴していることが推測される。スマートフォンによる全体の

9.7%であり、この分野に関してはまだ拡大途上にあると思われる。

「PCダウンロード」を行う回答者は「合法なウェブキャスト(映像配信)」か「違法な

ウェブキャスト(映像配信)」のいずれかあるいは両方を使って日本コンテンツを視聴して

おり、「違法なウェブキャスト(映像配信)」の利用率は「合法なウェブキャスト(映像配信)」

を大きく上回った。回答者からは「違法なウェブキャスト(映像配信)」を利用する理由と

して「合法なウェブキャスト(映像配信)」を行うプラットフォームの配信タイトル数の不

足が多く指摘された。

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33

表3-8.日本コンテンツ視聴の方法(単位=人)

全体 北米 中南米 欧州 アジア オセアニア アフリカ

PC Download

2381

(98.9%)

1076

(98.4%)

90

(96.8%)

853

(99.2%)

205

(100.0%)

144

(100.0%)

13

(100.0%)

TV

289

(12.0%)

150

(13.7%)

18

(19.4%)

59

(6.9%)

43

(21.0%)

13

(9.0%)

0

(0.0%)

DVD、BD 446

(18.5%)

227

(20.8%)

11

(11.8%)

155

(18.0%)

29

(14.1%)

24

(16.7%)

0

(0.0%)

Smartphone

Distribution

233

(9.7%)

115

(10.5%)

10

(10.8%)

83

(9.7%)

15

(7.3%)

8

(5.6%)

2

(15.4%)

Webcast(Legal)

1575

(65.4%)

816

(74.7%)

58

(64.4%)

502

(58.4%)

97

(47.3%)

94

(65.3%)

8

(61.5%)

Webcast(Illegal) 2054

(85.3%)

859

(78.6%)

85

(91.4%)

780

(90.7%)

190

(92.3%)

127

(88.2)

13

(100.0%)

Others 21 5 2 8 3 3 0

回答数 2408 1093 93 860 205 144 13

3-3.第3章まとめ

回答者の40.2%が10代であり、20代が54.7%と大半を10~20代が占める。

また、回答者の67.4%が学生であり、有職者は24.2%にとどまった。

学生の94.6%が大学あるいは大学院といった「高学歴」を志向しており、将来希望す

る職種については、「IT系」、「技術者」、「研究者」への志向が強い。

学生のこうした回答の背景には回答者の家庭の収入の高さがあるものと推測される。ア

ニメであれ、ゲームであれ、日本のコンテンツはその時点の最新のメディアを通じて海外展

開を行ってきた。アニメに関して言えば1970~1990年代はテレビであり、2000

年代以後はPC他のデバイスを通じて視聴する映像配信である。ゲームに関してもプレー

するためにはコンソールあるいはPCが必要となり、マンガやビデオグラム、関連商品はい

ずれも日本国内の価格に比べて高額である。これらを享受するためにはある程度の経済的

バックボーンが必要である。

アニメを中心とする日本コンテンツを視聴するメディアについては、PCを使ったダウ

ンロードによる視聴が世界的に普及しており、正規あるいは非正規のプラットフォームに

よる映像配信により視聴されている。

使用される映像配信の種類において、非正規の映像配信が85.3%と正規を上回ってい

るが、正規許諾を受けた映像配信が65.4%と幅広く浸透しつつあることがわかる。多く

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34

の回答者が非正規の配信を正規の配信と併用しているが、併用の理由として挙げられたも

のの多くが、正規配信されていない作品の視聴だった。新作の成年向けアニメに関しては、

多くの海外向け映像配信プラットフォームが正規配信許諾に向けた交渉を行っているが、

作品のテーマや表現の問題によるプラットフォーム側の自主規制等さまざまな理由で、正

規配信が行われない作品も一定の作品数で存在する。中には日本国内で話題を集めた作品

もあり、こうした作品の視聴が非正規の配信視聴の理由のひとつになっているものと推測

される。

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35

第4章 「日本コンテンツ愛好家に関する国際研究シンポ

ジウム」

4-1.開催概要

本事業の一環として、以下の概要により、国内外の研究者、産業界の有識者の登壇による

シンポジウムを開催した。

●タイトル:「日本コンテンツ愛好家に関する国際研究シンポジウム」

~国際化するオタク文化とコンテンツ産業の振興~

●開催日時:2017年2月28日(火)16時~19時

●開催場所:TKP赤坂カンファレンスセンター14A

●主催:一般社団法人CiP協議会(経済産業省受託事業)

●協力:国際オタクイベント協会

●参加費:無料

●参加者:91名

4-2.開催プログラム

シンポジウムの開催プログラムは以下の通りである。

・趣旨説明

中村仁氏(日本経済大学経営学研究科クリエイティブ産業研究所所長・准教授)

・ご挨拶

平井淳生氏(経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課 課長)

・講演①「To be a Hong Kong Man is to be a Japanese」

王向華氏(香港大学 現代言語文化学部グローバルクリエイティブ産業学科長)

・講演②「日本のポップカルチャーと中国」

古市雅子氏(北京大学 外国語学院日本語言文科系准教授)

・講演③「オタクが切り拓いた日常系の物語メディアとしてのマンガ」

出口弘氏(東京工業大学 情報理工学院教授)

・調査概況報告

亀山泰夫氏(一般社団法人CiP協議会事務局)

・講演④「アニプレックスグループの海外展開について」

植田益朗氏(株式会社アニプレックス コーポレートアドバイザー)

・講演⑤「CGアニメーション制作の構造とその可能性について」

内田治宏氏(マーザ・アニメーションプラネット株式会社執行役員)

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・パネルディスカッション

モデレーター:中村伊知哉氏(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)

佐藤一毅氏(国際オタクイベント協会代表)、王氏、古市氏、出口氏、植田氏、内田氏

・終了挨拶:中村仁氏

4-3.講演、ディスカッション登壇者、モデレーター、コーディネーター

海外の大学に勤務する2名の研究者と国内の研究者1名、コンテンツ産業界の有識者2

名の計5名が講演、パネルディスカッションでは、国内の研究者がモデレーターを務め、

講演を行った5名に加えて、海外のファン向けイベントに詳しい有識者が参加した。

シンポジウムの企画にあたっては、国内の研究者1名にコーディネーターを依頼した。

・講演者①

王向華氏

香港大学 現代言語文化学部グローバルクリエイティブ産業学科長

博士(社会人類学)オックスフォード大学

主要業績:Japanese Bosses, Chinese Workers: Power and Control in a Hong

KongMegastore (Curzon Press, 1999)

研究分野:日本発ポップカルチャーのグローバリゼーション、東アジアにおけるクリエ

イティブ産業と文化政策

・講演者②

古市雅子氏

北京大学 外国語学院 日本語言文科系准教授

1977年東京生まれ。日本の高校を卒業後北京へ渡り、2000年北京大学中文系漢語言文学

専攻卒業。同大学で博士号を取得し、2012年より現職。

北京大学アニメファンサークル「元火動漫社」の指導教官

北京大学 外国語学院明治大学マンガ図書館閲覧室館長

専門は、文化政策、日中映像文化関係史、日本ポップ・カルチャーの中国での受容等。

・講演者③

出口弘氏

東京工業大学情報理工学院 教授

1986年 東京工業大学総合理工学研究科システム科学博士課程修了

福島大学経済学部助手、福島大学行政社会学部助手、国際大学松下図書情報センター助

教授、国際大学グローバルコミュニケーションセン助教授&専任研究員、中央大学商学

部助教授、京都大学経済学部助教授、2001 年 10 月より東京工業大学総合理工学研究科

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37

知能システム科学専攻教授、エージェントベース社会システム科学研究センター長を経

てとして 2016年4月より現職。

・講演者④

植田益朗氏

株式会社アニメプレックス コーポレイトアドバイザー

一般社団法人日本動画協会理会理事、日本のアニメーション 100周年プロジェクト統括

委員

株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント常勤顧問

株式会社フォワードワークス アドバイザー

・講演者⑤

内田治宏氏

マーザ・アニメーションプラネット株式会社 執行役員

ITベンチャースタートアップ参画後、放送関連の広告代理店在籍時のエンターテイメ

ントファンドの運用会社をJVで設立。映画・テレビアニメーション作品への投資を行う。

その後、モバイルメディア企業にて数々のM&Aや事業投資を行う。2009年、セガサ

ミー・インベストメント・アンドパートナーズ入社(現マーザ・アニメーションプラネッ

ト)。

・ディスカッション登壇者

佐藤一毅氏

1970年東京生まれ 筑波大学基礎工学類卒

Circle.ms代表として日本の同人イベントのネットインフラを支える。

2015年国際オタクイベント協会設立より同協会代表に就任。現職。

世界各地のオタクイベントを繋いだリアルなネットワークでオタク文化の振興・発展に

協力。

・モデレーター

中村伊知哉氏

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授、博士(政策・メディア)

