2.3 ダイオキシン類について(pcb含有量含む) 2.3.1 ダ … e 占...

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1-146 2.3 ダイオキシン類について(PCB 含有量含む) 2.3.1 ダイオキシン類異性体の傾向 ダイオキシン類は焼却、農薬等の製品不純物、塩素処理による副生成物など様々な状況で生成 するが、その同族体・異性体傾向は生成過程毎に異なっており、ダイオキシン類の同族体・異性 体傾向を解析することで、その起源に関する情報を得ることができる。表 2.3-1 に明らかにされ ているダイオキシン類の起源と異性体を示す。 表 2.3-1 ダイオキシン類の起源と異性体 起源 PCDDs PCDFs CNP 1,3,6,8-TeCDD 2,4,6,8-TeCDF 1,3,7,9-TeCDD 1,2,4,6,8/1,2,4,7,9-PeCDD 1,2,4,6,8-PeCDF 1,2,3,6,8-PeCDD 2,3,4,6,8-PeCDF 1,2,3,7,9-PeCDD PCP 1,2,3,6,7,9/1,2,3,6,8,9-HxCDD 1,2,4,6,7,8-HxCDF 1,2,3,6,7,8-HxCDD 1,2,4,6,8,9-HxCDF 1,2,3,4,6,7,9-HpCDD 1,2,3,4,6,7,8-HpCDF 1,2,3,4,6,7,8-HpCDD 1,2,3,4,6,8,9-HpCDF OCDD OCDF 2,4,5-T 2,3,7,8-TeCDD 燃焼 様々な異性体が検出される 塩素漂白 1,2,7,8-TeCDF 塩素処理 2,3,7,8-TeCDF 1,2,8,9-TeCDF 1,2,4,6,7/1,2,4,7,8/1,3,4,6,7/1,3,4,7,8-PeCDF 1,2,3,7,8-PeCDF 1,2,4,8,9/2,3,4,6,7-PeCDF 1,2,4,6,8,9-HxCDF 1,2,3,4,7,8-HxCDF 1,2,3,7,8,9-HxCDF 1,2,3,4,6,7,8-HpCDF 1,2,3,4,6,8,9-HpCDF 1,2,3,4,7,8,9-HpCDF 1)先山ら:日本環境化学会、第 9 回環境化学討論会講演要旨集、pp.234-235(2000).に一部 加筆 ドラム缶付着物試料中のダイオキシン類毒性等量と異性体分布について図 2.3-1 に、同様に底 面土壌試料中のダイオキシン類毒性等量と異性体分布について図 2.3-2 に示す。 各ドラム缶付着物及び底面土壌のダイオキシン類同族体・異性体の分布傾向としては、 1) 除草剤の 2,4,5-T 中に不純物として含まれていた 2,3,7,8-TeCDD が毒性等量に高い割合 を占める試料(図 2.3-1 及び図 2.3-2 の青色) 2) 除草剤の PCP 中に不純物として含まれていた 1,2,3,4,6,7,8-HpCDD 及び OCDD の毒性 等量に占める割合が大きい試料(図 2.3-1 及び図 2.3-2 の緑色及び橙色) 3) PCB 成分が毒性等量に占める割合が大きい試料(図 2.3-1 及び図 2.3-2 の濃い青色) 等が確認されたが、それらを明確に分類できず、それぞれの起源のダイオキシン類が混合され ていると思われる試料もあった。

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1-146

2.3 ダイオキシン類について(PCB 含有量含む)

2.3.1 ダイオキシン類異性体の傾向

ダイオキシン類は焼却、農薬等の製品不純物、塩素処理による副生成物など様々な状況で生成

するが、その同族体・異性体傾向は生成過程毎に異なっており、ダイオキシン類の同族体・異性

体傾向を解析することで、その起源に関する情報を得ることができる。表 2.3-1 に明らかにされ

ているダイオキシン類の起源と異性体を示す。

表 2.3-1 ダイオキシン類の起源と異性体

起源 PCDDs PCDFs CNP 1,3,6,8-TeCDD 2,4,6,8-TeCDF 1,3,7,9-TeCDD 1,2,4,6,8/1,2,4,7,9-PeCDD 1,2,4,6,8-PeCDF 1,2,3,6,8-PeCDD 2,3,4,6,8-PeCDF 1,2,3,7,9-PeCDD PCP 1,2,3,6,7,9/1,2,3,6,8,9-HxCDD 1,2,4,6,7,8-HxCDF 1,2,3,6,7,8-HxCDD 1,2,4,6,8,9-HxCDF 1,2,3,4,6,7,9-HpCDD 1,2,3,4,6,7,8-HpCDF 1,2,3,4,6,7,8-HpCDD 1,2,3,4,6,8,9-HpCDF OCDD OCDF 2,4,5-T 2,3,7,8-TeCDD - 燃焼 様々な異性体が検出される 塩素漂白 - 1,2,7,8-TeCDF 塩素処理 2,3,7,8-TeCDF 1,2,8,9-TeCDF 1,2,4,6,7/1,2,4,7,8/1,3,4,6,7/1,3,4,7,8-PeCDF 1,2,3,7,8-PeCDF 1,2,4,8,9/2,3,4,6,7-PeCDF 1,2,4,6,8,9-HxCDF 1,2,3,4,7,8-HxCDF 1,2,3,7,8,9-HxCDF 1,2,3,4,6,7,8-HpCDF 1,2,3,4,6,8,9-HpCDF 1,2,3,4,7,8,9-HpCDF

1)先山ら:日本環境化学会、第 9 回環境化学討論会講演要旨集、pp.234-235、(2000).に一部

加筆 ドラム缶付着物試料中のダイオキシン類毒性等量と異性体分布について図 2.3-1 に、同様に底

面土壌試料中のダイオキシン類毒性等量と異性体分布について図 2.3-2に示す。 各ドラム缶付着物及び底面土壌のダイオキシン類同族体・異性体の分布傾向としては、

1) 除草剤の 2,4,5-T 中に不純物として含まれていた 2,3,7,8-TeCDD が毒性等量に高い割合

を占める試料(図 2.3-1及び図 2.3-2の青色) 2) 除草剤の PCP 中に不純物として含まれていた 1,2,3,4,6,7,8-HpCDD 及び OCDD の毒性

等量に占める割合が大きい試料(図 2.3-1及び図 2.3-2の緑色及び橙色) 3) PCB 成分が毒性等量に占める割合が大きい試料(図 2.3-1及び図 2.3-2の濃い青色)

等が確認されたが、それらを明確に分類できず、それぞれの起源のダイオキシン類が混合され

ていると思われる試料もあった。

1-147

また、国内の土壌でよく見られる除草剤のクロロニトロフェン(CNP)中に不純物として含ま

れていた 1,3,6,8-TeCDD 及び 1,3,7,9-TeCDD の割合はすべての試料で少なく、本調査のドラム缶

付着物及び底面土壌では、CNP に由来するダイオキシン類はほとんどないものと考えられた。

0

200

400

600

800

1000

1 2 4 8 10 11 12 13 14 15 17 18 19 20 21 23 24 25 28 31 32 34 37 39 41 44 46 54 57

毒性

等量

底面土壌

図 2.3-2 ドラム缶底面土壌のダイオキシン類分析結果(横軸は試料番号)

pg-TEQ/

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61

毒性

等量

付着物

図 2.3-1 ドラム缶付着物のダイオキシン類分析結果(横軸は試料番号)

pg-TEQ/

1,2,3,4,6,7,8-HpCDD 及び OCDD の毒性等量に占める割合が大きい結果の例

2,3,7,8-TeCDDの毒性等量に占める割合が大きい結果の

PCB 成分が毒性等量に占める割合が大きい結果の

凡例は図 2.3-1~

3 共通

1-148

各ドラム缶付着物及び底面土壌試料を、ダイオキシン類毒性等量及びその由来に関連する異性

体の毒性等量全体に占める割合によって分類したものを表 2.3-2に示す。

表 2.3-2 付着物、底面土壌のダイオキシン類及び異性体特徴

ダイオキシン類毒性等量(単位:pg-TEQ/g) 考えられる 由来

高い (500-2900)

やや高い (250-490)

やや低い (130-240)

低い (14-120)

2,4,5-T (2,3,7,8-TeCDD の

TEQ 割合が 50%以

上)

付着物 No.15、17、19、28、29、31、38、39、41、45、47、51、55

底面土壌 No.19

付着物 No.14、35、40

付着物 No.33、34、36

底面土壌

No.31、32、41

底面土壌 No.17

PCP (HpCDDs、OCDD、

HpCDFs、OCDF の

TEQ 割合が 50%以

上)

付着物 No.53

付着物 No.56、58

底面土壌 No.23

付着物 No.4、5、18、50

底面土壌

No.24、57

付着物 No.1、2、6、9、13、30、48

底面土壌 No.1、2、4、8、10、11、12、13、14、18、25、44、54

PCB (PCB の TEQ 割合

が 50%以上)

付着物 No.3

上記の混合 ( いずれの割合も

50%に満たない)

付着物 No.59

付着物 No.23、26、27、43、49、52、57、60、61

底面土壌 No.28

付着物 No.22、24、32、37、44、46、54

底面土壌

No.15、20、21、37、39

付着物 No.7、8、10、11、12、16、20、21、25、42

底面土壌

No.34、46 表中の毒性等量の「高い」「低い」等は今回の調査結果を濃度順に 4 等分したものであり、国内

の一般環境調査結果等で得られた土壌濃度にあわせて評価したものではない。 表 2.3-2 にみられるとおり、ダイオキシン類毒性等量が高い試料では 2,4,5-T に由来すると思

われるダイオキシン類異性体(2,3,7,8-TeCDD)の割合が高い試料が目立った。また、毒性等量

全体において PCB の割合が特に多い(50%以上)試料は 1 試料(付着物 No.3)のみであった。

1-149

PCP 由来のダイオキシン類異性体の割合が大半であった試料は最高濃度(2,900pg-TEQ/g)か

ら最低濃度(11pg-TEQ/g)まで広範囲にわたるが、PCP 由来のダイオキシン類異性体の種類は

多く、また PCP の製造方法や時期によってダイオキシン類異性体の比率は変動することが知られ

ている。そこで、確認された PCP に由来するダイオキシン類異性体の構成内容を確認するために、

各試料におけるダイオキシン類の異性体構成から 2,3,7,8-TeCDD、1,2,3,7,8-PeCDD、PCB を除

外して毒性等量の割合を表示したものを図 2.3-3 に示す。各試料のダイオキシン類異性体

(HxCDDs~OCDD、TeCDFs~OCDF)の比率は、ほとんどのドラム缶付着物、底面土壌で一

致していることから、ほぼ同一種類(製造方法・時期が同じ等)の PCP 製剤によるものである可

能性が高いことが考えられた。

たまり水試料におけるダイオキシン類毒性等量の異性

体割合を図 2.3-4 に示す。たまり水の未ろ過水、ろ過水共

に、ダイオキシン類の毒性等量が比較的高い値を示した。

なお、本試料は実際の地下水ではなく、ドラム缶発掘時に

ドラム缶内外に溜まっていた水であった。 ダイオキシン類の異性体については 2,3,7,8-TeCDD

(2,4,5-T 中の不純物)、HxCDD~OCDD 及び HxCDF~OCDF(PCP 中の不純物)、及び PCB がすべて確認され、

これらの異性体割合は未ろ過水、ろ過水共に大きな違いは

なかった。このため、たまり水については 2,4,5-T 中不純

物、PCP 中不純物、及び PCB に由来するダイオキシン類

が混合して存在していたと考えられた。 ろ過水試料のダイオキシン類毒性等量(55pg-TEQ/L)

は未ろ過水試料(150pg-TEQ/L)の 1/3 程度存在し、また

異性体割合がほとんど変わらなかったことやダイオキシ

ン類は水溶性が極めて低いことから、ろ過に用いたろ紙

(0.5μm)よりも粒径の小さな粒子等に吸着した形で存在し

ていたものと推測された。 ダイオキシン類の起源については、いくつかの統計解析を行い、追加の考察を得た。これらに

ついては「2.3.2 ダイオキシン類の統計解析」で記載する。

図 2.3-4 たまり水のダイオキシン類の毒性等量割合

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

付着

物N

o.1

付着

物N

o.2

付着

物N

o.3

付着

物N

o.4

付着

物N

o.5

付着

物N

o.6

付着

物N

o.7

付着

物N

o.8

付着

物N

o.9

付着

物No

.10

付着

物No

.11

付着

物No

.12

付着

物No

.13

付着

物No

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付着

物No

.15

付着

物No

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付着

物No

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付着

物No

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付着

物No

.20

付着

物No

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付着

物No

.22

付着

物No

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付着

物No

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付着

物No

.25

付着

物No

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付着

物No

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付着

物No

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付着

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付着

物No

.30

付着

物No

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付着

物No

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付着

物No

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物No

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物No

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付着

物No

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物No

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付着

物No

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付着

物No

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物No

.40

付着

物No

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付着

物No

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付着

物No

.43

付着

物No

.44

付着

物No

.45

付着

物No

.46

付着

物No

.47

付着

物No

.48

付着

物No

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付着

物No

.50

付着

物No

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付着

物No

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付着

物No

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付着

物No

.54

付着

物No

.55

付着

物No

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付着

物No

.57

付着

物No

.58

付着

物No

.59

付着

物No

.60

付着

物No

.61

底面

土壌

No.

1底

面土

壌N

o.2

底面

土壌

No.

4底

面土

壌N

o.8

底面

土壌

No.

10底

面土

壌N

o.11

底面

土壌

No.

12底

面土

壌N

o.13

底面

土壌

No.

14底

面土

壌N

o.15

底面

土壌

No.

17底

面土

壌N

o.18

底面

土壌

No.

19底

面土

壌N

o.20

底面

土壌

No.

21底

面土

壌N

o.23

底面

土壌

No.

24底

面土

壌N

o.25

底面

土壌

No.

28底

面土

壌N

o.31

底面

土壌

No.

32底

面土

壌N

o.34

底面

土壌

No.

37底

面土

壌N

o.39

底面

土壌

No.

41底

面土

壌N

o.44

底面

土壌

No.

46底

面土

壌N

o.54

底面

土壌

No.

57

毒性

等量

図 2.3-3 付着物、底面土壌における PCP 由来成分の比率

1-150

2.3.2 ダイオキシン類の統計解析

今回調査を行ったドラム缶付着物及び底面土壌試料について、ダイオキシン類の起源推定の資

料とするために統計解析を行った。 なお、統計解析はコンピュータソフト”JMP ver10.0”(SAS Institute、Inc.)を用いて計算した。

2.3.2 a) 分析項目間の相関

ドラム缶付着物及び底面土壌において分析した項目の大小関係を整理し、汚染の経緯についての

知見を得るために各項目間の相関を調べた。 ドラム缶付着物及び底面土壌における各分析項目(ダイオキシン類は各異性体実測濃度を含む)

間の相関係数を表 2.3-3-1~表 2.3-3-9 に示す。表中の濃い青色は高い正の相関を、赤色は負の

相関を示している。 分析項目の間で高い正の相関があった(相関係数で 0.5 以上)ものは、

1) 2,3,7,8-TeCDD、1,2,3,7,8-PeCDD 及び TeCDDs の間 2) 1)以外の各 PCDD、PCDF の間 3) 各 DL-PCB の間 4) 各 DL-PCB と PCB 含有量の間 5) 各 PCDDs、PCDFs とダイオキシン類毒性等量の間 6) PCP と 2)の同族体、異性体の間 7) PCP とダイオキシン類毒性等量の間 8) 油分の各項目の間 9) 2,4-DCP と 2,4,5-TCP の間

等であった。 ただし、9)については 2,4-DCP が検出された試料が 2 試料しかなく、実際の相関については定

かでない。また 7)については毒性等量及び PCP が最大濃度を示した試料 No.53 の数値が非常に

高く(ダイオキシン類 2,900pg-TEQ/g、PCP1.6mg/kg)、相関係数の計算の方法上非常に大きな

影響を与えていたものと考えられる。 2,4,5-T の不純物由来と考えられる 1)の項目について 2,4,5-T や 2,4,5-TCP との間の相関係数は

0.5 以上とはなっていない(0.3~0.4)が、これらは 2,4,5-T 等の農薬類がダイオキシン類に比較

して分解速度が速く、また分解速度は試料の状況によって差があり、現在の濃度が埋没時の濃度

の大小と必ずしも一致していないためであると考えられる。

1-151

表 2.3-3-1 付着物・底面土壌試料分析項目間の相関係数(その 1)

1,3

,6,8

-TeC

DD

1,3

,7,9

-TeC

DD

2,3

,7,8

-TeC

DD

TeC

DD

s

1,2

,3,7

,8-PeC

DD

PeC

DD

s

1,2

,3,4

,7,8

-H

xCD

D

1,2

,3,6

,7,8

-H

xCD

D

1,2

,3,7

,8,9

-H

xCD

D

HxC

DD

s

1,2

,3,4

,6,7

,8-H

pCD

D

HpC

DD

s

OC

DD

Total P

CD

Ds

1,2

,7,8

-T

eC

DF

2,3

,7,8

-T

eC

DF

TeC

DFs

1,2

,3,7

,8-P

eC

DF

2,3

,4,7

,8-P

eC

DF

PeC

DFs

1,2

,3,4

,7,8

-H

xCD

F

1,2

,3,6

,7,8

-H

xCD

F

1,2

,3,7

,8,9

-H

xCD

F

2,3

,4,6

,7,8

-H

xCD

F

HxC

DFs

1,2

,3,4

,6,7

,8-H

pCD

F

1,2

,3,4

,7,8

,9-H

pCD

F

HpC

DFs

OC

DF

Total P

CD

Fs

Total

(PC

DD

s+PC

DFs)

