1 学年 専門分野Ⅱ 成人看護学概論 時間数 専任教員(看護師) 2学期 ·...

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独立行政法人国立病院機構金沢医療センター附属金沢看護学校授業計画(Syllabus分野 単位数 開講時期 専門分野Ⅱ 成人看護学概論 1 1 学年 2 学期 専任教員(看護師) 時間数 15 授業概要 成人期の特徴は、人のライフサイクルの中で身体的・精神的に安定し、社会・経済的に大 きな役割と責任を背負っている。本授業では、成人の位置づけおよび成人各期の特徴と発 達課題を理解する。成人特有の健康問題と健康生活を支える看護について学ぶ。 授業目標 1. 成人看護の概念と構成、成人看護学の特性について理解できる。 2. 成人期における保健・医療・福祉の動向と課題が理解できる。 3.成人看護における倫理と看護者の役割が理解できる。 4. 成人期にある人の健康レベルにおける枠組みが理解できる。 5. 成人看護に使用される理論・モデルが理解できる。 回数 授 業 内 容 担当者 1 2 3 4 5 67 8 1.成人看護学の対象論 1)生活者として 2)ライフサイクルにおける成長・発達を考慮して 3)健康レベルで対象を捉える 1.成人看護学の援助論 1)生活者への援助 2)ライフサイクルにおける成長発達への看護援助 3)健康レベルに応じた看護援助 1.成人保健の動向 2.ライフサイクルの中での成人の位置づけと意義 3.成人の発達段階 1.成人における健康障害の特徴 1)生活習慣 2)ストレス 3)感染 4)職業に関する健康障害 2.一次、二次、三次予防の現状と対応 1.成人看護にまつわる倫理と今日的問題 1. 成人看護に使用される理論・モデル (1) ストレス-コーピング (2) 危機理論 (3) 自己効力 (4) アンドラゴジー(成人教育学) (5) セルフケア論 (6) 生体侵襲理論 (7) 病みの軌跡 (8) アドヒアランス (9) エンパワーメント (10) 不確かさ 筆記試験 自己学習 成人看護に使用される理論の調べ学習 テキスト 成人看護学 成人看護学概論 (ヌーベル・ヒロカワ) 参考図書 国民衛生の動向 評価方法 筆記試験で評価 備考 実務経験 との関連 病院での看護経験に基づき、具体的な事例を用いて講義を行います。

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Page 1: 1 学年 専門分野Ⅱ 成人看護学概論 時間数 専任教員(看護師) 2学期 · 第1~4回 ・第8回 第5~6回 第7回 自己学習 テキスト 系統看護学講座

独立行政法人国立病院機構金沢医療センター附属金沢看護学校授業計画(Syllabus)

分野 授 業 科 目 名 単位数 開講時期 担 当 講 師

専門分野Ⅱ 成人看護学概論

1 1 学年

2 学期 専任教員(看護師) 時間数

15

授業概要

成人期の特徴は、人のライフサイクルの中で身体的・精神的に安定し、社会・経済的に大

きな役割と責任を背負っている。本授業では、成人の位置づけおよび成人各期の特徴と発

達課題を理解する。成人特有の健康問題と健康生活を支える看護について学ぶ。

授業目標

1. 成人看護の概念と構成、成人看護学の特性について理解できる。

2. 成人期における保健・医療・福祉の動向と課題が理解できる。

3.成人看護における倫理と看護者の役割が理解できる。

4. 成人期にある人の健康レベルにおける枠組みが理解できる。

5. 成人看護に使用される理論・モデルが理解できる。

回数 授 業 内 容 担当者

第 1 回

第 2 回

第 3 回

第 4 回

第 5 回

第 6・7回

第 8 回

1.成人看護学の対象論

1)生活者として

2)ライフサイクルにおける成長・発達を考慮して

3)健康レベルで対象を捉える

1.成人看護学の援助論

1)生活者への援助

2)ライフサイクルにおける成長発達への看護援助

3)健康レベルに応じた看護援助

1.成人保健の動向

2.ライフサイクルの中での成人の位置づけと意義

3.成人の発達段階

1.成人における健康障害の特徴

1)生活習慣 2)ストレス 3)感染 4)職業に関する健康障害

2.一次、二次、三次予防の現状と対応

1.成人看護にまつわる倫理と今日的問題

1. 成人看護に使用される理論・モデル

(1) ストレス-コーピング (2) 危機理論

(3) 自己効力 (4) アンドラゴジー(成人教育学)

