16 - omura-shoboji.jp

7
新型コロナりむルスが䞖界䞭に広たり、䞖の䞭は䞀倉したした。これたで経隓したこずのないこずが起こり、人間は右埀巊埀、思い描く未来ぞの信頌がいかに脆かったか、「自然」によっお思い知らされたような期間を過ごしたしたね。でも実は疫病の流行ずいうのは、珟圚に始たったこずでいたはありたせん。昔から人間は疫病ず共に生きおきたずも蚀えたす。真宗䞭興の祖、蓮劂䞊人が生きちゅうこうられた時代にも疫病が日本䞭で流行り、たくさんの方が亡くなりたした。そんな珟状を憂いお読たれた「埡文」の䞀郚が、巊の文章です。詳しい内おふみ容は、埌蚘の「真宗入門」にお解説しおいたす。2 0 2 0 . 7 第16号 正法寺発行 疫癘によりおえきれいはじめお死するにはあらず暖かくなったので、 おそうじの日 再開しおいたす お寺で始める新しい習慣 templemorning 「食前・食埌のこずば」を知っおいたすか 詳现はペヌゞ目に玹介しおいたす これからの「おそうじの日」日皋 /26、 8/30、 9/27、 10/25、 11/29、 12/27 ※党お日曜日で9時から時間皋床です たくさんの方にご参加いただいおいたす。ありがずうございたす【食前のこずば】み光のもずわれ今幞いにこの浄き食をうくいただきたす【食埌のこずば】われ今この浄き食を終わりお心ゆたかに力身にみ぀ごちそうさたでした※疫癘(えきれい)・・・䌝染病のこず

Upload: others

Post on 16-Oct-2021

7 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 16 - omura-shoboji.jp

新型コロナりむルスが䞖界䞭に広たり、䞖の䞭

は䞀倉したした。これたで経隓したこずのないこ

ずが起こり、人間は右埀巊埀、思い描く未来ぞの

信頌がいかに脆かったか、「自然」によっお思い

知らされたような期間を過ごしたしたね。でも実

は疫病の流行ずいうのは、珟圚に始たったこずで

い

た

はありたせん。昔から人間は疫病ず共に生きおき

たずも蚀えたす。真宗䞭興の祖、蓮劂䞊人が生き

ちゅうこう

られた時代にも疫病が日本䞭で流行り、たくさん

の方が亡くなりたした。そんな珟状を憂いお読た

れた「埡文」の䞀郚が、巊の文章です。詳しい内

お

ふ

み

容は、埌蚘の「真宗入門」にお解説しおいたす。

2020.7

第16号正法寺発行

疫癘によりお

え

き

れ

いはじめお死するにはあらず

暖かくなったので、おそうじの日再開しおいたす

お寺で始める新しい習慣

templemorning

「食前・食埌のこずば」を知っおいたすか

詳现はペヌゞ目に玹介しおいたす

これからの「おそうじの日」日皋

/26、 8/30、 9/27、

10/25、 11/29、 12/27

※党お日曜日で9時から時間皋床です

たくさんの方に

ご参加いただいおいたす。

ありがずうございたす

【食前のこずば】

み光のもずわれ今幞いに

この浄き食をうく

いただきたす

【食埌のこずば】

われ今この浄き食を

終わりお

心ゆたかに力身にみ぀

ごちそうさたでした

※疫癘(えきれい)・・・䌝染病のこず

Page 2: 16 - omura-shoboji.jp

新しい孊びの時間、しんら

ん聖人ご呜日の぀どい「行い

がわたしを導く時間」がスタヌ

トしたした。新型コロナの圱

響で、4月は名の参加でし

たが、5月は13名参加があり、

盛況な䌚ずなりたした。今埌

も毎月28日の開催です。初め

おの方も、老若男女問わずご

参加いただけたらず思いたす

日 繋 テ ヌ マ

7月28日(火)仏具を磚いおみよう お食りを知る①

そろそろ仏具、磚きたせんか

9月28日(月)「芪鞞聖人」の絵を楜しもう」

アヌトを通しお聖人のご生涯を知ろう

10月28日(æ°Ž)念珠を䜜っおみよう

自分だけの念珠っおステキ

11月28日(土)花をいけおみよう お食りを知る②

お花をいけるちょっずしたコツ

12月5日(土)8日(火)

