インターネッツの繋がるしくみ(物理層編) #sa_study
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インターネッツの繋がるしくみ
(物理層編)
スタジオ アルカナ 吉田 紳一郎・2016/03/03( 木 ) ひなまつり
SA Study #3
(免責事項)全体を通して悪ふざけが
混じっているように感じる方もいるかもしれませんが意識は低めでお願いします
過去の勉強会のおさらい
第 1 話: CSS 設計のお話
第 1 話: CSS 設計のお話
第 2 話: Monaca のお話
第 1 話: CSS 設計のお話
第 2 話: Monaca のお話
第 3 回:ネットワークのお話
きょうはコレ
関連性はもとめないスタンス。
なっちゃんが「お前、ネットワークのことくらい、あたしに教えろよ」
って圧力ガーーー
今回はネットワークのお話です
あと、
ハッシュタグは
#sa_studyらしいです
さて
みなさん、今日もインターネッツを使って時間をつぶしましたね?
ブラウザに URL を入力して、インターネッツにアクセスして、
コンテンツを閲覧して、ニヤニヤしていましたね?
ブラウザに URL を入力して、なぜ、コンテンツの閲覧が、
できるのでしょうか?
Web ブラウザ
Web ブラウザ
Web サーバー
Web ブラウザ
Web サーバー
インターネッツで つながっている!
なにかすごそうなもの
(写真は Eniac )
(画面は Mosaic )
というわけで、
ブラウザで URL を入力して、コンテンツが返ってくるまでを
追ってみましょう。
まず、
パソコンの繋がるネットワーク機器から
ノートパソコン
ノートパソコン 無線 LANアクセスポイント
ノートパソコン 無線 LANアクセスポイント
スイッチングハブ
ノートパソコン 無線 LANアクセスポイント
スイッチングハブ
ルーター
ノートパソコン 無線 LANアクセスポイント
スイッチングハブ
ルーターONU
ONU: 光回線終端装置
ノートパソコン 無線 LANアクセスポイント
スイッチングハブ
ルーターONU
ONU: 光回線終端装置
通信事業者様
ノートパソコン 無線 LANアクセスポイント
スイッチングハブ
ルーターこのへんまでの仕組みを
知ってれば、 Web アプリ開発はなんとかなるゲ。
ではさっそく、
無線 LAN
ノートパソコン 無線 LANアクセスポイント
ここ
無線 LAN ってなんだ?
IEEE 802.11 という規格※ IEEE : 米国電気電子学会
一般的に、電波で通信をする※ 赤外線を使う場合もある
時代によって、種類もいろいろ。進化を遂げている
世代 規格 周波数帯 通信速度 時代
1 IEEE 802.11 2.4 GHz 帯 2 Mbps 1997 年頃
2 IEEE 802.11b 2.4 GHz 帯 11 Mbps 1999 年頃
3IEEE 802.11a 5 GHz 帯 54 Mbps 1999 年頃
IEEE 802.11g 2.4 GHz 帯 54Mbps 2003 年頃
4 IEEE 802.11n 2.4 / 5 GHz 帯 65Mbps - 600Mbps
2009 年頃MIMO 4 本
5 IEEE 802.11ac 5 GHz 帯 292.5Mbps - 6.9Gbps
2014 年頃MIMO 8 本
※MIMO: Multiple Input Multiple Output 複数のアンテナを組み合わせてデータ送受信の帯域を広げる技術
これ
2.4GHz 帯は自由に使えるが、5GHz 帯を使うには免許が必要
※5.15 - 5.35GHz 帯域は移動体衛星通信システムで 利用されているため、電波法によって屋外での利用が 禁止されているのです。景気よくつかまるよ!
ちなみに、2.4 GHz 帯は電子レンジが
発する電波の周波数体なので、電子レンジ使用中に無線 LAN の
通信がしにくい時があるのはコレの影響。
11b,11g,11n が影響を受ける。
電波の干渉がある無線 LAN が通信を確立する仕組み
CSMA/CA
Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance
(搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式)
CSMA/CA
IEEE 802.11 で使われている通信プロトコル
CSMA/CA
1.搬送波感知( Carrier Sense )
2.多重アクセス( Multiple Access )
3.衝突回避( Collision Avoidance )
という仕組みで通信する
1.搬送波感知( Carrier Sense )
空中で他の無線 LAN が通信を行っていないかどうかを確認。
2.多重アクセス( Multiple Access )
他のデバイスが通信を行っていなければ、自分の通信を開始。
3.衝突回避( Collision Avoidance )
搬送波感知のときに、もし他のデバイスが通信していた場合は
送信をしないで、ランダム時間待機してから再送信。
無線 LAN を調べてみるとたくさん電波飛んでるのが
わかります。
こんな風に簡単に電波を調べられるということは、
悪意があったらデータを盗聴されちゃうかも!?