(5) セルフケア論 (6) 生体侵襲理論

(7) 病みの軌跡 (8) アドヒアランス

(9) エンパワーメント (10) 不確かさ

筆記試験

自己学習 成人看護に使用される理論の調べ学習

テキスト 成人看護学 成人看護学概論 (ヌーベル・ヒロカワ)

参考図書 国民衛生の動向

評価方法 筆記試験等で評価

備考

実 務 経 験

との関連 病院での看護経験に基づき、具体的な事例を用いて講義を行います。

Page 2: 1 学年 専門分野Ⅱ 成人看護学概論 時間数 専任教員(看護師) 2学期 · 第1~4回 ・第8回 第5~6回 第7回 自己学習 テキスト 系統看護学講座

独立行政法人国立病院機構金沢医療センター附属金沢看護学校授業計画(Syllabus)

分野 授 業 科 目 名 単位数 開講時期 担 当 講 師

専門分野Ⅱ 成人健康維持論

1 2 学年

1 学期

専任教員(看護師)

非常勤講師(看護師) 時間数

15

授業概要

成人看護学の特性と成人期にある様々な健康レベルにおける看護援助の知識を活用し、各

健康レベルにある成人期にある人の健康の維持・増進に向けた看護ついて具体的に理解で

きるように教授する。

授業目標 1.成人にある様々な健康レベルに対応した看護を理解する。

回数 授 業 内 容 担当者

第 1~2 回

第 3 回

第 4 回

第 5~6 回

第7回

第 8 回

1. 急激な身体侵襲により急性期にある患者の看護

2. 慢性的な経過をたどる健康障害の患者の看護

3. リハビリテーションを必要とする患者の看護

4. 健康の再構築への支援を必要としている対象の看護

継続看護と健康教育

5.ターミナル期の援助を必要としている対象の看護

6. 試験 (45 分)

第 1~4 回

・第 8 回

第 5~6 回

第 7 回

自己学習

テキスト 系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学 「成人看護学概論」 ヌーベルヒロカワ

参考図書 適宜提示

評価方法 筆記試験(1~4回:55% 5~6 回:30% 7 回:15% )

備考 関連科目:健康論 健康障害援助論 成人看護学概論 成人援助論Ⅰ 成人援助論Ⅱ

成人援助論Ⅲ 成人援助論Ⅳ 健康教育論

Page 3: 1 学年 専門分野Ⅱ 成人看護学概論 時間数 専任教員(看護師) 2学期 · 第1~4回 ・第8回 第5~6回 第7回 自己学習 テキスト 系統看護学講座

独立行政法人国立病院機構金沢医療センター附属金沢看護学校授業計画(Syllabus)

分野 授 業 科 目 名 単位数 開講時期 担 当 講 師

専門分野Ⅱ 成人援助論Ⅰ

1 2 学年

1 学期

専任教員(看護師)