一般社団法人CiP協議会理事長

1984年、ロックバンド「少年ナイフ」のディレクターを経て郵政省入省。通信・放送融合

政策、インターネット政策を政府で最初に担当するが、橋本行革で省庁再編に携わったの

を最後に退官し渡米。1988年MITメディアラボ客員教授。2002年スタンフォード日本

センター研究所長。2006年より現職。

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内閣府知的財産戦略本部委員会座長、内閣府クールジャパン戦略会議、文化審議会著作権

分科会小委などの委員を務める。

・コーディネーター

中村仁氏

日本経済大学大学院経営学研究科クリエイティブ産業研究所長・准教授

博士(学術)東京工業大学

京都大学大学院法学研究科修士課程修了。国際連合世界食糧計画コンサルタント、東京

大学大学院情報学環特任講師等を経て現職。経済産業省今後の繊維・ファッション産業

のあり方に関する研究会ファッション政策の検討 WG 座長(2009-2010)。専門分野はクリ

エイティブ産業論、行政学。主な著書として『クリエイティブ産業論−ファッション・

コンテンツ 産業の日本型モデル』(慈学社、2015年)。

4-4.講演内容(サマリー)

① 王向華氏

王氏は日本のスーパーチェーンの海外展開事例等を紹介しながら、異なる文化を持つ

海外でコンテンツビジネスを展開する際の現地文化理解の必要性と現地パートナーの 重要性について、講演を行った。 以下は、王氏の講演のサマリーである。

・国内外ともに親しまれているコンテンツでも同じように受容されているわけではない。海外にコンテンツ産業を持っていくには異文化翻訳が必要である。

・海外でビジネスを行う場合、現地の文化をどう理解するかは非常に大切で、食習慣や 生活習慣に関しても気を配って展開する必要がある。文化は食べ物やスポーツにも意味 付けを行う。

・日本の企業のシステムは優れているが、現地の文化を理解していないために、当初は 成功を収めても、長続きしないケースもある。

・展開にあたっては、現地のパートナーが重要な存在となる。現地パートナーは現地の 文化を理解し、現地で成功するための工夫を加えてくれる。

② 古市雅子氏 古市氏は、中国でのアニメの発展の歴史について紹介し、日本から入ったアニメが中国

独特のネットスラングを生みだした例を紹介しながら、相互に影響しあう文化について 言及した。 以下は、古市氏の講演のサマリーである。

・1970年代までの中国では、上海を中心にマンガ産業が栄えていた。 ・「鉄腕アトム」以後、日本からのテレビアニメの輸入が開始されたが、テレビがあまり普及していなかったため、「連環画」という本とマンガの中間のような形のもので日本のアニメは広がっていった。

・1990年代にテレビが普及し、「セーラームーン」、「スラムダンク」など日本の アニメが放送され、人気を博し、日本のテレビアニメ放送の黄金期を迎えた。

・2000年以後は国産アニメの優遇策もあり、日本のアニメを視聴するメディアはインターネットにシフトした。

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・2000年以後は国産アニメの優遇策もあり、メディアはインターネットにシフト、 タイトルをネット上でクリックすれば、内容を見られるようになった。

・インターネットを通して手軽に情報交換できるようになり、日本のポップ・カルチャーはネットカルチャー化し、日本のアニメから中国独特のネットスラングが生まれる状況も起こっている。

・一般に中国に関しては海賊版コンテンツや商品について語られることが多いが、正規版のコンテンツを視聴し、正規品の関連商品を購入することで日本のクリエイターにお金を落としたと考えているファンは多い。

・日本には中国におけるマンガ、アニメの規制に対してもっと基盤作りを頑張ってほし

い。

③ 出口弘氏

出口氏は、日本のマンガの特徴的な作品ジャンルとして「日常系」をあげ、江戸時代の絵

草紙から現代のマンガまで、数々の事例を紹介しながらその特徴と変化、海外への影響につ

いて講演を行った。

以下は出口氏の講演のサマリーである。

・日本のマンガの特徴的なジャンルとして「日常系」が挙げられる。「日常系」はわれわれ

の日常をポジティブに描く一連の作品群を差し、これを盛り上げていたのが日本のオタ

クたちである。

・この「日常系」の爆発は、今後世界でも拡大していくと思われる生活世界そのものが

再構築される潮流の先駆けなのではないかと思う。

・絵草紙や気質もの等江戸時代のコンテンツには現在の「日常系」につながる要素が非常に

多く含まれている。こうした積み上げの上に現在の日常系の様々な作品が存在する。例え

ば、エッセイマンガではノンフィクションとしてそれぞれの立ち位置から様々な日常が

描かれ、実話系4コマは江戸の川柳を彷彿とさせる。

・「ウッドストック」は32人のミュージシャンが3日間で50万人を集め、ただ1度の

開催で伝説になった。「コミケ」は50万人の参加者と3万5千人の出展者が相互に入れ

替わりながら、伝説が年2回、長期間にわたって繰り返されている。この「コミケ」に集

まる作品の中ではさらに多様な日常の物語が描かれている。

・「日常系」の作品の中では「日常性の再構築」が行われている。例えば「異類=人類でな

いもの」との恋愛。90年代までは異類婚姻譚はアンハッピーな物語ばかりだった。それ

が2000年前後を境にして全てハッピーエンドになる。

・こうした日常性の再構築は日本だけでなく海外でも起きており、インドネシアやドイツな

ど様々な国の作品においてその傾向が見られる。

④ 植田益朗氏 植田氏は自社の最新劇場用映画作品の「ソードアート・オンライン オーディナル・ス

ケール」の展開を紹介しながら、北米、欧州での自社の取り組みについて講演を行った。 以下は、植田氏の講演のサマリーである。

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40

・この2年ほどは、日本のテレビ放送と同時期に海外でもインターネット・テレビ・パッ ケージ等の発信することを目指している。

・ビデオグラムのパッケージに関してもできるだけ日本と同じものを使い、ハリウッド映 画のように大量生産したものを安価で販売する形をとらず、日本と同じような特典を 満載したボックス仕様で系列会社や関連会社から直販しており、この方法をファンは 歓迎しており、日本のファンと同じものを同時に楽しんでいると感じてくれている。

・現地で開催されるファン向けイベントやコンベンションも、ファンと直接結びつく機会 と考えて番組の宣伝、関連商品の販売にも力を入れている。

・現在は日本で公開を開始し、近日の世界公開を控える「ソードアート・オンライン(SAO) オーディナル・スケール」のプロモーション活動を行っているが、「SAO」に関してもよりサイトを見てもらえるように、アメリカ向けのサイトも日本のサイトと できるだけ同じように作っている。

・北米は簡単なマーケットではないが、自分たちの持ち味を出すことが重要であり、 イベント等を通じてファンと触れ合う時間を作り、ネット販売を丁寧に行うといった ことひとつひとつが大切だと感じている。

・ヨーロッパへの展開はなかなか難しいが、やはり現地でやりたいという社員からの提案 があったため、ドイツとフランスの配信会社への出資、業務提携を行った。現地の人 たちと協力し、コミュニケーションを取りながら一緒にやっていきたい。

⑤ 内田治宏氏

内田氏は、CGアニメ制作会社の立場から、一般のアニメ制作会社との工程の違いを 紹介しながら、CG映像制作という産業が持つ可能性、競合する海外各国に比較した公的支援の不足、こうした状況への対策について講演を行った。 以下は、内田氏の講演のサマリーである。