無線 LAN のセキュリティ
データの盗聴不正侵入
この 2点への対策が必要。
データの盗聴
データを盗聴されないようにするためには、データを
暗号化することで対策できます。
名称 暗号化方式暗号化
アルゴリズムセキュリティ
強度 補足
WEPWEP-40 RC4 ×
WEP は解析されるからもう使っちゃダメWEP-104 RC4 ×
WPATKIP RC4 △ TKIP は使わない方が
よい
(CCMP)任意 AES ◎ WPA2 が使えない場
合はこれかな
WPA2
(TKIP)任意 RC4 △ TKIP は使わない方が
よい
CCMP AES ◎ これが一番オススメ
※WPA は「 TKIP の実装を義務化、 CCMP の実装を任意」、 WPA2 は「 TKIP の実装は任意、 CCMP の実装は義務化」 なので、 WPA の暗号化に CCMP があったりなかったり、 WPA2 の暗号化に TKIP があったりなかったりします
不正侵入
不正侵入されないようにするためには、認証することや、
SSID をステルスにすること、接続可能な機器を制限することで対策できます。
SSID
SSID は無線 LAN のアクセスポイントの識別名。識別名を見えないようにすることで、セキュリティを向上
させることができます。SSID: Service Set Identifier
さて、ここでテストです。
無線 LAN(IEEE 802.11) に関する記述として,適切なものはどれか。
機器間の距離に制約がない。
情報の漏えいや盗聴の可能性がないので,セキュリティ対策は不要である。
赤外線や電波を利用しているので,接続機器の移動が容易である。
マイクロ波帯の電波を利用する場合は,電波法の規制を受けない。
ア
イ
ウ
エ
(出典)基本情報技術者 平成 14 年秋期 午前問 64
無線 LAN(IEEE 802.11) に関する記述として,適切なものはどれか。
機器間の距離に制約がない。
情報の漏えいや盗聴の可能性がないので,セキュリティ対策は不要である。
赤外線や電波を利用しているので,接続機器の移動が容易である。
マイクロ波帯の電波を利用する場合は,電波法の規制を受けない。
ア
イ
ウ
エ
(出典)基本情報技術者 平成 14 年秋期 午前問 64
ノートパソコン 無線 LANアクセスポイント
おわりました
無線 LANアクセスポイント
スイッチングハブ
次ここ
有線 LAN
有線 LAN ってなんだ?
IEEE 802.3 という規格( Ethernet )
その前に
OSI参照モデル
コンピュータの通信を階層構造に分けたモデル。
通信プロトコルを 7 つの階層に分けて定義している。
物理層
データリンク層
ネットワーク層
トランスポート層
セッション層
プレゼンテーション層
アプリケーション層
OSI参照モデルHTTPや FTP等の具体的な通信プロトコル
データの表現方法(文字コード変換など)
通信プログラム間の通信の開始から終了までの手順
ネットワークの端から端までの通信管理
ネットワークにおける通信経路の選択(ルーティング)
直接的に接続されている通信機器間の信号の受け渡し
物理的な接続。コネクタのピンの数、コネクタ形状の規定等。銅線 - 光ファイバ間の電気信号の変換等。
7
6
5
4
3
2
1
ノートパソコン 無線 LANアクセスポイント
スイッチングハブ
ルーター
この機器を例にすると、
物理層
データリンク層
ネットワーク層
トランスポート層
セッション層
プレゼンテーション層
アプリケーション層
こんな感じ
スイッチングハブ、無線 LAN アクセスポイント(ブリッジモード)
LANケーブル、無線 LAN の電波
ルーター、無線 LAN アクセスポイント(ルーターモード)
サーバー、パソコン
7
6
5
4
3
2
1
データリンク層
ネットワーク層
トランスポート層
アプリケーション層
