平成28年度 iot推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章...

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平成 28 年度 IoT推進のためのシステムインテグレーション・ ネットワーク構築に係る調査 報告書 2017 年3月 経済産業省 九州経済産業局

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Page 1: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

平成 28 年度

IoT 推進のためのシステムインテグレーション・

ネットワーク構築に係る調査

報告書

2017 年3月

経済産業省 九州経済産業局

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平成 28 年度 IoT 推進のためのシステムインテグレーション・

ネットワーク構築に係る調査報告書 目次

はじめに ...................................................................... 1

調査の内容 .................................................................... 2

第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 .................................. 3

1.全国と九州における情報サービス産業の動向 ........................................................ 3 2.九州の情報サービス産業における IoT 取組状況 .................................................... 6 (1)九州の情報サービス産業における IoT の取組 .................................................... 6 (2)九州の情報サービス産業の事業内容と有資格者割合 .......................................... 7 3.IoT 到来による事業環境の変化 .............................................................................. 9 (1)地方における IoT 導入の必要性 ......................................................................... 9 (2)九州における新事業創造キーワード ................................................................. 11 (3)新事業創出の重要な役割を担うシステムインテグレーター ............................. 13 (4)九州地域発祥のシステムインテグレーター ...................................................... 14 (5)システムインテグレーター成長のためのパートナーの重要性 ......................... 15

第Ⅱ章 九州における IoT 導入・取組状況 ....................................... 19

1.九州における IoT 導入に向けた取組状況 ............................................................. 19 (1)導入企業側における IoT の認知度 .................................................................... 19 (2)イノベーター理論で見た各主体の導入ステージ ............................................... 20 (3)既存(IT)ソリューションにおける基本機能 .................................................. 22 (4)IoT ソリューションの導入目的 ........................................................................ 23 (5)システムベンダーの既存(IT)/IoT ソリューションの導入ターゲット .......... 24 2.九州における IoT 導入事例 .................................................................................. 25 (1)九州における先進事例 ...................................................................................... 25 (2)IoT 推進のための支援機関の取組 ..................................................................... 48 3.九州における「地方版 IoT 推進ラボ」の取組 ...................................................... 50 (1)IoT 推進コンソーシアムの設立と地方版 IoT 推進ラボ .................................... 50 (2)地方版 IoT 推進ラボの取組 ............................................................................... 51

第Ⅲ章 九州における IoT 導入のための課題 ..................................... 58

1.重要な IoT ソリューションの企画提案者 ............................................................. 58 2.IoT 投資を進める上での判断基準 ........................................................................ 59 3.データ利活用の状況 ............................................................................................. 60 4.IoT 導入に至るまでの課題 ................................................................................... 62 5.要望施策と自治体実施施策 .................................................................................. 63 6.企業や自治体をパートナーにした IoT 推進 ......................................................... 64 (1)九州の森林管理 ................................................................................................. 64 (2)海産資源の管理 ................................................................................................. 65 (3)IoT デバイスの実証の場づくり ........................................................................ 65 7.IoT 推進のための技術的サポートの必要性 .......................................................... 68 8.企業が必要とするネットワーク ........................................................................... 69

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第Ⅳ章 九州における IoT 導入推進に求められる取組 ............................. 71 1.九州における IoT 推進の方向性 ........................................................................... 71 2.IoT 導入のために検討すべき施策キーワード ...................................................... 72 3.IT や ICT に関する既存施策 ................................................................................ 73 4.IoT のシステム開発のフェーズ毎に必要な取組 ................................................... 74 5.製品・サービスの開発プロセスと必要なサポートイメージ ................................ 76 6.IoT 推進のためのネットワーク形成 ..................................................................... 78 7.今後の取組・進め方 ............................................................................................. 79 (1)九州 IoT コミュニティ(仮称)の設立 ............................................................. 79 (2)「第4次産業革命 実証ラボ」の整備・活用 .................................................... 80 (3)新たな支援メニューの創設 ............................................................................... 80

参考資料 ..................................................................... 81 資料編1.アンケート調査結果 .................................................................................. 83 (1)IT 技術提供企業側向けアンケート ................................................................... 83 (2)IT 技術導入企業側向けアンケート ................................................................... 97 (3)IT 技術導入自治体向けアンケート ................................................................. 111 資料編2.アンケート票 ........................................................................................... 118 (1)アンケート趣意書 ........................................................................................... 118 (2)IT 技術提供企業側向けアンケート ................................................................. 119 (3)IT 技術導入企業側向けアンケート ................................................................. 123 (4)IT 技術導入自治体向けアンケート ................................................................. 127 資料編3.勉強会開催概要と配布資料等 .................................................................. 130 (1)委員、オブザーバー機関名簿 ......................................................................... 130 (2)勉強会開催実績 ............................................................................................... 131 (3)勉強会資料 ...................................................................................................... 132

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1

はじめに

IoT(Internet of Things)により全てのものがインターネットに繋がり、それを通じて

収集・蓄積されるビッグデータが人工知能により分析され、その結果とロボットや情報端

末等を活用することで今まで予想だにできなかった商品やサービスが次々と世の中に登場

する IoT 社会が、従来にないスピードとインパクトで進展しています。

我が国では、こうした IoT 時代に対応し、企業・業種の枠を超えて産官学で利活用を促

進するため、2015 年 10 月、「IoT 推進コンソーシアム」が設立され、同コンソーシアムの

下に設置された「IoT 推進ラボ」では、先進的プロジェクトの発掘・支援や、プロジェクト

組成を促進する企業連携支援、IoT 技術の社会実装を見据えた実証試験の支援等の取組を開

始しました。

九州においては、IoT 技術を提供するベンチャー企業の出現や、地方自治体においても、

地域の特徴を活かした IoT ビジネス創出を推進する取組が始まっており、これまで育んで

きた地域産業の強みを背景とした発展可能性を有しています。

本調査は、IoT 技術を導入し具体的な目的を達成したいユーザー企業と、導入に必要な技

術を集めてシステムを構築するシステムインテグレーションの重要性が高まるなか、ソフ

トウェアメーカー、デバイスメーカーなど技術の幅広い情報を有し、それらを必要に応じ

て繋ぎコーディネートできるシステムインテグレーター不足が、IoT 推進のボトルネックと

なっているのではないか、との問題意識を踏まえ調査を実施しました。

具体的には、IoT 技術の導入が想定される分野と、データを収集・分析し、より効率的で

高付加価値を生みだすサービス提供を目指す IoT 技術を活用した取組に注視し、九州の企

業が有するIoT技術(シーズ)、ユーザーのニーズ等について、アンケートやヒアリング

を実施し、今後の IoT 利活用推進・ビジネス創出に向けた九州独自のネットワーク形成の

あり方等について、報告書にとりまとめました。

本報告書が、九州地域のシステムインテグレーターをはじめ情報サービス産業の皆様や

IoT の導入を予定されている企業、或いは IoT 推進に取り組まれる自治体の皆様にとりまし

て、一助になれば幸いです。

後に、本調査の実施にあたり、勉強会で熱心にご議論かつ貴重なご意見・ご提案を賜り

ました、座長の九州大学大学院システム情報科学研究院の井上弘士教授をはじめ委員の皆

様、並びにアンケート・ヒアリング調査にご協力いただきました関係者の皆様に心からお

礼申し上げます。

平成 29 年3月

九州経済産業局

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2

調査の内容

1.九州地域の現状の整理(アンケート・ヒアリング)

○アンケート調査:回収数

提供企業側(シーズ側)70 社、 導入企業側(ニーズ側)138 社、 自治体 88 市町村

○ヒアリング調査:30件

2.有識者と地域企業の勉強会(3回開催)

氏名五十音順 敬称略

氏 名 所 属 等 役 職 等

【座長】

井上 弘士

九州大学大学院システム情報科学研究院

I&E ビジョナリー特別部門 教授

大村 博 (株)オーネスト 代表取締役社長

小田 典史 第一交通産業(株) 社長付次長

古賀 一彦 (株)オプティム 取締役/ディレクター

藤野 直明 (株)野村総合研究所

産業 IT イノベーション事業本部付 主席研究員

淵上 豊崇 (株)NTT ドコモ九州支社

法人営業部 ICT ビジネスデザイン担当課長

森 俊英 グローバルブレインズ(株) 代表取締役社長

※勉強会における講演・話題提供

・株式会社ウェッブアイ 代表取締役社長 森川勇治 氏

・株式会社 NTT ドコモ九州支社

法人営業部 ICT ビジネスデザイン担当課長 淵上豊崇 氏

・株式会社オプティム 九州エリアセールスマネージャー 江嵜英彦 氏

・佐賀県政策部政策課 さがデザイン担当 主査 円城寺雄介 氏

・株式会社エーエヌディー 経営企画本部 本部長 宇野洋司 氏

3.IoT 活用事例集 2017 の作成 16事例(別冊)

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第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向

1.全国と九州における情報サービス産業の動向

情報サービス産業について、内閣府「経済センサス」(2009 年、2012 年、2014 年)のデ

ータをもとに事業所数、従業者数を整理する。本文では、情報サービス産業をソフトウェ

ア業、情報処理・提供サービス業、インターネット付随サービス業の3業種とする。情報

サービス産業全体でみると、2014 年の事業所数は 40,884 事業所、従業者数は 1,154,412

人となっている。その内、ソフトウェア業の事業所数は 28,079 事業所、従業者数は 855,527

人となっている。過去データからの変動をみると、事業所数、従業者数ともに 2009 年から

減少したが、直近では増加している。

九州の情報サービス産業をみると、2014年の事業所数は 3,105事業所、従業者数は 54,729

人となっている。その内、ソフトウェア業の事業所数は 2,100 事業所、従業者数は 38,657

人となっている。過去データと比較すると、全国と同様に 2009 年をピークに減少傾向にあ

ったが、直近では事業所数が約 200 事業所、従業者数が約 2,200 人増加している。

九州各県の情報サービス産業をみると、福岡県が事業所数、従業者数ともに も多く、

直近では事業所数が 1,854 事業所(59.7%)、従業者数が 37,107 人(67.8%)となっている。

次に多いのが、熊本県の 314 事業所、従業員数が 4,128 人であるが、それぞれ福岡県の1

割程度であり、九州は福岡県に集中している状況にある。

図表Ⅰ-1 情報サービス産業の事業所数、従業者数推移(全国)

(単位:事業所、人)

資料)内閣府「経済センサス」より作成

図表Ⅰ-2 情報サービス産業の事業所数、従業者数推移(九州) (単位:事業所、人)

資料)内閣府「経済センサス」より作成

事業所数 従業者数 事業所数 従業者数 事業所数 従業者数ソフトウェア業 31,031 914,407 25,753 782,910 28,079 855,527情報処理・提供サービス業 7,523 185,252 9,335 258,040 7,771 215,791

5,929 64,936 3,697 54,161 5,034 83,09444,483 1,164,595 38,785 1,095,111 40,884 1,154,412計

中分類 小分類

インターネット付随サービス業

情報サービス業

2009年 2012年 2014年

事業所数 従業者数 事業所数 従業者数 事業所数 従業者数ソフトウェア業 2,206 42,973 1,919 36,427 2,100 38,657情報処理・提供サービス業 651 11,709 732 13,415 625 11,912

435 2,857 253 2,170 380 4,1603,292 57,539 2,904 52,012 3,105 54,729

中分類 小分類2009年 2012年 2014年

情報サービス業

インターネット付随サービス業計

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図表Ⅰ-3 情報サービス産業の事業所数、従業者数推移(各県別) (単位:事業所、人)

資料)内閣府「経済センサス」より作成

事業所数 従業者数 事業所数 従業者数 事業所数 従業者数ソフトウェア業 1,354 29,564 1,152 24,502 1,281 26,499情報処理・提供サービス業 302 6,542 364 8,197 325 7,180

251 2,021 147 1,566 248 3,4281,907 38,127 1,663 34,265 1,854 37,107

ソフトウェア業 74 991 65 908 60 795情報処理・提供サービス業 26 329 31 366 33 380

16 75 9 41 16 92116 1,395 105 1,315 109 1,267

ソフトウェア業 158 1,923 140 1,567 159 1,776情報処理・提供サービス業 158 1,923 61 709 59 770

22 86 15 56 9 25338 3,932 216 2,332 227 2,571

ソフトウェア業 205 3,082 199 3,464 203 2,830情報処理・提供サービス業 51 1,583 90 1,274 72 1,142

54 241 27 119 39 156310 4,906 316 4,857 314 4,128

ソフトウェア業 143 3,311 121 2,332 132 2,452情報処理・提供サービス業 35 328 63 624 47 745

33 117 23 110 16 57211 3,756 207 3,066 195 3,254

ソフトウェア業 120 1,734 100 1,436 117 1,973情報処理・提供サービス業 25 566 48 1,512 35 1,209

26 178 13 143 22 207171 2,478 161 3,091 174 3,389

ソフトウェア業 152 2,368 142 2,218 148 2,332情報処理・提供サービス業 54 438 75 733 54 486

33 139 19 135 30 195239 2,945 236 3,086 232 3,013

中分類 小分類2009年 2012年 2014年

情報サービス業

インターネット付随サービス業

情報サービス業

インターネット付随サービス業

情報サービス業

インターネット付随サービス業

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

情報サービス業

インターネット付随サービス業

情報サービス業

鹿児島県 計

情報サービス業

インターネット付随サービス業

インターネット付随サービス業

大分県

宮崎県

情報サービス業

インターネット付随サービス業

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5

九州における情報サービス産業(ソフトウェア業、情報提供・サービス業務、インター

ネット付随サービスの計)の市場規模は、売上高 6,348 億円程度とみられ、全国の 3.2%で

ある。この種の業務は大都市集中が顕著であり、そのシェアは三大都市圏で 84.3%に達す

る。そのため九州のような地方においては、同業者からの下請け業務が比較的多くなって

いる。したがってこれらの業界では発注先や元請け企業との交渉機会が少なく、より優秀

な人材が東京の企業に転職するため、発注先のニーズに即した新しい提案が出来ないこと

等の問題が指摘されている。

図表Ⅰ-4 情報サービス産業の売上高

注)三大都市圏は、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府とする。

資料)総務省・経済産業省「平成 27 年特定サービス産業実態調査」より作成

図表Ⅰ-5 ソフトウェア業の契約別売上高の構成比

資料)総務省・経済産業省「平成 27 年特定サービス産業実態調査」より作成

     情報サービス産業売上高(億円)

計 ソフトウェア業務情報処理・提供サービス業務

インターネット附随サービス業務

全 国 199,608 118,163 63,460 17,985 100.0

三大都市圏 計 168,211 97,955 53,971 16,285 84.3

九州 計 6,348 4,198 1,737 413 3.2

福岡 4,679 3,040 1,260 379 2.3

佐賀 63 29 34 ・・・ 0.0

長崎 145 96 48 1 0.1

熊本 641 471 170 ・・・ 0.3

大分 264 204 60 - 0.1

宮崎 215 95 87 33 0.1

鹿児島 341 263 78 ・・・ 0.2

全国シェア  (%)

31.622.5 23.9

68.477.5 76.1

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

九州7県 三大都市圏 全国

(%)

その他

同業者

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6

2.九州の情報サービス産業における IoT 取組状況

(1)九州の情報サービス産業における IoT の取組

九州の情報サービス産業における IoT(Internet of Things)の取組をみてみると、IoT

に取り組んでいる企業は、17.1%。開発中は 8.6%である。全体の約 25%が IoT に関する事

業に着手している状況にある。また、「検討中」と回答した企業が 35.7%であり、今後、IoT

に関わる新事業を模索している段階にある企業も多数存在していることから、全体的な傾

向として、九州内の企業は IoT を新事業と見据えて、取り組んでいる状況を見て取れる。

一方で、「取組予定はない」と答えた企業も 34.3%と非常に高い。このような高い回答割

合となった理由としては、回答企業が IoT に興味がないといったものではなく、各社が提

供する既存(IT)ソリューションと IoT との親和性が関係しているものと思われる。具体

的には、勉強会において、既存(IT)ソリューションにおいて、遠隔監視や遠隔操作、デ

ータ取得等の機能が付加されていない場合には、IoT による新事業を展開しづらいといった

声も聞かれた。

図表Ⅰ-6 IoT に取り組んでいる情報サービス産業(提供企業側)

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

既に取り組ん

でいる 17.1%

開発中8.6%

検討中35.7%

取組予定はな

い34.3%

無回答4.3%

N=70

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7

(2)九州の情報サービス産業の事業内容と有資格者割合

九州の情報サービス産業の事業内容と有資格者割合を見るため、九州の事業所の6割弱、

従業者数の7割弱が集積しており、かつ業界団体を通して情報が公開されている福岡県の

データを参考に分析を行う。

まず、福岡県の情報サービス産業の事業内容をみると、販売管理が も多く 72.7%、次

いで顧客管理が 67.5%、財務会計が 60.4%、生産管理が 59.1%、人事給与が 57.8%、物流

管理が 57.1%、工程管理が 47.4%となっている。多くの企業が取り組んでいる事業は、基

幹系システムに含まれる内容が中心となっている。そのため、福岡県の情報サービス産業

については、幅広い事業に対応できるノウハウとして蓄積している可能性が高い。

図表Ⅰ-7 福岡県の情報サービス産業の事業内容

資料)福岡県情報サービス産業協会(http://www.fisa.jp/)

ウェブサイト会員情報より作成

31.8

60.4

57.8

67.5

72.7

59.1

47.4

57.1

24.7

15.6

10.4

7.8

13.6

32.5

38.3

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0

OS

財務会計

人事給与

顧客管理

販売管理

生産管理

工程管理

物流管理

地図情報

教育CAI

CADCAM

CG画像

技術計算

通信音声

その他

(%)0

N=154社

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8

次にソフトウェア企業の技術を人材面から見てみたい。

もポピュラーな応用情報技術者(76.0%)や基本情報処理技術者(79.2%)は各社有し

ている。一方で、IoT 導入を進める上で中核人材となる IT サービスマネージャー(9.7%)

や IT ストラテジスト(13.6%)などの有資格技術者を有する企業は少ない。さらに、本調

査で実施した勉強会では、これら既存の資格では表現できない顧客データの解析方法等の

アイデアや、人工知能(AI)の活用手法などの技術者が不足しているという意見もあった。

図表Ⅰ-8 福岡県のソフトウェア企業の有資格人材の在籍状況

資料)福岡県情報サービス産業協会(http://www.fisa.jp/)

ウェブサイト会員情報より作成

13.6

14.9

25.3

20.1

9.7

7.1

38.3

40.3

14.3

76.0

79.2

8.4

58.4

13.0

7.1

11.0

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0

ITストラテジスト

システム監査

プロジェクトマネージャ

システムアーキテクト

ITサービスマネージャ

プロダクションエンジニア

ネットワークスペシャリスト

データベーススペシャリスト

エンベデッドスペシャリスト

応用情報技術者

基本情報処理技術者

上級システムアドミニストレータ

ITパスポート

特種情報処理技術者

オンライン情報処理技術者

中小企業診断士

(%)0

N=154

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9

3.IoT 到来による事業環境の変化

(1)地方における IoT 導入の必要性

九州・沖縄県の所得水準の全国格差(全国=100)と社会移動数の推移をみると、両者の

動きが非常にシンクロしていることがわかる。具体的には、高度成長期に も格差が広が

り、所得格差が約 30%となり、転出数も 20 万人を超えている。一方で、オイルショック時

には所得格差が約 20%まで縮小し、1万人ほどの転入超過になっている。その後のバブル

景気やバブル崩壊の時期に関しても同様の傾向がみられる。

このように好景気の時期には、所得格差が広がるとともに、転出超過(社会減)になり、

景気後退期には所得格差が縮まるとともに、転入超過になる傾向を持っている。直近のデ

ータをみると、若干ではあるものの、所得格差が縮小している。

九州地域では所得格差と社会移動数に相関関係があることから、人口の転出超過(社会

減)を食い止めるためには、産業振興を図り、地域の所得水準を高めていく必要がある。

図表Ⅰ-9 九州・沖縄県の人口社会移動数と所得格差の時系列推移

注)県民所得は、時期により基準年が異なるものを接続している。使用しているデータは以下の

通り。

・1975 年~1989 年:68SNA(1990 年基準)

・1990 年~1995 年:93SNA(1995 年基準)

・1996 年~2000 年:93SNA(2000 年基準)

・2001 年~2012 年:93SNA(2005 年基準)

資料)九経調『九州経済白書 2016 中核企業と地域産業の新陳代謝』より抜粋

65.0

70.0

75.0

80.0

85.0

90.0

‐250,000

‐200,000

‐150,000

‐100,000

‐50,000

0

50,000

1955 60 65 70 75 80 85 90 95 2000 05 10 14

(人) (全国=100)

転入超過(社会増)

転出超過(社会減)

所得格差(右軸)

⾼度成⻑期 バブル景気 いざなみ景気

オイルショック バブル崩壊

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10

また、2012 年の九州地域の生産性を業種別に比較すると、産業特性(資本集約型や労働

集約型などの差異)に応じて大きな格差がある。生産性が高いエネルギーの約 9,200 万円

/人から、生産性が低い宿泊飲食業の 451 万円/人まで、約 20 倍もの差が開いている。全

国水準を 1.0 としてみると、九州全体で 0.59 倍、1,603 万円/人と大きく下回っている。

業種別では、農林漁業が 1.13 倍と上回っているものの、それ以外の業種は全国水準を大幅

に下回る状況にある。

九州地域では、畜産業や水産養殖業などの生産性が高い事業を展開しているため、農林

漁業は全国水準を上回っている。一方で、東京都に拠点が集積している金融保険業が 0.25

倍と も低く、その他には情報通信業が 0.47 倍、医療福祉業が 0.49 倍と全国の半分以下の

生産性しかない業種も多く存在している。

今後、九州地域の産業競争力を向上させ、所得水準を高めるためには、IT・IoT 等の新技

術を活用しながら、各業種の生産性の向上や、新事業の創出などにより、従業員1人あた

りの売上高を伸ばしていく必要がある。

図表Ⅰ-10 九州地域における業種別生産性と全国比較(2012 年)

注1)生産性=売上高/従業者数

注2)2012 年での比較

資料)九経調『九州経済白書 2016 中核企業と地域産業の新陳代謝』より抜粋

13,742

25,637

17,205

26,760

91,997

15,87511,762

25,15219,700

15,588 10,0654,514 6,888

16,028

1.13

0.750.71 0.73

0.83

0.47

0.640.59

0.25

0.54

0.77

0.94

0.49

0.59

0.00

0.20

0.40

0.60

0.80

1.00

1.20

1.40

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

農林漁業

鉱業

建設業

製造業

エネルギー

情報通信業

運輸業

卸売小売業

金融保険業

不動産物品賃貸業

サービス業

宿泊飲食業

医療福祉業

総計

九州地域生産性

(千円/人)

対全国業種別比

(倍)

(千円/人) (全国企業=1.0、倍)

Page 15: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

11

(2)九州における新事業創造キーワード

九州の地域経済を支える存在として「中核企業」の存在が挙げられる。本調査において、

中核企業とは、従業者数 100 人以上かつ売上高 30 億円以上で九州に本社を置く「地域中核

企業」と従業者数 1,000 人以上で、九州に拠点のある「中核事業所」を指す。

新事業の創造において中心的な役割を果たす中核企業が将来性を期待している分野をみ

ると、現在の新事業領域(直近 10 年間で立ち上げた新事業領域)である再生可能エネルギ

ー、環境リサイクル、健康寿命・ヘルスケアなどは、今後の新事業領域として注目するキ

ーワードとしても引き続き高い関心がみられる。これに加えて、今後注目されるキーワー

ドとしては、地方創生やアグリビジネス、IoT、インバウンドなどが高まっている。また、

ビッグデータや人工知能(AI)、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、ロボティクスな

どの技術系への関心も高まっている。さらに、現在と比較して関心が大きく高まっている

キーワード(今後/現在の倍率が高いキーワード)としては、ユニバーサル化が 5.7 倍、サ

イバーセキュリティが 4.7 倍、人工知能(AI)とドローンが 2.9 倍、シェアビジネスが 2.8

倍となっている。

九州から新たな動きをスタートさせる上で、重要な役割を持つ中核企業は、IoT やビッグ

データ、人工知能(AI)などの新技術に関心を寄せており、今後、これらの分野で新事業

を展開していく可能性が高い。

Page 16: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

12

図表Ⅰ-11 九州の中核企業の将来有望な新事業領域のキーワード

注1)複数回答

注2)Industry4.0 の折れ線グラフは、分母となる回答数が 0 のため表示できず

資料)九経調『九州経済白書 2016 中核企業と地域産業の新陳代謝』より抜粋

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13

(3)新事業創出の重要な役割を担うシステムインテグレーター

九州の中核企業が新事業を展開する中で、IoT やビッグデータ、Industry4.0 などのキー

ワードをテーマにする場合、事業全体をコーディネートする存在としてシステムインテグ

レーターの存在が重要になる。今後、IoT が浸透する世界でこのような事業展開を目指す上

で、システムインテグレーターに求められる機能としては、新たな事業を実施する中で不

足するピース(技術やノウハウ等)を補完し、具現化する能力である。課題やニーズを持

つ企業に対して、具体的な解決方法を提案することが求められている。

また、複数の企業が持つピースを取り出して、組み合わせ直すことで、新たな事業を展

開することも考えられる。

さらに、既存事業で培った資源を全く異なる分野と繋げることで、新たな事業を生み出

す可能性もある。以上のように、新事業を実施していく上で、システムインテグレーター

としては、事業をリモデルすることで、稼ぐ力をデザインし、新事業をプロデュースする

役割が期待されている。

図表Ⅰ-12 IoT を見据えたシステムインテグレーターに期待される役割

資料)九経調『九州経済白書 2016 中核企業と地域産業の新陳代謝』をベースに九経調作成

新事業に⾜りないピースの補完と具現化

他企業からピースを取り出して、組み合わせ直す

ピースの繋ぎ⽬を変えて、新事業と結合

A事業(会社)

B事業(会社) C事業(会社)

稼ぐ力をデザインし、プロデュース

事業リモデル

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14

(4)九州地域発祥のシステムインテグレーター

ここ数年で九州地域からいくつかのシステム系ベンチャー(システムインテグレーター)

が創業し、急成長している。例えば、医療経営に関するフィンテックサービスを展開して

いる(株)エーエヌディーや農業ビジネスコンサルティングを展開しているテラスマイル(株)

などの企業が立ち上がっている。各システムベンチャーは、独自の発想で新たな事業を展

開し、プラットフォームとして提供することで、市場を開拓している。

新たな動きを見せる各社に共通している点としては、大企業や中核企業と連携しながら

事業を展開していることである。例えば、大手システムインテグレーターや地域の金融機

関、あるいは、研究機関(大学等)と組んで、お互いの強みやノウハウを共有することで、

自社の成長を図っている。そしてこのような企業の多くは、連携企業の事業や活動を、IT

システムを使ってリモデルしていることが特徴である。一方で連携企業は、自社の事業を

リモデルするために、九州内にとどまらない企業と連携を推進するとともに、システムベ

ンチャーに対して、新たな技術やノウハウ、人脈獲得を支援するなど、コネクターハブの

役割を果たしていることが多い。

このように九州地域で新事業の創造を推進する上では、大企業や中核企業とベンチャー

企業の協業という側面にも着目することが重要である。

図表Ⅰ-13 九州地域発祥の主なシステム系ベンチャー(システムインテグレーター)

資料)九経調『九州経済白書 2016 中核企業と地域産業の新陳代謝』より抜粋

企業名 設⽴ 所在地 事業領域 連携企業

㈱グルーヴノーツ 2011 福岡市中央区 クラウドプラットフォーム

Google、医療機関、電⼒会社、流通事業者、保険会社など

㈱リーボ 2011 福岡市中央区カーシェアリングシステム・レンタカープラットフォーム

(株)スターフライヤー、⽇本⼯営(株)

㈱エーエヌディー 2013 福岡市博多区医療経営に関するフィンテックサービス

(株)⻄⽇本シティ銀⾏、(株)九州リースサービス、(株)⼗⼋銀⾏、⼗⼋総合リース(株)、株)アステム、医療法⼈社団医王会朝倉健⽣病院、九州⼤学、早稲⽥⼤学

㈱オプティム 2000東京都港区(本店:佐賀市)

IoTプラットフォーム東⽇本電信電話(株)、佐賀⼤学

ライフスタイルアクセント㈱ 2012 熊本市中央区 オリジナルブランドのネット通販

HITOYOSHI(株)、(株)天草フレックス、(株)エミネントスラックスほか多数

テラスマイル㈱ 2014 宮崎市 農業ビジネスコンサルティング

農協、農業⽣産法⼈、農業関連商社、⼤⼿ITベンダー、⽇本アイ・ビー・エム(株)

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15

(5)システムインテグレーター成長のためのパートナーの重要性

九州地域に本社を有する地域中核企業は、その企業数が 1,985 社で全体の 0.4%しか占め

ておらず、従業者数も 82 万人で全体の 16.3%となっている。しかし、売上高は約 39 兆円

となっており、全体のおよそ 50%近くを占め、地域経済を大きく支えていることがわかる。

地域中核企業の業績が動けば、地域経済にも大きな影響を与える可能性が高い。

また、九州内の中核企業の立地状況をみると、地域中核企業・中核事業所ともに北部九

州に集積している。特に、政令指定都市である福岡市や北九州市へ集中して立地している。

一方で、南九州は県庁所在地への立地が見られるものの、北部九州と比較すると相対的に

数が少ない状況である。

システムインテグレーターの成長のためには、ソリューション開発やサービス向上、技

術開発のためのパートナーが不可欠であり、そのパートナーは前述したように大企業や中

核企業が連携している場合が多い。一方で中核企業の立地に地域差があることを考慮する

と、中核企業の立地が少ない地域においては、中核企業が果たしている実証フィールドの

提供やニーズ提供などの役割を地域の自治体等が担っていくことも重要である。

図表Ⅰ-14 九州地域の地域中核企業の位置づけ

注)経済センサスデータの企業数・従業者数は 2012 年、売上高は 2011 年

中核企業データは 2014 年決算期での比較

資料)九経調『九州経済白書 2016 中核企業と地域産業の新陳代謝』より抜粋

中核企業 全企業 中核企業比率企業数(社) 1,985 463,461 0.4従業者数(人) 823,318 5,066,472 16.3売上高(百万円) 38,929,688 81,203,883 47.9

0.416.3

47.9

99.6

83.7

52.1

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

企業数 従業者数 売上高

その他企業

中核企業

(%)

地域中核企業

地域中核企業 地域中核企業比率(%)

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図表Ⅰ-15 中核企業の立地状況

▼地域中核企業

注)地域中核企業 1,985 社のデータを基にプロット

資料)九経調『九州経済白書 2016 中核企業と地域産業の新陳代謝』より抜粋

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▼中核事業所

注)中核事業所 1,496 社のデータを基にプロット

資料)九経調『九州経済白書 2016 中核企業と地域産業の新陳代謝』より抜粋

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また、九州から新たな事業を展開するためには、システムインテグレーターのパートナ