報恩講法芁に行こう

月はコロナりむ

ルスの圱響で参加

者は名。寺族の

名ず共に、本堂

ぞの入堂・退堂の

方法、ずいう基本

的なずころから孊

びたした。他にも、綺麗な合掌の仕

方・焌銙の䜜法・お経本の持ち方・

キンの打ち方や撥さばき・正座から

ばち

の立ち方なども実際に行いながら、

孊んでいきたした。来幎も同じ内容

を考えおいたす。

4月安心しお仏事にのぞもう

「䜜法を孊んでみよう」

報恩講以倖、13301530です。

基本的に、正法寺の本堂にお行いたす。

(参加費500円)

講座の土台になっおいる「報恩講」

の「恩に報いる」気持ちを身䜓で感

じおいく詊みずしお、「ありがずう

゜ング」感謝やおかげ様の心を感

じる曲を歌ったり、聎いたりしお

いたす。次のような曲です。皆さん

はどんな曲を思い浮かべたすか

〇涙そうそう倏川りみ

〇蚀葉にできない(

小田和正)

〇道化垫の゜ネット(

さだたさし)

〇さよならの向う偎(

山口癟恵)

〇ゞュピタヌ(

平原綟銙)

ありがずう゜ングも

歌っおいたす

これからの「行いがわたしを導く時間」

スケゞュヌル

Page 3: 16 - omura-shoboji.jp

①本堂の阿匥陀さんに぀

いお。真宗の寺院は、阿匥

陀劂来を䞭心にする堎所

ずいうこずを再確認した

した。

②倧村の歎史ず仏教

叀くから倧村には山村を

䞭心にたくさんのお寺が

あったこずを、地図や珟圚

の地名などず照らし合わ

せながら説明。その埌、倧

村玔忠がキリスト教に改

宗したこずで倧村党おの

寺院が無くなりたす。江

戞時代に再び寺院が建立

されおいたす。正法寺も

その䞀぀です。珟圚は街

道沿い䞭心にお寺がある

こずも確認したした。

③正法寺のすぐそばにあ

る公園が、か぀おお寺であっ

たこずを瀺す立お看板を

実際に歩いお行っお芋孊し

たした。

③正法寺に蚀い䌝わっお

残っおいる歎史資料を芋

たした。

5月正法寺の歎史を知ろう「䜏職による歎史講和」

郡地区にあった寺を確認

衚玙に曞いた「食前・食埌のこずば」に぀いお、

今幎2月2日、ご門埒の方の投皿が長厎新聞に

掲茉されたした。ずおも玠敵な文章だったので、

こちらにも転茉いたしたす。みなさんも、食前

食埌のこずばをゆっくりず蚀っおみたせんか

今幎、お寺の行事の䞖話圹であ

る「講頭」を受け持぀順番が11幎

ぶりに巡っおきた。茪番制で幎

亀代。倫が月12日の講頭初䌚、

そしお私が同26日の婊人郚(

掗心

䌚)

総䌚に出垭した。人ずも車

の運転をしなくなったので、タク

シヌや路線バスず埒歩で行ったた

め時間や経費はかかった。

わが家は、倫の䞡芪の䜍牌を頂

き仏間を䜜った折、倧村垂内の浄

土真宗のお寺(

正法寺)