非常勤講師(看護師) 時間数

30

授業概要

成人期における各系統別の看護を学ぶ。

各々の機能障害と看護を学ぶために主要な疾患をもとに、生命・生活に及ぼす影響とそ

のケアを学ぶ。

授業目標 1. 呼吸、循環、身体防御機能障害がもたらす生命・生活への影響を理解する。

2. 機能障害を把握し、状態に応じた看護を理解する。

回数 授 業 内 容 担当者

第 1 回

~5 回

第 6 回

~10 回

第 11 回

~15 回

1. 呼吸器疾患をもつ患者の看護

1) 症状に対する看護

咳漱・喀痰・血痰・喀血・胸痛・呼吸困難・胸水

呼吸性アシドーシス、呼吸性アルカローシス、CO2 ナルコーシス

2) 検査を受ける患者の看護

血液ガス分析、気管支鏡検査 画像撮影

3) 治療・処置を受ける患者の看護

吸入・酸素療法、人工呼吸器療法、気管切開、胸腔ドレナージ(低圧持

続吸引)、手術療法 化学療法 放射線療法 呼吸リハビリテーション

4)疾患を持つ患者の看護

気管支喘息 慢性閉塞性肺疾患、肺癌、気胸、肺炎

※上記疾患の看護を通し呼吸器疾患の看護を学ぶ。特に「終末期患者の看護」

について肺癌の患者の看護で学びを深める。

2. 循環器疾患をもつ患者の看護

1)症状に対する看護

胸痛、動悸、呼吸困難、チアノーゼ、浮腫、失神、四肢の疼痛

ショック、心不全、不整脈、高血圧

2)検査を受ける患者の看護

心電図(12 誘導・ホルター心電図) 運動負荷試験、 冠動脈造影法

3)治療・処置を受ける患者の看護

ペースメーカー装着(体外式・植え込み) 経皮的冠動脈形成術 除細動

治療 ストリッピング術 薬物療法 弁置換術 冠状動脈バイパス術

血栓溶解療法

4)疾患を持つ患者の看護

心筋梗塞、心不全、狭心症、不整脈 大動脈解離、下肢静脈瘤、深部

静脈血栓症・肺血栓症

3.アレルギー、膠原病、感染症患者の看護・血液造血器疾患を持つ患者の

看護

1)症状に対する看護

アレルギー、アナフィラキシーショック 出血傾向、易感染 貧血

2)検査を受ける患者の看護 :骨髄穿刺、骨髄生検

3)治療処置を受ける患者の看護

第 1~5回

第 6~

10 回

第 11~

15 回

Page 4: 1 学年 専門分野Ⅱ 成人看護学概論 時間数 専任教員(看護師) 2学期 · 第1~4回 ・第8回 第5~6回 第7回 自己学習 テキスト 系統看護学講座

独立行政法人国立病院機構金沢医療センター附属金沢看護学校授業計画(Syllabus)

がん化学療法、放射線治療、造血幹細胞移植、輸血

4)疾患を持つ患者の看護

アトピー性皮膚炎、全身性エリテマトーデス、急性白血病、悪性リン

パ腫、播種性血管内凝固症候群、

※上記疾患の看護を通しアレルギー・膠原病・感染症・血液造血器疾患の看護

を学ぶ。特に、「化学療法、放射線治療を受ける患者の看護」、について急性

白血病・悪性リンパ腫の患者の看護で学びを深める。

4.学科試験

自己学習 症候治療論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、症候各論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲを復習してから臨んでください。

テキスト

系統看護学講座 循環器 成人看護学③

系統看護学講座 呼吸器 成人看護学②

系統看護学講座 アレルギー・膠原病・感染症 成人看護学⑪

系統看護学講座 血液・造血器 成人看護学④

参考図書

評価方法 筆記試験(1~5 回:35%、 6~10 回:35%、11~15 回:30%)

備考 関連科目:症候治療論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、症候各論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ、健康障害援助論、成人看護学

概論、成人健康維持論、成人援助論Ⅳ

Page 5: 1 学年 専門分野Ⅱ 成人看護学概論 時間数 専任教員(看護師) 2学期 · 第1~4回 ・第8回 第5~6回 第7回 自己学習 テキスト 系統看護学講座

独立行政法人国立病院機構金沢医療センター附属金沢看護学校授業計画(Syllabus)

分野 授 業 科 目 名 単位数 開講時期 担 当 講 師

専門分野Ⅱ 成人援助論Ⅱ

1 2 学年

1 学期

専任教員(看護師)

非常勤講師(看護師) 時間数

30

授業概要 成人期における対象への系統別の看護を学ぶ。

授業目標

1.消化・吸収、栄養代謝、内部環境調節機能障害がもたらす生命・生活への影響を理解

する。

2.機能障害を把握し、状態に応じた看護を理解する。

回数 授 業 内 容 担当者

第 1 回

第 2 回

第 3 回

第 4 回

第 5 回

第6~10回

1. 消化機能障害を持つ患者への看護

1)症状に対する看護

食欲不振、胸やけ、嚥下困難、腹痛、嘔吐、腹部膨満、吐血、下血、下痢、

排便困難 黄疸、高アンモニア血症・意識障害(肝性脳症)、腹水、歯痛、腫脹、

口腔出血、歯の欠損、開口障害、咀嚼・嚥下障害、言語・味覚障害

2)検査を受ける患者の看護

造影検査(上部消化管・胆嚢・下部消化管)、内視鏡検査(上部・下部消化管)、

肝生検、腹腔穿刺

3)治療・検査を受ける患者の看護

薬物治療(ステロイド・免疫抑制剤など)、化学療法、食事療法、手術療法(開

腹、内視鏡下)ストーマ造設術 経皮経胆管ドレナージ(PTGBD・PTCD)

