平成21年度...

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平成21年度 平成21年度 平成21年度 平成21年度 小学校家庭科実践集録 小学校家庭科実践集録 小学校家庭科実践集録 小学校家庭科実践集録 第46号 第46号 第46号 第46号 愛媛県教育研究協議会 技術・家庭委員会 愛媛県教育研究協議会 技術・家庭委員会 愛媛県教育研究協議会 技術・家庭委員会 愛媛県教育研究協議会 技術・家庭委員会

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平成21年度平成21年度平成21年度平成21年度

小学校家庭科実践集録小学校家庭科実践集録小学校家庭科実践集録小学校家庭科実践集録第46号第46号第46号第46号

愛媛県教育研究協議会 技術・家庭委員会愛媛県教育研究協議会 技術・家庭委員会愛媛県教育研究協議会 技術・家庭委員会愛媛県教育研究協議会 技術・家庭委員会

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目 次

はじめに

11 研究の計画

2 研究実践

(1) 新しい時代を切り拓く豊かな心と実践力を育てる家庭科学習

-第5学年「身の回りを整理・整とんしてみよう」の実践を通して-

(第5学年 四国中央支部) 2

(2) 新しい時代を切り開く豊かな心と実践力を育てる家庭科学習

-第5学年「料理って楽しいね!おいしいね!」の実践を通して-

(第5学年 新居浜支部) 6

(3) 環境と豊かにかかわり、生活をよりよくしようとする児童を育てる家庭科学習

-第5学年「布で作ってみよう」の実践を通して-

(第学5年 松山支部) 10

(4) 主体的な学びを通して、よりよい食生活をしようとする態度を育てる学習指導の在り方

-第5学年「作っておいしく食べよう」の学習を通して-

(第5学年 東温支部) 14

(5) 自ら進んで食生活を改善しようとする子どもの育成

-第6学年「楽しい食事をくふうしよう~1食分の食事について考えよう~」の実践を通して-

(第6学年 八幡浜支部) 18

(6) 人や環境と豊かにかかわり、家庭生活への関心を高める学習指導の工夫

-第6学年「今日はわたしがコック長」の実践を通して-

(第6学年 南宇和支部) 22

3 研究会報告

(1) 平成21年度 小学校家庭科夏季実技研修会実施報告 26

(2) 第46回 全国小学校家庭科教育研究会全国大会(新潟大会)参加報告 28

304 平成21年度 愛媛県教育研究協議会技術・家庭委員会小学校部会役員名簿

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は じ め に

家庭科は、子どもたちが社会において自立的に生きる基礎を培うかけがえのない教科です。そ

のため、従来から衣食住や家族の生活などに関する実践的・体験的な活動や、実生活と関連を図

った問題解決的な学習を重視してきました。その基本的な考え方は新学習指導要領でも変わりま

せんが、今回の改訂では、自己と家庭、家庭と社会とのつながりを重視し、生涯の見通しをもっ

て、よりよい生活を送るための能力と実践的な態度を育成するという観点から、次のような改善

が図られています。

○ 小中の学習内容の体系化(小学校における基礎・基本の明確化)

小学校 (8内容→4内容) 中学校 (2内容→4内容)

A 家庭生活と家族 A 家族・家庭と子どもの成長

B 日常の食事と調理の基礎 B 食生活と自立

C 快適な衣服と住まい C 衣生活・住生活と自立

D 身近な消費生活と環境 D 身近な消費生活と環境

○ 社会の変化への対応

○ 家族・家庭に関する教育の充実

○ 食育の推進

○ 消費者教育や環境教育の充実

また、全教科等において言語力の育成・活用が重視されており、家庭科でも、衣食住など生活

の中の様々な言葉を実感を伴って理解する学習活動や、生活の課題を解決するために、言葉や図

表などを用いて考えたり説明したりする学習活動の充実が求められています。

現在、各学校では、平成 23 年度からの全面実施に向けて準備を進められていることと思いま

す。移行期には、改訂の趣旨を踏まえ、移行措置を確実に実施するとともに、2年間、さらに中

学校を含めて5年間を見通した、ストーリー性のある指導計画の作成をはじめ、新しい内容にお

ける題材開発、基礎的・基本的な知識や技能の確実な定着及びそれらを活用する力の育成を図る

学習指導の工夫などについて研究を深めていくことが大切です。

このような中、愛媛県内各支部から寄せられたすばらしい研究実践を、『小学校家庭科実践集

録 第 46 号』としてまとめることができました。本集録に収められた研究実践から様々な工夫

を学び、各学校の実態に応じてさらに改善を加えながら日々の指導に生かしていただきたいと思

います。

最後になりましたが、本集録の作成に当たりご尽力いただきました皆様に心より感謝申し上げ

ます。

平成 22年2月

愛媛県教育研究協議会 技術・家庭委員会

小学校部会委員長 辻井 芽美子

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1 研究の計画

(1) 研究主題

新しい時代を切り拓く豊かな心と実践力を育てる家庭科教育

- 人や環境と豊かにかかわり、生活をよりよくしようとする児童の育成を目指して -

(2) 研究のねらい

○ 児童一人一人が生活の主体者として、家庭生活を大切にする心情をはぐくむとともに、日常生

活に必要な基礎的・基本的な知識及び技能を身に付けるようにする。

○ 人や環境と豊かにかかわりながら生活の課題を解決し、家族の一員として生活をよりよくしよ

うとする実践的な態度を育てる。

(3) 研究の視点

ア 生活を創意工夫する力が育つ教材や題材の工夫及び指導計画の作成

(ア) 新学習指導要領の内容をふまえて題材や教材を開発・工夫し、各題材で育成する資質や能力

を明確にして、基礎的・基本的な内容が身に付くようにする。また、それらの内容の相互関連

や他教科との関連を図りながら、題材構成や配列を工夫する。

(イ) 児童・学校・家庭及び地域社会の実態に応じて、児童の課題意識や中学校の内容を考慮しな

がら、児童が成長する自分を自覚することができるような、2学年を見通した指導と評価の計

画を作成する。

イ 人や環境と豊かにかかわりながら生活の課題を解決する力が育つ学習指導の工夫

、 、(ア) 児童が課題をもち 人や環境と豊かにかかわりながら課題解決に取り組むことができるよう

実践的・体験的な学習活動を多く取り入れる。また、その過程において、日常生活に必要な基

礎的・基本的な知識及び技能を身に付け、活用できるようにする。

(イ) 生活の中の様々な言葉を実感を伴って理解する学習活動や、自分の生活における課題を解決

するために言葉や図表などを用いて生活をよりよくする方法を考えたり、説明したりするなど

の学習活動を充実させる。

(ウ) 児童一人一人の思いや願いを積極的に生かして学習を展開することができるように、個別指

導やグループ別指導、ティーム・ティーチングや地域の教育力の活用等、指導方法や指導体制

を工夫し、多様な学習活動を展開する。

(エ) 家庭科学習を通して身に付けた力を生活の中に生かす場を意図的・計画的に設定するなど、

児童が家族の一員としての自覚をもち、家族や地域の人々と共に生活をよりよくしていく楽し

さや充実感を味わえるようにする。

(オ) 学校・家庭・地域社会がそれぞれ適切な役割を果たしながら、相互に連携して児童の教育に

当たることができるよう、各種通信・保護者会等を通して積極的に働きかける。

ウ 指導に生きる評価の工夫

、 、 。(ア) 目標を明確にし 具体的な評価規準や適切な評価方法を設定し 指導と評価の一体化を図る

そして、学校間の情報交換や研究実践を積極的に進め、改善を図りながら、より客観性・信頼

性のあるものにする。

(イ) 学習の過程が分かるワークシートや評価を工夫し、児童が自分の成長を自覚することができ

るようにする。

(ウ) 児童のよい点や可能性、進歩の状況などを多面的に評価するとともに、児童の自己評価や相

互評価及び保護者等の評価を積極的に取り入れ、それを指導の改善に生かす。

エ 留意事項

○ 消費者として、主体的に考えて生活しようとする実践的な態度を育成する。

○ 環境・福祉・健康問題等の現代的な課題を解決しようとする実践的な態度を育成する。

○ 家庭科と総合的な学習の時間との違いや関連を明確にし、指導に当たる。

○ 食育を推進する視点から、食に関する指導の充実を図る。

○ 施設・設備及び学習環境の整備・充実に努め、安全・衛生に関する指導の徹底を図る。

○ 教師の指導力を伸ばす研修の充実を図る。

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2 研究実践

新しい時代を切り拓く豊かな心と実践力を育てる家庭科学習

-第5学年「身の回りを整理・整とんしてみよう」の実践を通して-

四国中央支部

1 はじめに

家庭科学習では、家庭生活を大切にする心情をはぐくみ、家族の一員として生活をよりよくしよ

うとする実践的な態度を育てることを目標としている。そして、裁縫や調理などの学習は家庭にお

ける実践に結びついている。しかし、家庭生活を気持ちよく過ごすための学習は知識的な学習にと

どまり、生活に結びついた実践にはなかなか至らないことが多い。

そこで、日常生活と関連が深く実践しやすい題材を取り上げ、実践的・体験的な活動を重視する

ことにより、主体的に課題に取り組むことができる力を育てたいと考え、本研究に取り組んだ。

2 研究の視点

(1) 生活に結びつく活動の工夫

(2) 児童の関心・意欲を高める工夫

3 実践事例

(1) 題材名 身の回りを整理・整とんしてみよう

(2) 題材の目標

○ 身の回りの整理・整とんの仕方を見つめ、進んで整理・整とんしようとしている。

(関心・意欲・態度)

○ 身の回りの整理・整とんや不用品の活用の仕方について考えたり、工夫したりしている。

(創意工夫)

○ 身の回りの整理・整とんができる。(技能)

○ 整理・整とんの必要性と整理・整とんの仕方、ごみや不用品の処理・活用の仕方が分かる。

(知識・理解)

(3) 指導にあたって

○ 家庭は、家族が食事や睡眠をとったり、活動したり、くつろいだりして共に生活する場であ

る。本題材では、家庭での住まい方に関心をもち、気持ちのよい住まい方をするために、自ら

課題を見つけ、計画を立て、工夫することができることをねらいとしている。身の回りにある

学習用具、本や雑誌、衣服、遊び道具、運動用具等を片付けたり、清掃したりすることにより、

爽快な気分になることを実感できる。また、気持ちよく生活するために必要なものを使いやす

く工夫して整理することの大切さに気付くこともできる。このことは学校生活だけでなく、家

庭生活でもやってみようという意欲を高めることにつながるだろう。

○ 児童は、身の回りの整理・整とんや掃除を家庭でも学校でも経験している。学校では本棚や

自分のロッカー、机の中を整とんしたり、家庭でも自分の部屋を整理・整とんしたりすること

がある。しかし、部屋の場所、収納空間のスペースや形態、物の大きさや形、機能性に応じて

整理・整とんをする様子はあまり見られない。中には、家族が部屋をきれいにしてくれること

が当たり前だったり、机の上が散らかっていても不自由さを感じなかったりする子どもや、整

理・整とんすることは難しいと感じたり、めんどうくさいと感じたりしている子どももいる。

そこで、収納空間のスペースや形態、持ち物の種類や数などに応じた工夫を考えさせる必要が

あると考える。

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○ そこで、前時までに、校内の整理・整と

んされていない場所の写真を見せることに

よって、整理・整とんの必要性を感じさせ、

整理・整とんは単に片付けることだけでは

なく、使用目的や頻度、便利さ等を考えて

しなければいけないことに気付かせたい。

そして、本時では、前時の学習とともに今

までしてきた整理・整とんの方法を振り返

り、問題点に気付かせる。そして、具体物

を用いて工夫の仕方を考え、整理・整とん 〈散らかっている机〉

を行わせることで、簡単に種類ごとに分別できることを体験し、その時だけでなく、日常的に

整理・整とんができるように意欲付けしたい。その際、牛乳パックやデザートの容器を使用す

ることなどを意識づけ、次時に学習するリサイクルなど不用品の活用へとつなげていきたい。

(4) 指導計画と評価規準(全4時間)

