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ROI の抽出方法 小淵 将吾  廣安 知之 山本 詩子 2014 5 24 IS Report No. 2014082201 Report Medical Information System Labratry

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ROIの抽出方法   

小淵 将吾  廣安 知之 山本 詩子   

2014年 5月 24日   

IS Report No. 2014082201   

ReportMedical Information  

System Labratry  

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Abstract

fMRIの解析においてある領域における脳活動の有無を調査する以外に,その領域における詳細な検討が必要となってきている.そのような場合において,Region Of Interest (ROI) を抽出しデータを検討していくことが重要である.本稿では,ROIの特徴や種類,そしてMatlab上で動作すつ SPM8

とMarsBarといったソフトを用いた際の ROIの抽出方法を紹介する.また ROIを用いた解析方法について記述する.

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目 次

第 1章 ROIとは . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2

第 2章 ROIの抽出方法 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

2.1 functional ROI . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

2.2 structural ROI . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

2.3 Hand-maid ROI . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4

第 3章 ROIを用いた解析. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6

3.1 Voxel-counting . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6

3.2 Timecourses . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6

3.3 beta値算出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6

3.4 FIR model . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7

3.5 BOLD信号変化率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7

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第 1章 ROIとは

Region Of Interest (ROI) とは,詳細な検討をしたい場合に用いる抽出されたある特定の領域のことである.ROI解析を行う理由として下記の 3つが挙げられる 1) .

• BOLD信号やパラメータの抽出による,ある領域における詳細な検討.

• 統計検定の回数を制限することによる,タイプ Iエラーの制御.

• 重要な結果を導くためのパターンの特徴化.

また,ROIの種類としては以下の 2つが挙げられる.

• functional ROI

GLMなどによって解析され,脳活動が生じた領域を抽出

• structural ROI

灰白質などの解剖学的に定義された領域を抽出

structural ROIにおける,脳の解剖学的な区分として,Automated Anatomical Labeling (AAL)

や Talairach atlasが挙げられる.

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第 2章 ROIの抽出方法

ROIの抽出方法として,SPMの ToolboxであるMarsBarを用いた方法を主に紹介する.ファイルフォーマットについてはMarsBarでは roi.matを用いているため,他のソフトで使用する場合,.nii

ファイルに変更する必要がある.

2.1 functional ROI

本節では SPMを用いて,ROIセッションのデータ解析を行い,そのセッションにおいて活動した領域をROIファイルとして保存する.手順 2) を下記に示す.

1. ROIセッションの SPM解析を行う.

2. SPM解析結果を”Graphics”ウィンドウに表示させる.

3. ”whole brain”ボタンをクリックし,Graphicsウィンドウ (Fig. 2.1.1) に voxel情報を表示させる.

4. ROIとして使用したい voxel群の”mm mm mm”欄をクリックし,選択する.

5. Matlabコマンドウィンドウにて,下記のコマンドを入力し実行する.

% その座標が含まれるクラスタ IDを取得[x, i] = spm_XYZreg(’NearestXYZ’, ans, xSPM.XYZmm);

% 各 voxelのクラスタ IDリストを取得A = spm_cluster(xSPM.XYZ);

% 選択した voxel群のインデックスを取得C = find(A == A(i));

% その voxel群の座標値を取得roi = xSPM.XYZmm(:, C);

% その voxel群の輝度値を取得roi(4, :) = xSPM.Z(:, C);

6. 変数”roi”を,ファイルに保存する.

2.2 structural ROI

本節では解剖学的に定義された領域をROIファイルとして保存する.手順 2) を下記に示す.

1. MarsBarを起動する (Fig. 2.2.1).

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2.3Hand-maid ROI 第 2 章 ROIの抽出方法

Fig. 2.1.1 Graphicsウィンドウ (自作)

2. MarsBarにて,ROIを作成し,画像ファイルとして保存する.

3. ROIセッションのデータを SPMにて解析する.

4. 解析結果の表示 (”Results”)のパラメータ設定において,”mask with other contrast(s)”と”title

for comparison”との間に表示される”ROI Analysis”にて”yes”を選択する.

5. 作成したROI画像ファイルを選択する.

6. 解析結果を”Graphics”ウィンドウに表示させる.

7. functional ROIと同様にして,ROIファイルを作成する.

2.3 Hand-maid ROI

本節では脳画像上で,自分で指定した領域をROIファイルとして保存する.手順 2) を下記に示す.