ーとなる企業に、新事業の企画立案を行える機能や権限があるかどうかが重要である。九

州地域の中核企業では 60.3%が企画立案機能を持っている。この数値は、中核事業所、す

なわち支社・支店や製造拠点等を含んでいるため、本社機能を持つ事業所の状況、つまり

地域中核企業に絞ってみると 66.5%が有しており、その比率が高い。

新事業の企画立案機能の有無と新事業実施の関係性をみると、企画立案機能ありとする

中核企業では、直近 10 年で 69.3%が新事業を実施しているが、企画立案機能なしとする中

核企業では、その比率が 23.4%まで大きく落ち込んでいる。新事業を展開する上で、協業

するパートナーに求められる機能としては、この企画立案機能が不可欠である。

図表Ⅰ-16 新事業企画立案機能の有無

資料)九経調『九州経済白書 2016 中核企業と地域産業の新陳代謝』より抜粋

図表Ⅰ-17 新事業企画立案機能の有無と新事業実施の関係

資料)九経調『九州経済白書 2016 中核企業と地域産業の新陳代謝』より抜粋

66.5

51.1

60.3

30.5

43.7

34.7

3.0

5.2

3.71.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

地域中核企業

中核事業所

中核企業

はい いいえ わからない 無回答

N=236

N=135

N=378N=371

69.3

23.4

25.8

71.1

4.9

5.5

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

企画立案機能あり

企画立案機能なし

新事業実施 新事業実施なし わからない

(%)

N=225

N=128

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第Ⅱ章 九州における IoT 導入・取組状況

1.九州における IoT 導入に向けた取組状況

(1)導入企業側における IoT の認知度

本調査において IoT とは、「IT システムを活用して、データを収集・分析し、より効率的

で効果的なサービス創出を目指す取り組み」とした。

この IoT という言葉自体が、九州の自治体(市町村)と導入企業側にどれくらい認知さ

れているのか、アンケート調査を実施したところ、自治体(市町村)では「知っている」

と回答した割合が 81.8%、「知らない」と回答した割合が 17.0%となり、導入企業側におい

ては、「知っている」が 64.5%、「知らない」が 34.8%という結果となった。ある程度、IoT

について認知されていることが分かった。

図表Ⅱ-1 IoT という言葉を知っているか

▼自治体(市町村) ▼導入企業側

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

知っている81.8%

知らない17.0%

無回答1.1%

N=88

知っている64.5%

知らない34.8%

無回答0.7%

N=138

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(2)イノベーター理論で見た各主体の導入ステージ

IoT の各主体の取組状況において、「既に取り組んでいる」、「開発中」、「検討中」と IoT

に前向きな回答を示した割合は、導入企業側が4割、自治体が1割であった。

自治体においては、IoT の認知度は高く関心もあるが、予算の制約や人材不足がネックと

なり、具体的な取組は進んでいない状況にある。

これを新商品やサービスの社会への浸透過程を分析するイノベーター理論に照らし合わ

せて見てみる。イノベーター理論とは、1962 年に米・スタンフォード大学の社会学者、エ

ベレット・M・ロジャース教授が提唱したイノベーション普及に関する理論で、新商品や

新サービスの購入の態度を新商品購入の早い順に5つ(早い方からイノベーター、アーリ

ーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガード)に分類したもの

である。

この理論では、新商品や新サービスを率先して、採用する人を「イノベーター(革新者)」

と呼んでいる。この層は全消費者のうち 2.5%が該当すると言われている。次いで、イノベ

ーターへの新商品や新サービスが普及した後に、それらを購入する流行に敏感で、情報収

集を自ら行い、判断する人を、「アーリーアダプター(初期採用者)」を位置づけている。

この層は、全消費者の 13.5%が該当し、他の消費層への影響力が大きく、オピニオンリー

ダーとも呼ばれることもある。イノベーターとアーリーアダプターへの普及が進んだ段階

で、全消費者のうち 16%が新商品や新サービスを導入することになる。

次いで、比較的慎重派で、平均より早くに新しいものを取り入れる人を「アーリーマジ

ョリティ(前期追随者)」と呼ばれる層が存在する。この層は、全消費者のうち 34.0%が該

当する。この層への普及が進むと、全消費者のうち半数が新商品や新サービスを利用する

ようになっており、この段階で、新商品や新サービスは広く一般的なものとなる。

次いで、34.0%が該当する比較的懐疑的で、周囲の大多数が試している場面を見てから同

じ選択をする人を「レイトマジョリティ(後期追随者)」と名付けている。 後に、 も保

守的な人で、流行や世の中の動きに関心が薄く、イノベーションが伝統になるまで採用し

ない人を「ラガード(Laggards:遅滞者)」と呼ぶ。

アンケート結果から、「既に取り組んでいる」だけでみると、導入企業側は「アーリーア

ダプター」、自治体は「イノベーター」というステージにある。つまり活用されているシス

テムやサービスだけからみると、九州における IoT は、まだ黎明期であると言える。

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図表Ⅱ-2 各主体の IoT に対する取組状況

▼導入企業側 ▼自治体

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

図表Ⅱ-3 各主体の導入ステージ

取り組んでい

る 8.7%

開発中 2.9%

検討中30.4%

取組予定はな

い56.5%

無回答1.4%

N=138

取り組んでい

る 1.1%

検討中10.2%

取り組む予定

はない46.6%

わからない40.9%

無回答1.1%

N=88

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(3)既存(IT)ソリューションにおける基本機能

現在、導入及び提供している既存(IT)ソリューションの機能として、提供企業、導入

企業側ともに「データ取得」が 50%超と も多く、次いで「監視」、「制御」の順となって

いる。この結果から、九州には、IoT を取り組む素地について、ある程度整っている企業が

多いことが窺える。

図表Ⅱ-4 企業が持つ既存(IT)ソリューションの基本機能

▼提供企業

▼導入企業側

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

55.7 

31.4 

22.9 

5.7 

27.1 

データ取得

監視

制御

その他

無回答

0 20 40 60

N=70

複数回答

(%)

55.8 

28.3 

26.8 

5.1 

23.9 

データ取得

監視

制御

その他

無回答

0 10 20 30 40 50 60

N=138

複数回答

(%)

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(4)IoT ソリューションの導入目的

IoT ソリューションの導入目的については、提供企業、導入企業側ともに「業務効率化」

が も多く、次に「情報活用」となっている。提供企業、導入企業側ともに「事業・サー

ビス創造」を目的としている企業は少数である。

IoT ソリューションは、従来の IT とは異なり、データの取得・高度な分析・リアルタイ

ム利活用など、コスト削減だけでなく、新たな事業価値を創造することを念頭に置いてい

る。この点において、現状の IoT に対する認識は、提供企業また導入企業側の両者におい

て、従来の IT と変わらないコスト削減に重点が置かれており、今後は、導入企業側におけ

る“新事業”展開の継続的なサポートを実施するとともに、それを実現する“IT”との関

係性についての理解醸成を図っていくことが重要である。

図表Ⅱ-5 IoT ソリューションの導入テーマ

▼提供企業が取り組んでいる IoT ソリューションの目的

▼導入企業側が取り組んでいる IoT ソリューションの目的

注) それぞれ IoT ソリューションを「取り組んでいる」・「開発中」・「検討中」と回答した社で比較

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

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(5)システムベンダーの既存(IT)/IoT ソリューションの導入ターゲット

システムベンダー(提供企業側)の既存 IT ソリューションのターゲットは、「製造業」

と「卸売・小売」が も多く、次いで、「医療」、「公務」が続いている。一方、IoT ソリュ

ーションの 大のターゲットは、「製造業」で、他のほとんどの業種は、IT ソリューション

のターゲットと比較して割合が大きく下がり、農業がやや割合が高くなっている。

現在、提供企業側は IoT ソリューションを提供するターゲットを模索しており、製造業

以外の業種へも IoT 導入を進めるための方策が必要と思われる。

図表Ⅱ-6 提供企業側における既存(IT)/IoT ソリューションの導入ターゲット

注)既存及び IoT 両方のソリューションに取り組んでいる提供企業側43社で比較

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

▼提供企業側おける既存 IT ソリューション

の導入ターゲット

▼提供企業側における IoT ソリューション

の導入ターゲット

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2.九州における IoT 導入事例

前節までに主にアンケートデータを活用して、九州の IoT 導入状況をみてきたが、本節

では具体的な九州での活用事例などからその実態をみたい。

(1)九州における先進事例

①産学官連携による IT を活用した次世代農業の創出:(株)オプティム

国内農業の基幹的農業従事者数は、1993 年の 270 万人から 2013 年の 174 万人と、この

20 年間で 100 万人減少しており、担い手不足が表面化している。また、2013 年において

年齢階層別に見てみると、その内 60%が 65 歳以上であり、生産者の高齢化が著しく、生産

性の向上や次世代への技術伝承が課題となっている。さらに今後、輸入品の増加が予想さ

れる中で、輸入品との競合により、国産農産物の価格低下や国内生産の減少が危ぶまれて

おり、国産農産物のブランド化、差別化、生産コスト削減に取り組む必要がある。

佐賀県においても、全国と同様の課題を抱えており、課題解決のため、佐賀県・佐賀大

学と三者連携協定を締結し、次世代 IT 農業の実現を目指すこととなった。

システムの概要と導入メリットとしては、ドローンで空撮した 4K 画像のデータを

OPTIM Cloud IoT OS に集約し、AI を利用した画像解析により、病気、害虫の早期発見が

可能であり、農薬の減量、収穫量の向上に繋げることができる。具体的には、全体の画像

から色、形状で異常のある葉を識別している。また、高電圧ライトを装備したドローンを

夜間に自動飛行させることで、害虫を駆除する実証実験も行っている。

農作物によって病気、害虫も異なるので、それぞれの教師データを作成し、システムに

学習させることで、汎用的に病害虫検知ができるような仕組みにする予定である。害虫に

よって食べ方も違うので、葉の形である程度の害虫が判別可能である。また、ドローンの

画像、気温のデータから収穫時期も予想できる。

農場でウェアラブル端末を着用して作業することで、ベテラン農家が遠隔で指示するこ

とが可能となり、経験のない若い人にとっても作業が容易となっている。

図表Ⅱ-7 同社のドローンとウェアラブル

資料)(株)オプティム提供

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今後の展開として、IT 農業サービスの提供については、ドローンの活用が広がればプラ

ットフォームの提供についてもより加速していくと思われる。実用化後、販売先について

は現段階で特定はしていないが、基本的には B to B を想定している。生産者にどのように、

どのチャネルを通して、普及させていくかが課題であり、 終的には他のサービスと同様

にライセンス販売による提供を考えている。

IT 農業で収穫した野菜については、「スマートやさい」の商標で販売する。商品に QR コ

ードを添付し、消費者に収穫方法やトレーサビリティ、生産者のメッセージを情報発信す

ることで、安心安全、減農薬をアピールし、他の野菜との差別化を図る。

このように九州において、IoT の導入を推進していくためには、自治体のフィールドを活

用するだけでなく、様々なシーズや人材を持つ大学とも連携し、互いの強みを補完するこ

とが重要である。

②データ活用による稼ぐ農業経営:テラスマイル(株)

宮崎県西都市は、ピーマンの産地として知られているが、現在約 170 ある施設園芸のピ

ーマン農家は、高齢化等により 10 年後に半減すると推測されており、産地全体の出荷量が

向上しなければ、産地を維持できなくなるかもしれないという危機感があった。そこで、

宮崎県が同社に農業経営のアドバイスの委託事業を依頼し、同社が IT 技術を用いた農業経

営を彼らに指導している。その結果、営農集団「西都ハッピーマン」では、2年で既に収

量が 10 トンから 13 トンにカイゼンした。若い世代の農業経営者は、規制緩和が行われる

中での経営や競争するための戦略が分からないという問題がある。また、過去の勘と経験、

補助金・JA 頼み、年金を前提とした部会運営では、現世代もしくは次世代の所得獲得は更

に厳しくなるという不安を持っている。

同社が開発した ICT/IoT データを利活用する経営分析サービス「テラカイゼン」は、農

家を対象とした農業経営の可視化・分析サービスで、温湿度などの環境センサーや選果/出

荷情報システムから様々な情報を習得し、気象・市況データなどと組み合わせて比較分析

することで農業経営の改善につながる仮説を導き出し、提案するサービスである。九州の

自治体や試験場、JA、農業生産法人と協力してデータの収集や分析をしたり、3年間で九

州を中心に 300 以上の農家から経営相談を受けたりする中で、自らの農業経営についての

勘と経験や、農家の経営改善につながるデータベースを整えてきた。

これまで農家は、栽培技術には重きを置いていたが、出荷以降のプロセスについては、

農協にお任せするケースが多く、技術を磨き作物を作っても、出荷伝票が手元に届くまで

1週間から長い時では1カ月のタイムラグがあり、今週・今月がどれくらいの収入になる

か把握し難い状況にあった。テラカイゼンはこうした現状を解決し、担い手の経営力強化

(戦略的発想と行動)を目的に、市場のオープンデータなどを用いて産地やマーケットを

「見える化」・比較分析し、経営力の向上につながる成績表や分析レポートを提供している。

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図表Ⅱ-8 テラカイゼンによる成績表の例

注)成績表の項目は、設定した目標によって組み替えて提供

資料)テラスマイル(株)、西都ハッピーマン提供

今後の展開として、現在は、自治体からの委託事業(コンサルティング形式)が主であ

るが、この春からは「テラカイゼン」をパッケージ化し、有償化して販売する予定であり、

ベンチマークするデータを提供してくれた農家・産地にはそのデータ使用料を還元する仕

組みを準備している。データ入力の自動化も検討しており、将来的には人工知能(AI)に

よる農業経営を目指している。具体的には、土壌分析や作業分析、コスト分析とも組み合

わせ、勘と経験を数式化し、ビッグデータを流し込むことで、複合要因や地域特性・土壌

特性に対応した予測や、改善のポイントの優先順位付け、費用対効果の可視化といったオ

ランダレベルでの経営分析・アドバイザリーサービスを民間であるカイゼンラボが行い、

地域の未来に貢献できるよう研究開発を進めている。

このように九州において、IoT の導入を推進していく上では、現場の作業者や担当者の勘

や経験、ノウハウに頼る体制も現存しているため、既存業務の効率化だけでなく、IoT を活

用した新たな経営管理や業務管理などの手法も検討することが重要になる。

Page 32: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

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③土壌データを利用した抗酸化力のある野菜作り:(株)アグリガーデンスクール&アカデミー

日本の農業は課題が山積している状況にある。現在は農業の労働生産性を向上させ、効

率的、かつ、大規模な農業経営へと移行することが目指されている。しかし、日本の平均

耕地面積は世界と比較すると、米国が 175.6ha、EU が 14.2ha、豪州が 3,076.4ha、日本が

2.5ha となっており、圧倒的に規模が小さい(2015 年、農林水産省)。さらに、基幹的農業

従事者の平均年齢は 67.0 歳であり、着実に高齢化が進んでいる(2016 年、農林水産省)。

このような状況下で規模や量を求めるだけでは新たな農業を作り出すことは難しく、生

産性を維持することにも限界がある。近年は、食料の安全性に対する注目度も高まってお

り、安全性が高く、また、栄養価が高い高機能野菜を作り、付加価値を高めていく方向性

も検討する必要がある。

同社のシステム概要は、土壌データ(地温や水分値、EC、pH、土壌成分等)のセンシン

グと同データに基づく発酵土壌づくりのためのノウハウ提供サービスを行うため、センシ

ングネットワークシステムの開発と効果的なノウハウ提供のためのアルゴリズムの開発を

進めている。畝の異なる深さ毎に土壌センサーで測定し、畝の深度で微生物の生息状況が

異なることが判明し、微生物が生息する条件として適度な温度が必要であることも分かっ

た。抗酸化力(活性酸素消去能)が高い野菜は、ミネラルが豊富であり、このような機能

性が高い野菜を効率的に作ることができる科学的手法を導き出し、より健康的な食料提供

を実現することが期待される。このような技術開発は、地域のソフトウェア会社としてシ

ステム開発を行っている NEC ソリューションイノベータ(株)と進めている。NEC ソリュー

ションイノベータ(株)では、各地の地方支社が地方創生案件として、IoT ビジネスの創出を

行っており、本プロジェクトは九州支社が手がけている。このような連携を進めることで、

(株)アグリガーデンスクール&アカデミーとしてもデータ経営を軸とする農業経営支援を

展開できるとともに、NEC ソリューションイノベータ(株)としてもシステムエンジニアの

育成を行うことができるようになった。

図表Ⅱ-9 リファレンスモデルの全体概要

資料)総務省 身近な IoT プロジェクト 第 1 回会合会議資料より抜粋

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現在、医師と管理栄養士が連携している事例もあり、医療と農業の距離が近づいている。

今後の展開としては、医療と農業が繋がることで、新しい産業を作り出すことも可能であ

る。抗酸化力のある野菜を摂取することで、病気を未然に防ぐことができれば、全国的な

課題である医療費の削減にも寄与する可能性がある。また、同社が栽培した野菜を消費者

に提供し、トレーサビリティを明確に示すことで、抗酸化力が高い野菜を広く普及するこ

とも検討している。

本プロジェクトは、学者やシステムインテグレーター、流通、JA、地域、銀行、管理栄

養士、セラピーなど多職種が参画している。さらに、受講者、講師共に専門家が専門家を

呼ぶことで人材の輪が広がっている。この好循環をさらに拡大し、多様な人材が繋がるこ

とにより、オープンイノベーションを実現していく方針である。

このように九州において、IoT 導入を推進していくためには、実証フィールドを持つ企業

だけでなく、システムインテグレーターやユーザー、大学、金融機関等がオープンに集ま

り、開発に参画する場づくりが重要である。

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④IoT と職人技を融合させた付加価値向上:(株)三松

従来の同社における台車管理は、作業員がおおよその台車の保管場所を記憶し、その都

度探しており、無駄な作業時間と手間がかかっていた。また、自社で開発した生産管理シ

ステムは工程完了後に入力するが、リードタイムの長短や技術者の判断によりそのタイミ

ングがバラバラであり、リアルタイムな工程までは把握できていなかった。

そこで、台車ナンバー毎の位置情報を把握し、工番と紐付けすることで、台車の保管場

所を「見える化」するだけでなく、リアルタイムに工程を把握できるシステムを構築した。

同社が開発した台車管理システムは、ビーコン+Location Data Analyzer(パナソニック

ソリューションテクノロジー(株))を活用したものである。具体的には、各台車にビーコン

が装着され、工場内に設置された受信機で各台車の位置情報を収集し、システム上で「見

える化」されており、目的の台車を検索できる。また、自社で開発していた生産管理シス

テム(SINS(Sanmatsu Integrated Network System))と連携し、工番と台車番号を紐付

けることで、リアルタイムで工程の進捗状況を把握できる。

システムの導入後、台車を探す時間が削減され、年間総工数が約3%も減少した。さらに、

工程滞在時間が長い、又は、多い台車を把握できるため、改善が必要な工程を特定でき、

業務効率の改善に結びついている。現場の職人がより効率的に作業できるようにサポート

しており、従来から蓄積してきた技術も尊重したシステムである。

図表Ⅱ-10 台車管理システムの工場内マップ表示イメージ

資料)(株)三松提供

今回、台車の位置情報は「見える化」できたが、半径5m ほどの誤差が生じているため、

システムの精度向上を目指す。現在はデスクトップ上でしか台車情報を確認できないが、

iPad 等のモバイル端末の活用も考えており、受注表や加工指示書等のデジタル化も検討し

ている。さらに、ウェアラブル機器(スマートウォッチ等)も開発動向を見ながら、検討

を進めていきたいと考えている。

今後の展開としては、真3次元化を目指し、まず、受発注システムの自動化に着手して

いく。顧客企業は既存設備のままで、同社の機器又はシステムに発注すると、受注情報を

生産管理システムに自動登録させ、工番までとれるものを検討する。現状は、自社工場で

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システムを実証している段階にあるが、将来的には、独立系のシステムインテグレーター

を目指し、ものづくりだけではなく、同社のノウハウを活かしたコンサルティング業務な

どのサービス業への展開も視野に入れている。

このように九州における IoT 導入を推進していくためには、各組織の IT 導入段階に合わ

せたシステム開発が有効であり、実情に合わせた IoT 技術を活用し、 適な投資をサポー

トすることが重要である。

⑤機械学習を活用した故障予知:安川情報システム(株)

同社と取引している(株)前川製作所は産業用冷凍機を提供する総合機器メーカーであり、

以前から同社のシステムを導入し、データの「見える化」に取り組んでおり、蓄積したデ

ータを活用したいという意向があった。データ活用の1つとして、(株)前川製作所が提供す

る冷凍機は大型機器のため、高価格であり、消耗品交換等で多大な保守コストが発生する

状況にあった。また、万が一、冷凍機が故障した場合、保管品の品質が損なわれ多額の損

失が発生する可能性がある。そこで、保守コストを削減しつつ、効率的に冷凍機の機能を

保全できるとともに、故障の予兆をいち早く捉えることのできるシステムが必要とされた。

システムの概要としては、産業用冷凍機に設置されたセンサーから通信機器を介して、

電流等の稼働データを収集・送信し、IoT クラウド基盤「MMCloud」にデータを蓄積する。

この稼働データを故障予知サービス「MMPredict」で解析することで、故障予知や故障個

所の推定情報をユーザーに通知する。現場の保守作業者は通知を受けると、機器の点検や

修理を行う。「MMPredict」は装置の正常稼働状態時のセンサー間の相関関係を機械学習さ

せモデル化し、装置の稼働データとの乖離度合から高精度な予測を実現する。故障の予兆

を判断し、推定される異常個所を特定することのできるシステムである。

システム導入後は管理計画に合わせた保守業務が可能になり、故障停止による保管品ロ

スを抑制することができている。また、必要な部品のみ交換することで保守コストが削減

された。さらに、推定異常箇所が把握できることで、効率的な対策が可能になっている。

図表Ⅱ-11 導入システムの概要

資料)安川情報システム(株)報道発表資料より抜粋

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今後の展開として、故障予知の分野に関しては、1つのユースケースが生まれたことで、

導入を検討する企業が増えている。産業用装置メーカーにとって、故障予知は非常に重要

な機能であり、同様のユースケースを拡大していきたいと考えている。その1つの事例と

して、同社はリンナイ(株)が各施設(例:病院やホテル)に設置する業務用給湯器に対して、

遠隔監視サービスを提供している。万が一、給湯器が故障した場合、設置する施設の業務

に多大な影響を及ぼす可能性がある。そこで、通信機器とクラウドサービスにより、遠隔

で機器の稼働状況を把握し、異常が見られる場合には通知するシステムを導入している。

今後は、製造業をメインターゲットとしながら、ワンストップ対応で短期、かつ、低コ

ストで提供できる IoT ソリューションを波及させていくことを目指す。

このように IoT を推進していく上では、システムの導入コストを下げて、ハードルを低

くすることが求められており、導入側が具体的なイメージを描きやすいサービスを安価に

提供することが重要である。

⑥あたらしい衣服生産のプラットフォーム:シタテル(株)

日本の繊維産業は、非常に厳しい時代を迎えている。まず、繊維産業の製品出荷額は 1991

年の 12.6 兆円をピークに 2014 年は 3.8 兆円と約 1/3 以下まで減少している(2016 年、経

済産業省)。また、バブル経済の崩壊を契機に経済情勢が厳しさを増す中で、価格の低下圧

力が増し、製造原価の低下を加速させたことで、繊維産業の素材や製品の海外調達を誘発

した。そのため、国内繊維産業の事業所数・従業者数は激減している。1985 年当時は、事

業所数が 6.6 万カ所、従業者数が 115 万人だったが、2014 年には 1.3 万カ所、27 万人まで

減少している(2016 年、経済産業省)。

このような厳しい状況に陥った原因は、縫製業界の旧態依然とした取引構造にある。つ

まり大量返品を可能にし、小売店側の在庫リスクを縫製企業へ転化する委託仕入方式と、

口約束による契約形態である。このような取引形態を刷新するためにも、新たな関係性を

構築するプラットフォームを作ることが求められていた。

同社のシステム概要は、ユーザー(販売事業者)と縫製工場はシタテルのサイトに会社

名やメールアドレスを登録する。同社は、ユーザーとチャットを利用して双方向にやりと

りを行い、デザインの CAD データもシステム上で受け取る。また、ユーザーのニーズに合

わせて、必要な技術や生地等の情報をシステムに入力すると、 適な縫製工場を検索する

こともできる。当初は、登録工場数が3カ所からスタートし、現在は 200~250 カ所が登録

されている。

同システムのメリットは、縫製工場にとっては、新規顧客の獲得を代行している点であ

る。一方で、販売事業者にとっては、小ロットでカスタマイズされた商品を販売できる点

や個人のものづくりへの参入を容易にした点、アイデアベースのものをカタチにできる点

などがある。

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図表Ⅱ-12 「シタテル」連携工場の概要

資料)まち・ひと・しごと創生本部 第4回地域しごと創生会議資料より抜粋

今後の展開としては、プラットフォームの機能として、ユーザーに加え、工場、デザイ

ナーなどサプライヤーが利用できる仕組みも、機能として追加していく予定である。また、

縫製工場の稼働状況を把握するために、機械の稼働率を見るセンサーを自社で開発し、実

証的に導入している。直接的なやり取りによって得られる情報に加えて、センサーからリ

アルタイムの稼働状況も把握し、より正確な情報を得ることを目指す。さらに、誰もがプ

ラットフォームを利用できるように API 提供なども含め業界全体に貢献できるような仕組

みを作っていく方針である。

このように九州地域から IoT システムを開発していくためには、単一企業が抱える課題

から業界全体あるいは地域全体の課題に捉え直す視点が必要であり、ビジネスを小さく始

めて、他地域にも大きく展開するビジョンを持ち合わせることが重要である。

⑦ドローンを活用した買い物代行サービス:(株)NTT ドコモ

同社が取り組む買い物支援が必要とされることを示す指標の1つとして、以下のアンケ

ート調査結果がある。高齢者が居住する地域の不便な点と感じている項目として、「日常の

買い物が不便」を挙げる割合は、17.1%である。また、「交通機関が高齢者には使いにくい、

または整備されていない」という項目は、11.7%となっている(2010 年、内閣府)。

これらの傾向は、都市規模が小さい地域ほど割合が高くなる傾向にあり、今後も増加す

ることが見込まれている。厳しい社会情勢はあるものの、生まれ育った地域で暮らし続け

ることへのニーズも依然として強い状況にある。そこで、人口減少下においても、住民が

住み続けられる地域、あるいは、社会システムを構築する必要がある。

同システムは、LTE 方式の携帯電話回線を使ったセルラードローンが目視外の長距離を、

予め入力した飛行ルートに従って、人手で操縦せずに自律飛行できることが特徴である。

また、実証実験を行っており、福岡市能古島の島内住民が本土の店舗に電話で注文した商

品を載せた状態で、セルラードローンを島内の中継拠点まで、約 2.5km を飛行させるもの

である。各自宅までは短距離用ドローン又はトラックへ積み替えて配送する。社会実装が

実現されれば、商業サービスが少ない地域(島しょや中山間地域)でも安心して暮らせる

社会システムの構築が期待できる。

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図表Ⅱ-13 能古島における実証実験のフロー

資料)(株)NTT ドコモ提供

今後の展開として、同社は、セルラードローンの活用が進むことで自社のアセットを

大限活用できるため、電波法や航空法等の法令に基づきながら、技術的な検証を継続して

行いたいと考えている。ドローンの飛行に関しては、強風や降雨時に飛ばすことができな

いという大きな課題があるため、今後の検討材料である。ドローンとセルラーネットワー

クが組み合わされることで、遠隔操作が可能になるだけでなく、飛行時のドローンの位置

や傾きなどの情報を把握できるようになる。ドローンが浸透する中で、飛行時の機体管理

を正確に行うためにも検証を続けていく方針である。過疎地域(島しょや中山間地域)に

住む高齢者世帯の買い物代行へのニーズが非常に高いため、買い物弱者の支援策の1つと

してドローンを活用することを目指していく。

このように九州において、IoT の導入を推進していくためには、既存の法整備では規制が

厳しい分野での開発も発生するため、生産性や利便性を向上させる開発に対しては、適切

な規制緩和や特区制度の活用も重要になる。

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⑧観光アプリ×ビッグデータ :(株)エヌ・ティ・ティ・アド

九州を訪れる外国人観光客は年々増加しており、その数は 2015 年で 283 万人に上った。

九州のインバウンド市場は消費単価を上げることで1兆円市場に拡大する可能性があり、

九州の自治体は、富裕層に対して地域ブランド力をアピールし、更なる外国人観光客の増

加とリピーターを育成することが課題となっている。また、外国人観光客は、無料 Wi-Fi

スポットの数と飲食店や観光スポット等の情報不足に不満を感じており、これらの問題解

決を図るため、一般社団法人九州経済連合会と一般社団法人九州観光推進機構は、福岡市

で「地域活性化トライアル」事業の実績を持つ同社を「Kyushu_Free_Wi-Fi プロジェクト」

のパートナーとして選定した。

観光アプリ「ジャパン・トラベル・ガイド(Japan Travel Guide)」(以降、JTG)のシ

ステム概要としては、2016 年1月から全国展開したことから九州へのインアウト行動分析

も可能になった。日本語、英語、簡体字、繁体字、韓国語、タイ語の6言語で対応してお

り、それぞれの言語で観光情報をクラウド上から配信している。訪日外国人の8割超をカ

バーしており、アプリの登録者は 2017 年1月末時点で約 12 万人に上る。地域企業・店舗

の広告やお得なクーポンの配信機能、Japan Connected-free Wi-Fi との連携機能を併せ持

ち、JTB グループ、各自治体、NTT グループ併せて 3,700 を超える観光施設・商業施設情

報を備えており、観光地への来訪、観光地での消費を促すために、効果的に情報を提供し

ている。導入メリットとして、自治体にとっては、登録者情報や GPS による位置情報など

のビッグデータと、アプリ利用情報を活用し、多様な分析手法で自治体それぞれの課題の

抽出が可能となり、地域活性化のための観光政策立案に役立てることができる。同社はデ

ータ分析だけではなく、そのための打ち手、プロモーション提案までをひとつのパッケー

ジとしている。

図表Ⅱ-14 同アプリから得た位置情報のデータマッピング

資料1)居住国別位置情報© OpenStreetMap contributors

資料2)(株)NTT アド提供

今後の展開としては、2016 年4月から、(株)ジェイティービーが受託した経済産業省の

公募事業「IoT 推進のための新ビジネス創出基盤整備事業(IoT 活用おもてなし実証事業)」

において、同社と(株)JTB 総合研究所、(株)ジェーシービー、一般社団法人ジャパンショッ

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ピングツーリズム協会が協同して「JTG」とカード型商品券(無料配布)による実証実験