小題材 時間 学習活動 主な評価規準

自分の生活の場所

に目を向けよう。

1 ・ 気持ちよく生活するために

整理・整とんが必要であるこ

とを知る。

○ 気持ちよく生活するために

整理・整とんが必要であるこ

とに気付く。(関・知)

工夫して整理・整と

んしよう。

(本時

その

1)

・ 身近なものを使い、工夫し

て整理・整とんする方法を考

える。

・ 家庭で自分の身の回りの持

ち物を工夫して整理・整とん

する。

○ 身近なものを使い、工夫し

て整理・整とんする方法が分

かる。(創・技・知)

○ 自分の身の回りを整理・整

とんすることができる。(創・

技)

不用品の活用や、ご

みの始末をしよう。

1 ・ 不用品の多さに気付き、不

用品を活用する方法を考え

る。

・ ごみの出し方が分かり、ご

みを尐なくする方法を考え

る。

○ 不用品の多さに気付き、不

用品を活用する方法を工夫す

る。(創・技・知)

○ ごみの出し方が分かり、ご

みを尐なくする方法を工夫し

ている。(創・知)

(5) 本時の指導

ア ねらい 身近なものを使い、工夫して整理・整とんする方法を考える。

イ 準備物 ワークシート、OHC、牛乳パック、デザートの容器、空き箱など

ウ 展 開

児童の活動 ・指導上の留意点 ○評価

1 前時の活動を振り返る。

・ 整理・整とんすることは気分が爽快になるだ

けでなく、次に使うことを考えてすることが大

事であることを押さえる。

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2 工夫して整理・整とんする。

〈片付けている様子〉

3 各班ごとに工夫したところを中心に発表

する。

4 本時のまとめをする。

・ 前時に実際に整理・整とんするものを見せて

おき、具体的なイメージをもたせておく。

・ 班で協力することで、一人ではアイデアが浮

かびにくい児童の意欲を喚起する。

・ 具体物を使ったり、使えそうな材料をあらか

じめ用意しておいたりすることによってアイ

デアが出やすい状況を作る。

○ 身近なものを使い、工夫して整理・整とんし

ようとしているか。

・ OHCを使い、みんなが見やすいようにする。

・ ワークシートを使い、まとめやすくする。

4 考察

授業の実践を通して、得られた成果は次のとおりである。

(1) 生活に結びつく活動の工夫について

知識を詰め込むだけの学習ではなく、実際に児童が日常生活でよく使うおもちゃや文房具、衣

服などの具体物を使って体験的な学習を取り入れたために、友達と協力しながら工夫する場面が

多く見られた。そして、整理・整とんの仕方について情報交換したり、家族の整理・整とんの仕

方を改めて振り返ったりすることにつながった。また、児童が手に入れやすい牛乳パックやデザ

ートの容器・空き箱・空き缶などを整理・整とんの道具として使用したので、リサイクルの意欲

が高まるとともに、家庭でもやってみようという意欲が高まった。

〈文具のグループ〉

空き箱を利用して整理・整とんを行った。使

用頻度が高い物を手前に、低い物を奥

にしまった。

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〈衣服のグループ〉

箱を3段重ねにするなどスペースを有効に

使った。衣服は丸めてタンスにしまうなど、

各家庭の工夫を取り入れた。

〈おもちゃのグループ〉

牛乳パックやデザートの容器などを使用して

種類ごとに分類し、後で取り出しやすいように

片付けた。

(2) 児童の関心・意欲を高める工夫について

整理・整とんする前の写真と、実際に児童たちが工夫して整理・整とんした後の様子をOHCで

映し出し、ビフォー・アフターのように視覚的に比較したため、どんな工夫をしたのかがよく分か

り、自分でもやってみようという意欲化につながった。

班のみんなでいろいろ話し合っている中から新しいアイデアが生まれ、日頃、一人では途中であ

きらめてしまう児童も、協力することの楽しさを感じながら学習に取り組めた。さらに、実際に具

体物を使用したことによって、整理・整とんすることは「気持ちいい」と体感することができ、実

践化にもつながったと思われる。

5 今後の課題

今回使用したおもちゃや文房具などは教師自らが準備した。今回のように整理・整とんを学習す

る場合、多様な具体物は全校体制、または学年団の協力が不可欠である。

また、児童の家庭環境は様々で、生活様式や家族構成もいろいろである。画一的な指導にならな

いような配慮も必要だと感じた。

これからも家庭との連携を大切にしながら、児童の具体的な生活経験と関連づけて、実感を伴う

家庭科の学習を展開していきたい。

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新しい時代を切り開く豊かな心と実践力を育てる家庭科学習

-第5学年 「料理って楽しいね!おいしいね!」の実践を通して-

新居浜支部

1 はじめに

今回の学習指導要領の改訂では、食育を推進する視点から、食事の役割や栄養を考えた食事のとり

方、調理などの学習活動を一層重視している。そのような中で、児童一人一人が食生活の主体者とし

て毎日の食事についての関心をもち、日常生活に必要な知識と技能を身に付けることが大切であると

考える。また、家庭での食事について家族とともに考えることを通して、家族と一緒に食生活を工夫

しようとする実践的な態度を養いたいと考え、本研究に取り組んだ。

2 研究の視点

(1) 児童の食生活への関心を高める工夫

(2) 栄養教諭との連携を図った学習活動の工夫

(3) 家庭での実践化を図る工夫

3 実践事例

(1) 題材名 「料理って楽しいね!おいしいね!」

(2) 題材の目標

○ 日常の食生活や調理に関心をもち、よりよい食生活を送ろうとする。(関心・意欲・態度)

○ 調理の手順や食品に合った調理の仕方を工夫する。(創意工夫)

○ 調理実習の進め方や安全で衛生的な調理の仕方の基本が分かり、「ゆでる」調理ができる。

(技能)

○ 食品の体内での働きが分かり、いろいろな食品を組み合わせて食べることの必要性を理解す

る。(知識・理解)

(3) 指導にあたって

○ 本題材は、自分の日常の食生活や食事に対して関心をもち、自分の問題として解決していこ

うとする態度を養うことをねらいとしている。食事は、ただ空腹を満たすだけでなく、私たち

が生きて成長していくために重要な働きをしている。これから成長期を迎える児童にとって、

食品の3つの働きを知り、バランスのよい食事についてのイメージをしっかりともたせること

は、健康的な生活を送る上で大変重要である。そのため、栄養教諭とのTTによる授業を行い、

給食と関連づけて、自分の食事や健康的な食事の仕方について考えることを通して、より実践

的な力をつけていきたい。また、自分の食事を調べ、その改善点を見つけて、家庭との連携を

図りながら調理実習に取り組むことで、自分の食生活により関心をもち、家族とともに食生活

を工夫しようとする意欲を高めることができると考える。

○ 本学級の児童は、活発で元気な児童が多い。健康状態はおおむね良いと言えるが、給食時に

は好き嫌いの多い児童や尐食の児童もいる。また、朝ご飯のアンケートの結果では、ほとんど

の児童が毎日朝ご飯を食べてはいるものの、栄養バランスが十分に整ってはおらず、菓子パン

とジュースなど主食と飲み物だけの食事ですませる児童も尐なくない。このように、自らの体

のことを考えて食べようとする態度はあまり育っていない。そのため、食事と体の発育とのか

かわりや食事の役割などを理解し、自分の食生活に関心をもち、よりよい食生活を送ろうとす

る態度を養うことが必要だと考える。

○ 指導にあたっては、自分の日常の食事に関心をもち、課題を明確にした上で、簡単な調理の

実習に取り組ませたい。また、栄養教諭とのTTを図ることで、より専門的な指導・助言を受

け、理解を深めさせたい。本時は、視覚的な資料を用いて食事の大切さを知らせたい。さらに、

偏った食事の献立をグループで改善していくことを通して、よりよい食事について考えさせた

い。また、自分の食事を見直し、学習したことを家庭に伝えることを通して、家族とともに考

え、実践できるよう配慮したい。

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(4) 指導計画と評価計画(全7時間)

(5) 本時の指導

ア ねらい 食事の大切さを知り、よりよい食事の献立を考えることができる。

イ 準備物 ワークシート、給食の献立、野菜の1日の摂取量のめやす、料理カード

ウ 展 開

学習活動 教師の働きかけと

予想される児童の反応

教師の支援(○)と評価(●)

T1:学級担任 T2:栄養教諭

1 食事の大

切さを振り

返る。

○ なぜ食べるのか考えよう。

・ 健康を保つため

・ 元気に生活するため

・ 成長するため

○ 前時の学習を振

り返り、学習の方

向付けをする。

小題材名 時

家庭生活への

関心・意欲・態度

生活を創意工夫

する能力

生活の技能 家庭生活について

の知識・理解

自分の食事

を調べよう

1 自分の食生活

に関心をもつ。

なぜ食べる

のか考えよう

2(本時その2)

食品を主な働き

ごとに3つのグル

ープに分けること

ができる。

食品の3つの働

きが分かる。

自分の食事を

よりよくしたい

という意欲をも

つ。

よりよい食事

をする工夫を考

えることができ

る。

食事の大切さを

知る。

いろいろな食品

を組み合わせて食

べることの大切さ

が分かる。

簡単な調理

をしてみよう

4 調理の手順を考

え調理計画を立て

ることができる。

調理の計画を立

てることができ

る。

調理の意味と調

理実習の進め方が

分かる。

意欲的に調理実

習に取り組んでい

る。

ゆで方に関心を

もち、調理しよう

としている。

材料や目的に

合わせて、工夫し

て調理している。

安全や衛生に注

意し、「ゆでる」調

理ができる。

調理に必要な用

具の種類や扱い方

が分かる。

卵や野菜の選び

方や調理方法が分

かる。

安全や衛生に注

意し、「ゆでる」調

理の方法が分か

る。

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2 よりよい

食事につい

て考える。

3 自分の食

事の記録を

みて、授業後

の感想を書

く。

○ バランスのよい献立例(給食)