メジャーなプロトコルでいうと
TCP 、 UDP
IP 、 ICMP(ping)
Ethernet 、 IEEE 802.11
HTTP 、 FTP 、 SMTP 、 DNS 、 IMAP 、 POP3 、SSH 、 Telnet 、など。
ここの 3 層はあんまり区別されず、アプリケーション層がほとんどその役割をもつ場合が多い。
物理層
プレゼンテーション層
セッション層
7
6
5
4
3
2
1
(出展) https://ja.wikipedia.org/wiki/ ルーター
データリンク層
ネットワーク層
トランスポート層
アプリケーション層
Ethernet 、 IEEE 802.11物理層
プレゼンテーション層
セッション層
今日はこのあたりの話をしている
7
6
5
4
3
2
1
LANケーブル
データリンク層
ネットワーク層
トランスポート層
アプリケーション層
←LANケーブル物理層
プレゼンテーション層
セッション層
7
6
5
4
3
2
1
LANケーブルにも種類がいろいろあります
10BASE-2
10BASE-51990 年代ぜんはん
10BASE-T
1990 年代こうはんツイストペアケーブル
50Ω同軸ケーブル
10M bps のじだい(むかし)
形は今の LANケーブルとおなじ
通信速度は 10Mbps形状はテレビの線みたいな感じ
1990 年代ぜんはん50Ω同軸ケーブル通信速度は 10Mbps形状はテレビの線みたいな感じ
通信速度は 10Mbps
カテゴリ 3 という種類のもの
LANケーブルの規格にはカテゴリーという区分があります
カテゴリー 略称 Ethernet 通信速度 伝送帯域 備考
カテゴリ 3 CAT3 10BASE-T 10M bps 16M Hz もう見かけない
カテゴリ 5 CAT5 100BASE-T 100M bps 100M Hz 500円 /1m
エンハンスドカテゴリ 5 CAT5E 1000BASE-T 1G bps 100M Hz 600円 /1m
カテゴリ 6 CAT6 1000BASE-T 1G bps 250M Hz 800円 /1m
エンハンスドカテゴリ 6 CAT6E 10GBASE-T 10G bps 500M Hz 900円 /1m
カテゴリ 7 CAT7 10GBASE-T 10G bps 600M Hz 3000円 /1mノイズに強い
※Ethernet 規格では、ケーブルに銅を使っているか、光ファイバーを使っているかなど、 他にも細かい仕様がたくさんあります。
※エンハンスドカテゴリ 6 ( CAT6E )は、規格上は Augmented Category 6 (CAT6A) と呼ばれます。
※カテゴリ1(電話線など)、カテゴリ2( ISDN など)、カテゴリ4(ほぼ使われていない)は割愛
お店で LANケーブルみるとパッケージに書かれています
リピーターという機器もあります
(延長コードみたいな感じ)
PoE (Power over Ethernet)という規格もあって、
LANケーブルから電源の供給ができるようにもなっています。
スイッチングハブ
データリンク層
ネットワーク層
トランスポート層
アプリケーション層
←スイッチングハブ
物理層
プレゼンテーション層
セッション層
7
6
5
4
3
2
1
差し込み口が複数あるけど、どうやって識別しているの?
MAC アドレス( Media Access Control address )
Ethernet に繋がる機器は世界で1つだけのアドレスであるMAC アドレスが割り当てられる(製造段階で割り当てられる)
これ
B8-F6-B1-10-A1-93
シリアル ID機器 IDベンダー ID
6つのオクテットで構成されていて規則が決まっている
※ちなみに、 B8-F6-B1 は Apple のベンダー ID 。 MacBook の人はみんなここ同じかな?