4) 疾患をもつ患者の看護

・舌癌、胃食道逆流症(逆流性食道炎)、胃癌、胃・十二指腸潰瘍

・潰瘍性大腸炎 クローン病、イレウス(腸閉塞)大腸癌(結腸癌、直腸癌)

・胆石症 急性・慢性膵炎、膵癌

・肝硬変、食道静脈瘤

・急性腹膜炎、感染性腸炎

※上記疾患の看護を通して症状、検査・治療を受ける患者の看護、生活の支援としての

看護を学ぶ。また、胃切除術を受ける患者の看護を通して、周手術期の看護について学

習する。

2. 内部環境調節機能の障害を持つ患者の看護

1) 内分泌疾患、自律性調節機能障害

(1)症状に対する看護

肥満・るいそう、テタニー症状、高体温(発熱、鬱熱)低体温、代謝性アシ

ドーシス、代謝性アルカローシス 脱水

(2)疾患をもつ患者の看護

・内分泌疾患:クッシング症候群 尿崩症、バセドウ病、橋本病、アジソン病

・自律性調節機能障害:熱中症、悪性症候群、低体温症

※上記疾患の看護を通して症状、検査・治療を受ける患者の看護、生活の支援としての

看護を学ぶ。

2) 代謝疾患を持つ患者の看護

糖尿病(Ⅰ型、Ⅱ型)、糖尿病の合併症、脂質異常症、肥満症、痛風、るいそ

う、動脈硬化 低蛋白血症状 血糖検査(簡易血糖測定・一日血糖)

※上記疾患の看護を通して症状、検査・治療を受ける患者の看護、生活の支援としての

看護を学ぶ。糖尿病患者の看護を通して、慢性期で自己管理(生活調整)を要する患者の看

第 1 回

~5 回

第 6 回

~10 回

Page 6: 1 学年 専門分野Ⅱ 成人看護学概論 時間数 専任教員(看護師) 2学期 · 第1~4回 ・第8回 第5~6回 第7回 自己学習 テキスト 系統看護学講座

独立行政法人国立病院機構金沢医療センター附属金沢看護学校授業計画(Syllabus)

第 11

~14 回

第 15 回

護について学びを深める。

3)腎・泌尿器疾患を持つ患者の看護

(1)症状に対する看護

浮腫、高血圧、排尿障害(頻尿、残尿、尿閉)、尿失禁、尿の性状異常

(2)検査を受ける患者の看護

尿検査、内視鏡検査、画像検査、生検(腎・膀胱組織)尿流動態検査

(3)治療を受ける患者の看護

内科的治療・・薬物療法(ステロイド療法、降圧薬)、食事療法

透析治療・・・血液透析、腹膜透析

泌尿器科的治療・・カテーテル治療

手術療法(膀胱全摘術、尿路変更術、前立腺全的術)、腎移植

(4) 疾患をもつ患者の看護

急性・慢性腎不全、腎細胞癌、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、腎硬化症、

炎症性疾患(腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎)、膀胱癌、前立腺癌

※上記疾患の看護を通して症状、検査・治療を受ける患者の看護、生活の支援としての

看護を学ぶ。

学科試験・まとめ

第 11 回

~14 回

自己学習 症候治療論Ⅰ・Ⅱ、症候各論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲを復習して授業に臨んでください。

テキスト

系統看護学講座 消化器⑤ 成人看護学

系統看護学講座 内分泌・代謝⑥ 成人看護学

系統看護学講座 腎・泌尿器⑧ 成人看護学

参考図書

評価方法 筆記試験(消化器:35%、内部環境調整:35%、腎泌尿器:30%)

備考 関連科目:症候治療論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、症候各論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ、健康障害援助論、成人看護学概

論、成人健康維持論、成人援助論Ⅳ

Page 7: 1 学年 専門分野Ⅱ 成人看護学概論 時間数 専任教員(看護師) 2学期 · 第1~4回 ・第8回 第5~6回 第7回 自己学習 テキスト 系統看護学講座