について知ろう。

・ 給食はたくさんの食品を使っ

ている。

・ 栄養バランスがとれている。

・ いろいろなことを考えて作っ

てくれている。

・ こんなにたくさん野菜をとら

ないといけない。

○ よりよい食事を考えよう。

・ 野菜が尐なかったので、野菜

を使った料理を付け足した。

・ 食品の数が尐なかったので増

やした。

・ 栄養のバランスを考えて3つ

のグループをそろえた。

○ 自分の食事の記録をみて、授業

後の感想を書く。

・ 食事の大切さが分かった。

・ バランスよく食事をしたい。

・ 自分で調理をしてみたい。

○ 栄養のバラン

ス、量、食品数に

ついて考えさせ

る。

○ 偏った食事の献

立を提示し、工夫

点をグループで話

し合わせる。

● グループで工夫

して、よりよい食

事が考えられた

か。 (関、創)

○ 本時の学習を振

り返り、次時の意

欲付けをする。

● いろいろな食品

を組み合わせて食

べることの大切さ

が分かったか。

(知)

○ 給食は1日の必

要量の3分の1の

量であることを説

明する。

○ 1日に食べなく

てはならない野菜

の量を見せ、実感

的に理解させる。

○ 卵と野菜を使っ

た料理の例を示し

アドバイスする。

○ グループで考え

た食事のよい点を

賞賛する。

(6) 事後の指導

○ 学習内容を家庭にも知らせ、家庭での協力を呼びかける。

○ 給食の時間を利用して、バランスのよい食事について意欲付けをする。

○ 家の手伝いなどをした児童の声を賞賛する。

4 考察

(1) 児童の食生活への関心を高める工夫

事前に自分の食事調べを行い、自分の食生活を

振り返ったところ、「野菜の量が尐ない」「食品の

数が尐ない」などの課題意識をもって授業に取り

組むことができた。

授業の中では、1日に食べなければならない野

菜の量を実物の野菜で示した。それを見て、野菜

の量の多さに驚き、もっと多く取りたいという感

想をもった児童が多かった。

よりよい食事について考えよう。

<実物の野菜の提示>

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また、料理カードを使って献立を考えたこ

とにより、料理のイメージがわきやすく、活

発な話し合い活動ができた。さらに、偏った

食事の献立を修正することからバランスの

よい食事への関心を深めることができた。

(2) 栄養教諭との連携を図った学習活動の工夫

自分たちの給食を作ってくれている栄養

教諭の専門的な話を聞き、食事を作っている

人に対して感謝の気持ちをもった児童が多

かった。

また、献立を改善する活動では、班ごとに

的確なアドバイスをもらい、バランスのよい

献立を考えることができた。調理実習でも、

ゆでる調理のコツを教えてもらい、意欲的に

実習を行うことができた。

普段の生活の中でも、授業後には給食の栄

養バランスのよさを改めて感じ、給食を残す

児童が減ってきている。

(3) 家庭での実践化を図る工夫

学習内容を書いたワークシートを家庭に

持ち帰り、保護者から意見をもらった。「児

童と一緒に食事について考えていきたい」

「食事のバランスに気を付けていきたい」

「家族でそろって食事をしたい」などの意見

があった。家庭でも家族とともに調理に意欲

的に挑戦し、家族においしいと言ってもらえ

る喜びを味わうことができた。その後も食事

作りに関心をもち、家庭で食事に関係するお

手伝いが増えたという保護者のコメントも

あった。

5 今後の課題

今回、授業には意欲的に取り組めた児童が多

かったが、家庭での実践には個人差があった。今後は、より多くの児童が実践していけるよう家庭

と連携を図り、取り組んでいきたい。

栄養教諭とのTTを行ったことにより、より細かく専門的な指導や支援ができ、大変有意義であ

った。しかし、まだ調理経験が尐ない児童が多く、自分たちで計画した調理実習ではうまくいかな

いこともあった。今後は実習の方法や内容などを検討し、基礎的な調理の技術をしっかりと身に付

けさせていきたい。

また、これから健康的な食生活を送っていくためには、食事のさまざまな役割を考え、食事やそ

れにかかわる人々や環境を大切にできる心を育てていくことも大切である。今後も栄養教諭や家庭

と連携し、食事を大切にする態度を養っていけるよう取り組んでいきたい。

<グループ活動の様子>

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人や環境と豊かにかかわり、生活をよりよくしようとする児童を育てる家庭科学習

第5学年「布で作ってみよう」の実践を通して

松山支部

1 はじめに

最近では布製品が豊富にあり、既製のものを購入して使う家庭も多くなってきたため、針や糸、

ミシンを使う機会が尐なくなってきている。しかし、生活をよりよく豊かにしていくためには、既

製のものをそのまま使うのではなく、自分の生活に合うように作り変えたり、手を加えたりするこ

とが大切である。

本題材では、家庭生活に目を向けて生活に役立つ物を考え、工夫して製作し、それを活用する。

児童は、本題材を通して、布の特徴やよさ、製作計画の立て方、製作に使う用具の名称や使い方、

ミシン・アイロンの使い方などの基礎的な知識や技能を身に付けることができると考える。また、

布を使った小物作りでは、「だれに」「何を」「何のために」作るのかを明確にすることで、めあてを

もって製作計画を考えることができる。そして、製作の過程においては、自分の思いに合った物を

作り上げていく楽しさを感じ、完成したときには、手作りならではの喜びを感じるであろう。この

経験は、児童に「自分にも作れた」「また作りたい」「次はこうしよう」「〇〇に作ってあげたい」と

いう思いをもたせることができ、今後の家庭での実践につながるものと考える。

2 研究の視点

⑴ 見通しをもって課題解決に取り組める実践的・体験的な学習活動の充実

ア 繰り返し学習による基礎・基本の定着

イ 人と豊かにかかわる場の設定

ウ 学習環境の整備

エ 指導と評価の工夫

⑵ 家庭科学習で身に付けた力を生活の中に生かすことのできる実践化の手立ての工夫

ア 児童の意欲を継続させる工夫

イ 家庭との連携

3 実践事例

⑴ 題材名「布で作ってみよう」

⑵ 題材目標

〇 製作する喜びを味わい、生活に生かす。 (関心・意欲・態度)

〇 縫い方や製作手順を工夫し、製作計画を立てる。 (創意・工夫)

〇 ミシンを安全に扱い、直線縫いができる。 (技能)

〇 布の特徴を知り、生活に役立つ物を考えることができる。 (知識・理解)

⑶ 指導計画

次 小題材名 学 習 内 容 時数

布について

調べてみよう

・ 身の回りにある布で作られたものを調べる。

・ 布の特徴について調べる。

・ 小物の便利さについて考える。 1

ミシンを

使ってみよう

・ ミシンの安全な使い方を知り、直線縫いをする

【基礎・基本】ミシンを使うときの約束

【基礎・基本】ミシン縫いの順序

・ 調子よく縫えないときの原因を調べる。

楽しく作って

使おう

・ 製作するものを決め、作業計画を立てる。

・ 計画にもとづいて製作する。

【基礎・基本】アイロンの安全な取り扱い

・ 自己評価と鑑賞会をする。

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4 指導の工夫

⑴ 見通しをもって課題解決に取り組める実践的・体験的な学習活動の充実

ア 繰り返し学習による基礎・基本の定着

(ア) 段階的なミシン縫いの指導

今回の学習ではミシンによる直線縫いが正確にできることをねらっており、技能定着のた

めに段階を追って指導にあたった。教師の実演や教材ビデオの活用、絵図の掲示などを適宜

行い、児童に操作のイメージをもたせた。まず空縫いで直線上を縫わせ、両手を使って布を

送っていくことに慣れさせた。続いて返し縫いや方向転換についても同様に練習させた。こ

の後、下糸の巻き方、上糸のかけ方、下糸の出し方を練習させ、実際に練習布を使って縫わ

せていった。縫う前には必ず押さえをおろすことや、方向転換の際には針を刺したままにし

ておくことなどを重点的に指導し、一人一人の技能の定着の様子を確認するようにした。

(イ)試し製作と本製作の活動

製作にあたっては、採寸やしるし付け、布を裁つ、しつけ、ミシン縫い、アイロンがけと

いった製作の手順を理解させるとともに、技能を定着させるために、試し製作として市販の

セットを使用してナップザックの製作を行った。その中で、縫いしろの取り方や布端の始末

の仕方などの技能を身に付けさせるとともに、製作の手順についても習熟を図った。試し製

作での気付きを大切にさせ、失敗したことや上手にできたことをしっかり振り返らせ、本製

作でのよりよい作品作りにつながるようにした。そして、本製作では、生活に役立ち、楽し

くなる物という視点で製作活動に取り組ませた。

イ 人と豊かにかかわる場の設定

(ア)家族との相談

生活に役立ち、楽しくなる物を製作する計画を立てるために家族との相談を行った。家族

がよりよい家庭生活のためにどのような物を必要としているか話を聞いたり、相談にのって

もらったりしたことで、児童の製作意欲も向上し、明確な目的意識をもたせることができた。

(イ)グループ学習によるかかわり合いの場の設定

本製作においては、製作する物または製作方法が似ているグループを作った。製作計画を

立てる時から友達とかかわりをもちながら活動できるようにしたり、教師や保護者ボランテ

ィアのアドバイスを聞いたりできるようにした。グループ内で手順を確認したり、疑問点に

ついては話し合って解決したりすることで、どの児童もスムーズに製作に取りかかれた。

(ウ)ペア学習による協力の場の設定

確かな技能の定着のためには、児童が互

いにかかわって教え合い、協力し合うこと

が効果的であると考え、ペア学習を進めた。

ミシンの糸のかけ方や糸調子を確認し合う

ことで、安全にミシンを扱うことができた。

また、友達に教えてもらうことで、安心し

てミシンを操作する様子が見られた。

(エ)保護者ボランティアによる支援

ミシン縫いによる製作は、初めての体験

である児童が多いので、保護者の方にボラ

ンティアを募集し、ミシンの操作や製作計

画のサポートを依頼した。特に、ミシン縫

いが苦手な児童たちを中心にかかわってい

ただくことで、全体的な技能の底上げをす

ることができた。

また製作計画の際には、製作する物の種類が多かったが、保護者ボランティアの協力によ

る指導で、グループごとの支援が可能であった。

ウ 学習環境の整備

(ア)作品見本の充実

自分がどのような作品を作るのか、イメージをもたせるために、布製品の実物例をたくさ

<保護者ボランティア>

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ん用意した。その際、作品がどのように作られているのか分かりやすくするために、作り方

