年次報告書2011年度版 重点活動、1科学を伝える | 日本科学未来館 ·...

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2012 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan) 日本科学未来館 2011年度の活動 被害の様子(3階エスカレーターホール) 新たに設置された「膜天井」 Case#3.11 東日本大震災を受けた取組み 20113 11日に発生した東日本大震災により日本科学未来館も被害を受け、崩落した天井などの復旧 作業のため6 10 日まで臨時休館しました。休館中から再開館後にわたり、一般の方の不安軽減のための 緊急科学コミュニケーション活動を研究者などとの連携のもとで推進しました。 日本科学未来館の復旧~「膜天井」の導入 復旧にあたっては、単に元の状態に修復するのではなく、より安全な施設となることを目指 しました。具体的には、以前より公共建物における天井の危険性を指摘していた川口健一 教 授(東 京 大 学 生 産 技 術 研究 所)との 共 同 研究を 迅 速に進め、「落 ちない」天 井 を 追 求 する のではなく、「仮に落ちても大事に至らない」軽くて柔らかい「膜天井」を採用し、安全性をよ り高めました。 ▶ミニ展示「東日本大震災から考える」 会 期:2011611日(土)~831日(水) 主 催:日本科学未来館 協 力:日本放射線影響学会、一般社団法人日本原子力学会、一般社団法人日本エネルギー経済研 究所、日本海洋学会、東京大学地震研究所、一般社団法人情報処理学会、インタラクション 2011実行委員会 ▶日本科学未来館×東京大学生産技術研究所 研究成果公表記者会見 開催日:2011627日(月) テーマ: 「安全性が高く安心できる新しい発想の天井 ~軽くて柔らかくて、仮に落ちても大事に至らない膜天井」 発表者: 川口健一(東京大学生産技術研究所 教授)、毛利衛(日本科学未来館 館長) ▶科学コミュニケーターによる天井修復レポート http://www.miraikan.jst.go.jp/info/110422166213.html 社会が求める科学技術情報に応えるための特設サイト 震災後、めまぐるしく変化する状況に応じて、社会が求める科学技術情報を提供するための 特設サイトを構築し、科学コミュニケーターによる情報発信を3月25日より開始しました。 Case#3.11 地震/原発/復興 科学コミュニケーターとみる東日本大震災」 http://case311.miraikan.jst.go.jp/home 監修協力: 公益社団法人日本地球惑星科学連合、日本放射線影響学会、公益社団法人日本医学放 射線学会、一般社団法人日本原子力学会、一般社団法人日本エネルギー経済研究所 ▶一般の方からの質問に科学コミュニケーターが答える「未来館質問箱」 一般の方から寄せられた143件のうち、科学コミュニケーターが44件の質問に答えました。 例:Q: 余震はいつまで続くの?/Q :月の引力と地震の発生は関係がある?/Q: 原子炉の安全性の 考え方は?/Q:電気はこまめに消すべき? Q:電気はこまめに消すべき?」は外部のニュースサイトでも紹介されました。 livedoorニュース/Garbagenews.com/エキサイトニュース/サーチナニュース) ▶震災関連情報をわかりやすく発信する「地震・原発をよみとく」 散在する震災関連情報を吟味・集約して、一般の方にわかりやすく伝わるよう、解説しました。 記事をよむ:津波・地震/原発・エネルギー/放射能/身体・健康/情報・インフラ 図でみる:放射性物質マップ/原発事故ログ/福島第一原子力発電所の構造 (研究者などの敬称略) 1

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2012 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan)

日本科学未来館 2011年度の活動

被害の様子(3階エスカレーターホール)

新たに設置された「膜天井」

Case#3.11

東日本大震災を受けた取組み ①

2011年3月11日に発生した東日本大震災により日本科学未来館も被害を受け、崩落した天井などの復旧作業のため6月10日まで臨時休館しました。休館中から再開館後にわたり、一般の方の不安軽減のための緊急科学コミュニケーション活動を研究者などとの連携のもとで推進しました。

■日本科学未来館の復旧~「膜天井」の導入復旧にあたっては、単に元の状態に修復するのではなく、より安全な施設となることを目指しました。具体的には、以前より公共建物における天井の危険性を指摘していた川口健一教授(東京大学生産技術研究所)との共同研究を迅速に進め、「落ちない」天井を追求するのではなく、「仮に落ちても大事に至らない」軽くて柔らかい「膜天井」を採用し、安全性をより高めました。

▶ミニ展示「東日本大震災から考える」会 期: 2011年6月11日(土)~8月31日(水)主 催: 日本科学未来館協 力: 日本放射線影響学会、一般社団法人日本原子力学会、一般社団法人日本エネルギー経済研

究所、日本海洋学会、東京大学地震研究所、一般社団法人情報処理学会、インタラクション2011実行委員会

▶日本科学未来館×東京大学生産技術研究所 研究成果公表記者会見開催日: 2011年6月27日(月)テーマ: 「安全性が高く安心できる新しい発想の天井 ~軽くて柔らかくて、仮に落ちても大事に至らない膜天井」発表者: 川口健一(東京大学生産技術研究所 教授) 、毛利衛(日本科学未来館 館長)

▶科学コミュニケーターによる天井修復レポートhttp://www.miraikan.jst.go.jp/info/110422166213.html

■社会が求める科学技術情報に応えるための特設サイト震災後、めまぐるしく変化する状況に応じて、社会が求める科学技術情報を提供するための特設サイトを構築し、科学コミュニケーターによる情報発信を3月25日より開始しました。

「Case#3.11 地震/原発/復興 科学コミュニケーターとみる東日本大震災」http://case311.miraikan.jst.go.jp/home監修協力: 公益社団法人日本地球惑星科学連合、日本放射線影響学会、公益社団法人日本医学放

射線学会、一般社団法人日本原子力学会、一般社団法人日本エネルギー経済研究所

▶一般の方からの質問に科学コミュニケーターが答える「未来館質問箱」一般の方から寄せられた143件のうち、科学コミュニケーターが44件の質問に答えました。例: Q:余震はいつまで続くの?/Q:月の引力と地震の発生は関係がある?/Q:原子炉の安全性の考え方は?/Q:電気はこまめに消すべき? 「Q:電気はこまめに消すべき?」は外部のニュースサイトでも紹介されました。 (l ivedoorニュース/Garbagenews.com/エキサイトニュース/サーチナニュース)