独立行政法人国立病院機構金沢医療センター附属金沢看護学校授業計画(Syllabus)

分野 授 業 科 目 名 単位数 開講時期 担 当 講 師

専門分野Ⅱ 成人援助論Ⅲ

1 2 学年

1 学期 非常勤講師(看護師) 時間数

30

授業概要 成人期における対象への系統別の看護を学ぶ。

授業目標 1.脳神経、感覚器、運動、性・生殖障害がもたらす生命・生活への影響を理解する。

2.機能障害を把握し、状態に応じた看護を理解する。

回数 授 業 内 容 担当者

第 1 回

第 2 回

第 3 回

第 4 回

第 5 回

第 6 回

第 7 回

第 8 回

第 9 回

第 10 回

第 11 回

1. 脳・神経疾患を持つ患者の看護

1)症状・障害を持つ患者の看護

意識障害、運動失調、不随意運動、言語障害、排尿障害、運動麻痺

筋弛緩、低緊張 けいれん、頭蓋内圧亢進症状、摂食・嚥下障害、認知症

2)検査を受ける患者の看護:脳波、腰椎穿刺、脳血管造影、

3)治療・処置を受ける患者の看護:開頭術、ドレナージ、内科的治療(薬物療法)

4)疾患を持つ患者の看護

脳血管障害(くも膜下出血、脳梗塞)脳腫瘍、頭部外傷(慢性硬膜下血腫) 髄膜炎 水

頭症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、パーキンソン病、脊髄小脳変性

症 (変性疾患については、政策医療看護論でも講義)

※上記疾患の看護を通して、脳・神経疾患の特徴的症状・障害、検査・治療の看護を学ぶ

※脳血管障害の患者の看護では、生活の再構築が必要な患者の看護を学び、退院支援の具

体についてもつなげて学習

2.感覚機能障害を持つ患者の看護

<耳鼻咽喉>

1)症状に対する看護

耳痛・耳漏、耳鳴、眩暈、鼻閉・鼻漏、鼻出血、咽頭痛

2)治療・検査を受ける患者の看護:聴力・平衡感覚検査、内視鏡検査

3)疾患を持つ患者の看護

難聴、中耳炎、内耳炎、顔面神経麻痺、メニエール病、鼻アレルギー、

慢性副鼻腔炎、咽頭・扁桃・喉頭疾患(咽頭・扁桃・喉頭炎、がん、扁桃肥大)

<眼>

1)症状に対する看護

視力障害、視野障害、眼痛、夜盲、複視、視神経異常

2)検査を受ける患者の看護:視力検査、眼底検査、眼圧検査、視野検査

3)治療・検査を受ける患者の看護:点眼、眼軟膏、光凝固(レーザー治療)

4)疾患を持つ患者の看護

白内障、緑内障、網膜剥離、角膜移植

<皮膚>

1)症状に対する看護:掻痒感、疼痛、鱗屑・落屑、分泌物、体温調節異常

2)検査を受ける患者の看護:アレルギー検査、光線過敏性検査

3)治療・検査を受ける患者の看護:内服療法、外用療法、光線療法、レーザー療法

4)疾患を持つ患者の看護

アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、熱傷、悪性黒色腫、皮膚癌、帯状疱疹

3.運動器疾患を持つ患者の看護

1)症状に対する看護

神経麻痺(障害)、循環障害、フォルクマン拘縮、疼痛、出血、感染、起座困難、脱臼

体位変換困難、歩行困難, 把持困難、網羅性の低下、廃用性変化

第 1 回~

5 回

第 6 回

第 7 回

第 8 回

第 9 回

~12 回

Page 8: 1 学年 専門分野Ⅱ 成人看護学概論 時間数 専任教員(看護師) 2学期 · 第1~4回 ・第8回 第5~6回 第7回 自己学習 テキスト 系統看護学講座

独立行政法人国立病院機構金沢医療センター附属金沢看護学校授業計画(Syllabus)

第 12 回

第 13 回

第 14 回

第 15 回

第 16 回

2)検査を受ける患者の看護

3)治療・検査を受ける患者の看護

保存療法-ギプス固定、副子固定、牽引療法

手術療法-人工股関節置換術、人工骨頭置換術 (深部静脈血栓症予防)