・CG制作会社の課題として、従来の作り方を変えていかねばと感じている。”大量のもの

をいかに効率良く”作るか。

・アニメーションの工程は「クリエイティブ+製造業」で、特にCGアニメーションの制作

工程は「パイプライン」と呼ばれ、製造業に近い。

・産業としてのCG映像制作の可能性は大きい。AIやVR等もきているし、制作物の幅が

ある業界で、今後ネット化し、デジタル化が起きると、医療等にも使えるようになり、

たくさんの産業につながると考えている。

・コンテンツ産業に関して言うと、日本は国内に一定のマーケットがあるがゆえ海外に出て

行けていない。しかし、従来の国内向けのやり方ではもはや通用しなくなってきている。

・各国は映像制作支援制度について前向きな取り組みを行っているが、日本の支援は海外に

比べ非常に少ない。日本は文化の継続をタニマチ(文化のスポンサー)に頼っているが、

海外はCGをイノベーションが起こる可能性のある産業と考えて支援を行っている。こ

うした状況を変えていきたい。

・状況を好転させるには1社の努力だけでは困難なので、(シンポジウムを主催する)Ci

P協議会に対しては、こうしたサイクルを上げるために議論、活動する場を形成してほし

い。

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41

4-5.ディスカッション内容(サマリー)

本事業による調査の概要、概況報告を間に挟み、5名の研究者、産業界有識者による講演

を終えた後、以下のメンバー構成によるパネルディスカッションを行った。ディスカッショ

ンのサマリーは以下の通りである。

・モデレーター:中村伊知哉氏

・参加者:王向華氏、古市雅子氏、出口弘氏、植田益朗氏、内田治宏氏

佐藤一毅氏(国際オタクイベント協会代表)

・中村:国際オタクイベント協会が世界で連携しているオタク系イベントに来るファンの数は年間どれくらいになるか?

・佐藤:自分たちの団体に加盟している人で350万人くらい。世界には2000くらい のイベントがあると言われているので、全体では数千万人になると思う。日本の コンテンツが好きな人、親日の人たちが参加している。

・中村:コンテンツの海外展開に際してはローカライズが大事になるとおっしゃるが、 インターネットの発達によりメディア環境が変わったことによる影響はあるか?

・王 :消費者が色々なコンテンツを自分で発信するようになったが、やはり文化による違いがある。例えば日本では LINEが流行っているけど、中国の人たちが使うのは WeChatで香港の人たちはまた違うものを使うというようなメディアの違いを意識することも大事だし、こうした違いをキャッチアップする上では、メンバーに若い人を加えていくことも大事だし、やはり現地に詳しいパートナーが必要だと思う。

・中村:中国の企業と日本のコンテンツ企業との共同制作が盛んになっていると聞くが、 今後の方向性はどうなっていくと思われるか?

・古市:今の中国は資本力があるので、中国の企業がスポンサーになって日本の制作会社が作るということが行われている。また、ゲームでは中国の企業が日本的なテーマで制作したゲームが大ヒットして、さらに日本で展開されるというようなことが起きている。こうしたケースは今後ますます増え、日本からの人材の流出が懸念される。また、日本のアニメを見て育った中国のクリエイターたちも成長しており、日本はこれから厳しくなっていくかもしれない。

・中村:日本人はオタクであることを恥ずかしがる。自分のところの学生を見てもそう 思うが、留学生はむしろオタクであることを誇っている。オタク文化は変化して きているのだろうか?

・出口:オタクの自画像という意味では変わってきているかもしれない。90年代の「エ ヴァンゲリオン」では「私はここにいていいのか?」がメッセージで、これが 以前の日本のオタクにつながるものだったが、2000年代の「涼宮ハルヒの 憂鬱」では「私はここにいる」がメッセージとなっている。また、今のオタクは 自分たちで pixivやなろう系のサイトなどメディアを持っていて、仲間同士の やりとりのなかで、大変な作品ができてしまうことがある。ネットが大きな力を 持ちその中からプロの編集者が作品を探してくるという状況が生まれており、 オタクとコンテンツの関係も変化していると思う。

・中村:アニメの国際展開について、Netflixなどの海外配信プラットフォームが大きな プレイヤーになっている。これはピンチかチャンスか、どちらと思われるか?

・植田:新しいプレイヤーが現れるということでBtoBでは色々なことが起こっている。そうした中で新しいタイプの作品も現れると思うが、基本的にはお客さん(視聴者)がどう考えるかというところで、自分としては視聴者が喜ぶ方向で ものを作っていきたい。新しいプレイヤーが現れて業界や作品の構造が変わるということは、今まで出てこられなかった人たちも出てこられるという意味でチャンスだと思うし、配信と中国というキーワードについてはこれからも注視していきたい。ただ、海外に向けてものを作る中で、もの作りのアイデンティティや

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コンテンツがもともと持っていた良い部分が損なわれてしまう例もあり、 そのあたりも気をつけていきたいと思う。

・中村:CiP協議会をベースにした取組は具体的にはどんなことを考えているか? ・内田:CGは小さな業界で、CGの中でも映画のような映像系とアニメは少し違うし、

ゲームもまた少し違っており、そうした中での交流も少ない。まずは色々な業界 の人と交流し、話をしていきたいと考えている。

・中村:日本の強みはポップとテックが融合した分野だと思っている。そこが今少し離れ てしまっているのが残念なので、ぜひとも再融合をやりたい。テクノロジー・オ タクを生んでいきたい。

・中村:私たちCiP協議会では国際オタクイベント協会と連携して国際的なオタク文化

研究機関を作っていきたいと考えている。そうした団体により、世界のオタク 文化研究者のネットワークの構築や、産学の連携を行っていければと思っている。最後にこうした動きについて一言ずついただきたい。

・王 :東アジアでの日本コンテンツに関する基盤作りを頑張っていただきたい。 ・古市:日本政府に是非、国を挙げたコンテンツ支援を行ってほしいし、クリエイターも

そうした支援を受けて作品を通ってほしい。 ・出口:日本が持つ、普通の人が普通に物語を描いて、さらに表現者と受け手が相互作用

するという世界でも稀な構造は実は世界に広がりうる。それは良い意味でのソフ トパワーということになると思うし、それとビジネスの共存関係がきちんとでき れば良いと思う。

・植田:新しいことにチャレンジしていく環境作りに力を入れたい。 ・内田:日本のクリエイティブのレベルは非常に高いと思っており、それで稼いで、

新しいものに還元していくというサイクルが作れるよう頑張りたい。 ・佐藤:世界でも多くのイベントが10年、20年と続き発展を重ねてきた。ファンの

世代の幅も広がり、企業の上層部や大学の教授といった立場になる人も増えて いった。そうしたオタク文化が一過性のものでなく、きちんとした文化として 語られる場を作るために頑張っていただきたいし、自分も頑張っていきたい。

4-6.来場者調査

来場者の属性、関心、期待の把握を目的に、用紙を配布し、自記式のアンケート調査を

行った。(アンケート用紙は資料として添付)

① 調査概要

・調査方式:自記式アンケート調査

・アンケート用紙配布枚数:91通

・アンケート用紙回収枚数:50通(回収率54.9%)

・質問内容:年代、職種

シンポジウムの中で興味を持ったテーマ

海外調査への関心

海外調査に関し、興味を持っている地域

国際的オタク文化研究機関に期待する機能

シンポジウムの満足度、今後の参加意向

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② 回答者の年代、職種

表4-1、4-2に見られるように回答者の年代は20代から50代まで幅広く、業種

についてはコンテンツ業界を中心にコンテンツの海外展開に関心を持つコンテンツ業

界以外の業種、さらに大学教授から大学生までの研究者の参加も見られた。

この種のシンポジウムとしては、調査票への回答の回収率も高く、参加者の関心の高さ

が窺えた。

表4-1.回答者の年代

年代 人数(比率)

20代 7 名(14.0%)

30代 9 名(18.0%)

40代 16 名(32.0%)

50歳以上 18 名(36.0%)

表4-2.回答者の職種

業種 人数(構成比) 業種詳細

コンテンツ産業 29 名(58.0%) アニメ・キャラクター=7名、マンガ・

出版=1 名、ゲーム=2 名、音楽=2 名、

映画=2 名、放送=3 名、デジタルコン

テンツ=3 名、デザイン=1 名、その他

=8 名

製造・販売・サービスや

食、観光業等異業種分野

13 名(26.0%) 製造=2 名、サービス=4 名、不動産・

建設=4 名、その他3名

研究者・学生 8 名(16.0%) 教員(大学院・大学)=3 名、大学院生

=3 名、大学生=2 名

③ シンポジウムの中での興味を持ったテーマ(複数回答)