▶震災関連情報をわかりやすく発信する「地震・原発をよみとく」散在する震災関連情報を吟味・集約して、一般の方にわかりやすく伝わるよう、解説しました。 記事をよむ:津波・地震/原発・エネルギー/放射能/身体・健康/情報・インフラ 図でみる:放射性物質マップ/原発事故ログ/福島第一原子力発電所の構造

(研究者などの敬称略)

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2012 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan)

日本科学未来館 2011年度の活動

館外イベント

パネル展「放射線とエネルギーの科学」

東日本大震災を受けた取組み ②

■科学コミュニケーターによる館外イベント放射線に関する基礎知識を提供し、リスクの捉え方を考えるイベントを行いました。期  間:2011年4月16日(土)~7月26日(火)実施件数:32件参加人数:子供270名、大人416名

▶実験教室「ロボット感覚系コース」目 的: 被災した児童を対象に、一時でも不安から解放される時間を提供する。対 象: 関東へ避難中の被災児童(小学4年生以上)場 所: 東京ビッグサイト、赤坂プリンスホテル、被災児童の転校先小学校

▶放射線ワークショップ「見てみよう、身の回りの放射線」目 的: 市民に放射線に対する正しい知識を身につけてもらう。対 象: 関東地方在住の子供(小学3年生~中学3年生)場 所: 杉並区立科学館、港区豊岡児童館、他

▶放射線基礎講座「今知っておきたい、放射線のABC」目 的: 水や食品の放射能汚染に関する情報を伝えるなど、家族の健康に関心を持つ主婦のニーズ

に応える。対 象: 関東地方在住の大人(特に小さな子供を持つ母親)場 所: 江東区立南砂児童館、フジテレビキッズカフェ「ママトコ」、他

■国内外の科学館ネットワークを活かした展開国内外の科学館とのネットワークを活かして、被災状況の共有や、有事における科学館の役割などについての議論の場を創出しました。

▶国内の科学館との連携・全国科学館連携協議会を通じた情報共有全国科学館連携協議会ホームページに「緊急特設サイト」を立ち上げ、加盟館の被災状況を共有する呼びかけを行いました。またTwitterを活用し、被災・復興に関するスタッフレベルの情報交換を促進しました。

・パネル展「放射線とエネルギーの科学」千葉市科学館が企画するパネル展「放射線とエネルギーの科学」の制作に協力するとともに、全国科学館連携協議会を通して全国14カ所の科学館への巡回(またはデータ提供)を調整しました。

・被災地での活動コーディネート岩手県の復興支援ネットワーク「遠野まごころネット」と全国の科学館をつなぎ、被災地における星空観望会や出張ワークショップをコーディネートしました。

▶海外の科学館との連携・世界に向けての情報発信東日本大震災を受けて未来館が取り組んだ科学コミュニケーション活動と、自然災害などの有事における科学館の役割について、世界の科学館が集まる国際会議などで問題提起しました。

ASPAC (アジア太平洋地域科学館協会) (2011年5月18日(水)~20日(金)、中国・広州)自然災害による被災経験国マレーシア、ニュージーランド、インドネシア、中国(四川)の科学館に参加を呼び掛け、各館が被災を受けて取り組んだ科学コミュニケーション活動を発表する機会をコーディネートし、有事における科学館の役割について議論の場を創出しました。

ECSITE(ヨーロッパ科学館ネットワーク) (2011年5月26日(木)~28日(土)、ポーランド・ワルシャワ)開会式で館長 毛利衛が、東日本大震災を受けて未来館が取組んだ科学コミュニケーション活動などについて特別講演を行い、関連インタビュー記事がECSITEのホームページに掲載されました。

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日本科学未来館 2011年度の活動

あなたならどうする?   大震災に考える~防災編~

学生復興会議

星空教室

きみたちの魔法―化学『新』発見

東日本大震災を受けた取組み ③

■ワークショップ「あなたならどうする?大震災に考える~防災編~」シミュレーションカードゲーム「クロスロード」を利用し、災害時の行動について科学コミュニケーターと一緒に考えるワークショップを開催しました。開催日: 2011年7月23日(土)、7月30日(土)、8月6日(土)、8月13日(土)、8月20日(土)、 8月27日(土)会 場: 日本科学未来館 3階 実験工房協 力: 吉川肇子(チームクロスロード、慶應義塾大学 商学部 准教授)参加者: 72名※「クロスロード」:文部科学省が進める「大都市大震災軽減化特別プロジェクト」の一環として開発されたカードゲーム式による防災教育教材。全国各地の自治体、学校、市民団体などで活用されています。

■被災地での科学コミュニケーション活動館外の協力者と連携して、被災地での科学コミュニケーション活動を積極的に展開しました。

▶学生復興会議東日本大震災により被害を受けた地域の高校生が街のシンボルとなる施設を考え、提案することをとおして、自ら街の将来へ積極的に関わる意欲を高めてもらうことを目的に、株式会社リコーと協力して熟議型の科学コミュニケーション活動を実施しました。開催日: 2011年8月6日(土)会 場: 岩手県陸前高田市第三庁舎主 催: 株式会社リコー共 催: 日本科学未来館協 力: 陸前高田市、社団法人日本建築家協会東北支部、大日本印刷株式会社参加者: 岩手県立高田高等学校 2・3年生 39名 ※詳細はP24参照。

▶星空教室@女川第二小学校女川町教育委員会の協力のもと、株式会社トヨタマーケティングジャパンが展開している「Charge the Future Project」と一緒に、「灯り」と「つながり」をテーマにした「星空教室」を開催しました。エスティマハイブリッド3台を発電機として使用し、ワークショップ全体の電力をまかないました。開催日: 2011年9月27日(火)会 場: 宮城県女川町立女川第二小学校主 催: 日本科学未来館、Charge the Future Project 後 援: 女川町教育委員会参加者: 女川町立女川第一、第二、第四小学校 4年生 58名詳 細: http://chargethefuture.jp/starrysky/