1,3,6,8-TeCDD 1.00 0.99 0.03 0.24 0.11 0.79 0.93 0.92 0.91 0.91 0.92 0.93 0.93 0.93 0.91 0.90 0.89 0.91 0.90 0.93 0.93 0.93 0.91 0.25 0.93 0.92 0.92 0.91 0.92 0.92 0.93 1,3,7,9-TeCDD 0.99 1.00 0.03 0.24 0.10 0.76 0.92 0.92 0.90 0.88 0.92 0.92 0.91 0.92 0.90 0.90 0.89 0.90 0.89 0.93 0.92 0.92 0.91 0.21 0.92 0.91 0.92 0.91 0.91 0.91 0.92 2,3,7,8-TeCDD 0.03 0.03 1.00 0.98 0.94 0.50 0.03 0.02 0.04 0.05 -0.01 -0.01 0.01 0.01 0.10 0.09 0.35 -0.02 0.00 0.01 0.00 -0.01 -0.02 0.19 0.00 -0.02 -0.02 -0.02 -0.02 -0.01 0.01 TeCDDs 0.24 0.24 0.98 1.00 0.94 0.66 0.22 0.21 0.22 0.24 0.18 0.18 0.20 0.21 0.29 0.28 0.52 0.17 0.18 0.20 0.19 0.18 0.17 0.24 0.19 0.17 0.17 0.17 0.17 0.18 0.20 1,2,3,7,8-PeCDD 0.11 0.10 0.94 0.94 1.00 0.61 0.11 0.09 0.13 0.15 0.06 0.07 0.10 0.10 0.16 0.16 0.40 0.06 0.07 0.09 0.08 0.07 0.05 0.24 0.08 0.05 0.06 0.05 0.05 0.06 0.10 PeCDDs 0.79 0.76 0.50 0.66 0.61 1.00 0.77 0.77 0.77 0.86 0.75 0.77 0.81 0.81 0.79 0.79 0.88 0.74 0.75 0.77 0.77 0.77 0.74 0.40 0.77 0.73 0.75 0.73 0.73 0.74 0.80 1,2,3,4,7,8-HxCDD 0.93 0.92 0.03 0.22 0.11 0.77 1.00 0.97 0.96 0.88 0.97 0.96 0.95 0.95 0.96 0.95 0.91 0.96 0.96 0.97 0.96 0.97 0.96 0.08 0.96 0.97 0.97 0.96 0.97 0.97 0.96 1,2,3,6,7,8-HxCDD 0.92 0.92 0.02 0.21 0.09 0.77 0.97 1.00 0.98 0.92 1.00 1.00 0.98 0.99 0.99 0.99 0.93 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.14 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.99 1,2,3,7,8,9-HxCDD 0.91 0.90 0.04 0.22 0.13 0.77 0.96 0.98 1.00 0.90 0.98 0.98 0.96 0.96 0.97 0.97 0.92 0.98 0.98 0.98 0.98 0.98 0.98 0.11 0.98 0.98 0.98 0.97 0.97 0.98 0.97 HxCDDs 0.91 0.88 0.05 0.24 0.15 0.86 0.88 0.92 0.90 1.00 0.91 0.93 0.96 0.96 0.89 0.90 0.86 0.90 0.90 0.91 0.92 0.92 0.90 0.40 0.92 0.89 0.91 0.89 0.89 0.90 0.95 1,2,3,4,6,7,8-HpCDD 0.92 0.92 -0.01 0.18 0.06 0.75 0.97 1.00 0.98 0.91 1.00 1.00 0.98 0.98 0.98 0.99 0.92 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.11 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.99 HpCDDs 0.93 0.92 -0.01 0.18 0.07 0.77 0.96 1.00 0.98 0.93 1.00 1.00 0.99 0.99 0.98 0.98 0.92 0.99 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.15 1.00 0.99 1.00 0.99 0.99 1.00 1.00 OCDD 0.93 0.91 0.01 0.20 0.10 0.81 0.95 0.98 0.96 0.96 0.98 0.99 1.00 1.00 0.96 0.96 0.91 0.97 0.98 0.98 0.99 0.99 0.98 0.27 0.99 0.97 0.98 0.97 0.97 0.97 1.00 Total PCDDs 0.93 0.92 0.01 0.21 0.10 0.81 0.95 0.99 0.96 0.96 0.98 0.99 1.00 1.00 0.96 0.97 0.91 0.98 0.98 0.98 0.99 0.99 0.98 0.25 0.99 0.97 0.98 0.97 0.97 0.98 1.00 1,2,7,8-TeCDF 0.91 0.90 0.10 0.29 0.16 0.79 0.96 0.99 0.97 0.89 0.98 0.98 0.96 0.96 1.00 0.99 0.95 0.99 0.99 0.99 0.98 0.98 0.99 0.08 0.98 0.99 0.98 0.99 0.99 0.99 0.97 2,3,7,8-TeCDF 0.90 0.90 0.09 0.28 0.16 0.79 0.95 0.99 0.97 0.90 0.99 0.98 0.96 0.97 0.99 1.00 0.95 0.99 0.99 0.99 0.98 0.98 0.98 0.10 0.98 0.98 0.98 0.98 0.98 0.99 0.98 TeCDFs 0.89 0.89 0.35 0.52 0.40 0.88 0.91 0.93 0.92 0.86 0.92 0.92 0.91 0.91 0.95 0.95 1.00 0.91 0.92 0.93 0.92 0.92 0.91 0.19 0.93 0.92 0.92 0.92 0.92 0.92 0.92 1,2,3,7,8-PeCDF 0.91 0.90 -0.02 0.17 0.06 0.74 0.96 1.00 0.98 0.90 1.00 0.99 0.97 0.98 0.99 0.99 0.91 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.08 0.99 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.98 2,3,4,7,8-PeCDF 0.90 0.89 0.00 0.18 0.07 0.75 0.96 1.00 0.98 0.90 1.00 1.00 0.98 0.98 0.99 0.99 0.92 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.10 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.99 PeCDFs 0.93 0.93 0.01 0.20 0.09 0.77 0.97 1.00 0.98 0.91 1.00 1.00 0.98 0.98 0.99 0.99 0.93 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.11 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.99 1,2,3,4,7,8-HxCDF 0.93 0.92 0.00 0.19 0.08 0.77 0.96 1.00 0.98 0.92 1.00 1.00 0.99 0.99 0.98 0.98 0.92 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.16 1.00 1.00 1.00 0.99 0.99 1.00 0.99 1,2,3,6,7,8-HxCDF 0.93 0.92 -0.01 0.18 0.07 0.77 0.97 1.00 0.98 0.92 1.00 1.00 0.99 0.99 0.98 0.98 0.92 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.15 1.00 1.00 1.00 0.99 1.00 1.00 0.99 1,2,3,7,8,9-HxCDF 0.91 0.91 -0.02 0.17 0.05 0.74 0.96 1.00 0.98 0.90 1.00 1.00 0.98 0.98 0.99 0.98 0.91 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.09 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.99 2,3,4,6,7,8-HxCDF 0.25 0.21 0.19 0.24 0.24 0.40 0.08 0.14 0.11 0.40 0.11 0.15 0.27 0.25 0.08 0.10 0.19 0.08 0.10 0.11 0.16 0.15 0.09 1.00 0.16 0.07 0.11 0.06 0.07 0.08 0.22 HxCDFs 0.93 0.92 0.00 0.19 0.08 0.77 0.96 1.00 0.98 0.92 1.00 1.00 0.99 0.99 0.98 0.98 0.93 0.99 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.16 1.00 0.99 1.00 0.99 0.99 1.00 0.99 1,2,3,4,6,7,8-HpCDF 0.92 0.91 -0.02 0.17 0.05 0.73 0.97 1.00 0.98 0.89 1.00 0.99 0.97 0.97 0.99 0.98 0.92 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.07 0.99 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.98 1,2,3,4,7,8,9-HpCDF 0.92 0.92 -0.02 0.17 0.06 0.75 0.97 1.00 0.98 0.91 1.00 1.00 0.98 0.98 0.98 0.98 0.92 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.11 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.99 HpCDFs 0.91 0.91 -0.02 0.17 0.05 0.73 0.96 1.00 0.97 0.89 1.00 0.99 0.97 0.97 0.99 0.98 0.92 1.00 1.00 1.00 0.99 0.99 1.00 0.06 0.99 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.98 OCDF 0.92 0.91 -0.02 0.17 0.05 0.73 0.97 1.00 0.97 0.89 1.00 0.99 0.97 0.97 0.99 0.98 0.92 1.00 1.00 1.00 0.99 1.00 1.00 0.07 0.99 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.98 Total PCDFs 0.92 0.91 -0.01 0.18 0.06 0.74 0.97 1.00 0.98 0.90 1.00 1.00 0.97 0.98 0.99 0.99 0.92 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.08 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 0.99Total (PCDDs+PCDFs) 0.93 0.92 0.01 0.20 0.10 0.80 0.96 0.99 0.97 0.95 0.99 1.00 1.00 1.00 0.97 0.98 0.92 0.98 0.99 0.99 0.99 0.99 0.99 0.22 0.99 0.98 0.99 0.98 0.98 0.99 1.00

表 2.3-3-2 付着物・底面土壌試料分析項目間の相関係数(その 2)

3,3

',4,4

'-TeC

B(#

77)

3,4

,4',5

-TeC

B(#

81)

3,3

',4,4

',5-

PeC

B(#

126)

3,3

',4,4

',5,5

'-H

xCB

(#169)

non-orth

o P

CB

s

2,3

,3',4

,4'-

PeC

B(#

105)

2,3

,4,4

',5-

PeC

B(#

114)

2,3

',4,4

',5-

PeC

B(#

118)

2',3

,4,4

',5-

PeC

B(#

123)

2,3

,3',4

,4',5

-H

xCB

(#156)

2,3

,3',4

,4',5

'-H

xCB

(#157)

2,3

',4,4

',5,5

'-H

xCB

(#167)

2,3

,3',4

,4',5

,5'-

HpC

B(#

189)

mono-orth

o P

CB

s

Total D

L-PC

Bs

Total T

EQ

PC

B含

有量

1,3,6,8-TeCDD 0.06 0.02 -0.01 -0.04 0.05 -0.04 -0.04 -0.02 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.03 -0.03 -0.03 0.68 0.00 1,3,7,9-TeCDD 0.04 0.01 -0.02 -0.04 0.03 -0.02 -0.02 0.00 -0.03 -0.01 -0.02 -0.02 -0.01 -0.01 -0.01 0.68 0.02 2,3,7,8-TeCDD 0.26 0.22 0.09 0.01 0.24 0.16 0.18 0.19 0.16 0.17 0.15 0.15 0.16 0.18 0.18 0.70 0.24 TeCDDs 0.27 0.22 0.09 0.00 0.24 0.15 0.17 0.18 0.15 0.16 0.14 0.13 0.15 0.17 0.17 0.82 0.23 1,2,3,7,8-PeCDD 0.29 0.24 0.10 0.01 0.26 0.15 0.16 0.17 0.15 0.16 0.15 0.14 0.15 0.17 0.17 0.73 0.26 PeCDDs 0.23 0.17 0.05 -0.02 0.20 0.04 0.04 0.06 0.03 0.04 0.04 0.03 0.04 0.05 0.05 0.91 0.12 1,2,3,4,7,8-HxCDD 0.04 0.01 -0.02 -0.04 0.03 -0.03 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.05 -0.05 -0.04 -0.04 -0.04 0.71 -0.05 1,2,3,6,7,8-HxCDD 0.02 0.02 -0.03 -0.03 0.01 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 0.72 -0.04 1,2,3,7,8,9-HxCDD 0.02 0.02 -0.03 -0.04 0.01 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.05 -0.05 -0.04 -0.04 -0.04 0.72 -0.04 HxCDDs 0.11 0.08 -0.01 -0.04 0.09 -0.03 -0.02 -0.01 -0.03 -0.02 -0.02 -0.03 -0.01 -0.01 -0.01 0.70 0.01 1,2,3,4,6,7,8-HpCDD 0.01 0.01 -0.03 -0.04 0.01 -0.05 -0.04 -0.04 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.04 -0.04 0.70 -0.04 HpCDDs 0.03 0.02 -0.03 -0.04 0.02 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.05 -0.04 -0.04 -0.04 0.71 -0.03 OCDD 0.06 0.05 -0.03 -0.04 0.05 -0.03 -0.03 -0.02 -0.03 -0.03 -0.03 -0.03 -0.03 -0.02 -0.02 0.71 -0.02 Total PCDDs 0.06 0.05 -0.03 -0.04 0.05 -0.03 -0.03 -0.02 -0.03 -0.03 -0.03 -0.03 -0.03 -0.02 -0.02 0.72 -0.02 1,2,7,8-TeCDF 0.05 0.04 0.00 -0.01 0.04 -0.02 -0.02 -0.01 -0.02 -0.02 -0.02 -0.02 -0.02 -0.02 -0.02 0.77 -0.01 2,3,7,8-TeCDF 0.11 0.11 0.07 0.06 0.11 0.04 0.04 0.04 0.04 0.03 0.03 0.04 0.03 0.04 0.04 0.77 0.03 TeCDFs 0.15 0.14 0.06 0.03 0.14 0.05 0.05 0.06 0.05 0.04 0.04 0.04 0.04 0.05 0.05 0.90 0.07 1,2,3,7,8-PeCDF 0.00 0.00 -0.03 -0.03 0.00 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 0.70 -0.04 2,3,4,7,8-PeCDF 0.02 0.02 -0.02 -0.02 0.02 -0.03 -0.03 -0.03 -0.03 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.03 -0.03 0.71 -0.04 PeCDFs 0.02 0.01 -0.03 -0.03 0.01 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 0.72 -0.03 1,2,3,4,7,8-HxCDF 0.02 0.01 -0.03 -0.04 0.01 -0.05 -0.04 -0.04 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.04 -0.04 0.71 -0.04 1,2,3,6,7,8-HxCDF 0.02 0.01 -0.03 -0.03 0.01 -0.05 -0.04 -0.04 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.04 -0.04 -0.04 0.71 -0.04 1,2,3,7,8,9-HxCDF 0.00 0.00 -0.03 -0.03 0.00 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 0.69 -0.05 2,3,4,6,7,8-HxCDF 0.16 0.15 -0.01 -0.05 0.13 0.01 0.02 0.02 0.01 0.01 0.01 -0.01 0.01 0.01 0.01 0.24 0.05 HxCDFs 0.02 0.01 -0.03 -0.04 0.01 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 0.71 -0.05 1,2,3,4,6,7,8-HpCDF 0.00 0.00 -0.03 -0.03 0.00 -0.05 -0.05 -0.04 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.04 -0.05 0.69 -0.05 1,2,3,4,7,8,9-HpCDF 0.01 0.01 -0.03 -0.03 0.00 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 0.70 -0.05 HpCDFs 0.00 0.00 -0.03 -0.03 0.00 -0.05 -0.05 -0.04 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.04 -0.05 0.69 -0.05 OCDF 0.00 0.00 -0.03 -0.03 0.00 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 0.69 -0.05 Total PCDFs 0.01 0.00 -0.03 -0.03 0.00 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 0.70 -0.05Total (PCDDs+PCDFs) 0.05 0.04 -0.03 -0.04 0.04 -0.03 -0.03 -0.03 -0.03 -0.03 -0.03 -0.04 -0.03 -0.03 -0.03 0.71 -0.02

1-152

表 2.3-3-3 付着物・底面土壌試料分析項目間の相関係数(その 3)

2,4

,5-T

2,4

-D

CP

2,4

,5-TC

P

PC

P

全砒

砒素

土壌

汚染

5価

砒素

DM

A

ふっ

TPH

C6~

C12

C12~

C28

C28~

C44

1,3,6,8-TeCDD 0.07 0.03 -0.01 0.85 -0.14 0.00 -0.04 -0.11 0.17 -0.11 -0.11 -0.12 -0.07 1,3,7,9-TeCDD 0.05 0.05 0.01 0.85 -0.12 0.00 -0.04 -0.11 0.16 -0.11 -0.11 -0.12 -0.07 2,3,7,8-TeCDD 0.32 0.22 0.47 0.18 -0.15 0.10 -0.10 -0.04 0.13 0.13 0.07 0.10 0.09 TeCDDs 0.33 0.22 0.45 0.35 -0.18 0.10 -0.10 -0.07 0.16 0.10 0.04 0.07 0.07 1,2,3,7,8-PeCDD 0.34 0.24 0.44 0.25 -0.10 0.09 -0.10 -0.09 0.16 0.04 -0.01 0.03 0.09 PeCDDs 0.21 0.10 0.19 0.79 -0.19 0.02 -0.07 -0.14 0.30 -0.08 -0.11 -0.09 0.03 1,2,3,4,7,8-HxCDD 0.06 0.00 -0.01 0.91 -0.13 -0.03 0.03 -0.07 0.19 -0.05 -0.06 -0.06 -0.05 1,2,3,6,7,8-HxCDD 0.02 0.01 0.00 0.94 -0.07 0.00 -0.05 -0.05 0.19 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 1,2,3,7,8,9-HxCDD 0.03 0.02 0.01 0.95 -0.02 0.02 -0.07 -0.05 0.20 0.00 -0.03 0.01 -0.05 HxCDDs 0.06 0.02 0.00 0.86 -0.15 -0.01 -0.04 -0.10 0.28 -0.11 -0.12 -0.11 -0.04 1,2,3,4,6,7,8-HpCDD 0.00 0.00 -0.02 0.93 -0.07 -0.01 -0.05 -0.06 0.19 -0.06 -0.06 -0.06 -0.05 HpCDDs 0.01 0.00 -0.02 0.93 -0.08 -0.01 -0.05 -0.07 0.20 -0.07 -0.07 -0.07 -0.05 OCDD 0.03 0.02 -0.01 0.92 -0.10 -0.03 -0.05 -0.10 0.23 -0.10 -0.10 -0.10 -0.06 Total PCDDs 0.02 0.02 -0.01 0.92 -0.10 -0.02 -0.05 -0.09 0.23 -0.09 -0.10 -0.09 -0.06 1,2,7,8-TeCDF 0.04 0.01 0.02 0.94 -0.08 0.00 -0.08 -0.03 0.19 -0.03 -0.04 -0.04 -0.04 2,3,7,8-TeCDF 0.02 0.01 0.02 0.94 -0.06 0.02 -0.07 -0.05 0.20 -0.03 -0.04 -0.04 -0.04 TeCDFs 0.13 0.06 0.12 0.92 -0.12 0.05 -0.10 -0.09 0.21 0.00 -0.02 -0.02 -0.03 1,2,3,7,8-PeCDF 0.00 0.00 -0.02 0.93 -0.06 0.00 -0.05 -0.05 0.18 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 2,3,4,7,8-PeCDF 0.00 0.00 -0.02 0.94 -0.06 0.00 -0.05 -0.05 0.19 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 PeCDFs 0.02 0.00 -0.01 0.94 -0.07 0.00 -0.06 -0.05 0.19 -0.06 -0.06 -0.07 -0.05 1,2,3,4,7,8-HxCDF 0.01 0.00 -0.02 0.93 -0.07 0.00 -0.06 -0.05 0.20 -0.06 -0.06 -0.07 -0.05 1,2,3,6,7,8-HxCDF 0.02 0.00 -0.02 0.93 -0.07 -0.01 -0.06 -0.06 0.20 -0.07 -0.07 -0.07 -0.05 1,2,3,7,8,9-HxCDF 0.00 -0.01 -0.03 0.93 -0.06 0.00 -0.05 -0.05 0.18 -0.06 -0.06 -0.06 -0.05 2,3,4,6,7,8-HxCDF 0.08 0.08 0.07 0.12 -0.10 0.10 -0.04 -0.11 0.21 -0.15 -0.14 -0.16 -0.06 HxCDFs 0.02 -0.01 -0.02 0.93 -0.07 0.01 -0.05 -0.06 0.20 -0.06 -0.06 -0.07 -0.05 1,2,3,4,6,7,8-HpCDF 0.00 -0.01 -0.03 0.93 -0.06 0.00 -0.05 -0.05 0.17 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 1,2,3,4,7,8,9-HpCDF 0.01 0.00 -0.02 0.93 -0.07 0.00 -0.05 -0.05 0.19 -0.06 -0.06 -0.06 -0.05 HpCDFs 0.00 -0.01 -0.02 0.93 -0.06 0.00 -0.05 -0.05 0.18 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 OCDF 0.00 -0.01 -0.02 0.93 -0.06 0.00 -0.05 -0.05 0.17 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 Total PCDFs 0.00 -0.01 -0.02 0.93 -0.06 0.00 -0.05 -0.05 0.18 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05Total (PCDDs+PCDFs) 0.02 0.01 -0.01 0.92 -0.09 -0.02 -0.05 -0.08 0.22 -0.09 -0.09 -0.09 -0.06