を九州エリアで開始している。JTG と訪日外国人旅行客のために開発されたカード型商品

券「JCB プレモカード(For Tourists)」を連動させ、利用者が入力した属性(国籍、年齢、

性別など)情報やスマートフォンアプリのログ情報、位置情報とカードの決済情報を統合・

解析を行い、マーケティングに利活用することで、消費拡大や地域活性化に繋げる方針で

ある。

このように九州において IoT 導入を進めていく上では、地域活性化に結びつくシステム

開発へのニーズも高いため、自治体や地域組織をパートナーとしたシステム開発を推進す

ることも重要である。

⑨センサーによる筋力トレーニング:(株)ネットワーク応用技術研究所

近年の健康ブームにより体を鍛える人が増えているが、スポーツジムなどで健康トレー

ニングを行う上での課題として、運動していても体型があまり変わらないケースや、運動

中、関節などを痛めるケース、また、トレーニーがトレーナーの言葉をよく理解できてい

ないケースがあった。トレーニーは筋肉の使い方を十分意識、理解している訳ではなく、

トレーナーも指導するトレーニーの骨格がそれぞれ異なるため、各人に合わせた対応が必

要である。同社のシステムはこれらの課題を解決するために考案された。

システムの概要としては、タブレットアプリと小型無線筋電センサーによって、運動を

妨げずにリアルタイムで情報を取得できる。運動時の筋肉への負荷度合を簡便かつ視覚的

に確認でき、筋肉がどのような順番で、どう連係しているのかを可視化することで、誰に

でも上手な筋肉の動かし方が分かり、故障も防ぐことができる。

鍛えたい箇所に小型センサーを取り付け、Bluetooth で体表面の電位データを送信し、タ

ブレット端末で筋肉の動きを確認できる。利用者層や目的により、下半身強化や体幹向上、

お腹引き締めなどの運動パッケージを選択し、パッケージ内の運動選択から、ベンチプレ

ス、レッグカールなどのトレーニング器具を選択する。そして、画面指示に従いセンサー

を装着後、トレーニングを開始する。小型無線のため、運動の邪魔にならず、力が入って

いる部位が一目で分かる。

図表Ⅱ-15 同社の小型筋電センサーとタブレット

資料)(株)ネットワーク応用技術研究所提供

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今後の展開としてターゲットとする市場は、健康志向の高まりによって増加しているス

ポーツジムやパーソナルトレーナーである。大手のスポーツジムでは、トレーナーの多く

が学生のアルバイトであり、知識も乏しい。正しい筋肉の動かし方を把握しているトレー

ナーは少数であるため、このシステムにより、トレーナー養成も可能となる。また、公共

トレーニングジムでは、トレーナーが存在しない場所もあり、利用者が間違った運動をし

ていることが多いので、そのような場所にも有効である。また、医療介護の分野において

も、入院中の高齢者のリハビリに活用することで、早期の在宅復帰を支援することができ

ると考えている。同システムにおいて、サービス提供料で稼ぐと同時に、トレーニーから

得たデータを蓄積しビッグデータを得ることが重要であり、データの応用を検討している。

⑩医療 and IT and 金融:(株)エーエヌディー

医療機関においては、仕入れ先からは早期の資金回収を求められる一方、収入、即ち診

療報酬は請求の2カ月以上後に入金され、その診療報酬も、請求業務において不備が発生

し、予定していた資金回収が叶わない場合には資金繰りに苦慮することとなる。そうなる

と医療機関は複数の購入先に対して支払日を再調整する必要があり、資金管理の面で相当

な労力がかかる。このような例をはじめ、資金繰りの課題を解決することが可能な、同社

が提供するソリューションサービスを導入する医療機関が増えてきており、高い評価を得

ている。

同社のフィンテックサービスは、医療機関向けの独自の SPD(Supply Processing

Distribution)システムに金融サービスを付加したものである。同社の SPD システムには、

RFID(Radio Frequency IDentification)を活用した専用機器もあり、RFID タグが付いた

医療資材を倉庫から持ち出したり、消費したり倉庫に戻したりすると、センサーが反応し、

常にリアルタイムの在庫状況を把握できる仕組みとなっている。煩わしい伝票処理が簡易

となり、また、手術に使用した資材を自動的に正確に記録し、請求にかかる作業も省力化

でき、削減できた人的リソースを本来の業務に投入できるようになるシステムである。さ

らに、他社の SPD システムは、医療機関の在庫管理に力点を置いているが、同社の SPD

システムは、在庫管理に加えて資金運用面でも自由度が増す。支払いサイト(取引代金の

締め日から支払日までの猶予期間)の延伸は、地域の金融機関と連携したストラクチャー

ドファイナンス資金を利用することで可能になった。同社が、医療機関の買掛債務を、売

掛債権として引き受け、この売掛債権を、SPC(特定目的会社)に譲渡する。SPC がその

売掛債権を証券化するという流れである。

本サービスは、支払いサイトの見直しにより医療機関が慢性的に抱えるキャッシュフロ

ーの問題を改善させることができる。医療機関は、支払いサイトのコントロールによって

生まれる資金余力により、優秀な人材の獲得や効果的な設備投資を実施することができる

ようになり、業務改善と質の高い医療サービスを提供できるようになる。同社のシステム

はクラウド型のシステムであり、ライセンス数に合わせた月額利用料負担モデルのため、IT

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の初期投資負担が低く、中小規模の医療機関でも採用し易いように工夫されている。さら

に小規模なクリニックや診療所に対しては、簡易版の SPD システムを無料で提供し、プラ

イベートブランドの医療資材を販売することで収益を得ている。

今後の展開として、アジア諸国での医療課題を解決するために、国内で培ったノウハウ

をアジア諸国へ広め、医療の発展に貢献することが同社の使命と捉えている。そもそも、「エ

ーエヌディー(AND)」の社名は、ヒト・組織をマッチングすることで新しい価値を創出す

る姿勢を意味した「&」とは別に、「Asian Next Distribution」のそれぞれの単語の頭文字

を取った略称でもあり、アジアにおいて、次代の医療物流を実現するという強い思いが込

められている。将来的に医療ビジネスが盛んになるのも、アジア諸国であると睨んでおり、

今後も福岡を拠点に、アジア市場をメインとした事業展開を行う。中国に貿易子会社の設

立を予定するなどアジア進出に伴う事業拡大を踏まえ、2020 年には株式上場と国内外合わ

せて約 1,000 億円規模の売上高を目指している。

2016 年 10 月には、多くの医療従事者に新たな情報や体験を提供することを目的に、本

社が入居するビルのフロアにおいて「先端医療デザインセンター」をオープンした。先進

医療機器を展示しており、それらを利用してトレーニングやシミュレーションを体験する

ことができる。医療や介護に関わる人材や企業との接点を生み出すことも目的としており、

新たなビジネス機会の創出の場となることを想定している。

このように IoT ビジネスを広く展開していくためには、ユーザーが抱えるニーズや困り

事に寄り添い、システムに必要な機能を常に考える必要があり、既存システムの対象業種

だけでなく、異なる業種に視野を広げることが重要になる。

図表Ⅱ-16 先端医療デザインセンターの風景

資料)九経調撮影

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⑪IoT による人命救助:(一社)救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会

2015 年の救急出動件数(全国)は、約 605.5 万件となっており、前年対比で約 7.0 万件

増加している。ここ 20 年間の傾向としては、救急出動件数と搬送人員数ともに増加傾向に

ある。また、救急自動車が現場到着までにかかる時間は、1995 年は平均 6.0 分であったが、

2015 年では同 8.6 分と約3分弱延伸している(2016 年、消防庁)。人命救助は初期対応が

重要であり、時間短縮とともに、現場の状況の把握・共有が重要である。

災害時においては、道路や建物の被災状況によって、さらに時間がかかり、状況把握も

困難になる可能性が高い。同団体が 2016 年度 IoT サービス創出支援事業(総務省)を活用

し、九州大学伊都キャンパス(福岡市)で実施している本実証実験では、救急医療分野で

ドローンやセンサー等の IoT 機器を日常的に導入することを目指し、迅速な救急対応を実

現することで、災害時にも対応できるシステムを構築していくことが目標である。

システムの概要と導入メリットに関して、本プロジェクトでは、救急医療の時間短縮を

目指し、救命・消防活動の業務フローに対して、ドローンやウェアラブルデバイス、IoT な

どを活用し、より迅速な救命・消防活動のシステムを構築するだけではなく、現場で動く

消防隊員及び救急隊員とどのように実連携をしていくのかを実際にやり取りしながら運用

方法も含めて実証実験を行っている。

例えば、119 番通報を自動化するとともに、ドローンを現場に飛ばし、要救助者の位置、

交通情報を半自動的に本部の管制室にフィードバックする。これにより、迅速に現場にた

どり着く経路を、瞬時に救急車や消防車に伝えるというものである。将来的には、家屋の

延焼の防止、人命救助の確率向上など、社会的な価値を生み出すことが期待されている。

図表Ⅱ-17 実証中の救急医療・災害対応システム・ドローン

資料)(一社)救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会提供

今後の展開については、本実証実験を通して、消防による救命活動や災害対応といった、

市民サービスの改善、行政運営の効率向上を支援する「ヘカトンケイルシステム」構築の

ための課題や要件を整理する。また、実証実験の結果を踏まえて、「ヘカトンケイルシステ

ム」を普及展開していくロードマップを描いていく。さらに、普及展開の運用ルールや、

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システムに必要な機器の要求仕様とその調達方法などを検討する。ロードマップを作成す

る過程で、必要に応じて実証実験も重ねていく方針である。

今後も、救急医療・災害対応に着目し、非常事態の発生時から病院への搬送までのフロ

ー全てを迅速化させるために、ドローンやウェアラブルデバイス、クラウドサービスなど

様々なツールの活用を引き続き検討していく。

このように九州において IoT を導入していくためには、現場のユーザーが実際に利用し

やすいシステムを開発していかなければならないため、システムの提供側とユーザーが開

発段階から綿密なコミュニケーションをとることが重要である。

⑫IoT による救急医療の「見える化」:佐賀県

佐賀県ではシステムを導入する以前から右肩上がりで救急搬送者数が増加傾向にあった。

2001 年の約 2.4 万人から 2011 年は約 3.1 万人まで約 7,000 人増加していた。また、搬送先

の医療機関を見つけるまでに時間がかかっており、搬送先も特定の医療機関に負担が集中

し、救急現場スタッフが疲弊する状況にあった。これらの要因から病院までの搬送時間が

平均 34.3 分(2010 年)となっており、延伸傾向が続いていた。そこで、搬送時間の短縮を

図るため、現場目線のシステム構築が必要とされていた。

同システムの概要は、救急車両に設置された iPad に患者の病態や該当する診療科等の情

報を入力すると、 寄りの受入可能な病院を検索することができるシステムである。病院

側は朝と夕刻に受入状況を入力し、救急隊は消防署に帰着する間に搬送実績や患者の大ま

かな病態を入力する。簡易なシステム構築を目指した結果、救急隊員による搬送実績情報

の入力率も 100%となっている。

本取組の成果としては、まず、救急搬送にかかる時間を短縮できたことが挙げられる

(2011 年度上半期)。次に、データの「見える化」が実現したことにより、年間約3万件の

救急搬送データを蓄積して分析できるようになった。これまでのように県を一律に見るの

ではなく、地区ごとの現状に沿って、施策を実施することができるようになり、その結果、

佐賀県にこそ必要な医療政策としてドクターヘリを導入することができた。

図表Ⅱ-18 システム導入後の成果

資料)佐賀県提供

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41

今後の展開としては、本取組は現状の業務効率化につながったが、救急搬送される患者

の予防及び予測という根本的な課題の解決までには至っていない。この対応策として、医

療情報とバイタルデータを組み合わせた大病の予測モデルの構築も有効な手段として考え

られる。例えば、既往歴や服薬情報、アレルギー、血液のデータなどを組み合わせること

で、未然に病気の発症を知ることができれば、事前に病院に行くことができ、救急車を使

用せずに済む。この実現には、ウェアラブル端末の活用が不可欠になってくる。血液デー

タと健康診断の情報をリアルタイムで解析することができれば、身体の変化を把握でき、

病気の予測も可能になる。

また、ドローンを活用して空から命を救う方法についても有効な手段であると考えられ

る。今後は、ウェアラブル端末や UAV(固定翼ドローン)、ロボット等の先進技術を活用し

て、さらに安心安全な医療体制を提供することも目指していきたい。

このように九州において、IoT 導入を推進していくためには、データの「見える化」だけ

ではなく、その先にある 終的な目的を明確に立てることが必要であり、データ分析やデ

ータ予測というノウハウを蓄積することが重要である。

⑬移動体データ銀行プロジェクト:西鉄情報システム(株)

データの重要性が高まっているなか、企業にとって情報セキュリティの問題に取り組む

必要がある。また、IT を利用して何か事業を行う際に、企業が他社のデータを利用したい

場合、データの取得が困難で面倒な点がある。例えば、移動経路のデータやモバイル空間

統計データが欲しいのであれば、交通機関と通信会社の両方と交渉する必要がある。移動

体データ銀行は、情報のセキュリティと他社のデータ利用の2つの問題を同時に解決する

ことができる。

同システムの概要は、移動体データ銀行はデータセンターに新たな付加価値が加えられ

たものであり、データセンターでは、情報を預かるだけだが、移動体データ銀行では、そ

こに集まったデータを有効活用することができる。他社のデータを活用することで、アイ

デアも出易くなり、データ取得に費やす労力を商品開発などに振り向けることができる。

実証実験では、西鉄グループが持っているデータを移動体データ銀行に預け、それを流通

させてデータを加工していく。そのデータを企業に貸し出して、企業からは利用料を徴求

する。情報は流通すれば中身、用途が変わっていくため、そのデータをまた預けてもらい、

また別の企業に貸し出す。企業にデータを用いた事業を提案させて、事業になりそうであ

ればデータを貸し出し、企業が新規事業から得た利益をデータ利用料として後から徴収す

る仕組みを検討している。

今後の展開としては、2018 年に福岡で開催される ITS アジアパシフィックフォーラムで

も、移動体データ銀行の概念を説明する予定である。ITS(Intelligent Transport Systems:

高度道路交通システム)とは、人の移動に関わる様々な課題やニーズに、インフラと移動

手段と IT 技術を活用して、交通の 適化や事故渋滞の解消、省エネや環境との共存、地域

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の活性化や経済発展を図っていくためのシステムである。フォーラムを契機に移動体デー

タ銀行の取組を加速させ、ITS の先進事例を九州から発信していきたいと考えている。

このように九州における IoT 導入を進めていくためには、活用できるデータが分からな

い現状があることから、企業や自治体等が持つデータを「見える化」し、互いに共有でき

るデータプラットフォームも重要になる。

図表Ⅱ-19 同社の ITS 構想

資料)西鉄情報システム(株)提供

⑭IoT を支えるセンサーノード基盤:富士通九州ネットワークテクノロジーズ(株)

近年、局所的な豪雨の多発や都市化の進展などにより、下水道氾濫の被害が甚大化する

傾向にあり、浸水対策として、下水道管路の増改築や迅速な水位情報の収集が求められて

いる。さらに、2015 年度に改正・施行された水防法では、地下街などの周辺地域に対し、

下水道施設の水位情報を周知する制度が創設された。従来の光ファイバーを用いた下水道

管路内の水位測定方式は、測定箇所まで専用ケーブルを設置する必要があり、高額な導入

コストがかかる。また、バッテリーを搭載したセンサーによる水位測定方式は、頻繁に電

池交換を行う必要があり、高額な保守コストがかかるという課題があった。

そこで、既存の下水道施設を活用しながら、電池交換周期を長期化し、導入や保守に係

るコストの削減も両立できる水位把握システムの構築が必要であった。

同社が開発したシステムは、水位センサーを下水道のマンホールに設置し、無線通信に

より水位情報をクラウドに収集する。センサーにはマンホール蓋と蓄熱材との温度差によ

り得られるエネルギーを電力に変換する熱電変換ユニットから電力を供給している。下水

道管路内の水位上昇を検知することで、局所的な集中豪雨に伴う氾濫被害を軽減する迅速

な対応が可能となった。特徴としては、メンテナンスコストの削減が挙げられ、標準的な

利用環境では約5年間、電池交換メンテナンスが不要となる。熱電変換ユニットは、小型

化・高効率化を実現しており、国内で初めてマンホール蓋に直接搭載が可能となっている。

また水位センサーは、電源や光ファイバーケーブルの敷設が不要なため、既存マンホー

ルから測定したい箇所を柔軟に選択可能である。同システムは、福島県の郡山市で実証実

験を実施しており、現在、ビジネスを展開中である。

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図表Ⅱ-20 実証実験時のマンホールと検証結果

資料)富士通九州ネットワークテクノロジーズ(株)提供(左)、(株)富士通研究所報道発表資料より抜粋(右)

今後の展開として、センサーノード基盤とセンサーネットワーク運用基盤で構成され、

多様な IoT システムを安定的に稼働させ、付加価値を高める基盤である QSIP(QNET

Sensor Network IoT Platform)は、様々なセンサーやネットワークモジュールの組み合わ

せが実現できるセンサーネットワーク共通基盤である。ユーザーの要望に即したシステム

構築に対応が可能であるため、様々なユースケースを作っていきたいと考えている。

今後は、IoT システムの開発実績・ノウハウを基に、ユーザーのサービスイメージの実現

に向けて 適な方法を提案し、QSIP を活用しながら、用途に合わせた運用支援システムの

カスタマイズや統計分析等の要望にも対応していく方針である。

このように九州において IoT を導入していくためには、ユーザーの様々なニーズに合わ

せたセンサーモジュールの構築が必要となるケースが多いため、デバイスやハードウェア

を取り扱う企業との協業も重要である。

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⑮IoT による橋梁モニタリング:九州通信ネットワーク(株)(QTNet)

宮崎県において、県が管理している橋梁約 2,000 橋の内、老朽化(50 年以上)の割合予

測は 2009 年で 16%であるのに対し、10 年後の 2019 年には 41%に、20 年後の 2029 年に

は 61%(2015 年、宮崎県橋りょう長寿命化修繕計画)となる。また、県全体では 9,275(共

同技術コンサルタント調べ)の橋梁があり、県や市町村が管理していない橋梁においても、

今後老朽化を迎えることが予想される。県の道路事業管理予算は 1998 年度をピークに減少

傾向であり、橋梁の維持管理費は一定のままである。今後、橋梁インフラの老朽化が進め

ば、維持管理は困難となることが予想されることから、本サービスの実証実験を行うこと

となった。

システムの概要としては、橋梁に複数のセンサーを設置し、携帯電話網や光ファイバー

を介して、橋梁向けモニタリングシステムに接続させることでデータを収集・「見える化」

する。高千穂町の下田原大橋では、測定するセンサーを計7個設置しており、1日あたり

数 MB のデータを収集している。宮崎市の高松橋では、測定するセンサーを計 13 個設置し

ており、1日あたり数 GB のデータを収集している。また、山奥など電波不感地帯の橋梁

でもインフラモニタリングを可能とするため、無線技術 LPWA(Low Power Wide Area)

の「LoRaWAN」を使ってのモニタリングも実証に向けて検討している。LPWA はバッテ

リー消費量が少なく、1つの基地局で広範囲のエリアをカバーできる。橋梁モニタリング

システムの実証実験の一環として無線通信可能範囲を測定したところ、見通し距離で6㎞

弱の伝送が可能だった。

本サービスにより、橋梁管理者が橋梁の状態を常時把握することで、長期的な劣化傾向

や急激な劣化の早期発見、災害時の橋梁の性能確認ができる。また、ひび割れなど進行状

態に応じた効率的な補修計画を策定するができ、点検の省力化、足場設置費などの点検費

用や補修費の削減など維持管理コストの削減に繋げることができる。

図表Ⅱ-21 橋梁向けモニタリングシステムの概要

資料)(株)九州通信ネットワーク提供

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今後の展開としては、山奥など電波不感地帯の橋梁においては、モビリティを活用した

V2X(Vehicle to Everything)ユニットによるノンリアルタイムでの通信手段の研究を予定

している。配送トラック、バス、郵便バイクなどが、データをバケツリレー方式で伝送す

ることにより、間欠的な通信ではあるものの、広範にインフラのデータ収集が可能となる。

これによりリアルタイム性の不要なインフラモニタリングにおけるデータ通信のコストを

抑制することを目指す。

このように九州において、IoT を導入していくためには、IoT 以前の IT 基盤が十分に整

備されていない地域も存在しているため、情報通信網の整備を引き続き進めていくととも

に、LPWA のような通信技術を活用することも重要である。

図表Ⅱ-22 V2Xの概要

資料)(株)九州通信ネットワーク提供

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⑯ドローンを活用した橋梁検査:新日本非破壊検査(株)

今後、多くの地方自治体は道路・河川・トンネル等のインフラや教育施設・公営住宅等

の公共施設の資産管理という大きな課題に直面する。地方自治体が管理するインフラ及び

公共施設の老朽化の状況(耐用年数まで 10 年未満及び耐用年数を超えたものの割合)は、

全国平均で公共施設が 43.1%、橋梁が 13.2%、上水道管が 33.7%、下水道管が 9.7%となっ

ている(2014 年、総務省)。特に、公共施設や上水道管は整備後から長い時間が経っており、

改修・保守点検コストの負担が大きい。また、地方自治体の土木職の人員は、年々減少傾

向にあり、従来は、不定期の大規模なインフラ調査や職員による日常的な点検業務で対応

できたが、今後は財源と人材が限られる中で、安全性と効率性を担保する手法を導き出す

必要がある。

本システムの概要は、ドローン+駆動車輪+打音検査ユニット(接触式センサー)+カ

メラにより、点検業務を実施している。飛行ロボットによる点検業務は、作業員3~4名

でドローン運転者、落下防止等操作補助作業者、データ処理担当者に分かれて行い、接触

式センサーやカメラから構造物の欠損データを収集する。50~60m の橋梁を1日~2日で

点検することができ、従来手法から時間短縮を実現させた。ドローン運転者は社内マニュ

アルに基づき、自社で育成している。

導入メリットとしては、まず、コスト面について、自治体の財政面を考慮して、従来の

橋梁点検車による手法のおよそ1/2まで費用を抑えることを目指している。ドローン導

入には、コスト削減以外にも交通規制を行わずに済むメリットも存在する。特に、橋梁に

おける交通規制を防ぐことができる点が大きい。

図表Ⅱ-23 実証中のインフラ点検ロボット

資料)新日本非破壊検査(株)提供

今後の展開としては、自治体への普及において、環境要因や劣化要因により、地域毎に

適な点検手法が異なるが、地域のニーズを拾い上げ、共通のプラットフォームとして展

開できるかどうかがカギとなる。社会インフラ点検ビジネスは、点検ロボットの販売・リ

ースを中心として、点検業務の受託やドローン運転者の育成まで拡大していきたいと考え

ている。

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また、橋梁やトンネルの点検データは画像データでやり取りしており、送受信に1~2

時間ほどかかっている。将来的には処理データでより迅速なやり取りを目指す。そのため

にも、同社が採択を受けている戦略的イノベーション創造プログラム(内閣府)の別プロ

ジェクトで実証されているビッグデータ解析システム等の利用も視野に入れている。さら

に、現場の点検データを会社に送り、高速処理を行い、素早く点検調書を作成できるよう

なシステムも自社で作っていく方針である。

このように九州において IoT 導入を進めていくためには、その開発を進めるための実証

実験場が必要になるケースも多く、地元自治体がパートナーとなって開発をサポートして

いくことも重要である。

⑰新電力を軸に IoT 導入を目指すいちき串木野市(鹿児島県)

いちき串木野市は、公共エネルギーサービスを基盤とした「環境維新のまちづくり」を

推進しており、2010 年から西薩中央工業団地をフィールドとする「薩州自然エネルギー工

業団地構想」を策定し、工業団地内企業の屋根貸しメガソーラー事業調査を開始した。2012

年には、市と学校法人、工業団地内の食品製造企業が出資者となり太陽光発電を売電する

合同会社さつま自然エネルギーを設立した。

2016 年 4 月からの電力自由化の解禁を契機に、新電力事業にも着手し、(株)いちき串木

野電力を同年 2 月に設立した。小売電力事業を通じて構築される情報基盤を活用し、住民

サービスの向上に繋がる生活支援事業を主体的に取り組んでいる。

また、同市が抱える課題に、人口減少に伴う独居老人世帯の増加や過疎化、若者定住や

子育て支援があり、新電力会社を設立することにより、スマートメーターによる情報基盤

と収益を通じて住民福祉サービスに繋げる取組を開始した。現行と比べて電力料金を引き

下げ、収益の一部を子育て支援・高齢者支援などの住民サービス改善に活用することで、

地域循環型の輪を広げている。

同市は、福岡県みやま市の新電力会社「みやまスマートエネルギー(株)」と協力協定を締

結しており、みやまスマートエネルギー(株)のプラットフォームを活用している。みやま市

も新電力を活用した生活支援サービスを提供している。

このように地方自治体においては、公共サービス等で収集されるデータや収益等を基に、

地域課題を解決しようとする機運が高まっており、その1つの解決手段として IoT の検討

が進められているものもある。このような機運を盛り上げていくためには、やはり地域の

社会課題とシステムインテグレーターなどをマッチングできるコーディネーターのような

存在が不可欠となろう。

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(2)IoT 推進のための支援機関の取組

①研究シーズ提供を目指す(株)産学連携機構九州

(株)産学連携機構九州は、九州大学の技術移転に関わる事業を行う目的で、経済産業省と

文部科学省の認定を受け、2000 年に設立された。同社は現在、ライセンス事業、コンサル

ティング事業、地域イノベーション事業、ビジネス・創出支援事業の大きく4つの事業に

取り組んでいる。

同社は、民間企業でありながら、九州大学の知的財産の技術移転及び社会連携の事業化

組織としての性格も持ち合わせており、関係機関を結ぶハブ的な役割を果たしている。さ

らに、公的な機関としての性格を持ち合わせており、場合によっては、中立的な立場で事

業に取り組んでいる。

同社が果たしている役割としては、多くは、大学の研究や知的財産の移転、利活用する

際のコーディネートである。産学連携を推進する場合、大学側にとっては企業との連携が

研究に寄与する意味づけが必要であり、企業側にとっては、大学にどのような研究をして

いる研究者がいるのかを把握していない状況がある。IoT を推進していく上では、組織の枠

を超えて、オープンに研究開発を進めていき、新たな価値を生み出すことが重要になるた

め、この関係性をプロデュースする立場が必要になる。

そこで、中立的な立場である同社は、企業側のニーズに沿って、専門分野に精通した研

究者をコーディネートし、大学が持つシーズを提供するという関係性を構築することが可

能である。その結果、研究者は研究内容にジャストマッチするようなテーマであれば、さ

らに取組を進めていくことになる。大学側と企業側の両者がウィンウィンの関係になるよ

うな、橋渡しを担っている。

今後の九州の IoT 導入においても、既存研究シーズの活用やアップデート等が必要とな

るケースもある可能性が高い。IoT 導入を進めていく上で実証実験等に関連する研究開発を

進めるためには、研究シーズを持った産学連携機関の参加は不可欠であろう。

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②自治体フィールドとの開放を目指す肝付町(鹿児島県)