▶巡回展「きみたちの魔法―化学『新』発見」世界化学年(2011年)にあわせて未来館で開催した特別展「きみたちの魔法―化学『新』発見」を、岩手県大槌町に巡回しました。開催日: 2012年3月18日(日)~20日(火・祝)会 場: 大槌町役場 中央公民館 大会議室主 催: 日本科学未来館、公益社団法人日本化学会共 催: 大槌町教育委員会、岩手大学協 力: NPO法人遠野まごころネット参加者: 619名

(研究者などの敬称略)

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日本科学未来館 2011年度の活動

知のバトンリレー

10年先を見据えた日本科学未来館の3つの活動方針 ①

地球規模課題など、人類に共通の喫緊の課題について、科学的にとらえ、持続可能な社会に向けて共に考えるために、10年先を見据えた3つの活動方針を打ち出し、具体的な活動を推進しています。

■地球規模課題の解決に向けたサスティナビリティ情報受発信地球規模課題を科学的に捉え、持続可能な社会に向けた先端科学技術の現状を伝え、未来社会とのつながりを示します。

▶『「つながり」プロジェクト』の推進未来館のシンボル展示「Geo-Cosmos」を中心に、「Geo-Scope」「Geo-Palette」の3つのツールを連動させて、多様な視点から地球にアプローチするプロジェクトです。国内外の研究者や研究機関などからの観測データをビジュアル化し、地球全体のつながりを体感することを目指しています。2011年度からスタートし、世界の研究機関などと50以上の新規コンテンツを制作しました。

▶つながりシンポジウム「知のバトンリレー」分野や世代を横断する知性が交流する場として、『「つながり」プロジェクト』と連動させたシリーズシンポジウムを開催しています。日本の知を築いた「知の巨人」、第一線で活躍する「知を受け継ぐ人」、そして「未来をつくる」3世代の登壇者が、分野や世代の壁を越えて、次の世代、そして未来に残していきたいメッセージを語り合います。第1回のテーマは「人類の未来」。企画展「ウメサオタダオ展」とも関連付け、梅棹忠夫が残したメッセージを話題のきっかけとしました。開催日: 2012年1月20日(金)会 場: 日本科学未来館 1階 シンボルゾーン登壇者: 村上陽一郎(東洋英和女学院大学 学長/東京大学・国際基督教大学 名誉教授)、松沢哲

郎(京都大学霊長類研究所 教授・所長)、佐藤慧(studioAFTERMODE所属/フォトジャーナリスト)

参加者: 148名/Ustreamユニーク視聴者:865名

■科学コミュニケーション手法の体系化科学コミュニケーション活動の広がりや多様化が進む中、より効果的な科学コミュニケーション活動の実施やその普及・展開のため、また、より長期的な視点に立って戦略的に活動を推進するために、科学コミュニケーション活動に関する調査・研究機能を強化します。

▶「日本科学未来館展示活動報告」の発行未来館の調査研究活動の一環として、2009年度から展示活動報告を作成しています。2011年度は以下のテーマについてまとめました。 Vol.3 東日本大震災と未来館からの情報発信 Vol.4 科学技術と社会を議論する対話型講義の開発と実施 http://www.miraikan.jst.go.jp/aboutus/exhibitionreport/

(研究者などの敬称略)

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[3つの活動方針]地球規模課題の解決に向けたサスティナビリティ情報受発信科学コミュニケーション手法の体系化社会と先端科学技術(科学技術イノベーション)をつなぐ場の創出と双方向コミュニケーションの促進

2012 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan)

日本科学未来館 2011年度の活動

未来設計会議

歓迎!中国科技館交流デー

10年先を見据えた日本科学未来館の3つの活動方針 ②

■社会と先端科学技術(科学技術イノベーション)をつなぐ場の創出と双方向コミュニケーションの推進科学技術をめぐる様々な問題について、研究者や市民を含む多様な人たちが双方向コミュニケーションに取組むための議論の場を創出します。

▶「未来設計会議」の実施研究者と一般の方がこれからの社会システムや人類の生き方についてどうあるべきか共に議論し、未来社会の設計図を考える「未来設計会議」を実施しました。東日本大震災後の2011年度は、エネルギー問題や放射能問題など、日々の生活における科学技術に関連する喫緊の課題などを取り上げました。議論の様子やレポートはWebで公開しています。 詳細:http://www.miraikan.jst.go.jp/sp/miraisekkei/

・シリーズ3「after 3.11 エネルギー・科学・情報の民主的な選択に向かって」(全3回)「自然エネルギー、高くても買いますか?」開催日: 2011年7月16日(土)登壇者: 飯田哲也(環境エネルギー政策研究所 所長)、小林正弥(千葉大学法経学部 教授)参加者: 84名/Ustreamユニーク視聴者:402名

「科学者に言いたいこと、ないですか?」開催日: 2011年12月17日(土)登壇者: 早野龍五(東京大学大学院 理学系研究科 教授)、中島映至(東京大学大気海洋研究所 地

球表層圏変動研究センター センター長)、長坂俊成(防災科学技術研究所 主任研究員)、平川秀幸(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター 准教授)

参加者: 90名/Ustreamユニーク視聴者:2,729名

「食品の放射能、どこまで許せますか?」開催日: 2012年3月24日(土)登壇者: 山本茂貴(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部 部長)、道野英司(厚生労働省 食

品安全部監視安全課 輸入食品安全対策室長)、甲斐倫明(大分県立看護科学大学 教授)参加者: 70名/Ustreamユニーク視聴者:173名

▶国際的な科学コミュニケーションの実現に向けて中国科学技術館(北京)から4名の研修員を約1ヵ月間受け入れ、日中の友好・交流を深めグローバルな科学コミュニケーション活動の実現に向けた問題意識の共有などを目的とした研修を実施しました。 受入期間:2011年9月2日(金)~9月28日(水) 受入人数:4名

・「歓迎!中国科技館交流デー」研修の成果として、研修員による「未来館ツアー」、「ワークショップ」、「Geo-Cosmos実演」、「サイエンス・ミニトーク」、「実験教室」を実施しました。開催日: 2011年9月25日(日)中国人来館者数:112名 (中国大使館関係者、横浜中華学校ほか)

  ※2012年度は未来館の科学コミュニケーターを中国科学技術館へ派遣する予定です。

(研究者などの敬称略)