のお䞖話に

なるこずになり、門埒に加わった。

11幎前の䌚の折、

資料に添えられお

いた「食前のこず

ば・食埌のこずば」

に吞い寄せられ、

食卓の壁に貌り、

よく称えお習慣化

した。幌かった孫

がわが家に遊びに

来たずき、うれしそうに私の顔を

芋おそれをたねた。その埌、い぀

の間にか玙も黄ばみ、自宅をリフォヌ

ムした際に剥がしおしたい、次第

に忘れられおいた。しかし、今幎

のお圹目が巡っおみたこずで再び

クロヌズアップ。倫婊人の食卓

は寂しくなったが、食前ず食埌の

称えにより食事ぞの感謝の気持ち

が湧き、圓たり前の食に䞀呌吞

を眮く倧切な䜜法ずなった。

浅田恵子(

坂口)

ずおも良い䌚でした。

正法寺䞭心に垃教がされ

た過去はすごいですね。

どのようにしたのか

知りたかった。

正法寺の歎史はずおも

興味深く、倧村のキリストず

仏教の流れも勉匷になった。

正法寺のすぐ偎「蟻田

公園」もか぀おはお寺でした。

蚭眮されおいる看板に

蚘されおいたす

Page 4: 16 - omura-shoboji.jp

もう䞀床、「南無阿匥陀仏」を

以前玹介した、土井善晎著「䞀汁䞀菜でよいずい

う提案」のこずを再び考えおいたす。そしお、この本

は誀解され易い本だず気づきたした。「䞀汁䞀菜で

よいずいう提案」ずいう名前だけ芋おしたうず、「粗

食のススメね」、ずだけ思われる可胜性もありたす。

勘違いされる原因に、䞀汁䞀菜ずいう蚀葉が「単

玔すぎる・明快すぎる」ずいうのがあるのではないか

ず思いたす。しかもこの本は、最初の方で結論から

曞かれおいたす。最も倧事で䌝えたいこずを、最初

に蚀われおいるのです。

倧事なこずを最初に蚀うこれ、どこかで聞いたこ

ずがありたす。芪鞞聖人の「正信偈」です。芪鞞聖

人が曞かれた「うた」であるずころの「正信偈」

その冒頭は、

ずいう文句で始たりたす。ラブレタヌだずするな

ら、いきなり「あなたが奜きです」ず結論から

曞くようなもので、この二行にはすべおが入っ

おいたす。この二行は「南無阿匥陀仏」ずいう

蚀葉ず同等だから、「ナムアミダブツ」でよい

ずいう提案でもあるでしょう。「それでいいの」

ずおそらく皆さんは疑われるでしょうずいうずこ

ろも人間の「疑」ずいう問題においお近いのです。ど

うしおも人間は疑いたす。「南無阿匥陀仏だけで

よい」なんおすぐには信じられないのが人間です。

土井先生の本に戻るず、「䞀汁䞀菜でよい」ずすぐ

には思えないのが人間です。いや、そうではないよ。

わたしの経隓ず、身䜓で受け取っおきた感芚でそれ

を蚌明できたす。ずいうのが土井先生です。先生は

「よいものは軜くおシンプル」ずいうこずをよく仰い

たす。だからこそ述べられる結論はいたっお明快な

のです。ただし、そのあずは深く広い䞖界が広がっお

いる本です。文章も論理的なものが続くので、䞀床

読むだけで盎ぐ党おは理解できたせん。

䞀方、たくさんの経兞を読み、そこからの解釈を

䌝えおくださった方が芪鞞聖人です。その真実を

「蚀葉」だけで理解しおいくのはなかなか困難なこ

ずです。でも、本圓はたず「南無阿匥陀仏」ず称え

おみるだけでいいのでしょう。たず自分が。䞀人で。

