03 教育方略・実施
Post on 12-Apr-2017
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教育方略
大西弘高医学教育国際研究センター
カリキュラム開発モデル6段階アプローチ( Kern
ら. 1998 )
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1. 問題の明確化と一般的ニーズ評価
2. 対象学習者のニーズ評価
3.一般目標と個別目標
4. 教育方略
5.カリキュラムの実施
6. 評価とフィードバック
4. 教育方略 (Educational strategy) 方略=内容 × 方法 内容:伝えたいこと 方法:どう伝えるか
学習方法と記憶保持
記憶に残る率
National Training Laboratories, Bethel, Maine, USA
5%10%20%30%50%75%80%
講義読み物AV 教材
実演で示すグループ・ディスカッ
ション実践的経験
誰かに教える
能動的学習
受動的学習
経験の円錐
5
(Dale: Audio visual methods in teaching)視聴覚教育の研究から視聴覚経験の重要性を指摘した
言語的表徴
読み物 (reading) 利点
低コスト 広い情報をカバー 準備時間は少ない
欠点 受動学習 学習者の動機づけが高くないと続かない
講義 利点
低コスト 学習者 - 教育者比が高い 複雑な話題も系統的に示せる
欠点 受動学習 教育者中心 質は講師や視聴覚教材に依存
ディスカッション 利点
能動学習 獲得した知識の応用が可能 高次認知領域,情意領域にも対応可能
欠点 学習者に知識や経験の基盤が必要 グループやファシリテーターに依存
調べ物学習 ( 学習プロジェクト ) 利点
能動学習 自己主導型学習の促進 高次認知領域に対応可能
欠点 学習者に動機づけが必要 情報源へのアクセスやその技能が必要 チューターが必要
ロールモデル 利点
教員が利用可能 潜在的に深い影響力を持つ
欠点 効果的なロールモデルは少ない 介入結果が見えにくい 要因が多くてアウトカムの評価が困難
実演 利点
百聞は一見にしかず 欠点
受動学習 教育者中心 質は講師や視聴覚教材に依存
シミュレーター 利点
技能練習が安全を確保した形で可能 学習者が自分のペースで利用できる
欠点 一部の内容にしか適用できない コストが高い場合もある
ロールプレイ 利点
実際の業務内容を模擬的に実施 多領域の / 統合的な教育目標に対応可能 低コスト
欠点 ファシリテーターに依存し,多数必要 基盤となる知識や経験・スキルが必要
模擬患者 (simulated patients) 利点
ロールプレイよりもリアル 技法練習が安全に実施可能 学習者にフィードバック可能
欠点 高コスト 育成やトレーニングに専門家が必要
グループ学習 利点
能動学習 複数科目にわたって統合が可能 学習者間の協働やチームワークを促進
欠点 グループファシリテーションの技法が必要 教員ファシリテーターが必要 成否の一部はグループメンバーに依存
録音や録画による復習 利点
パフォーマンスに対しフィードバック可能 自己観察の機会を提供
欠点 患者の許可が必要 教員ファシリテーターが必要録音 録画,再生には時間がかかる・録音 録画により自然な対応が困難なこと・
も
臨床経験 利点
現場を利用する 学習者の責任感・動機づけが高まる様々な学習の促進
欠点 教員の監督 ファシリテーションが必要・ 学習者に基盤知識 能力が必要・振り返り フォローアップが必要・症例群をモニターする必要
PBL 利点
小グループ学習,事例に基づいた学習,自己主導型学習が一度に実施可能
現実の文脈によって動機づけしやすい 欠点
自己主導型学習が不十分だと効率低下 教員が多数必要 よいシナリオの作成が大変
タキソノミーと推奨される教育方法
タキソノミー
推奨される教育方法
知識 読み物,講義
問題解決 問題解決演習,症例演習
態度 ロールモデル,ロールプレイと討論
技能 現場やシミュレーションでの経験,経験内容の録音や録画を用いた振り返り
行動 現場での経験
講義は使わないべきか? 学生 - 教員比が高いため,使わない施設はない
講義が下手な教員は,技法を磨くべき 学生に授業を評価してもらい,技法が十分か,改善したかを継続的に確認