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2012 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan)

日本科学未来館 2011年度の活動

Geo-Cosmos

Geo-Scope

1. 科学を伝える 常設展示 ①

(研究者などの敬称略)

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2011年度は、Geo-CosmosやGeo-Scopeの一般公開を開始するとともに、「未来をつくる」エリアの2つの新規展示制作と「メディアラボ」の展示更新を行いました。

■Geo-CosmosとGeo-Scopeの一般公開「Geo-Cosmos」「Geo-Scope」を 6月11日から一般公開し、オンラインサービス「Geo-Palette」を含めた3つのツールを連動させ、国内外の研究者や研究機関等から提供された観測データをビジュアル化し、地球全体のつながりを体感する『「つながり」プロジェクト』を推進しました。

▶Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)6階までの吹き抜け空間(シンボルゾーン)に浮かぶ直径約6メートルの巨大な「地球ディスプレイ」。表面には、次世代の発光デバイスとして注目を集める有機ELパネル10,362枚が貼り込まれ、1000万画素を超える高解像度で、宇宙空間に輝く地球の姿をリアルに映し出します。

▶Geo-Scope(ジオ・スコープ)国内外の科学者や研究機関から集められたさまざまな地球観測データへ自由にアクセスできるインタラクティブボード。大・小サイズのボード計13台が展示フロアに並び、タッチパネルによる簡単な操作で、地球スケールの情報を思いのままに探ることができる展示です。

▶Geo-Palette(ジオ・パレット)地球を描くことをコンセプトにしたオンライン地図サービスです。新規地図図法のAuthaGraphをベースとし、数百件の統計データを元に、さまざまな視点からオリジナルの地図を作ることが可能です。また、ミッションの投稿により世界中の人たちとさまざまな世界観を共有することができます。

▶データ等協力機関(五十音順/アルファベット順)独立行政法人宇宙航空研究開発機構/独立行政法人海洋研究開発機構/海洋生物のセンサス国際プロジェクト/環境省/気象庁/国際連合/国土交通省国土地理院/独立行政法人国立環境研究所/触れる地球/玉川大学/財団法人電力中央研究所/東京大学/北海道大学/文部科学省/山梨県環境科学研究所/Bri t ish Oceanographic Date Center/Greenland Inst i tute of Naturel Resources/The National Aeronautics and Space Administration, NASA/NOAA-ESRL Global Monitoring Division/University of Wisconsin Space Science and Engineering Center[設計協力]AuthaGraph株式会社詳細:http://www.miraikan.jst.go.jp/sp/tsunagari/

▶主な関連イベント・Geo-Cosmos点灯式開催日: 2011年6月3日(金)会 場: 日本科学未来館 3階 展示フロア参加者: 高木義明(文部科学大臣)、野依良治(独立行政法人理化学研究所 理事長)、白川英樹(筑

波大学 名誉教授)ほか一般246名、制作関係者約70名、メディア29社38名

・つながりシンポジウム「知のバトンリレー」開催日: 2012年1月20日(金)会 場: 日本科学未来館 1階 シンボルゾーン登壇者: 村上陽一郎(東洋英和女学院大学 学長/東京大学・国際基督教大学 名誉教授)、松沢哲

郎(京都大学霊長類研究所 教授・所長)、佐藤慧(studioAFTERMODE所属/フォトジャーナリスト)

参加者: 148名/Ustreamユニーク視聴者:865名

2012 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan)

日本科学未来館 2011年度の活動

もんもとすむいえ

字作字演

アナグラのうた

2050年くらしのかたち

1. 科学を伝える 常設展示 ②

(研究者などの敬称略)

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■2050年くらしのかたち「ひとりひとりの願いがつくる未来」をコンセプトに、持続可能な社会をつくるライフスタイルと、それに必要な科学技術をともに考える展示です。公  開:2011年8月21日(日)総合監修:大垣眞一郎(独立行政法人国立環境研究所 理事長)※空間デザイン賞 2012(主催:一般財団法人日本空間デザイン協会)において「空間デザイン・企画・研究特別賞(一般)」を受賞。

▶主な関連イベント・くらしのかたちワークショップ~2050年をデザインしよう!~開催日: 2012年2月19日(日)会 場: 日本科学未来館 3階 サイエンスライブラリ講 師: 石田秀輝 (東北大学大学院環境科学研究科 教授)、大垣眞一郎 (独立行政法人国立環境

研究所 理事長)参加者: 10組(28名)

■アナグラのうた~消えた博士と残された装置~空間情報科学をテーマに、情報をいかに社会で共有するか、いかに資源として活用するのかを直感的に経験し、考えることができる展示です。公  開:2011年8月21日(日)総合監修:柴崎亮介(東京大学 空間情報科学研究センター 教授) ※第15回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞を受賞。

▶主な関連イベント・ワークショップ「アナグラの博士の会議 第1回 ~もしもキミがトイレをつくったら!?~」開催日: 2012年1月15日(日)会 場: 日本科学未来館 7階 会議室2講 師: 福士謙介(東京大学 サスティナビリテイ学連携研究機構 准教授)ゲストコメンテーター:田中伸幸 (株式会社LIXIL マーケティング統括部 設備商品部)参加者: 28名/Ustreamユニーク視聴者:67名

■メディアラボ現在進行形の情報技術と創造性が結びついた展示を、定期的に更新しながら紹介しています。2011年度は第9期・第10期の展示を行いました。 監修:稲見昌彦(慶應義塾大学大学院 教授)

▶第9期展示タイトル:「もんもとすむいえ -Living with Monmo-」会  期:2011年6月11日(土)~12月27日(火)出 展 者:独立行政法人科学技術振興機構(JST) ERATO五十嵐デザインインタフェースプロジェクト

・関連トークイベント「もんも? -Man Machine Interfaceの最先端-」開催日:2011年11月12日(土)会 場:日本科学未来館 3階 サイエンスライブラリ講 師:五十嵐健夫(JST ERATO五十嵐デザインインタフェースプロジェクト研究統括)参加者:45名

▶第10期展示タイトル:「字作字演 Design Letter Yourself, with Algorithmic Thinking!」会  期:2012年2月1日(水)~6月25日(月)古堅まさひこ(武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科 准教授)、大日本タイポ組合