1. MRIcronで,脳画像を開く (Fig. 2.3.1).

2. ”Drwaing tools”を使い,領域を指定する.

3. メニューバーから”Draw” – ”Save VOI”を選択し,画像ファイルとして保存する.

4. Structural ROIと同様にして,ROIファイルを作成する.

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2.3Hand-maid ROI 第 2 章 ROIの抽出方法

Fig. 2.2.1 MarsBaRメニュー画面 (自作)

Fig. 2.3.1 MRIcron (自作)

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第 3章 ROIを用いた解析

本章では抽出したROIを用いた解析方法を紹介する.特にMarsBarで行える,ROI内の平均時系列波形や beta値,FIRモデル波形,そして BOLD信号変化率の算出方法を記述する.

3.1 Voxel-counting

Voxel-countingは統計解析によって閾値を超えたボクセル数をカウントする解析手法である.これは初期の研究において用いられたが,いくつかの問題点がある.まず,特定の閾値に対してとても影響をうけやすい.また,直接的な信号の変化率を計測に比べてボクセル数と脳活動にの意味付けが不明確.

3.2 Timecourses

ROIにおけるNormalization後の時系列データの取り出し方の手順 3) を示す.

% SPMファイルと ROIファイルを選択spm_name = spm_get(1, ’SPM.mat’, ’Select SPM.mat’);

roi_file = spm_get(Inf,’*roi.mat’, ’Select ROI files’);

% maroi ROIと mrdoデザインを作成し marsy dataに格納rois = maroi(’load_cell’, roi_file);

des = mardo(spm_name);

mY = get_marsy(roos{:}, des, ’mean’);

% 時系列データを取得y = summary_data(mY);

3.3 beta値算出β値とは刺激に対する変化の効果を表す値である.各コンディションの β値を算出する手順 3) を示す.

% SPMファイルと ROIファイルを選択spm_name = spm_get(1, ’SPM.mat’, ’Select SPM.mat’);

roi_file = spm_get(Inf,’*roi.mat’, ’Select ROI files’);

% mardo ROIと maroiデザインを作成D = mardo(spm_name);

R = maroi(roi_file);

% 取り出したデータを MarsBarのデータに変換Y = get_marsy(R, D, ’mean’);

% オリジナルデータのコントラストを抽出

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3.4FIR model 第 3 章 ROIを用いた解析

xCon = get_contrasts(D);

% ROIデータの estimationを行うE = estimate(D, Y);

% オリジナルデザインからのコントラストを MarsBarのデザインに変換E = set_contrasts(E, xCon);

% beta値を算出b = betas(E);

3.4 FIR model

ROIにおける血行動態反応を示す FIR modelを抽出する手順 3) を示す.

% 全てのイベントにおける定義を取得[e_specs, e_names] = event_specs(E);

n_events = size(e_specs, 2);

% FIRモデルの bin sizeを定義bin_size = tr(E);

% FIRの長さを決めるfir_length = 24;

% FIRの binの数を FIRの長さとサイズで定義bin_no = fir_length / bin_size;

% FIRモデルの推定opts = struct(’single’, 1, ’percent’, 1);

% 全てのイベントにおける FIRを算出for e_s = 1:n_events

fir_tc(:, e_s) = event_fitted_fir(E, e_specs(:,e_s), bin_size, bin_no, opts);

end

3.5 BOLD信号変化率ROIにおける平均の BOLD信号変化率を算出する手順 3) を示す.

% 全てのイベントにおける定義を取得[e_specs, e_names] = event_specs(E);

n_events = size(e_specs, 2);

dur = 0;

% BOLD信号変化率を算出for e_s = 1:n_events

pct_ev(e_s) = event_signal(E, e_specs(:,e_s), dur);

end

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参考文献

1) Thomas E. Nichols, Russel A. Poldrack, and Jeanette A. Mumford. Handbook of Functional

MRI Data Analysis. Cambridge University Press, 2 edition edition, 2012.

2) Brainliner 開発チーム 国際電気通信基礎技術研究所脳情報研究所. ROIファイル作成方法.

http://www.cns.atr.jp/dni/dni-content/uploads/downloads/2012/08/

47d7119629c2a1fc9c10bc6826bbc930.pdf, 2014.

3) Matthew Brett, Jean L. Anton, Romain Valabregue, and Jean B Poline. MarsBaR FAQ.

http://marsbar.sourceforge.net/faq.html, 2014.

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