の段階見本も用意した。

(イ)製作計画及び製作時のヒントコーナーの設置

自分が作りたい物の製作計画を立てやすいように手助け

コーナーを5つ準備した。完成・段階見本コーナー、作り

方・作る順序や工夫ポイントのアイデアを参考にする資

料・本コーナー、作る物の大きさを決めるための新聞紙コ

ーナー、材料・用具コーナー、計画の立て方がよく分から

ない、相談にのってもらいたい時のアドバイスコーナーで

ある。各コーナーを利用しながら製作計画表に記入して考

えを整理させていった。

エ 指導と評価の工夫

(ア)見通しをもって主体的に学習を進める力の向上

児童が毎時間ごとに見通しをもって活動を進めることが

できるように、題材全体を通して、

学習カードや振り返りカードを活用 <参考作品>

させ、把握したことを次時の学習へ

生かしていけるようにした。毎時間

全体で学習計画表をもとに学習内容

の確認を行い見通しをもって、主体

的に学習を進められるように配慮し

た。また、毎時間の終わりには学習

の振り返りを行い、3段階の自己評

価と感想を書き、気付きや反省を次

時に生かすことができるようにアド

バイスをした。

⑵ 家庭科学習で身に付けた力を生活の中

に生かすことのできる実践化の手立ての

工夫

ア 児童の意欲を継続させる工夫

(ア)自分・友達の作品鑑賞会

クラスで作品の鑑賞会をもち、感

想交流を行った。まず自分の作品の

振り返りを行い、その後、友達の作

品のよさを見つけていった。観賞カ

ードにいろいろな友達の作品のよさ

を見つけて書き込んでいく様子が見

られ、児童は大変興味をもって鑑賞

できていた。

(イ) チャレンジカードの活用

家庭科で身に付けた力を生活の中に生かすことができるように、チャレンジ週間を設けた

り、週末にチャレンジカードを家庭学習として出したりした。チャレンジする内容は、今ま

でに学習した調理や裁縫、ミシン縫い、整理・整とんなどとしている。針や糸を使って物作

りをしたり、ミシンを使って好きなものを製作したりする児童もいた。家庭科の学習でミシ

ンを使うことに自信をもち、家庭でも意欲をもって取り組む様子がうかがえた。

イ 家庭との連携

自分が作ったものを家庭に持ち帰らせ、家族に見てもらったり使ってもらったりした後、感

想を書いていただいた。使用後の感想ばかりでなく、感謝の言葉や、製作に関するアドバイス

もいただいた。また、児童の家庭でのチャレンジに対して、家庭の温かい励ましや感想をいた

だき、意欲を高めることができた。

<製 作 計 画>

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主体的な学びを通して、よりよい食生活をしようとする態度を育てる学習指導の在り方主体的な学びを通して、よりよい食生活をしようとする態度を育てる学習指導の在り方主体的な学びを通して、よりよい食生活をしようとする態度を育てる学習指導の在り方主体的な学びを通して、よりよい食生活をしようとする態度を育てる学習指導の在り方~第5学年「作っておいしく食べよう」の学習を通して~

東温支部1 はじめに

家庭科学習では、児童が栄養や調理などの食に関する基礎的な知識と技能を身に付け 「家族の、

一員として食事を作ってみよう 「食生活を工夫してみよう」という意識をもつように指導するこ」

と、また、その意欲を実践的な態度にまで高める指導を工夫し、充実させていくことが求められて

いる 「食べる」ことは、生きていくためには欠かせない大切な営みである。また、成長期にある。

児童が「食べる」ことに関心をもち、バランスのよい食事について考えることは、児童が将来にわ

たって健康を保ち、成長していくために必要なことである。そこで 「作っておいしく食べよう」、

の題材を通して、食に関する日常生活に必要な知識や技能を身に付けさせ、心身共に健康で豊かな

生活を送るための実践的な態度を育成したいと考え、本主題を設定した。

2 研究の視点

( ) 実践的・体験的な活動を重視し、主体的な学びを生み出す授業展開の工夫1

○ 「わが家の食事調べ」の活用

○ 栄養教諭との連携

○ 体験的な活動の充実

( ) 実践的な態度や知識・技能を高めるための工夫2

( ) 家庭科における言語活動の充実3

3 実践事例

( ) 題材名 作っておいしく食べよう ~ごはんとみそしるを作ってみよう~1

( ) 児童の実態2

本学級の児童は、家庭科を好む児童が多く、意欲的に学習に取り組んでいる。1学期に班でサ

ラダ作りをした際には、児童にとって満足のいくサラダを作ることができ、楽しく調理実習を行

うことができた。

よい食事のとり方について 「好き嫌いをせずに食べる 「栄養をバランスよくとることが大、 」

切」などということは知っているが、食品の主な働きを知り、具体的にどのように食べればよい

かということについて理解している児童は少ない。

児童にごはんやみそしるに関するアンケートを行った結果は、次のとおりである。

ある

ない自分一人で 手伝いで あまりない

14 11 5 1家で調理をしたことがありますか

14 7 3 7ごはんを炊いたことがありますか

2 8 7 14みそしるを作ったことがありますか

(5年生31名 平成21年9月2日 実施)

アンケート結果を見ると、家で調理をしたことがある児童が半数以上おり、調理に対する関心

が高いことが分かる。また、ごはんを炊いた経験がある児童は多いが、みそしるを作った経験が

ある児童は少ないことも分かる。

( ) 題材について3

本題材では、日常の食生活に関心をもち、食品の主な働きと、組み合わせて食べることの大切

さを学習し、自分自身の生活に生かしていくことをねらいとしている。ごはんとみそしるは、食

事の組合せとしてバランスが大変よく、給食にも取り入れられる身近な献立である。特に、みそ

しるは、実の取り合わせによって栄養バランスが保たれるばかりではなく、地域素材を生かした

、 。 、 、 、り 季節を感じたりすることもできる料理である また 調理実習を通して 米と水の量の関係

ガスコンロの火力調節、だしの取り方、実の切り方や入れる順序など、調理の基礎を学習するこ

とができる。さらに、家庭生活に生かせる工夫や家族への思いについて考えさせることで、自ら

進んでよりよい食生活を築いていこうとする実践的な態度を育てるのに適した題材であると考え

る。

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( ) 題材の指導計画(全11時間)4

【次】 学習活動(児童の意識の流れ) 【時数】 教師の働きかけ(○)と言語活動の充実(★)

○ 家庭実践へつながるように、課題把握に「わ【一次】 見つめるが家の食事調べ」を取り入れるが、各家庭の事自分の食生活を振り返り、日常の食生活に関心をもとう。情には十分配慮する。

食品に含まれている栄養素の3つの主な働きを調べよう ○ 日常の食生活に関心をもたせるために、具体。

的に自分の食生活を振り返らせる。

○ 多数の食品を摂取することや栄養のバランス・赤・・・おもに体をつくる。 ・黄・・・おもにエネルギーのもとになる。

のよさをつかませるために、給食の献立を教材・緑・・・おもに体の調子を整える。

として取り上げる。

○ 専門的な視点から、栄養教諭がアドバイスを食品を3つの働きに分け、いろいろな組み合わせで行う (TT)食べることの大切さを理解しよう。 。

○ 児童に考えさせる場面設定として、班活動を

多く取り入れる。・食品を上手く3つに分けよう。 ・給食の献立は、栄養バランスがいいね。

★ それぞれの資料をもとに、比べて分かったこ・いろいろな食品を組み合わせて食べることが大切だね。

とを話し合う。

調和のよい、おいしい食事のとり方を工夫できる★ おいしい食事の工夫について話し合い、自分ようにしよう。

の意見を書く。【 】3○ 学習内容を振り返ることができるよう、掲示【二次】 考える・追究する

を工夫し、意欲の継続化を図る。米とごはんについて調べ、ごはんを炊こう。

○ 米の洗い方・水加減・吸水時間・加熱などに・いろいろな名前の米があるな ・おいしくなる米の洗い方はあるのかな。 。

より、硬い米が柔らかいごはんになる経過が分・米を加熱前に吸水させることは大切だね。

かるようにする。・米がごはんになっていく様子が知りたいな。

・ふっくらしたごはんにするためには、むらしが必要なんだね。

○ 栄養教諭が、だしについて説明する (TT)みその特質や種類、みそしるの作り方を調べよう。 。

○ だしのとり方や実の取り合わせ、切り方や入

れる順序が分かり、みその味や香りを損なわな・みその原料は 大豆や麦なんだね ・みそはガンを予防する効果があるよ、 。 。

い扱い方ができるようにする。・実やみそを入れるタイミングはいつがいいのかな。

・おいしいだしをとるにはどうしたらいいんだろう。

○ ぺア学習による試し実習で調理器具を活用す・私は煮干しのだしで、みそしるを作ってみたいな。

る機会を保障する。・家によって、みそしるの実の取り合わせはさまざまなんだね

★ 試し実習の様子を具体的に記録する。

ごはんとみそしるを作ってみよう。

○ 一人一人の思いを大切にし、自信をもって取取り合わせを工夫したみそしるの実を考えよう。 ( )( )( )( )本時本時本時本時り組めるよう、班のおすすめみそしるや手順な

どを話し合う時間を十分確保する。・栄養満点のみそしるにしたいな。 ・彩りも大事だね。

★ 根拠を明確にしながら、食材や食品を具体的・季節の野菜も入れたいな ・実だくさんのみそしるがいいな。 。

に考える。

ごはんとみそしるの調理計画を立てよう。

○ 互いにごはんとみそしるのできばえや味につごはんとみそしるの調理をしよう。いて話し合い、認め合うような場を設定する。

【 】7○ 自己評価カードをもとに、調理実習の振り返【三次】 振り返る・生かす

りを行わせる。調理実習の振り返りをしよう。

・食事を作るのは大変な仕事だな。 ・お手伝いをしていきたいな。

○ ワークシートを活用し、自分のめあてを明確・バランスのよい食事をしていきたいな。 ・食べ物を大切にするよ。

にもって実践できるよう工夫する。

★ 根拠を明確にしながら、食材や食品を具体的家庭での実践計画を立てよう。に考える。

・家にある材料 ・家で収穫された野菜 ・だしやみその種類

○ 家庭との連携を図り、チャレンジカードに・家族の好み ・家族への願い

「家族からのメッセージ」欄を設ける。【 】1

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4 活動の実際

( ) 実践的・体験的な活動を重視し、主体的な学びを生み出す授業展開の工夫1

よりよい食生活の実践ができるようにするためには、体験的な活動を通して、基礎・基本の定

着を図るとともに、それらを活用する能力を育成することが必要であると考えた。そこで、児童

が主体的に自分で考えて工夫できるように、学習過

程において様々な実践的・体験的な活動を意図的に

設定した。

まず、本題材の導入では 「わが家の食事調べ」や、

給食の献立を取り上げ、自分の食生活を見つめる場

を設定し、児童の関心を高めるようにした。そして、

食品の体内での働きや成長への影響について考えさ

せ、バランスのよい食事のよさに気付かせるように

した。その際、栄養教諭と連携を図り、食品の栄養

的な特徴やとり方、食事の大切さなどを専門的な立

場から指導していただいた。児童の感想には 「食品、

に働きがあったなんて初めて知った 「赤、青、黄。」

の食品をバランスよく食べるようにしたい 「パン。」

はエネルギーのもとになるので大切だ 」など、自分。

の食生活を見直し、よりよい食事についてしっかり

と自分の考えをもつことができた (図1)。

また、自分の家庭での炊飯のこつや工夫などを調

べ、炊飯についての興味・関心をもつことができる

ようにした。その中から調べたり、試したりしたいことを見付け、炊飯実験をすることで、米か

らごはんへの変化などを実感的にとらえ、おいしい炊飯の工夫に気付くことができた。その際、

表現の仕方にも工夫をさせ 「やわらかい 「かたい」などの抽象的な表現の仕方ではなく 「ね、 」 、

ちょねちょ 「かちかち」など、五感をしっかり働かせて感じ取ったことを具体的に表現するよ」

う指導した。ちょっとした米の変化にも気付き、炊飯の様子を意欲的に観察することができた。

(図2)