シンポジウムの中で扱ったトピックに関し、9つの項目を設け、複数回答可として興味の

有無について回答を求めた。

アニメの海外展開に関する関心が最も強く、アニメやマンガ、ゲームに関するファン文化

=オタク文化の海外への浸透に対する関心がこれに続き、半数以上の回答者の関心を集め

た。

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表4-3.シンポジウムの中で興味を持ったテーマ(選択肢から複数選択/単位=人)

④ 海外調査への関心

シンポジウムの中で一部を紹介した本事業における海外調査について「たいへん関心が

ある」、「関心がある」、「どちらでもない」、「関心はない」の選択肢を設け、回答を求めた。

調査への関心は高く、回答者の半数近く(46.0%)が「たいへん関心がある」とし、

「関心がある(44.0%)」を加え、回答者の90%の関心を集めた。

表4-4.海外調査への関心

⑤ 海外調査に関し、興味を持っている地域(複数回答)

海外に向けた調査の実施に関し、興味を持つ地域を、世界の各地域を10地域に分類し、

複数回答可の条件で回答を求めた。

地域としては「アジア(中国)」に関する興味が最も強く、回答者の76.0%が興味を

示した。「東南アジア」、「北米」、「欧州(西ヨーロッパ)が続き、「中東」、「アフリカ」、「オ

0 5 10 15 20 25 30 35

国際的オタク文化研究機関

国内のオタク文化

日本コンテンツの海外展開(その他の分野)

国際オタクイベント協会

日本コンテンツの海外展開(ゲーム)

日本コンテンツの海外展開(マンガ)

海外のオタクイベント

オタク文化の海外への浸透

日本コンテンツの海外展開(アニメ)

46%

44%

6%

4%

たいへん関心がある 関心がある どちらでもない 関心はない 無回答

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セアニア」に関する興味は、興味が強い地域の半分程度にとどまっている。

表4-5.海外調査に関し、興味を持っている地域

⑥ 国際的オタク文化研究機関に期待する機能(複数回答)

シンポジウムの中で構想を紹介した国際的オタク文化研究機関に期待する機能を6つの

項目について複数回答可の条件で回答を求めた。

最も期待が高かったのは「日本コンテンツに関するマーケット調査」で、「日本コンテン

ツの海外への紹介」がこれに続いており、回答者は必ずしもコンテンツ事業者ではないが、

コンテンツの海外展開に際しての情報収集、展開支援のニーズが高いことが推測される。

表4-6.国際的オタク文化研究機関に期待する機能

0 5 10 15 20 25 30 35 40

オセアニア

アジア(インド)

アジア(中国)

アジア(東南アジア)

アフリカ

中東

欧州(西ヨーロッパ)

欧州(東ヨーロッパ)