4)疾患を持つ患者の看護

関節リウマチ、腰椎椎間板ヘルニア、脊髄損傷、骨腫瘍、腰痛、重症筋無力症、

大腿骨頸部骨折

*運動障害を持つ患者の看護を通して、リハビリテーション看護について学びを深める。

4.生殖器疾患を持つ患者の看護

1)症状に対する看護

ショック、性器出血、帯下・掻痒感、疼痛、リンパ浮腫、下腹部膨満、腫瘤感

男性に現れる症状-性欲の減退、勃起障害、射精障害、早漏・遅漏、不妊症

女性に現れる症状-性交痛、帯下異常、性器出血、下腹部痛、過多・過長月経

月経異常、月経随伴症状

2)検査を受ける患者の看護:外診・内診時の看護

3)治療・検査を受ける患者の看護:乳房の手術

4)疾患を持つ患者の看護

子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣腫瘍(のう腫、がん)性感染症、膣炎、子宮癌(頸がん、

体部がん)、乳癌、乳腺炎 、不妊症、不育症

5.学科試験

第 13 回

~15 回

自己学習 症候治療論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、症候各論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴを復習して授業に臨んでください。

テキスト

系統看護学講座 脳・神経⑦ 成人看護学

系統看護学講座 眼⑬ 皮膚⑫ 歯・口腔⑮ 成人看護学

系統看護学講座 女性生殖器⑨ 腎・泌尿器⑧ 成人看護学

系統看護学講座 耳鼻咽喉⑭ 運動器⑩ 成人看護学

参考図書

評価方法 筆記試験(脳神経機能:30%、感覚機能:各 10%、運動器疾患看護:20%、生殖器疾患看護:20%)

備考 関連科目:症候治療論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、症候各論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ、健康障害援助論、成人看護

学概論、成人健康維持論、成人援助論Ⅳ

Page 9: 1 学年 専門分野Ⅱ 成人看護学概論 時間数 専任教員(看護師) 2学期 · 第1~4回 ・第8回 第5~6回 第7回 自己学習 テキスト 系統看護学講座

独立行政法人国立病院機構金沢医療センター附属金沢看護学校授業計画(Syllabus)

分野 授 業 科 目 名 単位数 開講時期 担 当 講 師

専門分野Ⅱ 成人援助論Ⅳ

1 2 学年

2 学期 専任教員(看護師) 時間数

30

授業概要

ペーパーペイシェントを用い、成人期で健康障害のある対象に必要な支援を判断する。

健康障害の段階を急性期、回復期、慢性期、終末期に区分し、各期の特徴を踏まえ、成人

期にある対象の身体的・精神的・社会的・霊的な側面から必要な支援を看護過程の思考に

基づいて判断する。対象理解や支援の方法を理解するために看護理論を活用する。

授業目標

1.対象の成人期の身体的・精神的・社会的特徴を捉える。

2.健康障害を抱える成人期にある対象の生活上の問題を捉える。

3.対象の健康の回復、望む生活を営むために必要な支援を考える。

回数 授 業 内 容 担当者

第 1~4

第 5~

9 回

第 10 回~

12 回

第 13~

15 回

1.慢性期看護の展開

糖尿病または脳梗塞の健康障害のある対象の事例を用いて、慢性期看護

の特徴を捉え、看護過程の思考に基づいて判断し、対象理解や支援を考

える

2.急性期・回復期看護の展開

胃がんまたは大腸がんの健康障害のある対象の周手術期の事例を用い

て、急性期看護の特徴を捉え、看護過程の思考に基づいて判断し、対象

理解や支援を考える。

3.終末期看護の展開

肺がんまたは肝がんの健康障害のある対象の事例を用いて、終末期看護

の特徴を捉え、看護過程の思考に基づいて判断し、対象理解や支援を考

える

4. 看護計画の実際

看護場面の演習:計画立案の一部を実施する

第 1~4 回

第 5~9 回

第 10 回

~12 回

第 13 回

~15 回

自己学習 健康障害援助論で学んだ、各期における特徴と成人期の特徴を自己学習しておくこと

テキスト

成人看護学「成人看護学概論」 ヌーベルヒロカワ

系統看護学講座 専門看護 基礎看護学 「臨床看護総論」 医学書院

系統看護学講座 別巻 「臨床外科看護総論」 医学書院

系統看護学講座 別巻 「臨床外科看護各論」 医学書院

系統看護学講座 消化器 内分泌 代謝、脳・神経、呼吸器、医学書院

病気がみえる 代謝・内分泌 メディクメディア 医学書院

参考図書 必要時、示す。

評価方法 レポート、課題等(吉田:50%、横山:50%)