次に、家庭のみそしる調べを行い、紹介し合う中で、だしやみそ、実にはいろいろな種類があ

ることに気付き、それぞれに家庭の味があることが分かった。わが家風みそしるの作り方のポイ

ントとして 「家族の健康を考えた実の取り合わせに気を付けている 「おいしいと言ってもら、 。」

えるよう、心をこめて作っている 」など、家族への思いを感じ取ることもできた。また、麦、。

米、合わせ、赤みその4種類のみそ比べやかつおといりこのだし比べを行った。それぞれのみそ

の風味や舌ざわりを体験することで、みそにこだわりをもち、自分の好みがはっきりした児童も

われている食材使

図1 ワークシート

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自ら進んで食生活を改善しようとする子どもの育成自ら進んで食生活を改善しようとする子どもの育成自ら進んで食生活を改善しようとする子どもの育成自ら進んで食生活を改善しようとする子どもの育成第6学年 「楽しい食事をくふうしよう ~1食分の食事について考えよう~」の実践を通して

八幡浜支部1 はじめに

近年、児童のまわりには多種類の食品があふれている一方で、栄養のバランス、食生活のあり方

など、多くの問題も指摘されている。児童の食生活は身体の発達を促すだけではなく、基礎的・基

本的な学力の定着や心の育成並びに社会性の涵養にも密接にかかわっている。したがって、生活の

基盤となる食育を推進し、食事の役割や栄養を考えた食事のとり方、調理などの学習活動を一層重

視する必要がある。そこで、他教科との関連や家庭や栄養教諭との連携を図りながら、衣・食・住

などの生活に根ざした家庭科学習において食生活に関する実践的・体験的な学習をすることによ

り、食に興味をもち、自ら進んで食生活を改善しようとする子どもを育成したいと考え、本研究に

取り組んだ。

2 研究の視点

(1) 食生活の課題を解決する力を育てる学習展開の工夫

(2) 家庭や栄養教諭との連携を図った学習活動の工夫

(3) 他教科等との関連を図る題材構成の工夫

3 実践事例

(1) 題材名 「楽しい食事をくふうしよう ~1食分の食事について考えよう~ (第6学年)」

(2) 題材の目標

○ 毎日の食事に関心をもち、食事を作る時の視点に気付き、家族と楽しい食事をしようとして

いる。 (家庭生活への関心・意欲・態度)

○ 栄養のバランスを考えて、1食分の食事を工夫して調理の計画を立てることができる。

(生活を創意工夫する能力)

○ 1食分の調理計画を立てて調理実習することができる。 (生活の技能)

○ 食事のはたらきについて理解する。 (家庭生活についての知識・理解)

(3) 指導にあたって

○ 成長期にある子どもにとって、健康な身体をつくったり元気よく活動したりするためには、1日3度の食事は大変重要である。しかし、今の子どもたちは習い事や学習に忙しく、家庭で家族と共に食事を味わったり、自分で調理したりすることは少なくなっている。そこで、食事の役割や望ましい食事のとり方を学習することによって、子ども自身が自分の食生活を改善していこうとする意欲をもつことができると考える。

本題材は 「1食分の食事について考えよう 「調理の計画を立てて作ろう 「家族と楽しく、 」 」」 。 、食事をしよう の3つの小題材から構成されている この学習を通して自己の食生活を見直し

栄養のバランスの整った食事に関心をもたせること、また、家族のための献立を考えさせ、調和のとれた食事のとり方が分かるようにすることや基本的な調理技能を身に付けさせることをねらいとしている。さらに、家族のために食事を作り、楽しく食べることで、自分も家族の大切な一員であるという心情を育て、家族との結びつきを強めることもできると考える。

○ 本学級の児童は、男子14名、女子18名の計32名である。交流学習として特別支援学級から2名の児童(男子1名・女子1名)も共に学習している。1学期には 「生活を見直そう」の学習、で、朝食の役割を知り、朝食にふさわしい条件を考えて、栄養のバランスを工夫した朝食づくりの計画を立て、調理実習を行った。また、学級活動においても「バランスのとれた食事について考えよう」で、栄養教諭とのT・Tによる授業を行い、3つの食品群の栄養的な特徴についてより深く知ることができた。調理実習に対する興味・関心は高く、これまでの学習においても、意欲的に活動したり、グループのみんなで協力しながら真剣に実習に取り組んだりすることができた。アンケート (6年 児童34名)アンケート (6年 児童34名)アンケート (6年 児童34名)アンケート (6年 児童34名)1 調理実習は好きですか。

好き(24人) ふつう(9人) きらい(1人)2 一人でできますか。

・ご飯をたく(25人) ・みそ汁を作る(9人) ・サラダを作る(18人)・ゆで卵を作る(20人) ・目玉焼きを作る(28人) ・ を作る(23人)スクランブルエッグ・野菜をいためる(22人) ・野菜をゆでる(15人)

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3 家族の食事を作ったことがありますか。・よく作る(3人) ・作ったことがある(21人) ・ない(10人)

4 食事づくりで気を付けていることは何ですか。・衛生に気を付ける ・ガスの取り扱いに注意する ・包丁の取り扱いに注意する・バランスに気を付ける ・食事の時いろいろな野菜をとる

アンケートの結果からは、調理に対する関心が高く、調理の経験のある児童も多いことが分かった。しかし、児童の実態を見てみると、簡単な食事の準備や片付けはしていたようだが、家庭で自分でできることは何かを考えて実行しようとする意識は薄いように思われる。

○ 本時は、自分で考えた1食分の献立を確かめ、見直しをしていく。まず、食事例をもとに工夫点や改善点はないかグループで話し合い、次に話し合った内容を発表する。その際、栄養教諭から給食の献立づくりで考慮していることについて話をしてもらい、自分たちの献立づくりの参考にさせたい。そして、自分の献立について栄養のバランスに視点を当て、食品の組み合わせや調理のしかたを確かめさせる。これまでに学習したことを生かして、友達の献立のよさを見つけたり、アドバイスをしたりすることで、自分の日常の食事の献立を見直し、実践に結び付けられるようにしたい。なお、次時からは家族の喜ぶおかずを考えることを伝え、栄養のバランスだけでなく、家族のために調理することの喜びや、家族への思いを込めた献立づくりにも関心をもたせていきたい。そして、今後も、家庭で家族のためにも実践していこうとする意欲を高めていきたい。

(4) 指導計画(全12時間)