表 2.3-3-4 付着物・底面土壌試料分析項目間の相関係数(その 4)

1,3

,6,8

-T

eC

DD

1,3

,7,9

-T

eC

DD

2,3

,7,8

-T

eC

DD

TeC

DD

s

1,2

,3,7

,8-P

eC

DD

PeC

DD

s

1,2

,3,4

,7,8

-H

xCD

D

1,2

,3,6

,7,8

-H

xCD

D

1,2

,3,7

,8,9

-H

xCD

D

HxC

DD

s

1,2

,3,4

,6,7

,8-H

pCD

D

HpC

DD

s

OC

DD

Total P

CD

Ds

1,2

,7,8

-TeC

DF

2,3

,7,8

-TeC

DF

TeC

DFs

1,2

,3,7

,8-PeC

DF

2,3

,4,7

,8-PeC

DF

PeC

DFs

1,2

,3,4

,7,8

-H

xCD

F

1,2

,3,6

,7,8

-H

xCD

F

1,2

,3,7

,8,9

-H

xCD

F

2,3

,4,6

,7,8

-H

xCD

F

HxC

DFs

1,2

,3,4

,6,7

,8-H

pCD

F

1,2

,3,4

,7,8

,9-H

pCD

F

HpC

DFs

OC

DF

Total P

CD

Fs

Total

(PC

DD

s+PC

DFs)

3,3',4,4'-TeCB(#77) 0.06 0.04 0.26 0.27 0.29 0.23 0.04 0.02 0.02 0.11 0.01 0.03 0.06 0.06 0.05 0.11 0.15 0.00 0.02 0.02 0.02 0.02 0.00 0.16 0.02 0.00 0.01 0.00 0.00 0.01 0.053,4,4',5-TeCB(#81) 0.02 0.01 0.22 0.22 0.24 0.17 0.01 0.02 0.02 0.08 0.01 0.02 0.05 0.05 0.04 0.11 0.14 0.00 0.02 0.01 0.01 0.01 0.00 0.15 0.01 0.00 0.01 0.00 0.00 0.00 0.043,3',4,4',5-PeCB(#126) -0.01 -0.02 0.09 0.09 0.10 0.05 -0.02 -0.03 -0.03 -0.01 -0.03 -0.03 -0.03 -0.03 0.00 0.07 0.06 -0.03 -0.02 -0.03 -0.03 -0.03 -0.03 -0.01 -0.03 -0.03 -0.03 -0.03 -0.03 -0.03 -0.033,3',4,4',5,5'-HxCB(#169) -0.04 -0.04 0.01 0.00 0.01 -0.02 -0.04 -0.03 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.01 0.06 0.03 -0.03 -0.02 -0.03 -0.04 -0.03 -0.03 -0.05 -0.04 -0.03 -0.03 -0.03 -0.03 -0.03 -0.04non-ortho PCBs 0.05 0.03 0.24 0.24 0.26 0.20 0.03 0.01 0.01 0.09 0.01 0.02 0.05 0.05 0.04 0.11 0.14 0.00 0.02 0.01 0.01 0.01 0.00 0.13 0.01 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.042,3,3',4,4'-PeCB(#105) -0.04 -0.02 0.16 0.15 0.15 0.04 -0.03 -0.04 -0.04 -0.03 -0.05 -0.04 -0.03 -0.03 -0.02 0.04 0.05 -0.04 -0.03 -0.04 -0.05 -0.05 -0.05 0.01 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.032,3,4,4',5-PeCB(#114) -0.04 -0.02 0.18 0.17 0.16 0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.02 -0.04 -0.04 -0.03 -0.03 -0.02 0.04 0.05 -0.04 -0.03 -0.04 -0.04 -0.04 -0.05 0.02 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.032,3',4,4',5-PeCB(#118) -0.02 0.00 0.19 0.18 0.17 0.06 -0.04 -0.04 -0.04 -0.01 -0.04 -0.04 -0.02 -0.02 -0.01 0.04 0.06 -0.04 -0.03 -0.04 -0.04 -0.04 -0.05 0.02 -0.05 -0.04 -0.05 -0.04 -0.05 -0.05 -0.032',3,4,4',5-PeCB(#123) -0.04 -0.03 0.16 0.15 0.15 0.03 -0.04 -0.04 -0.04 -0.03 -0.05 -0.04 -0.03 -0.03 -0.02 0.04 0.05 -0.04 -0.03 -0.04 -0.05 -0.05 -0.05 0.01 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.032,3,3',4,4',5-HxCB(#156) -0.04 -0.01 0.17 0.16 0.16 0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.02 -0.05 -0.04 -0.03 -0.03 -0.02 0.03 0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.05 -0.05 -0.05 0.01 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.032,3,3',4,4',5'-HxCB(#157) -0.04 -0.02 0.15 0.14 0.15 0.04 -0.05 -0.04 -0.05 -0.02 -0.05 -0.04 -0.03 -0.03 -0.02 0.03 0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.05 -0.05 -0.05 0.01 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.032,3',4,4',5,5'-HxCB(#167) -0.04 -0.02 0.15 0.13 0.14 0.03 -0.05 -0.04 -0.05 -0.03 -0.05 -0.05 -0.03 -0.03 -0.02 0.04 0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.05 -0.05 -0.05 -0.01 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.042,3,3',4,4',5,5'-HpCB(#189) -0.03 -0.01 0.16 0.15 0.15 0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.01 -0.05 -0.04 -0.03 -0.03 -0.02 0.03 0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.05 -0.04 -0.05 0.01 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.03mono-ortho PCBs -0.03 -0.01 0.18 0.17 0.17 0.05 -0.04 -0.04 -0.04 -0.01 -0.04 -0.04 -0.02 -0.02 -0.02 0.04 0.05 -0.04 -0.03 -0.04 -0.04 -0.04 -0.05 0.01 -0.05 -0.04 -0.05 -0.04 -0.05 -0.05 -0.03Total DL-PCBs -0.03 -0.01 0.18 0.17 0.17 0.05 -0.04 -0.04 -0.04 -0.01 -0.04 -0.04 -0.02 -0.02 -0.02 0.04 0.05 -0.04 -0.03 -0.04 -0.04 -0.04 -0.05 0.01 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.03Total TEQ 0.68 0.68 0.70 0.82 0.73 0.91 0.71 0.72 0.72 0.70 0.70 0.71 0.71 0.72 0.77 0.77 0.90 0.70 0.71 0.72 0.71 0.71 0.69 0.24 0.71 0.69 0.70 0.69 0.69 0.70 0.71PCB含有量 0.00 0.02 0.24 0.23 0.26 0.12 -0.05 -0.04 -0.04 0.01 -0.04 -0.03 -0.02 -0.02 -0.01 0.03 0.07 -0.04 -0.04 -0.03 -0.04 -0.04 -0.05 0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.02

1-153

表 2.3-3-5 付着物・底面土壌試料分析項目間の相関係数(その 5)

3,3

',4,4

'-TeC

B(#

77)

3,4

,4',5

-TeC

B(#

81)

3,3

',4,4

',5-

PeC

B(#

126)

3,3

',4,4

',5,5

'-H

xCB

(#169)

non-orth

o P

CB

s

2,3

,3',4

,4'-

PeC

B(#

105)

2,3

,4,4

',5-

PeC

B(#

114)

2,3

',4,4

',5-

PeC

B(#

118)

2',3

,4,4

',5-

PeC

B(#

123)

2,3

,3',4

,4',5

-H

xCB

(#156)

2,3

,3',4

,4',5

'-H

xCB

(#157)

2,3

',4,4

',5,5

'-H

xCB

(#167)

2,3

,3',4

,4',5

,5'-

HpC

B(#

189)

mono-orth

o P

CB

s

Total D

L-PC

Bs

Total T

EQ

PC

B含

有量

3,3',4,4'-TeCB(#77) 1.00 0.97 0.90 0.83 1.00 0.73 0.68 0.68 0.74 0.67 0.71 0.73 0.64 0.69 0.70 0.27 0.623,4,4',5-TeCB(#81) 0.97 1.00 0.91 0.87 0.98 0.76 0.70 0.68 0.77 0.68 0.73 0.74 0.66 0.70 0.71 0.24 0.573,3',4,4',5-PeCB(#126) 0.90 0.91 1.00 0.98 0.93 0.71 0.64 0.62 0.72 0.63 0.69 0.71 0.60 0.65 0.65 0.12 0.543,3',4,4',5,5'-HxCB(#169) 0.83 0.87 0.98 1.00 0.87 0.72 0.65 0.62 0.73 0.63 0.70 0.72 0.60 0.65 0.65 0.06 0.52non-ortho PCBs 1.00 0.98 0.93 0.87 1.00 0.74 0.69 0.68 0.75 0.67 0.72 0.74 0.65 0.70 0.70 0.25 0.622,3,3',4,4'-PeCB(#105) 0.73 0.76 0.71 0.72 0.74 1.00 0.99 0.98 1.00 0.98 0.99 0.99 0.96 0.99 0.99 0.14 0.762,3,4,4',5-PeCB(#114) 0.68 0.70 0.64 0.65 0.69 0.99 1.00 0.99 0.99 0.99 0.99 0.99 0.98 1.00 1.00 0.14 0.772,3',4,4',5-PeCB(#118) 0.68 0.68 0.62 0.62 0.68 0.98 0.99 1.00 0.98 0.99 0.99 0.98 0.98 1.00 1.00 0.15 0.802',3,4,4',5-PeCB(#123) 0.74 0.77 0.72 0.73 0.75 1.00 0.99 0.98 1.00 0.98 0.99 0.99 0.96 0.99 0.99 0.13 0.772,3,3',4,4',5-HxCB(#156) 0.67 0.68 0.63 0.63 0.67 0.98 0.99 0.99 0.98 1.00 0.99 0.99 0.99 1.00 1.00 0.13 0.782,3,3',4,4',5'-HxCB(#157) 0.71 0.73 0.69 0.70 0.72 0.99 0.99 0.99 0.99 0.99 1.00 1.00 0.98 0.99 0.99 0.13 0.782,3',4,4',5,5'-HxCB(#167) 0.73 0.74 0.71 0.72 0.74 0.99 0.99 0.98 0.99 0.99 1.00 1.00 0.98 0.99 0.99 0.12 0.792,3,3',4,4',5,5'-HpCB(#189) 0.64 0.66 0.60 0.60 0.65 0.96 0.98 0.98 0.96 0.99 0.98 0.98 1.00 0.98 0.98 0.12 0.78mono-ortho PCBs 0.69 0.70 0.65 0.65 0.70 0.99 1.00 1.00 0.99 1.00 0.99 0.99 0.98 1.00 1.00 0.14 0.79Total DL-PCBs 0.70 0.71 0.65 0.65 0.70 0.99 1.00 1.00 0.99 1.00 0.99 0.99 0.98 1.00 1.00 0.15 0.79Total TEQ 0.27 0.24 0.12 0.06 0.25 0.14 0.14 0.15 0.13 0.13 0.13 0.12 0.12 0.14 0.15 1.00 0.19PCB含有量 0.62 0.57 0.54 0.52 0.62 0.76 0.77 0.80 0.77 0.78 0.78 0.79 0.78 0.79 0.79 0.19 1.00

表 2.3-3-6 付着物・底面土壌試料分析項目間の相関係数(その 6)

2,4

,5-T

2,4

-D

CP

2,4

,5-TC

P

PC

P

全砒

砒素

土壌

汚染

5価

砒素

DM

A

ふっ

TPH

C6~

C12

C12~

C28

C28~

C44

3,3',4,4'-TeCB(#77) 0.20 0.15 0.13 0.05 0.01 0.11 -0.10 -0.10 0.06 -0.01 -0.05 -0.01 0.123,4,4',5-TeCB(#81) 0.16 0.14 0.14 0.05 0.05 0.11 -0.12 -0.10 0.03 0.02 -0.02 0.02 0.113,3',4,4',5-PeCB(#126) 0.09 0.06 0.06 0.00 0.07 0.16 -0.08 -0.06 -0.06 0.03 0.00 0.04 0.213,3',4,4',5,5'-HxCB(#169) 0.02 0.06 0.05 -0.01 0.11 0.15 -0.07 -0.05 -0.08 0.04 0.00 0.04 0.15non-ortho PCBs 0.19 0.14 0.12 0.05 0.02 0.12 -0.10 -0.10 0.04 0.00 -0.04 0.00 0.152,3,3',4,4'-PeCB(#105) 0.07 0.40 0.34 0.02 0.07 0.13 -0.03 -0.08 -0.09 0.01 -0.03 0.01 0.072,3,4,4',5-PeCB(#114) 0.07 0.42 0.37 0.02 0.07 0.13 -0.03 -0.08 -0.08 0.01 -0.03 0.01 0.072,3',4,4',5-PeCB(#118) 0.07 0.44 0.37 0.02 0.06 0.12 -0.04 -0.08 -0.07 -0.02 -0.05 -0.02 0.062',3,4,4',5-PeCB(#123) 0.06 0.38 0.33 0.01 0.09 0.10 -0.04 -0.08 -0.08 -0.01 -0.04 -0.01 0.042,3,3',4,4',5-HxCB(#156) 0.06 0.42 0.36 0.02 0.06 0.12 -0.04 -0.08 -0.09 -0.01 -0.04 -0.01 0.102,3,3',4,4',5'-HxCB(#157) 0.05 0.40 0.34 0.01 0.08 0.12 -0.02 -0.09 -0.09 -0.01 -0.04 -0.01 0.102,3',4,4',5,5'-HxCB(#167) 0.05 0.37 0.31 0.01 0.08 0.12 -0.04 -0.08 -0.09 -0.01 -0.04 -0.01 0.092,3,3',4,4',5,5'-HpCB(#189) 0.06 0.41 0.34 0.01 0.05 0.09 -0.04 -0.10 -0.07 -0.03 -0.06 -0.03 0.08mono-ortho PCBs 0.07 0.43 0.37 0.02 0.06 0.12 -0.04 -0.08 -0.08 -0.01 -0.05 -0.02 0.06Total DL-PCBs 0.07 0.43 0.36 0.02 0.06 0.12 -0.04 -0.08 -0.08 -0.01 -0.05 -0.01 0.06Total TEQ 0.25 0.16 0.31 0.79 -0.14 0.08 -0.11 -0.08 0.23 0.03 -0.01 0.01 0.04PCB含有量 0.21 0.48 0.38 0.06 0.08 0.08 -0.08 -0.04 0.01 -0.08 -0.10 -0.08 0.03

表 2.3-3-7 付着物・底面土壌試料分析項目間の相関係数(その 7)

1,3

,6,8

-T

eC

DD

1,3

,7,9

-T

eC

DD

2,3

,7,8

-T

eC

DD

TeC

DD

s

1,2

,3,7

,8-P

eC

DD

PeC

DD

s

1,2

,3,4

,7,8

-H

xCD

D

1,2

,3,6

,7,8

-H

xCD

D

1,2

,3,7

,8,9

-H

xCD

D

HxC

DD

s

1,2

,3,4

,6,7

,8-H

pCD

D

HpC

DD

s

OC

DD

Total P

CD

Ds

1,2

,7,8

-TeC

DF

2,3

,7,8

-TeC

DF

TeC

DFs

1,2

,3,7

,8-PeC

DF

2,3

,4,7

,8-PeC

DF

PeC

DFs

1,2

,3,4

,7,8

-H

xCD

F

1,2

,3,6

,7,8

-H

xCD

F

1,2

,3,7

,8,9

-H

xCD

F

2,3

,4,6

,7,8

-H

xCD

F

HxC

DFs

1,2

,3,4

,6,7

,8-H

pCD

F

1,2

,3,4

,7,8

,9-H

pCD

F

HpC

DFs

OC

DF

Total P

CD

Fs

Total

(PC

DD

s+PC

DFs)

