2015 川崎csrレポート

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CSRサイトレポート2015

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Page 1: 2015 川崎CSRレポート

CSRサイトレポート2015

川 崎 事 業 所

Page 2: 2015 川崎CSRレポート
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目次

川崎事業所長ご挨拶 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

会社概要・トピックス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2~3

川崎事業所概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

無事故・無災害事業所の実現のために

川崎事業所労働安全衛生方針 ・・・・・・・・・・・・・・・ 5

労働安全・衛生 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

防災訓練 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7~8

川崎超現場力活動(KSG活動) ・・・・・・・・・・・・・ 9

人財育成の取り組み

教育・訓練 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

環境保全のために

川崎事業所環境方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

資源の消費と環境への負荷 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

省エネ・温室効果ガス排出削減の取り組み ・・・・・・・・・ 13~14

環境負荷データ(大気関係) ・・・・・・・・・・・・・・・ 15

環境負荷データ(水質関係) ・・・・・・・・・・・・・・・ 16

廃棄物削減の取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17

化学物質排出削減の取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・ 18

地域・社会とのコミュニケーション

工場見学の実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

地域の皆様との交流 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20

地域社会への貢献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21~22

学習・研究の場の提供 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23

レポートの対象期間 2014年度(2014年1月から12月まで)の活動内容について掲載しております。

掲載グラフについて 各年1月から12月までの集計値を示しております。 ※但し下記については、各年4月から翌年3月までの集計値を示しております。

・「省エネ・温室効果ガス排出削減の取り組み」のうち「エネルギー起源CO₂」 ・「環境負荷データ」のうち「SPM年間排出量」 ・「化学物質排出削減の取り組み」のすべてのデータ

レポートの対象範囲 昭和電工株式会社 川崎事業所(扇町地区・大川地区・千鳥地区) 先端電池材料部(大川地区) 事業開発センター グリーンプロジェクト(大川地区)、 応用化学品研究所(扇町地区・大川地区・千鳥地区)、 先端技術開発研究所(大川地区) 生産技術部 プロセス・ソリューションセンター(大川地区)

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川崎事業所長 ご挨拶

平素は昭和電工株式会社川崎事業所の事業活動にご理解とご支援、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。 当社グループは、社会にとって有用な製品・サービスを提供することにより、豊かさと持続性が調和した社会の創造に貢献する「社会貢献企業」を目指しています。そして、このことをグループ経営理念や従業員の行動規範として社内外に宣言し、様々な取り組みを行っています。 川崎事業所は、1930年にアンモニアと硫安の製造工場として発足しました。当社の事業所の中で最も古い事業所であり、設立以来一貫して化学製品の生産拠点として歩んでまいりました。社会に不可欠な製品を製造・供給していること、そして様々な化学物質を扱っていることからも、企業の社会的責任やレスポンシブル・ケア* を誠実に果たしていくことが非常に重要であると考えております。 事業所の方針としても「保安力強化による無事故・無災害事業所の実現」、「レスポンシブル・ケアの推進とコンプライアンスの徹底」を掲げ、事業所一丸となって各種取り組みを力強く推進しています。 防災・減災といった安全面での取り組みはもちろん、事業活動に伴う環境負荷低減のための省エネルギーの推進ならびに産業廃棄物および化学物質の排出量削減、そしてそれらを実現するための人財の育成等、多方面での取り組みを行っています。 更に、地域社会への貢献活動も積極的に行っています。アルミ缶リサイクル活動による寄付や工場見学の受け入れ、出前授業の実施、地域の清掃活動への参加等、従来の活動を継続して実施するだけでなく、近年ではテレビドラマや映画の撮影の受け入れも行い、川崎市の目指す「映像のまち・かわさき」の実現に貢献しています。 2014年一年間のこれらの取り組みと実績について、地域社会をはじめとするステークホルダーの皆さまにお知らせするため、「川崎事業所CSRサイトレポート2015」をまとめました。本レポートをご覧いただき、皆様からの率直なご意見・ご感想をいただければ幸甚に存じます。

2015年10月 昭和電工株式会社川崎事業所長

長井 太一

― 1 ―

*レスポンシブル・ケア レスポンシブル・ケア(Responsible Care:RC)とは、 化学物質を扱う事業者が化学物質の開発から製造、物流、使用、廃棄に至る 全ライフサイクルにわたって「環境・安全・健康」を確保し、 その改善を図っていく自主管理活動です。

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会社概要・トピックス

私たちは、社会的に有用かつ安全でお客様の期待に応える製品・サービスの提供により 企業価値を高め、株主にご満足いただくと共に、国際社会の一員としての責任を果たし、 その健全な発展に貢献します。

経営理念

1.国際社会の一員としての自覚をもって誠実に行動します。 2.お客様に満足と安心を提供します。 3.グループ全社員が力を発揮できる企業風土をつくります。 4.地域社会の期待に応えます。 5.地球環境の維持改善に取り組みます。

私たちの行動規範

― 2 ―

無機、金属、有機化学技術を深化、融合させ、優れた個性派製品を生み出すことを通して、 豊かさと持続性が調和した社会の創造に貢献しています。

当社が目指す「社会貢献企業」を実現するための行動の基本を「私たちの行動規範と実践の 手引き」として定めています。従業員は、これを誠実に実行することとしています。

本社所在地 東京都港区芝大門1-13-9

ホームページ http://www.sdk.co.jp/

設立 1939(昭和14)年6月1日

資本金 1,406億円(2014年12月31日現在)

従業員 連結 10,577人 単独 3,809人(2014年12月31日現在)