肝付町は、高齢化・過疎化が進む中で、効率的な自治体運営及び地域の人材をはじめと

した様々な地域資源を 大限に有効活用する仕組みづくりを目指し、積極的に情報通信技

術を活用した地域活性化に取り組んでいる。例えば、2010 年に総務省の補助制度を活用し、

光ファイバー網を町内全域に整備し、ブロードバンドインターネットサービスの提供を可

能とした。また、地元 NPO 法人が高齢者向けの勉強会を開催し、iPad 講座や無料相談会

などを通して、地域住民の情報リテラシーを向上させている。

2015 年には、IT 利活用のコーディネート・人材育成、総務省地域情報化アドバイザーを

行う東京のベンチャー企業と共に「共創のまち・肝付」事業を開始し、IT 機器や介護ロボ

ットなどの製品の共同開発や実証実験・検証のフィールドを提供している。ベンチャー企

業に加えて、特に活用が期待される介護関連の肝付町地域包括支援センター、医療機関、

介護保険事業所、NPO 法人、肝付町シルバー人材センター、肝付町商工会など「町ぐるみ」

での体制を構築しており、この取組により、地域住民が企画段階から製品開発に加わり、

さらにはプロモーションまで見据えた住民参加型の新しい製品づくりの仕組み作りを目指

している。

同町に限らず過疎地域の住民は、これまで一方的な製品の受け手であった。一方で、シ

ステムインテグレーターは、現場で困っている課題を把握できていないことで、現場のニ

ーズと乖離した製品を世に送り出している現状も散見された。「共創のまち・肝付」事業は

こうしたギャップを解消し、マッチングさせることを目指している。本事業をきっかけに、

様々な分野の開発企業・開発者を呼び込んで、フィールドを活用して欲しいと考えている。

上記のように地域課題を解決するための IoT 導入と、地元産業振興をセットにして、地

域施策を展開しようとする自治体も少なくない。このような自治体とシステムインテグレ

ーターを効率的にマッチングするためには、地域課題と IT の両方に精通したコーディネー

ターのような存在が必要である。

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3.九州における「地方版 IoT 推進ラボ」の取組

(1)IoT 推進コンソーシアムの設立と地方版 IoT 推進ラボ

IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)時代に対応し、企業・業種の枠を超えて産官学で利

活用を促進するため、民主導の組織として「IoT 推進コンソーシアム」が設立(2015 年 10

月 23 日)され、同コンソーシアムの WG の1つとして、「IoT 推進ラボ」が設置された。

IoT 推進ラボは、ラボ3原則(成長性・先導性、波及性(オープン性)、社会性)に基づ

き個別の IoT プロジェクトを発掘・選定し、企業連携・資金・規制の面から徹底的に支援

するとともに、大規模社会実装に向けた規制改革・制度形成等の環境整備を行っている。

具体的には、①企業の先進的 IoT プロジェクトを選考し、資金面や規制緩和手続き等の支

援を行う「IoT Lab Selection」、②シーズとニーズのビジネスマッチングを行う「IoT Lab

Connection」、③テーマ別に複数企業の中長期的な社会実装を見据えた実証試験を支援する

「IoT Lab Demonstration」(テストベット実証)を定期的に実施している。

こうした取組を地方にも広げ、地域における IoT プロジェクト創出のための取組を支援

するべく、2016 年7月 31 日に「地方版 IoT 推進ラボ」の第1弾として、全国 29 地域、う

ち九州からは福岡県、福岡県北九州市、福岡県福岡市、熊本県、鹿児島県の5地域が選定

された。また、2017 年3月 13 日に第2弾として、全国 24 地域、うち九州からは福岡県嘉

飯桂地域(飯塚市・嘉麻市・桂川町)、佐賀県、長崎県、長崎県長崎市、大分県、宮崎県の

6地域が選定された。 図表Ⅱ-24 地方版 IoT 推進ラボの位置づけ

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(2)地方版 IoT 推進ラボの取組

①福岡県 IoT 推進ラボ

「福岡県ロボット・システム産業振興会議」、「福岡県 Ruby・コンテンツビジネス振興会

議」の会員が培って来た技術を活用し、産学官連携による多様な IoT 関連製品・サービス

の創出を図る。市場の成長が見込まれ、福岡県の強みを活かせる食品・農業、医療福祉、

エネルギーマネジメントシステム等をターゲットに IoT プロジェクト創出につなげる活動

を行っている。

2016 年8月より、「農業」及び「介護」分野への参入を目指すメンバーが集まり IoT プ

ロジェクト創出に向けた活動を実施している段階である。

また、参入啓発に向けた IoT の先進ビジネスモデルの調査や製品開発補助のほか、IoT 関

連製品の試作・検証に必要な機器の整備、IoT のソフトウェア開発を体験できるセミナーの

開催などハード・ソフトの両面での支援も進めている。

図表Ⅱ-25 福岡県 IoT 推進ラボの概要

資料)経済産業省 「29 地域の取組詳細」より抜粋

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②北九州市 IoT 推進ラボ

北九州 e-PORT 推進機構及び産・学・官・民・金の e-PORT パートナーによる、地域課

題解決のためのプロジェクトの創出、実用化に向けた実証実験や事業化の推進などの各フ

ェーズにおいて、多角的な支援を行っている。

2017 年3月の北九州スタジアムオープンに合わせ、ビーコン・人流センサー、コンテン

ツ配信用アプリ等を活用し、スタジアム来場者を JR 小倉駅南側に位置する商店街に回遊さ

せる「にぎわい実証実験」を開始する予定である。

図表Ⅱ-26 北九州市 IoT 推進ラボの概要

資料)経済産業省 「29 地域の取組詳細」より抜粋

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③福岡市 IoT 推進ラボ

IoT 産業の拠点化に向け産学官金連携による IoT コンソーシアムを設立し、実証フィール

ドの提供、オープンデータプラットフォームの提供、データ分析環境の提供により、社会

実証を支援する。多様なプレイヤーが参加し実証実験を行うことで新製品・サービスの創

出や IoT ベンチャーの与信力向上等に貢献する。

2016 年 11 月 29 日に「福岡市 IoT コンソーシアム」(FITCO)を設立し、キックオフイ

ベントを開催した。防災、安全・安心、ヘルスケア、観光、サービスの5分野を中心に実証

実験を行う予定である。

図表Ⅱ-27 福岡市 IoT 推進ラボの概要

資料)経済産業省 「29 地域の取組詳細」より抜粋

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④熊本県 IoT 推進ラボ

熊本県内の企業・大学等から外国人約 100 人を情報ネットワーク化し、母国の生活習慣

や産業界におけるニーズについて情報収集し、異文化融合・共働によって、県内企業にお

ける IT・IoT を使った新たなビジネス創出や販路拡大の支援を行う。また、母国の架け橋

となってもらえるような仕組みも構築する。

2016 年 10 月に参加プレイヤーによる関係者連絡会議を開催し、今後の取り組みの方向

性を確認した。

ラボの効率的、効果的な運営を行うため、熊本県における新たな IoT ビジネスの可能性、

九州・県内の外国人労働者・留学生に関する調査、情報ネットワーク構築に関する調査を

委託により実施中である。

図表Ⅱ-28 熊本県 IoT 推進ラボの概要

資料)経済産業省 「29 地域の取組詳細」より抜粋

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⑤鹿児島県 IoT 推進ラボ

農林水産業における IoT 利活用による省力化・高度化を通じた競争力強化や、農林水産業、

食品関連等における IoT 利用のための装置開発等により県内製造業及び情報サービス産業

の新分野展開を目指し、県による課題提案やマッチング、研究機関による研究開発支援等

を実施する。

個別のプロジェクトについては,県内の企業や大学・高等専門学校,団体等幅広い参画

により設立した地域産業高度化産学官連携協議会などを通じてニーズ・シーズのマッチン

グに取り組んでいる。現在,センサーや人工知能ロボットにより異常鶏を発見・回収する

養鶏場衛生管理システムや無人自動走行の茶摘採機などの開発が進んでいる。

図表Ⅱ-29 鹿児島県 IoT 推進ラボの概要

資料)経済産業省 「29 地域の取組詳細」より抜粋

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⑥第2弾選定地域

2017 年3月 13 日に第2弾として、九州からは以下の6地域が選定された。

図表Ⅱ-30 嘉飯桂IoT推進ラボの概要

図表Ⅱ-31 佐賀県IoT推進ラボの概要

図表Ⅱ-32 長崎県IoT推進ラボの概要

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図表Ⅱ-33 長崎市IoT推進ラボの概要

図表Ⅱ-34 大分県IoT推進ラボの概要

図表Ⅱ-35 宮崎県IoT推進ラボの概要

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第Ⅲ章 九州における IoT 導入のための課題

1.重要な IoT ソリューションの企画提案者

導入企業側の IT ソリューション導入に至るまでの企画・提案者をみると、経営トップが

26.8%で も多く、次に、各事業部の事業責任者と各事業部の IT 責任者が 21.0%で続いて

いる。導入に至るまでのプロセスは、導入企業側はトップダウン型となっている。

ヒアリングでは、経営トップが新事業に対する理解を示せば、IT 投資効果が企画段階に

は不明確でも IT 導入まで至っているケースもある。IT の延長にある IoT 導入についても、

経営トップの理解促進が不可欠である。

図表Ⅲ-1 IT 導入に至るまでの企画・提案者

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

6.5 

5.1 

21.0 

21.0 

3.6 

15.9 

26.8 

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0

無回答

その他

各事業部のIT責任者

各事業部の事業責任者

IT担当役員

経営会議メンバー

経営トップ

導入企業側

N=138

(%)

Page 63: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

59

2.IoT 投資を進める上での判断基準

IoT への投資を進める上での判断基準として、費用対効果が も割合が高くなっている

(提供企業側:54.3%、導入企業側:72.5%、自治体:81.8%)。すなわち、いかにコスト削

減につながるのかどうかを重要視している状況にある。また、導入企業側や自治体につい

ては、データセキュリティや既存システムとの連携、運用・保守も割合が高くなっている。

さらに、提供企業側については、投資対効果が 52.9%で費用対効果に次いで高い割合を占

めている。しかし、導入企業側は 29.0%、自治体は 25.0%で割合が低く、乖離している。

総じてみると、IoT の導入企業側は費用対効果を も重視し、その他にも運用面やセキュ

リティ面を重視して判断している。一方で、提供企業側は、運用・セキュリティ関係は当

然クリアすべきものと捉えた上で、費用対効果と投資対効果を訴えたいと考えている。

今後、IoT を推進する上では、確かに費用対効果や運用面の問題はクリアしていかなけれ

ばならない。しかし、IoT には新たなサービス創出や付加価値向上という側面も含まれてい

るため、コスト削減の先にあるもの、特に、投資対効果の重要性をいかに浸透させるかが

重要である。

図表Ⅲ-2 IoT 投資を進める上での判断基準

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

54.3

32.9

30.0

21.4

52.9

8.6

2.9

15.7

72.5

47.8

37.0

30.4

29.0

0.7

2.9

8.7

81.8

59.1

47.7

42.0

25.0

2.3

2.3

3.4

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

費用対効果

(≒コスト削減効果)

データセキュリティ

既存システムとの連携

運用・保守

投資対効果

(≒サービス付加価値効果)

稼働までの時間

その他

無回答

提供企業側

(N=70)

導入企業側

(N=138)

自治体

(N=88)

(%)

Page 64: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

60

3.データ利活用の状況

IoT 導入企業側においてオープンデータ活用は、約 20%となっており、検討中も含める

と4社に1社の割合でオープンデータに着目している。活用しているケースでは、人口や

交通量、産業マーケット情報(宿泊者数・観光入込客数等)などが利用されている。

一方、自治体では、4割近くが保有データの利活用の加速化や新規で取り組みたいと考

えている。内閣府の調査においても、オープンデータに取り組む全国の自治体は増加傾向

にある。

図表Ⅲ-3 オープンデータ利活用の状況

▼IoT 導入企業側におけるオープンデータの活用 ▼自治体におけるオープンデータに対する

今後の取組方針

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

▼オープンデータに取り組む地方公共団体の推移

資料)内閣府 IT 戦略室資料 H29 年 2 月 16 日抜粋

活用している20.3%

開発中 0.0%

検討中5.1%

ない73.2%

無回答1.4%

N=138

<オープンデータの例>

人口、交通量、医療情報、ハザードマップ、

登記情報、気象情報、児童数データ、産業

マーケット情報(宿泊、入込客数人数)等

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61

また、導入企業側が自社で保有するデータについて、他社へ提供している企業が約2割、

他社のデータを自社で活用している企業も約2割程度あり、データの流通はある程度行わ

れている。

今後、企業などの組織の枠組みを超えて、お互いのデータを利活用しあうことが必要と

思う企業が3割に及ぶ一方、わからないという企業が5割となっている。

2016 年12月に「官民データ活用推進基本法」が施行されたことにより、今後、官民デ

ータの活用が加速化し、新事業の創出や社会課題の解決が期待される。

図表Ⅲ-4 導入企業側の企業データ利活用の状況

▼自社データの他社への提供 ▼他社データの自社への活用

▼組織の枠組を超えたデータの相互利活用の必要性

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

ある 20.3%

検討中 1.4%

ない76.8%

無回答1.4%

N=138

ある16.7%

開発中 0.7%

検討中5.1%

ない75.4%

無回答2.2%

N=138

必要である31.2%

必要だとは思

わない 10.1%

わからない52.9%

無回答5.8%

N=138

<参考:官民データ活用推進基本法> (2016 年 12 月 14 日施行) ※第1条(目的) 略文

インターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて流通する多様かつ大量の情報を活用した課題解

決のための環境を整備することが重要との認識のもと、官民データの適正かつ効果的な活用の推進に関する

施策の基本となる事項を定めるとともに、施策を総合的かつ効果的に推進する。

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62

4.IoT 導入に至るまでの課題

IoT 導入に至るまでの課題を、提供企業側と導入側(導入企業側・自治体)で整理すると、

まず、強い共通認識として「データ活用方法に対するアイデア」がある。提供企業側は商

談や営業等を通じてユーザー(導入企業側)の課題として も多く上がっており(47.1%)、

導入企業側や(39.1%)自治体(58.0%)も強い課題意識を持っている。

次いで、「データ分析に対するノウハウ」を、提供企業側はユーザーの課題だと認識して

いる(35.7%)。

勉強会では、「製造業はデータの蓄積はあるが、活用しているメーカーは少ない。また、

自社がどのようなデータを持っているか把握できておらず、このデータを見える化するだ

けでも大きく変わる。」との意見もあった。これらのことから導入企業側は、「データは持

っているが使い方がわからない。課題解決のために、システムインテグレーターやコンサ

ルタントから具体的なアイデア(ソリューション等)や分析ノウハウを提案して欲しい。

または、そもそもデータの価値に気づいていない。」という一面が窺える。

導入企業側に対し、気づきの場や、アイデアやノウハウを有する提供企業側によるサポ

ートが必要である。

また、「IoT 以前の IT に対する社内の理解」や「データ活用に対する全社的な理解・協力」

を課題に挙げる割合も高く、IT リテラシー等の根本的な課題も根強く残っている。

図表Ⅲ-5 IoT 導入に至るまでの障壁(データ利活用等)

注)提供企業側 N=70、導入企業側 N=138、自治体 N=88、全て複数回答

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

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63

5.要望施策と自治体実施施策

現状、IoT の提供企業・導入企業側が求める施策と自治体が実地したい施策の間にはミス

マッチが発生している。大きく2つの乖離があり、まず、IoT に関する知識・動向に関する

ミスマッチが発生し、自治体側も日進月歩で進化する IoT 技術やトレンドを捉え切れてい

ない面がある。次に、実施して欲しい施策と実際に取り組んでみたい地域施策にミスマッ

チが発生している。

アンケートやヒアリングから、提供企業側は、自社アセットを活用した技術開発(実証

実験含む)やマーケットに精通した人材の育成・獲得を求めている。また、導入企業側は、

誰がどのようなサービスを行っているかという情報や簡易的な IoT 導入費用、類似課題を

持つ同業種とのデータ相互利活用を求めている。一方で、自治体側は産学連携やネットワ

ーク形成に注力したいと考えており、人材面でのサポートは相対的に低くなっている。本

当に必要な施策は何なのかを再考し、適切な情報提供やサポートを行っていかなければな

らない。

図表Ⅲ-6 要望施策と自治体実施施策

▼提供企業側、導入企業側が望む施策 ▼自治体が実施したい施策

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

41.4 

32.9 

30.0 

21.4 

21.4 

20.0 

15.7 

15.7 

14.3 

7.1 

1.4 

0.0 

0.0 

1.4 

15.7 

30.4

45.7

31.9

22.5

10.9

32.6

8

15.2

8

2.2

5.1

2.2

2.2

2.2

10.1

0.0 20.0 40.0 60.0

技術開発

情報提供・収集

人材育成

人材獲得

企業間連携

資金面

産学連携

ネットワーク形成

営業活動

特許・知財

信用面

人脈形成

経営相談

その他

無回答

提供企業側

(N=70)導入企業側

(N=138)

(%)

12.5 

46.6 

11.4 

3.4 

8.0 

6.8 

23.9 

13.6 

3.4 

0.0 

6.8 

6.8 

0.0 

18.2 

21.6 

12.5 

47.7 

10.2 

1.1 

10.2 

3.4 

17.0 

14.8 

1.1 

0.0 

2.3 

6.8 

0.0 

17.0 

23.9 

0.0 20.0 40.0 60.0

技術開発

情報提供・収集

人材育成

人材獲得

企業間連携

資金面

産学連携

ネットワーク形成

営業活動

特許・知財

信用面

人脈形成

経営相談

その他

無回答

対提供企業

(N=88)

対導入企業

(N=88)

(%)

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64

6.企業や自治体をパートナーにした IoT 推進

IoT を活用した実証実験を行いたい領域について、システム提供企業と導入企業側・自治

体にはミスマッチが生じている。まず、製造業は Industrie4.0 に見られるように 終的な

形がイメージしやすいため、実証したい領域として回答割合が高くなっている。しかし、

それ以外の領域については、提供企業側と導入企業側で大きく認識が異なっている。

提供企業側は、製造業以外では公務が 16.0%、農業が 12.0%、卸売・小売が 12.0%とな

っている。一方で、導入企業側は、林業が 23.1%、漁業が 17.9%、教育が 15.4%、医療と

卸売・小売が 7.7%である。また、自治体が実証したい領域としては、農林水産が 43.8%で

も割合が高く、次いで、消防・警察と観光が 31.3%と続いている。地方創生予算を使っ

て実証実験をしたいと思う自治体も存在するが、発信される情報が少なく、うまく推進で

きていない。

IoT を導入していく上では、実証フィールドが不可欠であり、企業や大学、自治体等が持

つ資源や知識、ノウハウを共有しながら新たなサービスを開発していかなければならない。

例えば、企業へ自治体フィールドを開放し、地域課題の解決を目指した IoT 製品開発を推

進していくような方法も考えられる。このような企業や自治体をパートナーにした IoT 推

進も1つの方策として有効性が高いと言える。特に自治体等も関係した IoT ソリューショ

ンの提案については、幅広い組織・機関との連携が必要になる。

今回、アンケートやヒアリングなどにより、今後、幅広い連携が必要になると思われる

IoT ソリューションは、下記のようなものであった。

(1)九州の森林管理

現在、導入が検討されている部分としては、ドローンを活用したリモートセンシングに

よる森林観測が挙げられる。ドローンで空撮することで、樹種や樹高を観測できるシステ

ムが構築されており、一部の地域では実証実験が進んでいる。メリットとしては、現地確

認が省かれ、木材管理が容易になり、効率化が進むことにある。逆に、デメリットとして

は、ドローンでは観測エリアが狭く、広域管理が難しいことや、コストが高く、費用対効

果が得られにくいことがある。山間部は通信網が十分整備されていないことが多く、飛行

条件が不安定である。対応としては、通信事業者が持つ基地局を活用できれば、長距離・

遠隔操作でドローンを飛ばせる可能性がある。

このようなシステムは、コスト面から組合単体での導入は難しく、複数の組合、あるい

は、県単位での導入を検討する必要がある。なかなか導入に踏み切る組織もいないため、

関係機関や近隣森林組合と上手く連携を取る必要がある。

さらに画像解析システムとドローンによる森林観測が連携できれば、インターネットを

介して遠隔地にいる所有者が山の状態を確認でき、高齢の所有者がわざわざ現地に赴く必

要も無くなる。インターネット上の図面を確認しながら、遠隔地の所有者に作業工程をレ

クチャーすることもでき、山の管理が非常に効率化されるようになる。

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65

(2)海産資源の管理

九州は四方を日本海、太平洋、瀬戸内海などに囲まれ、豊富な海産資源が獲れる地域で

ある。特に内海である有明海は、九州の一級河川である大きな筑後川と矢部川から栄養豊

かな水が流れ込んでいる栄養豊かな海である。また有明海の大きな特徴として、潮の満ち

引きによる干満の差が非常に大きいことが挙げられ、潮が引くと 大で約 6 メートルもの

海面が下がること、また潮の流れがたいへん速く、海の水が海底までよくかき回され、海

の隅々までに酸素が行き渡り豊かな生態系が形成されていることなどの特徴を生かし、古

くからのりなどの養殖業が行われてきた。

しかし近年では、地球温暖化などの影響もあり、海中の環境が大きく変わりつつある。

特に養殖業などにおいては、潮流などの予測が重要となるが、過去の経験則からだけでは

把握できない潮流の動きが見られるようになり、漁獲高に大きく影響を及ぼしている。こ

のような課題を解決していくためには、漁業水域などの垣根を越えた潮流調査を実施して

いくことが求められる。

(3)IoT デバイスの実証の場づくり

IoT に使われるセンサー数は、2025 年には1兆個を超えると言われており、現在、世界

各地で様々なセンサーが日々開発されている。九州の地場企業においても、多くの企業が

センサーを開発しているが、実際にセンサーなどの IoT デバイスを開発した後の実環境試

用などの面で苦慮しているケースも少なくない。

旅行代理店及び飲食業、宿泊業を営む(株)FREE SPIRIT JAPAN が、2016 年8月にオー

プンした「&AND HOSTEL」(福岡市)は、11 種類の 先端 IoT デバイスを集結させた日

本初のスマートホステルである。同ホステルは、近未来の IoT ルームを設置することによ

り、部屋自体がエンターテイメント空間となり、観光目的の一つとして利用者を楽しませ

る内容となっている。そして単なる宿泊施設としてだけではなく、日本の IoT 技術力を世

界へ発信するプレゼンテーションの場、IoT デバイスの技術開発や実証実験の場、IoT プラ

ットフォーム構築の研究や改善の場としても利用されている。九州大学を始め、日本初の

取組に賛同する研究機関や NPO 法人、IoT デバイスメーカーと連携を図り、IoT の普及に

取り組んでいる。実際、IoT の部分については、宿泊客よりも、実証実験を目的とする企業

の需要が多く、センサーなどの IoT デバイスメーカーの貴重なマーケット調査の場となっ

ている。IoT の領域は非常に幅広く、実際にはホテルなどの室内環境の実証だけでは不十分

なケースもあり、今後は気軽に実証できる様々な実証フィールドの提供が求められる。

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66

図表Ⅲ-7 提供企業・導入企業側・自治体が実証したい領域

▼提供企業側・導入企業側が実証したい領域

▼提供企業側が実証したい領域と主な内容の例

▼導入企業側が実証したい領域と主な内容の例

12.0

0.0

0.0

4.0

40.0

0.0

8.0

0.0

8.0

4.0

12.0

8.0

4.0

8.0

8.0

16.0

12.0

5.1

17.9

23.1

2.6

12.8

2.6

0.0

10.3

0.0

0.0

7.7

7.7

5.1

15.4

2.6

0.0

7.7

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

農業

漁業

林業

建設業

製造業

電気・ガス・水道

道路・港湾インフラ

運輸

金融・保険

不動産

卸売・小売

医療

介護

教育

観光

公務

その他

提供企業側

(N=25)

導入企業側

(N=39)

(%)

無回答を除く

複数回答

領域 主な内容

農業 AIによる画像認識とドローンを利用した監視システム

製造業工場内のあらゆる機材とインターネット環境を繋げて、工場全体の効率的な稼働を実現するスマートファクトリーシステム

製造業 製造業向けに温度・湿度など環境データを取得・分析するシステム

製造業 Beaconと設備点検データによる設備保全システム

道路・港湾インフラ 橋梁インフラのモニタリングシステム ひずみ・ひび割れ・変位・加速度などのセンシング

卸売・小売 物流の効率化

医療 医療(病院)の受付をロボット化

医療 社員の健康情報をプライバシーを守りながら一元管理する生活習慣改善ソリューション

教育 学生の就職に関するデータ。学業での専門知識と企業を結ぶネットワークシステム

観光 観光客向けコンシェルジュシステム

公務スマートデバイスを利用し税金や公共料金等の債務データと預金等の債権データ連携による納付システム

公務 オープンデータを使った市民サービス

その他 物流センターでのロボット機能、AI連携させたシステム

領域 主な内容

農業 温湿度センサーや画像情報と気象データ等との連携による鶏の飼養管理支援のための仕組み

農業 各種センサー技術を活用した斃死鶏発見や腐廃卵発見などの品質向上のための仕組み

漁業 尾数単位での正確な原価算定を目的とした養殖魚管理ソフトの開発

漁業GPS等との連携により、リアルタイムな潮流の流れ、海水温等の漁業者及び船舶者事業社等への安易な情報提供

林業 森林所有者データと森林管理状況、航空映像等を連携させたトータル的な情報集約

製造業 ポンプ遠隔監視システム 人不足の為、現場にてIOT活用が急務

電気・ガス・水道 インフラ設備の予防診断システム

運輸 災害情報、道路状況等との連携による輸送管理

観光 人工知能を使った電話応対や対面での受け答え

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67

▼自治体が実証したい領域

▼自治体が実証したい領域と主な内容の例

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

43.8 

31.3 

31.3 

18.8 

18.8 

18.8 

12.5 

6.3 

6.3 

6.3 

6.3 

0.0 

0.0 

0.0 

0.0 

0.0 

0.0 

56.3 

農林水産

消防・警察

観光

福祉

建設・土木

商工

住民サービス

管理

経理・財務

管財

環境整備

企画

総務

人事

広報

都市計画

教育

その他

0 20 40 60

N=16

無回答を除く

複数回答

分野 テーマ

管理 上水メーター検針

住民サービス トイレにセンサーを設置し、健康状態を表示したい。

福祉 多職種連携による地域包括ケア

福祉 介護作業の負担軽減、匂い検知、徘徊検知

環境整備 交通:コミュニティバスor uber、コミュニティ活動(双方向イベント通知)

建設・土木 市道の管理、修繕用データ収集

建設・土木 道路の地下の陥没状況調査

消防・警察 災害対応、要支援者の位置把握、インフル被害の把握

消防・警察 山崩れ等の土砂災害予兆を観測するシステム(センサー活用)

消防・警察 環境センサーを活用した斜面地の危険度を感知するシステム

消防・警察 水害に備えた危険地域の監視

農林水産 金魚の養殖方法に関するデータの収集、および蓄積、利活用

農林水産 甑島における海面変動(あびき)

農林水産 極小エリアの気象データ、収穫作業の労力軽減

農林水産 ドローンによる森林資源調査、下草刈等の施業ロボット(プロトタイプ)開発

農林水産 イノシシ、シカ等の有害鳥獣の被害防止のための監視システム

農林水産 IOT等を活用した鳥獣被害対策

商工 地元住民の消費動向を分析するシステム

商工 ①短期求人マッチング:ワークシェア、②ワークシェア用のウェアラブルグラスで初期OJT支援

観光 文化財、歴史とVR、ARとの連携によるお金の落ちるシステム及び企業誘致

観光 観光客の動行データを蓄積し分析するシステム

観光 観光客の行動パターン行動予測等のマーケティングに資するデータの収集、分析

観光 温泉の保護と活用(発電)を両立するための温度センサーの活用

その他 腕時計型デバイスによるバイタルデータ(主に血圧)の分析、活用、取得

その他 LPWAによるIOTインフラの実証

その他 自動運転車によるオンデマンド交通

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68

7.IoT 推進のための技術的サポートの必要性

提供企業側が、IoT ソリューション事業を展開していく上で、データ活用に関して今後必

要と考える要素技術については、送受信を行うデバイスやデータ蓄積を行うクラウドを必

要とする声は少なく、データ分析やデータ予測を行うアプリケーションを必要とする声は

多い。デバイスは既に低コスト化が実現しており、クラウドについても、無料で利用でき

る既存プラットフォームが多数存在することから新たに開発するというよりは、既存のシ

ステムを活用する共創領域であることが関係しているとみられる。

データ分析やデータ予測などは、既に簡易に利用できるプラットフォームが多数存在す

る共創領域と異なり、差別化を図るべき競争領域である。パートナー企業との協創により

データ分析ビジネスに力を入れているという企業の声も聞かれ、今後、提供企業側が独自

サービスを展開していくためには、これら領域への技術的サポート(技術開発・企業連携)

は重要である。

図表Ⅲ-8 提供企業サイドの IoT 導入のための技術的課題

注)図中数字は、提供企業側アンケート回答割合:IoT ソリューション事業を展開していく上で今後必要となる要素

技術は何ですか? N=70 社(複数回答)

資料)(株)スカイディスク発表資料を参考に九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)を反映

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69

8.企業が必要とするネットワーク

提供企業側と導入企業側がそれぞれどのような主体と接点を求めているかについて傾向

をみると、提供企業側は、今後 IoT ソリューションを提供する上で必要なネットワークと

して、「センサー等の個別のデバイスメーカー」(37.1%)や「システムを組み込むハードウ

ェアメーカー」(30.0%)など、自社にない技術を持ったメーカーとの連携を求める声が多

く、技術連携を重視していることが窺える。

一方、導入企業側が、今後 IoT ソリューションを導入する上で必要とするネットワーク

は、「ソリューションを提供するシステム・ソフトウエアベンダー」(44.2%)が も多く、

次に「ソリューションを提案するコンサルタント等」、「類似課題を持つ同業者」(29.7%)

とのつながりを持ちたいとする割合が多い。勉強会では、「ユーザーにシステムエンジニア

(SE)がいない。困り事に対して、適切なパートナーを探してくれるような人(仲介役)

が必要。」という意見があった。

提供企業側と導入企業側を直接つなげる出会いの場や、具体的な導入イメージを描きづ

らい企業にとっては、適切なパートナーを探してくれるコーディネーターやコンサルタン

ト等による支援が求められている。 さらに、同じ課題を持つ企業を引き合わせることで、

単一企業に留まらないより大きな展開を生むソリューション開発に取り組む展開も考えら

れる。

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70

図表Ⅲ-9 導入時に接点を持ちたい主体

▼今後、IoT ソリューションを提供していく上で、どのようなネットワークがあれば良いか

(提供企業側)

▼今後、IoT ソリューションを導入していく上で、どのようなネットワークがあれば良いか

(導入企業側)

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

37.1 

30.0 

27.1 

24.3 

21.4 

20.0 

15.7 

5.7 

4.3 

18.6 

センサー等の個別のデバイスメーカー

システムを組み込むハードウェアメーカー

他のシステム・ソフトウェアベンダー

ソリューションを提案するコンサルタント等

産学連携を中心とした大学などの研究機関

既存ソリューションとは異なる業種のユーザー

データを保有する企業

既存ソリューションと同業種のユーザー

その他

無回答

0 10 20 30 40 50

N=70

複数回答

(%)

44.2 

29.7 

29.7 

14.5 

13.0 

12.3 

10.1 

8.0 

2.9 

15.2 

ソリューションを提供するシステム・ソフトウェアベンダー

ソリューションを提案するコンサルタント等

類似課題を持つ同業者

産学連携を中心とした大学などの研究機関

類似課題を持つ異業種

データを保有する企業

資材・サービスなどの調達先

製品・サービスの販売先

その他

無回答

0 10 20 30 40 50

N=138

複数回答

(%)

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71

第Ⅳ章 九州における IoT 導入推進に求められる取組

1.九州における IoT 推進の方向性

企業が IT を導入する段階には、4つのステージが存在している。ステージ①は、IT 技術

を導入したものの、全く活用が進まない企業群である。ステージ②は、特定の部署で業務

の IT 化が進み、効率化を果たす部門内 適化企業群に移行する。この段階では、経営的な

視点が無く、部分的な効率化にとどまっている。次にステージ③は、経営と情報技術を直

結して活用させることで、企業全体のプロセスが 適化される。

さらに、上位に位置するステージ④は、単一企業の枠を超えて、社外と受発注システム

を統合したり、相互の情報共有やコミュニケーションを強化したりすることで、バリュー

チェーンを構成する共同体全体を 適化する。

終的には、ステージ④に到達する企業が増えることが、地域経済にとって重要となる。

そのためには仕組みの効率化と仕組みによる新たな価値創造を実現していく必要がある。

ただし、現在の九州地域では、各企業で IT 化の様相が異なる。IT 化を積極的に推進する

企業もあれば、一部の事業部門の IT 化にとどまる企業も多く存在する。そのため、各企業

が置かれた状況に合わせて、次の IT 化のステージに進めるようなサポートが求められてお

り、IT の延長にある IoT 技術の導入についても同様のことが言える。

図表Ⅳ-1 企業の IT 化ステージ

資料)経済産業省、「我が国の企業の IT 化に対応する企業経営の分析」(企業 IT 利用成熟度調査分

析) 、2003 年

Page 76: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

72

2.IoT 導入のために検討すべき施策キーワード

IoT 導入のために検討すべき施策は、多岐にわたっている。例えば、技術開発や、情報提

供・収集、人脈形成、人材育成・確保、産学連携、企業間連携、資金面など具体的な技術

面から開発やサービスインの際に必要となる人材やネットワーク、開発費用に至るまで

様々な施策を実施していかなければならない。

これらの施策は、国や自治体、支援機関においてそれぞれ実施しているところであるが、

アンケートやヒアリング、勉強会では、IoT ビジネスを展開していく上では企業間連携やネ

ットワーク形成の重要性を強く求める声が聞かれた。九州で具体的に実施していくべきも

のとしては、システムインテグレーターを中心とした連携強化を軸として、システムイン

テグレーターとユーザー・ファウンダー等とのマッチングが必要である。また、活用でき

るデータを「見える化」するようなプラットフォーム(ソフトウェア)も求められている。

さらに、開発や実証実験に一緒に取り組むパートナーとしての企業や自治体をマッチング

させることも重要である。

このネットワーク形成については、地方版 IoT 推進ラボなど、特定の地域では IoT 推進

組織が立ち上がっているが、九州ワイドの IoT ネットワーク組織はない。勉強会では、「各

地域の IoT 推進の取組にはそれぞれの特色があり、九州ワイドの組織があってもいいので

はないか。重なる部分もあるかも知れないが、企業のチャンスはその分増える。」との意見

があった。

九州から IoT ビジネスを展開する企業を増やし、全国からアジア・世界へと展開してい

くようなソリューションを開発・提供していくためには、オール九州でアイデアや技術を

結集することが望まれている。

図表Ⅳ-2 IoT 導入のための施策キーワード

IoTにおける産業施策(例)

技術開発産学連携

特許・知財

情報提供・収集

営業活動(販路開拓)

⼈脈形成

⼈材獲得⼈材育成

経営相談

資⾦⾯

信⽤⾯

企業間連携

ネットワーク形成

その他(規制緩和、特区等)