2012 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan)

日本科学未来館 2011年度の活動

ちきゅうをみつめて

1. 科学を伝える 常設展示 ③

(研究者などの敬称略)

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■零壱庵-デバイスアート・コレクションデバイスアートを「デジタル時代の新たな工芸」と捉え、そのコンセプトを体現する「表現する研究者たち」の作品を紹介しています。工芸と関係の深い「茶室」をモチーフとしたユニークな空間で、さまざまな作品を楽しむことができます。

公 開: 2011年6月11日(土)主 催: 日本科学未来館、独立行政法人科学技術振興機構(JST)CREST「デバイスアートにおける

表現系科学技術の創成」監 修: 岩田洋夫(筑波大学大学院 システム情報工学研究科)詳 細: http://www.miraikan.jst.go.jp/sp/exhibition/zeroichian.html

■大型映像作品「ちきゅうをみつめて」地球と生命、そして私たち人間の関係をテーマにしたファミリー向けのアニメーション番組。主人公の少女とともに生命のもととなる“光る粒”を追いかける体験をしながら、私たち人間とほかの生物たち、そして地球との間にある大切な真実にたどり着く映像作品です。

公 開 日: 2011年12月7日(水)企画・製作・著作:日本科学未来館監   修: 舩岡正光(三重大学教授)、 小木哲朗(慶應義塾大学教授)特別協力: 山崎直子(宇宙飛行士)企画協力: サイエンスドーム八王子(八王子市こども科学館)、道の駅 富士川楽座、徳島県立あすた

むらんど製作・配給: 有限会社アニメイノベーション東京制作プロデューサー:前田融(有限会社アニメイノベーション東京) アニメーション監督:佐土原武之 キャラクター原案:佐藤好春 詩(原案): 覚和歌子制作協力: 日本アニメーション株式会社、合同会社スターライトスタジオ詳   細: http://www.miraikan.jst.go.jp/sp/chikyuwomitsumete/

2012 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan)

日本科学未来館 2011年度の活動

メイキング・オブ・      東京スカイツリー®

1. 科学を伝える 企画展 ①

(研究者などの敬称略)

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■メイキング・オブ・東京スカイツリー® ~ようこそ、天空の建設現場へ~自立式電波塔として世界一の高さを可能とした日本発の科学技術を紹介する展覧会。東京スカイツリーをシンボルとしながら建設現場の先端を知るとともに、日本が世界に誇る科学技術と文化の再認識を促し、そこから生まれる未来像を共有しました。

会  期: 2011年6月11日(土)~10月2日(日)主  催: 日本科学未来館、NHKエンタープライズ共  催: 読売新聞社特別協賛: 株式会社 大林組特別協賛・会場設計:株式会社 日建設計協  賛: パナソニック電工株式会社特別後援:東武鉄道株式会社、東武タワースカイツリー株式会社 後  援: 文部科学省、総務省、東京都教育委員会、墨田区、墨田区教育委員会、NHK、一般社団法

人墨田区観光協会、社団法人デジタル放送推進協会、社団法人日本PTA全国協議会、公益財団法人東京都公園協会

企画協力:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館 協  力: NHKプロモーション、レゴジャパン株式会社入場者数: 83,554名詳  細: http://www.miraikan.jst.go.jp/sp/skytree/※空間デザイン賞 2012(主催:一般財団法人日本空間デザイン協会)において「空間デザイン賞

2012」入賞。

▶主な関連イベント・Build the Future CITY!~レゴ® ブロックで東京スカイツリー®のある夢のまちをつくろう~開催日: 2011年5月22日(日)会 場: 日本科学未来館 1階 企画展示ゾーンa参加者: 130名

・つくりてからの生の声 第1回 「設計」~東京スカイツリー®のつくりかた~開催日: 2011年7月10日(日)会 場: 日本科学未来館 1階 企画展示ゾーンbゲスト: 吉野繁(株式会社 日建設計 設計部門)、小西厚夫(株式会社 日建設計 構造設計部門)参加者: 104名

・つくりてからの生の声 第2回 「施工」~東京スカイツリー®の建てかた~開催日: 2011年7月23日(土) 会 場: 日本科学未来館 1階 企画展示ゾーン bゲスト: 田村達一(株式会社大林組 技術本部 副部長)参加者: 104名

・つくりてからの生の声 第3回「未来のまち」~東京スカイツリー®がひらく未来!~ 開催日: 2011年10月1日(土)会 場: 日本科学未来館 1階 企画展示ゾーンbゲスト: 鈴木道明(東武タワースカイツリー株式会社 代表取締役社長)、壬生真康(浅草寺 教化部

執事)、富野由悠季(アニメーション監督)、山本秀樹(株式会社 日建設計 プロジェクト開発部門 企画開発部長)

参加者: 130名

先端科学技術が社会にもたらす世界像に焦点をあて、多くの外部組織と連携しながら、さまざまな表現手段やコミュニケーション手法を用いた企画展を行っています。

2012 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan)

日本科学未来館 2011年度の活動

ウメサオタダオ展

世界の終わりのものがたり

1. 科学を伝える 企画展 ②

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■ウメサオタダオ展 -未来を探検する知の道具-精力的なフィールドワークと、多様な分野の知識人との交流を通して、独創的な視点から世界を読み解いた「知の巨人」、梅棹忠夫氏の知的生産の道具や方法をみつめながら、未来を考えました。会  期:2011年12月21日(水)~2012年2月20日(月)主  催:日本科学未来館、国立民族学博物館後  援:文部科学省企画監修:ウメサオタダオ展実行委員会入場者数:20,311名詳  細:http://www.miraikan.jst.go.jp/sp/umesaotadao/

▶主な関連イベント・ワークショップ「ウメサオ流 未来館探検!」開催日: 会期中の金土日祝日に1日1回実施場 所: 日本科学未来館 1階 シンボルゾーン/常設展示フロア参加者: 209名(26回実施)

・未来館ボランティアの見どころツアー会 期: 2011年12月21日(水)~2012年2月20日(月)(随時)参加者: 872名(45回実施)