主要営業品目 石油化学、化学品、機能性化学品、エレクトロニクス、無機、

アルミニウム 他

国内事業所

川崎事業所

横浜事業所

千葉事業所

秩父事業所 小山事業所

東長原事業所 喜多方事業所

伊勢崎事業所 大町事業所 塩尻事業所

大分コンビナート

徳山事業所

龍野事業所

堺事業所

彦根事業所

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― 3 ―

1.製品の全ライフサイクルにおいて、安全および健康を確保し環境を保護する観点から、 事業活動を継続的に見直すとともに改善に努める。 2.生産活動において、従来型の環境保全はもとより、原料転換、省エネルギー、廃棄物の 減量・再資源化、化学物質の排出量削減等を推進し、地球環境との調和による 持続的発展に努める。 3.新製品開発、新規事業、設備の新設・増設・改造において、安全と健康の確保および 環境の保護に配慮する。 4.安全と健康の確保および環境の保護に寄与する研究開発、技術開発を推進し、 代替製品・新製品の事業化の推進を図る。 5.製品や取り扱い物質の安全・健康・環境面の影響に関するリスク評価および リスク管理の充実を図るとともに、安全な使用と取り扱いに関する情報を、 ステークホルダーに提供する。 6.海外事業、技術移転、製品の国際取引において、安全と健康の確保および環境の 保護に配慮する。 7.国際規則および国内関係法令等を遵守するとともに、国際関係機関、国内外の 行政機関等への協力に努める。 8.安全と健康の確保および環境の保護に関する諸活動に積極的に参加するとともに、 社会との対話を深め、理解と信頼の向上に努める。

レスポンシブル・ケアに関する行動指針

「環境・安全・健康」に関する経営方針「レスポンシブル・ケアに関する行動指針」を策定し、レスポンシブル・ケア活動を推進しています。

相馬港 物流基地の運営再開(2014年5月9日) 液化アンモニアの物流基地(福島県相馬郡新地町)の運営を 2014年4月より再開しました。 旧物流基地は、東北6県および新潟県への出荷基地として、 2010年3月に福島県相馬港で操業を開始しましたが、 東日本大震災による津波の被害により設備が破損したため、 2011年3月以降は、製造拠点である川崎事業所から 直接お客様に製品を供給していました。 今回再建し、新たに昭和電工 東北アンモニアセンターとして 物流基地の運営を再開したことにより、 東北・新潟地区における液化アンモニアのより一層の安定供給体制を図ってまいります。

★トピックス(当社ニュースリリースより)

イクメン企業として特別奨励賞を受賞(2014年10月9日) 厚生労働省主催「イクメン企業アワード2014」において、特別奨励賞を受賞しました。 「イクメン企業アワード」は、育児を積極的に行う男性=イクメンを応援する厚生労働省の 「イクメンプロジェクト」の一環で、働きながら安心して子どもを産み育てることができる 労働環境の整備を促進するため、男性の育児参加を積極的に促進しつつ、業務改善を図る企業を 表彰する制度で、2014年度が2回目の表彰となります。 このたびの受賞は、ダイバーシティマネジメントへ経営トップから 取り組み、ダイバーシティ推進に関し社内組織を立ち上げ、 働き方の変革に取り組んでいること、上司を経由して 育児休業取得対象者への育児休業取得を促していること、 男性社員の育児休業取得の実績等が特に評価されたものです。

↑イクメンプロジェクトロゴマーク

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工業用・高純度ガス、高純度薬品

様々な製品の原料や、製品の製造工程に使用されています。 使用済みプラスチックを原料の一部に利用したアンモニア 「ECOANN®(エコアン®)」も製造しています。

川崎事業所は、川崎区沿岸部の扇町・大川・千鳥地区に 製造拠点を構えて生産活動を行っています。 この三地区を併せて“昭和電工株式会社川崎事業所” として運営しています。

所在地・敷地面積・従業員数

川崎事業所の製品

川崎事業所は、1930年(昭和5年)に昭和肥料株式会社川崎工場として扇町に設立した後、 1931年(昭和6年) わが国初の国産法によるアンモニアと硫安の製造に成功しました。 創業以来培った技術と経験を活かして、現在では様々な領域の製品を供給し、社会に 貢献しています。

東京都

横浜市方面

扇町

大川

千鳥 川崎市街

川崎事業所概要

扇町 大川 千鳥

所在地 川崎区扇町5-1 川崎区大川町5-1 川崎区千鳥町2-3

敷地面積 342,000㎡ 112,000㎡ 105,000㎡

従業員数 2014年12月31日現在 嘱託・契約社員を含む

633名 195名 137名

― 4 ―

<製品と用途の例>

合成ゴム(クロロプレンゴム「ショウプレン®」)

Vベルト等の自動車部品 や接着剤、医療用手袋等の 原料に使用されています。

ビタミンC誘導体

化粧品原料に使用されて います。アンチエイジング の効果が期待できます。

高速液体クロマトグラフィー用カラム「Shodex®」

分析機器 高速液体クロマトグラフィーに使用されています。 様々な物質の成分分析に使用される機器で、国内だけでなく 世界中の研究機関で採用されています。バイオ・食品・医薬等、 幅広い分野の研究で活躍しています

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川崎事業所労働安全衛生方針

― 5 ―

無事故・無災害事業所の実現のために

方 針

労働安全衛生活動は、企業経営基盤をなすものと考え、「安全で働きやすい快適な職場」を実現するため、以下の方針の基に労働安全衛生向上活動を継続的に推進します。

1.労働安全衛生活動を推進するために、労働安全衛生マネジメントシステムの構築により、 PDCA *サイクルを繰り返し、継続的な改善を行います。

2.職場の危険有害要因をリスクアセスメントによって明確にし、危険ゼロを目標とする 活動を従業員の積極的な参画の下に推進します。 また、設備及び作業の新規・変更においても同様に災害防止に努めていきます。