2,4,5-T 0.07 0.05 0.32 0.33 0.34 0.21 0.06 0.02 0.03 0.06 0.00 0.01 0.03 0.02 0.04 0.02 0.13 0.00 0.00 0.02 0.01 0.02 0.00 0.08 0.02 0.00 0.01 0.00 0.00 0.00 0.022,4-DCP 0.03 0.05 0.22 0.22 0.24 0.10 0.00 0.01 0.02 0.02 0.00 0.00 0.02 0.02 0.01 0.01 0.06 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 -0.01 0.08 -0.01 -0.01 0.00 -0.01 -0.01 -0.01 0.012,4,5-TCP -0.01 0.01 0.47 0.45 0.44 0.19 -0.01 0.00 0.01 0.00 -0.02 -0.02 -0.01 -0.01 0.02 0.02 0.12 -0.02 -0.02 -0.01 -0.02 -0.02 -0.03 0.07 -0.02 -0.03 -0.02 -0.02 -0.02 -0.02 -0.01PCP 0.85 0.85 0.18 0.35 0.25 0.79 0.91 0.94 0.95 0.86 0.93 0.93 0.92 0.92 0.94 0.94 0.92 0.93 0.94 0.94 0.93 0.93 0.93 0.12 0.93 0.93 0.93 0.93 0.93 0.93 0.92全砒素 -0.14 -0.12 -0.15 -0.18 -0.10 -0.19 -0.13 -0.07 -0.02 -0.15 -0.07 -0.08 -0.10 -0.10 -0.08 -0.06 -0.12 -0.06 -0.06 -0.07 -0.07 -0.07 -0.06 -0.10 -0.07 -0.06 -0.07 -0.06 -0.06 -0.06 -0.09砒素土壌汚染 0.00 0.00 0.10 0.10 0.09 0.02 -0.03 0.00 0.02 -0.01 -0.01 -0.01 -0.03 -0.02 0.00 0.02 0.05 0.00 0.00 0.00 0.00 -0.01 0.00 0.10 0.01 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 -0.025価砒素 -0.04 -0.04 -0.10 -0.10 -0.10 -0.07 0.03 -0.05 -0.07 -0.04 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.08 -0.07 -0.10 -0.05 -0.05 -0.06 -0.06 -0.06 -0.05 -0.04 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05DMA -0.11 -0.11 -0.04 -0.07 -0.09 -0.14 -0.07 -0.05 -0.05 -0.10 -0.06 -0.07 -0.10 -0.09 -0.03 -0.05 -0.09 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.06 -0.05 -0.11 -0.06 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.08ふっ素 0.17 0.16 0.13 0.16 0.16 0.30 0.19 0.19 0.20 0.28 0.19 0.20 0.23 0.23 0.19 0.20 0.21 0.18 0.19 0.19 0.20 0.20 0.18 0.21 0.20 0.17 0.19 0.18 0.17 0.18 0.22TPH -0.11 -0.11 0.13 0.10 0.04 -0.08 -0.05 -0.05 0.00 -0.11 -0.06 -0.07 -0.10 -0.09 -0.03 -0.03 0.00 -0.05 -0.05 -0.06 -0.06 -0.07 -0.06 -0.15 -0.06 -0.05 -0.06 -0.05 -0.05 -0.05 -0.09C6~C12 -0.11 -0.11 0.07 0.04 -0.01 -0.11 -0.06 -0.05 -0.03 -0.12 -0.06 -0.07 -0.10 -0.10 -0.04 -0.04 -0.02 -0.05 -0.05 -0.06 -0.06 -0.07 -0.06 -0.14 -0.06 -0.05 -0.06 -0.05 -0.05 -0.05 -0.09C12~C28 -0.12 -0.12 0.10 0.07 0.03 -0.09 -0.06 -0.05 0.01 -0.11 -0.06 -0.07 -0.10 -0.09 -0.04 -0.04 -0.02 -0.05 -0.05 -0.07 -0.07 -0.07 -0.06 -0.16 -0.07 -0.05 -0.06 -0.05 -0.05 -0.05 -0.09C28~C44 -0.07 -0.07 0.09 0.07 0.09 0.03 -0.05 -0.05 -0.05 -0.04 -0.05 -0.05 -0.06 -0.06 -0.04 -0.04 -0.03 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.06 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.05 -0.06

1-154

表 2.3-3-8 付着物・底面土壌試料分析項目間の相関係数(その 8)

3,3

',4,4

'-T

eC

B(#

77)

3,4

,4',5

-T

eC

B(#

81)

3,3

',4,4

',5-

PeC

B(#

126)

3,3

',4,4

',5,5

'-H

xCB

(#169)

non-orth

o P

CB

s

2,3

,3',4

,4'-

PeC

B(#

105)

2,3

,4,4

',5-

PeC

B(#

114)

2,3

',4,4

',5-

PeC

B(#

118)

2',3

,4,4

',5-

PeC

B(#

123)

2,3

,3',4

,4',5

-H

xCB

(#156)

2,3

,3',4

,4',5

'-H

xCB

(#157)

2,3

',4,4

',5,5

'-H

xCB

(#167)

2,3

,3',4

,4',5

,5'-

HpC

B(#

189)

mono-orth

o P

CB

s

Total D

L-PC

Bs

Total T

EQ

PC

B含

有量

2,4,5-T 0.20 0.16 0.09 0.02 0.19 0.07 0.07 0.07 0.06 0.06 0.05 0.05 0.06 0.07 0.07 0.25 0.212,4-DCP 0.15 0.14 0.06 0.06 0.14 0.40 0.42 0.44 0.38 0.42 0.40 0.37 0.41 0.43 0.43 0.16 0.482,4,5-TCP 0.13 0.14 0.06 0.05 0.12 0.34 0.37 0.37 0.33 0.36 0.34 0.31 0.34 0.37 0.36 0.31 0.38PCP 0.05 0.05 0.00 -0.01 0.05 0.02 0.02 0.02 0.01 0.02 0.01 0.01 0.01 0.02 0.02 0.79 0.06全砒素 0.01 0.05 0.07 0.11 0.02 0.07 0.07 0.06 0.09 0.06 0.08 0.08 0.05 0.06 0.06 -0.14 0.08砒素土壌汚染 0.11 0.11 0.16 0.15 0.12 0.13 0.13 0.12 0.10 0.12 0.12 0.12 0.09 0.12 0.12 0.08 0.085価砒素 -0.10 -0.12 -0.08 -0.07 -0.10 -0.03 -0.03 -0.04 -0.04 -0.04 -0.02 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.11 -0.08DMA -0.10 -0.10 -0.06 -0.05 -0.10 -0.08 -0.08 -0.08 -0.08 -0.08 -0.09 -0.08 -0.10 -0.08 -0.08 -0.08 -0.04ふっ素 0.06 0.03 -0.06 -0.08 0.04 -0.09 -0.08 -0.07 -0.08 -0.09 -0.09 -0.09 -0.07 -0.08 -0.08 0.23 0.01TPH -0.01 0.02 0.03 0.04 0.00 0.01 0.01 -0.02 -0.01 -0.01 -0.01 -0.01 -0.03 -0.01 -0.01 0.03 -0.08C6~C12 -0.05 -0.02 0.00 0.00 -0.04 -0.03 -0.03 -0.05 -0.04 -0.04 -0.04 -0.04 -0.06 -0.05 -0.05 -0.01 -0.10C12~C28 -0.01 0.02 0.04 0.04 0.00 0.01 0.01 -0.02 -0.01 -0.01 -0.01 -0.01 -0.03 -0.02 -0.01 0.01 -0.08C28~C44 0.12 0.11 0.21 0.15 0.15 0.07 0.07 0.06 0.04 0.10 0.10 0.09 0.08 0.06 0.06 0.04 0.03

表 2.3-3-9 付着物・底面土壌試料分析項目間の相関係数(その 9)

2,4

,5-T

2,4

-D

CP

2,4

,5-TC

P

PC

P

全砒

砒素

土壌

汚染

5価

砒素

DM

A

ふっ

TPH

C6~

C12

C12~

C28

C28~

C44

2,4,5-T 1.00 0.05 0.12 0.11 -0.12 0.02 -0.05 -0.05 0.10 0.02 0.00 0.01 0.112,4-DCP 0.05 1.00 0.84 0.18 0.03 0.09 -0.05 -0.03 0.03 0.15 0.24 0.14 0.242,4,5-TCP 0.12 0.84 1.00 0.24 -0.05 0.06 -0.02 -0.03 -0.04 0.21 0.21 0.20 0.23PCP 0.11 0.18 0.24 1.00 -0.05 0.04 -0.07 -0.06 0.18 0.05 0.02 0.05 0.05全砒素 -0.12 0.03 -0.05 -0.05 1.00 0.16 -0.25 -0.08 -0.07 -0.11 -0.10 -0.10 -0.11砒素土壌汚染 0.02 0.09 0.06 0.04 0.16 1.00 0.01 0.17 -0.19 0.34 0.38 0.32 0.245価砒素 -0.05 -0.05 -0.02 -0.07 -0.25 0.01 1.00 -0.08 -0.13 -0.08 -0.07 -0.08 -0.08DMA -0.05 -0.03 -0.03 -0.06 -0.08 0.17 -0.08 1.00 -0.15 -0.02 -0.02 -0.02 -0.07ふっ素 0.10 0.03 -0.04 0.18 -0.07 -0.19 -0.13 -0.15 1.00 -0.06 -0.09 -0.03 -0.14TPH 0.02 0.15 0.21 0.05 -0.11 0.34 -0.08 -0.02 -0.06 1.00 0.91 0.98 0.37C6~C12 0.00 0.24 0.21 0.02 -0.10 0.38 -0.07 -0.02 -0.09 0.91 1.00 0.86 0.52C12~C28 0.01 0.14 0.20 0.05 -0.10 0.32 -0.08 -0.02 -0.03 0.98 0.86 1.00 0.36C28~C44 0.11 0.24 0.23 0.05 -0.11 0.24 -0.08 -0.07 -0.14 0.37 0.52 0.36 1.00

1-155

2 b) 主成分分析

「ダイオキシン類の同族体・異性体傾向」でドラム缶付着物及び底面土壌試料におけるダイオ

キシン類の同族体・異性体傾向からダイオキシン類の異性体パターンを解析し、ダイオキシン類

の由来成分として「2,4,5-T 中不純物」「PCP 中不純物」「PCB 製品」の 3 つを推定した。ダイオ

キシン類の由来成分としてはこれらの他に焼却による発生や塩素処理による副生成物等が考えら

れるが、ドラム缶付着物、底面土壌試料に対しこれらの寄与があるかについての情報を得るため、

試料のダイオキシン類分析結果に対して主成分分析を行った。 ドラム缶付着物及び底面土壌の分析結果に関して、毒性等価係数(TEF)を持つダイオキシン

類異性体 29 種類を対象として毒性等量で主成分分析を行った結果(主成分負荷量)を表 2.3-4

に示す。また、これらの異性体の実測濃度に 1,3,6,8-TeCDD、1,3,7,9-TeCDD(除草剤 CNP に由

来するもの)、1,2,7,8-TeCDF(塩素処理過程に由来するもの)及び 4~8 塩化物の同族体の実測

濃度を追加して、主成分分析を行った結果(主成分負荷量)を表 2.3-5に示す。 計算された主成分のうち第 1~第 4 主成分中の各ダイオキシン類異性体の負荷量を以下に示す

(第 4 主成分までの寄与率で、毒性等量で合計 95.246%、実測濃度で合計 95.098%となった)。

表 2.3-4 ダイオキシン類主成分分析における主成分負荷量(毒性等量)

異性体 主成分 1 主成分 2 主成分 3 主成分 4 2,3,7,8-TeCDD -0.002 0.215 0.925 -0.115 1,2,3,7,8-PeCDD 0.079 0.219 0.935 -0.080 1,2,3,4,7,8-HxCDD 0.968 0.071 0.009 -0.010 1,2,3,6,7,8-HxCDD 0.997 0.073 0.002 -0.009 1,2,3,7,8,9-HxCDD 0.980 0.068 0.025 -0.015 1,2,3,4,6,7,8-HpCDD 0.997 0.065 -0.032 -0.009 OCDD 0.980 0.087 0.037 0.010 2,3,7,8-TeCDF 0.979 0.163 0.046 0.025 1,2,3,7,8-PeCDF 0.995 0.067 -0.047 -0.017 2,3,4,7,8-PeCDF 0.994 0.078 -0.028 -0.006 1,2,3,4,7,8-HxCDF 0.996 0.067 -0.008 -0.002 1,2,3,6,7,8-HxCDF 0.997 0.067 -0.016 -0.001 1,2,3,7,8,9-HxCDF 0.996 0.060 -0.044 -0.009 2,3,4,6,7,8-HxCDF 0.125 0.054 0.431 0.111 1,2,3,4,6,7,8-HpCDF 0.995 0.063 -0.050 -0.014 1,2,3,4,7,8,9-HpCDF 0.997 0.061 -0.035 -0.004 OCDF 0.995 0.061 -0.049 -0.012 3,3',4,4'-TeCB (#77) -0.033 0.834 0.163 0.465 3,4,4',5-TeCB (#81) -0.039 0.849 0.116 0.470 3,3',4,4',5-PeCB (#126) -0.082 0.804 -0.052 0.558 3,3',4,4',5,5'-HxCB (#169) -0.086 0.794 -0.147 0.524 2,3,3',4,4'-PeCB (#105) -0.113 0.975 -0.067 -0.146 2,3,4,4',5-PeCB (#114) -0.110 0.959 -0.052 -0.241 2,3',4,4',5-PeCB (#118) -0.108 0.952 -0.043 -0.270 2',3,4,4',5-PeCB (#123) -0.114 0.978 -0.067 -0.130 2,3,3',4,4',5-HxCB (#156) -0.114 0.953 -0.062 -0.266 2,3,3',4,4',5'-HxCB (#157) -0.116 0.969 -0.075 -0.188 2,3',4,4',5,5'-HxCB (#167) -0.117 0.975 -0.084 -0.153 2,3,3',4,4',5,5'-HpCB (#189) -0.111 0.933 -0.066 -0.290

(第 4 主成分までの寄与率で合計 95.246%となった)

1-156

表 2.3-5 ダイオキシン類主成分分析における主成分負荷量(実測濃度)

異性体 主成分 1 主成分 2 主成分 3 主成分 4 1,3,6,8-TeCDD 0.941 0.005 0.004 0.025 1,3,7,9-TeCDD 0.934 0.015 -0.007 -0.021 2,3,7,8-TeCDD 0.061 0.253 0.934 -0.086 TeCDDs 0.255 0.247 0.912 -0.077 1,2,3,7,8-PeCDD 0.142 0.250 0.926 -0.043 PeCDDs 0.809 0.131 0.502 0.051 1,2,3,4,7,8-HxCDD 0.971 -0.004 -0.036 -0.016 1,2,3,6,7,8-HxCDD 0.997 -0.005 -0.054 -0.011 1,2,3,7,8,9-HxCDD 0.980 -0.008 -0.028 -0.017 HxCDDs 0.932 0.028 0.056 0.070 1,2,3,4,6,7,8-HpCDD 0.995 -0.014 -0.085 -0.014 HpCDDs 0.996 -0.008 -0.070 -0.004 OCDD 0.985 0.011 -0.027 0.022 1,2,7,8-TeCDF 0.988 0.026 0.009 -0.018 2,3,7,8-TeCDF 0.987 0.087 -0.008 0.019 TeCDFs 0.946 0.118 0.255 0.001 1,2,3,7,8-PeCDF 0.991 -0.013 -0.099 -0.025 2,3,4,7,8-PeCDF 0.991 -0.002 -0.083 -0.012 PeCDFs 0.997 -0.007 -0.065 -0.015 1,2,3,4,7,8-HxCDF 0.996 -0.012 -0.065 -0.003 1,2,3,6,7,8-HxCDF 0.996 -0.012 -0.072 -0.002 1,2,3,7,8,9-HxCDF 0.993 -0.020 -0.097 -0.015 2,3,4,6,7,8-HxCDF 0.163 0.056 0.356 0.202 HxCDFs 0.997 -0.016 -0.059 0.005 1,2,3,4,6,7,8-HpCDF 0.991 -0.017 -0.101 -0.023 1,2,3,4,7,8,9-HpCDF 0.994 -0.018 -0.088 -0.009 HpCDFs 0.990 -0.017 -0.102 -0.025 OCDF 0.991 -0.018 -0.099 -0.021 3,3',4,4'-TeCB (#77) 0.040 0.838 0.102 0.476 3,4,4',5-TeCB (#81) 0.028 0.851 0.050 0.477 3,3',4,4',5-PeCB (#126) -0.024 0.804 -0.100 0.546 3,3',4,4',5,5'-HxCB (#169) -0.036 0.791 -0.193 0.504 2,3,3',4,4'-PeCB (#105) -0.042 0.978 -0.099 -0.147 2,3,4,4',5-PeCB (#114) -0.041 0.962 -0.082 -0.240 2,3',4,4',5-PeCB (#118) -0.036 0.956 -0.067 -0.266 2',3,4,4',5-PeCB (#123) -0.043 0.980 -0.101 -0.131 2,3,3',4,4',5-HxCB (#156) -0.043 0.956 -0.086 -0.264 2,3,3',4,4',5'-HxCB (#157) -0.045 0.972 -0.104 -0.188 2,3',4,4',5,5'-HxCB (#167) -0.046 0.977 -0.113 -0.154 2,3,3',4,4',5,5'-HpCB (#189) -0.041 0.938 -0.093 -0.289

(第 4 主成分までの寄与率で合計 95.098%となった)

1-157

導かれた4つの主成分の内容について既存の知見より考察すると以下のようになる。

①主成分 1:

HxCDD~OCDD 及び PCDF の負荷量が大きく、2,3,7,8-TeCDD、1,2,3,7,8-PeCDD 及び

PCB の負荷量は小さい。これはダイオキシン類における PCP 中の不純物由来の成分を表し

ていることが推定される。

②主成分 2、4: 主成分 2,4 で分布は異なるが PCB の負荷量が大きい。これは PCB の影響を表しているこ

とが推定される。

③主成分 3: 2,3,7,8-TeCDD、1,2,3,7,8-PeCDD の負荷量が大きい。これはダイオキシン類における

2,4,5-T の不純物由来の成分を表していることが推定される。 上記の成分で寄与率のほとんど(95%)を占めていたため、今回の調査においてこれら以外にダ

イオキシン類の濃度に大きな影響を及ぼした成分はなかったものと考えられる。 実測濃度を用いた主成分分析において、CNP 中の不純物と考えられている 1,3,6,8-TeCDD 及び

1,3,7,9-TeCDD、また塩素処理過程によって生成すると考えられている 1,2,7,8-TeCDF について

はほとんどが第 1 主成分に組み込まれる結果となった。しかしながら、実際の実測濃度をみると

HpCDDs や OCDD の濃度が高く、1,3,6,8-TeCDD、1,3,7,9-TeCDD 及び 1,2,7,8-TeCDF の濃度

が高い試料はみられなかった。このため第 1 主成分を CNP や塩素処理に由来すると考えること

はできず、1,3,6,8-TeCDD 及び 1,3,7,9-TeCDD、1,2,7,8-TeCDF を中心とした成分が他に確認さ

れなかったことから、今回の調査結果において CNP や塩素処理に由来する成分は確認できなか

ったと結論できる。なお、焼却に特徴的な主成分は確認できなかった。 以上の主成分分析の結果、及び試料のダイオキシン類同族体・異性体傾向から、今回の調査での

ドラム缶付着物、底面土壌試料中のダイオキシン類は 1) 2,4,5-T の製造過程における不純物に由来するもの(2,3,7,8-TeCDD) 2) PCP の製造過程における不純物に由来するもの

(6~8 塩化物の HxCDD~OCDD 及び HxCDF~OCDF) 3) PCB 成分が含まれることに由来するもの

の 3 種類の起源によるものと推定された。

1-158

2.3.2 c) 重回帰分析によるダイオキシン類の起源推定割合推定

主成分分析の結果により、ドラム缶付着物、底面土壌試料中のダイオキシン類は PCP 中不純物、

PCB、及び 2,4,5-T 中不純物の 3 種類の起源によることが推定された。これら 3 つに分類された

2,4,5-T、PCP、及び PCB に含まれていたダイオキシン類異性体組成を用いて、重回帰分析によ

り各ドラム缶付着物、底面土壌試料のダイオキシン類の由来成分の割合を推定した。 重回帰分析は試料の TEF を持つ各ダイオキシン類異性体の毒性等量を対象に、PCP 中のダイ

オキシン類の異性体組成は Masunaga らの、PCB 中のダイオキシン類の異性体組成は Takasugaらの報告を参考とした。2,4,5-T 中のダイオキシン類各異性体別濃度については詳細な報告が確認