・みんぱく小長谷教授の上級ツアー開催日: 2011年12月23日(金)、2012年1月14日(土)、15日(日)、1月20日(金)、1月30日(月)、 2月5日(日)、2月11日(土)会 場: 日本科学未来館 1階 企画展示ゾーンa参加者: 496名(10回実施)

・ウメサオタダオ特別上映会開催日: 2012年1月29日(日)、2月5日(日)会 場: 日本科学未来館 7階 イノベーションホール参加者: 221名(6回実施)

・アーカイブズの未来: 梅棹忠夫モンゴル資料の学術的利用から考える(一般向け)開催日: 2012年2月11日(土)会 場: 日本科学未来館 7階 会議室1共同研究主催:国立民族学博物館、日本科学未来館助 成: 財団法人国際文化交換協会参加者: 36名

・アーカイブズの未来: 梅棹忠夫モンゴル資料の学術的利用から考える(研究発表を中心に)開催日: 2012年2月12日(日)会 場: 日本科学未来館 7階 会議室1共同研究主催:国立民族学博物館助 成: 財団法人国際文化交換協会参加者: 16名

■世界の終わりのものがたり~もはや逃れられない73の問い科学技術の役割をあらためて問いながら、「終わり」から始まる新たな希望のものがたりを見いだす企画展を行いました。会 期:2012年3月10日(土)~6月11日(月) 主催・企画・制作:日本科学未来館協 力:臨海副都心まちづくり協議会、東京臨海副都心グループ 空間・展示デザイン:株式会社乃村工藝社、中原崇志展示制作・施工:株式会社乃村工藝社グラフィックデザイン:氏デザインイラストレーション:タイマタカシウェブ・映像制作:DENBAK FANO DESIGN照明デザイン:岡安泉照明設計事務所サウンドデザイン:evala(port, ATAK)詳 細:http://www.miraikan.jp/sekainoowari/※第46回SDA賞(主催:公益財団法人日本サインデザイン協会)において、「サインデザイン大賞・経済産業大臣賞」を受賞。

▶主な関連イベント・シンポジウム「世界をいかに終わらせるか/世界をいかに持続させるか」開催日: 2012年3月17日(土)会 場: 日本科学未来館 1階 シンボルゾーンゲスト: 大澤真幸(社会学博士)、江守正多(国立環境研究所 地球環境研究センター 気候変動リス

ク評価研究室長)参加者: 91名 (研究者などの敬称略)

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日本科学未来館 2011年度の活動

TOP OF THE TOP!

サイエンスアゴラ2011

中秋の名月 未来館でお月見!2011

1. 科学を伝える イベント・ミニ展示など ①

(講師などの敬称略)

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■「TOP OF THE TOP!-世界の頂点をめざす研究者30名」展会 期: 2011年6月11日(土)~7月24日(日)会 場: 日本科学未来館 3階 サイエンスライブラリ主 催: 日本科学未来館後 援: 内閣府、文部科学省、独立行政法人日本学術振興会協力者: 最先端研究開発支援プログラム(FIRST)研究者30名

▶関連イベント・科学コミュニケーターによる展示ミニツアー開催日: 2011年6月11日(土)、 6月18日(土)、6月25日(土)、7月2日(土)、7月9日(土)、 7月16日(土)、7月23日(土)

■中秋の名月 未来館でお月見!2011 開催日: 2011年9月10日(土)~12日(月)会 場: 日本科学未来館 常設展示フロアほか参加者: 6,936名

■国際森林年関連シンポジウム 「木を見ず"森"を見る~コミュニケーションと共生の視点から~」 開催日: 2011年10月16日(日)会 場: 日本科学未来館 7階 みらいCANホール講 師: 奈良一秀(東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授)、

村瀬香(東京農工大学農学部フロンティア農学教育研究センター 特任准教授)参加者:50名

■サイエンスアゴラ2011開催日: 2011年11月18日(金)19日(土)、20日(日)会 場: 日本科学未来館、独立行政法人産業技術総合研究所 臨海副都心センター、東京都立産業技

術研究センター、シンボルプロムナード、国連大学ウ・タント国際会議場(11月18日のみ)主 催: 独立行政法人科学技術振興機構(JST)共 催: 日本学術会議、独立行政法人産業技術総合研究所、地方独立行政法人東京都立産業技術研

究センター、国際研究交流大学村▶日本科学未来館からの出展・ワークショップ「世界を救う?救わない?新しい生き物を創るということ」 開催日: 2011年11月19日(土)会 場: 日本科学未来館 7階 会議室1ゲスト: 森祐介(文部科学省研究振興局ライフサイエンス課)、吉澤剛(東京大学公共政策大学院)協 力: 「細胞を創る」研究会参加者: 42名(見学10名)

・ポスター発表「科学ディベート講義の開発と実践」開催日: 2011年11月19日(土)、20日(日)会 場: 東京都立産業技術研究センター

・ブース展示「むし食がわかる、世界がかわる~3.11から見えてきた昆虫食」開催日: 2011年11月19日(土)・20日(日)会 場: 日本科学未来館 1階

・ワークショップ「サイエンスクライシス ~情報のウラオモテ~」 開催日: 2011年11月20日(日)会 場: 日本科学未来館 7階 会議室3参加者: 24名

・トーク&ミニコンサート「歌と化学でつながろう スイヘイリーベ~魔法の呪文~」開催日: 2011年11月20日(日)会 場: 日本科学未来館 1階 企画展示ゾーン講 師: 長谷川美貴(青山学院大学 教授)、柿島伸次、麻生祥一郎(かっきー&アッシュポテト)協 力: 日本化学会参加者: 160名

▶国際研究交流大学村(※)からの出展・ワークショップ「日本の魅力、再発信!~留学生、研究者とともに語ろう~」開催日: 2011年11月19日(土)登壇者: 安川香澄(独立行政法人産業技術総合研究所 地圏資源環境研究センター)、高島工(独立

行政法人産業技術総合研究所 太陽光発電工学研究センター)、フランシスコ・バレンシア(留学生/メキシコ出身)、チュカ・ジョシュア・アイク(留学生/ナイジェリア出身)

参加者: 27名※国際研究交流大学村は、独立行政法人日本学生支援機構 東京国際交流館、独立行政法人産業技術総合研究所 臨海副都心センター、独立行政法人科学技術振興機構 日本科学未来館による組織です。