3.労働安全衛生法をはじめ、関係する諸法令を遵守すると共に、社内規定、標準に基づき 従業員の労働安全衛生の確保に努めます。

4.教育・訓練の必要性を明確にして計画的に実施し、すべての従業員がその業務と責務を 果たします。

5.従業員のみならず、構内で働くすべての皆さんの理解と積極的な参加をいただくよう、 コミュニケーションを図り、その実施状況を確認します。

昭和電工株式会社 川崎事業所

☆OSHMS登録証 ☆1950年建立 平和安全記念碑(女神像)

作者:円鍔 勝三氏

*PDCA: Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)のステップを繰り返すことにより、 システムを継続的に改善する手法。

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労働安全・衛生

― 6 ―

無事故・無災害事業所の実現のために

川崎事業所では【無事故・無災害】の実現に向けて、従業員と協力企業が一丸となって様々な取り組みを実施しています。取り組みのうち主な活動を紹介します。

★安全意識の向上 過去の労働災害を分析したところ、多くの場合「不注意な行動」・「不安全な行動」が 原因であることが分かりました。そこで、次の活動を通じて安全意識の向上を図っています。 ①行動特性評価を活用した自分自身の理解 自分自身の行動特性を評価し、その結果を自分の行動改善につなげています。 ②表彰活動(ほめる活動)

お手本となるような安全活動を表彰し、積極性をより引き出す活動を 行っています。

③相互声掛け 不安全行動をお互いに注意し合うことで、相手に気付かせるだけでなく、 自分自身にも意識を持たせることを目的としています。 ④過去災害事例の活用 過去の災害を従業員に毎朝配信することで、教訓の風化を防止しています。

★安全活動 次の安全活動を実施しています。

①リスクアセスメント活動 作業における潜在的な危険性・有害性を洗い出し、予防・除去・低減するための 活動です。 ②ヒヤリハット活動 ヒヤリとしたりハッとしたりした、ちょっとしたミスや体験を共有し、 再発を防止する活動です。 ③KY(危険予知)活動

作業開始前に、その作業にどのような危険が潜んでいるかを事前に予測して、 その予防をする活動です。

現在は、更なるレベルアップのための教育・訓練を実施しています。一人ひとりの レベルアップを通じて、無事故・無災害につなげていきます。

★熱中症対策 近年の猛暑により、熱中症による労働災害発生リスクが非常に高まっています。 川崎事業所では、熱中症を防ぐために様々な取り組みを行っています。

①WBGT値の活用 WBGT(湿球黒球温度)とは「暑さ指数」のことで、熱中症を予防するために 提案された指標です。 WBGT値に応じて、作業時間の制限や休憩時間・休憩方法等の具体的対策を定めて います。WBGT値は、予想値を朝に、実測値を昼2回場内放送して周知しています。 ②熱中症を予防する労働環境づくり 川崎事業所では、温度が高い設備内での作業や熱がこもる保護衣服を着用しての 作業があります。より熱中症の発生リスクが高まる環境での作業となるため、 下記の対策を実施しています。

・エアコンを備えたクールダウン室の設置 ・ミネラル飲料や塩飴の常備 ・現場にミストファンや扇風機等の設置

☆GOOD!シール ほめる活動で 表彰された方に 授与しています。

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防災訓練

― 7 ―

無事故・無災害事業所の実現のために

川崎事業所では、日頃から安全・安定操業に努め、法律で求められる以上の安全対策を 講じると共に、事故の予防に向けた取り組みを行っています。しかし万が一、火災・漏洩等の 事故が発生した場合には、その影響を最小限にするために速やかな処置が重要です。 川崎事業所では自衛消防隊を組織すると共に、化学消防車・泡原液搬送車・消火栓等、 各種の防火・消火設備を有していますが、緊急時に速やかに行動ができるよう、総合防災訓練や 消防署や近隣企業との合同訓練を定期的に実施し、万一の事故に備えています。

★総合防災訓練 地震・津波による漏洩・火災等、様々な想定の下、毎年事業所全体での訓練を 実施しています。

★消防競技会 自衛消防隊員は、日頃から操法訓練を繰り返し、消防技術の習得向上に努めています。 更なる消防技術向上を目指し、消防競技会を定期的に開催しています。

☆非常対策本部での様子 ☆総合防災訓練の講評の様子

☆海上への危険物漏洩を想定して、オイルフェンスの展張訓練も実施しています。

☆職場から選抜された従業員が、3名1組のチームになり、消防資機材を実際に操作します。 ホース展張・接続、放水の一連の操作を行い、操作の正確さとスピードを競います。

Page 11: 2015 川崎CSRレポート

― 8 ―

★登録有形文化財防災訓練

扇町地区に1931年(昭和6年)に建築された 2階建ての事務所棟「本事務所」は、1999年に 文化庁の登録有形文化財に登録されています。 この本事務所は、当社の前身である昭和肥料株式会社の 事務所棟として建設されたもので、昭和初期の 工場事務所建築の代表的なものの1つです。 2007年には経済産業省から「近代化産業遺産」に 認定されています。

★高圧ガス防災事業所出動訓練 川崎事業所は、高圧ガス防災事業所として、神奈川県下で高圧ガスに関係する事故が 発生した場合、官庁の要請を受けて防災活動に出動します。「除害装置」を車に載せて 発災現場に向かい、発災現場に到着した防災要員は、直ちに除害装置を起動して 有害なガスの無害化を図ります。防災活動に必要な資機材は必要人数分常備しています。