次 小 題 材 主 な 学 習 内 容 備考時間

【 】1食分の食事に ○ 毎日の食事について調べ、栄養のバランスのよ 家族への取材

ついて考えよう い食事をしているか見直す。 ・食事調べカード

(本時その4) ※ 食事作りの工夫を家族に聞く。 ・発表1 5

○ 毎日の食事をどのように工夫して作っているの ・ワークシート

か、情報を集めて食事作りの工夫を調べる。

○ 1食分の献立を考えて話し合う。

調理の計画を立 ○ 献立をもとに調理計画を立てて発表する。 ・調理計画表

てて作ろう ○ 調理計画にそって衛生や安全に気を付けて協力 ・ワークシート2 6し合って実習する。 ・作業観察

○ 実習で工夫したところや反省点を発表する。

家族と楽しく食 ※ 学習したことを生かして、家庭で1食分の食事 ・実践カード

3 1 事をしよう を作る。 ・発表

○ 家庭での実践を紹介して 学習のまとめをする 【家庭実践】、 。

※ 家庭とのかかわり

(5) 展 開

○ 小題材 1食分の食事について考えよう

○ 目 標 自分の立てた食事の計画をもとに、栄養のバランスなどを考えて、見直すことが

できる。

学 習 活 動 ○主な発問 ・予想される児童の反応 ・支援 ※評価

1 学習のめあて ○ 食事の計画を紹介しよう。 T1 食事の計画の内容を

を知る。 確かめ、工夫していく

ことを確認する。

自分で考えた1食分の献立を見直そう ・ 食事例は実物を見せ

て興味をもたせる。

2 食事例をもと ○ 食事例(ご飯・じゃがいものみそ汁・鳥 T1 調理のしかたや食品

に話し合う。 のからあげ・プレーンオムレツ・エビグラ の組み合わせ、栄養の

タン)を見て、工夫したらよい点や改善し バランスについて確認

たらよい点を話し合おう。 させる。

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・ 緑の食品が少ない。 T1 食事の計画のポイン

・ からあげには 生野菜をつけるとよい トを掲示していく。、 。

・ オムレツの中に野菜を入れるとよい。 T1 食品の主な働きの3

・ エビグラタンは必要ないかもしれない つのグループの表の活。

用を勧めたり、加工食

品は原材料から判断す

ることを声かけしたり

する。

3 グループで話 ○ グループで話し合ったことを発表しよう T1・T2・T3。

し合ったことを ・ 食品の種類を増やしたらどうかな。 グループでの話合い

発表する。 ・ 盛りつけ方を工夫するとおいしそう。 によってよい気付きが

・ 油を使う量が多そうだから、調理法を あった児童が発表でき

。変えてみればいいかも。 るよう指名に配慮する

・食べる人の好み・栄養のバランス・食品数 T3 給食の献立づくりの

。・調理法 ・味付け ・色どり ・盛りつけ 工夫について説明する

・季節の食べ物(旬の食材) ・ 付け足すおかずは、

自分たちが作れる物と

する。

4 自分の献立に ○ 自分の献立を見直そう。 T1 改善点が特にない児

ついて見直す。 ・ 主食だけではバランスが悪かったから 童には、友達の作業の、

おかずを付け足したよ。 手助けをするよう助言

・ 緑の食品が少なかったから野菜を使っ する。

たおかずに入れ替えたよ。 T1 栄養のバランスや食

・ 今、旬の食品が○○だから、□□に替 品数に手直しが必要な

えて使おう。 児童には、個別に助言

・ 炒め物ばかりだからもっと油を減らす していく。

調理法に替えてみたい。 T1・T2

事前にチェックした

児童の計画をもとに、

。個に応じた支援をする

※ 栄養のバランスなど

を考えて、1食分の計

。画の見直しをしている

5 本時をふり返 ○ 楽しい食事になるような実習計画を立て T1 次時の学習内容を知

り、次時の学習 よう。 らせ、意欲化を図る。

内容を知る。

T1:学級担任 T2:専科教諭 T3:栄養教諭

4 考察

(1) 食生活の課題を解決する力を育てる学習展開の工夫

導入で、実物の食事を見せることで、子どもたちが意欲的に課題に取り組んだ。また、栄養の

バランスや盛りつけ、季節の食べ物、食べる人の好みなどの献立づくりのポイントを明確に示す

ことにより、考えを深めることができた。また、児童の計画を事前にチェックしておくことで、

教師が的確な助言を与えることができ、効果的であった。

(2) 家庭や栄養教諭との連携を図った学習活動の工夫

○ 栄養教諭から給食の献立の作り方についての専門的な話を聞くことで、栄養面での正しい理

解を図ることができた。

○ 指導計画の中に「家庭とのかかわり」を明記し計画を立てた。家族のための献立を考え、家

庭で実践することで、家庭との連携を図るとともに、児童の意欲を高め、実践力の向上につな

げることができた。

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(3) 他教科等との関連

家庭科の学習を進めるに当たって、他教科等との関連を図って指導計画を立てた。体験活動や

道徳の時間に心情面をはぐくむことにより、食材を最後まで使うよう意識したり、苦手な物も頑

張って食べようとしたりするなどの変容が見られ、効果を高めることができた。

体育 家庭科 道徳 総合的な 特別活動 家庭・地域との月

(保健) 学習の時間 ・ ・ 関連学級活動 児童会活動 学校行事

生活を見直そう

朝の生活を見てみよう

給食センター ピーマン栽培

見学生活時間をくふうしよう

朝食に合うおかずを作ろう6

さつまいも栽培食べ残されたえびに

なみだ

ピーマン収穫 おやじの会

江戸岡キャンプ

10 給食のマナー

生活改善グループ

料理教室

さつまいも収穫

11 おやじの会

だいこん やきいも大会

コンテナ栽培楽しい食事をくふうしよう楽しい食事をくふうしよう楽しい食事をくふうしよう楽しい食事をくふうしよう

【本時】1食分の食事につ

いて考えよう

調理の計画を立て

て作ろう病気の

12 予防

共に生きよう家族と楽しく食事

病原体と をしよう

1 マナー教室 公民館病気

七草がゆ

だいこん収穫生活の仕

2 おやじの会方と病気

みかん餅つくり

3 お別れ会を盛

り上げよう 学級PTA

お別れ会

5 今後の課題

、 「 」 、 、 、○ 家庭科は 目標に 実践的な態度を育てる とあるように 実践が大切であり そのためには

家庭の協力が必要である。どのように家庭の協力を得ていくかがポイントで、今後もいろいろな

場で保護者の意識改革に努めていかなければならない。また、それぞれの家庭での食生活の課題

が違うので、家庭に合った支援を考えていかねばならない。

○ 栄養教諭の専門性は、児童の理解を深めたり、技能を高めたりするのに効果があった。今後も

食に関する指導を、栄養教諭の協力を得ながら進めていきたい。

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図4 授業の様子

いた。また、だし比べでは、児童は、香りが全く違う二つのだしに興味津々であり、意欲的に活

動に取り組んだ。その後、栄養教諭からそれぞれのだしの特徴を説明していただき 「みそしる、

には、いりこだしの方が合う 」ということを教えていただいた。。

( ) 実践的な態度や知識・技能を高めるための工夫2

調理実習は、個人の目的意識をもたないまま、グループ実習になってしまいがちである。それ

によって、個人の技能にも差が出るだけではなく、個人の成就感も乏しくなる。そこで、一人一

人が目的意識をもって取り組むことができる活動になるよう、ガラス鍋での炊飯やだし比べでは

ペア学習を取り入れた。どの児童にも調理の機会を保障し、友達同士で見合うことで、調理の基

礎的な知識や技能の習得につながり、充実した実習を行うことができた。

( ) 家庭科における言語活動の充実3

自分の食生活における課題を解決す

るために、図を用いてよりよくする方

法を考えたり、根拠を明確にして論理

的に表現する力を身に付けたりするこ

とが、生活への感性を高め、生活をよ

りよくしようとする実践的な態度をは

ぐくむことにつながると考えた。そこ

で、班で作って食べたい「オリジナル

みそしる」の実の取り合わせを話し合

う場面を設定した (図3、4)。

実の取り合わせに問題のあるみそし

るを例に、実を考える視点(栄養や好

み、色どりなど)を見つけさせた。根

拠を明確にしながら話合いを進めるこ

とで、食材の特徴(栄養、色どり、食

感、旬など)を意識し、食品の働きや

栄養的なバランスを理解することがで

きた。それを生かして、自分たちの成

長に役立つ食品の組み合わせ方を工夫

することができた。自分たちが考えた

「オリジナルみそしる」を実際に調理

できるということで、話合いは 活発

に進んだ。またオリジナルみそしるの

よさを紹介し合うことで、それぞれの

グループの思いやいろいろな実の取り

合わせ方があることに気付くことがで

きた。

5 成果と今後の課題

児童が主体的に学ぶ場を設定し、児童

の思いに沿った指導計画を立てることにより、学ぶ意欲を高めることができた。しかし、題材をつ

らぬく課題意識をもたせるためには、児童が目的意識をもって学習に取り組み、意欲の継続化を図

れるような題材構成や授業展開を工夫する必要性を感じた。また、意図的に言語活動を取り入れ、

よい食事のとり方について自分の思いを書いたり、伝え合ったりする場を確保したことも、食に関

する知識を身に付けたり、思いを深めたりするのに効果的であった。今後は、家族への思いを重視

した学習を設定し、家族に対する感謝の気持ちや家族の一員として自分にできることをしようとす

る主体性をはぐくんでいきたい。自分の家のこだわりを調べる際には、なぜそこにこだわるのかと

いう、こだわりの理由まで考えさせることが、家族の願いや思いを知る大きな手立てになるのでは

ないかと考える。事象のみを見つめるのではなく、そこに込められた思いに気付くことは、よりよ

い生活を送ろうとする態度を育てていくことにもつながると思うので、これからの授業改善に生か

したい。

図3 本時の展開

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5 考察及び今後の課題

⑴ 見通しをもって課題解決に取り組め

る実践的・体験的な学習活動の充実

題材全体を通して学習カードや振り

返りカードを活用したことで、学習の

見通しをもって課題解決に取り組ませ

たり、振り返りをさせたりすることが

できた。製作に見通しをもたせること

で、時間内に、主体的に学習を進める

態度が身に付いてきた。

生活に役立つ物の製作を行う場合、

児童が製作したいと考える布製品の種

類は多岐に渡ることを予想し、実物例

を多数用意した。また、製作計画を立

てる手助けとして、段階見本や資料・

本、新聞紙などを用意し、観察する・

調べる・実際に操作することを通して

製作計画を立てさせた。実物例などの

学習資料を累積していくことで、児童

の製作活動の参考となるものと思われ

る。

児童に正しいミシンの操作を身に付

けさせたり、きめ細かな個別の支援を

したりするには、保護者ボランティア

による協力は大変効果的であった。今

後、調理実習等でも依頼したいと考え

ている。その際、事前の打ち合わせや

途中の確認等、共通の支援体制で臨む

ための十分な話合いが不可欠である。

ペア・グループ学習によって、友達

とかかわりながら学習していくことで、

児童一人一人が安心して製作を進めて

いくことができた。その中で、自分が

身に付けたこつを上手に相手に伝えた

り、困った時に友達にアドバイスを求

めたりする力が向上し、学び合いがで

きた。

⑵ 家庭科学習で身に付けた力を生活の

中に生かすことのできる実践化の手立

ての工夫

作る物を一人一人に考えさせた後、

家族にも相談する時間を設けた。家族が家庭生活において何を必要としているかを考えることで、

自分も家族の一員であるという自覚を促すことができたと考える。また、材料選びの協力や作品

に寄せるコメントから、保護者の方の児童に対する温かい気持ちが伝わってきた。保護者のアド

バイスや励ましは、児童の製作意欲を高めるのに役立っている。今後も、家庭との連携を大切に

指導していきたい。

また、チャレンジカードは、家庭生活に興味をもったり、家庭科学習で身に付けた力を生活の

中に生かしたりするよいきっかけになっている。単なる「お手伝い」ではなく、家族の一員とし

ての「仕事」という積極的な活動へと意識を変えていくことで、今後の生活を豊かなものにする

ことが期待される。

<完成作品>

<チャレンジカード>

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人や環境と豊かにかかわり、家庭生活への関心を高める学習指導の工夫

-6学年「今日はわたしがコック長」の実践を通して-

南宇和支部

1 はじめに 私たちが健康を保ち、成長するためには調和のよい食事をとる必要がある。そのためには、毎日

栄養のバランスのとれた食事を計画的にとる工夫をして生活することが大切である。また、食事は

一人だけではなく家族などと共にとると、心が和み楽しいということを実感させ、家族の一員とし

ての意識をもつことのできる大切な場であることに気付かせたいと考える。そして、毎日調和のと

れた食事作りのために家族が工夫していることに気付かせ、食事のとり方を見直し、日常の食事に

関心をもって生活に生かせるようにしたい。また、家族の好みや健康を考えて家族のために工夫し

たおかずを作る活動では、地域の特産品であるじゃこてんやかまぼこを取り上げ、地産地消に関心

をもたせたい。そして、家族のために自分のアイディアを生かして工夫していこうとする態度を育

てることによって、家庭生活をよりよくしようとする思いを高めたいと考え、この主題を設定した。

2 研究の視点 (1) 学習意欲を高めるための実践的・体験的な学習活動や学習形態の工夫

(2) 実践的な態度を育てるための家庭との連携・協力

3 実践事例 (1) 題材名 まかせてね!きょうのごはん「今日はわたしがコック長」

(2) 題材の目標 ○ 自分の生活に関心をもつとともに、健康や成長を考えて家族のために進んで食事作りをしよ

うとする。 (家庭生活への関心・意欲・態度)

○ 調理計画や実習を通して、地域でとれる食材や身近な食品を使った調理を工夫する。

(生活を創意工夫する能力)

○ 既習の知識や技能を生かして一人で簡単な調理をすることができる。 (生活の技能) ○ 食品をバランスよく組み合わせてとる必要性を理解する。 (家庭生活への知識・理解)

(3) 指導にあたって ○ 児童(男子5名・女子2名)は家庭科の学習の中で、調理実習に対する関心が高い。1学期

には「ご飯・みそ汁」の実習を行った。夏休みには「朝食作り」、2学期の連休中には「レッ

ツトライ」として家族のための食事作りに取り組んだ。また、総合的な学習の時間では、地域

の方から教えていただいたレシピをもとに「郷土料理作り」に挑戦した。これらの活動を通し

て、調理に関する技能を少しずつ身に付け、調理する喜びや楽しさを感じるようになっている。

しかし、家庭科の学習や毎日の給食を通して栄養のバランスが大切なことを理解はしているが、

嫌いな食べ物は家庭では食べないという児童もいる。そこで、家族のために栄養のバランスの

よい1食分の食事を計画したり、食事作りの際に気を付けていることを調べたりすることで偏

食をなくし、バランスのとれた食事のとり方に気付かせたい。そして、家族の工夫や心遣いに

も気付かせ、家族に喜んでもらうために大切なことを考えておかず作りに取り組ませたい。

○ 本時は、家族のために試作したおかずについて、自他の工夫のよさを感じたり、足りない部

分を修正したりして、よりよいおかず作りのポイントをつかませることをねらいとしている。

そのために、児童による相互評価をもとに前時に作ったおかずについての感想や意見を出させ、

よさや足りない点を明確にして、さらによいものにしていくための話合いを重視したいと考え

る。さらに、本時は養護教諭をゲストティーチャーとして招き、子どもたちの話合いに対して

助言やアドバイスを与えることにより、食についての理解を深め、実践への意欲をいっそう高

めたいと考える。

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(4) 指導計画(全 12 時間) 次 学 習 過 程 主 な 学 習 内 容 時 数