できなかったため、2,4,5-T の製造過程において不純物として生成していたダイオキシン類異性体

は 2,3,7,8-TeCDD のみであると仮定して計算を行った。 参考文献

①Shigeki Masunaga, Takumi Takasuga, Junko Nakanishi (2001) Dioxin and dioxin-like PCB impurities in some Japanese agrochemical formulations. Chemosphere, 44:873-885 ②Takumi Takasuga, Kuruthanchalam Senthil Kumar, Yuko Noma, Shinichi Sakai (2005) Chemical Characterization of Polychlorinated Byphenils, -Dibenzo-p-Dioxins, and –Dibenzofurans in Technical Kanechlor PCB Formulations in Japan. Arch. Environ. Contam. Toxicol., 49:385-395

重回帰分析による各試料中の PCP、PCB、及び 2,4,5-T 由来の推定割合の計算結果を表 2.3-6

に示す。 表 2.3-6 重回帰分析結果

試料 切片 PCP PCB 2,4,5-T 合計 付着物 No.1 1% 72% 11% 2% 85% 付着物 No.2 1% 75% 6% 1% 82% 付着物 No.3 0% 9% 87% 11% 106% 付着物 No.4 1% 79% 5% 0% 84% 付着物 No.5 1% 75% 3% 3% 81% 付着物 No.6 1% 78% 6% 1% 85% 付着物 No.7 3% 4% -1% 8% 14% 付着物 No.8 1% 62% 11% 0% 74% 付着物 No.9 1% 80% 3% 0% 83% 付着物 No.10 1% 68% 11% 3% 81% 付着物 No.11 1% 62% 9% 9% 80% 付着物 No.12 1% 60% 13% 0% 74% 付着物 No.13 1% 70% 4% 1% 76% 付着物 No.14 1% 11% -1% 65% 77% 付着物 No.15 1% 5% -1% 64% 69% 付着物 No.16 0% 60% 5% 21% 86% 付着物 No.17 1% 3% 1% 76% 80% 付着物 No.18 0% 76% 4% 7% 87% 付着物 No.19 0% 5% 1% 79% 86% 付着物 No.20 0% 58% 16% 13% 87% 付着物 No.21 1% 60% 0% 3% 64% 付着物 No.22 1% 64% 1% 16% 82% 付着物 No.23 1% 26% 3% 47% 77% 付着物 No.24 1% 27% 5% 43% 76%

1-159

試料 切片 PCP PCB 2,4,5-T 合計 付着物 No.25 1% 46% 4% 27% 78% 付着物 No.26 1% 35% 7% 38% 81% 付着物 No.27 1% 35% 0% 41% 77% 付着物 No.28 1% 6% 2% 58% 67% 付着物 No.29 1% 5% 7% 61% 74% 付着物 No.30 1% 68% 2% 10% 81% 付着物 No.31 1% -3% -2% 70% 67% 付着物 No.32 1% 59% 5% 20% 84% 付着物 No.33 1% 5% 3% 70% 78% 付着物 No.34 1% 15% 2% 59% 77% 付着物 No.35 1% 11% 3% 60% 75% 付着物 No.36 1% 19% 2% 60% 82% 付着物 No.37 1% 37% 3% 43% 84% 付着物 No.38 1% 9% 2% 58% 70% 付着物 No.39 1% 9% 6% 58% 74% 付着物 No.40 1% 22% 2% 52% 77% 付着物 No.41 1% 6% -1% 57% 63% 付着物 No.42 1% 49% 1% 31% 83% 付着物 No.43 0% 59% 14% 18% 91% 付着物 No.44 0% 61% 8% 20% 89% 付着物 No.45 1% 6% -1% 65% 71% 付着物 No.46 0% 35% 56% 9% 100% 付着物 No.47 1% -1% -1% 72% 71% 付着物 No.48 1% 72% 4% 7% 83% 付着物 No.49 0% 58% 19% 12% 89% 付着物 No.50 1% 73% 2% 8% 84% 付着物 No.51 1% 4% 0% 62% 67% 付着物 No.52 1% 52% 1% 27% 80% 付着物 No.53 0% 95% 0% 1% 96% 付着物 No.54 1% 41% 1% 36% 79% 付着物 No.55 1% 18% -1% 53% 71% 付着物 No.56 1% 79% 0% 5% 84% 付着物 No.57 1% 46% 2% 30% 79% 付着物 No.58 0% 76% 8% 2% 86% 付着物 No.59 1% 44% 0% 34% 80% 付着物 No.60 1% 42% 0% 33% 76% 付着物 No.61 1% 29% 4% 43% 77% 底面土壌 No.1 1% 62% 2% -1% 64% 底面土壌 No.2 1% 77% 3% 0% 80% 底面土壌 No.4 1% 83% 1% 0% 85% 底面土壌 No.8 1% 77% 4% 0% 82% 底面土壌 No.10 1% 68% 3% 4% 75% 底面土壌 No.11 1% 72% 0% 9% 81% 底面土壌 No.12 1% 79% 2% 1% 83% 底面土壌 No.13 1% 76% 4% 0% 81% 底面土壌 No.14 1% 79% 1% 2% 83% 底面土壌 No.15 1% 37% 0% 39% 77% 底面土壌 No.17 1% 25% 4% 55% 84% 底面土壌 No.18 0% 81% 4% 2% 88% 底面土壌 No.19 0% 0% -1% 87% 87% 底面土壌 No.20 0% 69% 16% 1% 86%

1-160

試料 切片 PCP PCB 2,4,5-T 合計 底面土壌 No.21 1% 66% -1% 2% 68% 底面土壌 No.23 0% 90% 1% 3% 93% 底面土壌 No.24 1% 74% 7% 1% 82% 底面土壌 No.25 1% 82% 1% 0% 84% 底面土壌 No.28 1% 50% 0% 30% 81% 底面土壌 No.31 1% 13% 0% 63% 76% 底面土壌 No.32 1% 17% 0% 64% 81% 底面土壌 No.34 1% 35% 6% 36% 78% 底面土壌 No.37 0% 59% 4% 22% 87% 底面土壌 No.39 1% 26% 10% 42% 78% 底面土壌 No.41 1% 23% -1% 54% 76% 底面土壌 No.44 1% 73% 4% 7% 85% 底面土壌 No.46 0% 66% 19% 1% 87% 底面土壌 No.54 0% 85% 1% 6% 91% 底面土壌 No.57 0% 84% 2% 4% 90%

今回調査分析を行ったドラム缶付着物及び底面土壌について、重回帰分析によるダイオキシン

類由来成分の推定は上記の 3 種類(2,4,5-T 由来、PCP 由来、PCB 由来)によってダイオキシン

類毒性等量の大半を説明することができた。ただし、試料中 1,2,3,7,8-PeCDD の割合が大きい試

料については、上記の 3 つの起源によって説明できない割合が多くなった。このことは、文献等

から取得したダイオキシン類の異性体組成には 1,2,3,7,8-PeCDD が入っていないからである。 試料中に 1,2,3,7,8-PeCDD の割合が大きい理由として、1,2,3,7,8-PeCDD は 2,4,5-T あるいは

PCP を製造する過程で生成する可能性のある異性体であるため、ドラム缶付着物中の 2,4,5-T あ

るいは PCP 中の不純物として含まれていた可能性が考えられた。 ダイオキシン類の異性体割合及び重回帰分析によるドラム缶付着物の起源の推定割合は試料ご

とに異なっており、単一の起源がほとんど(重回帰分析で 90%以上)を占める試料もあったが、

明らかに複数のダイオキシン類起源の異性体が混合している試料も多く存在した。底面土壌試料

のダイオキシン類測定結果はその対応するドラム缶付着物試料より低かった。ドラム缶は埋没時

に意図的につぶされたとの聴き取り結果があり、その結果ドラム缶内にあった 2,4,5-T や PCP、PCB が混合したことが考えられた。

以上の統計解析結果は「2.3-1 ダイオキシン類の同族体・異性体傾向」において実際の分析結

果に基づき考察した結果と一致していた。

1-161

2.3.2 d) クラスター分析

各ドラム缶付着物・底面土壌試料の類似性を考察するためクラスター分析を行った。分析計算

にはダイオキシン類各異性体のうち毒性等価係数(TEF)を持つものすべてを用いて行った。 計算したクラスター分析の樹形図を図 2.3-5に示す。

図 2.3-5 クラスター分析樹形図

クラスターNo. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

1-162

クラスター分析によって分類された各試料とそのダイオキシン類異性体割合の特徴を表 2.3-7

に示す。おおよその分類として、PCP 不純物由来のダイオキシン類異性体割合が大きい試料、

2,4,5-T 不純物由来の異性体割合が大きい試料、PCB 由来の DL-PCB の割合が大きい試料に分か

れ、その中で特徴的な異性体割合を示す試料が単独で区分された。

表 2.3-7 計算によって分けられたクラスター別の特徴

クラスター 異性体割合の特徴 1 付着物 No.1,2,8,11,12

底面土壌 No.24,46 ダイオキシン類毒性等量に対する PCP 不純物由来成分

(HxCDDs~OCDD、HxCDFs~OCDF)の割合が大きい。 2 付着物

No.4,5,6,9,10,13,16,18,20,21,22, 27,30,32,42,43,44,48,49,50,52,54,56,57,58,59,60 底面土壌

No.1,2,4,8,10,11,12,13,14,15,18,20,21,23,25,28,34,37,44,54,57

3 付着物 No.25 ダイオキシン類毒性等量に対する PCP 不純物由来成分

(HxCDDs~OCDD、HxCDFs~OCDF)の割合が大きいが、

2,4,5-T 不純物由来成分(2,3,7,8-TeCDD)の割合も比較的大

きい。 4 付着物 No.53 ダイオキシン類毒性等量に対する PCP 不純物由来成分

(HxCDDs~OCDD、HxCDFs~OCDF)の割合が特に大き

く、他の 2,4,5-T 不純物由来成分(2,3,7,8-TeCDD)や PCBの割合が非常に小さい。

5 付着物 No.7 1,2,3,7,8-PeCDD の割合が大きい。 6 付着物

No.14,15,17,19,23,24,26,28,29,31,33,34,35,36,37,38,40,41,45,47,51,55,61 底面土壌 No.17,19,31,32,41

ダイオキシン類毒性等量に対する 2,4,5-T 不純物由来成分

(2,3,7,8-TeCDD)の割合が大きい。

7 付着物 No. 39 ダイオキシン類毒性等量に対する 2,4,5-T 不純物由来成分

(2,3,7,8-TeCDD)の割合が大きいが、PCB の割合も比較的

大きい。 8 付着物 No.46 ダイオキシン類毒性等量に対する PCB の割合が他の試料

に比べて大きい。 9 付着物 No.3 PCB の割合が特に大きい。 10 底面土壌 No.39 ダイオキシン類毒性等量に対する 2,4,5-T 不純物由来成分

(2,3,7,8-TeCDD)の割合が大きいが、PCP 不純物由来成分

(HxCDDs~OCDD、HxCDFs~OCDF)の割合も比較的大

きい。また PCB の割合が他の試料に比べて大きい。

1-163

2.3.3 ダイオキシン類高濃度試料の特徴

2.3.3 a) ドラム缶付着物高濃度試料の特徴

本調査でのドラム缶付着物試料におけるダイオキシン類分析結果について、毒性等量の高かった

順に試料を並べたものを図 2.3-6 に示す。

図 2.3-6 ドラム缶付着物のダイオキシン類毒性等量と異性体組成(濃度順)

ドラム缶付着物試料において、ダイオキシン類の毒性等量が 1,000pg-TEQ/g を超えたものは、

No.28,38,41,51,53,55 の 6 検体であった。これらの試料を含む毒性等量が 500pg-TEQ/g 以上の

試料 15 検体について、その毒性等量、ドラム缶の外観の所見、及び重回帰分析によって推定され

たダイオキシン類の主な由来の割合を表 2.3-8に示す。

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

53515538284131172947591519394514356160275723 3 524358564026495036543437243332444622 4 5 1848252021 7 3011 1 6 42 2 9 8 13121610

毒性

等量

(pg-

TEQ

/g)

付着物

2,3,7,8-TeCDD

1,2,3,7,8-PeCDD

1,2,3,4,7,8-HxCDD

1,2,3,6,7,8-HxCDD

1,2,3,7,8,9-HxCDD

1,2,3,4,6,7,8-HpCDD

OCDD

2,3,7,8-TeCDF

1,2,3,7,8-PeCDF

2,3,4,7,8-PeCDF

1,2,3,4,7,8-HxCDF

1,2,3,6,7,8-HxCDF

1,2,3,7,8,9-HxCDF

2,3,4,6,7,8-HxCDF

1,2,3,4,6,7,8-HpCDF

1,2,3,4,7,8,9-HpCDF

OCDF

3,3',4,4'-TeCB (#77)

3,4,4',5-TeCB (#81)

3,3',4,4',5-PeCB (#126)

3,3',4,4',5,5'-HxCB (#169)

2,3,3',4,4'-PeCB (#105)

2,3,4,4',5-PeCB (#114)

2,3',4,4',5-PeCB (#118)

2',3,4,4',5-PeCB (#123)

2,3,3',4,4',5-HxCB (#156)

2,3,3',4,4',5'-HxCB (#157)

2,3',4,4',5,5'-HxCB (#167)

2,3,3',4,4',5,5'-HpCB (#189)

1-164

表 2.3-8 毒性等量の高かった付着物試料の概要

付着物 No.

毒性等量 (pg-TEQ/g)

ドラム缶外観 重回帰分析による 主な起源の推定割合

53 2900 直径 0.46m×高さ 0.74m 側面上部のひし形内に白文字

“DOW” 側面中央部に白文字

” 10390??7-3” 側面下部に白文字 ”30 GA??ONS/113.5”

“HE DOW ????ICAL”

PCP 由来:95%

51 1700 直径 0.45m×高さ 0.69m 上面小蓋に青いひし形

(文字判読不能) 側面下部に白文字

”30 ???LONS/113.5 L?TROS” “DOW CHEMICAL COMPANY”

“?DLAND,MICHI??N 48640”

2,4,5-T 由来:62%

55 1200 直径 0.46m×高さ 0.74m 側面上部の白塗装に黒数字

“1C-135” “DO?”

2,4,5-T 由来:53%

38 1100 直径 0.34m×高さ 0.73m (大きさが他と異なる)

上部の小蓋に青いひし形内に白文字 “DOW”

側面上部の黒いひし形内に白文字 “DOW”

2,4,5-T 由来:58%

28 1100 直径 0.46m×高さ 0.73m 上部の小蓋に黒いひし形内に白文

字“DOW” 側面に白数字

“10390 01” 側面上部の黒いひし形内に白文字

“??W”の表示

2,4,5-T 由来:58%

41 1000 直径 0.57m×高さ 0.90m 外部底面に刻印”STC”

上部に赤字手書き・数字もしくは英字

”3712 CILE”

2,4,5-T 由来:57%

31 930 直径 0.47m×高さ 0.73m 側面上部のひし形内に白文字

”DOW” 中央部に白数字

”10390” 側面下部に白文字 ”????/13.5 LITRO?”

“THE ?????CAL COM??NY” “????N ?8?40”

2,4,5-T 由来:70%

17 920 直径 0.59m×高さ 0.81m 2,4,5-T 由来:76% 29 860 直径 0.48m×高さ 0.74m

側面上部に白い塗装あり (文字はなし)

側面下部に白文字 ”??CALLO?S ?135 LFFR??”

“???? COM??” “?C?? 48?40”

2,4,5-T 由来:61%

1-165

47 850 直径 0.43m×高さ 0.74m 側面上部に白い塗装あり

(文字判読不能) 上面小蓋の黒いひし形内に白文字

”DOW” 側面下部に白文字

“30 GAL?O?S” “THE DOW CHEM???”

“???ND”

2,4,5-T 由来:72%

59 800 直径 0.47m×高さ 0.74m 側面上部のひし形内に白文字

”DO?” 白塗装に黒い数字

”IC 135” 側面下部に白文字

”3???ONS??” “T??? CHE???”

“M??ND??”

PCP 由来:44% 2,4,5-T 由来:34%

15 690 直径 0.58m×高さ 0.88m 2,4,5-T 由来:64% 19 540 直径 0.50m×高さ 0.76m

側面上部の白塗装に黒い数字 “10-135”

側面上部のひし形内に白文字 ”DOW”

側面下部に白文字 “?0??”

2,4,5-T 由来:79%

39 530 直径 0.58m×高さ 0.90m 2,4,5-T 由来:58% 45 500 直径 0.48m×高さ 0.74m

側面上部の黒いひし形内に白文字 (文字判読不能)

側面下部に白文字 “?0MPA??”

