03 教育方略・実施

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Health & Medicine


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Page 1: 03 教育方略・実施

教育方略

大西弘高医学教育国際研究センター

Page 2: 03 教育方略・実施

カリキュラム開発モデル6段階アプローチ( Kern

ら. 1998 )

1. 問題の明確化と一般的ニーズ評価

2. 対象学習者のニーズ評価

3.一般目標と個別目標

4. 教育方略

5.カリキュラムの実施

6. 評価とフィードバック

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4. 教育方略 (Educational strategy) 方略=内容 × 方法 内容:伝えたいこと 方法:どう伝えるか

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学習方法と記憶保持

記憶に残る率

National Training Laboratories, Bethel, Maine, USA

5%10%20%30%50%75%80%

講義読み物AV 教材

実演で示すグループ・ディスカッ

ション実践的経験

誰かに教える

能動的学習

受動的学習

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経験の円錐

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(Dale: Audio visual methods in teaching)視聴覚教育の研究から視聴覚経験の重要性を指摘した

言語的表徴

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読み物 (reading) 利点

低コスト 広い情報をカバー 準備時間は少ない

欠点 受動学習 学習者の動機づけが高くないと続かない

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講義 利点

低コスト 学習者 - 教育者比が高い 複雑な話題も系統的に示せる

欠点 受動学習 教育者中心 質は講師や視聴覚教材に依存

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ディスカッション 利点

能動学習 獲得した知識の応用が可能 高次認知領域,情意領域にも対応可能

欠点 学習者に知識や経験の基盤が必要 グループやファシリテーターに依存

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調べ物学習 ( 学習プロジェクト ) 利点

能動学習 自己主導型学習の促進 高次認知領域に対応可能

欠点 学習者に動機づけが必要 情報源へのアクセスやその技能が必要 チューターが必要

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ロールモデル 利点

教員が利用可能 潜在的に深い影響力を持つ

欠点 効果的なロールモデルは少ない 介入結果が見えにくい 要因が多くてアウトカムの評価が困難

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実演 利点

百聞は一見にしかず 欠点

受動学習 教育者中心 質は講師や視聴覚教材に依存

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シミュレーター 利点

技能練習が安全を確保した形で可能 学習者が自分のペースで利用できる

欠点 一部の内容にしか適用できない コストが高い場合もある

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ロールプレイ 利点

実際の業務内容を模擬的に実施 多領域の / 統合的な教育目標に対応可能 低コスト

欠点 ファシリテーターに依存し,多数必要 基盤となる知識や経験・スキルが必要

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模擬患者 (simulated patients) 利点

ロールプレイよりもリアル 技法練習が安全に実施可能 学習者にフィードバック可能

欠点 高コスト 育成やトレーニングに専門家が必要

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グループ学習 利点

能動学習 複数科目にわたって統合が可能 学習者間の協働やチームワークを促進

欠点 グループファシリテーションの技法が必要 教員ファシリテーターが必要 成否の一部はグループメンバーに依存

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録音や録画による復習 利点

パフォーマンスに対しフィードバック可能 自己観察の機会を提供

欠点 患者の許可が必要 教員ファシリテーターが必要録音 録画,再生には時間がかかる・録音 録画により自然な対応が困難なこと・

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臨床経験 利点

現場を利用する 学習者の責任感・動機づけが高まる様々な学習の促進

欠点 教員の監督 ファシリテーションが必要・ 学習者に基盤知識 能力が必要・振り返り フォローアップが必要・症例群をモニターする必要

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PBL 利点

小グループ学習,事例に基づいた学習,自己主導型学習が一度に実施可能

現実の文脈によって動機づけしやすい 欠点

自己主導型学習が不十分だと効率低下 教員が多数必要 よいシナリオの作成が大変

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タキソノミーと推奨される教育方法

タキソノミー

推奨される教育方法

知識 読み物,講義

問題解決 問題解決演習,症例演習

態度 ロールモデル,ロールプレイと討論

技能 現場やシミュレーションでの経験,経験内容の録音や録画を用いた振り返り

行動 現場での経験

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講義は使わないべきか? 学生 - 教員比が高いため,使わない施設はない