同じように「䞀汁䞀菜」を䜜っおみればいいのでしょ

う。たず自分が。䞀人で。でもできないのです。「疑

い」があるから・・・。

土井先生は蚀われたす。「今は䜕でも専門家で

なければその道のこずをやっおはいけない、話しおは

いけないようになっおいたす。」ず。専門家に感動し、

自分もやっおみよう、そこでの経隓を衚珟しおみよ

う、でよいのです。先生が著曞で䌝えおいるのは、身

䜓感芚を信じよ。ずいうこずだずも思いたす。だか

ら土井先生は四の五の蚀わずに家庭料理䜜りに培

しおきた「お母さん」ぞの信頌が深いのです。たず䜜っ

おみる。たず、念仏しおみる。そしお、そこから深

く広がっおいく䞖界の深さを、蚪ねおみたせんか

坊守の

仏ブツ寺日蚘

ぶ

぀

お寺で想う

いろんなこず

語りたす!!

「毎日、毎食、䞀汁䞀菜でやろうず決めおくだ

さい。考えるこずはいらないのです。省略「それ

でいいの」ずおそらく皆さんは疑われるでしょ

うが、それでいいのです。わたしたちは、ずっずこ

うした食事をしおきたのです。

「䞀汁䞀菜でよいずいう提案」より

「垰呜無量寿劂来

南無䞍可思議光」

きみょうむりょうじゅにょうらい

な

む

ふ

か

し

ぎ

こ

う

疑いの心

䌑校䞭に次男が味噌汁を

䜜っおくれたした

Page 5: 16 - omura-shoboji.jp

これも仏教甚語⁈

普段から䜿っおいる蚀葉には

仏教由来の蚀葉が実はたくさん

そんな蚀葉を玹介したす

今回の蚀葉は、

「ありがずう」

み぀けた

「ありがずう」普段なにげなく䜿っお

いる、お瀌の蚀葉。これも語源は「有

難し」ずいう仏教語である。出兞は

『法句経ほっくきょう』の、「ひ

ずの生をうくるはかたく、死すべきも

のの、生呜あるもありがたし」である、

ず蚀われおいる。人ず生たれた生呜の

驚きを教える教説である。だから「有

り難し」ずは、その仏説を聞き、人の

生呜の尊貎そんきさぞ目芚めた倧

いなる感動を、衚す蚀葉でもある。そ

れがい぀しか感謝の意に、転甚される

ようになったのである。先人のこのよ

うな宗教的心情を想う時、日本語の䞭

でも、特にすぐれた矎しい蚀葉である

ず思う。

延塚知道

倧谷倧孊教授

倧谷倧孊発行『孊苑䜙話』生掻の䞭の

仏教甚語より

新しい法務員が入りたした。

どうぞよろしくお願いいたしたす

門埒廟(玍骚堂)の「生もの」の

お䟛えを犁止ずいたしたす。

ご協力お願いいたしたす

門埒廟(

玍骚堂)

の

「生もの」のお䟛え

を、衛生䞊の理由か

ら今埌党お犁止ずい

たしたす。皆さんの

ご理解ずご協力をお

願いいたしたす。玍

骚堂においおも

「南無阿匥陀仏」

ずお念仏したしょう

北郚の方、お埅たせしたした

今回玹介するお店は、野岳にある

カレヌ屋さんです。日本人に倧人

気のカレヌですが、ご䞻人のお぀お

さんは高校の䜓育教垫をされおい

た頃から倧のカレヌ奜き。研究を

重ね、さらに野岳の豊かな食材や

氎を䜿っお自分が満足できる味に

仕䞊げたそうです。コロナ犍で匁

圓のみが続いおいるようなので、た

ずお問い合わせをお願したす。

(文責島田)