中南米

北米

0 5 10 15 20 25 30 35 40

海外のオタクイベント出展の調整

日本コンテンツの海外展開に関する企画サポート

国内外の研究者によるシンポジウム開催

オタク文化に関する国際的な学会の開催

日本コンテンツの海外への紹介

日本コンテンツに関する海外マーケット調査

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⑦ シンポジウムの満足度

当日のシンポジウムに関し、「満足」「やや満足」「どちらでもない」「やや不満」「不満」

の5つの選択肢を設け、満足度についての回答を求めた。

表4-7に見られるように、回答は「満足」が52.0%と約半数を占めた。自由記述形

式で指摘された不満は以下の通りである。

・時間がもう少しコンパクトであれば良かった。

・ゲーム関連の話が少なかった。

・海外のオタクイベントとの連携についてもう少し詳しく知りたかった。

表4-7.シンポジウムの満足度

52%

32%

10%2%

4%

満足 やや満足 どちらでもない やや不満 無回答

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⑧ 今後の参加意向

同じようなテーマを扱ったシンポジウムに関し、「参加したい」、「やや参加したい」、「あ

まり参加したくない」、「参加したくない」の選択肢を設け、今後の参加意向について回答を

求めた。表4-8に見られるように、「参加したい」は58.0%で、「やや参加したい」の

32.0%を加え、今後の参加意向は90.0%を占めた。

表4-8.今後の参加意向

「今後の参加意向」に関し、自由回答にて寄せられた主な意見は以下の通りである。

・国内海外のオタクやゲーム、出版社と話す時に考える前提知識を深められる。

・今後のビジネスへの参考にしたい。

・まだまだ考えるべきテーマはあると思うので是非参加したい。

・日本のアニメビジネスの現状がキャッチアップできる。

・コンテンツ業界の状況をキャッチできる。

・オタク分野について広く興味があるので参加したい。

・海外オタクイベントの相互連携などのアップデートされる情報が紹介されるならば参加

したい

・日本コンテンツの海外紹介に関する実務的な情報発信があれば参加したい。

⑨ 意見、要望

最後に、回答者の意見、要望について自由記述形式での記述を求めた。

主な意見は以下の通りである。

・アニメビジネスとスタートアップ企業の関係等をイベントとして考えていただきたい。

・本で、オタク文化で育った社会的地位の高い世代が紹介されていたが、そうした人たちと

58%32%

2%8%

参加したい やや参加したい あまり参加したくない 参加したくない 無回答

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の関わりを知りたい。

・特に業界関係者は、各国で日本のコンテンツがいかに広まっていったかをより包括的に知

る必要があると思う。

4-7.第4章まとめ

「日本コンテンツ愛好家」あるいは「オタク文化」をテーマとしたシンポジウムや研究会

のオープンな形での開催はこれまで少なく、また今回は香港、中国のアジア地域に留まった

が、海外の研究者の講演を聞く機会も少なかったことがあり、シンポジウムの開場には幅広

い分野から多くの参加者が集まり、4-5の調査結果に見られるように全体において好評

を得た。

研究者からは、日本コンテンツ愛好家が形成するいわゆる「オタク文化」の海外での浸透、

国内における変化の状況について示唆を得るとともに、産業界の現場で海外展開に取り組

むコンテンツ業界の登壇者からは、当事者の意識、問題点等が挙げられた。

参加者調査において留意しておきたい点は、参加者のアジア特に中国に対する関心の高

さである。北京大学の古市准教授を始めとして複数の登壇者が講演、ディスカッションに

おいて述べたことだが、アニメ等コンテンツ産業界の中で、中国企業のプレイヤーとしての

存在感は年を追って大きくなっており、そうした状況がシンポジウム参加者のアンケート

結果にも反映されている。参加者からは同種のシンポジウムの今後の開催について期待さ

れる声が多く寄せられたが、アジア圏特に中国をテーマとした開催も視野に入れる必要が

あるものと考えられる。

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第5章:総論

世界で開催されるファン向けイベントの数は2000を超えると言われ、参加者の延べ

人数は数千万人とも言われている。ファン向けイベント参加者は、アニメ、マンガ、ゲーム

をはじめとする日本コンテンツ海外展開のメインターゲットとなると考えられるが、こう

したファンに関する調査はこれまで多くなかった。

本事業においては、イベント主催者、イベントユーザー双方へのインターネット調査の

実施、日本コンテンツ愛好家をテーマとしたシンポジウムの開催により、アニメを中心とし

た日本コンテンツ愛好家像を分析するとともに、日本コンテンツの海外展開における課題

を分析した。

5-1.海外の日本コンテンツ愛好家像、消費環境

① 海外の日本コンテンツ愛好家像

・日本コンテンツ愛好家は、マニア中心の時代から新しい世代にシフト

本報告書第2章、第3章において詳述したように、イベント主催者、イベントユーザー双

方への調査により、海外の日本コンテンツ愛好家像を分析した。

日本のアニメの海外展開は1970年代から始まり、1990年代に拡大した。2000

年代以前においては、日本での放送、公開から期間があいて海外で紹介される作品がほとん

どであり、またアニメ関連の商品やDVDは探しにくく、高額で、愛好家は一部のマニアに

限られていた。

しかし、インターネット技術の発達、普及により、作品情報の共有が高速化し、視聴にお

いては海外向け映像配信プラットフォームが拡大する中で、ファンはマニアだけでなく

ライト層を含めた幅広い裾野を持ちながら拡大した。今回の調査から浮かび上がる日本コ

ンテンツ愛好家は、主に1990年以後に生まれ、上記のように環境が整う中で日本のアニ

メに親しんだ新しい世代が中心と考えられる。

・1990年代生まれが中心の新しい世代の日本コンテンツ愛好家

新しい世代の日本コンテンツ愛好家は、主に1990年代に生まれ、「ドラゴンボール」、

「セーラームーン」を中心とした日本のアニメに熱中し、2000年代以後はインターネッ

トを介して海外でも広く見られるようになった日本の成年向けアニメに触れ、日本コンテ

ンツ愛好家となった。もちろんこうしたファンの一部はアニメだけでなく、日本のマンガの

愛好者でもある。

学生においては高い就学レベルを希望し、IT系企業、技術者、研究者への志向が強い。

こうした志向の背景として、日本のコンテンツを愛好するために必要となる機器、デバイス

やコンテンツ、関連商品の購入に必要とされる経済的に恵まれた環境にある者が多いこと

が推測できる。

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・日本コンテンツ愛好家の増大

新しい世代の日本コンテンツ愛好家は、マニアからライト層まで幅広い裾野を持ち、数が

多い。1980年代~1990年代に始まったファン向けイベントは10年、20年と開催

を続ける中で拡大し、現在では10万人を超えるファンを動員するものも少なくない。本事

業におけるイベント主催者向け調査に回答したイベントの中でも、ローマで開催する「ロミ

ックス」は年2回の開催にそれぞれ20万人のファンを動員、バルセロナで開催する「サロ

ン・デル・マンガ」は14.2万人、サンパウロで開催する「アニメフレンズ」は9.5万

人を動員する。日本国内においては3日間で50万人を動員する「コミックマーケット」は

別格として、2016年の「アニメジャパン」の動員数は3日で13.5万人であり、海外

のファン向けイベントが国内の大型イベントに匹敵する参加者を集める時代が生まれてい

る。こうした状況からかつて「一部のマニア」と言われた日本コンテンツ愛好家の裾野が広

がり、その人数が大きく拡大していることが推察できる。

② 海外における日本コンテンツの消費環境

・映像配信の普及による視聴の同時化

本報告書2-2、3-2に見られるように、アニメ等日本コンテンツの視聴の手段は、テ

レビから映像配信にシフトし、日本コンテンツ愛好家の多くは字幕付き映像配信により視

聴している。成年向けアニメの多くは、日本での放送や配信とほぼ同じタイミングで世界に

向けた配信が行われており、日本を含めた世界の愛好家が同じ作品を同時に楽しむ環境が

生まれつつある。

・SNS等の発達、普及による日本コンテンツ愛好家の同質化

インターネットの発達による情報伝達の高速化、Facebook、Twitter、Instagram等の

SNSの普及により、アニメ等日本コンテンツに関する情報共有の速度は上がり、世界の愛

好家の同質化が進み、世界同時にヒットする作品が現れている。

もともと「スターウォーズ」シリーズや「ハリーポッター」シリーズ、「アナと雪の女王」

といった劇場用映画作品においてこうした現象は起きていたが、本事業による調査で明ら

かになった「ユーリ!!! on ICE」のように、日本のアニメ作品においても全世界で同時に

人気を集める作品が生まれている。

・作品を楽しむ手段の不足~商品供給の不十分さ

作品の視聴環境が整う一方で、視聴以外に日本コンテンツ愛好家が作品を楽しむ手段は、

海外において不足している。

成年向け作品の1シリーズあたりの制作話数は通常の作品で12~13話、多い作品で

も26話で、毎週として3~6か月で新作の放送や配信は終了する。日本国内の愛好家に関

しては、ビデオグラム(DVD、BD)や音楽CDの他にも番組イベントやインターネット

ラジオ、関連商品の購入といったやり方で作品を長く楽しむことができるが、海外に対して

作品の配信以外のメディア展開が行われることは少なく、関連商品を手に入れるチャンス

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も限られている。

つまり、視聴して楽しむ環境は整いつつあるものの、日本国内で行われているような多メ

ディアや商品を通して愛好家が楽しみ、産業界がビジネスを拡大する環境は整っていない

というのが現状だと考えられる。

5-2.アニメを中心とした日本コンテンツの世界展開に向けた課題

① 海外でのマネタイズ

2-3において詳述した「ユーリ!!! on ICE」は、すでに全12話の放送を終了して

おり、日本国内においてはビデオグラム第1巻が72,000セット(2017年3月中旬

現在)という同時期に放送を開始した作品のトップクラスの売上を示し、第2巻以後もあま

り数字を落とすことなく売れ続けている。一般に日本の成年向けアニメはビデオグラムの

販売数を成功のひとつの指標としており、その点において「ユーリ!!! on ICE」は十分に成

功した作品と考えられる。

しかし、一方で本調査に現れたような海外での人気は、マネタイズという部分ではまだ

その人気ほどに大きな果実を得ていないように思われる。

一般に成年向けアニメの制作話数は1シリーズあたり12~13話で、ほぼ3か月の期

間で初回放送を終わる。映像配信やその後も継続されるが、日本国内での展開においてはテ

レビでの放送は作品を広く知らせてファンを作るための宣伝であり、出版(コミック、ライ

トノベル)、イベント(番組イベント、舞台化、飲食店コラボイベント)、インターネットラ

ジオ放送や公式SNSからの発信といったメディア展開を行いながら人気の長期化をはか

り、中心となる商品のビデオグラム(DVD、BD)の販売の他、関連商品の販売といった

ビジネスを進め、続編シリーズや劇場用映画につなげていく多面的な展開のサイクルがで

きているが、海外においてはそうしたサイクルができていない。

前述したように、海外においても特典付きのビデオグラムや高額のフィギュアを買い求

めるマニアからライトなファン層まで幅広い日本コンテンツ愛好家の層が形成されつつあ

る。こうした層のニーズに応え、マネタイズに結びつけるためには、日本と同じような多面

的なメディア展開、商品展開を体験できる仕組みを作る必要がある。

例えば「ガンダム」シリーズを制作するサンライズは、ガンダム専門のポータルサイト

「GUNDAM INFO.」を多言語で運営し、作品や商品、イベントの関する情報を国内

外に向けて発信している。また、「日本コンテンツ愛好家に関する国際研究シンポジウム」

での講演においてアニプレックスの植田氏は同社の北米での展開について、国内のサイト

とできるだけ表現方法を近づけて、海外のファンが国内の不安と同じような体験ができる

よう工夫していると紹介した。

日本国内と同じような多面的なメディア展開、商品展開を体験できる仕組みの構築に向

けては、こうした取り組みを参考としながら、幅広い作品について早く、深く情報発信を行

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う機能構築を検討する必要があるものと考察される。また、インターネット上だけでなく、