講義が下手な教員は,技法を磨くべき 学生に授業を評価してもらい,技法が十分か,改善したかを継続的に確認

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講義技法評価項目

• 教育目標の提示,全体の流れ,用語の明確化,終了時の要約,タイムマネジメント全体構成

• 明確な話し方,話すスピード,間の取り方,視線の投げ掛け方,身振り手振り

プレゼンテーションスタイル

• ハンドアウトの質や量,例の用い方,評価の利用,臨床との関連性の明示教育技法

• 適切な視聴覚教材の選択,スライドの情報量, スライドの見やすさ,アニメや動画の適切利用視聴覚利用

• 質問の適切な利用,ハンドアウトへの書き込みの促進,グループ討論の促進能動学習促進

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Albert Bandura社会学習理論 (Bobo Doll 実験 )

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コメント Bobo Doll 実験

観察学習は影響が大きい年長者,先輩,憧れなどによって,影響はさらに大きくなる

動画メッセージ・ストーリーが伝わりやすい長すぎると単なる受動学習著作権の問題に注意

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小さな工夫 アイスブレーク

心の氷を溶かしてから,変化させ,再氷結 部屋の状況,人数,内容との関係で,様々

な工夫がなされてきた

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実施( implementation )

大西弘高医学教育国際研究センター

Page 26: 03 教育方略・実施

カリキュラム開発モデル6段階アプローチ( Kern

ら. 1998 )

1. 問題の明確化と一般的ニーズ評価

2. 対象学習者のニーズ評価

3.一般目標と個別目標

4. 教育方略

5.カリキュラムの実施

6. 評価とフィードバック

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5. カリキュラムの実施

教育資源

政治的配慮

管理

カリキュラムの導入

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教育資源 資源の同定:実施前に確認が必要!

人的 時間 施設や設備資金:上記が不足しているときの対応

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人的資源 指導者

協力を求める,新たに雇用する 育てる

サポートスタッフ 患者

臨床教育のリソースとして

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時間 計画,承認プロセス

Step 1~ 6 を考慮し,上層部の承認を得る

シラバス・教材・指導者用マニュアル計画通りに教育ができるように準備する

評価 準備,実施,採点,合否の決定等

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施設や設備 部屋

講義,実習,その他の活動 実習機器

シミュレーター,実験機器や器具 AV装置

コンピュータ,プロジェクタ,電灯 on-offマイク,アンプ

直前に慌てないようにリハーサルしておく

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政治的配慮 サポートが得られ、障壁が生まれない

ような準備を行う(いわゆる根回し) 内的

学部長,病院や各部門の上層部 シニアな教員 学生代表

外的出資母体や政府,関連施設

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管理 それぞれのプログラムによって様々

部屋のマネジメント スケジュール作成 教材や資料の準備履修や評価のデータとりまとめ関係の指導者との連絡 …

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カリキュラムの導入 パイロット

一部学生に一回やってみる 導入中

全学生がカリキュラムを受けるが,まだ公式に認められているわけではない状態

完全導入 シラバスが提供され,内容と評価が関連づけられ

ている.合否判定などにも関係する

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例 ) 地域医療学実習 少子高齢化社会において,ニーズが高い 文部科学省も GP等で推進している 時限で在宅医療学拠点の資金が付いている 乗り気でない教員もいたが,上記の状況等を踏まえ, 2013年秋から 5~6年次に導入

最初は半数の学生が実習を行ったが,場所が遠い,交通費がかかる,一部実習場所からはあまり受容されないなどの反応があった

・・・

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グループ討論のテーマ 何らかのテーマで、 1日 6 時間の

workshop を開催します 一般目標と個別目標を簡単に挙げてください workshop のプログラムを作ってください

個別目標と方略の関係を考えること 実施段階の課題を挙げて下さい

予算案、施設や設備、前もっての相談の必要性等