備考 講義及び個人ワーク、グループワークを行う。

実 務 経 験

との関連 病院での看護経験に基づき、具体的な事例を用いて講義を行います。

Page 10: 1 学年 専門分野Ⅱ 成人看護学概論 時間数 専任教員(看護師) 2学期 · 第1~4回 ・第8回 第5~6回 第7回 自己学習 テキスト 系統看護学講座

独立行政法人国立病院機構金沢医療センター附属金沢看護学校授業計画(Syllabus)

分野 授 業 科 目 名 単位数 開講時期 担 当 講 師

専門分野Ⅱ 成人看護学実習Ⅰ

2

3 学年 専任教員(看護師) 時間数

90

授業概要 急性期にある対象の特徴を理解し、生命維持と苦痛緩和にむけての看護を学ぶ。

授 業 内 容

1.急激な健康障害を発症した成人期にある対象の身体的・精神的・社会的

状況を把握する。

2.急性期にある対象が治療・検査によって受けている影響を把握する。

3.急性期にある対象の苦痛緩和や回復促進に必要な支援を判断する。

4.急性期にある対象の社会生活への復帰に向け、対象の変化に対応した日

常生活の支援を実践する。

5.急性期にある 対象の家族への支援を理解する。

自己学習 実習要項参照

参考図書 実習要項参照

評価方法 成人看護学実習Ⅰ 実習評価表に準ずる

備考

Page 11: 1 学年 専門分野Ⅱ 成人看護学概論 時間数 専任教員(看護師) 2学期 · 第1~4回 ・第8回 第5~6回 第7回 自己学習 テキスト 系統看護学講座

独立行政法人国立病院機構金沢医療センター附属金沢看護学校授業計画(Syllabus)

分野 授 業 科 目 名 単位数 開講時期 担 当 講 師

専門分野

Ⅱ 成人看護学実習Ⅱ

2

3 学年 専任教員(看護師) 時間数

90

授業概要 慢性期にある対象の特徴を理解し、自己管理に向けての看護を学ぶ。

授 業 内 容

1. 成人期にある対象の発達段階の特徴を捉える。

2. 生涯、自己管理を必要としながら生活する対象の支援を判断する。

3. 対象の障害の受容段階を理解し、自己管理するための支援を実施する。

4. 自己管理が継続できるようにチーム及び医療機関と連携していることが

わかる。

自己学習 実習要項参照

参考図書 実習要項参照

評価方法 実習要項参照

備考

Page 12: 1 学年 専門分野Ⅱ 成人看護学概論 時間数 専任教員(看護師) 2学期 · 第1~4回 ・第8回 第5~6回 第7回 自己学習 テキスト 系統看護学講座

独立行政法人国立病院機構金沢医療センター附属金沢看護学校授業計画(Syllabus)

分野 授 業 科 目 名 単位数 開講時期 担 当 講 師

基礎分野Ⅱ 成人看護学実習Ⅲ

2

3 学年 専任教員(看護師) 時間数

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授業概要 終末期にある対象を全人的に理解し、最期の時までその人らしく生きることを支える

看護を学ぶ。

授 業 内 容

1.人生の最期を過ごす対象の特徴を全人的に捉える。

2.4 つの側面(身体的・精神的・社会的・スピリチュアル)が複雑に絡み

合う全人的苦痛を捉える。

3.対象のQOLを高める支援をする。

4.人生の最期を過ごす対象といる家族に対する支援を考える。

5.対象とその家族を支える医療チームの連携・協働を理解する。

6.対象への看護実践を通して自己の生死観を考える。

自己学習

健康障害援助論の終末期看護を復習して、実習に臨んでください。

患者様の苦痛を緩和するための看護技術についても学習してください。

患者様を理解するために自己学習した内容は実習ファイルにはさんでいって下さい。

参考図書 実習要項参照

評価方法 実習要項参照

備考