カレヌハりス・

シェお぀お〒856-0007

長厎県倧村垂草堎町−

☎0957-56-9855

はじめたしお、朚村秀賢ず申し

しゅうけん

たす。出身は、北海道掞爺湖町

のお寺出身です。倧孊時代は犏

岡の九州産業倧孊に行っおおり

たした。その埌、京郜の倧谷専

修孊院で幎間孊び、お坊さん

の資栌を取り、そちらの玹介で

正法寺さんで働くこずになりた

した。実践ずしおの真宗は初め

おなので、こ

れから皆さん

ず䞀緒に孊ん

でいけたらず

思っおいたす。

テむクアりトの

堎合はこんな感じです。

Page 6: 16 - omura-shoboji.jp

埡文を知っおいたすか

お

ふ

み

埡文ずは、前回の新聞でご玹介した、本

願寺第代目

蓮劂䞊人(

䞀四䞀五-

䞀四九

れ

ん

に

ょし

ょう

に

ん

九幎)

が、遠方の匟子やご門埒に、真宗の教

えの芁点を分かりやすい文章にしお送られ

たお手玙です。倚くのご門埒に枡った埡文

は、回し読みや、リヌダヌ栌のご門埒が読み

䞊げるこずでさらに広たり、真宗に察する

正しい信仰が広たるきっかけずなりたした。

真宗・入門

今回の正法寺新聞衚玙の蚀葉は、



疫癘(

えきれい)

の埡文

(

四垖目第九通)

からの匕甚です。

原文ず解釈を、芋おいきたしょう。

原

文

(

前半)

圓時このごろ、こずのほかに疫癘ずおひず

死去す。これさらに疫癘によりおはじめ

お死するにはあらず。生たれはじめしよ

りしおさだたれる定業なり。さのみふか

くおどろくたじきこずなり。しかれども、

いたの時分にあたりお死去するずきは、

さもありぬべきようにみなひずおもえり。

これたこずに道理ぞかし。

(

埌半)

このゆぞに阿匥陀劂来のおおせられ

けるようは、「末代の凡倫、眪業のわ

れらたらんもの、぀みはいかほどふか

くずも、われを䞀心にたのたん衆生を

ば、かならずすくうべし」ずおおせら

れたり。(

äž­ç•¥)ねおもさめおも、南無

阿匥陀仏、南無阿匥陀仏ずもうすは、

かようにやすくたすけたしたす、埡あ

りがたさ、埡うれしさを、もうす埡瀌

のこころなり。これをすなわち仏恩報

謝の念仏ずはもうすなり。

解説文

(

前半)

の郚分では、

蓮劂䞊人がご存呜の時(

䞀四九二

幎)

に、疫癘(

䌝染病)

で倚くの人が亡

くなりたした。ですが、「そもそも

私たちは生たれおは必ず死ぬ身であ

るからそんなに驚く必芁はない。」

ず蚀われおいたす。しかしながら死

別する悲しみは圓然であるずもおっ

しゃっおいたす。

(

埌半)

の郚分では、

そんな悲しみの䞭の私たちを阿匥

陀仏は必ず救うずおっしゃっおいた

す。それゆえただひたすらに阿匥陀

仏に察しお念仏(

返事)

したしょうず

お勧めくださいたす。そしお南無阿

匥陀仏ずは、有り難さ、嬉しさ、埡

瀌の蚀葉であり、仏恩報謝の念仏で

あるず瀺しおおられるのです。

(

文責朚村)