パートナーマッチング(企業)

共同研究プラットフォーム

パートナーマッチング(自治体)

規制緩和・特区

実証実験(テストベッド)

オープンデータ活用

クローズデータ活用

プラットフォーム化のためのニーズ収集

Sler×Sler

Sler×User

Sler×Funder

プロデューサー人材

ITリテラシー

Dataリテラシー

セミナー、講演会

AIプラットフォーム

データマイニングプラットフォーム

データ収集プラットフォームアイデア収集

地域に存在しないデータセット

地域に存在するデータセット 業務改善、新サービス創出

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73

3.IT や ICT に関する既存施策

既に国や自治体においては、IT や ICT に関して施策・事業が実施されており、具体的な

施策・事業としては、大きく3つに分類される。

1つ目は、製造業やサービス業の生産革命を目的としたものであり、システム導入によ

るサービス高度化や新事業、第2創業などの様々なキーワードで支援施策が実施されてい

る。また、システム導入による雇用転換のための人材育成の支援もある。

2つ目は IoT 関連機器の世界的需要増による生産波及に伴う施策であり、地域企業の生

産増加、ビジネスチャンスの拡大のため、マーケット情報の提供や設備投資支援を実施し

ている。

後に、地域主体による IoT 関連機器の開発に関して、地域企業への実証実験フィール

ドの提供や企業誘致、また地域の大学や研究機関との産学連携の推進、ものやサービスの

外販の支援、行政サービスのデータ利用による支援を実施しており、新たな産業やビジネ

スチャンスの創出、地域経済の活性化促進を図っている。

今後の IoT ビジネスを加速化するために必要な施策・事業についても、これらの IT や ICT

に関する既存施策パッケージの改変や統合がベースになることが考えられる。

図表Ⅳ-3 既存の IT や ICT に関係した施策(事例)

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74

4.IoT のシステム開発のフェーズ毎に必要な取組

IoT のシステム開発のフェーズは大きく分けると、①製品・サービスのアイデアの抽出、

②開発・実証、③マーケット調査、④サービスイン、⑤多主体との連携の5つが挙げられ

る。

このフェーズ毎に必要な取組を整理すると、まず、①製品・サービスのアイデアの抽出

については、いかに効率的に提供企業側がユーザーのニーズを収集し、あるいは、ニーズ

の原因(真因(ペイン))に気付くことができるかがカギになる。そして、課題を解決する

システム化のアイデアをユーザーとオープンに議論していくことも必要であり、そうした

場の設置が求められている。

次に、②開発・実証については、IoT システムを構築するためにソフトウエアベンダーや

ハードウエアベンダー、システムインテグレーター等の提供企業間のネットワークを形成

し、実証フィールドの提供先を確保し、実際にシステムを実証しながら、製品としての質

を高めていく必要があり、企業連携や実証フィールド提供先を探し出し、繋いでくれるコ

ーディネーターが求められている。

また、③マーケット調査及び④サービスインについては、製品アイデアの抽出段階から

開発後の製品・サービスのプラットフォーム化を前提として、より幅広いユーザーと連携

しておく必要がある。また、簡易サービスを提供することで、ユーザーが導入しやすい環

境を作ることも求められる。

後に、⑤多主体との連携については、開発したシステムが単一企業の課題解決のため

のシステムに終わるのではなく、より大きな課題や地域課題を解決するシステムとして展

開できるように、企業の枠に捉われない幅広いネットワークを構築していくことが必要で

ある。 終的には社会全体に実装できるようなシステムに展開するという視点も重要にな

る。

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図表Ⅳ-4 システム開発のフェーズ毎に必要な国等の取組

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5.製品・サービスの開発プロセスと必要なサポートイメージ

システムベンダーは、ユーザーである多数の企業や自治体に、問い合わせや訪問による

営業活動を行うことで、ニーズを集めており、抽出したニーズから適切なソリューション

を構築しユーザーに提案している。ユーザーがそのソリューションに興味があれば、シス

テムベンダーは、ユーザーやハードウエアベンダーとの打ち合わせを繰り返し、試行錯誤

しながらシステム開発を行っている。さらに、ソリューションの汎用化のため、再度、ユ

ーザーへ問い合わせ、訪問、現場視察し、新たなニーズ、真因(ペイン)の抽出を繰り返

すことで、ビジネスモデルの検討、製品・サービスのプラットフォーム化を図っており、

それらの過程を経てようやく、広くユーザーへシステムを提供することができる。

以上のように、現状、ユーザーが IoT 導入に至るまでに、システムベンダー側では、ま

ずシステム開発にこぎ着けるまでの段階と、その後そのシステムを汎用化し、サービスイ

ンするまでの段階に多大な時間と費用を投下している。

図表Ⅳ-5 製品・サービスの開発プロセス模式図

注)矢印の線の太さは、それに要する手間・コストを示す。

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上記の課題を解決していくために、アンケート結果や勉強会、ヒアリングなどから考察

すると、下記のようなサポートを実施していくことが効果的であると思われる。

1つ目は、アイデアを具現化するための場の提供である。例えば、ユーザーのニーズの

収集については、コンサルタントやコーディネーターなどの中間組織により、ニーズとシ

ステムベンダー側の技術アセットをマッチングさせる仕組みや、IoT の導入に大きな影響を

持つユーザー側の経営者層(エグゼクティブ)に的を絞ったセミナーの開催などが挙げら

れる。また、システムベンダーの担当者を対象としたデータの表現・分析方法に関するセ

ミナーや、サービスインの段階における規制緩和に対する支援が考えられる。

2つ目の側面は、社会実装を進めていくためのサポートである。具体的には、ユーザー

側に対する、システムをお試しで短期間導入するための費用補助や、個別企業の課題解決

ではなく、より大きな課題を解決するためのユーザー側の同異業種によるエグゼクティブ

マッチング、ユーザー側が持つデータの共有ができるデータバンクの創設、開発費を削減

するためのセンサー機器のレンタル・リースなどの支援である。

図表Ⅳ-6 IoT 導入までに必要なサポート

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6.IoT 推進のためのネットワーク形成

前節で述べたように、九州において IoT を導入していくために求められるサポートは多

岐にわたるが、まずは課題解決やアイデアの具現化、サポートの充実を検討するために、

関係機関が集まる場を作ることが望まれる。この場は、IoT 技術の提供者と導入者、支援機

関の緩やかなネットワークによる IoT ビジネスを九州から創出していくことが目的である。

具体的には、IoT 技術提供者であるシステムベンダーやハードウエアベンダー、IoT 技術導

入者であるユーザー企業や自治体に加えて、両者をつなげて、全体のプロジェクトをコー

ディネートする存在としてのシステムインテグレーター、さらに、大学・高専や金融機関

等の支援機関でコミュニティを形成し、既に設置されている地方版 IoT 推進ラボとも連携

を図りつつ、IoT ビジネスの創出を目指す。

各関係機関が集う場では、課題解決を図りたい導入者(ニーズ)とソリューション提供

者(シーズ)のマッチングによるビジネス連携やプロジェクトの創出を図る。本コミュニ

ティで生まれたプロジェクトに対しては、支援機関による実証実験フィールドの提供や、

生産性向上や技術・商品開発に対する補助、資金支援等の支援メニューの活用により、同

プロジェクトのビジネス展開を促進する。

図表Ⅳ-7 九州における IoT 推進のためのネットワーク形成イメージ

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7.今後の取組・進め方

(1)九州 IoT コミュニティ(仮称)の設立

まず、2017 年度早期に前節で述べた IoT 技術の提供者と導入者、支援機関の緩やかなネ

ットワーク「九州 IoT コミュニティ(仮称)」を設立する。当面、九州経済産業局に事務局

を置き、活動が軌道に乗ったら民間団体への移行を検討する。

同コミュニティで想定される機能及び事業は以下のとおりである。

①先進事例の情報提供

セミナー、先進企業見学会、IoT 活用事例集等

②課題やアイデアを持ち寄り、自由に議論を交わしながら課題を解決しビジネスを創出

ニーズ・シーズ発表会によるビジネスマッチング、テーマ別研究会等

③実証実験フィールドの提供や技術開発補助金等による支援(国・自治体など)

自治体の実証実験フィールド提供の例

・福岡市能古島:セルラードローンによる宅配サービス実証(NTT ドコモ等)

・佐賀県:ドローンやウェアラブル端末によるIT農業実証実験(オプティム)

・宮崎市、宮崎県高千穂町:橋梁モニタリング実証実験(九州通信ネットワーク)

国の補助・委託事業の例

【経済産業省】

・IoT を活用した新ビジネス創出推進事業

・IoT を活用した社会システム整備事業

・IoT 推進のための新産業モデル創出基盤整備事業

・IoT を活用した社会インフラ等の高度化推進事業(スマート工場実証事業)

・IoT 推進のための横断的技術開発事業

・スマートものづくり応援隊

・サービス等生産性向上 IT 導入支援事業

・戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)

・商業・サービス競争力強化連携支援事業(新連携支援事業)

【総務省】

・IoT サービス創出支援事業

・オープンデータ等利活用推進事業

・医療・健康データ利活用基盤高度化事業

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④資金支援

金融機関やベンチャーキャピタル等による個別支援

⑤地方版 IoT 推進ラボとの連携

前述のとおり、九州地域には地方版 IoT 推進ラボとして、第1弾で5地域、第2弾で6

地域が選定され、各地で地域課題の解決を図る IoT ビジネス創出の取組が進展している。

当該地域内に課題解決を図るソリューションを提供する企業がいない場合、他地域の企業

に繋ぐ必要があり、また、実証実験エリアを拡大して実施したい場合など、ラボ間の連携

促進に取り組んで行くことが九州地域で IoT ビジネスを推進する上で効果的である。

(2)「第4次産業革命 実証ラボ」の整備・活用

第4次産業革命が急速に進展する中、九州地域のものづくりの強みを活かし、地域企業

がビジネスチャンスを見出していくため、2016 年度に一般財団法人九州地域産業活性化セ

ンター、一般財団法人九州産業技術センター及び九州経済産業局の主催により『九州地域

経済・産業活性化のための「IoT・第4次産業革命」研究会』を開催した。同研究会では、

①九州地域の製造業の第4次産業革命の推進、②製造設備のシステムインテグレーション

産業の創出・育成・強化推進、③製造業・システムインテグレーターのサービス化支援を

目的として、IoT・第4次産業革命を体験でき、かつ、企業人材の各層(経営者・技術系役

員・現場)の教育機能を備えた「第4次産業革命 実証ラボ」を九州地域に整備することが

提案された。

2017 年度には、実証ラボを具現化するために、運営体制、運営場所、運営方法、導入す

べき設備やソフトウェアの検討を行う予定であり、早期の機能整備を目指している。

地域中小企業への IoT 導入促進にあっては、IoT 体験による自社への関連技術の応用領域

の探索や検証ができ、人材育成も担う実証ラボの整備は非常に重要であり、早期の実現及

び「九州 IoT コミュニティ(仮称)」との積極的な連携・活用が望まれる。

(3)新たな支援メニューの創設

企業アンケートやヒアリング、勉強会で支援要望があった、①システムをお試しで短期

間導入するための費用に対する補助や、②開発費を削減するためのセンサー機器等のレン

タル・リースなどの支援については、新たな補助制度創設又は既存補助金の運用改善等を

経済産業本省等に提案・要望する。

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参考資料

資料編1.アンケート調査結果

資料編2.アンケート票

資料編3.勉強会開催概要と配布資料等

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資料編1.アンケート調査結果

(1)IT 技術提供企業側向けアンケート

(1)-1 調査概要

(1)調査対象:TSR((株)東京商工リサーチ)の企業データより選定した情報サービス産業の売上高上位 228 社

(ソフトウェア業及び情報処理・提供サービス業)及び九州各県の情報サービス産業関係団体会員。

(2)調査方法:九州経済調査協会より調査票を郵送にて送付し郵送又は FAX にて回収、及び九州経済産業局より

団体あてメールにて依頼し FAX 又はメールにて回収。

(3)調査日程:2016 年 11 月 15 日発送、2016 年 12 月 8 日までに到着したものを集計

(4)回収数:70 社

(1)-2 集計結果

Ⅰ.回答企業の概要

回答企業の売上高は、5億円未満が 30%、5億円以上 10 億円未満が 24%、10 億円以上 50 億円未満が 34%、50

億円以上が6%、無回答が6%であった。

回答企業の従業員数は、30 名以下が 23%、31~50 名が 16%、51~100 名が 30%、101~300 名が 23%、301

名以上が8%であった。

Ⅱ.貴社の事業について

(1)貴社のソリューションは、どのような分野を対象としていますか。

図表1-1 ソリューションの対象分野

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

41.4 

41.4 

37.1 

34.3 

22.9 

18.6 

15.7 

15.7 

14.3 

8.6 

8.6 

8.6 

4.3 

4.3 

4.3 

0.0 

22.9 

1.4 

製造業

卸売・小売

公務

医療

金融・保険

介護

電気・ガス・水道

教育

運輸

建設業

不動産

観光

農業

漁業

道路・港湾インフラ

林業

その他

無回答

0 10 20 30 40 50

N=70

複数回答

(%)

ソリューションの対象分野として、 も多い業種は「製造業」と「卸売・小売」であり、41.4%となってい

る。

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(2)貴社のソリューションは、どのようなニーズに対応しているものですか。(複数回答可)

図表1-2 ソリューションが対応するニーズ

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(3)貴社のソリューションが組み込まれている製品は、どのようなものですか。(複数回答可)

図表1-3 ソリューションが組み込まれている製品

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

82.9 

54.3 

41.4 

35.7 

25.7 

21.4 

2.9 

1.4 

業務効率化

情報活用

業務プロセス標準化

情報・プロセス統合

経営管理機能強化

事業・サービス創造

その他

無回答

0 20 40 60 80 100

N=70

複数回答

(%)

48.6 

44.3 21.4 

14.3 

11.4 

10.0 

8.6 

7.1 

5.7 

4.3 

4.3 

1.4 

1.4 

4.3 

4.3 

業務用端末

コンピューター周辺機器

通信設備機器

分析・計測機器

FA・産業用機器、設備

医療用機器

AV機器

教育機器

民生用通信機器

家電機器

娯楽機器

運輸機器

建設機器

その他

無回答

0 10 20 30 40 50 60

N=70

複数回答

(%)

提供企業が持つソリューションが対応しているニーズは、「業務効率化」が 82.9%と も多く、次に「情報

活用」が 54.3%となっている。

ソリューションが組み込まれている製品は、「業務用端末」が 48.6%と も多く、次に「コンピューター周

辺機器」が 44.3%となっている。

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(4)貴社のソリューションの中に、下記に記載したような機能はありますか。(複数回答可)

図表1-4 ソリューションが持つ機能

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

Ⅲ.貴社の IoT 事業に関して

(1)貴社の顧客は、IoT 導入についてどのように取り組んでいることが多いですか。(どれか1つ)

図表1-5 顧客側の IoT 導入状況

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

55.7 

31.4 

22.9 

5.7 

27.1 

データ取得

監視

制御

その他

無回答

0 20 40 60

N=70

複数回答

(%)

既に導入して

いる 8.6%

導入予定であ

る 7.1%

検討中である42.9%

導入予定はな

い17.1%

わからない20.0%

無回答 4.3%

N=70

ソリューションの機能として、「データ取得」機能を 55.7%、「監視」機能を 31.4%の提供企業が保有して

いる。

顧客側の IoT の取組状況については、「既に導入している」が 8.6%、「導入予定である」が 7.1%、「検討中

である」が 42.9%となっている。

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(2)導入する IoT ソリューションの要件を、顧客の誰が企画・提案することが多いですか(どれか1つ)

図表1-6 顧客側の IoT の企画・提案者

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(3)IoT の事業内容に関して伺います。

①IoT を活用した事業に取り組んでいますか。(どれか1つ)

図表1-7 IoT の取組状況

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

経営トップ7.1%

経営会議メン

バー 7.1%

IT担当役員7.1%

各事業部の事

業責任者22.9%各事業部のIT

責任者22.9%

その他11.4%

無回答21.4%

N=70

既に取り組ん

でいる 17.1%

開発中8.6%

検討中35.7%

取組予定はな

い34.3%

無回答4.3%

N=70

IoT ソリューションの要件に関して、顧客側において企画・提案しているのは、「各事業部の事業責任者」、

「各事業部の IT 責任者」が 22.9%と も多く、次に「経営トップ」、「経営会議メンバー」、「IT 担当役員」

が 7.1%となっている。

IoT を活用した事業に関して、「既に取り組んでいる」が 17.1%、「開発中」が 8.6%、「検討中」が 35.7%と

なっている。

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87

②前問において「1.既に取り組んでいる」、「2.開発中」、「3.検討中」と回答された方に伺います。

a)どのような IoT 事業に取り組んでいますか。

図表1-8 取り組んでいる IoT 事業

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

b)貴社の IoT ソリューションのテーマはどのようなものですか。(複数回答可)

図表1-9 IoT ソリューションの導入テーマ

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

67.4 

44.2 

30.2 

14.0 

7.0 

システム開発・構築

開発・運用提案

運用・保守

稼働後のコンサルティング

その他

0 20 40 60 80

N=43

複数回答

(%)

67.4 

55.8 

27.9 

18.6 

18.6 

9.3 

7.0 

業務効率化

情報活用

事業・サービス創造

業務プロセス標準化

情報・プロセス統合

経営管理機能強化

その他

0 20 40 60 80

N=43

複数回答

(%)

提供企業が取り組む IoT 事業は、「システム開発・構築」が 67.4%と も多く、次に「開発・運用提案」が

44.2%となっている。

IoT ソリューションのテーマとして、「業務効率化」が 67.4%と も多く、次に「情報活用」が 55.8%とな

っている。

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c)貴社の IoT ソリューションはどのような分野に提供可能ですか。(複数回答可)

図表1-10 IoT ソリューションが提供可能な分野

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

41.9 

25.6 

20.9 

14.0 

14.0 

11.6 

11.6 

9.3 

7.0 

7.0 

7.0 

4.7 

4.7 

4.7 

4.7 

2.3 

9.3 

7.0 

製造業

卸売・小売

医療

介護

公務

農業

電気・ガス・水道

運輸

建設業

道路・港湾インフラ

観光

漁業

金融・保険

不動産

教育

林業

その他

無回答

0 10 20 30 40 50

N=43

複数回答

(%)

IoT ソリューションが提供できる分野として、「製造業」が 41.9%と も多く、次に「卸売・小売」が 25.6%

となっている。

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d)貴社の IoT ソリューションについて可能な範囲で結構ですので具体的内容をご記入下さい。

図表1-11 IoT ソリューションの具体的内容

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

自由記入

・工場設備の見える化・IoT×M2M通信端末

・機器の情報管理、保守分析が行えるIOTプラットホーム(クラウドサービス)・機器の故障予知サービス ・IoTデザインセンター、POCサービス

節電センサーによるアスリート向けトレーニング機器、システム

スマートフォンによる観光アドバイス、インバウンド向け誘導のクラウド

IOT事象をサイネージシステムで見える化する。

ペーパーレス

医療現場での人の動きを監視

医療施設の受付業務

運輸業向け位置情報や運行に関する業務効率化を提供するシステム

屋内に設置した各種センサーから生活の異常をコンタクトセンターが検知し、関係先に連絡をして、家族を見守るシステムを提供

介護事業所の提供サービス、作業、情報等の自動記録

官公庁の窓口来庁者の動線分析システム等

橋梁インフラの老朽化に関するセンシングデータの収集・分析

工場内、作業現場へビデオカメラを設置し、録画された動画を解析して人の動き、溶接時間などの

情報を収集分析し、作業の効率化につなげる。

自治体向け滞納業務支援システムの提供等

製造業向けに温度・湿度など環境データを取得・分析するシステム

製造業向けに設備点検作業を効率化するシステムを提供

製造業向けに装置稼働状況などを監視するシステムを提供

製造業向けの移動監視システムの提供

大容量のIoTデータをまとめて情報活用に役立てる

電車、バスロケーションシステム

納品システム後の運用、保守などの監視

要介護者、独居老人、施設内介護に目的に応じた幾つかのセンサーを単独、或いは複数設置し情報をインターネットを通じ予め設定された端末に通知、情報蓄積を行う仕組み。

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90

(4)自治体等から提供されるオープンデータの活用について伺います。

①貴社にはオープンデータを活用しているソリューションはありますか。(どれか1つ)

図表1-12 オープンデータを活用しているソリューションの有無

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

②前問で「1.ある」、「2.開発中」、「3.検討中」と回答された方に伺います。どのようなオープンデータですか。

図表1-13 オープンデータの内容

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

ある4.3%

開発中 1.4%

検討中14.3%

ない77.1%

無回答2.9%

N=70

自由記入

各種地図データ(基盤地図等)

医療・介護施設データ

各種統計データ(指定統計等)

地価公示データ

気象データ

観光案内板設置データ

RESASの利用

学生データ(年齢、出身校、学部など)

公共サービス

国勢調査データ、国土地理院地図データ

人口移動データ

人口移動データとして画像処理にリンクする

不動産に関する統計データ

オープンデータを活用しているソリューションに関して、「ある」が 4.3%、「開発中」が 1.4%、「検討中」

が 14.3%となっている。

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91

(5)貴社は下記のデータを取得するソリューションの提供はありますか。提供実績の有無と対応の可否について、

「データの種類」毎に、該当するものいずれか1つに○をつけてください。

図表1-14 各データ取得のソリューション提供実績の有無と対応可否

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(6)IoT ソリューションを提供していく上で、ユーザー(顧客)のどこに課題を感じますか。(3つまで)

図表1-15 IoT を提供していく上でのユーザー(顧客)の課題

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(単位:社)

自社で対応

他社の協力

により対応

取組予定な

画像 10 5 6 26

磁気・GPS 9 1 7 28

温度 7 1 9 28

変位 5 0 3 33

加速度 5 1 4 32

電流 5 0 8 29

圧力 3 1 6 31

湿度 3 1 8 29

ひずみ 2 0 5 34

流量 2 0 7 31

ほこり 2 0 4 35

赤外線・紫外線・放射線 1 0 5 34

超音波 1 0 5 34

ガス 1 0 5 33

その他 1 0 2 32

密度 0 0 6 34

味覚 0 0 6 34

データの種類 実績あり

実績なし

47.1 

35.7 

31.4 

20.0 

18.6 

14.3 

4.3 

18.6 

データ活用方法に対するアイデア

データ分析に対するノウハウ

データ活用に対する全社的な理解・協力

IoT以前のITに対する社内の理解

データ収集に関するノウハウ

システム運用に関するノウハウ

その他

無回答

0 10 20 30 40 50

N=70

複数回答

(%)

データを取得するソリューションの提供に関して、「画像」の実績がある企業が 10 社と も多く、次に「磁

気・GPS」の実績がある企業が9社となっている。

IoT を提供していく上で、ユーザー(顧客)の課題として、「データ活用方法に対するアイデア」が 47.1%、

「データ分析に対するノウハウ」が 35.7%となっている。

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92

(7)IoT ソリューション事業を展開していく上で、必要となる技術について伺います。

①今後必要となる技術要素は何ですか。(3つまで)

図表1-16 IoT ソリューション事業で必要な技術

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

②前問でご回答いただいた技術要素の中で、具体的な内容をご記入下さい。

図表1-17 必要な技術要素の具体的内容

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

62.9 

41.4 

35.7 

32.9 

18.6 

10.0 

8.6 

4.3 

17.1 

データ分析

データセキュリティ

データ予測

データ収集

データ可視化

データ蓄積

データ転送

その他

無回答

0 20 40 60 80

N=70

複数回答

(%)

自由記入

・データ分析における機器ごとのAI(モデル ・データ予測 ・工場まるごとなどのトータルなデータセキュリティ

・収集データ自体のセキュリティ ・匿名化(個人が特定されないデータ収集方法)

AIや通信(VPN)などのセキュリティ

AIを利用した機械学習

アナログ、デジタル変換(対象者特有の波形を個別にデジタル化するロジック)

サイネージによる見える(見せる)化

スマートデバイスを活用し、収集したデータから分析する技術

セキュリティ、コンプライアンス

セキュリティと匿名データの限界

センサーから凡用規格を利用した通信、AIを活用したデータ分析

データアナリティクス(ディープラーニング等)

データ収集から可視化(結果出力)までをAiを絡めて実施(実現)する

データ収集における項目の自動認識(手書き文字の認識)

データ収集のノウハウ不足、分析力、セキュリティのリスク対策

データ分析・予測におけるディープラーニング

データ分析におけるAIを使った機械学習

データ分析におけるAIを使った機械学習、ディープラーニング等

ビッグデータ活用による傾向分析・予測

暗号化やネットワーク切断時の動作

画像(動画)データ量の圧縮技術

顔認識

橋梁インフラの老朽化に関するデータ分析、短期変動のないデータ分析(AI活用、マシンラーニング)

収拾したデータを安全に収集し、どう利活用するか。機会学習のアルゴリズムの適切な選定など。

収納データから滞納者になる予想

多岐に渡る

IoT ソリューション事業を展開していく上で、今後必要となる技術要素は、「データ分析」が 62.9%であり、

「データセキュリティ」が 41.4%となっている。

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93

(8)IoT ソリューションの導入を提案する中で、重要となる判断基準は何だと思いますか。(3つまで)

図表1-18 ソリューション導入の判断基準

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

Ⅳ.必要となる IoT 施策について

(1)今後、IoT ソリューションを提供していく上で、必要と感じる政策的なサポートはありますか。(3つまで)

図表1-19 IoT ソリューションを提供する上で必要なサポート

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

54.3 

52.9 

32.9 

30.0 

21.4 

8.6 

2.9 

15.7 

費用対効果

投資対効果

データセキュリティ

既存システムとの連携

運用・保守

稼働までの時間

その他

無回答

0 10 20 30 40 50 60

N=70

複数回答

(%)

41.4 

32.9 

30.0 

21.4 

21.4 

20.0 

15.7 

15.7 

14.3 

7.1 

1.4 

0.0 

0.0 

1.4 

15.7 

技術開発

情報提供・収集

人材育成

人材獲得

企業間連携

資金面

産学連携

ネットワーク形成

営業活動

特許・知財

信用面

人脈形成

経営相談

その他

無回答

0 10 20 30 40 50

N=70

複数回答

(%)

IoT ソリューションを導入する上で、重要となる判断基準は、「費用対効果」が 54.3%と も多く、次に「投

資対効果」が 52.9%となっている。

IoT ソリューションを提供する上で、必要と感じる政策的なサポートに関して、「技術開発」が 41.4%とな

っており、「情報提供・収集」が 32.9%となっている。

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(2)今後、IoT ソリューションを提供していく上で、どのようなネットワークがあれば良いと思いますか。(3つ

まで)

図表1-20 IoT ソリューションを提供する上で希望するネットワーク

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(3)ネットワークに関してのご意見がございましたら、ご記入ください。

図表1-21 ネットワークに関する意見

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

37.1 

30.0 

27.1 

24.3 

21.4 

20.0 

15.7 

5.7 

4.3 

18.6 

センサー等の個別のデバイスメーカー

システムを組み込むハードウェアメーカー

他のシステム・ソフトウェアベンダー

ソリューションを提案するコンサルタント等

産学連携を中心とした大学などの研究機関

既存ソリューションとは異なる業種のユーザー

データを保有する企業

既存ソリューションと同業種のユーザー

その他

無回答

0 10 20 30 40

N=70

複数回答

(%)

自由記入

まだ費用対効果が不明なところもあり、資金面での助成があればと思います

双方のニーズマッチングが簡単にできると良い

容易にIOTソリューション化ができるよう各分野で優れたサービスの実績等を検索しビジネスマッ

チングできるネットワークを利用したい。

IoT ソリューションを提供していく上で、希望するネットワークは、「センサー等の個別のデバイスメーカ

ー」が 37.1%と も多く、次に「システムを組み込むハードウェアメーカー」が 30.0%となっている。

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(4)現在、開発を進めている、もしくは実証してみたい分野とテーマがございましたら、具体的にご記入くださ

い。

図表1-22 現在、開発中もしくは実証したい分野とテーマ

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

40.0 

16.0 

12.0 

12.0 

8.0 

8.0 

8.0 

8.0 

8.0 

4.0 

4.0 

4.0 

0.0 

0.0 

0.0 

0.0 

12.0 

製造業

公務

農業

卸売・小売

道路・港湾インフラ

金融・保険

医療

教育

観光

建設業

不動産

介護

漁業

林業

電気・ガス・水道

運輸

その他

0 10 20 30 40 50

N=25

無回答を除く

複数回答

(%)

開発中もしくは、実証してみたい分野とテーマに関して、「製造業」が 40.0%であり、「公務」が 16.0%、「農

業」、「卸売・小売」が 12.0%となっている。

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図表1-23 開発中もしくは実証したい分野とテーマの具体的内容

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(5)IoT ソリューションを実証する上で、特区や規制緩和など希望する施策があれば、具体的にご記入下さい。 図表1-24 IoT ソリューションを実証する上で希望する施策

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

分野 テーマ農業 青果物の工場生産

農業分野の絞込みまで至っていませんが、AIによる画像認識とドローンを利用し

た監視システムができないかを検討中です。農業 LPWAを活用したIOTプラットフォーム

建設業 建設現場、製造現場の見える化

製造業工場内のあらゆる機材とインターネット環境を繋げて、工場全体の効率的な

稼働を実現するスマートファクトリーシステム製造業 工場内の生産性向上

製造業 製造設備からのデータ収集、生産性分析。生産管理システムへのデータ活用製造業 製造業向けに温度・湿度など環境データを取得・分析するシステム

製造業これまでに制作したICカードを用いた生産管理システムや通門管理システムのパッケージ化の推進

製造業 Beaconと設備点検データによる設備保全システム製造業 ISOレベル1とレベル3の間、すなわちレベル2のMESの構築製造業 サプライチェーンの改善

道路・港湾インフラ橋梁インフラのモニタリングシステム ひずみ・ひび割れ・変位・加速度などのセンシング

道路・港湾インフラ 建設現場、製造現場の見える化卸売・小売 物流の効率化

医療 医療(病院)の受付をロボット化

医療社員の健康情報をプライバシーを守りながら一元管理する生活習慣改善ソ

リューション

教育学生の就職に関するデータ。学業での専門知識と企業を結ぶネットワークシ

ステム教育 教育現場のICT化を支えるネットワークセキュリティソリューション

観光スマートフォンによる観光アドバイスインバウンド向け誘導クラウドのプラットフォーム開発

観光 観光客向けコンシェルジュシステム

公務スマートデバイスを利用し税金や公共料金等の債務データと預金等の債権データ連携による納付システム

公務 官公庁の窓口来庁者の動線分析システム公務 オープンデータを使った市民サービス

公務 滞納者データと滞納者の財産データを連携した財産自動差押システムその他 物流センターでのロボット機能、AI連携させたシステム

その他 節電センサーによるアスリート向けトレーニング機器、システム開発

自由記入

IoTに関するApiのオープンソース化

インターネット回線のセキュリティ確保、高速化、安価

インフラ等に対するセンサー設置基準等

センサーデータを自由にやり取りできるオープンネットワーク(フリー5G、自立分散型ネットワークなど)