☆本事務所と登録有形文化財登録証

この貴重な文化財を災害から守るため、毎年1月26日の文化財防火デーに合わせて 文化財防災訓練を実施しています。自衛消防隊と消防署の消防隊が共同で一斉放水訓練を

行います。

☆除害装置を搭載した車両 ☆除害装置を用いて有害なガスの無害化を行う 防災要員。(訓練時の模様)

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川崎超現場力活動(KSG活動)

― 9 ―

無事故・無災害事業所の実現のために

川崎事業所は、1999年から日本プラントメンテナンス協会が提唱するTPM活動*に 取り組んできました。2009年からはこの活動を基に、超安全・超安定生産を実現するための 独自活動である『川崎超現場力活動』(Kawasaki Super Genbaryoku:KSG活動と略) として取り組んでいます。 *TPM活動 公益社団法人 日本プラントメンテナンス協会(以下JIPMと略)が提唱する全員参加の生産保全の活動のことです。 Total Productive Maintenance あるいは Total Productive Managementを略してTPM活動といいます。

★製造現場の総点検活動を強化 KSG活動は『トラブルゼロ活動』と『人財育成活動』を柱として進めています。 製造現場では、2014年から『設備やプロセスの総点検』の活動を強化し、設備の機能を より深く理解しながらトラブルを未然に防ぐ活動を進めています。

まずは重要な設備とその周辺設備の総点検を、製造課毎に目標を決めて進めています。 左下の写真は、自治体等から回収したプラスチックを破砕する設備の点検風景です。 点検した設備については記録を残し、今後の活動に活かしています。(右下の写真)

設備総点検事例 (重要な設備から順次実施し、活動内容を記録しています。)

★JIPM主催 全国設備強調月間優秀改善賞受賞 2015年6月12日に開催された「全国設備管理強調 月間 東京地区大会」において、ファインガス製品課で 進めている「フロンガス製造プラントの総点検活動」 について川崎事業所代表として発表を行い、 優秀改善賞を受賞しました。 これは川崎事業所独自で進めている『KSG 設備総点検活動』が高く評価された結果であり、 11月の全国大会にエントリーすることになりました。 川崎事業所では、『KSG設備総点検活動』を 昨今の化学系プラント災害を未然に防止する 効果的な活動の一つと位置づけ、今後も継続して いきます。

☆川崎事業所代表として発表を行った二人

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教育・訓練

― 10 ―

人財育成の取り組み

★段階に応じた階層別教育の仕組み 「企業にとって競争力の源泉は人である」。これが当社の人材に対する考え方です。人材は 企業経営を行う上での資源ではなく財産であると捉え、“人財”育成を進めています。 川崎事業所では、2011年に発足した『化学品人財育成センター』主導による オペレーターやエンジニア育成のための階層別教育を実施しています。

PRO(プロダクションエンジニア)教育 役職者(係長・チーフ)育成のための教育

OPL(オペレーションリーダー)教育 キャリアアップを促すための選抜型教育

OPEX(オペレーションエキスパート)教育 班長職務や小集団活動におけるリーダーのための教育

OPE(オペレーションエンジニア)教育 学識としての専門知識を修得するための教育

BOP(ビギナーオペレーター)教育 新入社員~入社後4年目までに亘る基礎教育

この他にも環境・衛生の保全や安全・安定した操業のため、各種教育訓練を実施しています。 ・ 一般教育(危険物保安教育、労働安全衛生法教育、高圧ガス教育、環境教育) ・ 特別教育(安全各種教育、環境各種教育、品質各種教育) ・ 各部署教育 ・ 階層別教育 ・ 技能教育(各部署における技能教育) ・ 『化学品人財育成センター』主導による階層別教育 ・ 川崎事業所のルール・規程・基準等の教育

★法定資格取得の推進 環境・衛生の保全や安全・安定した操業のためにも、法律で義務づけられる法定資格の 取得は、事業所の生産活動において不可欠です。 川崎事業所では、管理者だけでなく作業者一人ひとりにも法定資格取得を推奨しています。

☆作業者に奨励する資格の中でも重要な3資格、「高圧ガス乙種(機械・化学)」、「危険物乙種第4類」、 「ボイラー技士2級」を『三種の神器』と称し、その取得を強く推奨しています。

法定資格保有者数(単位:名 / 2014年12月末現在)

第一種冷凍機械 2 特級 8

第二種冷凍機械 55 一級 84

第三種冷凍機械 53 二級 300

甲種機械 32 大気関係第1種 64

乙種機械 63 大気関係第3種 1

甲種化学 39 大気関係第4種 2

乙種化学 195 水質関係第1種 96

甲種 243 水質関係第2種 7

乙種第1類 83 水質関係第3種 4

乙種第2類 92 水質関係第4種 3

乙種第3類 82 粉じん関係 1

乙種第4類 489 騒音関係 2

乙種第5類 88 振動関係 1

乙種第6類 119 騒音・振動関係 5

ダイオキシン類関係 26

高圧ガス製造保安責任者(延べ439名)

危険物取扱者(延べ1,196名)

ボイラー技師(延べ392名)

公害防止管理者(延べ212名)

Page 14: 2015 川崎CSRレポート

川崎事業所環境方針

― 11 ―

環境保全のために

基本方針

社会・環境との調和

☆ISO14001マネジメントシステム登録証 ☆ISO14001マネジメントシステム登録証付属書

1.川崎事業所は、市民の一員としての自覚をもち、自然および地域との共生をめざす。

2.化学製品の設計から製造、物流、使用、廃棄・リサイクルまでの全ての段階で 廃棄物や環境負荷の削減、省資源、省エネルギー等環境保全に配慮した活動に努める。

3.川崎事業所の活動が環境に及ぼす影響を認識し、継続的な改善と汚染の予防に努める。

4.環境に関する法規制およびその他の要求事項を遵守するため、自主管理基準を設定し、 環境の保全に努める。

5.具体的な目的、目標を明確にして環境管理活動を推進し、状況の変化を 反映させるべく定期的に見直しする。

―環境方針は社外に公表する―

行動指針

Page 15: 2015 川崎CSRレポート

資源の消費と環境への負荷

― 12 ―

環境保全のために

川崎事業所では、各種製品を製造するために、原料・資材や電気・石油コークス等の資源やエネルギーを消費しています。 また、生産活動に伴い、排ガス・排水・廃棄物等の環境負荷が発生するため、 環境マネジメントシステムをツールとして、環境負荷低減活動を積極的に進めています。