蓮劂䞊人

埡文ず箱

埡文は、挢字ずカタカナ

で曞かれおいたす

Page 7: 16 - omura-shoboji.jp

䜏職が語る『正信偈』第1回

前回から䟝釈段の韍暹章ず呌ばれる

りゅうじゅ

ずころに入っおいたす。韍暹菩薩ず呌

ばれるむンドの高僧のこずが語られる

段萜です。韍暹菩薩は、西暊䞀五〇

二五〇幎頃に掻躍された方ずいわれお

いたす。たくさんの著曞を残され、そ

の教孊は広く諞宗の基瀎ずなっおいる

こずから、八宗の祖垫ず讃えられおい

る人物です。八宗ずは特定の宗掟をあ

らわすものではなく、あらゆる仏教の

宗掟ずいうこずです。真宗でも浄土教

の教えを正しく埌䞖に䌝えお䞋さった

䞃人の高僧の第䞀祖ずしお尊ばれおい

たす。その韍暹菩薩の倚くの著䜜の䞭

で、芪鞞聖人が特に倧切にされたもの

が『十䜏毘婆沙論』ずいう曞物です。

じゅうじゅうびばしゃろん

難解な名の曞物だなずお思われるでしょ

うが、「十䜏」ずいうのは、菩薩の修

じゅうじゅう

行の段階を衚した蚀葉である「十地」

じゅうじ

の異蚳です。菩薩の修行の䜍は、党郚

で五十二段階があるのですが、その四

十䞀番目から五十番目の䜍を指したす。

もうちょっずで悟りをえるずころたで

たどり着いた状態です。たた「毘婆沙」

び

ば

し

ゃ

はノィバヌシャずいうむンドの蚀葉を

音写蚳したもの、぀たり発音を挢字で

圓おはめお翻蚳したもので、意味で蚳

するず「蚻釈・解説」ずいう蚀葉にな

りたす。ですから菩薩の十地の修行の

䜍段階に぀いお説かれた経兞であ

る『十地経』『華厳経』十地章の

け

ご

ん

泚釈曞ずいう意味の曞物です。

みなさんは䞍退転ずいう蚀葉をご存

じかず思いたす。絶察にあきらめない

ず心に誓うこずを䞍退転の決意などず

蚀いたすね。䞍退転ずはもずもず仏教

甚語で、必ず悟りに達するこずが決たっ

おいる状態、もう迷いの䞖界に埌戻り

しない段階たで進んだ状態ずいう意味

です。それが前回の最埌の方に出おき

た「歓喜地」ずいう四十䞀番目の菩薩

か

ん

ぎ

じ

の䜍です。その仏になるこずが定たっ

おいる䞍退転の䜍にいたる道に぀いお

「難行道」ず「易行道」ずいう二぀の

道があるず瀺しお䞋さっおいるのが

『十䜏毘婆沙論』ずいう曞物なのです。

そのこずを芪鞞聖人は『顕瀺難行陞路

けんじなんぎょうろくろく

è‹Š

信楜易行氎道楜』ずたたえおおら

し

ぎ

ょ

う

い

ど

う

し

ど

う

ら

く

れたす。珟代語蚳するず「悟りに至る

歩みに、陞路を歩むように蟛く険しい

道のりず、舟で氎路を行くように楜し

く快適な道のりの二぀の道があるこず

を韍暹菩薩は瀺しお䞋さった」ずいう

意味です。陞路を歩む険しい道のりで

ある難行道ずは、自らの努力を重ね、

厳しい修行の末にいく぀もの段階を経

お䞍退転の䜍にいたるあり方のこずで

す。私達が持っおいる仏道の修行のむ

メヌゞそのものですね。これに察し易

行道ずは、恭しく敬いの心をもっお阿

うやうや

うやた

匥陀仏の名号を称えるこずによっお䞍

退転の䜍にいたる道だず韍暹菩薩は仰っ

おいたす。

私達は有無の芋にずらわれ、あらゆ

う

む

けん

るものに執着しお生きる存圚です。芪

鞞聖人もたた二十幎間比叡山で修行を

重ねながらも、煩悩から離れられない

我が身であるずいうこずを自芚し、そ

の事に悩み苊しみ山を䞋りお法然䞊人

のもず念仏の教えに出遇われたす。煩

悩具足の凡倫である私が救われおいく

ぐ

そ

く

が

ん

ぶ

道がここにあったずいう深い感動のも

ず念仏の道を歩たれるのです。その時

のよろこびを噛みしめながら、私達の

歩むべき道を瀺しお䞋さっおいる蚀葉

が今回の段萜ではないでしょうか。

信楜易行氎道楜

しん

ぎょう

い

ぎょう

し

どう

らく

顕瀺難行陞路苊

けん

じ

なん

ぎょうろく

ろ

く