2,4,5-T 由来:65%

No.53 及び No.59 を除き、総じて毒性等量の高い試料では 2,4,5-T 由来の成分の割合が大きい

傾向が見られた。これは図 2.3-6 からも確認できる。また、高濃度であった試料のドラム缶の多

くは、「DOW」に関係する表示がみられ、大きさは 30 ガロン相当のものであったが、表示等で内

容物を推定できる記述は確認されなかった。 2.3.3 b) ドラム缶発掘位置とダイオキシン類毒性等量との関係

ドラム缶付着物のダイオキシン類毒性等量及びダイオキシン類の由来による分類をドラム缶発

掘位置に図示したものを図 2.3-7 に示す。 ドラム缶付着物の毒性等量の高かったドラム缶は調査範囲全体に位置しており、毒性等量の大小

に関して位置的な関係はみられなかった。 また、由来に関しては 2,4,5-T 由来のドラム缶付着物、PCP 由来のドラム缶付着物とも調査範

囲全体に位置していたが(PCB 由来は 1 試料)、由来が複数になった試料は調査範囲の西側に集中

していた。位置的に集中していることは、埋没時に高濃度のダイオキシン類の入ったドラム缶内

容物が飛散、混合した可能性を考えさせるが、該当の調査位置で発掘されたドラム缶はおおむね

変形が少ないため、内部まで混入した量としては不明である。

1-166

平面図

断面図

図 2.3-7 ドラム缶発掘位置

1-167

図 2.3-8 ドラム缶発掘位置とダイオキシン類毒性等量・由来

平面図

断面図

1-168

2.3.3 c) 底面土壌高濃度試料の特徴

本調査での底面土壌試料におけるダイオキシン類分析結果について、毒性等量の高かった順に

試料を並べたものを図 2.3-9に示す。

図 2.3-9 底面土壌のダイオキシン類毒性等量と異性体組成(濃度順)

底面土壌のダイオキシン類毒性等量はドラム缶付着物より低い傾向にあり、環境基準値

1,000pg-TEQ/g を超える試料はなく、環境基準に適合してるもののドラム缶付着物の影響を受け

て、他の国内事例(国内 674 地点の平均 2.0pg-TEQ/g、範囲は 0~96 pg-TEQ/g、平成 23 年環境

省)より高い値を示したものと考えられた。しかしながら、①今回の調査では汚染源の影響を最

も受ける場所(ドラム缶の直下)から試料を採取しており、周辺に今回の調査結果以上のダイオキシ

ン類濃度の土壌が存在する可能性は低いと考えられること、②今回の底面土壌試料はサッカー場

地表面下約 1.2m の深さの土壌であり、周辺住民が直接接触する場所にはないこと、③周辺で地

下水の利用はなく、地下水の飲用によって健康影響などが発生することはないという理由により、

今回調査を行った底面土壌が周辺に大きな環境影響を及ぼす可能性は少ないと考えられた。 底面土壌試料全体としては 2,4,5-T 由来の成分(2,3,7,8-TeCDD)、PCP 由来の成分(HxCDD~

OCDD、HxCDF~OCDF)がいずれも確認できるが、比較的濃度の低い(120pg-TEQ/g 以下)試料

については No.17、No.34 等の例外を除き PCP 由来の成分が中心であった。 底面土壌のダイオキシン類毒性等量及びダイオキシン類の由来による分類をドラム缶発掘位

置に図示したものを図 2.3-10に示す。

0

100

200

300

400

500

600

700

19 23 28 32 39 37 24 31 15 21 41 57 20 25 44 54 12 2 46 4 17 18 13 11 8 34 14 10 1

毒性

等量

底面土壌

2,3,7,8-TeCDD

1,2,3,7,8-PeCDD

1,2,3,4,7,8-HxCDD

1,2,3,6,7,8-HxCDD

1,2,3,7,8,9-HxCDD

1,2,3,4,6,7,8-HpCDD

OCDD

2,3,7,8-TeCDF

1,2,3,7,8-PeCDF

2,3,4,7,8-PeCDF

1,2,3,4,7,8-HxCDF

1,2,3,6,7,8-HxCDF

1,2,3,7,8,9-HxCDF

2,3,4,6,7,8-HxCDF

1,2,3,4,6,7,8-HpCDF

1,2,3,4,7,8,9-HpCDF

OCDF

3,3',4,4'-TeCB (#77)

3,4,4',5-TeCB (#81)

3,3',4,4',5-PeCB (#126)

3,3',4,4',5,5'-HxCB (#169)

2,3,3',4,4'-PeCB (#105)

2,3,4,4',5-PeCB (#114)

2,3',4,4',5-PeCB (#118)

2',3,4,4',5-PeCB (#123)

2,3,3',4,4',5-HxCB (#156)

2,3,3',4,4',5'-HxCB (#157)

2,3',4,4',5,5'-HxCB (#167)

2,3,3',4,4',5,5'-HpCB (#189)

1-169

図 2.3-10 ドラム缶発掘位置とダイオキシン類毒性等量・由来

平面図

断面図

1-170

2.4 農薬類

本調査で分析した除草剤、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)及びそのブチルエステル、2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5-T)及びそのブチルエステルの構造式を図 2.4-1に示す。

図 2.4-1 2,4-D 及び 2,4,5-T その関連化合物の化学構造式

ドラム缶付着物及び底面土壌試料で 2,4-D 及びそのブチルエステルは不検出であった。また

2,4-D が分解して生成したと考えられる 2,4-DCP は 2 検体で検出した。2,4,5-T ブチルエステルは

不検出であったが、2,4,5-T 及び 2,4,5-T が分解して生成したと考えられる 2,4,5-TCP が試料で検

出された。これらの農薬類はダイオキシン類や PCB のように難分解性ではないため、時間ととも

に分解していったものと思われる。2,4-D ブチルエステル及び 2,4,5-T ブチルエステルの合成及び

分解過程を図 2.4-2に示す。

図 2.4-2 2,4-D ブチルエステル及び 2,4,5-T ブチルエステルの合成及び分解過程

2,4,5-T、PCP 等の農薬類について、農薬類が不検出でありながらこれらの不純物起源のダイ

OCH2COOBu

ClCl

OCH2COOBu

ClCl

Cl

OCH2COOH

ClCl

OCH2COOH

ClCl

Cl

OH

ClCl

OH

ClCl

Cl

2,4-D ブチルエステル 2,4,5-T ブチルエステル

2,4-D 2,4,5-T

2,4-ジクロロフェノール 2,4,5-トリクロロフェノール

環境中で分解

ブチルエステル化

OH

ClCl

OH

ClCl

Cl

OCH2COOH

ClCl

OCH2COOH

ClCl

Cl

OCH2COOBu

ClCl

OCH2COOBu

ClCl

Cl

2,4-D ブチルエステル

2,4,5-トリクロロフェノール

2,4,5-T ブチルエステル

2,4,5-T 2,4-D

2,4-ジクロロフェノール(2,4-DCP)

1-171

キシン類の推定割合が高い試料がいくつかみられた。これらの農薬類はダイオキシン類や PCB の

ように難分解性ではないため、現在農薬類で検出されている結果はかつて存在した農薬類が分解

し、完全には分解されずその一部が検出されていると考えられる。分解速度は試料の様々な状態

によって変化するため、現在検出される農薬類の量が必ずしも以前の農薬類の総量と関係しない。

このため、農薬類の分解の早かった試料について、農薬類が不検出でありながらダイオキシン類

の由来成分の割合が大きいという結果がみられたと考えられた。 また、全体的な傾向として、それぞれの農薬中に含まれるダイオキシン類異性体の濃度が高い

試料、あるいは油分の多い試料について、農薬類自体の濃度が高い傾向がみられた。 ドラム缶付着物試料 No10、38 について、2,4,5-T と 2,4-DCP が検出された。2,4-DCP はこの

2 検体からのみ、定量下限値付近の値が検出された。2,4-ジクロロフェノール(2,4-DCP)は 2,4-Dの原料あるいは分解物である(図 2.4-2)。また、2,4-DCP 等のジクロロフェノール類は PCP や

2,4,5-TCP の脱塩素によっても生成する可能性が考えられた。 ドラム缶付着物及び底面土壌試料からは 2,4-D が検出されなかった(定量下限値未満)が、2 月 1

日に採水したたまり水試料から 2,4-D が検出された。たまり水のみから 2,4-D が検出された理由

は、水は妨害成分が少なく、高感度で分析が可能であるため検出されたものである。2,4,5-T に比

較して低濃度であり、その差が分解速度の差に由来するかは不明である。 定性分析より検出された DDT 類について定量分析を実施した。その結果は、「2.7 ガスクロマトグ

ラフ質量分析計による定性分析結果」に記載した。 カコジル酸(ジメチルアルシン酸)については有機砒素化合物であるため「2.3 砒素及びふっ素」

に記載した。農薬類を含む、ドラム缶付着物及び底面土壌での分析項目間の相関(関連性)につい

ては、「2.3.2 ダイオキシン類の統計解析」に記載した。

1-172

2.5 砒素及びふっ素

全砒素の含有量は、No2,7 を除いた付着物の試料と底面土壌試料の試料で土壌汚染対策法の「土

地の土壌の特定有害物質による汚染状態が専ら自然に由来するかどうかの判定方法」の自然的原

因による全含有量の上限値の目安である 39mg/kg を下回っていたことから人為的な汚染は確認さ

れなかった。また、付着物試料の No2,7 は全含有量の上限値の目安をわずかに超えてそれぞれ 41

mg/kg,46mg/kg と検出されたが、全砒素の含有量はその他の付着物試料と同程度の値で特異的に

高い結果ではないことや、土壌汚染対策法による含有量はそれぞれ 1.3mg/kg,5.0mg/kg と指定基

準値 150mg/kg に比べ低かったこと、さらに形態別砒素の結果(溶出量)は全て不検出であったこ

とから、付着物試料の No2,7 は全含有量の上限値の目安をわずかに超えたが、自然的な汚染の範

囲と考えられる。

底面土壌試料について、土壌汚染対策法に基づいた砒素及びその化合物(溶出量)の調査では

4 検体について指定基準を超過したが、上記の通り砒素の起源について人為的な汚染は確認され

なかったため、埋め土に用いた土壌が持つ自然的な原因によるものと考えられた。

形態別砒素の分析において、付着物及び底面土壌の一部の試料から砒酸及びカコジル酸(ジメ

チルアルシン酸)が検出され、また、たまり水からは砒酸が検出された。砒酸は無機態の砒素のひ

とつの形態で、またカコジル酸については農薬としての利用もあったが、自然界に存在する有機

砒素のひとつの形態でもある。砒素全体として人為的な影響が認められなかったため、これらの

砒酸及びカコジル酸(ジメチルアルシン酸)についても自然由来のものであると考えられた。

全ふっ素の全含有量は付着物、底面土壌とも土壌汚染対策法の「土地の土壌の特定有害物質に

よる汚染状態が専ら自然に由来するかどうかの判定方法」の自然的原因による含有量の上限値の

目安である 700mg/kg を下回っており、人為的な汚染は確認されなかった。底面土壌試料につい

て、土壌汚染対策法に基づいたふっ素及びその化合物(溶出量)は 14 検体が指定基準を超過し

たが、前述の通りふっ素の起源について人為的な汚染は確認されなかったため、埋め土に用いた

土壌が持つ自然的な原因によるものと考えられた。

砒素及びふっ素を含む、ドラム缶付着物及び底面土壌での分析項目間の相関(関連性)について

は、「2.3-2 ダイオキシン類の統計解析」に記載したとおりである。

1-173

2.6 ドラム缶付着物と底面土壌との関係

2.6.1 ダイオキシン類におけるドラム缶付着物と底面土壌の関係

(1)毒性等量の比較

ドラム缶付着物の毒性等量と、対応する(ドラム缶の下面にあたる)底面土壌の試料番号と毒性等

量を比較した結果を表 2.6-1に示す。

表 2.6-1 ドラム缶付着物と底面土壌のダイオキシン類毒性等量

付着物 No.

付着物 毒性等量

(pg-TEQ/g)

底面土壌 No.

底面土壌 毒性等量

(pg-TEQ/g)

1 91 1 11 2 79 2 87 濃度ほぼ同じ 3 350 8 34 4 150 4 80 5 140 10 15 6 82 10 15 7 110 2 87 8 42 8 34 9 68 14 20 10 14 10 15 濃度ほぼ同じ 11 110 11 38 12 37 12 87 No.11 の影響 13 41 13 41 濃度ほぼ同じ 14 490 14 20 15 690 15 150 16 18 13 41 No.11 の影響 17 920 17 79 18 130 18 61 19 540 19 620 濃度ほぼ同じ 20 120 20 130 濃度ほぼ同じ 21 110 21 140 濃度ほぼ同じ 22 160 23 390 原因不明 23 370 23 390 原因不明 24 200 24 160 25 120 25 120 濃度ほぼ同じ 26 260 28 260 濃度ほぼ同じ 27 430 28 260 28 1100 28 260 29 860 28 260 30 110 28 260 No.28、29 の影響 31 930 31 160 32 180 32 200 濃度ほぼ同じ 33 180 34 30 34 200 34 30 35 470 34 30 36 230 34 30 37 200 37 190 38 1100 34 30 39 530 39 200

1-174

付着物 No.

付着物 毒性等量

(pg-TEQ/g)

底面土壌 No.

底面土壌 毒性等量

(pg-TEQ/g)

40 270 41 140 41 1000 41 140 42 79 41 140 No.41 の影響 43 280 41 140 44 160 44 120 45 500 46 83 46 160 46 83 47 850 46 83 48 120 46 83 49 250 46 83 50 240 54 97 51 1700 54 97 52 340 54 97 53 2900 54 97 54 220 54 97 55 1200 54 97 56 270 57 140 57 380 57 140 58 270 57 140 59 800 57 140 60 440 57 140 61 460 57 140

■:底面土壌が付着物を上回る地点

15 試料についてドラム缶付着物よりも底面土壌のダイオキシン類毒性等量の方が高い結果とな

ったが、試料の内容を確認すると ・ほぼドラム缶付着物と底面土壌の毒性等量が同じもの

(No.2、10、13、19、20、21、25、26、32) ・近接するドラム缶付着物の影響によって底面土壌の濃度が高くなっていると考えられるもの

(No.12、16、30、42) ・ドラム缶付着物との異性体組成が大きく異なるもの

(No.22、23) に分けられた。

No.22 及び 23 については、ドラム缶付着物との異性体組成が大きく異なり(ドラム缶付着物は

2,4,5-T 由来が主成分、底面土壌は PCP 由来が主成分)、且つ付近で発掘されたドラム缶付着物に

は底面土壌に影響を与えるような毒性等量及び異性体組成をもつものはなかった。底面土壌

No.23 の毒性等量(390pg-TEQ/g)は、底面土壌試料の中では高濃度であったため、PCP 由来を

主成分とした何らかの影響を受けていることが考えられるが、原因については不明である。 上記のような例外はあるが、全体として底面土壌の濃度はドラム缶付着物より低かった。ドラム

缶付着物には複数の起源(2,4,5-T 中不純物、PCP 中不純物、PCB)に由来するダイオキシン類

が混合していると思われる試料が多く存在した。底面土壌試料のダイオキシン類測定結果はその

対応するドラム缶付着物試料より低かった。ドラム缶は埋没時に意図的につぶされたとの聴き取

り結果があり、その結果ドラム缶内にあった 2,4,5-T やPCP、PCB が混合したことが考えられた。

1-175

(2)クラスター分析による比較

「2.3-2 d) クラスター分析」から、各ドラム缶付着物・底面土壌試料は 10 分類された。その

分類に対する異性体割合の特徴を表 2.6-2に示す。

表 2.6-2 分類されたクラスターと異性体割合の特徴

クラスター 異性体割合の特徴 1、2

ダイオキシン類毒性等量に対する PCP 不純物由来成分(HxCDDs~OCDD、HxCDFs~OCDF)の割合が大きい。

3 (付着物

No.25 のみ)

ダイオキシン類毒性等量に対する PCP 不純物由来成分(HxCDDs~OCDD、HxCDFs~OCDF)の割合が大きいが、2,4,5-T 不純物由来成分(2,3,7,8-TeCDD)の割合も比較的

大きい。 4

(付着物No.53 のみ)

ダイオキシン類毒性等量に対する PCP 不純物由来成分(HxCDDs~OCDD、HxCDFs~OCDF)の割合が特に大きく、他の 2,4,5-T 不純物由来成分(2,3,7,8-TeCDD)や PCBの割合が非常に小さい。

5 (付着物 No.7

のみ)

1,2,3,7,8-PeCDD の割合が大きい。

6 ダイオキシン類毒性等量に対する 2,4,5-T 不純物由来成分(2,3,7,8-TeCDD)の割合が大

きい。 7

(付着物No.39 のみ)

ダイオキシン類毒性等量に対する 2,4,5-T 不純物由来成分(2,3,7,8-TeCDD)の割合が大

きいが、PCB の割合も比較的大きい。

8 (付着物

No.46 のみ)

ダイオキシン類毒性等量に対する PCB の割合が他の試料に比べて大きい。

9 (付着物 No.3

のみ)

PCB の割合が特に大きい。

10 ダイオキシン類毒性等量に対する 2,4,5-T 不純物由来成分(2,3,7,8-TeCDD)の割合が大

きいが、PCP 不純物由来成分(HxCDDs~OCDD、HxCDFs~OCDF)の割合も比較的

大きい。また PCB の割合が他の試料に比べて大きい。

クラスター分析の結果から、ドラム缶付着物と対応する底面土壌が違うクラスターとなった試

料を表 2.6-3に示す。ただし、クラスター1 と 2 はほぼ同じ異性体傾向となったため、ここから

は除外した。

1-176

表 2.6-3 ドラム缶付着物と対応する底面土壌でクラスターの異なる試料

(クラスター1 と 2 を除く) 付着物

No. クラス

ター 毒性等量

(pg-TEQ/g) 底面土壌

No. クラス

ター 毒性等量

(pg-TEQ/g) 備考

3 9 350 8 2 34 分類 9 は 1 検体のみ 7 5 110 2 2 87 分類 5 は 1 検体のみ

14 6 490 14 2 20 15 6 690 15 2 150 23 6 370 23 2 390 原因不明 24 6 200 24 1 160 原因不明 25 3 120 25 2 120 分類 3 は 1 検体のみ 26 6 260 28 2 260 No.28、29 の影響 28 6 1100 28 2 260 29 6 860 28 2 260 32 2 180 32 6 200 No.31 の影響 33 6 180 34 2 30 34 6 200 34 2 30 35 6 470 34 2 30 36 6 230 34 2 30 37 6 200 37 2 190 比較的類似 38 6 1100 34 2 30 39 7 530 39 10 200 分類 7 は 1 検体のみ 42 2 79 41 6 140 No.41 の影響 43 2 280 41 6 140 No.41 の影響 45 6 500 46 1 83 46 8 160 46 1 83 分類 8 は 1 検体のみ 47 6 850 46 1 83 51 6 1700 54 2 97 53 4 2900 54 2 97 分類 4 は 1 検体のみ 55 6 1200 54 2 97 多くの底面土壌では比較的ダイオキシン類濃度が低く、2,4,5-T 由来のダイオキシン類成分の多

いドラム缶付着物がほとんど漏れ出ていないためにクラスターに違いが出たものと考えられた。

例外については、表 2.6-3の備考欄に記載しているが、付着物試料のクラスター分類が 1 検体の

みで分類されているため、他の試料と同じ分類にならない(底面土壌はその影響を受けていない)、

底面土壌が近隣に埋没していたドラム缶の影響を受けていたと考えられるものなどがあった。 No.23 及び 24 の底面土壌については、毒性等量が比較的高い(No.23:390pg-TEQ/g、No.24:

160pg-TEQ/g)にもかかわらず付近に影響を与えたと考えられるドラム缶等は見つかっておらず、

クラスター分析からも底面土壌のダイオキシン類の原因は不明であった。

1-177

2.6.2 PCB、農薬類、油分におけるドラム缶付着物と底面土壌の関係

PCB、農薬類(2,4,5-T、2,4,5-TCP、PCP)及び油分(TPH)について、ドラム缶付着物及び

底面土壌試料を濃度別に整理した結果を表 2.6-4に示した。2,4-D、2,4-D ブチルエステル、2,4,5-Tブチルエステル及びピクロラムは全試料で不検出であったため記載していない。また 2,4-DCP に

ついても底面土壌から検出がないため、ここでは記載していない。

表 2.6-4 PCB、農薬類及び油分の付着物、底面土壌の特徴

検出された項目 高い (1.7~5.2)

やや高い (0.6~1.3)

やや低い (0.5) 不検出

PCB

付着物 No.38、3、28、43、39、36、1、32、51

底面土壌 No.39、31

付着物 No.50、23、29,37

35、55、58 底面土壌

No.17、37、4、11

付着物 No.2、5、11

22、34、57 底面土壌

No.15

付着物 その他 39 検体 底面土壌 その他 22 検体

検出された項目 高い (1.1~32)