1 生活を見つめよう ○ 自分の食事調べを行い、「地産地消」について関心をも

ち、自分の食生活を見つめ、気付いたことを話し合う。 ・1日の食事調べ ・「地産地消」の意義とよさ ・問題点 ・気付いたことなど

○ よりよい1食分の食事について話し合う。 ・栄養のバランス ・季節感のある食事 ・調理の方法や時間

(1)

(1)

2 計画を立てよう ○ 食事作りのために必要な情報を集める。 ・家族の好み ・栄養的なバランス ・食材の購入

・地域、季節の食材 ・調理方法の工夫

○ 1食分の食事作りの計画を立てる。 ・我が家のランチメニュー ・主食・副食の決め方 ・食事のよさや目的

○ 計画を紹介し、自分の工夫や願いを発表する。

(2)

(1)

(1)

3 調理をしよう ○ 地域の食材を使っておかずを作る。

・身近にある地域の食品(加工品)・おかず作りの計画 ・調理実習・反省

○ おかず作りを見直そう。 ・おかず作りの発表、相互評価 ・家族が喜ぶおかず作りの計画の見直し

(3)

(1)

本時

4 生活に取り入れよう ○ 家庭での実践報告会をする。 ・作り方やこつ、家族の感想などを発表

○ 郷土料理を知ろう。

(1)

(1)

(5) 本時の指導 ア 目 標 ○ 自分や友達の工夫のよさを見つけたり、足りない点を修正したりして、家族のためによりよ

いおかずを作るためのポイントをつかむことができる。

イ 準備物 ・ワークシート・料理写真 ウ 展 開

学 習 活 動 主な発問と予想される児童の反応 教師の支援(◎評価)

1 前時の学習をふり返り

本時のめあてをつかむ。

○ おかず作りの感想を発表しよう。

・ 味付けがうまくいかなかった。

・ 野菜が少ない。

・ 彩りがよくない。

○ 試作したおかずの写真を見

せ、意欲をもたせる。 ○ 家族が喜ぶおかずになって

いたかを考えさせ、本時のね

らいをつかませる。

家族のためのおかずをよりよいものにしよう。

2 家族のために作った

おかずを紹介し合う。

(1) 自己評価をもとに工

夫したところをまと

める。 (2) グループで友達の自

己評価や工夫を聞き、

相互評価を伝え合う。

○ 自己評価をもとに自分のおかず

作りの工夫をまとめよう。 ・ 野菜の切り方をそろえた。 ・ 野菜をいためる順番に気をつけ

た。 ○ 友達の工夫を聞き、互いの評価を

伝え合おう。

・ 家族の好きな食品を組み合わせ

ている。 ・ 家族の健康を考えている。

○「家族のため」を意識するた

めにテーマを確認する。 ○ 児童のおかずについて「食

べてほしい人」「おかずの名

前」を掲示し、各自の工夫の

イメージをつかませやすくす

る。

○ 相互評価の視点について掲

示し、話合いが深まるように

する。

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【児童の考えたおかず】 ・じゃこてんマカロニナポリタン ・じゃこてんお好み焼き ・ちくわの詰め物 ・きんぴらじゃこてん ・じゃこてん野菜いため ・ちくわのかばやき ・ちくわのピカタ

(3) グループの話合いの

結果を発表する。 3 おかずの内容や調理

方法を見直す。

(1) 養護教諭のアドバイ

スを聞く。

(2) おかず作りの見直し

をする。

4 学習を振り返り、次

時の課題をつかむ。

・ 調味料を加減することで家族の

好みに合わせている。

○ グループで話し合ったことを発

表しよう。 ○ 話合いから感じたことや改善点

をまとめよう。

○ 家族のために考えたおかず作り

について、アドバイスをしてもらお

う。 ○ おかずの内容の見直しをしよう。

・ 食品を付け加えよう。 ・ 調味料の量を見直そう。 ・ 材料をもっと小さく切ろう。

○ 学習を振り返って感想を発表し

よう。

○ 調理実習のときの児童の活

動のよさを伝え、話合いを活

性化させる。

○ 自分なりにまとめるよう言

葉がけをする。

○ 養護教諭からのアドバイス

を聞き、一食分の栄養面の見

直しをさせる。

○ おかず作りの評価の視点を

確認する。

◎ 家族のためにおかず作りを

見直すことができたか。(ワ

ークシート) ○「家族のため」ということを

意識させる言葉がけをする。

○ 家庭での実践の意欲をもた

せる。

4 考察

(1) 学習意欲を高めるための実践的・体験的な学習活動や学習形態の工夫について ○ 少人数のよさを生かして、自分の考えたおかずを1人分作ることに挑戦した。おかず作りの

計画では、普段家庭で作ってもらうおかずをアレンジしたり、教科書に載っているおかずの食

材を変えたりして、一人一人がオリジナルのおかずを考えることができた。その際、自分ので

きる技能に応じて、ほとんどの児童が無理のない計画を立てていた。 〈じゃこてんマカロニナポリタン〉〈じゃこてんお好み焼き〉 〈ちくわの詰め物〉

〈じゃこてん野菜いため〉 〈ちくわのかばやき〉 〈ちくわのピカタ〉 〈きんぴらじゃこてん〉

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【児童の考えたテーマ】 ・お父さんの疲れをとる健康メニュー ・おじいちゃんに完食してもらえるメニュー ・お母さんの油ひかえめメニュー ・お父さんに糖分・塩分をひかえたメニュー ・お父さんの大好きメニュー ・お母さんの野菜たっぷりメニュー ・お母さんに疲れいやしメニュー

【保護者の感想】 ・じゃこてんの入っているお好み焼きを初めて食べましたが、ふわふわの中で歯ごたえの

あるじゃこてんが思ったより合っていておいしかったです。 ・味はとても良かったです。彩りににんじんなど赤い物を入れると、もっときれいに出来

上がったと思います。 ・家では作ったことのないおかずだったので、楽しくおいしくいただくことができました。

○ 試作調理では1人分の調味料の量(適量)がどの

くらいかがつかめず、味付けに苦労している児童が

いた。 ○ 試作調理したおかずを、材料の切り方や盛り付け

方や味付けなど評価の視点を決めて自己評価、相互

評価し、互いのよさを見つけ合う活動に取り組ませ

た。自己評価では、ほとんどの児童が材料の切り方

がよくできていると感じており、全体的にみんな高

い評価だった。相互評価では互いの工夫やよさに気

付き合うことができたが、おかずをよりよくするた 〈自己評価・相互評価ワークシート〉 めのアドバイスは少なかった。

○ おかず作りの内容や調理方法の見直しでは、ゲストティーチャーから一人一人におかず作り

についてのアドバイスを受けた。児童がよくできていると感じていた材料の切り方については、

食べやすい大きさに切ることや材料の大きさをそろえることなど、児童自身が気付いていなか

った点に気付くことができた。また、盛り付けや彩りについて、ゆでたり、いためたりする時

間と栄養面からのひと工夫を聞き、おかず作りの見直しに生かすことができた。

(2) 実践的な態度を育てるための家庭との連携・協力について ○ 家族の思いや工夫を知り、それをもとに食生活や自分の作る食事に対する考えをもてるよう

にするために、家庭では毎日の食事を作るときにどんなことに気を付けたり、工夫をしたりし

ているかインタビューをさせた。その結果、自分たちの健康を考えて毎日の食事が用意されて

いることを知り、自分が献立を考えるときにも生かしていこうとする児童が多くいた。 ○ 「地域の食材を使っておかずを作ろう」では家族のためにどんなおかずを作るかテーマを決

めて取り組ませた。児童はそれぞれ家族の好みや健康を考え、家族への思いのこもったテーマ

を考えることができた。 ○ 家庭でのおかず作りの実践では、学校での試作調理実習の時より自信をもって調理をするこ

とができた児童が多かった。また、児童の作ったおかずについて家庭でも児童の評価と同じ視

点で評価をしてもらった。おかず作りの見直しが生かされ、家族に喜んでもらえるおかず作り

をすることができた。家族に喜んでもらえた達成感や満足感を感じ、何度も家庭で実践する児

童もいた。 5 今後の課題 今回の活動では地元の特産品を使ったおかず作りだったが、児童は地域の特産品にあまりなじみ

がなかった。これからは、地域のよさを大切にし、季節の野菜など地元で生産される食材の安全、

安心に気付かせ、地産地消にも関心をもたせたいと考える。児童は以前より食に関する興味・関心

をもつようになってきた。特に調理に関して、作る楽しさ、喜んでもらえるうれしさを感じてきて

いる。そこで、これからも児童が学習したことを家庭での実践へとつなげるために、家庭との連携

を大切にして児童の意欲を持続させたい。そして、進んで家族のためにできることを見つけ、より

よく生活していこうとする児童を育てたいと考える。

評価の視点

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3 研究会報告

(1) 平成21年度 小学校家庭科夏季実技研修会実施報告

ア 期 日 平成21年7月29日(水)

イ 日 程

ウ 研修内容と反省

○ エコクッキング~夏野菜カレー~

〈材料(5人分)と作り方〉

9:30~10:00 受付(於 愛媛県環境学習センター「えひめエコ・ハウス」) 10:00~10:10 開会あいさつ 10:10~12:00 研修 13:00~14:50 支部小学校担当者会 (1) 愛教研技術・家庭委員会の組織について

(2) 今年度の運営について

(3) 実践集録の作成について

(4) 情報交換 14:50~15:00 閉会あいさつ

ショウガ 1かけ みじん切りにする。 ニンニク 1かけ みじん切りにする。 タマネギ 1個 くし形に切る。 ウインナー10本 半分に切る。 ゴーヤ 1/2本 1㎝幅に切り、塩もみした後、水に

さらす。 ナス 1本 縦半分に切り、2㎝幅に切って、5

分ほど水にさらす。 トマト 1個 くし形に切る。

水 700cc 固形コンソメ1個

④ ルウを加え、さらに15分ほど煮込む。 カレールウ 1/2箱

① ショウガ、ニンニクを 弱火で炒める。

② タマネギを炒め、しん

なりしてきたら、他の材

料を順に加える。

調理に使用した水の量が分かるように、目盛りの入

ったボトルの水を使用。今回使った水の量は、8~9

リットル。

野菜はため洗いし、その水

は後で食器洗いに利用した。

食器は、新聞紙で汚れ

を取ってから水洗い。

三十人分の調理をし

て出たゴミ。紙で作った

ゴミ入れは、調理台の上

も片付いて便利。

③ 食材が炒められたら水とコンソメを入れ強火 で煮込む。煮立ったら弱火にし、10分煮る。

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〈キッチンから汚水を出さないためには〉

・油を流さない。

・食べ残し、飲み残しを流さない。

・合成洗剤の使用を減らす。

〈節水のための洗い方のコツ〉

・使用後の食器は重ねない。

・油汚れの皿は、ゴムヘラや古布、紙で拭き取る。

・汚れの少ない食器順に洗う。

・うどんやパスタのゆで汁でつけ置き洗いをする。

(溶け出した小麦の成分が、汚れを吸着する。界面活性作用もある。)