本事業における海外調査についても協力を得たファン向けイベントの活用についても検討

する価値があると思われる。

② 子供向けアニメにおける海外作品伸長の可能性

子ども向けアニメにおける海外作品の浸食については2-3において詳述した。海外の

イベント主催者から見た人気アニメ作品は、成年を対象にしたものについては男性向け女

性向けともに日本の作品が90%前後の多数を占めているが、子どもを対象にした作品に

ついては特に女児向け作品においては40%以上が海外作品という結果となった。

勿論、本調査はファン向けイベントの主催者に所感を聞いたもので、キャラクターの人気

度のような、別な尺度で調査を行った場合には異なった結果が出ることも考えられる。例え

ば一般社団法人キャラクターブランドライセンス協会(CBLA)が主にアジア地域を中心

にキャラクターの人気度を測った調査においては、アジアの多くの地域で「ドラえもん」が

トップになり、「クレヨンしんちゃん」、「名探偵コナン」、「ちびまる子ちゃん」といった日

本国内で長く放送が続いているアニメ番組のキャラクターやサンリオが展開する「ハロー

キティ」が上位に名を連ねている。しかし一方で、現地の状況を俯瞰して見るイベント主催

者の感覚で海外作品のタイトルが並ぶ状況を見ると、足元が脅かされる不安を禁じ得ない。

日本のアニメ作品の海外での放送は1970年代から始まり、1980年代、1990年

代と各国の地上波放送に乗ってその影響力を拡大した。現在の日本コンテンツ愛好家の中

核を占める層はこうした流れの中で1990年代に広く放送された「ドラゴンボール」や

「セーラームーン」を見て日本のアニメの魅力に触れ、その後に日本の成年向けアニメと出

会うことで、日本のアニメへの愛情を深めていった。先のCBLAの調査において上位に名

を連ねた作品もこの時代に地上波での放送が行われ、各国での人気を定着した作品である。

しかし、2000年代に入る頃を境に、多くの国が自国のコンテンツ産業の保護育成を目

的に地上波での外国産アニメの放送枠を規制しはじめ、現在ではこうした規制を行う国に

おいて日本の新作アニメが地上波で放送される可能性はかなり低いものとなっている。

一方で、本調査において子ども向けの人気作品とされた海外作品の多くは、ディズニー、

カートゥーンネットワーク等が制作し、自らが運営するケーブルテレビネットワークによ

り世界展開している作品あるいは、ハズブロ、レゴ、スピンマスターといった玩具会社が

企画し、有力なケーブルテレビネットワークで放送して世界展開を行っている。

日本国内の状況を見ると、少子化を背景に国内の事業者が長期にわたって放送を続ける

人気シリーズの継続に力を注ぐ中、新たに子ども向けに制作し大規模に展開される作品は

減少しており、積極的な海外展開が行われる作品はさらに少ない。

このような状況の中、子供向け作品が積極的に海外展開できる状況を作ることが、本調査

から得た課題のひとつと言える。

子ども向け作品に関しては、テレビ放送による視聴が中心となっているが、地上波の放送

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枠での外国産アニメの放送は規制されている場合が多い。今後の予測として特に大都市圏

においてスマートテレビが普及して、放送と映像配信がシームレスに楽しめる環境が整っ

ていくことで、子どもに対するテレビ放送と映像配信の影響力が同等に近づくものと予想

されるが、スマートテレビの普及については地域ごとの段階的なものとなっていくと思わ

れる。そうした状況の中、子供向けアニメにおける海外作品の展開状況を踏まえ、海外放送

枠の確保あるいは効果的なメディア活用方法の構築の検討を行うことは、今後さらにアニ

メを中心とした日本コンテンツ愛好家の裾野を拡大し、海外ビジネスを拡大する上でも

重要と考察する。

③ 海外向け配信企業等、海外資本の進出に伴う製作のグローバル化

「日本コンテンツ愛好家に関する国際シンポジウム」において、北京大学の古市准教授は

資本力のある中国企業がスポンサーとなって日本の制作会社が作品を作る形態がアニメや

ゲームといった分野で行われていることを指摘した。海外向け映像配信の活発化に伴い、ネ

ットフリックスやアマゾン(Amazon Prime)、クランチロールといった欧米の配信企業や、

愛奇芸(アイチーイー)、優酷土豆(ヨーク/トゥドゥ)、bilibili(ビリビリ)といった

中国の配信企業は日本のアニメをユーザー拡大に有効なキラーコンテンツと評価して日本

のコンテンツ企業へのアプローチを始めており、これらの企業を交えた製作委員会の組成

や共同製作も珍しくなくなった。また、共同製作という形にならないまでも映像配信権許諾

の対価は高騰しており、特にアニメに関しては、これらの企業の経済的影響力が強まってい

る。

同シンポジウムにコンテンツ産業界の有識者として登壇したアニプレックス コーポレ

ートアドバイザーの植田氏は、「配信」と「中国」というキーワードを注視しつつ、韓流ド

ラマの例を引き合いに出して、海外に向けて作品を作る中で、作る側のアイデンティティや

コンテンツ固有の良い部分が消失することの懸念を述べた。

海外の日本コンテンツを愛好する層が拡大し、海外を意識した作品作り、周辺ビジネスの

可能性が広がる中でコンテンツ産業界あるいはその周辺でビジネスを行う側も、海外の文

化や土壌、現況について理解を深める必要があり、そのための仕組みが必要である。これも

本調査から浮かび上がった課題と言える。

④ CG制作分野の国際競争力確保

「日本コンテンツ愛好家に関する国際研究シンポジウム」に産業界の有識者として登壇

した内田治宏氏(マーザ・アニメーションプラネット株式会社 執行役員)が指摘したCG

制作会社の国際競争力獲得のための方策については検討の必要があると考察される。

内田氏が講演において述べたように、AIやVRという技術が発展していく中で、CG産

業はゲームや映像作品の分野だけでなく、他の様々な分野で活用され拡大していく可能性

を持つ。日本のCG産業の制作能力は海外においても高く評価されているが、国際間におけ

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る価格競争は激しく、各国に対抗するための方策構築に向けてCG産業界及びこれに関連

する企業等が議論し、活動する場作りが急がれるものと考察する。

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●各国の日本コンテンツファン向けイベント主催者に対する調査質問票

●Survey for Organizers of Japanese Content Fan Events in Each Country

This survey is conducted by the International Otaku Expo Association (I.O.E.A),

consigned by the Ministry of Economy, Trade and Industry of Japan, with the aim

of grasping the spread of Japanese content in overseas locations. The results of

the survey are going to be summarized in a report and will serve as a material for

the future global dissemination of Japanese content such as anime, manga, and

games.

Furthermore, after publication by the Ministry of Economy, Trade and Industry

the survey results will also be shared with collaborating members of the I.O.E.A.

We deeply appreciate your cooperation.

この調査は、海外各地での日本コンテンツの普及状況の把握を目的に、I.O.E.Aが日本の

経済産業省から受託して行うものです。調査の結果は報告書としてまとめられ、アニメ、マ

ンガ、ゲーム等日本のコンテンツが今後世界に向けて発信していくための資料として使わ

れます。また、調査結果に関しては、経済産業省からの公開後、ご協力いただいた I.O.E.A

メンバーの皆様にも共有いたします。

皆様のご協力を宜しくお願いいたします。

国際オタクイベント協会事務局

International Otaku Expo Association Executive office

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Survey for Organizers of Japanese Content Fan Events in Each Country

【Q1】 Please write the title of the event you organize.

あなたが主催するイベントのタイトルをお書き下さい。

【Q2】 Please write the region (country name, region name, or city name) where

your event is held.

あなたが主催するイベントの開催地域(国名 or 地域名、都市名)をお書き下さい。

【Q3】 When did your event start? Please write the first year when your event

was held. あなたが主催するイベントはいつから開始されましたか?最初に

開催された年をお書き下さい。

【Q4】 When is your event held every year?

あなたが主催するイベントは毎年いつ頃開催されますか?

【Q5】 Please write the timing, neither of days, and number of visitors regarding

your events that were recently held.

あなたが主催するイベントを最近開催された時期と開催日数、動員人数をお書き

下さい。

【Q6】 How popular are the following content at your events? Please answer by

choosing from 1~5.

あなたが主催するイベントで以下のコンテンツはどのくらい人気があるでしょう

か?①~⑤に関し、1~5を選んでお答え下さい。

1. very popular

2. popular

3. neither popular nor unpopular

4. unpopular

5. very unpopular

Please answer by choosing from 1~5.

①Anime 5.very unpopular

②Manga

③Games

④ANISON(Anime Songs)

⑤J-POP(except ANISON)

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As for the following questions, please answer considering the situation in your

country.

以後の質問については、あなたが暮らしている国(地域)に状況を俯瞰してお答え下さ

い。

【Q7】 How popular are the following Japanese content? Please answer by

choosing from 1~5.

以下にあげる日本のコンテンツはどのような人気がありますか?

1. very popular

2. popular

3. neither popular nor unpopular

4. unpopular

5. very unpopular

Please answer by choosing from 1~5.

Japanese Anime

Japanese Manga

Japanese Games

ANISON(Anime Songs)

J-POP(except ANISON)

【Q8】 In what way, do you think Japanese content fans in your country (region)

are enjoying these contents? (multiple answers possible)

あなたが暮らしている国(地域)の日本コンテンツファンはどんな方法で

コンテンツを楽しんでいると思いますか?(複数回答可)

Television

DVD, BD

Webcasts

Cosplay

Karaoke

Collection of goods and promotional items

Derivative work (fan creations) of illustrations and manga

Others

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【Q9】 In what way, do you think Japanese content fans in your country (region)

are purchasing Japanese anime goods and character items?