やや高い (0.4~1.0)

やや低い (0.1~0.3) 不検出

2,4,5-T

付着物 No.28、52、61、39、38、37、17、40、41、19、51、14

底面土壌

No.19、39

付着物 No.34、48、11,31

10、46、54、32、30、44、36、29、53、43

付着物 No.55、15、27、45、60、57、21、24、42、3、35、16、18、59

底面土壌 No.32、17、34

付着物 その他 21 検体 底面土壌 その他 24 検体

検出された項目 高い (2.2~250)

やや高い (0.6~1.8)

やや低い (0.1~0.5) 不検出

2,4,5-TCP

付着物 No.38、41、47、17、10、61、19、46、52、21、28、31、15、29、14、3、51

底面土壌 No.19、41、46、28、17

付着物 No.16、45、24、34、40、23、35、37、54、36、42、59、27、30、44、55 底面土壌

No.32、39、44、31、34、24

付着物 No.25、39、43、7、58、60、4、11、20、32、33、49、53、22、26、48、56 底面土壌 No.54、

37、15、21

付着物 その他 11 検体 底面土壌 その他 14 検体

検出された項目 高い (0.4~1.6)

やや高い (0.2)

やや低い (0.1) 不検出

PCP

付着物 No.53、38

付着物 No.7、17、28、41、47、55、56、59

付着物 No.4、5、19、21、23、29、32、43、46、50、51、52、57、58、60、61 底面土壌No.19、

23、25、28、57

付着物 その他 35 検体 底面土壌 その他 24 検体

検出された項目 高い (56,000~250,000)

やや高い (1,000~9,900)

やや低い (100~800) 不検出

油分(TPH)

付着物 No.17、10、21、46、16

付着物 No.3、38,27、47、19、28、41、11、7、4,29、31、34、39、58、51

底面土壌

No.17、46、19、21、34、32、39

付着物 No.36、30、13、22、61、15、32、49、14、18、35、37、40、52、2、23、33、45、48、59、50

底面土壌 No.8、37、41、

28、54

付着物 その他 19 検体 底面土壌 その他 17 検体

注)赤字:底面土壌に対応する付着物が「高い」、黄字:底面土壌に対応する付着物が「やや高い」、青字:底面土壌に対応する付着物が「やや低い」

1-178

表 2.6-4で記載した PCB、農薬類、及び油分共に、底面土壌に対応するドラム缶付着物の濃度

が高い場合、底面土壌も高めの結果となる傾向がみられた。このことから底面土壌にドラム缶内

容物が少なからず漏れ出して影響を与えているものと考えられた。

1-179

2.7 ガスクロマトグラフ質量分析計による定性分析結果(油分も含めて)

定性分析で化学物質の構造が判明した物質に関連づけて検討した。 (1)ドラム缶付着物 ① 油分との関係及び油種

油分に関連する化学物質の定性分析結果を表 2.7-1に、それぞれの化学構造式を図 2.7-1示

す。 全体的に軽油などの化石燃料に由来すると思われるベンゼン誘導体、ナフタレン誘導体、多

環芳香族類の化学物質が検出された試料が多くみられた。特に、No.3、10、11、16、17、19、21、28、29、31、34、38、41、46、47 の 15 試料はそれらの化学物質の含有量が高かった。 別途分析した TPH の定量分析においては、No.10、16、17、21、46 の 5 試料の油分(TPH)

が高いが、これらの試料は、定性分析によってベンゼン誘導体、ナフタレン誘導体、多環芳香

族類を多く含んでいることが分かった。 新鮮なガソリン、軽油、重油でよくみられる、直鎖炭化水素化合物は No.1~40 で検出され

るものの、ベンゼン誘導体、ナフタレン誘導体、多環芳香族類の含有量に比べるとわずかであ

った。 以上の結果から、推定される油種としては、軽油などの化石燃料が長年、環境中に残留して

いた劣化油であり、難分解性のベンゼン誘導体、ナフタレン誘導体、多環芳香族類が多く残留

しているものと考えられる。 なお、試料によって、ベンゼン誘導体、ナフタレン誘導体、多環芳香族類それぞれの含有比

率が異なっているが、比率は油が残留していた環境などによって変動すること、検出されたベ

ンゼン誘導体、ナフタレン誘導体、多環芳香族類それぞれの化学構造が各試料ともに比較的共

通していることを考え合わせると、汚染原因となった油は、ほぼ同一の油種に由来していると

推定される。

直鎖炭化水素 ベンゼン誘導体 ナフタレン誘導体 多環芳香族類

図 2.7-1 定性分析で検出された油分関連化学物質の化学構造

1-180

表 2.7-1 ドラム缶付着物中に含まれる油分関連物質の定性分析結果及び油分(TPH)定量結果

備考 1. 直鎖炭化水素:炭素が直列に結合した化学物質群 ベンゼン誘導体:ベンゼン環にいくつかの置換基がついた化学物質群 ナフタレン誘導体:ナフタレン環にいくつかの置換基がついた化学物質群 多環芳香族類:アントラセンのようにベンゼン環が三つ以上縮合し、いくつかの置換基がついた化学物質群

備考 2. 定性分析結果は質量分析の応答値の強度に応じて 5 段階で表現した

項目No. 直鎖炭化水素 ベンゼン誘導体 ナフタレン誘導体 多環芳香族類 油分(TPH) C6~C12 C12~C28 C28~C441 + + + + <100 <100 <100 <1002 + + + + 200 <100 100 <100

3 ++ + +++++ + 9900 <100 8100 <1004 + + +++ + 3400 <100 2600 8005 + + + + <100 <100 <100 <100

6 + + + + <100 <100 <100 <1007 ++ + ++ + 4000 <100 3200 300

8 + + + + <100 <100 <100 <1009 + + + + <100 <100 <100 <100

10 +++++ +++++ +++++ +++++ 180000 76000 100000 270011 + + +++++ ++ 4400 200 3600 <100

12 + + + + <100 <100 <100 <10013 + + + + 500 <100 300 10014 + + + + 300 <100 200 <100

15 + + ++ + 400 <100 300 <10016 +++ +++++ +++++ +++++ 56000 16000 40000 <100

17 +++++ +++++ +++++ ++ 250000 51000 130000 <10018 + + + + 300 <100 200 <100

19 + + +++++ + 5300 1100 4100 10020 + + + + <100 <100 <100 <100

21 +++++ +++++ +++++ +++++ 170000 23000 140000 <10022 + + + - 500 <100 400 100

23 + + + + 200 <100 200 <10024 + + + + <100 <100 <100 <10025 + + + + <100 <100 <100 <100

26 + + + + <100 <100 <100 <10027 - + + + 8400 2000 6400 <100

28 + + +++++ + 5200 400 4100 70029 + + ++++ + 3100 <100 2500 600

30 + + + + 700 300 200 20031 + + +++++ ++ 3100 <100 2500 600

32 + + + + 400 <100 300 <10033 - + + + 200 <100 200 <10034 + + +++++ + 2900 200 2300 400

35 + + + + 300 <100 300 <10036 + + ++ + 800 <100 600 <100

37 + + + + 300 <100 200 <10038 - + +++++ + 8500 1200 6700 600

39 + + + + 2600 <100 2100 40040 + + + + 300 <100 200 <100

41 - + +++++ +++ 4700 600 3800 30042 - + + - <100 <100 <100 <10043 - + + + <100 <100 <100 <100

44 - + + + <100 <100 <100 <10045 - + + + 200 <100 200 <100

46 - +++ +++++ +++++ 70000 18000 48000 400047 - + +++++ + 6800 900 5400 500

48 - + + + 200 <100 100 <10049 - + + + 400 <100 200 100

50 + + + + 100 <100 <100 <10051 - + + + 1000 <100 800 20052 - + + + 300 <100 300 <100

53 + + + + <100 <100 <100 <10054 - + + + <100 <100 <100 <100

55 - + ++ + <100 <100 <100 <10056 - + + + <100 <100 <100 <100

57 - + + + <100 <100 <100 <10058 + + + + 2400 <100 1300 1000

59 - + + + 200 <100 200 <10060 - + + + <100 <100 <100 <10061 - + + + 500 <100 400 <100

定性分析結果(5段階表示) 油分 (mg/kg)

1-181

② フェノキシ酢酸系除草剤 2,4-D 及びそのブチルエステルは全ての試料で不検出であった。また 2,4-D の分解生成物と

して知られている 2,4-ジクロロフェノール(2,4-DCP)も全ての試料で不検出であった。 2,4,5-T 及びそのエステルは全ての試料で不検出であったが、2,4,5-T の分解生成物として知

られている 2,4,5-トリクロロフェノール(2,4,5-TCP)がいくつかの試料で検出された。表 2.7-2

に示すように、定性分析において 2,4,5-TCP が検出された試料は、No.3、4、7、10、14、15、16、17、19、21、28、29、30、31、38、41、47、51、52、61 の 20 試料であった。 別途定量分析している 2,4,5-TCP の結果と比較すると、定量分析における検出濃度が高い試

料については定性分析においても検出されていたが、定量分析における検出濃度が低い試料に

ついては定性分析では不検出となった。

表 2.7-2 ドラム缶付着物中に含まれる 2,4,5-TCP 定性分析結果及び定量結果

定性分析 定量分析 定性分析 定量分析No. 2,4,5-TCP 2,4,5-TCP (mg/kg) No. 2,4,5-TCP 2,4,5-TCP (mg/kg)1 - <0.1 32 - 0.22 - <0.1 33 - 0.23 + 2.7 34 - 1.04 + 0.2 35 - 0.85 - <0.1 36 - 0.76 - <0.1 37 - 0.87 + 0.4 38 +++ 2508 - <0.1 39 - 0.59 - <0.1 40 - 1.010 ++ 47 41 ++ 10011 - 0.2 42 - 0.712 - <0.1 43 - 0.513 - <0.1 44 - 0.614 + 2.9 45 - 1.7

15 + 3.3 46 - 1716 ++ 1.8 47 ++++ 9517 +++ 55 48 - 0.118 - <0.1 49 - 0.219 + 18 50 - <0.120 - 0.2 51 + 2.221 + 8.5 52 + 1222 - 0.1 53 - 0.223 - 0.8 54 - 0.824 - 1.1 55 - 0.625 - 0.5 56 - 0.126 - 0.1 57 - <0.127 - 0.6 58 - 0.328 ++ 7.1 59 - 0.729 + 3.2 60 - 0.330 + 0.6 61 + 2631 + 5.0

1-182

③ ペンタクロロフェノール(PCP) 我が国において、過去に水田除草剤として使用されていた PCP は全ての試料で不検出であ

った。PCP は別途定量分析しており、いくつかの試料で検出されているが、定量分析におけ

る検出濃度が極めて低いことから、定性分析では検出できなかったと考える。

④ DDT 類 本定性分析において、ジクロロジフェニルジクロロエタン(DDD)、ジクロロジフェニルジ

クロロエチレン(DDE)など、塩素系殺虫剤の一つであるジクロロジフェニルトリクロロエ

タン(DDT)の分解生成物が検出された。本定量分析の範囲内では DDT 自体は不検出であっ

た。表 2.7-3に DDT 類の定性分析結果を示した。 DDD、DDE を含む DDT 類については、図 2.7-3 に示す化学構造式(例として、p,p-異性

体を表示している)から推定すると、ダイオキシン類汚染との関連性は低い(DDT の不純物

としてダイオキシン類を含む可能性は低い)と考えられる。 一方、DDT は POPs 条約における製造・使用の原則禁止農薬類の一つである。 DDT は、我が国では 1971 年(昭和 46 年)に農薬登録が失効しており、定性分析でみられ

た DDT 分解生成物はそれ以前に使用されていた DDT から生じたものと推定される。 DDT類は定性分析で 21検体から検出され、21検体について定量分析を行った。DDT、DDD、

DDE の標準品を用いて定量した結果を表 2.7-4に示す。DDD は 0.2(定量下限値)~180mg/kgの範囲で 21 検体から検出され、DDE は 0.1(定量下限値)~73mg/kg の範囲で 16 検体から検

出され、DDT は 21 検体全てで検出されなかった。DDE、DDD が最も高い試料は No.4 であ

り、次いで No.34 が高かった。 DDT DDD DDE

図 2.7-3 DDT 類(塩素系殺虫剤)の化学構造式

CCl3

ClCl

CHCl2

ClCl Cl Cl

ClCl

1-183

表 2.7-3 ドラム缶付着物中に含まれる DDT 類(塩素系殺虫剤)定性分析結果

表 2.7-4 ドラム缶付着物中に含まれる DDT(塩素系殺虫剤)の定量濃度

備考 DDE:o,p’-DDE+p,p’-DDE、DDD:o,p’-DDD+p,p’-DDD、 DDT:o,p’-DDT+p,p’-DDT とした

No. 塩素系殺虫剤 No. 塩素系殺虫剤1 - 32 +2 - 33 +3 - 34 +++4 +++++ 35 +5 + 36 +6 + 37 +7 + 38 +8 - 39 +9 - 40 +10 - 41 +11 + 42 -12 - 43 -13 - 44 +14 - 45 -15 - 46 -16 - 47 -17 - 48 -18 + 49 -19 - 50 -20 + 51 -21 - 52 -22 - 53 -23 + 54 -24 - 55 -25 - 56 -26 - 57 -27 - 58 -28 - 59 -29 + 60 -30 - 61 -31 +

DDE DDD DDT4 73 180 <0.15 <0.1 0.5 <0.16 <0.1 0.2 <0.17 0.7 1.9 <0.111 1.6 3.4 <0.118 0.4 1.2 <0.120 0.1 0.2 <0.123 0.8 0.5 <0.129 <0.1 1.7 <0.131 <0.1 3.3 <0.132 3.1 9.4 <0.133 0.6 0.8 <0.134 36 100 <0.135 0.9 0.3 <0.136 1.6 0.7 <0.137 2.3 7.2 <0.138 8.2 2.3 <0.139 0.7 1.5 <0.140 0.4 1.0 <0.141 <0.1 1.0 <0.144 0.1 0.4 <0.1

塩素系殺虫剤 (mg/kg)No.

1-184

⑤ その他 その他、特徴的な化学物質として、有害性はないが、樟脳成分の一つであるボルネオール誘

導体が No.2、4、10、11、15、38、41 でみられた。ボルネオール自体は天然品のほかにも化

学合成品があり、ボルネオール誘導体がドラム缶の内容物として埋没していたものか、自然由

来のものかは判断できなった。

(2)ドラム缶底面土壌

① 油分との関係及び油種 油分に関連する化学物質の定性分析結果を表 2.7-5に示す。 全体にドラム缶付着物に比べて、化石燃料に由来すると思われるベンゼン誘導体、ナフタレ

ン誘導体、多環芳香族類の化学物質の含有量は低い傾向にあった。 ナフタレン誘導体が No.19、21 で多くみられたが、油分(TPH)の定量分析においても含

有量の高い試料であった。No.19、21 については、表 2.7-1に示したように、その上面に存在

していた No.19、21 のドラム缶付着物中のナフタレン誘導体も多いことから、その影響を受

けていたものと考えられる。

表 2.7-5 底面土壌中に含まれる油分関連物質の定性分析結果及び油分(TPH)定量結果

項目No. 直鎖炭化水素 ベンゼン誘導体 ナフタレン誘導体 多環芳香族類 油分(TPH) C6~C12 C12~C28 C28~C441 - + - - <100 <100 <100 <100

2 - + - - <100 <100 <100 <1004 + - + - <100 <100 <100 <100

8 + + + + 500 <100 400 <10010 + + + + <100 <100 <100 <100

11 - - - - <100 <100 <100 <10012 - - - + <100 <100 <100 <10013 - - - - <100 <100 <100 <100

14 - - - + <100 <100 <100 <10015 - - - - <100 <100 <100 <100

17 + - ++ + 9300 2100 7200 <10018 + - - - <100 <100 <100 <100

19 + - ++++ + 7100 1000 5600 50020 - - - - <100 <100 <100 <10021 - - ++++ + 6900 1700 5200 <100

23 + - + + <100 <100 <100 <10024 - - - - <100 <100 <100 <100

25 - - - - <100 <100 <100 <10028 + - + + 200 <100 200 <100

31 - - + + <100 <100 <100 <10032 + - ++ + 1400 <100 1100 <10034 - - ++ + 6300 1500 4800 <100

37 - - + + 400 <100 300 <10039 + - + + 1400 <100 1100 300

41 + - + + 300 <100 300 <10044 + - + + <100 <100 <100 <100

46 + - ++ + 7500 1700 5800 <10054 - - - - 200 <100 <100 10057 - - - - <100 <100 <100 <100

定性分析結果(5段階表示) 油分 (mg/kg)

1-185

② フェノキシ酢酸系除草剤 除草剤、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)及びそのエステル、2,4,5-トリクロロフェノ

キシ酢酸(2,4,5-T)及びそのエステルについてみると、付着物と同様に 2,4-D 及びそのエス

テルは全ての試料で不検出であった。また 2,4-D の分解生成物として知られている 2,4-ジクロ

ロフェノール(2,4-DCP)も全ての試料で不検出であった。 2,4,5-T 及びそのエステルは全ての試料で不検出であったが、2,4,5-T の分解生成物として知

られている 2,4,5-トリクロロフェノール(2,4,5-TCP)がいくつかの試料で検出された。表 2.7-6

に示すように、定性分析において 2,4,5-TCP が検出された試料は、No.17、19、28、39、41、46 の 7 試料であった。

2,4,5-TCP は別途定量分析しているが、定量分析において 1.0mg/kg 以上検出された試料が、

定性分析においても検出されていた。

表 2.7-6 底面土壌中に含まれる 2,4,5-TCP 定性分析結果及び定量結果

③ ペンタクロロフェノール(PCP) PCP は全ての試料で不検出であった。 PCP は別途定量し、いくつかの試料で検出されているが、定量分析における検出濃度が極

めて低いことから、定性分析では検出できなかったと考える。

④ DDT 類 表 2.7-7 にDDT類の定性分析結果を示す。 底面土壌においても No.4、10、12、19、31、32、34、37、39 の 9 試料で、ドラム缶付着

物でみられた DDD、DDE など、塩素系殺虫剤の一つである DDT の分解生成物が検出された。

本定性分析の範囲内では付着物同様に DDT 自体は不検出であった。 この 9 試料について、DDT、DDD、DDE の標準品を用いて定量した結果を表 2.7-8に示す。