ドローン機体の改造飛行禁止区域など

ドローン飛行、医療・介護データ(レセプト)のオープン化

官公庁の入札資格制度と規制緩和

行政(県、市町村)のIoT専門窓口の開設、相談窓口

補助金、関連事業者の紹介、産学連携

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97

(2)IT 技術導入企業側向けアンケート

(2)-1 調査概要

(1)調査対象:TSR の企業データより選定した九州に本社を有する、農業・林業・漁業・総合工事業・道路貨物

運送業・倉庫業・学習塾・病院・老人福祉・介護施設業のうち、各業種の売上高上位企業各 50

社程度、及び九州経済産業局が選定した製造業 60 社程度(規模大を主)・観光数社・小売業 20

社程度 全 560 社。

(2)調査方法:九州経済調査協会より調査票を郵送にて送付し、郵送又は FAX にて回収した。

(3)調査日程:2016 年 11 月 15 日発送、2016 年 12 月 8 日までに到着したものを集計

(4)回収数:138 社

(2)-2 集計結果

Ⅰ.回答企業の概要

回答企業の売上高は、5億円未満が 15%、5億円以上 10 億円未満が 5%、10 億円以上 50 億円未満が 28%、50

億円以上 100 億円未満が 16%、100 億円以上が 22%、無回答が 14%であった。

回答企業の主たる事業は、製造業 18.1%、建築・土木 12.3%、林業 10.9%、教育 8.7%、運輸8%、医療8%、

漁業 7.2%、介護 5.8%、卸売・小売 5.8%、農業 5.1%、観光 0.7%、その他サービス 5.8%、その他 15.2%、無回

答 1.4%であった。(複数回答可)

回答企業の従業員数は、30 名以下が 16%、31 名~50 名9%、51 名~100 名 12%、101 名~300 名 28%、301

名~500 名 17%、501 名~1000 名 11%、1001 名以上6%、無回答1%であった。

Ⅱ.貴社の IT 導入状況について

(1)導入しているソリューションは、どのようなニーズに対応しているものですか。

図表2-1 IT ソリューションが対応しているニーズ

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

80.4 

42.0 

36.2 

21.7 

13.0 

13.0 

5.1 

8.7 

業務効率化

情報活用

業務プロセス標準化

経営管理機能強化

事業・サービス創造

情報・プロセス統合

その他

無回答

0 20 40 60 80 100

N=138

複数回答

(%)

導入している IT ソリューションが対応しているニーズに関して、「業務効率化」が 80.4%、「情報活用」が

42.0%となっている。

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98

(2)導入しているソリューションと連携しているハードウェアは、どれですか。

図表2-2 IT ソリューションと連携するハードウェア

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(3)導入しているソリューションの中に、下記に記載したような機能はありますか。

図表2-3 ソリューションが持つ機能

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

73.9 

45.7 

23.9 

18.8 

9.4 

8.7 

8.7 

8.0 

5.8 

3.6 

2.2 

2.2 

0.7 

2.9 

6.5 

コンピューター周辺機器

業務用端末

通信設備機器

AV機器

分析・計測機器

運輸機器

FA機器、産業用機器

医療用機器

教育機器

家電機器

民生用通信機器

建設機器

娯楽機器

その他

無回答

0 20 40 60 80

N=138

複数回答

(%)

55.8 

28.3 

26.8 

5.1 

23.9 

データ取得

監視

制御

その他

無回答

0 10 20 30 40 50 60

N=138

複数回答

(%)

導入している IT ソリューションと連携しているハードウェアは、「コンピューター周辺機器」が 73.9%で

あり、「業務用端末」が 45.7%となっている。

ソリューションの機能として、「データ取得」機能を 55.8%、「監視」機能を 28.3%の導入企業側が保有し

ている。

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Ⅲ.貴社の IoT 導入に関して

(1)IT に対する投資に対して、どのようなお考えをお持ちですか。

図表2-4 IT 投資に対する今後の取組姿勢

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(2)導入する IT ソリューションの要件を、誰が企画・提案することが多いですか。

図表2-5 IT ソリューションの企画・提案者

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

非常に前向き

である 2.9%

前向きである42.0%

どちらとも言え

ない42.0%

後ろ向きであ

る3.6%

わからない2.9%

無回答6.5%

N=138

経営トップ26.8%

経営会議メン

バー 15.9%

IT担当役員3.6%

各事業部の事

業責任者21.0%

各事業部のIT

責任者21.0%

その他 5.1%

無回答 6.5%

N=138

IT への投資に対して、「非常に前向きである」が 2.9%、「前向きである」が 42.0%となっている。

IT ソリューションの要件の企画・提案を行うのは、「経営トップ」が 26.8%と も多く、次に「各事業部の

IT 責任者」、「各事業部の事業責任者」が 21.0%となっている。

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100

(3)「IoT(Internet of Things)」に関して伺います。

①「IoT(Internet of Things)」という言葉をご存知ですか。

図表2-6 「IoT(Internet of Things)」 の認知度

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

②IoT を活用した事業に取り組んでいますか。

図表2-7 IoT を活用した事業の取組予定

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

知っている64.5%

知らない34.8%

無回答0.7%

N=138

取り組んでい

る 8.7%

開発中 2.9%

検討中30.4%

取組予定はな

い56.5%

無回答1.4%

N=138

「IoT(Internet of Things)」という言葉を「知っている」企業は 64.5%であり、「知らない」の 34.8%を

上回っている。

IoT を活用した事業に関して、「取り組んでいる」が 8.7%、「開発中」が 2.9%、「検討中」が 30.4%となっ

ている。

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③前問において「1.取り組んでいる」、「2.開発中」、「3.検討中」と回答された方に伺います。

a)貴社における IoT ソリューションのテーマはどのようなものですか。

図表2-8 IoT ソリューションのテーマ

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

b)貴社における IoT ソリューションの導入はどのような分野をターゲットとしたものですか。

図表2-9 IoT ソリューションのターゲットとする分野

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

74.1 

51.7 

36.2 

25.9 

20.7 

15.5 

3.4 

業務効率化

情報活用

経営管理機能強化

業務プロセス標準化

事業・サービス創造

情報・プロセス統合

その他

0 20 40 60 80

N=58

複数回答

(%)

24.1 

15.5 

13.8 

12.1 

10.3 

10.3 

8.6 

8.6 

8.6 

3.4 

3.4 

1.7 

1.7 

1.7 

0.0 

0.0 

3.4 

1.7 

製造業

建設業

介護

農業

運輸

教育

漁業

卸売・小売

医療

林業

電気・ガス・水道

道路・港湾インフラ

金融・保険

不動産

観光

公務

その他

無回答

0 5 10 15 20 25 30

N=58

複数回答

(%)

IoT ソリューションのテーマとして、「業務効率化」が 74.1%であり、「情報活用」が 51.7%となっている。

IoT ソリューションのターゲットとする分野は、「製造業」が 24.1%と も多く、次に「建設業」が 15.5%

となっている。

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102

c)貴社の IoT ソリューションについて、可能な範囲で結構ですので、具体的内容をご記入下さい。

図表2-10 IoT ソリューションの具体的内容

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

自由記入

顧客に向けた情報提供、販売促進に繋げるアプリ導入準備中

農場内の生産ラインの監視システム

パソコン画面より架電しマイクロフォン通話

業界で利用する事がメジャーになった際、導入する予定

森林の資源情報の管理、運用

ICT活用

工場内の機械設備のネットワーク連携&生産管理システムによるリアルタイムでの監視・制御・

データ共有化

設備の稼働状況監視

施設園芸における環境測定設置、畜産における家畜監視装置等

設備の稼働状況を監視するシステムの導入

臨床部門に対し、更なる医療情報の共有と効率化を目指し、患者の状況を確認できるシステムの導入

事業所間のVPN LANの導入

朝礼、打合せの為、TV会議

部署間又は特定のグループ、個人対個人で、情報共有及びチャット機能によるリアルタイムの会話が可能なシステムを導入

自動化生産設備

製品稼働監視等

水産用自動製氷設備の氷販売、設備稼働状況のリアルタイム「把握」

職員の介護業務による負担軽減と業務効率化

・インフラ設備の監視、制御システム ・高齢者向け介護サービスetc

構内の出入口に防犯カメラを設置しモニターで監視している

現場の状況等を監視するシステム

製造業向けに装置稼働状況などを監視するシステムを導入

産業用ポンプ監視システムへの導入等

建物全体の空調の使用量をリアルタイムで計算して、設定した電力の最大使用量を超えないよう運転

を調整

半導体製造装置の稼働状況を監視するシステムの検討

養鶏農家(事業者)向けに、鶏や鶏舎内の状況を監視する仕組みの検討

赤外線センサーを用いた入店状況の把握や駐車場利用状況の確認。外商係員のタブレット端末携行に

よる、商品提案。

生産管理システム

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103

④貴社において導入した IoT ソリューションを外販していく予定はありますか。

図表2-11 導入した IoT ソリューションの外販予定

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(4)自治体等から提供されるオープンデータの活用について伺います。

①貴社は事業の中でオープンデータを活用していますか。

図表2-12 オープンデータの活用について

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

ある2.2%

ない60.1%

検討中2.2%

わからない27.5%

無回答8.0%

N=138

活用している20.3%

開発中 0.0%

検討中5.1%

ない73.2%

無回答1.4%

N=138

導入した IoT ソリューションの外販予定に関して、予定が「ある」が 2.2%、「ない」が 60.1%、「検討中」

が 2.2%となっている。

オープンデータを「活用している」企業は 20.3%、「検討中」の企業は 5.1%となっている。

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②前問で「1.活用している」もしくは「2.開発中」、「3.検討中」と回答された方に伺います。どのようなオー

プンデータを活用していますか。(自由回答)

図表2-13 活用しているオープンデータの種類

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

自由記入

気象データ

DPCデータ

・各種申請書式 ・気象データ

・地図関係データ ・航空写真(過去の分含めて)

・登記情報 ・地図データ

登記情報

人口動態等

人口・各種統計データ

人口移動データ

人口動態

人口動態、医療分析

地図、GPS情報

オープンにされている全てのデータ

ハザードマップ

公共施策等のデータ

厚生労働省DPC公開データ

災害時における避難場所

山林のGPS

森林計画データ

林業に関する統計資料など

児童数データ等

受診率やマーケット調査等

宿泊、または日帰りの総入れ込み人数

法人向け情報収集

活用したいと思ってはいるが、まだこれからの段階

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105

(5)自社保有データを社外提供している事例はありますか。

図表2-14 自社保有データの社外提供

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(6)他社が保有しているデータを自社事業に活用している事例はありますか。

図表2-15 他社保有データの自社事業への活用

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

ある 20.3%

検討中 1.4%

ない76.8%

無回答1.4%

N=138

ある16.7%

開発中 0.7%

検討中5.1%

ない75.4%

無回答2.2%

N=138

自社保有データの社外提供に関して、事例が「ある」企業は 20.3%であり、「検討中」が 1.4%となってい

る。

他社が保有しているデータの自社事業への活用に関して、事例が「ある」企業は 16.7%であり、「開発中」

が 0.7%、「検討中」が 5.1%となっている。

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106

(7)貴社独自でセンサー等を用いて下記のデータを取得していますか。取得している場合は、「データの種類」毎

に、該当するものいずれか1つに○をつけてください。

図表2-16 取得しているデータ種類

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(単位:社)

データの種類取得しており、常に事業活動に

活用している

取得しており、可視化はしてい

取得しているが、活用してい

ない

画像 17 10 3

温度 11 6 0

電流 11 4 0

湿度 11 6 0

磁気・GPS 8 2 0

流量 5 5 0

赤外線・紫外線・放射線 5 1 0

圧力 4 4 1

ガス 3 1 0

その他 3 0 0

加速度 2 1 0

ひずみ 2 1 0

超音波 2 2 0

味覚 2 0 0

密度 1 1 0

変位 0 0 0

ほこり 0 0 0

取得しているデータの種類に関して、「画像」データを取得している企業が 17 社と も多く、次に「温度」、

「電流」、「湿度」のデータを取得している企業が 11 社となっている。

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107

(8)今後、企業など組織の枠組みを超えて、お互いのデータを利活用しあうことが必要だと思いますか。

図表2-17 企業間、組織間でのデータの相互利用について

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(9)IoT ソリューションを導入していく上で、課題となることは何ですか。(3つまで)

図表2―18 IoT ソリューション導入の課題

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

必要である31.2%

必要だとは思

わない 10.1%

わからない52.9%

無回答5.8%

N=138

40.6 

39.1 

38.4 

34.1 

31.9 

30.4 

4.3 

9.4 

システム運用に関するノウハウ

データ活用方法に対するアイデア

IoT以前のITに対する社内の理解

データ活用に対する全社的な理解・協力

データ分析に対するノウハウ

データ収集に関するノウハウ

その他

無回答

0 10 20 30 40 50

N=138

複数回答

(%)

企業間や組織間でのデータの相互利用について、「必要である」が 31.2%となっており、「必要だとは思わ

ない」10.1%を上回っている。

IoT ソリューションを導入していく上での課題は、「システム運用に関するノウハウ」が 40.6%と も多く、

次いで「データ活用方法に対するアイデア」が 39.1%となっている。

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108

(10)IoT ソリューションへの投資を進めていく上で、重要となる判断基準は何ですか。(3つまで)

図表2―19 IoT ソリューションの投資の判断基準

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

Ⅳ.必要となる IoT 施策について

(1)今後、IoT ソリューションを導入していく上で、必要と感じる政策的なサポートはありますか。(3つまで)

図表2-20 IoT ソリューション導入に必要な政策的サポート

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

72.5 

47.8 

37.0 

30.4 

29.0 

0.7 

2.9 

8.7 

費用対効果

データセキュリティ

既存システムとの連携

運用・保守

投資対効果

稼働までの時間

その他

無回答

0 20 40 60 80

N=138

複数回答

(%)

45.7 

32.6 

31.9 

30.4 

22.5 

15.2 

10.9 

8.0 

8.0 

5.1 

2.2 

2.2 

2.2 

2.2 

10.1 

情報提供・収集

資金面

人材育成

技術開発

人材獲得

ネットワーク形成

企業間連携

営業活動

産学連携

信用面

人脈形成

特許・知財

経営相談

その他

無回答

0 10 20 30 40 50

N=138

複数回答

(%)

IoT ソリューションへの投資の重要な判断基準に関して、「費用対効果」が 72.5%となっており、「データセ

キュリティ」が 47.8%となっている。

IoT ソリューションを導入するために、必要な政策的サポートは、「情報提供・収集」が、45.7%となって

おり、「資金面」が 32.6%となっている。

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109

(2)今後、IoT ソリューションを導入していく上で、どのようなネットワークがあれば良いと思いますか。(3つ

まで)

図表2-21 IoT ソリューション導入に必要なネットワーク

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(3)現在、開発を進めている、もしくは実証してみたい分野とテーマはどのようなものがありますか。もしござ

いましたら、具体的にご記入下さい。

図表2-22 現在、開発中もしくは実証したい分野とテーマ

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

44.2 

29.7 

29.7 

14.5 

13.0 

12.3 

10.1 

8.0 

2.9 

15.2 

ソリューションを提供するシステム・ソフトウェアベンダー

ソリューションを提案するコンサルタント等

類似課題を持つ同業者

産学連携を中心とした大学などの研究機関

類似課題を持つ異業種

データを保有する企業

資材・サービスなどの調達先

製品・サービスの販売先

その他

無回答

0 10 20 30 40 50

N=138

複数回答

(%)

23.1 

17.9 

15.4 

12.8 

10.3 

7.7 

7.7 

5.1 

5.1 

2.6 

2.6 

2.6 

0.0 

0.0 

0.0 

0.0 

7.7 

林業

漁業

教育

製造業

運輸

卸売・小売

医療

農業

介護

建設業

電気・ガス・水道

観光

道路・港湾インフラ

金融・保険

不動産

公務

その他

0 5 10 15 20 25

N=39

無回答を除く

複数回答

(%)

IoT ソリューションの導入に必要なネットワークは、「ソリューションを提供するシステム・ソフトウエア

ベンダー」が、44.2%と も多く、次に「ソリューションを提供するコンサルタント等」、「類似課題を持つ

同業者」が 29.7%となっている。

開発中もしくは、実証してみたい分野とテーマに関しては、「林業」が 23.1%であり、「漁業」が 17.9%と

なっている。

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110

図表2-23 開発中もしくは実証したい分野とテーマの具体的内容

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

分野 テーマ

農業温湿度センサーや画像情報と気象データ等との連携による鶏の飼養管理支援のための仕組み

農業IOTと言えるかわからないが、各種センサー技術を活用した斃死鶏発見や腐

廃卵発見などの品質向上のための仕組み。

漁業 尾数単位での正確な原価算定を目的とした養殖魚管理ソフトの開発

漁業GPS等との連携により、リアルタイムな潮流の流れ、海水温等の漁業者及び船舶者事業社等への安易な情報提供

漁業 海水温データ漁業 漁獲量と氷販売量の比較

漁業 観測用ブイとGPSの連携による潮流調査漁業 生産者ごとの養殖魚生産管理システム

林業 炭釜内の温度差をなくす温度管理システム

林業森林所有者データと森林管理状況、航空映像等を連携させたトータル的な情報集約

林業 GISと森林簿データ及び地籍データとのリンク製造業 熟練技能者(特に溶接・仕上げ)の技能伝承技術の可視化による技能伝承

製造業 プロセスチェック

製造業 ポンプ遠隔監視システム 人不足の為、現場にてIOT活用が急務製造業 製材品管理、分析

電気・ガス・水道 インフラ設備の予防診断システム

運輸 ギフト品の調達から受注、配送までの一元管理運輸 災害情報、道路状況等との連携による輸送管理

卸売・小売 識別タグを活用した、物流コスト削減卸売・小売 顧客買上げ情報分析による、新たなアプローチ手段の構築

医療個人の医療データを各病院が共有できるシステム(ムダな検査と薬をなく

す)医療 患者のバイタル情報

介護 予防、医療、介護にかかる日常から施設内でのデータの見える化

教育 地域マーケティング強化

教育・センサーを駆使して各教室エアコン照明を自動で調整できるシステム

・授業でチョークがいらない電子黒板を各教室に設置。書き込んだ内容はデータが取れるため、教育の充実を図ることが出来る

教育 何に使えるのか?教育 少子化対応システム

観光 人工知能を使った電話応対や対面での受け答えその他 ロボット

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111

(3)IT 技術導入自治体向けアンケート

(3)-1 調査概要

(1)調査対象:人口 5,000 人以上の 212 市町村を選定。

(2)調査方法:九州経済調査協会より調査票を郵送にて送付し、郵送又は FAX にて回収した。

(3)調査日程:2016 年 11 日 15 発送、2016 年 12 月 8 日までに到着したものを集計

(4)回収数:88 自治体

(3)-2 集計結果

Ⅰ.回答自治体の概要

九州各県の 88 自治体より回答があった。

Ⅱ.貴自治体における IoT に対する認識

(1)「IoT(Internet of Things)」という言葉をご存知ですか。

図表3-1 「IoT(Internet of Things)」の認知度

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(2)従来の IT や ICT と「IoT(Internet of Things)」という言葉の違いをご存じですか。

図表3-2 IT や ICT と「IoT(Internet of Things)」の違いについて

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

知っている81.8%

知らない17.0%

無回答1.1%

N=88

知っている75.0%

知らない23.9%

無回答1.1%

N=88

IoT(Internet of Things)という言葉に関して、「知っている」が 81.8%であり、「知らない」の 17.0%を

大きく上回っている。

IT や ICT と IoT の違いについて、「知っている」が 75.0%であり、「知らない」が 23.9%となっている。

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112

Ⅲ.貴自治体における IoT に対する取組など

(1)行政運営の効率化や住民サービスの向上等を目的として、行政内外の枠を超えたデータの利活用に取り組ん

でいますか。

図表3-3 行政内外の枠を超えたデータの利活用について

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(2)行政運営の効率化や住民サービスの向上等が達成される場合に、貴自治体が保有する未公表データを企業等

に提供している事例はありますか。

図表3-4 保有する未公表データを企業等に提供している事例の有無

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

取り組んでい

る 8.0%

検討中15.9%

取り組んでい

ない76.1%

N=88

ある 3.4%

ない95.5%

無回答1.1%

N=88

行政内外の枠を超えたデータの利活用に関して、「取り組んでいる」が 8.0%、「検討中」が 15.9%、「取り組

んでいない」が 76.1%となっている。

保有する未公表データを企業等に提供している事例に関して、「ある」が 3.4%、「ない」が 95.5%となって

いる。

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113

(3)今後、行政運営の効率化や住民サービスを向上させていく上で、どのように保有するデータの利活用を進め

ていきたいとお考えですか。

図表3-5 保有するデータの今後の利活用について

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(4)IoT ソリューションを導入していく上で、課題となることは何ですか。(3つまで)

図表3-6 IoT ソリューションを導入する上での課題

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

既存の取組を

加速化・多角

化させたい20.5%

新規で取り組

みたい15.9%現状維持で取

り組みたい46.6%

取組は縮小し

ていきたい0.0%

その他13.6%

無回答3.4%

N=88

65.9 

58.0 

43.2 

33.0 

30.7 

14.8 

3.4 

3.4 

データ活用に対する全庁的な理解・協力

データ活用方法に対するアイデア

IoT以前のITに対する庁内の理解

システム運用に関するノウハウ

データ分析に対するノウハウ

データ収集に関するノウハウ

その他

無回答

0 20 40 60 80

N=88

複数回答

(%)

今後、どのように保有するデータを利活用するかについては、「既存の取組を加速化・多角化させたい」が、

20.5%、「新規で取り組みたい」が 15.9%、「現状維持で取り組みたい」が 46.6%となっている。

IoT ソリューションを導入する上で課題となるのは、「データ活用に対する全庁的な理解・協力」が 65.9%

と も多く、次いで「データ活用方法に対するアイデア」が 58.0%となっている。

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114

(5)IoT ソリューションの導入を進めていく上で、重要となる判断基準は何ですか。

図表3-7 IoT ソリューションを導入する上での判断基準

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

Ⅳ.必要となる IoT 施策について

(1)今後、IoT ソリューションの導入を進めていく上で、必要と感じる政策的なサポートについて伺います。

①IoT ソリューションの提供企業となりうる立地企業や事業所に対して、実施したい施策はありますか。(3つま

で)

図表3-8 IoT ソリューションの提供企業に対して実施したい施策

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

81.8 

59.1 

47.7 

42.0 

25.0 

2.3 

2.3 

3.4 

費用対効果

データセキュリティ

既存システムとの連携

運用・保守

投資対効果

稼働までの時間

その他

無回答

0 20 40 60 80 100

N=88

複数回答

(%)

46.6 

23.9 13.6 

12.5 

11.4 

8.0 

6.8 

6.8 

6.8 

3.4 

3.4 

0.0 

0.0 

18.2 

21.6 

情報提供・収集

産学連携

ネットワーク形成

技術開発

人材育成

企業間連携

人脈形成

資金面

信用面

営業活動

人材獲得

特許・知財

経営相談

その他

無回答

0 10 20 30 40 50

N=88

複数回答

(%)

IoT ソリューションを導入する上で重要な判断基準となるのは、「費用対効果」が 81.8%と も多く、次い

で「データセキュリティ」が 59.1%となっている。

IoT ソリューションの提供企業に対して実施したい施策は、「情報提供・収集」が 46.6%、「産学連携」が

23.9%となっている。

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115

②IoT ソリューションの導入企業側となりうる立地企業や事業所に対して、実施したい施策はありますか。(3つま

で)

図表3-9 IoT ソリューションの導入企業側に対して実施したい施策

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(2)貴自治体において IoT ソリューションに関する実証実験などを行ってみたいと思いますか。

図表3-10 IoT ソリューションの実証実験などの取組について

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

47.7 

17.0 14.8 

12.5 

10.2 

10.2 

6.8 

3.4 

2.3 

1.1 

1.1 

0.0 

0.0 

17.0 

23.9 

情報提供・収集

産学連携

ネットワーク形成

人材育成

技術開発

企業間連携

人脈形成

資金面

信用面

営業活動

人材獲得

特許・知財

経営相談

その他

無回答

0 20 40 60

N=88

複数回答

(%)

取り組んでい

る 1.1%

検討中10.2%

取り組む予定

はない46.6%

わからない40.9%

無回答1.1%

N=88

IoT ソリューションの導入企業側に対して実施したい施策は、「情報提供・収集」が 47.7%、「産学連携」が

17.0%となっている。

IoT ソリューションに関する実証実験などの取組について、「取り組んでいる」が 1.1%、「検討中」が 10.2%、

「取り組む予定はない」が 46.6%となっている。

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116

(3)貴自治体において、IoT を活用したシステムを導入・実証してみたいと思われる分野やテーマはありますか。

もしございましたら、具体的にご記入ください。

図表3-11 IoT を導入・実証してみたい分野やテーマ

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

43.8 

31.3 

31.3 

18.8 

18.8 

18.8 

12.5 

6.3 

6.3 

6.3 

6.3 

0.0 

0.0 

0.0 

0.0 

0.0 

0.0 

56.3 

農林水産

消防・警察

観光

福祉

建設・土木

商工

住民サービス

管理

経理・財務

管財

環境整備

企画

総務

人事

広報

都市計画

教育

その他

0 20 40 60

N=16

無回答を除く

複数回答

(%)

IoT を活用したシステムを導入・実証してみたい分野やテーマは、「農林水産」が 43.8%と も多く、次い

で「消防・警察」、「観光」の 31.3%となっている。

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117

図表3-12 IoT を導入・実証してみたい分野やテーマの具体的内容

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

(4)IoT を導入・実証する場合、特区や規制緩和など取り組んでいきたい施策があれば、具体的にご記入くださ

い。 図表3-13 IoT を導入・実証する場合、取り組みたい施策

資料)九州経済産業局「IoT 推進に関するアンケート調査」(2016 年)

分野 テーマ

管理 上水メーター検針

住民サービススマートメータとタブレット、スマホ連携による住民生活支援 ①安全・安心:見守り、緊急通報 ②買い物難民対策:宅配

住民サービス トイレにセンサーを設置し、健康状態を表示したい。

福祉 多職種連携による地域包括ケア

福祉産業支援、人手不足対策(介護) ①介護作業の負担軽減:匂い検知・徘徊

検知

福祉 子育て支援 ①育児ノウハウ ②異常時の相談相手 ③教育サポート

環境整備地方自治体の公共サービス支援 ①交通:コミュニティバスor uber ②コミュニティ活動:双方向イベント通知

建設・土木 市道の管理、修繕用データ収集

建設・土木 道路の地下の陥没状況調査

消防・警察 災害対応、要支援者の位置把握、インフル被害の把握

消防・警察 山崩れ等の土砂災害予兆を観測するシステム(センサー活用)

消防・警察 環境センサーを活用した斜面地の危険度を感知するシステム

消防・警察 水害に備えた危険地域の監視

農林水産 金魚の養殖方法に関するデータの収集、および蓄積、利活用

農林水産 甑島における海面変動(あびき)

農林水産 極小エリアの気象データ、収穫作業の労力軽減

農林水産・ドローンによる森林資源調査・下草刈等の施業ロボット(プロトタイプ)開発

農林水産 イノシシ、シカ等の有害鳥獣の被害防止のための監視システム

農林水産 IoT等を活用した鳥獣被害対策

商工 起業に関する事

商工 地元住民の消費動向を分析するシステム

商工産業支援、人材不足対策(食品製造業) ①短期求人マッチング:ワークシェア ②ワークシェア用のウェアラブルグラスで初期OJT支援

観光 文化財、歴史とVR、ARとの連携によるお金の落ちるシステム及び企業誘致

観光 ニーズの把握

観光 観光客の動行データを蓄積し分析するシステム

観光観光客の行動パターン行動予測等のマーケティングに資するデータの収集、分析

観光 温泉の保護と活用(発電)を両立するための温度センサーの活用

その他 腕時計型デバイスによるバイタルデータ(主に血圧)の分析、活用、取得

その他 LPWAによるIoTインフラの実証

その他 自動運転車によるオンデマンド交通

自由記入

IoTの為のLPWAネットワーク整備とパーソナルモビリティ特区

災害時通信特区

ドローン飛行

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118

資料編2.アンケート票

(1)アンケート趣意書

平成 28 年 11 月 14 日

各 位

経済産業省九州経済産業局

地域経済部情報政策課

IoT 推進に関するアンケート調査ご協力のお願い

日頃から経済産業施策に、ご理解・ご協力いただきありがとうございます。

世界では現在、「第4次産業革命」とも呼ぶべき IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)、ロボット等による技術革新

が、従来にないスピードとインパクトで進行しています。

このような中、我が国は、新たな情報技術がもたらす大変革の先陣を切り、次世代の産業構造への転換を図り、

新ビジネスの創出、様々な社会的な課題の解決を目指しています。 経済産業省では、昨年 10 月に設立された「IoT 推進コンソーシアム」の下、「IoT 推進ラボ」を設置し、先進的な

個別の IoT プロジェクトを発掘・選定し、企業連携・資金・規制の面から支援するとともに、大規模社会実装に向

けた規制改革・制度形成等の環境整備を行うこととしています。 このような中、九州経済産業局では、IoT 施策の普及啓発・推進に取り組んでおり、今年度、九州における IoT

推進による社会課題の解決と産業競争力強化を目的とした調査(※注1)を行い、必要な施策を検討することとしてい

ます。

このたび、本調査の一環として、九州管内の主な企業及び自治体に対し、IoT 技術の導入や提供、課題等を把握

するための、アンケート調査を実施することとしました。 ご回答いただいたアンケートにつきましては、施策立案に資するとともに、必要に応じてヒアリングにより内容

を補完し、他の企業等が参考とできるものについて事例集としてとりまとめることとしています。

何かとお忙しいところ恐縮ではございますが、アンケート調査等にご協力いただきたく、何卒宜しくお願いいた

します。

ご回答につきましては、平成 28 年 12 月 2 日(金)までに、同封の返信用封筒または FAX でご送付お願いいたし

ます。

本調査に関するご質問等がございましたら、以下までご連絡をお願いします。 ※注 1:調査名「IoT 推進のためのシステムインテグレーション・ネットワーク構築に係る調査」

※注 2:本調査については、当局より委託を受けた公益財団法人九州経済調査協会がとりまとめます。

※注 3:回答頂いたアンケート内容は本調査の目的のみに使用し、社名・個票を対外的に公表することはございま

せん。

<お問い合わせ先>

【調査票の内容・記入方法など詳細に関すること】

公益財団法人九州経済調査協会 調査研究部

担当:○○、○○、○○ TEL:○○

【本調査事業の趣旨に関すること】

九州経済産業局 地域経済部 情報政策課

課長 ○○、 担当:○○、○○ TEL:○○

-以 上-

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119

(2)IT 技術提供企業側向けアンケート

貴社名と概要、ご回答者の方のご連絡先をご記入ください。

貴 社 ( 貴 所 ) 名

売 上 高 百万円 ( 年度)