出荷

昭和電工川崎事業所

工業用水 19,921 km3

海水 48,645 km3

窒素酸化物排出量

137.3 ton

原料・資材

二酸化炭素(CO2)排出量

エネルギー起源 629 kton

非エネルギー起源 71 kton

CO2以外の温室効果ガス

21 kton-CO2

硫黄酸化物排出量

13.4 ton

排水量 56,482 km3

資源消費 環境負荷

産業廃棄物排出量 4,721 ton

エネルギー使用量原油換算で 237,294 kL

各自治体からの使用済みプラスチック

60,546 ton

廃棄物の再資源化量 2,191 ton

製品

2014年度実績

大気への排出

水域への排出

廃棄物処理

Page 16: 2015 川崎CSRレポート

― 13 ―

省エネ・温室効果ガス排出削減の取り組み

環境保全のために

★エネルギー原単位*の削減実績 省エネルギーを推進するうえで、エネルギー原単位*を前年比1%削減することを 目標として、取り組みを進めています。

省エネルギー活動は、CO2(エネルギー起源CO2)排出削減にもつながる活動であり、 互いに密接に関わっています。川崎事業所で実施している省エネ活動・温室効果ガス削減活動 のうち主なものについて、以下に紹介します。

★省エネルギーとエネルギー起源CO2削減の取り組み

1.高効率設備への転換 ・電気分解を行う設備を効率の高い設備に改良することで消費電力を削減し、 CO2削減につなげています。 ・老朽化した設備を高効率設備に更新しています。 ・回転機器のインバーター化を推進しています。

2.反応率・精製効率向上 ・反応や精製の効率を向上させることで使用エネルギーを削減し、CO2削減に つなげています。 ・触媒の改良による反応効率向上に努めています。

3.熱の再利用 ・発電事業で使用した後の蒸気を再び発電に使用したり、 他の製造設備に送り熱源として使用したりしています。 ・反応や蒸留操作の過程で余剰となった熱や、 焼却処理設備で発生した高温の排ガス中の熱は、 熱交換器で回収し、各種設備で再利用しています。

4.運搬方法転換(モーダルシフト) ・製品輸送手段をトラックから鉄道や船に 切り替えることで、輸送に掛かる燃料を削減し、 CO2削減につなげています。

*エネルギー原単位:「製造に要したエネルギー量」÷「生産量」で計算されます。 数値が小さいほど効率良く製造していることを示し、環境への負荷も小さくなります。

☆製品出荷用貨車

※2005年のエネルギー原単位をベンチマークとして、推移を示しています。

70%

80%

90%

100%

20

05年

20

06年

20

07年

20

08年

20

09年

20

10年

20

11年

20

12年

20

13年

20

14年

エネルギー原単位の推移

扇町・大川地区

千鳥地区

Page 17: 2015 川崎CSRレポート

― 14 ―

★温室効果ガス削減の取り組み

1.使用済みプラスチックを原料としたアンモニア製造 アンモニア製造に必要な水素の原料として、従来は都市ガスを主に使用して いましたが、原料の一部を使用済みプラスチックに代替することにより、製造に伴って 排出されるCO2の量を削減することができます。川崎事業所では、水素原料における 使用済みプラスチックの比率を向上させる取り組みを進めています。

2.フロンガス排出削減 生産活動に伴って排出されるフロンガスを、 燃焼分解・中和することにより大気中への 排出量削減を行っています。

3.副生物の燃料使用 生産活動に伴って発生する副生物を 燃料として使用することにより、都市ガスや 石油コークス等の燃料の使用量を削減して います。

☆副生物を燃料に使用している燃焼設備

★温室効果ガス排出削減実績 京都議定書に定められた温室効果ガス排出量削減目標値である「基準年(1990年)比 6%削減」を2009年に達成しました。目標値達成以降も、CO2やフロン等の温室効果ガスの 更なる削減を目指して取り組みを継続しています。

0

200

400

600

800

1000

1200

1400

1990年

2005年

2006年

2007年

2008年

2009年

2010年

2011年

2012年

2013年

2014年

温室効果ガス(CO₂換算)排出量推移

PFC(CO2換算)

HFC(CO2換算)

非エネルギー起源CO2

エネルギー起源CO2

(単位:kton)

* PFC(パーフルオロカーボン):フロンの一種。炭素とフッ素から構成される。 HFC(ハイドロフルオロカーボン):フロンの一種。炭素とフッ素と水素から構成される。 非エネルギー起源CO2:アンモニアの製造過程や廃棄物の焼却処理によって発生するCO2

エネルギー起源CO2:石油コークスや都市ガスの燃焼に伴って発生するCO2

エネルギー起源CO₂

PFC(CO₂換算)

HFC(CO₂換算)

非エネルギー起源CO₂

Page 18: 2015 川崎CSRレポート

環境負荷データ(大気関係)

― 15 ―

環境保全のために

2014年度は、発電設備の稼働率上昇に伴い、燃料である石油コークスの使用量が 増加したこと等から、窒素酸化物(NOx)・硫黄酸化物(SOx)・浮遊粒子状物質(SPM)の 排出量が前年対比で増加となりましたが、規制値に対して充分低いレベルを維持しています。