DDD は 0.2~61mg/kg の範囲で 9 検体から検出され、DDE は 0.1(定量下限値)~20mg/kg の

範囲で 4 検体から検出され、DDT は、9 検体全てで検出されなかった。DDE、DDD が最も

高い試料は No.34 であった。

定性分析 定量分析 定性分析 定量分析No. 2,4,5-TCP 2,4,5-TCP (mg/kg) No. 2,4,5-TCP 2,4,5-TCP (mg/kg)1 - <0.1 23 - <0.12 - <0.1 24 - 0.64 - <0.1 25 - <0.18 - <0.1 28 + 2.510 - <0.1 31 - 0.711 - <0.1 32 + 1.412 - <0.1 34 - 0.713 - <0.1 37 - 0.214 - <0.1 39 + 1.015 - 0.1 41 + 4.217 + 2.4 44 - 0.818 - <0.1 46 + 4.219 + 43 54 - 0.420 - <0.1 57 - <0.121 - 0.1

1-186

表 2.7-7 底面土壌中に含まれる DDT 類(塩素系殺虫剤)定性分析結果

表 2.7-8 底面土壌中に含まれる DDT 類(塩素系殺虫剤)の定量濃度

(3)たまり水

たまり水の定性・定量分析結果を表 2.7-9に示す。 採取日 1 月 30 日のたまり水は、油に由来すると考えられるベンゼン誘導体が未ろ過、ろ過

試料にみられたが、採取日 2 月 1 日のたまり水は、未ろ過、ろ過試料いずれも不検出であった。

直鎖炭化水素、ナフタレン誘導体、多環芳香族類は全ての試料で不検出であった。 フェノキシ系除草剤の 2,4-D、2,4,5-T 及びそれらのブチルエステルは全ての試料で不検出

であった。2,4-D の分解生成物である 2,4-DCP は、採取日 2 月 1 日のたまり水の未ろ過、ろ

過試料にみられ、別途、定量分析した結果と整合していた。2,4,5-T の分解生成物である

2,4,5-TCP は、採取日 1 月 30 日、2 月 1 日の未ろ過、ろ過試料で検出されており、採取日 2月 1 日の試料の含有量が高かった。別途、定量分析した結果と整合していた。PCP について

は、定量分析では採取日 2 月 1 日の試料において 0.0007(ろ過)~0.0009(未ろ過)mg/L の

検出濃度がみられているが、低濃度のためか、定性分析では不検出であった。 DDT類は、全試料、不検出であった。

No. 塩素系殺虫剤 No. 塩素系殺虫剤1 - 23 -2 - 24 -4 + 25 -

8 - 28 -10 + 31 +11 - 32 +12 + 34 ++13 - 37 +14 - 39 +15 - 41 -17 - 44 -

18 - 46 -19 + 54 -20 - 57 -21 -

DDE DDD DDT4 <0.1 <0.1 <0.110 0.1 0.3 <0.112 <0.1 0.2 <0.119 <0.1 0.4 <0.131 <0.1 0.3 <0.132 <0.1 0.8 <0.134 20 61 <0.137 6.1 19 <0.139 0.5 17 <0.1

No.塩素系殺虫剤 (mg/kg)

1-187

表 2.7-9 たまり水の定性分析・定量分析結果

(4)定性分析のまとめ

①ドラム缶付着物、底面土壌 ドラム缶付着物、底面土壌中の化学物質の組成を検討する目的で、ガスクロマトグラフ質量

分析計による定性分析を行った。表 2.7-10 にドラム缶付着物、底面土壌の定性分析結果をま

とめたものを示す。なお、表 2.7-10 中には同定できた化学物質名を示している。 ドラム缶付着物は、含まれている化学物質から劣化した化石燃料による油を多く含んでいる

ことが分かった。その油に由来する化学物質は、各試料ともにほぼ共通して検出されており、

同一の油種に由来していることが推定された。 底面土壌は、No.19、21 のナフタレン誘導体含有量が高く、ドラム缶付着物 No.19、21 の

影響を強く受けているものと考えられた。 本調査で注目した除草剤、2,4-D 及びそのブチルエステル、2,4,5-T 及びそのブチルエステ

ルはドラム缶付着物、底面土壌ともに全ての試料で不検出であった。2,4-D の分解生成物とし

て知られている2,4-DCPもドラム缶付着物、底面土壌ともに全ての試料で不検出であったが、

2,4,5-T の分解生成物として知られている 2,4,5-TCP がドラム缶付着物では No.17、38、47 な

ど 20 試料、底面土壌では 7 試料で検出された。 定性分析により、当初想定していなかった DDD、DDE など、塩素系殺虫剤の一つである

DDT の分解生成物が検出された。定性分析の範囲内では DDT 自体は不検出であった。DDD、

DDE は、特にドラム缶付着物の No.4 と No.34、底面土壌の No.34 の含有量が高かった。 定量分析の結果、ドラム缶付着物 No.4 は DDT が不検出、DDD が 180mg/kg、DDE が

73mg/kg で合量で 253mg/kg、ドラム缶付着物 No.34 は DDT が不検出、DDD が 100mg/kg、DDE が 36mg/kg で合量で 136mg/kg、底面土壌 No.34 は DDT が不検出、DDD が 61mg/kg、DDE が 20mg/kg で合量で 81mg/kg であった。この 3 試料は、「農薬等に関する環境管理指針

値」の土壌濃度指針値(含有量)を超過した。

未ろ過水 ろ過水 未ろ過水 ろ過水

直鎖炭化水素 - - - -

ベンゼン誘導体 + + - -

ナフタレン誘導体 - - - -

多環芳香族類 - - - -

定性分析 - - + +

定量分析 <0.0005 <0.0005 0.0072 0.0055

定性分析 ++ ++ ++++ ++++

定量分析 0.13 0.12 4.4 3.6

定性分析 - - - -

定量分析 <0.0005 <0.0005 0.0009 0.0007

DDT類 - - - -

ジクロロフェノール誘導体

トリロロフェノール誘導体

PCP

1月30日 2月1日化学物質名 \ 試料採取日

1-188

その他、特徴的な化学物質として、有害性はないが、樟脳成分の一つであるボルネオール誘

導体がいくつかの付着物試料でみられた。ボルネオール自体は天然品のほかにも化学合成品が

あり、ボルネオール誘導体がドラム缶の内容物として埋没していたものか、自然由来のものか

は判断できなった。

②たまり水 たまり水は、油に由来する化学物質の含有量は低かった。 フェノキシ系除草剤の 2,4-D、2,4,5-T 及びそれらのブチルエステルは全ての試料で不検出

であったが、2,4-D の分解生成物である 2,4-DCP は、採取日 2 月 1 日のたまり水の未ろ過、

ろ過試料にみられた。2,4,5-T の分解生成物である 2,4,5-TCP は、採取日 1 月 30 日、2 月 1日の未ろ過、ろ過試料で検出されており、採取日 2 月 1 日の試料の含有量が高かった。

PCP、ドラム缶付着物、底面土壌でみられた塩素系殺虫剤は、全試料、不検出であった。

表 2.8-10 定性分析結果のまとめ

ドラム缶付着物 底面土壌 ドラム缶付着物 底面土壌

直鎖炭化水素1~26、28~32、34~37、39、40、50、53、58

4、8、10、17~19、23、28、32、39、41、44、46

炭素数11~20個の直鎖炭化水素10、16、17、21

エチルジメチルベンゼン

ブチルメチルベンゼン

テトラメチルベンゼン

ペンタメチルベンゼン

ジメチルノナン

ナフタレン

エチルナフタレン

ジメチルナフタレン

ジメチル-プロピルナフタレン

トリメチルナフタレン

メチルナフタレン

ジメチルフェナンスレン

アントラセン

メチルアントラセン

フルオランテン

ピレン

メチルピレン

ベンゾ(a)ピレン

トリフェニレン

トリクロロフェノール類3、4、7、10、14、15、16、17、19、21、28、29、30、31、38、41、47、51、52、61

17、19、28、32、39、41、46 トリクロロフェノール 17、38、47 -

その他 2、4、10、11、15、38、41 不検出 ボルネオール誘導体 10 -

4、34 344、10、12、19、31、32、34、37、39

DDE、DDD

含有量が高い試料の番号(No.)

10、16、17、21、46

3、4、10、11、16、17、19、21、28、29、31、34、38、41、46、47

19、21

10、16、21、41、46

同定した化学物質

ベンゼン誘導体

ナフタレン誘導体

多環芳香族類

塩素系殺虫剤

検出された試料の番号(No.)物質群

1~61(全試料)

1~61(全試料)

22、42を除く試料

1、2、8、10

4、8、10、17、19、21、23、28、31、32、37、39、41、44、46

8、10、12、14、17、19、21、23、28、31、32、34、37、39、41、44、46

4、5、6、7、11、18、20、23、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、44

1-189

【参考表】同定した主な化学物質の由来・用途・性質等について

物質群 検索した代表的な化学物質 由来 用途・性質等

トリデカン(C13)、テトラデカン(C14)、

ペンタデカン(C15)、ヘキサデカン(C16)

トリメチルベンゼン(数種の異性体)、

テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン

ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン

トリメチルナフタレン

多環芳香族類 アントラセン、ピレン、フルオランテン、ベンゾ(a)ピレンガソリン、軽油など化石燃料の成分の一種

残留性が高い(難分解性)、ディーゼル車排ガスにも含まれる

トリクロロフェノール類 2,4,5-トリクロロフェノール及びその誘導体 除草剤関連物質 2,4,5-T代謝物の可能性

塩素系殺虫剤(その分解物) DDD、DDE、ジクロロベンゾフェノン 殺虫剤、その関連物質 DDT代謝物の可能性

その他 ボルネオール誘導体 植物成分(樟脳) 合成樟脳もある

炭素数9(C9)以上のものは航空機燃料に用いられる

トリメチルベンゼンは印刷用溶剤として使用される

潤滑油、機械油等としても使用される

直鎖炭化水素

ベンゼン誘導体

ナフタレン誘導体

軽油など化石燃料の成分の一種

ガソリン、軽油など化石燃料の成分の一種

軽油など化石燃料の成分の一種

1-190

2.8 分析結果のまとめ

【発掘したドラム缶の外観】 ・発掘したドラム缶は、潰れた形状のものが多かったので正確な大きさは測定できなかったが 30

ガロン相当(直径約 49cm、高さ約 74cm)が 32 缶、55 ガロン相当(直径約 59cm、高さ約 89cm)が 24 缶あった。その他の大きさのドラム缶が 5 缶あった。

・これらのうち判読不明な文字が多かったものの、農薬等の製造企業である「DOW(The Dow Chemical Company)」と読める又は類推できる文字のあるドラム缶が 27 缶あった(25 本は

30 ガロン相当、1本は 55 ガロン相当、1本は不明)。その他、文字のあるドラム缶が 12 缶あ

った。 ・ドラム缶の外観については枯葉剤のオレンジ剤を入れたドラム缶に書かれていたとされるオレ

ンジ色等の帯が確認されたドラム缶はなく、また「2,4-D ブチルエステル」「2,4,5-T ブチル

エステル」等、枯葉剤の成分を示唆する内容表示が確認されたドラム缶もなかった。 【分析結果】 ・ドラム缶付着物試料のダイオキシン類は 3ng-TEQ/g(3,000pg-TEQ/g)を超過した結果はなかっ

たが、6 試料について 1,000pg-TEQ/g を超過していた。ドラム缶付着物はドラム缶とともに

すでに発掘・撤去されていることから、ドラム缶付着物等が、今後、周辺環境へ影響を与える

ことはない。 ・底面土壌のダイオキシン類はすべての試料において土壌の環境基準である 1,000pg-TEQ/g 以下

であった。底面土壌のダイオキシン類毒性等量はドラム缶付着物より低い傾向にあり、環境基

準に適合してるものの、ドラム缶付着物の影響を受けて、他の国内事例(国内 674 地点の平均

2.0pg-TEQ/g、範囲は 0~96 pg-TEQ/g、平成 23 年環境省)よりも高い値を示したものと考え

られた。しかしながら、

1) 今回の調査では汚染源の影響を最も受けるであろう場所(ドラム缶の直下)から試料を採取

しており、周辺に今回の調査結果以上のダイオキシン類濃度の土壌が存在する可能性は低

い。 2) 今回の底面土壌試料は地下に存在するため、人間が直接接触することはない場所にある。 3) 周辺で地下水の利用はなく、地下水の飲用によって健康影響などが発生することはない。

という理由により、今回調査を行った底面土壌が周辺に大きな環境影響を及ぼす可能性は少な

いと考えられた。 ・たまり水については未ろ過水、ろ過水共にダイオキシン類の毒性等量が比較的高い値を示した。

本試料は実際の地下水ではなく、ドラム缶発掘時にドラム缶内外に溜まっていた水であった。

たまり水が雨などの浸透水と共に河川への排出水として放出される可能性も考えられるが、沖

縄県が行っている調査における排出水のダイオキシン類濃度が排水基準を満たしていること

から、少なくとも環境影響を及ぼす量の放出はないと考えられた。 ・ドラム缶付着物と底面土壌のダイオキシン類の異性体組成をみると除草剤 2,4,5-T の製造過程

における不純物に由来するもの(2,3,7,8-TeCDD)、除草剤 PCP 中の製造過程における不純物に

由来するもの(HxCDDs~OCDD、HxCDFs~OCDF)、及び PCB 成分が含まれることに由来

1-191

するものの 3 つに大きく分類されることがわかった。 ・農薬類では、ドラム缶付着物及び底面土壌試料で 2,4-D 及びそのブチルエステルは不検出であ

った。また 2,4-D が分解して生成したと考えられる 2,4-DCP は 2 検体で検出した。2,4,5-T ブ

チルエステルは不検出であったが、2,4,5-T 及び 2,4,5-T が分解して生成したと考えられる

2,4,5-TCP がいくつかの試料で検出された。これらの除草剤関連物質はダイオキシン類や PCBのように難分解性ではないため、長い時間の経過により消失し、不純物として含まれていたダ

イオキシン類が残っていたものと考えられた。 ・2,4-D についてはドラム缶付着物及び底面土壌では検出されていないが、たまり水からわずか

に検出された。これは水は妨害成分が少なく、高感度で分析が可能であるため、検出されたも

のである。2,4,5-T に比較して低濃度であり、その差が分解速度の差に由来するかは不明であ

る。 ・付着物、底面土壌、たまり水から検出された 2,4,5-T、2,4,5-TCP、2,4-D、2,4-DCP は、除草

剤(2,4,5-T もしくは 2,4-D との合剤)に起因するものと推定された。 ・ドラム缶付着物及び底面土壌の定性分析では、直鎖炭化水素、ベンゼン・ナフタレン誘導体、

多環芳香族類など化石燃料由来の成分及び殺虫剤 DDT 類がみられた。 ・ドラム缶付着物及び底面土壌の油分は、炭素数が C6~C12 のガソリンに分類できる種類と炭素

数が C12~C28 の軽油に分類される種類が多くみられた。 ・定性分析により検出された殺虫剤 DDT 類の定量分析結果で、「農薬等に関する環境管理指針値」

の土壌濃度指針値(含有量)を超過している試料は、ドラム缶付着物 No.4、34、底面土壌 No.34の 3 検体であった。

・ドラム缶付着物及び底面土壌試料中の砒素(カコジル酸含む)及びふっ素は人為的な影響が考

えられず、自然的な要因により検出されたものと考えられた。 ・これらのドラム缶付着物中の比率はドラム缶ごとに異なっていた。ドラム缶は埋没時に意図的

につぶされたとの聴き取り結果があり、その結果、ドラム缶内にあった2,4,5-T やPCP、PCB 、ガソリンまたは軽油等の化石燃料、殺虫剤 DDT 類が混合したことが考えられた。

・今回のダイオキシン類の分析や農薬類の定性、定量分析等の結果より、ドラム缶に含まれてい

た物質として、①除草剤 2,4,5-T(2,4-D との合剤含む)、②除草剤 PCP、③PCB、④ガソリン

または軽油等の化石燃料、⑤殺虫剤 DDT 類の5種類の物質の存在が推定された。 【オレンジ剤等との関係】 ・今回発掘されたドラム缶の外観については、枯葉剤のオレンジ剤を入れたドラム缶に書かれてい

たとされるオレンジ色等の帯が確認されたドラム缶はなく、また「2,4-D ブチルエステル」

「2,4,5-T ブチルエステル」等、枯葉剤の成分を示唆する内容表示が確認されたドラム缶はなか

った。 ・ドラム缶付着物及び底面土壌の一部試料より 2,4,5-T が検出され、また 2,4,5-T の不純物に由来

すると考えられる 2,3,7,8-TeCDD が高い異性体割合で存在した試料もあった。さらにドラム缶

付着物で 2 検体から 2,4-DCP が検出され、また 2,4,5-T が分解して生成したと考えられる

2,4,5-TCP も検出されている。このため、複数のドラム缶中に 2,4,5-T が存在したものと考えら

れる。2,4,5-T はブチルエステル等のようなエステル形で油剤として用いられることが多く、枯

葉剤はこのような除草剤を多量散布により木をも枯らすことができることを利用し、軍事用に

1-192

転用したものである。軍事用ということで必ずしも特殊な成分を含んでいたものではない。今

回のドラム缶に表示があったダウ・ケミカル社でもかつて民生用の 2,4,5-T を大量に製造してお

り、2,4,5-T は日本国内でも森林などへ多量に散布された経緯(2,4,5-T と 2,4-D との合剤も存

在していた)もある。 ・また、オレンジ剤は 2,4,5-T ブチルエステルと 2,4-D ブチルエステルの等量混合物とされるが、

本調査では 2,4,5-T ブチルエステル、2,4-D ブチルエステルとも全試料で不検出であった。今回

のドラム缶付着物及び底面土壌の分析結果では2,4,5-Tが複数地点で検出されている中で2,4-Dが検出された試料はなく、2,4-D の分解生成物の可能性がある 2,4-DCP についても 2 試料で定

量下限値に近い濃度が検出されたのみである。2,4,5-T と 2,4-D の土中での分解速度は異なると

思われるので明確ではないが、現在検出される濃度の違いより、ドラム缶中に 2,4,5-T(あるい

はそのエステル体)と 2,4-D(あるいはそのエステル体)が等量で存在したかという点には疑

問が残る。 これらをまとめると、

1) 今回の調査においては、ドラム缶の外見的な特徴において、枯葉剤の容器であったことを

示唆するものが見つからなかった。 2) 2,4,5-T はかつて除草剤として国内でも広く使用されていた農薬であり、基地内外において

一般に除草目的で使用されていたと考えられる。 3) オレンジ剤で使用された直接の物質である 2,4-D ブチルエステル、2,4,5-T ブチルエステル

はいずれの試料からも検出されなかった。また 2,4,5-T、2,4-D(すべて不検出)、2,4,5-TCP、2,4-DCP の濃度差からかつて 2,4-D と 2,4,5-T が等量で存在した可能性は高いとはいえな

い。

となる。 上記の理由により、本調査の結果よりドラム缶中に枯葉剤のオレンジ剤があったという証拠は

見つからなかったといえる。 2.9 各試料の結果

ドラム缶付着物試料、底面土壌試料、たまり水試料の個々の結果について次ページ以降に示し

た。