その時々の社会のトピックやニーズをつかみ、ミニ展示やイベントとして発信する活動も行っています。

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日本科学未来館 2011年度の活動

きみたちの魔法―化学『新』発見

科学・技術フェスタ in 京都2011

大科学実験 in 未来館

サイエンティスト・トーク

1. 科学を伝える イベントなど・ミニ展示 ②

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■世界化学年2011 特別展「きみたちの魔法―化学『新』発見」会  期: 2011年11月19日(土)~27日(日)会  場: 日本科学未来館 7階 イノベーションホール主  催: 公益社団法人日本化学会共  催: 一般社団法人日本化学工業協会、日本科学未来館協  賛: 青山学院大学、公益財団法人旭硝子財団、株式会社カネカ、形状記憶合金協会、住友化学

株式会社、高砂香料工業株式会社、根本特殊化学株式会社、パイロットインキ株式会社、株式会社パイロットコーポレーション、株式会社三菱ケミカルホールディングス

特別協力: 伊藤光学株式会社、国立科学博物館総合アドバイザー:白川英樹(筑波大学 名誉教授)参 加 者: 6,835名 ※サイエンスアゴラ2011の企画としても実施。

■科学・技術フェスタ in 京都2011開催日: 2011年12月17日(土)、18日(日)会 場: 国立京都国際会館(京都市)主 催: 内閣府、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、環境省、独立行政法人

科学技術振興機構、独立行政法人情報通信研究機構、独立行政法人日本学術振興会、独立行政法人理化学研究所、独立行政法人物質・材料研究機構、独立行政法人宇宙航空研究開発機構、独立行政法人海洋研究開発機構、独立行政法人日本原子力研究開発機構、独立行政法人産業技術総合研究所、独立行政法人国立高等専門学校機構、京都産学公連携機構(京都府、京都市、京都商工会議所等)、国立京都国際会館、日本学術会議、関西経済連合会、世界化学年2011日本委員会、稲盛財団

▶日本科学未来館からの出展サイエンス・ミニトーク「iPS細胞を見てみよう~再生医療と未来~」 ゲストスピーカー:山下潤(京都大学 准教授)サイエンス・ミニトーク「宇宙からみる3.11~体験・ジオスコープ」大型映像「ちきゅうをみつめて」上映会参加者: 136名

■ASIMO理科授業▶さいたま市青少年宇宙科学館会 期: 2011年10月12日(水)~11月30日(水)会 場: さいたま市青少年宇宙科学館 青少年ホール主 催: さいたま市青少年宇宙科学館(さいたま市教育委員会)対 象: さいたま市立中学校3年生(37校)参加者: 9,070名

▶神奈川県立青少年センター開催日: 2012年1月18日(水)、22日(日)会 場: 神奈川県立青少年センター ホール主 催: 神奈川県立青少年センター 科学部 科学支援課対 象: 近隣の小中学校及び県内工業系高等学校の児童、生徒、教職員など参加者: 1,104名

■サイエンティスト・トーク▶ノーベル化学賞2011 これが準結晶だ!!開催日: 2011年12月23日(金・祝)会 場: 日本科学未来館 3階 実験工房講 師: 蔡 安邦(東北大学 教授)参加者: 60名

▶ニュートリノは光速を超えるか開催日: 2012年2月25日(土)会 場: 日本科学未来館 3階 実験工房講 師: 中村光廣(名古屋大学 准教授)参加者: 90名

■行ってみなくちゃわからない! 大科学実験 in 未来館会 期: 2012年3月19日(月)~4月9日(月)会 場: 日本科学未来館 1階 企画展示ゾーンb主 催: 日本科学未来館、NHKエデュケーショナル協 力: 株式会社リコー、株式会社熊谷組来場者: 23,013名 (講師などの敬称略)

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日本科学未来館 2011年度の活動

DNA鑑定 ~科学捜査で犯人を見つける

刺されても痛くない!無痛針 vs 蚊 電子顕微鏡観察1本勝負

テクノ手芸部と電気動物ワークショップ

1. 科学を伝える 実験工房

実験工房では「対話」と「実験」をとおして先端の科学技術に触れる機会を提供しています。また、日々進展の著しい科学技術を紹介するため、各分野の研究者の協力を得て新しい実験教室を開発しています。

(研究者などの敬称略)

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■実験教室の実施・超伝導~先端素材の不思議な力・DNAの抽出・ダイヤモンドの合成・グリーンにつくる蛍光物質・ロボット感覚系~センサーのしくみ・ロボット運動系~ロボットの動くしくみ・導電性プラスチックを作ろう

開 催 日: おもに土曜日、日曜日、祝祭日。1日2回(計205回)監  修: 北澤宏一(JST科学コミュニケーション特別主監)、里川重夫(成蹊大学 教授)、広瀬洋

一(東海大学 教授)、野村泰朗(埼玉大学 准教授)、白川英樹(筑波大学 名誉教授)協  力: ズードケミー触媒株式会社、シグマアルドリッチジャパン株式会社、レゴジャパン株式

会社、旭化成株式会社、旭化成ファインケム株式会社、株式会社クレハ、住友化学株式会社、株式会社半導体エネルギー研究所、財団法人材料科学技術振興財団

対象年齢: 小学3年生以上参 加 者: のべ2,368名詳  細: http://www.miraikan.jst.go.jp/event/school/

■新規実験教室の開発・イベントの実施▶ワークショップ「テクノ手芸部と電気動物ワークショップ         ~電気を使っていろんな性格の動物をつくってみよう!」の実施フェルトや毛糸を使う手芸と、LEDや電池を組み合わせる電子工作、この2つを融合させた新しいものづくり「テクノ手芸」を実施しました。開催日: 2011年7月3日(日)協 力: テクノ手芸部参加者: 15名詳 細: http://www.miraikan.jst.go.jp/event/110228105399.html

▶夏休みイベント「刺されても痛くない!無痛針 vs 蚊 電子顕微鏡観察1本勝負」の実施蚊の口と痛みを感じない注射針を電子顕微鏡で観察・スケッチして比較し、身近な例から先端の科学技術まで理解を深める体験型のイベントを実施しました。開催日: 2011年10月8日(土)~10日(月・祝)(6回)協 力: 株式会社日立ハイテクノロジーズ参加者: 157名詳 細: http://www.miraikan.jst.go.jp/event/report/111010166609.html