硫黄成分を含まない燃料への転換や脱硫*を通じて、大気中への排出削減に努めています。

排ガス集塵設備を設置し、SPMの

構成成分の一つである煤塵の排出量を 抑制しています。

【各物質が環境や健康へ与える影響】 ・窒素酸化物は、目やのどに痛みを伴う光化学オキシダントの原因物質です。 ・窒素酸化物・硫黄酸化物は、生態系に悪影響を与える酸性雨の原因物質です。 ・窒素酸化物・硫黄酸化物・SPMは、呼吸器系への健康障害を引き起こす可能性のある化学物質です。

都市ガスへの燃料転換、低NOxバーナーの 導入、アンモニアを用いた脱硝*により、 大気中への排出削減に努めています。

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窒素酸化物年間排出量の推移 (単位:ton)

川崎市条例 総量規制値

*脱硝(だっしょう) 窒素酸化物を除去することです。 アンモニアと反応させて、窒素と水に 化学的に変換する処理方法が一般的です。

★排出量推移と排出削減の取り組み 川崎事業所から排出された各物質の排出量の推移と、それぞれの物質の削減の取り組みに ついて説明します。

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硫黄酸化物年間排出量の推移 (単位:ton)

*脱硫(だつりゅう) 硫黄酸化物を除去することです。 川崎事業所では、石灰を反応させて石膏に 変換し、回収する処理方法を採用しています。

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SPM*年間排出量の推移 (単位:ton) 川崎市条例

総量規制値

*SPM(浮遊粒子状物質:Suspended Particulate Matter) 大気中に浮遊する粒子状物質のうち、粒径が 10マイクロメートル以下のものの総称です。

ばいじん

Page 19: 2015 川崎CSRレポート

*活性汚泥 微生物がたくさん棲んでいる褐色の泥で、 様々な微生物が水中の汚れを食べることによって、 水質を浄化する仕組みです。 下水処理等にも広く使われています。

**COD (Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量) 有機物による水質汚濁の指標です。排水中の有機物を 化学的に分解するために必要な酸素量で表され、 数値が高い程汚濁していることを示します。

環境負荷データ(水質関係)

― 16 ―

環境保全のために

活性汚泥*を用いた排水処理等により、様々な水質汚濁物質の排出量削減に 努めています。

【各物質が環境へ与える影響】 窒素・りんは植物性プランクトンの栄養源です。海水に多く存在すると富栄養化状態となり、 植物プランクトンが異常増殖します。すると、植物プランクトンが酸素を多量に消費するため 水中の酸素濃度が減少し、魚類が窒息して死滅する現象が発生してしまいます。

2014年度は、製造設備の稼働率上昇に伴い、窒素負荷量が増加しましたが、COD・窒素・りんのいずれも、総量規制値に対して非常に低い負荷量を維持しています。 なお、活性汚泥処理設備の稼働率上昇により、COD負荷量の更なる削減を達成しました。

★排出量推移と排出削減の取り組み 川崎事業所から排出された各物質の排出量の推移と、それぞれの物質の削減の取り組みに ついて説明します。

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COD**負荷量の推移 (単位:ton)

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窒素負荷量の推移 (単位:ton) 活性汚泥処理や排水中の窒素源である

アンモニアの回収・再利用等により、 窒素排出量削減に努めています。

一部の生産工程で使用したりん化合物を 凝集・沈殿して、排水中から除去しています。

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りん負荷量の推移 (単位:ton)

総量規制値

総量規制値

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最終埋立処分率(%)

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最終埋立処分量と率の推移

最終埋立処分量

最終埋立処分率

廃棄物削減の取り組み

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環境保全のために

川崎事業所の生産活動に伴って発生する廃棄物は、そのほとんどを事業所内や外部の 処理業者にて有効活用や減容処理を行っています。しかし、それでも処理できない廃棄物が発生した場合には、適切な最終処分場にて最終埋立処分しています。

川崎事業所では、最終埋立処分を行う 廃棄物を削減するため、産業廃棄物の 有効活用・有価物化・再資源化に 取り組んでいます。

★廃棄物の主な活用方法

1.事業所内での有効活用 燃料 :生産工程で発生する副生物を、焼却設備の燃料として使用しています。 中和剤:生産工程で発生する塩酸を、排水処理用の中和剤として使用しています。

2.有価物化 ・ 生産工程で発生するフッ酸を回収し、フッ素原料として提供しています。 ・ 発電設備の燃焼灰を回収し、燃料として再使用する企業に提供しています。 ・ 金属を回収し、リサイクルしています。

3.中間処理での再資源化 事業所内での再資源化が困難な廃棄物については、中間処理業者に処理を委託し、 更なる再資源化を推進しています。

金属回収 :ニッケルやクロム等の重金属は、硫化物や還元金属として回収して、 再資源化しています。 路盤材など:焼却処理等を行った後の残渣を路盤材・セメント原料等にしています。

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廃棄物発生量の推移 (単位:ton)

*ゼロエミッション 資源とエネルギーを可能な限り活用し、環境への排出をゼロに近づけ、資源循環型の社会を目指すもので、国連大学が提唱しました。 当社では、最終埋立処分率が1%以下であることをゼロエミッションと定義しています。

★ゼロエミッション* を継続しています 事業所内で発生した廃棄物量に対して最終埋立処分を行った量の割合を「最終埋立処分率」 と呼んでいます。2014年度の最終埋立処分率は0.25%で、2011年度より継続して ゼロエミッション達成となりました。