従 業 員 数 (正社員) 人 (うち SE) 人

回 答 者 様

ご 連 絡 先

氏名:

部署:

TEL: FAX:

E-mail:

以下の質問について、該当する番号に○、または具体的内容のご記入をお願いします。

(1)貴社のソリューションは、どのような分野を対象としていますか。(複数回答可)

(2)貴社のソリューションは、どのようなニーズに対応しているものですか。(複数回答可)

IoT 推進に関するアンケート調査(IT 技術等提供者向け)

<ご記入にあたって>

1.本アンケート調査の目的は、九州における IoT(Internet of Things)を活用した新たなビジネス展開を支援するため、

皆さまの現時の事業環境や今後の展望を伺い、必要な施策を検討することにあります。

2.調査結果については、経済産業省九州経済産業局より委託を受けた公益財団法人九州経済調査協会がとりまとめ

ます。調査結果は本調査の目的のみに使用し、社名・個票を対外的に公表することはございません。

3.ご回答は平成 28 年 12 月 2 日(金)までに同封の返信用封筒または FAX でご送付をお願いします。

4.本アンケート調査に関するご質問等がございましたら、以下までご連絡をお願いします。

【調査内容に関すること】 公益財団法人九州経済調査協会 調査研究部 担当:○○、○○、○○

TEL:○○ FAX:○○

【調査趣旨に関すること】 九州経済産業局 地域経済部 情報政策課 担当:○○、○○

TEL:○○

Ⅰ.貴社の概要

Ⅱ.貴社の事業について

1. 農業 2. 漁業 3. 林業 4. 建設業 5. 製造業

6. 電気・ガス・水道 7. 道路・港湾インフラ 8. 運輸 9. 金融・保険 10. 不動産

11. 卸売・小売 12. 医療 13. 介護 14. 教育 15. 観光

16. 公務 17.その他( )

1.事業・サービス創造 2. 業務プロセス標準化 3. 業務効率化

4. 情報・プロセス統合 5. 情報活用 6. 経営管理機能強化

7. その他( )

Page 124: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

120

(3)貴社のソリューションが組み込まれている製品は、どのようなものですか。(複数回答可)

(4)貴社のソリューションの中に、下記に記載したような機能はありますか。(複数回答可)

※ 本調査は、データを収集・分析し、より効率的で効果的なサービス提供を目指す IoT を活用した取り組みを対象

としています。

(1)貴社の顧客は、IoT 導入についてどのように取り組んでいることが多いですか。(どれか1つ)

(2)導入する IoT ソリューションの要件を、顧客の誰が企画・提案することが多いですか。(どれか1つ)

(3)IoT の事業内容に関して伺います。

①IoT を活用した事業に取り組んでいますか。(どれか1つ)

②前問において、「1.既に取り組んでいる」、「2.開発中」、「3.検討中」と回答された方に伺います。

a)どのような IoT 事業に取り組んでいますか。(複数回答可)

b)貴社の IoT ソリューションのテーマはどのようなものですか。(複数回答可)

c)貴社の IoT ソリューションはどのような分野に提供可能ですか。(複数回答可)

d)貴社の IoT ソリューションについて、可能な範囲で結構ですので、具体的内容をご記入下さい。

(4)自治体等から提供されるオープンデータの活用について伺います。

①貴社にはオープンデータを活用しているソリューションはありますか。(どれか1つ)

1. AV 機器 2. 家電機器 3. 教育機器 4. 娯楽機器

5. コンピューター周辺機器 6. 業務用端末 7. 民生用通信機器 8. 通信設備機器

9. 運輸機器 10. 建設機器 11 FA・産業用機器、設備 12. 医療用機器

13. 分析・計測機器 14. その他( )

1. 監視 2. 制御 3.データ取得 4.その他( )

Ⅲ.貴社の IoT 事業に関して

1. 既に導入している 2. 導入予定である 3. 検討中である

4. 導入予定はない 5. わからない

1. 経営トップ 2. 経営会議メンバー 3. IT 担当役員

4. 各事業部の事業責任者 5. 各事業部の IT 責任者 6. その他( )

1. 既に取り組んでいる 2. 開発中 3. 検討中 4. 取組予定はない

1. 開発・運用提案 2. システム開発・構築

3. 運用・保守 4. 稼働後のコンサルティング

5. その他( )

1.事業・サービス創造 2. 業務プロセス標準化

3. 業務効率化 4. 情報・プロセス統合

5. 情報活用 6. 経営管理機能強化

7. その他( )

1. 農業 2. 漁業 3. 林業 4. 建設業 5. 製造業

6. 電気・ガス・水道 7. 道路・港湾インフラ 8. 運輸 9. 金融・保険 10. 不動産

11. 卸売・小売 12. 医療 13. 介護 14. 教育 15. 観光

16. 公務 17. その他( )

例:製造業向けに装置稼働状況などを監視するシステムを提供 等

1. ある 2. 開発中 3. 検討中 3. ない

Page 125: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

121

②前問で「1.ある」、「2.開発中」、「3.検討中」と回答された方に伺います。

どのようなオープンデータですか。(自由記入)

(5)貴社は下記のデータを取得するソリューションの提供はありますか。

提供実績の有無と対応の可否について、「データの種類」毎に、該当するものいずれか1つに○をつけてください。

データの種類 実績あり 実績なし

自社で対応可 他社の協力により対応可 取組予定なし

画像

赤外線・紫外線・放射線

超音波

磁気・GPS

変位

加速度

ひずみ

圧力

温度

湿度

流量

密度

電流

ガス

ほこり

味覚

その他( )

(6)IoT ソリューションを提供していく上で、ユーザー(顧客)のどこに課題を感じますか。(3つまで)

(7)IoT ソリューション事業を展開していく上で、必要となる技術について伺います。

①今後必要となる技術要素は何ですか。(3つまで)

②前問でご回答いただいた技術要素の中で、具体的な内容をご記入下さい。

例:人口移動データ、気象データ、公共施設活用状況など

1. IoT 以前の IT に対する社内の理解 2. データ活用に対する全社的な理解・協力

3. データ活用方法に対するアイデア 4. データ収集に関するノウハウ

5. データ分析に対するノウハウ 6. システム運用に関するノウハウ

7. その他( )

1. データ収集 2. データ転送 3. データ蓄積

4. データ分析 5. データ可視化 6. データ予測

7. データセキュリティ 8. その他( )

例:データ分析における AI を使った機械学習、ディープラーニング等

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(8)IoT ソリューションの導入を提案する中で、重要となる判断基準は何だと思いますか。(3つまで)

(1)今後、IoT ソリューションを提供していく上で、必要と感じる政策的なサポートはありますか。(3つまで)

(2)今後、IoT ソリューションを提供していく上で、どのようなネットワークがあれば良いと思いますか。(3つまで)

(3)ネットワークに関してのご意見がございましたら、ご記入ください。

(4)現在、開発を進めている、もしくは実証してみたい分野とテーマがございましたら、具体的にご記入ください。

分野 テーマ

1. 農業 2. 漁業 3. 林業

4. 建設業 5. 製造業 6. 電気・ガス・水道

7. 道路・港湾インフラ 8. 運輸 9. 金融・保険

10. 不動産 11. 卸売・小売 12. 医療

13. 介護 14. 教育 15. 観光

16. 公務 17. その他 ( )

変位センサー(水位)と気象データ、交通量

データ等との連携による防災対策システム

1. 農業 2. 漁業 3. 林業

4. 建設業 5. 製造業 6. 電気・ガス・水道

7. 道路・港湾インフラ 8. 運輸 9. 金融・保険

10. 不動産 11. 卸売・小売 12. 医療

13. 介護 14. 教育 15. 観光

16. 公務 17. その他 ( )

1. 農業 2. 漁業 3. 林業

4. 建設業 5. 製造業 6. 電気・ガス・水道

7. 道路・港湾インフラ 8. 運輸 9. 金融・保険

10. 不動産 11. 卸売・小売 12. 医療

13. 介護 14. 教育 15. 観光

16. 公務 17. その他 ( )

(5)IoT ソリューションを実証する上で、特区や規制緩和など希望する施策があれば、具体的にご記入下さい。

アンケートは以上です。ご協力頂き、有り難うございました。

1. 既存システムとの連携 2. 費用対効果 3. 投資対効果

4. 運用・保守 5. 稼働までの時間 6. データセキュリティ

7. その他( )

Ⅳ.必要となる IoT 施策について

1. 営業活動 2. 技術開発 3. 情報提供・収集

4. 人脈形成 5. 産学連携 6. 人材獲得

7. 人材育成 8. 資金面 9. 信用面

10. 企業間連携 11. 特許・知財 12. 経営相談

13.ネットワーク形成 14. その他( )

1. 他のシステム・ソフトウエアベンダー 2. ソリューションを提案するコンサルタント等

3. 産学連携を中心とした大学などの研究機関 4. データを保有する企業

5. 既存ソリューションと同業種のユーザー 6. 既存ソリューションとは異なる業種のユーザー

7. センサー等の個別のデバイスメーカー 8. システムを組み込むハードウェアメーカー

9. その他( )

例:ドローン飛行、インフラ等に対するセンサー設置基準等

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(3)IT 技術導入企業側向けアンケート

貴社名と概要、ご回答者の方のご連絡先をご記入下さい。

貴 社 ( 貴 所 ) 名

売 上 高 百万円 ( 年度)

主たる事業

(複数回答可)

1. 農業 2. 漁業 3. 林業

4. 建設・土木 5. 製造 6. 運輸

7. 観光 8. 医療 9. 介護

10. 教育 11. 環境 12.卸売・小売

13. その他サービス 14.その他( )

従 業 員 数 人

回 答 者 様

ご 連 絡 先

氏名:

部署:

TEL: FAX:

E-mail:

以下の質問について、該当する番号に○、又は具体的内容のご記入をお願いします。

(1)導入しているソリューションは、どのようなニーズに対応しているものですか。(複数回答可)

IoT 推進に関するアンケート調査(IT 技術等導入企業向け)

<ご記入にあたって>

1.本アンケート調査の目的は、九州における IoT(Internet of Things)を活用した新たなビジネス展開を支援するため、

皆さまの現時の事業環境や今後の展望を伺い、必要な施策を検討することにあります。

2.調査結果については、経済産業省九州経済産業局より委託を受けた公益財団法人九州経済調査協会がとりまとめ

ます。調査結果は本調査の目的のみに使用し、社名・個票を対外的に公表することはございません。

3.ご回答は平成 28 年 12 月 2 日(金)までに同封の返信用封筒または FAX でご送付をお願いします。

4.本アンケート調査に関するご質問等がございましたら、以下までご連絡をお願いします。

【調査内容に関すること】 公益財団法人九州経済調査協会 調査研究部 担当:○○、○○、○○

TEL:○○ FAX:○○

【調査趣旨に関すること】 九州経済産業局 地域経済部 情報政策課 担当:○○、○○

TEL:○○

Ⅰ.貴社の概要

Ⅱ.貴社の IT 導入状況について

1.事業・サービス創造 2. 業務プロセス標準化 3. 業務効率化

4. 情報・プロセス統合 5. 情報活用 6. 経営管理機能強化

7. その他( )

Page 128: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

124

(2)導入しているソリューションと連携しているハードウェアは、どれですか。(複数回答可)

(3)導入しているソリューションの中に、下記に記載したような機能はありますか。(複数回答可)

(1)IT に対する投資に対して、どのようなお考えをお持ちですか。(どれか1つ)

(2)導入する IT ソリューションの要件を、誰が企画・提案することが多いですか。(どれか1つ)

(3)「IoT(Internet of Things)」に関して伺います。

※ 本調査は、データを収集・分析し、より効率的で効果的なサービス創出を目指す IoT を活用した取り組みを対象

としています。

①「IoT(Internet of Things)」という言葉をご存知ですか。(どれか1つ)

②IoT を活用した事業に取り組んでいますか。(どれか1つ)

③前問において、「1.取り組んでいる」、「2.開発中」、「3.検討中」と回答された方に伺います。

a)貴社における IoT ソリューションのテーマはどのようなものですか(複数回答可)

b)貴社における IoT ソリューションの導入はどのような分野をターゲットとしたものですか。(複数回答可)

c)貴社の IoT ソリューションについて、可能な範囲で結構ですので、具体的内容をご記入下さい。

④貴社において導入した IoT ソリューションを外販していく予定はありますか。(どれか1つ)

1. AV 機器 2. 家電機器 3. 教育機器 4. 娯楽機器

5. コンピューター周辺機器 6. 業務用端末 7. 民生用通信機器 8. 通信設備機器

9. 運輸機器 10. 建設機器 11 FA 機器、産業用機器 12. 医療用機器

13. 分析・計測機器 14. その他( )

1. 監視 2. 制御 3.データ取得 4.その他( )

Ⅲ.貴社の IoT 導入に関して

1. 非常に前向きである 2. 前向きである 3. どちらとも言えない

4. 後ろ向きである 5. わからない

1. 経営トップ 2. 経営会議メンバー 3. IT 担当役員

4. 各事業部の事業責任者 5. 各事業部の IT 責任者 6. その他( )

1.知っている 2.知らない

1. 取り組んでいる 2. 開発中 3. 検討中 4. 取組予定はない

1.事業・サービス創造 2. 業務プロセス標準化 3. 業務効率化

4. 情報・プロセス統合 5. 情報活用 6. 経営管理機能強化

7. その他( )

1. 農業 2. 漁業 3. 林業 4. 建設業 5. 製造業

6. 電気・ガス・水道 7. 道路・港湾インフラ 8. 運輸 9. 金融・保険 10. 不動産

11. 卸売・小売 12. 医療 13. 介護 14. 教育 15. 観光

16. 公務 17.その他( )

例:製造業向けに装置稼働状況などを監視するシステムを導入 等

1.ある 2. ない 3. 検討中 4. わからない

Page 129: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

125

(4)自治体等から提供されるオープンデータの活用について伺います。

①貴社は事業の中でオープンデータを活用していますか。(どれか 1 つ)

②前問で「1.活用している」もしくは「2.開発中」、「3.検討中」と回答された方に伺います。

どのようなオープンデータを活用していますか。(自由回答)

(5)自社保有データを社外提供している事例はありますか。(どれか1つ)

(6)他社が保有しているデータを自社事業に活用している事例はありますか。

(7)貴社独自でセンサー等を用いて下記のデータを取得していますか。取得している場合は、「データの種類」毎に、該当す

るものいずれか1つに○をつけてください。

データの種類 実績あり 実績なし

自社で対応可 他社の協力により対応可 取組予定なし

画像

赤外線・紫外線・放射線

超音波

磁気・GPS

変位

加速度

ひずみ

圧力

温度

湿度

流量

密度

電流

ガス

ほこり

味覚

その他( )

(8)今後、企業など組織の枠組みを超えて、お互いのデータを利活用しあうことが必要だと思いますか。(どれか1つ)

1. 活用している 2. 開発中 3. 検討中 4. ない

例:人口移動データ、気象データ、公共施設など

1. ある 2. 検討中 3. ない

1. ある 2. 開発中 3. 検討中 4. ない

1. 必要である 2. 必要だとは思わない 3. わからない

Page 130: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

126

(9)IoT ソリューションを導入していく上で、課題となることは何ですか。(3つまで)

(10)IoT ソリューションへの投資を進めていく上で、重要となる判断基準は何ですか。(3つまで)

(1)今後、IoT ソリューションを導入していく上で、必要と感じる政策的なサポートはありますか。(3つまで)

(2)今後、IoT ソリューションを導入していく上で、どのようなネットワークがあれば良いと思いますか。(3つまで)

(3)現在、開発を進めている、もしくは実証してみたい分野とテーマはどのようなものがありますか。

もしございましたら、具体的にご記入下さい。

分野 テーマ

1. 農業 2. 漁業 3. 林業

4. 建設業 5. 製造業 6. 電気・ガス・水道

7. 道路・港湾インフラ 8. 運輸 9. 金融・保険

10. 不動産 11. 卸売・小売 12. 医療

13. 介護 14. 教育 15. 観光

16. 公務 17. その他 ( )

変位センサー(水位)と気象データ、交通量

データ等との連携による防災対策システム

1. 農業 2. 漁業 3. 林業

4. 建設業 5. 製造業 6. 電気・ガス・水道

7. 道路・港湾インフラ 8. 運輸 9. 金融・保険

10. 不動産 11. 卸売・小売 12. 医療

13. 介護 14. 教育 15. 観光

16. 公務 17. その他 ( )

1. 農業 2. 漁業 3. 林業

4. 建設業 5. 製造業 6. 電気・ガス・水道

7. 道路・港湾インフラ 8. 運輸 9. 金融・保険

10. 不動産 11. 卸売・小売 12. 医療

13. 介護 14. 教育 15. 観光

16. 公務 17. その他 ( )

(4)貴社が IoT ソリューションを実証する場合、特区や規制緩和など希望する施策があれば、具体的にご記入下さい。

アンケートは以上です。ご協力頂き、有り難うございました。

1. IoT 以前の IT に対する社内の理解 2. データ活用に対する全社的な理解・協力

3. データ活用方法に対するアイデア 4. データ収集に関するノウハウ

5. データ分析に対するノウハウ 6. システム運用に関するノウハウ

7. その他( )

1. 既存システムとの連携 2. 費用対効果 3. 投資対効果

4. 運用・保守 5. 稼働までの時間 6. データセキュリティ

7. その他( )

Ⅳ.必要となる IoT 施策について

1. 営業活動 2. 技術開発 3. 情報提供・収集

4. 人脈形成 5. 産学連携 6. 人材獲得

7. 人材育成 8. 資金面 9. 信用面

10. 企業間連携 11. 特許・知財 12. 経営相談

13.ネットワーク形成 14. その他( )

1. ソリューションを提供するシステム・ソフトウエアベンダー 2. ソリューションを提案するコンサルタント等

3. 産学連携を中心とした大学などの研究機関 4. データを保有する企業

5. 類似課題を持つ同業者 6. 類似課題を持つ異業種

7. 資材・サービスなどの調達先 8. 製品・サービスの販売先

9. その他( )

例:ドローン飛行、インフラ等に対するセンサー設置基準等

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(4)IT 技術導入自治体向けアンケート

貴自治体名とご回答者の方のご連絡先をご記入下さい。

貴 自 治 体 名

回 答 者 様

ご 連 絡 先

氏名:

部署・役職:

TEL: FAX:

E-mail:

以下の質問について、該当する番号に○、又は具体的内容のご記入をお願いします。

(1)「IoT(Internet of Things)」という言葉をご存知ですか。

(2)従来の IT や ICT と「IoT(Internet of Things)」という言葉の違いをご存じですか。

IoT 推進に関するアンケート調査(自治体向け)

<ご記入にあたって>

1.本アンケート調査の目的は、九州における IoT(Internet of Things)を活用した新たなビジネス展開を支援するた

め、皆さまの現時の事業環境や今後の展望を伺い、必要な施策を検討することにあります。

2.調査結果については、経済産業省九州経済産業局より委託を受けた公益財団法人九州経済調査協会がとりま

とめます。調査結果は本調査の目的のみに使用し、社名・個票を対外的に公表することはございません。

3.ご回答は平成 28 年 12 月 2 日(金)までに同封の返信用封筒または FAX でご送付をお願いします。

4.本アンケート調査に関するご質問等がございましたら、以下までご連絡をお願いします。

【調査内容に関すること】 公益財団法人九州経済調査協会 調査研究部 担当:○○、○○、○○

TEL:○○ FAX:○○

【調査趣旨に関すること】 九州経済産業局 地域経済部 情報政策課 担当:○○、○○

TEL:○○

Ⅰ.貴自治体の概要

Ⅱ.貴自治体における IoT に対する認識

1. 知っている 2. 知らない

1. 知っている 2. 知らない

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128

※ 本調査は、データを収集・分析し、より効率的で効果的なサービス提供を目指す IoT を活用した取り組み

を対象としています。 (1)行政運営の効率化や住民サービスの向上等を目的として、行政内外の枠を超えたデータの利活用に取り組んでいます

か。(どれか1つ)

(2)行政運営の効率化や住民サービスの向上等が達成される場合に、貴自治体が保有する未公表データを企業等に提供

している事例はありますか。(どれか1つ)

(3)今後、行政運営の効率化や住民サービスを向上させていく上で、どのように保有するデータの利活用を進めていきたい

とお考えですか。(どれか1つ)

(4)IoT ソリューションを導入していく上で、課題となることは何ですか。(3つまで)

(5)IoT ソリューションの導入を進めていく上で、重要となる判断基準は何ですか。(3つまで)

(1)今後、IoT ソリューションの導入を進めていく上で、必要と感じる政策的なサポートについて伺います。

①IoT ソリューションの提供企業となりうる立地企業や事業所に対して、実施したい施策はありますか。(3つまで)

②IoT ソリューションの導入企業側となりうる立地企業や事業所に対して、実施したい施策はありますか。(3つまで)

(2)貴自治体において IoT ソリューションに関する実証実験などを行ってみたいと思いますか。(どれか1つ)

Ⅲ.貴自治体における IoT に対する取組など

1.取り組んでいる 2.検討中 3.取り組んでいない

1.ある 2.ない

1.既存の取組を加速化・多角化させたい 2.新規で取り組みたい

3.現状維持で取り組みたい 4.取組は縮小していきたい

5. その他( )

1. IoT 以前の IT に対する庁内の理解 2. データ活用に対する全庁的な理解・協力

3. データ活用方法に対するアイデア 4. データ収集に関するノウハウ

5. データ分析に対するノウハウ 6. システム運用に関するノウハウ

7. その他( )

1. 既存システムとの連携 2. 費用対効果 3. 投資対効果

4. 運用・保守 5. 稼働までの時間 6. データセキュリティ

7. その他( )

Ⅳ.必要となる IoT 施策について

1. 営業活動 2. 技術開発 3. 情報提供・収集

4. 人脈形成 5. 産学連携 6. 人材獲得

7. 人材育成 8. 資金面 9. 信用面

10. 企業間連携 11. 特許・知財 12. 経営相談

13. ネットワーク形成 14.その他( )

1. 営業活動 2. 技術開発 3. 情報提供・収集

4. 人脈形成 5. 産学連携 6. 人材獲得

7. 人材育成 8. 資金面 9. 信用面

10. 企業間連携 11. 特許・知財 12. 経営相談

13. ネットワーク形成 14.その他( )

1.取り組んでいる 2.検討中

3.取り組む予定はない 4. わからない

Page 133: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

129

(3)貴自治体において、IoT を活用したシステムを導入・実証してみたいと思われる分野やテーマはありますか。もしござい

ましたら、具体的にご記入ください。

分野 テーマ・キーワード等

1. 企画 2. 管理 3. 総務 4. 人事

5. 広報 6. 経理・財務 7. 管財 8. 住民サービス

9. 福祉 10. 都市計画 11.環境整備 12. 建設・土木

13. 教育 14. 消防・警察 15.農林水産 16. 商工

17. 観光 18. その他( )

変位センサー(水位)と気象データ、

交通量データ等との連携による防災

対策システム

1. 企画 2. 管理 3. 総務 4. 人事

5. 広報 6. 経理・財務 7. 管財 8. 住民サービス

9. 福祉 10. 都市計画 11.環境整備 12. 建設・土木

13. 教育 14. 消防・警察 15.農林水産 16. 商工

17. 観光 18. その他( )

1. 企画 2. 管理 3. 総務 4. 人事

5. 広報 6. 経理・財務 7. 管財 8. 住民サービス

9. 福祉 10. 都市計画 11.環境整備 12. 建設・土木

13. 教育 14. 消防・警察 15.農林水産 16. 商工

17. 観光 18. その他( )

1. 企画 2. 管理 3. 総務 4. 人事

5. 広報 6. 経理・財務 7. 管財 8. 住民サービス

9. 福祉 10. 都市計画 11.環境整備 12. 建設・土木

13. 教育 14. 消防・警察 15.農林水産 16. 商工

17. 観光 18. その他( )

1. 企画 2. 管理 3. 総務 4. 人事

5. 広報 6. 経理・財務 7. 管財 8. 住民サービス

9. 福祉 10. 都市計画 11.環境整備 12. 建設・土木

13. 教育 14. 消防・警察 15.農林水産 16. 商工

17. 観光 18. その他( )

1. 企画 2. 管理 3. 総務 4. 人事

5. 広報 6. 経理・財務 7. 管財 8. 住民サービス

9. 福祉 10. 都市計画 11.環境整備 12. 建設・土木

13. 教育 14. 消防・警察 15.農林水産 16. 商工

17. 観光 18. その他( )

(4)IoT を導入・実証する場合、特区や規制緩和など取り組んでいきたい施策があれば、具体的にご記入ください。

アンケートは以上です。ご協力頂き、有り難うございました。

例:ドローン飛行、インフラ等に対するセンサー設置基準等

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130

資料編3.勉強会開催概要と配布資料等

(1)委員、オブザーバー機関名簿

※氏名五十音順 敬称略

氏 名 所 属 等 役 職 等

【座長】

井上 弘士

九州大学大学院システム情報科学研究院

I&E ビジョナリー特別部門 教授

大村 博 (株)オーネスト 代表取締役社長

小田 典史 第一交通産業(株) 社長付次長

古賀 一彦 (株)オプティム 取締役/ディレクター

藤野 直明 (株)野村総合研究所

産業 IT イノベーション事業本部付 主席研究員

淵上 豊崇 (株)NTT ドコモ九州支社

法人営業部 ICT ビジネスデザイン担当課長

森 俊英 グローバルブレインズ(株) 代表取締役社長

■オブザーバー(機関名のみ)

有)ICS SAKABE 福岡県

麻生教育サービス(株) 福岡県ロボット・システム産業振興会議

SCSK 九州(株) 福岡市

NECソリューションイノベータ(株) 北九州市

富士通九州ネットワークテクノロジーズ(株) (一財)九州地域産業活性化センター

安川情報システム(株) (一財)九州産業技術センター

(公財)九州先端科学技術研究所 (一社)九州経済連合会

Page 135: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

131

(2)勉強会開催実績

①第1回勉強会

会期:2016 年 10 月5日(水)13:30~15:30

会場:公益財団法人九州経済調査協会 会議室

(〒810-0004 福岡市中央区渡辺通 2-1-82 電気ビル共創館 5F)

勉強会議題: ①地域発システムインテグレーターの展開仮説

②地域のシステムインテグレーターのビジネスモデルへの転換の重要性

③システム開発におけるパートナーの重要性

備考:台風接近のため講演者が来福できず、時間を繰り上げて終了

②第2回勉強会

会期:2016 年 11 月 22 日(火)13:30~16:30

会場:公益財団法人九州経済調査協会 会議室

(〒810-0004 福岡市中央区渡辺通 2-1-82 電気ビル共創館 5F)

講演:(株)ウェッブアイ 代表取締役社長 森川 勇治 氏

「(株)ウェッブアイの設立からこれまでの取組と今後の展望」

話題提供:(株)NTT ドコモ 九州支社

法人営業部 ICT ビジネスデザイン担当課長 淵上 豊崇 氏

(株)オプティム

九州エリアセールスマネージャー 江嵜 英彦 氏

勉強会議題: ①IoT 導入過程における課題

②IoT 導入推進に必要なスキルや事業環境

③必要な施策の方向性

③第3回勉強会

会期:2017 年 1 月 11 日(水)13:00~16:30

会場:(株)エーエヌディー内 先端医療デザインセンター

(福岡市博多区東比恵 3-1-2 東比恵ビジネスセンター5F)

講演①:佐賀県 政策部 政策課 さがデザイン担当 主査 円城寺 雄介 氏

「ドローン、IoT などの 新技術で変わる近未来の救急医療の姿」(25 分)

講演②:(株)エーエヌディー 経営企画本部 本部長 宇野 洋司 氏

「(株)エーエヌディーの取組と今後の展開」(25 分)

※講演後に同社先端医療デザインセンターの施設見学を実施

勉強会議題: ①九州における IoT 導入状況等(アンケート、ヒアリング結果等)

②求められるネットワークや事業等 IoT 導入過程における課題

Page 136: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

132

(3)勉強会資料

1

平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレーション・ネットワーク構築に係る調査

第1回勉強会

会期:2016年10⽉5⽇会場:九州経済調査協会 会議室

本調査の実施に当たって

<九州地域におけるIoT推進の課題> IoT技術の進展により、新サービス・新製品提供の可能性、海外展開の機運も⾼まっている IoTを活⽤したいユーザーと技術を提供する企業をつなぐシステムインテグレーションの重要性が⾼まるなか、ソフトウェアメーカー、デバイスメーカーなど供給側の情報やネットワークを有するシステムインテグレーター不⾜が、ボトルネックとなっているのではないか(仮説)

【ユーザー企業】• どんな技術があるのか情報が不⾜• 導⼊コスト・費⽤対効果への不安• 新しいアプリや設備を使いこなせるか不安• 相談できる場所が少ない、⾝近にいない• 解決可能な課題に気づいていない

【ソフトウェアメーカー】• アプリやシステム開発だけで解決できない案件がある

【 組込企業・デバイスメーカー】• ネットワーク機器を開発したが売り込み先を広げたい

• ソフトとハードの両⽅が分かる技術者が少ない• 新しい技術やパートナーへのニーズ• 連携の実績が少ない

システムインテグレータ不足

情報や意識の不⾜新しいシステムへの不安

>>ネットワーク不⾜<<

誰と組めばいいのか?どういう技術があるのか?

