150929 教育評価論(三田)第1講
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教育評価論(第 1回)
学習評価の技法
文部科学省国立教育政策研究所
文部科学省
国立教育政策研究所
総括研究官やま山もり森
こう光よう陽
(教育心理学)[email protected]
平成 27年 9月 29日
この内容は個人的見解であり国立教育政策研究所の公式見解ではありません
学習評価の基礎
潜在変数を観察可能な行動で推定する
能力直接観察できない能力の発揮をともなう行動や表現をさせる
観察された行動や表現から能力の程度を推定する
Figure 1: 学習評価の手続き
教育評価論(第 1 回) 学習評価の基礎 平成 27 年 9 月 29 日 12 / 19
学習評価の基礎
正誤ではなく能力を推定する
能力●●なテスト項目に正答できる。
■■できるような能力が身についている。
●●なテスト項目に正答できることで推測される■■できるような能力が発揮されたため,
Figure 2: 能力推定の考え方
教育評価論(第 1 回) 学習評価の基礎 平成 27 年 9 月 29 日 13 / 19
学習評価の基礎
評価の機能
教室学校 校外
形成的評価 総括的評価
学習のための評価
Figure 3: 形成的評価と総括的評価の違い教育評価論(第 1 回) 学習評価の基礎 平成 27 年 9 月 29 日 14 / 19
学習評価の基礎
学習評価に関する用語評価の目的に関するもの
▶ 総括的評価▶ 形成的評価▶ 学習のための評価 (Assessment for Learning: AfL)
評価の参照枠に関するもの▶ 目標基準準拠評価(絶対評価)▶ 集団基準準拠評価(相対評価)
評価の確かさに関するもの▶ 妥当性▶ 信頼性教育評価論(第 1 回) 学習評価の基礎 平成 27 年 9 月 29 日 15 / 19
講義概要
この講義の目標とその背景背景
▶ 学習評価の方法を知らずに教員になっているという現状▶ 育成することが目指される資質能力の変化にともなうテスト以外の方法による学習評価実施の必要
▶ 情報通信技術の発達と育成することが目指される資質能力の変化にともなう新しい評価手法導入の兆候
目標▶ 筆記試験の項目を正しく作成し,評価対象者の能力の程度を出来るだけ妥当に推定して,評価出来るようになる。
▶ 評価結果を効果的にフィードバックし,学習のための評価が出来るようになる。
▶ 今後多用されるであろうコンピュータを用いた評価手法についても検討する。
教育評価論(第 1 回) 学習評価の基礎 平成 27 年 9 月 29 日 16 / 19
講義概要
当面の進め方項目応答評価(筆記試験)
▶ 能力を出来るだけ発揮させることができ,一定以上の能力を持つ受検者が必ず正答し,そうでないものが誤答するテスト項目はどのように作ればよいか。
▶ 能力の高い受検者ほど正答数が多く,低い受検者ほど正答数が少ないテスト冊子はどのように構成すればよいか。
▶ 目標基準準拠評価に適した能力の程度の記述が可能な項目応答評価はどのような工夫をすればよいか。
その後▶ 課題解決評価▶ コンピュータべーストテスティング▶ フィードバック教育評価論(第 1 回) 学習評価の基礎 平成 27 年 9 月 29 日 17 / 19
講義概要
当面の進め方
課題解決評価・CBT・フィードバック▶ 項目応答評価では把握できない能力にはどのようなものがあるか。
▶ 課題解決評価はどのように準備し,実施すればよいか。▶ コンピュータべーストテスティング研究の動向▶ 評価結果の戻し方が学習者に与える影響の程度はどの程度か。▶ 方法によって影響の大きさは異なるのか。
まとめ▶ 最終課題に取り組むことを通じた講義内容の立体的俯瞰的理解
教育評価論(第 1 回) 学習評価の基礎 平成 27 年 9 月 29 日 18 / 19