ゼロエミッション 達成

外部委託処理量 4,721 ton

最終埋立処分量 106 ton

事業所内処理量 有効活用量

37,399 ton

再資源化量 2,191ton

2014年度実績

減量化 2,424ton

産廃発生量 42,120 ton

Page 21: 2015 川崎CSRレポート

化学物質排出削減の取り組み

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環境保全のために

★主な削減の取り組み 1.製造方法の変更 製造方法を変更することにより、PRTR対象物質を他の物質に代替する取り組みを 進めています。 2.排出抑制の方法 ・大気への排出抑制 → 焼却処理・回収・再利用・作業方法の改善 ・水域への排出抑制 → 活性汚泥処理・化学的分解処理・使用量削減

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大気への排出量の推移 (単位:ton)

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水域(東京湾)への排出量の推移 (単位:ton)

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廃棄物の移動量の推移 (単位:ton)

*PRTR制度(Pollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出制度) 有害性のある化学物質が、どのような発生源(事業所、家庭、自動車等)からどれくらい環境中に排出されたか、また廃棄物に含まれて 事業所の外に移動したかを把握・集計し、公表する制度です。事業者は対象となる化学物質について環境中(大気、水、土壌)への 排出量と事業所外への移動量を集計し、国へ届け出ることが義務付けられています。川崎事業所もこの活動に取り組んでいます。

★PRTR *対象物質排出量の推移と排出量削減の取り組み 川崎事業所では、生産活動に伴って発生する化学物質の排出削減のため、様々な取り組みを 行っています。 2014年度は、大気への排出量が、製造設備の稼働率上昇に伴い増加しましたが、 原料由来の物質等の水域への排出量を、運転管理方法の改善により抑制しました。 また、廃棄物の発生量(移動量)を、製造設備の改善により削減しました。

30.6%

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27.2%

トルエン

1,3-ブタジエン

直鎖アルキルベンゼン

スルホン酸及びその塩

クロロジフルオロメタン

その他

総排出量 23ton

2014年度主要排出物質内訳(大気・水域合計)

Page 22: 2015 川崎CSRレポート

工場見学の実施

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地域・社会とのコミュニケーション

ナイロン製品

アクリル繊維

窒素系肥料

★プラスチックのケミカルリサイクル 川崎事業所では、家庭から排出される使用済みプラスチックを化学的に分解し、 アンモニアの原料としてリサイクルしています。 アンモニアは、化学肥料やアクリル系の繊維、様々な工業製品の原料、石炭や重油等の 燃焼に伴って発生する有害な窒素酸化物を除去する薬剤等に利用される、暮らしを支える 化学製品です。

このプラスチックのケミカルリサイクルの過程とプラントをご見学いただける工場見学会を2003年5月より随時開催しています。自治体や学校等、団体のお客様だけでなく、 近隣にお住まいの一般の個人のお客様にもたくさんご見学いただいています。 2014年末までで、延べ約33,100名の方が工場見学にお越しいただきました。

☆見学では、屋内の見学専用ルームから 設備をご覧になれます。

ご来場された方には、

マスコットキャラクター・けぴあの ストラップを差し上げています。

☆屋外のプラントも間近で ご覧いただけます。

圧縮・循環・合成

Page 23: 2015 川崎CSRレポート

★事業所からの情報発信 地域の展示会やレスポンシブル・ケア(※1ページ参照)地域対話への参加を通じて、 事業内容や私たちの取り組みについて積極的に情報発信を行っています。

地域の皆様との交流

地域・社会とのコミュニケーション

☆とどろきアリーナで毎年2月に開催される国際環境技術展へ出展しています。 使用済みプラスチックのアンモニア原料化事業や当社独自の高速栽培法を用いた LED照明植物工場ソリューションについて展示しました。

☆2014年も川崎球場(現富士通スタジアム川崎)にて納涼祭を開催しました。多くの 従業員の家族や地域の皆さまにもお越しいただき、大変賑やかな納涼祭になりました。

☆扇町の身代り地蔵尊は、第二次世界大戦中の空襲により扇町交差点付近で亡くなった方を慰霊するために 建立されました。毎年川崎大師僧正をお招きして法要を行っています。

☆レスポンシブルケア地域対話の様子。私たちの 取り組みについてご説明すると共に、地域の皆様より 貴重なご意見を頂戴しています。

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★各種行事の開催 年間を通じて健康レクリエーションや納涼祭等の親睦行事を開催しています。従業員や その家族だけでなく、近隣町内会や地域の皆さまもお招きしています。

☆会場の一角では、東日本大震災からの復興支援 を目的とした福島県の物産展を開催しています。 川崎市の三浦副市長も立ち寄られました。

★地域の歴史・文化の伝承 歴史の長い事業所として、地域の歴史や文化を大切にしています。毎年扇町交差点に立つ 身代り地蔵尊の法要に参加し、近隣町内会や近隣企業の皆さまと共に慰霊を行っています。

Page 24: 2015 川崎CSRレポート

地域社会への貢献

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地域・社会とのコミュニケーション

★事業所周辺の清掃活動 事業所の環境をより良くするために、毎月一回、従業員による清掃活動を行っています。 事業所敷地内の清掃だけでなく、日頃従業員が利用しているJR鶴見線 昭和駅・扇町駅周辺の ゴミ拾いも行っています。また、年二回開催される「田島統一クリーンデ―」にも継続して 参加しています。近隣自治会の皆様と一緒に事業所周辺の清掃活動を行っています。

★アルミ缶リサイクル活動 昭和電工グループではアルミ缶のリサイクル活動に取り組んでいます。 アルミ缶は当社グループで製造・販売している製品でもあり、アルミ缶を回収・リサイクル することで、資源と製造時のエネルギーを節約できます。また、アルミ缶回収で得た 収益金は、寄付を通じて地域の福祉活動に役立てていただいています。 川崎事業所でのアルミ缶リサイクル活動は、2014年で13年目となり、寄付を行った 総額は2,782,245円になりました。