講義技法評価項目
• 教育目標の提示,全体の流れ,用語の明確化,終了時の要約,タイムマネジメント全体構成
• 明確な話し方,話すスピード,間の取り方,視線の投げ掛け方,身振り手振り
プレゼンテーションスタイル
• ハンドアウトの質や量,例の用い方,評価の利用,臨床との関連性の明示教育技法
• 適切な視聴覚教材の選択,スライドの情報量, スライドの見やすさ,アニメや動画の適切利用視聴覚利用
• 質問の適切な利用,ハンドアウトへの書き込みの促進,グループ討論の促進能動学習促進
Albert Bandura社会学習理論 (Bobo Doll 実験 )
コメント Bobo Doll 実験
観察学習は影響が大きい年長者,先輩,憧れなどによって,影響はさらに大きくなる
動画メッセージ・ストーリーが伝わりやすい長すぎると単なる受動学習著作権の問題に注意
小さな工夫 アイスブレーク
心の氷を溶かしてから,変化させ,再氷結 部屋の状況,人数,内容との関係で,様々
な工夫がなされてきた
実施( implementation )
大西弘高医学教育国際研究センター
カリキュラム開発モデル6段階アプローチ( Kern
ら. 1998 )
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1. 問題の明確化と一般的ニーズ評価
2. 対象学習者のニーズ評価
3.一般目標と個別目標
4. 教育方略
5.カリキュラムの実施
6. 評価とフィードバック
5. カリキュラムの実施
教育資源
政治的配慮
管理
カリキュラムの導入
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教育資源 資源の同定:実施前に確認が必要!
人的 時間 施設や設備資金:上記が不足しているときの対応
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人的資源 指導者
協力を求める,新たに雇用する 育てる
サポートスタッフ 患者
臨床教育のリソースとして
時間 計画,承認プロセス
Step 1~ 6 を考慮し,上層部の承認を得る
シラバス・教材・指導者用マニュアル計画通りに教育ができるように準備する
評価 準備,実施,採点,合否の決定等
施設や設備 部屋
講義,実習,その他の活動 実習機器
シミュレーター,実験機器や器具 AV装置
コンピュータ,プロジェクタ,電灯 on-offマイク,アンプ
直前に慌てないようにリハーサルしておく
政治的配慮 サポートが得られ、障壁が生まれない
ような準備を行う(いわゆる根回し) 内的
学部長,病院や各部門の上層部 シニアな教員 学生代表
外的出資母体や政府,関連施設
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管理 それぞれのプログラムによって様々
部屋のマネジメント スケジュール作成 教材や資料の準備履修や評価のデータとりまとめ関係の指導者との連絡 …
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カリキュラムの導入 パイロット
一部学生に一回やってみる 導入中
全学生がカリキュラムを受けるが,まだ公式に認められているわけではない状態
完全導入 シラバスが提供され,内容と評価が関連づけられ
ている.合否判定などにも関係する
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例 ) 地域医療学実習 少子高齢化社会において,ニーズが高い 文部科学省も GP等で推進している 時限で在宅医療学拠点の資金が付いている 乗り気でない教員もいたが,上記の状況等を踏まえ, 2013年秋から 5~6年次に導入
最初は半数の学生が実習を行ったが,場所が遠い,交通費がかかる,一部実習場所からはあまり受容されないなどの反応があった
・・・
グループ討論のテーマ 何らかのテーマで、 1日 6 時間の
workshop を開催します 一般目標と個別目標を簡単に挙げてください workshop のプログラムを作ってください
個別目標と方略の関係を考えること 実施段階の課題を挙げて下さい
予算案、施設や設備、前もっての相談の必要性等