・和紡布やアクリルたわしを使用し、洗剤を使わずお湯だけで洗う。

○ 新聞エコバッグ作り

〈作り方〉

① 袋状にする。 新聞を3枚重ねる。

両側の縦の辺を約1㎝折り、のりしろとする。

折った部分をのり付けし、袋状にする。

② 袋の幅を決める。 貼り合わせた部分を角にし、そこから袋の幅分ずらして折り目

をつける。折り目と折り目を合わせて谷折りにする。(両側)

③ 底の部分を作る。

④ 上部を折り返す。 袋の上部を折り、内側へ折り返す。

⑤ 取っ手の部分を作る。

○ 館長さんのお話

環境について学習した場合、子どもの方が吸収が早くまじめに取り組む。しかし、生活権、決定

権がないため、生活にあまり生かされていない。そこで、子どもから保護者へ「学校でこんなこと

をしている」という活動の伝達が行われ、環境への意識の啓発になることを期待している。

○ 感想

・整った施設で、指導の方の説明も分かりやすく大変良かった。

・新学習指導要領に沿った内容であり、子どもたちにとって身近な問題なので大変参考になった。

・自分自身のエコについての意識が高まった。環境を考えて生活するよいきっかけとなったので、

学校に持ち帰り工夫しながら実践していきたい。

ご飯は、冷凍してあったも

のをレンジで解凍した。その

方が、保温しておくよりも二

酸化炭素を削減できる。

・英字新聞を用いたり、きれいな写真などの面を表にしたりするとおもしろい。 ・木工用ボンドの速乾性のあるものを3倍に水で薄めて使うとよい。 ・使用後は、紙ゴミなどをこの袋に入れてそのまま捨てることもできる。

袋の底になる部分を②

で決めた袋の幅の1.5~

2倍の長さで折る。

袋の底の部分を

写真のように開く。

角になる部分を折り、片側をのり付けす

る。残った片側の中央に切り込みを入れ開

く。両側をのり付けし、底の部分が完成。

適当な大きさに切った新

聞紙に取っ手部分を貼り付

ける。できた取っ手を袋の

内側に貼り付け、新聞エコ

バックが完成!

新聞紙裏表2ページ分の半分を

細く巻き、取っ手となる筒を2本

作る。持ち手の長さを決め両サイ

ドを 90 度折り曲げる。折り曲げた

部分の筒を袋に貼ったときに平行

になるように押しつぶす。

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(2)第46回 全国小学校家庭科教育研究会全国大会(新潟大会)参加報告

ア 新潟県の研究全体構想

イ 新潟市の取り組みから 「ストーリー性のある年間指導計画作成」に向けて

新潟市に住む一人の子どもの成長を「新潟トキめき物語」として構想し、そこに描いた子ども

像の実現に向けて、年間指導計画「にいがたプラン」を作成していた。Stage1「気付き」、Stage

2「だんだん高まるわたし」、Stage3「これからも生きていくわたし」と段階的に子どもの成長

大会主題

未来を創り出す豊かな心と確かな実践力をはぐくむ家庭科教育

豊かな心

◎家族の一員として家庭生活を大切にする心

○家庭生活への関心

○家族の一員であることを実感し、ふれあいを大切にす

る心

◎社会の一員として共に生きようとする心

○人々とのかかわりを大切にし、共に生きようとする心

○自然や環境と共に生きようとする心

確かな実践力

◎家族の一員として家庭生活や社会生活について積

極的に考え、よりよくしようとする力

○自分の生活に課題を見つけ、知識及び技能を活用して

解決する力

○基礎的・基本的な知識及び技能を活用し、生活をより

よくしようとする力

○積極的に家庭生活(家族社会)とかかわり実践する力

新潟大会研究主題

学びを生かし、家族とつながる生活を創り出す子どもを目指して

目指す

子ども像

生活の自立の基盤

となる基礎的・基本的

な知識・技能を確実に

身に付けた子ども

身に付けた知識や

技能を活用し、身近な

生活の課題を解決す

る子ども

家族や近隣の人々

とかかわりながら生

活をよりよくしよう

とする子ども

研究の内容

視点1 題材の配列や構成の工夫

(1)ストーリー性のある年間指導計画の作成

(2)家族や地域、自然とのかかわりを創り出す題

材構成の工夫

(3)基礎的・基本的な知識及び技能、実感を伴っ

て理解させたい言葉の洗い出し

視点2 活用を重視した学習過程の工夫

(1)思考力・判断力・表現力等をはぐくむ「活用」

の場の設定

(2)自分の成長を自覚する「振り返り」の場の設

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を具体的にイメージしている構想図は、

大変分かりやすく、年間指導計画を作

成していく上で参考になる実践例であ

った。

ウ 新潟市紫竹山小学校での公開授業

第5学年「作ろう!世界に一つだけの

○○○」

新型インフルエンザの影響で、4学級

中2学級の公開であった。紫竹山小学校

では、すべての学習活動において問題解

決的な学習過程を工夫しており、家庭科

の学習においては、①生活の場をイメー

ジできる試しの活動の導入、②「作る楽しさ・喜び」と「使う楽しさ・喜び」を実感できるように、

何を工夫したかを明らかにさせ、友達や家族との交流活動を実践することの2つの視点で学習を支

える子どもたちの意欲や関心を高めていた。

5年4組では、布の種類や特徴を知り、「マイハンカチ」に適した布の選び出しをさせる授業が

公開された。ハンカチを題材に取り上げ、「ハンカチを使う場面の想定」と「5種類の布を使って

吸水性の実験を行い、ハンカチに適した布を選択する」という2つの試し活動を取り入れていた。

子どもたちは、洗った手をいろいろな布で拭いて吸水性や布の肌触りを確かめながら、大変意欲的

に取り組んでいた。毎日使っているハンカチでも、布の特徴と結びつけて「ハンカチ」に適した布

を考えることは、生活経験の尐ない子どたちにとって、非常に難しいことである。試しの活動は、

子どもたちの気付きを生かした学習展開を構築する上で大変有効であった。また、学習指導案の中

に、「言語」の項目が設けられていた。基礎的・基本的な知識及び技能、実感を伴って理解させた

い言葉が洗い出され、言語活動を重視した学習活動が行われていた。

エ 全体会 研究発表と全体指導

全国6地区からの実践発表があった。名古屋市からは、知識を楽しく学ぶための教具の活用例と

して、自作の「食品カード」が紹介された。表側に食品の写真、裏側に食品の名前と栄養素を書い

ている。このカードを使って、食品の仲間分けの学習や同じ栄養素の食品カードを引き当てる「栄

養素ゲーム」を行う中で、食品と栄養素の関係を楽しく身に付けることができるように工夫されて

いた。また、徳島県では、第5学年「ごはんを炊こう」「いためよう」の学習後に「おにぎり弁当

を作ろう」、第6学年「家族の喜ぶお弁当のおかずを作ろう」で1食分の献立作りの学習後に「秋

祭りのお弁当を作ろう」を設定し、「弁当」に視点を当てて、計画的に食に関する指導が積み重ね

られていた。そして、地域の季節行事である遊山箱という弁当箱をもって桃の節句を楽しむ習慣を

教育活動と連動させることで、子どもたちの自分の住む地域への関心が高められていた。

最後に、文部科学省初等中等教育局教育課程課、筒井恭子教科調査官から、全体指導が行われた。

平成 23年度の新学習指導要領の円滑な実施に向けて、①改訂内容の理解、②小・中の学習内容の

連続性、一貫性の検討、③2年間を見通した年間指導計画の作成、④題材開発、⑤食育の推進、⑥

実践的・体験的な活動や問題解決的な学習の重視を移行期の実践課題として話された。

全国の家庭科教員の熱い取組は、大変刺激になり、全国大会に参加できたことに感謝している。

今後も、生涯の家庭生活を支える基盤となる力の育成を目指し、日々邁進していきたい。

「新潟トキめき物語」が描く子ども像

新潟トキめき物語が描く子どもの姿

「新潟トキめき物語」構想図

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4 平成21年度 愛媛県教育研究協議会技術・家庭委員会小学校部会役員名簿

◎ 本 部

委 員 長

委 員

事 務 局

研究局長

編集局長

幹 事

辻井芽美子

濱 田 光 子

中矢恵美香

佐伯いづみ

岩 﨑 由 花

重 見 京 子

花 山 圭 子

樋 口 典 子

池 田 慶 子

廣藤まゆみ

得居小百合

髙栁喜美子

有 馬 知 歩

柳澤寿美恵

餘 家 幹 子

西 山 晶 子

門 岡 栄 子

眞田久美子

伊賀上三津子

猪 野 弥 生

佐 伯 佳 子

◎ 支 部

支部名 氏 名 学 校 名 郵便番号 学 校 所 在 地 電話番号・FAX

四国中央 真鍋真紀子 三 島 小 799-0405 四国中央市三島中央3丁目2番23号 0896-28-6095・28-6117

新居浜 加藤裕子 船 木 小 792-0856 新居浜市船木4299番地の1 0897-41-6260・41-6362

西 条 佐伯佳子 大 町 小 793-0030 西条市大町992番地2 0897-56-2114・56-3270

今治・越智 多田輝美 大三島小 794-1304 今治市大三島町宮浦5145番地 0897-82-0027・82-0034

松 山 有馬知歩 石 井 小 790-0932 松山市東石井町6丁目8番52号 089-956-1658・958-9953

東 温 池田慶子 川 上 小 791-0303 東温市北方甲2655 089-966-2021・960-6099

伊 予 宮崎純代 郡 中 小 799-3112 伊予市上吾川110 089-982-0168・983-1503

上浮穴 峯本亜希子 美 川 小 791-1504 上浮穴郡久万高原町大川4333 0892-56-0693・56-0587

大 洲 川本美和 平 小 795-0061 大洲市徳森2600 0893-25-3558・25-0948

喜 多 稲田由美子 五十崎小 795-0301 喜多郡内子町五十崎甲1485番地 0893-44-2024・43-0079

八幡浜 柳澤寿美恵 宮 内 小 796-0202 八幡浜市保内町宮内5番耕地46 0894-36-0039・36-0629

西宇和 菊池理恵 伊 方 小 796-0301 西宇和郡伊方町湊浦993-1 0894-38-0704・38-0724

西 予 土居真由 多 田 小 797-0035 西予市宇和町河内171番地1 0894-66-0202・69-5012

宇和島 杉本博子 宇和津小 798-0071 宇和島市妙典寺前乙640番地 0895-22-0341・22-0375

北宇和 新城茂美 松野南小 798-2106 北宇和郡松野町大字目黒1460番地 0895-43-0111・43-0111

南宇和 上田由美子 久 良 小 798-4353 南宇和郡愛南町久良2035 0895-72-0519・70-1158

附 属 中矢恵美香 附 属 小 790-0855 松山市持田町1丁目5番22号 089-913-7861・913-7862

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平成21年度 小学校家庭科実践集録 第46号 発行日/平成22年2月20日 発行者

編集者

事務局/愛媛大学教育学部附属小学校

松山市持田町1丁目5-22 TEL 089-913-7861 印刷所/セキ株式会社

松山市湊町7丁目7番地1 TEL 089-945-0111

/愛媛県教育研究協議会 技術・家庭委員会