▶実験教室「DNA鑑定~科学捜査で犯人を見つける」の開発架空の事件を解決するために参加者が科学捜査官となって、容疑者から犯人を推理し、SNP(一塩基多型)を調べてDNA鑑定が体験できる実験教室を開発・実施しました。開催日: 2011年11月23日(水・祝)より月に2~3回の頻度で開催監 修: 久保充明(理化学研究所 チームリーダー)協 力: ライフテクノロジーズジャパン株式会社対象年齢:小学4年生以上(友の会会員)詳 細: http://www.miraikan.jst.go.jp/event/school/

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日本科学未来館 2011年度の活動

Me+Sci(ミーサイニュース)

PLUS+DIARY(プラスダイアリー)

1. 科学を伝える メディア制作

科学コミュニケーターやスタッフが調査・収集した科学情報をメディアにのせて発信しています。

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■BLOG 未来館のひと科学コミュニケーターによる情報発信ツールのひとつとして、2011年6月にブログを開設しました。ブログならではの即時性を活かして、ノーベル賞については、発表前からリサーチと記事準備を行い、受賞発表の数十分後には研究内容の解説記事を掲載するなど、タイミングを重視した情報発信に努めています。【詳報】 2011年ノーベル物理学賞!宇宙は加速膨張している!(2011年10月4日、43,211PV)10分でわかるノーベル賞2011~生理学医学賞~(2011年10月3日、17,222PV)ニュートリノは光速を超える?(2011年9月25日、11,071PV)

■Twit ter公式アカウントの運用科学コミュニケーターの視点から見た科学トピック、注目の展示やイベント情報などを発信しています。 2011年度累積Tweet数:1,085、累積Follower数:10,398

■フリーペーパー「Me+Sci(ミーサイニュース)」の発行未来館の展示やイベント内容を告知するとともに、その背景にある科学知識や研究者の考え、また社会と文化との関わりなどを伝える定期刊行物を発行しています。 臨時号(14号) 6月1日の開館に向けて (2011年4月28日発行) 15号 新しいGeo-Cosmos、新しい地球観 (2011年7月1日発行) 16号 2050年の未来都市にようこそ! (2011年10月3日発行) 17号 空間情報科学で、シアワセになることができる? (2011年12月20日発行) 18号 世界が終るとき、あなたは何を思いますか? (2012年3月9日発行)

■ iPadアプリ「地球マテリアルブック デザイン×科学のダイアローグ」2010年度に実施されたイベント「デザイン×科学 地球マテリアル会議」の内容をもとに再編集したiPad用アプリを2011年7月に発行しました。地球マテリアル会議は、研究者とデザイナーの対話を通してこれからのマテリアルの使い方を考える複合的なイベントです。企画、制作:日本科学未来館、東京藝術大学美術学部 デザイン科価格:無料4月1日までのダウンロード数:66カ国21,890件(国内17,314件)

■PLUS+DIARY(プラスダイアリー)の発売未来館が企画制作を行った2012年4月始まりの手帳です。日常生活のなかで科学的に考えるきっかけを提案します。発売日:2012年3月1日(木)販売場所:日本科学未来館 1階 Miraikan Shop仕様:ハードカバーとソフトカバーの2種類、A5サイズ

2012 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan)

日本科学未来館 2011年度の活動

時間旅行展

‘おいしく、食べる’の科学展

1. 科学を伝える 巡回展示・大型映像配給

展示物の巡回などを通して、科学コミュニケーション活動を全国に普及・展開する取組みも行っています。2011年度の巡回・配給は次のとおりです。

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■巡回展示▶「時間旅行展」 4件 (74,007名) 福井県立こども歴史文化館(福井県)、板橋区立教育科学館(東京都)、いしかわ夢未来博2011(石川県)、こども科学センター・ハチラボ(東京都)

▶「お化け屋敷で科学する」 3件 (146,289名)名古屋市科学館(愛知県)、The Piier-2 art center(中国)、BEXCO(韓国)

▶「‘おいしく、食べる’の科学展」 1件 (121,972名)香港科学館(中国)

▶「みんなの情報ケンキュウジョ ~つながれじんるい、つながれちきゅう!~」  (低炭素社会と情報科学技術』) 3件 (178,364名)帯広市児童会館(北海道)、広島市こども文化科学館(広島県)、長岡市青少年文化センター(新潟県)

▶「フューチャー・パス ~きみは未来の新聞記者だ!~」(環境テクノロジー)  3件 (247,588名:佐世保と新潟のみの動員数)

佐世保市少年科学館(長崎県)、新潟県立自然科学館(新潟県)、埼玉県総合教育センター(埼玉県)

▶「きみのみらい・みらいのきみ― かこさとしと探しにいこう、絵本の中へ」 1件 (30,285名)いしかわ子ども交流センター(石川県)

▶「ドラえもんの科学みらい展」 6件 (166,540名)新潟県立自然科学館(新潟県)、ツインメッセ静岡(静岡県)、新梅田シティ(大阪府)、盛岡市民文化ホール(岩手県)、郡山市ふれあい科学館(福島県)、あすたむらんど徳島(徳島県)

▶「テオ・ヤンセン展」 1件 (141,800名)大分市美術館(大分県)

▶「メイキング・オブ・東京スカイツリー®」展 1件 (3,499名)北九州イノベーションギャラリー(福岡県)

▶「TOP OF THE TOP!-世界の頂点をめざす研究者30名」 3件 (5,793名)科学・技術フェスタ in 京都(京都府)、FIRSTサイエンスフォーラム2(仙台、東京)

■大型映像配給▶「宇宙エレベータ」重慶少年宮(中国)、東莞市科学技術博物(中国)

▶「夜はやさしい」千葉市科学館(千葉県)

▶「FURUSATO―宇宙からみた世界遺産―」千葉市科学館(千葉県)、大崎生涯学習センター(宮城県)

▶「ちきゅうをみつめて」八王子市こども科学館(東京都)、富士川楽座(静岡県)