分野別のネットワークはあるけど・・・

“⽂化”の違い

2

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133

アンケートの実施

8

アンケート調査:IT技術提供者と導入者で800社程度

目的1:次年度以降の取組を意識したマッチングの種を探す。 目的2:技術開発が必要な分野を探り、産学連携の種を探す。

IT技術等提供者アンケート:300〜400社(九州地場企業)

IT技術等導⼊者アンケート:300〜400社(九州内の製造・サービス地場企業)、

約200⾃治体(九州内の⾃治体)⾃社の技術内容

•情報サービス産業協会(JISA)のITディレクトリを基に項⽬を作成

販売先

•九州内/九州外、アプリケーション(業種)別、同業種など

導⼊事例•ある/なし、簡単な⾃由回答+導⼊事例は事例集を意識して、パンフレット等の送付を依頼

⾃社で不⾜する技術

•情報サービス産業協会(JISA)のITディレクトリを基に項⽬を作成

IoT推進に必要な情報やネットワーク

•ネットワークを希望するレイヤー等

IoTに関する⾃社の⽅向性

•現状維持、クラウドサービス化、標準パッケージ化等

⾃社で実証などを⾏ってみたい内容

•実証フィールドがなく困っている領域(農業、⽔産業、道路、上下⽔道、製造業等)

導⼊した技術内容・サービス導⼊事例

•ある/なし、分野・領域、簡単な⾃由回答

導⼊して良かった点、悪かった点

•コスト削減、業務の⾒える化等

IoT推進に必要な情報やネットワーク

•ネットワークを希望する業種等

ICT関連予算の状況

•増加/減少、担当部署の有無、ICTに関する企画・決裁者

ICT等の導⼊を検討している内容

•企業向け:ADL社提供別添イメージを参考に回答項⽬を作成、⾃治体向け:保有するフィールドにおいてIoTシステムのキーワードになるような回答を挿⼊+簡単な⾃由回答

特にこの部分を、次年度以降のネットワークのマッチング素材として使いたい

アンケート対象をどのような業種に絞るのかも、本勉強会にて話し合いたい

第1回勉強会の議題• 議題①:地域発システムインテグレーターの展開仮説

– 仮説に付加すべき視点– 九州における先進的なIoT事例

• 議題②:システムインテグレーターのビジネスモデルへの転換の重要性– 地域のリソースの充⾜・不⾜– 九州におけるシステムインテグレーター事例

• 議題③:システム開発におけるパートナーの重要性– 誰がシステム開発のニーズを持っているか– どのような分野が有望か

10

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134

1

平成28年度IoT推進のための

システムインテグレーション・ネットワーク構築に係る調査

第2回勉強会

会期:2016年11⽉22⽇会場:九州経済調査協会 会議室

資料1 九州におけるIoT導⼊の⽬的所得格差とパラレルに動く⼈⼝流出

2

注)県民所得は、時期により基準年が異なるものを接続している。使用しているデータは以下の通り。  ・1975~1989年:68SNA(平成2年基準)

  ・1990~1995年:93SNA(平成7年基準)  ・1996~2000年:93SNA(平成12年基準)

  ・2001~2012年:93SNA(平成17年基準)資料)総務省「住民基本台帳人口移動報告年報」、内閣府「県民経済計算年報」より九経調作成

65.0

70.0

75.0

80.0

85.0

90.0

‐250,000

‐200,000

‐150,000

‐100,000

‐50,000

0

50,000

1955 60 65 70 75 80 85 90 95 2000 05 10 14

(人) (全国=100)

転入超過(社会増)

転出超過(社会減)

所得格差(右軸)

九州8県の⼈⼝社会移動数と所得格差の時系列推移

⾼度成⻑期 バブル景気 いざなみ景気

オイルショック バブル崩壊

九州におけるIoT導⼊の⽬的全国よりも極めて低い九州地域の⽣産性

3

• 九州地域の⽣産性は全国の0.59倍(1,603万円/⼈)– 業種別では、農林漁業が全国⽔準以上。– それ以外の業種は全国⽔準を⼤幅に下回る状況

13,742

25,637

17,205

26,760

91,997

15,87511,762

25,15219,700

15,588 10,0654,514 6,888

16,028

1.13

0.750.71 0.73

0.83

0.47

0.640.59

0.25

0.54

0.77

0.94

0.49

0.59

0.00

0.20

0.40

0.60

0.80

1.00

1.20

1.40

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

農林漁業

鉱業

建設業

製造業

エネルギー

情報通信業

運輸業

卸売小売業

金融保険業

不動産物品賃貸業

サービス業

宿泊飲食業

医療福祉業

総計

九州地域生産性

(千円/人)

対全国業種別比

(倍)

(千円/人) (全国企業=1.0、倍)

九州地域における業種別⽣産性と全国⽐較(2012年)

注1)⽣産性=売上⾼/従業者数注2)2012年での⽐較資料)総務省・経済産業省「平成24年経済センサス-活動調査」より九経調作成

九州における地域中核企業の将来有望な新事業のKey Words

4

2.72.9 2.9 2.8

5.7

4.7

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

再生エネルギー

地方創生

環境リサイクル

健康寿命・ヘルスケア

アグリビジネス

IoT (In

ternet o

f Things)

水素・燃料電池

グローバル化

インバウンド

人材流動化

介護・リハビリ

ビッグデータ

都市開発

医療・医療制度改革

買い物難民

スマートシティ

クラウド

人工知能(AI

バイオテクノロジー

ナノテクノロジー

地域交通

ロボティクス

センサーテクノロジー

メディカルテクノロジー

ドローン

スマートモビリティ

オリンピック・パラリンピック

Industry 4

.0

事業承継

モノ-コトビジネス

シェアビジネス

ユニバーサル化

オープンイノベーション

サイバーセキュリティ

有機EL

航空機

日本版C

CRC

今後の新事業領域

今後/現在(倍)

(%)

全増

将来:IoT、⽔素、インバウンド、ビッグデータ、都市開発

その先は:ユニバーサル化、サイバーセキュリティ、シェアビジネス、⼈⼯知能、ドローン

資料)九経調「中核企業の新事業創造実態に関するアンケート」

※1 地域中核企業:中核企業+中核事業所※2 中核企業:従業員数100⼈以上、売上⾼30億円以上で九州に本社を置く企業※3 中核事業所:従業員数1,000⼈以上、九州に拠点のある事業所

九州地域発祥のシステム系ベンチャー

企業名 設⽴ 所在地 事業領域 連携企業

㈱グルーヴノーツ 2011 福岡市中央区 クラウドプラットフォーム Google、医療機関、電⼒会社、流通事業者、保険会社など

㈱リーボ 2011 福岡市中央区カーシェアリングシステム・レンタカープラットフォーム

(株)スターフライヤー、⽇本⼯営(株)

㈱エーエヌディー 2013 福岡市博多区 医療経営に関するフィンテックサービス

(株)⻄⽇本シティ銀⾏、(株)九州リースサービス、(株)⼗⼋銀⾏、⼗⼋総合リース(株)、株)アステム、医療法⼈社団医王会朝倉健⽣病院、九州⼤学、早稲⽥⼤学

㈱テノ・コーポレーション 1999 福岡市博多区 育児⽀援・家庭総合⽀援コンサルティング ⻄⽇本鉄道(株)

㈱サムライト 2009 福岡市早良区 ⾼齢者向け認知症予防トレーニングサービス (株)シティアスコム、ライセンス事業者103社、九州⼤学

㈱グリーンペプタイド 2003 久留⽶市 医薬品開発 久留⽶⼤学病院、富⼠フイルム(株)、久留⽶⼤学

㈱アグリガーデンスクール&アカデミー 2015 東京都千代⽥区(本校:朝倉市)

農業ビジネススクール、医農科学の研究開発

デザイナーフーズ(株)、(株)オークネット、横浜丸中⻘果(株)、(株)⽣科研、NECソリューションイノベータ(株)、(株)平城商事、平⽥産業(株)、サイタホールディングス(株)、オーレック(株)、九州⼤学、東京理科⼤学

Picocela㈱ 2008 福岡県⽷島市 情報通信システム、情報通信機器

福岡地所(株)、⻄⽇本鉄道(株)、(株)九電⼯、インテル(株)、⽇本電気(株)、九州⼤学

㈱オプティム 2000 東京都港区(本店佐賀市) IoTプラットフォーム 東⽇本電信電話(株)、佐賀⼤学

ユニバーサル・サウンド・デザイン㈱ 2012東京都港区(R&Dセンター:佐賀県吉野ヶ⾥町)

聴こえ⽀援機器の開発・販売

九州⼤学病院、新⽇本無線(株)、佐賀エレクトロニックス(株)、総合メディカル(株)、(株)アステム、九州⼤学、佐賀⼤学

ライフスタイルアクセント㈱ 2012 熊本市中央区 オリジナルブランドのネット通販

HITOYOSHI(株)、(株)天草フレックス、(株)エミネントスラックスほか多数

テラスマイル㈱ 2014 宮崎市 農業ビジネスコンサルティング

農協、農業⽣産法⼈、農業関連商社、⼤⼿ITベンダー、⽇本アイ・ビー・エム(株)

5

資料)ヒアリング、各社資料より九経調作成

中核企業との協業で成⻑する九州地域のベンチャー企業地域経済の約5割を占める地域中核企業

• 九州地域に本社を有する「地域中核企業」の位置づけ– 実数

• 企業数:1,985社• 従業者数:82万⼈• 売上⾼:38兆円

– 構成⽐

• 企業数:0.4%• 従業者数:16.3%• 売上⾼:47.9%

6

九州地域の地域中核企業の位置づけ

中核企業 全企業 中核企業比率企業数(社) 1,985 463,461 0.4従業者数(人) 823,318 5,066,472 16.3売上高(百万円) 38,929,688 81,203,883 47.9注)経済センサスデータの企業数・従業者数は2012年、売上高は2011年。

   中核企業データは2014年度決算期での比較

資料)総務省・経済産業省「平成24年経済センサス-活動調査」、東京商工リサーチ資料

   より九経調作成

0.416.3

47.9

99.6

83.7

52.1

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

企業数 従業者数 売上高

その他企業

中核企業

(%)

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

山口県

九州地域

(%)

福岡県50.1%

佐賀県3.7%

長崎県6.4%

熊本県8.1%

大分県

6.7%

宮崎県3.7%

鹿児島県7.6%

沖縄県6.0%

山口県7.7%

福岡県に集中するも各県に⽴地• 地域中核企業の⽴地状況は?

– 福岡県への集中⽴地:50.1%(19兆円)• 企業数では41.1%(815社)

• 県別の地域中核企業⽐率は?

– ⾼:福岡県57.0%– 低:宮崎県32.1%

8

注)地域中核企業⽐率は、中核企業/全企業×100で算出資料)総務省・経済産業省「平成24年経済センサス-活動調査」、

東京商⼯リサーチ資料より九経調作成

地域中核企業の位置づけ(売上⾼)

資料)東京商⼯リサーチ資料より九経調作成

地域中核企業の県別構成⽐(売上⾼)

47.9%

Page 139: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

135

66.5

51.1

60.3

30.5

43.7

34.7

3.0

5.2

3.71.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

地域中核企業

中核事業所

中核企業

はい いいえ わからない 無回答

N=236

N=135

N=378

地域中核企業の新事業の企画⽴案機能に着⽬

• 中核企業の60.3%が新事業の企画⽴案機能を保有– 地域中核企業:66.5%– 中核事業所:51.1%

• 機能あるところに新事業あり

9

資料)九経調「中核企業の新事業創造実態に関するアンケート」

69.3

23.4

25.8

71.1

4.9

5.5

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

企画立案機能あり

企画立案機能なし

新事業実施 新事業実施なし わからない

(%)

N=225

N=128

資料)九経調「中核企業の新事業創造実態に関するアンケート」

新事業の企画⽴案機能の有無 新事業企画⽴案機能の有無と新事業実施の関係

中核企業での新事業の起こり⽅は?• カギを握る外部資源の活⽤=その1:中途採⽤⼈材、その2:協業

– 中途採⽤⼈材の検討:平均=43.4%、牽引型=59.5%– 協業の検討 :平均=48.1%、牽引型=64.6%

13

59.5

50.3

28.0

28.0

43.4

13.9

14.8

16.0

17.0

15.3

25.3

33.6

40.0

40.0

34.4

1.3

1.3

16.0

15.0

6.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

牽引型中核企業

創造型中核企業

成長型中核企業

一般型中核企業

中核企業

はい いいえ わからない 無回答

N=79

N=149

N=50

N=100

N=378

中途採⽤⼈材の検討

資料)九経調「中核企業の新事業創造実態に関するアンケート」

64.6

61.1

26.0

27.0

48.1

21.5

18.1

14.0

20.0

18.8

13.9

19.5

44.0

40.0

27.0

0.0

1.3

16.0

13.0

6.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

牽引型中核企業

創造型中核企業

成長型中核企業

一般型中核企業

中核企業

はい いいえ わからない 無回答

N=79

N=149

N=50

N=100

N=378

他社との協業の検討

資料)九経調「中核企業の新事業創造実態に関するアンケート」

IoTを⾒据えたSler等に期待される役割• 新事業⾜りないピースの補完と具現化

14

• 他企業からピースを取り出して、組み合わせ直す

• ピースの繋ぎ目を変えて、新事業と結合

A事業(会社)

B事業(会社) C事業(会社)

稼ぐ力をデザインし、プロデュースする人材

事業(⽣態系)リモデル

IoT導⼊に⾄るまでに。。。

•社内のITリテラシーIoT以前のITに対する社内の理解

•データを活⽤して、業務改善を⾏っていくマインドデータ活⽤に対する全社的な理解・協⼒

•どのようにデータを活⽤して良いか分からないデータ活⽤⽅法に対するアイデア

•既存に保有しているデータ以外に何が必要になるのか。どのように⼊⼿すべきか。

データ収集に関するノウハウ

•⽬的に対してどのような分析⼿法が存在するか。データ分析に対するノウハウ

•既存システムとの連携システム運⽤に関するノウハウ

IT導⼊サイド

IT提供サイド16

Page 140: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

136

本⽇の議論

17

IoTにおける産業施策(例)

技術開発産学連携

特許・知財

情報提供・収集

営業活動(販路開拓)

⼈脈形成

⼈材獲得⼈材育成

経営相談

資⾦⾯

信⽤⾯

企業間連携

ネットワーク形成

その他(規制緩和、特区等)

IoT産業施策の全体像&キーワードパートナーマッチング(企業)

共同研究プラットフォーム

パートナーマッチング(自治体)

規制緩和・特区

実証実験(テストベッド)

オープンデータ活用

クローズデータ活用

プラットフォーム化のためのニーズ収集

Sler×Sler

Sler×User

Sler×Funder

プロデューサー人材

ITリテラシー

Dataリテラシー

セミナー、講演会

AIプラットフォーム

データマイニングプラットフォーム

データ収集プラットフォームアイデア収集

地域に存在しないデータセット

地域に存在するデータセット 業務改善、新サービス創出

19

Page 141: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

137

平成28年度IoT推進のための

システムインテグレーション・ネットワーク構築に係る調査

第3回勉強会会期:2017年1⽉11⽇(⽔)15:00〜会場:株式会社エーエヌディー

先端医療デザインセンター内

1

資料1

2

報告事項&議題

報告九州におけるIoT導⼊状況等

(アンケート、ヒアリング結果等)

議題IoT推進のためのネットワーク・マッチング

4

既存/IoTソリューション導⼊の⽬的

55.7 

31.4 

22.9 

5.7 

27.1 

データ取得

監視

制御

その他

無回答

0 20 40 60

N=70

複数回答

(%)

55.8 

28.3 

26.8 

5.1 

23.9 

データ取得

監視

制御

その他

無回答

0 10 20 30 40 50 60

N=138

複数回答

(%)

ソリューション提供側

ソリューション導入側

既存/IoTソリューションの導⼊⽬的の違い

資料)九州経済産業局「IoT推進に関するアンケート調査」

21.4

41.4

82.9

35.7

54.3

25.7

2.9

27.9

18.6

67.4

18.6

67.4

9.3

2.9

13.3

36.2

80.4

13.0

42.0

21.7

5.1

20.7

36.2

74.1

15.5

51.7

36.2

3.4

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

事業・サービス創造

業務プロセス標準化

業務効率化

情報・プロセス統合

情報活用

経営管理機能強化

その他

提供企業(既存ソリューション)

提供企業(IoTソリューション)

導入企業(既存ソリューション)

導入企業(IoTソリューション)

(%)

既存ソリューションにおける基本機能

IoT導⼊の⽬的が、「業務効率化」がメインであることは、既存ソリューションと変わらない同時にIoTに関して導⼊側では、経営管理機能や業務プロセスの標準化を図りたい

既存ソリューションにおいて、データ取得や監視、制御などの素地はある

新サービス創造<業務改善(コスト削減)

N=138

N=138

N=70

N=70

5

システムベンダーの既存/IoTソリューションのターゲット

41.4

41.4

37.1

34.3

22.9

18.6

15.7

15.7

14.3

8.6

8.6

8.6

4.3

4.3

4.3

0.0

22.9

41.9

25.6

14.0

20.9

4.7

14.0

11.6

4.7

9.3

7.0

4.7

7.0

11.6

4.7

7.0

2.3

9.3

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0

製造業

卸売・小売

公務

医療

金融・保険

介護

電気・ガス・水道

教育

運輸

建設業

不動産

観光

農業

漁業

道路・港湾インフラ

林業

その他

既存ソリューション

IoTソリューション

(%)提供側における既存/IoTソリューションの導⼊ターゲット

資料)九州経済産業局「IoT推進に関するアンケート調査」

製造がターゲット業種、事例として多い農業ターゲットを模索している状況

⾃社の経験やノウハウ、アセットがどの業種でどのように使えるのかを知りたい

ニーズを知りたい提供企業×

ニーズが上⼿く説明できない導⼊企業

個々のサービスを提供する提供企業×

全体最適を図りたい導⼊企業

イメージし易い業種ほど、回答率が⾼い(製造業、農業

等)

7

IoTを導⼊する側の必要機能は三軸• IoTを導⼊する上で、ITに関する導⼊側の知識が不可⽋

– 社内、グループ内にITに関する専⾨部署があるかどうか– “担当者”レベルでのITに関する知識

• パートナーにITに関する知識がある、もしくはITに対してpositive– エーエヌディー、オプティム、NECソリューションイノベータ、安川情報システム 他

• 提供先(⾃社、グループ会社含む)にIT専⾨部署がある– 第⼀交通産業、⻄鉄情報システム、佐賀県庁 他

成長性

事業創造性

IT(システム)との近接性

無 有

増加

減少近

“IT活⽤”牽引型中核企業

“IT活⽤”創造型中核企業

資料)九州経済調査協会「九州経済⽩書2016 中核企業と地域産業の新陳代謝」を参考に、九経調追記

“⾚”の領域とのマッチング+

“緑”の領域を“⾚”に変える

8

IoTソリューションの企画・提案者• 提供企業、導⼊企業で導⼊に⾄るまでに会話しているレイヤーが異なる

– 発案(経営トップ等)→事業責任者&提供側→事業責任者が経営トップに説明• 経営トップに理解⼒があれば、IT投資効果が不明確でも導⼊まで⾄る

7.0 

7.0 

7.0 

22.9 

22.9 

11.4 

21.4 

26.8 

15.9 

3.6 

21.0 

21.0 

5.1 

6.5 

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0

経営トップ

経営会議メンバー

IT担当役員

各事業部の事業責任者

各事業部のIT責任者

その他

無回答

提供企業

導入企業

(%)

IoT導⼊に⾄るまでの企画・提案者

資料)九州経済産業局「IoT推進に関するアンケート調査」

本体とシステム⼦会社の課題が共有されている⻄鉄情報システム2000年バスジャック事件

↓平常時と異常時の状況を1システムで⾒ることのできるハイブリッドシステム(緊急通報システム)

↓バス運⾏情報等の提供によるユーザビリティの向上とバス乗⾞率の向上

(九州のりものinfocom)(にしてつバスナビ)

↓(社外連携の強化)

↓次世代都市交通・事業化

⾃社の経営課題の共有↓

地域の経営課題の共有

N=138

N=70

Page 142: 平成28年度 IoT推進のためのシステムインテグレー …...3 第Ⅰ章 九州のシステムインテグレーターの動向 1.全国と九州における情報サービス産業の動向

138

9

IoT投資を進める上での判断基準• 費⽤対効果がトップ• 投資対効果において提供企業と導⼊企業・⾃治体で乖離がある

54.3

32.9

30.0

21.4

52.9

8.6

2.9

15.7

72.5

47.8

37.0

30.4

29.0

0.7

2.9

8.7

81.8

59.1

47.7

42.0

25.0

2.3

2.3

3.4

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

費用対効果

データセキュリティ

既存システムとの連携

運用・保守

投資対効果

稼働までの時間

その他

無回答

提供企業導入企業自治体

(%)

IoT投資を進める上での判断基準

資料)九州経済産業局「IoT推進に関するアンケート調査」

• 全て気になる経営層

• 費⽤対効果が気になる導⼊側の事業部⾨

• 投資対効果が気になる導⼊側の事業部⾨責任者

• 運⽤・セキュリティ関係が気になる導⼊側のIT部⾨

• 運⽤・セキュリティ関連は所与(当然)として、費⽤対効果と投資対効果で訴えたい

提供企業

コスト削減の先にあるものの重要性を格上げさせたい

N=138

N=88

N=70

(≒コスト削減効果)

(≒サービス高付加価値化)

10

データ連携の状況• IoT導⼊においてオープンデータ活⽤は、約20%• 他者のデータを活⽤したいが、どうやって⼊⼿すればよいのか

活用している20.3%

開発中 0.0%

検討中5.1%

ない73.2%

無回答1.4%

N=138

IoT導⼊企業におけるオープンデータの活⽤

ある 20.3%

検討中 1.4%

ない76.8%

無回答1.4%

N=138

⾃社データの他者への提供

必要である31.2%

必要だとは思

わない 10.1%

わからない52.9%

無回答5.8%

N=138

ある16.7%

開発中 0.7%

検討中5.1%

ない75.4%

無回答2.2%

N=138

他社データの⾃社への活⽤

データ連携の必要性

⼈⼝、交通量、医療情報、ハザードマップ、登記情報、気象情報、児童数データ、産業マーケット情報(宿泊、⼊込客数⼈数)等

資料)九州経済産業局「IoT推進に関するアンケート調査」

→現状、活⽤できるデータに限界がある

オープンデータに取り組んでいる⾃治体

オープンデータに取り組んでいる⾃治体

ある 3.4%

ない

95.5%

無回答

1.1%

N=88

取り組んでい

る 8.0%

検討中15.9%

取り組んでい

ない76.1%

N=88

⾃治体におけるオープンデータに対する今後の取組⽅針

既存の取組を

加速化・多角

化させたい

20.5%

新規で取り組

みたい

15.9%現状維持で取

り組みたい

46.6%

取組は縮小し

ていきたい

0.0%

その他

13.6%

無回答

3.4%

N=88

• 類似課題を持つ同業種と連携したい導⼊企業

• 異業種との連携を図りたい導⼊企業

• 開発後のマーケット調査やデータ予測等に活⽤したい提供企業

• ⾃治体⾃⾝も地域運⽤上、⺠間データが欲しい

データ連携を進めることによって、IoT導⼊ハードルをより低く複数のFactorから1つの解を導き出す“Program Management”

11

要望施策と⾃治体実施施策• 提供企業、導⼊企業、⾃治体(実施したい施策)において、ミスマッチがある

– ⾃社アセットを使って、技術開発(実証実験含む)をしたい提供企業– 誰がどのようなサービスを⾏っているかを知りたい提供・導⼊企業– 簡易的にIoTを導⼊してみたい導⼊企業– マーケット調査等を含む⼈材育成や獲得をしたい提供企業– ⾃社だけでなく類似課題を持つ同業種とのデータ・システム連携をしたい導⼊企業 等

41.4 

32.9 

30.0 

21.4 

21.4 

20.0 

15.7 

15.7 

14.3 

7.1 

1.4 

0.0 

0.0 

1.4 

15.7 

30.4

45.7

31.9

22.5

10.9

32.6

8

15.2

8

2.2

5.1

2.2

2.2

2.2

10.1

0.0 20.0 40.0 60.0

技術開発

情報提供・収集

人材育成

人材獲得

企業間連携

資金面

産学連携

ネットワーク形成

営業活動

特許・知財

信用面

人脈形成

経営相談

その他

無回答

提供企業

導入企業

(%)

提供企業、導⼊企業がそれぞれ要望する施策

46.6 

23.9 

13.6 

12.5 

11.4 

8.0 

6.8 

6.8 

6.8 

3.4 

3.4 

0.0 

0.0 

18.2 

21.6 

47.7 

17.0 

14.8 

12.5 

10.2 

10.2 

6.8 

3.4 

2.3 

1.1 

1.1 

0.0 

0.0 

17.0 

23.9 

0.0 20.0 40.0 60.0

情報提供・収集

産学連携

ネットワーク形成

技術開発

人材育成

企業間連携

人脈形成

資金面

信用面

営業活動

人材獲得

特許・知財

経営相談

その他

無回答

対提供企業

対導入企業

(%)

⾃治体が実施したい施策

資料)九州経済産業局「IoT推進に関するアンケート調査」

乖離①IoTに関する知識・動向に関するミス

マッチ

乖離②実施策ニーズと“⾏政の地域施策”

N=138

N=70

N=88

12

企業や⾃治体をパートナーにしたIoT推進• 提供企業が実証したい領域と、導⼊企業や⾃治体が実証したい領域にはミスマッチ• 地⽅創⽣予算を使って実証実験をしたいと思う⾃治体も多いが、情報過⼩で事業が推進で

きず– ⾃治体フィールドを使ってIoTを推進:⿅児島県肝付町

• 地域課題解決+産業振興

43.8 

31.3 

31.3 

18.8 

18.8 

18.8 

12.5 

6.3 

6.3 

6.3 

6.3 

0.0 

0.0 

0.0 

0.0 

0.0 

0.0 

56.3 

農林水産

消防・警察

観光

福祉

建設・土木

商工

住民サービス

管理

経理・財務

管財

環境整備

企画

総務

人事

広報

都市計画

教育

その他

0 20 40 60

N=16

無回答を除く

複数回答

(%)

⾃治体が実証したい領域

14.3

5.7

4.3

4.3

2.9

2.9

2.9

2.9

2.9

1.4

1.4

1.4

0.0

0.0

0.0

0.0

4.3

12.8

0.0

5.1

7.7

0.0

0.0

7.7

15.4

2.6

2.6

0.0

5.1

17.9

23.1

2.6

10.3

0.0

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0

製造業

公務

農業

卸売・小売

道路・港湾インフラ

金融・保険

医療

教育

観光

建設業

不動産

介護

漁業

林業

電気・ガス・水道

運輸

その他

提供企業

導入企業

(%)

提供企業、導⼊企業が実証したい領域

資料)九州経済産業局「IoT推進に関するアンケート調査」

N=138

N=70

14

政策的な技術的サポートの実施• アンケート結果とヒアリング、既存ITサービスを考慮すると、技術的なサポート要

件は、“データ分析” と“データ予測”か?

資料)株式会社スカイディスク発表資料を参考に九州経済産業局「IoT推進に関するアンケート調査」結果を反映

提供企業サイドのIoT導⼊のための技術的課題

データ収集

データ転送 データ

蓄積

データ分析

データ予測

データ可視化

データセキュリティ

デバイス無線、SIM

センサー、スマホ

データベース、データマート

データマイニング、機械学習

データの⾒える化

アプリケーション

クラウド

シミュレーション

62.9%

18.6%

41.4%

10.0%

35.7%

8.6%

32.9%

共創領域(既存プラットフォーム活⽤)

競争領域

15

導⼊サイドと提供サイドの接点• 共通

– 導⼊サイド、提供サイド同⼠の接点確保は必要– ソリューション提案を⾏うコンサルタントは重要か

• 導⼊サイド– 類似課題を持つ同業者との接点を増やして、より⼤きな問題を解決したい

• 提供サイド– 既存ソリューションと同業種のユーザーとの接点希望は少ない– ハード系の接点は重要?(※ヒアリングでは、⼗分な情報得られず)

資料)九州経済産業局「IoT推進に関するアンケート調査」

導⼊企業サイド

提供企業サイド

他のシステム・ソフトウェアベンダー

ソリューションを提案するコンサルタント等

産学連携を中⼼とした⼤学などの研究機関

データを保有する企業

既存ソリューションと同業種のユーザー

既存ソリューションとは異なる業種のユーザー

センサー等の個別のデバイスメーカー

システムを組み込むハードウェアメーカー

ソリューションを提供するシステム・ソフトウェアベンダー

類似課題を持つ同業者

類似課題を持つ異業種

資材・サービスなどの調達先

製品・サービスの販売先

37.9%

30.0%

27.1%

24.1%

21.4%

20.0%

5.7%

15.7%

44.2%

8.0%

10.1%

13.0%

29.7%

12.3%

14.5%

29.7%

IoT導⼊を考慮した場合、どの主体と接点を持ちたいか

16

⼈材育成、確保の視点• 導⼊側ではITリテラシー等の根本的な問題が根強い• “データ活⽤⽅法に対するアイデア” と “データ分析に関する

ノウハウ”に共通点がある

資料)九州経済産業局「IoT推進に関するアンケート調査」

•提供 20.0% 導⼊企業 38.4% ⾃治体 43.2%IoT以前のITに対する社内の理解

•提供 31.4% 導⼊企業 34.1% ⾃治体 65.9%データ活⽤に対する全社的な理解・協⼒

•提供 47.1% 導⼊企業 39.1% ⾃治体 58.0%データ活⽤⽅法に対するアイデア

•提供 18.6% 導⼊企業 30.4% ⾃治体 14.8%データ収集に関するノウハウ

•提供 35.7% 導⼊企業 31.9% ⾃治体 30.7%データ分析に対するノウハウ

•提供 14.3% 導⼊企業 40.6% ⾃治体 33.0%システム運⽤に関するノウハウ

IT導⼊サイド

IT提供サイド

→顧客からニーズが欲しいベンダー、提案して欲しいユーザー

→既存インフラを出来るだけ変えずに

→事業部⾨とIT統括部⾨、企画部⾨との壁

→分析⽅法が分からない、出⼝を提案して欲しい

IoT導⼊に⾄るまでに、どこがハードルとなるか

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139

17

IoT導⼊における課題•ニーズの収集

•システム化のアイデア①製品アイデアの抽出

•システム構築のためのネットワーク形成

•実証・開発先の確保②実証、開発

•実証・開発後のプラットフォーム化③マーケット調査

•ユーザーの確保、簡易サービスの実施④サービスイン

•より⼤きな課題、地域解決のためのネットワーク

•個別システムから社会システム化⑤多主体との連携

18

IoT推進のために必要なネットワーク

その他

システム・ベンダー

ユーザー

IoT IoT IoT IoT IoT

組織の壁に縛られない個の集まり

所属組織の問題だけを討議しない個の集まり

⾃由な参加⾃由な発表

地域施策に繋げていくためには?

19

IoT導⼊までの模式図ユーザー(企業、⾃治体等)X1

システムベンダー

問い合わせ・訪問

現場視察・ニーズ・ペイン

システム提案

要件返答

問い合わせ・再訪問

開発

ハードウェアベンダー

ユーザー(企業、⾃治体等) Xn

問い合わせ・訪問

現場視察・ニーズ・ペイン

ビジネスモデル検討

プラットフォーム化

システム提供

・開発を⾏うためのユーザー情報収集の⾮効率・外販するためのマーケット調査

・ハードウェア費⽤の⾼さによる開発の頓挫 等

20

中間組織、地域プロデューサーコンサル(≠IoT推進ラボ)

どのような事業が必要か

ユーザー(企業、⾃治体等)

システムベンダー

開発

ハードウェアベンダー

ユーザー(企業、⾃治体等)

ビジネスモデル検討

プラットフォーム化

システム提供

ニーズ収集要件定義

マッチング

センサー機器レンタル・リース

⾦融機関

融資先経営状況把握

開発後のアフタフォロー 短期導⼊費⽤補

助(お試し)

IoT必要技術教育・研修

エグゼクティブマッチング

データバンク

エグゼクィブマッチング(同異業種)

規制緩和

実証実験等要望

アイデアを具現化するための場の提供

インプリメンテーション(社会実装)を進めていくためのサポート

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平成 28 年度

IoT 推進のためのシステムインテグレーション・ネットワーク構築に係る調査報告書

2017 年3月発行

発 行: 経済産業省 九州経済産業局 地域経済部 情報政策課

〒812-8546 福岡市博多区博多駅東 2 丁目 11 番 1 号

Tel:092-482-5440 Fax:092-482-5538

調査委託先: 公益財団法人九州経済調査協会

〒810-0004 福岡市中央区渡辺通2丁目1番 82 号

Tel:092-721-4900 Fax:092-721-4904