この MAC アドレスを使ってそれぞれの機器を識別します
たとえば、こんな風に繋がっている場合
パソコン A
B8-F6-B1-00-00-99
B8-F6-B1-00-00-44
パソコン B
B8-F6-B1-00-00-88
B8-F6-B1-00-00-11
スイッチングハブ
スイッチングハブ
ポート1 B8-F6-B1-00-00-88ポート2 なし
ポート3 なし
ポート4 B8-F6-B1-00-00-99
スイッチングハブは、どのポートにどの MAC アドレスの機器が
繋がっているか内部で保持している
MAC アドレステーブル
パソコン A パソコン B
スイッチングハブ
MAC アドレスを頼りにして機器同士の識別を行い通信する
IEEE 802.3 ( Ethernet )
物理的な LANケーブルの仕様とネットワーク機器同士が通信を行うためのプロトコルが定められている規格。
CSMA/CD
Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection(搬送波感知多重アクセス
/衝突検知方式)
CSMA/CD
IEEE 802.3 ( Ethernet )で使われている通信プロトコル
CSMA/CD
1.搬送波感知( Carrier Sense )
2.多重アクセス( Multiple Access )
3.衝突検知( Collision Detection )
という仕組みで通信する
1.搬送波感知( Carrier Sense )
ネットワーク上で他の機器が通信を行っていないかどうかを確認。
2.多重アクセス( Multiple Access )
他のデバイスが通信を行っていなければ、自分の通信を開始。
3.衝突回避( Collision Detection )
自分が通信中に他のデバイスが通信を開始して衝突を検知した場合は、ランダム時間待機して再送信。
CSMA/CD と CSMA/CA の違いは、衝突してから待機するのか、衝突する前に待機するのか、
というところ。
さて、ここでテストです。
CSMA/CD 方式の LAN に接続されたノードの送信動作に関する記述として,適切なものはどれか。
各ノードに論理的な順位付けを行い,送信権を順次受け渡し,これを受け取ったノードだけが送信を行う。
各ノードは伝送媒体が使用中かどうかを調べ,使用中でなければ送信を行う。衝突を検出したらランダムな時間経過後に再度送信を行う。
各ノードを環状に接続して,送信権を制御するための特殊なフレームを巡回させ,これを受け取ったノードだけが送信を行う。
タイムスロットを割り当てられたノードだけが送信を行う。
ア
イ
ウ
エ
(出典)基本情報技術者 平成 23 年特別 午前問 37
CSMA/CD 方式の LAN に接続されたノードの送信動作に関する記述として,適切なものはどれか。
各ノードに論理的な順位付けを行い,送信権を順次受け渡し,これを受け取ったノードだけが送信を行う。
各ノードは伝送媒体が使用中かどうかを調べ,使用中でなければ送信を行う。衝突を検出したらランダムな時間経過後に再度送信を行う。
各ノードを環状に接続して,送信権を制御するための特殊なフレームを巡回させ,これを受け取ったノードだけが送信を行う。
タイムスロットを割り当てられたノードだけが送信を行う。
ア
イ
ウ
エ
(出典)基本情報技術者 平成 23 年特別 午前問 37
もう一問。
CSMA/CD 方式による 10Mビット/秒の LAN の特徴として,適切なものはどれか。
送信フレームの衝突が生じたときは,送信端末は送出を中断し,乱数に従った待ち時間の後に再送する。
多数の端末が同時にデータを送出する場合は,伝送路が時分割多重化されるので, 10Mビット/秒の伝送速度は保証されない。
端末がデータの送信権を確保するためには,トークンを獲得する必要がある。
端末ごとにタイムスロットが決められるので,必ずそのタイミングでデータを送信する必要がある。
ア
イ
ウ
エ
(出典)基本情報技術者 平成 17 年秋期 午前問 54
CSMA/CD 方式による 10Mビット/秒の LAN の特徴として,適切なものはどれか。
送信フレームの衝突が生じたときは,送信端末は送出を中断し,乱数に従った待ち時間の後に再送する。
多数の端末が同時にデータを送出する場合は,伝送路が時分割多重化されるので, 10Mビット/秒の伝送速度は保証されない。
端末がデータの送信権を確保するためには,トークンを獲得する必要がある。
端末ごとにタイムスロットが決められるので,必ずそのタイミングでデータを送信する必要がある。
ア
イ
ウ
エ
(出典)基本情報技術者 平成 17 年秋期 午前問 54
でも、最近はスイッチングハブなどの
性能があがっているので、実際には衝突しない仕組みで通信
できるので、 CSMA/CD はもうそんなに使われていない。
(半二重通信の時代に使われていた仕組み)
無線 LANアクセスポイント
スイッチングハブ
おわりました( IEEE802.3 )
ノートパソコン
おわりました( IEEE802.11 )
スイッチングハブ
ルーター
次ここ
MAC アドレスと IP アドレスの関係
という話しに入りたかったんですが
今日はここまで。
データリンク層
ネットワーク層
トランスポート層
アプリケーション層
インターネッツの繋がるしくみ( TCP/IP 編)
物理層
プレゼンテーション層
セッション層
インターネッツの繋がるしくみ( DNS/HTTP 編)
へ つづく…
これを機にこちらもどうぞ★
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/nw.html
おしまい