Furthermore, do you think that supply is sufficient? Please answer freely.

あなたが暮らしている国(地域)の日本のコンテンツファンは日本のアニメグッ

ズやキャラクターグッズをどんなルートで購入されていると思いますか?

また、供給は十分だと思われますか?ご自由にお答えください。

【Q10】 When do you think Japanese anime and manga started to get the

popularity in your country (region)?

あなたが暮らしている国(地域)で、日本のアニメやマンガはいつ頃から人気が

出てきたと思いますか?

Please answer by choosing from 1~5.

1. 1970s

2. 1980s

3. 1990s

4. 2000s

5. after 2010

【Q11】 Which work do you think was the initial trigger for the popularity of

Japanese anime and manga? Please answer the title of the work.

あなたが暮らしている国(地域)で、日本のマンガやアニメの人気が出るきっかけ

となった作品はどんな作品だったと思いますか?作品名でお答えください。

【Q12】 Please answer three anime titles for each (including non-Japanese

anime) for both boys and girls, that are currently popular among children

in your country (region).

日本以外の作品も含め、あなたが暮らしている国(地域)で現在子供に最も人気

があるアニメ作品のタイトルを男性向けと女性向けそれぞれ3つあげて下さい。

【Q13】 Please answer three anime titles for each (including non Japanese

anime) for both boys and girls, that are currently popular among students

in your country.

日本以外の作品も含め、あなたが暮らしている国(地域)で現在学生や成年に

人気があるアニメ作品のタイトルを男性向けと女性向けそれぞれ3つあげて下さい。

Thank you very much for your cooperation. ご協力ありがとうございました。

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●イベント参加者等、主宰者以外の一般に対するアンケート

Survey for the General Public (such as event participants), other than the

Organizer of the Event

この調査は、日本の経済産業省から依頼を受けた国際オタクイベント協会が、海外各地での日

本コンテンツの普及状況の把握を目的に行うものです。

This survey is conducted by the International Otaku Expo Association (I.O.E.A), consigned

by the Ministry of Economy, Trade and Industry of Japan, for the purpose of understanding the

spread of Japanese content overseas.

調査の結果は報告書としてまとめられ、どんな方々がどのように日本のコンテンツを楽しんでいる

かを知り、海外のファンに向けた作品作りを日本のコンテンツ産業界に促すための資料として使わ

れます。

The results of the survey are going to be summarized in a report and will serve as a material

to understand the way people enjoy Japanese content abroad. This will be helpful for

Japanese content industry to make better content suitable for Japanese content fans abroad.

皆様のご協力を宜しくお願いいたします。

We deeply appreciate your cooperation.

Q1.What is your age? あなたの年齢をお答え下さい。

Q2.あなたの性別をお答え下さい What is your gender?

1.男性 male 2.女性 female

Q3.あなたの職業をお答え下さい。Employment Status: Are you currently…?

1. A 学生 Student 2.無職 Unemployed

3.職業についている Working(どんな職業か具体的に as concrete as possible, type of

occupation)

Q3-1. Q3で1とお答えになった方、学業をどのレベルまで続けたいとお考え

ですか?

If your answer to Q3 was 1: What academic level do you want to

achieve?

1. High School 2.Vocational School 3.University 4.Graduate School

Q3-2.Q3で1又は2とお答えになった方、将来就きたいと思われる職業を自由にお書き下

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さい。

If your answer to Q3 was 1 or 2: Please freely write the occupation you want

to have in the future!

Q3 で3とお答えになった方も、:将来違った職業に就く希望をお持ちの場合は、お書

き下さい。

If your answer to Q3 was 3.Please write the type of occupation if you would like

to change your career?

( )

Q4.あなたは結婚されていますか?What is your marital status?

1. 既婚 Married 2.未婚 Unmarried

Q4-1.Q4で1とお答えになった方、お子さんはいらっしゃいますか?

If your answer to Q4 was 1: How many children do you have?

1. 0人 zero 2.1 人 one 3.2人 two 3.3人 three

4.4人以上 more than four

Q5.日本のコンテンツを視聴するときによく使うメディアはなんでしょう?

Which media do you use the most when you watch or listen to Japanese content? (multiple

answers possible)(複数回答可)

1.テレビ TV

2.DVD、BD

3 PCによる配信 PC Downloads/webcasts(legal)

4.PCによる配信 PC Downloads/webcasts(正規版以外 illegal)

5.スマートフォンによる配信 Smartphone Distribution

6.その他 Others( )

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「日本コンテンツ愛好家に関する国際研究シンポジウム」

来場者アンケート

本日はご来場ありがとうございます。お帰りの際に本アンケートに記入いただき、

受付にて係員にお渡しください。

1. あなたの年齢をお教えください。(1つ選択して○)

□10代 □20代 □30代 □40代 □50歳以上

2. あなたの携わられている業種として最も近いものをお教えください。(1つ選択して○)

・コンテンツ産業

□アニメ・キャラクター □マンガ・出版 □ゲーム □音楽 □映画 □放送

□デジタルコンテンツ □デザイン □アート □その他

・製造・販売・サービスや食、観光業等異業種分野

□製造 □サービス □小売・卸売 □商社 □不動産・建設 □交通・観光

□教育・文化スポーツ □情報・通信 □官公庁・団体・自治体 □その他

・研究者・学生

□教員(大学、大学院) □教員(専門学校等) □学生(大学院) □学生(大学)

□その他

3.本シンポジウムの内容に関し、興味をもたれたテーマがありましたらお教えください。

(複数回答可)

□オタク文化の海外への浸透 □海外のオタクイベント □国内のオタク文化

□国際的オタク文化研究機関 □国際オタクイベント協会

□日本コンテンツの海外展開(アニメ) □日本コンテンツの海外展開(マンガ)

□日本コンテンツの海外展開(ゲーム) □日本コンテンツの海外展開(その他の分野)

□その他( )

4. 本シンポジウムの中でご紹介した海外調査への関心はいかがでしょう?(1つ選択して○)

□たいへん関心がある □関心がある □どちらでもない □関心はない

(裏面もご記入ください)

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5.日本コンテンツの海外普及状況調査やユーザーアンケートに関し、皆様が興味をお持ちの

地域をお教えください。(複数回答可)

□北米 □中南米 □欧州(東ヨーロッパ) □欧州(西ヨーロッパ) □中東 □アフリカ

□アジア(東南アジア) □アジア(中国) □アジア(インド) □オセアニア

□その他( )

6.本シンポジウムの中でご紹介した国際的オタク文化研究機関に期待する機能がありましたら、

お教えください。(複数回答可)

□日本コンテンツに関する海外マーケット調査 □国内外の研究者によるシンポジウム開催

□オタク文化に関する国際的な学会の開催 □日本コンテンツの海外への紹介

□海外のオタクイベント出展の調整 □日本コンテンツの海外展開に関する企画サポート

□その他( )

7.本シンポジウムについて、総合的にどれくらい満足していますか?(1つ選択して○)

□満足 □やや満足 □どちらでもない □やや不満 □不満

その理由をお書きください。

( )

8.またこうしたシンポジウムに参加したいと思いますか?(1つ選択して○)

□参加したい □やや参加したい □あまり参加したくない □参加したくない

その理由をお書きください。

( )

9.本シンポジウムへのご意見・ご要望がございましたら、自由にお書きください。

ご回答、ありがとうございました。

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国際オタクイベント協会(I.OE.A)加盟イベントリスト(2017年1月末日現在)

地域/region イベント名/event name 開催地/venue

Japan コミックマーケット/Comic Market 東京(日本)/Tokyo(Japan)

ニコニコ超会議/Niconico Chokaigi 東京(日本)/Tokyo(Japan)

North America アニメいずめんと/Animazement ローリー(アメリカ)/Raleigh(USA)

アニメボストン/Anime Boston ボストン(アメリカ)/Boston(USA)

アニメミッドウエスト/Anime Midwest シカゴ(アメリカ)/Chicago(USA)

アニメネクスト/Anime NEXT アトランティックシティ(アメリカ)/Atlantic City(USA)

アニメノース/Anime North トロント(カナダ)/Toronto(Canada)

アニメ正月/Anime Shogatsu トロント(カナダ)/Toronto(Canada)

アニメソン/ Animethon エドモントン(カナダ)/Edmonton(Canada)