☆アルミは再生すると、新しく作る場合に比べて97%ものエネルギー が節約できます。アルミ缶を溶融してインゴット(鋳塊)とし、 これを再び加工することで新たに製品として生まれ変わります。

(左:アルミ缶 右:アルミのインゴット(鋳塊)) ☆川崎事業所では、アルミ缶リサイクル活動 収益金を川崎市健康福祉局に寄付しています。

★地域の魅力向上のために 扇町地区に1931年(昭和6年)に建築された2階建ての事務所棟「本事務所」は、 文化庁の登録有形文化財に登録されています。文化財として大切に保存すると共に、 昭和初期の建築様式の趣を活かして、テレビドラマや映画、CMの撮影場所として利用して いただいています。また、市や各種団体が主催するツアーの見学地としてもご利用いただいています。 川崎市は「映像のまち・かわさき」として、川崎市の魅力向上・映像文化の振興・産業の 発展を目指しています。今後も、撮影や見学の受け入れを通じて貢献していきます。

☆本事務所 ☆本事務所玄関での撮影の様子

Page 25: 2015 川崎CSRレポート

― 22 ―

★献血の実施 神奈川県赤十字血液センターからの協力依頼を受けて、毎年献血を行っています。扇町・大川・千鳥の各地区に献血車に来場いただき、2014年は 合計66名が献血に協力しました。

☆扇町・本事務所前に来場した献血車

★東日本大震災からの復興寄付 福島県相馬郡新地町へ、東日本大震災からの復興支援を目的とした寄付を行いました。 新地町は当社の東北アンモニアセンターの所在地です。川崎事業所で製造したアンモニアの 物流拠点として2010年3月に操業を開始しましたが、東日本大震災による津波により、 設備が破損したため操業を停止していました。2014年4月に再建し、物流基地の運営を 再開しました。 当社とつながりの深い新地町の復興を願い、川崎事業所の有志から募った義援金を 2014年7月に新地町へ寄付しました。

☆新地町役場を訪問し、 加藤町長(写真右から 二人目)へ義援金を 手渡しました。

★地域の子供神輿の休憩場所を提供 当社は川崎区内に寮を所有しています。その敷地内の空き地を、毎年8月初めに 近隣町内会で行われる子供神輿の休憩所として提供すると共に、冷たい飲み物やうちわを提供しています。

☆ジュースを飲んで休憩する子供たち ☆子供神輿

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学習・研究の場の提供

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地域・社会とのコミュニケーション

★出前授業の実施 リサイクルやごみの分別、化学実験を題材とした出前授業を2009年より行っています。 小中学校の総合学習の時間や夏休みに地域の市民会館等で行われる子供向けイベントへ 積極的に出展しています。小さなお子様でも分かりやすいよう、そして化学に 親しんでもらえるよう、内容に工夫を凝らしています。

*スマートライフスタイル大賞 CO2削減、地球温暖化対策

につながる生活や事業活動の「実践」や教育資料の開発、情報の提供、学校・企業内における教育活動等の「普及啓発」に関する取り組みを対象に川崎市が表彰を行っており、2014年が3回目の表彰となります。

☆授賞式にて。 左から、足立CCかわさきエコ会議議長、長井川崎事業所長、福田川崎市長

★スマートライフスタイル大賞 優秀賞受賞 出前授業の取り組みが評価され、2014年11月にはスマートライフスタイル大賞* 優秀賞を 受賞しました。

★インターンシップ・研修生の受入 高等専門学校生や大学生のインターンシップを受け入れています。夏休みの1~2週間の 期間を使って、それぞれの専門軸を活かした就業体験をしていただいています。 2014年9月には、化学兵器禁止機関** からの研修生の受け入れも実施しました。 ブータンとマレーシア出身の2名の研修生に、見学やリスクアセスメント実践を通じて、 安全についての取り組みを学んでいただきました。

☆研修最終日の発表会の模様 ☆化学兵器禁止機関からの研修関係者の皆さん

**化学兵器禁止機関 Organization for the Prohibition of Chemical Weapons:OPCW 化学兵器禁止条約に基づいて 設立された国際機関で、世界的な 化学兵器の全面禁止と不拡散の ための活動を行っています。

国際協力の一環として、条約締結国にて途上国政府職員等の研修生の産業研修も行っています。

☆授賞式で頂いたトロフィー(左)と表彰状(右)

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≪本レポートに関するお問い合わせ先・発行元≫ 昭和電工株式会社川崎事業所総務部

〒210-0867 神奈川県川崎市川崎区扇町5-1 TEL:044-322-6810 FAX:044-355-8435

川崎事業所では工場見学会を随時開催しています!

川崎事業所のプラスチックケミカルリサイクルでは、 家庭から出された使用済み容器包装プラスチックをガス化し、 アンモニア原料にリサイクルしています。 このリサイクルの過程とプラントをご見学いただける 工場見学会を随時開催しています。 (*ご見学は、個人・団体、企業・一般を問いません)

詳しくは、弊社ホームページをご覧ください http://www.sdk.co.jp/kpr/tour/index.html

~アンモニアとは?~ アンモニアは、私たちの暮らしを支える化学製品です。 化学肥料やアクリル系の繊維、様々な工業製品の原料、石炭や重油等の燃焼に伴って発生する有害な窒素酸化物を除去する薬剤等として利用されています。

マスコットキャラクターの けぴあ

表紙写真:川崎事業所三地区場内写真 扇町・大川・千鳥の各地区を写した写真です。

■当社が採用されているインデックス・認定

■当事業所が参加している取り組み

大川

千鳥

扇町