アニメシュリケン/Anime Shuriken ラ・アバーナ(キューバ)/La Habana(Cuba)

アニメUSA/ANIME USA ワシントンDC(アメリカ)/Washington D.C(USA)

アニメウィークエンドアトランタ/ANIME WEEKEND ATRANTA アトランタ(アメリカ)/Atranta(USA)

テイストオブアニメソン/A Taste OF Animethon エドモントン(カナダ)/Edmonton(Canada)

ホシコン/HoshiCon シャーロット(アメリカ)/Charlotte , North Carolina(USA)

コトリコン/KotoriCon セウェル(アメリカ)/Sewell , NJ(USA)

オタフェスト/Otafest カルガリー(カナダ)/Calgary(Canada)

オタコン/Otakon ワシントンDC(アメリカ)/Washington D.C(USA)

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オタコン・ベガス/Otakon Vegas ラスベガス(アメリカ)/Las Vegas(USA)

オタクソン/Otakuthon モントリオール(カナダ)/Montreal(Canada)

サクラコン/Sakura-Con シアトル(アメリカ)/Seattle(USA)

South and Central

America アニコミックス/ANICOMIX ブエノスアイレス(アルゼンチン)/Buenos Aires(Argentina)

アニメエクスポサンチアゴ゙/Anime EXPO Santiago サンチアゴ゙(チリ)/Santiago(CHILI)

アニメフレンズ/Anime Friends サンパウロ(ブラジル)/Sao Paulo(Brazil)

アニメフレンズ アルゼンチン/ Anime Friends

Argentina ブエノスアイレス(アルゼンチン)/Buenos Aires(Argentina)

エキスポTNT/EXPO TNT メキシコシティー(メキシコ)/Mexico City(Mexico)

ジェイフェスト/J’fest メキシコシティー(メキシコ)/Mexico City(Mexico)

リマコミックス/Lima Comics リマ(ペルー)/Lima(Peru)

スーパーコン/Super-Con レシフェ(ブラジル)/Recife(Brazil)

TNTグアダラハラ/TNT Guadalajara グアダラハラ(メキシコ)/Guadalajara(Mexico)

Europe アキ・コン/AkiCon サンクトペテルブルグ(ロシア)/Saint Petersburg(RUSSIA)

アニ・コン/AniCon サンクトペテルブルグ(ロシア)/Saint Petersburg(RUSSIA)

アニマコ/ AniMaCo ベルリン(ドイツ)/Berlin(Germany)

アニメコン/AnimeCon ハーグ゙(オランダ)/Hague(Netherlands)

アニメフェスト/Animefest ブルノ(チェコ)/Bruno(Czech Republic)

アニナイト/AniNite ウィーン(オーストリア)/Vienna(AUSTRIA)

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アジアブリーズ/Asia Breeze エカテリンブルグ(ロシア)/Ekaterinburg(RUSSIA)

コミコンジャーマニー/Comic Con Gerrmany ストゥッドガルド(ドイツ) /Stuttgard(Germany)

コンニチ/Connichi カッセル(ドイツ)/Kassel(Germany)

ドコミ/Dokomi デュッセルドルフ(ドイツ)/Duesseldorf&Bonn(Germany)

フェドコン/ FedcCon デュッセルドルフ&ボン(ドイツ)

/Duesseldorf&Bonn(Germany)

フェニックス/Fenix カザン(ロシア)/Kazan(RUSSIA)

ホビットコン/ H0bbit Con ボン(ドイツ)/Bonn(Germany)

ハイパージャパン/ Hyper Japan ロンドン(イギリス)/London(United Kingdom)

ヒガン/HIGAN ミンスク(ベラルーシ)/Minsk(Belarus)

ジャパニマンガナイト/JapAniManga Night ダボス(スイス)/Davos(Switzerland)

マドリードオタク/Madrid Otaku マドリード(スペイン) /Madrid(Spain)

ミナミコン/Minami Con サウザンプトン(イギリス)/Southampton(UK)

ニッポン-ゴー /Nippon-Go! バレンシア(スペイン) /Valencia(Spain)

ニッポンネイション/Nippon Nation ウィーン(オーストリア)/Vienna(AUSTRIA)

オシャレコン/Osharecon ニーウェガイン(オランダ)/Nieuwegein(Netherlands)

ポリマンガ/POLYMANGA モントルー(スイス)/Montreux(Switzerland)

ロミックス/Romics ローマ(イタリア)/Rome(Italy)

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サロン・デ・マンガ/Salo del Manga de Barcelona バルセロナ(スペイン)/Barcelona(Spain)

バルセロナ国際コミックコンベンション/Salon

International del Comic de Barcelona バルセロナ(スペイン)/Barcelona(Spain)

エスオーエス/Siberia Otaku Saiten シベリア(ロシア)/Siberia(RUSSIA)

トゥールーズ ゲームショー/Toulouse Game Show トゥールーズ(フランス)//Toulouse (France)

Asia AFAインドネシア/AFA Indonesia ジャカルタ(インドネシア)/Jakarta(Indonesia)

AFAシンガポール/AFA Singapore シンガポール(シンガポール)/Singapore(Singapore)

AFAタイ/AFA Thailand バンコク(タイ)/Bangkok(Thailand)

ALJアニメコン/ALJ Anime Con アンマン(ヨルダン) /Amman(Jordan)

アニコム香港/Ani-COM & Games Hong Kong 香港(香港)/Hong Kong(Hong Kong)

アニメンガキ/ Animangaki セランゴ(マレーシア)/Selangor(Malaysia)

アニメパーティ/ Anime Party 上海(中国)/Shanghai(China)

AsiaPOP コミコン/ AsiaPOP Comicon Manila マニラ(フィリピン)/Manila(Philippines)

CAMI/Convention of Anime and Manga in Israel エルサレム(イスラエル)/Jerusalem(Israel)

キャラエキスポT/CharaExpo シンガポール(シンガポール)/Singapore(Singapore)

成都 Comiday同人祭/Chengdu Comiday Dojin

Festival 成都(中国)/Chengdu(Chinese)

CLAS:H ジャカルタ(インドネシア)/Jakarta(Indonesia)

コミックフィエスタ/Comic Fiesta クアラルンプール(マレーシア)/Kuala Lumper(Malaysia)

コミックフロンティア/ Comic Frontier ジャカルタ(インドネシア)/Jakarta(Indonesia)

魔都同人祭/COMICUP 上海(中国)/Shanghai(China)

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コミックパーティ(カンボジア)/Comic Party(Cambodia) プノンペン(カンボジア)/Phnom Penh(Cambodia)

コミックパーティ(ミャンマー)/Comic Party(Myanmar) ヤンゴン(ミャンマー)/Yangon(Myanmar)

コミックパーティ(ラオス)/Comic Party(Laos) ビエンチャン(ラオス)/Vientiane(Laos)

コミックパーティ(タイ)/Comic Party(Thailand) バンコク(タイ)/Bangkok(Thailand)

コスプレコレクション/COSPLAY COLLECTION 釜山(韓国)他/Busan(Korea)and various cities in other

countries

コスプレマニア/CosplayMania マニラ(フィリピン)/Manila(Philippines)

同人マーケット/Doujin Market シンガポール(シンガポール)/Singapore(Singapore)

ファンシーフロンティア/Fancy Frontier 台北(台湾)/Taipei(TAIWAN)

フーナンアニメ祭り/Funan Anime Matsuri シンガポール(シンガポール)/Singapore(Singapore)

ペナンアニメ祭り/Penang Anime Matsuri ペナン(マレーシア)/Penang(Malaysia)

M.Y コミック ACG 祭り/M.Y Comic ACG Festival 北京(中国)/Beijin(China)

タイ・コミックコン/Thailand Comic Con バンコク(タイ)/Bangkok(Thailand)

ヴァックス/VISUAL ARTS EXPO(VAX) クアラルンプール(マレーシア)/Kuala Lumper(Malaysia)

厦門国際動漫市/Xiamen International Animation

Festival 厦門(中国)/Xiamen(China)

Oceania オーバーロード/Overload NZ Comic + Manga

Convention オークランド(ニュージーランド)/Auckland(New Zealand)

スマッシュ!/SMASH!-Sydney Manga and Anime Show シドニー(オーストラリア)/Sydney(Australia)